(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-07
(45)【発行日】2025-01-16
(54)【発明の名称】加圧室
(51)【国際特許分類】
A61G 10/02 20060101AFI20250108BHJP
A61G 10/04 20060101ALI20250108BHJP
【FI】
A61G10/02 Z
A61G10/04
(21)【出願番号】P 2024123272
(22)【出願日】2024-07-30
【審査請求日】2024-08-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517357826
【氏名又は名称】株式会社シェルタージャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100103207
【氏名又は名称】尾崎 隆弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196106
【氏名又は名称】杉田 一直
(72)【発明者】
【氏名】矢野 昭彦
【審査官】望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-084202(JP,A)
【文献】特開2013-034635(JP,A)
【文献】特開2009-195344(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 10/02
A61G 10/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個のシェル構造体と、
前記シェル構造体同士を接合する接合部と、を備え、
前記接合部は、加圧空気が流入することで外形が拡張する性能を具備する拡張部と、
前記拡張部を収容するとともに前記拡張部の拡張を拘束する収容部と、を有し、
前記収容部は、前記シェル構造体に気密に接合するシェル接合部と、前記拡張部を挟持する挟持部と、を有し、前記シェル接合部と前記挟持部は着脱可能に接合され、
前記拡張部に加圧空気が流入するとき、前記拡張部が前記収容部を押圧することで、前記シェル構造体同士は前記接合部を介して気密に接合することを特徴とする加圧室。
【請求項2】
前記シェル接合部は突出部が設けられ、前記突出部は、前記挟持部および前記拡張部によって画定される凹部に嵌入されることを特徴とする請求項
1に記載の加圧室。
【請求項3】
前記拡張部と前記突出部は、面接触することを特徴とする請求項
2に記載の加圧室。
【請求項4】
前記収容部は、一方のシェル構造体に気密に接合される第1収容部材と、他方のシェル構造体に気密に接合される第2収容部材と、を有し、前記第1収容部材は前記拡張部を収容し、前記第2収容部材は前記拡張部と面接触し、前記第1収容部材と前記第2収容部材は着脱可能に接合されることを特徴とする請求項1に記載の加圧室。
【請求項5】
前記第2収容部材は、前記第1収容部材に嵌入されることを特徴とする請求項
4に記載の加圧室。
【請求項6】
前記収容部は、前記拡張部に加圧空気を導入するための導入孔が画定され、前記拡張部は、導入される加圧空気を貯留するための貯留空間が画定され、前記貯留空間に加圧空気が流入することで、前記拡張部は拡張して前記収容部を押圧することを特徴とする請求項1に記載の加圧室。
【請求項7】
前記シェル構造体は、前記接合部が延びる方向に対して直交する方向に延びる補強リブが取り付けられており、前記収容部と前記補強リブは接合されることを特徴とする請求項1に記載の加圧室。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内の気圧を室外の気圧よりも高くできる加圧室に関する。
【背景技術】
【0002】
組立式の加圧室は、室内の気圧を室外の気圧に比べて高く設定する必要があることから、従来から、室内の空気が接続部を経由して外部に漏れることが、懸念されていた。このような実情に鑑み、室内の空気を外部に漏らさない接続部が、種々提案されている。
【0003】
特許文献1で提案される接続部の構造は、前方部と、後方部が、前方結合部の前方結合部用ビス穴と、後方結合部の後方結合部用ビス穴に対して、ビスが挿通されることにより結合されるものである。具体的な組立手順は、組立作業者は、前方結合部用ビス穴と、後方結合部用ビス穴と、パッキンが重ね合った状態で、収容部の内部に入る。そして、前方結合部用ビス穴と、後方結合部用ビス穴にビスを挿通する。なお、前方結合部用ビス穴と、後方結合部用ビス穴は、それぞれ複数設けられているため、前方部と、後方部を結合する際には、全ての前方結合部用ビス穴と、後方結合部用ビス穴にビスが挿通される。
【0004】
特許文献2では、空気中の酸素濃度及び気圧を高めたカプセル空間内でくつろぐことにより心身のリラクゼーション効果,疲労回復,ダイエット効果,美容等の数々の効果を得ることができる高気圧・高濃度酸素カプセルにいて、空気漏れを防止するための防止具及びその嵌合構造が提案されている。具体的には、防止具は、空気を注入して膨張させることができるチューブ体を長円形又は楕円形の環状に形成して構成されている。また、嵌合構造は、高気圧・高濃度酸素カプセルの上側のカバーの開口部と下側の本体の開口部の凹凸構造の嵌合部における凹部内の溝に前記空気漏れ防止具を挿着し、凸部により当該空気漏れ防止具を押圧することにより前記凹凸構造の嵌合部の間隙を封止する構造である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2019-84202号公報
【文献】実用新案登録第3121656号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1で提案される接合構造は、ビス止めされたパッキンを介して前方部と後方部を接合する構造であることから、前方部と後方部を接続する箇所は、隙間を生じさせないために、極めて高い製作精度を要求される。また、据え付けについても同様に、極めて高い据え付け精度を要求される。さらに、パッキンが劣化したとき、劣化したパッキンの部分から空気は漏れることとなる。特許文献2で提案される接合構造を用いて加圧室を構築する場合、室内を大きくすることができないという問題がある。
【0007】
本発明は、これらの問題点に着目してなされたものであり、高い製作精度が要求されず、かつ組み立てが簡単であるにもかかわらず、室内空間の拡張が容易である加圧室を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための発明は、加圧室であって、複数個のシェル構造体と、シェル構造体同士を接合する接合部と、を備え、接合部は、加圧空気が流入することで外形が拡張する性能を具備する拡張部と、拡張部を収容するとともに拡張部の拡張を拘束する収容部と、を有し、拡張部に加圧空気が流入するとき、拡張部が収容部を押圧することで、シェル構造体同士は接合部を介して気密に接合することを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、拡張部に加圧空気が流入することで拡張部はその外形が拡張しようとする。しかし、拡張部の拡張は収容部によって拘束され、拡張部は収容部を押圧する。これにより、拡張部と収容部は気密な状態で接合されることとなり、加圧空気の外部空間への流出を抑制できる。
【0010】
好ましくは、収容部は、シェル構造体に気密に接合するシェル接合部と、拡張部を挟持する挟持部と、を有し、シェル接合部と挟持部は着脱可能に接合される。
【0011】
この構成によれば、シェル構造体と挟持部は分離可能に接合できることから加圧室の組立・解体が容易となる。
【0012】
好ましくは、シェル接合部は突出部が設けられ、突出部は、挟持部および拡張部によって画定される凹部に嵌入されることを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、シェル接合部は突出部が設けられ、突出部は、挟持部および拡張部によって画定される凹部に嵌入されるので、シェル構造体と挟持部の位置決めが容易となる。
【0014】
好ましくは、拡張部と突出部は、面接触することを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、拡張部と突出部は、面接触するので、加圧室を組み立てた段階で、シェル構造体同士は気密な状態で接合部を介して接合する。
【0016】
好ましくは、収容部は、一方のシェル構造体に気密に接合される第1収容部材と、他方のシェル構造体に気密に接合される第2収容部材と、を有し、第1収容部材は拡張部を収容し、第2収容部材は拡張部と面接触し、第1収容部材と前記第2収容部材は着脱可能に接合されることを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、収容部は、一方のシェル構造体に気密に接合される第1収容部材と、他方のシェル構造体に気密に接合される第2収容部材と、を有し、第1収容部材は拡張部を収容し、第2収容部材は拡張部と面接触し、第1収容部材と前記第2収容部材は着脱可能に接合されるので、構成部材の数を少なくできる。
【0018】
好ましくは、第2収容部材は、第1収容部材に嵌入されることを特徴とする。
【0019】
この構成によれば、第2収容部材は、第1収容部材に嵌入されるのでシェル構造体同士は強固に接合できるとともに、組み立ての際の位置決めが容易となる。
【0020】
好ましくは、収容部は、拡張部に加圧空気を導入するための導入孔31が画定され、拡張部は、導入される加圧空気を貯留するための貯留空間が画定され、貯留空間に加圧空気が流入することで、拡張部は拡張して収容部を押圧することを特徴とする。
【0021】
この構成によれば、収容部は、拡張部に加圧空気を導入するための導入孔が画定され、拡張部は、導入される加圧空気を貯留するための貯留空間が画定され、貯留空間に加圧空気が流入することで、拡張部は拡張して収容部を押圧するので、仮に拡張部と収容部との間に、多少の隙間が生じていたとしても、その隙間は、貯留空間に加圧空気が流入することで塞がれる。これにより、製作時における許容される製作誤差、および組み立て時における許容される誤差を、既存の接続構造と比較して大きく設定できる。
【0022】
好ましくは、シェル構造体は、シェル接合部が延びる方向に対して直交する方向に延びる補強リブが取り付けられており、収容部と補強リブは接合されることを特徴とする。
【0023】
この構成によれば、シェル構造体は、シェル接合部が延びる方向に対して直交する方向に延びる補強リブが取り付けられており、収容部と補強リブは接合されるので、加圧室が加圧されたときの収容部の変形を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図2】(a)は、同、接合部の部分側断面図であり、(b)は、部分平面断面図である。
【
図3】実施形態2における接合部の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、
図1、2を参照して本発明の加圧室100の実施形態1を詳述する。加圧室100とは、外気圧よりも高い室内気圧を創出できる筐体である。
【0026】
図1に示す通り、加圧室100は、第1シェル構造体2a、第2シェル構造体2b、および接合部1を有しており、第1シェル構造体2aと第2シェル構造体2bが、接合部1を介して接合することで加圧室100の室内を画定している。すなわち、シェル構造体2の加圧室100の組み立て解体が可能な構造となっている。加圧室100は耐久性能を具備し、強度に優れた材質で構成することが好ましい。例えば、鋼製、アルミ製が例示されるが、これに限るものではない。なお、本実施形態では、シェル構造体2は、第1シェル構造体2aと第2シェル構造体2bの2つのシェル構造体を有しているが、これに限るものではない。3つ以上のシェル構造体を有するものであってもよい。
【0027】
第1シェル構造体2aは、略角筒体のシェル構造である第1筒部71の一端部が第1閉塞側壁81で塞がれた構造である。第1閉塞側壁81に、内開き式の扉110が取り付けられている。扉110の大きさは、少なくとも利用者が出入り可能な大きさを確保する必要があるが、可能な限り大きくすることが好ましい。例えば、加圧室100を組み立てた後に寝具のベッド等の家具が搬入できる大きさが確保されることが好ましい。また、扉110の形式は内開き式に限定されることはなく、外開き戸、引き戸、観音開きあるいは折れ戸であってもよい。
【0028】
第1筒部71は断面視で角部が、円弧形状となる筒状のシェル構造であり、所定間隔で補強リブLSが接合されている。補強リブLSは接合部1と直交する方向に延びる板状部材である。
【0029】
第2シェル構造体2bは、略角筒体のシェル構造である第2筒部72の一端部が第2閉塞側壁82で塞がれた構造である。本実施形態では、扉110は第1シェル構造体2aに取り付けられているが、これに限らず第1筒部71、第2筒部72、あるいは第2閉塞側壁82に取り付けてもよい。
【0030】
第2シェル構造体2bは、扉の取り付けの有無を除き、第1シェル構造体2aとほぼ同じ構造であることから詳細な説明は省略する。
【0031】
加圧装置(図示略)が、加圧室100に接続されている。加圧装置は、室外101bの空気を室内101aに取り込むことで、室内101aの気圧を上昇させて外部空間の気圧よりも高くできる装置である。なお、加圧装置は、酸素供給装置を経由して外気を取り込んでもよい。これにより酸素ルームとしての利用が可能となる。また、放射能除去フィルターを経由して外気を取り込んでもよい。これにより、核シェルターとしての利用が可能となる。
【0032】
図2(a)、(b)に示す通り、接合部1は、シェル接合部材50と、拡張部10と、拡張部10を挟持する挟持部材40を有している。シェル接合部材50と挟持部材40は、協働して拡張部10を収容する収容部20を画定している。なお、シェル接合部材50は、第1シェル接合部材51と第2シェル接合部材52で構成されている。
【0033】
第1シェル接合部材51は、第1シェル構造体2aに気密に接合されている。同様に、第2シェル接合部材52は、第2シェル構造体2bに気密に接合されている。第1シェル接合部材51と、第2シェル接合部材52は、拡張部10を挟んで対向して配置されている。
【0034】
第1シェル接合部材51は、環状の板状部材であり、第1対向面51sの中央部に第1突設部51pが設けられている。第2シェル接合部材52は、環状の板状部材であり、第2対向面52sの中央部に第2突設部52pが設けられている。なお、第1対向面51sと第2対向面52sは拡張部10を挟んで対向している。
【0035】
挟持部材40は室内101aの側に位置する室内挟持部材41aと、室外101bの側に位置する室外挟持部材41bで構成されている。拡張部10は、室内挟持部材41aと室外挟持部材41bによって、気密に接合された状態で挟持されている。また、拡張部10は平面視で室内挟持部材41a、室外挟持部材41bの内部領域の中央部に位置している。言い換えれば、室内挟持部材41a、および室外挟持部材41bの端部は拡張部10の端部から突出している。これにより拡張部10、室内挟持部材41a、および室外挟持部材41bは協働して第1凹部61、第2凹部62をそれぞれ画定する。
【0036】
室内挟持部材41aは断面視でコ字型の環状部材であり、拡張部10の室内101aの側の面に気密に接合される室内接続部45aと室内接続部45aの両端から垂直に屈曲して室内101aの方向に向かって延びる室内突出部46aで構成されている。また、周方向に所定間隔で導入孔31が画定されている。導入孔31は、拡張部10に画定される貯留空間32に加圧空気Aを導入するためのものである。
【0037】
室外挟持部材41bは断面視でコ字型の環状部材であり、拡張部10の室外101bの側の面に気密に接合される室外接続部45bと、室外接続部45bの両端から垂直に屈曲して室外101bの方向に向かって延びる室外突出部46bで構成されている。
【0038】
拡張部10は内部に貯留空間32が画定される外形が略矩形の環状部材であり、導入孔31を経由して室内101aに接続している。室内101a側の面は室内挟持部材41aに接合されており、室外101b側の面は室外挟持部材41bに接合されている。また、側面は第1シェル接合部材51に装着される第1突設部51p、第2シェル接合部材52に装着される第2突設部52pに一部または全部が接触している。
【0039】
第1シェル接合部材51、および第2シェル接合部材52の室内101a側の端部は室内突出部46aと所定間隔でボルトBによって固定される。同時に室外接続部45b、第1シェル接合部材51、および第2シェル接合部材52の室外101b側の端部は室外突出部46bと所定間隔でボルトBによって固定される。これにより、収容部20によって収容される拡張部10は、収容部20によって拘束され、結果として、拡張部10の拡大は拘束されこととなる。
【0040】
拡張部10は、所定の弾力性を具備し、空気を通過させづらく、かつ耐久性に優れた素材であることが好ましい。本実施形態では、ゴム製が例示されるが、これに限るものではない。
【0041】
室内101aが加圧されたときの接合部1の動作について説明する。
【0042】
室内101aが加圧されると、加圧空気Aは、室内挟持部材41aに所定間隔で画定される導入孔31を経由して、拡張部10に画定される貯留空間32に流入する。拡張部10は、流入した加圧空気Aによって貯留空間32は押圧され押し広げられようとする。しかしながら、拡張部10は収容部20によって拡張が拘束されて、第1突設部51p、第2突設部52pおよび挟持部材40を押圧する。仮に、第1突設部51p、第2突設部52pと拡張部10との間に微細な隙間が生じていたとしても、拡張部10が突設部を押圧することで、その隙間は塞がれる。これにより加圧空気Aが室外101bに漏れることを抑制できる。この場合、ボルトBにより接合される第1シェル接合部材51、および第2シェル接合部材52と室内突出部46a、室外接続部45bとの間に、多少の隙間が生じていたとしても、加圧空気Aが室外101bに漏れることはない。また、第1シェル接合部51、または第2シェル接合部52は拡張部10が拡張することで押し広げられる方向に変位しようとするが、その変位は補強リブLSによって拘束される。
【0043】
その後、何らかの原因で拡張部10の外面と収容部20の内面に隙間が生じ、加圧空気Aが室外101bに漏れだそうとする場合、隙間から漏れ出す加圧空気Aは流速が早まることで、気圧が低下する。隙間と室外101bの気圧差によって、拡張部10は室外101bに引き寄せられて隙間は自ずと塞がれる。
【0044】
実施形態2について、
図3を参照して詳述する。実施形態1と実施形態2は共通する内容が多いことから、原則として共通する部分の説明は省略し、主に相違する部分について詳述する。また、実施形態1と同様の構成については実施形態1と同じ符号を付し、実施形態1と異なる構成については200番台の符号を付す。
【0045】
第1収容部材221は、第1シェル構造体202aに気密に接合されている。同様に、第2収容部材222は、第2シェル構造体202bに気密に接合されている。第1収容部材221と、第2収容部材222は、拡張部10を挟んで対向して配置されている。
【0046】
第1収容部材221は、拡張部10を収容する環状の部材であり、第2収容部材222とボルトBにより接合するための接合端部225が両端部に設けられている。室内101aの側には加圧空気Aを拡張部10に導入するための導入孔231が所定間隔で設けられている。また、第1収容部材221は、第2収容部材222の方向に向かって開放しており、その開口端部を拡張部10の縁端から突出させることで、第1収容部材221と拡張部10材は協働して第1収容凹部261を画定している。
【0047】
第2収容部材222は、環状の板状部材であり、中央部に第2突設部252pが設けられている。第2突設部252pは、第1収容凹部261に着脱できる状態で嵌入している。また、嵌入した状態で拡張部10と第2突設部252pは面接触している。
【0048】
室内が加圧されたときの接合部の動作については、実施形態1とほぼ同じであることから説明は省略する。
【0049】
本実施形態は例示であり、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で改変できることは勿論である。例えば、
図4に示す変形例の通り、第1収容部材321と、第2収容部材322は、第1シェル構造体302aと第2シェル構造体302bで構成されるシェル構造体302が延びる方向に沿ってボルトBにより接合してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明に係る加圧室は、一定要件下、核シェルターや酸素ルームとしての利用が可能となる。このように多目的な利用が可能になることから産業上の利用可能性は大である。
【符号の説明】
【0051】
1 :接合部
2a :第1シェル構造体(シェル構造体)
2b :第2シェル構造体(シェル構造体)
10 :拡張部
20 :収容部
31、231 :導入孔
32 :貯留空間
50 :シェル接合部材(シェル接合部)
61 :第1凹部(凹部)
62 :第2凹部(凹部)
100 :加圧室
221 :第1収容部材
222 :第2収容部材
A :加圧空気
LS :補強リブ
【要約】
【課題】高い製作精度が要求されず、かつ組み立てが簡単であるにもかかわらず、室内空間の拡張が容易である加圧室を提供する。
【解決手段】加圧室は、第1シェル構造体2a、第2シェル構造体2b、および接合部1を有しており、第1シェル構造体2aと第2シェル構造体2bが、接合部1を介して接合することで加圧室の室内101aを画定している。接合部1は、加圧空気Aが流入することで外形が拡張する性能を具備する拡張部10と、拡張部10を収容するとともに拡張部10の拡張を拘束する収容部20と、を有しており、拡張部10に加圧空気Aが流入するとき、拡張部10が収容部20を押圧することで、第1シェル構造体2aと第2シェル構造体2bは接合部1を介して気密に接合する。
【選択図】
図2