(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-07
(45)【発行日】2025-01-16
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理システム、情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/04 20120101AFI20250108BHJP
【FI】
G06Q40/04
(21)【出願番号】P 2024107534
(22)【出願日】2024-07-03
【審査請求日】2024-07-03
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520487392
【氏名又は名称】PostPrime株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106220
【氏名又は名称】大竹 正悟
(72)【発明者】
【氏名】高橋 ダニエル圭
【審査官】加内 慎也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第01/037157(WO,A1)
【文献】特開2007-102553(JP,A)
【文献】特開2011-043916(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ装置が行う情報処理方法であって、
投資銘柄の値動きを予測するテクニカル指標又はチャートパターンを含む複数の予測指標によって
複数の前記投資銘柄の過去の価格データを読み取るステップと、
前記投資銘柄ごとに値動きの予測が的中した1又は複数の前記予測指標について、その予測がシグナル正確率を充足するか否かを
前記投資銘柄ごとに判定する判定ステップと、ここで前記シグナル正確率は前記予測指標ごとの売買シグナルの発生回数と前記売買シグナルにより予測される値動きが発生した予測の的中回数との関係を示す指標であり、
前記シグナル正確率を充足する前記予測指標を有効予測指標として
前記投資銘柄ごとに選定するステップとを含む、
情報処理方法。
【請求項2】
前記判定ステップは、値動きの予測を行う予測基準時から遡及して前記価格データを蓄積する第1の遡及期間よりも短い第2の遡及期間について前記シグナル正確率の充足を判定する、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
さらに、前記情報処理方法は、前記有効予測指標に基づいて値動きを予測する予測評価データを
前記投資銘柄ごとに生成するステップを含む、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記予測評価データは、前記投資銘柄が割安、中立又は割高であるかを示す予測評価情報を含む、
請求項3に記載の情報処理方法。
【請求項5】
さらに、前記情報処理方法は、前記有効予測指標として選定した前記テクニカル指標又はチャートパターンの指標リストを
前記投資銘柄ごとに生成するステップを含む、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記指標リストは、前記有効予測指標として選定されない無効予測指標としての前記テクニカル指標又はチャートパターンを含む、
請求項5に記載の情報処理方法。
【請求項7】
さらに、前記情報処理方法は、前記価格データについて前記有効予測指標で値動きを予測した場合の売買シグナルを含むシグナルチャートを生成するステップを含む、
請求項1に記載に記載の情報処理方法。
【請求項8】
さらに、前記情報処理方法は、前記有効予測指標を前記価格データに適用して売買した場合の運用成果を示す投資シミュレーションデータを生成するステップを含む、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項9】
さらに、前記情報処理方法は、第1のコンピュータ装置としての前記コンピュータ装置と通信可能な第2のコンピュータ装置に対して、前記第1のコンピュータ装置が前記第2のコンピュータ装置で出力可能な前記投資銘柄の値動きの予測に関する予測情報を送信するステップを含む、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項10】
前記予測情報は、前記第2のコンピュータ装置においてテキスト、音声、画像、動画又はキャラクターの会話の少なくとも何れかにより出力可能である、
請求項9に記載の情報処理方法。
【請求項11】
情報処理システムであって、
前記情報処理システムは、第1のコンピュータ装
置を含み、
前記第1のコンピュータ装置は、読み取り部と、正確率充足判定部と、有効予測指標選定部とを含み、
前記読み取り部は、投資銘柄の値動きを予測するテクニカル指標又はチャートパターンを含む複数の予測指標によって
複数の前記投資銘柄の過去の価格データを読み取り可能に構成され、
前記正確率充足判定部は、
前記投資銘柄ごとに前記値動きの予測が的中した1又は複数の前記予測指標について、その予測がシグナル正確率を充足するか否かを
前記投資銘柄ごとに判定可能に構成され、ここで前記シグナル正確率は前記予測指標ごとの売買シグナルの発生回数と前記売買シグナルにより予測される値動きが発生した予測の的中回数との関係を示す指標であり、
前記有効予測指標選定部は、前記シグナル正確率を充足する前記予測指標を有効予測指標として
前記投資銘柄ごとに選定可能に構成される、
情報処理システム。
【請求項12】
情報処理装置であって、
前記情報処理装置は、読み取り部と、正確率充足判定部と、有効予測指標選定部とを含み、
前記読み取り部は、投資銘柄の値動きを予測するテクニカル指標又はチャートパターンを含む複数の予測指標によって
複数の前記投資銘柄の過去の価格データを読み取り可能に構成され、
前記正確率充足判定部は、
前記投資銘柄ごとに前記値動きの予測が的中した1又は複数の前記予測指標について、その予測がシグナル正確率を充足するか否かを
前記投資銘柄ごとに判定可能に構成され、ここで前記シグナル正確率は前記予測指標ごとの売買シグナルの発生回数と前記売買シグナルにより予測される値動きが発生した予測の的中回数との関係を示す指標であり、
前記有効予測指標選定部は、前記シグナル正確率を充足する前記予測指標を有効予測指標として
前記投資銘柄ごとに選定可能に構成される、
情報処理装置。
【請求項13】
コンピュータ装置を投資銘柄の値動きを予測するサーバとして動作させるプログラムであって、
前記プログラムは、
前記投資銘柄の値動きを予測するテクニカル指標又はチャートパターンを含む複数の予測指標によって
複数の前記投資銘柄の過去の価格データを読み取ることと、
前記投資銘柄ごとに値動きの予測が的中した1又は複数の前記予測指標について、その予測がシグナル正確率を充足するか否かを
前記投資銘柄ごとに判定することと、ここで前記シグナル正確率は前記予測指標ごとの売買シグナルの発生回数と前記売買シグナルにより予測される値動きが発生した予測の的中回数との関係を示す指標であり、
前記シグナル正確率を充足する前記予測指標を有効予測指標として
前記投資銘柄ごとに選定することと、を行う命令を含む、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は情報処理方法、情報処理システム、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
市場で取引されて価格が形成される金融商品(本開示で「投資銘柄」という。また「本開示」とは明細書、特許請求の範囲、図面をいう。)の値動きを予測する手法として、テクニカル指標や投資銘柄のチャートパターンを予測指標として予測する方法が知られている。しかしながら、値動きを予測するために使用されるテクニカル指標や投資銘柄のチャートパターンは、多種多様である上にそれらの数も多く、熟練した投資家であっても、投資銘柄ごとに有効なテクニカル指標やチャートパターンを見出すことは困難である。特許文献1には、顧客が要求する株式投資指標の基準に合致した銘柄を、前記顧客に通知するシステムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで本開示は、投資銘柄の値動きの予測に役立てる新たな技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の態様は、コンピュータ装置が行う情報処理方法である。情報処理方法は、投資銘柄の値動きを予測するテクニカル指標又はチャートパターンを含む複数の予測指標によって前記投資銘柄の過去の価格データを読み取るステップと、値動きの予測が的中した1又は複数の前記予測指標について、その予測がシグナル正確率を充足するか否かを判定する判定ステップと、ここで前記シグナル正確率は前記予測指標ごとの売買シグナルの発生回数と前記売買シグナルにより予測される値動きが発生した予測の的中回数との関係を示す指標であり、前記シグナル正確率を充足する前記予測指標を有効予測指標として選定するステップとを含む。
【0006】
これによれば、投資銘柄の値動きの予測に役立てることができる。
【0007】
特に、第1の態様では、投資銘柄の値動きを予測するテクニカル指標又はチャートパターンを含む複数の予測指標によって投資銘柄の過去の価格データを読み取る(読み取りステップ)。これによれば、各予測指標が当該投資銘柄の値動きを予測するのに使用し得るか否かを確認することができる。
【0008】
また、第1の態様では、値動きの予測が的中した1又は複数の前記予測指標について、その予測がシグナル正確率を充足するか否かを判定する(判定ステップ)。そのシグナル正確率は、前記予測指標ごとの売買シグナルの発生回数と前記売買シグナルにより予測される値動きが発生した予測の的中回数との関係を示す指標である。これによれば、値動きの予測が的中した予測指標の中で、より予測の正確性の高い予測指標を判定することができる。その判定基準は、売買シグナルの発生回数とその予測の的中回数との関係を示すシグナル正確率とすることができ、それによって明確に判定することができる。
【0009】
さらに、第1の態様では、前記シグナル正確率を充足する前記予測指標を有効予測指標として選定するため、予測の正確性の高い予測指標を有効予測指標として選定することができる(選定ステップ)。その選定された1又は複数の有効予測指標は、投資銘柄ごとの過去の価格データを読み込んで選定されたものである。このため有効予測指標は、投資銘柄ごとの値動きの要因や特徴を反映する予測指標となる。
【0010】
前記判定ステップは、値動きの予測を行う予測基準時から遡及して前記価格データを蓄積する第1の遡及期間よりも短い第2の遡及期間について前記シグナル正確率の充足を判定する。
これによれば、投資銘柄の値動きを予測する新たな技術を提供できる。第1の遡及期間は価格データの蓄積期間である。これに対して第2の遡及期間は、それよりも投資銘柄の直近の値動きの特徴を反映している。したがって、より予測の正確性の高い有効予測指標を選定することができる。
【0011】
テクニカル指標又はチャートパターン(本開示で「テクニカル指標」、「予測指標」という。)による値動きの予測は、売買シグナルとその後の値動きとの間に一定の規則性があるという経験則に基づいている。その一方で、全ての投資銘柄に対して常に有効なテクニカル指標は存在しない。つまり投資銘柄の値動きには、その経験則によって捉えることができない様々な要因に基づく不確実性がある。そのため、過去に値動きを予測できたテクニカル指標であっても、それが予測基準時でも信頼性があることを確認し、予測の正確性を高めることがより好ましい。
【0012】
そこで、前記情報処理方法では、第2の遡及期間について前記シグナル正確率の充足を判定し、有効予測指標を選定する。したがって、この情報処理方法によれば、予測基準時に近いトレンドを反映したより正確性の高いテクニカル指標等を選定することができる。
【0013】
ここで「予測基準時」とは、投資銘柄の値動きの予測を行う時点という意味である。「予測基準時」は、例示として以下の時点とし得るが、これに限定されずその他の時点としてもよい。また「予測基準時」は、少なくとも年月日を含み、さらに時刻を含み得る。本開示の各所に記載する「予測基準時」は、明示の説明の有無に拘わらず、すべて上記の意味である。
(1)投資銘柄の価格の更新時(例:取引市場で価格が変化した任意の時点、第1のコンピュータ装置で使用可能な価格データが更新された任意の時点)
(2)投資銘柄の値動きの予測を行う時点(例:現時点、過去の任意の時点)
【0014】
さらに、前記情報処理方法は、前記有効予測指標に基づいて値動きを予測する予測評価データを生成するステップを含み得る。
これによれば、正確性のある有効予測指標に基づいて予測評価データを取得でき、予測評価データを情報提供等のために利用することができる。ここで「予測評価データ」は、投資銘柄の予測価格とし得る。予測価格は、例示として、予測基準時から所定期間経過後の価格、売買シグナル発生時から所定期間経過後の価格とすることができるが、これに限定されずある時点から所定期間経過後の価格とし得る。
【0015】
前記予測評価データは、前記投資銘柄が割安(買い)、中立又は割高(売り)であるかを示す予測評価情報を含み得る。
これによれば、投資銘柄の具体的なトレンドを容易に知ることができる。ここで「予測評価情報」は、割安、中立、割高を直接又は間接的に示すことができる情報であればよく、特定の形態に限定されない。その情報は文字、数値、記号、グラフ、図表等により認識可能な形態で表示し得る。
【0016】
前記情報処理方法は、前記有効予測指標として選定した前記テクニカル指標又はチャートパターンの指標リストを生成するステップを含み得る。
既知のようにテクニカル指標又はチャートパターンによる予測指標は多数存在し、有効な予測指標を選定すること自体が困難であり、したがってそれは投資家にとって重要な関心事である。前記情報処理方法では、有効予測指標の指標リストを生成するため、指標リストを情報提供等のために利用することができる。投資家は指標リストを見ることにより、予測評価データの根拠となったテクニカル指標を知ることで、投資学習の機会とすることができる。
【0017】
前記指標リストは、前記有効予測指標として選定されない無効予測指標としての前記テクニカル指標又はチャートパターンを含み得る。
既知のように多数の予測指標が存在する一方で、投資銘柄ごとに予測に有効な予測指標はそれほど多くない。そのため予測に使用すべきでない無効予測指標を知ることは、投資家にとって重要な関心事である。無効予測指標を含む指標リストは情報提供等のために利用することができ、投資家は投資学習の機会とすることができる。
【0018】
さらに、前記情報処理方法は、前記価格データについて前記有効予測指標で値動きを予測した場合の売買シグナルを含むシグナルチャートを生成するステップを含み得る。
これによれば、有効予測指標に基づいて過去の価格データに現れる売りシグナルと買いシグナルとを確認することができる。売買シグナルは、2以上のテクニカル指標が有効予測指標として選定された場合には、それらを組み合わせて予測された売買シグナルである。したがって、例えば単一のテクニカル指標をチャートに表示するのとは異なり、一般の投資家にとっては作成が困難な複数の有効予測指標の組み合わせにより導かれた売買シグナルを含むチャートとすることができる。シグナルチャートは情報提供等のために利用し得る。
【0019】
さらに、前記情報処理方法は、前記有効予測指標を前記価格データに適用して売買した場合の運用成果を示す投資シミュレーションデータを生成するステップを含み得る。
これによれば、有効予測指標の有効性を確認することができる。ここで「投資シミュレーションデータ」は、有効予測指標に基づいて投資銘柄の運用を行った場合のリターンを示すデータとすることができる。例示として、リターンを示すデータは、運用損益額、運用損益の増減率とし得るがこれに限定されず、他のデータとしても良い。例示として、配当・分配金を含めた騰落率としてもよい。また、投資シミュレーションデータの期間は、年単位、月単位、日単位等とし得る。
【0020】
さらに、前記情報処理方法は、第1のコンピュータ装置としての前記コンピュータ装置と通信可能な第2のコンピュータ装置に対して、前記第1のコンピュータ装置が前記第2のコンピュータ装置で出力可能な前記投資銘柄の値動きの予測に関する予測情報を送信するステップを含み得る。
これによれば、第1のコンピュータ装置で生成される有効予測指標や予測評価データ等を第2のコンピュータ装置に提供することができる。第1のコンピュータ装置は情報提供サーバであり、第2のコンピュータ装置は情報提供サーバによる情報提供サービスを受けるユーザ端末とすることができる。
【0021】
前記予測情報は、前記第2のコンピュータ装置においてテキスト、音声、画像、動画又はキャラクターの会話の少なくとも何れかにより出力可能である。
これによれば、第2のコンピュータ装置がテキスト、音声、画像、動画又はキャラクターの会話の少なくとも何れかにより予測情報を出力可能であるため、第2のコンピュータ装置のユーザのニーズに応じた情報提供が可能となる。
【0022】
本開示の第2の態様は、情報処理システムである。前記情報処理システムは、第1のコンピュータ装置と、第2のコンピュータ装置とを含み、前記第1のコンピュータ装置は、読み取り部と、正確率充足判定部と、有効予測指標選定部とを含み、前記読み取り部は、投資銘柄の値動きを予測するテクニカル指標又はチャートパターンを含む複数の予測指標によって前記投資銘柄の過去の価格データを読み取り可能に構成され、前記正確率充足判定部は、前記値動きの予測が的中した1又は複数の前記予測指標について、その予測がシグナル正確率を充足するか否かを判定可能に構成され、ここで前記シグナル正確率は前記予測指標ごとの売買シグナルの発生回数と前記売買シグナルにより予測される値動きが発生した予測の的中回数との関係を示す指標であり、前記有効予測指標選定部は、前記シグナル正確率を充足する前記予測指標を有効予測指標として選定可能に構成される。
【0023】
本開示の第3の態様は、情報処理装置である。前記情報処理装置は、読み取り部と、正確率充足判定部と、有効予測指標選定部とを含み、前記読み取り部は、投資銘柄の値動きを予測するテクニカル指標又はチャートパターンを含む複数の予測指標によって前記投資銘柄の過去の価格データを読み取り可能に構成され、前記正確率充足判定部は、前記値動きの予測が的中した1又は複数の前記予測指標について、その予測がシグナル正確率を充足するか否かを判定可能に構成され、ここで前記シグナル正確率は前記予測指標ごとの売買シグナルの発生回数と前記売買シグナルにより予測される値動きが発生した予測の的中回数との関係を示す指標であり、前記有効予測指標選定部は、前記シグナル正確率を充足する前記予測指標を有効予測指標として選定可能に構成される。
【0024】
本開示の第4の態様は、コンピュータ装置を投資銘柄の値動きを予測するサーバとして動作させるプログラムであって、前記プログラムは、前記投資銘柄の値動きを予測するテクニカル指標又はチャートパターンを含む複数の予測指標によって前記投資銘柄の過去の価格データを読み取ることと、値動きの予測が的中した1又は複数の前記予測指標について、その予測がシグナル正確率を充足するか否かを判定することと、ここで前記シグナル正確率は前記予測指標ごとの売買シグナルの発生回数と前記売買シグナルにより予測される値動きが発生した予測の的中回数との関係を示す指標であり、前記シグナル正確率を充足する前記予測指標を有効予測指標として選定することと、を行う命令を含む。
【0025】
本開示の第5の態様は、コンピュータ装置を投資銘柄の値動きを予測するサーバとして動作させるプログラムを記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記プログラムは、前記投資銘柄の値動きを予測するテクニカル指標又はチャートパターンを含む複数の予測指標によって前記投資銘柄の過去の価格データを読み取ることと、値動きの予測が的中した1又は複数の前記予測指標について、その予測がシグナル正確率を充足するか否かを判定することと、ここで前記シグナル正確率は前記予測指標ごとの売買シグナルの発生回数と前記売買シグナルにより予測される値動きが発生した予測の的中回数との関係を示す指標であり、前記シグナル正確率を充足する前記予測指標を有効予測指標として選定することと、を行う命令を含む、非一時的コンピュータ可読記憶媒体である。
【0026】
前記第2の態様~第5の態様によれば、前記第1の態様と同様に、投資銘柄の値動きの予測に役立てることができる。
【0027】
さらに、前記第2の態様及び前記第3の態様は、選択的に、以下の構成を含み得る。この場合、第3の態様において、情報処理装置は第1のコンピュータ装置に該当し、これと通信可能な1又は複数の他のコンピュータ装置は第2のコンピュータ装置に該当する。
【0028】
前記正確率充足判定部は、値動きの予測を行う予測基準時から遡及して前記価格データを蓄積する第1の遡及期間よりも短い第2の遡及期間について前記シグナル正確率の充足を判定する。
【0029】
前記第1のコンピュータ装置は、予測評価データ生成部を含み、前記予測評価データ生成部は、前記有効予測指標に基づいて値動きを予測する予測評価データを生成可能として構成される。前記第2のコンピュータ装置は、前記第1のコンピュータ装置から取得した前記予測評価データを画面表示又は音声により出力可能として構成され得る。
【0030】
前記予測評価データは、前記投資銘柄が割安(買い)、中立又は割高(売り)であるかを示す予測評価情報を含み得る。
【0031】
前記第1のコンピュータ装置は、指標リスト生成部を含み、前記指標リスト生成部は、前記有効予測指標として選定した前記テクニカル指標又はチャートパターンの指標リストを生成可能に構成される。前記第2のコンピュータ装置は、前記第1のコンピュータ装置から取得した前記指標リストを画面表示又は音声により出力可能に構成され得る。
【0032】
前記指標リストは、前記有効予測指標として選定されない無効予測指標としての前記テクニカル指標又はチャートパターンを含み得る。
【0033】
前記第1のコンピュータ装置は、チャート生成部を含み、前記チャート生成部は、前記価格データについて前記有効予測指標で値動きを予測した場合の売買シグナルを含むシグナルチャートを生成するステップを含み得る。前記第2のコンピュータ装置は、前記第1のコンピュータ装置から取得した前記シグナルチャートを画面表示可能に構成され得る。
【0034】
前記第1のコンピュータ装置は、投資シミュレーションデータ生成部を含み、前記投資シミュレーションデータ生成部は、前記有効予測指標を前記価格データに適用して売買した場合の運用成果を示す投資シミュレーションデータを生成可能として構成され得る。前記第2のコンピュータ装置は、前記第1のコンピュータ装置から取得した前記投資シミュレーションデータを画面表示可能に構成され得る。
【0035】
前記第1のコンピュータ装置は、前記第1のコンピュータ装置と通信可能な第2のコンピュータ装置に対して、前記第2のコンピュータ装置で出力可能な前記投資銘柄の値動きの予測に関する予測情報を送信可能として構成され得る。前記第2のコンピュータ装置は、前記第1のコンピュータ装置から取得した前記予測情報を出力可能に構成され得る。
【0036】
前記予測情報は、前記第2のコンピュータ装置においてテキスト、音声、画像、動画又はキャラクターの会話の少なくとも何れかにより出力可能である。
【発明の効果】
【0037】
本開示の一態様によれば、投資銘柄の値動きを予測するための新たな技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0038】
本開示の一態様を例示する実施形態に基づき明瞭に説明するため、その説明に必要な図面を簡単に説明する。図面は、いくつかの実施形態を例示するものにすぎず、本開示の範囲を限定するものではない。当業者は、特段の発明能力を用いることなく、本開示の図面に基づいて他の関連する実施形態の図面を得ることができる。
【0039】
【
図1】一実施形態による情報提供システムの構成図である。
【
図2】一実施形態によるコンピュータ装置のブロック構成図である。
【
図3】一実施形態によるサーバの機能構成図である。
【
図4】一実施形態によるユーザ端末の機能構成図である。
【
図5】一実施形態による情報提供画面の説明図である。
【
図6】一実施形態による情報提供画面の説明図である。
【
図7】一実施形態による情報提供画面の説明図である。
【
図8】一実施形態による情報提供画面の説明図である。
【
図9】一実施形態による情報提供プロセスの説明図である。
【
図10】一実施形態による予測指標で価格データを読み取ることを示す説明図である。
【
図11】一実施態様による有効予測指標の選定と価格の予測を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本開示の一態様について、例示される実施形態に基づき、図面を参照しながら説明する。以下の実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
【0041】
本開示に含む全ての実施形態及び選択可能な実施形態は、互いに組み合わせて新たな実施形態を形成してもよい。また、本開示に含む全ての技術的特徴及び選択可能な技術的特徴は、互いに組み合わせることにより新たな技術的特徴を形成できる。
【0042】
本開示で使用する用語「又は」は包括的な用語として使用される。例えば「A又はB」は「A、B、又はAとBの両方」を意味する。「A」、「B」、「AとBの両方」は、いずれもそれぞれが「A又はB」を満たす。
【0043】
本明細書及び特許請求の範囲において「第1」、「第2」及び「第n(但しnは自然数)」と記載する場合、それは異なる要素を区別するために使用するものであり、特定の順序や優劣等を示すことを意図しない。各実施形態で共通する構成については、同一符号を付して重複説明を省略する。
【0044】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」等の用語及びそれらの用語を含む用語で表された方向又は位置関係は、図面に基づくものであり、実施形態を便宜的に及び簡略に説明するためのものにすぎない。したがって、明確な定義や限定がない限り、特定の要素やその使用が、特定の方向に構成されることを明示又は暗示するものではなく、また特許請求の範囲及び実施形態を限定するものではないと理解すべきである。
【0045】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される「約」、「およそ」、「ほぼ」、「実質的に」との用語によって修飾される数値又は要素については、その数値とその数値を中心とする前後の数値を含むものとして、またその要素と、その要素と同じと言えるものとを含むものとして理解される。
【0046】
本明細書及び特許請求の範囲に記載されるすべてのステップは、データ処理に矛盾が生じない限り、順番に行われてもよく、ランダムに行われてもよい。例えば、方法がステップAとBとを含むという場合には、順次行われるステップAとBとを含み、順次行われるステップBとAとを含んでもよい。方法がステップCをさらに含んでもよいと言及する場合、ステップCは任意の順番で方法に追加されてもよい。例えば方法は、順次行われるステップA、BとCとを含み、ステップA、CとBとを含み、ステップC、AとBとを含んでもよい。
【0047】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される「**部」という用語は、例えば1又は複数のハードウェア資源とそのハードウェア資源で実行される1又は複数のソフトウェア資源とを合わせて構成される「機能部」を含み得る。本明細書及び特許請求の範囲に記載するハードウェア資源(例示として、コンピュータ装置、サーバ、ユーザ端末、及びそれらを構成する電子デバイス)は、単一の装置として構成されるものだけでなく、2以上の装置を通信可能に接続することにより構成されるものを含み得る。
【0048】
以下の実施形態において処理対象とする情報(プログラム、コンテンツ、データ等)は0又は1で構成される2進数のビット集合体として信号値の高低によって表され、1又は複数のハードウェアを構成する信号処理回路により演算、通信が実行される。
【0049】
ここで信号処理回路とは、1又は複数の、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を組み合わせて構成される回路を指し、特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)、プログラマブル論理デバイス(例えば単純プログラマブル論理デバイス(SPLD:Simple Programmable Logic Device)、複合プログラマブル論理デバイス(CPLD:Complex Programmable Logic Device)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:Field Programmable Gate Array))等を含むものである。
【0050】
以下、本開示の一態様による情報提供システム等について説明する。情報提供システムは、特許請求の範囲に記載の情報処理方法、情報処理システム、情報処理装置、プログラム、非一時的コンピュータ可読記憶媒体について説明する。
【0051】
本開示にいう「非一時的コンピュータ可読記憶媒体」は、例えばフレキシブルディスク、光ディスク、ハードディスク、フラッシュメモリ、Uディスク、SD(Secure Digital Memory Card)カード、MMC(Multimedia Card)カードなどであり、この非一時的コンピュータ可読記憶媒体には一つ又は複数の命令が記憶され、この一つ又は複数の命令は1又は複数のプロセッサにより実行されて、実施形態の情報処理方法を実現することができる。
【0052】
本開示にいう「投資銘柄」とは、投資対象として市場で取引されることにより価格が形成される金融商品のことである。投資銘柄には、例示として、国内株式、外国株式、外国通貨(米ドル、ドル/円、オーストラリアドル/円、ポンド/円、ユーロ/円、カナダドル、スイスフラン、人民元、香港ドル、ニュージーランドドル、インドルピーなど)、商品先物(金、銀、パラジウム、プラチナ、銅、鉄鉱石、原油、大豆オイル、ガソリン、天然ガス、コーヒー、小麦、お米、砂糖、ココア、大豆など)、債券、仮想通貨などがある。本開示の各所に記載する「投資銘柄」との用語は、明細書等の各所における明示の説明の有無に拘わらず、上記の意味に理解され、1又は複数の金融商品を含むものである。個々の投資銘柄には、それぞれに適した予測指標が存在する。
【0053】
投資活動によりキャピタルゲインを得るには、投資銘柄の値動きに含まれる売買シグナルを適時に認識して売買を行う必要があり、そのために多数の予測指標が利用されている。「予測指標」は、テクニカル指標、チャートパターンの分析などを含むが、それらは例示に過ぎず、さらに新たな予測指標も開発されており、投資家が利用可能な予測指標は増え続ける一方である。
【0054】
予測指標としてのテクニカル指標としては、トレンド分析(例示として移動平均線、パラボリック、MACD、ボリンジャーバンド、DMIなど)、オシレータ分析(例示としてRSI、RCI、ストキャスティクスなど)、ローソク足分析等が知られているが、それらは例示であり、ここにすべてを列挙することはできない。また、予測指標としてのチャートパターン(チャートの形状)としては、様々なフォーメーション分析(例示としてダブルボトム&ダブルトップ、ヘッドアンドショルダーズなど)があるが、それらも例示であり、そのすべてをここに列挙することは不可能である。本開示の各所に記載する「予測指標」との用語は、明細書等の各所における明示の説明の有無に拘わらず、投資銘柄の値動きを予測するために使用されるすべてのテクニカル指標及びチャートパターンを含み得る。
【0055】
あらゆる投資銘柄に共通して常に有効な予測指標は存在しない。したがって、多くの投資家にとって悩ましい問題は、個々の投資銘柄に有効な予測指標を選ぶことである。日々価格が変動し得る投資銘柄について多数の予測指標の中から適切な予測指標を選定することは手間と時間と労力を要する作業であり、それを日常的に継続して行うことは事実上不可能である。特定の投資銘柄について過去に有効だった予測指標が、現在では有効ではない場合や、その逆の場合もある。特定の投資銘柄について有効な予測指標が他の投資銘柄では有効ではない場合もある。ある一つの投資銘柄であっても、トレンド相場で使用する予測指標(例えばトレンド系指標)と、レンジ相場で使用する予測指標(例えばオシレータ系指標)とは異なる。個々の投資銘柄について2つ以上の予測指標を組合わせて使用することも、常に行われている。これらのことを考慮しつつ投資ポートフォリオを形成する複数の投資銘柄について、投資家がそのような分析を行うことは事実上不可能である。
【0056】
そこで本実施形態は、個別の投資銘柄について有効な予測指標を選定可能とすることを目的とする。
【0057】
【0058】
情報提供システム100は、サーバ200により実現される。サーバ200は、多数のユーザ端末300に対して情報提供サービスを提供する。ユーザ端末300は、それぞれ、サーバ200に対して通信網Nを介して通信可能に構成されており、サーバ200により提供される情報提供サービスを利用することができる。ユーザ端末300どうしはサーバ200の情報提供サービスをコミュニケーションプラットフォームとして交流できる。サーバ200は本発明の「第1のコンピュータ装置」、「情報処理装置」を構成し、ユーザ端末300は本発明の「第2のコンピュータ装置」を構成する。本明細書及び図面において、符号300は「ユーザ端末群」と個々の「ユーザ端末」とに使用される。
【0059】
サーバ200は、ハードウェア資源として1又は複数のコンピュータ装置400により構成できる(
図2)。サーバ200は、プログラム(本開示で「情報提供プログラム」ともいう。)を実行することによりユーザ端末群300に対して情報提供サービスを提供する。サーバ200が実行するプログラムは、本発明の「プログラム」を構成する。
【0060】
情報提供プログラム200Aは、例えば、WEBアプリケーションにより構成し得る。WEBアプリケーションは、プレゼンテーション層、アプリケーション層、データ層を有し、サーバ200のハードウェア資源は、プレゼンテーション層を構築する1又は複数のWEBサーバ、アプリケーション層を構築する1又は複数のアプリケーションサーバ、データ層を構築する1又は複数のデータベースサーバにより構成し得る。
【0061】
プレゼンテーション層は、ユーザ端末300で実行されるクライアントサイド・プログラムとサーバ200で実行されるサーバサイド・プログラムとを含めて構成し得る。クライアントサイド・プログラムは、ユーザ端末300でのユーザインタフェースとして、例えば、WEBブラウザ、アプリによって入力機能、表示機能等を実行する。サーバサイド・プログラムでは、ユーザ端末300からの入力データ、命令の取得機能、ユーザ端末300へ表示データの出力機能を実行する。アプリケーション層は、サーバ200で実行される機能であり、例えば、ユーザ端末300からの命令の実行、データ処理、表示画面の生成等を行う。データ層は、サーバ200で実行される機能であり、記憶装置からのデータの抽出、データの更新、データの記憶等を行う。
【0062】
ユーザ端末300は、サーバ200と通信可能なコンピュータ装置400であり(
図2)、例えばノートパソコン、デスクトップパソコン、タブレット端末、スマートフォン、スマートウォッチ、ウェアラブルデバイス、車載ナビゲーションシステム等により構成できる。しかしながらユーザ端末300はそれらに限定されず、他のデバイスでもよい。サーバ200は、情報提供サービスを受ける多数のユーザ端末300と接続可能となっており、各ユーザ端末300はサーバ200から提供情報を受信可能となっている。
【0063】
【0064】
情報提供システム100を構成するサーバ200及びユーザ端末300は、1又は複数のコンピュータ装置400により構成し得る。
図2は1つのコンピュータ装置400のハードウェア資源のブロック構成図である。コンピュータ装置400は、例示として制御装置401、記憶装置402、入力装置403、出力装置404、通信装置405、データ伝送路406を含んで構成し得る。
【0065】
制御装置401は、1又は複数のプロセッサであり、情報提供プログラムを実行する。制御装置401は、コンピュータ装置400をサーバ200又はユーザ端末300として機能させるために動作する。
【0066】
記憶装置402は、1又は複数のROM、RAM及び外部記憶装置等を含む。記憶装置402は、情報提供プログラムを含む各種のプログラムと、そのプログラムにより処理されるデータとを記憶するが、それらに限定されず、その他のデータも記憶し得る。
【0067】
入力装置403は、1又は複数のキーボード、マウス又はタッチパネル等を含み得る。出力装置404は、1又は複数のディスプレイ装置又はスピーカー装置等を含み得る。通信装置405は、通信網Nを通じてサーバ200を含む他のコンピュータ装置400との通信を制御する。
【0068】
データ伝送路406は、制御装置401、記憶装置402、入力装置403、出力装置404又は通信装置405が、データを送受信するために共有する信号線である。データ伝送路406は、回路基板の回路配線、ケーブル配線又は無線等により構成し得る。
【0069】
【0070】
サーバ200は、複数の機能部として制御部201、記憶部202、出力部203を含む。制御部201は、制御装置401が情報提供プログラムを実行することにより構成される。制御部201は、サーバ200が実行する各種の動作を制御する。
【0071】
記憶部202は、情報提供プログラムを含む各種プログラムと各種データを保持する。記憶部202は、記憶装置402により構成できる。記憶部202に含まれる後述する各格納部は、それぞれデータテーブルとして構成できる。なお、本願明細書及び特許請求の範囲に記載する用語「格納部」の「格納」は「記憶」、「蓄積」と同義の用語として用いている。
【0072】
出力部203は、サーバ200が生成した各種データをユーザ端末300に送信する。
【0073】
制御部201は、
図3で示す複数の機能部、すなわち取得部210、読み取り部211、有効予測指標選定部212、予測評価データ生成部213、指標リスト生成部214、チャート生成部215、正確率充足判定部216、投資シミュレーションデータ生成部217、通知データ生成部218を含むが、これに限定されず他の機能部を含み得る。
【0074】
取得部210は、ユーザ端末300から通信網Nを介してサーバ200に送信されるデータを取得する。また、取得部210は、外部サーバ(銘柄データ配信サーバ)から通信網Nを介して投資銘柄の価格データ等を取得する。取得部210は、それぞれのデータを配信する1又は複数の外部サーバから投資銘柄ごとの価格データ等を受信して記憶部202に格納する。
【0075】
取得部210が取得するデータには、以下のものを含むが、これに限定されず他のデータを取得してもよい。
【0076】
<ユーザデータ>
ユーザデータは、記憶部202のユーザデータ格納部220に格納される。ユーザデータ格納部220は、情報提供システム100を利用するためにユーザ登録されたアカウントに関するデータ(アカウントデータ)を格納する。アカウントデータには、ユーザID、ユーザ名(ニックネーム)、電子メールアドレス、属性情報等のデータが格納されている。
【0077】
「ユーザID」は、情報提供システム100において、個々のアカウントを一意に識別するため識別記号である。個々のユーザ端末300に対して関連のある情報には、ユーザIDが関連付けられている。
【0078】
「ユーザ名(ニックネーム)」は、ユーザ端末群300のユーザを識別するために情報提供システム100において公開される情報である。
【0079】
「電子メールアドレス」は、ユーザ登録時に登録されるものであり、後述する通知を電子メールで送付する際の宛先情報として使用される。
【0080】
「属性情報」は、ユーザのプロフィールであり、ユーザの自己紹介文、職業、職業における専門分野、投資歴、得意とする投資分野、関心事等を含み得る。これらのうち少なくとも何れかは、ユーザの設定によって他のユーザ端末300に対して公開可能とされる。
【0081】
<銘柄データ>
銘柄データは、個々の投資銘柄の属性に関するデータであり、取引市場、取引名称、銘柄識別情報、当該投資銘柄のファンダメンタルズ情報(組織情報、資本情報、業績指標情報、財務情報等)等のデータを含む。銘柄データに後述の価格データを含めてもよい。銘柄識別情報は、情報提供システム100で個々の投資銘柄を一意に区別する情報であり、後述の価格データ等は、この銘柄識別情報に紐づけられて各種の処理がなされる。銘柄データは、前述したように、国内株式、外国株式、外国通貨、商品先物、債券、仮想通貨等のあらゆる投資銘柄を含み得る。銘柄データは記憶部202の銘柄データ格納部221に格納される。
【0082】
<価格データ>
価格データは、取引市場で形成される個々の投資銘柄の価格に関するデータである。価格データは、価格が形成された年、月、日、時、分、秒(これらをカレンダーデータという。)と、その各時点での価格を含むが、これに限定されない。安値、高値、始値、終値の価格の評価に関するデータと、出来高(売買量)等の取引量に関するデータなどの、他のデータも、価格データに含み得る。価格データは、個々の投資銘柄ごとにデータが存在し、1又は複数の外部サーバから提供を受けることができる。例示として、サーバ200が蓄積する投資銘柄ごとの価格データは、例えば過去30年分のデータが含まれる。価格データは銘柄識別データに関連付けられて、記憶部202の価格データ格納部222に格納される。
【0083】
読み取り部211は、投資銘柄の値動きを予測するテクニカル指標又はチャートパターンを含む複数の予測指標によって投資銘柄の過去の価格データを読み取る。価格データの読み取りに使用する予測指標は、記憶部202の予測指標格納部224に格納される。
【0084】
有効予測指標選定部212は、投資銘柄の価格データを読み取った予測指標の中から、所定のシグナル正確率を充足する予測指標を有効予測指標として選定する。選定された有効予測指標は、銘柄識別データと価格データに関連付けられて、記憶部202の予測指標格納部224に格納される。
【0085】
予測評価データ生成部213は、有効予測指標に基づいて予測基準時から所定期間経過後の値動きを予測する予測評価データを生成可能として構成される。予測評価データは、投資銘柄が割安(買い)、中立又は割高(売り)であるかを示す予測評価情報511aを含み得る。予測評価データと予測評価情報は、銘柄識別データと価格データに関連付けられて、記憶部202の予測評価データ格納部225に格納される。
【0086】
指標リスト生成部214は、有効予測指標514a1として選定したテクニカル指標又はチャートパターンの指標リスト514aを生成する。指標リスト514aは、有効予測指標514a1として選定されない無効予測指標514a2としてのテクニカル指標又はチャートパターンを含めて構成できる。指標リスト514aは、銘柄識別データと価格データに関連付けられて、記憶部202の指標リスト格納部226に格納される。
【0087】
チャート生成部215は、価格データについて有効予測指標で値動きを予測した場合の売買シグナルを含むシグナルチャート512aを生成する。シグナルチャート512aを形成するためのデータは、銘柄識別データと価格データに関連付けられて、記憶部202のチャート格納部227に格納される。
【0088】
正確率充足判定部216は、値動きの予測が的中した1又は複数の予測指標について、その予測がシグナル正確率515bを充足するか否かを判定する。シグナル正確率515bは、予測指標ごとの売買シグナルの発生回数と前記売買シグナルにより予測される値動きが発生した予測の的中回数との関係を示す指標である。シグナル正確率515bは、予測指標と銘柄識別データと価格データに関連付けられて、記憶部202の正確率格納部228に格納される。
【0089】
投資シミュレーションデータ生成部217は、有効予測指標514a1を価格データに適用して売買した場合の運用成果の投資シミュレーション情報513aを生成する。投資シミュレーション情報513aは、銘柄識別データと価格データに関連付けられて、記憶部202の投資シミュレーションデータ格納部229に格納される。
【0090】
通知データ生成部218は、ユーザ端末300で出力可能な投資銘柄に関する情報を選択又は生成し、テキスト、音声、画像、動画又はキャラクターの会話により通知する通知データを生成する。通知データ生成部218が生成する投資銘柄に関する情報は、予測評価データ、予測評価情報、指標リスト、シグナルチャート、シグナル正確率、投資シミュレーション情報の少なくとも何れかを含むことができる。通知データは、通知に必要な記憶部202に格納されている各種データと関連付けられて、記憶部202の通知データ格納部230に格納される。
【0091】
出力部203は、送信部231を含む。送信部231は、通信網Nを介してユーザ端末300に各種データを出力する処理を行う。送信部231が送信するデータは、ユーザ端末300で表示される画面データ、通知に関するデータを含む。送信部231が送信する通知は、音声による通知、電子メール送信による通知、又はウェブサイト画面若しくはアプリ画面での画像若しくはテキストメッセージによる通知の少なくとも何れかを含み得る。これによれば、ユーザ端末300において通知の受信を確実に認識することができる。また、通知は、ウェブサイト画面、アプリ画面又は前記ユーザ端末の画面へのキャラクターによる動画又はアニメーションによる通知を含み得る。ここで「キャラクター」は、人物キャラクター、擬人化キャラクター又は動物を含み得るが、その他のキャラクターでも良い。これによれば、通知に対するユーザの注意力を高めることができる。「キャラクターによる通知」には、キャラクターからユーザに向けた一方向の発言、キャラクターとユーザとの対話の何れも含み得る。
【0092】
【0093】
ユーザ端末300は、複数の機能部として制御部301、入力部302、記憶部303、通知処理部304、出力処理部305、通信部306を含む。
【0094】
制御部301は、クライアントサイドの情報提供プログラム300Aを実行することにより、ユーザ端末300が行う各種の動作を制御する。
【0095】
入力部302は、ユーザによるデータ入力を受け付ける。
【0096】
記憶部303は、サーバ200から送信されたクライアントサイド・プログラムや画面表示データ等を格納する。
【0097】
通知処理部304は、サーバ200から受信した通知を通知設定に従ってユーザ端末300で表示する処理を行う。通知は、情報提供プログラム300Aの情報表示画面500にて行うことができるほか、ユーザ端末300で受信する電子メールにて通知を受け取るように構成することもできる。
【0098】
出力処理部305は、ユーザ端末300の出力装置404に対してデータ出力を行う。出力装置404は、1又は複数のディスプレイ装置、スピーカー装置等である。情報提供プログラムの情報表示画面500は、ディスプレイ装置の画面に表示される。音声を含む音声データや動画データの出力は、スピーカー装置から出力される。
【0099】
通信部306は、サーバ200とのデータ通信を行う。
【0100】
【0101】
図5は、情報提供プログラム200A,300Aによって実現される情報表示画面500の例示である。情報表示画面500は、ユーザ端末300の表示デバイスにより表示される。情報表示画面500はWEBページやアプリ画面で構成される。
【0102】
<情報表示画面500>
情報表示画面500は、投資銘柄のチャート表示部510、予測評価情報表示部511、シグナルチャート表示部512、投資シミュレーション表示部513を含むが、これに限定されず、その1又は複数を減らしたり、1又は複数の他の情報の表示部を含めたりしてもよい。また、それらの表示形態も、
図5で示す形態に限定されず、他の形態で表示してもよい。
【0103】
予測評価情報表示部511等は、チャート表示部510に表示される投資銘柄(
図5の例示ではユーロ/米ドル)に関するものが表示される。ユーザ端末300により選択される投資銘柄に対応して、チャート表示部510と、予測評価情報表示部511、シグナルチャート表示部512、投資シミュレーション表示部513表示内容が変更される。投資銘柄の選択は、図示しない投資銘柄選択画面にて行うことができる。異なる投資銘柄を選択するごとに、情報表示画面500の表示内容が切り替わる。
【0104】
<チャート表示部510>
チャート表示部510は、投資銘柄の価格を示すチャート510aを含む表示領域である。
図5では、ユーロ/米ドルのチャート510aを例示している。チャート510aは、ライブチャート又は所定の時点での静止チャートのどちらにも設定し得る。チャート510aの表示期間は、ユーザ端末300で行う表示設定に応じて時分単位、日数単位、月数単位、年単位等の任意の表示期間にて表示し得る。チャート510aは、価格及びテクニカル指標のグラフを表示でき、例示として、価格の折れ線グラフ、ローソク足、移動平均線、一目均衡表、ボリンジャーバンド、ストキャスティクス、MACD、RSI等を表示できる。チャート510aには、単一のグラフ描画領域に複数のデータ線(価格のデータ線及び1又は複数のテクニカル指標のデータ線)を重ねて表示したり、又は複数のグラフ領域を並べて表示したりすることができる。なお、チャート510aは、外部サーバから取得することが可能である。
【0105】
<予測評価情報表示部511>
予測評価情報表示部511は、投資銘柄の予測評価情報511aを含む表示領域である。予測評価情報511aは、予測基準時から所定日数経過後において投資銘柄が割安(買い)、中立又は割高(売り)であるかを示す情報である。
【0106】
ユーザ端末300は投資銘柄の予測評価をサーバ200に要求する際に、具体的な予測基準時を選択し得る。これによれば過去の任意の時点での予測評価を知ることができる。特に過去の任意の時点での予測評価を知ることにより、ユーザは予測評価の正確性を実際の価格データの変動に照らして確かめることができる。「所定日数経過後」とは、予測基準時からの経過日数である。この経過日数は任意の日数とすることができ、サーバ200による設定日数又はユーザ端末300による設定日数を含み得る。
【0107】
図5では予測評価情報511aとしてメーターの図形を例示している。メーターは、扇形環(円弧形状、アーチ形状)の形状を例示するが、これに限定されず他の形状(例えば帯形状)でもよい。また、図形ではなく、その他の表示形態(例えば、文字のみ、記号のみ、文字と記号の組み合わせ)でもよい。文字の場合、例示として「低」、「中」、「高」とし得る。記号の場合、上昇、下降、横ばいを示す矢印とし得る。予測評価情報511aの「低」は投資銘柄が割安(買い)のトレンド相場であること、「高」は投資銘柄が割高(売り)のトレンド相場であること、「中」は投資銘柄が割安でも割高でもないレンジ相場であることを示す。「低」、「中」、「高」の文字は例示であり、これに限定されずその他の文字でもよい。こうした予測評価情報511aをユーザ端末300で表示可能とすることで、投資銘柄の具体的なトレンドを視覚によって容易に知ることができる。
【0108】
予測評価情報511aは、予測評価データに基づいて生成される。予測評価データは、予測評価データ生成部213により生成され、有効予測指標に基づいて予測基準時から所定期間経過後の値動きを予測して得られるデータである。
【0109】
予測評価データ生成部213は、例示として、有効予測指標に基づき予測基準時から所定期間経過後の投資銘柄の予測価格を生成する。この生成された投資銘柄の予測価格が、予測評価データとなる。有効予測指標は、後述のように、予測指標群の中から値動きの予測が的中した1又は複数の予測指標であり、且つその予測がシグナル正確率を充足したものである。したがって、値動きの予測が的中した予測指標の中でも、より予測の正確性の高い予測指標に基づく予測価格である。
【0110】
予測価格が予測評価を行う予測基準時の投資銘柄の価格よりも高ければ予測評価情報511aは「低」が示され、予測価格が当該価格よりも低ければ予測評価情報511aは「高」が示され、予測価格が当該価格と実質的に変わらない場合、予測評価情報511aは「中」が示される。予測価格が当該価格と実質的に変わらない場合とは、予測評価データ生成部213により設定される価格の増減幅に予測価格が収まる場合である。その価格の増減幅は、投資銘柄ごとに異なるものとして予測評価データ生成部213により設定される。
【0111】
<シグナルチャート表示部512>
シグナルチャート表示部512は、シグナルチャート512aを含む表示領域である。シグナルチャート512aは、データ線512bと売買シグナル、すなわち買いシグナル512cと売りシグナル512dとを含む。シグナルチャート512aは、予測基準時から遡及する任意の遡及期間(シグナル表示期間)について表示することができる。シグナル表示期間は、投資銘柄ごとに価格データ格納部222に格納した価格データのデータ蓄積期間と一致する場合、当該データ蓄積期間における任意の期間とする場合とすることができる。シグナル表示期間は、サーバ200にて設定可能であるほか、ユーザ端末300にて任意のシグナル表示期間を選択可能としてもよい。
【0112】
シグナルチャート表示部512には、表示年選択タブ512eを含み得る。表示年選択タブ512eは、ユーザ端末300で表示するシグナルチャート512aを選択するためのものである。
図5の例では2023年~2019年の各年のシグナルチャート512aを選択でき、2023年を予測基準時とするシグナルチャート512aが図示されている。2022年~2019年を選択した場合、各年を予測基準時としてシグナル表示期間(例えば過去5年間)に対応するシグナルチャート512aが表示される。
【0113】
<投資シミュレーション表示部513>
投資シミュレーション表示部513は、
図5で示すように、投資シミュレーション情報513aを含む表示領域である。投資シミュレーション情報513aは、予測基準時から遡及するシミュレーション期間に、有効予測指標に基づいて投資銘柄を売買した場合の運用成果を示すものであり、投資シミュレーションデータ生成部217により生成される。これにより、有効予測指標の正確性を確認することができる。シミュレーション期間とは、予測評価を行う予測基準時から遡及する所定期間である。シミュレーション期間は、投資銘柄ごとに価格データ格納部222に格納した価格データのデータ蓄積期間と一致する場合、当該データ蓄積期間における任意の期間とする場合とすることができる。シミュレーション期間は、サーバ200にて設定可能であるほか、ユーザ端末300にて任意の期間を選択可能としてもよい。
【0114】
図5で示す投資シミュレーション表示部513は、投資シミュレーション情報513aとしてグラフによる累積リターンを例示するが、これに限定されず他の表示形態でもよい。
【0115】
図6は投資シミュレーション表示部513の第2の表示態様である。この投資シミュレーション表示部513に含まれる投資シミュレーション情報513cは「期間」、「AIリターン」、「Holdリターン」を含む表形式である。「AIリターン」は、有効予測指標を用いて投資銘柄の値動きを予測して売買のシミュレーションをした場合に、シミュレーション期間の各年での運用成果を示したものである。これにより有効予測指標の正確性を示すことができる。「Holdリターン」は、投資銘柄を売買せずに持ち続けた場合に、シミュレーション期間の各年でのリターンを示したものである。このようにAIリターンとHoldリターンとを対比して表示することにより、有効予測指標の正確性を明瞭に示すことができる。
【0116】
投資シミュレーション表示部513での表示対象は、
図5の投資シミュレーション情報513a、
図6の投資シミュレーション情報513c又はそれら双方の組み合わせとすることができるが、それらに限定されない。それらの表示対象の選定は、サーバ200にて設定可能であるほか、ユーザ端末300にて任意に選択可能としてもよい。
【0117】
<予測指標表示部514>
情報表示画面500は、さらに、例示として
図7で示す予測指標表示部514を含むことができる。予測指標表示部514は、予測基準時に有効予測指標514a1として使用したテクニカル指標又はチャートパターンを示す指標リスト514aとして構成される。既知のように予測指標は多数存在し、有効な予測指標を選定すること自体が困難であり、したがってそれは投資家にとって重要な関心事である。ユーザ端末300を使用する投資家は、予測指標表示部514を見ることにより、予測の根拠となったテクニカル指標を知ることができ、それを投資学習の機会とすることができる。
【0118】
図7では、例示列挙した予測指標のうち「Hammer」、「Shooting star」が黒地の白抜き文字により有効予測指標514a1として示されている。それらとともに指標リスト514aには、有効予測指標514a1として選定されなかったテクニカル指標又はチャートパターンの無効予測指標514a2も示されている。例えば「Head & Shoulders」、「Bollinger band」がそれに該当し、白地で黒文字により無効予測指標514a2として表示されている。予測指標は多数存在するものの、投資銘柄にもよるが、実際に予測に有用な予測指標はそれほど多くない。そのため使用する必要が無い無効予測指標514a2を知ることも、有効予測指標514a1と同様に投資家にとって重要な関心事である。指標リスト514aは情報提供等のために利用することができ、投資家は投資学習の機会とすることができる。
【0119】
図7で示す指標リスト514aは、有効予測指標514a1と無効予測指標514a2とを列挙した表示形態としているが、これに限定されず他の表示形態でもよい。例示として、有効予測指標514a1と無効予測指標514a2とを混在させずに分けて表示する表示形態、有効予測指標514a1のみを示し無効予測指標514a2は別のウィンドウで表示する表示形態でもよい。また、有効予測指標514a1のみを示し、無効予測指標514a2を表示しないという表示形態でもよい。有効予測指標514a1と無効予測指標514a2の種類と的中回数は、いずれも投資銘柄ごと相違する。すべての予測指標を指標リスト514aとして表示してもよいし、その一部を表示する表示形態でもよい。他方、情報提供システム100が価格データを統計モデル又は機械学習で読み取るために使用するテクニカル指標又はチャートパターンの全部又は一部を列挙する表示形態でもよい。
【0120】
<シグナル正確率表示部515>
情報表示画面500は、さらに、例示として
図8で示すシグナル正確率表示部515を含むことができる。シグナル正確率表示部515は、シグナル正確率情報515aを含む。
図8のシグナル正確率情報515aは、シグナル正確率515bを含み、さらに、例示として期間515c、リターン515dを含む。
【0121】
シグナル正確率515bは、
図10で示すように投資銘柄の価格データを予測指標で読み取った際に、予測指標ごとの売買シグナルの発生回数と前記売買シグナルにより予測される値動きが発生した予測の的中回数との関係を示す指標である。例えば、テクニカル指標Aで投資銘柄Xの価格データを読み取った場合に、売買シグナルの発生回数が100回であり、テクニカル指標Aから通常予測される値動きの予測の的中回数が80回であった場合、シグナル正確率515bは「80%」となる。次にテクニカル指標Bで投資銘柄Xの価格データを読み取った場合に、売買シグナルの発生回数が50回で的中回数が30回であればシグナル正確率515bは「60%」となる。このようにサーバ200が価格の予測に使用可能なすべてのテクニカル指標とチャートパターンとによって個々の投資銘柄の価格データを読み込んで予測を行うことにより、シグナル正確率のランキングができる。そのランキング中の、例えばシグナル正確率が80%以上のテクニカル指標とチャートパターンとを有効予測指標として選定する。シグナル正確率515bは、このような判断を行う材料として使用することができる。
【0122】
シグナル正確率515bを生成する際に、例えば、予測指標による価格データの読み取りの対象期間は、価格データの全蓄積期間とすることができる。例えばデータ蓄積期間が30年分であれば、その全てのデータを読み取り対象とすることができる。この場合、20年前に売買シグナルが複数回発生した予測指標が判明するが、そうした過去に有効であった予測指標が現時点でも有効であるとは限らない。投資銘柄の値動きは、政治、経済、社会、政策、企業業績、事業環境、投資家心理等の様々な環境要因の影響を織り込んで形成され、そうした環境要因は変化するためである。
【0123】
そこで、予測指標による価格データの読み取りの対象期間は、最近の過去5年間、3年間、1年間等とすることができる。このように対象期間を予測基準日から遡及する直近の期間に限定することにより、最近の値動きの動向を踏まえた予測指標を有効予測指標として選定できるようになる。具体的には、その読み取り対象期間は過去5年とすることがよい。
【0124】
シグナル正確率表示部515は、
図8で示すものに限定されず他の表示形態でもよい。例示としてシグナル正確率表示部515は、シグナル正確率515bを含むものであればよく、期間515c、リターン515dは無くてもよく、他の情報を含めてもよい。例示としてテクニカル指標を単年に適用した結果の予測の正しさを表示するだけであれば、シグナル正確率515bのみとしてもよい。
【0125】
シグナル正確率515bは、
図8では例示として百分率(%)での表示例を示が、これに限定されず他の形態でも良い。正確率充足判定部216が生成した百分率に基づいてランク付けした定性的な表示をシグナル正確率515bとしてもよい。例示として、シグナル正確率515bを、数字や記号を用いる複数の段階的評価としたり、「高・中・低」、「上・中・下」等の文字を用いる複数の段階的評価としてもよい。これらはいずれもシグナル正確率515bに含み得る。
【0126】
<複数の表示部の組み合わせ>
投資銘柄のチャート表示部510、予測評価情報表示部511、シグナルチャート表示部512、投資シミュレーション表示部513、予測指標表示部514、シグナル正確率表示部515は、それらを個別の表示部(表示領域)として構成する例を示したが、これに限定されず、以下に例示するように、1つの表示部に複数の情報を統合して表示する構成としてもよい。なお、以下に例示しない複数の情報の組み合わせとしてもよい。
【0127】
チャート表示部510の表示領域には、シグナルチャート512aの買いシグナル512cと売りシグナル512dとシグナル正確率515bとを含めてもよい。
【0128】
予測評価情報表示部511の表示領域には、予測指標表示部514の指標リスト514aを含めてもよい。
【0129】
シグナルチャート表示部512の表示領域には、シグナル正確率情報515a又はシグナル正確率515bを含めてもよい。
【0130】
投資シミュレーション表示部513の表示領域には、シグナル正確率515bを含めてもよい。
【0131】
【0132】
情報提供システム100による情報提供方法(情報処理方法)の一例について説明する。以下では、サーバ200による投資銘柄の値動きの予測を中心に説明する。サーバ200による情報提供方法は、情報生成段階と情報提供段階とがある。
【0133】
<情報生成段階>
【0134】
データ取得(図9、S201)
取得部210は、外部サーバから投資銘柄ごとの銘柄データと価格データとを取得し、それらを銘柄データ格納部221と価格データ格納部222に蓄積する(S201)。価格データは、銘柄データの銘柄識別情報に関連付けて蓄積される。取得部210は、投資銘柄の価格の変動に応じて外部サーバから送信される新たな価格データを取得し、価格データ格納部222に蓄積する。価格データは、安値、高値、始値、終値、出来高等を例示できるが、これに限定されず他のデータを含み得る。新たな価格データは取引市場が開いているリアルタイム蓄積でも、取引市場の終了後の蓄積でもどちらでもよい。価格データは、外部サーバにおけるデータ蓄積期間の全期間でも一部の期間でもよいが、通常は全期間の価格データが取得される。それにより、投資銘柄の価格データからできるだけ多くの過去予測指標を読み取ることができ、値動きの予測の精度を高めることができる。
【0135】
取得部210は、外部サーバから予測指標データを取得して、それを予測指標格納部224に蓄積する。予測指標データは、価格データの解析に使用する予測指標であり、前述したテクニカル指標及びチャートパターンである。外部サーバから新たなテクニカル指標及びチャートパターンが提供された場合、取得部210はそれを取得して蓄積する。予測指標データは価格データを機械学習する場合の学習データとして利用する。
【0136】
有効予測指標の選定(図9、S203)
有効予測指標の選定(S203)におけるデータ処理を
図10、
図11に基づき説明する。
【0137】
有効予測指標の選定は、
図10で示すように、すべてのテクニカル指標及びチャートパターンで特定の投資銘柄を読み込んで(S1003)、その中から値動きの予測が的中したテクニカル指標等を特定する(S1005)。予測が的中した各テクニカル指標等が所定のシグナル正確率を超えるパフォーマンスを有するか否かを判定し(S1007)、それを超えるテクニカル指標等を有効予測指標として選定する(S1009)。サーバ200は価格データが更新されるごとに有効予測指標により価格を予測する(S1011)。
【0138】
他方、値動きの予測が的中したテクニカル指標等が無い場合には(S1005)、価格データの読み込みを行ったすべてのテクニカル指標等は無効予測指標となり(S1013)、価格の予測指標として使用されない(S1015)。
【0139】
また所定のシグナル正確率を超えないテクニカル指標等も(S1007)、無効予測指標とされて(S1013)、価格の予測指標として使われない(S1015)。
【0140】
以上のような有効予測指標の選定は、投資銘柄ごとに実行される。これにより投資銘柄ごとに固有の有効予測指標を選定することができる。
【0141】
サーバ200は、有効予測指標と無効予測指標の選定後、任意の時点で、
図11で示すステップによって有効予測指標と無効予測指標の更新を行うことができる。つまり、サーバ200は、特定のテクニカル指標又はチャートパターンを有効予測指標及び無効予測指標のラベル付けをした後の任意の時点で、有効予測指標と無効予測指標のラベル付けをリセットし、新たに有効予測指標と無効予測指標の選定をやり直すことができる。この更新はサーバ200が新たな価格データを取得するごと、所定の日数ごと、所定の月数ごと等のように、任意の時点とすることができる。
【0142】
以下、1つの投資銘柄に対する有効予測指標の選定の詳細を、
図11に沿って説明する。
【0143】
価格データの取得後、有効予測指標の選定が開始される(S1001)。読み取り部211は、予測指標格納部224に蓄積したテクニカル指標等によって、当該投資銘柄について価格データ格納部222に蓄積された価格データを読み取る(S1003、読み取りステップ)。
【0144】
そして、予測が的中したテクニカル指標等があるかを判断する(S1005)。予測が的中したテクニカル指標等がある場合には、次のステップに進み(S1007、判定ステップ)、予測が的中したテクニカル指標等が無い場合には、読み取りを実行したテクニカル指標等は無効予測指標としてラベル付けされて(S1013)、価格の予測を行うことなく終了する(S1015)。
【0145】
読み取り部211が行う読み取りは、例示として、統計モデル又は機械学習により実行できる。テクニカル指標及びチャートパターンは、売買シグナルの発生と、所定日数経過後に発生する価格の上昇又は下降とのパターン化された関係性に基づいている。例えば機械学習を行う場合、読み取り部211は、少なくとも売買シグナルの発生から価格の上昇又は下降が起きるまで価格の変動と所定日数(トレンド日数)等を特徴量として機械学習を行うことにより、読み取りの精度が向上し、その投資銘柄に応じたテクニカル指標等に基づく価格変動を予測できるようになる。それは学習済モデルとして値動きの予測に利用することが可能となる。
【0146】
ステップ(S1005)から次のステップ(S1007)に進み、正確率充足判定部216は、値動きの予測が的中した1又は複数の予測指標について、その予測がシグナル正確率515bを充足するか否かを判定する(S1007、判定ステップ)。ここで予測がシグナル正確率515bを充足する場合には、次のステップに進む(S1009)。他方、シグナル正確率515bを充足しない場合には、そのテクニカル指標等は無効予測指標としてラベル付けされて(S1013)、価格の予測を行うことなく終了する(S1015)。
【0147】
ステップ(S1007)から次のステップに進み、有効予測指標選定部212は、投資銘柄の価格データを読み取った予測指標の中から、所定のシグナル正確率を充足する1又は複数の予測指標を有効予測指標として選定する(S1009、選定ステップ)。
【0148】
これに続いて、予測評価データ生成部213は、選定された有効予測指標に基づいて予測基準時から所定期間経過後の値動きを予測する予測評価データを生成する(S1011)。予測評価データは、投資銘柄が割安(買い)、中立又は割高(売り)であるかを示す予測評価情報511aを含む。また、予測評価データ生成部213は、例示として、有効予測指標に基づき予測基準時から所定期間経過後の投資銘柄の予測価格を生成する(S1011)。
【0149】
一般的に、所定のテクニカル指標に対応する売買シグナルの発生後、その理論とは逆の値動きが発生することがあるが、それがいわゆる「ダマシ」であるか否かは、その後の値動きを待たなければ分からない。しかしながら、どのような値動きがダマシなのかは、売買シグナルの発生後に価格が上昇又は下降するまでの値動き(値動きの変動幅、上昇又は下降の回数、売買シグナル発生後に理論に沿った値動きが発生するまでの時間量(年、月、日、時間、分、秒)等)に関連する特徴量をパラメータ(銘柄属性パラメータ)として設定し、投資銘柄ごとに過去の価格データを機械学習することにより、その傾向を予測できる。また、例示として、ある投資銘柄に発生したダマシの値動きの特徴が、同業種に属する他の投資銘柄のダマシの値動きとしても発生し得ることから、機械学習では同業種に属する他の投資銘柄の値動きの特徴量をパラメータ(業種属性パラメータ)として設定してもよい。さらに、例示として、業界のサプライチェーンを構成する企業間では、上流側の投資銘柄の値動きと下流側の投資銘柄の値動きとが連動する場合も発生し得ることから、機械学習ではサプライチェーンを構成する他の投資銘柄の値動きの特徴量をパラメータ(業種属性パラメータ)として設定してもよい。
【0150】
読み取り部211は、投資銘柄の価格データが更新されるごとに、予測指標の機械学習を行う。これにより最新の価格データの変動を反映した有効予測指標を抽出できる。最新の値動きは、投資銘柄が、日常的に発生する政治、経済、社会、政策、企業業績、事業環境、投資家心理等の様々な環境要因の影響を受けることによって形成される。したがって、価格データが更新されるごとに予測指標の有効性を早期に取得することは、予測の正確性を高める要因の一つとなり得る。このため情報提供システム100では、新たな価格データを取得するごとに、機械学習を実行する。また、機会学習のデータセットは、銘柄データ(投資銘柄ごとのファンダメンタルズ情報を含む。)と価格データと時間データとを含み、さらに投資銘柄の価値評価に関連する投資環境情報(各国のファンダメンタルズ情報、政治動向情報、経済動向情報、地政学的リスク情報、金融政策等の政策情報、法規制情報、業種情報、市場情報、景気動向情報、消費動向情報等)を含み得る。そして変化する投資環境情報の種類、頻度、程度を特徴量とするパラメータ(投資環境属性パラメータ)として設定し、関連する投資銘柄の機械学習に利用できる。この機会学習によって投資環境属性パラメータから受ける影響が投資銘柄ごとに異なることが分かる。したがって、機械学習によって投資銘柄ごとの値動きと、投資銘柄ごとの値動きとの関連度の高い投資環境属性パラメータの種類と重み付けとがされることにより、後述する値動きの予測の精度を高めることが可能である。
【0151】
本情報提供システム100において機械学習に使用し得る学習モデルは、以下のものを例示列挙できるが、学習モデルは日々進化し続けているため、これらに限定されず他の学習モデルを利用し得る。投資銘柄の特徴に応じて、投資銘柄ごとに異なる学習モデルを使い分けることができる。
<Classification model>
Random Forest, Convolutional Neural Network(CNN), Gradient Boosting, Support Vector Machine Bagging
<Time series>
Long Short Term Memory(LSTM), BiLSTM, Gated Recurrent Unit(GRU), DLinear, Transformer, AutoFormer
<Optimization>
Genetic Algorithm, Reinforcement Learning
<Dynamic Sharpe Ratios and Pairs Trading >
Bayesian ML
<Sentiment Analysis>
Large language Models, FinBERT
【0152】
以上のように読み取り部211によって読み取られた予測指標(有効予測指標、無効予測指)は、予測指標格納部224に蓄積される(S207)。また、機械学習を行った場合の学習済モデルと学習段階で設定する各種のパラメータとを含む機械学習関連データは、学習済モデル格納部223に蓄積される。
【0153】
前述した予測評価データ生成部213は、有効予測指標に基づき予測基準時から所定日数経過後の投資銘柄の予測評価データを生成する(S1011)。予測評価データは、例示として投資銘柄の予測価格を含み得る。予測価格は、例示として、予測基準時から所定期間経過後の価格、売買シグナル発生時から所定期間経過後の価格とし得るが、これに限定されず、任意のある時点から所定期間経過後の価格とし得る。
【0154】
予測評価データ生成部213は、例示として、前述の学習モデルを使用する機械学習によって予測価格を生成することができる。予測評価データ生成部213は、有効予測指標が読み取られた後に発生した過去の価格データの変動を学習する。予測評価データ生成部213は、例示として、過去の価格データにおける売買シグナル発生後の経過期間と価格とを特徴量として、売買シグナルの発生から所定期間経過後の価格の変動を学習し、その学習済モデルによって、予測基準時から所定期間経過後の価格又は価格の範囲を生成し得る。これにより現時点で特定の売買シグナル、つまり現時点で価格データから有効予測指標を読み取った場合に、所定期間経過後(年、月、日、時間、分、秒の任意時間の経過後)の特定の予測価格又は予測価格の範囲を生成し得る。前述の特徴量としての経過期間と価格は例示であり、特徴量にはその他のデータをも含み得る。前述のように投資環境情報(政治動向情報、経済動向情報、地政学的リスク情報、金融政策等の政策情報、法規制情報、業種情報、市場情報、景気動向情報、消費動向情報等)に関する定性データ及び定量データ(定性データを定量データに置換したデータを含む。)は、特徴量に含み得るものであり、これにより予測価格又は予測価格の範囲を予測する精度を高めることができる。なお、予測評価データ生成部213は、機械学習ではなく、統計モデルにより有効予測指標を生成してもよい。
【0155】
予測評価データ生成部213によって生成された予測価格は、投資銘柄の過去の価格データに現れた実績があり、且つ投資銘柄の最近の値動きの特徴にも合致するテクニカル指標又はチャートパターンに基づき生成される予測価格として、予測評価データ格納部225に蓄積される(S205、S1015)。
【0156】
<情報提供段階>
【0157】
サーバ200がユーザ端末300に対して情報提供する例を説明する。
【0158】
ユーザ端末300は、サーバ200が提供する情報提供サービスにアクセスする(S301)。その後ユーザ端末300はサーバ200に特定の投資銘柄に関する情報提供を要求する(S303)。
【0159】
サーバ200の制御部201は、ユーザ端末300のプロンプトを受け付けて(S211)、その投資銘柄に関してユーザ端末300に提供できる現時点で蓄積されている情報を記憶部202から取得して、例えば以下の提供情報を生成する(S213)。
【0160】
予測評価データ生成部213は、予測評価情報511aとして
図5で示すメーターを含む予測評価情報表示部511を生成する。
【0161】
チャート生成部215は、
図5で示すシグナルチャート512aを含むシグナルチャート表示部512を生成する。
【0162】
投資シミュレーションデータ生成部217は、
図5で示す投資シミュレーション情報513aを含む投資シミュレーション表示部513を生成する。投資シミュレーションデータ生成部217は、
図6で示す投資シミュレーション情報513cを含む投資シミュレーション表示部513を生成する。
【0163】
指標リスト生成部214は、
図7で示す指標リスト514aを含む予測指標表示部514を生成する。
【0164】
サーバ200の出力部203の送信部231は、制御部201が生成した前述の提供情報をユーザ端末300に送信する(S215)。
【0165】
ユーザ端末300は、ディスプレイ装置等の出力装置404に表示されるブラウザやアプリに、サーバ200から受信した提供情報を含む情報表示画面500を表示する(S305)。また、ユーザ端末300は、出力装置404としての音声出力を通じて提供情報を含む音声を出力する。さらに他の投資銘柄の情報が必要な場合には、ステップS303に戻って、それ以降のステップが繰り返される。他方、他の投資銘柄の情報が不要ならば、情報提供は終了する(S307)。
【0166】
以上のようにして情報提供システム100による情報提供方法(情報処理方法)が実行されることにより、ユーザ端末300からリクエストを受けた投資銘柄の値動きを分析するための各種の情報を、ユーザ端末300を操作する投資家に提供することができる。
【0167】
<通知情報提供段階>
【0168】
サーバ200は、ユーザ端末300に対して投資銘柄に関する各種の情報を提供することができる。サーバ200による情報提供は、ユーザ端末300のリクエストが無くても行う情報提供、ユーザ端末300のリクエストを受けてから行う情報提供のどちらでもよい。
【0169】
情報提供の一態様として、通知データ生成部218は、ユーザ端末300に投資銘柄に関する各種の情報を配信するための通知データを生成する。その通知データは、例示として、ウェブサイト画面、アプリ画面若しくは前記ユーザ端末の画面への、人物キャラクター若しくは擬人化キャラクターが話しかける動画若しくはアニメーションによる通知の少なくとも何れかを含み得る。これによれば、通知が人物キャラクター又は擬人化キャラクターが話しかけてくる動画又はアニメーションであるため、通知に対するユーザの注意力を高めることができる。
【0170】
その場合、通知内容には、投資銘柄の予測評価情報511aを含むことができる。具体的には、自己の注目している投資銘柄が割安、中立又は割高のうちのどの状態にあるかを、人物キャラクター等が会話形式でユーザに話しかける通知形態とすることができる。また、この場合、通知データ生成部218は、ユーザが予測評価情報511aの通知を求める投資銘柄、通知曜日、通知時刻等を予め設定するための通知設定入力部をユーザ端末300に送信して、ユーザ端末300からのリクエストを受け付け可能として構成してもよい。
【0171】
ユーザデータ格納部220には、属性情報が格納される。通知データ生成部218は、その属性情報からユーザの専門分野、投資歴、得意とする投資分野、関心事等を抽出し、それに関連する投資銘柄の予測評価情報511aをユーザ端末300に自動で通知するように構成することができる。また、前述した業種属性パラメータ、投資環境属性パラメータを利用し、その投資銘柄の値動きと連動する他の投資銘柄を抽出し、それについても同様に予測評価情報511aをユーザ端末300に自動で通知するように構成できる。これによれば、ユーザの関心の高い投資銘柄の割安、中立又は割高の予測を通知したり、投資銘柄の値動きが連動する可能性がある、ユーザにとって意外な他の投資銘柄の割安、中立又は割高の予測を通知したりすることができる。
【0172】
〔7〕変形例
【0173】
前記実施形態では、
図7で示すように有効予測指標514a1と無効予測指標514a2とを表示する指標リスト514aを例示したが、例えばこの指標リスト514aを価格の予測に使用する予測指標をユーザ端末300が選択するための指標選択表示部として構成してもよい。これによればユーザ端末300が自分で予測指標を選択し、選択した予測指標を使った予測価格を知ることができるので、予測指標の選択スキルを向上するための学習機会とすることができる。
【符号の説明】
【0174】
100 情報提供システム(情報処理システム)
200 サーバ(第1のコンピュータ装置、情報処理装置)
300 ユーザ端末(第2のコンピュータ装置)
【要約】
【課題】投資銘柄の値動きの予測に役立てる技術を提供する。
【解決手段】情報処理方法は、投資銘柄の値動きを予測するテクニカル指標又はチャートパターンを含む複数の予測指標によって前記投資銘柄の過去の価格データを読み取るステップと、値動きの予測が的中した1又は複数の前記予測指標について、その予測がシグナル正確率を充足するか否かを判定する判定ステップと、前記シグナル正確率を充足する前記予測指標を有効予測指標として選定するステップとを含む。前記シグナル正確率は前記予測指標ごとの売買シグナルの発生回数と前記売買シグナルにより予測される値動きが発生した予測の的中回数との関係を示す指標である。
【選択図】
図1