(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-07
(45)【発行日】2025-01-16
(54)【発明の名称】位置決めスケール
(51)【国際特許分類】
B42D 1/08 20060101AFI20250108BHJP
B43L 7/14 20060101ALI20250108BHJP
【FI】
B42D1/08 Z
B43L7/14
(21)【出願番号】P 2021020310
(22)【出願日】2021-02-11
【審査請求日】2023-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】517246933
【氏名又は名称】有限会社光陽
(74)【代理人】
【識別番号】100199864
【氏名又は名称】丹羽 良成
(72)【発明者】
【氏名】大串 登
(72)【発明者】
【氏名】大串 豊彦
【審査官】藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-066792(JP,A)
【文献】登録実用新案第3200306(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42D 1/00-15/00
B42D 15/04-19/00
B42F 5/02
B42F 5/06
B43L 7/00- 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルバム台紙に複数の写真を位置決めして貼付する位置決めスケールであって、
前記位置決めスケールは、横スケールおよび縦スケールで構成され、前記横スケールは細長矩形状であって該矩形状の細長方向の中央部に細長開口部を備え、前記縦スケールは前記細長開口部にはめ込まれるスライド部が移動することによって、前記アルバム台紙の所望の位置に複数の写真の位置決め
し、
前記横スケールの一端に、該横スケールを挟み込んで前記アルバム台紙に保持させるスケール押えが取り付けられ、該スケール押えの反対側に前記縦スケールを方向転換させるための前記細長開口部と一体になった反転孔を設けたことを特徴とする位置決めスケール。
【請求項2】
請求項
1に記載の位置決めスケールであって、
前記位置決めスケールは、前記横スケールおよび前記縦スケールに加え、前記スケール押えおよびスケール留めの部品で構成され、該4つの各部品は厚紙または樹脂製薄板に印刷されまたは打ち抜きされ、該各部品を組み立てて使用することを特徴とする位置決めスケール。
【請求項3】
請求項
2に記載の位置決めスケールであって、
前記位置決めスケールは、前記各部品が前記アルバム台紙の大きさの厚紙または樹脂製薄板に印刷または打ち抜きされ、該位置決めスケールがアルバム購入時のプレミアム品として添付されることを特徴とする位置決めスケール。
【請求項4】
請求項1ないし
3のいずれかに記載の位置決めスケールであって、
前記縦スケールおよび前記横スケールには目盛が印刷または刻印されていることを特徴とする位置決めスケール。
【請求項5】
アルバム台紙に複数の写真を位置決めして貼付する位置決めスケールを使用する写真貼付方法であって、
前記位置決めスケールは、横スケールおよび縦スケールで構成され、前記横スケールは細長矩形状であって該矩形状の細長方向の中央部に細長開口部を備え、前記縦スケールは前記細長開口部にはめ込まれるスライド部が移動することによって、前記アルバム台紙の所望の位置に複数の写真の位置決めを可能とする位置決めスケールを使用する写真貼付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置決めスケールに関し、詳しくはアルバム台紙に複数の写真を貼り付ける際に位置決めが正確にできる写真の位置決めスケールに関する。
【背景技術】
【0002】
写真用アルバムは、ポケットフォルダー型、フリー台紙型およびスクラップブック型の3種類に大別される。ポケットフォルダー型以外は、通常写真を貼るアルバム台紙上に写真配置用ガイドラインがないため、目分量または定規等を使用して配置することになるが、必ずしも見栄えよく貼ることができない場合がある。
【0003】
特許文献1は、そのアルバム台紙に定規を使用して写真を貼るアルバム台紙用の写真位置決め定規の実用新案登録である。
この文献に記載された写真を貼るための定規は、略長方形の薄板状水平片及び水平片の左端に水平片と一体になって垂直に延在する略長方形の薄板状垂直片から構成されている。
このアルバム台紙に写真を貼るL字形状の位置決め定規は、垂直片の左端をアルバム台紙の側端に合わせ、また、水平片の下端をアルバム台紙の下端に合わせて、垂直片の右端及び水平片の上端で形成されるコーナーに写真のコーナーを合わせることにより写真をアルバム台紙の定位置に貼り付けるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、この文献の写真位置決め定規は、1または2枚の写真を貼り付けるアルバムには適用できるが、L判の写真を5~6枚貼り付け可能な大型のアルバムには適用できないという問題があった。
また、位置決め定規により写真を貼り付ける位置が固定され、アルバム台紙の好みの位置に貼り付けることができないという課題もあり、アルバム台紙に上下2枚の写真を貼り付ける場合に、定規をいったん取り外して付け直す手間が必要になるとの課題もあった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであって、写真を5~6枚貼付する大型のアルバム台紙であっても、各写真の位置を正確に決めることができるアルバム台紙用の位置決めスケールを提供する。
すなわち、厚紙または樹脂製薄板で作製された縦スケールと横スケールを直交させ、縦スケールは横スケールの細長開口部を自由に動くように組み立てた位置決めスケールで、縦横の両スケールの目盛を使うことで所望の位置に写真を貼ることができることを目的とする。
【0007】
本発明は、アルバム台紙に複数の写真を位置決めして貼付する位置決めスケールであって、位置決めスケールは、横スケールおよび縦スケールで構成され、横スケールは細長矩形状であって該矩形状の細長方向の中央部に細長開口部を備え、縦スケールは細長開口部にはめ込まれるスライド部が移動することによって、アルバム台紙の所望の位置に複数の写真の位置決めを可能とする位置決めスケールである。
この構成により、複数の写真をアルバム台紙に見栄えよく貼ることができる。
【0008】
また、横スケールの一端に、該横スケールを挟み込んでアルバム台紙に保持させるスケール押えが取り付けられ、該スケール押えの反対側に縦スケールを方向転換させるための細長開口部と一体になった反転孔を設けたことを特徴とする。
この構成により、位置決めスケールをアルバム台紙に固定させることができ、また縦スケールを反転させることで、アルバム台紙両面の写真の貼付けに使用することができる。
【0009】
また、位置決めスケールは、横スケールおよび縦スケールに加え、スケール押えおよびスケール留めの部品で構成され、該4つの各部品は厚紙または樹脂製薄板に印刷されまたは打ち抜きされ、該各部品を組み立てて使用することを特徴とする。
この構成により、アルバム台紙と同じ大きさの厚紙または樹脂製薄板により作製される部品であり、アルバム購入者が容易に組立てることができる。
【0010】
さらに、位置決めスケールは、各部品が厚紙または樹脂製薄板に印刷または打ち抜きされアルバム購入時のプレミアム品として添付されることを特徴とする。
この構成により、アルバム購入時のプレミアム品としてアルバムに付加することで販売促進に寄与することができる。
【0011】
また、縦スケールおよび横スケールには目盛が印刷または刻印されていることを特徴とする。
この構成により、複数の写真を所望の位置に正確に貼ることができる。
【0012】
さらに、アルバム台紙に複数の写真を位置決めして貼付する位置決めスケールを使用する写真貼付方法であって、位置決めスケールは、横スケールおよび縦スケールで構成され、横スケールは細長矩形状であって該矩形状の細長方向の中央部に細長開口部を備え、縦スケールは細長開口部にはめ込まれるスライド部が移動することによって、アルバム台紙の所望の位置に複数の写真の位置決めを可能とする位置決めスケールを使用する写真貼付方法である。
【発明の効果】
【0013】
以上、本発明の写真を貼るための位置決めスケールによれば、アルバム台紙の両面に、複数枚の写真を正確に位置決めして貼ることができ、また写真相互の関係も好きな位置に合わせることができ、見栄えのよいアルバムを作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】写真位置決めスケールをアルバム台紙に取り付けた斜視図である。
【
図2】とじ穴が右側にあるアルバム台紙に写真を貼る手順を説明する図である。
【
図3】
図2に示す2か所の切断線による断面図である。
【
図4】縦スケールが反転孔によって180度回転することを説明する図である。
【
図5】とじ穴が左側にあるアルバム台紙に写真を貼る手順を説明する図である。
【
図6】横スケールおよびスケール押えの形状を示す図である。
【
図7】縦スケールおよび縦スケール留めの形状を示す図である。
【
図8】プレミアム品用台紙に印刷または打ち抜きされた写真位置決めスケールの部品配置図である。
【
図9】別のプレミアム品用台紙に印刷または打ち抜きされた写真位置決めスケールの部品配置図である。
【
図10】写真位置決めスケールの組立方法(1)を説明する図である。
【
図11】写真位置決めスケールの組立方法(2)を説明する図である。
【
図12】写真位置決めスケールの組立方法(3)を説明する図である。
【
図13】写真位置決めスケールの組立方法(4)を説明する図である。
【
図14】写真位置決めスケールの組立方法(5)を説明する図である。
【
図15】写真位置決めスケールの組立方法(6)を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態に係わる位置決めスケールについて図面を参照して説明する。
図1は、写真を貼るための位置決めスケール(以後、写真位置決めスケール1という)をアルバム台紙10に取り付けた斜視図である。写真位置決めスケール1は、アルバム台紙10の上辺に横スケール2の下辺が密着した状態で取り付けられ、横スケール2の一端(
図1では、横スケール2の左端)のスケール押え4がアルバム台紙10を挟み込んで、横スケール2がアルバム台紙10から外れないように保持される。
【0016】
横スケール2は、細長矩形状であって、その細長方向に沿った中央部に細長開口部21が設けられ、縦スケール3は、縦長の矩形状であり、その上部に設けられたスライド部が横スケール2の細長開口部21にはめ込まれてスライドし、好みの位置に写真が貼れるように縦スケール3を自由に移動させ、その目盛を使うことで写真の位置を正確に決めることができる。
また、横スケール2の細長開口部21には、スケール押え4の反対側に細長開口部21と一体になった円形の反転孔22が設けられており、この反転孔22により、縦スケール3を180度回転させて、アルバム台紙10の両面に、写真位置決めスケール1が使用できるようになっている。
【0017】
アルバム台紙10には、アルバム台紙10を複数枚綴じるためのとじ穴12があり、複数の写真13を位置決め後、透明なフィルム11により写真を上から押さえてずれないように保持される。
なお、
図1に示す縦スケール3Aは、縦スケール3が移動して別の場所にあることを説明するためのものである。また、
図1に示す写真位置決めスケール1は、アルバム台紙10と区別するためにグレーの濃淡が付されているが、写真位置決めスケール1にグレーの濃淡が付されているわけではなく、また模様でもない。以下に示す図面も同様で、説明箇所を区別または強調するためにグレーの濃淡を付したものである。
【0018】
図2は、とじ穴12が右側にあるアルバム台紙10に写真13を貼る手順を説明する図である。
図2を参照して、複数の写真を貼る方法を説明する。
図2は、
図1とほぼ同様な図であるが、フィルム11は省略している。
また、
図3は、
図2に示すA―A’切断線およびB―B’切断線の断面図である。
図3(A)は、スケール押え4がアルバム台紙10の左上端で保持された状態の断面図であり、
図3(B)は、縦スケール3Aがアルバム台紙10上にあるときの断面図である。
2つの断面図は、写真位置決めスケール1の横スケール2および縦スケール3とアルバム台紙10との厚さを示しており、特に、アルバム台紙10と横スケール2の面同士の段差がなくなることを示している。
【0019】
図2は、アルバム台紙10のとじ穴12が右側についている場合であり、そのとじ穴12が右側にあるアルバム台紙10に、例えばL判の大きさの写真6枚を貼る手順を説明する。
手順1:アルバム台紙10の左上端をスケール押え4で挟んで固定し、アルバム台紙10の上辺に横スケール2の下辺を密着させる。このことによって、アルバム台紙10と横スケール2の面同士の段差がなくなる。
手順2:写真a1を貼るために、縦スケール3を左右に動かし、横スケール2の目盛でアルバム台紙10左辺からの距離を決め、縦スケール3の目盛を見て写真a1の左辺から配置する。
手順3:同様に写真a2およびa3を縦スケール3の目盛を見て配置する。
手順4:写真b1を貼るために、縦スケール3(
図2では3A)を右に動かし、横スケール2の目盛でアルバム台紙10の左辺からの距離を決め、縦スケール3の目盛を見て写真b1の左辺から配置する。
手順5:同様に写真b2およびb3を縦スケール3の目盛を見て配置する。
【0020】
上記のようにアルバム台紙10の所望の位置に写真13を貼り付けることができ、写真位置決めスケール1は下記の3つの特徴がある。
まず、写真をアルバム台紙10上に見栄えよく配置できることである。
一般に見栄えのよい配置とは、
(1)1枚の写真13の上辺または下辺と、アルバム台紙10の上辺または下辺が平行になる。
(2)左右に2枚以上の写真13を貼る場合は、写真間の間隔を平行に調整でき、各写真13の上辺または下辺の位置が揃う。
(3)上下に2枚以上の写真13を貼る場合は、写真間の間隔を平行に調整でき、各写真13の左辺または右辺の位置が揃う。
(4)写真13を貼る部分以外のアルバム台紙10の余白部分をバランスよく決めることができる。
ということができる。
【0021】
次の特徴は、アルバム台紙10のとじ穴12が右側にある場合はアルバム台紙10の左上端を、とじ穴12が左側にある場合はアルバム台紙10の右上端をスケール押え4で挟んで固定することにより、アルバム台紙10の上辺に横スケール2を密着させることになり、アルバム台紙10と横スケール2の面同士の段差がなくなることである。
3つ目の特徴は、アルバム台紙10は、通常表裏の両面に写真を貼ることができるため、とじ穴12が左右どちらにあっても、縦スケール3を回転させる反転孔22を設けることにより1つの写真位置決めスケール1で写真を配置できることである。
【0022】
次に、とじ穴が左側にある場合の写真を貼る手順を説明する。その場合、縦スケール3は、横スケール2の細長開口部21と一体になった反転孔22を利用して反転させて使用する。
図4は、縦スケール3が反転孔22によって180度回転することを説明する図である。
まず、縦スケール3(または3B、3C)を横スケール2の反転孔22に移動させ、180度回転させる。その後、写真位置決めスケール1全体を180度回転させる。その後、縦スケール3を反転孔22から右に移動させれば、とじ穴12が左側にあるアルバム台紙10の写真位置決めスケール1として使用できる。
【0023】
図5は、とじ穴12が左側にあるアルバム台紙10に写真13を貼る手順を説明する図である。
図5に示す符号は
図2と同様となるので、説明は省略する。なお、
図5に示すc1~c3およびd1~d3は写真13である。
また、スケール押え4のグレーの濃淡が
図5では上半分となっており、上記の
図2では下半分となっているのは、アルバム台紙10を挟み込むスケール押え4は縦スケール3が180度回転しているため、上下逆になったことによる。
写真13の貼り付け手順は、とじ穴12が右側にある場合と同様となるので、手順の説明は省略する。
【0024】
ここで、写真位置決めスケール1の材質は、樹脂、例えばプラスチックでもよいが、アルバム台紙10に粘着せず、写真位置決めスケール1をアルバム台紙10からはずしても跡が残らない厚紙でもよい。
【0025】
次に、写真位置決めスケール1を構成する4つの部品について説明する。
図6は、横スケール2およびスケール押え4の形状を示す図である。
図7は、縦スケール3および縦スケール留め5の形状を示す図である。
各部品の寸法は図面に記載の通りであるが、本実施例の場合、寸法aおよび寸法bは、同じで10mmとしている。また長さXおよび長さYはアルバム台紙10の大きさにより異なるので、詳細は後述する。また、反転孔22の大きさ2a’や各部品の形状ついても後述する。
厚紙または樹脂製薄板により部品を構成する場合、アルバム台紙10のサイズ内に全部品を納めることもでき、ユーザーが写真位置決めスケール1を組み立て可能となるプレミアム品として添付すれば、販促効果も期待できる。
【0026】
ここで、アルバム台紙10のサイズは、アルバム台紙10のメーカーによっても違いがあるため、多く流通している表1に示す2種類のアルバム台紙10を例とする。
【表1】
【0027】
図8は、表1に示す種類Aのプレミアム品用台紙に印刷または打ち抜き(成形)された写真位置決めスケール1の部品配置図である。また、
図9は、種類Lのプレミアム品用台紙に印刷または打ち抜き(成形)された写真位置決めスケール1の部品配置図である。
いずれも、アルバム台紙10の表1に示すサイズに各部品を収めることができる。
例えば、種類Aの場合の
図6(B)に示す長さXは、アルバム台紙10の横幅と突起部25(
図6(B)では寸法b)と反転孔22を含んだ飛び出し部(同寸法3a)の和となるため、表2に示すXの長さ250mmとなる。
図8に示す種類Aの縦の長さ297mmと比較してもアルバム台紙10のサイズの大きさに収まる。
【0028】
また、
図7(A)に示す長さYは、アルバム台紙10の縦幅からアルバム台紙10の余白(本実施例では10mmとする)を除き横スケール3の横幅(
図7(A)では寸法3a)を加算した長さであり、表3に示すYの長さ317mmとなる。
図8に示すようにアルバム台紙10の対角線に沿って配置することによりアルバム台紙10のサイズに収めることができる。アルバム台紙10の種類Aの対角線長さは計算上363mmである。
【0029】
【0030】
【0031】
また、アルバム台紙10の種類Lの場合の、
図6および
図7に示す長さXおよび長さYは、表2および表3に示すように365mmおよび355mmとなるが、アルバム台紙10の種類Lの対角線の長さは466mmであり、
図9に示すような配置により種類Lのアルバム台紙10のサイズに収めることができる。
なお、縦スケールの長さYは、必ずしも表3に示す長さでなくてもよい。例えば、アルバム台紙10のサイズと同じ厚紙等がアルバムに添付できない場合、少なくともアルバム台紙10の一番下に貼る写真の位置決めができる程度の長さ(例えば、長さYは写真の縦幅の1/2程度短くてもよい。L判であれば45mm程度)であればよい。
【0032】
次に、写真位置決めスケール1の4つの部品、横スケール2、縦スケール3、スケール押え4およびスケール留め5を使用する組立方法を、
図10~
図15を参照して説明する。
図10~
図15は、写真位置決めスケールの組立方法を説明する図である。
図10~
図15は、いずれも横スケール2および縦スケール3は目盛が印刷されていない裏面を表している。
最初に横スケール2を組み立ててから、縦スケール3を横スケール2に組み込むことで写真位置決めスケール1が完成する。
【0033】
図10は、横スケール2に接着剤を塗布するまでの手順を示す図であり、横スケール2とスケール押え4の形状を示す図でもある。スケール押え4を横スケール2に固定させるため、横スケール2の両面の接着剤塗布部23に接着剤を塗布する。接着剤として両面テープを使用してもよい。
スケール押え4は、
図10に示すように縦長の矩形状であって、縦長の中心線に沿って横スケールの2つの突起部25が貫通する貫通孔41が2つ設けられている。スケール押え4は、横スケール2の厚みを挟み込めるように細長の中心線に沿って横スケール2の厚さに応じた2つ折りにするための折り目が設けられている。
【0034】
図11は、スケール押え4の2つの貫通孔41に横スケール2の突起部25を貫通させ、スケール押え4を2つに折り曲げる時点の図である。この時点ではまだスケール押え4は横スケール2に接着はさせていない。また、スケール押え4の横スケール2からはみ出す上部と下部の長さは同じではない。
図11(A)のA―A’断面線の断面図を
図11(B)に示す。
【0035】
図12は、横スケール2の突起部25の根元にある切欠き部24に、スケール押え4をはめ込むように押し上げ、2つに折り曲げて横スケール2に接着剤により固定した時点の図である。
切欠き部24の長さは、
図6(B)に示すように突起部25の幅の半分の長さになっているため、
図11に示す横スケール2からはみ出す上部と下部の長さは1:2の割合で同じではなかったが、
図12に示す時点でスケール押え4の上部と下部の長さが同じとなる。長さが同じになることで、この下部によりアルバム台紙10を挟み込んで保持し、この上部は、写真位置決めスケール1を反転させたときに、アルバム台紙10を挟み込む部分となり、アルバム台紙10の両面で同じ幅で挟み込むことができる。
以上でスケール押え4と横スケール2の組立が完了する。
【0036】
図13は、縦スケール3の組立前の準備段階の図である。
図13(A)は、縦スケール3の折り曲げ部31(本発明では、スライド部に相当)の折り曲げ後に固定する接着剤塗布部32(この場合は片面のみ)を示したものである。スライド部31は、矩形状であり、その1対の長辺が横スケール2の細長開口部21にはめ込まれスライドする。
図13(B)は、折り曲げ部31を折り返して接着剤により固定させた時点の図である。
図13(C)は、
図13(B)のA―A’切断線の断面図である。
【0037】
図14(A)は、横スケール2に縦スケール3を裏側から組み込んだ時点の図である。
図14(B)は、スケール留め5であり、
図14(C)は、
図14(A)のA-A’切断線の断面図である。
図14(A)および(C)に示すように、横スケール2の細長開口部21に縦スケールのスライド部31がスライド可能なようにはめ込まれる。また、
図14(C)の断面図に示すようにスライド部31の厚さと横スケール3の厚さが同じである。これにより縦スケール3は容易にスライドし、アルバム台紙10との段差もなくなる。
【0038】
ここで、
図14(A)に示す反転孔22の大きさは、
図6に示すように反転孔22の直径を2a'としていたが、縦スケール3のスライド部31が反転孔22を回転できる大きさであればよい。すなわち、反転孔22の直径は矩形状のスライド部31の対角線の長さより大きければよい。スライド部31の大きさは
図7(A)に示すように縦a×横2b(本実施例ではa=b)である。その対角線の長さは2.24a(5の平方根)であり、これ以上の直径であれば、縦スケール3は反転孔22で回転可能である。2a’≧2.24aであればよい。
なお、縦スケール2本体およびスケール留め5は、スライド部31を両側から接着して挟み、また反転孔22の直径よりも大きいため、縦スケール3は方向転換のときでも反転孔22よりはずれることはない。
【0039】
図15(A)は、横スケール2に組み込んだ縦スケール3のスライド部31に接着剤を塗布し、スケール留め5を固定させた時点の図である。
図15(B)は、A-A’切断線の断面図である。縦スケール3とスケール留め5により、横スケール2を挟み込み、スライド部31は横スケール2の細長開口部21に挟まれた状態となっている。
図15(A)は、上述したように裏返した状態を示しているので、ひっくり返して表側に戻せば、写真位置決めスケール1の組み立て完了となる。
【0040】
以上説明したように、本発明によれば、アルバム台紙10に複数枚の写真13を貼るとき、その位置を正確に決めることができるため、見栄えのよいアルバムを作成して楽しむことができる。
【符号の説明】
【0041】
1・・・写真位置決めスケール、2・・・横スケール、3・・・縦スケール、4・・・スケール押え、5・・・スケール留め、10・・・アルバム台紙、11・・・フィルム、12・・・とじ穴、13・・・写真(a1~d3)、21・・・細長開口部、22・・・反転孔、23・・・接着剤塗布部、24・・・切欠き部、25・・・突起部、31・・・折り返し部(スライド部)、32・・・接着剤塗布部、41・・・貫通孔。