(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-07
(45)【発行日】2025-01-16
(54)【発明の名称】二つ折り式財布
(51)【国際特許分類】
A45C 1/08 20060101AFI20250108BHJP
A45C 13/00 20060101ALI20250108BHJP
【FI】
A45C1/08
A45C13/00 A
(21)【出願番号】P 2021137101
(22)【出願日】2021-08-25
【審査請求日】2024-08-26
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 本願発明に係る「二つ折り式財布」を公開した情報 1.掲載年月日:2020年10月13日 掲載アドレス:https://www.makuake.com/project/bambi/ 2.掲載年月日:2021年7月12日 掲載アドレス:https://www.makuake.com/project/aioa2/ 3.掲載年月日:2021年2月17日 掲載アドレス:https://camp-fire.jp/projects/view/363841 4.掲載年月日:2020年12月27日 掲載アドレス:https://www.youtube.com/watch?v=lsbdCj02BYE 5.掲載年月日:2021年7月10日 掲載アドレス:https://www.youtube.com/watch?v=jMkHbKUWmvI 6.掲載年月日:2020年9月29日 掲載アドレス:https://twitter.com/L_Meister_BAMBI/status/1310866913241817089 7.掲載年月日:2021年7月5日 掲載アドレス:https://twitter.com/L_Meister_BAMBI/status/1411994764929556483 8.販売開始日:2021年1月27日 販売場所:https://bambi-craft.com/products/aioa_mck001 9.販売日:2020年12月 販売場所:株式会社サイバータイムコーポレーション 10.販売日:2020年12月 販売場所:有限会社野村製作所 11.展示日:2021年4月1日~2021年4月23日 展示場所:株式会社バンビ本社ビル1階ショールーム 12.展示日:2021年7月26日~2021年8月31日 展示場所:株式会社バンビ本社ビル1階ショールーム
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000135759
【氏名又は名称】株式会社バンビ
(74)【代理人】
【識別番号】100113804
【氏名又は名称】岩田 敏
(72)【発明者】
【氏名】矢野 悟
【審査官】田村 惠里加
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-078995(JP,A)
【文献】特開2011-110296(JP,A)
【文献】特開2003-70516(JP,A)
【文献】登録実用新案第3017228(JP,U)
【文献】特開2020-92788(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C 1/02,1/08,13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙幣、硬貨、カードを収納できる二つ折り式の財布であって、
二つ折りされる縦長の財布本体と、
財布本体内側の一端に設けられて、硬貨を収納するとともに、その底部と財布本体との間で紙幣の一部を挟む折り畳み可能なボックス型の硬貨収納部と、
硬貨収納部の開閉蓋に取り付けられて、カードを収納するカード収納部と、
財布本体内側の他端に設けられて、硬貨収納部と財布本体との間に挟まれた紙幣のもう一端を挟むとともに、カード収納部に収納されているカードのカード収納部からはみ出た部分を挟む上蓋部と、
を備えたことを特徴とする二つ折り式財布。
【請求項2】
硬貨収納部の開閉蓋でカード収納部が取り付けられていない開閉蓋と、上蓋部とに着脱自在な一対の留具を備えたことを特徴とする請求項1記載の二つ折り式財布。
【請求項3】
硬貨収納部と上蓋部は、財布本体の左右両端縁に接合していないことを特徴とする請求項1又は2記載の二つ折り式財布。
【請求項4】
財布本体外側にカードを収納する第二カード収納部を備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の二つ折り式財布。
【請求項5】
縦長の財布本体にあって左右対称な形状であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の二つ折り式財布。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、紙幣、硬貨、カードを収納できる二つ折り式の財布に関するものである。
【背景技術】
【0002】
紙幣、硬貨、カードを収納できる二つ折り式財布については、これまでにも種々のものが考案されており、それぞれに特徴があるものになっている。
例えば、特許文献1に開示された二つ折り財布は、従来の二つ折り財布よりもコンパクトであることに特徴がある。
また、特許文献2に開示された二つ折り財布は、財布の不意な開きを防止するとともに、支払い時にスムーズに貨幣、紙幣及びカード類を取り出せ、且つ、おつりをスムーズに収納できることに特徴がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-029860号公報
【文献】特開2019-155042号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに対して、本願発明者は、以下の特徴を兼ね備えた二つ折り式財布(紙幣、硬貨、カードを収納できる財布)を提供すべく、鋭意研究・試作を行い、本願発明を完成するに至った。
(1)ワンアクションで全て(紙幣・硬貨・カード)にアクセスできる財布
(2)薄さと収納力を備えた財布
(3)右利きでに左利きでも使い心地に差が出ないユニバーサルデザインな財布
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明の第1の発明は、紙幣、硬貨、カードを収納できる二つ折り式の財布であって、二つ折りされる縦長の財布本体と、財布本体内側の一端に設けられて、硬貨を収納するとともに、その底部と財布本体との間で紙幣の一部を挟む折り畳み可能なボックス型の硬貨収納部と、硬貨収納部の開閉蓋に取り付けられて、カードを収納するカード収納部と、財布本体内側の他端に設けられて、硬貨収納部と財布本体との間に挟まれた紙幣のもう一端を挟むとともに、カード収納部に収納されているカードのカード収納部からはみ出た部分を挟む上蓋部と、を備えたことを特徴とするものである。
第2の発明は、硬貨収納部の開閉蓋でカード収納部が取り付けられていない開閉蓋と、上蓋部とに着脱自在な一対の留具を備えたことを特徴とする同二つ折り式財布である。
第3の発明は、硬貨収納部と上蓋部は、財布本体の左右両端縁に接合していないことを特徴とする同二つ折り式財布である。
第4の発明は、財布本体外側にカードを収納する第二カード収納部を備えたことを特徴とする同二つ折り式財布である。
第5の発明は、縦長の財布本体にあって左右対称な形状であることを特徴とする同二つ折り式財布である。
【発明の効果】
【0006】
本願発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)二つ折りになっている財布を開くだけで、紙幣・硬貨・カードのいずれも取り出すことが可能である。
(2)無駄に重なり合わない構造にすることで、収納できる量を減らすことなく、薄さと収納力の両方を実現できる。
(3)左右対称な形状にすることで、右利きでに左利きでも同じように使用できるので、ユニバーサルデザインなものとなっている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本願発明の第1実施形態を示す説明図(1)。
【
図2】本願発明の第1実施形態を示す説明図(2)。
【
図3】本願発明の第1実施形態を示す説明図(3)。
【
図4】本願発明の第1実施形態を示す説明図(4)。
【
図5】本願発明の第1実施形態を示す説明図(5)。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1~
図5は、本願発明に係る二つ折り式財布の第1実施形態を示す説明図である。
図1に図示するように、二つ折り式財布10(以下、「財布10」ともいう)は、二つ折りされる縦長の財布本体20と、硬貨を収納する硬貨収納部30と、カードを収納するカード収納部40と、紙幣の一部を挟む上蓋部50と、一対の留具60と、を備える。
【0009】
財布本体20は、縦長の矩形状をしており、二つ折りすると略正方形になる。材質は革製(人工皮革を含む)を推奨するが、樹脂製などでも良く、特に材質を限定するものではない(硬貨収納部30,カード収納部40,上蓋部50も同じ)。
【0010】
硬貨収納部30は、財布本体20の内側の一端に設けられて、マチ(側面)をボックス型にした折り畳み可能な構造で、前後に観音開きできるものとなっている。
また、硬貨収納部30は、その底部と財布本体20との間で紙幣90の一部を挟むようになっている。
【0011】
カード収納部40は、前後に観音開きする開閉蓋31の一方(財布本体20の二つ折り側)の開閉蓋31aに取り付けられ、数枚のカード91を収納できるように袋状となっている。
なお、カード収納部40は、カード91だけを収納するものではなく、券・チケットや名刺などカード状のものであれば収納対象となる。従って、ここでいう「カード」とは、カード類と同義である。
【0012】
上蓋部50は、財布本体20内側の他端(硬貨収納部30が設けられていない側の端)に設けられて、硬貨収納部30と財布本体20との間に挟まれた紙幣90のもう一端を挟むものとなっている。
また、上蓋部50は、財布本体20を閉じた状態(財布本体20を二つ折りした状態)で、カード収納部40に収納されているカード91のカード収納部40からはみ出た部分を挟むものとなっている。
【0013】
一対の留具60は、硬貨収納部30の開閉蓋31でカード収納部40が取り付けられていない開閉蓋31bにホック(雄)60aと、上蓋部50にホック(雌)60bとを有し、着脱自在となっている。図示では、留具60に一対のホック60a,60bを用いているが、これに限るものではなく、例えば、面ファスナーなど着脱自在に留められるものであればよい。
なお、一対の留具60の位置は、財布本体20の内寄りにあるよりも外寄りにある方が財布10を閉めやすいので、できる限り外寄り(財布本体20の端部側)に設けるとよい。
【0014】
図2で、財布10の開閉状態を図示する。
図2の左図は
図1と同じ財布10を開いた状態である。この状態のまま財布10を閉じようとすると、カード収納部40に収納されているカード91と留具60が干渉する。
そこで、
図2の中図に図示するように、上蓋部50で紙幣90と一緒にカード91をも挟む。
そうすると、
図2の右図に図示するように、財布10をスムーズに閉じることができる。
財布10を開くときは、これと逆のパターンになる。
【0015】
図3は、財布10の縦断面(左図)を従来の二つ折り式財布のもの(右図)と比較したものである。
図示するように、右図(従来の二つ折り式財布)では、硬貨収納部30とカード収納部40とが重なり合っていた。
これに対して、左図(財布10)では、カード収納部40に収納したカード91をそのまま硬貨収納部30の蓋代わりにすることで、蓋とそれに付随する留具を排して、薄型を実現できた。
【0016】
図4は、財布10の開いた状態を図示したものである。
図示するように、財布10(財布本体20)を開くと、上蓋部50に挟まれていた紙幣90が飛び出し(但し、一部は硬貨収納部30と財布本体20との間に挟まれているので、紙幣90が財布10から落下することはない)、カード収納部40が財布本体20の動きに連動するように回動しカード91を起立させ、硬貨収納部30は、開閉蓋31が自動で開く。すなわち、財布10(財布本体20)を開けるワンアクションで、紙幣・カード・硬貨へ瞬時にアクセス可能なギミックを有していることになります。
【0017】
図5は、財布10の使用状態を図示したものである。
財布10は、縦長の財布本体20にあって左右対称な形状であることで、ユニバーサルデザインな財布となっている。
例えば、図示するように、財布10は、硬貨収納部30と上蓋部50は、財布本体20の左右両端縁21,21に接合していないので、右利きの人でも左利きの人でも同じ動作で紙幣90を取り出すことができる。すなわち、利き手が違っても使い心地に差が出ないような構造になっている(=ユニバーサルデザイン)。
【0018】
図6は、本願発明に係る二つ折り式財布の第2実施形態を示す説明図である。
図6に図示する二つ折り式財布11(以下、「財布11」ともいう)が、第1実施形態の財布10と異なるのは、財布本体20の外側にカード92を収納する第二カード収納部45を備えたことである。
これにより、この第二カード収納部45に交通系ICカードを入れて出し入れすること無く、交通系ICカードを利用することができる。一方、出し入れの必要なクレジットカードや免許証などはカード収納部40に収納することで、カード類の種類によって収納部の使い分けができるようになる。
【0019】
図7は、本願発明に係る二つ折り式財布の第3実施形態を示す説明図である。
図7に図示する二つ折り式財布12(以下、「財布12」ともいう)が、第1実施形態の財布10と異なるのは、財布本体20の二つ折りにする部分(曲がる部分)22の遊びをできる限りゼロに近づけたことである。これによって、財布本体20の二つ折りが規制されて、留具60(図示省略)による閉じやすさが向上する。
なお、上記の遊び規制と併せて、留具60の位置を財布本体20の外寄り(端部側)にすることで、留具60による閉じやすさがさらに向上する。
【0020】
図8は、本願発明に係る二つ折り式財布の第4実施形態を示す説明図である。
図8に図示する二つ折り式財布13(以下、「財布13」ともいう)が、第1実施形態の財布10と異なるのは、上蓋部50の面積を減少したことである。詳しくは、財布10の上蓋部50が矩形状であるのに対して、財布13の上蓋部50は逆三角形にしている。これによって、紙幣90を挟み込む部分が減り、紙幣90の取り出しやすさが向上する。なお、上蓋部50の形状は図示のもの(逆三角形)に限定するものではない。
【0021】
図9は、本願発明に係る二つ折り式財布の第5実施形態を示す説明図である。
図9に図示する二つ折り式財布14(以下、「財布14」ともいう)が、第1実施形態の財布10と異なるのは、硬貨収納部30のマチの横にある隙間部分を埋めるようにしたことである。これによって、硬貨収納部30から硬貨がこぼれてしまう危険性を軽減できるようになった。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本願発明は、二つ折り式の財布に対して幅広く利用できるものである。
【符号の説明】
【0023】
(第1実施形態)
10 二つ折り式財布(財布)
20 財布本体
21 左右両端縁
30 硬貨収納部
31 開閉蓋
40 カード収納部
50 上蓋部
60 留具
90 紙幣
91 カード