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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-07
(45)【発行日】2025-01-16
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 33/37 20200101AFI20250108BHJP
   D06F 34/22 20200101ALI20250108BHJP
   D06F 34/18 20200101ALI20250108BHJP
【FI】
D06F33/37
D06F34/22
D06F34/18
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020138119
(22)【出願日】2020-08-18
(65)【公開番号】P2022034361
(43)【公開日】2022-03-03
【審査請求日】2023-03-22
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】辰巳 昌隆
【審査官】大内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-226337(JP,A)
【文献】特開昭48-069368(JP,A)
【文献】特開2018-134139(JP,A)
【文献】特開2019-000740(JP,A)
【文献】特表2019-501731(JP,A)
【文献】特開2018-130238(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第0995828(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 1/00~60/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯物及び洗浄液を溜めて回転する回転槽と、
前記回転槽に水を供給する給水流路と、
前記給水流路への水の供給を制御する給水弁と、
前記回転槽内の水を外部に排出する排水流路と、
前記回転槽から前記排水流路への水の排水を制御する排水弁と、
前記回転槽に洗剤を投入する洗剤投入装置と、
前記排水弁を開けた状態で、前記回転槽内に投入された前記洗濯物の上に給水しながら前記洗濯物を洗浄する予洗い処理と、前記予洗い処理後に前記洗濯物を脱水する脱水処理と、前記脱水処理後に前記回転槽に水と前記洗剤とを投入して前記洗濯物を洗浄する洗濯処理とを実行する制御部と
を備える洗濯機。
【請求項2】
前記制御部は、前記予洗い処理の実行後かつ前記脱水処理の実行前に、前記排水弁を閉めた状態で前記回転槽に給水して前記回転槽を回転させる予洗いすすぎ処理を実行する、請求項1に記載の洗濯機。
【請求項3】
前記回転槽内の前記洗浄液の状態を検出する洗浄液センサを備え、
前記制御部は、前記予洗いすすぎ処理の実行時に、前記洗浄液センサの検出結果を取得する汚れセンシングを実行する、請求項2に記載の洗濯機。
【請求項4】
前記洗濯物の布質を検出する布質センサを備え、
前記制御部は、前記布質センサの検出結果を取得する布質センシングを実行する、請求項3に記載の洗濯機。
【請求項5】
記制御部は、
前記洗浄液センサが検出した前記洗浄液の状態と、前記布質センサが検出した前記洗濯物の布質とに基づいて、前記洗濯処理を行う際に前記回転槽に投入する洗剤の量及び前記回転槽に投入する水の量を決定する、請求項に記載の洗濯機。
【請求項6】
前記制御部は、前記洗濯処理を行う際、前記回転槽に対する前記洗剤の投入を、前記水の投入開始より遅れて開始する、請求項に記載の洗濯機。
【請求項7】
前記回転槽内の前記洗濯物を攪拌する攪拌部材を備え、
前記制御部は、前記予洗い処理を実行する際、前記攪拌部材を用いて前記洗濯物を攪拌する、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
「予洗い処理」を実行する洗濯機がある。予洗い処理は、「本洗い」の前に実行される(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-130238号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、予洗い時に洗浄液に溶出した汚れが、洗濯物に再付着する可能性がある。
【0005】
本発明は、予洗い処理時に洗濯物から落ちた汚れが洗濯物に再付着するのを抑制することのできる洗濯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の洗濯機は、洗濯槽と、給水流路と、給水弁と、排水流路と、排水弁と、制御部とを備える。前記洗濯槽は、洗濯物及び洗浄液を溜める。前記給水流路は、前記洗濯槽に水を供給する。前記給水弁は、前記給水流路への水の供給を制御する。前記排水流路は、前記洗濯槽内の水を外部に排出する。前記排水弁は、前記洗濯槽から前記排水流路への水の排水を制御する。前記制御部は、前記排水弁を開けた状態で、前記洗濯槽に給水しながら前記洗濯物を洗浄する予洗い処理を実行する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、予洗い処理時に洗濯物から落ちた汚れが、洗濯物に再付着するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態の洗濯機の斜視図である。
図2】実施形態の洗濯機の断面図である。
図3】実施形態の洗濯機のブロック図である。
図4】予洗い処理のフローチャートである。
図5】予洗いを含む洗濯コースのフローチャートである。
図6】実施形態の他の洗濯機の斜視図である。
図7】実施形態の他の洗濯機の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0010】
図1から図3を参照して、本発明の実施形態の洗濯機100について説明する。図1は、実施形態の洗濯機100の斜視図である。図2は、洗濯機100の断面図である。図3は、洗濯機100のブロック図である。
【0011】
図1に示すように、実施形態の洗濯機100は、縦型洗濯機である。洗濯機100は、筐体101と、蓋102と、操作表示部103とを備える。筐体101は、内部に各装置及び各部を収容するケーシングである。洗濯機100は、洗濯物の乾燥機能を備えていてもよい。
【0012】
図2に示すように、筐体101は、上部に開口部104を有する。蓋102は、開口部104を閉鎖する。蓋102は、蝶番(ヒンジ)により開閉可能に支持される。
【0013】
操作表示部103は、筐体101の上部に設けられる。操作表示部103は、表示装置40を含む。表示装置40は、表示部41と、入力部42とを有する(図3を参照)。
【0014】
洗濯機100の内部構造を説明する。図2に示すように、洗濯機100は、内部に、水槽1、バランサ2、給水部10、3つの給水弁(第1給水弁11、第2給水弁12及び第3給水弁13)、排水部20、排水弁21、駆動部30を備える。駆動部30は、駆動モータ31、駆動軸32、回転槽33(ドラム)、攪拌部材34を含む。洗濯機100は更に、図3に示すように、各種センサ51~53、洗剤投入装置60、制御装置70、記憶部80を備える。
【0015】
水槽1及び回転槽33は、有底筒状の容器である。縦型洗濯機100において、水槽1及び回転槽33は、上部が開口している。水槽1及び回転槽33は、底面略中央部に開口部22を有する。開口部22は、水槽1及び回転槽33の下部を貫通する。開口部22は、回転槽33内の水を排水する排水口として機能する。以下、開口部22を、「排水口22」と記載する場合がある。
【0016】
回転槽33は、水槽1の内側に配置される。蓋102が開いた状態で、開口部104から回転槽33内に洗濯物が投入される。回転槽33は、駆動モータ31の駆動により回転する。
【0017】
バランサ2は、錘である。バランサ2は、回転槽33の開口の周囲に取り付けられている。バランサ2は、回転槽33の偏心回転(いわゆる、みそすり運動)を抑制する。
【0018】
なお、実施形態の洗濯機100の回転槽33は、側壁(周面)に水槽1に連通する穴が設けられていない、いわゆる「穴なし槽」である。そのため、回転槽33は、単体で水を溜めることができる。回転槽33は、洗濯物及び洗浄液を溜める洗濯槽の一例である。
【0019】
攪拌部材34は、例えば、パルセータである。攪拌部材34は、洗濯物を攪拌する。以下、攪拌部材34を「パルセータ34」と記載する場合がある。
【0020】
パルセータ34は、回転槽33の底部に配置される。パルセータ34は、駆動軸32を介して、駆動モータ31の駆動により、回転槽33とは独立して回転又は揺動する。駆動軸32は、回転槽33の排水口22に挿通されている。
【0021】
駆動モータ31は、回転槽33及びパルセータ34を駆動する。駆動モータ31は、駆動力伝達機構(図示省略)と駆動軸32とを介して、回転槽33及びパルセータ34を回転させる。駆動モータ31は、例えば、DC(直流)モータユニットである。DCモータユニットは、回転センサ31aを含む。
【0022】
駆動モータ31は、駆動力伝達機構を介して、回転槽33及びパルセータ34の各々を、独立して回転させる。駆動力伝達機構は、例えば、ギア、及びクラッチを含む。駆動力伝達機構は、回転槽33及びパルセータ34に対する動力の伝達を、個別に制御することができる。
【0023】
駆動軸32は、攪拌軸と脱水軸との2重軸構造を有する。攪拌軸は、パルセータ34に接続され、パルセータ34を回転させる。脱水軸は、回転槽33に接続され、回転槽33を回転させる。
【0024】
駆動モータ31は、制御装置70(制御部)の指示を受けて、指示された速度でパルセータ34を回転させる。回転センサ31aは、フィードバック情報として、モータが一定角度回転するごとにパルスを送出する。制御装置70(容量取得部71又は布質取得部72)は、このパルスを用いて、モータの負荷(トルク)を測定する。
【0025】
回転センサ31aから送出されたパルスを用いて測定したモータの負荷(トルク)は、容量(布量)センシング又は布質センシングに利用される。すなわち、回転センサ31aは、本発明における「布質センサ」の一例である。
【0026】
給水部10は、図3に示すように、第1給水弁11、第2給水弁12及び第3給水弁13を備える。給水部10は更に、各給水弁11,12,13にそれぞれ繋がる第1給水路W1、第2給水路W2及び第3給水路W3を含む。なお、図2には、第3給水路W3のみ図示した。
【0027】
第1給水路W1、第2給水路W2及び第3給水路W3の上流側は、水道の蛇口等の水源に接続される。水源から供給された水は、第1給水弁11、第2給水弁12及び第3給水弁13の上流側で、第1給水路W1、第2給水路W2及び第3給水路W3に向けて分岐する。
【0028】
第3給水路W3は、図2に示すように、洗剤投入部や柔軟剤投入部を経由せず、水を洗濯物の上に直接シャワー状に噴射する。なお、第1給水弁11及び第2給水弁12は、個別の開閉弁ではなく、1つの切替弁として配設される場合がある。
【0029】
洗剤投入装置60は、洗剤投入部と、柔軟剤投入部と、送給ポンプ61とを備える。洗剤投入部は、洗剤タンク64と、洗剤供給弁62とを含む。柔軟剤投入部は、柔軟剤タンク65と、柔軟剤供給弁63とを含む。
【0030】
洗剤投入部は、例えば第1給水路W1の流水経路(流路)に配置される。洗剤タンク64は、衣類用の液体洗剤を貯留する。送給ポンプ61は、洗剤供給弁62を介して、洗剤タンク64内の液体洗剤を第1給水路W1に供給する。洗剤供給弁62は、制御装置70により開閉が制御される電磁式開閉弁である。
【0031】
洗剤供給弁62が開いている間、洗剤タンク64から送給ポンプ61により圧送された洗剤が、第1給水路W1に導入される。給水部10の第1給水弁11が開放され、第1給水路W1に水が流れると、この水の流れに乗って、第1給水路W1内に導入された洗剤が、回転槽33内に投入される。これを、「洗剤の自動投入」と記載する場合がある。
【0032】
なお、本実施形態において、給水部10は、洗剤収容ケース14と、柔軟剤収容ケース15とを含んでいる。洗剤収容ケース14は、第1給水路W1の流水経路(流路)の終端部に位置する。同様に、柔軟剤収容ケース15は、第2給水路W2の流水経路(流路)の終端部に位置する。
【0033】
そして、洗剤収容ケース14にユーザーが予め準備した洗剤を収容しておけば、第1給水路W1に水が流れると、この水の流れにより、洗剤収容ケース14に収容された洗剤が回転槽33内に投入される。これを、「洗剤の手動投入」と記載する場合がある。
【0034】
柔軟剤の投入も同様である。柔軟剤タンク65に予め、衣類用の液体柔軟剤を貯留しておけば、柔軟剤供給弁63が開いている間、柔軟剤タンク65から供給された柔軟剤が、第2給水路W2を経由して、回転槽33内に投入される。
【0035】
更に、柔軟剤収容ケース15に予め柔軟剤を収容しておけば、第2給水路W2内を流れる水に乗せて、柔軟剤収容ケース15に収容された柔軟剤を、回転槽33内に投入することができる。
【0036】
排水部20は、排水弁21、排水口22(開口部)に加え、図2に示すように、排水路23と、排水路24と、外部排水路25とを含む。排水路23は、回転槽33の排水口22から排水弁21まで水を流下させる。排水路24は、水槽1内に溜まった脱水処理の水を排水する。外部排水路25は、回転槽33及び水槽1から出た排水を機外まで導出する。
【0037】
排水弁21は、電磁式の開閉弁である。排水弁21の開閉も、制御装置70の指令信号により制御される。従って、回転槽33内の水量(水位)は、制御装置70の指令に基づき制御される。
【0038】
回転槽33の回転による脱水処理時に、回転槽33の上端から水槽1へ越流する水は、排水路24から外部排水路25を通じて、常時、機外へ排水される。
【0039】
本実施形態の洗濯機100は、循環ポンプ35を更に備える。循環ポンプ35は、排水口22から排水弁21の手前(上流側)まで流出した洗浄液を、機外に排水せずに回転槽33内まで戻して循環させる。循環ポンプ35は省略してもよい。
【0040】
図3を参照して、洗濯機100について更に説明する。
【0041】
図3に示すように、表示装置40は、洗濯機100に対する指示を受け付ける。表示装置40の入力部42は、操作キー群を含む。表示部41は、種々の情報を表示する。
【0042】
表示部41は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、又はELD(Electro Luminescence Display)のようなディスプレイである。なお、表示部41は、タッチパネルを含み、入力部42として機能してもよい。
【0043】
洗濯機100は、洗濯に関する情報を取得するために、複数のセンサを備える。複数のセンサは、洗浄液センサ51、水位センサ52、泡センサ53を含む。
【0044】
洗浄液センサ51は、洗濯槽内の洗浄液の状態を検出する。洗浄液センサ51は、例えば光学式の透過率検知器を含む。洗浄液センサ51が光学式の透過率検知器を含む場合、洗浄液センサ51は、洗浄液の光透過率を検出する。洗浄液の光透過率は、洗浄液の濁度に対応する。制御装置70(汚れ判定部73)は、洗浄液の光透過率(洗浄液の濁度)に基づいて、洗濯物の汚れの程度、洗浄液中の汚れの濃度、洗浄液中の洗剤の濃度に関する情報(データ)を取得する。
【0045】
水位センサ52は、洗濯槽内の水面(液面)の高さを検出する。水位センサ52は、例えば非接触の水位計を含む。水位センサ52は、検出した洗濯槽内の水面高さを制御装置70に送信する。制御装置70(布質取得部72)は、水位センサ52が検出する洗濯槽内の水位(液面高さ)に基づいて、洗濯物の布質や洗浄液の濃度に関するデータを取得する。
【0046】
泡センサ53は、洗濯槽内で発生した泡(洗剤泡)の高さ又は泡の量を検出し、制御装置70に送信する。泡センサ53は、例えばリード(端子)間の電気的導通(短絡)を検知する導電率計である。制御装置70は、泡センサ53が検出する洗濯槽内の泡の高さ又は泡の量に基づいて、洗濯物の汚れの程度、洗浄液の濃度、洗濯に使用した水の硬度に関するデータを取得する。泡センサ53は、省略してもよい。
【0047】
記憶部80は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)のような主記憶装置を含む。記憶部80は、HDD(Hard Disk Drive)のような補助記憶装置を含んでいてもよい。記憶部80は、種々のコンピュータープログラムと、種々のデータとを記憶する。
【0048】
制御装置70は、図3に示すように、容量取得部71と、布質取得部72と、汚れ判定部73とを含む。制御装置70は、本発明の制御部の一例である。
【0049】
制御装置70は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサーを含む。制御装置70は、記憶部80に記憶されたコンピュータープログラムを実行することにより、洗濯機100の各要素を制御する。
【0050】
容量取得部71は、回転センサ31aがフィードバックとして発信する回転パルスの変化に基づいて、演算により洗濯槽内の洗濯物の容量(乾燥重量と湿潤重量)を取得する。
【0051】
布質取得部72は、回転センサ31aがフィードバックとして発信する回転パルスの変化に基づいて、演算により洗濯槽内の洗濯物の布質を示す洗濯物の吸水率を取得する。布質取得部72は、水位センサ52が検出する洗濯槽内の水位(液面高さ)の変化に基づいて、洗濯物の布質を取得する場合がある。
【0052】
汚れ判定部73は、洗浄液センサ51が検出する洗濯槽内の洗浄液の濁度に基づいて、洗濯物の汚れの程度、洗浄液中の汚れの濃度、洗浄液中の洗剤の濃度を判定する。
【0053】
図4を参照して、洗濯機100が行う予洗い処理及び予洗いすすぎ処理について説明する。図4は、予洗い処理及び予洗いすすぎ処理のフローチャートである。なお、図4のフローチャートは、図1に示す縦型の洗濯槽(回転槽33)と、パルセータ34とを備える洗濯機100を用いて、「予洗い」を実行した場合について説明している。
【0054】
[予洗い処理](ステップS1~S8)
制御装置70は、「予洗い処理」をスタートすると、先ず、ステップS1において、洗濯物の洗濯槽内への投入の確認と、ユーザーの安全の確認ため、筐体101の蓋102の閉鎖の確認を行う。なお、本実施形態における洗濯物の洗濯槽内への投入は、洗濯を行おうとする洗濯物の全てを、洗濯コースの選択前に、一度に全量投入するものとする。
【0055】
蓋102が閉鎖され、洗濯機100の「スタート」ボタンが押下されると、制御装置70は、ステップS2において、容量センシングを行う。
【0056】
容量センシングは、洗濯槽に投入された洗濯物の乾燥重量(吸水前重量)を測定するステップである。具体的には、制御装置70の指示する回転速度で駆動モータ31を回転させ、その時の回転速度(回転パルス:測定値)を回転センサ31aにより取得する。
【0057】
制御装置70の容量取得部71は、取得した回転パルスを用いて、モータのONからモータのOFF後の一定時間までの「入力パルス数」や、モータが停止するまでの時間を測定することで、負荷(トルク)を測定する。
【0058】
すなわち、容量取得部71は、駆動モータ31がフィードバックとして発信する回転パルスの変化に基づいて、演算により、洗濯開始前の乾いた状態の洗濯物の容量を取得する。そして、容量取得部71は、後記の「本洗い」の洗濯水量の決定処理(図5、ステップS51)に利用するために、取得したデータを記憶部80に記憶させる。
【0059】
次いで、制御装置70は、ステップS3において、排水弁21に信号を送出して、開閉弁を「開」状態とする。これにより、洗濯槽(回転槽33)は、水を貯留せず、水を常時排水する状態となる。
【0060】
次に、制御装置70は、ステップS4において、給水弁のうちの1つを開放(開弁)し、洗濯槽への給水を開始する。ここでは、1つの給水弁は、洗剤投入部や柔軟剤投入部に繋がらず、水のみを洗濯槽に投入する第3給水弁13を選択する。
【0061】
詳細には、第3給水弁13に信号を送出して、開閉弁を「開」状態とする。これにより、第3給水路W3を経由して、洗濯槽(回転槽33)内の洗濯物の上に、洗剤を含まない水がシャワー状に供給される。
【0062】
なお、洗濯槽に洗剤や柔軟剤を投入しない設定であれば、第1給水路W1(第1給水弁11)又は第2給水路W2(第2給水弁12)を経由して、水を洗濯槽に供給してもよい。ただし、いずれの場合も、洗濯槽(回転槽33)内には、洗剤を含まない水のみが供給される。
【0063】
シャワー状の水の供給を継続しながら、制御装置70は、ステップS5において、洗濯槽の駆動を開始し、回転槽33を回転させる。
【0064】
次いで、回転槽33を回転させながら、ステップS6において、パルセータ34を駆動して、パルセータ34を回転槽33と同期回転させる。なお、パルセータ34の回転方向は、回転槽33と同じ回転方向の場合、又は、回転槽33とは逆の回転方向の場合がある。
【0065】
制御装置70は、ステップS7において、第3給水路W3からの給水と、回転槽33及びパルセータ34の回転とを継続する。そして、所定時間(この場合1分~10分程度)経過すると、制御装置70は、ステップS8において、「予洗い処理」を終了し、「予洗いすすぎ処理」(ステップS9~S15)に移行する。
【0066】
以上の「予洗い処理」(ステップS3~S8)において、予洗いの間、排水弁21は常時「開」の状態である。そのため、第3給水路W3から回転槽33内の洗濯物上に供給され、洗濯物の汚れを取り去った水は、回転槽33内に留まらず、順次排水される。
【0067】
その結果、予洗い処理時に洗濯物から落ちた汚れは、洗濯物に戻る(再付着する)ことがない。従って、本実施形態の洗濯機100は、予洗い処理時に洗濯物から落ちた汚れが洗濯物に再付着するのを抑制することができる。
【0068】
[予洗いすすぎ処理](ステップS9~S17)
次に、「予洗いすすぎ処理」は、ステップS9においてスタートするとすぐ、ステップS10において、排水弁21に信号を送出して、開閉弁を「閉」状態とする。これにより、洗濯槽(回転槽33)は、水を貯留可能な状態となる。
【0069】
次に、ステップS11において、給水弁のうちの1つ、例えば水のみを洗濯槽に投入する第3給水弁13に信号を送出して、開閉弁を「開」状態とし、回転槽33に、すすぎ用の水を供給する。なお、ステップS4と同様、洗濯槽に洗剤や柔軟剤が投入されない設定であれば、第1給水路W1(第1給水弁11)又は第2給水路W2(第2給水弁12)を経由して、水を洗濯槽に供給してもよい。
【0070】
洗剤を含まない水の供給を継続しながら、制御装置70は、ステップS12において、洗濯槽の駆動を開始し、回転槽33を回転させる。回転槽33と同時にパルセータ34を駆動して、パルセータ34を回転させてもよい(ステップS13)。
【0071】
次いで、ステップS11から維持されている洗濯槽への給水が、予め定められた所定量(予洗いすすぎ用に設定された所定「水位」)になった時点で、ステップS14において、第3給水弁13の開閉弁を閉じて、洗濯槽への給水を停止する。
【0072】
予洗いすすぎ用に設定された所定「水位」とは、ステップS2の「容量センシング」で取得された洗濯物の乾燥重量(吸水前重量)に基づいて、演算により得られる「水位」である。
【0073】
ただし、予洗いすすぎ用に設定された所定「水位」は、同じ洗濯物の乾燥重量(吸水前重量)に基づいて設定される「本洗い」(ステップS45)用の洗濯水位又は「すすぎ」(ステップS50)用の水位とは異なり、これら「本洗い」、「すすぎ」用の水位を下回る少量に抑えられている。
【0074】
洗濯槽への給水が、予め定められた所定量(所定水位)になったことの判定は、例えば水位センサ52を用いて、洗濯槽内の水面(液面)の高さを検出し、制御装置70に送信させてもよい。制御装置70は、取得した検出結果(水位データ)に基づいて、洗濯槽内の水位が、予洗いすすぎ用に設定された所定「水位」に到達したか否かを判定する。
【0075】
洗濯槽内の水位が所定「水位」に到達したことが確認され、洗濯槽への給水が停止される(ステップS14)と、制御装置70は、ステップS15において、「布質センシング」を実行する。
【0076】
布質センシングは、容量センシングとは異なり、洗濯槽に投入された洗濯物の湿潤重量(吸水重量)を測定するステップである。
【0077】
具体的には、ステップS2と同様、制御装置70の指示する回転速度で駆動モータ31を回転させ、その時の回転速度(回転パルス:測定値)を回転センサ31aにより取得する。そして、布質取得部72は、駆動モータ31の回転センサ31aがフィードバックとして発信する回転パルス(トルク)の変化に基づいて、演算により、吸水した状態の洗濯物の容量(重量)を取得する。
【0078】
そして、布質取得部72は、後記の「本洗い」の洗濯水量の決定処理(図5、ステップS51)において、取得したデータを記憶部80に記憶させる。このデータは、後に、容量センシング(ステップS2)で得られた水の投入予定量を、吸水後の洗濯物の実重量に合わせて補正するために用いられる。
【0079】
なお、布質センシングを実行することに代えて、容量取得部71を用いた二回目の「容量センシング(2nd)」を行ってもよい。二回目の「容量センシング(2nd)」によっても、吸水後の洗濯物の重量を取得することができる。
【0080】
次に、制御装置70は、ステップS16において、「汚れセンシング」を実施する。汚れセンシングは、洗濯槽内に投入された洗濯物から溶け出した「汚れ」により濁った洗浄液(ここでは「すすぎ水」)の濁度(光透過率)を、洗浄液センサ51を用いて測定するステップである。
【0081】
具体的には、汚れセンシングは、洗浄液センサ51(光センサ)を用いて、洗濯槽内の水(洗浄液)の濁度(光透過率)を検出する。詳細には、制御装置70の汚れ判定部73は、洗浄液センサ51が検出する洗濯槽内の洗浄液の濁度に基づいて、洗浄液中の汚れの濃度又は洗浄液中の洗剤の濃度が適正であるか否かを判定する。
【0082】
ここで、汚れ判定の結果に基づいて、「本洗い」(ステップS61、S62)で投入する洗剤及び投入する水の量を調整する。換言すれば、ここで、「本洗い」(ステップS63)使用する洗剤の量を、最終的に調整及び決定する。
【0083】
なお、洗剤の量が既に適正量であれば、洗剤量の調整を行わない場合もある。同様に、汚れ判定の結果に基づいて、「本洗い」(ステップS61、S62)で追加する水の量についても調整を行う。水の量が既に適正量であれば、水の追加を行わない場合もある。
【0084】
以上のように、布質センシング(ステップS15)と、汚れセンシング(ステップS16)とが完了すれば、制御装置70は、ステップS17において、回転槽33の駆動とパルセータ34の駆動とを停止して、回転をストップさせる。また、排水弁21に信号を送出して開閉弁を「開」状態とし、洗濯槽内の水を排水して、予洗いすすぎ処理を終了する。
【0085】
なお、ステップS16の汚れセンシングにより取得された「濁度」の結果が、予め定められた閾値を上回る値で、「予洗い」による汚れ落ちが不充分であると判定された場合は、ステップS2~S8の「予洗い処理」とステップS9~S16の「予洗いすすぎ」とを、ステップ順に再度繰り返し行ってもよい。
【0086】
また、図4では、「予洗いすすぎ処理」(ステップS9~S17)の完了後の次のステップを「脱水処理へ」と記載しているが、ステップ16の汚れセンシングにより取得された「濁度」の結果が、予め定められた値を下回る低い値である場合、排水処理(ステップS17)や脱水処理(予洗い脱水)を行わず、貯留されたすすぎ水を「本洗い」の洗濯用水として利用してもよい。
【0087】
次に、図5を参照して、洗濯機100が「予洗い処理」を含む1つの洗濯コース全体を行う場合について説明する。図5は、予洗い処理を含む洗濯コースのフローチャートである。なお、図5における「予洗い」(ステップS40)と、「予洗いすすぎ」(ステップS50)とは、図4における「予洗い処理」(ステップS1~S8)と、「予洗いすすぎ処理」(ステップS9~S14)と同じであるため、詳細な説明を省略する。
【0088】
洗濯機100は、電源が投入されると先ず、表示装置40にメニューや一覧等を表示して、使用する「洗濯コース」の指定を受け付ける(ステップS20)。
【0089】
以下のフローの説明は、ステップS20において、洗濯物のうちに、汚れの強い洗濯物が含まれる際に選択される「予洗い+本洗い」コースが選択された場合(ステップS30)について説明する。
【0090】
ステップS30において、「予洗い+本洗い」コースが選択、入力されると、続けて、洗濯機100は、コースの終了時刻の予約や、コース内容の詳細について受け付ける。この時、「予洗い」実行時の洗剤の使用の有無や、「予洗い」実行時に水を貯留するか否か、「予洗い」実行後「本洗い」の実行前に洗濯物の追加投入を行うか否か等を選択することができる。
【0091】
洗濯のコースが決定し、洗濯機100の洗濯開始ボタンが押されると、時刻指定が無ければ即時に、時刻指定があれば指定(予約)時刻に、「予洗い+本洗い」コースがスタートする。
【0092】
制御装置70は、ステップS40において、図4のステップS1~S8に記載の「予洗い処理」を実行する。すなわち、ステップS40の「予洗い」は、最初に、洗濯槽に投入された洗濯物の乾燥重量(吸水前重量)を取得する「容量センシング」(ステップS2)を実行し、得られた結果(データ)を記憶部80に記憶する。
【0093】
また、ステップS40の「予洗い」は、洗剤を使用せず、排水弁21を開けたまま、洗濯槽(回転槽33)内の洗濯物の上に、第3給水路W3からシャワー状の水を供給しながら、回転槽33及びパルセータ34を回転させ、水に溶出してきた汚れを、洗濯槽外に即時排出する。これにより、予洗い時に洗濯物から落ちた汚れが洗濯物に再付着するのを抑制することができる。
【0094】
次に、ステップ50において、図4のステップS9~S14に記載の「予洗いすすぎ処理」を実行する。この時、制御装置70は、「予洗いすすぎ処理」の終わりに、布質センシング(ステップS15)と汚れセンシング(ステップS16)とを実行する。
【0095】
ここで、制御装置70は、布質センシング(ステップS15)で得られた洗濯物の湿潤重量(吸水重量)と、記憶部80に記憶された容量センシング(ステップS2)で得られた洗洗濯物の乾燥重量(吸水前重量)とに基づいて、演算により、「本洗い」(ステップS63)で必要な水の適量を、的確に決定することができる(ステップS51)。
【0096】
なお、洗濯物の湿潤重量(吸水重量)に替えて、又は吸水重量と共に、脱水処理(予洗い脱水)の後の洗濯物の重量(予洗い脱水後重量)を利用してもよい。すなわち、上記のように、洗濯物の吸水前重量と吸水重量とによって布質に関する情報を得るほかに、吸水前重量と予洗い脱水後重量とによって、布質に関する情報を得ることができる。あるいは、吸水前重量と吸水重量と予洗い脱水後重量とによって、布質に関する情報を得てもよい。そして、布質に関する情報に基づいて、本洗いで必要な水の適量を、的確に決定することができる。
【0097】
また、制御装置70は、汚れセンシング(ステップS16)で得られた予洗いすすぎ時の洗浄液(水)の濁度に基づいて、演算により、「本洗い」(ステップS63)で必要な洗剤の適量を、ステップS52において的確に決定することができる。
【0098】
なお、上記のように、ステップS50の予洗いすすぎを実行後に、図4に記載の排水処理(ステップS17)、脱水処理(予洗い脱水)を行うことで、本洗い又は2回目以降の予洗いの効果を向上させることができる。ただし、ステップS16の汚れセンシングにより取得された「濁度」の結果が、予め定められた値を下回る低い値である場合、排水処理(ステップS17)や脱水処理(予洗い脱水)を行わず、貯留されたすすぎ水を「本洗い」の洗濯用水として利用してもよい。すすぎ水を再利用することで、洗濯コース全体の水量を低減し、かつ洗濯時間を短くすることができる。排水処理(ステップS17)又は脱水処理(予洗い脱水)は、ステップS50の実行後、ステップS60の実行前に実行すればよい。
【0099】
次いで、ステップS60~S63の「本洗い」では、洗濯槽に、ステップS51で設定された量の「水」を給水部10から投入し、ステップS52で設定された量の「洗剤」を洗剤投入装置60から投入する。
【0100】
具体的には、制御装置70は、水の供給ステップ(ステップS61)において、給水部10を構成する第1給水路W1、第2給水路W2及び第3給水路W3のうちから、洗剤投入部に繋がる第1給水路W1を選択し、第1給水弁11を開けて、水の供給を開始する。
【0101】
ここで、本洗いの際に洗濯槽に投入される水の量は、先のステップS51で設定されているため、制御装置70は、その設定水量に合うよう、回転槽33に水を投入する。
【0102】
詳細には、制御装置70は、水位センサ52が検出する回転槽33内の水面(液面)の高さを監視しながら、第1給水路W1に水を供給する第1給水弁11の開閉を制御する。これにより、過剰な水の投入が抑制され、結果、水の使用を節約(節水)することができる。
【0103】
次に、第1給水路W1を用いた水の投入(ステップS61)に遅れて、制御装置70は、洗剤の供給ステップ(ステップS62)を開始する。これは、洗剤が、濃い状態の「原液」のまま洗濯物に付着して、洗濯物の生地が傷むのを抑制するためである。洗剤の投入(ステップS62)が水の投入(ステップS61)に遅れて始まる時間(タイムラグ)は、1分~10分程度の時間で任意に設定可能である。
【0104】
具体的には、水の投入開始(ステップS61)から数分遅れて、洗剤の投入ステップ(ステップS62)が開始される。洗剤の投入は、第1給水弁11が開いて既に水が流れている第1給水路W1に、洗剤投入装置60の洗剤投入部(洗剤タンク64)から、送給ポンプ61を用いて洗剤を投入することにより行われる。
【0105】
詳細には、送給ポンプ61を起動して、信号により洗剤供給弁62の開閉弁を開ける。これにより、洗剤タンク64内に貯留された洗剤を、第1給水路W1内を流過する水に混ぜ合わせ、回転槽33に投入することができる。なお、洗剤の供給(ステップS62)の開始に合わせ、回転槽33及びパルセータ34の回転駆動を開始し、本洗い(ステップS63)をスタートしてもよい。
【0106】
また、本洗い(ステップS63)の実行中も、回転センサ31aが検出するパルスに基づく回転トルクを取得して、水量及び洗剤量(濃度)が適正であるか否かを監視してもよい。その結果、水又は洗剤、あるいはその両方を追加投入してもよい。
【0107】
更に、本洗い(ステップS63)の実行中に、洗浄液センサ51が検出する洗濯槽内の洗浄液の濁度(光透過率)を取得して、水量及び洗剤量(濃度)が適正であるか否か、又は、汚れ落ちの程度が充分であるか否かを監視してもよい。結果が不充分であれば、水又は洗剤、あるいはその両方を追加投入してもよい。
【0108】
所定時間の間、回転槽33及びパルセータ34を駆動して回転させた後、本洗い(ステップS63)を終了する。
【0109】
本洗い終了後は、図5に示すように、通常のすすぎ処理(ステップS70)と、脱水処理(ステップS80)とを行って、指定の洗濯コースは終了する。
【0110】
なお、すすぎ処理(ステップS70)中に、洗浄液センサ51が検出する洗濯槽内の洗浄液の濁度(光透過率)を取得して、汚れ落ちの程度が不充分であると判断された場合、再度、「予洗い処理」-「本洗い」-「すすぎ」、又は、「本洗い」-「すすぎ」を実施するようにしてもよい。
【0111】
更に、すすぎ処理(ステップS70)の際に、すすぎの水量として、先のステップS51で設定された水量を適用するようにしてもよい。これにより、すすぎ時の水を節水することができる。
【0112】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の構成から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0113】
図1図5を参照して説明した実施形態では、縦型(縦型洗濯槽)の洗濯機100を例に説明したが、本発明の洗濯機のタイプや形式は、実施形態に限られるものではなく、種々の構成の洗濯機で実施することができる。
【0114】
図6及び図7を参照して、実施形態の洗濯機が、ドラム式(横型ドラム式)の洗濯機200である場合を説明する。なお、図中、縦型洗濯機100と同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0115】
図6は、ドラム式洗濯機200の斜視図であり、図7は、ドラム式洗濯機200の断面図である。ドラム式洗濯機200のブロック図は、図3における洗濯機を示す符号「100」が「200」に代わる以外、同一であるため図示を省略する。
【0116】
ドラム式洗濯機200が、外観上、縦型洗濯機100と異なる点は、筐体201と、蓋202と、操作表示部203と、蓋202の開閉ボタン205とを備える点である。また、開口部104と同様の開口部204を有する。
【0117】
図7に示す内部構造において縦型洗濯機100と異なる点は、排水部20が、排水弁21、排水口22(開口部)、排水路23、外部排水路25を含む点である。
【0118】
また、攪拌部材34として、パルセータ34に代えて、回転槽(ドラム)33の側壁(周面)に、洗濯物を持ち上げるためのリブが配置されている。
【0119】
なお、駆動モータ31の回転は、洗濯機100と同様、回転センサ31aにより検出している。
【0120】
以上の構成のドラム式洗濯機200においても、図4のフローチャートに示す予洗い処理及び予洗いすすぎ処理を実行可能である。従って、ステップS1~S17の工程を行った場合、ドラム式洗濯機200は、縦型洗濯機100と同様、予洗い処理時に洗濯物から落ちた汚れが洗濯物に再付着するのを抑制することができる。
【産業上の利用可能性】
【0121】
本発明は、洗濯機の分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0122】
1 水槽
10 給水部
20 排水部
30 駆動部
31 駆動モータ
40 表示装置
33 回転槽(ドラム)
60 洗剤投入装置
70 制御装置
71 容量取得部
72 布質取得部
73 汚れ判定部
80 記憶部
100 洗濯機
200 洗濯機
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7