IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社山田製作所の特許一覧

<>
  • 特許-スカベンジポンプ 図1
  • 特許-スカベンジポンプ 図2
  • 特許-スカベンジポンプ 図3
  • 特許-スカベンジポンプ 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-07
(45)【発行日】2025-01-16
(54)【発明の名称】スカベンジポンプ
(51)【国際特許分類】
   F04C 2/10 20060101AFI20250108BHJP
   F04C 15/00 20060101ALI20250108BHJP
【FI】
F04C2/10 341G
F04C15/00 H
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021052941
(22)【出願日】2021-03-26
(65)【公開番号】P2022150364
(43)【公開日】2022-10-07
【審査請求日】2024-03-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000144810
【氏名又は名称】株式会社山田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100067356
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 容一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100160004
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 憲雅
(74)【代理人】
【識別番号】100120558
【弁理士】
【氏名又は名称】住吉 勝彦
(74)【代理人】
【識別番号】100148909
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧澤 匡則
(74)【代理人】
【識別番号】100192533
【弁理士】
【氏名又は名称】奈良 如紘
(72)【発明者】
【氏名】藤井 政彦
(72)【発明者】
【氏名】平山 祐
(72)【発明者】
【氏名】川嶋 健二
(72)【発明者】
【氏名】益田 正子
(72)【発明者】
【氏名】金子 敦史
【審査官】大瀬 円
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-218236(JP,A)
【文献】特開2006-009653(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04C 2/10
F04C 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品に供給されたオイルを回収するキャッチタンクから、オイルが溜められているオイルパンまでオイルを汲み上げるために用いられ、
オイルを汲み上げるために互いに噛み合っている2つの歯車と、これらの歯車を収納しているハウジングと、を有し、
前記ハウジングには、外部から噴射されるオイルを受けることが可能なオイル受け部が外周面に形成されていると共に、前記オイル受け部の下部に連続し前記歯車に臨む位置に前記オイル受け部に噴射されたオイルを内部に導入するためのオイル導入穴が開けられており、
前記オイル受け部は、前記歯車の側面に重なる位置に形成され、
前記オイル導入穴は、前記2つの歯車の境界に臨んでいる、スカベンジポンプ。
【請求項2】
前記オイル導入穴にオイルを導くためのガイド部が、前記オイル導入穴の外周面側の縁に沿って形成されている、請求項1に記載のスカベンジポンプ。
【請求項3】
前記オイル受け部の面積は、前記オイル導入穴の面積よりも大きい、請求項1又は請求項2に記載のスカベンジポンプ。
【請求項4】
前記ハウジングは、前記ガイド部と共に前記オイル導入穴の周縁にオイルを溜めることが可能なオイル溜め部を有している、請求項2に記載のスカベンジポンプ。
【請求項5】
前記オイル導入穴は、外周面から内周面に向かって拡径している、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載のスカベンジポンプ。
【請求項6】
前記オイル受け部は、前記オイル導入穴に向かって徐々に幅が狭まるように形成されている、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載のスカベンジポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品に供給されたオイルを回収するキャッチタンクから、オイルが溜められているオイルパンまでオイルを汲み上げるスカベンジポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
一部の車両には、ターボチャージャー等の部品が搭載されている。このような部品は、車両内を循環するオイルによって潤滑に作動することが可能になると共に冷却される。部品を通過したオイルは、キャッチタンクによって回収され、キャッチタンクからオイルパンに戻される。このとき、キャッチタンクの方がオイルパンよりも低い部位に位置する場合には、スカベンジポンプを用いてキャッチタンクからオイルパンへオイルを汲み上げる。スカベンジポンプに関する従来技術として特許文献1に開示される技術がある。
【0003】
特許文献1では、オイルを循環させるためのフィードポンプとの比較によって、スカベンジポンプの特徴が説明されている。その特徴の1つとして、フィードポンプは、略オイルのみを運搬するのに対し、スカベンジポンプではオイルだけでなく空気も運搬する、という点が挙げられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-78190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、車両の始動直後には、まだスカベンジポンプ内に十分にオイルが循環されておらず、ほとんどオイルが充填されていないことがある。このような状況からスカベンジポンプが作動したとしても、オイルを汲み上げるための歯車と歯車の間に多くの空気が含まれることとなる。スカベンジポンプ内に充填されたオイルが不足するとシール性が低くなり、これにより、十分な量のオイルを吸い上げることが困難となる。このため、効率よくオイルを循環させる点において、改善の余地がある。
【0006】
本発明は、オイルを効率よく循環させることのできるスカベンジポンプの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、部品に供給されたオイルを回収するキャッチタンクから、オイルが溜められているオイルパンまでオイルを汲み上げるために用いられ、
オイルを汲み上げるための歯車と、この歯車を収納しているハウジングと、を有し、
前記ハウジングには、外部から噴射されるオイルを受けることが可能なオイル受け部が外周面に形成されていると共に、前記オイル受け部の下部に連続し前記歯車に臨む位置に前記オイル受け部に噴射されたオイルを内部に導入するためのオイル導入穴が開けられている、スカベンジポンプが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、オイルを効率よく循環させることができるスカベンジポンプを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施例によるスカベンジポンプが用いられたオイル循環装置の模式図である。
図2図1に示されたスカベンジポンプの斜視図である。
図3図2に示されたスカベンジポンプの分解図である。
図4図4Aは、比較例によるスカベンジポンプの作用について説明する図、図4Bは、実施例によるスカベンジポンプの作用について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図中、Upは上、Dnは下を示している。
【0011】
<実施例>
図1を参照する。例えば、車両には、オイルを循環させるためのオイル循環装置10が搭載されている。本発明によるスカベンジポンプ20は、オイル循環装置10の一部を構成する。
【0012】
オイル循環装置10は、オイルOiが溜められているオイルパン11と、このオイルパン11からオイルOiを汲み上げることが可能なフィードポンプ12と、このフィードポンプ12からターボチャージャー13に送られターボチャージャー13を冷却したオイルOiを回収するキャッチタンク14と、このキャッチタンク14からオイルパン11までオイルOiを汲み上げるスカベンジポンプ20と、このスカベンジポンプ20にオイルOiを噴射可能なノズル16と、を有する。
【0013】
オイル循環装置10の流路は、ターボチャージャー13の他にも様々な部品を潤滑に作動させ、且つ、冷却するために分岐している。他の部品を通過したオイルOiも、オイルパン11に戻される。
【0014】
ここで、オイルOiによって潤滑に作動し、且つ、冷却される部品は、エンジンの他に、ターボチャージャー13やスーパーターボチャージャー等が挙げられる。本実施例では、オイルによって潤滑に作動し、且つ、冷却される部品として、過給機としてのターボチャージャー13を例に説明する。適宜、ターボチャージャー13を、「部品13」という。
【0015】
図2を参照する。ノズル16は、スカベンジポンプ20に対向して設けられている。例えば、スカベンジポンプ20を作動させる際に、ノズル16からスカベンジポンプ20に向かってオイルOiを噴射する。理由は、後述する。
【0016】
図3を併せて参照する。スカベンジポンプ20は、ハウジング30に、回転可能に設けられているインナーロータ22と、このインナーロータ22を囲いインナーロータ22が回転することにより回転するアウターロータ23と、が収納されてなる。
【0017】
ハウジング30は、インナーロータ22及びアウターロータ23が収納されている本体部31と、この本体部31に重ねられている蓋部32と、を有する。
【0018】
本体部31には、外部からオイルを吸入するために開けられている吸入穴部31aと、この吸入穴部31aからインナーロータ22及びアウターロータ23まで導く吸入ポート31bと、この吸入ポート31bから吸入されたオイルが運ばれる吐出ポート31cと、この吐出ポート31cに運ばれたオイルを外部に吐出するために開けられている吐出穴部31dと、を有する。
【0019】
蓋部32の外周面には、一般面32aに対してインナーロータ22及びアウターロータ23の側面に向かって凹むように、ノズル16から噴射されるオイルを受けることが可能なオイル受け部32bが形成されている。また、オイル受け部32bの下部に連続していると共に、インナーロータ22及びアウターロータ23の境界部に重なる位置に、オイル導入穴32cが開けられている。
【0020】
一般面32aと、オイル受け部32bとは、オイルOiをオイル導入穴32cに導くガイド部32dによって接続されている。ガイド部32dは、オイル受け部32bの外周及びオイル導入穴32cの縁に沿って連続して形成されている。
【0021】
オイル受け部32bは、下方に形成されているオイル導入穴32cに向かって徐々に幅が狭まるように形成されている。また、オイル受け部32bの上下の長さは、円柱状に形成されているオイル導入穴32cの直径よりも長い。オイル受け部32bの面積は、オイル導入穴32cの面積よりも大きい。
【0022】
オイル導入穴32cは、オイル受け部32bに噴射されたオイルOiを、ハウジング30の内部に導入するために開けられている穴である。オイル導入穴32cは、インナーロータ22及びアウターロータ23の境界部分に重なる位置に形成されている。
【0023】
図4Bを参照する。例えば、オイル導入穴32cは、外周面から内周面に向かって拡径している。即ち、オイル導入穴32cの直径は、外周面側よりも内周面側において大きい。
【0024】
なお、オイル導入穴32cが形成される位置は、インナーロータ22及びアウターロータ23の境界部分より上方であっても良い。
【0025】
また、オイル導入穴32cは、外周面側から内周面側まで径が同じであってもよい。また、オイル導入穴32cは、外周面側から内周面側まで径が同じであると共に、内周面側に向かって下り勾配に形成されていても良い。
【0026】
ガイド部32dの下部に沿って、ガイド部32dと共にオイル導入穴32cの下部にオイルOiを溜めることが可能なオイル溜め部32eが設けられている。オイル溜め部32eは、オイルガイド部32dの下半周の縁に沿って、略半円形状に形成されている。オイル溜め部32eの上面は、オイル導入穴32cの外面側の下縁よりも高いことが好ましい。
【0027】
なお、オイル溜め部32eは、別部材ではなく、一般面32aに一体的に形成することもできる。
【0028】
インナーロータ22の中心には、棒状の軸部材が貫通する。軸部材は、例えば、エンジンのクランクシャフトに接続されている。この場合、エンジンが作動すると、クランクシャフトが回転し、インナーロータ22も回転する。インナーロータ22の外周に配置されているアウターロータ23は、インナーロータ22が回転することにより回転する。
【0029】
なお、インナーロータ22及びアウターロータ23は、回転することによりオイルを汲み上げる歯車である。以下、インナーロータ22及びアウターロータ23を纏めて「歯車22、23」ということがある。
【0030】
図1及び図3を参照する。歯車22、23が回転することにより、オイルOiがキャッチタンク14から汲み上げられる。汲み上げられたオイルOiは、吸入穴部31aから吸入ポート31bへ流れる。オイルOiは、吸入ポート31bからインナーロータ22とアウターロータ23とによって囲われた空間に吸入される。吸入されたオイルOiは、インナーロータ22とアウターロータ23とによって囲われた空間が小さくなることにより吐出ポート31cに吐出される。吐出ポート31cに吐出されたオイルOiは、吐出穴部31dからハウジング30の外部に吐出され、オイルパン11に戻される。
【0031】
ところで、車両の始動直後には、まだ十分にオイルOiが循環されておらず、スカベンジポンプ20内のオイルOiがほぼ落下している場合があり、スカベンジポンプ20内のシール性が不十分な場合がある。このような状況からスカベンジポンプ20が作動したとしても、インナーロータ22とアウターロータ23との間に多くの空気が含まれることとなる。インナーロータ22とアウターロータ23とのシール性が低いと、オイルOiを吸い上げる力が弱いため、十分な量のオイルOiを循環させることが困難である。このため、ノズル16からオイルOiを噴射し、ハウジング30の内部にオイルOiを供給する。噴射したオイルOiがハウジング30の内部に供給されることにより、インナーロータ22とアウターロータ23とのシール性を高めることができる。これにより、キャッチタンク14に溜まったオイルOiを十分に汲み上げることができる。つまり、ノズル16から噴射されるオイルOiは、呼び水の役割を果たす。
【0032】
ノズル16は、エンジンの回転開始直後、又は、数秒のタイムラグを経てオイルの噴射を開始する。エンジンの回転が継続している限り、ノズル16からのオイルOiの噴射も継続する。このとき、ノズル16から噴射されるオイルの圧力は、エンジンの回転数によって変化する。エンジンの回転数が高い時には、高い圧力で噴射される。
【0033】
以上に説明したスカベンジポンプ20について、以下纏める。
【0034】
スカベンジポンプ20は、部品13に供給されたオイルOiを回収するキャッチタンク14から、オイルOiが溜められているオイルパン11までオイルOiを汲み上げるために用いられる。また、スカベンジポンプ20は、オイルOiを汲み上げるための歯車22、23と、これらの歯車22、23を収納しているハウジング30と、を有している。ハウジング30には、外部から噴射されるオイルOiを受けることが可能なオイル受け部32bが外周面に形成されていると共に、オイル受け部32bの下部に連続し歯車22、23に臨む位置にオイル受け部32bに噴射されたオイルOiを内部に導入するためのオイル導入穴32cが開けられている。
【0035】
ハウジング30にオイル導入穴32cが開けられていることにより、外部からハウジング30に向かって噴射したオイルOiを導入することができる。ハウジング30の内部に導入されたオイルOiの一部は、歯車22、23の間に流れ、歯車22、23のシール性が向上する。これにより、効率よくオイルOiを汲み上げることができるようになる。つまり、スカベンジポンプ20は、オイルOiを効率よく循環させることができる。
【0036】
さらに、ハウジング30にオイル受け部32bを形成した理由を次に説明する。
【0037】
図4Aを参照する。本発明者らは、まず、ハウジング130にオイル導入穴132cのみが形成されたスカベンジポンプ120を作成した。このようなスカベンジポンプ120では、オイルを効率よく循環させることができたが、より効率よくオイルを循環させる点について改善の余地があった。本発明者らは、研究の結果、ノズル116から噴射されたオイルOiが直接的に歯車122、123に噴射されることにより、歯車122、123が僅かに変位し、オイルを汲み上げる流量が悪化する原因となっていることを知見した。また、オイルOiが歯車122、123に直接的に当たらない場合でも、噴射されたオイルOiの圧力によって吐出穴部31dなどの吐出側流路がふさがれてしまうことにより、オイルOiが詰まったような状態になり、結果としてオイルを汲み上げる流量が悪化する原因となることも知見した。
【0038】
図4Bを参照する。本発明者らは、ノズル16から噴射されるオイルOiを受けることが可能なオイル受け部32bをハウジング30の外周面に形成し、オイル受け部32bに噴射されたオイルOiをハウジング30の内部に導入するためのオイル導入穴32cを、オイル受け部32bの下部に連続して形成することとした。オイルOiは、ノズル16からオイル受け部32bに噴射され、オイル受け部32bを伝ってオイル導入穴32cに達する。オイル導入穴32cに達したオイルは、オイル導入穴32cを通過して、ハウジング30の内部に達する。これにより、ハウジング30の内部には、オイルOiがゆっくり流れ込む。このようなスカベンジポンプ20では、比較例によるスカベンジポンプ120(図4A参照)に対して、循環するオイル流量を増加させることができた。つまり、スカベンジポンプ20は、オイルOiをより効率よく循環させることができる。
【0039】
また、オイル導入穴32cにオイルOiを導くためのガイド部32dが、オイル導入穴32cの外周面側の縁に沿って形成されている。ガイド部32dによってオイルOiをオイル導入穴32cに導くことができる。このため、オイル受け部32bに噴射したオイルOiをよりハウジング30の内部に導くことができ、歯車22、23のシール性を担保することができる。これにより、さらに効率よくオイルOiを循環させることができる。
【0040】
図3を参照する。また、オイル受け部32bの面積は、オイル導入穴32cの面積よりも大きい。噴射されたオイルを、より確実にオイル受け部32bで受けることができると共に、オイルが直接的にオイル導入穴32cに噴射されることを抑制できる。これにより、さらに効率よくオイルOiを循環させることができる。
【0041】
図4Bを参照する。ハウジング30には、ガイド部32dと共にオイル導入穴32cの下部にオイルを溜めることが可能なオイル溜め部32eが形成されている。オイル溜め部32eが形成されていることにより、オイル受け部32bを伝って下部に流れてきたオイルOiをより確実にオイル導入穴32cに導入することができる。なお、ガイド部32dは、平面状であっても良いし、オイル導入穴32cに向かって下り勾配に形成されていても良い。
【0042】
また、オイル導入穴32cは、外周面から内周面に向かって拡径している。例えば、坂道で車が停車した場合等に、スカベンジポンプ10が水平軸に対して傾くことがある。この構成により、スカベンジポンプ10が傾いている場合であっても、オイル受け部32bに当たったオイルOiをポンプ内部に確実に導入することができる。
【0043】
図3を参照する。オイル受け部32bは、オイル導入穴32cに向かって徐々に幅が狭まるように形成されている。より多くのオイルを、オイル受け部32bで受けることができると共に、受けたオイルをより確実にオイル導入穴32cに導くことができる。これにより、さらに効率よくオイルOiを循環させることができる。
【0044】
なお、オイルパン11(図1参照)には、一般に一定量以上のオイルが常に充填されている。このため、オイルパン11からオイルを汲み上げるフィードポンプ12では、歯車の間のシール性が一定程度保たれる。つまり、スカベンジポンプ20のように、所定の場合において歯車22、23の間のシール性が低い、という課題がそもそも生じにくい。この点において、フィードポンプ12とスカベンジポンプ20とは、大きく異なるものである。
【0045】
本発明によるスカベンジポンプは、車両に適用した例を用いて説明したが、車両以外の乗り物や建機等にも適用可能であり、これらの形式のものに限られるものではない。また、スカベンジポンプは、内接歯車ポンプを例に説明をしたが、外接歯車ポンプであっても本発明を適用することができる。
【0046】
即ち、本発明の作用及び効果を奏する限りにおいて、本発明は、実施例に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明のスカベンジポンプは、車両の冷却用オイルをオイルパンへ汲み上げるのに好適である。
【符号の説明】
【0048】
11…オイルパン
13…ターボチャージャー(部品)
14…キャッチタンク
20…スカベンジポンプ
22…インナーロータ(歯車)
23…アウターロータ(歯車)
30…ハウジング
32b…オイル受け部、32c…オイル導入穴、32d…ガイド部、32e…オイル溜め部
Oi…オイル
図1
図2
図3
図4