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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-07
(45)【発行日】2025-01-16
(54)【発明の名称】半導体装置及び半導体モジュール
(51)【国際特許分類】
   H10D 12/00 20250101AFI20250108BHJP
   H10D 30/66 20250101ALI20250108BHJP
   H10D 84/80 20250101ALI20250108BHJP
【FI】
H01L29/78 655A
H01L29/78 652M
H01L29/78 655G
H01L29/78 655D
H01L29/78 652Q
H01L29/78 653C
H01L29/78 657D
H01L29/78 652T
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021109805
(22)【出願日】2021-07-01
(65)【公開番号】P2023006928
(43)【公開日】2023-01-18
【審査請求日】2023-11-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】下條 亮平
(72)【発明者】
【氏名】坂野 竜則
【審査官】恩田 和彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-150031(JP,A)
【文献】特開2005-191221(JP,A)
【文献】特開2021-064673(JP,A)
【文献】特開2013-098415(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/739
H01L 29/78
H01L 29/12
H01L 29/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極と、
第2電極であって、前記第1電極から前記第2電極への方向は、第1方向に沿う、前記第2電極と、
前記第1方向と交差する第2方向に沿って延びる第1延在部を含む第1配線部材であって、前記第1延在部から前記第2電極への第3方向は、前記第1方向及び前記第2方向を含む第1平面と交差した前記第1配線部材と、
前記第3方向に沿って延びる第3電極であって、前記第3電極の一部は、前記第1電極と前記第1延在部との間にあり、前記第3電極の別の一部は、前記第1電極と前記第2電極との間にあり、前記第3電極は、前記第1延在部と電気的に接続された、前記第3電極と、
前記第1方向において、前記第1電極と前記第2電極との間、及び、前記第1電極と前記第1延在部との間に設けられた半導体部材であって、前記半導体部材は、
第1導電形の第1半導体領域であって、前記第1半導体領域は、第1部分領域及び第2部分領域を含み、前記第1部分領域は、前記第1方向において前記第1電極と前記第3電極との間にあり、前記第3電極から前記第2部分領域への方向は、前記第2方向に沿う、前記第1半導体領域と、
前記第2電極と電気的に接続された第2導電形の第2半導体領域であって、前記第3電極から前記第2半導体領域への方向は、前記第2方向に沿う、前記第2半導体領域と、
前記第2電極と電気的に接続された前記第1導電形の第3半導体領域であって、前記第2半導体領域の一部は、前記第1方向において、前記第2部分領域と前記第3半導体領域との間にあり、前記第3電極から前記第3半導体領域の少なくとも一部への方向は、前記第2方向に沿う、前記第3半導体領域と、
前記第1電極と前記第1半導体領域との間に設けられた前記第2導電形の第4半導体領域と、
前記第1電極と前記第1半導体領域との間に設けられた前記第1導電形の第5半導体領域であって、前記第4半導体領域から前記第5半導体領域への方向は、前記第1方向と交差した、前記第5半導体領域と、
前記第2電極と電気的に接続された前記第1導電形の第6半導体領域であって、前記第6半導体領域の少なくとも一部は、前記第2半導体領域の別の一部と、前記第1延在部と、の間にある、前記第6半導体領域と、
を含む前記半導体部材と、
第1絶縁領域を含む絶縁部材であって、前記第1絶縁領域は、前記第3電極と前記半導体部材との間に設けられた、前記絶縁部材と、
を備え、
前記第6半導体領域の前記第3方向に沿う第6半導体領域長さは、前記第3半導体領域の前記第3方向に沿う第3半導体領域長さよりも長い、半導体装置。
【請求項2】
前記第6半導体領域長さは、前記第3半導体領域長さの10倍以上500倍以下である、請求項に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第6半導体領域長さは、前記第3電極の前記第2方向に沿う長さよりも長い、請求項またはに記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1配線部材は、第1配線接続部をさらに含み、
前記第1配線接続部は、前記第3電極と前記第1延在部との間に設けられ、
前記第1配線接続部は、前記第3電極を前記第1延在部と電気的に接続する、請求項1~のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1配線接続部の前記第3方向に沿う長さは、前記第1配線接続部の前記第2方向に沿う長さよりも長い、請求項に記載の半導体装置。
【請求項6】
第1電極と、
第2電極であって、前記第1電極から前記第2電極への方向は、第1方向に沿う、前記第2電極と、
前記第1方向と交差する第2方向に沿って延びる第1延在部を含む第1配線部材であって、前記第1延在部から前記第2電極への第3方向は、前記第1方向及び前記第2方向を含む第1平面と交差した前記第1配線部材と、
前記第3方向に沿って延びる第3電極であって、前記第3電極の一部は、前記第1電極と前記第1延在部との間にあり、前記第3電極の別の一部は、前記第1電極と前記第2電極との間にあり、前記第3電極は、前記第1延在部と電気的に接続された、前記第3電極と、
前記第1方向において、前記第1電極と前記第2電極との間、及び、前記第1電極と前記第1延在部との間に設けられた半導体部材であって、前記半導体部材は、
第1導電形の第1半導体領域であって、前記第1半導体領域は、第1部分領域及び第2部分領域を含み、前記第1部分領域は、前記第1方向において前記第1電極と前記第3電極との間にあり、前記第3電極から前記第2部分領域への方向は、前記第2方向に沿う、前記第1半導体領域と、
前記第2電極と電気的に接続された第2導電形の第2半導体領域であって、前記第3電極から前記第2半導体領域への方向は、前記第2方向に沿う、前記第2半導体領域と、
前記第2電極と電気的に接続された前記第1導電形の第3半導体領域であって、前記第2半導体領域の一部は、前記第1方向において、前記第2部分領域と前記第3半導体領域との間にあり、前記第3電極から前記第3半導体領域の少なくとも一部への方向は、前記第2方向に沿う、前記第3半導体領域と、
前記第1電極と前記第1半導体領域との間に設けられた前記第2導電形の第4半導体領域と、
前記第1電極と前記第1半導体領域との間に設けられた前記第1導電形の第5半導体領域であって、前記第4半導体領域から前記第5半導体領域への方向は、前記第1方向と交差した、前記第5半導体領域と、
前記第2電極と電気的に接続された前記第1導電形の第6半導体領域であって、前記第6半導体領域の少なくとも一部は、前記第2半導体領域の別の一部と、前記第1延在部と、の間にある、前記第6半導体領域と、
を含む前記半導体部材と、
第1絶縁領域を含む絶縁部材であって、前記第1絶縁領域は、前記第3電極と前記半導体部材との間に設けられた、前記絶縁部材と、
を備え、
前記第1配線部材は、第1配線接続部をさらに含み、
前記第1配線接続部は、前記第3電極と前記第1延在部との間に設けられ、
前記第1配線接続部は、前記第3電極を前記第1延在部と電気的に接続し、
前記第1配線接続部の前記第3方向に沿う長さは、前記第1配線接続部の前記第2方向に沿う長さよりも長い、半導体装置。
【請求項7】
前記第2電極は、第2電極面状部と、第2電極接続部と、を含み、
前記第2電極接続部は、前記第3方向に沿って延び、
前記第2電極接続部の一部は、前記第1方向において前記第2半導体領域と前記第2電極面状部との間にあり、
前記第2電極接続部は、前記第2半導体領域を前記第2電極面状部と電気的に接続する、請求項1~6のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第2電極は、第2電極面状部と、第2電極接続部と、を含み、
前記第2電極接続部は、前記第3方向に沿って延び、
前記第2電極接続部の一部は、前記第1方向において前記第3半導体領域と前記第2電極面状部との間にあり、
前記第2電極接続部の別の一部は、前記第1方向において前記第6半導体領域と前記第2電極面状部との間にあり、
前記第2電極接続部は、前記第3半導体領域を前記第2電極面状部と電気的に接続し、前記第6半導体領域を前記第2電極面状部と電気的に接続する、請求項1~6のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項9】
第1電極と、
第2電極であって、前記第1電極から前記第2電極への方向は、第1方向に沿う、前記第2電極と、
前記第1方向と交差する第2方向に沿って延びる第1延在部を含む第1配線部材であって、前記第1延在部から前記第2電極への第3方向は、前記第1方向及び前記第2方向を含む第1平面と交差した前記第1配線部材と、
前記第3方向に沿って延びる第3電極であって、前記第3電極の一部は、前記第1電極と前記第1延在部との間にあり、前記第3電極の別の一部は、前記第1電極と前記第2電極との間にあり、前記第3電極は、前記第1延在部と電気的に接続された、前記第3電極と、
前記第1方向において、前記第1電極と前記第2電極との間、及び、前記第1電極と前記第1延在部との間に設けられた半導体部材であって、前記半導体部材は、
第1導電形の第1半導体領域であって、前記第1半導体領域は、第1部分領域及び第2部分領域を含み、前記第1部分領域は、前記第1方向において前記第1電極と前記第3電極との間にあり、前記第3電極から前記第2部分領域への方向は、前記第2方向に沿う、前記第1半導体領域と、
前記第2電極と電気的に接続された第2導電形の第2半導体領域であって、前記第3電極から前記第2半導体領域への方向は、前記第2方向に沿う、前記第2半導体領域と、
前記第2電極と電気的に接続された前記第1導電形の第3半導体領域であって、前記第2半導体領域の一部は、前記第1方向において、前記第2部分領域と前記第3半導体領域との間にあり、前記第3電極から前記第3半導体領域の少なくとも一部への方向は、前記第2方向に沿う、前記第3半導体領域と、
前記第1電極と前記第1半導体領域との間に設けられた前記第2導電形の第4半導体領域と、
前記第1電極と前記第1半導体領域との間に設けられた前記第1導電形の第5半導体領域であって、前記第4半導体領域から前記第5半導体領域への方向は、前記第1方向と交差した、前記第5半導体領域と、
前記第2電極と電気的に接続された前記第1導電形の第6半導体領域であって、前記第6半導体領域の少なくとも一部は、前記第2半導体領域の別の一部と、前記第1延在部と、の間にある、前記第6半導体領域と、
を含む前記半導体部材と、
第1絶縁領域を含む絶縁部材であって、前記第1絶縁領域は、前記第3電極と前記半導体部材との間に設けられた、前記絶縁部材と、
を備え、
前記第2半導体領域の一部は、前記第6半導体領域と前記第3半導体領域との間にある、半導体装置。
【請求項10】
前記第6半導体領域における前記第1導電形の不純物濃度は、前記第3半導体領域における前記第1導電形の不純物濃度の0.5倍以上2倍以下である、請求項1~9のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項11】
前記半導体部材は、前記第1導電形の第7半導体領域をさらに含み、
前記第7半導体領域は、前記第4半導体領域と前記第1半導体領域との間、及び、前記第5半導体領域と前記第1半導体領域との間に設けられ、
前記第7半導体領域における前記第1導電形の不純物濃度は、前記第1半導体領域における前記第1導電形の不純物濃度よりも高い、請求項1~10のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項12】
前記半導体部材は、複数の前記第3半導体領域と、複数の前記第6半導体領域と、を含み、
前記第3電極の前記一部は、前記第2方向において、前記複数の第3半導体領域の1つと、前記複数の第3半導体領域の別の一部と、の間にあり、
前記第3電極の前記別の一部は、前記第2方向において、前記複数の第6半導体領域の1つと、前記複数の第6半導体領域の別の1つと、の間にある、請求項1~11のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項13】
前記半導体部材は、複数の前記第3半導体領域を含み、
前記複数の第3半導体領域の1つから前記複数の第3半導体領域の別の1つへの方向は、前記第3方向に沿い、
前記第2半導体領域の少なくとも一部は、前記第3方向において、前記複数の第3半導体領域の前記1つと、前記複数の第3半導体領域の前記別の1つと、の間にある、請求項1~11のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項14】
第1電極と、
第2電極であって、前記第1電極から前記第2電極への方向は、第1方向に沿う、前記第2電極と、
前記第1方向と交差する第2方向に沿って延びる第1延在部を含む第1配線部材であって、前記第1延在部から前記第2電極への第3方向は、前記第1方向及び前記第2方向を含む第1平面と交差した前記第1配線部材と、
前記第3方向に沿って延びる第3電極であって、前記第3電極の一部は、前記第1電極と前記第1延在部との間にあり、前記第3電極の別の一部は、前記第1電極と前記第2電極との間にあり、前記第3電極は、前記第1延在部と電気的に接続された、前記第3電極と、
前記第1方向において、前記第1電極と前記第2電極との間、及び、前記第1電極と前記第1延在部との間に設けられた半導体部材であって、前記半導体部材は、
第1導電形の第1半導体領域であって、前記第1半導体領域は、第1部分領域及び第2部分領域を含み、前記第1部分領域は、前記第1方向において前記第1電極と前記第3電極との間にあり、前記第3電極から前記第2部分領域への方向は、前記第2方向に沿う、前記第1半導体領域と、
前記第2電極と電気的に接続された第2導電形の第2半導体領域であって、前記第3電極から前記第2半導体領域への方向は、前記第2方向に沿う、前記第2半導体領域と、
前記第2電極と電気的に接続された前記第1導電形の第3半導体領域であって、前記第2半導体領域の一部は、前記第1方向において、前記第2部分領域と前記第3半導体領域との間にあり、前記第3電極から前記第3半導体領域の少なくとも一部への方向は、前記第2方向に沿う、前記第3半導体領域と、
前記第1電極と前記第1半導体領域との間に設けられた前記第2導電形の第4半導体領域と、
前記第1電極と前記第1半導体領域との間に設けられた前記第1導電形の第5半導体領域であって、前記第4半導体領域から前記第5半導体領域への方向は、前記第1方向と交差した、前記第5半導体領域と、
前記第2電極と電気的に接続された前記第1導電形の第6半導体領域であって、前記第6半導体領域の少なくとも一部は、前記第2半導体領域の別の一部と、前記第1延在部と、の間にある、前記第6半導体領域と、
を含む前記半導体部材と、
第1絶縁領域を含む絶縁部材であって、前記第1絶縁領域は、前記第3電極と前記半導体部材との間に設けられた、前記絶縁部材と、
を備え、
前記半導体部材は、複数の前記第3半導体領域を含み、
前記複数の第3半導体領域の1つから前記複数の第3半導体領域の別の1つへの方向は、前記第3方向に沿い、
前記第2半導体領域の少なくとも一部は、前記第3方向において、前記複数の第3半導体領域の前記1つと、前記複数の第3半導体領域の前記別の1つと、の間にある、半導体装置。
【請求項15】
前記絶縁部材は、第2絶縁領域をさらに含み、
前記第2絶縁領域は、前記第1方向において、前記第3電極と前記第2電極との間に設けられた、請求項1~1のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項16】
前記第3方向に沿って延びる第1導電部材をさらに備え、
前記第1導電部材の一部は、前記第1半導体領域の一部と、前記第2電極と、の間にあり、
前記第1導電部材の別の一部は、前記第1半導体領域の別の一部と前記第1延在部との間にあり、
前記第1導電部材は、前記第1延在部から電気的に絶縁され、前記第2電極と電気的に接続され、
前記第3半導体領域及び前記第2半導体領域は、前記第2方向において、前記第3電極と前記第1導電部材との間にある、請求項1~1のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項17】
前記第3方向に沿って延びる第1導電部材をさらに備え、
前記第1導電部材の一部は、前記第1半導体領域の一部と、前記第2電極と、の間にあり、
前記第1導電部材の別の一部は、前記第1半導体領域の別の一部と前記第1延在部との間にあり、
前記第1導電部材は、前記第1延在部から電気的に絶縁され、前記第2電極と電気的に接続され、
前記第3半導体領域及び前記第2半導体領域は、前記第2方向において、前記第3電極と前記第1導電部材との間にあり、
前記第2電極は、第1導電部材接続部をさらに含み、
前記第1導電部材接続部は、前記第3方向に沿って延び、
前記第1導電部材接続部は、前記第1方向において前記第1導電部材と前記第2電極面状部との間にあり、
前記第1導電部材接続部は、前記第1導電部材を前記第2電極面状部と電気的に接続する、請求項7または8に記載の半導体装置。
【請求項18】
前記第3半導体領域の少なくとも一部、前記第6半導体領域の一部、及び、前記第2半導体領域は、前記第2電極と接する、請求項1~1のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項19】
第1電極と、
第2電極であって、前記第1電極から前記第2電極への方向は、第1方向に沿う、前記第2電極と、
前記第1方向と交差する第2方向に沿って延びる第1延在部を含む第1配線部材であって、前記第1延在部から前記第2電極への第3方向は、前記第1方向及び前記第2方向を含む第1平面と交差した前記第1配線部材と、
前記第2方向に沿って延びる第2延在部を含む第2配線部材であって、前記第2延在部から前記第2電極への方向は、前記第3方向に沿う、前記第2配線部材と、
前記第3方向に沿って延びる第3電極であって、前記第3電極の一部は、前記第1電極と前記第1延在部との間にあり、前記第3電極の別の一部は、前記第1電極と前記第2電極との間にあり、前記第3電極は、前記第1延在部と電気的に接続された、前記第3電極と、
前記第3方向に沿って延びる第4電極であって、前記第4電極の一部は、前記第1電極と前記第2延在部との間にあり、前記第4電極の別の一部は、前記第1電極と前記第2電極との間にあり、前記第4電極は、前記第2延在部と電気的に接続され、前記第3電極から前記第4電極への方向は、前記第2方向に沿う、前記第4電極と、
前記第1方向において、前記第1電極と前記第2電極との間、前記第1電極と前記第1延在部との間、及び、前記第1電極と前記第2延在部との間に設けられた半導体部材であって、前記半導体部材は、
第1導電形の第1半導体領域であって、前記第1半導体領域は、第1部分領域、第2部分領域、第3部分領域及び第4部分領域を含み、前記第1部分領域は、前記第1方向において前記第1電極と前記第3電極との間にあり、前記第3電極から前記第2部分領域への方向は、前記第2方向に沿い、前記第3部分領域は、前記第1方向において前記第1電極と前記第4電極との間にあり、前記第4電極から前記第4部分領域への方向は、前記第2方向に沿う、前記第1半導体領域と、
前記第2電極と電気的に接続された第2導電形の第2半導体領域であって、前記第3電極から前記第2半導体領域への方向、及び、前記第4電極から前記第2半導体領域への方向は、前記第2方向に沿う、前記第2半導体領域と、
前記第2電極と電気的に接続された前記第1導電形の第3半導体領域であって、前記第2半導体領域の一部は、前記第1方向において、前記第2部分領域と前記第3半導体領域との間にあり、前記第3電極から前記第3半導体領域の少なくとも一部への方向は、前記第2方向に沿う、前記第3半導体領域と、
前記第1電極と前記第1半導体領域との間に設けられた前記第2導電形の第4半導体領域と、
前記第1電極と前記第1半導体領域との間に設けられた前記第1導電形の第5半導体領域であって、前記第4半導体領域から前記第5半導体領域への方向は、前記第1方向と交差した、前記第5半導体領域と、
前記第2電極と電気的に接続された前記第1導電形の第6半導体領域であって、前記第6半導体領域の少なくとも一部は、前記第2半導体領域の別の一部と、前記第2延在部と、の間にある、前記第6半導体領域と、
を含む前記半導体部材と、
絶縁部材であって、前記絶縁部材の少なくとも一部は、前記第3電極と前記半導体部材との間、及び、前記第4電極と前記半導体部材との間に設けられた、前記絶縁部材と、
を備え
前記第6半導体領域から前記第3半導体領域への方向は、前記第1方向に対して垂直な平面内で、前記第2方向及び前記第3方向に対して傾斜した、半導体装置。
【請求項20】
請求項19に記載の半導体装置と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記第1配線部材に第1信号を印加可能であり、
前記制御部は、前記第2配線部材に前記第1信号とは異なる第2信号を印加可能である、半導体モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置及び半導体モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、トランジスタなどの半導体装置において、安定した特性が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-54070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、特性を安定にできる半導体装置及び半導体モジュールを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態によれば、半導体装置は、第1電極、第2電極、第3電極、第1配線部材、半導体部材及び絶縁部材を含む。前記第1電極から前記第2電極への方向は、第1方向に沿う。前記第1配線部材は、第1延在部を含む。前記第1延在部は、前記第1方向と交差する第2方向に沿って延びる。前記第1延在部から前記第2電極への第3方向は、前記第1方向及び前記第2方向を含む第1平面と交差する。前記第3電極は、前記第3方向に沿って延びる。前記第3電極の一部は、前記第1電極と前記第1延在部との間にある。前記第3電極の別の一部は、前記第1電極と前記第2電極との間にある。前記第3電極は、前記第1延在部と電気的に接続される。半導体部材は、前記第1方向において、前記第1電極と前記第2電極との間、及び、前記第1電極と前記第1延在部との間に設けられる。前記半導体部材は、第1~第6半導体領域を含む。前記第1半導体領域は、第1導電形である。前記第1半導体領域は、第1部分領域及び第2部分領域を含む。前記第1部分領域は、前記第1方向において前記第1電極と前記第3電極との間にある。前記第3電極から前記第2部分領域への方向は、前記第2方向に沿う。前記第2半導体領域は、前記第2電極と電気的に接続され、第2導電形である。前記第3電極から前記第2半導体領域への方向は、前記第2方向に沿う。前記第3半導体領域は、前記第2電極と電気的に接続され、前記第1導電形である。前記第2半導体領域の一部は、前記第1方向において、前記第2部分領域と前記第3半導体領域との間にある。前記第3電極から前記第3半導体領域の少なくとも一部への方向は、前記第2方向に沿う。前記第4半導体領域は、前記第1電極と前記第1半導体領域との間に設けられ、前記第2導電形である。前記第5半導体領域は、前記第1電極と前記第1半導体領域との間に設けられ、前記第1導電形である。前記第4半導体領域から前記第5半導体領域への方向は、前記第1方向と交差する。前記第6半導体領域は、前記第2電極と電気的に接続され、前記第1導電形である。前記第6半導体領域の少なくとも一部は、前記第2半導体領域の別の一部と、前記第1延在部と、の間にある。前記絶縁部材は、第1絶縁領域を含む。前記第1絶縁領域は、前記第3電極と前記半導体部材との間に設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式図である。
図2図2(a)及び図2(b)は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式図である。
図3図3は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式図である。
図4図4は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式図である。
図5図5は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式図である。
図6図6は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式図である。
図7図7は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式図である。
図8図8は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式図である。
図9図9は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式図である。
図10図10は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式図である。
図11図11(a)及び図11(b)は、第1実施形態に係る半導体装置の使用例を示す回路図である。
図12図12(a)及び図12(b)は、第1実施形態に係る半導体装置の使用例を示す模式図である。
図13図13は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式図である。
図14図14は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式図である。
図15図15は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式図である。
図16図16は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式図である。
図17図17は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式図である。
図18図18は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式図である。
図19図19は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式図である。
図20図20は、第2実施形態に係る半導体装置を例示する模式図である。
図21図21(a)及び図21(b)は、第2実施形態に係る半導体装置を例示する模式図である。
図22図22は、第2実施形態に係る半導体装置を例示する模式図である。
図23図23は、第2実施形態に係る半導体装置を例示する模式図である。
図24図24は、第2実施形態に係る半導体装置を例示する模式図である。
図25図25は、第2実施形態に係る半導体装置を例示する模式図である。
図26図26は、第2実施形態に係る半導体装置を例示する模式図である。
図27図27は、第2実施形態に係る半導体装置を例示する模式図である。
図28図28は、第2実施形態に係る半導体装置を例示する模式図である。
図29図29は、第2実施形態に係る半導体装置を例示する模式図である。
図30図30は、第2実施形態に係る半導体装置を例示する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
(第1実施形態)
図1図2(a)、図2(b)、図3図10は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式図である。
図1は、図10に示す部分P1を例示する斜視図である。図2(a)は、図10に示す部分P2に関する平面図である。図2(b)は、図10の部分P2に関する透過平面図である。図3図9は、それぞれ、図2(b)のA1-A2線、B1-B2線、C1-C2線、D1-D2線、E1-E2線、F1-F2線、及び、G1-G2線における断面図である。図1のA1-A2線、B1-B2線、C1-C2線及びD1-D2線は、図2(b)のA1-A2線、B1-B2線、C1-C2線及びD1-D2線のそれぞれの一部に対応する。図10は、平面図である。
【0009】
図3に示すように、実施形態に係る半導体装置110は、第1電極51を含む。図4及び図10に示すように、半導体装置110は、第2電極52及び第1配線部材61Mを含む図1及び図3に示すように、半導体装置110は、第3電極53、半導体部材10M及び絶縁部材40Mを含む。図1においては、図を見やすくするために、第2電極52及び絶縁部材40Mは省略されている。
【0010】
図3に示すように、第1電極51から第2電極52への方向は、第1方向D1に沿う。第1方向をZ軸方向とする。Z軸方向に対して垂直な1つの方向をY軸方向とする。Z軸方向及びY軸方向に対して垂直な方向をX軸方向とする。
【0011】
図1及び図2(b)に示すように、第1配線部材61Mは、第1延在部61を含む。第1延在部61は、第2方向D2に沿って延びる。第2方向D2は、第1方向D1と交差する。第2方向D2は、例えば、Y軸方向である。第1延在部61の長さ(Y軸方向に沿う長さ)は、第1延在部61のX軸方向に沿う長さよりも長い。
【0012】
図2(b)、図7及び図10に示すように、第1延在部61から第2電極52への第3方向D3は、第1方向D1及び第2方向D2を含む第1平面と交差する。第1平面は、例えばZ-Y平面である。第3方向D3は、例えば、X軸方向で良い。
【0013】
この例では、複数の第2電極52及び複数の第1延在部61が設けられている。「第2電極52」は、複数の第2電極52の1つである。「第1延在部61」は、複数の第1延在部61の1つである。
【0014】
図2(a)は、半導体部材10M及び第3電極53を例示している。図2(a)に示すように、第3電極53は、第3方向D3に沿って延びる。第3電極53の第3方向D3に沿う長さは、第3電極53の第2方向D2に沿う長さL53よりも長い。この例では、複数の第3電極53が設けられている。「第3電極53」は、複数の第3電極53の1つである。
【0015】
図7に示すように、第3電極53の一部は、第1電極51と第1延在部61との間にある。第3電極53の一部は、第1半導体領域11の第1部分領域11aと、第1延在部61と、の間にある。
【0016】
図7に示すように、第3電極53の別の一部は、第1電極51と第2電極52との間にある。第3電極53の別の一部は、第1半導体領域11の第1部分領域11aと、第2電極52と、の間にある。第3電極53は、第1延在部61と電気的に接続される。この例では、第1配線部材61Mは、第1配線接続部61Cを含む。第1配線接続部61Cは、第3電極53と第1延在部61との間に設けられる。第1配線接続部61Cは、第3電極53を第1延在部61と電気的に接続する。第1延在部61と第1配線接続部61Cとの間の境界は、明確でも不明確でも良い。第1延在部61及び第1配線接続部61Cは、シームレスに連続しても良い。
【0017】
図7に示すように、半導体部材10Mは、第1方向D1において、第1電極51と第2電極52との間、及び、第1電極51と第1延在部61と、の間に設けられる。図1に示すように、半導体部材10Mは、第1~第6半導体領域11~16を含む。
【0018】
第1半導体領域11は、第1導電形である。図1及び図3に示すように、第1半導体領域11は、第1部分領域11a及び第2部分領域11bを含む。第1部分領域11aは、第1方向D1において第1電極51と第3電極53との間にある。第3電極53から第2部分領域11bへの方向は、第2方向D2に沿う。
【0019】
第2半導体領域12は、第2導電形である。第1導電形は、n形及びp形の一方である。第2導電形は、n形及びp形の他方である。以下では、第1導電形がn形で、第2導電形がp形とする。
【0020】
第2半導体領域12は、第2電極52と電気的に接続される。図8に示すように、この例では、第2電極52は、第2電極面状部52Fと、第2電極接続部52Cと、を含む。第2電極面状部52Fは、X-Y平面に沿って広がる。図2(b)に示すように、第2電極接続部52Cは、第3方向D3に沿って延びる。図8に示すように、第2電極接続部52Cの一部は、第1方向D1において、第2半導体領域12と第2電極面状部52Fと、の間にある。第2電極接続部52Cは、第2半導体領域12を第2電極面状部52Fと電気的に接続する。
【0021】
図8に示すように、第2半導体領域12は、領域12a及び領域12bを含んでも良い。領域12aの一部は、第1半導体領域11と領域12bとの間に設けられる。領域12aの別の一部は、第1半導体領域11と第3半導体領域13との間に設けられる。領域12bは、領域12aと第2電極52との間に設けられる。領域12bにおける第2導電形の不純物濃度は、領域12aにおける第2導電形の不純物濃度よりも高い。領域12aは、例えば、p領域である。領域12bは、p領域である。領域12bが設けられることで、例えば、第2半導体領域12と第2電極52との間において、低いコンタクト抵抗が得られる。
【0022】
図1及び図3に示すように、第3電極53から第2半導体領域12への方向は、第2方向D2に沿う。
【0023】
図3に示すように、第3半導体領域13は、第2電極52と電気的に接続される。例えば、第3半導体領域13は、第2電極52と接する。図3に示すように、第2半導体領域12の一部は、第1方向D1において、第2部分領域11bと第3半導体領域13との間にある。第3電極53から第3半導体領域13の少なくとも一部への方向は、第2方向D2に沿う。例えば、第2半導体領域12と第3半導体領域13との間の境界b2は、第2方向D2において、第3電極53と対向する。例えば、第1半導体領域11(第2部分領域11b)と第2半導体領域12との間の境界b1は、第2方向D2において、第3電極53と対向する。
【0024】
図1及び図3に示すように、第4半導体領域14は、第1電極51と第1半導体領域11との間に設けられる。第4半導体領域14は、第2導電形である。
【0025】
図1及び図3に示すように、第5半導体領域15は、第1電極51と第1半導体領域11との間に設けられる。第5半導体領域15は、第1導電形である。第4半導体領域14から第5半導体領域15への方向は、第1方向D1と交差する。第4半導体領域14から第5半導体領域15への方向は、X-Y平面に沿う。
【0026】
1つの例において、1つの第4半導体領域14と、複数の島状の第5半導体領域15と、が設けられても良い。複数の島状の第5半導体領域15の周りに第4半導体領域14が設けられる。別の例において、1つの第5半導体領域15と、複数の島状の第4半導体領域14と、が設けられても良い。複数の島状の第4半導体領域14の周りに第5半導体領域15が設けられる。さらに別の例において、複数の第4半導体領域14と、複数の第5半導体領域15と、が設けられても良い。
【0027】
図6及び図8に示すように、第6半導体領域16は、第2電極52と電気的に接続される。第6半導体領域16は、第1導電形である。図8に示すように、既に説明したように、この例では、第2電極52は、第2電極面状部52F及び第2電極接続部52Cを含む。第2電極接続部52Cは、第3方向D3に沿って延びる(図2(b)参照)。図8に示すように、第2電極接続部52Cの一部は、第1方向D1において第3半導体領域13と第2電極面状部52Fとの間にある。第2電極接続部52Cの別の一部は、第1方向D1において第6半導体領域16と第2電極面状部52Fとの間にある。第2電極接続部52Cは、第3半導体領域13を第2電極面状部52Fと電気的に接続し、第6半導体領域16を第2電極面状部52Fと電気的に接続する。
【0028】
図1図4及び図6に示すように、第6半導体領域16の少なくとも一部は、第2半導体領域12の別の一部と、第1延在部61と、の間にある。
【0029】
図3に示すように、絶縁部材40Mは、第1絶縁領域41を含む。第1絶縁領域41は、第3電極53と半導体部材10Mとの間に設けられる。第1絶縁領域41は、第3電極53と半導体部材10Mとを互いに電気的に絶縁する。
【0030】
図3に示すように、絶縁部材40Mは、第2絶縁領域42をさらに含んでも良い。第2絶縁領域42は、第1方向D1において、第3電極53と第2電極52との間に設けられる。第2絶縁領域42は、第3電極53と第2電極52とを互いに電気的に接続する。
【0031】
半導体装置110において、例えば、第1動作が実施可能である。第1動作において、第1電極51と第2電極52との間に流れる電流は、第3電極53の電位により制御できる。第3電極53の電位は、例えば、第2電極52の電位を基準とする電位である。第1動作において、電流は、第1電極51から第2電極52への向きに流れる。半導体装置110において、第2動作が実施可能でも良い。第2動作において、電流は、第2電極52から第1電極51への向きに流れる。
【0032】
半導体装置110は、例えば、RC-IGBT(Reverse- Conducting Insulated Gate Bipolar Transistor)である。第1動作は、例えば、IGBT動作(IGBTモード)に対応する。第2動作は、例えば、ダイオード動作(ダイオードモード)に対応する。第1電極51は、例えば、コレクタ電極であり。第2電極52は、例えば、エミッタ電極である。第3電極53は、例えば、ゲート電極である。第1動作及び第2動作が繰り返して実施されて良い。
【0033】
例えば、第2半導体領域12は、p形ベース領域に対応する。第3半導体領域13は、例えば、n形エミッタ領域に対応する。
【0034】
図10に示すように、第1配線部材61Mは、パッド部61Pを含む。パッド部61Pは、第1延在部61と電気的に接続される。パッド部61Pの電位を制御することで、第1延在部61と電気的に接続された第3電極53の電位が制御できる。これにより、スイッチング動作が実施される。第3半導体領域13が設けられる領域は、例えば、動作領域(例えばセル領域)である。
【0035】
図1に示すように、例えば、ダイオード動作(逆方向動作)におけるリカバリの際(例えばDesat制御)に、キャリア10C(例えば電子)が、第1半導体領域11から、第2半導体領域12及び第3半導体領域13を通過して、第2電極52に向けて移動できる。例えば、キャリア10Cの排出(引き抜き)が行われる。
【0036】
実施形態においては、第1延在部61と重なる部分に第6半導体領域16が設けられる。これにより、例えば、ダイオード動作(逆方向動作)におけるリカバリの際に、キャリア10C(例えば電子)が、第1半導体領域11から、第2半導体領域12及び第6半導体領域16を通過して、第2電極52に向けて移動できる(図1参照)。これにより、第1延在部61が設けられる領域においても、例えば、キャリア10Cの排出が行われる。実施形態においては、キャリアを効率良く排出できる。
【0037】
これにより、例えば、逆回復電流(Irr)を低減できる。例えば、高い破壊耐量が得られる。例えば、安定した特性が得られる。例えば、高い信頼性が得られる。実施形態によれば、特性を安定にできる半導体装置を提供できる。
【0038】
図2(a)に示すように、第6半導体領域16の第3方向D3に沿う長さを第6半導体領域長さL16とする。第3半導体領域13の第3方向D3に沿う長さを第3半導体領域長さL13とする。実施形態において、第6半導体領域長さL16は、第3半導体領域長さL13よりも長いことが好ましい。これにより、例えば、キャリア10Cの排出がより効率的に行われる。
【0039】
例えば、第6半導体領域長さL16は、第3半導体領域長さL13の10倍以上であることが好ましい。これにより、キャリア10Cの排出がより効率的に行われる。第6半導体領域長さL16は、第3半導体領域長さL13の500倍以下であることが好ましい。これにより、半導体装置の小型化が容易である。
【0040】
第6半導体領域長さL16は、10μm以上200μm以下である。第3半導体領域長さL13は、0.3μm以上10μm以下である。
【0041】
実施形態において、第6半導体領域長さL16は、第3電極53の第2方向D2に沿う長さL53(図2(a)参照)よりも長い。1つの例において、長さL53は、例えば、0.3μm以上1.5μm以下である。
【0042】
図2(b)に示すように、第1配線接続部61Cの第3方向D3に沿う長さを長さLx61とする。第1配線接続部61Cの第2方向D2に沿う長さを長さLy61とする。長さLx61は、長さLy61よりも長いことが好ましい。これにより、第1配線接続部61Cは、幅が狭い第3電極53と、広い面積で電気的に接続される。例えば、低い電気抵抗による電気的接続が得やすい。より安定した動作が得られる。
【0043】
図2(a)に示すように、半導体部材10Mは、複数の第3半導体領域13と、複数の第6半導体領域16と、を含んで良い。第3電極53の一部は、第2方向D2において、複数の第3半導体領域13の1つと、複数の第3半導体領域13の別の1つと、の間にある。第3電極53の別の一部は、第2方向D2において、複数の第6半導体領域16の1つと、複数の第6半導体領域16の別の1つと、の間にある。
【0044】
図2(a)に示すように、複数の第3半導体領域13は、第3方向D3に沿って並んでも良い。例えば、複数の第3半導体領域13の1つから複数の第3半導体領域13の別の1つへの方向は、第3方向D3に沿う。第2半導体領域12の少なくとも一部は、第3方向D3において、複数の第3半導体領域13の1つと、複数の第3半導体領域13の別の1つと、の間にある。
【0045】
図2(a)に示すように、第2半導体領域12の一部は、第6半導体領域16と第3半導体領域13との間にあっても良い。
【0046】
実施形態において、第6半導体領域16における第1導電形の不純物濃度は、第3半導体領域13における第1導電形の不純物濃度と実質的に同様で良い。例えば、第6半導体領域16における第1導電形の不純物濃度は、第3半導体領域13における第1導電形の不純物濃度の0.5倍以上2倍以下であることが好ましい。キャリア10Cの排出がより安定して行われる。半導体装置の製造が容易になる。
【0047】
図1及び図3に示すように、半導体部材10Mは、第1導電形の第7半導体領域17をさらに含んでも良い。第7半導体領域17は、第4半導体領域14と第1半導体領域11との間、及び、第5半導体領域15と第1半導体領域11との間に設けられる。第7半導体領域17は、例えば、バッファ層である。例えば、第7半導体領域17における第1導電形の不純物濃度は、第1半導体領域11における第1導電形の不純物濃度よりも高い。例えば、第7半導体領域17における第1導電形のキャリア濃度は、第1半導体領域11における第1導電形のキャリア濃度よりも高い。第1半導体領域11は、例えば、n領域またはn領域である。第7半導体領域17は、例えば、n領域である。
【0048】
図3に示すように、実施形態において、例えば、第3半導体領域13の少なくとも一部、第6半導体領域16の一部、及び、第2半導体領域12は、第2電極52と接する。安定した電気的な接続が得られる。
【0049】
図2(a)に示すように、半導体装置110は、第1導電部材58を含んでも良い。第1導電部材58は、第3方向D3に沿って延びる。図9に示すように、第1導電部材58の一部は、第1半導体領域11の一部と、第2電極52と、の間にある。第1導電部材58の別の一部は、第1半導体領域11の別の一部と第1延在部61との間にある。第1導電部材58は、第1延在部61から電気的に絶縁される。図9に示すように、第1導電部材58と第1延在部61との間に、絶縁部材40Mの一部がある。第1導電部材58は、第2電極52と電気的に接続される。図3に示すように、第1導電部材58と半導体部材10Mとの間に、絶縁部材40Mの第3絶縁領域43が設けられる。
【0050】
図2(b)及び図3に示すように、第3半導体領域13及び第2半導体領域12は、第2方向D2において、第3電極53と第1導電部材58との間にある。
【0051】
図3に示すように、この例では、第2電極52は、第1導電部材接続部58Cを含む。図2(b)に示すように、第1導電部材接続部58Cは、第3方向D3に沿って延びる。図3に示すように、第1導電部材接続部58Cは、第1方向D1において第1導電部材58と第2電極面状部52Fとの間にある。第1導電部材接続部58Cは、第1導電部材58を第2電極面状部52Fと電気的に接続する。
【0052】
第1導電部材58は、例えば、「ダミーゲート電極」である。複数の第1導電部材58が設けられても良い。
【0053】
例えば、半導体部材10Mとなる半導体層にトレンチ10T(図3参照)が形成される。トレンチ10Tは、第3半導体領域13及び第2半導体領域12を貫通し、第1半導体領域11に届く。トレンチ10Tの内側に第1絶縁領域41となる絶縁膜が形成される。トレンチ10Tの残りに空間に導電材料が埋められる。これにより、第3電極53及び第1導電部材58が形成される。
【0054】
図11(a)及び図11(b)は、第1実施形態に係る半導体装置の使用例を示す回路図である。
図11(a)及び図11(b)に示すように、実施形態に係る半導体装置115は、複数の素子(第1素子Q1及び第2素子Q2など)を含む。第1素子Q1及び第2素子Q2のそれぞれに、上記の半導体装置110が適用できる。
【0055】
第1素子Q1は、第1コレクタC1、第1エミッタE1及び第1ゲートG1を含む。第2素子Q2は、第2コレクタC2、第2エミッタE2及び第2ゲートG2を含む。コレクタは、例えば、第1電極51に対応する。エミッタは、例えば、第2電極52に対応する。ゲートは、例えば、第3電極53に対応する。
【0056】
例えば、第1エミッタE1は、第2コレクタC2と電気的に接続される。第1エミッタE1は、負荷LEの1つの端部と電気的に接続される。第1コレクタC1と、負荷LEの別の端部と、の間に、電圧Vddが印加される。負荷LEの別の端部と、第2エミッタE2と、の間に、電圧Vssが印加される。電圧Vdd及び電圧Vssは、例えば、電源78により供給される。
【0057】
制御回路70に含まれる制御部75が第1ゲートG1及び第2ゲートG2を制御する。図11(a)に示す状態(動作)において、制御部75は、第1ゲートG1をオン/オフする。図11(b)に示す状態(動作)において、制御部75は、第2ゲートG2をオン/オフする。
【0058】
実施形態に係る半導体モジュール210は、複数の半導体装置(第1素子Q1及び第2素子Q2など)を含む。半導体モジュール210は、制御回路70(制御部75)及び電源78を含んでも良い。
【0059】
図12(a)及び図12(b)は、第1実施形態に係る半導体装置の使用例を示す模式図である。
図12(a)及び図12(b)の横軸は、時間tmである。図12(a)の縦軸は、第1ゲートG1の電圧VG1である。図12(b)の縦軸は、第2ゲートG2の電圧VG2である。
【0060】
例えば、第1素子Q1及び第2素子Q2において、第1動作OP1及び第2動作OP2が行われる。第1動作OP1において、第1素子Q1は、IGBTモードIMである。第2動作OP2において、第1素子Q1は、オフ状態OFFである。第1動作OP1において、第2素子Q2は、オフ状態OFFである。第2動作OP2において、第2素子Q2は、ダイオードモードDMである。
【0061】
実施形態においては、ダイオードモードDMにおけるリカバリの前に、キャリア10C(例えば電子)が、第3半導体領域13及び第6半導体領域16を介して、効率的に排出できる。これにより、例えば、逆回復電流(Irr)を低減できる。
【0062】
図13図19は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式図である。
図13は、平面図である。図14は、図13に示す部分P3に関する透過平面図である。図15図19は、それぞれ、図14のA3-A4線、B3-B4線、B5-B6線、H1-H2線、及び、I1-I2線における断面図である。
【0063】
図13に示すように、実施形態に係る半導体装置111は、第2配線部材62Mを含む。図14に示すように、半導体装置111は、第4電極54を含む。これらを除いて、半導体装置111の構成は、半導体装置110と同様で良い。
【0064】
図13に示すように、第2配線部材62Mは、第2延在部62を含む。第2延在部62は、第2方向D2に沿って延びる。第2延在部62から第1延在部61への方向は、第3方向D3に沿う。この例では、複数の第2延在部62が設けられる。複数の第2延在部62の1つは、第3方向D3において、複数の第1延在部61の1つと、複数の第1延在部61の別の1つと、の間にある。複数の第1延在部61の1つは、第3方向D3において、複数の第2延在部62の1つと、複数の第2延在部62の別の1つと、の間にある。第2配線部材62Mは、パッド部62Pを含む。パッド部62Pは、第2延在部62と電気的に接続される。
【0065】
図14に示すように、第4電極54は、第3方向D3に沿って延びる。第3電極53から第4電極54への方向は、第2方向D2に沿う。
【0066】
図17及び図19に示すように、第4電極54の一部は、第1電極51と第2延在部62との間にある。第4電極54の別の一部は、第1電極51と第2電極52との間にある。第4電極54は、第2延在部62と電気的に接続される。
【0067】
図17及び図19に示すように、この例では、第2配線部材62Mは、第2配線接続部62Cを含む。第2配線接続部62Cは、第4電極54と第2延在部62との間に設けられる。第2配線接続部62Cは、第4電極54を第2延在部62と電気的に接続する。
【0068】
図14に示すように、半導体部材10Mは、上記の第3半導体領域13及び第6半導体領域16に加えて、別の第3半導体領域13Aと、別の第6半導体領域16Aと、を含む。
【0069】
図15に示すように、第2半導体領域12の一部は、第1方向D1において、第1半導体領域11と別の第3半導体領域13Aとの間にある。図14に示すように、第4電極54から別の第3半導体領域13Aの少なくとも一部への方向は、第2方向D2に沿う。
【0070】
図17に示すように、別の第6半導体領域16Aの少なくとも一部は、第2半導体領域12と第2延在部62との間にある。
【0071】
絶縁部材40Mの一部(第4絶縁領域44)は、第4電極54と半導体部材10Mとの間に設けられる。
【0072】
例えば、パッド部62Pに印加される電圧が、第2配線部材62Mを介して、第4電極54に印加される。第4電極54は、第3電極53とは異なるゲート電極として機能する。
【0073】
半導体装置111においても、別の第6半導体領域16Aが設けられることで、例えば、第2延在部62が設けられる領域においても、キャリア10Cの排出が行われる。例えば、逆回復電流(Irr)を低減できる。例えば、高い破壊耐量が得られる。例えば、安定した特性が得られる。
【0074】
半導体装置111においては、第3電極53に印加される電圧(信号)とは異なる電圧(信号)を第4電極54に印加できる。第4電極54を第3電極53とは異なる状態に制御できる。例えば、キャリア10Cの排出(引き抜き)の程度を調整することができる。より安定した動作が得られる。
【0075】
実施形態に係る半導体モジュール210は、実施形態に係る半導体装置111と、制御部75(図11(a)及び図11(b)参照)と、を含む。制御部75は、第1配線部材61Mに第1信号を印加可能である。制御部75は、第2配線部材62Mに、第1信号とは異なる第2信号を印加可能である。
【0076】
(第2実施形態)
図20図21(a)、図21(b)、図22図30は、第2実施形態に係る半導体装置を例示する模式図である。
図20は、平面図である。図21(a)は、図20に示す部分P3に関する平面図である。図21(b)は、図20の部分P3に関する透過平面図である。図22図30は、それぞれ、図21(b)のA1-A2線、B1-B2線、B7-B8線、C1-C2線、D1-D2線、E1-E2線、F1-F2線、G1-G2線、及び、J1-J2線における断面図である。
【0077】
図22に示すように、実施形態に係る半導体装置120は、第1電極51を含む。図22及び図20に示すように、半導体装置120は、第2電極52、第1配線部材61M及び第2配線部材62Mを含む。図21(b)及び図22に示すように、半導体装置120は、第3電極53、第4電極54、半導体部材10M及び絶縁部材40Mを含む。この例においても、第1電極51から第2電極52への方向は、第1方向D1に沿う(図22参照)。
【0078】
図21(b)に示すように、第1配線部材61Mは、第1延在部61を含む。第1延在部61は、第1方向D1と交差する第2方向D2に沿って延びる。第1延在部61から第2電極52への第3方向D3は、第1方向D1及び第2方向D2を含む第1平面と交差する。
【0079】
第2配線部材62Mは、第2延在部62を含む。第2延在部62は、第2方向D2に沿って延びる。第2延在部62から第2電極52への方向は、第3方向D3に沿う。
【0080】
図21(b)に示すように、第3電極53は、第3方向D3に沿って延びる。図22及び図27に示すように、第3電極53の一部は、第1電極51と第1延在部61との間にある。図27に示すように、第3電極53の別の一部は、第1電極51と第2電極52との間にある。第3電極53は、第1延在部61と電気的に接続される。例えば、図22及び図27に示すように、第1配線接続部61Cにより、第3電極53が第1延在部61と電気的に接続される。図24に示すように、第3電極53の一部は、第1電極51と第2延在部62との間に設けられても良い。
【0081】
図21(b)に示すように、第4電極54は、第3方向D3に沿って延びる。図24及び図30に示すように、第4電極54の一部は、第1電極51と第2延在部62との間にある。図30に示すように、第4電極54の別の一部は、第1電極51と第2電極52との間にある。第4電極54は、第2延在部62と電気的に接続される。例えば、図24及び図30に示すように、第2配線接続部62Cにより、第4電極54が第2延在部62と電気的に接続される。図21(b)に示すように、第3電極53から第4電極54への方向は、第2方向D2に沿う。図23に示すように、第4電極54の一部は、第1電極51と第1延在部61との間に設けられても良い。
【0082】
図22図24に示すように、半導体部材10Mは、第1方向D1において、第1電極51と第2電極52との間、第1電極51と第1延在部61との間、及び、第1電極51と第2延在部62との間に設けられる。
【0083】
図21(a)及び図22に示すように、半導体部材10Mは、第1~第6半導体領域11~16を含む。第1半導体領域11は、第1導電形である。図22に示すように、第1半導体領域11は、第1部分領域11a、第2部分領域11b、第3部分領域11c及び第4部分領域11dを含む。第1部分領域11aは、第1方向D1において第1電極51と第3電極53との間にある。第3電極53から第2部分領域11bへの方向は、第2方向D2に沿う。第3部分領域11cは、第1方向D1において第1電極51と第4電極54との間にある。第4電極54から第4部分領域11dへの方向は、第2方向D2に沿う。
【0084】
図22に示すように、第2半導体領域12は、第2電極52と電気的に接続される。例えば、第2電極接続部52Cにより、第2半導体領域12は、第2電極52と電気的に接続される。第2半導体領域12は、第2導電形である。第3電極53から第2半導体領域12への方向、及び、第4電極54から第2半導体領域12への方向は、第2方向D2に沿う。
【0085】
図22に示すように、第3半導体領域13は、第2電極52と電気的に接続される。例えば、第2電極接続部52Cにより、第3半導体領域13は、第2電極52と電気的に接続される。第2半導体領域12は、第1導電形である。第2半導体領域12の一部は、第1方向D1において、第2部分領域11bと第3半導体領域13との間にある。第3電極53から第3半導体領域13の少なくとも一部への方向は、第2方向D2に沿う。
【0086】
図22に示すように、第4半導体領域14は、第1電極51と第1半導体領域11との間に設けられる。第4半導体領域14は、第2導電形である。
【0087】
図22に示すように、第5半導体領域15は、第1電極51と第1半導体領域11との間に設けられる。第5半導体領域15は、第1導電形である。第4半導体領域14から第5半導体領域15への方向は、第1方向D1と交差する。
【0088】
図26に示すように、第6半導体領域16は、第2電極52と電気的に接続される。例えば、第2電極接続部52Cにより、第6半導体領域16は、第2電極52と電気的に接続される。第6半導体領域16は、第1導電形である。図24に示すように、第6半導体領域16の少なくとも一部は、第2半導体領域12の別の一部と、第2延在部62と、の間にある。
【0089】
図22に示すように、絶縁部材40Mの少なくとも一部は、第3電極53と半導体部材10Mとの間、及び、第4電極54と半導体部材10Mとの間に設けられる。例えば、第1絶縁領域41は、第3電極53と半導体部材10Mとの間に設けられる。例えば、第4絶縁領域44は、第4電極54と半導体部材10Mとの間に設けられる。
【0090】
例えば、絶縁部材40Mの第2絶縁領域42が、第3電極53と第2電極52との間に設けられる。例えば、絶縁部材40Mの第5絶縁領域45が、第4電極54と第2電極52との間に設けられる。
【0091】
半導体装置120においては、第3電極53は、第1延在部61と電気的に接続され、例えば、パッド部61Pと電気的に接続される。第4電極54は、第2延在部62と電気的に接続され、例えば、パッド部62Pと電気的に接続される。
【0092】
例えば、制御部75(図11(a)及び図11(b)参照)は、第1配線部材61Mに第1信号を印加可能である。制御部75は、第2配線部材62Mに、第1信号とは異なる第2信号を印加可能である。例えば、第3電極53によるゲート動作と、第4電極54によるキャリア排出動作と、がそれぞれ制御されて実施可能である。
【0093】
図21(b)に示すように、第6半導体領域16から第3半導体領域13への方向は、第1方向D1に対して垂直な平面内(X-Y平面内)で、第2方向D2及び第3方向D3に対して傾斜している。第6半導体領域16は、第3方向D3において、第3半導体領域13と重ならない。第6半導体領域16は、第2方向D2において、第3半導体領域13と重ならない。
【0094】
例えば、第3電極53と第1延在部61とが重なる領域においては、第6半導体領域16が設けられない。第3電極53は、第2方向D2において、2つの第3半導体領域13の間に設けられる。
【0095】
例えば、第4電極54と第2延在部62とが重なる領域において、第6半導体領域16が設けられる。第4電極54は、第2方向D2において、2つの第6半導体領域16の間に設けられる。
【0096】
半導体装置120において、半導体装置110に関して説明した構成が適用できる。
【0097】
例えば、半導体装置120において、第6半導体領域長さL16は、第3半導体領域長さL13よりも長いことが好ましい(図21(a)参照)。これにより、例えば、キャリア10Cの排出がより効率的に行われる。
【0098】
第1、第2実施形態において、半導体部材10Mは、例えば、シリコンを含む。半導体部材10Mは、例えば、化合物半導体などを含んでも良い。第1電極51は、例えば、アルミニウムなどを含む。第2電極52は、例えば、アルミニウムなどを含む。第3電極53、第4電極54、及び、第1導電部材58の少なくともいずれかは、例えば、導電性のシリコンを含む。絶縁部材40Mは、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、及び、酸化アルミニウムなどを含む。
【0099】
実施形態において、半導体領域の形状などに関する情報は、例えば、電子顕微鏡観察などにより得られる。半導体領域における不純物濃度に関する情報は、例えば、EDX(Energy Dispersive X-ray Spectroscopy)、または、SIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)などにより得られる。半導体領域におけるキャリア濃度に関する情報は、例えば、SCM(Scanning Capacitance Microscopy)などにより得られる。
【0100】
実施形態によれば、特性を安定にできる半導体装置及び半導体モジュールを提供できる。
【0101】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、半導体装置に含まれる、電極、配線部材、半導体部材、半導体領域、導電部材及び絶縁部材などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0102】
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0103】
その他、本発明の実施の形態として上述した半導体装置及び半導体モジュールを基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての半導体装置及び半導体モジュールも、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0104】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0105】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0106】
10C…キャリア、 10M…半導体部材、 10T…トレンチ、 11~17…第1~第7半導体領域、 11a~11d…第1~第4部分領域、 12a、12b…領域、 13A…第3半導体領域、 16A…第6半導体領域、 40M…絶縁部材、 41~45…第1~第5絶縁領域、 51~54…第1~第4電極、 52C…第2電極接続部、 52F…第2電極面状部、 58…第1導電部材、 58C…第1導電部材接続部、 61、62…第1、第2延在部、 61C、62C…第1、第2配線接続部、 61M、62M…第1、第2配線部材、 61P、62P…パッド部、 70…制御回路、 75…制御部、 78…電源、 110、111、115、120…半導体装置、 210…半導体モジュール、 C1、C2…第1、第2コレクタ、 D1~D3…第1~第3方向、 DM…ダイオードモード、 E1、E2…第1、第2エミッタ、 G1、G2…第1、第2ゲート、 IM…IGBTモード、 L13…第3半導体領域長さ、 L16…第6半導体領域長さ、 L53…長さ、 LE…負荷、 Lx61、Ly61…長さ、 OFF…オフ状態、 OP1、OP2…第1、第2動作、 P1~P3…部分、 Q1、Q2…第1、第2素子、 VG1、VG2…電圧、 Vdd、Vss…電圧、 b1、b2…境界、 tm…時間
図1
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