(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-07
(45)【発行日】2025-01-16
(54)【発明の名称】ズームレンズおよび撮像装置
(51)【国際特許分類】
G02B 15/16 20060101AFI20250108BHJP
G02B 13/18 20060101ALN20250108BHJP
【FI】
G02B15/16
G02B13/18
(21)【出願番号】P 2020090610
(22)【出願日】2020-05-25
【審査請求日】2023-04-27
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110412
【氏名又は名称】藤元 亮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100104628
【氏名又は名称】水本 敦也
(74)【代理人】
【識別番号】100121614
【氏名又は名称】平山 倫也
(72)【発明者】
【氏名】小平 正和
【審査官】瀬戸 息吹
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-198934(JP,A)
【文献】特開昭61-087117(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0117529(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00 - 17/08
G02B 21/02 - 21/04
G02B 25/00 - 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から像側へ順に配された、負の第1レンズ群と、正の第2レンズ群からなり、前記第1レンズ群と第2レンズ群とが互いの間隔が変化するようにズーミングのために移動するズームレンズであって、
前記ズームレンズは、負のプラスチックレンズを含み、
前記第1レンズ群は、2つのレンズを含み、
前記第2レンズ群は、正のプラスチックレンズを含み、
前記第1レンズ群より像側に、前記第2レンズ群と一体で移動する開口絞りを有し、
前記正のプラスチックレンズのd線に対する屈折率をNd、前記正のプラスチックレンズのd線を基準とするアッベ数をνd、前記ズームレンズの広角端での焦点距離をfw、前記第1レンズ群の焦点距離をf1、前記第2レンズ群の焦点距離をf2として、
Nd≦-0.0065νd+1.8180
1.50≦|f1/fw|≦2.62
1.50≦f2/fw≦2.45
なる条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
【請求項2】
最大像高をY、広角端での前記ズームレンズの最も物体側のレンズ面から像面までの光軸上の距離をTLwとして、
4.0≦TLw/Y≦12.0
なる条件式を満足することを特徴とする請求項
1に記載のズームレンズ。
【請求項3】
前記第2レンズ群の焦点距離をf2として、
0.60≦|f1/f2|≦1.30
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1
または2に記載のズームレンズ。
【請求項4】
前記第2レンズ群に含まれる1または複数の前記正のプラスチックレンズの屈折力の合計をΣφp、前記第2レンズ群の屈折力をφ2として、
0<Σφp/φ2≦1.70
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1から
3のいずれか一項に記載のズームレンズ。
【請求項5】
前記ズームレンズに含まれる全てのプラスチックレンズの屈折力の合計をΣφa、前記第2レンズ群の屈折力をφ2として、
-1.30≦Σφa/φ2≦1.30
なる条件を満足することを特徴とする請求項1から
4のいずれか一項に記載のズームレンズ。
【請求項6】
前記第1レンズ群は、物体側から像側へ順に、負のプラスチックレンズと、正のレンズとを含み、
前記第2レンズ群は、物体側から像側へ順に、正のガラスレンズと、負のガラスレンズと、正のプラスチックレンズと、負のレンズとを含むことを特徴とする請求項1から
5のいずれか一項に記載のズームレンズ。
【請求項7】
物体側から像側へ順に配された、負の第1レンズ群と、正の第2レンズ群からなり、前記第1レンズ群と第2レンズ群とが互いの間隔が変化するようにズーミングのために移動するズームレンズであって、
前記第1レンズ群は、物体側から像側へ順に、負のプラスチックレンズと、正のレンズを含み、
前記第2レンズ群は、物体側から像側へ順に、正のガラスレンズと、負のガラスレンズと、正のプラスチックレンズと、負のレンズとを含み、
前記正のプラスチックレンズのd線に対する屈折率をNd、前記正のプラスチックレンズのd線を基準とするアッベ数をνd、前記ズームレンズの広角端での焦点距離をfw、前記第1レンズ群の焦点距離をf1、前記第2レンズ群の焦点距離をf2として、
Nd≦-0.0065νd+1.8180
1.50≦|f1/fw|≦2.62
1.50≦f2/fw≦2.45
なる条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載のズームレンズと、
該ズームレンズからの光を受光する撮像素子と、
を有することを特徴とする撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ズームレンズおよび撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
監視カメラ、デジタルスチルカメラおよびビデオカメラ等の撮像装置に用いられるズームレンズとして、小型のものが求められている。特許文献1には、物体側から像側へ順に負のレンズ群と正のレンズ群とで構成される2群ズームレンズが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のズームレンズは、軸上色収差の補正に改善の余地がある。本発明は、例えば、小型化と軸上色収差の補正の点で有利なズームレンズを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一側面としてのズームレンズは、物体側から像側へ順に配された、負の第1レンズ群と、正の第2レンズ群からなり、第1レンズ群と第2レンズ群とが互いの間隔が変化するようにズーミングのために移動するズームレンズである。該ズームレンズは負のプラスチックレンズを含み、第1レンズ群は2つのレンズを含み、第2レンズ群は正のプラスチックレンズを含み、前記第1レンズ群より像側に、前記第2レンズ群と一体で移動する開口絞りを有する。正のプラスチックレンズのd線に対する屈折率をNd、正のプラスチックレンズのd線を基準とするアッベ数をνd、ズームレンズの広角端での焦点距離をfw、第1レンズ群の焦点距離をf1、第2レンズ群の焦点距離をf2として、
Nd≦-0.0065νd+1.8180
1.50≦|f1/fw|≦2.62
1.50≦f2/fw≦2.45
なる条件式を満足する。なお、上記ズームレンズを備えた撮像装置も、本発明の他の一側面を構成する。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、例えば、小型化と軸上色収差の補正の点で有利なズームレンズを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施例1のズームレンズの広角端での断面図。
【
図2】実施例1のズームレンズの(A)広角端、(B)中間ズーム位置および(C)望遠端での収差図。
【
図3】実施例2のズームレンズの広角端での断面図。
【
図4】実施例2のズームレンズの(A)広角端、(B)中間ズーム位置および(C)望遠端での収差図。
【
図5】実施例3のズームレンズの広角端での断面図。
【
図6】実施例3のズームレンズの(A)広角端、(B)中間ズーム位置および(C)望遠端での収差図。
【
図7】実施例4のズームレンズの広角端での断面図。
【
図8】実施例4のズームレンズの(A)広角端、(B)中間ズーム位置および(C)望遠端での収差図。
【
図9】実施例5のズームレンズの広角端での断面図。
【
図10】実施例5のズームレンズの(A)広角端、(B)中間ズーム位置および(C)望遠端での収差図。
【
図11】実施例6のズームレンズの広角端での断面図。
【
図12】実施例6のズームレンズの(A)広角端、(B)中間ズーム位置および(C)望遠端での収差図。
【
図13】実施例1のズームレンズとドームカバーの断面図。
【
図14】実施例1のズームレンズと保護カバーの断面図。
【
図15】実施例1から6のいずれかのズームレンズを有する監視カメラを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。まず後述する実施例1~6に共通する事項について
図1を用いて説明する。
図1において、左側が物体側であり、右側が像側である。
【0009】
各実施例のズームレンズは、該ズームレンズにより形成される光学像を受光する固体撮像素子を有する撮像装置において撮像光学系として用いられる。撮像装置は、これをドームカバー等で覆って監視カメラとして使用されてもよい。
【0010】
各実施例のズームレンズは、物体側から像側へ順に、負の第1レンズ群L1と正の第2レンズ群L2とを有し、第1および第2レンズ群L1、L2がズーミングに際してこれらの間隔が変化するように光軸方向に互いに独立に移動する。レンズ群は、ズーミングまたはフォーカシングにおいての前後のレンズ群との間隔が変化する1又は複数のレンズのまとまりである。
【0011】
このように各実施例のズームレンズは、ネガティブリードタイプの2群構成のズームレンズであり、第1レンズ群L1の屈折力を負としつつ、第1および第2レンズ群L1、L2間の間隔を変化させてズーミングを行う広角化に好適な構成を有する。また各実施例のズームレンズは、像側の正レンズ群(第2レンズ群L2)を移動させて変倍を行わせ、変倍に伴う像面変動を物体側の負レンズ群(第1レンズ群L1)を移動させて補正する。可動レンズ群を2つのみとすることにより、ズームレンズの構造の簡略化が可能となり、小型化に有利である。第1レンズ群L1は、無限遠物体から近距離物体までのフォーカシングのためにも移動する。
【0012】
図1中の第1レンズ群L1の下の実線矢印と点線矢印はそれぞれ、無限遠物体と近距離物体に合焦しているときの広角端から望遠端へのズーミングにおける像面変動を補正するための第1レンズ群L1の移動軌跡である。また、矢印Fは、望遠端において無限遠物体から近距離物体へフォーカシングする際の第1レンズ群L1の移動軌跡を示している。なお、広角端と望遠端は、レンズ群がズームレンズの機構上、光軸方向に移動可能な範囲の両端に位置したときのズーム位置をいい、広角端は画角が最も広い状態を、望遠端は画角が最も狭い状態をいう。
【0013】
SPは開口絞りである。開口絞りSPは、第1レンズ群L1より像側、具体的には第1レンズ群L1と第2レンズ群L2との間、第2レンズ群L2における最も物体側または第2レンズ群L2の内部に配置されている。開口絞りSPは、ズーミングに際して第2レンズ群L2と一体で移動させてもよいし不動としてもよい。これによりズームレンズの構造を簡易化することができる。
【0014】
Gは光学フィルタ、フェースプレート等に相当する光学ブロックである。IPは像面である。像面IPには、CCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子(光電変換素子)の撮像面や銀塩フィルムのフィルム面が配置される。
【0015】
さらに各実施例のズームレンズは、以下の条件も満足する。これにより、小型でありながら低コストで軸上色収差が良好に補正可能なズームレンズとなっている。
まず各実施例のズームレンズは、少なくとも1つの負のプラスチックレンズを含み、第1レンズ群L1は少なくとも2つのレンズを含み、第2レンズ群L2は少なくとも1つの正のプラスチックレンズを含む。
【0016】
そして、正のプラスチックレンズのd線に対する屈折率をNd、該正のプラスチックレンズのd線を基準とするアッベ数をνd、ズームレンズの広角端での焦点距離をfw、第1レンズ群の焦点距離をf1とするとき、上記少なくとも1つの正のプラスチックレンズのうち少なくとも1つは、
Nd≦-0.0065νd+1.8180 (1)
1.50≦|f1/fw|≦2.62 (2)
なる条件を満足する。
【0017】
一般的な光学ガラスレンズのみを使用すると、軸上色収差の2次スペクトルが像側へプラスに残存するため、これを低減することが望まれる。これに対して、正レンズに部分分散比の高い硝材を使用して2次スペクトルをマイナス方向に発生させ、倍率色収差を打ち消すことでこれを低減する方法が知られている。この正レンズに光学ガラスレンズよりも部分分散比が高いプラスチックレンズを使用すると、軸上色収差の補正効果はより高くなる。各実施例では、このプラスチックレンズの特性を利用して軸上色収差を効果的に補正する。
【0018】
光学製品に使用可能で現在市場に提供されているプラスチック材料には、主としてアッベ数60~55とアッベ数40~20の2つの材料が多い。各実施例では、特にアッベ数40~20のプラスチック材料では、光学ガラスに対して部分分散比が高くなっており、その特性を利用することで軸上色収差を良好に補正することができる。
【0019】
条件式(1)は、第2レンズ群L2に含まれる正のプラスチックレンズの光学特性であるNdとνdがとるべき範囲に関する条件を示し、この範囲内の光学特性を使用することでも軸上色収差が良好に補正される。Ndとνdが条件式(1)の範囲を超えると、望遠端での軸上色収差を良好に補正することができないため、好ましくない。
【0020】
条件式(2)は、適切なパワー配置を行い、軸上色収差の抑制と小型化とを両立するための第1レンズ群Lの焦点距離とズームレンズ全系の広角端での焦点距離との比に関する条件を示す。|f1/fw|が条件式(2)の上限を超えると、全系の広角端の焦点距離に対して第1レンズ群L1の焦点距離が大きくなりすぎてズームレンズの小型化が困難になるため、好ましくない。|f1/fw|が条件式(2)の下限を下回ると、全系の広角端の焦点距離に対して第1レンズ群L1の焦点距離が小さく(パワーが強く)なりすぎて軸上色収差の抑制が困難になるため、好ましくない。
条件式(2)の数値範囲を以下のように限定すると、より好ましい。
【0021】
1.55≦|f1/fw|≦2.60 (2a)
条件式(2)の数値範囲を以下のように限定すると、さらに好ましい。
【0022】
1.60≦|f1/fw|≦2.58 (2b)
各実施例のズームレンズは、上記条件式(1)、(2)を満足するとともに、以下の条件のうち少なくとも1つを満足することが好ましい。
【0023】
第2レンズ群L2の焦点距離をf2とするとき、以下の条件式(3)を満足することが好ましい。
1.50≦f2/fw≦2.45 (3)
条件式(3)は、適切なパワー配置を行い、軸上色収差の抑制と小型化とを両立するための第2レンズ群L2の焦点距離と全系の広角端での焦点距離との比に関する条件を示す。f2/fwが条件式(3)の上限を超えると、全系の広角端の焦点距離に対して第2レンズ群L2の焦点距離が大きくなりすぎて、ズームレンズの小型化が困難になるため、好ましくない。f2/fwが条件式(3)の下限を下回ると、全系の広角端の焦点距離に対して第2レンズ群L2の焦点距離が小さくなりすぎて、軸上色収差の抑制が困難になるため、好ましくない。
【0024】
条件式(3)の数値範囲を以下のように限定すると、より好ましい。
1.52≦f2/fw≦2.44 (3a)
条件式(3)の数値範囲を以下のように限定すると、さらに好ましい。
1.55≦f2/fw≦2.43 (3b)
開口絞りSPは、第1レンズ群L1より像側に配置され、ズーミングに際して第2レンズ群L2と一体で移動することが好ましい。この条件を満足することで、第1レンズ群L1と第2レンズ群L1が近接する望遠端側でスペースが生まれ、ズームレンズの小型化やさらなる望遠化が可能となる。
【0025】
像面IPでの最大像高をY、ズームレンズの広角端での光学全長をTLwとするとき、以下の条件式(4)を満足することが好ましい。
【0026】
4.0≦TLw/Y≦12.0 (4)
条件式(4)は、軸上色収差の抑制とズームレンズの小型化とを両立するための光学全長と最大像高との比に関する条件を示す。光学全長は、ズームレンズのうち最も物体側のレンズG11の物体側のレンズ面(最前面)から像面IPまでの光軸上の距離である。TLw/Yが条件式(4)の上限を超えると、光学全長が大きくなり、ズームレンズが大型化するため、好ましくない。TLw/Yが条件式(4)の下限を下回ると、光学全長は小さくなるものの、第1レンズ群L1と第2レンズ群L2のそれぞれのパワーが強くなりすぎて軸上色収差が増加するため、好ましくない。
【0027】
条件式(4)の数値範囲を以下のように限定すると、より好ましい。
4.2≦TLw/Y≦11.8 (4a)
条件式(4)の数値範囲を以下のように限定すると、さらに好ましい。
4.5≦TLw/Y≦11.5 (4b)
また、以下の条件式(5)を満足することが好ましい。
0.60≦|f1/f2|≦1.30 (5)
条件式(5)は、最適なパワー配置と光学性能とを両立するための第1レンズ群L1の焦点距離と第2レンズ群L2の焦点距離との比に関する条件を示す。|f1/f2|が条件式(5)の上限を超えると、第2レンズ群L2の焦点距離が小さくなりすぎて、ズーミング時の収差の変動が大きくなるため、好ましくない。|f1/f2|が条件式(5)の下限を下回ると、第1レンズ群L1の焦点距離が小さくなりすぎて、主に広角側での諸収差が増加するため、好ましくない。
【0028】
条件式(5)の数値範囲を以下のように限定すると、より好ましい。
0.65≦|f1/f2|≦1.28 (5a)
条件式(5)の数値範囲を以下のように限定すると、さらに好ましい。
0.68≦|f1/f2|≦1.25 (5b)
第2レンズ群L2に含まれる少なくとも1つの正のプラスチックレンズのパワーの合計をΣφp、第2レンズ群L2のパワーをφ2とするとき、以下の条件式(6)を満足することが好ましい。レンズのパワーはそのレンズの焦点距離の逆数であり、少なくとも1つの正のプラスチックレンズのパワーの合計はそれらレンズのパワーの和である。
【0029】
0<Σφp/φ2≦1.70 (6)
条件式(6)は、効果的な軸上色収差補正のための第2レンズ群L2内の少なくとも1つの正のプラスチックレンズのパワーの合計と第2レンズ群L2のパワーとの比に関する条件を示す。Σφp/φ2が条件式(6)の上限を超えると、第2レンズ群L2内の正のプラスチックレンズのパワーの合計が大きくなりすぎて軸上色収差が補正過剰となるため、好ましくない。Σφp/φ2が条件式(6)の下限を下回ると、第2レンズ群L2内の正のプラスチックレンズのパワーの合計が小さくなりすぎて軸上色収差が補正不足となるため、好ましくない。
【0030】
条件式(6)の数値範囲を以下のように限定すると、より好ましい。
0<Σφp/φ2≦1.68 (6a)
条件式(6)の数値範囲を以下のように限定すると、さらに好ましい。
0<Σφp/φ2≦1.65 (6b)
ズームレンズに含まれる全てのプラスチックレンズのパワーの合計をΣφaとするとき、
-1.30≦Σφa/φ2≦1.30 (7)
以下の条件式(7)を満足することが好ましい。条件式(7)は、温度変化によるピントのずれを抑制するための全プラスチックレンズのパワーの合計と第2レンズ群L2のパワーとの比に関する条件を示す。全プラスチックレンズのパワーの合計は、負レンズのパワーをマイナスの値とし、正レンズのパワーをプラスの値としたときのパワーの和である。Σφa/φ2が条件式(7)の上限を超えると、全プラスチックレンズのうち正のプラスチックレンズパワーが大きくなりすぎて温度変化によるピントずれが大きくなるため、好ましくない。Σφa/φ2が条件式(7)の下限を下回ると、全プラスチックレンズのうち負のプラスチックレンズのパワーが大きくなりすぎて、温度変化によるピントずれが大きくなるため、好ましくない。
【0031】
条件式(7)の数値範囲を以下のように限定すると、より好ましい。
-1.25≦Σφa/φ2≦1.25 (7a)
条件式(7)の数値範囲を以下のように限定すると、さらに好ましい。
-1.20≦Σφa/φ2≦1.20 (7b)
以下、実施例1~6のズームレンズの具体的な構成を説明する。以下の説明において、レンズの配置順は、特に説明がない限り、物体側から像側への順とする。
【実施例1】
【0032】
図1に示す実施例1のズームレンズでは、広角端から望遠端へのズーミングに際して第1レンズ群L1は像側に凸の移動軌跡を描くように移動し、第2レンズ群L2は物体側へ単調に移動する。開口絞りSPは、第2レンズ群L2における最も物体側に配置され、ズーミングに際して第2レンズ群Lと一体で移動する。
【0033】
第1レンズ群L1は、負レンズG11、負レンズG12および正レンズG13により構成されている。プラスチックレンズである負レンズG11、G12のプラスチック材料としては、E48R(日本ゼオン株式会社製)が使用されている。
【0034】
第2レンズ群L2は、正レンズG21、負レンズG22、正レンズG23および負レンズG24により構成されている。プラスチックレンズである正および負レンズG23、G24のプラスチック材料としてはそれぞれ、EP-3500(三菱ガス化学株式会社製)およびEP-5000(三菱ガス化学株式会社製)が使用されている。正レンズG23に使用されているEP-3500は、部分分散比が大きいため、軸上色収差を良好に補正することができる。このことは、EP-3500を使用している他の実施例でも同様である。
【実施例2】
【0035】
図3に示す実施例2のズームレンズでは、広角端から望遠端へのズーミングに際して第1レンズ群L1は像側に凸の移動軌跡を描くように移動し、第2レンズ群L2は物体側へ単調に移動する。開口絞りSPは、第2レンズ群L2における最も物体側に配置され、ズーミングに際して第2レンズ群Lと一体で移動する。
【0036】
第1レンズ群L1は、負レンズG11、負レンズG12および正レンズG13により構成されている。プラスチックレンズである負レンズG11、G12のプラスチック材料としては、E48R(日本ゼオン株式会社製)が使用されている。
【0037】
第2レンズ群L2は、正レンズG21、負レンズG22、正レンズG23、正レンズG24および負レンズG25により構成されている。プラスチックレンズである正レンズG23および負レンズG25のプラスチック材料としてはそれぞれ、EP-3500(三菱ガス化学株式会社製)およびEP-5000(三菱ガス化学株式会社製)が使用されている。EP-5000も、部分分散比が大きいため、軸上色収差を良好に補正することができる。このことは、EP-5000を使用している他の実施例でも同様である。
【実施例3】
【0038】
図5に示す実施例3のズームレンズでは、広角端から望遠端へのズーミングに際して第1レンズ群L1は像側に凸の移動軌跡を描くように移動し、第2レンズ群L2は物体側へ単調に移動する。開口絞りSPは、第2レンズ群L2における最も物体側に配置され、ズーミングに際して第2レンズ群Lと一体で移動する。
【0039】
第1レンズ群L1は、負レンズG11、負レンズG12および正レンズG13により構成されている。プラスチックレンズである負レンズG11、G12のプラスチック材料としては、E48R(日本ゼオン株式会社製)が使用されている。またプラスチックレンズである正レンズG13のプラスチック材料としては、EP-10000(三菱ガス化学株式会社製)が使用されている。
【0040】
第2レンズ群L2は、正レンズG21、負レンズG22、正レンズG23、正レンズG24および負レンズG25により構成されている。プラスチックレンズである正レンズG23のプラスチック材料としては、EP-3500(三菱ガス化学株式会社製)が使用されている。
【実施例4】
【0041】
図7に示す実施例4のズームレンズでは、広角端から望遠端へのズーミングに際して第1レンズ群L1は像側に凸の移動軌跡を描くように移動し、第2レンズ群L2は物体側へ単調に移動する。開口絞りSPは、第2レンズ群L2の内部に配置され、ズーミングに際して第2レンズ群Lと一体で移動する。
【0042】
第1レンズ群L1は、負レンズG11、負レンズG12および正レンズG13により構成されている。プラスチックレンズである負レンズG11、G12のプラスチック材料としては、E48R(日本ゼオン株式会社製)が使用されている。
【0043】
第2レンズ群L2は、正レンズG21、負レンズG22、正レンズG23、正レンズG24および負レンズG25により構成されている。プラスチックレンズである正レンズG23のプラスチック材料としては、EP-9000(三菱ガス化学株式会社製)が使用されている。EP-9000も、部分分散比が大きいため、軸上色収差を良好に補正することができる。
【実施例5】
【0044】
図9に示す実施例5のズームレンズでは、広角端から望遠端へのズーミングに際して第1レンズ群L1は像側に凸の移動軌跡を描くように移動し、第2レンズ群L2は物体側へ単調に移動する。開口絞りSPは、第1レンズ群L1と第2レンズ群L2との間に配置され、ズーミングに際して不動である。
【0045】
第1レンズ群L1は、負レンズG11、負レンズG12、正レンズG13および正レンズG14により構成されている。プラスチックレンズである負レンズG11、G12のプラスチック材料としては、E48R(日本ゼオン株式会社製)が使用されている。またプラスチックレンズである正レンズG14のプラスチック材料としては、EP-8000(三菱ガス化学株式会社製)が使用されている。
【0046】
第2レンズ群L2は、正レンズG21、負レンズG22、正レンズG23、正レンズG24および負レンズG25により構成されている。プラスチックレンズである正レンズG23のプラスチック材料としては、EP-5000(三菱ガス化学株式会社製)が使用されている。
【実施例6】
【0047】
図11に示す実施例6のズームレンズでは、広角端から望遠端へのズーミングに際して第1レンズ群L1は像側に凸の移動軌跡を描くように移動し、第2レンズ群L2は物体側へ単調に移動する。開口絞りSPは、第2レンズ群L2における最も物体側に配置され、ズーミングに際して第2レンズ群Lと一体で移動する。
【0048】
第1レンズ群L1は、負レンズG11、負レンズG12および正レンズG13により構成されている。プラスチックレンズである負レンズG11、G12のプラスチック材料としては、E48R(日本ゼオン株式会社製)が使用されている。
【0049】
第2レンズ群L2は、正レンズG21、負レンズG22、正レンズG23、正レンズG24、正レンズG25および負レンズG26により構成されている。プラスチックレンズである正レンズG23、G24のプラスチック材料としては、EP-3500(三菱ガス化学株式会社製)が使用されている。
【0050】
図2、
図4、
図6、
図8、
図10および
図12はそれぞれ、実施例1~6(後述する数値実施例1~6)のズームレンズの収差図である。各図の(A)、(B)および(C)は、それぞれ、広角端、中間ズーム位置および望遠端での収差を示している。球面収差図において、FnoはFナンバーを示し、実線はd線(波長587.6nm)に対する球面収差を、二点鎖線はg線(波長435.8nm)に対する球面収差をそれぞれ示している。非点収差図において、実線Sはサジタル像面を、破線Mはメリディオナル像面を示している。歪曲収差はd線に対するものを示している。色収差図において、二点鎖線はg線に対する軸上色収差および倍率色収差を、一点鎖線はC線(656.3nm)に対する軸上色収差および倍率色収差を示している。ωは半画角(°)である。
【0051】
以上説明した各実施例によれば、軸上色収差が良好に補正された小型のズームレンズを実現することができる。なお、各実施例のズームレンズに対して、レンズの形状や数を変更したり、レンズ群またはレンズを光軸に対して直交する方向に移動させ(光軸上の点を中心に回動することも含む)、手振れ等の振動に起因する像振れを補正したりしてもよい。
【0052】
以下、実施例1~6のそれぞれに対応する数値実施例1~6を示す。各数値実施例において、riは物体側からi番目の面の曲率半径(mm)、diはi番目と(i+1)番目の面間のレンズ厚または空気間隔(mm)、ndiはi番目の光学部材の材料のd線における屈折率である。νdiはi番目の光学部材の材料のd線を基準としたアッベ数である。アッベ数νdは、フラウンホーファ線のd線(587.6nm)、F線(486.1nm)、C線(656.3nm)における屈折率をNd、NF、NCとするとき、νd=(Nd-1)/(NF-NC)で表される。各数値実施例において最も像側の2つの面は光学ブロックGの平面である。
【0053】
半画角(°)は、歪曲収差を考慮した撮影可能な半画角の数値を表す。BFはバックフォーカス(mm)を表す。「バックフォーカス」は、ズームレンズの最終面(最も像側のレンズ面)から近軸像面までの光軸上の距離を空気換算長により表記したものとする。「レンズ全長」は、ズームレンズの最前面(最も物体側のレンズ面)から最終面までの光軸上の距離にバックフォーカスを加えた長さであり、条件式(4)における光学全長に相当する。
【0054】
面番号に付された「*」は、その面が非球面形状を有する面であることを意味する。非球面形状は、光軸方向での位置をX、光軸に直交する方向での高さをH、光の進行方向を正とし、Rを近軸曲率半径、Kを円錐定数、A4,A6,A8,A10,A12を非球面係数とするとき、以下の式で表される。「e-Z」は、×10-Zを意味する。
【0055】
x=(h2/R)/[1+{1-(1+K)(h/r)2}1/2]
+A4・h4+A6・h6+A8・h8+A10・h10+A12・h12
また、数値実施例1~6における前述した条件式(1)~(7)に対応する値を表1にまとめて示す。
[数値実施例1]
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
1* -17.103 0.90 1.53113 55.8
2* 5.495 4.64
3* -11.578 0.60 1.53113 55.8
4* -50.153 0.20
5 18.820 1.67 1.95906 17.5
6 57.999 (可変)
7(絞り) ∞ 0.27
8 4.572 2.79 1.49700 81.5
9 -194.363 0.82
10 -10.533 0.50 1.84666 23.8
11 50.141 0.10
12* 5.628 2.09 1.56650 37.6
13* -4.582 0.21
14* -7.941 1.50 1.63560 23.9
15* 26.067 (可変)
16 ∞ 0.50 1.52000 61.4
17 ∞ 0.43
像面 ∞
非球面データ
第1面
K = 0.00000e+000 A 4= 8.41415e-004 A 6=-9.77431e-006 A 8= 4.29052e-008
第2面
K = 0.00000e+000 A 4= 1.37433e-004 A 6= 4.91698e-006 A 8= 1.74574e-006
第3面
K = 0.00000e+000 A 4=-1.68036e-003 A 6= 1.30789e-004 A 8=-2.66863e-006
第4面
K = 0.00000e+000 A 4=-1.19723e-003 A 6= 1.05878e-004 A 8=-2.56424e-006
第12面
K = 0.00000e+000 A 4=-3.09952e-003 A 6=-1.59302e-004 A 8=-3.97563e-005
第13面
K = 0.00000e+000 A 4= 2.98719e-003 A 6=-2.63445e-004 A 8=-1.33128e-006
第14面
K = 0.00000e+000 A 4= 8.62376e-004 A 6= 1.75384e-004 A 8= 5.25204e-006
第15面
K = 0.00000e+000 A 4= 6.50090e-004 A 6= 3.16410e-004 A 8= 7.69325e-006 A10=-6.78855e-006 A12= 4.60378e-007
各種データ
ズーム比 2.30
広角 中間 望遠
焦点距離 3.20 5.28 7.36
Fナンバー 1.89 2.30 2.73
半画角(°) 61.3 34.7 24.7
像高 3.20 3.20 3.20
レンズ全長 33.92 28.47 27.27
BF 0.43 0.43 0.43
d 6 11.38 3.88 0.62
d15 5.31 7.37 9.42
d17 0.43 0.43 0.43
ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 -7.85
2 7 7.76
[数値実施例2]
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
1* -108.249 0.90 1.53113 55.8
2* 4.848 4.88
3* -9.438 0.60 1.53113 55.8
4* 50.715 0.20
5 15.174 1.05 1.95906 17.5
6 42.130 (可変)
7(絞り) ∞ 0.27
8 5.862 3.04 1.49700 81.5
9 -24.403 0.50
10 -9.952 0.50 1.84666 23.8
11 67.763 0.10
12* 5.735 3.00 1.56650 37.6
13* -10.616 0.57
14 -35.812 0.88 1.48749 70.2
15 -9.095 0.20
16* -903.443 1.50 1.63560 23.9
17* 9.045 (可変)
18 ∞ 0.50 1.52000 61.4
19 ∞ 0.43
像面 ∞
非球面データ
第1面
K = 0.00000e+000 A 4= 3.64378e-004 A 6=-4.10194e-006 A 8= 1.75001e-008
第2面
K = 0.00000e+000 A 4=-9.80582e-005 A 6= 9.38316e-006 A 8= 9.77080e-009
第3面
K = 0.00000e+000 A 4=-5.39495e-005 A 6= 1.81392e-005 A 8=-5.00878e-007
第4面
K = 0.00000e+000 A 4= 8.87904e-005 A 6= 1.33718e-005 A 8=-6.20276e-007
第12面
K = 0.00000e+000 A 4=-8.87183e-004 A 6=-1.47861e-005 A 8=-1.97289e-006
第13面
K = 0.00000e+000 A 4= 2.63735e-004 A 6=-5.41552e-005 A 8= 1.29750e-006
第16面
K = 0.00000e+000 A 4=-5.86780e-003 A 6=-1.04855e-004 A 8= 1.98712e-005
第17面
K = 0.00000e+000 A 4=-4.70226e-003 A 6= 1.20944e-004 A 8= 7.44718e-006 A10= 1.29005e-006 A12=-1.18930e-007
各種データ
ズーム比 2.79
広角 中間 望遠
焦点距離 3.20 6.07 8.93
Fナンバー 1.75 2.23 2.73
半画角(°) 61.5 30.1 20.4
像高 3.20 3.20 3.20
レンズ全長 34.89 30.83 31.56
BF 0.43 0.43 0.43
d 6 10.77 3.32 0.65
d17 5.00 8.39 11.78
d19 0.43 0.43 0.43
ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 -6.53
2 7 7.72
[数値実施例3]
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
1* -14.405 0.90 1.53113 55.8
2* 6.841 3.64
3* 11.271 0.60 1.53113 55.8
4* 5.966 0.62
5* 18.580 2.56 1.68040 18.1
6* -788.408 (可変)
7(絞り) ∞ 0.27
8 6.681 3.35 1.49700 81.5
9 -5.366 0.21
10 -4.751 0.50 1.84666 23.8
11 -16.608 0.63
12* -30.485 1.24 1.65010 21.5
13* -5.872 0.20
14 12.707 1.31 1.49700 81.5
15 -8.138 0.20
16 20.837 1.50 1.84666 23.8
17 5.009 (可変)
18 ∞ 0.50 1.52000 61.4
19 ∞ 0.43
像面 ∞
非球面データ
第1面
K = 0.00000e+000 A 4= 1.31486e-003 A 6=-1.66968e-005 A 8= 7.56684e-008
第2面
K = 0.00000e+000 A 4= 8.91323e-004 A 6= 1.53912e-005 A 8= 3.68484e-006
第3面
K = 0.00000e+000 A 4=-6.25108e-003 A 6= 2.39548e-004 A 8=-2.10649e-006
第4面
K = 0.00000e+000 A 4=-5.75647e-003 A 6= 1.09883e-004 A 8= 2.31150e-006
第5面
K = 0.00000e+000 A 4= 2.14780e-004 A 6=-7.24394e-005 A 8= 3.16704e-006
第6面
K = 0.00000e+000 A 4=-3.98798e-004 A 6= 1.53441e-005 A 8=-5.30628e-007
第12面
K = 0.00000e+000 A 4=-4.17197e-003 A 6=-1.27098e-004 A 8=-5.85178e-006
第13面
K = 0.00000e+000 A 4=-1.56198e-003 A 6=-7.76368e-005 A 8=-4.86089e-006
各種データ
ズーム比 2.00
広角 中間 望遠
焦点距離 3.26 4.88 6.51
Fナンバー 1.89 2.23 2.56
半画角(°) 60.6 37.8 27.9
像高 3.20 3.20 3.20
レンズ全長 33.79 28.90 27.17
BF 0.43 0.43 0.43
d 6 10.13 3.82 0.66
d17 5.00 6.43 7.85
d19 0.43 0.43 0.43
ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 -8.38
2 7 7.36
[数値実施例4]
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
1* -9.117 0.90 1.53113 55.8
2* 8.667 4.22
3* -14.611 0.60 1.53113 55.8
4* 31.944 0.20
5 23.868 1.96 1.92286 18.9
6 -92.355 (可変)
7 5.919 2.96 1.49700 81.5
8 -4.955 0.19
9 -4.352 0.50 1.84666 23.8
10 -13.110 0.45
11* -9.410 0.82 1.67070 19.3
12* -4.717 0.10
13(絞り) ∞ 0.10
14 10.129 1.02 1.49700 81.5
15 -6.938 0.20
16 23.599 1.50 1.80518 25.4
17 4.432 (可変)
18 ∞ 0.50 1.52000 61.4
19 ∞ 0.43
像面 ∞
非球面データ
第1面
K = 0.00000e+000 A 4= 1.77384e-003 A 6=-2.11603e-005 A 8= 1.45092e-007
第2面
K = 0.00000e+000 A 4= 9.26642e-004 A 6= 3.36285e-005 A 8= 2.67336e-006
第3面
K = 0.00000e+000 A 4=-2.85858e-003 A 6= 1.47809e-004 A 8=-3.20067e-006
第4面
K = 0.00000e+000 A 4=-2.04716e-003 A 6= 1.05933e-004 A 8=-1.70400e-006
第11面
K = 0.00000e+000 A 4=-7.96855e-003 A 6=-2.92260e-004 A 8=-3.01361e-005
第12面
K = 0.00000e+000 A 4=-3.88994e-003 A 6=-1.48722e-004 A 8=-2.13884e-005
各種データ
ズーム比 1.90
広角 中間 望遠
焦点距離 3.37 4.89 6.40
Fナンバー 2.20 2.69 3.18
半画角(°) 60.1 38.6 28.7
像高 3.20 3.20 3.20
レンズ全長 30.09 26.19 24.74
BF 0.43 0.43 0.43
d 6 8.45 3.25 0.52
d17 5.00 6.29 7.58
d19 0.43 0.43 0.43
ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 -8.15
2 7 6.93
[数値実施例5]
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
1* -12.498 0.90 1.53113 55.8
2* 14.108 2.83
3* 13.710 0.60 1.53113 55.8
4* 4.806 1.36
5 -45.924 1.42 1.95906 17.5
6 -20.040 0.59
7* 33.918 1.61 1.66080 20.4
8* 58.011 (可変)
9(絞り) ∞ (可変)
10 7.552 3.16 1.49700 81.5
11 -5.360 0.20
12 -4.853 0.50 1.84666 23.8
13 -14.466 0.89
14* -729.927 1.68 1.63560 23.9
15* -6.306 0.20
16 17.573 1.47 1.49700 81.5
17 -9.041 0.20
18 22.472 1.50 1.84666 23.8
19 4.995 (可変)
20 ∞ 0.50 1.52000 61.4
21 ∞ 0.43
像面 ∞
非球面データ
第1面
K = 0.00000e+000 A 4= 1.53057e-003 A 6=-1.88282e-005 A 8= 1.05250e-007
第2面
K = 0.00000e+000 A 4= 1.24079e-003 A 6= 1.93156e-005 A 8= 1.33929e-006
第3面
K = 0.00000e+000 A 4=-7.21989e-003 A 6= 3.64781e-004 A 8=-6.11646e-006
第4面
K = 0.00000e+000 A 4=-7.85188e-003 A 6= 2.62196e-004 A 8=-1.69407e-006
第7面
K = 0.00000e+000 A 4=-4.26294e-005 A 6=-1.12793e-004 A 8= 6.99218e-006
第8面
K = 0.00000e+000 A 4=-3.87504e-004 A 6=-6.19232e-005 A 8= 4.17202e-006
第14面
K = 0.00000e+000 A 4=-2.59949e-003 A 6=-8.49870e-005 A 8= 3.67882e-007
第15面
K = 0.00000e+000 A 4=-5.04581e-004 A 6=-5.42964e-005 A 8=-5.60613e-007
各種データ
ズーム比 2.00
広角 中間 望遠
焦点距離 3.31 4.96 6.61
Fナンバー 1.89 2.20 2.62
半画角(°) 58.3 37.8 27.7
像高 3.20 3.20 3.20
レンズ全長 36.05 30.60 28.57
BF 0.43 0.43 0.43
d 8 7.98 2.52 0.50
d 9 3.04 1.62 0.20
d19 5.00 6.42 7.84
d21 0.43 0.43 0.43
ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 -8.93
2 9 ∞
3 10 7.67
[数値実施例6]
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
1* -18.296 0.90 1.53113 55.8
2* 6.539 4.45
3* -6.129 0.60 1.53113 55.8
4* -28.399 0.46
5 16.273 0.99 1.95906 17.5
6 48.126 (可変)
7(絞り) ∞ 0.27
8 5.053 2.72 1.49700 81.5
9 -33.807 0.29
10 -14.139 0.50 1.84666 23.8
11 82.166 0.10
12* 7.424 1.07 1.56650 37.6
13* 15.439 0.75
14* 20.794 1.20 1.56650 37.6
15* -6.238 0.20
16 -41.953 0.81 1.49700 81.5
17 -8.101 0.20
18 -8.879 1.50 1.84666 23.8
19 54.207 (可変)
20 ∞ 0.50 1.52000 61.4
21 ∞ 0.43
像面 ∞
非球面データ
第1面
K = 0.00000e+000 A 4= 9.22437e-004 A 6=-1.05966e-005 A 8= 5.81533e-008
第2面
K = 0.00000e+000 A 4= 3.25549e-004 A 6= 1.60308e-005 A 8= 1.07984e-006
第3面
K = 0.00000e+000 A 4= 1.16935e-003 A 6= 3.51169e-006 A 8=-4.35443e-007
第4面
K = 0.00000e+000 A 4= 1.49435e-003 A 6=-2.43474e-005 A 8= 6.53729e-008
第12面
K = 0.00000e+000 A 4=-2.96481e-003 A 6=-1.64670e-004 A 8=-9.45897e-006
第13面
K = 0.00000e+000 A 4=-3.69258e-003 A 6=-2.35156e-004 A 8= 2.94270e-006
第14面
K = 0.00000e+000 A 4=-4.30509e-003 A 6=-2.04671e-004 A 8= 4.50940e-006
第15面
K = 0.00000e+000 A 4=-3.36943e-004 A 6=-8.67076e-005 A 8=-4.65053e-007
各種データ
ズーム比 2.40
広角 中間 望遠
焦点距離 3.27 5.56 7.84
Fナンバー 1.89 2.29 2.73
半画角(°) 60.8 33.6 23.5
像高 3.20 3.20 3.20
レンズ全長 32.68 28.78 28.63
BF 0.43 0.43 0.43
d 6 9.74 3.30 0.61
d19 5.00 7.54 10.07
d21 0.43 0.43 0.43
ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 -6.79
2 7 7.53
【0056】
【0057】
図13は、実施例1のズームレンズ16をドームカバー15とともに使用した撮像装置の断面を示している。ズームレンズは、他の実施例のものであってもよい。ドームカバー15は、ポリメチルメタクリレート(PMMA)やポリカーボネート(PC)等のプラスチック材料により数ミリ程度の厚さでドーム形状に成形されている。また
図14は、実施例1のズームレンズ16を平板形状の保護カバー17ともに使用した撮像装置の断面を示している。ズームレンズは、他の実施例のものであってもよい。このようにドームカバー15や保護カバー17の使用を前提とした撮像装置にするときは、ドームカバー15や保護カバー17の焦点距離や材質の影響を考慮してズームレンズを設計し、諸収差の補正を行うことが望ましい。
【0058】
図15(A)は、実施例1~6のいずれかのズームレンズを撮像光学系として用いた撮像装置(監視カメラ)を示す。11はカメラ本体、12はカメラ本体11に内蔵されてズームレンズ16により形成された被写体像(光学像)を受光するCCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子である。13は固体撮像素子12による光電変換によって生成された画像データを記録するメモリである。14は画像データを外部に転送するためのネットワークケーブルである。
【0059】
図15(B)は、
図15(A)の監視カメラにドームカバー15を装着して天井に取り付けた状態を示している。
【0060】
なお、撮像装置としては、監視カメラに限定されることはなく、ビデオカメラやデジタルスチルカメラ等の他の撮像装置でもよい。
【0061】
また撮像装置は、歪曲収差と倍率色収差のうち少なくとも一方を電気的に補正する回路を有していてもよい。このような回路を有することで、ズームレンズのある程度の歪曲収差等を許容することができ、この結果、ズームレンズを構成するレンズの枚数を少なくしてズームレンズの小型化が容易になる。また倍率色収差を電気的に補正することにより、画像データの色にじみを軽減し、解像力を向上させることが容易になる。
【0062】
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
【符号の説明】
【0063】
L1 第1レンズ群
L2 第2レンズ群
SP 開口絞り