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特許7614702データ同化フレームワーク内の物理センサの統合
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-07
(45)【発行日】2025-01-16
(54)【発明の名称】データ同化フレームワーク内の物理センサの統合
(51)【国際特許分類】
   G06N 5/04 20230101AFI20250108BHJP
【FI】
G06N5/04
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022538946
(86)(22)【出願日】2020-12-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-28
(86)【国際出願番号】 IB2020062196
(87)【国際公開番号】W WO2021130634
(87)【国際公開日】2021-07-01
【審査請求日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】16/728,442
(32)【優先日】2019-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【弁理士】
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】アランディア、エルネスト
(72)【発明者】
【氏名】オ’ドンチャ、フェアーグハル
(72)【発明者】
【氏名】ドウ、エリ、マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ワトソン、キャンベル
(72)【発明者】
【氏名】リウ、フランク
【審査官】千葉 久博
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-87027(JP,A)
【文献】特開2016-161314(JP,A)
【文献】特開2005-300176(JP,A)
【文献】特表2017-533514(JP,A)
【文献】特表2010-533903(JP,A)
【文献】国際公開第2017/170086(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06N 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物理システムの状態を評価する方法であって、前記方法は、
物理システムの校正されたモデルを使用してモデル予測を生成すること、及び
ルーティング・ノードに接続された複数のセンサを使用して前記物理システムの測定されたデータをモニタすること
を含み、
前記複数のセンサの第1のセンサが不確実性の数値化を実行するように、かつ前記物理システムの状態を出力するため前記不確実性の数値化を実行した結果を前記モデル予測に結合するように構成された論理モジュールを含み、
前記方法は、さらに、前記第1のセンサにおいて、生センサデータ及びデータ・フィルタリング処理を使用してリアルタイムで前記不確実性の数値化を実行することを含む、
方法。
【請求項2】
さらに、前記複数のセンサにより、リアルタイムで前記測定されたデータ及び不確実性の数値化を実行した結果を報告することを含む
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記物理システムの前記状態を出力することがさらに訂正されたモデル予測を出力することを含む
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
さらに、前記訂正されたモデル予測の精度に基づいて前記第1のセンサの実行を修正することを含む
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
さらに、前記訂正されたモデル予測の精度に基づいてパラメータを修正することを含み、前記パラメータは、前記測定されたデータの同化に使用される共分散計算である
請求項3に記載の方法。
【請求項6】
さらに、自動校正モジュールを使用して前記パラメータを修正することを含む、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記物理システムは、地理的領域、水力システム、重力システム、熱システム及び風力システムの少なくとも1つの自然の力を含む
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
さらに、システム・フィードバックを使用してフィルタリング・メカニズムのタイプの選択及びパラメータ設定を実行することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
物理システムの状態を評価する方法であって、前記方法は、
物理システムの校正されたモデルを使用してモデル予測を生成すること、及び
ルーティング・ノードに接続された複数のセンサを使用して前記物理システムの測定されたデータをモニタすること
を含み、
前記複数のセンサの第1のセンサが不確実性の数値化を実行するように、かつ前記物理システムの状態を出力するため前記不確実性の数値化を実行した結果を前記モデル予測に結合するように構成された論理モジュールを含み、
前記方法は、
前記物理システムの前記状態を出力することがさらに訂正されたモデル予測を出力すること、及び
前記訂正されたモデル予測の精度に基づいて前記第1のセンサの実行を修正することを含む、
方法。
【請求項10】
物理システムの状態を評価する方法であって、前記方法は、
物理システムの校正されたモデルを使用してモデル予測を生成すること、及び
ルーティング・ノードに接続された複数のセンサを使用して前記物理システムの測定されたデータをモニタすること
を含み、
前記複数のセンサの第1のセンサが不確実性の数値化を実行するように、かつ前記物理システムの状態を出力するため前記不確実性の数値化を実行した結果を前記モデル予測に結合するように構成された論理モジュールを含み、
前記方法は、
前記物理システムの前記状態を出力することがさらに訂正されたモデル予測を出力すること、及び
前記訂正されたモデル予測の精度に基づいてパラメータを修正することであって、前記パラメータは、前記測定されたデータの同化に使用される共分散計算である、前記パラメータを修正すること、及び
自動校正モジュールを使用して前記パラメータを修正することを含む、
方法。
【請求項11】
物理システムの状態を評価する方法であって、前記方法は、
物理システムの校正されたモデルを使用してモデル予測を生成すること、及び
ルーティング・ノードに接続された複数のセンサを使用して前記物理システムの測定されたデータをモニタすること
を含み、
前記複数のセンサの第1のセンサが不確実性の数値化を実行するように、かつ前記物理システムの状態を出力するため前記不確実性の数値化を実行した結果を前記モデル予測に結合するように構成された論理モジュールを含み、
前記方法は、
さらに、システム・フィードバックを使用してフィルタリング・メカニズムのタイプの選択及びパラメータ設定を実行することを含む、
方法。
【請求項12】
モデル予測を生成するように構成された物理システムの校正されたモデルと、
前記物理システムの測定されたデータをモニタし、かつルーティング・ノードに接続された複数のセンサと
を含み、
前記複数のセンサの第1のセンサが不確実性の数値化を実行するように、かつ前記物理システムの状態を出力するため前記不確実性の数値化を実行した結果を前記モデル予測に結合するように構成された論理モジュールを含み、
生センサデータ及びデータ・フィルタリング処理を使用してリアルタイムで前記不確実性の数値化を実行する、
システム。
【請求項13】
前記複数のセンサが、リアルタイムに報告する、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記物理システムの出力された前記状態は、訂正されたモデル予測である
請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1のセンサにおける実行を前記訂正されたモデル予測の精度に基づいて修正する
請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記物理システムは、地理的領域、水力システム、重力システム、熱システム及び風力システムの少なくとも1つの自然の力を含む
請求項12に記載のシステム。
【請求項17】
モデル予測を生成するように構成された物理システムの校正されたモデルと、
前記物理システムの測定されたデータをモニタし、かつルーティング・ノードに接続された複数のセンサと
を含み、
前記複数のセンサの第1のセンサが不確実性の数値化を実行するように、かつ前記物理システムの状態を出力するため前記不確実性の数値化を実行した結果を前記モデル予測に結合するように構成された論理モジュールを含み、
前記物理システムの出力された前記状態は、訂正されたモデル予測であり、
前記第1のセンサにおける実行を前記訂正されたモデル予測の精度に基づいて修正する、
システム。
【請求項18】
モデル予測を生成するように構成された物理システムの校正されたモデルと、
前記物理システムの測定されたデータをモニタし、かつルーティング・ノードに接続された複数のセンサと
を含み、
前記複数のセンサの第1のセンサが不確実性の数値化を実行するように、かつ前記物理システムの状態を出力するため前記不確実性の数値化を実行した結果を前記モデル予測に結合するように構成された論理モジュールを含み、
前記測定されたデータの同化に使用される共分散計算であるパラメータは、前記訂正されたモデル予測の精度に基づいて修正され、
前記パラメータを修正する自動校正モジュールを含む、
システム。
【請求項19】
モデル予測を生成するように構成された物理システムの校正されたモデルと、
前記物理システムの測定されたデータをモニタし、かつルーティング・ノードに接続された複数のセンサと
を含み、
前記複数のセンサの第1のセンサが不確実性の数値化を実行するように、かつ前記物理システムの状態を出力するため前記不確実性の数値化を実行した結果を前記モデル予測に結合するように構成された論理モジュールを含み、
さらに、
データ同化パラメータをチューニングすることにより出力される前記状態を修正するためのデータ同化モジュールを含む、
システム。
【請求項20】
コンピュータ・プログラムであって、コンピュータに請求項1~11の何れかに記載の方法を実行させるための、コンピュータ・プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータ・モデリングに関し、より具体的には複雑な物理システムの状態をモデリングすることに関する。
【背景技術】
【0002】
データ同化は、観測データと、システムの状態を推定するための数値的モデルからの出力とを結合する技術である。データ同化ネットワークは、海流といった物理システムの側面を観測するセンサを含むことができる。これらのセンサは、物理システムの数値モデルのモデル状態へと組み込むことができる。センサは、測定、基本的なデータ処理、及び通信を行うことができる。モデル状態は、システムの実際の物理状態を完全に記述しようと試みる変数の表現である。モデルは、利用可能な観測数が物理システムの状態を特定するために必要な変数の数よりもオーダー的に少ないために使用される。最新の物理センサは、典型的には:測定、基本的なデータ処理、及び通信を含む能力を有する。しかしながら、複雑な物理システム(例えば、湖といった流体システム)をモニタし、かつ管理するために使用される予測システムにおいて、ノイズがあり、かつ冗長的なセンサ観測値の同化には、膨大な労力が要求される。
【0003】
したがって、上述の問題に対処するための必要がある。
【発明の概要】
【0004】
さらなる側面から概観すると、本発明は、物理システムの状態を評価する方法を提供し、本方法は、物理システムの校正されたモデルを使用してモデル予測を生成すること、及びルーティング・ノードに接続された複数のセンサを使用して前記物理システムの測定されたデータをモニタすることを含み、前記複数のセンサの第1のセンサが不確実性の数値化を判断するように、かつ前記物理システムの状態を出力するため前記不確実性の数値化を前記モデル予測に結合するように構成された論理モジュールを含む。
【0005】
さらなる側面から概観すると、本発明は、モデル予測を生成するように構成された物理システムの校正されたモデルと、前記物理システムの測定されたデータをモニタし、かつルーティング・ノードに接続された複数のセンサとを含み、前記複数のセンサの第1のセンサが不確実性の数値化を判断するように、かつ前記物理システムの状態を出力するため前記不確実性の数値化を前記モデル予測に結合するように構成された論理モジュールを含むシステムを提供する。
【0006】
さらなる側面から概観すると、本発明は、物理システムの状態を評価するためのコンピュータ・プログラム製品を提供し、コンピュータ・プログラム製品は、処理回路によって可読であり、かつ本発明のステップを実行する処理回路による実行のための命令を格納するコンピュータ可読な記録媒体を含む。
【0007】
さらなる側面から概観すると、本発明は、コンンピュータ可読な媒体上に格納され、かつデジタル・コンピュータの内部メモリにロード可能なコンピュータ・プログラムであって、前記プログラムがコンピュータ上で動作すると本発明のステップを実行するためのソフトウェア・コード部分を含む。
【0008】
物理システムの状態を評価するためのコンピュータ・プログラム製品であって、前記コンピュータ・プログラム製品は:その内部に実体化されたコンピュータ可読なプログラム・コードを有するコンピュータ可読な記録媒体であって、前記コンピュータ可読なプログラム・コードは1つ又はそれ以上のコンピュータ・プロセッサによって:物理システムの校正されたモデルを使用してモデル予測を生成すること;及びルーティング・ノードに接続された複数のセンサを使用して前記物理システムの測定されたデータをモニタすることを実行可能であり、前記複数のセンサの第1のセンサが不確実性の数値化を判断するように、かつ前記物理システムの状態を出力するため前記不確実性の数値化を前記モデル予測に結合するように構成された論理モジュールを含む。
【0009】
本発明の1つの実施形態によれば、物理システムの状態を評価する方法であって、前記方法は、物理システムの校正されたモデルを使用してモデル予測を生成すること、及びルーティング・ノードに接続された複数のセンサを使用して前記物理システムの測定されたデータをモニタすることを含み、前記複数のセンサの第1のセンサが不確実性の数値化を判断するように、かつ前記物理システムの状態を出力するため前記不確実性の数値化を前記モデル予測に結合するように構成された論理モジュールを含む。
【0010】
もう1つの実施形態によれば、システムは、モデル予測を生成するように構成された物理システムの校正されたモデルと、前記物理システムの測定されたデータをモニタし、かつルーティング・ノードに接続された複数のセンサとを含み、前記複数のセンサの第1のセンサが不確実性の数値化を判断するように、かつ前記物理システムの状態を出力するため前記不確実性の数値化を前記モデル予測に結合するように構成された論理モジュールを含む。
【0011】
もう1つの実施形態によれば、物理システムの状態を評価するためのコンピュータ・プログラム製品であって、前記コンピュータ・プログラム製品は、その内部に実体化されたコンピュータ可読なプログラム・コードを有するコンピュータ可読な記録媒体であって、前記コンピュータ可読なプログラム・コードは1つ又はそれ以上のコンピュータ・プロセッサによって:物理システムの校正されたモデルを使用してモデル予測を生成すること;及びルーティング・ノードに接続された複数のセンサを使用して前記物理システムの測定されたデータをモニタすることを実行可能であり、前記複数のセンサの第1のセンサが不確実性の数値化を判断するように、かつ前記物理システムの状態を出力するため前記不確実性の数値化を前記モデル予測に結合するように構成された論理モジュールを含む。
【0012】
ここで、本発明を、実施例のみの目的により以下の図面に記載されるような好ましい実施形態を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、物理システムの状態をモニタし、モデル化し、状態の判断を容易にするように構成されたコンピューティング・システムのもう1つの実施形態のブロック図である。
図2図2は、センサレベルで物理システムをモニタし、かつ状態の判断を容易にするように構成されたコンピューティング・システムのもう1つの実施形態のブロック図である。
図3図3は、センサ・ネットワーク・処理を使用する複雑な物理システムの状態をモデル化するためにデータ同化の側面を実行する方法の実施例のフローチャートである。
図4図4は、データ同化分析を使用する複雑な物理システムの状態をモデル化するためのデータ同化の側面を実行する方法の実施形態のフローチャートである。
図5図5は、コアデータ同化を使用する複雑な物理システムの状態をモデル化するためのデータ同化の側面の方法の実施形態のフローチャートである。
図6図6は、本実施形態によるコンピューティング・システムのブロック図である。
図7図7は、さらに1つの実施形態による図6のサーバといったサーバを示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
システムの実施形態は、システムの予測的分析を実行するため、数値モデルで利用可能な観測値を最適に結合するデータ同化を使用する。システムは、センサの進歩した能力を可能とすることによって予測的データ同化フレームワーク内にセンサを統合する。システムの実施形態は、湖内の流体システムといった複雑な物理システムのモニタ及び管理のために使用されるノイズがあり、かつ冗長的なセンサ観測値を、予測的システムに自動的に統合することができる。
【0015】
関連する方法は、物理システムの校正されたモデルを使用して物理システムの状態を出力することができる。校正されたモデルは、モデル予測を生成するために使用することができる。システムは、ルーチングするノードに接続された、物理システムの測定されたデータをモニタするための複数のセンサを含む。複数のセンサの内の第1のセンサは、不確実性の数値化を判断し、かつモデル予測に不確実性の数値化を結合して、物理システムの状態を出力するように構成された論理モジュールを含む。
【0016】
従来のデータ同化とは異なり、システムは、より良いデータ同化方法を生成するためのローカル及びエッジ(センサ上で)分析の結合を含むことができる。エッジ分析は、センサの不確実性及びモデル推定に対する測定に付された重みを評価するために使用することができる。
【0017】
特定の実施形態のシステムは、センサによる純粋なデータ収集とオンライン予測モデリングとの間のギャップを埋めることができる。予測的モデリングは、複雑な物理システムの管理における意思決定のサポートに向けられることができる。システムは、データ同化フレームワーク内で統合されたセンサ及び予測的モデルを含むことができる。
【0018】
本システムの実施形態は、生センサデータ及びデータ・フィルタリング処理の知識を使用して、リアルタイムで測定データの不確実性を高精度に推定することができる。このシステムは、訂正されたモデル予測の精度に基づいて生データのフィルタリング処理で修正される可能性のあるセンサ及びパラメータを識別することができる。システムの自動的な校正メカニズムは、センサレベルでデータのフィルタリング処理のタイプ及びパラメータを最適化するため、コア分析レベルでデータ同化フレームワークからのフィードバックを使用することができる。
【0019】
システムの実施形態は、複雑な物理システム(例えば、ハリケーン、湖水システム、又は森林領域)の状態をモデル化することを可能とする。システムは、物理システムの校正された対となったモデルを使用することができる(例えば、天気、流体力学、又は降水モデル)。システムは、センサ・ネットワーク、ローカルデータ同化分析、及びコアデータ同化分析を含むことができる。
【0020】
実施形態のセンサ・ネットワークは、1つ又はそれ以上のルーティング・ノードを通してシステムに接続された複数のセンサを含むことができる。センサは、データ取得、ストリーム・データのフィルタリング、及びクラウド、又は中央データ・ウェアハウスへとデータの通信を実行するように構成することができる。特に、センサは、追加的に不確実性の数値化を実行するように構成することができ、かつリアルタイムで報告することができる。センサは、また、システム・フィードバックを使用して、フィルタ・メカニズムのタイプ選択及びパラメータ設定を自動的に実行することができる。センサは、また、システム・フィードバックに使用するフィルタ・メカニズムのタイプ選択及びパラメータ設定を自動的に実行することができる。センサは、ストリーム・データのフィルタ・タイプの広範な範囲を使用することができる。
【0021】
ローカルデータ同化分析は、ゲートウェイ、メッセージング・インタフェース、及びセンサデータ・ストレージといったエッジ・アーキテクチャのコンポーネントを含むことができる。特に、データ同化分析は、最適化及びそうでなければチューニングの責任をセンサレベルで担うことができる。
【0022】
コアデータ同化分析は、同化されることができるセンサ観測値を含むことができる。例えば、センサ観測値は、センサレベルでの不確実性についての情報を使用して、モデル予測に結合することができる。不確実性の推定は、モデル性能、又は事後的なデータ同化分析の結果にしたがって動的に使用することができる。
【0023】
センサレベルでのパラメータは、ストリーム・データのフィルタリング処理に関連することができる。コアデータ分析レベルでのパラメータは、利用できる測定値を同化することにおいて使用される、共分散計算に関連することができる。ヒューリスティックな処理は、両方のレベルでパラメータをチューンするために使用することができる。
【0024】
システムは、ルーティング・ノードを通した物理システムに接続された複数のセンサに加えて、物理システムに関連する校正され、対となったモデル(例えば流体力学、降水、天気)を含むことができる。複数のセンサの第1のセンサは、不確実性の数値化を判断するように構成することができる。不確実性の数値化は、リアルタイムで報告することができる。システムは、センサレベルでの不確実性についての情報を使用してセンサの観測値とモデル予測とを結合することができる。
【0025】
システムの実施形態は、物理センシング、モデリング、及びデータ同化を知能的に同化する目的のためセンサレベルで進歩した分析能力を可能とすることができる。これらのシステムは、データ同化フレームワークでのデータ処理と同期したセンササイドでの観測値処理を実行することができる。データ処理は、センサ測定値に対する単純なフィルタリングを超える処理を含むことができる。例えば、センサでのデータ処理は、同期化されたフィルタリング及びデータ同化を含むことができる。システムは、データ同化フレームワークによりガイドされたセンササイドでの品質制御を可能とすることができる。1つ又はそれ以上のセンサは、信号の品質の診断を実行するように構成することができる。センサの実施形態は、データ同化フレームワークからのフィードバックにしたがった適応的なセンサ・ポーリングに加え、ノイズ特性の測定を実行することができる。センサは、さらにセンサメッシュ・ネットワークを改善するように指向された診断を提供することができる。
【0026】
データ・フィルタリングは、ノイズ削減の目的でセンサレベルでのデータ処理を含むことができる。データ・フィルタリングの例示的な実施形態は、ローパス・フィルタを使用することを含むことができる。
【0027】
データ同化は、物理システムのセンサからの観測値を使用して対象の物理システムの数値モデルの予測を訂正するプロセスを含むことができる。ローカルセンサのデータ同化分析は、センサ(例えば、エッジ、又はゲートウェイ)レベルに配置された分析を含み、コアデータの同化分析レベルでの予測精度からのフィードバックを使用してパラメータのチューニングによって生データ・ストリーム・フィルタリング処理を最適化する。
【0028】
エッジ・ゲートウェイは、センサデータのトラフィックを舵取りするばかりではなく、データの格納及びデータに作用することができるコンポーネントを含むことができる。実施形態の動作は、ローカルデータ同化分析を通して実行することができる。コアデータの同化分析は、センサデータ及びメタデータをモデル予測に結合して、モデルの結果を改善することができる。コアデータの同化分析は、また、リアルタイムでフィルタされたセンサデータを使用することに加えてリアルタイムにフィルタされたセンサデータの不確実性を考慮して、データ同化処理を改善することができる。
【0029】
1つの特定の実装においては、データ同化システムは、湖にわたって配置されたセンサゾンデのネットワークを含むことができる。センサゾンデは、ローカル及びコア分析に統合することができる。実施形態のゾンデはそれぞれ、いくつかの環境的なパラメータを周期的にかつ、一定レートで取得する。生成されたデータのストリームは、ゾンデレベルでフィルタされて、ノイズを低減することができる。ゾンデセンサ・データの正確な測定値及び不確実性に関する情報は、リアルタイムでゾンデセンサにより提供することができる。データ同化システムは、モデル予測を改善することを指向してデータ及び不確実性を同化するため、センサレベルで最良の可能な情報を取得するように、フィルタリング処理をチューンすることができる。
【0030】
上述の実施例を続けると、所与の変数について(例えば、温度)、センサは、高サンプリング周波数(例えば4Hz)で生データのストリームを収集することができる。生データの測定は、ローカルな環境条件のため相対的にノイジーである可能性がある。センサは、生データの前処理のためのフィルタ・ライブラリを搭載することができる。
【0031】
フィルタされたデータポイント(例えば、移動平均フィルタの出力)は、関連する時間及び時間間隔を含む。フィルタは、ローリング・ウィンドウ(rolling window)の長さを含むパラメータを有することができる。報告された測定値の不確実性は、フィルタリング処理の間に推定することができる。フィルタの如何なる他のタイプ(例えば、適応的フィルタ)及びフィルタ・パラメータは、異なる前処理されたペアを生成することができる。
【0032】
この特徴は、この不確実性を報告せず、また異なるフィルタ(及びそのパラメータ)を選択するためのフィードバックも受信しない従来のセンサとは対照的である。不確実性は、フィルタ・パラメータに大きく影響を受け、かつ時間とともに変化する。パラメータは、コアデータ同化分析からのフィードバックを使用して連続的にチューンすることができる。
【0033】
フィールドの測定は、事前定義された空間的・時間的分解能で、湖の物理モデルにマップすることができる。
【0034】
計算及びアップデートは、測定値及びモデルについての測定値共分散マトリックスを含む。計算処理は、リアルタイムの不確実性の推定を使用する。同化処理は、データ及びデータの不確実性、モデル予測、モデリングの不確実性及び共分散推定の最適的な結合を含むことができる。データ同化分析の出力は、モデル精度を改善することに関連して評価することができる。
【0035】
システムの実施形態の最適化処理は、状態の誤差共分散計算(例えば、測定値の不確実性)のパラメータの調整によって、コアデータの同化レベルでパラメータをチューンすることができる。もう1つの、又は同一の実施形態は、データ・フィルタリングのパラメータをチューンするようにフィードバックを提供することにより、ローカルデータ同化レベルでパラメータをチューンすることができる。モデリング・システムは、データ同化を使用して、物理システムの予測的分析を実行するために利用可能な観測値を数値モデルに最適的に結合することができる。関連する方法は、物理システムの校正されたモデルを使用して物理システムの状態を出力することができ、ここで、校正されたモデルは、モデル予測を生成するために使用される。システムは、ルーティング・ノードに接続された複数のセンサを含み、これらのセンサは、物理システムの測定されたデータをモニタするために使用される。システムは、センサの進歩した能力をイネーブルすることにより、予測的データ同化フレームワーク内にセンサを統合することができる。少なくとも1つのセンサは、測定されたデータに関連する不確実性の数値化を判断すると共に、不確実性の数値化をモデル予測に結合するように構成された論理モジュールを含み、物理システムの状態を出力する。システムの実施形態は、ノイジーで、冗長的なセンサの観測値を、複雑な物理システムをモニタし、管理するために使用される予測的システムに自動的に統合する。
【0036】
図1は、複雑な物理システムの状態をモデル化するために構成されたシステム100の実施形態のブロック図である。システムは、複数のセンサ108を含むセンサ・ネットワーク102、ローカルデータ同化分析104、及びコアデータ同化分析106を含む(破線の境界線により示される)。物理システムは、他の中でも地理的領域、水力システム、重力システム、熱システム、及び風力システムといった物理システムに存在するような自然の力を含むことができる。
【0037】
実施形態のセンサ・ネットワーク102は、1つ又はそれ以上のルーティング・ノード112を通してシステム100に接続された複数のセンサ108を含む。センサ108は、データ取得、ストリーム・データのフィルタリング、及びクラウド、又は中央データ・ウェアハウスへのデータ送信を実行するように構成することができる。センサ108は、追加的に不確実性の数値化を実行するように構成することができると共に、リアルタイムで結果を報告することができる。センサ108は、ローカル及びコアデータ同化分析からフィードバックの取得を実行することができる。センサ108はまた、システム・フィードバックを使用してフィルタリング・メカニズムのタイプ選択及びパラメータ設定を自動的に実行することができる。センサ108は、広い範囲のストリーム・データのフィルタ・タイプを使用することができる。
【0038】
操作においては、センサ・ネットワーク102は、一定のレートで環境データを取得する物理センサ108-111を含む処理を実行することができる。センサ108(又はセンサ108と通信するプロセッサにおいて)において実行されるフィルタリング・アルゴリズムは、データ・ストリームを処理して、履歴データベース118内に格納されるデータを生成することができる。フィルタリング・アルゴリズムのタイプ及びフィルタリングのパラメータは、コア及びローカルデータ同化分析104、106のレベルで自動的に最適化することができると共に、センサ・ネットワーク102のレベルでそれに応じて設定することができる。センサ108は、フィルタリング処理の間に、自動分析に基づいて測定値の不確実性(例えば、測定値の精度)をモニタし、かつフィードバックを提供することができる。
【0039】
ローカルデータ同化分析104は、ゲートウェイ、メッセージング・インタフェース、及びセンサデータ・ストレージといったエッジ・アーキテクチャのコンポーネントを含むことができる。ローカルデータ同化分析104は、センサレベルでのフィルタリング処理の最適化、及びそうでなければチューニングの責任を持つことができる。図1に示されるように、ローカルデータ同化分析104は、エッジ・ゲートウェイ・モジュール114、センサメッセージング・インタフェース116、センサデータ・ストレージ118及びデータ同化分析モジュール120を含む。
【0040】
フィルタされたセンサデータは、エッジ・ゲートウェイ・モジュール114に受信され、かつ関連するメタデータと結合されて、フィルタされた測定値、不確実性の特徴、及びフィルタリング処理に関する情報を提供することができる。データは、センサメッセージング・インタフェース116を介してデータ同化分析モジュール120へとルートすることができる。データ同化分析モジュール120でのローカル、又はエッジ分析は、コアデータ同化分析レベルにおける予測精度からのフィードバックを使用するパラメータのチューニングを介して、フィルタリング処理を最適化することができる。
【0041】
コアデータ同化分析106は、同化される可能性のあるセンサ観測値を含むことができる。例えば、センサ観測値は、センサレベルでの不確実性についての情報を使用するモデル予測と結合することができる。不確実性の推定は、モデル性能にしたがって、又はデータ同化分析の後に動的に使用することができる。
【0042】
センサレベルでのパラメータは、ストリーム・データのフィルタリング処理に関連することができる。コアデータ分析レベルでのパラメータは、利用できる測定値の同化時において使用される共分散計算に関連することができる。ヒューリスティックな処理は、両方のレベルでパラメータをチューンするために使用することができる。
【0043】
図1の実施形態に示すように、コアデータ同化分析106は、観測値処理モジュール122、データ同化モジュール124、物理モデル・モジュール126、強制・境界条件モジュール128、改善モデル結果モジュール130、及びデータ同化最適化モジュール132を含む。
【0044】
物理モデル・モジュール126は、複雑な物理システム(例えば、湖システム)の状態をモデル化することができる。例えば流体力学、降水、又は天気のモデル、又はこれらの組み合わせ)。
【0045】
データ同化モジュール124は、履歴及びリアルタイムのセンサデータを、ローカルデータ同化分析104のセンサデータ・ストレージ118から受信する。センサデータは、フィルタ化され、かつその不確実性の識別値を含むことができる。データ同化モジュール124は、追加的にモデル予測を含むことができる。モデル予測は、物理モデル・モジュール126及び強制・境界条件モジュール128によって提供されることができる。
【0046】
観測値処理モジュール122は、データ同化モジュール124へと、フィルタされた観測値及び観測誤差に関する情報を提供することができる。データ同化モジュール124は、観測値処理モジュール122へと、データ同化フィードバックを提供することができる。
【0047】
データ同化モジュール124は、物理モデル・モジュール126へと、最適に結合された観測値及びモデル結果を提供することができる。物理モデル・モジュール126は、データ同化モジュール124へと、モデル結果及びモデリング誤差を戻すことができる。
【0048】
データ同化モジュール124は、センサデータ及びメタデータをモデル予測に結合して、モデル結果を改善することができる。データ同化モジュール124は、データ同化パラメータをチューニングすることにより、及びフィルタリング/不確実性推定処理をチューニングするためにフィードバックを提供することにより、結果を最適化することができる。
【0049】
図2は、物理システムをモニタし、かつ状態の判断を容易にするように構成されたコンピューティング・システム200のもう1つの実施形態のブロック図である。図2に示されたすべて、又はいくつかのモジュールは、センサ202を含むセンサレベルに存在し、かつ実行されることができる。そのようにして、システム200のセンサ202は、追加的なセンサ204、コアデータ同化分析206のレベル、及びローカルデータ同化分析208のレベルに結合されるか、又はそうでなければ通信することができる。例えば、センサ・モジュール202は、直接的に、又は複数のノード210を介して接続することができる。
【0050】
センサ・モジュール202、又はセンサは、プロセッサ212、インタフェース214、及びメモリ216を含むことができる。図2のシステム200の実施形態においては、メモリ216は、格納され、かつリアルタイムの環境データ218、フィルタリング・アルゴリズム・モジュール220、及び分析において使用するためのパラメータ222を含むことができる。メモリ216は、追加的にデータストリーム・データ224、履歴データ226、不確実性測定モジュール228、分析モジュール230、リアルタイム・フィードバック・モジュール232、及びモニタリング・モジュール234を含むことができる。
【0051】
システム200は、物理センサ202、204が一定レートで環境データ218を取得することを含む処理を実行することができる。センサ202、204で実行されるフィルタリング・アルゴリズム220は、データ・ストリームを処理して、履歴データベース226に格納されるデータを生成する。フィルタリングのフィルタリング・アルゴリズム220のタイプ及びパラメータ222は、コア及びローカルデータ同化分析206、208のレベルで自動的に最適化され、かつセンサレベルでそれに応じて設定されることができる。センサ202、204は、モニタを行い、フィルタリング処理の間、自動分析に基づいて測定値の不確実性についてのフィードバックを提供することができる。
【0052】
図3~5は、システムの実施形態に一致する方法におけるデータ同化の側面を実行する方法300、400、500の実施形態を示すフローチャートである。方法は、図1の例示的システム100といったシステムにより実行されて、センサ・ネットワーク処理、ローカルデータ同化分析及びコアデータ同化分析を使用して複雑な物理システムの状態をモデル化する。
【0053】
転じて図3のフローチャートのセンサ・ネットワーク処理についてより具体的には、センサ・ネットワーク102は、302において、物理センサ108~111が一定レートで環境データを問い合わせることを含む処理を実行することができる。センサ108~111(又はセンサ108~111と通信するプロセッサ)で実行されるフィルタリング・アルゴリズムは、304において、データ・ストリームを処理して、履歴データベース118に格納されるデータを生成する。
【0054】
306で、フィルタリングのフィルタ・アルゴリズムのタイプ及びパラメータがコア及びローカルデータ同化分析104、106のレベルで自動的に最適化されることができ、かつセンサ108のレベルでそれに応じて設定されることができる。センサ108~111は、308において、フィルタリング・プロセスの間に自動分析に基づいて測定値の不確実性(例えば、測定値の精度)についてモニタし、かつフィードバックを提供することができる。
【0055】
転じて図4に示す方法400の実施形態のセンサ・ネットワーク処理についてより具体的には、フィルタされたセンサデータは、402においてエッジ・ゲートウェイ・モジュールで受信され、404において関連するメタデータと結合されて、フィルタされた測定位置、不確実性の特徴、及びフィルタリング処理についての情報を生成することができる。
【0056】
データは、406においてセンサメッセージング・インタフェース116を介してデータ同化分析モジュール120へとルートすることができる。データ同化分析モジュール120のローカル、又はエッジ分析は、コアデータ同化分析レベルでの予測精度からのフィードバックを使用してパラメータ408をチューニングすることを通してフィルタリング処理を最適化することができる。
【0057】
転じて図5のコアデータ同化分析処理についてより具体的には、データ同化モジュール124は、502において、ローカルデータ同化分析104のセンサデータ・ストレージ118から履歴及びリアルタイムのセンサデータを受信する。センサデータは、504においてフィルタされ、かつその不確実性の識別値を含む。データ同化モジュール124は、506において追加的にモデル予測を受信することができる。モデル予測は、物理モデル・モジュール126及び強制・境界条件モジュール128によって提供されることができる。
【0058】
データ同化モジュール124は、508において、センサデータ及びメタデータを結合して、モデル結果を改善することができる。データ同化モジュール124は、510でデータ同化パラメータをチューニングすることにより、及び512でフィルタリング/不確実性推定の処理のチューニングのためのフィードバックを提供することにより、結果を最適化することができる(例えばセンサレベルで提供される。)。
【0059】
図6は、1つの実施形態による、ネットワーク化環境を使用して実現されるようなもう1つの実施例のコンピューティング・システムを示す。図示されるように、コンピューティング環境600は、クライアント・コンピュータ605、ウェブ・サーバ610、サーバ615、アプリケーション616、及びアプリケーション・サーバ620を含む。クライアント・コンピュータ605は、物理システム(例えばデスクトップ、ラップトップ・コンピュータ、モバイル・デバイスなど)、又はクラウド内で実行される仮想コンピューティング・インスタンスとすることができる。クライアント・コンピュータ605は、ウェブ・ブラウザ607を含む。ユーザは、ネットワーク625(例えば、インターネット)越しにウェブ・ブラウザ607を通してデータ・サービスにアクセスすることができる。
【0060】
例えば、ユーザがウェブ・ブラウザ607を実行するウェブ・サービス612にアクセスすることができる。1つの実施形態においては、ウェブ・サービス612は、アプリケーション・サーバ620(例えば、アプリケーション・サービス622を実行する。)のためのウェブ・インタフェースを提供する。より具体的には、アプリケーション・サービス622は、データベース624を提供する。データベース624は、ウェブ・ブラウザ607上でユーザに対して提示されるデータを含むことができる。
【0061】
図7は、さらに、1つの実施形態による図6のサーバ615といったサーバ715を示す。サーバ715は、一般にバスを介してメモリ706、ネットワーク・インタフェース・デバイス718、ストレージ708、入力デバイス721、及び出力デバイス724に接続されたプロセッサ704を含む。サーバ715は、一般に、オペレーティング・システムの制御の下にある。オペレーティング・システムの実施例は、UNIX(登録商標)オペレーティング・システム、Microsoft(登録商標) Windows(登録商標)オペレーティング・システムの複数のバージョン、Linux(登録商標)オペレーティング・システムの配布版(UNIXは、合衆国及び他の国のOpen Groupの登録商標である。)。Microsoft及びWindowsは、合衆国、他の国、又は両方におけるMicrosoft・コーポレイションの商標である。Linuxは、合衆国、他の国、又は両方におけるLinus Torvaldsの登録商標である。)。より一般的には、本明細書で開示される機能をサポートする如何なるオペレーティング・システムを使用することができる。プロセッサ704は、単一のCPU、多数のCPUs、多数の処理コアを有する単一のCPUなどを代表するものを含む。同様に、メモリ706は、ランダム・アクセス・メモリとすることができる。メモリ706は、単一のものとして示されているが、これは、メモリ706が複数のモジュールを含むことができ、かつメモリ706は、高速レジスタ及びキャッシュから、低速だがより大きなDRAMチップまでの多数のレベルで存在することができるものとして理解されるべきである。ネットワーク・インタフェース・デバイス718は、ナビゲーション・サーバ710がネットワーク525を介して他のコンピュータと通信することを許容する如何なるタイプネットワーク通信デバイスとすることができる。
【0062】
ストレージ708は、持続性ストレージ・デバイスとすることができる。ストレージ708は、単一のユニットとして示されているが、ストレージ708は、固定ディスク・ドライブ、ソリッド・ステート・ドライブ、取り外し可能なメモリカード、光学的ストレージ、及びネットワーク・ストレージ・システムといった、固定、又は取り外し可能、又はこれら両方のストレージ・デバイスの組み合わせとすることができる。
【0063】
示されるように、メモリ706は、アプリケーション717を含み、これは、一般に本明細書に記載された動作を取るように実行されるアプリケーションとすることができる。ストレージ708は、アルゴリズム714、フィルタされた測定値717、及び不確実性の特性719を含む。
【0064】
入力デバイス721は、キーボード、又はマウス、又はこれらの組み合わせなどを提供することができる。出力デバイス724は、如何なる従来のディスプレイ・スクリーンとすることができる。入力デバイス721から分離されて示されているが、出力デバイス724及び入力デバイス721は、結合されることができる。例えば、一体となったタッチ・スクリーンを有するディスプレイ・スクリーンを使用することができる。
【0065】
本発明の種々の実施形態の説明を例示的な目的のために提示してきたが、開示された実施形態に尽きるとか、限定されるとかを意図するものではない。多くの修正及び変形は、開示された実施形態の範囲から逸脱することなしに当業者により明らかであろう。本明細書で使用した用語は、実施形態の原理、実用上の用途、又は市場において見出される技術を超えた技術的改良を最良に説明し、又は他の当業者が明細書に記載された実施形態を理解することを可能とするために選択された。
【0066】
以下において、本開示に提示された実施例について参照する。しかしながら、本開示の葉には、特定の記載された実施形態に限定されない。その代り、以下の特徴及び要素の如何なる組み合わせが、異なる実施形態に関連するか、又はしないかによらず、想定される実施形態を実装し、かつ実施するために想定される。さらに、本明細書で開示された実施形態は、可能なソリューションを超え、又は従来技術を超える効果を達成することができるが、特定の効果が所与の実施形態により達成されるか否かは、本開示の範囲を限定しない。したがって、後述する側面、特徴、実施形態、及び効果は、単に例示的なものであり、かつ請求項(複数)に明示的に列挙されていること以外に、添付される請求項の要素、又は限定と考えられることはない。同様に、“本発明”についての参照は、本明細書で開示された如何なる発明的主題の一般化として捉えられるべきではなく、かつかつ請求項(複数)に明示的に列挙されていること以外に添付される請求項の要素、又は限定と考えられることはない。
【0067】
本発明の側面は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、滞在型ソフトウェア、マイクロ・コードなど)、又はすべて一般に本明細書で、“回路”、“モジュール”、又は“システム”として参照される、ソフトウェア及びハードウェアの側面を結合した実施形態の形態を取ることができる。
【0068】
本発明の開示は、システム、方法、又はコンピュータ・プログラム製品、又はそれらの組み合わせとすることができる。コンピュータ・プログラム製品は、それ上に、プロセッサに対して本開示の特徴を遂行させるためのコンピュータ可読なプログラム命令を有する、コンピュータ可読な記録媒体(又は複数の媒体)を含む。
【0069】
コンピュータ可読な記録媒体は、命令実行デバイスが使用するための複数の命令を保持し格納することができる有形のデバイスとすることができる。コンピュータ可読な媒体は、例えば、これらに限定されないが、電気的記録デバイス、磁気的記録デバイス、光学的記録デバイス、電気磁気的記録デバイス、半導体記録デバイス又はこれらのいかなる好ましい組み合わせとすることができる。コンピュータ可読な記録媒体のより具体的な実施例のこれらに尽きないリストは、次のポータブル・コンピュータ・ディスク、ハードディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リード・オンリー・メモリ(ROM)、消去可能なプログラマブル・リード・オンリー・メモリ(EPROM又はフラッシュ・メモリ(登録商標))、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)、ポータブル・コンパクト・ディスク・リード・イオンリー・メモリ(CD-ROM)、デジタル多目的ディスク(DVD)、メモリ・スティック、フロッピー・ディスク(登録商標)、パンチ・カード又は命令を記録した溝内に突出する構造を有する機械的にエンコードされたデバイス、及びこれらの好ましい如何なる組合せを含む。本明細書で使用するように、コンピュータ可読な記録媒体は、ラジオ波又は他の自由に伝搬する電磁波、導波路又は他の通信媒体(例えば、光ファイバ・ケーブルを通過する光パルス)といった電磁波、又はワイヤを通して通信される電気信号といったそれ自体が一時的な信号として解釈されることはない。
【0070】
本明細書において説明されるコンピュータ・プログラム命令は、コンピュータ可読な記録媒体からそれぞれのコンピューティング/プロセッシング・デバイスにダウンロードでき、又は例えばインターネット、ローカル・エリア・ネットワーク、ワイド・エリア・ネットワーク又はワイヤレス・ネットワーク及びそれからの組み合わせといったネットワークを介して外部コンピュータ又は外部記録デバイスにダウンロードすることができる。ネットワークは、銅通信ケーブル、光通信ファイバ、ワイヤレス通信、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイ・コンピュータ及びエッジ・サーバ又はこれらの組み合わせを含むことができる。それぞれのコンピューティング/プロセッシング・デバイスにおけるネットワーク・アダプタ・カード又はネットワーク・インタフェースは、ネットワークからコンピュータ可読なプログラム命令を受信し、このコンピュータ可読なプログラム命令を格納するためにそれぞれのコンピューティング/プロセッシング・デバイス内のコンピュータ可読な記録媒体内に転送する。
【0071】
本発明の操作を遂行するためのコンピュータ可読なプログラム命令は、アセンブラ命令、命令セット・アーキテクチャ(ISA)命令、機械語命令、マシン依存命令、マイクロ・コード、ファームウェア命令、状態設定データ、集積回路のための構成データ、又は1つ又はそれ以上の、Smalltalk(登録商標)、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、“C”プログラミング言語又は類似のプログラム言語といった手続き型プログラミング言語を含むプログラミング言語のいかなる組合せにおいて記述されたソース・コード又はオブジェクト・コードのいずれかとすることができる。コンピュータ可読なプログラム命令は、全体がユーザ・コンピュータ上で、部分的にユーザ・コンピュータ上でスタンドアローン・ソフトウェア・パッケージとして、部分的にユーザ・コンピュータ上で、かつ部分的にリモート・コンピュータ上で、又は全体がリモート・コンピュータ又はサーバ上で実行することができる。後者のシナリオにおいて、リモート・コンピュータは、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)を含むいかなるタイプのネットワークを通してユーザ・コンピュータに接続することができ、又は接続は、外部コンピュータ(例えばインターネット・サービス・プロバイダを通じて)へと行うことができる。いくつかの実施形態では、例えばプログラマブル論理回路、フィールド・プログラマブル・ゲートアレイ(FPGA)、又はプログラマブル論理アレイ(PLA)を含む電気回路がコンピュータ可読なプログラム命令を、コンピュータ可読なプログラム命令の状態情報を使用して、本発明の特徴を実行するために電気回路をパーソナライズして実行することができる。
【0072】
本明細書で説明した本発明の側面を、本発明の実施形態にしたがい、フローチャート命令及び方法のブロック図、又はそれらの両方、装置(システム)、及びコンピュータ可読な記録媒体及びコンピュータ・プログラムを参照して説明した。フローチャートの図示及びブロック図又はそれら両方及びフローチャートの図示におけるブロック及びブロック図、又はそれらの両方のいかなる組合せでもコンピュータ可読なプログラム命令により実装することができることを理解されたい。
【0073】
コンピュータ可読なプログラム命令は、汎用目的のコンピュータ、特定目的のコンピュータ、または他のプロセッサ又は機械を生成するための他のプログラマブル・データ・プロセッシング装置に提供することができ、コンピュータのプロセッサ又は他のプログラマブル・データ・プロセッシング装置による実行がフローチャート及びブロック図のブロック又は複数のブロック又はこれらの組み合わせで特定される機能/動作を実装するための手段を生成する。コンピュータ、プログラマブル・データ・プロセッシング装置及び他の装置又はこれらの組み合わせが特定の仕方で機能するように指令するこれらのコンピュータ可読なプログラム命令は、またコンピュータ可読な記録媒体に格納することができ、その内に命令を格納したコンピュータ可読な記録媒体は、フローチャート及びブロック図のブロック又は複数のブロック又はこれらの組み合わせで特定される機能/動作の特徴を実装する命令を含む製造品を構成する。
【0074】
コンピュータ可読なプログラム命令は、またコンピュータ、他のプログラマブル・データ・プロセッシング装置、又は他のデバイス上にロードされ、コンピュータ、他のプログラマブル装置、又は他のデバイス上で操作ステップのシリーズに対してコンピュータ実装プロセスを生じさせることで、コンピュータ、他のプログラマブル装置又は他のデバイス上でフローチャート及びブロック図のブロック又は複数のブロック又はこれらの組み合わせで特定される機能/動作を実装させる。
【0075】
図のフローチャート及びブロック図は、本発明の種々の実施形態にしたがったシステム、方法及びコンピュータ・プログラムのアーキテクチャ、機能、及び可能な実装操作を示す。この観点において、フローチャート又はブロック図は、モジュール、セグメント又は命令の部分を表すことかでき、これらは、特定の論理的機能(又は複数の機能)を実装するための1つ又はそれ以上の実行可能な命令を含む。いくつかの代替的な実装においては、ブロックにおいて記述された機能は、図示した以外で実行することができる。例えば、連続して示された2つのブロックは、含まれる機能に応じて、実質的に同時的に実行されることができ、又ブロックは、部分的又は完全に一時的に重ね合わされた仕方で実行することができ、又は複数のブロックは、時として逆の順番で実行することができる。またブロック図及びフローチャートの図示、又はこれらの両方及びブロック図中のブロック及びフローチャートの図示又はこれらの組み合わせは、特定の機能又は動作を実行するか又は特定の目的のハードウェア及びコンピュータ命令を遂行する特定目的のハードウェアに基づいたシステムにより実装することができることを指摘する。
【0076】
本発明の実施形態は、クラウド・コンピューティング・インフラ基盤を通してエンド・ユーザに提供することができる。クラウド・コンピューティングは、一般にネットワーク越しにサービスとして、スケーラブルなコンピューティング・リソースの提供を参照する。より形式的には、クラウド・コンピューティングは、コンピューティング・リソースと、その底流の技術的アーキテクチャ(例えば、サーバ、ストレージ、ネットワーク)との間の抽象化を提供するコンピューティング能力として定義することができ、最小限の管理労力又はサービス提供者との交流をもって、迅速に提供及び開放構成可能なコンピューティング資源の構成可能な共有プールへとアクセスする、利便性のあるオンデマンドの、ネットワーク・アクセスを可能とする。したがって、クラウド・コンピューティングは、コンピューティング・リソースを提供するために使用される、底流にある物理的システム(又はこれらのシステムのロケーション)について考慮すること無しに、ユーザが“クラウド”内の仮想コンピューティング・リソース(例えば、ストレージ、データ、アプリケーション、及び完全に仮想化されたコンピューティング・システムでさえ)にアクセスすることを許容する。
【0077】
典型的には、クラウド・コンピューティング・リソースは、使用当たりの課金をユーザに対して提供し、そこでは、ユーザは、実際に使用されたコンピューティング・リソースについてのみ課金される(例えば、ユーザが使用したストレージ空間の量、又はユーザにより使用され、インスタンス化された仮想化システムの数)。ユーザは、クラウド内に滞在する資源の如何なるものにでもいつでも、かつどこからでもインターネットを横断してアクセスすることができる。本実施形態のコンテキストにおいては、ユーザは、アプリケーション(例えば、閾値調整アルゴリズム)、又はクラウド内で利用可能な関連するデータにアクセスすることができる。例えば、図1のモジュールは、クラウド内のコンピューティング・システム上で実行することができる。そのような場合、閾値調整アルゴリズムは、応答の閾値を調整し、かつ新たな値をクラウド内のストレージ・ロケーションに格納することができる。そのようにすることは、ユーザがクラウド(例えばインターネット)に接続されたネットワークに接続された如何なるコンピューティング・システムからの情報にでもアクセスすることを許容する。
【0078】
上述のものは、本発明の実施形態に向けられているが、本発明の他の及びさらなる実施形態は、その基本的範囲から逸脱することなく工夫することができる。いくつかの一定の実施形態は、会話言語システムに適用されるが、請求項は、会話言語インタフェースに限定、又は等しいものに限定されることはない。1つの実施例においては、方法の実施形態は、会話法に関連しない可能性がある。その範囲は、したがって、後述する請求項により決定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7