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特許7614679健康モニタリングシステム及び健康モニタリング方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-07
(45)【発行日】2025-01-16
(54)【発明の名称】健康モニタリングシステム及び健康モニタリング方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/00 20060101AFI20250108BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20250108BHJP
   A61B 5/07 20060101ALI20250108BHJP
   A61B 5/16 20060101ALI20250108BHJP
   A61B 5/256 20210101ALI20250108BHJP
   A61B 5/372 20210101ALI20250108BHJP
   G16H 10/00 20180101ALI20250108BHJP
【FI】
A61B5/00 D
A61B1/00 C
A61B5/00 B
A61B5/07
A61B5/16 130
A61B5/256 110
A61B5/372
G16H10/00
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2024072035
(22)【出願日】2024-04-26
【審査請求日】2024-04-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513310221
【氏名又は名称】福田 博美
(72)【発明者】
【氏名】福田 勝誉
【審査官】▲高▼原 悠佑
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0323091(US,A1)
【文献】特開2015-171402(JP,A)
【文献】特開2018-191785(JP,A)
【文献】国際公開第2013/141386(WO,A1)
【文献】特開2006-212218(JP,A)
【文献】特開2017-127377(JP,A)
【文献】特開2016-165332(JP,A)
【文献】特開2022-146400(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2023/0263482(US,A1)
【文献】特開2022-040919(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2023/0074574(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0032309(US,A1)
【文献】生体内サイバネティック・アバターによる時空間体内環境情報の構造化,2024年06月11日,<URL:https://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/13579882/www.jst.go.jp/moonshot/program/goal1/files/14_arai_ap.pdf>,国立国会図書館インターネット資料収集保存事業,[保存日:2024/01/13 - 2024/04/13]
【文献】生体内サイバネティック・アバターによる時空間体内環境情報の構造化 2022年度版 実施状況報告書,2024年06月11日,<https://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/13579882/www.jst.go.jp/moonshot/program/goal1/files/14_arai_report2022.pdf>,国立国会図書館インターネット資料収集保存事業,[保存日:2024/01/13 - 2024/04/13]
【文献】生体内サイバネティック・アバターによる時空間体内環境情報の構造化 プロジェクト概要,2024年06月11日,<URL:https://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/13579882/www.jst.go.jp/moonshot/program/goal1/files/14_arai.pdf>,国立国会図書館インターネット資料収集保存事業,[保存日:2024/01/13 - 2024/04/13]
【文献】人間ドック(動脈硬化検査)で 何が分かる?費用など,2023年12月20日,<2024年12月2日検索>, <URL:https://radio-gazo.jp/2023/12/20/doumyakukouka/>
【文献】がんの発症には免疫力が大きく関係している!~健康な人の体内でも がん細胞が毎日生まれています!~,2021年04月09日,<2023年9月11日更新>,<2024年12月2日検索>,<URL:https://www.macrophi.co.jp/special/1934/>
【文献】(心疾患) 「がん」に次いで死亡率の高い病気,2014年08月13日,<2014年8月13日付けウェブアーカイブ>,<URL:http://web.archive.org/web/20140813162642/https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g4/cat450/sb4502/p013/>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00-1/32
A61B 5/00-5/0538
A61B 5/06-5/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者の生体測定を行う非侵襲の生体測定デバイスと、外部から遠隔操作して、被験者の臓器内や消化器系などの体内の状況を把握し、生体内サイバネティック・アバターを用いて時空間体内環境情報を測定する測定手段と、上記測定手段により測定した時空間体内環境情報を可視化する可視化手段と、を有し、上記可視化手段は、上記生体測定デバイスによる測定結果と、上記生体内サイバネティック・アバターによる時空間体内環境情報の測定結果とを合成表示する健康モニタリングシステムにおいて、
上記可視化手段は、被験者の日常の生体測定データが表示される身体表示エリア、被験者の生体内の時空間体内環境情報が表示される生体内サイバネティック・アバター表示エリア、被験者の特定の日の終夜睡眠状態が表示される睡眠状態表示エリアを有し、上記身体表示エリア、上記生体内サイバネティック・アバター表示エリア、上記睡眠状態表示エリアを用いて表示を行うと共に、上記測定手段により測定された時空間体内環境情報をそのまま表示せず、上記生体内サイバネティック・アバターの種類と上記生体内サイバネティック・アバターを配置した人体の部位とをひも付けしてアバター化して健康状態と未病状態を示すアバター画像を表示し、
更に上記可視化手段は、上記生体内サイバネティック・アバターを脳部位、心臓部位、胃部位、腸部位に配置した場合は、脳、心臓、胃、腸のアバター画像を健康状態、未病状態とで表示形態を変えて表示し、かつ、少なくとも「がん」、「脳梗塞」、「心疾患」の疾病アバター表示の表示パターンを表示させ、疾病の種類が「がん」の場合、健康状態ではがん細胞を攻撃しているアバター画像、未病状態ではがん細胞が勢いを増しているアバター画像を表示し、脳梗塞の場合、健康状態では血管の中を赤血球がすいすい泳げるアバター画像、未病状態では血管に動脈硬化が起こり、赤血球が泳ぎにくいアバター画像を表示し、心疾患の場合、健康状態では心臓がニコニコしているアバター画像、未病状態では心臓が苦しんでいるアバター画像を表示すると共に、
上記睡眠状態表示エリアには、睡眠状態を睡眠が浅い、睡眠中程度、睡眠深いの3段階に分け、健康と未病を表示させる
ことを特徴とする健康モニタリングシステム。
【請求項2】
在宅にて睡眠計測を行う脳波測定デバイスを有し、上記脳波測定デバイスは被験者の額部分に装着する脳波測定部とその測定結果を記録保存するデバイス本体部とから構成され、上記脳波測定部はシート状横長部に一体的に設けられた複数の額用電極と、上記シート状横長部から縦方向に延びる縦長フラットケーブルと、上記縦長フラットケーブルから左右に分岐したフラットケーブルの先端部に左耳用電極および右耳用電極とが設けられている左腕部および右腕部を備え、上記複数の額用電極を被験者の額中心に貼り付け、上記左耳用電極および右耳用電極を被験者の左右の耳の後ろに貼り付けて被験者の特定の日の終夜睡眠状態の睡眠検査を行うことを特徴とする請求項1記載の健康モニタリングシステム。
【請求項3】
上記生体内サイバネティック・アバターは、カプセル型デバイス、ヘリカル・リング型デバイス、ステント型デバイス、又はそれらの組合せからなることを特徴とする請求項1又は2記載の健康モニタリングシステム。
【請求項4】
更に、身体装着型デバイスを有し、上記身体装着型デバイスにより被験者の運動量を計測することを特徴とする請求項1又は2記載の健康モニタリングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、健康モニタリングシステム及び健康モニタリング方法に関し、特に睡眠の質を維持しつつ生活習慣病の予防改善に好適な健康モニタリング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近は、生活習慣病と睡眠の関係の研究が進んでおり、睡眠不足は日中の眠気や疲労に加え、頭痛等の身心愁訴の増加、情緒不安定、注意力や判断力の低下に関連する作業効率の低下等、多岐にわたる影響を及ぼす。また、睡眠不足を含め、様々な睡眠の問題が慢性化すると、肥満、高血圧、2型糖尿病、心疾患や脳血管障害の発症リスクの上昇や症状の悪化に関連し、死亡率の上昇に関与することが明らかとなっている。
【0003】
日常の健康モニタリング方法では、生体測定デバイスを用いて被験者の生体情報をモニタリング行うことができる。生体測定デバイスとしては、血圧計、体重計、スマートフォン対応予測式体温計、リストバンド型ライフレコーダ、ポケット型活動量計、上腕式ホースレス血圧計、体組成計等、各種生体デバイスを使用することができる。
【0004】
例えば、上記の生体測定デバイスでは、同一のメーカの各種デバイスの連携を想定したものが多く、他のメーカの装置を組み合わせて使用することはできない。また、リストバンド型ライフレコーダにおいて、24時間の睡眠計測を行えるが、精度が悪いという問題があった。
【0005】
年1回の健康診断結果だけでは、不十分である。
【0006】
頻繁に病院で診察を受け、病気の診断をすれば、病気の早期発見につながるが、医療費が膨大にかかる。
【0007】
できるだけ、簡単な健康モニタリングを行うことによって、健康長寿を実現可能とする健康モニタリング方法により、医療費の削減を実現し、健康な生活を維持しつつ健康長寿につなげることが望ましい。
【0008】
また、最新の動向として、サイバネティック・アバターによる時空間体内環境をモニタリングする研究も進められている。サイバネティック・アバターを用いた情報処理システムとしては、例えば、操作者にアバターを割り当てて所定のサービスを提供する情報処理システムが提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2023-145956号公報
【文献】特開2022-40919号公報
【文献】特許第6719788号公報
【文献】特開2018-81397号公報
【文献】特開2024-40773号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記した特許文献2の生体測定デバイスでは、被験者の睡眠計測が可能であるが、測定精度が低いという問題がある。また、病院に宿泊して被験者の終夜睡眠ポリグラム検査を行う方法もあるが、測定精度は正確であるが、被験者に負担をかけすぎるという問題がある。特許文献2の脳波計測デバイスであれば、自宅での睡眠計測が行え、ほぼ終夜睡眠ポリスグラム検査に近い測定精度が得られるので、上記脳波計測デバイスは有用である。しかしながら、生活習慣病の原因は、睡眠問題だけでないので、不十分である。
【0011】
上記特許文献3、4では、生活習慣病の改善につながるが、家庭で簡単にできるものではない。
【0012】
上記特許文献5では、体重データを用いて生活習慣病の改善情報を生成しているが、体重データだけでは改善効果が限られるという課題があった。
【0013】
本発明は、上記課題に鑑みて案出されたものであり、本発明の目的とするところは、比較的被験者に負担を強いることなく、日常の常時健康モニタリングを可能とし、睡眠の質を維持しつつ生活習慣病の予防改善に役立ち健康長寿につながる健康モニタリングシステム及び健康モニタリング方法を提供することにある。
【0014】
本発明の他の目的は、睡眠の質を維持しつつ、かつ精度の高い健康、未病のモニタリングが可能な健康モニタリングシステム及び健康モニタリング方法を提供する。
【0015】
本発明の他の目的は、健康モニタリング結果を可視化可能とし、被験者の行動変容を促し、健康長寿を実現可能な健康モニタリング方法を提供する。
【0016】
本発明の更なる他の目的は、健康モニタリング方法において、現在の健康状態または将来の病気が悪くなる箇所を予測可能な健康モニタリング方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するため、第1発明に係る健康モニタリングシステムは、被験者の生体測定を行う非侵襲の生体測定デバイスと、外部から遠隔操作して、被験者の臓器内や消化器系などの体内の状況を把握し、生体内サイバネティック・アバターを用いて時空間体内環境情報を測定する測定手段と、上記測定手段により測定した時空間体内環境情報を可視化する可視化手段と、を有し、上記可視化手段は、上記生体測定デバイスによる測定結果と、上記生体内サイバネティック・アバターによる時空間体内環境情報の測定結果とを合成表示する健康モニタリングシステムにおいて、上記可視化手段は、被験者の日常の生体測定データが表示される身体表示エリア、被験者の生体内の時空間体内環境情報が表示される生体内サイバネティック・アバター表示エリア、被験者の特定の日の終夜睡眠状態が表示される睡眠状態表示エリアを有し、上記身体表示エリア、上記生体内サイバネティック・アバター表示エリア、上記睡眠状態表示エリアを用いて表示を行うと共に、上記測定手段により測定された時空間体内環境情報をそのまま表示せず、上記生体内サイバネティック・アバターの種類と上記生体内サイバネティック・アバターを配置した人体の部位とをひも付けしてアバター化して健康状態と未病状態を示すアバター画像を表示し、
更に上記可視化手段は、上記生体内サイバネティック・アバターを脳部位、心臓部位、胃部位、腸部位に配置した場合は、脳、心臓、胃、腸のアバター画像を健康状態、未病状態とで表示形態を変えて表示し、かつ、少なくとも「がん」、「脳梗塞」、「心疾患」の疾病アバター表示の表示パターンを表示させ、疾病の種類が「がん」の場合、健康状態ではがん細胞を攻撃しているアバター画像、未病状態ではがん細胞が勢いを増しているアバター画像を表示し、脳梗塞の場合、健康状態では血管の中を赤血球がすいすい泳げるアバター画像、未病状態では血管に動脈硬化が起こり、赤血球が泳ぎにくいアバター画像を表示し、心疾患の場合、健康状態では心臓がニコニコしているアバター画像、未病状態では心臓が苦しんでいるアバター画像を表示すると共に、
上記睡眠状態表示エリアには、睡眠状態を睡眠が浅い、睡眠中程度、睡眠深いの3段階に分け、健康と未病を表示させることを特徴とする。
【0018】
発明に係る健康モニタリングシステムは、第1発明において、在宅にて睡眠計測を行う脳波測定デバイスを有し、上記脳波測定デバイスは被験者の額部分に装着する脳波測定部とその測定結果を記録保存するデバイス本体部とから構成され、上記脳波測定部はシート状横長部に一体的に設けられた複数の額用電極と、上記シート状横長部から縦方向に延びる縦長フラットケーブルと、上記縦長フラットケーブルから左右に分岐したフラットケーブルの先端部に左耳用電極および右耳用電極とが設けられてる左腕部および右腕部を備え、上記複数の額用電極を被験者の額中心に貼り付け、上記左耳用電極および右耳用電極を被験者の左右の耳の後ろに貼り付けて特定の日の終夜睡眠状態の睡眠検査を行うことを特徴とする。
【0019】
発明に係る健康モニタリングシステムは、第1発明又は第2発明において、上記生体内サイバネティック・アバターは、カプセル型デバイス、ヘリカル・リング型デバイス、ステント型デバイス、又はそれらの組合せからなることを特徴とする。
【0020】
発明に係る健康モニタリングシステムは、第1発明又は第2発明において、更に、身体装着型デバイスを有し、上記身体装着型デバイスにより被験者の運動量を計測することを特徴とする。
【0022】
第6発明に係る健康モニタリング方法は、少なくとも血圧計、体温計、体重計を用いて被験者の生体情報を取得する生体情報取得ステップと、身体装着型デバイスから身体活動情報である行動情報を取得する行動情報取得ステップと、少なくとも脳画像および、体内内視鏡画像を含む健康診断結果情報を取得する健康診断結果情報取得ステップと、取得された被験者の生体情報、行動情報および健康診断結果情報を解析する解析ステップと、上記解析の結果と被験者の生体情報、行動情報および健康診断結果情報を用いて、被験者の将来の健康状態を推定する推定ステップとを備えたことを特徴とする。
【0023】
第7発明に係る健康モニタリング方法は、第6発明において、さらに在宅にて被験者の睡眠状態の脳波測定を行う脳波測定ステップを有し、上記脳波測定ステップにより睡眠ポリグラム検査と同等の睡眠検査を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
以上の構成の本発明によれば、比較的被験者に負担を強いることなく、日常の常時健康モニタリングを可能とし、睡眠の質を維持しつつ生活習慣病の予防改善に役立ち健康長寿につながる健康モニタリングシステム及び健康モニタリング方法を実現することができる。
【0025】
本発明によれば、睡眠の質を維持しつつ、かつ精度の高い健康、未病のモニタリングが可能な健康モニタリングシステム及び健康モニタリング方法を実現することができる。
【0026】
また、本発明によれば、健康モニタリング結果を可視化可能とし、被験者の行動変容を促し、健康長寿を実現可能な健康モニタリング方法を実現することができる。
【0027】
本発明によれば、健康モニタリング方法において、現在の健康状態または将来の病気が悪くなる箇所を予測可能な健康モニタリング方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、本発明の実施形態に係る健康モニタリングシステムの機能ブロック図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る健康モニタリングシステムの機能ブロック図である。
図3図3は、本発明の実施形態における時空間体内環境情報の一例を示す図である。
図4図4は、測定結果合成表示の一例を示す図である。
図5図5(a)は、図1の脳波測定デバイスの一例を示す外観構成図であり、図5(b)は、睡眠測定データを記録及び送信するデバイス本体の一例を示す図である。
図6図6は、生体内センサとしてのカプセル内視鏡の外観図と先端部分の構成例を示す図である。
図7図7(a)は、生体内センサとしてのヘリカル型デバイスの一例を示す図であり、図7(b)は、生体センサとしてのリング型デバイスの一例を示す図であり、図7(c)は、生体センサとしてのステント型デバイスの一例を示す図である。
図8図8は、携帯通信端末とネットワーク接続されたクラウドサーバのシステム構成図である。
図9図9は、本発明を適用した携帯通信端末の一例を示す図である。
図10図10は、本発明を適用したパソコンの一例を示す図である。
図11図11は、本発明の実施形態における身体表示エリアの一例を示す図である。
図12図12は、本発明の生体内サイバネティック・アバター表示エリアの一例を示す図である。
図13図13は、3大疾病アバター表示の一例を示す図である。
図14図14は、睡眠状態表示エリアの一例を示す図である。
図15図15は、身体活動表示エリアに表示する判断基準を示す図である。
図16図16は、本発明の実施形態における健康モニタリング方法を示すフローチャートである。
図17図17は、生体測定デバイスにおける健康モニタリング方法を示すフローチャートである。
図18図18は、身体装着型デバイスにおける健康モニタリング方法を示すフローチャートである。
図19図19は、生活習慣病の他の病名例を示す図である。
図20図20は、本発明の実施形態における身体活動表示エリアの一例を示す図である。
図21図21は、本発明の実施形態で利活用する健康診断個人データ(その1)の一例を示す図である。
図22図22は、本発明の実施形態で利活用する健康診断個人データ(その2)の一例を示す図である。
図23図23は、被験者の健康モニタリング結果を共有するためのオンライン連携システムの構成図である。
図24図24は、身体装着型デバイスの測定データの一例を示す図である。
図25図25は、各種測定デバイスの測定データの合成処理を説明するための図である。
図26図26は、本発明の実施形態における健康管理アプリの機能ブロック図である。
図27図27は、本発明の実施形態の健康モニタリング方法を示すフローチャートである。
図28図28は、本発明の他の実施形態の健康モニタリング方法を示すフローチャートである。
図29図29は、本発明を適用した統合データ解析サービスシステムの概略ブロック図である。
図30図30は、本発明を適用した生体測定デバイス検証サービスシステムの概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明を適用して例示した実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0030】
先ず、図1図2図3図4を用いて、本発明の実施形態に係る健康モニタリングシステム100a、100bについて説明する。
【0031】
図1は、本発明の実施形態に係る健康モニタリングシステムの機能ブロック図であり、図2は、本発明の実施形態に係る健康モニタリングシステムの機能ブロック図である。図3は、本発明の実施形態における時空間体内環境情報の一例を示す図である。図4は、測定結果合成表示の一例を示す図である。
【0032】
本実施形態の健康モニタリングシステム100aは、図1に示すように、生体測定デバイス1と、生体内CA(サイバネティック・アバター)測定部2と、測定結果合成部3と、可視化部4と、を有する。
【0033】
本実施形態の健康モニタリングシステム100bは、図2に示すように、生体測定デバイス1と、生体内CA(サイバネティック・アバター)測定部2と、測定結果合成部3と、可視化部4と、脳波測定デバイス5と、を有する。図2に示す健康モニタリングシステム100bは、脳波測定デバイス5以外については図1と同様である。
【0034】
生体測定デバイス1は、非侵襲で日常における被験者の生体情報を測定する装置である。生体測定デバイス1としては、例えば血圧計、体温計、体重計などを含む。図1の例では、一体的に示しているが、別体構成とし、健康モニタリングシステム100aと無線通信接続構成としてもよい。また、生体測定デバイスとして、血糖計などを含んでもよく、血糖計の場合は、指先などから血液を採取し測定することになるので、非侵襲でない測定装置も含まれる。生体測定デバイス1は、例えば毎日測定して測定データを保存してもよいし、1日おき、1週間単位で測定してもよい。
【0035】
生体内CA測定部2は、外部から遠隔操作して、臓器内や消化器系などの体内の状況を把握し、生体内で相互作用が可能な生体内サイバネティック・アバター(CA)を用いて時空間体内環境情報を測定する。
【0036】
測定結果合成部3は、生体測定デバイス1の測定結果と生体内CA測定部2の測定結果を合成する。
【0037】
可視化部4は、測定結果合成部3で合成された生体測定データ及び生体内CA測定部2により測定した時空間体内環境情報を可視化して携帯通信端末などに表示する。可視化部4は、生体測定デバイス1による測定結果と、生体内CA測定部2による時空間体内環境情報の測定結果とを合成表示するように構成してもよい。時空間体内環境情報の例を図3に示す。時空間体内環境情報としては、生体内PH測定情報、生体内撮像情報、深部体温情報、睡眠状態情報、血糖値情報などである。その他の生体情報を含んでもよい。図4に可視化部4による可視化表示例を示す。図4は、例えば携帯通信端末などの表示画面の一例を示し、身体表示エリアと、生体内サイバネティック、アバター表示エリアと、睡眠状態表示エリアと、身体活動表示エリアとから構成される。身体表示エリアは、日常の生体測定データが表示されるエリアである。生体内サイバネティック・アバター表示エリアは、生体内の時空間体内環境情報が表示されるエリアである。睡眠状態表示エリアは、特定の日の終夜睡眠状態が表示されるエリアである。本実施形態では、可視化表示形態に特徴がある。各種測定結果をそのまま表示してもよいが、健康状態や未病状態をアバターによる可視化を行うことによって、被験者による行動変容を起こさせるきっかけを提供するものである。特に、生活習慣病などの病気では、日常の生活習慣(食生活・運動週間・喫煙・ストレスなど)に起因する病気であるので、被験者自身の生活習慣が改善されなければ、健康長寿を達成できないものである。従って、被験者の健康状態、未病状態をアバター表示させることで、被験者の視覚にうったえる可視化を行うようにした。当然、従来と同様な数値情報やトレンド表示を行ってもよい。近年の研究において、生活習慣病に睡眠が重要な重要な位置づけであることが分かってきたので、睡眠の質を維持するために、自宅でも簡単に測定できる公知の脳波測定デバイス5を使用している。以下、脳波測定デバイス5について説明する。
【0038】
脳波測定デバイス5は、自宅などで被験者の睡眠状態の測定を行う。脳波測定デバイス5の一例を図5(a)(b)に示す。脳波測定デバイス5は、被験者の頭部分に装着する脳波測定部とその測定結果を記録保存するデバイス本体部20とから構成される。脳波測定部は、額中心左用電極6a、リファレンス電極6b、額中心右用電極6cが設けられた横長部6と、横長部6から縦方向に延びる縦長部8(フラットケーブル)と、縦長部8(フラットケーブル)から左右に分岐したフラットケーブル9が延び、先端部に左耳用電極7aおよび右耳用電極7bが設けられている左腕部および右腕部とを有する。フラットケーブル8の先端にはデバイス本体部20と接続するためのコネクタ部10が設けられている。非常に単純かつユニークな形状であるため、被験者一人でも短時間で簡便に装着することが可能であり、また低コストで利用できる。また、睡眠を阻害しないつけ心地を考慮した形状にもなっている。これにより、被験者が自宅で気軽に使用することが可能となり、日常状態での睡眠の判定が可能となる。また、額用電極(6a、6b、6c)がシート状の横長部6に一体に設けられており、互いの位置関係が固定されているため、シート状の横長部6を額部分に貼り付けるだけで、各電極を毎回同じ位置関係で配置することが可能である。また、額用電極(6a、6b、6c)は、被験者の額部分に貼り付けられることで、脳波に加えて、眼球の動きを検出することができる。また、左耳用電極7aおよび右耳用電極7bは、被験者の左右の耳の後ろに貼り付けられることで、脳波に加えて、首の筋電を検出することができる。したがって、脳波に加えて、眼球の動きおよび首の筋電の信号を利用できるため、睡眠の判定精度を高めることができる。
【0039】
図6(b)に示すように、デバイス本体部20は、制御部21と、コネクタ部22と、記憶部23と、操作部24と、表示部25と、バッテリ26と、を有している。図6(a)(b)に示す脳波測定デバイスは、公知のデバイス(特許文献2)を使用できる。詳細は特許文献2のとおりであるので、説明を省略する。
【0040】
身体装着型デバイスでも、睡眠計測ができるが、精度が低いので、その測定結果は参考程度にしか使用できない。病院に行って、終夜睡眠ポリグラム検査だと、睡眠計測が正確だが、病院に一泊して測定する方法なので、被験者に相当負担がかかる。上述した簡易構成の脳波測定デバイスを使用して、自宅で測定できれば、比較的負担が少なく睡眠測定精度の高いので、睡眠の質を正確に測定することができる。
【0041】
図6(a)(b)は、生体内CA測定部2で使用される生体内CAセンサとしてのカプセル内視鏡30の構成図である。
【0042】
図6(a)(b)に示すように、カプセル内視鏡30は、先端カバー31と、LED照明32a、32b、32c、32dと、対物レンズ34と、を有する。カプセル内視鏡30には、図示していないが、対物レンズ34を通ったLED照明32a、32b、32c、32dからの光を受光して撮像するCMOSセンサ素子や電気回路、内蔵バッテリなどを備えており、カプセル内視鏡の使用時のみ使用できるように電力を消費しない状態でケースに入れられている。そのケースから取り出したとき、電源スイッチがONする。カプセル内視鏡30からの撮像情報をするための無線通信センサと、無線通信センサからの信号を記録する装置を携帯して、測定する。通常、測定時間は、8時間程度かかる。図6(a)(b)は、公知の装置と同様であるので、説明を省略する。
【0043】
図7(a)は、生体内センサとしてのヘリカル型デバイスの一例を示す図、図7(b)は、生体センサとしてのリング型デバイスの一例を示す図、図7(c)は、生体センサとしてのステント型デバイスの一例を示す図である。
【0044】
図7(a)に示すように、ヘリカル型デバイス40は、生体内PH、深部体温、血糖値情報などを測定するセンサ41を有する。
【0045】
図7(b)に示すように、リング型デバイス42は、生体内PH、深部体温、血糖値情報などを測定する生体センサ42、43、44を有する。
【0046】
図7(c)に示すように、ステント型デバイス42は、生体内PH、深部体温、血糖値情報などを測定する生体センサ47、48、49を有する。
【0047】
上記実施形態では、生体内センサについて記載したが、細胞内センシング技術としては、特許第5551355号公報、特許第5526345号公報に開示された技術を適用して本発明を実施することができる。
【0048】
図8は、携帯通信端末50とネットワーク62に接続されたクラウドサーバ63のシステム構成図である。
【0049】
図8に示すように、携帯通信端末50は、CPU51と、ROM52と、RAM53と、ディスプレイ54と、生体認証記憶部55と、ID/パスワード認証部56と、タッチ入力部57と、カメラ58と、スピーカ59と、マイク60と、通信インターフェース61と、を有する。
【0050】
携帯通信端末50は、インターネットワーク、ブロードバンドネットワークなどのネットワーク62を介してクラウドサーバ63に接続される。このような通信システムにおいて、健康モニタリングシステムをソフトウェアで実現し、図9に示すような携帯通信端末70に健康モニタリングアプリ72をインストールしておき、健康モニタリングアプリ72を実行することにより、健康モニタリングを行ってもよい。図9の例では、画面71上に健康モニタリングアプリ72のアイコンが表示された状態を示す。図10にパソコンの一例を示す。パソコンは、カメラ73と、ディスプレイ74と、図4に示す表示形態で可視化表示する画面75と、キーボードに表示された指紋認証部76を示す。生体認証は、カメラ73を用いた顔認証を行ってもよい。
【0051】
以下、本発明の可視化表示について説明する。図11は、身体表示エリアの一例を示す。図11の例では、血圧120/80mmHg、脈拍60bpm、体温36.8℃、体重54Kgが表示されている。健康モニタリングアプリには、最低限の個人情報がユーザー登録時に、登録しておく。例えば、身長、年齢、性別、BMIなどの情報などである。その他の情報を登録してもよい。個人の健康診断結果(図21図22を参照)をデジタル化して携帯通信端末等に保存しておき、その比較表示を行う構成にしてもよい。例えば、健康診断結果の体重と比較して、体重がかなり増加していれば、健康ではなく、未病(1)や未病(2)(ここでは、未病(2)は未病(1)より健康状態が悪いことを示す)を予測し、推定表示してもよい。
【0052】
図12は、生体内サイバネティック・アバター表示エリアに表示する表示パターンの一例を示す。生体内CA測定部2において、測定された生体内CAの種類と関連付けられた人体の部位とをひも付けしてアバター化して健康状態と未病状態を示す。測定情報の数値をそのまま表示しても、被験者は専門家ではないので、被験者の行動変容を促すようにした。生体内センサを脳部位に配置した場合は、脳のアバター画像を健康状態、未病(1)状態、未病(2)状態で表示画像を変える。健康の場合は脳のにっこり画像、未病(1)の場合は脳が少し苦しんでいる画像、未病(2)の場合は脳が苦しんでいる画像を表示する。
【0053】
同様に、生体内センサを心臓に配置した場合は、心臓のアバター画像を健康、未病(1)、未病(2)で変更して表示する。胃に生体内センサを配置した場合は、胃のアバター画像を健康、未病(1)、未病(2)で変更して表示する。更に、腸に生体内センサを配置した場合は、腸のアバター画像を健康、未病(1)、未病(2)で変更して表示する。生体内CAの種類は、臓器ごとにアバター画像を作成し表示するように構成してもよい。
【0054】
このように、生体内サイバネティックアバターを表示させることにより、被験者の視覚に直感的にうったえるので、行動変容を促進する効果が期待される。
【0055】
図13は、3大疾病アバター表示の表示パターン例を示す。疾病の種類としては、がん、脳梗塞、心疾患の例を示している。がんの場合、健康状態ではがん細胞を攻撃しているアバター画像、未病(1)状態ではがん細胞が少し勢いを増しているアバター画像、未病(2)状態ではがん細胞が勢いを増しているアバター画像を示している。脳梗塞の場合、健康状態では血管の中を赤血球がすいすい泳げるアバター画像、未病(1)状態では血管に少し動脈硬化が起こり、赤血球が泳ぎにくいアバター画像、未病(2)状態では血管に動脈硬化が起こり、赤血球が泳ぎにくいアバター画像を示している。心疾患の場合、健康状態では心臓の血管が少し詰まっているアバター画像、未病(1)状態では心臓の血管が少し詰まり心臓が少し苦しんでいるアバター画像、未病(2)状態では心臓の血管が詰まり拡大し、心臓が苦しんでいるアバター画像を示している。
【0056】
図14は、睡眠状態表示エリアの表示パターン例を示す。睡眠状態と健康、未病(1)、未病(2)との関係を示している。図6に示す脳波測定デバイスにより測定した睡眠状態データをクラウドサーバ63にアップロードし、脳波解析サービス結果のレポートを受信し、例えば睡眠状態を「睡眠浅い」、「睡眠中程度」、「睡眠深い」の3段階に分ける。そして、睡眠が浅い場合は病気になる恐れが高いのので、未病(2)を表示させる。また、睡眠中程度の場合は生活習慣が乱れているので、未病(1)を表示させる。睡眠が深い場合は睡眠の質を維持されていると推定し、「健康」と表示させる。睡眠状態の質の判定は、自宅で終夜睡眠ポリグラム検査のほぼ近い検査が行えるので、生活習慣病の予防改善を行える効果を奏する。図19に生活習慣病の一例を示す。図14では、3大疾病のアバター画像表示について説明したが、同様に、高血圧、認知症、糖尿病、高脂血症、高尿酸血症、肺高血圧症などについても、同様にアバター画像を表示するようにしてもよい。
【0057】
図15は、健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023の推奨事項一覧を示す。図15の推奨事項一覧は身体活動表示エリアに表示する身体活動量の基準として利用する。図15では、対象者を高齢者、成人、こどもに分けて、身体活動(生活活動と運動を含む)と座位行動に分けられている。高齢者は、生活活動が歩行又はそれと同等以上の(3メッツ以上の強度の身体活動を1日40分以上(1日6000歩以上)であり、運動が有酸素運動・筋力トレーニング・バランス運動・柔軟運動など多要素な運動を週3日以上、筋力トレーニングを週2~3日となっている。
【0058】
例えば、被験者が高齢者で67歳とすると、1日6000歩以上が推奨値である。従って、図20に示す身体活動表示エリアには、生活活動の歩数は7500歩であったので、上記推奨値を超えているので、OKと表示される。運動のうち有酸素運動1回 OK、筋力トレーニング3回OK、バランス運動2回OKなどが表示される。ここで、運動の表示には、メッツとエクササイズに換算して表示計算を行う。メッツとは、身体活動の強さを、安静時の何倍に相当するかで表す単位をいう。例えば、座って安静にしているしている状態が1メッツ、普通歩行が3メッツに相当する。エクササイズとは、身体活動の量を表す単位をいう。身体活動の強度(メッツ)に身体活動の実施時間(時)をかけたものである。より強い身体活動ほど短い時間で1エクササイズとなる。エネルギー消費量(Kcal)は、1.05×エクササイズ(メッツ×時)×体重(kg)で求まる。
【0059】
図16は、本発明の実施形態に係る健康モニタリング方法を示すフローチャートである。
先ず、生体内CA測定ステップの実行する(ステップ101)。
外部から遠隔操作して、臓器内や消化器系などの体内の状況を把握し、生体内で相互作用が可能な生体内サイバネティック・アバターを用いて時空間体内環境情報を測定する(ステップ102)。
次に測定結果記録ステップを実行する(ステップ103)。
次に、記録した測定結果を携帯通信端末に送信する(ステップ104)
生体測定デバイスによる測定結果と、生体内サイバネティック・アバターによる時空間体内環境情報の測定結果とを合成表示す測定結果合成ステップを実行する(ステップ105)。
測定結果合成ステップ105により合成した測定結果を、図4に示すように、可視化する可視化ステップを実行する(ステップ106)。
【0060】
図17は、生体測定デバイスにおける健康モニタリング方法を示すフローチャートである。
先ず、生体測定ステップを実行する(ステップ201)。
次に測定結果記録ステップを実行する(ステップ202)。
次に、記録した測定結果を携帯通信端末に送信する(ステップ203)
次に、記録した測定結果を携帯通信端末に送信する(ステップ204)
【0061】
図18は、身体装着型デバイスにおける健康モニタリング方法を示すフローチャートであり、図24に24時間常時モニタリング可能な身体装着型デバイスの一例を示す。24時間常時使用可能なデバイスとしては、リング型(指輪タイプ)、時計型、トラッカー型のデバイスがあり、各メーカ間でデータの互換性はない。例えば、A社製のリング型デバイスは、A社専用の健康アプリAがあり、身体活動データAを利活用できる。同様に、B社製の時計型デバイスは、B社専用の健康アプリBがあり、身体活動データBを利活用できる。C社製のトラッカーデバイスは、C社専用の健康アプリBがあり、身体活動データCを利活用できる。本実施形態の健康モニタリング方法では、これらの身体装着型デバイスにより測定して得られた身体活動データA、B、Cのいずれかのデータ又は組合せからデータの一部を抜き出し、生体内CA測定データ結果と合成し、可視化するものである。測定結果を合成表示する例を図25に示す。
先ず、身体活動量測定ステップを実行する(ステップ301)。
次に測定結果記録ステップを実行する(ステップ302)。
次に、記録した測定結果を携帯通信端末に送信する(ステップ303)
次に、記録した測定結果を携帯通信端末に送信する(ステップ304)
【0062】
図23は、被験者の健康モニタリング結果を共有するためのオンライン連携システムの構成図である。
【0063】
図23に示すように、オンライン連携システム80は、オンライン連携サーバ81と、被験者端末82a、82bと、通信ネットワーク83と、かかりつけ医端末84a、84bと、管理者端末85と、を有する。
【0064】
被験者端末82a、82bは、通信ネットワーク83を介してかかりつけ医端末84a又は病院端末84bと接続されており、被験者の測定データを共有してもよい。データの共有を図ることにより、被験者の測定データを得ることができるので、かかりつけ医や病院の医師が適切な診療を行うことが可能となり、医療費の削減につながる期待が持てる。
【0065】
図26は、本発明の実施形態における健康管理アプリの機能ブロック図である。
【0066】
本実施形態における健康管理アプリ400は、図26に示すように、血圧記録部401と、体重記録部402と、体温記録部403と、身体装着デバイス記録部404と、睡眠記録部405と、歩数記録部406と、運動記録部407と、未病可視化部408と、外部連携部409と、健康管理ダッシュボード部401と、を有する。
【0067】
健康管理アプリ400は、予めスマートフォンなどの携帯通信端末、タブレットPC、携帯型ノートパソコン、ディスクトップパソコンなどにインストールしておき、使用する。例えば、携帯通信端末に予めインストールしておき、健康管理アプリ400を起動しておき、血圧計、体重計、体温計の測定データを近距離無線通信機能により、自動的に記録しても良い。または、測定したデータを被験者が手動で入力してもよい。健康管理アプリ400の使用時は身長データ、年齢、性別(男性、女性、入力したくない場合は性別入力を省略してもよい。被験者の名前(ニックネーム可)を入力しておく。有効な健康管理において、最低限必要な情報だからである。
【0068】
血圧記録部401は、血圧計からの測定データである被験者の最高血圧データと最低血圧データを記録する。血圧計において、脈拍数を測定できる場合は、同時に脈拍データを記録してもよい。朝、昼、夕などの複数回測定するのが望ましい。昼に血圧測定できない場合は、昼は省略してもよい。最低限朝起きたときに、1回測定し、記録する。
【0069】
体重記録部402は、体重計からの体重データを無線、有線、手動入力により受け取り、記録する。体重計は体組成計であってもよい。少なくとも朝起きたときに、1回測定し、記録する。
【0070】
体温記録部403は、体温計からの体温データを通信機能付きタイプの場合は、自動で記録してもよい。通信機能がない体温計による測定の場合は、被験者は手動にて入力する。
【0071】
身体装着デバイス記録部404は、身体装着デバイスからの各種測定データを記録する。例えば、睡眠測定データ、心音データ、脈拍データ等。
【0072】
睡眠記録部405は、上述した脳波測定デバイスからの睡眠関連データを記録する。
【0073】
歩数記録部406は、歩数計と連動し、自動入力又は被験者による手動入力による。より望ましくは、被験者による記録の負荷を軽減させるため、自動入力がよい。
【0074】
運動記録部407は、筋力トレーニングやレジスタンス運動を実施の有無を手動入力を行う。
【0075】
未病可視化部408は、未病のアバター表示を行う。他の各種データを可視化してもよい。
【0076】
外部連携部409は、上述した測定データをかかりつけ医端末や病院端末にデータ共有のために送信する機能を有する。または、データコンバート機能を有し、他の健康管理アプリと連携させるためにデータを変換やデータ転送機能を有する。
【0077】
健康管理ダッシュボード部401は、健康管理データのトレンド表示、各種チャート表示など、健康状態データ全体の制御を行う。健康管理データのレポート出力も行う。
【0078】
上述した健康管理アプリ400は、被験者の自覚症状を記録する。例えば、起床時の眠気を3段階で評価し、記入する。測定データで得られないデータを被験者から取得し、健康、未病判定を利用するためである。例えば、眠気が「気分スッキリ」、「普通」、「眠い」などである。自覚症状パラメータとしては、その他の自覚症状パラメータを設定してもよい。
【0079】
本明細書においては、未病とは、「自覚症状はないが検査では異常がある状態」と「自覚症状はあるが検査では異常がない状態」をいう。健康とは、自覚症状もないが、検査でも異常がない状態をいう。病気とは、交叉部位である「自覚症状もあるが検査でも異常がある状態」をいう。
【0080】
図27は、本発明の実施形態の健康モニタリング方法を示すフローチャートである。
【0081】
本実施形態の健康モニタリング方法は、少なくとも血圧計、体温計、体重計を用いて被験者の生体情報を取得する生体情報取得ステップ501と、身体装着型デバイスから身体活動情報である行動情報を取得する行動情報取得ステップ502と、少なくとも脳画像および、体内内視鏡画像を含む健康診断結果情報を取得する健康診断結果情報取得ステップ503と、取得された被験者の生体情報、行動情報および健康診断結果情報を解析する解析ステップ504と、上記解析の結果と被験者の生体情報、行動情報および健康診断結果情報を用いて、被験者の将来の健康状態を推定する健康状態推定ステップ505と、を備える。
【0082】
生体情報取得ステップ501において、少なくとも血圧データ、体温データ、体重データを所得する。その他の生体情報としては、血糖データを取得してもよい。
【0083】
行動情報取得ステップ502において、身体活動情報(歩数データ、筋力トレーニングデータなど)を取得する。
【0084】
健康診断結果情報取得ステップ503において、被験者の脳画像、体内内視鏡画像の体内情報を取得して次の解析ステップで利用する。
【0085】
解析ステップ504において、取得された被験者の生体情報、行動情報および健康診断結果情報を解析する。遺伝子検査などを解析データに加えてもよい。健診ビックデータを用いて健康状態モデルを作成し、AI解析技術を利用することにより、予測精度を向上させることができる。
【0086】
健康状態推定ステップ505において、上記解析の結果と被験者の生体情報、行動情報および健康診断結果情報を用いて、被験者の将来の健康状態を推定し、健康、未病を予測し、将来悪くなる箇所を予測する。
【0087】
図28は、本発明の他の実施形態の健康モニタリング方法を示すフローチャートである。
【0088】
他の実施形態の健康モニタリング方法は、脳波測定ステップ601と、生体情報取得ステップ602と、行動情報取得ステップ603と、健康診断結果情報取得ステップ604と、解析ステップ605と、健康状態推定ステップ606とを、備える。ここで、生体情報取得ステップ602、行動情報取得ステップ603、健康診断結果情報取得ステップ604、解析ステップ605、健康状態推定ステップ606は、それぞれ生体情報取得ステップ501、行動情報取得ステップ502、健康診断結果情報取得ステップ503、解析ステップ504、健康状態推定ステップ505と同様であるので、説明を省略し、脳波測定ステップ601について説明する。
【0089】
脳波測定ステップ601において、在宅にて被験者の睡眠状態の脳波測定を行う。脳波測定ステップ601により睡眠ポリグラム検査と同等の睡眠検査を行う。脳波測定デバイスは、図5に示したものを使用する。ここで、睡眠測定を行うことによって生活習慣病に疾病に移行する被験者の睡眠の影響を加味して、被験者の健康状態の予測精度を向上させることができる。
【0090】
図29は、本発明を適用した統合データ解析サービスシステムの概略ブロック図である。
【0091】
本統合データ解析サービスシステム700は、図29に示すように、睡眠解析サービス701と、脳画像解析サービス702と、健康診断解析サービス703と、未病予測サービス704と、を統合し、ソリューションパッケージとして提供し、病院やクリニックの診断支援を行うことができる。現在の解析サービスは、それぞれ単一の解析サービスとして提供されているので、総合的な判断ができないという課題があった。その課題を解決する手段の1つとしてサービスを提供するものである。睡眠解析サービス701としては、例えば株式会社S'UIMIN提供の睡眠計測サービス「InSomnograf」を利用することができる。脳測定デバイスとしては、例えば特開2022-40919号公報(特許文献2)開示の装置が使用できる。脳画像解析サービス702としては、例えば国際公開特許第2023-190880号に開示された脳解析サービスを利用することができる。この脳解析サービスは、脳画像全体を解析するので、有効であり、脳ドッグ画像の解像度に影響を受けない脳画像解析が行えるので、望ましい。
【0092】
図30は、本発明を適用した生体測定デバイス検証サービスシステムの概略ブロック図である。
【0093】
本生体測定デバイス検証サービスシステム800は、図30に示すように、生体測定デバイス検証部801と、生体測定デバイス測定ビッグデータ802と、AI生体測定デバイス提案部803と、から構成される。生体測定デバイスは各社各様であり、測定精度が異なるので、得られる予測結果が異なる恐れがある。測定ビッグデータを用いて生体測定デバイスを検証し、予測精度を保証する生体デバイスをAI提案を行うものである。これにより、AI解析結果の予測精度を一定に保つことが期待される効果を奏する。
【0094】
このように、本発明の実施形態によれば、比較的被験者に負担を強いることなく、日常の常時健康モニタリングを可能とし、睡眠の質を維持しつつ生活習慣病の予防改善に役立ち健康長寿につながる健康モニタリングシステム及び健康モニタリング方法を実現することができる。
【0095】
また、本発明の実施形態によれば、睡眠の質を維持しつつ、かつ精度の高い健康、未病のモニタリングが可能な健康モニタリングシステム及び健康モニタリング方法を実現することができる。
【0096】
さらに、本発明の実施形態によれば、健康モニタリング結果を可視化可能とし、被験者の行動変容を促し、健康長寿を実現可能な健康モニタリング方法を実現することができる。本実施形態の健康モニタリング方法を使えば、現在の健康状態・将来悪くなる身体部位の箇所の予測をすることができる。
【符号の説明】
【0097】
1 生体測定デバイス
2 生体内CA測定部
3 測定結果合成部
4 可視化部
5 脳波測定デバイス
6 脳波測定部
6a、6b、6c:電極
7a、7b 電極
8、9 フラットケーブル
10 コネクタ
20 デバイス本体部
21 制御部
22 コネクタ部
23 記憶部
24 操作部
25 表示部
26 バッテリ
30 カプセル内視鏡
31 先端カバー
32a、32b、32c、32d LED照明
34 対物レンズ
40 ヘリカル型デバイス
41 生体センサ
42 リング型デバイス
43、44、45 生体センサ
46 ステント型デバイス
47、48、49 生体センサ
50 携帯通信端末
51 CPU
52 ROM
53 RAM
54 ディスプレイ
55 生体認証記憶部
56 ID/パスワード認証部
57 タッチ入力部
58 カメラ
59 スピーカ
60 マイク
61 通信インターフェース
62 ネットワーク
63 クラウドサーバ
70 携帯通信端末
71 携帯画面
72 健康モニタリングアプリ
73 カメラ
74 ディスプレイ
75 パソコン画面
76 生体認証部
80 オンライン連携システム
81 オンライン連携サーバ
82a、82b 被験者端末
83 ネットワーク
84a かかりつけ医端末
84b 病院端末
85 管理者端末
100a、100b 健康モニタリングシステム
101 生体内CA測定ステップ
102 時空間体内環境測定ステップ
103 測定結果記録ステップ
104 測定結果送信ステップ
105 測定結果合成ステップ
106 可視化ステップ
201 生体測定ステップ
202 測定結果記録ステップ
203 測定結果送信ステップ
204 携帯通信端末へ記録ステップ
301 身体活動量測定ステップ
302 測定結果記録ステップ
303 測定結果送信ステップ
304 携帯通信端末へ記録ステップ
400 健康管理アプリ
401 血圧記録部
402 体重記録部
403 体温記録部
404 身体装着デバイス記録部
405 睡眠記録部
406 歩数記録部
407 運動記録部
408 未病可視化部
409 外部連携部
410 健康管理ダッシュボード部
501、602 生体情報取得ステップ
502、603 行動情報取得ステップ
503、604 健康診断結果情報取得ステップ
504、605 解析ステップ
505、606 健康状態推定ステップ
601 脳波測定ステップ
700 統合データ解析サービスシステム
701 睡眠解析サービス
702 脳画像解析サービス
703 健康診断解析サービス
704 未来予測サービス
800 生体測定デバイス検証部
801 生体測定デバイス測定ビッグデータ
803 AI生体測定デバイス提案部
【要約】
【課題】比較的被験者に負担を強いることなく、日常の常時健康モニタリングを可能とし、睡眠の質を維持しつつ生活習慣病の予防改善に役立ち健康長寿につながる健康モニタリングシステム及び健康モニタリング方法を提供する。
【解決手段】被験者の生体測定を行う非侵襲の生体測定デバイスを用いた健康モニタリングシステムにおいて、外部から遠隔操作して、臓器内や消化器系などの体内の状況を把握し、生体内で相互作用が可能な生体内サイバネティック・アバターを用いて時空間体内環境情報を測定する測定手段と、上記測定手段により測定した時空間体内環境情報を可視化する可視化手段と、を有し、上記可視化手段は、上記生体測定デバイスによる測定結果と、上記生体内サイバネティック・アバターによる時空間体内環境情報の測定結果とを合成表示することを特徴とする。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30