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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-07
(45)【発行日】2025-01-16
(54)【発明の名称】電力変換装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20250108BHJP
   H01R 13/04 20060101ALI20250108BHJP
   H01R 13/11 20060101ALI20250108BHJP
   H02M 3/00 20060101ALI20250108BHJP
【FI】
H02M7/48 Z
H01R13/04 B
H01R13/11 302A
H02M3/00 Y ZAB
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021082741
(22)【出願日】2021-05-14
(65)【公開番号】P2022041869
(43)【公開日】2022-03-11
【審査請求日】2023-11-28
(31)【優先権主張番号】P 2020145220
(32)【優先日】2020-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】322003857
【氏名又は名称】パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤村 元彦
(72)【発明者】
【氏名】別所 寿彦
(72)【発明者】
【氏名】西村 英士
(72)【発明者】
【氏名】木村 真也
(72)【発明者】
【氏名】中林 包
(72)【発明者】
【氏名】江川 学
(72)【発明者】
【氏名】小倉 洋
【審査官】冨永 達朗
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-005981(JP,A)
【文献】特開2015-099717(JP,A)
【文献】特開2016-091767(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/48
H02M 3/00
H01R 13/11
H01R 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の部品と、
第2の部品と、
略平板形状の差込部を有するオス型嵌合部材と、
互いに対向して配置される第1の挟持部及び第2の挟持部を有するメス型嵌合部材と
をそれぞれが含む複数対の嵌合部材と
を具備し、
前記複数対の嵌合部材のそれぞれにおいて、
前記オス型嵌合部材は、前記第1の部品及び前記第2の部品の一方に配置され、
前記メス型嵌合部材は、前記第1の部品及び前記第2の部品の他方に配置され、
前記第1の部品及び前記第2の部品は、前記複数対の嵌合部材のそれぞれにおいて、前記メス型嵌合部材が前記第1の挟持部及び前記第2の挟持部の間に差し込まれた前記オス型嵌合部材の前記差込部を挟持することで結合され、
前記第1の挟持部及び前記第2の挟持部の各々は、互いの対向する面に向かって凸部を形成するように屈曲し、
前記第1の挟持部及び前記第2の挟持部の各々の先端部には、間隙が設けられており、
前記第1の挟持部は、前記間隙により分割された第1の弾性部及び第2の弾性部を含み、
前記第2の挟持部は、前記間隙により分割された第3の弾性部及び第4の弾性部を含み、
前記第1の弾性部及び前記第2の弾性部の各々は、前記メス型嵌合部材の後端側に設けられる部品への接続部である第1の接続部から延設され、
前記第3の弾性部及び前記第4の弾性部の各々は、前記メス型嵌合部材の後端側に設けられる部品への接続部である第2の接続部から延設される、
電力変換装置。
【請求項2】
前記複数対の嵌合部材のうちの少なくとも一対の嵌合部材において、前記オス型嵌合部材又は前記メス型嵌合部材の後端側に設けられる部品への接続部と、当該部品との間に設けられ、当該部品に対する前記オス型嵌合部材又は前記メス型嵌合部材の角度を規定する支持部材をさらに備える、請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記第1の部品及び前記第2の部品は、それぞれ基板であり、
前記第1の部品は、前記第2の部品に対して前記支持部材により規定される角度で結合される、
請求項2に記載の電力変換装置。
【請求項4】
前記第1の部品及び前記第2の部品は、それぞれ基板であり、
前記第1の部品は、前記第2の部品に対して略垂直に結合される、
請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記第2の部品に結合される第3の部品をさらに備え、
前記複数対の嵌合部材は、前記第2の部品と前記第3の部品との間にさらに配置され、
前記第2の部品と前記第3の部品との間に配置される前記複数対の嵌合部材のそれぞれにおいて、
前記オス型嵌合部材は、前記第2の部品及び前記第3の部品の一方に配置され、
前記メス型嵌合部材は、前記第2の部品及び前記第3の部品の他方に配置される、
請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項6】
前記第1の部品、前記第2の部品及び前記第3の部品は、それぞれ基板であり、
前記第1の部品、前記第2の部品及び前記第3の部品は、3層の層状構造を形成し、
前記層状構造の中間層を形成する前記第2の部品は、前記オス型嵌合部材及び前記メス型嵌合部材の少なくとも一方が両面に配置される、
請求項5に記載の電力変換装置。
【請求項7】
前記第1の部品、前記第2の部品及び前記第3の部品のうちの少なくとも1つの部品は、プリント回路基板である、請求項5に記載の電力変換装置。
【請求項8】
前記オス型嵌合部材及び前記メス型嵌合部材の各々は、はんだ接合により前記プリント回路基板に電気的に接続される、請求項7に記載の電力変換装置。
【請求項9】
前記第1の部品、前記第2の部品及び前記第3の部品は、それぞれ、電子部品、基板及び基板ユニットのうちのいずれかである、請求項5に記載の電力変換装置。
【請求項10】
前記電子部品は、半導体素子、半導体モジュール、磁性体、コンデンサ及び遮断器のうちの少なくとも1つを含む、請求項9に記載の電力変換装置。
【請求項11】
前記第1の挟持部及び前記第2の挟持部の各々に形成された前記凸部は、略半球状の形状を有する、請求項1から請求項10のうちのいずれか一項に記載の電力変換装置。
【請求項12】
前記オス型嵌合部材及び前記メス型嵌合部材は、それぞれ金属材料により形成される、請求項1から請求項11のうちのいずれか一項に記載の電力変換装置。
【請求項13】
前記金属材料の表面領域のうちの一部又は全部の領域には、導体メッキが施されている、請求項12に記載の電力変換装置。
【請求項14】
前記メス型嵌合部材の外周部には、絶縁体の層が形成されている、請求項1から請求項13のうちのいずれか一項に記載の電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気自動車などに搭載される電力変換装置には、DC/DCコンバータやインバータなどの回路構成が実装された複数の回路基板が設けられている。このような電力変換装置には、例えば車両への搭載性の観点から小型化が要求されている。
【0003】
このような中、複数の回路基板を積層することにより、複数の回路基板上の実装面積を維持しつつ、電力変換装置の小型化を図る技術が知られている。このような電力変換装置においては、各々の回路基板などの部品に設けられたコネクタなどの嵌合部を嵌合することにより、部品間の電気的な接続が行われる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2000-14128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、嵌合部の各々の部品への実装精度が低下した場合に、電力変換装置の組み立て工程において、嵌合部が適切に嵌合せず、部品間の電気的な接続に不良が生じるおそれがあった。
【0006】
本開示は、部品間を電気的に接続する嵌合部の幾何学的な許容範囲を拡大することができる電力変換装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る電力変換装置は、第1の部品と、第2の部品と、複数対の嵌合部材とを備える。前記複数対の嵌合部材は、オス型嵌合部材と、メス型嵌合部材とをそれぞれが含む。前記オス型嵌合部材は、略平板形状の差込部を有する。前記メス型嵌合部材は、互いに対向して配置される第1の挟持部及び第2の挟持部を有する。前記複数対の嵌合部材のそれぞれにおいて、前記オス型嵌合部材は、前記第1の部品及び前記第2の部品の一方に配置され、前記メス型嵌合部材は、前記第1の部品及び前記第2の部品の他方に配置される。前記第1の部品及び前記第2の部品は、前記複数対の嵌合部材のそれぞれにおいて、前記メス型嵌合部材が前記第1の挟持部及び前記第2の挟持部の間に差し込まれた前記オス型嵌合部材の前記差込部を挟持することで結合される。前記第1の挟持部及び前記第2の挟持部の各々は、互いの対向する面に向かって凸部を形成するように屈曲している。前記第1の挟持部及び前記第2の挟持部の各々の先端部には、間隙が設けられている。前記第1の挟持部は、前記間隙により分割された第1の弾性部及び第2の弾性部を含む。前記第2の挟持部は、前記間隙により分割された第3の弾性部及び第4の弾性部を含む。前記第1の弾性部及び前記第2の弾性部の各々は、前記メス型嵌合部材の後端側に設けられる部品への接続部である第1の接続部から延設される。前記第3の弾性部及び前記第4の弾性部の各々は、前記メス型嵌合部材の後端側に設けられる部品への接続部である第2の接続部から延設される。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係る電力変換装置によれば、部品間を電気的に接続する嵌合部の幾何学的な許容範囲を拡大することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1の実施形態に係る電力変換装置における複数の回路基板の層状構造の一例を示す概略断面図である。
図2図2は、図1のオス型嵌合部材の構成の一例を示す概略斜視図である。
図3図3は、図1のオス型嵌合部材の構成の別の一例を示す概略斜視図である。
図4図4は、図1のオス型嵌合部材の構成の別の一例を示す概略斜視図である。
図5図5は、図1のメス型嵌合部材の構成の一例を示す概略斜視図である。
図6図6は、図1のメス型嵌合部材の構成の別の一例を示す概略斜視図である。
図7図7は、図5のメス型嵌合部材が回路基板上に実装された状態を示す概略斜視図である。
図8図8は、図2又は図3のオス型嵌合部材と、図5のメス型嵌合部材との嵌合状態の一例を示す概略断面図である。
図9図9は、図4のオス型嵌合部材と、図6のメス型嵌合部材との嵌合状態の一例を示す概略断面図である。
図10図10は、第1の実施形態に係るオス型嵌合部材の回路基板への実装について説明するための図である。
図11図11は、第1の実施形態に係るオス型嵌合部材とメス型嵌合部材との嵌合における幾何学的な許容範囲の拡大について説明するための図である。
図12図12は、第1の実施形態に係る絶縁部の別の一例を示す概略斜視図である。
図13図13は、図12の被覆部材が装着された場合のオス型嵌合部材とメス型嵌合部材との嵌合における幾何学的な許容範囲の拡大について説明するための図である。
図14図14は、第1の実施形態に係る基板間接続の流れの一例を示すフローチャートである。
図15図15は、第2の実施形態に係る電力変換装置における部品間接続構造の一例を示す概略断面図である。
図16図16は、第3の実施形態に係る電力変換装置における部品間接続構造の一例を示す概略断面図である。
図17図17は、第4の実施形態に係る電力変換装置における部品間接続構造の一例を示す概略断面図である。
図18図18は、第5の実施形態に係る電力変換装置における部品間接続構造の一例を示す概略断面図である。
図19図19は、第5の実施形態に係る電力変換装置における部品間接続構造の別の一例を示す概略断面図である。
図20図20は、第5の実施形態に係る電力変換装置における部品間接続構造の別の一例を示す概略断面図である。
図21図21は、第5の実施形態に係る電力変換装置における部品間接続構造の別の一例を示す概略断面図である。
図22図22は、第5の実施形態に係る電力変換装置における部品間接続構造の別の一例を示す概略断面図である。
図23図23は、第5の実施形態に係る電力変換装置における部品間接続構造の別の一例を示す概略断面図である。
図24図24は、第6の実施形態に係る電力変換装置における部品間接続構造の一例を示す概略断面図である。
図25図25は、第7の実施形態に係るオス型嵌合部材の構成の一例を示す概略斜視図である。
図26図26は、第7の実施形態に係る電力変換装置における部品間接続構造の一例を示す概略断面図である。
図27図27は、第7の実施形態に係る電力変換装置における部品間接続構造の別の一例を示す概略断面図である。
図28図28は、第7の実施形態に係る電力変換装置における部品間接続構造の別の一例を示す概略断面図である。
図29図29は、第7の実施形態に係るオス型嵌合部材が実装された電子部品の一例を示す概略斜視図である。
図30図30は、第7の実施形態に係る電力変換装置における部品間接続構造の別の一例を示す概略断面図である。
図31図31は、第8の実施形態に係るオス型嵌合部材とメス型嵌合部材との嵌合における幾何学的な許容範囲の拡大について説明するための図である。
図32図32は、実施形態に係る電力変換装置の構成の一例を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本開示に係る電力変換装置、部品間接続構造及び部品間接続方法の実施形態について説明する。
【0011】
(第1の実施形態)
実施形態に係る電力変換装置は、一例として、電気自動車などに搭載され、電源(外部電源)から供給される交流電力を所定の電圧の直流電力へ変換し、変換後の直流電力をリチウムイオンバッテリなどのバッテリへ出力する車載充電器である。このような電力変換装置は、DC/DCコンバータやインバータなどの回路構成が実装された、複数の回路基板を搭載する。
【0012】
図1は、実施形態に係る電力変換装置1における複数の回路基板の層状構造の一例を示す概略断面図である。図1は、電力変換装置1の有する複数の回路基板のうちの、第1の基板PCB1、第2の基板PCB2及び第3の基板PCB3を例示する。
【0013】
第1の基板PCB1、第2の基板PCB2、第3の基板PCB3及び第4の基板PCB4は、それぞれプリント回路基板(PCB:Printed Circuit Board)である。プリント回路基板は、一例として、アルミニウム合金又は銅合金を母材として形成されたガラスエポキシ基板である。プリント回路基板のアルミニウム合金又は銅合金の一部を水冷されている架台に熱交換可能に接触させることにより、プリント回路基板に搭載された電子部品の温度上昇を抑制することができる。なお、金属を母材とするプリント回路基板を用いることにより、樹脂を母材とするプリント回路基板を用いる場合よりも冷却効率を向上することができる。
【0014】
第1の基板PCB1は、複数の一対の嵌合部材Bにより第2の基板PCB2に結合する。なお、以下の説明において、複数の一対の嵌合部材Bを、複数対の嵌合部材Bと記載する場合もある。また、一対の嵌合部材Bを嵌合部と表現する場合もある。第1の基板PCB1は、第2の基板PCB2に電気的に接続され、第2の基板PCB2から供給された電力に応じた電力をバッテリなどへ出力する。第1の基板PCB1は、第4の基板PCB4に電気的に接続され、基板ユニットXを構成する。第1の基板PCB1の第2の基板PCB2側の主面は、複数のオス型嵌合部材Bmを搭載する。一例として、第1の基板PCB1は、24つのオス型嵌合部材Bmを搭載する。
【0015】
なお、第1の基板PCB1は、図示しないトランスユニットとの間においても、一対の嵌合部材Bにより結合される。一例として、第1の基板PCB1は、トランスユニットとの電気的な接続のための12つのオス型嵌合部材Bm又はメス型嵌合部材Bfを搭載する。また、基板ユニットXの第1の基板PCB1及び第4の基板PCB4を、実施形態に係る複数対の嵌合部材Bにより結合することもできる。つまり、実施形態に係る基板間接続構造は、基板ユニットXなどの基板ユニット内の基板間の結合に適用されてもよいし、基板ユニット間の結合に適用されてもよいし、基板ユニットと基板ユニット外の基板との間の結合に適用されてもよい。
【0016】
第2の基板PCB2は、複数対の嵌合部材Bにより第1の基板PCB1及び第3の基板PCB3の各々に結合する。第2の基板PCB2は、第1の基板PCB1及び第3の基板PCB3の各々に電気的に接続され、第3の基板PCB3から供給された電力に応じた電力を第1の基板PCB1へ出力する。第2の基板PCB2の第1の基板PCB1側の主面と、第2の基板PCB2の第3の基板PCB3側の主面とは、それぞれ複数のメス型嵌合部材Bfを搭載する。
【0017】
第3の基板PCB3は、複数対の嵌合部材Bにより第2の基板PCB2に結合する。第3の基板PCB3は、例えば外部電源に電気的に接続され、外部電源からの電力を入力する。第3の基板PCB3の第2の基板PCB2側の主面は、複数のオス型嵌合部材Bmを搭載する。一例として、第3の基板PCB3は、6つのオス型嵌合部材Bmを搭載する。
【0018】
なお、電力変換装置1の有する複数の回路基板のうちの一部の基板だけをプリント回路基板とすることもできる。例えば、第1の基板PCB1、第2の基板PCB2及び第3の基板PCB3のうちの少なくとも1つの基板をプリント回路基板とすることができる。また、一対の嵌合部材Bによる回路基板間の接続は、必ずしも電気的な接続でなくてもよい。ただし、実施形態は、主として2つの回路基板が複数対の嵌合部材Bにより電気的に結合される場合を例示する。
【0019】
なお、実施形態は、第1の基板PCB1及び第3の基板PCB3に複数のオス型嵌合部材Bmを配置し、第2の基板PCB2の両主面に複数のメス型嵌合部材Bfを配置する場合を例示するが、これに限らない。例えば、第1の基板PCB1及び第3の基板PCB3に複数のメス型嵌合部材Bfを配置し、第2の基板PCB2の両主面に複数のオス型嵌合部材Bmを配置してもよい。
【0020】
また、例えば、第2の基板PCB2の一方の主面に複数のオス型嵌合部材Bmを配置するとともに、第2の基板PCB2の他方の主面に複数のメス型嵌合部材Bfを配置する構成とすることもできる。つまり、電力変換装置1の複数の回路基板が3層以上の層状構造を形成する場合、中間層を形成する基板には、オス型嵌合部材Bm又はメス型嵌合部材Bfが両主面に配置される。
【0021】
また、例えば、第1の基板PCB1、第2の基板PCB2及び第3の基板PCB3の各々において、1つの主面に複数のオス型嵌合部材Bm及び複数のメス型嵌合部材Bfを配置する構成とすることもできる。
【0022】
このように、実施形態に係る電力変換装置1において、積層される少なくとも2つの回路基板のうちの2つの回路基板は、複数対の嵌合部材Bにより結合される。複数対の嵌合部材Bは、オス型嵌合部材Bmと、メス型嵌合部材Bfとをそれぞれが含む。つまり、複数対の嵌合部材Bとは、複数組の一対の嵌合部材Bである。また、複数対の嵌合部材Bのそれぞれ、すなわち一対の嵌合部材Bとは、オス型嵌合部材Bmと、メス型嵌合部材Bfとの組である。ここで、積層される2つの回路基板の各々の互いに対向する主面には、それぞれ、複数対の嵌合部材Bの一方が配置される。具体的には、上述したように、複数対の嵌合部材Bのそれぞれにおいて、オス型嵌合部材Bmは、積層される2つの回路基板の一方に配置され、メス型嵌合部材Bfは、積層される2つの回路基板の他方に配置される。また、上述したように、一例として、複数対の嵌合部材Bの嵌合により結合される2つの回路基板の各々には、オス型嵌合部材Bmと、メス型嵌合部材Bfとのいずれか一方のみが配置される。別の一例として、複数対の嵌合部材Bの嵌合により結合される2つの回路基板の各々には、少なくとも1つのオス型嵌合部材Bmと、少なくとも1つのメス型嵌合部材Bfとが配置される。オス型嵌合部材Bmは、差し込む側のブレード状のコネクタ(Plug)である。オス型嵌合部材Bmは、平栓刃と表現することもできる。メス型嵌合部材Bfは、差し込まれる側のコネクタ(Receptacle)である。メス型嵌合部材Bfは、ブレード受けばねと表現することもできる。
【0023】
図2は、図1のオス型嵌合部材Bmの構成の一例を示す概略斜視図である。図2のオス型嵌合部材Bm1は、実施形態に係るオス型嵌合部材Bmの一例である。
【0024】
オス型嵌合部材Bm1の差込部11は、概ね平板形状の形状を有する。差込部11の先端部13は、面取りされており、先端側に向かうほど厚さが小さい。これにより、差込部11をメス型嵌合部材Bfの受入部20に差し込み易くすることができる。差込部11の接続部15は、間隙17により2つに分割された差込部11の後端側の各々である。接続部15、すなわち分割された差込部11の後端側の各々は、差込部11に対して概ね垂直方向に曲げられている。接続部15は、PCB基板上の所定の位置にはんだ接合され、差込部11とPCB基板上の配線との間を電気的に接続する。差込部11及び接続部15は、例えば1枚の金属の板材の曲げ加工によって形成することができる。
【0025】
図3は、図1のオス型嵌合部材Bmの構成の別の一例を示す概略斜視図である。図3のオス型嵌合部材Bm2は、実施形態に係るオス型嵌合部材Bmの一例である。ここでは、主にオス型嵌合部材Bm1との相違点を説明する。
【0026】
オス型嵌合部材Bm2の差込部11の先端部13から接続部15までの長さは、オス型嵌合部材Bm1より大きい。一方で、オス型嵌合部材Bm2の差込部11の幅及び厚みは、オス型嵌合部材Bm1と同程度である。差込部11の接続部15は、間隙17により3つに分割された差込部11の後端側の各々である。
【0027】
なお、オス型嵌合部材Bm1,Bm2の差込部11の後端側の分割数は、2つ以上の分割数で任意に設計可能である。一例として、差込部11の長さが大きいほど分割数を大きくする。
【0028】
図4は、図1のオス型嵌合部材Bmの構成の別の一例を示す概略斜視図である。図4のオス型嵌合部材Bm3は、実施形態に係るオス型嵌合部材Bmの一例である。ここでは、主にオス型嵌合部材Bm1,Bm2との相違点を説明する。
【0029】
差込部11の接続部15は、上述のオス型嵌合部材Bm1,Bm2と同様に差込部11の後端側である。一方で、差込部11の後端側は、オス型嵌合部材Bm1,Bm2とは異なり分割されていない。また、差込部11の接続部15より先端側には、差込部11を支持する支持部材19が設けられている。支持部材19は、例えばPPA(ポリフタルアミド樹脂)により形成されるが、被導電性の材料で構成されていればよく、例えばPA(ポリアミド)などにより形成されていてもよい。支持部材19は、挿入部19aを有する。挿入部19aは、PCB基板上の所定の位置に設けられた穴に挿入される。これにより、オス型嵌合部材Bm3を実装するPCB基板上の位置を規定することができるため、オス型嵌合部材Bm3の実装精度を向上することができる。なお、図4は、2つの挿入部19aが形成された支持部材19を例示するが、これに限らない。支持部材19は、3つ以上の複数の挿入部19aを有していてもよい。
【0030】
図5は、図1のメス型嵌合部材Bfの構成の一例を示す概略斜視図である。図5のメス型嵌合部材Bf1は、実施形態に係るメス型嵌合部材Bfの一例である。メス型嵌合部材Bf1は、受入部20に差し込まれたオス型嵌合部材Bmの差込部11を挟持する。メス型嵌合部材Bf1は、例えば1枚の金属の板材の曲げ加工によって形成される。メス型嵌合部材Bf1は、側面側、すなわち第1の基部26a又は第2の基部26bの側から見て、先端側が開いた概ねY字状の形状を有する。
【0031】
具体的には、メス型嵌合部材Bfは、第1の挟持部21及び第2の挟持部22を有する。第1の挟持部21及び第2の挟持部22は、互いに対向して配置される。第1の挟持部21の第2の挟持部22に対向する面と、第2の挟持部22の第1の挟持部21に対向する面とは、受入部20を形成する。つまり、第1の挟持部21及び第2の挟持部22は、受入部20を介して対向する。メス型嵌合部材Bfは、第1の挟持部21及び第2の挟持部22の間の受入部20に差し込まれたオス型嵌合部材Bmの差込部11を挟持する。第1の挟持部21は、第1の屈曲部23aにおいて、対向する第2の挟持部22に向かって凸となる形状に屈曲する。同様に、第2の挟持部22は、第1の屈曲部23aにおいて、対向する第1の挟持部21に向かって凸となる形状に屈曲する。換言すれば、第1の挟持部21及び第2の挟持部22の各々は、第1の屈曲部23aにおいて、互いの対向する面に向かって凸部を形成するように屈曲する。第1の挟持部21の第1の屈曲部23aと、第2の挟持部22の第1の屈曲部23aとは、受入部20を介して離間する。第1の挟持部21の第1の屈曲部23aと、第2の挟持部22の第1の屈曲部23aとの間の距離は、オス型嵌合部材Bmの差込部11の厚さより小さい。
【0032】
第1の挟持部21及び第2の挟持部22の各々には、先端側から後端側まで、間隙27が設けられている。つまり、第1の挟持部21及び第2の挟持部22の各々は、間隙27により2分割される。換言すれば、メス型嵌合部材Bf1の先端部は、間隙27により4分割される。具体的には、第1の挟持部21は、間隙27により分割された第1の弾性部21a及び第2の弾性部21bを含む。同様に、第2の挟持部22は、間隙27により分割された第3の弾性部22a及び第4の弾性部22bを含む。ここで、第1の弾性部21a及び第2の弾性部21bは、間隙27を介して離間すると表現することもできる。同様に、第3の弾性部22a及び第4の弾性部22bは、間隙27を介して離間すると表現することもできる。
【0033】
なお、図5は、間隙27により4分割されたメス型嵌合部材Bfを例示するが、これに限らない。間隙27による分割数は、5つ以上であってもよい。ただし、第1の挟持部21の分割数と、第2の挟持部22の分割数とが等しいことが好ましく、間隙27による分割数は、例えば6つ以上の偶数である。後述する一対の嵌合部材Bの間の相対的な回転位置ずれは、いずれの方向にも生じる可能性がある。このため、第1の挟持部21の分割数と、第2の挟持部22の分割数とを等しくすることにより、回転位置ずれの方向によらず、嵌合部の幾何学的な許容範囲を拡大することができる。
【0034】
第1の弾性部21a及び第3の弾性部22aの各々は、第1の基部26aから延設される。換言すれば、第1の弾性部21a及び第3の弾性部22aの各々は、第2の屈曲部23bを介して、第1の基部26aに連続一体に連結されている。また、第2の弾性部21b及び第4の弾性部22bの各々は、第2の基部26bから延設される。換言すれば、第2の弾性部21b及び第4の弾性部22bの各々は、第2の屈曲部23bを介して、第2の基部26bに連続一体に連結されている。また、第1の基部26a及び第2の基部26bの各々は、プリント回路基板への接続部25から延設される。換言すれば、第1の基部26a及び第2の基部26bの各々は、第3の屈曲部23cを介して、接続部25に連続一体に連結されている。
【0035】
したがって、第1の弾性部21a、第2の弾性部21b、第3の弾性部22a及び第4の弾性部22bの各々は、第1の挟持部21又は第2の挟持部22を分割した形状に相当するため、差込部11との接触状態に応じて独立して変形することができる。
【0036】
図6は、図1のメス型嵌合部材Bfの構成の別の一例を示す概略斜視図である。図6のメス型嵌合部材Bf2は、実施形態に係るメス型嵌合部材Bfの一例である。ここでは、主にメス型嵌合部材Bf1との相違点を説明する。メス型嵌合部材Bf2は、側面側から見て、概ねM字状の形状を有する。
【0037】
第1の挟持部21及び第2の挟持部22の各々の先端部には、間隙27が設けられている。間隙27は、メス型嵌合部材Bf1とは異なり、先端部にのみ設けられる。しかしながら、第1の挟持部21及び第2の挟持部22の各々の先端部は、メス型嵌合部材Bf1と同様に、間隙27により2分割される。換言すれば、メス型嵌合部材Bf2の先端部もまた、間隙27により4分割される。ここで、第1の弾性部21a及び第2の弾性部21bは、間隙27を介して少なくとも一部が離間すると表現することもできる。同様に、第3の弾性部22a及び第4の弾性部22bは、間隙27を介して少なくとも一部が離間すると表現することもできる。
【0038】
第1の弾性部21a及び第2の弾性部21bの各々は、第1の基部26aから延設される。第1の基部26aは、プリント回路基板への第1の接続部25aから延設される。つまり、第1の弾性部21a及び第2の弾性部21bの各々は、第1の接続部25aから延設される。換言すれば、第1の弾性部21a及び第2の弾性部21bの各々は、第1の基部26aを介して、第1の接続部25aに連続一体に連結されている。
【0039】
また、第3の弾性部22a及び第4の弾性部22bの各々は、第2の基部26bから延設される。第2の基部26bは、プリント回路基板への第2の接続部25bから延設される。つまり、第3の弾性部22a及び第4の弾性部22bの各々は、第2の接続部25bから延設される。換言すれば、第3の弾性部22a及び第4の弾性部22bの各々は、第2の基部26bを介して、第2の接続部25bに連続一体に連結されている。
【0040】
なお、第1の接続部25aと、第2の接続部25bとは、メス型嵌合部材Bf1とは異なり、離間している。一方で、第1の挟持部21及び第2の挟持部22は、第4の屈曲部23dを介して、連続一体に連結されている。
【0041】
この構成であっても、第1の弾性部21a、第2の弾性部21b、第3の弾性部22a及び第4の弾性部22bの各々は、差込部11との接触状態に応じて独立して変形することができる。
【0042】
なお、オス型嵌合部材Bm及びメス型嵌合部材Bfは、それぞれ金属材料により形成される。一例として、オス型嵌合部材Bm及びメス型嵌合部材Bfは、銅、真鍮を含む銅合金、アルミニウム又はアルミニウム合金により形成される。
【0043】
また、オス型嵌合部材Bm及びメス型嵌合部材Bfの表面領域のうちの一部又は全部の領域には、導体メッキが施されている。導体メッキとしては、例えば錫メッキ、銀メッキ又は金メッキが適宜利用可能である。
【0044】
ここで、錫は、オス型嵌合部材Bm及びメス型嵌合部材Bfの下地に使用されるニッケルと合金化しやすい性質を有する。周囲温度が高くなると錫及びニッケルの合金化が進行し、抵抗値が1[mΩ]以上となる。一方で、銀や金は、ニッケルとの合金化は進行しにくいが、使用するとコストが高い。オス型嵌合部材Bmと、メス型嵌合部材Bfとの間の接触抵抗が大きいと、オス型嵌合部材Bmと、メス型嵌合部材Bfとの接触部位において温度上昇が生じる。そこで、実施形態に係る電力変換装置1においては、オス型嵌合部材Bmと、メス型嵌合部材Bfとの接触部位における接触抵抗を1[mΩ]以下とする。換言すれば、一対の嵌合部材Bが嵌合した状態における、オス型嵌合部材Bmの差込部11と、第1の挟持部21又は第2の挟持部22の凸部との間の接触抵抗は、1[mΩ]以下とする。
【0045】
接触抵抗の大きさは、「接触圧力(接圧)」、「材料(表面の錫など)」及び「接触面積」によって規定される。そこで、実施形態に係る電力変換装置1においては、一例として、メス型嵌合部材Bfの4つの弾性部の弾性力を調整することにより、接触抵抗を1[mΩ]以下に調整する。換言すれば、実施形態に係るメス型嵌合部材Bfは、接触抵抗が1[mΩ]以下になるように、4つの弾性部の弾性力が設計される。なお、4つの弾性部の弾性力は、例えばメス型嵌合部材Bfの材料(母材)と、その形状とに依存する。
【0046】
なお、実施形態に係るオス型嵌合部材Bmの差込部11は、略平板形状の形状を有する。また、実施形態に係るメス型嵌合部材Bfは、差し込まれた略平板形状の差込部11を挟持することによりオス型嵌合部材Bmと嵌合するように構成されている。これにより、実施形態に係る基板間接続構造は、例えばピン形状の差込部を有するオス型嵌合部材を用いて実現される基板間接続構造と比較して、一対の嵌合部材Bの間での接触面積を大きくすることができるため、接触抵抗を低減することができる。一対の嵌合部材Bの間での接触抵抗の低減化は、一対の嵌合部材Bにおける発熱や電力ロスの抑制、メス型嵌合部材Bfの形状や材料に関する自由度の向上、以下に説明する接続状態の判定の簡単化などに寄与する。
【0047】
例えば、ピン形状の直径と、平板形状の厚さとを同一としたとき、平板形状の幅は任意に設定可能であることから、平板形状のオス型嵌合部材Bmは、同じ長さのピン形状のオス型嵌合部材より、メス型嵌合部材Bfとの接触面積を大きくすることができる。また、例えば、ピン形状と、平板形状との基板に平行な断面での断面積を同一としたとき、平板形状の厚さ及び幅を適切に設定することにより、平板形状の主面の面積を、同じ長さのピン形状の表面積より大きくすることができる。つまり、平板形状のオス型嵌合部材Bmは、同じ長さのピン形状のオス型嵌合部材より、メス型嵌合部材Bfとの接触面積を大きくすることができる。
【0048】
ここで、差込部11の厚さとは、図1に示す状態での差込部11の左右方向の大きさであるとする。また、差込部11の長さとは、図1に示す状態での差込部11の上下方向の大きさであるとする。また、差込部11の幅とは、図1に示す状態での差込部11の紙面に垂直な方向の大きさであるとする。
【0049】
なお、メス型嵌合部材Bfの外周部には、絶縁部が設けられている。一例として、絶縁部とは、メス型嵌合部材Bfの外周部に形成されている絶縁体の層31である(図11参照)。絶縁体の層31は、絶縁体をメス型嵌合部材Bfの外周部に塗布することにより形成されてもよいし、絶縁体により形成された絶縁フィルムをメス型嵌合部材Bfの外周部に貼付することにより形成されても構わない。一例として、絶縁体は、樹脂である。ここで、メス型嵌合部材Bfの外周部とは、第1の挟持部21の第2の挟持部22に対向する側の領域と、第2の挟持部22の第1の挟持部21に対向する側の領域と、接続部25のプリント回路基板に接触する領域とを除くメス型嵌合部材Bfの表面領域である(図11参照)。これにより、差込部11と受入部20との位置のずれに起因して、一対のオス型嵌合部材Bm及びメス型嵌合部材Bfの嵌合に不具合が生じた場合に、電気的検査によりその接続不良を検出することができる。ここで、電気的検査とは、オス型嵌合部材Bm及びメス型嵌合部材Bfの間の接触部位を介した抵抗値の計測である。
【0050】
図7は、図5のメス型嵌合部材Bf1が回路基板上に実装された状態を示す概略斜視図である。図7に示すように、メス型嵌合部材Bf1は、プリント回路基板に表面実装される。具体的には、メス型嵌合部材Bf1の接続部25は、はんだSLを介したはんだ接合によりプリント回路基板に電気的に接続される。なお、図7はメス型嵌合部材Bf1を例示するが、オス型嵌合部材Bm1,Bm2の場合も同様である。
【0051】
図8は、図2又は図3のオス型嵌合部材Bmと、図5のメス型嵌合部材Bfとの嵌合状態の一例を示す概略断面図である。図8に示すように、メス型嵌合部材Bfが第1の挟持部21及び第2の挟持部22の間に差し込まれたオス型嵌合部材Bmの差込部11を挟持することで、メス型嵌合部材Bfが配置された基板PCBと、オス型嵌合部材Bmが配置された基板PCBとが結合される。図8の(a1)は、図2のオス型嵌合部材Bm1と、図5のメス型嵌合部材Bf1との組合せを例示する。図8の(a2)は、図3のオス型嵌合部材Bm2と、図5のメス型嵌合部材Bf1との組合せを例示する。オス型嵌合部材Bm1と、オス型嵌合部材Bm2とは、図2及び図3を参照して上述したように、例えば差込部11の長さが異なる。このように、オス型嵌合部材Bm1,Bm2及びメス型嵌合部材Bf1は、結合する基板間の距離などに応じて、適宜に組み合わせることができる。また、図8の(b1)は、差込部11の先端がメス型嵌合部材Bf1の受入部20の底部に接触する位置まで挿入された状態を例示する。図8の(b2)は、差込部11の先端がメス型嵌合部材Bf1の受入部20の底部に接触するより手前の任意の位置まで挿入された状態を例示する。このように、メス型嵌合部材Bf1にオス型嵌合部材Bm1,Bm2を差し込む長さ、すなわち挿入高さは、結合する基板間の距離などに応じて、適宜に設定することができる。
【0052】
なお、電力変換装置1の基板間接続構造を構成する一対の嵌合部材Bの組合せとして、図8に例示する組合せを選択する場合、表面実装の容易さから、電力変換装置1の組み立ての工数を低減することができる。
【0053】
図9は、図4のオス型嵌合部材Bm3と、図6のメス型嵌合部材Bf2との嵌合状態の一例を示す概略断面図である。図9に示すように、メス型嵌合部材Bf2が第1の挟持部21及び第2の挟持部22の間に差し込まれたオス型嵌合部材Bm3の差込部11を挟持することで、メス型嵌合部材Bf2が配置された基板PCBと、オス型嵌合部材Bm3が配置された基板PCBとが結合される。図9に示すように、オス型嵌合部材Bm3は、プリント回路基板上の所定の位置に設けられた穴部H3に接続部15が挿入され、かつ、穴部H4,H5に挿入部19aが挿入された状態で、プリント回路基板に実装される。具体的には、プリント回路基板を貫通するように挿入された接続部15は、ディップはんだ接合によりプリント回路基板に電気的に接続される。また、メス型嵌合部材Bf2は、プリント回路基板上の所定の位置に設けられた穴部H1に第1の接続部25aが挿入され、かつ、穴部H2に第2の接続部25bが挿入された状態で、プリント回路基板に実装される。具体的には、プリント回路基板を貫通するように挿入された第1の接続部25a及び第2の接続部25bは、ディップはんだ接合によりプリント回路基板に電気的に接続される。
【0054】
なお、電力変換装置1の基板間接続構造を構成する一対の嵌合部材Bの組合せとして、図9に例示する組合せを選択する場合、DIP実装の堅牢性の高さから、大電流に対応可能な電力変換装置1を実現することができる。
【0055】
図10は、実施形態に係るオス型嵌合部材Bmの回路基板への実装について説明するための図である。図10の(a)は、所定の配置に実装された状態のオス型嵌合部材Bmを例示する。図10の(b)は、所定の配置から角度θだけ回転して実装された状態のオス型嵌合部材Bmを例示する。図11は、実施形態に係るオス型嵌合部材Bmとメス型嵌合部材Bfとの嵌合における幾何学的な許容範囲の拡大について説明するための図である。図11の断面図は、実施形態に係る嵌合部の断面を模式的に例示する。図11のA-A´部は、嵌合部においてオス型嵌合部材Bm及びメス型嵌合部材Bfが接触する接触部を示す。図11のA-A´部を上から見た図は、A-A´部の断面図を例示する。ここで、基本とは、図10の(a)に示す状態に対応する。また、回転とは、図10の(b)に示す状態に対応する。
【0056】
図8及び図9に示すように、プリンタ回路基板に実装されたオス型嵌合部材Bmは、メス型嵌合部材Bfの受入部20に挿入される。具体的には、差込部11が第1の挟持部21及び第2の挟持部22に接触しながら、第1の挟持部21及び第2の挟持部22の間の間隔を押し広げるように挿入される。しかしながら、オス型嵌合部材Bmをプリンタ回路基板に実装する際に、例えば図10に示すように、オス型嵌合部材Bmの配置が意図した位置からずれてしまう場合がある。同様に、メス型嵌合部材Bfをプリンタ回路基板に実装する際においても、配置ずれが生じる場合がある。このような場合、一対の嵌合部材Bが適切に嵌合せず、基板間の接続不良が生じるおそれがある。また、オス型嵌合部材Bm及びメス型嵌合部材Bfの各々が所定の配置で実装された場合であっても、組み立てる際の位置精度によっては、一対の嵌合部材Bが適切に嵌合せず、基板間の接続不良が生じるおそれがある。
【0057】
このような中、実施形態に係る電力変換装置1において、第1の挟持部21及び第2の挟持部22の各々は、受入部20に向かって凸形状に屈曲している。つまり、図11の断面図に示すように、メス型嵌合部材Bfの先端部は、オス型嵌合部材Bmに向かって開く形状に形成される。これにより、メス型嵌合部材Bfの先端部は、オス型嵌合部材Bmの差込部11を受入部20に案内することができる。具体的には、差込部11が図10の(b)に示す状態であっても、差込部11の先端部13を、メス型嵌合部材Bfの先端部の内壁に沿って受入部20に挿入することができる。したがって、実施形態に係る嵌合部によれば、適切に嵌合可能な一対の嵌合部材Bの間における相対的な回転位置ずれの範囲を拡大することができる。
【0058】
また、実施形態に係る電力変換装置1において、第1の挟持部21及び第2の挟持部22の各々の先端部には、間隙27が設けられている。換言すれば、第1の挟持部21及び第2の挟持部22の各々の先端部は、間隙27により少なくとも2つに分割されている。つまり、実施形態に係るメス型嵌合部材Bfの先端部は、少なくとも4つに分割されている。図11の回転の図は、第3の弾性部22aが回転位置ずれした差込部11からの力を受けて矢印Dの方向に変位した状態を例示する。また、図11の回転の図は、第1の弾性部21aが回転位置ずれした差込部11からの力を受けて変形し得る方向を例示する。このように、第1の弾性部21a、第2の弾性部21b、第3の弾性部22a及び第4の弾性部22b、すなわち4つの分割された先端部は、差込部11からの力を受けて、それぞれ独立に変位及び/又は変形することができる。このため、4つの分割された先端部は、差込部11が図10の(b)に示す状態であっても、図11の回転の図に白抜きの丸印で示すように、差込部11に適切に接触することができる。したがって、実施形態に係る嵌合部によれば、良好な接続を実現可能な一対の嵌合部材Bの間における相対的な回転位置ずれの範囲を拡大することができる。
【0059】
このように、実施形態に係る一対の嵌合部材Bにより実現する基板間接続構造によれば、嵌合部の幾何学的な許容範囲を拡大することができる。
【0060】
また、図11に示すように、メス型嵌合部材Bfの外周部には、絶縁部として、絶縁体の層31が形成されている。これにより、以下に説明する実施形態に係る基板間接続の流れにおいて、基板間接続状態を判定することができる。
【0061】
なお、絶縁部は、絶縁体の層31に限らず、他の構成により実現することもできる。図12は、実施形態に係る絶縁部の別の一例を示す概略斜視図である。図13は、図12の被覆部材32が装着された場合のオス型嵌合部材Bmとメス型嵌合部材Bfとの嵌合における幾何学的な許容範囲の拡大について説明するための図である。図12に示すように、絶縁部は、メス型嵌合部材Bfの外周部に装着される被覆部材32により形成されてもよい。被覆部材32は、柔軟性を有する。被覆部材32は、伸縮性を有していてもよい。被覆部材32は、絶縁体により形成される。一例として、絶縁体は、シリコン樹脂などの絶縁材料である。被覆部材32は、略円筒形状に形成されている。被覆部材32の上端側の直径、すなわち寸法L1は、下端側の寸法L2より小さい。これに伴い、被覆部材32の内周部321についても、上端側の寸法が下端側の寸法より小さい。これは、図5及び図6などに示すように、メス型嵌合部材Bfの外周部の形状が、下端側から上端側へ向かうにつれて小さくなっていることに合わせて決定される寸法である。図13に示すように、被覆部材32がメス型嵌合部材Bfの外周部に装着されたとき、被覆部材32の内周部321は、第1の挟持部21及び第2の挟持部22に外接する。また、図13に示すように、差込部11の幅方向の両端には、隙間Gが存在する。図13の回転の図に示すように、被覆部材32の柔軟性及び隙間Gに起因する変形の自由度により、被覆部材32は、回転位置ずれした差込部11により独立に変位及び/又は変形する4つの分割された先端部の各々に追従して変形することができる。この構成であっても、以下に説明する実施形態に係る基板間接続の流れにおいて、基板間接続状態を判定することができる。なお、被覆部材32は、その柔軟性により、メス型嵌合部材Bfに装着するだけで、メス型嵌合部材Bfの外周部にほぼ隙間なくフィットした状態で絶縁部を実現することができる。
【0062】
以下、図面を参照しながら、実施形態に係る基板間接続の流れの一例を説明する。図14は、実施形態に係る基板間接続の流れの一例を示すフローチャートである。
【0063】
まず、第1の基板PCB1の第2の基板PCB2側の主面にオス型嵌合部材Bmを配置する(S201)。また、第2の基板PCB2の第1の基板PCB1側の主面にメス型嵌合部材Bfを配置する(S202)。プリント回路基板上に一対の嵌合部材Bの各々が配置された後、例えば光学式自動外観検査装置(AOI: Automated Optical Inspection)を使用して、プリント回路基板上への一対の嵌合部材Bの各々の実装状態を検査する。この検査により、プリント回路基板上への一対の嵌合部材Bの各々の実装状態に不具合が検知された場合、不具合が検知されたプリント回路基板については、以降の流れを実施しない。
【0064】
その後、一対の嵌合部材Bの嵌合により、第1の基板PCB1及び第2の基板PCB2を結合する(S203)。このステップでは、オス型嵌合部材Bm及びメス型嵌合部材Bfの接触がセンサで検知された後に、片方のプリント回路基板を他方のプリント基板に対し押し込むことで、層状構造の定置状態を形成する。メス型嵌合部材Bfは、オス型嵌合部材Bmの差込部11の挿入方向とは反対側に弾性力(ばね力)を有する。このため、複数のオス型嵌合部材Bmを同時に複数のメス型嵌合部材Bfに押し込むと、いくつかのオス型嵌合部材Bmがメス型嵌合部材Bfの受入部20から外れてしまう場合がある。そこで、本ステップでは、確実な嵌合状態を一度作った後、さらに片方のプリント回路基板を他方のプリント基板に押し込むことで、良好な嵌合を実現する。ここで、確実な嵌合状態とは、例えば1mm程度、差込部11が受入部20に押し込まれた定常状態をいう。
【0065】
その後、嵌合部を介して電気抵抗を測定する(S204)。嵌合部を介した電気抵抗の測定は、例えば、オス型嵌合部材Bmに電気的に接続された第1の基板PCB1上の回路構成の任意の位置と、メス型嵌合部材Bfに電気的に接続された第2の基板PCB2上の回路構成の任意の位置との間の電気抵抗の測定である。
【0066】
嵌合部を介した電気抵抗が絶縁状態を示すとき(S205:Yes)、その嵌合部は接続不良であると判定する(S206)。一方で、嵌合部を介した電気抵抗が絶縁状態を示さないとき(S205:No)、その嵌合部は接続良好であると判定する(S207)。S206又はS207の後、図14の流れは終了する。
【0067】
このように、実施形態に係る一対の嵌合部材Bを用いて実現する基板間接続方法によれば、嵌合部の幾何学的な許容範囲を拡大することができる。
【0068】
以上説明したように、第1の実施形態に係る電力変換装置1によれば、回路基板間を電気的に接続する嵌合部の幾何学的な許容範囲を拡大することができる。これにより、複数の回路基板を適切に積層することができるため、電力変換装置1の小型化を達成することができる。
【0069】
(第2の実施形態)
以下、図面を参照しながら、第2の実施形態に係る電力変換装置、部品間接続構造及び部品間接続方法の実施形態について説明する。ここでは、主として第1の実施形態との相違点を説明し、重複する説明については適宜省略する。
【0070】
第1の実施形態では、基板間接続を例に本開示に係る部品間接続構造を説明したが、これに限らない。本開示に係る部品間接続構造は、例えば回路基板と電子部品との間の接続に適用可能である。図15は、第2の実施形態に係る電力変換装置1における部品間接続構造の一例を示す概略断面図である。図15は、第1の基板PCB1と、複数対の嵌合部材Bと、電子部品51を例示する。
【0071】
電子部品51は、第1の基板PCB1に実装される。電子部品51は、第2の基板PCB2及び第3の基板PCB3を有する。電子部品51は、複数対の嵌合部材Bの嵌合により第1の基板PCB1及び第3の基板PCB3が結合されることにより、第1の基板PCB1に実装される。
【0072】
なお、図15は、第1の基板PCB1にメス型嵌合部材が設けられ、第3の基板PCB3にオス型嵌合部材が設けられる場合を例示するが、これに限らない。第1の基板PCB1にオス型嵌合部材が設けられ、第3の基板PCB3にメス型嵌合部材が設けられていてもよい。また、電子部品51が有する基板の枚数は、1枚であってもよいし、3枚以上の複数枚であってもよい。例えば、図15に例示する電子部品51は、トランス、変成器、リアクトル又はチョーク等の磁性部品である。電子部品51が有する基板においては、例えば、導体パターンが巻線を形成する。さらに、電子部品51は、基板に形成された巻線の内側及び外側に磁性体コアを貫通させて閉磁路が形成されることにより、磁性部品としての機能を有する。この場合、電子部品51は、プリント基板トランス、あるいはトランス一体型プリント基板であると表現することができる。
【0073】
このように、本開示に係る部品間接続構造は、回路基板と電子部品51との間の電気的な接続に適用することもできる。これにより、電力変換装置1における、電子部品、回路基板及び基板ユニットなどの部品の実装密度を向上したり、部品の配置の自由度を向上したりすることができる。部品の実装密度の向上及び配置の自由度の向上は、それぞれ電力変換装置1の小型化に寄与する。
【0074】
(第3の実施形態)
以下、図面を参照しながら、第3の実施形態に係る電力変換装置、部品間接続構造及び部品間接続方法の実施形態について説明する。ここでは、主として第1の実施形態との相違点を説明し、重複する説明については適宜省略する。
【0075】
図16は、第3の実施形態に係る電力変換装置1における部品間接続構造の一例を示す概略断面図である。図16は、第1の基板PCB1、第2の基板PCB2、第3の基板PCB3及び複数対の嵌合部材Bを例示する。
【0076】
第1の基板PCB1及び第3の基板PCB3は、複数対の嵌合部材Bの嵌合により結合される。第1の基板PCB1及び第3の基板PCB3の間には、第2の基板PCB2が設けられている。第2の基板PCB2には、例えば複数の穴部Hが設けられている。第1の基板PCB1又は第3の基板PCB3に設けられた複数のオス型嵌合部材のそれぞれは、組付けられた状態において、複数の穴部Hのそれぞれを通る。
【0077】
このように、本開示に係る部品間接続構造によれば、接続対象の基板の間に接続対象外の基板を介在させることができる。もちろん、本開示に係る部品間接続構造によれば、接続対象の基板の間に接続対象外の電子部品や基板ユニットを介在させることもできる。これにより、電力変換装置1における、電子部品、回路基板及び基板ユニットなどの部品の実装密度を向上したり、部品の配置の自由度を向上したりすることができる。部品の実装密度の向上及び配置の自由度の向上は、それぞれ電力変換装置1の小型化に寄与する。
【0078】
なお、図16は、接続対象の第1の基板PCB1及び第3の基板PCB3の間に接続対象外の第2の基板PCB2を介在させる場合を例示したが、これに限らない。接続対象の第1の基板PCB1及び第3の基板PCB3の間に接続対象外の電子部品や基板ユニットを介在させることもできる。
【0079】
(第4の実施形態)
以下、図面を参照しながら、第4の実施形態に係る電力変換装置、部品間接続構造及び部品間接続方法の実施形態について説明する。ここでは、主として第1の実施形態との相違点を説明し、重複する説明については適宜省略する。
【0080】
第1の実施形態では複数対の嵌合部材Bにより一対の回路基板を略平行に結合する場合を例に説明したが、これに限らない。一対の回路基板は、複数対の嵌合部材Bにより略垂直に結合することもできる。図17は、第4の実施形態に係る電力変換装置1における部品間接続構造の一例を示す概略断面図である。図17は、第1の基板PCB1及び第2の基板PCB2の間の接続と、第1の基板PCB1及び第3の基板PCB3の間の接続とを例示する。
【0081】
図17の(a)は、第1の基板PCB1にメス型嵌合部材Bfが設けられ、第2の基板PCB2にオス型嵌合部材Bmが設けられる場合を例示する。オス型嵌合部材Bmは、図17に示すように、第2の基板PCB2の端部に設けられる。支持部材40は、第2の基板PCB2の端部に設けられ、第2の基板PCB2の端部を挟持する。支持部材40は、第2の基板PCB2に対するオス型嵌合部材Bmの角度を規定する。オス型嵌合部材Bmの接続部15は、支持部材40に接合される。オス型嵌合部材Bmの差込部11は、第2の基板PCB2の主面と略平行である。
【0082】
なお、図17の(a)の構成において、オス型嵌合部材Bmと第2の基板PCB2とは、支持部材40を介して電気的に接続されても構わない。
【0083】
図17の(b)は、第1の基板PCB1にオス型嵌合部材Bmが設けられ、第3の基板PCB3にメス型嵌合部材Bfが設けられる場合を例示する。この場合、支持部材40は、第3の基板PCB3の端部に設けられ、第3の基板PCB3の端部を挟持する。支持部材40は、第3の基板PCB3に対するメス型嵌合部材Bfの角度を規定する。支持部材40には、図17の(a)とは異なり、メス型嵌合部材Bfの接続部25が接合される。メス型嵌合部材Bfの受入部20は、第3の基板PCB3の主面と略平行である。つまり、メス型嵌合部材Bfが設けられた第3の基板PCB3の主面と、当該メス型嵌合部材Bfと嵌合するオス型嵌合部材Bmの差込部11とは、略平行である。
【0084】
なお、図17の(b)の構成において、メス型嵌合部材Bfと第3の基板PCB3とは、支持部材40を介して電気的に接続されても構わない。
【0085】
このように、本実施形態に係る部品間接続構造によれば、少なくとも一対の嵌合部材Bにより、一対の部品を略垂直に結合することができる。換言すれば、本実施形態に係る部品間接続構造によれば、少なくとも一対の嵌合部材Bにより、支持部材40により規定される角度で一対の部品を結合することができる。これにより、電力変換装置1における、電子部品、回路基板及び基板ユニットなどの部品の実装密度を向上したり、部品の配置の自由度を向上したりすることができる。部品の実装密度の向上及び配置の自由度の向上は、それぞれ電力変換装置1の小型化に寄与する。
【0086】
なお、支持部材40は、オス型嵌合部材Bm、メス型嵌合部材Bf及び第2の基板PCB2のいずれか1つと一体に形成されていてもよいし、オス型嵌合部材Bm、メス型嵌合部材Bf及び第2の基板PCB2とは別部品として形成されていても構わない。
【0087】
なお、図17の構成において、オス型嵌合部材Bm及びメス型嵌合部材Bfの少なくとも一方が設けられた第1の基板PCB1は、オス型嵌合部材Bm及びメス型嵌合部材Bfの少なくとも一方が設けられた電子部品51に置き換えることができる。
【0088】
(第5の実施形態)
以下、図面を参照しながら、第5の実施形態に係る電力変換装置、部品間接続構造及び部品間接続方法の実施形態について説明する。ここでは、主として第1の実施形態との相違点を説明し、重複する説明については適宜省略する。
【0089】
図18は、第5の実施形態に係る電力変換装置1における部品間接続構造の一例を示す概略断面図である。図18は、オス型嵌合部材Bmが設けられた第1の基板PCB1と、メス型嵌合部材Bfが設けられた第2の基板PCB2との間の接続を例示する。第1の基板PCB1には、支持部材41が設けられている。支持部材41は、第1の基板PCB1に対するオス型嵌合部材Bmの角度を規定する。支持部材41は、例えば直方体状の形状を有する。支持部材41の底面411は、第1の基板PCB1に固定されている。オス型嵌合部材Bmの接続部15は、支持部材41の側面412に接合される。オス型嵌合部材Bmの差込部11は、第1の基板PCB1の主面と略平行である。
【0090】
図19は、第5の実施形態に係る電力変換装置1における部品間接続構造の別の一例を示す概略断面図である。図19に示すように、図18のオス型嵌合部材Bmが設けられた第1の基板PCB1は、メス型嵌合部材Bfが設けられた電子部品51と電気的に接続することもできる。
【0091】
なお、図18の構成において、第1の基板PCB1の支持部材41には、オス型嵌合部材Bmに限らず、メス型嵌合部材Bfが接合されていてもよい。図20は、第5の実施形態に係る電力変換装置1における部品間接続構造の別の一例を示す概略断面図である。図20は、メス型嵌合部材Bfが設けられた第1の基板PCB1と、オス型嵌合部材Bmが設けられた第2の基板PCB2との間の接続を例示する。図20の構成では、支持部材41は、第1の基板PCB1に対するオス型嵌合部材Bmの角度を規定する。メス型嵌合部材Bfの接続部25は、支持部材41の側面412に接合される。メス型嵌合部材Bfの受入部20は、第1の基板PCB1の主面と略平行であるメス型嵌合部材Bfが設けられた第1の基板PCB1の主面と、当該メス型嵌合部材Bfと嵌合する第2の基板PCB2に設けられたオス型嵌合部材Bmの差込部11とは、略平行である。
【0092】
図21は、第5の実施形態に係る電力変換装置1における部品間接続構造の別の一例を示す概略断面図である。図21に示すように、図20のメス型嵌合部材Bfが設けられた第1の基板PCB1は、オス型嵌合部材Bmが設けられた電子部品51と電気的に接続することもできる。なお、オス型嵌合部材Bmは、電子部品51と一体に形成されていてもよい。この場合、図21に示すように、接続部15は、電子部品51の内部に設けられる場合もあり得る。
【0093】
なお、図20の構成において、メス型嵌合部材Bfの受入部20は、第1の基板PCB1の主面と略垂直であってもよい。図22は、第5の実施形態に係る電力変換装置1における部品間接続構造の別の一例を示す概略断面図である。図22は、メス型嵌合部材Bfが設けられた第1の基板PCB1と、オス型嵌合部材Bmが設けられた第2の基板PCB2との間の接続を例示する。メス型嵌合部材Bfの受入部20は、図20及び図21の構成とは異なり、第1の基板PCB1の主面と略垂直である。つまり、図22の構成では、支持部材41は、第1の基板PCB1に対するメス型嵌合部材Bfの角度を規定する。メス型嵌合部材Bfが設けられた第1の基板PCB1の主面と、当該メス型嵌合部材Bfと嵌合する第2の基板PCB2に設けられたオス型嵌合部材Bmの差込部11とは、略垂直である。
【0094】
図23は、第5の実施形態に係る電力変換装置1における部品間接続構造の別の一例を示す概略断面図である。図23に示すように、図22のメス型嵌合部材Bfが設けられた第1の基板PCB1は、オス型嵌合部材Bmが設けられた電子部品51と電気的に接続することもできる。なお、オス型嵌合部材Bmは、図21の構成と同様に、電子部品51と一体に形成されていてもよい。
【0095】
なお、図18及び図19の構成において、図22及び図23の構成と同様に、オス型嵌合部材Bmの差込部11は、第1の基板PCB1の主面と略垂直であってもよい。
【0096】
なお、図18及び図19の構成において、オス型嵌合部材Bmと第1の基板PCB1とは、支持部材41を介して電気的に接続されていてもよいし、支持部材41を介さずに接続されていても構わない。同様に、図20図23の構成において、メス型嵌合部材Bfと第1の基板PCB1とは、支持部材41を介して電気的に接続されていてもよいし、支持部材41を介さず電気的に接続されていても構わない。図20図23の構成において、メス型嵌合部材Bfと第1の基板PCB1とが支持部材41を介さず電気的に接続される場合、メス型嵌合部材Bf1の後端側の第1の基部26aや第2の基部26b、メス型嵌合部材Bf2の後端側の接続部25の側面など、メス型嵌合部材Bfの後端側の任意の位置が第1の基板PCB1に電気的に接続され得る。
【0097】
なお、図18図23の構成において、第1の基板PCB1及び支持部材41は、一体に形成されていてもよいし、別部品として形成されていても構わない。また、図18及び図19の構成において、オス型嵌合部材Bm及び支持部材41は、一体に形成されていてもよいし、別部品として形成されていても構わない。また、図20図23の構成において、メス型嵌合部材Bf及び支持部材41は、一体に形成されていてもよいし、別部品として形成されていても構わない。
【0098】
このように、本実施形態に係る部品間接続構造によれば、少なくとも一対の嵌合部材Bにより、一対の部品を略垂直に結合することができる。換言すれば、本実施形態に係る部品間接続構造によれば、少なくとも一対の嵌合部材Bにより、支持部材41により規定される角度で一対の部品を結合することができる。
【0099】
(第6の実施形態)
以下、図面を参照しながら、第6の実施形態に係る電力変換装置、部品間接続構造及び部品間接続方法の実施形態について説明する。ここでは、主として第1の実施形態との相違点を説明し、重複する説明については適宜省略する。
【0100】
第1の実施形態では複数対の嵌合部材Bにより一対の回路基板を略平行に結合する場合を例に説明したが、これに限らない。一対の回路基板は、複数対の嵌合部材Bにより任意の角度で結合することもできる。図24は、第6の実施形態に係る電力変換装置における部品間接続構造の一例を示す概略断面図である。図24は、メス型嵌合部材Bfが設けられた第1の基板PCB1と、オス型嵌合部材Bmが設けられた第2の基板PCB2との間の接続を例示する。
【0101】
第2の基板PCB2には、支持部材44が設けられている。支持部材44は、第2の基板PCB2の主面上に設けられる。支持部材44は、第2の基板PCB2に対するオス型嵌合部材Bmの角度を規定する。支持部材44は、例えば三角柱状の形状を有する。支持部材44の長方形状の第1の側面441は、第2の基板PCB2に固定されている。オス型嵌合部材Bmの接続部15は、支持部材44の長方形状の第2の側面442に接合される。オス型嵌合部材Bmの差込部11は、第1の基板PCB1の主面と略平行であり、第2の基板PCB2の主面との間で支持部材44の底面の三角形の形状、すなわち側面441,442の成す角に応じた任意の角度を有する。
【0102】
このように、本実施形態に係る部品間接続構造によれば、少なくとも一対の嵌合部材Bにより、一対の部品を、支持部材44により規定される任意の角度で結合することができる。これにより、電力変換装置1における、電子部品、回路基板及び基板ユニットなどの部品の実装密度を向上したり、部品の配置の自由度を向上したりすることができる。部品の実装密度の向上及び配置の自由度の向上は、それぞれ電力変換装置1の小型化に寄与する。
【0103】
なお、図24の構成において、支持部材44は、第1の基板PCB1とメス型嵌合部材Bfとの間に設けられていてもよい。つまり、支持部材44は、第1の基板PCB1に対するメス型嵌合部材Bfの角度を規定する部材であってもよい。また、支持部材44は、第1の基板PCB1及び第2の基板PCB2の両方に設けられていてもよい。
【0104】
なお、図24の構成において、支持部材44は、オス型嵌合部材Bm及び第2の基板PCB2のいずれか一方と一体に形成されていてもよいし、オス型嵌合部材Bm及び第2の基板PCB2とは別部品として形成されていても構わない。
【0105】
なお、図24の構成において、第1の基板PCB1及び第2の基板PCB2の少なくとも一方を電子部品51に置き換えることもできる。
【0106】
(第7の実施形態)
以下、図面を参照しながら、第7の実施形態に係る電力変換装置、部品間接続構造及び部品間接続方法の実施形態について説明する。ここでは、主として第1の実施形態との相違点を説明し、重複する説明については適宜省略する。
【0107】
図25は、第7の実施形態に係るオス型嵌合部材Bmの構成の一例を示す概略斜視図である。図25のオス型嵌合部材Bm4は、実施形態に係るオス型嵌合部材Bmの一例である。オス型嵌合部材Bm4の側面部14は、第1の実施形態に係るオス型嵌合部材Bmの先端部13と同様に、面取りされており、先端側に向かうほど厚さが小さい。これにより、差込部11を側面側からメス型嵌合部材Bfの受入部20に差し込み易くすることができる。
【0108】
図26は、第7の実施形態に係る電力変換装置1における部品間接続構造の一例を示す概略断面図である。図26は、オス型嵌合部材Bm4が設けられた第1の基板PCB1と、メス型嵌合部材Bfが設けられた第2の基板PCB2との間の接続を例示する。オス型嵌合部材Bm4は、接続部15において第1の基板PCB1に接合される。オス型嵌合部材Bm4の差込部11は、第1の基板PCB1及び第2の基板PCB2の両主面とそれぞれ略垂直である。
【0109】
図27は、第7の実施形態に係る電力変換装置1における部品間接続構造の別の一例を示す概略断面図である。図27に示すように、図26のオス型嵌合部材Bm4が設けられた第2の基板PCB2は、メス型嵌合部材Bfが設けられた電子部品51と電気的に接続することもできる。
【0110】
図28は、第7の実施形態に係る電力変換装置1における部品間接続構造の別の一例を示す概略断面図である。図28は、メス型嵌合部材Bfが設けられた第1の基板PCB1と、オス型嵌合部材Bm4が設けられた第2の基板PCB2との間の接続を例示する。オス型嵌合部材Bm4の差込部11は、第1の基板PCB1及び第2の基板PCB2の両主面とそれぞれ略垂直である。図28の構成において、第1の基板PCB1に第2の基板PCB2を組み付ける際の第2の基板PCB2の移動方向は、図26の構成とは異なる。
【0111】
なお、図28のメス型嵌合部材Bfが設けられた第1の基板PCB1は、オス型嵌合部材Bm4が設けられた電子部品51と電気的に接続することもできる。図29は、第7の実施形態に係るオス型嵌合部材Bm4が実装された電子部品51の一例を示す概略斜視図である。図29の構成において、オス型嵌合部材Bm4は、電子部品51と一体に構成されている。図30は、第7の実施形態に係る電力変換装置1における部品間接続構造の別の一例を示す概略断面図である。図30は、メス型嵌合部材Bfが設けられた第1の基板PCB1と、オス型嵌合部材Bm4が形成された電子部品51との間の接続を例示する。
【0112】
このように、本実施形態に係る部品間接続構造によれば、少なくとも一対の嵌合部材Bにより、一対の部品を略垂直に結合することができる。また、接続する部品間のいずれの側にオス型嵌合部材Bm4を設けるかを変更することにより、部品の組付け方向を変更することができる。これにより、電力変換装置1における、部品の配置の自由度を向上することができる。
【0113】
(第8の実施形態)
以下、図面を参照しながら、第8の実施形態に係る電力変換装置、部品間接続構造及び部品間接続方法の実施形態について説明する。ここでは、主として第1の実施形態との相違点を説明し、重複する説明については適宜省略する。
【0114】
図31は、第8の実施形態に係るオス型嵌合部材Bmとメス型嵌合部材Bfとの嵌合における幾何学的な許容範囲の拡大について説明するための図である。図31の断面図は、実施形態に係る嵌合部の断面を模式的に例示する。図31のA-A´部は、嵌合部においてオス型嵌合部材Bm及びメス型嵌合部材Bfが接触する接触部を示す。図31のA-A´部を上から見た図は、A-A´部の断面図を例示する。ここで、基本とは、図11と同様に、図10の(a)に示す状態に対応する。また、回転とは、図11と同様に、図10の(b)に示す状態に対応する。
【0115】
本実施形態に係るメス型嵌合部材Bfの第1の挟持部21及び第2の挟持部22の各々には、図31に示すように、受入部20に向かって凸形状に屈曲した嵌合部において、受入部20に向かって膨らむ略半球状の凸部33aが設けられている。各凸部33aは、例えばプレス加工により形成することが可能である。この場合、第1の挟持部21及び第2の挟持部22の各々において、各凸部33aの反対側には、半球状に凹んだ凹部33bが設けられることになる。
【0116】
この構成によれば、メス型嵌合部材Bfの4つの分割された先端部が、オス型嵌合部材Bmの差込部11からの力を受けて、それぞれ独立に変位及び/又は変形する場合であっても、略半球状の凸部33aにより差込部11に接触し続けることができる。つまり、本実施形態に係る構成によれば、オス型嵌合部材Bm及びメス型嵌合部材Bfの間の接触状態を点接触のモードで維持することができる。これにより、オス型嵌合部材Bm及びメス型嵌合部材Bfの間の電気的な接触を安定させることができる。
【0117】
(適用例)
図32は、実施形態に係る電力変換装置1の構成の一例を示す概略断面図である。図32は、第1の基板PCB1、第2の基板PCB2、第3の基板PCB3、第4の基板PCB4及び冷却板WJを例示する。これらの基板には、上述の各実施形態に係る部品間接続構造により、種々の電子部品51を実装することができる。なお、図32では、見易さを確保しつつ各部材を模式的に示すために、締結や固着等により接触している部材間に隙間が存在する場合もある。冷却板WJは、一例として、内部に冷媒の流路が形成された金属製の板状部材である。なお、冷却板WJとしては、内部に冷媒の流路を有する金属板に限らず、ヒートシンクやヒートパイプ、非金属の熱拡散板、金属筐体又はこれらの組合せ等が適宜利用可能である。ここで、金属筐体を利用するとは、冷却板WJとして内部に冷媒の流路を有していない金属製の板状部材を用いる場合に限らず、電力変換装置1の筐体を金属で形成し、当該筐体の一部を冷却板WJとして利用する場合を含む。
【0118】
例えば、電子部品51は、半導体素子、半導体モジュール、磁性体、コンデンサ及び遮断器のうちの少なくとも1つを含む。半導体モジュールは、例えば複数の半導体素子により構成される。ここで、磁性体とは、トランスやトランス一体型プリント基板、変成器、リアクトル、チョークである。遮断器とは、リレーやヒューズである。図32は、磁性体としてトランスTR及びコイルCoilを例示する。また、図32は、半導体モジュール又は半導体素子として、トランジスタMOSFET1,MOSFET2及びダイオードD1,D2を例示する。また、図32は、複数のコンデンサCapを例示する。また、図32は、リレーRLを例示する。
【0119】
電力変換装置1において、電子部品51として例示した半導体素子、半導体モジュール、磁性体、コンデンサ及び遮断器は、動作時の損失が大きく、部品温度が高温になりやすい。このため、電子部品51を効率よく冷却するためには、各電子部品51を冷却板WJに近づけて実装することが好ましい。
【0120】
従来は、図32に例示するような構成の電力変換装置1を組み立てる際、まず電子部品51を、水冷版WJにネジ等で締結、もしくはTIM(サーマルインタフェースマテリアル)で水冷版WJに固着させ、その後に各基板PCB2,PCB3,PCB4を電子部品51にはんだ付けして実装することが通例であった。この場合、大型のはんだ付け設備が必要になることや、半田ボール等のコンタミネーションのおそれがあること等、組立及び品質上の課題があった。
【0121】
このような中、本開示に係る接続構造によれば、組立性及び部品冷却性を両立する自由な部品配置を可能とする。具体的には、ネジ等により電子部品51を水冷版WJに締結したり、TIMにより電子部品51を水冷版WJに固着したりした後に、各基板PCB2,PCB3,PCB4と、電子部品51とを嵌合部材Bにより結合することで、容易、かつ、確実に電子部品51及び各基板PCB2,PCB3,PCB4を接続することができる。
【0122】
なお、電子部品51は、例えば第5の実施形態においてオス型嵌合部材Bm又はメス型嵌合部材Bfが支持部材41を介して基板に設けられるように、あるいは第6の実施形態においてオス型嵌合部材Bm又はメス型嵌合部材Bfが支持部材44を介して基板に設けられるように、支持部材45を介して基板上に配置されていてもよい。つまり、ネジ等による電子部品51の水冷版WJへの締結や、TIMによる電子部品51の水冷版WJへの固着は、それぞれ支持部材45を介した接続の場合もあり得る。
【0123】
ここで、支持部材45は、電子部品51と冷却板WJとの間を熱的に接続する部材である。したがって、支持部材45は、電子部品51から冷却板WJへの伝熱量が大きくなるように、その形状及び材料が適宜選択され得る。一例として、支持部材45は、電子部品51と冷却板WJとの間が電気的に絶縁されている場合には、金属により形成することができる。もちろん、支持部材45としては、金属の他の材料が利用されてもよい。また、支持部材45は、冷却板WJと一体に形成されていてもよく、支持部材45の内部に冷媒の流路が設けられていても構わない。また、電子部品51から各基板PCB1,PCB2,PCB3,PCB4への一対の嵌合部材Bを介した伝熱量が大きくなるように、上述の各実施形態に係る支持部材19,40,41,44の形状及び材料が適宜選択されてもよい。この場合、電子部品51で発生した熱を、基板を用いて拡散又は放熱することもできる。
【0124】
以上説明したように、本開示に係る電力変換装置1によれば、部品間を電気的に接続する嵌合部の幾何学的な許容範囲を拡大することができる。
【0125】
なお、本開示に係る部品間接続構造とは、上述したように、電子部品、回路基板及び基板ユニットのうちの任意の被接続対象の部品間を接続する構造である。一例として、部品間接続構造は、回路基板間の接続構造である。別の一例として、部品間接続構造は、電子部品と、回路基板又は基板ユニットとの間の接続構造である。別の一例として、部品間接続構造は、回路基板及び基板ユニットの間の接続構造である。
【0126】
なお、上述の各実施形態に係る技術は、任意に組合せ可能である。例えば、一対の回路基板を接続する複数対の嵌合部材Bにおいて、一対の嵌合部材Bごとに異なる部品間接続構造が適用されてもよい。また、例えば、任意の回路基板に結合される2以上の回路基板に関して、当該任意の回路基板に対する角度は異なっていてもよい。
【0127】
なお、本開示の説明において、既出の図に関して前述したものと同一又は略同一の機能を有する構成要素については、同一符号を付し、説明を適宜省略する場合もある。また、同一又は略同一の部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表されている場合もある。また、例えば図面の視認性を確保する観点から、各図面の説明において主要な構成要素だけに参照符号を付し、既出の図において前述したものと同一又は略同一の機能を有する構成要素であっても参照符号を付していない場合もある。
【0128】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0129】
1 電力変換装置
11 差込部
13 先端部
14 側面部
15 接続部
17 間隙
19 支持部材
19a 挿入部
20 受入部
21 第1の挟持部
21a 第1の弾性部
21b 第2の弾性部
22 第2の挟持部
22a 第3の弾性部
22b 第4の弾性部
23a 第1の屈曲部
23b 第2の屈曲部
23c 第3の屈曲部
23d 第4の屈曲部
26a 第1の基部
26b 第2の基部
25 接続部
25a 第1の接続部
25b 第2の接続部
27 間隙
31 絶縁体の層
32 被覆部材
33a 凸部
33b 凹部
40,41,44 支持部材
51 電子部品
Bf メス型嵌合部材
Bm オス型嵌合部材
PCB1 第1の基板
PCB2 第2の基板
PCB3 第3の基板
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