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特許7614455不動産評価装置、不動産評価方法、および不動産評価プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-06
(45)【発行日】2025-01-15
(54)【発明の名称】不動産評価装置、不動産評価方法、および不動産評価プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/16 20240101AFI20250107BHJP
【FI】
G06Q50/16
【請求項の数】 45
(21)【出願番号】P 2024524572
(86)(22)【出願日】2023-11-30
(86)【国際出願番号】 JP2023042855
【審査請求日】2024-04-18
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】598049322
【氏名又は名称】株式会社三菱UFJ銀行
(73)【特許権者】
【識別番号】524151679
【氏名又は名称】衛星データサービス企画株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002491
【氏名又は名称】弁理士法人クロスボーダー特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】栗原 康平
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 進
(72)【発明者】
【氏名】榎本 直人
(72)【発明者】
【氏名】粂野 和孝
(72)【発明者】
【氏名】小暮 康弘
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 貴大
(72)【発明者】
【氏名】橋詰 卓実
(72)【発明者】
【氏名】笠原 寛史
(72)【発明者】
【氏名】野田 和宏
(72)【発明者】
【氏名】柏原 岳人
(72)【発明者】
【氏名】外口 靖
(72)【発明者】
【氏名】松本 豊
【審査官】佐藤 光起
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-059678(JP,A)
【文献】特開昭62-288963(JP,A)
【文献】特表2019-537770(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2022/0012918(US,A1)
【文献】岡田 寿史, 前橋市:固定資産税における航空写真AI解析クラウド実証(特集:自治体における先進的なAIの取り組み),[online],2021年11月15日,[検索日 2024.05.23], インターネット:<URL:https://web.archive.org/web/20211115005516/https://shop.gyosei.jp/online/archives/cat01/0000047387>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
評価対象の担保物件である対象不動産に関する情報が格納された評価対象情報に基づいて前記対象不動産の位置を含む対象範囲を取得する範囲取得部と、
前記対象範囲を含む観測範囲を有する、最新の観測時期を含む複数時期のリモートセンシング画像を取得し、前記リモートセンシング画像を画像解析することにより、前記対象不動産と前記対象不動産の周囲の道路との位置関係を示す道路関連情報であって前記対象不動産における担保物件の評価額の変化を評価するための道路関連情報を含む不動産評価情報を抽出する画像解析部と
を備え、
前記画像解析部は、
プロセッサにより、前記リモートセンシング画像として複数のリモートセンシング画像を取得し、前記複数のリモートセンシング画像におけるリモートセンシング画像同士の画像の変化を画像解析により抽出し、前記画像の変化から前記道路関連情報の変化を抽出し、
前記画像解析部は、
前記対象不動産について、前記対象範囲の範囲内の土地と建物の関係に応じて、前記対象範囲の範囲内に存在する土地のみ、前記対象範囲の範囲内に存在する建物のみ、および前記対象範囲の範囲内に存在する土地と建物の両方、のいずれかに対応する前記不動産評価情報を抽出する不動産評価装置。
【請求項2】
評価対象の担保物件である対象不動産に関する情報が格納された評価対象情報に基づいて前記対象不動産の位置を含む対象範囲を取得する範囲取得部と、
前記対象範囲を含む観測範囲を有する、最新の観測時期を含む複数時期のリモートセンシング画像を取得し、前記リモートセンシング画像を画像解析することにより、前記対象不動産と前記対象不動産の周囲の道路との位置関係を示す道路関連情報であって前記対象不動産における担保物件の評価額の変化を評価するための道路関連情報を含む不動産評価情報を抽出する画像解析部と
を備え、
前記画像解析部は、
プロセッサにより、前記リモートセンシング画像として複数のリモートセンシング画像を取得し、前記複数のリモートセンシング画像におけるリモートセンシング画像同士の画像の変化を画像解析により抽出し、前記画像の変化に基づいて前記道路関連情報に変化があった場合にアラートを出力し、
前記画像解析部は、
前記対象不動産について、前記対象範囲の範囲内の土地と建物の関係に応じて、前記対象範囲の範囲内に存在する土地のみ、前記対象範囲の範囲内に存在する建物のみ、および前記対象範囲の範囲内に存在する土地と建物の両方、のいずれかに対応する前記不動産評価情報を抽出する不動産評価装置。
【請求項3】
評価対象の担保物件である対象不動産に関する情報が格納された評価対象情報に基づいて前記対象不動産の位置を含む対象範囲を取得する範囲取得部と、
前記対象範囲を含む観測範囲を有する、最新の観測時期を含む複数時期のリモートセンシング画像を取得し、前記リモートセンシング画像を画像解析することにより、前記対象不動産と前記対象不動産の周囲の道路との位置関係を示す道路関連情報であって前記対象不動産における担保物件の評価額の変化を評価するための道路関連情報を含む不動産評価情報を抽出する画像解析部と
を備え、
前記画像解析部は、
プロセッサにより、前記リモートセンシング画像と不動産の境界情報である公図情報とを画像解析により比較し、比較結果に基づいて前記リモートセンシング画像の変化を抽出し、前記リモートセンシング画像の変化から前記道路関連情報の変化を抽出し、
前記画像解析部は、
前記対象不動産について、前記対象範囲の範囲内の土地と建物の関係に応じて、前記対象範囲の範囲内に存在する土地のみ、前記対象範囲の範囲内に存在する建物のみ、および前記対象範囲の範囲内に存在する土地と建物の両方、のいずれかに対応する前記不動産評価情報を抽出する不動産評価装置。
【請求項4】
評価対象の担保物件である対象不動産に関する情報が格納された評価対象情報に基づいて前記対象不動産の位置を含む対象範囲を取得する範囲取得部と、
前記対象範囲を含む観測範囲を有する、最新の観測時期を含む複数時期のリモートセンシング画像を取得し、前記リモートセンシング画像を画像解析することにより、前記対象不動産と前記対象不動産の周囲の道路との位置関係を示す道路関連情報であって前記対象不動産における担保物件の評価額の変化を評価するための道路関連情報を含む不動産評価情報を抽出する画像解析部と
を備え、
前記画像解析部は、
プロセッサにより、前記対象範囲を含む地理空間情報を取得し、前記リモートセンシング画像と前記地理空間情報とを画像解析により比較し、比較結果に基づいて前記リモートセンシング画像の変化を抽出し、前記リモートセンシング画像の変化から前記道路関連情報の変化を抽出し、
前記画像解析部は、
前記対象不動産について、前記対象範囲の範囲内の土地と建物の関係に応じて、前記対象範囲の範囲内に存在する土地のみ、前記対象範囲の範囲内に存在する建物のみ、および前記対象範囲の範囲内に存在する土地と建物の両方、のいずれかに対応する前記不動産評価情報を抽出する不動産評価装置。
【請求項5】
評価対象の担保物件である対象不動産に関する情報が格納された評価対象情報に基づいて前記対象不動産の位置を含む対象範囲を取得する範囲取得部と、
前記対象範囲を含む観測範囲を有する、最新の観測時期を含む複数時期のリモートセンシング画像を取得し、前記リモートセンシング画像を画像解析することにより、前記対象不動産と前記対象不動産の周囲の道路との位置関係を示す道路関連情報であって前記対象不動産における担保物件の評価額の変化を評価するための道路関連情報を含む不動産評価情報を抽出する画像解析部と、
前記不動産評価情報を用いて担保物件である前記対象不動産を評価する評価部と
を備え、
前記画像解析部は、
プロセッサにより、前記リモートセンシング画像として複数のリモートセンシング画像を取得し、前記複数のリモートセンシング画像におけるリモートセンシング画像同士の画像の変化を画像解析により抽出し、前記画像の変化から前記道路関連情報の変化を抽出し、
前記評価部は、
前記対象不動産に対応する建物が、前記対象不動産に対応する複数地番に収まっているか、あるいは前記複数地番とは別の地番にはみ出しているかを示す、前記対象不動産における地番と建物と隣地境界との関係を示す評価指標に基づいて前記対象不動産を評価する不動産評価装置。
【請求項6】
評価対象の担保物件である対象不動産に関する情報が格納された評価対象情報に基づいて前記対象不動産の位置を含む対象範囲を取得する範囲取得部と、
前記対象範囲を含む観測範囲を有する、最新の観測時期を含む複数時期のリモートセンシング画像を取得し、前記リモートセンシング画像を画像解析することにより、前記対象不動産と前記対象不動産の周囲の道路との位置関係を示す道路関連情報であって前記対象不動産における担保物件の評価額の変化を評価するための道路関連情報を含む不動産評価情報を抽出する画像解析部と、
前記不動産評価情報を用いて担保物件である前記対象不動産を評価する評価部と
を備え、
前記画像解析部は、
プロセッサにより、前記リモートセンシング画像として複数のリモートセンシング画像を取得し、前記複数のリモートセンシング画像におけるリモートセンシング画像同士の画像の変化を画像解析により抽出し、前記画像の変化に基づいて前記道路関連情報に変化があった場合にアラートを出力し、
前記評価部は、
前記対象不動産に対応する建物が、前記対象不動産に対応する複数地番に収まっているか、あるいは前記複数地番とは別の地番にはみ出しているかを示す、前記対象不動産における地番と建物と隣地境界との関係を示す評価指標に基づいて前記対象不動産を評価する不動産評価装置。
【請求項7】
評価対象の担保物件である対象不動産に関する情報が格納された評価対象情報に基づいて前記対象不動産の位置を含む対象範囲を取得する範囲取得部と、
前記対象範囲を含む観測範囲を有する、最新の観測時期を含む複数時期のリモートセンシング画像を取得し、前記リモートセンシング画像を画像解析することにより、前記対象不動産と前記対象不動産の周囲の道路との位置関係を示す道路関連情報であって前記対象不動産における担保物件の評価額の変化を評価するための道路関連情報を含む不動産評価情報を抽出する画像解析部と、
前記不動産評価情報を用いて担保物件である前記対象不動産を評価する評価部と
を備え、
前記画像解析部は、
プロセッサにより、前記リモートセンシング画像と不動産の境界情報である公図情報とを画像解析により比較し、比較結果に基づいて前記リモートセンシング画像の変化を抽出し、前記リモートセンシング画像の変化から前記道路関連情報の変化を抽出し、
前記評価部は、
前記対象不動産に対応する建物が、前記対象不動産に対応する複数地番に収まっているか、あるいは前記複数地番とは別の地番にはみ出しているかを示す、前記対象不動産における地番と建物と隣地境界との関係を示す評価指標に基づいて前記対象不動産を評価する不動産評価装置。
【請求項8】
評価対象の担保物件である対象不動産に関する情報が格納された評価対象情報に基づいて前記対象不動産の位置を含む対象範囲を取得する範囲取得部と、
前記対象範囲を含む観測範囲を有する、最新の観測時期を含む複数時期のリモートセンシング画像を取得し、前記リモートセンシング画像を画像解析することにより、前記対象不動産と前記対象不動産の周囲の道路との位置関係を示す道路関連情報であって前記対象不動産における担保物件の評価額の変化を評価するための道路関連情報を含む不動産評価情報を抽出する画像解析部と、
前記不動産評価情報を用いて担保物件である前記対象不動産を評価する評価部と
を備え、
前記画像解析部は、
プロセッサにより、前記対象範囲を含む地理空間情報を取得し、前記リモートセンシング画像と前記地理空間情報とを画像解析により比較し、比較結果に基づいて前記リモートセンシング画像の変化を抽出し、前記リモートセンシング画像の変化から前記道路関連情報の変化を抽出し、
前記評価部は、
前記対象不動産に対応する建物が、前記対象不動産に対応する複数地番に収まっているか、あるいは前記複数地番とは別の地番にはみ出しているかを示す、前記対象不動産における地番と建物と隣地境界との関係を示す評価指標に基づいて前記対象不動産を評価する不動産評価装置。
【請求項9】
評価対象の担保物件である対象不動産に関する情報が格納された評価対象情報に基づいて前記対象不動産の位置を含む対象範囲を取得する範囲取得部と、
前記対象範囲を含む観測範囲を有する、最新の観測時期を含む複数時期のリモートセンシング画像を取得し、前記リモートセンシング画像を画像解析することにより、前記対象不動産と前記対象不動産の周囲の道路との位置関係を示す道路関連情報であって前記対象不動産における担保物件の評価額の変化を評価するための道路関連情報を含む不動産評価情報を抽出する画像解析部と
を備え、
前記画像解析部は、
プロセッサにより、前記リモートセンシング画像として複数のリモートセンシング画像を取得し、前記複数のリモートセンシング画像におけるリモートセンシング画像同士の画像の変化を画像解析により抽出し、前記画像の変化に基づいて前記道路関連情報に変化があった場合にアラートを出力し、
前記画像解析部は、
特定の地番を指定し、前記特定の地番における画像の時系列な変化を前記アラートにより抽出する、もしくは前記特定の地番に対応した土地において隣地境界あるいは接道の変化があった場合に前記アラートを出す不動産評価装置。
【請求項10】
前記範囲取得部は、
地番あるいは地番に対応した代表的な位置座標情報を含む不動産の位置情報と、
土地、建物、家屋番号、あるいは家屋番号に対応した代表的な位置座標情報を含む不動産の位置情報と、
土地と建物の関係を含む情報と、
が登録された不動産データベースを参照し、地番もしくは家屋番号の情報に対応した前記対象不動産の位置情報を得て、前記対象不動産の位置を含む前記対象範囲を取得する請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の不動産評価装置。
【請求項11】
前記地理空間情報は、地番に対応した登記簿謄本および建物図面の代表点または基準点の位置座標と、測量図面、あるいは地積測量図における地番に対応した代表点または基準点の位置座標と、公図あるいは地図における地番に対応した代表点または基準点の位置座標を格納しており、
前記画像解析部は、
前記地理空間情報を格納している地理空間情報データベースから、地番に対応した位置座標を取得し、リモートセンシング画像における基準位置と照合する請求項4または請求項8に記載の不動産評価装置。
【請求項12】
前記画像解析部が取得する前記リモートセンシング画像は、人工衛星による撮影画像である請求項1から請求項のいずれか1項に記載の不動産評価装置。
【請求項13】
前記画像解析部は、
前記対象不動産と前記周囲の道路と接道しているか否か変化を前記道路関連情報の変化として抽出する請求項1から請求項のいずれか1項に記載の不動産評価装置。
【請求項14】
前記画像解析部は、
前記対象不動産における間口の長さの変化を前記道路関連情報の変化として抽出する請求項1から請求項のいずれか1項に記載の不動産評価装置。
【請求項15】
前記画像解析部は、
前記対象範囲を含む観測範囲を観測する観測要求に応じて新規に撮影された前記リモートセンシング画像を取得する請求項1から請求項のいずれか1項に記載の不動産評価装置。
【請求項16】
前記画像解析部は、
1回の撮像あるいは複数回の撮像で特定の地番を含む対象範囲を包含するように撮像計画を立て、前記リモートセンシング画像として前記特定の地番に対応した時系列のリモートセンシング画像を得て、前記特定の地番に対応した前記不動産評価情報を抽出する請求項1から請求項のいずれか1項に記載の不動産評価装置。
【請求項17】
前記画像解析部は、
前記対象不動産と他の不動産との境界の状態を示す情報である隣地境界情報を含む前記不動産評価情報を抽出する請求項1から請求項のいずれか1項に記載の不動産評価装置。
【請求項18】
前記画像解析部は、
前記対象不動産における、土地の整形度、土地の傾斜、周囲の高圧線の状態、周囲の電線の状態、周辺の道路の有無、周辺の道路の太さ、および周辺の住宅密度と、の少なくとも1つの情報を含む前記不動産評価情報を抽出する請求項1から請求項のいずれか1項に記載の不動産評価装置。
【請求項19】
前記画像解析部は、
前記リモートセンシング画像から、前記対象不動産の周辺の道路と地物とを抽出し、前記対象不動産の周辺の道路と地物との位置関係を解析することにより、前記道路関連情報を抽出する請求項1から請求項のいずれか1項に記載の不動産評価装置。
【請求項20】
前記不動産評価装置は、
前記不動産評価情報を用いて前記対象不動産を評価し、評価結果を示す評価報告書を作成する評価部を備える請求項1から請求項のいずれか1項に記載の不動産評価装置。
【請求項21】
前記不動産評価装置は、
前記評価対象情報に格納されている前記対象不動産に関する情報と前記不動産評価情報とを比較して変化があるか否かを判定し、変化があれば前記評価対象情報を更新する更新部を備える請求項1から請求項のいずれか1項に記載の不動産評価装置。
【請求項22】
前記不動産評価装置は、
不動産に関する情報が登録されている不動産データベースと通信する通信装置を備え、
前記更新部は、
前記評価対象情報に格納されている前記対象不動産に関する情報と前記不動産評価情報とを比較して変化があるか否かを判定し、変化があれば前記不動産データベースを更新する更新情報を生成し、前記通信装置を介して前記不動産データベースに前記更新情報を送信する請求項21に記載の不動産評価装置。
【請求項23】
前記更新部は、
前記評価対象情報を更新後、前記評価対象情報に格納されている前記対象不動産に関する情報のうち情報が設定されていない項目があるか否かを判定し、前記不動産評価情報で更新することができずに情報が設定されていない項目がある場合に、前記不動産評価情報で更新することができない情報を現地調査で確認するために用いるサポート情報を生成する請求項21に記載の不動産評価装置。
【請求項24】
前記不動産評価装置は、
前記対象不動産を評価する評価項目の一覧である評価項目一覧情報を記憶部に備え、
前記更新部は、
前記評価対象情報に格納されている前記対象不動産に関する情報と前記評価項目一覧情報とを比較し、前記評価対象情報に格納されている前記対象不動産に関する情報のうち情報が設定されてない項目を前記不動産評価情報で更新することができない情報として、前記サポート情報を生成する請求項23に記載の不動産評価装置。
【請求項25】
前記画像解析部は、
前記リモートセンシング画像として複数のリモートセンシング画像を取得し、前記複数のリモートセンシング画像におけるリモートセンシング画像同士の画像の変化を抽出し、前記画像の変化を前記評価報告書に反映する請求項20に記載の不動産評価装置。
【請求項26】
前記画像解析部は、
前記リモートセンシング画像と不動産の境界情報である公図情報とを比較し、比較結果を前記評価報告書に反映する請求項25に記載の不動産評価装置。
【請求項27】
前記画像解析部は、
前記対象範囲を含む地理空間情報を取得し、前記リモートセンシング画像と前記地理空間情報を用いて、前記不動産評価情報を抽出する請求項1から請求項のいずれか1項に記載の不動産評価装置。
【請求項28】
コンピュータが、評価対象の担保物件である対象不動産に関する情報が格納された評価対象情報に基づいて前記対象不動産の位置を含む対象範囲を取得し、
コンピュータが、前記対象範囲を含む観測範囲を有する、最新の観測時期を含む複数時期のリモートセンシング画像を取得し、前記リモートセンシング画像を画像解析することにより、前記対象不動産と前記対象不動産の周囲の道路との位置関係を示す道路関連情報であって前記対象不動産における担保物件の評価額の変化を評価するための道路関連情報を含む不動産評価情報を抽出し、
コンピュータが、プロセッサにより、前記リモートセンシング画像として複数のリモートセンシング画像を取得し、前記複数のリモートセンシング画像におけるリモートセンシング画像同士の画像の変化を画像解析により抽出し、前記画像の変化から前記道路関連情報の変化を抽出し、
コンピュータが、前記対象不動産について、前記対象範囲の範囲内の土地と建物の関係に応じて、前記対象範囲の範囲内に存在する土地のみ、前記対象範囲の範囲内に存在する建物のみ、および前記対象範囲の範囲内に存在する土地と建物の両方、のいずれかに対応する前記不動産評価情報を抽出する不動産評価方法。
【請求項29】
コンピュータが、評価対象の担保物件である対象不動産に関する情報が格納された評価対象情報に基づいて前記対象不動産の位置を含む対象範囲を取得し、
コンピュータが、前記対象範囲を含む観測範囲を有する、最新の観測時期を含む複数時期のリモートセンシング画像を取得し、前記リモートセンシング画像を画像解析することにより、前記対象不動産と前記対象不動産の周囲の道路との位置関係を示す道路関連情報であって前記対象不動産における担保物件の評価額の変化を評価するための道路関連情報を含む不動産評価情報を抽出し、
コンピュータが、プロセッサにより、前記リモートセンシング画像として複数のリモートセンシング画像を取得し、前記複数のリモートセンシング画像におけるリモートセンシング画像同士の画像の変化を画像解析により抽出し、前記画像の変化に基づいて前記道路関連情報に変化があった場合にアラートを出力し、
コンピュータが、前記対象不動産について、前記対象範囲の範囲内の土地と建物の関係に応じて、前記対象範囲の範囲内に存在する土地のみ、前記対象範囲の範囲内に存在する建物のみ、および前記対象範囲の範囲内に存在する土地と建物の両方、のいずれかに対応する前記不動産評価情報を抽出する不動産評価方法。
【請求項30】
コンピュータが、評価対象の担保物件である対象不動産に関する情報が格納された評価対象情報に基づいて前記対象不動産の位置を含む対象範囲を取得し、
コンピュータが、前記対象範囲を含む観測範囲を有する、最新の観測時期を含む複数時期のリモートセンシング画像を取得し、前記リモートセンシング画像を画像解析することにより、前記対象不動産と前記対象不動産の周囲の道路との位置関係を示す道路関連情報であって前記対象不動産における担保物件の評価額の変化を評価するための道路関連情報を含む不動産評価情報を抽出し、
コンピュータが、プロセッサにより、前記リモートセンシング画像と不動産の境界情報である公図情報とを画像解析により比較し、比較結果に基づいて前記リモートセンシング画像の変化を抽出し、前記リモートセンシング画像の変化から前記道路関連情報の変化を抽出し、
コンピュータが、前記対象不動産について、前記対象範囲の範囲内の土地と建物の関係に応じて、前記対象範囲の範囲内に存在する土地のみ、前記対象範囲の範囲内に存在する建物のみ、および前記対象範囲の範囲内に存在する土地と建物の両方、のいずれかに対応する前記不動産評価情報を抽出する不動産評価方法。
【請求項31】
コンピュータが、評価対象の担保物件である対象不動産に関する情報が格納された評価対象情報に基づいて前記対象不動産の位置を含む対象範囲を取得し、
コンピュータが、前記対象範囲を含む観測範囲を有する、最新の観測時期を含む複数時期のリモートセンシング画像を取得し、前記リモートセンシング画像を画像解析することにより、前記対象不動産と前記対象不動産の周囲の道路との位置関係を示す道路関連情報であって前記対象不動産における担保物件の評価額の変化を評価するための道路関連情報を含む不動産評価情報を抽出し、
コンピュータが、プロセッサにより、前記対象範囲を含む地理空間情報を取得し、前記リモートセンシング画像と前記地理空間情報を画像解析により比較し、比較結果に基づいて前記リモートセンシング画像の変化を抽出し、前記リモートセンシング画像の変化から前記道路関連情報の変化を抽出し、
コンピュータが、前記対象不動産について、前記対象範囲の範囲内の土地と建物の関係に応じて、前記対象範囲の範囲内に存在する土地のみ、前記対象範囲の範囲内に存在する建物のみ、および前記対象範囲の範囲内に存在する土地と建物の両方、のいずれかに対応する前記不動産評価情報を抽出する不動産評価方法。
【請求項32】
評価対象の担保物件である対象不動産に関する情報が格納された評価対象情報に基づいて前記対象不動産の位置を含む対象範囲を取得する範囲取得処理と、
前記対象範囲を含む観測範囲を有する、最新の観測時期を含む複数時期のリモートセンシング画像を取得し、前記リモートセンシング画像を画像解析することにより、前記対象不動産と前記対象不動産の周囲の道路との位置関係を示す道路関連情報であって前記対象不動産における担保物件の評価額の変化を評価するための道路関連情報を含む不動産評価情報を抽出する画像解析処理と
をコンピュータに実行させる不動産評価プログラムであって、
前記画像解析処理は、
プロセッサにより、前記リモートセンシング画像として複数のリモートセンシング画像を取得し、前記複数のリモートセンシング画像におけるリモートセンシング画像同士の画像の変化を画像解析により抽出し、前記画像の変化から前記道路関連情報の変化を抽出し、
前記画像解析処理は、
前記対象不動産について、前記対象範囲の範囲内の土地と建物の関係に応じて、前記対象範囲の範囲内に存在する土地のみ、前記対象範囲の範囲内に存在する建物のみ、および前記対象範囲の範囲内に存在する土地と建物の両方、のいずれかに対応する前記不動産評価情報を抽出する不動産評価プログラム。
【請求項33】
評価対象の担保物件である対象不動産に関する情報が格納された評価対象情報に基づいて前記対象不動産の位置を含む対象範囲を取得する範囲取得処理と、
前記対象範囲を含む観測範囲を有する、最新の観測時期を含む複数時期のリモートセンシング画像を取得し、前記リモートセンシング画像を画像解析することにより、前記対象不動産と前記対象不動産の周囲の道路との位置関係を示す道路関連情報であって前記対象不動産における担保物件の評価額の変化を評価するための道路関連情報を含む不動産評価情報を抽出する画像解析処理と
をコンピュータに実行させる不動産評価プログラムであって、
前記画像解析処理は、
プロセッサにより、前記リモートセンシング画像として複数のリモートセンシング画像を取得し、前記複数のリモートセンシング画像におけるリモートセンシング画像同士の画像の変化を画像解析により抽出し、前記画像の変化に基づいて前記道路関連情報に変化があった場合にアラートを出力し、
前記画像解析処理は、
前記対象不動産について、前記対象範囲の範囲内の土地と建物の関係に応じて、前記対象範囲の範囲内に存在する土地のみ、前記対象範囲の範囲内に存在する建物のみ、および前記対象範囲の範囲内に存在する土地と建物の両方、のいずれかに対応する前記不動産評価情報を抽出する不動産評価プログラム。
【請求項34】
評価対象の担保物件である対象不動産に関する情報が格納された評価対象情報に基づいて前記対象不動産の位置を含む対象範囲を取得する範囲取得処理と、
前記対象範囲を含む観測範囲を有する、最新の観測時期を含む複数時期のリモートセンシング画像を取得し、前記リモートセンシング画像を画像解析することにより、前記対象不動産と前記対象不動産の周囲の道路との位置関係を示す道路関連情報であって前記対象不動産における担保物件の評価額の変化を評価するための道路関連情報を含む不動産評価情報を抽出する画像解析処理と
をコンピュータに実行させる不動産評価プログラムであって、
前記画像解析処理は、
プロセッサにより、前記リモートセンシング画像と不動産の境界情報である公図情報とを画像解析により比較し、比較結果に基づいて前記リモートセンシング画像の変化を抽出し、前記リモートセンシング画像の変化から前記道路関連情報の変化を抽出し、
前記画像解析処理は、
前記対象不動産について、前記対象範囲の範囲内の土地と建物の関係に応じて、前記対象範囲の範囲内に存在する土地のみ、前記対象範囲の範囲内に存在する建物のみ、および前記対象範囲の範囲内に存在する土地と建物の両方、のいずれかに対応する前記不動産評価情報を抽出する不動産評価プログラム。
【請求項35】
評価対象の担保物件である対象不動産に関する情報が格納された評価対象情報に基づいて前記対象不動産の位置を含む対象範囲を取得する範囲取得処理と、
前記対象範囲を含む観測範囲を有する、最新の観測時期を含む複数時期のリモートセンシング画像を取得し、前記リモートセンシング画像を画像解析することにより、前記対象不動産と前記対象不動産の周囲の道路との位置関係を示す道路関連情報であって前記対象不動産における担保物件の評価額の変化を評価するための道路関連情報を含む不動産評価情報を抽出する画像解析処理と
をコンピュータに実行させる不動産評価プログラムであって、
前記画像解析処理は、
プロセッサにより、前記対象範囲を含む地理空間情報を取得し、前記リモートセンシング画像と前記地理空間情報を画像解析により比較し、比較結果に基づいて前記リモートセンシング画像の変化を抽出し、前記リモートセンシング画像の変化から前記道路関連情報の変化を抽出し、
前記画像解析処理は、
前記対象不動産について、前記対象範囲の範囲内の土地と建物の関係に応じて、前記対象範囲の範囲内に存在する土地のみ、前記対象範囲の範囲内に存在する建物のみ、および前記対象範囲の範囲内に存在する土地と建物の両方、のいずれかに対応する前記不動産評価情報を抽出する不動産評価プログラム。
【請求項36】
コンピュータが、評価対象の担保物件である対象不動産に関する情報が格納された評価対象情報に基づいて前記対象不動産の位置を含む対象範囲を取得し、
コンピュータが、前記対象範囲を含む観測範囲を有する、最新の観測時期を含む複数時期のリモートセンシング画像を取得し、前記リモートセンシング画像を画像解析することにより、前記対象不動産と前記対象不動産の周囲の道路との位置関係を示す道路関連情報であって前記対象不動産における担保物件の評価額の変化を評価するための道路関連情報を含む不動産評価情報を抽出し、
コンピュータが、前記不動産評価情報を用いて担保物件である前記対象不動産を評価し、
コンピュータが、プロセッサにより、前記リモートセンシング画像として複数のリモートセンシング画像を取得し、前記複数のリモートセンシング画像におけるリモートセンシング画像同士の画像の変化を画像解析により抽出し、前記画像の変化から前記道路関連情報の変化を抽出し、
コンピュータが、前記対象不動産に対応する建物が、前記対象不動産に対応する複数地番に収まっているか、あるいは前記複数地番とは別の地番にはみ出しているかを示す、前記対象不動産における地番と建物と隣地境界との関係を示す評価指標に基づいて前記対象不動産を評価する不動産評価方法。
【請求項37】
コンピュータが、評価対象の担保物件である対象不動産に関する情報が格納された評価対象情報に基づいて前記対象不動産の位置を含む対象範囲を取得し、
コンピュータが、前記対象範囲を含む観測範囲を有する、最新の観測時期を含む複数時期のリモートセンシング画像を取得し、前記リモートセンシング画像を画像解析することにより、前記対象不動産と前記対象不動産の周囲の道路との位置関係を示す道路関連情報であって前記対象不動産における担保物件の評価額の変化を評価するための道路関連情報を含む不動産評価情報を抽出し、
コンピュータが、前記不動産評価情報を用いて担保物件である前記対象不動産を評価し、
コンピュータが、プロセッサにより、前記リモートセンシング画像として複数のリモートセンシング画像を取得し、前記複数のリモートセンシング画像におけるリモートセンシング画像同士の画像の変化を画像解析により抽出し、前記画像の変化に基づいて前記道路関連情報に変化があった場合にアラートを出力し、
コンピュータが、前記対象不動産に対応する建物が、前記対象不動産に対応する複数地番に収まっているか、あるいは前記複数地番とは別の地番にはみ出しているかを示す、前記対象不動産における地番と建物と隣地境界との関係を示す評価指標に基づいて前記対象不動産を評価する不動産評価方法。
【請求項38】
コンピュータが、評価対象の担保物件である対象不動産に関する情報が格納された評価対象情報に基づいて前記対象不動産の位置を含む対象範囲を取得し、
コンピュータが、前記対象範囲を含む観測範囲を有する、最新の観測時期を含む複数時期のリモートセンシング画像を取得し、前記リモートセンシング画像を画像解析することにより、前記対象不動産と前記対象不動産の周囲の道路との位置関係を示す道路関連情報であって前記対象不動産における担保物件の評価額の変化を評価するための道路関連情報を含む不動産評価情報を抽出し、
コンピュータが、前記不動産評価情報を用いて担保物件である前記対象不動産を評価し、
コンピュータが、プロセッサにより、前記リモートセンシング画像と不動産の境界情報である公図情報とを画像解析により比較し、比較結果に基づいて前記リモートセンシング画像の変化を抽出し、前記リモートセンシング画像の変化から前記道路関連情報の変化を抽出し、
コンピュータが、前記対象不動産に対応する建物が、前記対象不動産に対応する複数地番に収まっているか、あるいは前記複数地番とは別の地番にはみ出しているかを示す、前記対象不動産における地番と建物と隣地境界との関係を示す評価指標に基づいて前記対象不動産を評価する不動産評価方法。
【請求項39】
コンピュータが、評価対象の担保物件である対象不動産に関する情報が格納された評価対象情報に基づいて前記対象不動産の位置を含む対象範囲を取得し、
コンピュータが、前記対象範囲を含む観測範囲を有する、最新の観測時期を含む複数時期のリモートセンシング画像を取得し、前記リモートセンシング画像を画像解析することにより、前記対象不動産と前記対象不動産の周囲の道路との位置関係を示す道路関連情報であって前記対象不動産における担保物件の評価額の変化を評価するための道路関連情報を含む不動産評価情報を抽出し、
コンピュータが、前記不動産評価情報を用いて担保物件である前記対象不動産を評価し、
コンピュータが、プロセッサにより、前記対象範囲を含む地理空間情報を取得し、前記リモートセンシング画像と前記地理空間情報とを画像解析により比較し、比較結果に基づいて前記リモートセンシング画像の変化を抽出し、前記リモートセンシング画像の変化から前記道路関連情報の変化を抽出し、
コンピュータが、前記対象不動産に対応する建物が、前記対象不動産に対応する複数地番に収まっているか、あるいは前記複数地番とは別の地番にはみ出しているかを示す、前記対象不動産における地番と建物と隣地境界との関係を示す評価指標に基づいて前記対象不動産を評価する不動産評価方法。
【請求項40】
コンピュータが、評価対象の担保物件である対象不動産に関する情報が格納された評価対象情報に基づいて前記対象不動産の位置を含む対象範囲を取得し、
コンピュータが、前記対象範囲を含む観測範囲を有する、最新の観測時期を含む複数時期のリモートセンシング画像を取得し、前記リモートセンシング画像を画像解析することにより、前記対象不動産と前記対象不動産の周囲の道路との位置関係を示す道路関連情報であって前記対象不動産における担保物件の評価額の変化を評価するための道路関連情報を含む不動産評価情報を抽出し、
コンピュータが、プロセッサにより、前記リモートセンシング画像として複数のリモートセンシング画像を取得し、前記複数のリモートセンシング画像におけるリモートセンシング画像同士の画像の変化を画像解析により抽出し、前記画像の変化に基づいて前記道路関連情報に変化があった場合にアラートを出力し、
コンピュータが、特定の地番を指定し、前記特定の地番における画像の時系列な変化を前記アラートにより抽出する、もしくは前記特定の地番に対応した土地において隣地境界あるいは接道の変化があった場合に前記アラートを出す不動産評価方法。
【請求項41】
評価対象の担保物件である対象不動産に関する情報が格納された評価対象情報に基づいて前記対象不動産の位置を含む対象範囲を取得する範囲取得処理と、
前記対象範囲を含む観測範囲を有する、最新の観測時期を含む複数時期のリモートセンシング画像を取得し、前記リモートセンシング画像を画像解析することにより、前記対象不動産と前記対象不動産の周囲の道路との位置関係を示す道路関連情報であって前記対象不動産における担保物件の評価額の変化を評価するための道路関連情報を含む不動産評価情報を抽出する画像解析処理と、
前記不動産評価情報を用いて担保物件である前記対象不動産を評価する評価処理と
をコンピュータに実行させる不動産評価プログラムであって、
前記画像解析処理は、
プロセッサにより、前記リモートセンシング画像として複数のリモートセンシング画像を取得し、前記複数のリモートセンシング画像におけるリモートセンシング画像同士の画像の変化を画像解析により抽出し、前記画像の変化から前記道路関連情報の変化を抽出し、
前記評価処理は、
前記対象不動産に対応する建物が、前記対象不動産に対応する複数地番に収まっているか、あるいは前記複数地番とは別の地番にはみ出しているかを示す、前記対象不動産における地番と建物と隣地境界との関係を示す評価指標に基づいて前記対象不動産を評価する不動産評価プログラム。
【請求項42】
評価対象の担保物件である対象不動産に関する情報が格納された評価対象情報に基づいて前記対象不動産の位置を含む対象範囲を取得する範囲取得処理と、
前記対象範囲を含む観測範囲を有する、最新の観測時期を含む複数時期のリモートセンシング画像を取得し、前記リモートセンシング画像を画像解析することにより、前記対象不動産と前記対象不動産の周囲の道路との位置関係を示す道路関連情報であって前記対象不動産における担保物件の評価額の変化を評価するための道路関連情報を含む不動産評価情報を抽出する画像解析処理と、
前記不動産評価情報を用いて担保物件である前記対象不動産を評価する評価処理と
をコンピュータに実行させる不動産評価プログラムであって、
前記画像解析処理は、
プロセッサにより、前記リモートセンシング画像として複数のリモートセンシング画像を取得し、前記複数のリモートセンシング画像におけるリモートセンシング画像同士の画像の変化を画像解析により抽出し、前記画像の変化に基づいて前記道路関連情報に変化があった場合にアラートを出力し、
前記評価処理は、
前記対象不動産に対応する建物が、前記対象不動産に対応する複数地番に収まっているか、あるいは前記複数地番とは別の地番にはみ出しているかを示す、前記対象不動産における地番と建物と隣地境界との関係を示す評価指標に基づいて前記対象不動産を評価する不動産評価プログラム。
【請求項43】
評価対象の担保物件である対象不動産に関する情報が格納された評価対象情報に基づいて前記対象不動産の位置を含む対象範囲を取得する範囲取得処理と、
前記対象範囲を含む観測範囲を有する、最新の観測時期を含む複数時期のリモートセンシング画像を取得し、前記リモートセンシング画像を画像解析することにより、前記対象不動産と前記対象不動産の周囲の道路との位置関係を示す道路関連情報であって前記対象不動産における担保物件の評価額の変化を評価するための道路関連情報を含む不動産評価情報を抽出する画像解析処理と、
前記不動産評価情報を用いて担保物件である前記対象不動産を評価する評価処理と
をコンピュータに実行させる不動産評価プログラムであって、
前記画像解析処理は、
プロセッサにより、前記リモートセンシング画像と不動産の境界情報である公図情報とを画像解析により比較し、比較結果に基づいて前記リモートセンシング画像の変化を抽出し、前記リモートセンシング画像の変化から前記道路関連情報の変化を抽出し、
前記評価処理は、
前記対象不動産に対応する建物が、前記対象不動産に対応する複数地番に収まっているか、あるいは前記複数地番とは別の地番にはみ出しているかを示す、前記対象不動産における地番と建物と隣地境界との関係を示す評価指標に基づいて前記対象不動産を評価する不動産評価プログラム。
【請求項44】
評価対象の担保物件である対象不動産に関する情報が格納された評価対象情報に基づいて前記対象不動産の位置を含む対象範囲を取得する範囲取得処理と、
前記対象範囲を含む観測範囲を有する、最新の観測時期を含む複数時期のリモートセンシング画像を取得し、前記リモートセンシング画像を画像解析することにより、前記対象不動産と前記対象不動産の周囲の道路との位置関係を示す道路関連情報であって前記対象不動産における担保物件の評価額の変化を評価するための道路関連情報を含む不動産評価情報を抽出する画像解析処理と、
前記不動産評価情報を用いて担保物件である前記対象不動産を評価する評価処理と
をコンピュータに実行させる不動産評価プログラムであって、
前記画像解析処理は、
プロセッサにより、前記対象範囲を含む地理空間情報を取得し、前記リモートセンシング画像と前記地理空間情報とを画像解析により比較し、比較結果に基づいて前記リモートセンシング画像の変化を抽出し、前記リモートセンシング画像の変化から前記道路関連情報の変化を抽出し、
前記評価処理は、
前記対象不動産に対応する建物が、前記対象不動産に対応する複数地番に収まっているか、あるいは前記複数地番とは別の地番にはみ出しているかを示す、前記対象不動産における地番と建物と隣地境界との関係を示す評価指標に基づいて前記対象不動産を評価する不動産評価プログラム。
【請求項45】
評価対象の担保物件である対象不動産に関する情報が格納された評価対象情報に基づいて前記対象不動産の位置を含む対象範囲を取得する範囲取得処理と、
前記対象範囲を含む観測範囲を有する、最新の観測時期を含む複数時期のリモートセンシング画像を取得し、前記リモートセンシング画像を画像解析することにより、前記対象不動産と前記対象不動産の周囲の道路との位置関係を示す道路関連情報であって前記対象不動産における担保物件の評価額の変化を評価するための道路関連情報を含む不動産評価情報を抽出する画像解析処理と
をコンピュータに実行させる不動産評価プログラムであって、
前記画像解析処理は、
プロセッサにより、前記リモートセンシング画像として複数のリモートセンシング画像を取得し、前記複数のリモートセンシング画像におけるリモートセンシング画像同士の画像の変化を画像解析により抽出し、前記画像の変化に基づいて前記道路関連情報に変化があった場合にアラートを出力し、
前記画像解析処理は、
特定の地番を指定し、前記特定の地番における画像の時系列な変化を前記アラートにより抽出する、もしくは前記特定の地番に対応した土地において隣地境界あるいは接道の変化があった場合に前記アラートを出す不動産評価プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、不動産評価装置、不動産評価方法、および不動産評価プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
不動産における担保物件の状態あるいは価値を、その物理的な状態、法的な問題、および評価価値といった観点から評価する作業がある。従来では、担保物件を鑑定士が目視で実地調査することで実現されてきた。しかし、鑑定士による目視では、作業時間および作業範囲において制約があった。
【0003】
特許文献1には、SAR衛星データを活用して地表面を解析し、不動産の傾き情報を抽出することで不動産の資産価値に関する評価値を算出する評価装置が開示されている。SARは、Synthetic Aperture Radarの略語である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2023/126989号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の技術では、対象不動産の状況を、傾斜という限定的な側面から評価している。一方、実際の不動産評価の実地調査では、より多くの項目を評価している。不動産評価の実地調査において、作業時間および作業範囲における制約の課題を解決するには、これら評価項目を網羅的に代替することで、実地調査の省略化を実現する必要がある。
【0006】
本開示では、リモートセンシング画像を用いて対象不動産における評価項目となる不動産評価情報の抽出処理を代替する。これにより、実地調査の省略化を実現するとともに、作業に係る期間およびコストの効率化を実現し、作業時間および作業範囲における制約を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る不動産評価装置は、
評価対象の不動産である対象不動産に関する情報が格納された評価対象情報に基づいて前記対象不動産の位置を含む対象範囲を取得する範囲取得部と、
前記対象範囲を含む観測範囲を有するリモートセンシング画像を取得し、前記リモートセンシング画像を画像解析することにより、前記対象不動産の評価に用いる情報である不動産評価情報であって前記対象不動産と前記対象不動産の周囲の道路との位置関係を示す道路関連情報を含む不動産評価情報を抽出する画像解析部と
を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係る不動産評価装置では、リモートセンシング画像を用いて対象不動産における評価項目となる不動産評価情報の抽出処理を代替する。よって、本開示に係る不動産評価装置によれば、実地調査の省略化を実現するとともに、作業に係る期間およびコストの効率化を実現し、作業時間および作業範囲における制約を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1に係る不動産評価装置の構成例を示す図。
図2】実施の形態1に係る不動産評価装置の動作である不動産評価処理の例を示すフロー図。
図3】実施の形態1に係る不動産評価情報の各種データの一覧を示す図。
図4】実施の形態1に係る不動産評価情報に含まれる隣地境界における評価指標について説明する図。
図5】実施の形態1に係る不動産評価情報に含まれる接道状況および間口における評価指標について説明する図。
図6】実施の形態1に係る不動産評価情報に含まれる土地の整形度および土地の傾斜における評価指標について説明する図。
図7】実施の形態1に係る更新部による更新処理の例を示すフロー図。
図8】実施の形態1に係る不動産評価装置における再評価の際の優先順位を示す図。
図9】実施の形態1の変形例4に係る不動産評価装置の構成例を示す図。
図10】実施の形態1の変形例5に係る不動産評価装置の構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本実施の形態について、図を用いて説明する。各図中、同一または相当する部分には、同一符号を付している。実施の形態の説明において、同一または相当する部分については、説明を適宜省略または簡略化する。図中の矢印はデータの流れまたは処理の流れを主に示している。
【0011】
実施の形態1.
***構成の説明***
図1は、本実施の形態に係る不動産評価装置100の構成例を示す図である。
不動産評価装置100は、コンピュータである。不動産評価装置100は、プロセッサ910を備えるとともに、メモリ921、補助記憶装置922、入力インタフェース930、出力インタフェース940、および通信装置950といった他のハードウェアを備える。プロセッサ910は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
【0012】
不動産評価装置100は、機能要素として、範囲取得部110と画像解析部120と評価部130と更新部140と記憶部150とを備える。記憶部150には、評価対象情報50と対象範囲51とリモートセンシング画像データベース52と不動産評価情報53と評価報告書54と更新情報55とサポート情報56が記憶される。リモートセンシング画像データベース52にはリモートセンシング画像521が登録されている。
【0013】
範囲取得部110と画像解析部120と評価部130と更新部140の機能は、ソフトウェアにより実現される。記憶部150は、メモリ921に備えられる。なお、記憶部150は、補助記憶装置922に備えられていてもよいし、メモリ921と補助記憶装置922に分散して備えられていてもよい。
【0014】
プロセッサ910は、不動産評価プログラムを実行する装置である。不動産評価プログラムは、範囲取得部110と画像解析部120と評価部130と更新部140の機能を実現するプログラムである。
プロセッサ910は、演算処理を行うICである。プロセッサ910の具体例は、CPU、DSP、GPUである。ICは、Integrated Circuitの略語である。CPUは、Central Processing Unitの略語である。DSPは、Digital Signal Processorの略語である。GPUは、Graphics Processing Unitの略語である。
【0015】
メモリ921は、データを一時的に記憶する記憶装置である。メモリ921の具体例は、SRAM、あるいはDRAMである。SRAMは、Static Random Access Memoryの略語である。DRAMは、Dynamic Random Access Memoryの略語である。
補助記憶装置922は、データを保管する記憶装置である。補助記憶装置922の具体例は、HDDである。また、補助記憶装置922は、SD(登録商標)メモリカード、CF、NANDフラッシュ、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ブルーレイ(登録商標)ディスク、DVDといった可搬の記憶媒体であってもよい。なお、HDDは、Hard Disk Driveの略語である。SD(登録商標)は、Secure Digitalの略語である。CFは、CompactFlash(登録商標)の略語である。DVDは、Digital Versatile Diskの略語である。
【0016】
入力インタフェース930は、マウス、キーボード、あるいはタッチパネルといった入力装置と接続されるポートである。入力インタフェース930は、具体的には、USB端子である。なお、入力インタフェース930は、LANと接続されるポートであってもよい。USBは、Universal Serial Busの略語である。LANは、Local Area Networkの略語である。
また、入力インタフェース930は、不動産データベース200に接続されていてもよい。図1では、1つの入力インタフェース930が記載されているが、複数の入力インタフェース930が存在してもよい。
【0017】
出力インタフェース940は、ディスプレイといった出力機器のケーブルが接続されるポートである。出力インタフェース940は、具体的には、USB端子またはHDMI(登録商標)端子である。ディスプレイは、具体的には、LCDである。出力インタフェース940は、表示器インタフェースともいう。HDMI(登録商標)は、High Definition Multimedia Interfaceの略語である。LCDは、Liquid Crystal Displayの略語である。
また、出力インタフェース940は、不動産データベース200に接続されていてもよい。図1では、1つの出力インタフェース940が記載されているが、複数の出力インタフェース940が存在してもよい。
【0018】
通信装置950は、レシーバとトランスミッタを有する。通信装置950は、LAN、インターネット、電話回線、あるいはWi-Fi(登録商標)といった通信網に接続している。通信装置950は、具体的には、通信チップまたはNICである。なお、通信装置950は、不動産データベース200から情報を有線あるいは無線で取得する通信インタフェースの役割を有していてもよい。NICは、Network Interface Cardの略語である。
【0019】
不動産評価プログラムは、不動産評価装置100において実行される。不動産評価プログラムは、プロセッサ910に読み込まれ、プロセッサ910によって実行される。メモリ921には、不動産評価プログラムだけでなく、OSも記憶されている。OSは、Operating Systemの略語である。プロセッサ910は、OSを実行しながら、不動産評価プログラムを実行する。不動産評価プログラムおよびOSは、補助記憶装置922に記憶されていてもよい。補助記憶装置922に記憶されている不動産評価プログラムおよびOSは、メモリ921にロードされ、プロセッサ910によって実行される。なお、不動産評価プログラムの一部または全部がOSに組み込まれていてもよい。
【0020】
不動産評価装置100は、プロセッサ910を代替する複数のプロセッサを備えていてもよい。これら複数のプロセッサは、不動産評価プログラムの実行を分担する。それぞれのプロセッサは、プロセッサ910と同じように、不動産評価プログラムを実行する装置である。
【0021】
不動産評価プログラムにより利用、処理または出力されるデータ、情報、信号値および変数値は、メモリ921、補助記憶装置922、または、プロセッサ910内のレジスタあるいはキャッシュメモリに記憶される。
【0022】
範囲取得部110と画像解析部120と評価部130と更新部140の各部の「部」を「回路」、「工程」、「手順」、「処理」、あるいは「サーキットリー」に読み替えてもよい。不動産評価プログラムは、範囲取得処理と画像解析処理と評価処理と更新処理を、コンピュータに実行させる。範囲取得処理と画像解析処理と評価処理と更新処理の「処理」を「プログラム」、「プログラムプロダクト」、「プログラムを記憶したコンピュータ読取可能な記憶媒体」、または「プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体」に読み替えてもよい。また、不動産評価方法は、不動産評価装置100が不動産評価プログラムを実行することにより行われる方法である。
不動産評価プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に格納されて提供されてもよい。また、不動産評価プログラムは、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。
【0023】
***動作の説明***
図2は、本実施の形態に係る不動産評価装置100の動作である不動産評価処理の例を示すフロー図である。
図3は、本実施の形態に係る不動産評価情報53の各種データの一覧を示す図である。
図2および図3を用いて、本実施の形態に係る不動産評価装置100の動作について説明する。不動産評価装置100の動作手順は、不動産評価方法に相当する。また、不動産評価装置100の動作を実現するプログラムは、不動産評価プログラムに相当する。
【0024】
<範囲取得処理:ステップS101>
範囲取得処理において、範囲取得部110は、評価対象の不動産である対象不動産31に関する情報が格納された評価対象情報50を取得する。範囲取得部110は、評価対象情報50に基づいて、対象不動産31の位置を含む対象範囲51を取得する。
【0025】
例えば、範囲取得部110は、入力インタフェース930を介して、利用者から対象不動産31に関する情報が格納された評価対象情報50を取得する。
あるいは、範囲取得部110は、入力インタフェース930を介して、利用者から対象不動産31の位置情報を取得し、不動産データベース200を参照して対象不動産31に関する情報が格納された評価対象情報50を生成してもよい。
また、入力インタフェース930は、利用者から対象不動産31の地番の情報を取得し、不動産データベース200を参照して地番の情報に対応した対象不動産31の位置情報を得て、対象不動産31に関する情報が格納された評価対象情報50を生成してもよい。入力インタフェース930は、例えば利用者による地番の情報入力が可能となっており、利用者が地番の情報を入力することで地番の情報の取得がなされて、対象不動産31に関する情報が格納された評価対象情報50を生成しても良い。また、入力インタフェース930は、例えば利用者による対象不動産31の複数の地番が納められた対象地番リストを入力可能となっており、利用者が対象地番リストを入力することによって地番の情報の取得がなされて、対象不動産31に関する情報が格納された評価対象情報50を生成しても良い。
また、入力インタフェース930は、利用者から対象不動産31の家屋番号の情報を取得し、不動産データベース200を参照して家屋番号の情報に対応した対象不動産31の位置情報を得て、対象不動産31に関する情報が格納された評価対象情報50を生成してもよい。入力インタフェース930は、例えば利用者による家屋番号の情報入力が可能となっており、利用者が家屋番号の情報を入力することで家屋番号の情報の取得がなされて、対象不動産31に関する情報が格納された評価対象情報50を生成しても良い。また、入力インタフェース930は、例えば利用者による対象不動産31の複数の家屋番号が納められた対象家屋番号リストを入力可能となっており、利用者が対象家屋番号リストを入力することによって家屋番号の情報の取得がなされて、対象不動産31に関する情報が格納された評価対象情報50を生成しても良い。
【0026】
予め生成された評価対象情報50を取得してもよいし、不動産データベース200を参照して評価対象情報50を生成することにより取得してもよい。
【0027】
不動産データベース200は、不動産に関する情報が登録されたデータベースである。不動産データベース200は、1つのデータベースから構成されていてもよい。あるいは、不動産データベース200は、様々な場所において登録されている、複数の不動産に関するデータベースから構成されていてもよい。
評価対象情報50は、対象不動産31に関する情報が登録されたデータベースである。不動産データベース200と評価対象情報50は、不動産に関する情報として、不動産に関して共通する項目を備えるものとする。不動産に関する情報における不動産に関して共通する項目としては、例えば、地番、地番に対応した代表的な位置座標情報を含む不動産の位置情報、所在、土地、建物・家屋番号、家屋番号に対応した代表的な位置座標情報を含む不動産の位置情報、区分所有建物、所有名義、処分制限の登記の有無、土地と建物の関係、抵当権の順位、抵当権の有無、および抹消済登記の内容といった情報が登録されている。
評価対象情報50には、不動産に関する情報として、地番、地番に対応した不動産の位置情報、所在、土地、建物・家屋番号、家屋番号に対応した不動産の位置情報、区分所有建物、所有名義、処分制限の登記の有無、土地と建物の関係、抵当権の順位、抵当権の有無、および抹消済登記の内といった情報が登録されている。また、評価対象情報50には、建物の有無、土地の面積、土地の形状、建物の面積、建物の形状、建物の高さ、土地の境界、建物の境界、および外装状況、接道状況、隣地境界、間口、土地の整形度、土地の傾斜、高圧線の状態、電線の状態、周辺道路の有無、周辺道路の太さ、および周辺の住宅密度といった情報が含まれていてもよい。
【0028】
範囲取得処理を具体的に説明する。
ステップS101において、範囲取得部110は、入力インタフェース930を介して、利用者から入力される評価対象情報50を受け付け、記憶部150に記憶する。範囲取得部110は、評価対象情報50に基づいて、対象不動産31の位置を含む対象範囲51を取得し、記憶部150に記憶する。
あるいは、範囲取得部110は、入力インタフェース930を介して、評価したい対象不動産31の位置情報を取得する。範囲取得部110は、1つまたは複数の対象不動産31の位置情報を取得する。範囲取得部110は、通信装置950を介して不動産データベース200を参照する。また、範囲取得部110は、不動産データベース200を参照し、対象不動産31の位置情報に基づいて、対象不動産31の位置を含む対象範囲51を取得する。
【0029】
<画像解析処理:ステップS102,ステップS103>
画像解析処理において、画像解析部120は、対象範囲51を含む観測範囲を有するリモートセンシング画像を取得する。画像解析部120は、取得したリモートセンシング画像を画像解析する。画像解析部120は、リモートセンシング画像を画像解析することにより、対象不動産31の評価に用いる情報である不動産評価情報53を抽出する。
不動産評価情報53には、対象不動産31と対象不動産31の周囲の道路との位置関係を示す道路関連情報221が含まれる。
また、不動産評価情報53には、対象不動産31そのものの状態を示す不動産状態情報21、および対象不動産31の周囲の状況を示す不動産周辺情報22が含まれる。上述の道路関連情報221は、対象不動産31の周囲の状況を示す不動産周辺情報22の例であるある。
不動産評価情報53の詳細については後で説明する。
【0030】
画像解析処理を具体的に説明する。
ステップS102において、画像解析部120は、リモートセンシング画像データベース52を検索し、対象範囲51を含む観測範囲を有するリモートセンシング画像を取得する。
リモートセンシング画像データベース52には、例えば、SAR衛星により地表面を観測・撮影したSAR衛星データといったリモートセンシング画像が登録されている。リモートセンシング画像は衛星画像とも称される。
【0031】
リモートセンシング画像データベース52は不動産評価装置100の外部のデータベースでもよい。リモートセンシング画像データベース52が外部のデータベースの場合、画像解析部120は、通信装置950を介してリモートセンシング画像データベース52を参照する。
【0032】
本実施の形態では、リモートセンシング画像データベース52にリモートセンシング画像521が登録されている構成である。
その他の態様として、画像解析部120が、対象範囲51を含む観測範囲を観測する観測要求をSAR衛星に送信してもよい。そして、画像解析部120は、SAR衛星において新規に撮影されたリモートセンシング画像を取得してもよい。
【0033】
ステップS103において、画像解析部120は、リモートセンシング画像を画像解析することにより、不動産状態情報21および不動産周辺情報22の各種データのうち少なくとも1つを含む情報を対象不動産31の不動産評価情報53として抽出する。あるいは、画像解析部120は、リモートセンシング画像を画像解析することにより、不動産状態情報21および不動産周辺情報22の各種データのうち少なくとも2つの組み合わせの情報を対象不動産31の不動産評価情報53として抽出してもよい。
【0034】
より具体的には、画像解析部120は、例えば、以下に示すような不動産評価情報53を抽出する。
対象不動産31としては、<1>土地のみ、<2>建物のみ、<3>土地と建物の両方の3つのパターンがある。画像解析部120は、対象不動産31が、<1>から<3>の3つのパターンの何れに対応するのかを踏まえた上で、それぞれの対応するパターンについて不動産評価情報53を抽出する必要がある。
このため、例えば画像解析部120は、対象不動産31における地番情報に対応して、地番情報に対応する位置情報の周辺における対象範囲51内に存在する建物の有無と建物が有る場合はその建物の情報(建物の面積、形状、屋根状況、建物の高さ、および外装状況等)を、建物情報2000として含む不動産評価情報53を抽出する。また、画像解析部120は、対象不動産31における家屋番号情報に対応して、家屋番号情報に対応する位置情報の周辺における対象範囲51内に存在する土地の情報を土地情報2010として含む不動産評価情報53を抽出する。
また、<2>のパターンの場合、建物が存在する土地自体の価値評価は評価の対象外となるものの、土地の評価価値が建物の評価価値に影響する為、実行的には土地の評価も併せて実施する。
【0035】
画像解析部120は、対象不動産31と周囲の道路との接道状況を示す情報を道路関連情報221として含む不動産評価情報53を抽出する。
また、画像解析部120は、対象不動産31における間口を示す情報を道路関連情報221として含む不動産評価情報53を抽出する。
また、画像解析部120は、対象不動産31と他の不動産との境界の状態を示す情報である隣地境界情報を含む不動産評価情報53を抽出する。
また、画像解析部120は、対象不動産31における、土地の整形度、土地の傾斜、周囲の高圧線の状態、周囲の電線の状態、周辺の道路の有無、周辺の道路の太さ、および周辺の住宅密度と、の少なくとも1つの情報を含む不動産評価情報53を抽出する。
【0036】
画像解析部120は、不動産状態情報21のうち建物の面積、形状、屋根状況、および外装状況と、不動産周辺情報22のうち接道状況、隣地境界、間口、土地の整形度、土地の傾斜、高圧線の状態、電線の状態、周辺道路の有無、周辺道路の太さ、および周辺の住宅密度と、の各種データの少なくとも2以上の組み合わせの情報を不動産評価情報53として抽出してもよい。以下において、高圧線の状態および電線の状態を高圧線・電線の状態とも称する。
あるいは、画像解析部120は、不動産状態情報21および不動産周辺情報22の各種データの少なくとも1つの情報を不動産評価情報53として抽出してもよい。
また、画像解析部120は、不動産状態情報21および不動産周辺情報22の各種データの全ての情報を不動産評価情報53として網羅的に抽出してもよい。
【0037】
以下に、図3を用いて不動産評価情報53の各種データについて説明する。
不動産評価情報53の各種データは、対象不動産31を評価する際の評価項目となるデータである。
不動産状態情報21には、例えば、建物および土地の面積241、形状242、建物の高さ254、屋根状況243、および外装状況244といった各種データが含まれる。また、不動産周辺情報22には、接道状況245、隣地境界246、間口247、土地の整形度248、土地の傾斜249、高圧線・電線の状態250、周辺道路の有無251、周辺道路の太さ252、および周辺の住宅密度253といった各種データが含まれる。
なお、上述したように、接道状況245および間口247は、対象不動産31と対象不動産31の周囲の道路との位置関係を示す道路関連情報221の例である。
また、上述の不動産評価情報53の各種データは、一例であり、その他の不動産に関する情報を含めてもよい。
【0038】
画像解析処理について、具体的に説明する。
画像解析部120は、リモートセンシング画像521から、対象不動産311の周辺の道路と地物とを抽出する。画像解析部120は、抽出した地物同士の位置関係あるいは道路と地物との位置関係を解析することにより、以下に示す不動産評価情報53の各種データを抽出する。特に、画像解析部120は、対象不動産31の周辺の道路と地物との位置関係を解析することにより、道路関連情報221を抽出する。
【0039】
不動産評価情報53の各種データの定義は以下の通りである。
(1)面積241:建物および土地の面積を確認することにより得られる情報である。
(2)形状242:建物および土地の形状を確認することにより得られる情報である。
(2-1)高さ254:建物の高さを確認することにより得られる情報である。
画像解析部120は、対象不動産31が、<1>土地のみ、<2>建物のみ、<3>土地と建物の両方の3つのパターンに対して以下のような挙動を行う。<2><3>建物に対しては、建物の輪郭を判読して外形や面積を得る。建物の高さは例えば、ステレオ視やSAR(合成開口レーダ)の信号位相差の情報を活用して取得する。<1><3>土地に対しては、土地境界の輪郭を判読して、外形や面積を得る。土地境界は、生垣や壁、フェンスなどを検出して得る。その他、コンクリート、土、芝の領域や樹木の配列や、周辺道路との端境や、池、河川などの情報を参照することで推定する。
【0040】
(3)屋根状況243:建物の屋根を上方より確認することにより得られる情報である。
(4)外装状況244:建物の外装状況を確認することにより得られる情報である。
(5)接道状況245:接道状況は、道路と不動産との接続状況を確認することにより得られる情報である。画像解析部120は、リモートセンシング画像から対象範囲51における道路と対象不動産31とを抽出する。画像解析部120は、土地あるいは建築物といった対象不動産31と、対象不動産31に接道する道路との位置関係を解析する。画像解析部120は、解析結果に基づいて、対象不動産31と道路、すなわち道路との接道状況を抽出する。接道状況245は、対象不動産31が道路に接道しているか否かを示す情報である。
(6)隣地境界246:隣地との境界を確認することにより得られる情報である。隣地境界246は、境界から建物あるいは植物といった地物がはみ出していないかどうかを示す情報である。
(7)間口247:間口は、不動産における、接道する道路との間口を確認することにより得られる情報である。画像解析部120は、リモートセンシング画像から対象範囲51における道路と、土地あるいは建築物といった対象不動産31とを抽出する。画像解析部120は、対象不動産31と、対象不動産31に接道する道路との位置関係を解析する。画像解析部120は、解析結果に基づいて、対象不動産31における間口を抽出する。
(8)土地の整形度248:整形度は、不動産の実際の形状における有効使用の阻害度合いを確認することにより得られる情報である。
(9)土地の傾斜249:土地の傾斜を確認することにより得られる情報である。
(10)高圧線・電線の状態250:高圧線・電線の状態は、高圧線・電線の新設あるいはルート変更といった変動を確認することにより得られる情報である。ここで、高圧線は鉄塔に接続されるケーブルを意味し、単に電線と称するものは電柱に接続されるケーブルを意味するものとする。高圧線・電線の状態250は、対象不動産31の高さ制限に関わる情報である。
(11)周辺道路の有無251:周辺に道路かあるかを確認することにより得られる情報である。
(12)周辺道路の太さ252:周辺の道路の太さを確認することにより得られる情報である。
(13)周辺の住宅密度253:周辺の住宅密度を確認することにより得られる情報である。
【0041】
その他、不動産評価情報53の各種データになり得る情報として崖地・法地に関する情報がある。崖地・法地は、不動産内における崖地・法地の有無を確認することにより得られる情報である。
【0042】
不動産評価装置100における画像解析処理により、不動産評価情報53に含めることができる各種データについて、さらに詳しく説明する。
【0043】
<建物について>
建物については、上記の(1)から(4)の情報に加え、増築があるか、改築があるか、減失があるか、外装・補修状況されているかといった情報が画像解析処理により取得可能である。未登録建物等の確認には、建設計画といった立て看板などの確認も含まれる。
画像解析処理において、画像解析部120が、屋根の状況、あるいは増築・改築の情報を判定するには、できるだけ真上から撮像されたリモートセンシング画像を用いることが好適である。また、画像解析部120が、外装・補修状況を確認するためには、斜めから撮像されたリモートセンシング画像を用いてもよい。
【0044】
<境界について>
上述の通り、(6)隣地境界246の情報には、建物が境界を越えているかの情報が含まれる。このため、画像解析処理において、画像解析部120は、真上から撮像されたリモートセンシング画像を用いることが好適である。画像解析処理において、画像解析部120は、公図から境界のポリゴンを抽出し、リモートセンシング画像に重畳する処理を実施することにより、建物が境界を越えているかを判定する。
また、(6)隣地境界246の情報には、境界は公図通りかの情報が含まれる。この場合も、画像解析処理において、画像解析部120は、公図から境界のポリゴンを抽出し、リモートセンシング画像に重畳する処理を実施することにより、境界は公図通りかを判定する。
【0045】
<接道状況および間口について>
(5)接道状況245および(7)間口247では、具体的には、接道間口の状況を示す情報が含まれる。接道間口の状況を示す情報から、「間口が2m以上あるか」、「奥まった部分で2m以上確保されているか」、「単一で2m以上確保されているか」、「路地部分でくびれており、有効な接道面2m以上が確保されていないか」といった状態が判定される。
画像解析処理において、画像解析部120は、抽出した地物同士の位置関係あるいは道路と地物との位置関係を解析することにより、接道間口の状況を示す情報を取得する。また、画像解析部120は、公図から境界のポリゴンを抽出し、リモートセンシング画像に重畳する処理を実施することにより、接道間口の状況を示す情報を取得する。
【0046】
<評価処理:ステップS104>
ステップS104において、評価部130は、不動産評価情報53を用いて対象不動産31を評価する。評価部130による評価は、予め定められた評価指標41に基づいて実施される。そして、評価部130は、評価結果を示す評価報告書54を作成する。
評価報告書54における評価項目は、例えば図3に示す不動産状態情報21および不動産周辺情報22の各種データである。評価報告書54には、不動産状態情報21および不動産周辺情報22の各種データのうち、少なくとも1つのデータが含まれていればよい。あるいは、評価報告書54には、不動産状態情報21および不動産周辺情報22の各種データのうち、複数のデータが含まれていてもよい。あるいは、評価報告書54には、不動産状態情報21および不動産周辺情報22の各種データの全てのデータが網羅的に含まれていてもよい。
【0047】
本実施の形態では、評価報告書54には、不動産評価情報53の各種データのうち道路関連情報221が含まれている。具体的には、対象不動産31における接道状況および間口といった不動産評価情報53が含まれる。また、評価報告書54には、不動産評価情報53の各種データのうち隣地境界情報が含まれている。
【0048】
図4は、本実施の形態に係る不動産評価情報53に含まれる隣地境界246における評価指標41について説明する図である。
図4では、対象不動産31が複数地番「1,2」に跨っている。
上段は、建物が複数地番「1,2」に収まっており、評価は「OK」となる。
下段は、建物が地番「3」にはみ出しており、評価は「NG」となる。
例えば、越境に関しては、必要に応じて評価額が減額となる。ただし、軽微な越境あるいは被越境(隣地からの越境)は、越境・被越境部分を控除する等、個別に評価してもよい。
【0049】
図5は、本実施の形態に係る不動産評価情報53に含まれる接道状況245および間口247における評価指標41について説明する図である。なお、図5に示す接道、間口に関する条件は、飽くまで参考例である。
まず、接道状況245としては、対象不動産31が道路に接道していることが必要である。
間口247としては、上段の左図のように接道間口が2m以上であれば、評価は「OK」となる。また、上段の右図のようなケースも評価は「OK」となる。
【0050】
図5の下段は、評価額の減額を検討するパターンを示している。
下段の左図は、接道は2m以上あるものの、奥まった部分で2m以上確保できていないため、評価額が減額となる。
下段の中央図は、間口は合計2m以上接道しているが、単一で2m以上確保する必要があるため、評価額が減額となる。
下段の右図は、接道面は2mあるものの、路地部分でくびれており、有効な接道面2m以上が確保されていないため、評価額が減額となる。下段の右図では図の有効な接道面は約1.4mであることを示している。
また、自動車専用道路、農道、林道といった、接道する道路として認められない道もある。
【0051】
図6は、本実施の形態に係る不動産評価情報53に含まれる土地の整形度248および土地の傾斜249における評価指標41について説明する図である。
図6の参考例は不整形地を示している。
不整形地としてマイナス評価される一般的な例は以下の通りである。
・建物を立てにくい四角形ではない土地
・間口が狭くなっており道路へのアクセスがしづらい土地
【0052】
不整形地に関しては主に公図を用いて判定が可能となる。
【0053】
傾斜地の評価指標は以下の通りである。
・接道されている道路が整備されており、アクセスが容易か
・接道との間に段差が無いか
・敷地内に明らかな傾斜・段差があり使用に難が無いか
・その他傾斜による土地利用に難が無いか
【0054】
その他の評価指標41について説明する。
接道状況、周辺道路の有無、および周辺道路の太さといった道路については、建築法で決められている接道条件を満足しているかが評価指標41に含まれる。
【0055】
また、不動産の変動に基づく評価指標41について説明する。
高圧線・電線の変動によっては、担保物件に対して建築制限等が発生する可能性がある。建築制限等が発生する場合、担保物件の評価額が変わる場合がある。
不動産状態情報21および不動産周辺情報22の各種データについては、担保物件の評価額に影響するかの観点から評価指標41が作成される。例えば、隣接している道路が狭くなって車の出入りが困難になる、あるいは隣に建築物が建つことにより日照条件が悪くなるといったことが確認されると、担保物件の評価額は下がることになる。
【0056】
<更新処理:ステップS105>
図7は、本実施の形態に係る更新部140による更新処理の例を示すフロー図である。
更新処理において、更新部140は、評価対象情報50に登録されている対象不動産31に関する情報と不動産評価情報53とを比較して変化があるか否かを判定する。更新部140は、変化があると判定すると、評価対象情報50を更新する。あるいは、更新部140は、変化があると判定すると、不動産データベース200を更新する更新情報55を生成し、不動産データベース200を更新してもよい。
具体的には、以下の通りである。
【0057】
ステップS201において、更新部140は、評価対象情報50に登録されている対象不動産31に関する情報と不動産評価情報53とを比較する。
変化があれば、ステップS202に進む。
変化が無ければ、ステップS203に進む。
【0058】
ステップS201において、更新部140は、不動産評価情報53を用いて、評価対象情報50を最新の情報に更新する。また、更新部140は、不動産評価情報53を用いて不動産データベース200を更新するための更新情報55を生成する。更新部140は、通信装置950を介して、更新情報55を不動産データベース200に送信する。更新情報55により、不動産データベース200の情報が最新の情報に更新される。
【0059】
ステップS203において、更新部140は、評価対象情報50に登録されている対象不動産31に関する情報のうち情報が設定されていない項目があるか否かを判定する。
情報が設定されていない項目があれば、ステップS204に進む。
情報が設定されていない項目が無ければ、処理を終了する。
【0060】
ステップS204において、更新部140は、情報が設定されていない項目を現地調査で確認するために用いるサポート情報56を生成する。サポート情報56は、例えばディスプレイあるいはプリンタといった出力機器に出力される。
サポート情報56は、現地調査のためにユーザが利用する情報である。サポート情報56には、例えば、対象不動産31の位置情報、および実地調査すべき調査項目といった情報が含まれる。
なお、更新部140は、不動産データベース200に登録されている対象不動産31に関する情報のうち情報が設定されていない項目についても、同様にサポート情報56を作成してもよい。
【0061】
以上のように、評価部130は、評価対象情報50あるいは不動産データベース200に登録済の対象不動産31に対して評価報告書54を作成する。また、更新部140は、必要に応じて、評価対象情報50あるいは不動産データベース200を最新の情報に更新するための更新情報55を作成する。また、更新部140は、評価対象情報50あるいは不動産データベース200に設定されておらず、かつ、画像解析部120により取得できなかった情報については、現地調査で確認するために用いるサポート情報56を作成する。
【0062】
図8は、本実施の形態に係る不動産評価装置100における再評価の際の優先順位を示す図である。
本実施の形態に係る不動産評価装置100は、対象不動産31に対する初期評価に用いられてもよいし、対象不動産31に対する再評価に用いられてもよい。
図8に示すように、再評価の際の優先順位は、例えば以下のように設けることが好ましい。
優先順位が「高」の評価項目:建物の増改築
優先順位が「中」の評価項目:接道状況、隣地境界、高圧線・電線の状態
優先順位が「低」の評価項目:土地の傾斜
【0063】
なお、上記の優先順位は一例である。変動頻度および変動時の担保権・評価額への影響度といった観点から、衛星画像を用いた再評価時の優先度を設定し、その他の優先順位を設けてもよい。
【0064】
***他の構成***
<変形例1>
画像解析部120は、リモートセンシング画像として複数のリモートセンシング画像を取得してもよい。複数のリモートセンシング画像は、時期が異なる、例えば2時期のリモートセンシング画像である。
画像解析部120は、複数のリモートセンシング画像におけるリモートセンシング画像同士の画像の変化を抽出し、画像の変化に基づいて不動産評価情報53を抽出する。
あるいは、画像解析部120は、抽出された複数のリモートセンシング画像における画像の変化を評価報告書に反映してもよい。
あるいは、画像解析部120は、抽出された複数のリモートセンシング画像における画像の変化を用いて、不動産評価処理にフィードバックをかけてもよい。
【0065】
画像の変化を用いてフィードバックをかける方法としては、変化の有無のみの出力(アラート等)、変化後の数値・非数値情報を解析で計測して出力する方法が挙げられる。
画像解析部120は、複数のリモートセンシング画像におけるリモートセンシング画像同士の画像の変化を抽出し、画像の変化に基づいてアラートを出力する。
【0066】
画像の変化があった場合にアラートを出力する一例について説明する。
例えば、特定の地番を指定することで、特定の地番における画像の時系列な変化をアラートにより抽出することができる。特定の地番に対応した土地において隣地境界あるいは接道の変化があった場合などにアラートを出してもよい。
このアラートによって、隣地境界あるいは接道に何らかの変化が生じている場合に限って、人が介在した実地調査、あるいは役所への登記簿謄本および測量図面の確認を行うことができる。もしくは衛星画像について人が詳細解析を行うことで、人が介在した実地調査あるいは衛星画像解析の対象を絞り、変化の把握を効率的かつ迅速に確認し、実地調査を効率的に行うことができる。
【0067】
画像の変化があった場合にアラートを出力する別例について説明する。
例えば、特定の地番を指定することで、特定の地番における画像の時系列な変化をアラートにより抽出することができる。上記一例のような変化のみならず、土地の境界の接道および周辺の道路において、法定幅員と現況幅員とに乖離がある場合、あるいは地図上の道路と現況道路がずれている場合などにアラートを出してもよい。
このアラートによって、接道に何らかの変化が生じている場合に、公図あるいは測量図そのものに誤りがある、もしくは接道自体、隣地、あるいは特定の地番に対応した土地が変化した可能性があると捉えることができる。上記一例と同様、現地調査を行う対象を効率的にかつ迅速に確認することができる。
【0068】
画像解析部120は、例えば、同一衛星による同軌道上の2時期のリモートセンシング画像を、複数のリモートセンシング画像として取得する。あるいは、画像解析部120は、同一衛星による別軌道上の各リモートセンシング画像を、複数のリモートセンシング画像として取得してもよい。あるいは、画像解析部120は、別衛星による2時期のリモートセンシング画像を、複数のリモートセンシング画像として取得してもよい。
また、画像の変化を観測する複数のリモートセンシング画像は、3枚以上でもよい。
【0069】
<変形例2>
画像解析部120は、リモートセンシング画像と不動産の境界情報である公図情報とを比較し、比較結果に基づいて不動産評価情報53を抽出してもよい。
画像解析部120は、公図情報とリモートセンシング画像とを比較することで、リモートセンシング画像における画像の変化を抽出し、画像の変化に基づいて不動産評価情報53を抽出する。
【0070】
<変形例3>
画像解析部120は、対象範囲51を含む地理空間情報を取得し、リモートセンシング画像と地理空間情報を用いて、不動産評価情報53を抽出してもよい。
地理空間情報は、例えば、GIS情報である。GISは、Geographic Information Systemの略語である。また、地理空間情報は、MMSといった手法により得られる地物の情報である3次元点群データであってもよい。MMSは、Mobile Mapping Systemの略語である。
地理空間情報を用いることにより、より高精度な不動産評価情報を得ることができる。
【0071】
変形例3におけるGIS情報を用いて画像解析について、以下に詳しく説明する。
GIS情報と衛星画像の照合の際に、登記簿謄本、公図、および建物図面あるいは公共測量標準図等と衛星画像との紐づけを行う。
地番に対応した登記簿謄本について、地番に対応した位置座標情報を、GIS情報を格納しているGISデータベースから取得する。
【0072】
GIS情報は、以下の位置座標が予め設定され、紐付けされている。
・地番に対応した住所、地番に対応した登記簿謄本および建物図面の代表点または基準点(公共基準点等)の位置座標
・測量図面(一筆地測量図あるいは公共測量等)、あるいは地積測量図(不動産登記規則第77条)における地番に対応した代表点または基準点の位置座標
・公図あるいは14条地図における地番に対応した代表点または基準点の位置座標
【0073】
この位置座標は、WGS84のような世界測地系で表現されているのが好ましいが、日本測地系あるいは平面直角座標系で表現された緯度/経度/高さの情報であってもよい。
代表点または基準点は、基本三角点等に基づく測量の成果による筆界点の座標値として認定基準点を用いてもよい。また、代表点または基準点は、図郭原点、土地の四隅の座標、土地の重心位置、筆界点座標、埋設(設置)された境界標または境界点の座標、隣地または道路との境界線の交点、あるいは一筆地内の地目の代表点を用いたものであってもよい。
【0074】
また、GIS情報として、ナビゲーション装置にて利用される地図データを簡易的に用いてもよい。この場合は地番に対応した住所に対応した代表点または基準点の位置座標を用いて、地番に対応した基準点または代表点の概略位置を取得してもよい。
【0075】
衛星画像とGIS情報との照合の際には、衛星画像データにおける基準位置と、登記謄本、公図、または測量図面との位置の照合、対応付け、あるいは紐付けを行う。
衛星画像データにおける基準位置とは、衛星画像で取得したGCP、衛星搭載カメラあるいはレーダによって撮像もしくは取得した撮像指定点もしくは視線軸が対象範囲51を含む地表面と交差する交点の位置座標等の衛星画像における基準位置である。GCPは、Ground Control Pointsの略語である。
衛星画像データにおける基準位置と、GIS情報によって得られた地番に対応した代表点または基準点の位置とを照合することによって、衛星画像データにおける基準位置と、登記謄本、公図、または測量図面との位置の照合、対応付け、あるいは紐付けを行う。
【0076】
また、新規評価の場合は、新規の測量によって得られた座標を用いて、GIS情報に地番に対応した位置座標情報を新規に格納してもよい。この場合、座標の取得は公共測量によって行ってもよい。測量は、GNSS受信器を用いた測位を行ってもよい。GNSSは、Global Navigation Satellite Systemの略語である。
例えば、国土交通省土地区画整理事業測量作業規程第93条等に規定する機器を用いる(「https://www.mlit.go.jp/crd/city/sigaiti/materials/sokuryou/sagyoukitei.pdf」参照)。
また、「作業規定の準則」に規定される「車載写真レーザ測量」(例えばMMS)を用いてもよい(「https://psgsv2.gsi.go.jp/koukyou/jyunsoku/pdf/R5/R5_junsoku.pdf」参照)。
また、「LidarSLAM 技術を用いた公共測量マニュアル」を用いてもよい(「https://psgsv2.gsi.go.jp/koukyou/public/lidarslam/doc/lidarslam_manual.pdf」)。
【0077】
また、GIS情報に地番に対応した座標値がない場合は、新規測量によって取得するほか、ナビゲーション装置にて利用される地図データを用いて地番に対応した概略位置を得てもよい。
この場合、概略位置に対応した対象範囲を含む「衛星画像における基準位置」を参照し、当該基準位置に対応した衛星画像を参照してもよい。参照した衛星画像と公図、測量図、あるいは建物図面等の外形あるいは周辺環境との相対的な比較を行う。この比較によって、地番に対応した土地の隣地境界あるいは接道の座標位置を計測してもよい。
【0078】
なお、衛星は業務効率化、網羅的な調査を実現できる。よって、例えば衛星管制と連携した衛星画像観測サービスを利用して、衛星の軌道および姿勢を制御するように撮像計画を立ててもよい。例えば、1回の撮像あるいは複数回の撮像で特定の地番を含む対象範囲51を包含するように撮像計画を立ててもよい。また、衛星が特定の地番の直上を通過して直下画像を得るようにしてもよい。また、衛星搭載の撮像装置の視線が特定の地番の所定位置を通過してもよい。また、衛星搭載の撮像装置が鉄塔あるいは電柱といった所定地物の直上を撮像してもよい。また、鉄塔あるいは電柱といった所定地物の影を撮像してもよい。また、鉄塔あるいは電柱といった所定地物の斜め方向から撮像するようにしてもよい。また、LiDARあるいはSAR(合成開口レーダ)を用いて鉄塔あるいは電柱等に懸下された電線等の所定地物までの距離あるいは高さもしくはその存在位置を計測してもよい。
また、衛星が所定軌道を通過する1周の撮像機会で、複数の特定の地番に対応した対象範囲51をなぞるように撮像するようにしてもよい。
【0079】
<変形例4>
図9は、本実施の形態の変形例4に係る不動産評価装置100の構成例を示す図である。
本実施の形態の変形例4に係る不動産評価装置100では、図1の構成に加え、評価項目一覧情報57を記憶部150に備える。
評価項目一覧情報57は、対象不動産31を評価する評価項目の一覧である。評価項目一覧情報57には、例えば図3に示す不動産評価情報53の各種データが対象不動産31を評価する評価項目の一覧として設定されている。
【0080】
更新部140は、不動産データベース200に登録されている対象不動産31に関する情報と評価項目一覧情報57とを比較する。更新部140は、不動産データベース200に登録されている対象不動産31に関する情報のうち、情報が設定されてない項目を不動産評価情報53で更新することができない情報として抽出する。そして、更新部140は、不動産評価情報53で更新することができない情報を現地調査するためのサポート情報56を生成する。
【0081】
<変形例5>
本実施の形態では、範囲取得部110と画像解析部120と評価部130と更新部140の機能がソフトウェアで実現される。変形例として、範囲取得部110と画像解析部120と評価部130と更新部140の機能がハードウェアで実現されてもよい。
具体的には、不動産評価装置100は、プロセッサ910に替えて電子回路909を備える。
【0082】
図10は、本実施の形態の変形例5に係る不動産評価装置100の構成例を示す図である。
電子回路909は、範囲取得部110と画像解析部120と評価部130と更新部140の機能を実現する専用の電子回路である。電子回路909は、具体的には、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ロジックIC、GA、ASIC、または、FPGAである。GAは、Gate Arrayの略語である。ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略語である。FPGAは、Field-Programmable Gate Arrayの略語である。
【0083】
範囲取得部110と画像解析部120と評価部130と更新部140の機能は、1つの電子回路で実現されてもよいし、複数の電子回路に分散して実現されてもよい。
【0084】
別の変形例として、範囲取得部110と画像解析部120と評価部130と更新部140の一部の機能が電子回路で実現され、残りの機能がソフトウェアで実現されてもよい。また、範囲取得部110と画像解析部120と評価部130と更新部140の一部またはすべての機能がファームウェアで実現されてもよい。
【0085】
プロセッサと電子回路の各々は、プロセッシングサーキットリとも呼ばれる。つまり、範囲取得部110と画像解析部120と評価部130と更新部140の機能は、プロセッシングサーキットリにより実現される。
【0086】
***本実施の形態の効果の説明***
以上のように、本実施の形態に係る不動産評価装置100では、リモートセンシング画像を用いて対象不動産における評価項目を網羅的に代替することができる。これにより、実地調査の省略化を実現することができる。また、本実施の形態に係る不動産評価装置では、対象不動産を評価して評価報告書を作成する作業を自動化することができる。
このように、本実施の形態に係る不動産評価装置100によれば、物件価値を評価する作業を自動化およびワンストップ化し、作業に係る期間およびコストの効率化を実現することができる。
また、本実施の形態に係る不動産評価装置100では、リモートセンシング画像を画像解析することにより、不動産状態情報および不動産周辺情報の各種データを抽出することができる。衛星画像といったリモートセンシング画像を用いることにより、目視では見ることのできない外装状況の屋根および屋上といった箇所を確認することもできる。
【0087】
また、本実施の形態に係る不動産評価装置100では、リモートセンシング画像を画像解析することにより得られた不動産評価情報を用いて、不動産データベースに登録済の不動産に対して評価報告書を作成する。よって、本実施の形態に係る不動産評価装置100によれば、評価報告書作成のための作業の省力化を実現することができる。
【0088】
また、本実施の形態に係る不動産評価装置100では、最新の不動産評価情報を用いて、不動産データベースの情報を更新するための更新情報を生成することができる。よって、本実施の形態に係る不動産評価装置100によれば、不動産データベースの更新作業のワンストップ化を実現することができ、さらなる省人化を図ることができる。
【0089】
また、本実施の形態に係る不動産評価装置100では、最新の不動産評価情報を用いて、不動産データベースの情報を更新し、自動的に取得することができなかった情報について現地調査のためのサポート情報を作成することができる。よって、本実施の形態に係る不動産評価装置100によれば、利用者は現地調査が必要な評価項目を知ることができ、最低限の現地調査で必要な評価項目を網羅的に取得することができる。
また、サポート情報を作成することにより、個別的要因を基にチェックポイントを洗い出して、実地調査することができる。チェックポイントとしては、接道状況(方向、道路幅、道路との間に川があると、そこにかかった橋の状況(許可状況含む)など)、境界の変化、未登記建物の有無、登記物件の消失、敷地内の傾斜/段差、崖地の状況などがあげられる。通常、対象物件の敷地内には入れないので、外から見るしかない。トラブルになる場合もあるため、工場などは遠くから外観を見るしかない。本実施の形態に係る不動産評価装置によれば、敷地内の外から見えない部分での未登記物件などの変動を、衛星データを利用して検知することができる。
【0090】
以上の実施の形態1では、不動産評価装置の各部を独立した機能ブロックとして説明した。しかし、不動産評価装置の構成は、上述した実施の形態のような構成でなくてもよい。不動産評価装置の機能ブロックは、上述した実施の形態で説明した機能を実現することができれば、どのような構成でもよい。また、不動産評価装置は、1つの装置でなく、複数の装置から構成されたシステムでもよい。
また、実施の形態1のうち、複数の部分を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、実施の形態1のうち、1つの部分を実施しても構わない。その他、実施の形態1を、全体としてあるいは部分的に、どのように組み合わせて実施しても構わない。
すなわち、実施の形態1では、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【0091】
なお、上述した実施の形態は、本質的に好ましい例示であって、本開示の範囲、本開示の適用物の範囲、および本開示の用途の範囲を制限することを意図するものではない。上述した実施の形態は、必要に応じて種々の変更が可能である。例えば、フロー図あるいはシーケンス図を用いて説明した手順は、適宜に変更してもよい。
【符号の説明】
【0092】
21 不動産状態情報、22 不動産周辺情報、31 対象不動産、41 評価指標、50 評価対象情報、51 対象範囲、52 リモートセンシング画像データベース、521 リモートセンシング画像、53 不動産評価情報、54 評価報告書、55 更新情報、56 サポート情報、57 評価項目一覧情報、100 不動産評価装置、110 範囲取得部、120 画像解析部、130 評価部、140 更新部、150 記憶部、200 不動産データベース、241 面積、242 形状、243 屋根状況、244 外装状況、245 接道状況、246 隣地境界、247 間口、248 整形度、249 傾斜、250 高圧線・電線の状態、251 周辺道路の有無、252 周辺道路の太さ、253 住宅密度、909 電子回路、910 プロセッサ、921 メモリ、922 補助記憶装置、930 入力インタフェース、940 出力インタフェース、950 通信装置。
【要約】
不動産評価装置(100)は、対象不動産(31)を評価する。範囲取得部(110)は、不動産データベース(200)に基づいて対象不動産(31)の位置を含む対象範囲(51)を取得する。画像解析部(120)は、対象範囲(51)を観測範囲とするリモートセンシング画像(521)を取得する。画像解析部(120)は、不動産状態情報および不動産周辺情報の各種データの少なくとも2以上の組み合わせの情報を対象不動産(31)の不動産評価情報(53)として抽出する。
図1
図2
図3
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図5
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図7
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図10