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特許7614663プログラム、情報処理方法、及び端末装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-07
(45)【発行日】2025-01-16
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理方法、及び端末装置
(51)【国際特許分類】
   G04F 10/00 20060101AFI20250108BHJP
   G08C 15/06 20060101ALI20250108BHJP
   H04N 23/60 20230101ALN20250108BHJP
【FI】
G04F10/00 Z
G08C15/06 H
H04N23/60 500
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023198923
(22)【出願日】2023-11-24
(62)【分割の表示】P 2021013111の分割
【原出願日】2021-01-29
(65)【公開番号】P2024019209
(43)【公開日】2024-02-08
【審査請求日】2024-01-17
(73)【特許権者】
【識別番号】520132676
【氏名又は名称】株式会社コンセプトプロト
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】深井 善朗
【審査官】藤澤 和浩
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/167955(WO,A1)
【文献】特開2019-1618(JP,A)
【文献】特開2018-182639(JP,A)
【文献】特開2003-284061(JP,A)
【文献】特開平6-318278(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04F 10/00-10/10
G08C 15/00-15/12
H04N 23/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
複数のセンサ装置のそれぞれから、複数のセンサ装置のそれぞれを識別するセンサ識別情報と、前記複数のセンサ装置による検出に基づくセンサ情報と、前記センサ装置による前記検出のタイミングを示すタイミング情報とを含む第1情報を受信する受信部
前記複数のセンサ装置のそれぞれの前記センサ識別情報が、前記第1情報に基づく第2情報の生成に用いられる情報と関連付けられて記憶された記憶部であって、前記センサ識別情報と前記第2情報の生成に用いられる情報との関連付けが設定可能である記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記センサ識別情報及び前記第2情報の生成に用いられる情報、並びに複数の前記センサ装置から受信した前記第1情報に基づいて、前記第2情報を生成する処理部、として機能させるためのプログラム。
【請求項2】
前記センサ情報は、前記複数のセンサ装置が物体を検出したことを示す情報を含む、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記センサ情報は、前記複数のセンサ装置が検出した物理量を示す情報を含む、請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記複数のセンサ装置から受信した前記第1情報に含まれる前記タイミング情報のそれぞれは、時間的同期の取れた情報に基づく、請求項1から3のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記処理部は、前記複数のセンサ装置から受信した前記第1情報に基づいて、所定区間における物体の移動時間を算出する、請求項1から4のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項6】
タイミング情報を出力する出力部をさらに備え、
前記処理部は、前記出力部により出力されたタイミング情報にさらに基づいて、前記移動時間を算出する、請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記処理部は、前記複数のセンサ装置から受信した前記第1情報に基づいて、カメラにより撮影された動画の編集に使用される情報を生成する、請求項1から6のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項8】
コンピュータが、
複数のセンサ装置のそれぞれから、複数のセンサ装置のそれぞれを識別するセンサ識別情報と、前記複数のセンサ装置による検出に基づくセンサ情報と、前記センサ装置による前記検出のタイミングを示すタイミング情報とを含む第1情報を受信すること
前記複数のセンサ装置のそれぞれの前記センサ識別情報が、前記第1情報に基づく第2情報の生成に用いられる情報と関連付けられて記憶された記憶部であって、前記センサ識別情報と前記第2情報の生成に用いられる情報との関連付けが設定可能である記憶部に記憶された前記センサ識別情報及び前記第2情報の生成に用いられる情報、並びに複数の前記センサ装置から受信した前記第1情報に基づいて、前記第2情報を生成することと、を含む情報処理方法。
【請求項9】
複数のセンサ装置のそれぞれから、複数のセンサ装置のそれぞれを識別するセンサ識別情報と、前記複数のセンサ装置による検出に基づくセンサ情報と、前記センサ装置による前記検出のタイミングを示すタイミング情報とを含む第1情報を受信する受信部と、
前記複数のセンサ装置のそれぞれの前記センサ識別情報が、前記第1情報に基づく第2情報の生成に用いられる情報と関連付けられて記憶された記憶部であって、前記センサ識別情報と前記第2情報の生成に用いられる情報との関連付けが設定可能である記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記センサ識別情報及び前記第2情報の生成に用いられる情報、並びに複数の前記センサ装置から受信した前記第1情報に基づいて、前記第2情報を生成する処理部と、を備える、情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報処理方法、及び端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、センサ装置が検出した情報と、当該検出のタイミングとを他の装置に通知し、処
理を行う技術が知られている。特許文献1には、センサ部を搭載する複数の時間計測装置
を備える時間計測システムが開示されている。当該時間計測システムにおいて、まず、同
期された時間計測装置のそれぞれが計測開始位置及び計測終了位置に配置される。これら
の時間計測装置が無線通信又は有線通信により接続され、各センサ部の検出信号に基づき
、移動体の通過時間又は移動時間が計測される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6550612号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
時間計測に限られず、様々な分野で利用されるセンサシステムに汎用的に適用可能な技
術が求められている。
【0005】
本発明の目的の一つは、様々な分野で利用されるセンサシステムに汎用的に適用可能な
技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータを、複数のセンサ装置のそれぞれか
ら、前記センサ装置を識別するセンサ識別情報と、前記センサ装置による検出に基づくセ
ンサ情報と、前記センサ装置による前記検出のタイミングを示すタイミング情報とを含む
第1情報を受信する受信部、複数の前記センサ装置から受信した前記第1情報に基づいて
、第2情報を生成する処理部、として機能させる。
【0007】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、複数のセンサ装置のそれぞれから、前記センサ
装置を識別するセンサ識別情報と、前記センサ装置による検出に基づくセンサ情報と、前
記センサ装置による前記検出のタイミングを示すタイミング情報とを含む第1情報を受信
することと、複数の前記センサ装置から受信した前記第1情報に基づいて、第2情報を生
成することと、を含む。
【0008】
本発明の一態様に係る端末装置は、複数のセンサ装置のそれぞれから、前記センサ装置
を識別するセンサ識別情報と、前記センサ装置による検出に基づくセンサ情報と、前記セ
ンサ装置による前記検出のタイミングを示すタイミング情報とを含む第1情報を受信する
受信部と、複数の前記センサ装置から受信した前記第1情報に基づいて、第2情報を生成
する処理部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、様々な分野で利用されるセンサシステムに汎用的に適用可能な技術を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態におけるセンサシステムの構成を例示する図である。
図2】一実施形態における端末装置のハードウェア構成を例示する概念図である。
図3】一実施形態におけるセンサ装置のハードウェア構成を例示する概念図である。
図4】一実施形態におけるセンサシステムの利用態様の一例を説明するための概念図である。
図5】一実施形態におけるセンサシステムの処理フローを例示的に説明するための図である。
図6】一実施形態におけるセンサシステムの利用態様の一例を説明するための概念図である。
図7】一実施形態におけるセンサシステムの利用態様の一例を説明するための概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の一実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を説
明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。また、
本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。
【0012】
<システム構成>
図1を参照して、一実施形態に係るセンサシステム1の例示的な構成について説明する
。本実施形態において、センサシステム1は、端末装置10と、センサ装置20a,20
b,20c,20dとを備える。図1に示す例において、センサシステム1は、4つのセ
ンサ装置を備えるが、センサ装置の数は任意に設定され、3つ以下でも5つ以上であって
もよい。センサ装置20a,20b,20c,20dは、それぞれ同様の構成を有しても
よいし、異なる構成を有してもよい。以下の説明において、センサ装置20a,20b,
20c,20dが互いに区別せずに参照される場合は、総称してセンサ装置20と称され
る。
【0013】
センサシステム1において、端末装置10は、複数のセンサ装置20のそれぞれから、
センサ装置20を識別するセンサ識別情報と、センサ装置20による検出に基づくセンサ
情報と、センサ装置20による上記検出のタイミングを示すタイミング情報とを含む情報
(以下、「通知情報」とも称する。)を受信する。端末装置10は、複数のセンサ装置2
0のそれぞれから受信した通知情報に基づいて処理を行い、他の情報(以下、「生成情報
」とも称する。)を生成する。生成情報は、複数のセンサ装置20のそれぞれから受信し
た通知情報に基づく情報であり、複数の通知情報を用いた演算処理、又は複数の通知情報
を用いて合成処理等を行うことにより生成される情報である。センサシステム1における
処理の詳細は後述する。
【0014】
以上のように本実施形態によれば、端末装置10は、センサ識別情報と、センサ情報と
、タイミング情報とを含む通知情報を複数のセンサ装置20のそれぞれから受信し、受信
した通知情報に含まれる情報に基づいて生成情報を生成する。その結果、様々な分野で利
用されるセンサシステムに汎用的に適用可能な技術を実現することができる。
【0015】
センサシステム1は、端末装置10と、センサ装置20との間で通信可能に構成されて
いる。端末装置10と、センサ装置20との間の通信は、例えば、センサ装置20から端
末装置10への単方向通信である。しかしながらこれに限定されず、端末装置10と、セ
ンサ装置20との間で双方向に通信可能に構成されていてもよい。
【0016】
端末装置10は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、PDA(Personal Digit
al Assistant)、パーソナルコンピュータ、又はその他の汎用若しくは専用の情報処理装
置により構成される。
【0017】
センサ装置20は、物体の状態、存在若しくは変化、又は環境の状態、若しくは変化な
ど、何らかの事象を検出する装置である。
【0018】
<ハードウェア構成>
図2を参照して、端末装置10のハードウェア構成の一例を説明する。端末装置10は
、主な構成として、処理部11、通信部12、入力部13、出力部14、記憶部15、及
び測位部16を備える。端末装置10は、図2に示した構成以外に、端末装置が一般的に
備える他の構成を備えてもよい。また、端末装置10は、図2に示した構成のうち、一部
を備えなくてもよい。
【0019】
処理部11は、記憶部15に記憶されているプログラムを実行することにより端末装置
10における各種の処理を制御する。処理部11は、端末装置10が備える構成(ハード
ウェア)と、プログラム(ソフトウェア)との協働により、端末装置10における様々な
処理及び機能を実現する。処理部11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)
により構成される。
【0020】
通信部12は、端末装置10の外部装置と有線又は無線により通信を行うものであり、
例えば、BLE(Bluetooth Low Energy(登録商標))などの短距離の単方向通信により
、センサ装置20から通知情報を受信するように構成される。なお、通信部12は、セン
サ装置20と双方向通信又は長距離通信を行うように構成されていてもよい。また、通信
部12は、インターネットなどのネットワークを介して(基地局又はルーターなどの通信
装置を介して)センサ装置20以外の装置と通信可能に構成されている。
【0021】
入力部13は、端末装置10に対する入力を受け付けるものであり、例えば、操作部、
音声入力部、及び画像入力部を含む。操作部は、例えば、タッチパネル、及びボタンキー
を含む。音声入力部は、例えば、マイクを含む。画像入力部は、例えば、カメラを含む。
また、入力部13は、外部からデータの入力(及び出力)のためのインターフェースコネ
クタを含む。
【0022】
出力部14は、端末装置10による各種の出力を行うものであり、例えば、画像出力部
及び音声出力部を含む。画像出力部は、例えば、表示装置を含む。音声出力部は、例えば
、スピーカを含む。
【0023】
記憶部15は、端末装置10における処理及び動作に必要な各種情報、並びに処理結果
の情報を記憶する記憶装置又はメモリである。
【0024】
測位部16は、端末装置10の位置を特定するものであり、例えば、GNSS(Global
Navigation Satellite System)モジュール(GNSS受信機)を含む。測位部16は、
複数のGNSS衛星からGNSS信号を受信し、当該信号に基づいて端末装置10の測位
処理を行う。GNSS信号は、GNSS衛星がGNSS信号を発信した時刻情報を含む。
【0025】
図3を参照して、センサ装置20のハードウェア構成の一例を説明する。センサ装置2
0は、主な構成として、処理部21、通信部22、センサ23、記憶部24、及び同期部
25を備える。また、処理部21、通信部22、及び記憶部24を有する構成は、計測時
計(時刻生成部)として機能する。センサ装置20は、図3に示した構成以外の構成を備
えてもよい。また、センサ装置20は、図3に示した構成のうち、一部を備えなくてもよ
い。
【0026】
処理部21は、記憶部24に記憶されているプログラムを実行することによりセンサ装
置20における各種の処理を制御する。処理部21は、センサ装置20が備える構成(ハ
ードウェア)と、記憶部24に記憶されたプログラム(ソフトウェア)との協働により、
センサ装置20における様々な処理及び機能を実現する。また、処理部21は、システム
クロックを発信する発信回路を有する。一実施形態において、当該システムクロック(ク
ロック信号)を利用して、時間の計測又は時刻情報の生成が行われてもよい。処理部21
は、測位部16が受信したGNSS信号に含まれる時刻情報と同期をとるように、時刻情
報を生成してもよい。処理部21は、例えば、CPUにより構成される。
【0027】
通信部22は、センサ装置20の外部装置と通信を行うものであり、例えば、BLEな
どの短距離の単方向通信により、端末装置10へ通知情報を送信(ブロードキャスト)す
るように構成される。なお、通信部22は、端末装置10と双方向通信又は長距離通信を
行うように構成されていてもよい。
【0028】
通知情報は、上述のとおり、例えば、センサ装置20を識別するセンサ識別情報と、セ
ンサ装置20による検出に基づくセンサ情報と、センサ装置20による上記検出等のタイ
ミングを示すタイミング情報とを含む。タイミング情報は、例えば、上記検出等の時点の
時刻情報など、タイミングを示す何らかの情報を含む。
【0029】
センサ情報は、センサ装置20による物体の状態、存在若しくは変化、又は環境の状態
、若しくは変化など、何らかの事象の検出に基づく情報を含む。センサ情報は、センサ装
置20が物体を検出(又は検知)したことを示す情報を含んでもよい。物体を検出したこ
とを示す情報は、例えば、物体が所定位置を通過したこと又は所定位置に存在することを
センサ23が検出したことを示す情報を含む。また、センサ情報は、センサ23が検出し
た物理量を示す情報を含んでもよい。物理量を示す情報は、例えば、物体の動き又は形状
変化など、物体に関する物理量を含む。他の例として、物理量を示す情報は、気温、気圧
、又は水圧などの環境の状態を示す情報を含む。
【0030】
センサ23は、物体の状態、存在若しくは変化、又は環境の状態、若しくは変化など、
何らかの事象を検出するものであり、一つ又は複数のセンサにより構成される。センサ2
3は、例えば、光電センサ、磁気センサ、加速度センサ、角速度センサ、温度センサ、又
は圧力センサ(例えば、気圧センサ、又は水圧センサ)を含む。
【0031】
記憶部24は、センサ装置20における処理及び動作に必要な各種情報、並びに処理結
果の情報を記憶するメモリである。
【0032】
同期部25は、センサ装置20において計測される時間が他のセンサ装置20において
計測される時間と同期をとるように制御する。同期部25は、例えば、GNSS受信機を
備えて構成される。この場合において、例えば、同期部25は、GNSS衛星からGNS
S信号を受信し、GNSS信号に含まれる時刻情報に基づいて、センサ装置20において
生成される時刻情報と、GNSS衛星で生成される時刻情報との間で同期が取れるように
、センサ装置20において生成される時刻情報を制御する。その結果、センサ装置20(
例えば、センサ装置20a)は、他のセンサ装置20(例えば、センサ装置20b,セン
サ装置20c,センサ装置20d)との間においても、生成する時刻情報を同期させるこ
とができる。同期部25によれば、複数のセンサ装置20間で同期のとれた時刻情報に基
づいて、通知情報に含めるタイミング情報を生成することができる。すなわち、端末装置
10が複数のセンサ装置20から受信する通知情報に含まれるタイミング情報のそれぞれ
は、時間的同期の取れた情報に基づく。また、端末装置10が測位部16により受信した
GNSS信号に含まれる時刻情報に基づいてタイミング情報を生成している場合、センサ
装置20は、端末装置10との間においても、生成するタイミング情報を同期させること
ができる。
【0033】
タイミング情報を同期させる方法の変形例として、複数のセンサ装置20のそれぞれが
備える同期部25は、端末装置(例えば、スマートホン)、ルーターや基地局などの外部
装置から時刻情報を含む信号を受信し、当該信号に含まれる時刻情報との間で同期が取れ
るように、複数のセンサ装置20において生成されるタイミング情報を制御してもよい。
その結果、複数のセンサ装置20間においてタイミング情報を同期させることができる。
本実施形態において、以降に説明するタイミング情報を同期させる処理は、当該変形例を
採用可能である。
【0034】
センサシステム1の実施例を以下に説明する。以下の説明において、図1から図3に示
した各構成が参照される。
【0035】
<実施例1>
実施例1におけるセンサシステム1により実行される処理の例を説明する。実施例1に
おいて、センサシステム1は時間計測システムとして機能する。例えば、端末装置10は
、処理部11の制御により、複数のセンサ装置20から受信した通知情報に基づいて、所
定区間における物体の移動時間を算出する。
【0036】
図4は、陸上競技における短距離走(又は中距離走若しくは長距離走であってもよい。
)において、走者の走行の時間計測を行うためにセンサシステム1を利用した場合の例を
概念的に示している。図4には、短距離走のスタートライン、及びゴールラインが示され
ている。走者は、端末装置10を保持している。ゴールラインには、走者のゴールを検出
(検知)するゴールセンサとしてセンサ装置20bが配置されている。スタートラインと
ゴールラインの中間地点には中間センサとしてセンサ装置20aが配置されている。実施
例1において、端末装置10、センサ装置20a、及びセンサ装置20bにより生成され
るタイミング情報は、GNSS衛星より受信した信号に基づいて、同期がとれている。
【0037】
スタートラインから走行をスタートする走者の走行時間を計測するために、まず、端末
装置10は、走行スタートの合図を出力する。例えば、合図の出力として、スタートライ
ンにいる走者が保持する端末装置10の出力部14(音声出力部)により、「On your ma
rks, set, "Bang"」などの音声を出力してもよい。また、端末装置10は、走行スタート
の合図を出力したタイミング情報(例えば、時刻情報)を端末装置10内で出力し、記憶
する。
【0038】
走行スタートの合図の出力後、走者は走行をスタートし、中間地点を通過したときに、
センサ装置20aは、走者が中間地点を通過したこじとを検出する。走者が中間地点を通
過したことが検出されたときに、センサ装置20aは、センサ装置20aを識別するセン
サ識別情報と、走者が中間地点の通過を検出したことを示すセンサ情報(例えば、フラグ
情報)と、走者の中間地点の通過の検出の時刻を示すタイミング情報とを含む通知情報を
送信する。なお、センサ情報は、タイミング情報と同じく中間地点の通過の検出の時刻を
示してもよい。端末装置10は、センサ装置20aから送信された通知情報を受信する。
【0039】
その後、走者がゴールラインを通過したときに、センサ装置20aは、走者がゴールラ
インを通過したことを検出する。走者がゴールラインを通過したことが検出されたときに
、センサ装置20bは、センサ装置20bを識別するセンサ識別情報と、走者がゴールラ
インの通過を検出したことを示すセンサ情報(例えば、フラグ情報)と、走者のゴールラ
インの通過の検出の時刻を示すタイミング情報とを含む通知情報を送信する。端末装置1
0は、センサ装置20bから送信された通知情報を受信する。
【0040】
端末装置10は、走行スタートの合図を出力したタイミング情報と、センサ装置20a
から受信した通知情報に含まれるタイミング情報(時刻情報)との間の差分により、走者
がスタートラインから中間地点までの区間を走行するのに要した時間を算出(計測)する
ことができる。また、端末装置10は、センサ装置20aから受信した通知情報に含まれ
るタイミング情報(時刻情報)と、センサ装置20bから受信した通知情報に含まれるタ
イミング情報(時刻情報)との間の差分により、走者が中間地点からゴールラインまでの
区間を走行するのに要した時間を算出することができる。さらに、端末装置10は、走行
スタートの合図を出力したタイミング情報と、センサ装置20bから受信した通知情報に
含まれるタイミング情報との間の差分により、走者がスタートラインからゴールラインま
での区間を走行するのに要した時間を算出することができる。
【0041】
端末装置10は、算出(計測)した走者の走行時間を生成情報としてデータサーバに送
信し、データサーバは受信した走行時間を記憶部に記憶してもよい。また、センサシステ
ム1は、複数の走者についての走行時間を上記と同様の方法により算出してもよい。この
場合において、データサーバは、記憶部に記憶された複数の走者についての走行時間のラ
ンキングを集計し、端末装置10からの要求に応じて、当該ランキングの情報を端末装置
10に送信可能にしてもよい。なお、データサーバは一般的な情報処理装置が有する構成
を備え、例えば、処理部(プロセッサ)及び記憶部を備える。他の実施例においてもデー
タサーバは同様の構成を備える。
【0042】
図5を参照して、実施例1におけるセンサシステム1の処理フローを説明する。以下に
説明する各処理ステップは、例えば、端末装置10及びセンサ装置20が有する処理部が
、記憶部に記憶されたコンピュータプログラムを読み込み、実行することにより実現され
る。
【0043】
ステップS50において、端末装置10は、所定のタイミングで、走行スタートの合図
を出力する。例えば、上述の通り、合図の出力として、端末装置10の出力部14(音声
出力部)は、「On your marks, set, “Bang”」などの音声を出力してもよい。また、端
末装置10において、走行スタートの合図を出力したタイミング情報が走行スタートのタ
イミング情報として処理部11から出力され、記憶部15に記憶される。すなわち、処理
部11は、タイミング情報の出力部として機能する。
【0044】
ステップS51において、センサ装置20aは、走者が中間地点を通過したことを検出
したときに、センサ装置20aを識別するセンサ識別情報と、走者が中間地点を通過した
ことを検出したことを示すセンサ情報(例えば、フラグ情報)と、走者の中間地点の通過
の検出の時刻を示すタイミング情報とを含む通知情報を送信する。なお、センサ情報は、
タイミング情報と同じく中間地点の通過の検出の時刻を示してもよい。端末装置10は、
センサ装置20aから送信された通知情報を受信する。
【0045】
中間地点の通過の検出方法として、例えば、センサ装置20aのセンサ23に含まれる
光電センサが出射する赤外光を走者が横切ったときに、センサ装置20aは、走者が中間
地点を通過したことを検出する。
【0046】
次に、ステップS52において、センサ装置20bは、走者がゴールラインを通過した
ことを検出したときに、センサ装置20bを識別するセンサ識別情報と、走者が中間地点
を通過したことを検出したことを示すセンサ情報と、走者のゴールラインの通過の検出の
時刻を示すタイミング情報とを含む通知情報を送信する。なお、センサ情報は、タイミン
グ情報と同じくゴールラインの通過の検出の時刻を示してもよい。端末装置10は、セン
サ装置20bから送信された通知情報を受信する。端末装置10は、センサ装置20bか
ら送信された通知情報を受信する。
【0047】
次に、ステップS53において、端末装置10は、走者の所定区間の走行時間を算出す
る。詳細には、例えば、次の通りである。以下に説明する所定区間の走行時間の算出の前
提として、端末装置10には、センサ装置20aが中間地点に設置されていることを示す
情報として、センサ装置20aのセンサ識別情報が中間地点を示す情報と関連付けられて
記憶されている。また、端末装置10には、センサ装置20bがゴールラインに設置され
ていることを示す情報として、センサ装置20bのセンサ識別情報がゴールラインを示す
情報と関連付けられて記憶されている。
【0048】
端末装置10は、ステップS50で記憶部15に記憶されたタイミング情報が示す時刻
(スタート時刻)と、ステップS51で受信した通知情報に含まれるタイミング情報が示
す時刻(中間時刻)との間の差分により、走者がスタートラインから中間地点までの区間
を走行するのに要した時間(走行時間)を算出する。また、端末装置10は、ステップS
51で受信した通知情報に含まれるタイミング情報が示す時刻(中間時刻)と、ステップ
S52で受信した通知情報に含まれるタイミング情報が示す時刻(ゴール時刻)との間の
差分により、走者が中間地点からゴールラインまでの区間を走行するのに要した時間(走
行時間)を算出する。さらに、端末装置10は、ステップS50で記憶部15に記憶され
たタイミング情報が示す時刻(スタート時刻)と、ステップS52で受信した通知情報に
含まれるタイミング情報が示す時刻(ゴール時刻)との間の差分により、走者がスタート
ラインからゴールラインまでの区間を走行するのに要した時間(走行時間)を算出する。
端末装置10は、算出した走行時間を生成情報として記憶部15に記憶し、また、前述の
データサーバに送信する。
【0049】
以上のように、端末装置10は、センサ識別情報と、センサ情報と、タイミング情報と
を含む通知情報を複数のセンサ装置20のそれぞれから受信し、受信した通知情報に含ま
れる情報に基づいて生成情報を生成する。その結果、実施例1の時間計測システムや後述
する実施例で示すように、様々な分野で利用されるセンサシステムに汎用的に適用可能な
技術を実現することができる。
【0050】
また、複数のセンサ装置20(及び端末装置10)の間で同期の取れたタイミング情報
(例えば、時刻情報)に基づいて時間計測が行われるため、通信のリアルタイム性が低く
ても、端末装置10は、複数のセンサ装置20から受信した通知情報に基づいて、精度高
く走行時間を算出(生成情報を生成)することができる。
【0051】
センサ装置20と端末装置10の間の通信が、センサ装置20から端末装置10への単
方向通信である構成を採用した場合、センサ装置20は、例えば、インターネットによる
通信に必要な構成(例えば、SIMカード(Subscriber Identity Module Card))を備
えなくとも端末装置10へ情報を送信することが可能となる。その結果、センサシステム
1は、通信環境の制約が低く、かつ、簡易な構成で、精度高く走行時間を算出(生成情報
を生成)することができる。
【0052】
<実施例1の変形例>
実施例1において、端末装置10の処理部11は、走行スタートの合図を出力したタイ
ミング情報を走行スタートのタイミング情報として特定(出力)し、記憶部15に記憶し
た。走行スタートのタイミング情報の特定及び記憶は、上記に限定されず、他の方法で実
施されてもよい。例えば、次のように実施されてもよい。まず、スタートラインにスター
トセンサとしてセンサ装置20cが配置され、センサ装置20cが走者の走行スタートを
検出する。センサ装置20cは、走者の走行スタートを検出したときに、センサ装置20
cを識別するセンサ識別情報と、走者の走行スタートを検出したことを示すセンサ情報と
、走者の走行スタートの検出の時刻を示すタイミング情報とを含む通知情報を送信する。
端末装置10は、センサ装置20cから送信された通知情報を受信し、記憶部15に記憶
する。
【0053】
走者の走行スタートの検出方法として、例えば、センサ装置20cのセンサ23に含ま
れる光電センサが出射する赤外光を走者が横切ったときに、センサ装置20aは、走者の
走行スタートを検出してもよい。
【0054】
端末装置10は、センサ装置20cから受信した通知情報に含まれるタイミング情報が
示す時刻(スタート時刻)と、ステップS51及びS52で受信した通知情報に含まれる
タイミング情報が示す時刻(中間時刻及びゴール時刻)とを使用して、上記と同様の方法
で、走者のスタートラインから中間地点までの走行時間、中間地点からゴールラインまで
の走行時間、及びスタートラインからゴールラインまでの走行時間を算出してもよい。
【0055】
<実施例2>
実施例2におけるセンサシステム1により実行される処理の例を説明する。実施例2に
おいて、センサシステム1はビデオシステムとして機能する。例えば、センサシステム1
において、端末装置10と同様の構成及び機能を有するカメラ装置は、処理部の制御によ
り、複数のセンサ装置20から受信した通知情報に基づいて、カメラにより撮影された動
画の編集に使用される情報を生成する。
【0056】
図6は、陸上のトラック競技又はスキー競技などの何らかの競技についてカメラによる
動画の撮影又は撮影された動画の編集を行うビデオシステムとして、センサシステム1を
利用した場合の例を概念的に示している。図6には、スタートラインなどの所定位置に設
置されたセンサ装置20a、及びカメラ装置30が示されている。さらに、競技者が保持
する端末装置10が示されている。カメラ装置30は、端末装置10と同様の構成を備え
る(すなわち、カメラ装置30は、端末装置10と同様に機能することが可能である。)
。カメラ装置30は、競技者を撮影可能なように、所定の位置に競技者に向けられて設置
されている。実施例2において、端末装置10、センサ装置20a、及びカメラ装置30
により生成されるタイミング情報は、GNSS衛星より受信した信号に基づいて、同期が
とれている。
【0057】
カメラ装置30は、競技の開始前から撮影を開始している。当該撮影により得られた動
画データには撮影のタイミング情報(例えば、時刻情報)が対応付けられている。センサ
装置20aは、競技者がスタートラインを通過したことを検出すると、センサ装置20a
は、センサ装置20aのセンサ識別情報と、競技者のスタートラインの通過を検出したこ
とを示すセンサ情報(例えば、フラグ情報)と、競技者のスタートラインの通過の検出の
時刻を示すタイミング情報とを含む通知情報を送信する。なお、センサ情報は、タイミン
グ情報と同じくスタートラインの通過の検出の時刻を示してもよい。カメラ装置30は、
センサ装置20aから送信された通知情報を受信する。
【0058】
また、図示しないが、例えば、センサ装置20bがゴールラインに設置されていてもよ
い。この場合において、センサ装置20bは、競技者がゴールラインを通過したことを検
出したときに、センサ装置20bのセンサ識別情報と、競技者のゴールラインの通過を検
出したことを示すセンサ情報(例えば、フラグ情報)と、競技者のゴールラインの通過の
検出の時刻を示すタイミング情報とを含む通知情報を送信してもよい。カメラ装置30は
、センサ装置20bから送信された通知情報を受信する。なお、本実施例において、カメ
ラ装置30は、通知情報をセンサ装置20から直接受信するのではなく、任意の通信機器
により構成された中継装置を介して、通知情報を受信してもよい。
【0059】
カメラ装置30は、センサ装置20aから受信した通知情報に含まれるタイミング情報
が示す時刻(競技開始時刻)と、センサ装置20bから受信した通知情報に含まれるタイ
ミング情報が示す時刻(競技終了時刻)とに基づいて決定した位置で、動画データを切り
出す(トリミングする)。すなわち、カメラ装置30は、複数のセンサ装置20から受信
した通知情報に基づいて、カメラ装置30による撮影で得られた動画データの編集に使用
される切り出しの位置情報を生成情報として生成する。例えば、撮影で得られた動画デー
タにおける競技開始時刻の所定時間前(例えば、2秒前)に対応する位置を切り出しの開
始位置とし、競技終了時刻の所定時間後(例えば、2秒後)に対応する位置を切り出しの
終了位置として、切り出しを行ってもよい。カメラ装置30は、上記の切り出しの処理に
より得られた動画データをカメラ装置30の記憶部に記憶し、データサーバに送信する。
カメラ装置30からデータサーバへの動画データの送信は、端末装置10を中継して行わ
れてもよい。データサーバは、受信した動画データをデータサーバの記憶部に記憶する。
競技者(ユーザ)は、端末装置10を介して、カメラ装置30又はデータサーバから動画
データを受信し、再生及び閲覧することが可能である。
【0060】
複数の競技者のそれぞれについての切り出し後の動画データが上記と同様の方法により
取得され、カメラ装置30又はデータサーバに記憶されてもよい。この場合において、カ
メラ装置30又はデータサーバに記憶された複数の動画データは、所定の同じ位置(例え
ば、競技開始時刻の2秒前)から開始するため、ユーザは、複数の動画データの同時再生
により、動画データに映る被写体間の比較(複数の競技者による競技の比較)を容易に行
うことができる。例えば、ユーザは、当該複数の動画データをデータサーバ等からダウン
ロードし、又はストリーミングにより、端末装置10又は他の装置で当該複数の動画デー
タを重ね合わせて、所定の位置(例えば、競技開始時刻の2秒前)から再生することによ
り、複数の競技者による競技を分析することができる。当該分析は、例えば、陸上競技の
場合、スタート音の反応時間についての競技者間の比較など、競技者間で差がついた場所
の特定を含む。
【0061】
実施例2におけるビデオシステムとして機能するセンサシステム1は、上記で説明した
陸上のトラック競技又はスキー競技についてだけではなく、演技系競技(例えば、跳び箱
などの体操、ワンメイク、又はエアリアル)、踏切り系競技(例えば、幅跳び、3段跳び
、走り高跳び、又は棒高跳び)、又はゴルフについての動画の撮影又は撮影された動画の
編集及び分析のために利用可能である。
【0062】
<実施例2の変形例>
実施例2の上記の説明において、カメラ装置30がセンサ装置20から送信された通知
情報を受信し、生成情報を生成したが、これに限定されない。端末装置10がセンサ装置
20から通知情報を受信し、受信した通知情報に基づいて、生成情報を生成してもよい。
この場合において、端末装置10は、カメラ装置30から、カメラ装置30のセンサ識別
情報と、カメラ装置30による撮影で得られた動画データを含むセンサ情報と、当該動画
データに対応付けられた撮影時の時刻を示すタイミング情報とを含む通知情報を受信する
。端末装置10は、センサ装置20から受信した通知情報と、カメラ装置30から受信し
た通知情報に基づいて、上記と同様の方法により、動画データの切り出し位置(生成情報
)を決定し、切り出し後の動画データ(生成情報)を生成してもよい。
【0063】
<実施例3>
実施例3において、センサシステム1は、競技者のフォーム解析システムとして機能す
る。例えば、端末装置10は、処理部11の制御により、複数のセンサ装置20から受信
した複数の通知情報のそれぞれに含まれるセンサ識別情報及び前記タイミング情報に基づ
いて、当該複数の通知情報に含まれるセンサ情報を合成する。さらに、端末装置10は、
処理部11の制御に基づいて、センサ情報の合成で得られた生成情報を解析することによ
り、競技者の動作フォームを推定し、推定結果の動作フォームのデータを(例えば、動画
データとして)出力することが可能である。
【0064】
図7は、走行する競技者のフォームを解析するフォーム解析システムとして、センサシ
ステム1を利用した場合の例を概念的に示している。図7には、競技者(走者)である被
計測者が保持する端末装置10が示されている。さらに、被計測者の四肢(左手首、右手
首、左足首、右足首)に取り付けられたセンサ装置20a、20b、20c、20dが示
されている。センサ装置20は、四肢の全てではなく、一部に取り付けられていてもよい
。また、センサ装置20は、被計測者の身体における四肢以外の部位(例えば、頭部又は
腰部)に取り付けられていてもよい。
【0065】
また、端末装置10には、センサ装置20が取り付けられた位置を示す情報が記憶され
ている。例えば、センサ装置20a、20b、20c、20dを識別するセンサ識別情報
は、左手首、右手首、左足首、又は右足首を示す情報と関連付けられて記憶されている。
【0066】
実施例3において、端末装置10、及びセンサ装置20a、20b、20c、20dに
より生成されるタイミング情報は、GNSS衛星より受信した信号に基づいて、同期がと
れている。
【0067】
被計測者の走行中に、センサ装置20a、20b、20c、20dのそれぞれから通知
情報が送信され、端末装置10は、当該通知情報を受信する。通知情報には、センサ装置
20を識別するセンサ識別情報と、センサ装置20による検出に基づくセンサ情報と、セ
ンサ装置20による上記検出の時刻を示すタイミング情報とを含む。センサ情報は、例え
ば、センサ装置20のセンサ23に含まれる加速度センサ及び角速度センサによる検出結
果(計測結果)の情報を含む。
【0068】
端末装置10は、センサ装置20a、20b、20c、20dから受信した複数の通知
情報のそれぞれに含まれるセンサ識別情報及び前記タイミング情報に基づいて、当該複数
の通知情報に含まれるセンサ情報を合成する。詳細には、端末装置10は、センサ装置2
0aのセンサ識別情報に対応付けられたセンサ情報を左手首の計測結果として、センサ装
置20bのセンサ識別情報に対応付けられたセンサ情報を右手首の計測結果として、セン
サ装置20cのセンサ識別情報に対応付けられたセンサ情報を左足首の計測結果として、
センサ装置20dのセンサ識別情報に対応付けられたセンサ情報を右足首の計測結果とし
て、それぞれのセンサ情報に対応付けられたタイミング情報が示す時刻が対応するように
、センサ情報の合成を行う。
【0069】
端末装置10は、センサ情報の合成により得られた情報(生成情報)を解析することに
より、被計測者の動作フォームを推定し、推定結果の動作フォームのデータを(例えば、
動画データとして)出力部14により出力する。詳細には、端末装置10は、予め、セン
サ23による計測データと、競技者の動作フォーム(四肢など、人の身体の部位の位置及
び動きを含む。)を示すデータとを関連付けたデータ(基礎データ)を記憶部15に記憶
しておく。端末装置10は、当該基礎データと、生成情報とに基づいて、被計測者の動作
フォームを推定し、推定結果の動作フォームのデータを出力してもよい。変形例として、
基礎データに、身体情報(身長、体重等を含む)を関連付けることにより、基礎データと
、生成情報と、被計測者の身体情報とに基づいて、より精度の高い推定結果の動作フォー
ムのデータの出力を行うことが可能である。
【0070】
推定結果の動作フォームのデータは、動作フォームを示す動画データ(例えば、人の身
体の形状、及身体における四肢などの部位の動きを示す動画データ)として、端末装置1
0で再生することが可能である。また、推定結果の動作フォームのデータは、データサー
バに送信され、他の被計測者のデータとともにデータサーバの記憶部に記憶されてもよい
【0071】
端末装置10は、動作フォームのデータをデータサーバからダウンロードし、再生する
ことが可能である。端末装置10は、複数の被計測者の動作フォームのデータ(例えば、
見本となる動作フォームのデータを含む。)を比較可能な態様(例えば、複数の動画デー
タを並べて又は重ねて再生することを含む。)で、再生可能であってもよい。
【0072】
以上のように実施例3によれば、画像解析処理を行わずに、被計測者の動作フォームの
解析を行うことが可能である。
【0073】
本実施形態におけるセンサシステム1(または、端末装置10、センサ装置20、又は
カメラ装置30)を実装するためのプログラムは、光学ディスク、磁気ディスク、半導体
メモリなどの各種の記録媒体に記録しておくことができる。また、記録媒体を通じて、又
は通信ネットワークなどを介して上記のプログラムをダウンロードすることにより、コン
ピュータにインストール又はロードすることができる。
【0074】
本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない
範囲内において、他の様々な形で実施することができる。上記実施形態はあらゆる点で単
なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。
【符号の説明】
【0075】
1 センサシステム
10 端末装置
20 センサ装置
30 カメラ装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7