(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-07
(45)【発行日】2025-01-16
(54)【発明の名称】ファンユニットおよび空気清浄機
(51)【国際特許分類】
F04D 29/42 20060101AFI20250108BHJP
F24F 8/108 20210101ALI20250108BHJP
F24F 8/192 20210101ALI20250108BHJP
F24F 8/158 20210101ALI20250108BHJP
F24F 8/80 20210101ALI20250108BHJP
【FI】
F04D29/42 H
F24F8/108
F24F8/192
F24F8/158
F24F8/80 216
F24F8/80 310
F04D29/42 L
(21)【出願番号】P 2023151296
(22)【出願日】2023-09-19
【審査請求日】2024-06-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西林 昂大
(72)【発明者】
【氏名】深堀 大佑
(72)【発明者】
【氏名】中島 篤朗
(72)【発明者】
【氏名】絞野 佳延
(72)【発明者】
【氏名】米女 一
【審査官】山崎 孔徳
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-220129(JP,A)
【文献】特開2015-048765(JP,A)
【文献】特開2015-017546(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 29/42
F24F 8/108
F24F 8/192
F24F 8/158
F24F 8/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータ本体(41)およびモータ本体(41)から回転軸方向の両側に延びる出力軸(42)を有するファンモータ(40)と、
一方の前記出力軸(42)に接続された第1羽根車(31)と、
他方の前記出力軸(42)に接続され、前記第1羽根車(31)と共に前記ファンモータ(40)を挟んで配置された第2羽根車(32)と、
前記第1羽根車(31)を収容する第1ファンハウジング(33)と、
前記第2羽根車(32)を収容する第2ファンハウジング(34)と、を備え、
前記第1ファンハウジング(33)および前記第2ファンハウジング(34)の少なくとも一方は、前記ファンモータ(40)を収容する収容空間(47)を有
し、
前記モータ本体(41)の外周部に防振部材(46)が設けられ、
前記第1ファンハウジング(33)および前記第2ファンハウジング(34)は、前記防振部材(46)に接触する接触部(35c,35d,36c,36d)を有するファンユニット。
【請求項2】
請求項
1に記載のファンユニットにおいて、
前記接触部(35c,35d,36c,36d)は、曲面を有し、
前記防振部材(46)は、前記接触部(35c,35d,36c,36d)の曲面と接触するファンユニット。
【請求項3】
請求項
2に記載のファンユニットにおいて、
前記接触部(35c,35d,36c,36d)の曲面の曲率半径は、前記防振部材(46)の接触部分の曲率半径よりも大きいファンユニット。
【請求項4】
請求項
1~
3のいずれか1つに記載のファンユニットにおいて、
前記防振部材(46)は、弾性体であるファンユニット。
【請求項5】
請求項1に記載のファンユニットにおいて、
前記第1ファンハウジング(33)は、前記収容空間(47)の一部を構成し、
前記第2ファンハウジング(34)は、前記収容空間(47)の残部を構成するファンユニット。
【請求項6】
請求項1または
5に記載のファンユニットにおいて、
前記第1羽根車(31)および
前記第2羽根車(32)は、前記出力軸(42)に締結され、
前記第1羽根車(31)と前記出力軸(42)との締結部における前記モータ本体(41)側の端部から、前記モータ本体(41)の前記第1羽根車(31)側の端部まで距離である第1距離(L1)、および前記第2羽根車(32)と前記出力軸(42)との締結部における前記モータ本体(41)側の端部から、前記モータ本体(41)の前記第2羽根車(32)側の端部まで距離である第2距離(L2)は、それぞれ4.4mm以上であるファンユニット。
【請求項7】
請求項
6に記載のファンユニットにおいて、
前記第1距離(L1)および第2距離(L2)は、それぞれ4.4mm~6.0mmであるファンユニット。
【請求項8】
モータ本体(41)およびモータ本体(41)から回転軸方向の両側に延びる出力軸(42)を有するファンモータ(40)と、
一方の前記出力軸(42)に接続された第1羽根車(31)と、
他方の前記出力軸(42)に接続され、前記第1羽根車(31)と共に前記ファンモータ(40)を挟んで配置された第2羽根車(32)と、
前記第1羽根車(31)を収容する第1ファンハウジング(33)と、
前記第2羽根車(32)を収容する第2ファンハウジング(34)と、を備え、
前記第1ファンハウジング(33)および前記第2ファンハウジング(34)の少なくとも一方は、前記ファンモータ(40)を収容する収容空間(47)を有し、
前記第1ファンハウジング(33)は、前記ファンモータ(40)を囲んで設けられかつ前記第2ファンハウジング(34)に向かって延びる第1リブ(35)を有し、
前記第2ファンハウジング(34)は、前記ファンモータ(40)を囲んで設けられかつ前記第1ファンハウジング(33)に向かって延びる第2リブ(36)を有し、
前記第1リブ(35)と前記第2リブ(36)とは、前記回転軸方向に直交する方向に重なっているファンユニット。
【請求項9】
請求項1または2に記載のファンユニットにおいて、
前記第1ファンハウジング(33)は、前記ファンモータ(40)を囲んで設けられかつ前記第2ファンハウジング(34)に向かって延びる第1リブ(35)を有し、
前記第2ファンハウジング(34)は、前記ファンモータ(40)を囲んで設けられかつ前記第1ファンハウジング(33)に向かって延びる第2リブ(36)を有し、
前記第1リブ(35)と前記第2リブ(36)とは、前記回転軸方向に直交する方向に重なっているファンユニット。
【請求項10】
請求項1または2に記載のファンユニットにおいて、
前記第1ファンハウジング(33)および
前記第2ファンハウジング(34)は、互いに結合する際に位置決めする位置決め部(35e,36c,36d)を有するファンユニット。
【請求項11】
請求項1または2に記載のファンユニットにおいて、
前記第1ファンハウジング(33)の外観と前記第2ファンハウジング(34)の外観とは、前記回転軸方向に直交する平面に対して非対称であるファンユニット。
【請求項12】
請求項1または2に記載のファンユニットにおいて、
前記第1羽根車(31)および前記第2羽根車(32)の径方向の長さ(W3)は、前記ファンモータ(40)の厚み(L3)の3倍以上であるファンユニット。
【請求項13】
請求項1または2に記載のファンユニットにおいて、
前記ファンモータ(40)は、アキシャルギャップ型のモータであるファンユニット。
【請求項14】
モータ本体(41)およびモータ本体(41)から回転軸方向の両側に延びる出力軸(42)を有するファンモータ(40)と、
一方の前記出力軸(42)に接続された第1羽根車(31)と、
他方の前記出力軸(42)に接続され、前記第1羽根車(31)と共に前記ファンモータ(40)を挟んで配置された第2羽根車(32)と、
前記第1羽根車(31)を収容する第1ファンハウジング(33)と、
前記第2羽根車(32)を収容する第2ファンハウジング(34)と、を備え、
前記第1ファンハウジング(33)および前記第2ファンハウジング(34)の少なくとも一方は、前記ファンモータ(40)を収容する収容空間(47)を有するファンユニット(30)と、
前記ファンユニット(30)を収容するケーシング(11)とを備え、
前記ケーシング(11)は、前記回転軸方向の両側に空気を吸い込む主吸込口(15,16)を有し、
前記主吸込口(15,16)から前記ファンユニット(30)までの空気通路(P)にフィルタ(23,24,25,26)が配置されている空気清浄機。
【請求項15】
請求項
14に記載の空気清浄機において、
前記ケーシング(11)は、
前記回転軸方向と上下方向との両方に直交する方向から空気を吸い込む副吸込口(19)と、
前記副吸込口(19)から吸い込まれた空気を前記フィルタ(23,24,25,26)の上流側に向かって流す中継通路(19a)と、
を有する空気清浄機。
【請求項16】
請求項
14または
15に記載の空気清浄機において、
前記ケーシング(11)は、前記フィルタ(25,26)と前記ファンユニット(30)との間に、グリル(71)を有し、
前記フィルタ(26,26)を前記グリル(71)に沿った状態で固定する固定部(73,74)を備える空気清浄機。
【請求項17】
請求項
14または
15に記載の空気清浄機において、
活性種を生成する活性種生成部(27,28)を備え、
前記ケーシング(11)は、前記活性種生成部(27,28)で生成された前記活性種を、前記フィルタ(23,24,25,26)よりも上流側に向かって放出する放出通路(80,87)を有する空気清浄機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ファンユニットおよび空気清浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、ファンモータを含むファンユニットを有する空気清浄機が開示されている。特許文献1に記載のファンユニットにおいて、ファンモータは、羽根車を収容するファンハウジングとは別の位置で、空気清浄機のケーシングに支持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のファンユニットは、ファンモータを支持する支持部材が必要な分だけ、ファンモータの回転軸方向において、比較的大きなスペースを必要とする。このため、ファンユニットをコンパクト化するという観点からは改良の余地がある。
【0005】
本開示は、ファンユニットをコンパクト化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様は、ファンユニットを対象とする。ファンユニットは、モータ本体(41)およびモータ本体(41)から回転軸方向の両側に延びる出力軸(42)を有するファンモータ(40)と、一方の前記出力軸(42)に接続された第1羽根車(31)と、他方の前記出力軸(42)に接続され、前記第1羽根車(31)と共に前記ファンモータ(40)を挟んで配置された第2羽根車(32)と、前記第1羽根車(31)を収容する第1ファンハウジング(33)と、前記第2羽根車(32)を収容する第2ファンハウジング(34)と、を備え、前記第1ファンハウジング(33)および前記第2ファンハウジング(34)の少なくとも一方は、前記ファンモータ(40)を収容する収容空間(47)を有する。
【0007】
第1の態様では、ファンモータ(40)がファンハウジング(33,34)内に収容されることで、ファンモータ(40)と、羽根車(31,32)と、ファンハウジング(33,34)とを一体的な構成とすることができる。ファンユニット(30)が、複数の羽根車(31,32)を有していたとしてもコンパクトな構成にすることができる。
【0008】
第2の態様は、第1の態様において、前記第1ファンハウジング(33)は、前記収容空間(47)の一部を構成し、前記第2ファンハウジング(34)は、前記収容空間(47)の残部を構成する。
【0009】
第2の態様では、収容空間(47)を分けることで、収容空間(47)でモータ本体(41)を支持する際の負荷およびファンモータ(40)の駆動時に発生する負荷を第1ファンハウジング(33)と第2ファンハウジング(34)とに分割することができる。コンパクトでかつ安定したファンユニット(30)にすることができる。
【0010】
第3の態様は、第1の態様または第2の態様において、前記第1羽根車(31)および第2羽根車(32)は、前記出力軸(42)に締結され、前記第1羽根車(31)と前記出力軸(42)との締結部における前記モータ本体(41)側の端部から、前記モータ本体(41)の前記第1羽根車(31)側の端部まで距離である第1距離(L1)、および前記第2羽根車(32)と前記出力軸(42)との締結部における前記モータ本体(41)側の端部から、前記モータ本体(41)の前記第2羽根車(32)側の端部まで距離である第2距離(L2)は、それぞれ4.4mm以上である。
【0011】
出力軸(42)の軸方向の振動は、締結部を介して、第1羽根車(31)および第2羽根車(32)に伝達されるおそれがある。これに対して、第3の態様では、モータ本体(41)と第1羽根車(31)および第2羽根車(32)との間を、適切な距離だけ離間させて、第1羽根車(31)および第2羽根車に振動が伝達されるのを抑制することができる。第1羽根車(31)および第2羽根車(32)への振動の伝達が抑制されることで、異音を抑制することができる。
【0012】
第4の態様は、第3の態様において、前記第1距離(L1)および第2距離(L2)は、それぞれ4.4mm~6.0mmである。
【0013】
第4の態様では、モータ本体(41)と第1羽根車(31)および第2羽根車(32)との間を適切に離しつつ、ファンモータ(40)の回転軸方向の省スペース化を図ることができる。
【0014】
第5の態様は、第1の態様~第4の態様のいずれか1つにおいて、前記モータ本体(41)の外周部に防振部材(46)が設けられ、前記第1ファンハウジング(33)および前記第2ファンハウジング(34)は、前記防振部材(46)に接触する接触部(35c,35d,36c,36d)を有する。
【0015】
第5の態様では、接触部(35c,35d,36c,36d)により、防振部材(46)を押さえることができ、モータ本体(41)が防振部材(46)と共に移動するのを抑制することができる。これにより、モータ本体(41)の振動を防振部材(46)で適切に吸収することができる。
【0016】
第6の態様は、第5の態様において、前記接触部(35c,35d,36c,36d)は、曲面を有し、前記防振部材(46)は、前記接触部(35c,35d,36c,36d)の曲面と接触する。
【0017】
第6の態様では、防振部材(46)との接触面積を小さくすることができるため、防振部材(46)から接触部(35c,35d,36c,36d)への振動の伝達が抑制される。ファンユニット全体での防振効果を向上させることができる。
【0018】
第7の態様は、第6の態様において、前記接触部(35c,35d,36c,36d)の曲面の曲率半径は、前記防振部材(46)の接触部分の曲率半径よりも大きい。
【0019】
第7の態様では、防振部材(46)との接触面積を出来る限り小さくすることができるため、ファンユニット全体での防振効果を向上させることができる。
【0020】
第8の態様は、第5の態様~第7の態様のいずれか1つにおいて、前記防振部材(46)は、弾性体である。
【0021】
第8の態様では、防振部材(46)を弾性体とすることで、防振効果をより向上させることができる。
【0022】
第9の態様は、第1の態様~第8の態様のいずれか1つにおいて、前記第1ファンハウジング(33)は、前記ファンモータ(40)を囲んで設けられかつ前記第2ファンハウジング(34)に向かって延びる第1リブ(35)を有し、前記第2ファンハウジング(34)は、前記ファンモータ(40)を囲んで設けられかつ前記第1ファンハウジング(33)に向かって延びる第2リブ(36)を有し、前記第1リブ(35)と前記第2リブ(36)とは、前記回転軸方向に直交する方向に重なっている。
【0023】
第9の態様では、第1リブ(35)と第2リブ(36)とが回転軸(X)に直交する方向に重なることで、収容空間(47)に水等の異物が浸入することを抑制することができる。
【0024】
第10の態様は、第1の態様~第9の態様のいずれか1つにおいて、前記第1ファンハウジング(33)および第2ファンハウジング(34)は、互いに結合する際に位置決めする位置決め部(35e,36c,36d)を有する。
【0025】
第10の態様では、第1ファンハウジング(33)と第2ファンハウジング(34)とを結合させる際の位置決めが容易になり、ファンユニットの組立を容易にすることができる。
【0026】
第11の態様は、第1の態様~第10の態様のいずれか1つにおいて、前記第1ファンハウジング(33)の外観と前記第2ファンハウジング(34)の外観とは、前記回転軸方向に直交する平面に対して非対称である。
【0027】
第11の態様では、第1ファンハウジング(33)の構成と第2ファンハウジング(34)の構成とを大きく異ならせることができる。例えば、第1ファンハウジング(33)の流出口(33d)と第2ファンハウジング(34)の流出口(34d)の向きを異ならせたり、羽根車(31,32)の収容空間の広さを異ならせたりすることができる。ファンユニットの構成を目的に応じて、柔軟に変更させることができる。
【0028】
第12の態様は、第1の態様~第11の態様のいずれか1つにおいて、第1羽根車(31)および第2羽根車(32)の径方向の長さ(W3)は、ファンモータ(40)の厚み(L3)の3倍以上である。
【0029】
第12の態様では、羽根車(31,32)の径を大きくしつつ、ファンモータ(40)の厚みを小さくすることができ、大風量かつコンパクトなファンユニットを実現することができる。
【0030】
第13の態様は、第1の態様~第12の態様のいずれか1つにおいて、ファンモータ(40)は、アキシャルギャップ型のモータである。
【0031】
第13の態様では、ファンモータ(40)にアキシャルギャップ型のモータを採用することで、大風量かつコンパクトなファンユニットを実現することができる。
【0032】
第14の態様は、空気清浄機を対象とする。空気清浄機は、第1の態様~第13の態様のいずれか1つに記載のファンユニット(30)と、前記ファンユニット(30)を収容するケーシング(11)と、を備える。
【0033】
第14の態様では、ファンモータ(40)がファンハウジング(33,34)内に収容されたファンユニット(30)を用いることで、ファンモータ(40)の支持部を別途設ける必要がなく、省スペース化することができる。省スペース化した分を羽根車(31,32)の設置面積の拡大に利用することで、風量を向上させることができる。また、ファンモータ(40)をファンハウジング(33,34)の外側に配置する場合と比較して、羽根車(31,32)を、吸込口(15,16)の近くに配置することができる。対象空間の空気を取り込みやすくなるため、空気清浄効果を向上させることができる。
【0034】
第15の態様は、第14の態様において、前記ケーシング(11)は、前記回転軸方向の両側に空気を吸い込む主吸込口(15,16)を有し、前記主吸込口(15,16)から前記ファンユニット(30)までの空気通路(P)にフィルタ(23,24,25,26)が配置されている。
【0035】
第15の態様では、フィルタ(23,24,25,26)の総面積を大きくすることができ、圧損を抑制することができる。圧損の抑制により大風量化を図ることができる。また、フィルタ(23,24,25,26)をファンユニット(30)の流出口(33d,34d)よりも下流側に配置する場合と比較して、ファンモータ(40)の回転軸(X)と直交する方向における、ケーシング(11)の大きさを出来る限り小さくすることができる。
【0036】
第16の態様は、第15の態様において、前記ケーシング(11)は、前記回転軸方向と上下方向との両方に直交する方向から空気を吸い込む副吸込口(19)と、前記副吸込口(19)から吸い込まれた空気を前記フィルタ(23,24,25,26)の上流側に向かって流す中継通路(19a)と、を有する。
【0037】
第16の態様では、複数の箇所から空気を吸い込んで、適切にフィルタ(23,24,25,26)を通すことができ、空気清浄効率を向上させることができる。
【0038】
第17の態様は、第15の態様または第16の態様において、前記ケーシング(11)は、前記フィルタ(25,26)と前記ファンユニット(30)との間に、グリル(71)を有し、前記フィルタ(25,26)を前記グリル(71)に沿った状態で固定する固定部(73,74)を備える。
【0039】
第17の態様では、フィルタ(25,26)が不意に移動することを抑制することができ、空気清浄効果を高い状態に維持することができる。
【0040】
第18の態様は、第15の態様~第17の態様いずれか1つにおいて、活性種を生成する活性種生成部(27,28)を備え、前記ケーシング(11)は、前記活性種生成部(27,28)で生成された前記活性種を、前記フィルタ(23,24,25,26)よりも上流側に向かって放出する放出通路(80,87)を有する。
【0041】
第18の態様では、フィルタ(23,24,25,26)が羽根車(31,32)の上流側にあったとしても、活性種をフィルタ(23,24,25,26)に付着させることができ、空気清浄効果を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】
図1は、実施形態に係る空気清浄機の外観を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、前側から見たときの空気清浄機の内部を示す概略の構成図である。
【
図3】
図3は、右側から見たときの空気清浄機の内部を示す概略の構成図である。
【
図5】
図5は、ファンユニットの分解斜視図である。
【
図8】
図8は、第1ファンハウジングをモータ側から見た図である。
【
図9】
図9は、第2ファンハウジングをモータ側から見た図である。
【
図10】
図10は、第1ファンハウジングと第2ファンハウジングとの位置決め部の拡大図である。
【
図11】
図11は、モータの防振部材と第1ファンハウジングおよび第2ファンハウジングの接触部とを示す断面図である。
【
図18】
図18は、前側放出孔および後側放出孔を通る平面で切断した断面図である。
【
図19】
図19は、第1距離および第2距離と騒音レベルとの関係を示すグラフである。
【
図20】
図20は、変形例に係るファンユニットを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本開示は、以下に示される実施形態に限定されるものではなく、本開示の技術的思想を逸脱しない範囲内で各種の変更が可能である。各図面は、本開示を概念的に説明するためのものであるから、理解容易のために必要に応じて寸法、比または数を誇張または簡略化して表す場合がある。
【0044】
(1)空気清浄機の全体構成
ファンユニットを有する空気清浄機の全体構成について
図1および
図2を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、「上」、「下」、「前」、「後」、「右」、および「左」に関する用語は、原則として、
図1の矢印で示す方向を基準とする。
【0045】
本実施形態の空気清浄機(10)は、対象空間である室内空間(S)の空気を清浄する。加えて、空気清浄機(10)は、室内空間(S)の空気を加湿する。空気清浄機(10)は、ケーシング(11)を有する。空気清浄機(10)は、ケーシング(11)の内部に、空気を清浄する空気清浄ユニット(20)と、清浄された空気を加湿する加湿ユニット(50)とを有する。
【0046】
(1-1)ケーシング
図1に示すように、ケーシング(11)は、中空の箱状に形成される。ケーシング(11)は、縦長の直方体状に形成される。ケーシング(11)は、天板(11a)、底板(11b)、前板(11c)、後板(11d)、右側板(11e)、および左側板(11f)を有する。
【0047】
天板(11a)には、吹出口(12)が形成される。吹出口(12)は矩形状に形成され、天板(11a)のやや後方寄りに形成される。吹出口(12)には、2つのフラップ(13)が設けられる。フラップ(13)は、吹出口(12)の左右両端に亘る板状に形成される。フラップ(13)は、吹出口(12)を開閉したり、吹出空気の風向を調節したりする。
【0048】
天板(11a)には、操作パネル(14)が設けられる。操作パネル(14)は、天板(11a)の前寄りに位置する。ユーザは、操作パネル(14)を操作することにより、空気清浄機(10)の運転モードや各種の設定を入力できる。
【0049】
右側板(11e)には、第1吸込口(15)が形成される。第1吸込口(15)は、矩形状に形成され、右側板(11e)の下部に形成される。右側板(11e)の上部には、開閉蓋(17)が設けられる。開閉蓋(17)は、加湿ユニット(50)のタンク(52)のアクセス口(18)を開閉する。開閉蓋(17)の上部には、引出開口(17a)が形成される。ユーザは、引出開口(17a)に手をかけて開閉蓋(17)を取り外す。これにより、アクセス口(18)が開放される。ユーザは、アクセス口(18)を通じてタンク(52)をケーシング(11)の外部に取り出すことができる。
【0050】
左側板(11f)には、第2吸込口(16)が形成される。第2吸込口(16)は、矩形状に形成され、左側板(11f)の下部に形成される。
【0051】
前板(11c)の下端部には、第3吸込口(19)が形成される。第3吸込口(19)は、ケーシング(11)の左右両端に亘って水平方向に延びている。
図2に示すように、ケーシング(11)は、第3吸込口(19)から吸い込まれた空気を案内する中継通路(19a)を有する。中継通路(19a)は、第3吸込口(19)から吸い込まれた空気を、後述するHEPAフィルタ(23,24)よりも上流側に案内する。中継通路(19a)に案内された空気は、空気放出口(83b)から放出される(
図12参照)。
【0052】
図2に示すように、ケーシング(11)の内部には、空気通路(P)が形成される。第1吸込口(15)、第2吸込口(16)、および第3吸込口(19)は、空気通路(P)の流入端を構成する。吹出口(12)は、空気通路(P)の流出端を構成する。
【0053】
(1-2)空気清浄ユニット
空気清浄ユニット(20)は、空気通路(P)の下部に位置する。空気清浄ユニット(20)は、第1吸込口(15)、第2吸込口(16)、および第3吸込口(19)から吸い込まれた空気を清浄する。空気清浄ユニット(20)は、空気通路(P)の上流側から順に、プレフィルタ(21,22)、HEPAフィルタ(23,24)、脱臭フィルタ(25,26)、およびファンユニット(30)を有する。加えて、空気清浄ユニット(20)は、放電ユニット(27,28)を有する。
【0054】
(1-2-1)プレフィルタ
図2に示すように、ケーシング(11)には、第1プレフィルタ(21)と第2プレフィルタ(22)との2つのプレフィルタが設けられる。第1プレフィルタ(21)は、第1吸込口(15)に配置され、第2プレフィルタ(22)は、第2吸込口(16)に配置される。第1プレフィルタ(21)および第2プレフィルタ(22)は、空気中の比較的な塵埃を捕集する。
【0055】
(1-2-2)HEPAフィルタ
ケーシング(11)には、第1HEPAフィルタ(23)(High Efficiency Particulate Air Filter)と第2HEPAフィルタ(24)との2つのHEPAフィルタが設けられる。第1HEPAフィルタ(23)は、第1プレフィルタ(21)と第1脱臭フィルタ(25)との間に配置される。第2HEPAフィルタ(24)は、第2プレフィルタ(22)と第2脱臭フィルタ(26)との間に配置される。第1HEPAフィルタ(23)および第2HEPAフィルタ(24)は、その厚さ方向が水平方向に対応する板状に形成される。第1HEPAフィルタ(23)および第2HEPAフィルタ(24)は、静電気力によって粒子を捕集する静電機能を有する。第1HEPAフィルタ(23)および第2HEPAフィルタ(24)には、抗菌剤が添加される。第1HEPAフィルタ(23)および第2HEPAフィルタ(24)は、2つ以上のフィルタが空気の通過方向に積層される積層構造であってもよい。
【0056】
(1-2-3)脱臭フィルタ
ケーシング(11)には、第1脱臭フィルタ(25)と第2脱臭フィルタ(26)との2つの脱臭フィルタが設けられる。第1脱臭フィルタ(25)は、第1HEPAフィルタ(23)とファンユニット(30)との間に配置される。第2脱臭フィルタ(26)は、第2HEPAフィルタ(24)とファンユニット(30)との間に配置される。第1脱臭フィルタ(25)および第2脱臭フィルタ(26)は、その厚さ方向が鉛直方向に対応する板状に形成される。第1脱臭フィルタ(25)および第2脱臭フィルタ(26)は、空気中の有害物質や臭気物質を吸着する吸着部である。第1脱臭フィルタ(25)および第2脱臭フィルタ(26)は、空気が通過可能な基材と、基材に担持された活性炭などの吸着材を有する。
【0057】
(1-2-4)ファンユニット
ファンユニット(30)は、ケーシング(11)内において、左右方向の中央に位置する。ファンユニット(30)は、空気通路(P)の下部に配置される。ファンユニット(30)は、空気通路(P)の下部に配置される。ファンユニット(30)は、空気通路(P)の空気を搬送する。ファンユニット(30)は、遠心式のファン、具体的にはシロッコファンを有するユニットである。ファンユニット(30)は、その駆動軸(羽根車の回転軸)の軸心方向の両端にそれぞれ吸込部が形成される、両吸込式である。ファンユニット(30)の吹出部は、上方を向く。ファンユニット(30)は、羽根車を駆動するファンモータ(40)を有する。ファンユニット(30)が運転されると、対象空間の空気が第1吸込口(15)、第2吸込口(16)、および第3吸込口(19)から空気通路(P)に吸い込まれる。空気通路(P)を流れた空気は、吹出口(12)から対象空間に吹き出される。ファンユニット(30)の詳細な構成については後述する。
【0058】
(1-2-5)放電ユニット
ケーシング(11)には、第1放電ユニット(27)と第2放電ユニット(28)との2つの放電ユニットが設けられる。第1放電ユニット(27)は、第1HEPAフィルタ(23)および第1脱臭フィルタ(25)の上側に配置される。第2放電ユニット(28)は、第2HEPAフィルタ(24)および第2脱臭フィルタ(26)の上側に配置される。
【0059】
第1放電ユニット(27)および第2放電ユニット(28)は、放電に伴って、空気中の臭気成分を酸化分解するための活性種を生成する。第1放電ユニット(27)および第2放電ユニット(28)は、線状の放電電極の先端と、板状の対向電極の平面との間で放電を行う。第1放電ユニット(27)および第2放電ユニット(28)は、放電電極の先端から対向電極に向かって略円錐状の放電領域を形成する、ストリーマ放電を行う。第1放電ユニット(27)および第2放電ユニット(28)は、ファンユニット(30)から放出された空気の一部に対してストリーマ放電を行って、活性種を生成する。
【0060】
第1放電ユニット(27)は、第1放出通路(80)に配置され、第2放電ユニット(28)は、第2放出通路(87)に配置される。第1放出通路(80)は、ファンユニット(30)から吹き出された空気の一部を、第1放電ユニット(27,28)により生成された活性種とともに第1HEPAフィルタ(23)の上流側に戻すための通路である。第2放出通路(87)は、ファンユニット(30)から吹き出された空気の一部を、第2放電ユニット(27,28)により生成された活性種とともに第2HEPAフィルタ(24)の上流側に戻すための通路である。第1放出通路(80)および第2放出通路(87)についての詳細は後述する。
【0061】
(1-3)加湿ユニット
加湿ユニット(50)は、ファンユニット(30)の吹出口とケーシング(11)の吹出口(12)との間に配置される。加湿ユニット(50)は、空気通路(P)の上部に位置する加湿空間(51)に配置される。加湿ユニット(50)は、空気通路(P)を流れる空気に水を付与する。
図3に示すように、加湿ユニット(50)は、タンク(52)と、水トレー(53)と、加湿ロータ(54)と、を有する。
(1-3-1)タンク
タンク(52)は、加湿用の水を溜める容器である。タンク(52)は、その内部の水を水トレー(53)に適宜供給する。タンク(52)は、上述したアクセス口(18)を通じてケーシング(11)に出し入れ可能に構成される。
(1-3-2)水トレー
水トレー(53)は、タンク(52)から供給された水を貯留する。水トレー(53)は、加湿ロータ(54)の吸水部材に水を供給するための貯水部を構成する。水トレー(53)は、上側が開放された容器である。
【0062】
(1-3-3)加湿ロータ
加湿ロータ(54)は、水分を吸収する吸水部材を有する。加湿ロータ(54)は、吸水部材に含まれた水を加湿空間(51)の空気に付与する。加湿ロータ(54)は、加湿空間(51)を一次空間(51a)と二次空間(51b)とに区画する。一次空間(51a)は、加湿ロータ(54)の上流側に形成される。二次空間(51b)は、加湿ロータ(54)の下流側に形成される。
【0063】
加湿ロータ(54)は、円板状であり、その中心に駆動軸(54a)を有する。駆動軸(54a)は、一次空間(51a)と二次空間(51b)との両方に向かって延びる。駆動軸(54a)は、水トレー(53)に設けられた2つの軸支持部(53a)に回転可能に支持される。加湿ロータ(54)は、図示を省略した駆動機構により、駆動軸(54a)を中心に回転される。駆動機構は、例えば、モータである。
【0064】
(1-4)ダンパ
空気清浄機(10)は、第1ダンパ(61)と第2ダンパ(62)とを有する。第1ダンパ(61)は、空気通路(P)における、ファンユニット(30)と二次空間(51b)との間に配置される。第2ダンパ(62)は、空気通路(P)における、一次空間(51a)と吹出口(12)との間に配置される。第1ダンパ(61)と第2ダンパ(62)とは、連動して開閉する。具体的には、第1ダンパ(61)が閉状態のときには、第2ダンパ(62)も閉状態であり、第1ダンパ(61)が開状態であるときには、第2ダンパ(62)も開き状態である。
【0065】
第1ダンパ(61)および第2ダンパ(62)は、加湿空間(51)内における空気通路(P)を変更する。
図3に示すように、第1ダンパ(61)および第2ダンパ(62)の両方が閉じ状態であるときには、ファンユニット(30)から吹き出された空気は、一次空間(51a)に流入した後、加湿ロータ(54)を通過してから二次空間(51b)に流出して、吹出口(12)から放出される。このときには、加湿された空気が吹出口(12)から放出される。一方で、第1ダンパ(61)および第2ダンパ(62)の両方が開き状態であるときには、ファンユニット(30)から吹き出された空気は、加湿ロータ(54)をバイパスして、吹出口(12)に向かって一次空間(51a)および二次空間(51b)を流れる。このときには、空気はほとんど加湿されることなく吹出口(12)から放出される。
【0066】
(2)ファンユニットの構成
ファンユニット(30)の構成について、
図4から
図11を参照しながら説明する。なお、以下の説明でいう「軸方向」、「径方向」、「周方向」は、原則として、ファンモータ(40)の軸方向、径方向、および周方向をそれぞれ意味する。「軸方向」は、
図6に示すファンモータ(40)の回転中心である回転軸(X)の延びる方向である。
【0067】
ファンユニット(30)は、第1吸込口(15)、第2吸込口(16)、および第3吸込口(19)から空気を吸い込むための負圧を形成する。ファンユニット(30)は、第1吸込口(15)、第2吸込口(16)、および第3吸込口(19)から吸い込まれて清浄された空気を加湿ユニット(50)に向かって吹き出す。
図4~
図6に示すように、ファンユニット(30)は、ファンモータ(40)と、ファンモータ(40)によって回転される第1羽根車(31)および第2羽根車(32)と、第1羽根車(31)を収容する第1ファンハウジング(33)と、第2羽根車(32)を収容する第2ファンハウジング(34)と、を備える。ファンユニット(30)は、右側に第1ファンハウジング(33)が位置し、左側に第2ファンハウジング(34)が位置するように、ケーシング(11)内に配置される。
【0068】
(2-1)モータ
ファンモータ(40)は、アキシャルギャップ型のモータである。ファンモータ(40)は、モータ本体(41)と、モータ本体(41)から回転軸方向の両側に突出する出力軸(42)とを有する。モータ本体(41)は、円板状の第1ロータ(43)と、円板状の第2ロータ(44)と、第1ロータ(43)および第2ロータ(44)に挟まれたステータ(45)と、を有する。出力軸(42)はステータ(45)に回転可能に支持されている。ファンモータ(40)は、例えば、10極12スロットのモータである。
【0069】
第1ロータ(43)は、円板状の磁石部材を有する。磁石部材は、極異方配向のプラスチックマグネットである。磁石部材は、環状の外周部(43a)と、外周部(43a)の内周に形成され、出力軸(42)の軸方向外側に膨らむ内周部(43b)とからなる。外周部(43a)では、周方向にS極とN極が交互に配置されている。内周部(43b)の中央部分には、出力軸(42)の一端側の部分を固定する第1固定部(43c)が設けられている。第1固定部(43c)は、内周部(43b)よりも僅かに軸方向外側に突出する。第1固定部(43c)は、モータ本体(41)の第1羽根車(31)側の端部に相当する。
【0070】
第2ロータ(44)は、円板状の磁石部材を有する。第2ロータ(44)の磁石部材は、第1ロータ(43)の磁石部材と同様の構成であり、環状の外周部(44a)と、出力軸(42)の軸方向外側に膨らむ内周部(44b)とからなる。内周部(44b)の中央部分には、出力軸(42)の他端側の部分を固定する第2固定部(44c)が設けられている。第2固定部(44c)は、内周部(44b)よりも僅かに軸方向外側に突出する。第2固定部(44c)は、モータ本体(41)の第2羽根車(32)側の端部に相当する。
【0071】
ステータ(45)は、環状に配置された分割コアが固定された結線板と、軸受を保持する軸受け保持部と、が樹脂モールドされて構成されている。ステータ(45)は、径方向に突出する4つの突出部(45a)を有する。4つの突出部(45a)は、同じ構成であって、周方向に等間隔に位置する。突出部(45a)は、周方向に沿って広がる円弧形状である。
【0072】
突出部(45a)には、防振部材(46)が取り付けられる。防振部材(46)は、弾性体であり、例えばシリコンゴムである。防振部材(46)は、突出部(45a)の全体を覆う。
図11に示すように、突出部(45a)は、軸方向の両面に凹部(45b)を有する。防振部材(46)は、凹部(45b)に収容される爪部(46a)を有する。防振部材(46)は、爪部(46a)が凹部(45b)に収容されることで、突出部(45a)から抜けないように保持される。防振部材(46)の角部は、アール形状となるように加工されている。
【0073】
出力軸(42)は、第1ロータ(43)からステータ(45)とは反対側の軸方向に突出する第1軸部(42a)と、第2ロータ(44)からステータ(45)とは反対側の軸方向に突出する第2軸部(42b)と、を有する。第1軸部(42a)は、第1羽根車(31)と締結される。第2軸部(42b)は、第2羽根車(32)と締結される。
【0074】
(2-2)第1羽根車、第2羽根車
第1羽根車(31)は、シロッコファンの羽根車である。第1羽根車(31)は、複数の翼(31a)と、円板状のプレート(31b)と、プレート(31b)の中心に配置されたボス(31c)とを有する。
図6および
図7に示すように、ボス(31c)に第1軸部(42a)が挿入されている。第1羽根車(31)の径方向の長さ(W3)は、例えば、17cm~22cmである。
【0075】
第2羽根車(32)は、シロッコファンの羽根車である。第2羽根車(32)は、複数の翼(32a)と、円板状のプレート(32b)と、プレート(32b)の中心に配置されたボス(32c)とを有する。
図6および
図7に示すように、ボス(32c)に第2軸部(42b)が挿入されている。第2羽根車(32)は、第1羽根車(31)と同じ大きさである。
【0076】
(2-3)モータと第1羽根車および第2羽根車との締結構造
ファンモータ(40)の出力軸(42)は、第1軸部(42a)に第1羽根車(31)を支持する第1支持部(42c)を有する一方、第2軸部(42b)に第2羽根車(32)を支持する第2支持部(42d)を有する。
図7に示すように、第1支持部(42c)は、第1軸部(42a)を囲む円環状をなしかつ第1軸部(42a)に固定されている。第1支持部(42c)は、ナット(42e)と協働して、第1羽根車(31)のボス(31c)を第1軸部(42a)に締結させる。第2支持部(42d)は、第2軸部(42b)を囲む円環状をなしかつ第2軸部(42b)に固定されている。第2支持部(42d)は、第2軸部(42b)を囲む円環状をなしかつ第2軸部(42b)に固定されている。第2支持部(42d)は、ナット(42e)と協働して、第2羽根車(32)のボス(32c)を第2軸部(42b)に締結させる。第1支持部(42c)は、第1羽根車(31)と出力軸(42)との締結部におけるモータ本体(41)側の端部に相当する。第2支持部(42d)は、第2羽根車(32)と出力軸(42)との締結部におけるモータ本体(41)側の端部に相当する。
【0077】
第1支持部(42c)と第1ロータ(43)の第1固定部(43c)との間の距離である第1距離(L1)、および第2支持部(42d)と第2ロータ(44)の第2固定部(44c)との間の距離である第2距離(L2)は、ファンモータ(40)の回転時の騒音レベルに基づいて設定されている。具体的には、第1距離(L1)および第2距離(L2)は、4.4mm以上である。より詳しくは、第1距離(L1)および第2距離(L2)は、4.4mm~6.0mmである。なお、第1羽根車(31)のボス(31c)におけるモータ本体(41)側の端面を、第1羽根車(31)と出力軸(42)との締結部におけるモータ側の端部とみなして、第1距離(L1)を測ってもよい。同様に、第2羽根車(32)のボス(32c)におけるモータ本体(41)側の端面を、第2羽根車(32)と出力軸(42)との締結部におけるモータ側の端部とみなして、第2距離(L2)を測ってもよい。また、第1固定部(43c)の第1羽根車(31)側の端部と、第2固定部(44c)の第2羽根車(32)側の端部との距離である第3距離(L3)は、30mm~50mmである。第3距離(L3)は、ファンモータ(40)の厚みに相当する。なお、第1距離(L1)および第2距離(L2)が、4.4mm~6.0mmであるときには、回転軸(X)方向における、第1ロータ(43)の外周部(43a)と第1羽根車(31)のプレート(31b)との最短距離である第4距離(L4)および第2ロータ(44)の外周部(44a)と第2羽根車(32)のプレート(32b)との最短距離である第5距離(L5)は、6.0mm~7.6mmである。第4距離(L4)は、回転軸(X)方向における、ステータ(45)と第1羽根車(31)のプレート(31b)との距離とみなしてもよく、第5距離(L5)は、回転軸(X)方向における、ステータ(45)と第2羽根車(32)のプレート(31b)との距離とみなしてもよい。
【0078】
(2-4)第1ファンハウジング、第2ファンハウジング
第1ファンハウジング(33)は、第1アウタハウジング(33a)と、第1インナハウジング(33b)と、を有する。第1アウタハウジング(33a)と第1インナハウジング(33b)とは、軸方向に重ねられて、ネジで締結されている。以下の説明において、単に、「第1ファンハウジング(33)」と言ったときには、第1アウタハウジング(33a)と第1インナハウジング(33b)とが締結されたものを示す。
【0079】
第1アウタハウジング(33a)は、空気をファンユニット(30)内に取り込む第1流入口(33c)を有する。空気をファンユニット(30)内に取り込んだ空気を放出する第1流出口(33d)の一部を構成する。第1アウタハウジング(33a)は、第1羽根車(31)を収容する第1ファン収容部(33e)の一部を構成する。
【0080】
第1インナハウジング(33b)は、第1流出口(33d)の残部を構成する。第1インナハウジング(33b)は、第1ファン収容部(33e)の残部を構成する。第1流出口(33d)および第1ファン収容部(33e)は、第1アウタハウジング(33a)よりも、第1インナハウジング(33b)の方が、占有率が大きい。第1インナハウジング(33b)は、第1流出口(33d)が上を向いた状態で、ファンユニット(30)をケーシング(11)内に配置するための2つの第1脚部(33f)を有する。第1インナハウジング(33b)は、ファンモータ(40)から延びるハーネスを引き出すための孔部(33g)を有する。
【0081】
第1インナハウジング(33b)は、ファンモータ(40)を収容するモータ収容空間(47)の一部を構成する。モータ収容空間(47)は、ファンモータ(40)を支持するモータ支持部でもある。第1インナハウジング(33b)は、軸方向における第1アウタハウジング(33a)とは反対側(第2ファンハウジング(34)側)に位置する第1面部(33h)に、環状の第1リブ(35)を有する。第1リブ(35)は、第2ファンハウジング(34)に向かって軸方向に突出する。第1リブ(35)により囲まれた部分は、モータ収容空間(47)の一部を構成する。第1リブ(35)は、ファンモータ(40)のステータ(45)を径方向外側から囲むように形成されている。
【0082】
第1リブ(35)は、ファンモータ(40)の回転軸(X)を中心に円弧状に広がる4つの第1円弧状リブ(35a)と、周方向に相隣接する第1円弧状リブ(35a)同士を連結する4つの第1連結リブ(35b)と、を有する。上側、下側、および後側に位置する第1連結リブ(35b)は、真っ直ぐに延びる一方、前側に位置する第1連結リブ(35b)は、上下方向の中央が前側に向かって膨らむように延びている。第1円弧状リブ(35a)は、ステータ(45)の突出部(45a)に対応する部分に設けられている。第1円弧状リブ(35a)は、径方向に延びる第1径方向リブ(35c)を3つ有する。第1径方向リブ(35c)は、第1円弧状リブ(35a)におけるモータ収容空間(47)側に設けられている。第1連結リブ(35b)は、周方向に延びる第1周方向リブ(35d)を2つ有する。第1周方向リブ(35d)は、第1連結リブ(35b)の両端部に1つずつ設けられている。同じ第1連結リブ(35b)から延びる第1周方向リブ(35d)は、径方向内側に向かって互いに離れるように延びている。第1周方向リブ(35d)は、近い側の第1円弧状リブ(35a)に向かって周方向に延びている。
図10に示すように、第1径方向リブ(35c)および第1周方向リブ(35d)は、第2ファンハウジング(34)側の部分に、曲面を有する。この曲面の曲率半径は、防振部材(46)のアール形状の曲率半径よりも大きい。詳しくは後述するが、第1径方向リブ(35c)および第1周方向リブ(35d)は、防振部材(46)に接触する接触部に相当する。
【0083】
図10に示すように、第1円弧状リブ(35a)および第1連結リブ(35b)は、軸方向外側(ここでは右側)に向かって凹む係合凹部(35e)を有する。第1円弧状リブ(35a)は、第1径方向リブ(35c)の位置に係合凹部(35e)を有する。第1連結リブ(35b)は、第1周方向リブ(35d)の位置に係合凹部(35e)を有する。係合凹部(35e)は、後述する第2ファンハウジング(34)の第2径方向リブ(36c)および第2周方向リブ(36d)と係合する部分である。
【0084】
第1インナハウジング(33b)は、第1円弧状リブ(35a)の径方向外側に、第1ボス(33i)を有する。第1ボス(33i)は、4つ設けられている。第1ボス(33i)は、第1ファンハウジング(33)と第2ファンハウジング(34)とを結合させるネジが締結される部分である。第1ボス(33i)と第1リブ(35)との間には、補強リブ(33j)が設けられている。
【0085】
第2ファンハウジング(34)は、第2アウタハウジング(34a)と、第2インナハウジング(34b)と、を有する。第2アウタハウジング(34a)と第2インナハウジング(34b)とは、軸方向に重ねられて、ネジで締結されている。以下の説明において、単に、「第2ファンハウジング(34)」と言ったときには、第2アウタハウジング(34a)と第2インナハウジング(34b)とが締結されたものを示す。
【0086】
第2アウタハウジング(34a)は、空気をファンユニット(30)内に取り込む第2流入口(34c)を有する。第2流入口(34c)は、ファンモータ(40)を挟んで第1流入口(33c)とは反対側に位置する。第2アウタハウジング(34a)は、空気をファンユニット(30)内に取り込んだ空気を放出する第2流出口(34d)の一部を構成する。第2アウタハウジング(34a)は、第2羽根車(32)を収容する第2ファン収容部(34e)の一部を構成する。
【0087】
第2インナハウジング(34b)は、第2流出口(34d)の残部を構成する。第2インナハウジング(34b)は、第2ファン収容部(34e)の残部を構成する。第2流出口(34d)および第2ファン収容部(34e)は、第2アウタハウジング(34a)よりも、第2インナハウジング(34b)の方が、占有率が大きい。第2インナハウジング(34b)は、第2流出口(34d)が上を向いた状態で、ファンユニット(30)をケーシング(11)内に配置するための2つの第2脚部(34f)を有する。
【0088】
第2インナハウジング(34b)は、ファンモータ(40)を収容するモータ収容空間(47)の残部を構成する。第2インナハウジング(34b)は、軸方向における第2アウタハウジング(34a)とは反対側(第1ファンハウジング(33)側)に位置する第2面部(34h)に、環状の第2リブ(36)を有する。第2リブ(36)は、第1ファンハウジング(33)に向かって軸方向に突出する。第2リブ(36)により囲まれた部分は、モータ収容空間(47)の一部を構成する。第2リブ(36)は、ファンモータ(40)のステータ(45)を径方向外側から囲むように形成されている。第2リブ(36)の回転軸(X)からの距離は、第1リブ(35)の回転軸(X)からの距離よりも僅かに大きい。
【0089】
第2リブ(36)は、ファンモータ(40)の回転軸(X)を中心に円弧状に広がる4つの第2円弧状リブ(36a)と、周方向に相隣接する第2円弧状リブ(36a)同士を連結する4つの第2連結リブ(36b)と、を有する。上側、下側、および後側に位置する第2連結リブ(36b)は、真っ直ぐに延びる一方、前側に位置する第2連結リブ(36b)は、上下方向の中央が前側に向かって膨らむように延びている。第2円弧状リブ(36a)は、ステータ(45)の突出部(45a)に対応する部分に設けられている。第2円弧状リブ(36a)は、径方向に延びる第2径方向リブ(36c)を3つ有する。第2径方向リブ(36c)は、第2円弧状リブ(36a)におけるモータ収容空間(47)側に設けられている。第2連結リブ(36b)は、周方向に延びる第2周方向リブ(36d)を2つ有する。第2周方向リブ(36d)は、第2連結リブ(36b)の両端部に1つずつ設けられている。同じ第2連結リブ(36b)から延びる第2周方向リブ(36d)は、径方向内側に向かって互いに離れるように延びている。第2周方向リブ(36d)は、近い側の第2円弧状リブ(36a)に向かって周方向に延びている。
図10に示すように、第2径方向リブ(36c)および第2周方向リブ(36d)は、第2ファンハウジング(34)側の部分に、曲面を有する。この曲面の曲率半径は、防振部材(46)のアール形状の曲率半径よりも大きい。詳しくは後述するが、第2径方向リブ(36c)および第2周方向リブ(36d)は、防振部材(46)に接触する接触部に相当する。
【0090】
図8に示すように、第2インナハウジング(34b)は、第2円弧状リブ(36a)の径方向外側に、第2ボス(34i)を有する。第2ボス(34i)は、4つ設けられている。第2ボス(34i)は、第1ファンハウジング(33)と第2ファンハウジング(34)とを結合させるネジが締結される部分である。第2ボス(34i)と第2リブ(36)との間には、補強リブ(34j)が設けられている。
【0091】
図6に示すように、第1ファンハウジング(33)と第2ファンハウジング(34)とが結合したときに、第1面部(33h)、第2面部(34h)、第1リブ(35)、および第2リブ(36)により、モータ収容空間(47)が形成される。モータ収容空間(47)の方向の幅(W2)は、第1ファンハウジング(33)と第2ファンハウジング(34)との結合体の軸方向の最大幅(W1)に対して、7%~12%である。
【0092】
第1ファンハウジング(33)と第2ファンハウジング(34)とが結合した状態では、第1リブ(35)と第2リブ(36)とは、回転軸(X)に直交する方向に重なる。第1リブ(35)は、第2リブ(36)の径方向内側に位置する。第1リブ(35)は、第2インナハウジング(34b)の第2面部(34h)に当接する。
【0093】
図10に示すように、第2径方向リブ(36c)および第2周方向リブ(36d)は、第1ファンハウジング(33)と第2ファンハウジング(34)とが結合した状態で、係合凹部(35e)と係合する。ファンユニット(30)の組み立て時には、係合凹部(35e)と第2径方向リブ(36c)および第2周方向リブ(36d)とが係合することで、第1ファンハウジング(33)と第2ファンハウジング(34)との相対的な位置が決まる。係合凹部(35e)、第2径方向リブ(36c)、および第2周方向リブ(36d)は、第1ファンハウジングと第2ファンハウジングと結合する際に位置決めする位置決め部に相当する。
【0094】
図11に示すように、第1ファンハウジング(33)と第2ファンハウジング(34)とが結合した状態で、第1径方向リブ(35c)、第1周方向リブ(35d)、第2径方向リブ(36c)、および第2周方向リブ(36d)は、防振部材(46)と接触する。第2径方向リブ(36c)および第2周方向リブ(36d)が係合凹部(35e)と係合することで、第1径方向リブ(35c)と第2径方向リブ(36c)とは、周方向に同じ位置に位置する。同様に、第1周方向リブ(35d)と第2周方向リブ(36d)とは、径方向に同じ位置に位置する。このため、第1径方向リブ(35c)、第1周方向リブ(35d)、第2径方向リブ(36c)、および第2周方向リブ(36d)は、防振部材(46)の軸方向に挟んで押圧する。ステータ(45)は、防振部材(46)を介して、第1ファンハウジング(33)および第2ファンハウジング(34)に対して固定されるようになる。第1径方向リブ(35c)および第2径方向リブ(36c)は、ファンモータ(40)の径方向の振動を抑制する。第1周方向リブ(35d)および第2周方向リブ(36d)は、ファンモータ(40)の周方向の振動を抑制する。
【0095】
前述したように、第1径方向リブ(35c)、第1周方向リブ(35d)、第2径方向リブ(36c)、および第2周方向リブ(36d)の曲率半径は、防振部材(46)の曲率半径よりも大きい。第1径方向リブ(35c)、第1周方向リブ(35d)、第2径方向リブ(36c)、および第2周方向リブ(36d)は、防振部材(46)の角部と点または短い線で接触する。接触範囲が小さいため、第1径方向リブ(35c)、第1周方向リブ(35d)、第2径方向リブ(36c)、および第2周方向リブ(36d)には、ファンモータ(40)の振動は、ほとんど伝達されない。
【0096】
また、ファンユニットから吹き出される風量を大きくするためには、羽根車の口径をできるだけ大きくしたい。しかしながら、大口径の羽根車を駆動させるためには、ファンモータの出力を大きくする必要がある、そのため、ファンモータを大型化する必要があり、結果として談ユニットのサイズが大きくなってしまっていた。そこで、本実施形態において、ファンモータ(40)としてアキシャルギャップ型のモータを用いることで、ファンモータ(40)の厚みを薄くしつつ大口径の羽根車(31,32)を用いて、大風量かつコンパクトなファンユニット(30)を実現している。例えば、第1羽根車(31)および第2羽根車(32)の径方向の長さ(W3)は、ファンモータ(40)の厚みの3倍以上である。
【0097】
(3)脱臭フィルタの取付構造
脱臭フィルタ(25,26)のケーシング(11)に対する取付構造について、
図12から
図15を参照しながら説明する。なお、第1脱臭フィルタ(25)の取付構造と第2脱臭フィルタ(26)の取付構造とは、上下方向に延びる軸に対して軸対称な構成であるため、以下では、第1脱臭フィルタ(25)の取付構造のみを詳細に説明し、第2脱臭フィルタ(26)の取付構造については説明を省略する。
【0098】
第1脱臭フィルタ(25)は、ケーシング(11)に設けられたグリル(71)に取り付けられる。第1脱臭フィルタ(25)は、ピン(72)と、固定部材(73)と、レバー(74)とにより、グリル(71)に取り付けられる。
【0099】
(3-1)グリル
グリル(71)は、空気通路(P)における第1脱臭フィルタ(25)とファンユニット(30)との間に配置される。グリル(71)は、ケーシング(11)の一部である枠(70)と一体に形成される。
【0100】
(3-2)ピン
ピン(72)は、グリル(71)の上側部分に、2つ配置される。2つのピン(72)は、前後に離間して配置される。ピン(72)は、ファンユニット(30)とは反対側に向かって突出する。ピン(72)は、第1脱臭フィルタ(25)に刺さる。ピン(72)は、第1脱臭フィルタ(25)を、グリル(71)に沿った状態で支持する。
【0101】
(3-3)固定部材
固定部材(73)は、第1吸込口(15)の下側でかつ後側寄りの位置に配置される。固定部材(73)は、ケーシング(11)とは別体(つまり、グリル(71)とは別体)である。固定部材(73)は、ケーシング(11)に対して固定されている。
図13に示すように、固定部材(73)は、上下方向および前後方向に広がる立壁部(73a)と、立壁部(73a)からグリル(71)側に突出する3つのリブ(73b)とを有する。3つのリブ(73b)は、前後方向に等間隔に配置されている。
図14に示すように、第1脱臭フィルタ(25)が取り付けられた状態では、リブ(73b)が第1脱臭フィルタ(25)と接触する。
【0102】
(3-4)レバー
レバー(74)は、ケーシング(11)の内側から外側(ここでは左側から右側)に向かって、第1脱臭フィルタ(25)を押す。
図13から
図15に示すように、レバー(74)は、レバー本体(74a)と、第1脱臭フィルタ(25)と接触する接触部(74b)と、レバー本体(74a)に力を加えるためのバネ(74c)と、を有する。
【0103】
レバー本体(74a)は、グリル(71)の下側でかつケーシング(11)の底板(11b)との間の空間に位置する。
図15に示すように、レバー本体(74a)は、前後方向および左右方向に広がる板状である。レバー本体(74a)は、ケーシング(11)から延びる杆軸(74d)周りに回動する。
【0104】
接触部(74b)は、レバー本体(74a)の右側かつ前側の位置に配置される。接触部(74b)は、レバー本体(74a)と一体である。接触部(74b)は、グリル(71)に設けられた窓部(71a)の位置に位置する。接触部(74b)は、窓部(71a)を通って、グリル(71)よりも右側に露出可能である。接触部(74b)は、右側に向かって延びる2つのリブ(74e)を有する。リブ(74e)は、前後方向に離間している。
図14に示すように、第1脱臭フィルタ(25)が取り付けられた状態では、リブ(74e)は、第1脱臭フィルタ(25)と接触して、第1脱臭フィルタ(25)をケーシング(11)の内側から外側に向かって押す。
【0105】
バネ(74c)は、捻りコイルバネである。バネ(74c)は、一端がケーシング(11)に固定されている。バネ(74c)は、中間部分が杆軸(74d)に巻き付いている。バネ(74c)は、レバー本体(74a)に、反時計回りに回動する力を付与する。
【0106】
(3-5)脱臭フィルタの取付方法
第1脱臭フィルタ(25)を取り付けるときには、まず第1脱臭フィルタ(25)を固定部材(73)と接触部(74b)との間に配置する。固定部材(73)と接触部(74b)との間に配置されると、接触部(74b)は僅かに左側に後退する。接触部(74b)は、レバー本体(74a)を介して伝わるバネ(74c)の力により、第1脱臭フィルタ(25)をケーシング(11)の内側から外側に向かって押す。第1脱臭フィルタ(25)は、固定部材(73)により右側への移動が制限されるため、接触部(74b)との接触部分の周辺のみが僅かに右側に移動する。第1脱臭フィルタ(25)の下部は、固定部材(73)と接触部(74b)に挟まれたような状態になる。その後、ピン(72)を、第1脱臭フィルタ(25)の上部に挿入する。第1脱臭フィルタ(25)の上部は、ピン(72)により支持される。これにより、第1脱臭フィルタ(25)が取り付けられる。
【0107】
レバー本体(74a)の前側には、センサ(SW)が配置されている。センサ(SW)は、接触センサである。センサ(SW)は、第1脱臭フィルタ(25)が固定部材(73)と接触部(74b)との間に配置されたときにオンになる。具体的には、センサ(SW)は、接触部(74b)が左側に後退して、レバー本体(74a)が時計回り回動したときにオンになる。センサ(SW)は、第1脱臭フィルタ(25)が適切に配置されているか否かを確認するためのセンサである。
【0108】
(4)活性種の通路
放電ユニット(27,28)により生成された活性種を流通させる第1放出通路(80)および第2放出通路(87)について、
図12、
図16から
図18を参照しながら説明する。なお、第1放出通路(80)と、第2放出通路(87)とは左右対称であるため、以下では、第1放出通路(80)のみを詳細に説明し、第2放出通路(87)については詳細な説明を省略する。
【0109】
第1放出通路(80)は、ファンユニット(30)から放出された空気の一部を取り込む流入ダクト(81)と、活性種を前後方向に分岐して流す水平ダクト(82)と、前側に位置しかつ活性種を放出する前側放出ダクト(83)と、後側に位置し活性種を放出する後側放出ダクト(84)とを有する。
【0110】
(4-1)流入ダクト
図16に示すように、第1放電ユニット(27)は、第1放出通路(27)の放電空間(27a)に配置されている。流入ダクト(81)は、メインの空気通路(P)と放電空間(27a)とを連通させる。流入ダクト(81)は、空気清浄機(10)全体の前後方向の中央に位置する。流入ダクト(81)は、右側に向かって上側に傾斜して延びる上側傾斜部(81a)と、右側に真っ直ぐに延びる直進部(81b)と、右側に向かって下側に傾斜して延びる下側傾斜部(81c)と、を有する。直進部(81b)は、上側に向かって突出しかつ前後方向に延びるリブ(81d)を有する。リブ(81d)は、水等の異物の侵入を抑制する。
【0111】
(4-2)水平ダクト
図17に示すように、水平ダクト(82)は、放電空間(27a)から前後方向に延びる。水平ダクト(82)の前側端部は、前側放出ダクト(83)に連通する。水平ダクト(82)の後側端部は、後側放出ダクト(84)に連通する。
【0112】
(4-3)前側放出ダクト、後側放出ダクト
図12に示すように、前側放出ダクト(83)および後側放出ダクト(84)は、上下方向に延びる。前側放出ダクト(83)は、活性種を放出する前側放出孔(83a)を5つ有する。前側放出孔(83a)は、右側かつ後側に向かって開口する。後側放出ダクト(84)は、活性種を放出する後側放出孔(84a)を5つ有する。後側放出孔(84a)は、右側かつ前側に向かって開口する。前側放出孔(83a)および後側放出孔(84a)は、上下方向において、等間隔にかつ同じ位置に設けられている。
【0113】
図18に示すように、前側放出ダクト(83)は、グリル(71)を形成する枠(70)と前側蓋部材(85)とで構成される。後側放出ダクト(84)は、グリル(71)を形成する枠(70)と後側蓋部材(86)とで構成される。つまり、3つの部材で、2つの放出ダクト(83,84)が形成されている。前側蓋部材(85)は、第2放出通路(87)の前側放出ダクトの一部も構成する。後側蓋部材(86)は、第1放出通路(80)と第2放出通路(87)とで別々に設けられる。
【0114】
(4-4)活性種の流れ
第1放出通路(80)内は、前側放出孔(83a)および後側放出孔(84a)により、第1吸込口(15)と連通しているため、ファンユニット(30)の流出口(33d,34d)の直下流(加湿ユニット(50)よりも上流)よりも気圧が低くなっている。特に、第1放出通路(80)内では、流入ダクト(81)が最も気圧が高く、放出ダクト(83,84)が最も気圧が低くなっている。このため、ファンユニット(30)から放出された空気の一部は、流入ダクト(81)を介して放電空間(27a)に流入する。放電空間(27a)に流入した空気は、第1放電ユニット(27)によりストリーマ放電される。ストリーマ放電により、活性種が生成される。生成された活性種は、前後方向に分かれて水平ダクト(82)を通る。水平ダクト(82)を前側に流れた活性種は、前側放出ダクト(83)を通って、前側放出孔(83a)から第1HEPAフィルタ(23)の上流側に放出される。水平ダクト(82)を後側に流れた活性種は、後側放出ダクト(84)を通って、後側放出孔(84a)から第1HEPAフィルタ(23)の上流側に放出される。このように、活性種は、第1HEPAフィルタ(23)の対向する辺の両側から放出される。放出された活性種は、第1HEPAフィルタ(23)に付着して、第1HEPAフィルタ(23)を通る空気中の臭気成分を酸化分解する。
【0115】
(5)運転動作
空気清浄機(10)の運転動作について説明する。空気清浄機(10)は、清浄運転と加湿清浄運転とを行う。清浄運転は、対象空間の空気の清浄を行う運転である。清浄運転では、加湿の機能は停止する。加湿清浄運転は、対象空間の空気の清浄と加湿とを同時に行う運転である。
【0116】
(5-1)清浄運転
清浄運転では、ファンユニット(30)および放電ユニット(27,28)が駆動する。原則として、加湿ロータ(54)は停止状態となる。第1ダンパ(61)および第2ダンパ(62)は、開状態となる。室内空間(S)の空気は、第1吸込口(15)、第2吸込口(16)、および第3吸込口(19)のそれぞれから空気通路(P)に吸い込まれる。第1吸込口(15)および第2吸込口(16)から吸い込まれた空気は、各プレフィルタ(21,22)をそれぞれ通過する。各プレフィルタ(21,22)では、空気中の比較的大きな塵埃を捕集する。
【0117】
各プレフィルタ(21,22)を通過した空気は、各HEPAフィルタ(23,24)および各脱臭フィルタ(25,26)を順に通過する。各HEPAフィルタ(23,24)では、各放電ユニット(27,28)で生成された活性種により、空気中の臭気成分が酸化分解される。
【0118】
ファンユニット(30)から吹き出された空気は、一部が一次空間(51a)を流れ、残部が二次空間(51b)を流れる。一次空間(51a)の空気と、二次空間(51b)の空気とは、加湿ロータ(54)の側面に沿うように上側に流れ、吹出口(12)から室内空間(S)に吹き出される。
【0119】
(5-2)加湿清浄運転
加湿清浄運転では、ファンユニット(30)および放電ユニット(27,28)が駆動する。原則として、加湿ロータ(54)は回転状態となる。第1ダンパ(61)および第2ダンパ(62)は、閉状態となる。加湿清浄運転では、上述した清浄運転と同様にして、空気が清浄される。
【0120】
ファンユニット(30)から吹き出された空気は、その全部が一次空間(51a)を流れる。一次空間(51a)の空気は、加湿ロータ(54)を軸方向に通過する。加湿ロータ(54)では、吸水部材の水分が空気に付与される。加湿ロータ(54)で加湿された空気は、二次空間(51b)に流出し、吹出口(12)から室内空間(S)に吹き出される。
【0121】
(6)実施形態の効果
本実施形態において、ファンユニット(30)は、第1羽根車(31)を収容する第1ファンハウジング(33)と、第2羽根車(32)を収容する第2ファンハウジング(34)とにより、ファンモータ(40)を収容するモータ収容空間(47)が形成される。ファンモータ(40)がファンハウジング(33,34)内に収容されることで、ファンモータ(40)と、羽根車(31,32)と、ファンハウジング(33,34)とを一体的な構成とすることができる。ファンユニット(30)として、ファンモータ(40)の支持部材を別途設ける必要がないため、複数の羽根車(31,32)を有していたとしてもコンパクトな構成にすることができる。
【0122】
また、ファンユニット(30)は、ファンモータ(40)がファンハウジング(33,34)内に収容されることで、ファンモータ(40)の支持部材を別途設ける場合と比較して、限られた設置面積の中でファンハウジング(33,34)の流出口(33d,34d)の面積を大きくすることができる。さらに、ファンユニット(30)は、ファンハウジング(33,34)内に、ファンモータ(40)と羽根車(31,32)とを収容することで、ファンハウジング(33,34)内を流れる空気によって、ファンモータ(40)を冷却することができる。
【0123】
本実施形態において、第1ファンハウジング(33)は、モータ収容空間(47)の一部を構成し、第2ファンハウジング(34)は、モータ収容空間(47)の残部を構成する。第2の態様では、モータ収容空間(47)を分けることで、モータ収容空間(47)でモータ本体(41)を支持する際の負荷およびファンモータ(40)の駆動時に発生する負荷を第1ファンハウジング(33)と第2ファンハウジング(34)とに分割することができる。コンパクトでかつ安定したファンユニット(30)にすることができる。
【0124】
本実施形態において、第1羽根車(31)を支持する第1支持部(42c)から、モータ本体(41)の第1固定部(43c)の端部まで距離である第1距離(L1)、および第2羽根車(32)を支持する第2支持部(42d)から、モータ本体(41)の第2固定部(44c)の端部まで距離である第2距離(L2)は、それぞれ4.4mm以上である。特に、第1距離(L1)および第2距離(L2)は、それぞれ4.4mm~6.0mmである。
【0125】
ファンモータ(40)の軸方向の振動は、出力軸(42)を介して第1羽根車(31)および第2羽根車(32)に伝達されるおそれがある。第1羽根車(31)および第2羽根車(32)に振動が伝達されると、異音が発生するおそれがある。
図19には、第1距離(L1)および第2距離(L2)を変化させたときの騒音レベルを示す。縦軸は、音量であり、横軸は音の周波数である。
図19において、一点鎖線は、第1距離(L1)および第2距離(L2)が2.8mmのときであり、実線は、これらが4.4mmのときであり、破線は、これらが6.0mmのときである。第1距離(L1)および第2距離(L2)が2.8mmのときと比較して、これらが4.4mmのときの方が、音量が全体的に低下していることが分かる。また、第1距離(L1)および第2距離(L2)が4.4mmのときと、これらが6.0mmのときとを比較すると、全体的に音量は大きくは低下しないことが分かる。したがって、第1距離(L1)および第2距離(L2)を4.4mm~6.0mmに設定することで、ファンモータ(40)の振動に起因する異音を抑制しつつ、ファンユニット(30)の省スペース化を図ることができる。
【0126】
本実施形態において、モータ本体(41)の外周部に防振部材(46)が設けられ、ファンハウジング(33,34)は、防振部材(46)に接触する第1径方向リブ(35c)、第1周方向リブ(35d)、第2径方向リブ(36c)、および第2周方向リブ(36d)を有する。これらのリブにより、防振部材(46)を押さえることができ、モータ本体(41)が防振部材(46)と共に移動するのを抑制することができる。これにより、モータ本体(41)の振動を防振部材(46)で適切に吸収することができる。
【0127】
本実施形態において、第1径方向リブ(35c)、第1周方向リブ(35d)、第2径方向リブ(36c)、および第2周方向リブ(36d)は、曲面を有し、防振部材(46)は、これらの曲面と接触する。特に、これらの曲面の曲率半径は、防振部材(46)の角部の曲率半径よりも大きい。第1径方向リブ(35c)、第1周方向リブ(35d)、第2径方向リブ(36c)、および第2周方向リブ(36d)と、防振部材(46)との状態が点または短い線とすることができ、接触面積を出来る限り小さくすることができる。接触面積が小さくなることで、ファンユニット(30)全体での防振効果を向上させることができる。
【0128】
本実施形態において、防振部材(46)は、弾性体であるため、防振効果をより向上させることができる。
【0129】
本実施形態において、第1ファンハウジング(33)は、ファンモータ(40)を囲んで設けられかつ第2ファンハウジング(34)に向かって延びる第1リブ(35)を有し、第2ファンハウジング(34)は、ファンモータ(40)を囲んで設けられかつ第1ファンハウジング(33)に向かって延びる第2リブ(36)を有する。第1リブ(35)と第2リブ(36)とは、回転軸(X)に直交する方向に重なっている。第1リブ(35)と第2リブ(36)とが回転軸(X)に直交する方向に重なることで、収容空間(47)に水等の異物が浸入することを抑制することができる。特に、本実施形態において、第1リブ(35)は、第2ファンハウジング(34)における第2リブ(36)が設けられる面である第2面部(34h)と当接するため、収容空間(47)に水等の異物が浸入することをより効果的に抑制することができる。
【0130】
本実施形態において、第1ファンハウジング(33)は、第2ファンハウジング(34)と結合する際に位置決めする位置決め部となる係合凹部(35e)を有し、第2ファンハウジング(34)は、係合凹部(35e)と係合しかつ位置決め部となる第2径方向リブ(36c)および第2周方向リブ(36d)を有する。係合凹部(35e)、第2径方向リブ(36c)、および第2周方向リブ(36d)により、第1ファンハウジング(33)と第2ファンハウジング(34)とを結合させる際の位置決めが容易になる。これにより、ファンユニット(30)の組立を容易にすることができる。
【0131】
本実施形態において、第1羽根車(31)および第2羽根車(32)の径方向の長さ(W3)は、ファンモータ(40)の厚み(L3)の3倍以上である。また、ファンモータ(40)は、アキシャルギャップ型のモータである。これにより、ファンモータ(40)の厚みを薄くしつつ大口径の羽根車(31,32)を用いて、大風量かつコンパクトなファンユニット(30)を実現することができる。
【0132】
本実施形態における空気清浄機(10)は、ファンユニット(30)と、ファンユニット(30)を収容するケーシング(11)と、を備える。ファンモータ(40)がファンハウジング(33,34)内に収容されたファンユニット(30)を用いることで、ケーシング(11)内に、ファンモータ(40)の支持部を別途設ける必要がなく、省スペース化することができる。省スペース化した分を羽根車(31,32)の設置面積の拡大に利用することで、空気清浄機(10)の風量を向上させることができる。また、ファンモータ(40)をファンハウジング(33,34)の外側に配置する場合と比較して、羽根車(31,32)を、吸込口(15,16)の近くに配置することができる。対象空間の空気を取り込みやすくなるため、空気清浄効果を向上させることができる。
【0133】
本実施形態において、ケーシング(11)は、ファンモータの回転軸方向の両側に空気を吸い込む第1吸込口(15)および第2吸込口(16)を有し、第1吸込口(15)および第2吸込口(16)からファンユニット(30)までの空気通路(P)にHEPAフィルタ(23,24)および脱臭フィルタ(25,26)が配置されている。HEPAフィルタ(23,24)および脱臭フィルタ(25,26)を2箇所に分けて配置することで、フィルタの総面積を大きくすることができ、圧損を抑制することができる。圧損の抑制により空気清浄機(10)の大風量化を図ることができる。また、HEPAフィルタ(23,24)および脱臭フィルタ(25,26)をファンユニット(30)の流出口(33d,34d)よりも下流側(ここでは上側)に配置する場合と比較して、ケーシング(11)の高さ出来る限り小さくすることができる。
【0134】
本実施形態において、ケーシング(11)は、前側から空気を吸い込む第3吸込口(19)と、第3吸込口(19)から吸い込まれた空気をフィルタ(23,24,25,26)の上流側に向かって流す中継通路(19a)と、を有する。複数の箇所から空気を吸い込んで、適切にフィルタ(23,24,25,26)を通すことができ、空気清浄効率を向上させることができる。
【0135】
本実施形態において、ケーシング(11)は、脱臭フィルタ(25,26)とファンユニット(30)との間に、グリル(71)を有し、脱臭フィルタ(25,26)をグリル(71)に沿った状態で固定する固定部材(73)とレバー(74)とを備える。脱臭フィルタ(25,26)が不意に移動することを抑制することができ、空気清浄効果を高い状態に維持することができる。また、本実施形態では、脱臭フィルタ(25,26)は、グリル(71)に設けられたピン(72)により上下方向に支持されるため、脱臭フィルタ(25,26)の移動がより効果的に抑制される。
【0136】
本実施形態において、活性種を生成する放電ユニット(27,28)を備え、ケーシング(11)は、放電ユニット(27,28)で生成された前記活性種を、HEPAフィルタ(23,24)および脱臭フィルタ(25,26)よりも上流側に向かって放出する放出通路(80,87)を有する。本実施形態のように、HEPAフィルタ(23,24)および脱臭フィルタ(25,26)が羽根車(31,32)の上流側にあったとしても、放出通路(80,87)により、活性種をフィルタ(23,24,25,26)に付着させることができ、空気清浄効果を向上させることができる。特に、放出通路(80,87)は、HEPAフィルタ(23,24)の対向する辺の両側に複数の放出孔(83a,84a)を有するため、HEPAフィルタ(23,24)の面全体に活性種を付着させることができる。
【0137】
(7)変形例
前記実施形態については、以下のような変形例の構成としてもよい。
【0138】
図20に示すように、第1ファンハウジング(233)の外観と第2ファンハウジング(234)の外観とが、回転軸(X)に直交する平面に対して非対称に形成されている。具体的には、第2流出口(234a)は、第1流出口(233a)に対して、前側ずれて配置されている。この構成であっても、ファンモータ(40)は、第1ファンハウジング(233)と第2ファンハウジング(234)とで形成されるモータ収容空間(47)に収容される。
【0139】
なお、第1ファンハウジング(233)の外観と第2ファンハウジング(234)の外観とが、回転軸(X)に直交する平面に対して非対称であれば如何なる構成であってもよい。例えば、第2流出口(234a)を、第1流出口(233a)に対して、前後に傾斜させてもよい。また、第2羽根車(32)を第1羽根車(31)よりも、回転軸(X)方向に小さくして、第2ファンハウジング(234)を第1ファンハウジング(233)よりも回転軸(X)方向に小さくしてもよい。
【0140】
(8)その他の実施形態
ファンユニット(30)は、空気清浄機(10)以外に採用されてもよい。例えば、ファンユニット(30)は、送風装置に採用されてもよい。
【0141】
空気清浄機(10)は、加湿ユニット(50)を備えていなくてもよい。
【0142】
モータ収容空間(47)は、一部が第1ファンハウジング(33)に形成され、残部が第2ファンハウジング(34)に形成されていた。モータ収容空間(47)は、第1ファンハウジング(33)のみまたは第2ファンハウジング(34)のみに形成されていてもよい。例えば、第1ファンハウジング(33)のみにモータ収容空間(47)で形成するときには、第1リブ(35)のみでモータ収容空間(47)を構成し、第2リブ(36)を省略してもよい。
【0143】
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態、変形例、その他の実施形態は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。
【0144】
以上に述べた「第1」、「第2」、「第3」…という記載は、これらの記載が付与された語句を区別するために用いられており、その語句の数や順序までも限定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0145】
以上に説明したように、本開示は、ファンユニットおよび空気清浄機について有用である。
【符号の説明】
【0146】
10 空気清浄機
11 ケーシング
15 第1吸込口(主吸込口)
16 第2吸込口(主吸込口)
19 第3吸込口
19a 中継通路
23 第1HEPAフィルタ
24 第2HEPAフィルタ
25 第1脱臭フィルタ
26 第2脱臭フィルタ
27 第1放電ユニット(活性種生成部)
28 第2放電ユニット(活性種生成部)
30 ファンユニット
31 第1羽根車
32 第2羽根車
33 第1ファンハウジング
34 第2ファンハウジング
35 第1リブ
35c 第1径方向リブ(接触部)
35d 第1周方向リブ(接触部)
35e 係合凹部(位置決め部)
36 第2リブ
36c 第2径方向リブ(接触部、位置決め部)
36d 第2周方向リブ(接触部、位置決め部)
40 ファンモータ
41 モータ本体
42 出力軸
43a 外周部
44a 外周部
46 防振部材
47 モータ収容空間
71 グリル
73 固定部材(固定部)
74 レバー(固定部)
80 第1放出通路
87 第2放出通路
233 第1ファンハウジング
234 第2ファンハウジング
L1 第1距離
L2 第2距離
L3 第3距離
P 空気通路
W3 羽根車の径方向の長さ
X 回転軸
【要約】
【課題】ファンユニット(30)をコンパクト化する。
【解決手段】ファンユニット(30)は、モータ本体(41)およびモータ本体(41)から回転軸方向の両側に延びる出力軸(42)を有するファンモータ(40)と、一方の前記出力軸(42)に接続された第1羽根車(31)と、他方の前記出力軸(42)に接続された第2羽根車(32)と、前記第1羽根車(31)を収容する第1ファンハウジング(33)と、前記第2羽根車(32)を収容する第2ファンハウジング(34)と、を備える。前記第1ファンハウジング(33)および前記第2ファンハウジング(34)の少なくとも一方は、前記ファンモータ(40)を収容する収容空間(47)を有する。
【選択図】
図6