(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-07
(45)【発行日】2025-01-16
(54)【発明の名称】玩具
(51)【国際特許分類】
A63H 33/00 20060101AFI20250108BHJP
A63H 33/30 20060101ALI20250108BHJP
【FI】
A63H33/00 302Z
A63H33/30 F
(21)【出願番号】P 2021116778
(22)【出願日】2021-07-14
(62)【分割の表示】P 2020120271の分割
【原出願日】2020-07-13
【審査請求日】2023-07-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】小田 真由美
(72)【発明者】
【氏名】小川 真優子
【審査官】安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】特開昭55-118776(JP,A)
【文献】実開昭56-033999(JP,U)
【文献】登録実用新案第3107928(JP,U)
【文献】ワイがワニワニパニックの必勝法を見つけるでwwwww,[online],2018年11月06日,https://www.youtube.com/watch?v=KJUicr_IFP4,検索日2024年7月2日
【文献】特集 孫の日を「孫需要」最大化の契機に,トイジャーナル 9月号,2014年09月01日,p.45
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 33/00
A63H 33/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項7】
請求項
5または
6に記載の玩具において、
前記複数の歯部材のそれぞれは、前記歯部材の外周を構成する第1部材と虫歯を模すように前記第1部材の色彩とは異なる色彩で構成された第2部材とを含み、
前記複数の歯部材のそれぞれにおいて、前記第1面では前記第2部材は前記第1部材から露出し、前記第2面では前記第2部材は前記第1部材に覆われている、玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、玩具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開昭55-118776号公報)には、擬態顎と擬態歯を備える歯科模型に関する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
顎を模した顎部材と、歯を模した複数の歯部材とを備える玩具において、興趣性を向上させることが望まれる。
【0005】
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施の形態によれば、玩具は、顎を模した第1顎部材と、前記第1顎部材に取り付けられ、それぞれ歯を模した複数の歯部材と、を備えている。前記複数の歯部材のそれぞれは、前記第1顎部材から所定の面が露出するように取り付けられている。前記複数の歯部材のそれぞれは、使用者の操作に応じて、前記歯部材の第1面を前記第1顎部材から露出する第1状態と、前記歯部材の前記第1面とは異なる第2面を前記第1顎部材から露出する第2状態とに変化可能である。また、一実施の形態によれば、玩具は、顎を模した第1顎部材および第2顎部材と、前記第1顎部材に取り付けられ、それぞれ歯を模した複数の歯部材と、を備え、前記第1顎部材と前記第2顎部材とは、前記第1顎部材に対して前記第2顎部材が相対的に動くことにより、口を開けた状態と、口を閉じた状態とに変化可能であり、前記複数の歯部材のそれぞれは、前記口を開けた状態で、第1状態と当該第1状態とは異なる第2状態とに変化可能であり、前記口を開けた状態にある前記第1顎部材および前記第2顎部材が、前記口を閉じた状態に変化したことに応じて、前記複数の歯部材の少なくとも何れか1つは前記第1状態となる。また、一実施の形態によれば、玩具は、
顎を模した第1顎部材および第2顎部材と、前記第1顎部材に取り付けられ、それぞれ歯
を模した複数の歯部材と、を備え、前記第1顎部材と前記第2顎部材とは、前記第1顎部
材に対して前記第2顎部材が相対的に動くことにより、口を開けた状態と、口を閉じた状
態とに変化可能であり、前記複数の歯部材のそれぞれは、前記第1顎部材に回動可能に取
り付けられており、前記口を開けた状態で、第1状態と当該第1状態とは回動位置が異な
る第2状態とに変化可能であり、前記口を開けた状態にある前記第1顎部材および前記第
2顎部材が、前記口を閉じた状態に変化したことに応じて、前記複数の歯部材の少なくと
も何れか1つは前記第1状態となる。
【発明の効果】
【0007】
一実施の形態によれば、玩具の興趣性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図5】一実施の形態の玩具で用いられている歯部材の断面図である。
【
図6】歯部材の回動位置を位置決めする機構について説明する説明図である。
【
図7】歯部材の回動位置を位置決めする機構について説明する説明図である。
【
図8】顎部材が口を開けた状態と口を閉じた状態とに変化する機構について説明する説明図である。
【
図9】顎部材が口を開けた状態と口を閉じた状態とに変化する機構について説明する説明図である。
【
図10】顎部材が口を開けた状態から口を閉じた状態に変化したときに、全ての歯部材が虫歯の回動位置となる機構について説明する説明図である。
【
図11】顎部材が口を開けた状態から口を閉じた状態に変化したときに、全ての歯部材が虫歯の回動位置となる機構について説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
【0010】
本発明の一実施の形態の玩具を図面を参照して説明する。
図1~
図4は、本実施の形態の玩具1の斜視図である。
図1および
図2には、口を閉じた状態の玩具1が示され、
図3および
図4には、口を開けた状態の玩具1が示されている。また、
図1と
図2~
図4とでは、玩具1を見る方向が異なっている。
【0011】
図1~
図4に示される本実施の形態の玩具1は、下顎を模した顎部材(擬態顎、疑似的な顎)2と、上顎を模した顎部材(擬態顎、疑似的な顎)3と、顎部材2,3を支持する支持台部(本体部)4と、それぞれ歯を模した複数の歯部材(擬態歯、疑似的な歯)5と、レバー6と、を備えている。
図1~
図4に示される本実施の形態の玩具1は、歯ブラシを模した部材(擬態歯ブラシ、疑似的な歯ブラシ)11と、歯科工具を模した部材(擬態歯科工具、疑似的な歯科工具)12と、コップを模した部材(擬態コップ、疑似的なコップ)13と、を更に備えている。玩具1のこれらの構成要素は、主として、例えば樹脂材料などを用いて形成することができる。詳細な説明においては、便宜上、
図1~
図4に示された玩具1の上顎を模した顎部材2がある側を上、下顎を模した顎部材3がある側を下と表記し、他の図についてもこれらと同様に表記する。
【0012】
顎部材2は、支持台部4に取り付けられており、支持台部4に固定されている。顎部材3は、顎部材2に対して回動可能に取り付けられている。複数の歯部材5は、顎部材2に回動可能に取り付けられている。
【0013】
顎部材2に対して顎部材3が相対的に動くことにより、顎部材2と顎部材3とは、口を閉じた状態(
図2の状態)と、口を開けた状態(
図3の状態)とに変化可能である。より特定的には、顎部材3を顎部材2に保持する回転軸を中心にして顎部材3が回動(回転)することにより、顎部材2と顎部材3とは、口を閉じた状態(
図2の状態)と、口を開けた状態(
図3の状態)とに変化可能である。
【0014】
顎部材2と顎部材3とにより、頭部が構成される。また、支持台部4において、顎部材2と隣接する位置に胴体部7が取り付けられている。
【0015】
レバー6は、顎部材2または支持台部4に取り付けられており、レバー6を動かすことにより、顎部材2に対して顎部材3が相対的に動く(より特定的には回動する)ことができる。具体的には、レバー6を手前側に引く(倒す)と、顎部材2と顎部材3とは、口を開けた状態(
図3の状態)になり、レバー6を奥側に戻す(立てる)と、顎部材2と顎部材3とは、口を閉じた状態(
図2の状態)になる。
【0016】
顎部材2と顎部材3とが、口を開けた状態(
図3の状態)になると、顎部材2に取り付けられている複数の歯部材5が露出されて、玩具1の使用者から見える状態になる。一方、顎部材2と顎部材3とが、口を閉じた状態(
図2の状態)になると、顎部材2に取り付けられている複数の歯部材5は、顎部材3に隠れて玩具1の使用者からは見えない状態になる。
【0017】
顎部材2に取り付けられている複数の歯部材5のそれぞれは、顎部材2から所定の面が露出するように取り付けられている。顎部材2の上面側において、顎部材2の外周に沿うように、歯部材5が複数個、並んでいる。歯部材5は、顎部材2に完全に固定されているわけではなく、顎部材2に、回動可能に取り付けられている。
図5は、玩具1で用いられている歯部材5の断面図である。
図5の断面図において、歯部材5は、回転軸21を中心にして回動することができる。
図5において、回転軸21は、紙面に略垂直な方向に延在している。歯部材5は、虫歯を模した面5aと、虫歯でない歯を模した面5bとを有している。
【0018】
顎部材2に取り付けられている複数の歯部材5のそれぞれは、玩具1の使用者の操作に応じて、歯部材5の面5aを顎部材2から露出する状態(
図3の状態)と、歯部材5の面5bを顎部材2から露出する状態(
図4の状態)とに変化可能である。歯部材5の面5aを顎部材2から露出する状態(
図3の状態)では、虫歯を模した面5aが歯部材5の上面となっており、歯部材5の面5bを顎部材2から露出する状態(
図4の状態)では、虫歯でない歯を模した面5bが歯部材5の上面となっている。歯部材5の面5aを顎部材2から露出する状態(
図3の状態)と、歯部材5の面5bを顎部材2から露出する状態(
図4の状態)とでは、歯部材5の回動位置が異なっている。言い換えると、歯部材5の回動させることで回動位置を変化させることにより、歯部材5が顎部材2から露出する露出面を面5aおよび面5bの何れか一方に変化させることができる。
【0019】
歯部材5は、歯部材5の外周を構成する外側部材(外殻部材)22と、外側部材22の内側に、外側部材22に覆われるように配置された内側部材23とを含んでいる(
図5参照)。外側部材22の色彩(色)と、内側部材23の色彩(色)とは、互いに異なっている。歯部材5の面5aにおいて、外側部材22に開口部(貫通孔)24が設けられており、外側部材22から、外側部材22の色彩とは異なる色彩を有する内側部材23が露出されている。すなわち、歯部材5の面5aが顎部材2から露出している状態においては、外側部材22の開口部24から、外側部材22の色彩とは異なる色彩を有する内側部材23が、使用者に視認可能になる。一方、歯部材5の面5bでは、外側部材22には、内側部材23を露出するような開口部は設けられていない。このため、歯部材5の面5bが顎部材2から露出している状態においては、内側部材23は外側部材22に覆われており、外側部材22から内側部材23は露出していない。このため、歯部材5の面5bでは、内側部材23は使用者に視認不可能であるに。つまり、歯部材5の面5aが顎部材2から露出している状態では、内側部材23は外側部材22から露出し、歯部材5の面5bが顎部材2から露出している状態では、内側部材23は、外側部材22に覆われている。これにより、歯部材5の面5aは、虫歯のように見え、歯部材5の面5bは、虫歯でない歯のように見える。
【0020】
歯部材5の外形(従って外側部材22の外形)は、概略的に言うと、例えば略直方体形状(より特定的には略立方体形状)を有している。歯部材5が回動すると、歯部材5が有する6つの面のうち、回転軸21に略平行な4つの面のいずれかが上面となり、顎部材2から露出し得る。その回転軸21に略平行な4つの面のうち、2つの面が、虫歯を模した面5aとなっており、他の2つの面が、虫歯でない歯を模した面5bとなっている。歯部材5において、虫歯を模した面5a同士が、互いに反対側に位置し、虫歯でない歯を模した面5b同士が、互いに反対側に位置している(
図5参照)。
【0021】
ここで、歯部材5の回動位置について、虫歯を模した面5aが顎部材2から露出する回動位置、すなわち、虫歯を模した面5aが歯部材5の上面となって顎部材2からの露出する回動位置を、以下では「虫歯の回動位置」と称することとする。また、歯部材5の回動位置について、虫歯でない歯を模した面5bが顎部材2から露出する回動位置、すなわち、虫歯でない歯を模した面5bが歯部材5の上面となって顎部材2からの露出する回動位置を、以下では「虫歯でない回動位置」と称することとする。玩具1の使用者からは、歯部材5の上面として顎部材2からの露出面が見えるため、虫歯の回動位置にある歯部材5は、虫歯のように見え、虫歯でない回動位置にある歯部材5は、虫歯ではない歯のように見えることになる。虫歯の回動位置にある歯部材5を90°回転させると、歯部材5は、虫歯でない回動位置になり、更にその歯部材5を90°回転させると、歯部材5は、虫歯の回動位置になり、更にその歯部材5を90°回転させると、歯部材5は、虫歯でない回動位置になり、更にその歯部材5を90°回転させると、歯部材5は、虫歯の回動位置になる。
【0022】
図1~
図4に示される本実施の形態の玩具1は、歯ブラシを模した部材11と、歯科工具を模した部材12と、コップを模した部材13とを、更に備えている。
図1~
図4の場合は、歯科工具を模した部材12は、歯科用ドリルを模したものとなっている。部材11,12,13は、それぞれ、支持台部4に設けられた穴部(凹部)などに配置されており、支持台部4から取り外すことができるようになっている。
【0023】
玩具1の使用者は、歯ブラシを模した部材11を歯部材5に押し当て、部材11により歯部材5に回動力を付与することにより、歯部材5を回動させることができる。また、玩具1の使用者は、歯ブラシを模した部材11の代わりに、歯科工具を模した部材12を歯部材5に押し当て、部材12により歯部材5に回動力を付与することにより、歯部材5を回動させることもできる。このため、部材11,12は、玩具1の使用者によって操作され、歯部材5に押し当ててその歯部材5を回動させることが可能な回動操作部材とみなすことができる。部材13は、歯磨きに用いられるコップを模したものであり、歯部材5を回動させるためには使用しない。このため、コップを模した部材13は、支持台部4に固定されていてもよく、また、コップを模した部材13を省略することもできる。
【0024】
図3および
図4のように顎部材2,3が口を開けた状態になっているときには、その口に部材11または部材12を容易に差し込むことができ、部材11または部材12を歯部材5に押し当て歯部材5を回動させることができる。一方、
図1および
図2のように顎部材2,3が口を閉じた状態になっているときには、その口に部材11または部材12を差し込むことが容易ではないか、あるいは差し込むことができない。このため、部材11または部材12を歯部材5に押し当て歯部材5を回動させる動作は、
図1および
図2のように顎部材2,3が口を閉じた状態になっているときではなく、
図3および
図4のように顎部材2,3が口を開けた状態になっているときに、玩具1の使用者によって行われる。
【0025】
図6および
図7は、歯部材5の回動位置を位置決めする機構について説明する説明図である。
【0026】
図6および
図7に示されるように、歯部材5は、歯部材5の側面(回転軸21に略垂直な側面)に設けられた、平面形状が正方形状のプレート部材32を有している。なお、プレート部材32の平面形状は、回転軸21に略垂直な面における形状に対応している。正方形状のプレート部材32の四辺は、回転軸21に略垂直な歯部材5の4つの面(5a,5b)に平行となっている。このプレート部材32は、歯部材5の外側部材22に固定されているか、あるいは、外側部材22と一体的に形成されているため、歯部材5が回動すると、プレート部材32も一緒に回動する。回転軸21は、プレート部材32の中心付近に設けられた孔を貫通している。また、
図6および
図7に示されるように、顎部材2には、上下方向(上顎である顎部材2から下顎である顎部材3に向かう方向)に延在する2本の棒状の部材33(一方を部材33a、他方を部材33bと称す)が取り付けられており、この2本の部材33(33a,33b)の間にプレート部材32が挟まれた状態になっている。部材33a,33bは、下部(
図6および
図7において顎部材2で隠れている部分)が連結されており、かつ、顎部材2に固定されている。
【0027】
部材33a,33bの間に正方形状のプレート部材32が挟まれているため、
図6のように、正方形状のプレート部材32の二辺が棒状の部材33a,33bの延在方向(上下方向)に平行なときは、その二辺のほぼ全体が部材33a,33bに接触するため、部材33a,33bの間に正方形状のプレート部材32が安定して挟まれた状態になる。このため、
図6の状態は、歯部材5の回動位置は安定しており、多少の外力(回動力)を歯部材5に付与したとしても、歯部材5の回動位置は変化しないで済む。
【0028】
一方、
図7のように、正方形状のプレート部材32の各辺が棒状の部材33a,33bの延在方向(上下方向)に対して傾斜しているときは、正方形状のプレート部材32の角部が棒状の部材33a,33bに接触し、棒状の部材33a,33bの間隔が押し広げられた状態になる。このため、間隔を広げられた棒状の部材33a,33bはしなった(曲がった)状態になり、棒状の部材33a,33bが正方形状のプレート部材32の角部を強く押すことになる。従って、
図7の状態は、歯部材5の回動位置が安定しておらず、わずかな外力(回動力)を付与するだけで、
図7の状態から、
図6のように、プレート部材32の二辺が棒状の部材33a,33bの延在方向に平行な状態に変化する。
【0029】
このため、歯部材5の回動位置は、
図6のように、プレート部材32の二辺が棒状の部材33a,33bの延在方向に平行な状態に規制されることになる。すなわち、歯部材5の回動位置は、
図6で示される歯部材5の回動位置(虫歯の回動位置)と、それから歯部材5を90°回転させた回動位置(虫歯でない回動位置)と、それから歯部材5を更に90°回転させた回動位置(虫歯の回動位置)と、それから歯部材5を更に90°回転させた回動位置(虫歯でない回動位置)とに規制され、それらの回動位置で安定して保持可能となる。プレート部材32および棒状の部材33a,33bは、歯部材5の回動位置を規制する規制部として機能することができる。従って、歯部材5には、回動位置が異なることにより顎部材2から1つの面を露出可能で、虫歯を模した面5aおよび虫歯でない歯を模した面5bを含む複数の露出面が設けられている場合は、プレート部材32および棒状の部材33a,33bは、歯部材5の回動を、その複数の露出面(5a,5b)のいずれかが顎部材2から露出する位置に規制可能である。
【0030】
また、
図6および
図7にも示されるように、歯部材5において、虫歯を模した面5aには、突起(突起部)31が設けられている。
図6および
図7の場合は、虫歯を模した面5aの四隅付近に、それぞれ突起31が設けられているため、各面5aに4つの突起31が設けられている。突起31は、歯部材5の外側部材22において、歯の外観を表す曲面から局所的に外方に突出している部分に対応している。歯ブラシを模した部材11のブラシ面(ブラシを模した部分の表面)は、平坦面ではなく、ギザギザの面(凹凸面)となっている。玩具1の使用者は、歯ブラシを模した部材11のブラシ面を、虫歯の回動位置となっている歯部材5の虫歯を模した面5aに押し当て、部材11により歯部材5に回動力を付与することにより、歯部材5を虫歯の回動位置から虫歯でない回動位置に変化させることができる。この際、歯ブラシを模した部材11のブラシ面の表面のギザギザ(凹凸)を、虫歯を模した面5aの突起31に引っ掛けることにより、歯ブラシを模した部材11により歯部材5に容易かつ的確に回動力を付与することができる。このため、歯部材5の虫歯を模した5aに設けられた突起31は、玩具1の使用者による歯部材5を回動させる動作(操作)のための被操作部となり得る。すなわち、玩具1の使用者は、歯部材5の面5aが顎部材2から露出する状態(歯部材5が虫歯の回動位置となっている状態)から、歯部材5の面5bが顎部材2から露出する状態(歯部材5が虫歯でない回動位置となっている状態)に変化させるための動作(操作)を行うが、突起31は、その動作(操作)の被操作部となり得る。歯部材5の虫歯を模した5aに突起31を設けたことにより、歯ブラシを模した部材11などを用いて、歯部材5を、虫歯の回動位置から虫歯でない回動位置に、容易かつ的確に変化させることができるようになる。また、歯ブラシを模した部材11の代わりに、歯科工具(ここでは歯科用ドリル)を模した部材12を用いる場合にも同様に突起31は、その動作(操作)の被操作部として歯部材5を、虫歯の回動位置から虫歯でない回動位置に、容易かつ的確に変化させることができるが、その他にも、ドリル部の先端を歯部材5の外側部材22の開口部24に差し込むことで、歯科工具を模した部材12により歯部材5に容易かつ的確に回動力を付与することもできる。
【0031】
図8および
図9は、顎部材2,3が口を開けた状態と口を閉じた状態とに変化する機構について説明する説明図である。
図8および
図9は、玩具1の一部を透視した斜視図であり、
図8では、顎部材2,3は口を閉じた状態になっており、
図9では、顎部材2,3は口を開けた状態になっている。
【0032】
レバー6を動かすと、レバー6に連結された回転軸(図示せず)とその回転軸に固定された歯車(図示せず)とが回転することにより、その歯車とかみ合っているピニオン(歯車)42も回転する。ピニオン42に隣接してラック(板状または棒状の歯車)41が配置されており、ピニオン42の歯とラック41の歯とはかみ合っている。このため、ピニオン42が回転すると、ラック41は直線方向(ここでは上下方向に)に移動することができ、ピニオン42の回転運動をラック41の直線運動に変換することができる。ラック41の上端部は、顎部材3に連結されている。このラック41の直線運動(上下運動)により、顎部材3が動くことができ、それによって、顎部材2,3が口を開けた状態と口を閉じた状態とに変化することができる。
【0033】
例えば、
図8のように、レバー6を立てた状態では、顎部材2,3が口を閉じた状態になっているが、
図9のように、レバー6を手前側に倒すと、ピニオン42が回転することに応じてラック41が下降し、それによって、顎部材3が動いて顎部材2,3は口を開けた状態になる。一方、
図9のように、レバー6を手前側に倒した状態では、顎部材2,3が口を開けた状態になっているが、
図8のように、レバー6を奥側に立てる(戻す)と、ピニオン42が回転することに応じてラック41が上昇し、それによって、顎部材3が動いて顎部材2,3は口を閉じた状態になる。
【0034】
また、
図8および
図9に示される歯車(ピニオン)43は、レバー6に連結された回転軸(図示せず)に固定された歯車(図示せず)とかみ合っており、レバー6を動かすと、歯車43も回転するようになっている。
【0035】
上述したように、顎部材2,3が口を開けた状態にあるときに、各歯部材5は、玩具1の使用者の操作に応じて、歯部材5の面5aが顎部材2から露出する状態(
図3の状態)と、歯部材5の面5bが顎部材2から露出する状態(
図4の状態)とに変化可能である。言い換えると、顎部材2,3が口を開けた状態にあるときに、各歯部材5は、玩具1の使用者の操作に応じて、虫歯の回動位置(
図3の回動位置)と虫歯でない回動位置(
図4の回動位置)とに変化可能である。そして、後述のように、口を開けた状態にある顎部材2,3が、口を閉じた状態(
図1および
図2の状態)に変化したことに応じて、顎部材2に取り付けられた複数の歯部材5は、いずれも、歯部材5の面5aが顎部材2から露出する状態(具体的には、虫歯を模した面5aが歯部材5の上面となった状態)となる。言い換えると、口を開けた状態にある顎部材2,3が、口を閉じた状態(
図1および
図2の状態)に変化したことに応じて、顎部材2に取り付けられた複数の歯部材5は、いずれも、虫歯の回動位置となる。これを実現する機構の一例を、
図10および
図11を参照して説明する。
【0036】
図10および
図11は、顎部材2,3が口を開けた状態から口を閉じた状態に変化したときに、全ての歯部材5が虫歯の回動位置となる機構について説明する説明図である。
図10は、顎部材2,3が口を開けた状態となっている場合に対応し、
図11は、顎部材2,3が口を閉じた状態となっている場合に対応している。
【0037】
図10および
図11に示されるように、歯部材5は、歯部材5の側面(回転軸21に略垂直な側面)に設けられた棒状の部材51を有している。なお、歯部材5において、上述したプレート部材32(上記
図6および
図7参照)が設けられた側面と、棒状の部材51(
図10および
図11参照)が設けられた側面とは、互いに反対側の面である。歯部材5は顎部材2に取り付けられているが、棒状の部材51が設けられた歯部材5の側面は、顎部材2の内側を向いており、プレート部材32が設けられた歯部材5の側面は、顎部材2の外側を向いている。これにより、顎部材2の内側に、後述する棒状または板状の部材52を配置しやすくなる。
【0038】
棒状の部材51の延在方向は、歯部材5の回転軸21に略垂直で、かつ、虫歯を模した面5aに略平行な方向である。虫歯を模した面5aと虫歯でない歯を模した面5bとは、互いに略垂直であるため、棒状の部材51の延在方向は、虫歯でない歯を模した面5bに略垂直である。棒状の部材51は、歯部材5の外側部材22に固定されているか、あるいは、外側部材22と一体的に形成されているため、歯部材5が回動すると、棒状の部材51も一緒に回動する。回転軸21は、棒状の部材51の中心付近に設けられた孔を貫通している。
【0039】
このため、歯部材5が虫歯の回動位置にある場合は、その歯部材5の側面に設置された棒状の部材51は、水平方向に延在し、また、歯部材5が虫歯でない回動位置にある場合は、その歯部材5の側面に設置された棒状の部材51は、上下方向に延在することになる。
【0040】
歯部材5と隣り合うように、棒状または板状の部材52が配置されており、部材52の上面には、上方に突出する突出部53が設けられている。突出部53は、各歯部材5に対して、設けられている。部材52は、
図10および
図11に示されるX方向に延在している。ここで、X方向は、歯部材5の回転軸21に略垂直で、かつ、歯部材5の側面(部材51が設けられた側面)に略平行な方向である。
【0041】
部材52には、上記
図8および
図9に示される歯車(ピニオン)43にかみ合うラック(図示せず)と連結されている。このため、歯車43の回転運動は、部材52のX方向の直線運動に変換され得る。上記レバー6を動かすと、上記歯車43も回転し、それによって、部材52は、X方向に移動する。突出部53は、部材52と連結されているため、部材52がX方向に移動すると、それと一緒に突出部53もX方向に移動する。
【0042】
顎部材2,3が口を開けた状態(レバー6を手前側に倒した状態)にあるときは、部材52および突出部53は、
図10に示されるような位置にあり、また、顎部材2,3が口を閉じた状態(レバー6を立てた状態)にあるときは、部材52および突出部53は、
図11に示されるような位置にある。すなわち、顎部材2,3が口を開けた状態から、口を閉じた状態に変化するときには、部材52および突出部53は、
図10に示されるような位置から、
図11に示されるような位置に、X方向に移動するが、この際、突出部53は、歯部材5の側面に設置された棒状の部材51の下を通過する。
【0043】
棒状の部材51が水平方向に延在している場合(すなわち歯部材5が虫歯の回動位置にある場合)は、突出部53が棒状の部材51の下を通過するときに、突出部53は棒状の部材51に衝突せず、それゆえ、その部材51が取り付けられている歯部材5は回動しない。しかしながら、棒状の部材51が上下方向に延在している場合(すなわち歯部材5が虫歯でない回動位置にある場合)は、突出部53が棒状の部材51の下を通過するときに、突出部53は棒状の部材51に衝突し、それによって、棒状の部材51を、延在方向が上下方向から水平方向になるように90°回転させる。棒状の部材51が90°回転することにより、その部材51が取り付けられていた歯部材5も90°回転して、虫歯でない回動位置から虫歯の回動位置に変化する。
【0044】
ここで、
図10および
図11において、2つの歯部材5のうちの左側の歯部材5を、歯部材5cと称し、右側の歯部材5を、歯部材5dと称することとする。顎部材2,3が口を開けた状態となっているときに、
図10のように、歯部材5cは、歯ブラシを模した部材11を用いて、虫歯の回動位置から虫歯でない歯の回動位置に変化されており、一方、歯部材5dは、虫歯の回動位置のままとされている。
【0045】
顎部材2,3が口を開けた状態では、歯部材5dは、
図10のように虫歯でない回動位置にあるが、顎部材2,3が口を開けた状態から口を閉じた状態に変化しても、
図11のように、歯部材5dは、虫歯でない回動位置を維持している。なぜなら、
図10の位置から
図11の位置に突出部53が移動した際に、歯部材5dの側面に設置された棒状の部材51に突出部53は衝突しないからである。
【0046】
それに対して、顎部材2,3が口を開けた状態で、歯部材5cは、
図10のように虫歯でない回動位置にあるが、顎部材2,3が口を開けた状態から口を閉じた状態に変化すると、
図11のように、歯部材5cは、虫歯でない回動位置から虫歯の回動位置に変化する。なぜなら、
図10の位置から
図11の位置に突出部53が移動した際に、突出部53が歯部材5cの側面に設置された棒状の部材51に衝突して押すことにより、部材51に回動力が付与され、それによって、歯部材5cが90°回転するからである。
【0047】
このため、レバー6を動かすことによって、口を開けた状態にある顎部材2,3が、口を閉じた状態に変化すると、顎部材2に取り付けられている複数の歯部材5は、いずれも、虫歯の回動位置となる。すなわち、顎部材2,3が口を開けた状態にあるときには、各歯部材5は、玩具1の使用者の操作(例えば歯ブラシを模した部材11を用いた操作)に応じて、虫歯の回動位置と虫歯でない回動位置とに変化可能であるが、口を開けた状態にある顎部材2,3が、口を閉じた状態に変化したことに応じて、顎部材2に取り付けられている複数の歯部材5は、いずれも虫歯の回動位置となる。
【0048】
次に、玩具1の使用方法について説明する。
【0049】
まず、
図1および
図2のような口を閉じた状態の玩具1に対して、玩具1の使用者がレバー6を手前側に引く(倒す)ことにより、玩具1の顎部材2と顎部材3とは、
図3のように口を開けた状態になる。口を開けた状態では、顎部材2に取り付けられている複数の歯部材5は、玩具1の使用者から見えている。
【0050】
顎部材2と顎部材3とが、口を閉じた状態(
図1および
図2の状態)から口を開けた状態になったときには、顎部材2に取り付けられている複数の歯部材5は、いずれも、虫歯の回動位置となっており、すなわち、
図3のように、顎部材2に取り付けられている複数の歯部材5は、いずれも上面が、虫歯を模した面5aとなっている。つまり、この段階では、顎部材2に取り付けられている複数の歯部材5は、いずれも、歯部材5の虫歯を模した面5aが顎部材2から露出する状態となっている。このため、この段階では、玩具1の使用者から見ると、顎部材2に取り付けられている複数の歯部材5は、いずれも、虫歯に見える。
【0051】
次に、玩具1の使用者は、歯ブラシを模した部材11を支持台部4から取り外し、部材11を歯部材5に押し当てる操作を行い、部材11により歯部材5に回動力を付与することにより、歯部材5を回動させる。これにより、虫歯の回動位置にある歯部材5(すなわち虫歯を模した面5aが上面となっている歯部材5)は回動し、歯部材5は、虫歯でない回動位置になる(すなわち歯部材5の上面は虫歯でない歯を模した面5bになる)。これにより、玩具1の使用者から見ると、虫歯に見えた歯部材5(虫歯の回動位置にある歯部材5)が、歯ブラシを模した部材11による操作で回動したことで、虫歯が治って虫歯ではない歯(虫歯でない回動位置にある歯部材5)に変化したように見えることになる。
【0052】
図4では、歯ブラシを模した部材11を用いて、顎部材2に取り付けられている複数の歯部材5の全てを、虫歯の回動位置から虫歯でない回動位置に変化させた状態が示されている。つまり、
図3のように、全ての歯部材5が、虫歯を模した面5aが顎部材2から露出する状態となっていたのを、歯ブラシを模した部材11を用いて歯部材5を回動させることにより、
図4のように、全ての歯部材5が、虫歯でない歯を模した面5bが顎部材2から露出する状態に変化する。
【0053】
玩具1の使用者は、顎部材2に取り付けられている複数の歯部材5のうち、任意の歯部材5について、歯ブラシを模した部材11を用いて回動させ、虫歯の回動位置にある歯部材5を、虫歯でない回動位置に変えることができる。例えば、顎部材2に取り付けられている複数の歯部材5の全てを、虫歯の回動位置から虫歯でない回動位置に変えることもできるし、あるいは、顎部材2に取り付けられている複数の歯部材5のうちの一部を、虫歯の回動位置から虫歯でない回動位置に変え、残りを虫歯の回動位置のままとすることもできる。
【0054】
歯ブラシを模した部材11により歯部材5を回動させることにより、虫歯の回動位置にある歯部材5を、虫歯でない回動位置に変える行為は、玩具1の使用者において、歯磨きを連想させる行為であり、虫歯を無くす(減らす)には歯磨きが有効であることを意識付けさせることができる。
【0055】
また、歯ブラシを模した部材11の代わりに、歯科工具を模した部材12を用いて歯部材5を回動させる操作を行うことにより、虫歯の回動位置にある歯部材5を、虫歯でない回動位置に変えることもできる。歯科工具を模した部材12を用いた操作で歯部材5を回動させることにより、虫歯の回動位置にある歯部材5を、虫歯でない回動位置に変える行為は、玩具1の使用者において、歯科工具を用いた虫歯の治療を連想させる行為であり、虫歯を無くす(減らす)には歯科医院などでの虫歯の治療が有効であることを意識付けさせることができる。
【0056】
次に、玩具1の使用者がレバー6を奥側に戻す(立てる)ことにより、顎部材2に対して顎部材3が相対的に動き、顎部材2と顎部材3とは、口を開けた状態(
図4)から口を閉じた状態(
図1および
図2)になる。口を閉じた状態では、顎部材2に取り付けられている複数の歯部材5は、玩具1の使用者からは見えなくなる。
【0057】
この際、上記
図10および
図11を参照して説明したように、顎部材2,3が口を開けた状態にあるときに、玩具1が備える複数の歯部材5のそれぞれを虫歯の回動位置と虫歯でない回動位置のどちらに位置させたとしても、顎部材2,3が口を開けた状態から口を閉じた状態に変化したことに応じて、玩具1が備える複数の歯部材5は、いずれも、虫歯の回動位置となる。
【0058】
つまり、顎部材2,3が口を開けた状態にあるときに、歯ブラシを模した部材11により、虫歯の回動位置にある歯部材5を、虫歯でない回動位に変えたとしても、その虫歯でない回動位置にある歯部材5は、顎部材2,3を口を開けた状態から口を閉じた状態に変化させたことに応じて、虫歯の回動位置となる。一方、顎部材2,3が口を開けた状態にあるときに、虫歯の回動位置のままとした歯部材5は、顎部材2,3を口を開けた状態から口を閉じた状態に変化させても、虫歯の回動位置のままとなる。
【0059】
次に、玩具1の使用者がレバー6を手前側に引く(倒す)ことにより、顎部材2に対して顎部材3が相対的に動き、顎部材2,3は、口を閉じた状態(
図1および
図2)から口を開けた状態(
図3)になる。口を開けた状態では、顎部材2に取り付けられている複数の歯部材5は、玩具1の使用者から見えている。このとき、顎部材2に取り付けられている複数の歯部材5は、いずれも、虫歯の回動位置(すなわち、虫歯を模した面5aが歯部材5の上面となる回動位置)となっている。このため、玩具1の使用者から見ると、顎部材2に取り付けられている複数の歯部材5は、いずれも、虫歯に見える。
【0060】
以降は、玩具1の使用者は、上記の操作を繰り返すことができる。すなわち、玩具1の使用者は、歯ブラシを模した部材11を用いて歯部材5を回動させることで、虫歯の回動位置にある歯部材5を、虫歯でない回動位置に変えることができる。そして、レバー6を奥側に戻すことにより、顎部材2,3とは、口を開けた状態から口を閉じた状態になり、それに伴って、顎部材2に取り付けられている複数の歯部材5は、いずれも、虫歯の回動位置となる。その後、レバー6を手前側に倒すことにより、顎部材2,3は、口を閉じた状態から口を開けた状態になるが、その状態では、玩具1の使用者から見える歯部材5は、いずれも虫歯の回動位置となっている。
【0061】
本実施の形態の玩具1は、顎を模した顎部材2と、顎部材2に取り付けられ、それぞれ歯を模した複数の歯部材5と、を備えている。玩具1が備える複数の歯部材5のそれぞれは、顎部材2から所定の面が露出するように取り付けられている。玩具1が備える複数の歯部材5のそれぞれは、使用者の操作に応じて、歯部材5の面5aを顎部材2から露出する状態と歯部材5の面5bを顎部材2から露出する状態とに変化可能であるため、玩具1の興趣性を向上させることができる。
【0062】
また、玩具1が備える複数の歯部材のそれぞれにおいて、面5aは、虫歯を模した面であり、面5bは、虫歯でない歯を模した面である。これにより、歯部材5の面5aを顎部材2から露出する状態から、歯部材5の面5bを顎部材2から露出する状態に変化させる行為は、虫歯を虫歯でない歯に変化させる行為を容易に連想させるため、玩具1の興趣性を更に向上させることができる。また、外側部材(外殻部材)22に印刷やシール貼りによって虫歯の外観を表現する場合、部材11や部材12を歯部材5に押し付ける(擦る)操作をしたときに印刷のインクの剥がれやシールの剥がれ等の損傷が生じる可能性があるが、玩具1が備える歯部材5のそれぞれにおいて、虫歯を表す外観部材である内側部材23を別途設ける構成となっているため、上述のような損傷が生じず、玩具1の美観を損ねることを防止することができる。
【0063】
また、玩具1の使用者によって操作され、玩具1が備える複数の歯部材5のそれぞれに押し当てて複数の歯部材5のそれぞれを回動させることが可能な回動操作部材を、玩具1は更に備えている。この回動操作部材は、歯ブラシまたは歯科工具を模している。このため、玩具1の使用者は、歯磨きまたは虫歯の治療を容易に連想しながら、玩具1を用いて遊ぶことができる。これにより、玩具1の興趣性を更に向上させることができる。
【0064】
また、本実施の形態の玩具1は、下顎を模した顎部材2と、上顎を模した顎部材3とを備えている。顎部材2,3が口を開けた状態にあるときに、玩具1が備える複数の歯部材5のそれぞれは、玩具1の使用者の操作に応じて、歯部材5の面5aを顎部材2から露出する状態と歯部材5の面5bを顎部材2から露出する状態とに変化可能である。そして、口を開けた状態にある顎部材2,3顎部材が、口を閉じた状態に変化したことに応じて、玩具1が備える複数の歯部材5は、いずれも、歯部材5の面5aが顎部材2から露出した状態となる。これにより、口の開け閉めを行えば、玩具1を用いた繰り返しの遊びが可能となるため、玩具1の操作性を向上させることができる。また、玩具1の興趣性を更に向上させることができる。
【0065】
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0066】
1 玩具
2,3 顎部材
4 支持台部
5,5c,5d 歯部材
5a,5b 面
6 レバー
11,12,13 部材
21 回転軸
22 外側部材
23 内側部材
24 開口部
31 突起
32 プレート部材
33,33a,33b 部材
41 ラック
42 ピニオン
43 歯車
51,52 部材
53 突出部