(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-07
(45)【発行日】2025-01-16
(54)【発明の名称】微生物を用いたダニ誘引剤
(51)【国際特許分類】
A01N 63/22 20200101AFI20250108BHJP
A01P 19/00 20060101ALI20250108BHJP
A01N 35/04 20060101ALI20250108BHJP
A01N 37/02 20060101ALI20250108BHJP
A01M 1/02 20060101ALI20250108BHJP
【FI】
A01N63/22
A01P19/00
A01N35/04
A01N37/02
A01M1/02 B
(21)【出願番号】P 2020182010
(22)【出願日】2020-10-30
【審査請求日】2023-09-22
(31)【優先権主張番号】P 2019215992
(32)【優先日】2019-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【微生物の受託番号】FERM P-21162
【微生物の受託番号】NITE P-02007
【微生物の受託番号】NITE P-02127
(73)【特許権者】
【識別番号】507029133
【氏名又は名称】碇 正男
(72)【発明者】
【氏名】碇 正男
(72)【発明者】
【氏名】松澤 哲宏
【審査官】長谷川 大輔
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/050159(WO,A1)
【文献】特開2016-210756(JP,A)
【文献】特開2018-007661(JP,A)
【文献】特開2018-008945(JP,A)
【文献】国際公開第2016/009981(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/159214(WO,A1)
【文献】特開2016-149963(JP,A)
【文献】特開2008-184394(JP,A)
【文献】特開昭64-019004(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0027793(US,A1)
【文献】特開2020-200253(JP,A)
【文献】特開2019-054756(JP,A)
【文献】特開2019-052185(JP,A)
【文献】本田 洋,昆虫誘引物質と微生物,化学と生物,第27巻、第11号,1989年,第704-711頁,<URL:https://www.jstage.jst.go.jp/article/kagakutoseibutsu1962/27/11/27_11_702/_pdf/-char/ja>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M1/00-99/00
A01N1/00-65/48
A01P1/00-23/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
Bacillus subtilis標準株(NBRC3134)、
受託番号FERM P-21162を有する微生物、
受託番号NITE P-02007を有する微生物、
受託番号NITE P-02127を有する微生物のいずれかを含有し、微生物が発する揮発性物質をダニ誘引成分として用いることを特徴とするダニ誘引剤。
【請求項2】
請求項
1に記載のダニ誘引剤を用いたダニ誘引捕獲材。
【請求項3】
請求項
1に記載のダニ誘引剤を用いたダニ誘引方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微生物を用いたダニ誘引剤、当該ダニ誘引剤を利用したダニ誘引捕獲材及びダニ誘引方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、建築技術の進歩と空調設備の普及により、住居は一年中快適な温度空間が実現し、居住性の向上と共に密閉性が高まり湿度の上昇を招いている。このため、ダニの生息に好条件の環境が整えられ、住居内性ダニ類の一般家庭内での繁殖が問題となってきている。ダニは特に布団などの寝具やカーペット、ソファーに多く棲息しており、気管支喘息、アレルギー性鼻炎等のアレルギー性疾患や、皮膚炎の原因となるため、効果的な駆除が要望されている。
【0003】
ダニの駆除方法としては殺ダニ剤の散布や殺ダニシートの設置による方法、ダニ忌避剤の散布や設置による方法、掃除機や天日欲しによる物理的な駆除方法がある。しかしながら、殺ダニ剤や忌避剤を用いた方法は寝具やカーペットなどで用いるのは安全上このましくなく、薬剤を用いない物理的駆除方法、例としては天日干しでは労力を要するし、その効果にも限界がある等の問題があった。
【0004】
そこで、この問題を解決するダニ誘引剤やダニ捕獲材が検討されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。特許文献1には、食品フレーバーを有効成分とするダニ誘引組成物が開示されている。特許文献2には、プロピオン酸ベンジル、ネロリドール、テルピネオール、n-ノニルアルコール及びファネソールを有効成分とするダニ誘引剤が開示されている。そして特許文献3には、酢酸ネリルや食品フレーバーを混合したダニ集合フェロモンを有効成分とするダニ誘引剤が開示されている。
【0005】
特許文献4、5、6、7に記された受託番号FERM P-21162を有する微生物、受託番号NITE P-02007を有する微生物、受託番号NITE P-02127を有する微生物は、安全性が確認されたバチルス属である。芽胞状態での揮発性物質を発することが観測されている。このため、微生物担体等に担持させた状態で乾燥させ芽胞化させた粉体は持続的に揮発性物質を発することができ、この揮発性物質によりカビの繁殖の抑制や消臭効果を発揮する。
【0006】
【文献】特開昭63-255207
【文献】特開2001-181110
【文献】特開2013-252102
【文献】特開2008-182906
【文献】特開2016-149963
【文献】特開2018-007661
【文献】特開2018-08945
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
食品フレーバー等の従来の誘引物質はダニへの誘引効果が十分に見られないだけでなく、ダニの餌となることで繁殖させる原因になるものもあった。また誘引物質は時間の経過とともに減少、劣化していくものであり、使用初期は誘引効果があってもだんだんと効果が薄くなっていく。近年は化学物質過敏症や環境ホルモンによる影響が問題となってきており、より安全なダニの駆除方法として化学物質を使わない誘引捕獲によるダニ駆除方法が求められている。本発明は、上記ダニ誘引剤の問題点に鑑み、ダニ類に対して顕著なダニ誘引性を示し、かつ安全性の高いダニ誘引剤を提供すること、さらにこれを利用した殺ダニ剤及びダニ捕獲材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、微生物を用いて微生物が発する揮発性物質を誘引成分として利用するダニ誘引剤、並びに、当該ダニ誘引剤を用いたダニ誘引捕獲材及びダニ誘引方法である。これらのダニ誘引剤、ダニ誘引捕獲材、ダニ誘引方法を用いることにより、寝具等に棲息しているダニを効果的に所定の場所に誘い出し、寝具等にアレルギーの原因物質となるダニの死骸を残すことなく、安全で持続的かつ、集中的にダニを駆除することが可能になる。
【0009】
本発明は、ダニ誘引成分として、誘引剤に導入した微生物の発する揮発性物質を用いることを特徴とする。微生物の中でも、芽胞を形成し長期間生存し人体に安全なバチルス属が、好適に用いられる。上記ダニ誘引成分は、微生物が持続的に発散するため、空気中の濃度が低い。また微生物自体も安全なものを使用することができる。これらの理由のため、極めて安全性が高いダニ誘引剤を提供できる。このダニ誘引剤は、人体に接触しても、口に入っても安全である。これらの微生物は、単独の種を用いても2種以上を併用してもよい。
【0010】
芽胞とは微生物が生存できない過酷な環境におかれた微生物が、その環境に対応するために形成する状態である。この形態になると微生物は活動を止め、乾燥や高温、低温などの微生物にとって危険な状況を生き延びることができるようになる。生きた微生物を商材として扱う場合に、輸送や保存は特に問題になるが、この芽胞状態を利用すればこの問題は解決し、容易に管理が可能になる。
【0011】
本発明者らは、芽胞状態の微生物に関して鋭意研究を行ったところ、芽胞状態でも、微生物が揮発性物質を産生することを確認し、これを用いてさまざまな環境に対応して持続的に効果を発揮する抗菌剤や消臭剤が得られることを見出している。
【0012】
この芽胞化した微生物が揮発性物質を産生するメカニズムを利用して、安全で持続的なダニの誘引を行ったのが本発明である。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るダニ誘引剤は、誘引剤に導入した微生物が持続的に発する揮発性物質を用いるものであって、ダニに対して持続的に優れた誘引効果を有する。従って、ダニをある箇所に集めることが可能で、人体に対して安全で持続的で集中的なダニ駆除が可能となる。また、本発明に係るダニ誘引捕獲材及びダニ誘引方法は、優れた誘引性を有する本発明に係るダニ誘引剤を用いるため、寝具等に棲息しているダニを効果的に誘い出し、寝具等にアレルギーの原因物質となるダニの死骸を残すことなく、安全で持続的かつ、集中的にダニを駆除することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明に用いる微生物は、微生物を微生物担体に担持させた状態で乾燥させることによって、微生物粉体とした状態で用いることもできる。
【0015】
ここで用いる微生物は、人体に害がなくダニを誘引する揮発性物質を産生するものなら使用でき、好ましくは芽胞などによって長期的に生存可能なものが好ましい。
【0016】
バチルス属の微生物は芽胞により乾燥状態で長期的に生存が可能である。代表的な株は枯草菌のBacillus subtilis種で、納豆菌などもこの種に含まれる。
【0017】
Bacillus pumilus種に属する受託番号FERM P-21162を有する微生物、Bacillus shackletonii種に近縁な受託番号NITE P-02007を有する微生物、Bacillus sporothermodurans属に近縁な受託番号NITE P-02127を有する微生物は、安全性が確認されたバチルス属であり、芽胞状態での揮発性物質も観測されている。
【0018】
微生物は前記の物に限らず、例えば自然界などから分離されたバチルス属も適宜用いることができる。
【0019】
本発明のダニ誘引剤に使用する微生物は、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0020】
ここで、微生物担体とは、微生物を保持する能力を有するもののことを言い、具体的には、多孔質ガラス、多孔質シリカ、セラミックス、金属酸化物、活性炭、カオリナイト、ベントナイト、ゼオライト、シリカゲル、アルミナ、アンスラサイト、パーライト等の粒子状担体、デンプン、寒天、キチン、キトサン、ポリビニルアルコール、アルギン酸、ポリアクリルアミド、カラギーナン、アガロース、ゼラチン等のゲル状担体、イオン交換樹性セルロース、イオン交換樹脂、セルロース誘導体、グルタルアルデヒド、ポリアクリル酸、ウレタンポリマー等を用いることができる。また、天然、もしくは合成の高分子化合物も有効であり、セルロースを主成分とする綿、麻、パルプ材より作られる紙類もしくは天然物を変性した高分子アセテート等も用いることができる。さらに、ポリエステル、ポリウレタンを初めとする合成高分子からなる布類も使用することができる。これらは微生物の付着性が良く、微細な間隙を有するものが好ましい。また注入時に容易に浸透できる微細な材料を用いるのがより好ましい。
【0021】
また、誘引されたダニを死滅させるために、微生物を担持させていない上記微生物担体を用いても良い。微生物担体の粉末はダニの体内に入り込んだり、体表の気孔を塞ぐなどしてダニ体内の水分を低下させて乾燥させて殺すことができる。
【0022】
本発明のダニ誘引剤には、増粘剤、香料等の他の配合剤を含有してもよい。
【0023】
本発明のダニ誘引剤は微生物が産生する揮発性物質を利用したものであるが、既存の食品フレーバーや誘引効果のある物質を用いた誘引剤と組み合わせることにより、相乗効果を得ることもできる。
【0024】
本発明の対象となるダニ類は、コナヒョウヒダニ、ヤケヒョウヒダニ等のチリダニ類、コウノホシカダニ、ケナガコナダニ、ムギコナダニ等のコナダニ類、チリニクダニ、イエニクダニ、サヤアシニクダニ等のニクダニ類、ミナミツメダニ、クワガタツメダニ、フトツメダニ、ホソツメダニ、アシナガツメダニ等のツメダニ類、イエダニ、トリサシダニ、ワクモ、スズメサシダニ等のイエダニ類、イエササラダニ類、シラミダニ類、ヒゼンダニ類が挙げられる。
【0025】
本発明のダニ捕獲材は、請求項1~4記載のダニ誘引剤と、通常、物理的駆除材とから構成される。上記物理的駆除材としては特に限定されず、例えば、加熱、乾燥、脱酸素できる装置や、ダニを捕獲できる構造を有する装置、粘着層を備えている装置などが挙げられる。また、ダニ誘引剤は、物理的駆除材の中に設置されていてもよいし、ダニ誘引成分が物理的駆除材に使用される部材の一部に含有されていてもよい。上記、ダニ捕獲材は、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0026】
本発明のダニ誘引剤は、その使用場所や使用物品としては特に限定されず、人体に直接接触する場所や物品に使用することができる。このような場所や物品としては、例えば、押入、下駄箱等の収納具類、台所、倉庫、床、廊下、畳、絨毯、カーペット、車シート等が挙げられる。
【実施例1】
【0027】
Bacillus属等に属する微生物は乾燥状態などの生存に適さない状態になると芽胞を形成し、乾燥や温度変化などに強い保存に適した状態となる。これを利用して、微生物培養液を多孔質物質に担持させた後に乾燥させ、芽胞形成を促すことで芽胞微生物粉体を作成することができる。
微生物担体としてパーライト1kgに、使用する微生物の微生物培養液 2Lを含浸させた。その後、微生物を担持した担体を常温の乾燥下に置き、乾燥させて水分を10%以下にし、微生物粉体1を作成した。微生物には、Bacillus subtilisの基準株であるNBRC3134株を用いた。また、FERM P-21162、NITE P-02007、NITE P-02127の微生物株を用いてそれぞれ微生物粉体2、3、4も作成した。
他に土壌から分離し遺伝子分析によりバチルス属のBacillus altitudinis種に近縁なBacillus株と確認された菌株を用いて微生物粉体5を作成した。これらの微生物粉体には、等量の粉末シリカゲルを添加した。
【0028】
また比較としてミルクフレーバーやチョコフレーバーなどの食品フレーバー、レモンやローズマリーなどの精油をそれぞれ多孔質シリカに担持させた担体粉末と、カツオブシ粉末、イリコ粉末等の食品粉末を用意した。
【0029】
微生物粉体3と前記ミルクフレーバー担持担体を等量で混合したものも用意した。
【0030】
これらの粉末0.5 g~1.0 gを不織布に封入し、一般家庭の寝具下に1週間配置し、誘引されたダニの有無を顕微鏡で確認した。
【0031】
【0032】
表1に示すように食品粉末はチリダニ類やコナダニ類とみられるダニの誘引が確認されたが、食品フレーバーを担持担体粉体は誘引が確認できなかった。そして本発明の微生物粉体には顕著にダニの誘引が確認できた。特に微生物粉体3は安定した誘引効果を確認できた。微生物粉体3とミルクフレーバー担持担体粉末を混合したものも同様の結果を得た。微生物粉体に誘引されたダニはほとんどが動かなくなっていた。
【0033】
微生物粉体はこの後も試験を継続したが一か月後にも誘引効果を確認できた。
【0034】
また微生物粉体のみのものと、微生物粉体と食品フレーバー担持担体粉末混合物を同時に近隣に配備した場合、後者はより強い誘引を確認できた。
【実施例2】
【0035】
実施例1で作成した微生物粉体1、3、4が発する揮発性物質をガスクロマトグラフ質量分析計で定性分析を行った。これにより三種の粉体で共通して、Benzaldehydeと酢酸などの有機酸類を確認した。
【0036】
前記Benzaldehydeと有機酸類をそれぞれ多孔質シリカに担持させてBenzaldehyde担持担体粉末と有機酸担持担体粉末を作成した。
【0037】
直径約20 cmの深めのガラス容器を用意し、そこに動物飼料と乾燥酵母粉末を等量で混合した培地で育成したヤケヒョウヒダニを培地と混合された状態で少量配置した。また検体となる粉末1 gを不織布に入れた物を容器内に配置し、容器を通気性のある不織布で蓋をし、温度25 ℃湿度70 %の暗室で48時間静置した。その後に粉体を入れた不織布表面にダニが付着しているかを確認した。検体としては前記のBenzaldehyde担持担体粉末、有機酸担持担体粉末、また対照として何も担持していない担体粉末で行った。
【0038】
この結果、対照ではダニの付着が確認できなかったが、Benzaldehydeと有機酸類を担持した担体粉末ではそれぞれでダニの付着が確認できた。このことから微生物が発している揮発性物質がダニを誘引していることが確認できた。
【0039】
揮発性物質を担持した担体粉末はダニの誘引効果はあるが、持続性については微生物粉体に対して劣るものとなる。しかし、微生物粉体と混合して使用することにより初期のダニの誘引を強化した商品を得ることできる。
【実施例3】
【0040】
微生物粉体、食品フレーバー担持担体粉末、揮発性物質担持担体粉末を適当な比率で混合し微生物混合粉体を得た。
【0041】
直径20 mm長さ200 mmのビニールチューブを用意し内部に、実施例2で用いたヤケヒョウヒダニと培地の混合物、脱脂綿、不織布に入れた微生物混合粉体1 gの順に配置し、ダニを配置した側のチューブ口を通気性のある不織布で蓋をし、反対側の口は通気性のないパラフィルムで蓋をした。これをアルミホイルで通気性を保ちながら遮光し、室温約25℃、湿度約60%で48時間静置した。その後、不織布入り微生物混合粉体を取り出し、不織布表面や粉体を実体顕微鏡で観察し、誘引されたダニの数を計測した。また対照として、同様の試験を何も担持していない担体粉末、さらにカツオブシ・イリコを等量で混合した粉末でそれぞれ行った。
【0042】
【0043】
表2に示す通り、微生物混合粉体はダニを大きく誘引する力があった。カツオ・イリコ粉末での誘引がほぼ無かったのはダニが培地と共に配置されたため、培地自体の誘引に勝てなかったものと思われる。この点からも微生物混合粉体の優秀なダニ誘引性能が確認できる。
また、微生物混合粉体に誘引されたダニは全て動かなくなっており、死んだものと思われる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明によれば、微生物を導入した担体を用いたダニ誘引剤を用いると微生物が発する揮発性物質によって、ダニに対して持続的に優れた誘引効果を有する。従って、ダニをある箇所に集めることが可能で、集中的なダニ駆除が可能となる。また、本発明に係るダニ誘引捕獲材及びダニ誘引方法は、優れた誘引性を有する本発明に係るダニ誘引剤を用いるため、寝具等に棲息しているダニを効果的に誘い出し、寝具等にアレルギーの原因物質となるダニの死骸を残すことなく、かつ、持続的で集中的にダニを駆除することが可能である。
【0045】
したがって、本発明は、寝具等に潜む屋内のダニの誘引を持続的に行うことができるダニ誘引剤として、利用可能なものである
【0046】
また、使用する微生物株に、受託番号FERM P-21162を有する微生物、受託番号NITE P-02007を有する微生物、受託番号NITE P-02127を有する微生物のような抗菌能力や消臭能力などの有用な効果を持つ菌株を用いることによって、ダニだけでなくカビや悪臭なども同時に対策が可能な製品を作ることも可能である。