(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-07
(45)【発行日】2025-01-16
(54)【発明の名称】回路基板のネジ端子台
(51)【国際特許分類】
H01R 9/00 20060101AFI20250108BHJP
H02G 3/08 20060101ALI20250108BHJP
H01R 4/34 20060101ALI20250108BHJP
H01R 12/51 20110101ALI20250108BHJP
H01R 4/38 20060101ALI20250108BHJP
H01R 13/42 20060101ALI20250108BHJP
【FI】
H01R9/00 Z
H02G3/08
H01R4/34
H01R12/51
H01R4/38 C
H01R13/42 H
(21)【出願番号】P 2021176065
(22)【出願日】2021-10-28
【審査請求日】2024-05-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000115773
【氏名又は名称】リズム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】弁理士法人相原国際知財事務所
(72)【発明者】
【氏名】重藤 雅貴
(72)【発明者】
【氏名】北嶋 芳一
【審査官】岡▲さき▼ 潤
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-289243(JP,A)
【文献】特開2017-112008(JP,A)
【文献】実開平05-027985(JP,U)
【文献】特開2016-157599(JP,A)
【文献】特開2013-054882(JP,A)
【文献】特開平05-067479(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0097947(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第116053815(CN,A)
【文献】米国特許第09093761(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 9/00
H02G 3/08
H01R 4/34
H01R 12/51
H01R 4/38
H01R 13/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板に実装されて、バスバーが締結される回路基板のネジ端子台において、
前記回路基板上にハンダ付けされる固定端子と、
前記バスバーが締結されるネジ部が天面部に形成された可動端子と、
前記固定端子及び前記可動端子が組み付けられた合成樹脂製のホルダと、
を備え、
前記可動端子は、前記ホルダにより前記ネジ部を中心とした回転を規制され、且つ前記ホルダに案内されて前記回路基板に対する接離方向への位置変位が許容されると共に、弾性接点を介して前記固定端子との導通が保たれている
ことを特徴とする回路基板のネジ端子台。
【請求項2】
前記固定端子及び前記可動端子は、少なくとも前記可動端子が前記回路基板から離間する方向に位置変位したときに、互いに係合して所定位置で前記可動端子の位置変位を規制する固定側係合部及び可動側係合部がそれぞれ形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の回路基板のネジ端子台。
【請求項3】
前記ホルダは、前記回路基板との当接面に複数のリードが突設され、前記ネジ端子台が前記回路基板に実装された状態では、前記回路基板に形成された嵌合孔内に前記各リードがそれぞれ嵌入される
ことを特徴とする請求項1または2に記載の回路基板のネジ端子台。
【請求項4】
前記ホルダは、前記バスバーの一側に当接して締結時の回り止めを果たす掛止部が一体形成されている
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の回路基板のネジ端子台。
【請求項5】
前記ネジ部は、前記可動端子の天面部に形成された雌ネジであり、
前記ホルダは、前記雌ネジと連通する切粉封入空間が形成されている
ことを特徴とする請求項2に記載の回路基板のネジ端子台。
【請求項6】
前記ホルダは、前記回路基板側に開口する位置変位規制部、及び前記回路基板とは反対側に開口して前記位置変位規制部と連通する可動端子挿入部が形成され、
前記可動端子は、前記天面部の一側に折曲形成された可動側面部が前記ホルダの可動端子挿入部に挿入配置されると共に、前記可動側面部に前記可動側係合部としてランスが形成され、
前記固定端子は、前記回路基板にハンダ付けされる底面部を有し、前記底面部の一側に折曲形成された固定側面部が前記ホルダの位置変位規制部に挿入配置されると共に、前記固定側面部に前記固定側係合部として前記ランスが嵌まり込む係合孔が形成され、前記係合孔の内周に前記ランスを当接させて前記可動端子の位置変位を規制する
ことを特徴とする請求項5に記載の回路基板のネジ端子台。
【請求項7】
前記位置変位規制部の内壁には、前記固定端子の固定側面部が前記位置変位規制部に挿入されるときに、前記ランスとの干渉による前記固定側面部の撓みを許容して前記係合孔に前記ランスを嵌め込む逃げ部が形成されている
ことを特徴とする請求項6に記載の回路基板のネジ端子台。
【請求項8】
前記ホルダは、前記回路基板側に開口して前記位置変位規制部と連通する接点接触部が形成され、
前記弾性接点は、前記固定端子の底面部の一側に前記固定側面部と共に折曲形成されて前記接点接触部に挿入配置され、前記可動端子の可動側面部に弾性をもって当接して導通を保つ
ことを特徴とする請求項6または7に記載の回路基板のネジ端子台。
【請求項9】
前記可動端子挿入部、前記位置変位規制部及び前記接点接触部は、前記ホルダの前記切粉封入空間を挟んだ両側にそれぞれ形成され、
前記可動端子は、前記天面部の両側にそれぞれ前記ランスを有する前記可動側面部が折曲形成されて、前記各可動側面部が前記ホルダの可動端子挿入部にそれぞれ挿入配置され、
前記固定端子は、前記底面部の両側にそれぞれ前記係合孔を有する前記固定側面部及び前記弾性接点が折曲形成されて、前記各固定側面部が前記ホルダの位置変位規制部にそれぞれ挿入配置されると共に、前記各弾性接点が前記ホルダの接点接触部にそれぞれ挿入配置されている
ことを特徴とする請求項8に記載の回路基板のネジ端子台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板のネジ端子台に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、一般家電、民生機器、車載機器等(以下、電子機器と総称する)に内蔵された回路基板には多数の電子部品が実装されると共に、例えば、回路基板の近傍に配設された別の回路基板(以下、相手側基板と称する)等と電気的に接続する場合には、回路基板上にネジ端子台が設けられる。例えば特許文献1に記載のように、ネジ端子台は、合成樹脂製のホルダに金属製の端子を組み付けてなり、端子の下端部が回路基板上にハンダ付けされる。端子の天面部にはバーリング加工等により雌ネジが形成されており、相手側基板から延設された配線の丸型端子或いはバスバーの先端部等がビスにより天面部に締結される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のネジ端子台は、特にバスバーを接続する場合に不具合が生じる。
剛体であるバスバーの先端部の位置は、回路基板と相手側基板との相対的な位置関係、或いはバスバーの形状等の諸条件により定まり、必然的にネジ端子台の天面部の雌ネジの位置と、バスバーの先端部のネジ孔の位置とが完全に一致しない場合がある。バスバーの面に沿ったX方向及びY方向の位置ズレは、例えばバスバーのネジ孔を拡大する等の対策により吸収できるものの、バスバーの面と直交するZ方向(回路基板に対する接離方向)の位置ズレに関しては有効な対策がない。
【0005】
従って、この場合にはバスバーを無理に撓ませた状態でネジ端子台に締結することになり、バスバーの反力により、例えば回路基板に対する端子のハンダ付けの部位等に残留応力が発生する。結果として、長期に亘る残留応力によりハンダ付けの部位等にクラックが生じる等のトラブルの虞があり、製品としての信頼性の点で今一つ改良の余地があった。
【0006】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、天面部に対してバスバーの先端部が回路基板の接離方向に位置ズレを生じている場合であっても、バスバーの反力により端子のハンダ付けの部位等に生じる残留応力に起因するトラブルを未然に防止でき、これにより信頼性を向上することができる回路基板のネジ端子台を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明の回路基板のネジ端子台は、回路基板に実装されて、バスバーが締結される回路基板のネジ端子台において、回路基板上にハンダ付けされる固定端子と、バスバーが締結されるネジ部が天面部に形成された可動端子と、固定端子及び可動端子が組み付けられた合成樹脂製のホルダと、を備え、可動端子は、ホルダによりネジ部を中心とした回転を規制され、且つホルダに案内されて回路基板に対する接離方向への位置変位が許容されると共に、弾性接点を介して固定端子との導通が保たれていることを特徴とする。
【0008】
このように構成した回路基板のネジ端子台によれば、可動端子の天面部に対してバスバーが回路基板の接離方向に位置ズレを生じている場合には、それに応じて可動端子が位置変位すると共に、弾性接点により両端子間の導通が保たれる。バスバーは無理に撓むことなく可動端子に締結されることから、バスバーの反力に起因して回路基板と固定端子とのハンダ付けの部位等に発生する残留応力が抑制される。
【0009】
その他の態様として、固定端子及び可動端子は、少なくとも可動端子が回路基板から離間する方向に位置変位したときに、互いに係合して所定位置で可動端子の位置変位を規制する固定側係合部及び可動側係合部がそれぞれ形成されていてもよい。
【0010】
このように構成した場合には、固定側係合部と可動側係合部との係合により、ホルダに対して固定端子及び可動端子が分離を防止され、これによりネジ端子台が1つの製品として組付状態に保たれる。このため、ねじ端子台の流通途中での部品の脱落・紛失が防止されると共に、回路基板への実装作業ではねじ端子台を取り扱い易くなる。
【0011】
その他の態様として、ホルダは、回路基板との当接面に複数のリードが突設され、ネジ端子台が回路基板に実装された状態では、回路基板に形成された嵌合孔内に各リードがそれぞれ嵌入されるようにしてもよい。
【0012】
このように構成した場合には、ホルダによりネジ部を中心とした可動端子の回転が規制され、リードを介して回路基板によりネジ部を中心としたホルダの回転が規制される。結果として、バスバーが締結される際に可動端子に入力された回転力には、ホルダを介して回路基板が対抗し、固定端子には回転力が伝達されない。このため、回転力に起因して回路基板と固定端子とのハンダ付けの部位等にクラックが発生する事態が防止される。
【0013】
その他の態様として、ホルダは、バスバーの一側に当接して締結時の回り止めを果たす掛止部が一体形成されていてもよい。
【0014】
このように構成した場合には、可動端子の天面部にバスバーを締結する際には、掛止部によりバスバーが回り止めされて容易に締結可能となる。そして、掛止部が一体形成されたホルダは合成樹脂製のため、回路基板の仕様変更等に伴ってバスバーの姿勢等が変更された場合には、それに応じて掛止部の形状を容易に変更可能となる。
【0015】
その他の態様として、ネジ部は、可動端子の天面部に形成された雌ネジであり、ホルダは、雌ネジと連通する切粉封入空間が形成されていてもよい。
【0016】
このように構成した場合には、例えば可動端子の天面部にバスバーを締結すべく、天面部の雌ネジにビスが螺合されると切粉が発生する。この切粉は切粉封入空間に落下して捕捉されるため、切粉に起因する回路基板の短絡等のトラブルが防止される。
【0017】
その他の態様として、ホルダは、回路基板側に開口する位置変位規制部、及び回路基板とは反対側に開口して位置変位規制部と連通する可動端子挿入部が形成され、可動端子は、天面部の一側に折曲形成された可動側面部がホルダの可動端子挿入部に挿入配置されると共に、可動側面部に可動側係合部としてランスが形成され、固定端子は、回路基板にハンダ付けされる底面部を有し、底面部の一側に折曲形成された固定側面部がホルダの位置変位規制部に挿入配置されると共に、固定側面部に固定側係合部としてランスが嵌まり込む係合孔が形成され、係合孔の内周にランスを当接させて可動端子の位置変位を規制するようにしてもよい。
【0018】
このように構成した場合には、固定端子の固定側面部に形成された係合孔内に可動端子の可動側面部に形成されたランスが嵌まり込む。可動端子が位置変位すると、固定端子の係合孔の内周にランスが当接して可動端子の位置変位が所定位置で規制される。
【0019】
その他の態様として、位置変位規制部の内壁に、固定端子の固定側面部が位置変位規制部に挿入されるときに、ランスとの干渉による固定側面部の撓みを許容して係合孔にランスを嵌め込む逃げ部が形成されていてもよい。
【0020】
このように構成した場合には、固定端子の固定側面部が位置変位規制部に挿入される過程では、固定側面部の先端がランスと干渉して力を受けるが、逃げ部により固定側面部の撓みが許容されて位置変位許容部に挿入可能となる。そして、固定側面部の係合孔にランスが嵌まり込むと位置変位許容部への挿入が完了し、この状態の固定側面部は逃げ部と一致しなくなるため撓みを規制され、その係合孔の内周面にランスが当接可能となる。
【0021】
その他の態様として、ホルダは、回路基板側に開口して位置変位規制部と連通する接点接触部が形成され、弾性接点は、固定端子の底面部の一側に固定側面部と共に折曲形成されて接点接触部に挿入配置され、可動端子の可動側面部に弾性をもって当接して導通を保つようにしてもよい。
【0022】
このように構成した場合には、固定端子の底面部から固定側面部及び弾性接点を折曲形成しただけの簡単な構成により、固定端子には、可動端子側のランスに対する係合機能と、可動端子側の可動側面部に対する導通機能とが集約され、固定端子を安価且つ小型に製作可能となる。
【0023】
その他の態様として、可動端子挿入部、位置変位規制部及び接点接触部は、ホルダの切粉封入空間を挟んだ両側にそれぞれ形成され、可動端子は、天面部の両側にそれぞれランスを有する可動側面部が折曲形成されて、各可動側面部がホルダの可動端子挿入部にそれぞれ挿入配置され、固定端子は、底面部の両側にそれぞれ係合孔を有する固定側面部及び弾性接点が折曲形成されて、各固定側面部がホルダの位置変位規制部にそれぞれ挿入配置されると共に、各弾性接点がホルダの接点接触部にそれぞれ挿入配置されていてもよい。
【0024】
このように構成した場合には、ホルダの切粉封入空間を挟んだ両側に可動端子挿入部、位置変位規制部及び接点接触部が形成される。そして、可動端子挿入部には可動端子の両側の可動側面部が挿入配置され、位置変位規制部には固定端子の両側の固定側面部が挿入配置され、接点接触部には固定端子の両側の弾性接点が挿入配置される。結果としてホルダ内に無駄なスペースを形成することなく各構成要素が配置される。
【発明の効果】
【0025】
本発明の回路基板のネジ端子台によれば、天面部に対してバスバーの先端部が回路基板の接離方向に位置ズレを生じている場合であっても、バスバーの反力により端子のハンダ付けの部位等に生じる残留応力に起因するトラブルを未然に防止でき、これにより信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】実施形態の回路基板のネジ端子台を示す斜視図である。
【
図3】回路基板、ネジ端子台及びバスバーを示す分解斜視図である。
【
図5】
図4のV-V線断面に相当する斜視図である。
【
図6】可動端子が没入位置にあるときのネジ端子台を示す
図5のVI-VI線断面図である。
【
図9】可動端子が突出位置にあるときのネジ端子台を示す
図6に対応する断面図である。
【
図10】ホルダに固定端子を組み付けるときのネジ端子台を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を具体化した回路基板のネジ端子台の一実施形態を説明する。
図1は、本実施形態の回路基板のネジ端子台を示す斜視図、
図2は、ネジ端子台を示す分解斜視図、
図3は、回路基板、ネジ端子台及びバスバーを示す分解斜視図である。以下の説明では、
図2中の回路基板の面に沿った互いに直交する2方向をX方向及びY方向と称し、これらと直交する方向をZ方向と称する。
【0028】
本実施形態のネジ端子台1が実装される回路基板2は、電気自動車の車載機器の1つであるモータ駆動用インバータに内蔵されるものであり、回路基板2上には、インバータの動作を制御するための図示しない電子部品が実装されている。インバータ内の回路基板2の近傍には別の回路基板等(相手側基板)が配設され、この相手側基板と回路基板2とをバスバー6を介して電気的に接続するために、回路基板2上にネジ端子台1が実装される。
【0029】
全体としてネジ端子台1は、回路基板2上にハンダ付けされる固定端子3、バスバー6の先端部が締結される可動端子4、及び固定端子3と可動端子4が組み付けられるホルダ5により構成されている。
【0030】
固定端子3は、底面部8、2片の固定側面部9、及び4片の弾性接点10からなり、プレスにより金属板を所期の形状に折曲形成して製作されている。底面部8は四角状をなし、図示しない多数の電子部品と共に回路基板2上にハンダ付けされる。X方向における底面部8の両側には、それぞれ固定側面部9及び2片の弾性接点10が回路基板2から離間する方向(
図1~3の上方)に向けて折曲形成されている。詳しくは、各固定側面部9は底面部8に対して直角状をなして配設され、それらの固定側面部9を挟んだY方向の両側でそれぞれ弾性接点10が底面部8に対して直角よりも若干鈍角状をなして配設されている。
【0031】
各固定側面部9は四角状をなし、各固定側面部9のY方向の両側縁にはそれぞれ三角状の圧入爪9aが形成され、各固定側面部9の略中央には四角状をなす係合孔9b(本発明の「固定側係合部」に相当)が貫設されている。また、各弾性接点10は四角状をなして先端部が屈曲形成され、それぞれの屈曲箇所10aは隣接する固定側面部9よりもX方向で外側に突出している。
【0032】
可動端子4は、天面部11及び2片の可動側面部12からなり、プレスにより金属板を所期の形状に折曲形成して製作されている。天面部11は四角状をなし、中央にはバーリング加工により円筒フランジ部11aが回路基板2側に突出して形成されて、内周面に雌ネジ11b(本発明の「ネジ部」に相当)が形成されている。天面部11の両側には、それぞれ可動側面部12が回路基板2に接近する方向(
図1,2の下方)に向けて直角状に折曲形成されている。各可動側面部12の間隔は、固定端子3の固定側面部9の間隔よりも広く設定されているため、可動端子4の可動側面部12の間に固定端子3を配置可能となっている。
【0033】
可動端子4の各可動側面部12の略中央には、それぞれX方向で内側に向けてランス12a(本発明の「可動側係合部」に相当)が突設されている。なお、各可動側面部12を折曲形成する際にランス12aとの干渉防止のために、図示はしないが折曲形成に適用する金型には切欠きが形成されている。この切欠きにより、天面部11と各可動側面部12との角部には折曲不能な部位(ランス12aの直上)が発生するため、この部位に予め四角状の逃げ孔13が貫設されている。
【0034】
図4は、ネジ端子台1を示す平面図、
図5は、
図4のV-V線断面に相当する斜視図、
図6は、可動端子4が没入位置にあるときのネジ端子台1を示す
図5のVI-VI線断面図、
図7は、
図5のVII-VII線断面図、
図8は、
図6のVIII-VIII線断面図、
図9は、可動端子4が突出位置にあるときのネジ端子台1を示す
図6に対応する断面図である。なお、
図6,7は、
図5
【0035】
ホルダ5は絶縁性の合成樹脂材料を射出成型して製作され、全体として直方体状をなしている。以下、ホルダ5の回路基板2側の面を底面14(本発明の「当接面」に相当)、回路基板2とは反対側の面を天面15と称する。ホルダ5の天面15の中央には、可動端子4側から断面円形状をなす切粉封入空間16が穿設され、切粉封入空間16はホルダ5を貫通することなく底16aにより閉塞されている。
【0036】
図5,8に示すように、ホルダ5の切粉封入空間16を挟んだX方向の両側には、それぞれ可動端子挿入部17がZ方向に貫通して形成され、可動端子挿入部17は平面視でY方向に延びるスリット状をなしている。各可動端子挿入部17のX方向の内側(切粉封入空間16側)にはそれぞれ位置変位規制部18が形成され、各位置変位規制部18を挟んだY方向の両側にはそれぞれ接点接触部19が形成されている。これらの2箇所の位置変位規制部18及び4箇所の接点接触部19は、それぞれ隣接する可動端子挿入部17に連通すると共に、ホルダ5の底面14に開口している。
【0037】
このようなホルダ5に対して天面15側から可動端子4が組み付けられ、可動端子4の各可動側面部12がホルダ5の可動端子挿入部17にそれぞれ挿入配置されている。可動端子4の天面部11はホルダ5の天面15に当接し、可動端子4の円筒フランジ部11aは切粉封入空間16内に挿入され、結果として雌ネジ11bは切粉封入空間16と連通している。各可動側面部12は可動端子挿入部17内を摺動してZ方向に案内され、これにより可動端子4は、天面部11をホルダ5の天面15から離間させてZ方向(本発明の「回路基板に対する接離方向」に相当)に任意に位置変位し得るようになっている。
【0038】
また、固定端子3は底面14側からホルダ5に組み付けられ、固定端子3の各固定側面部9がホルダ5の位置変位規制部18にそれぞれ挿入配置されている。各固定側面部9の両側の圧入爪9aは位置変位規制部18の内壁に食い込み、これにより位置変位規制部18からの固定側面部9の離脱、ひいてはホルダ5からの固定端子3の分離が防止されている。
【0039】
そして、この状態では
図5,6に示すように、固定端子3の各固定側面部9の係合孔9b内に可動端子4の各可動側面部12のランス12aがそれぞれ嵌まり込んでいる。このため、係合孔9bの上下長さの範囲内で可動端子4のZ方向の位置変位が許容される一方、
図9に示すように可動端子4が回路基板2から離間する方向に位置変位すると、その位置変位はランス12aが係合孔9bの内周に当接した位置で規制される。以下、このときの可動端子4の位置を突出位置(本発明の「所定位置」に相当)と称する。
【0040】
逆に、
図6に示すように可動端子4が回路基板2に接近する方向に位置変位した場合には、その天面部11がホルダ5の天面15に当接した位置で規制される。また、ネジ端子台1が回路基板2に実装された状態では、各可動側面部12の先端が回路基板2上に当接することによっても、可動端子4の位置変位が規制される。以下、このときの可動端子4の位置を没入位置と称する。なお、この可動端子4の接近方向への位置変位の規制は、天面部11或いは回路基板2の何れか一方で行うようにしてもよいし、離間方向と同じく係合孔9bとランス12aとの係合により規制してもよい。
【0041】
このように可動端子4は、
図6に示すように、没入位置と突出位置との間のストロークS(例えば1.5mm)の範囲内で位置変位を許容されている。後述するように可動端子4の位置変位は、ネジ端子台1とバスバー6とのZ方向の位置ズレを吸収する対策であるため、実際に発生し得る位置ズレを吸収可能なように、諸条件を考慮して可動端子4のストロークSが設定されている。
【0042】
一方、ホルダ5への固定端子3の組み付けと共に、
図5,7に示すように固定端子3の各弾性接点10が接点接触部19にそれぞれ挿入配置されて、その屈曲箇所10aが弾性をもって可動端子4の可動側面部12に当接している。これにより固定端子3と可動端子4とが電気的に導通し、没入位置と突出位置との間で可動端子4が位置変位しても、屈曲箇所10aが可動側面部12上を摺接して導通を保ち続ける。
【0043】
以上の説明から明らかなように、固定端子3の底面部8から固定側面部9及び弾性接点10を折曲形成しただけの簡単な構成により、固定端子3には、可動端子4側のランス12aに対する係合機能と、可動端子4側の可動側面部12に対する導通機能とが集約されている。結果として固定端子3を安価且つ小型に製作でき、ひいてはネジ端子台1全体のコスト低減及び小型化を達成することができる。
【0044】
また、ホルダ5の切粉封入空間16を挟んだX方向の両側に、可動端子挿入部17、位置変位規制部18及び接点接触部19を形成している。そして、可動端子挿入部17には可動端子4の両側の可動側面部12を挿入配置し、位置変位規制部18には固定端子3の両側の固定側面部9を挿入配置し、接点接触部19には固定端子3の両側の弾性接点10を挿入配置している。結果としてホルダ5内に無駄なスペースを形成することなく各構成要素が配置されるため、この点もホルダ5の小型化、ひいてはネジ端子台1全体の小型化に大きく貢献する。
【0045】
加えて、ネジ端子台1の小型化は、回路基板2上への実装作業に関しても有利に作用する。小型化されたネジ端子台1は、抵抗やダイオード等の他の電子部品と同じく自動実装によるリフローハンダ付けを適用可能となる。即ち、リフローハンダ付けの際に、他の電子部品と共にネジ端子台1をチップマウンタにより回路基板2上の所定位置に載置し、炉での加熱を経てハンダ付けできる。このように他の電子部品を回路基板2上に自動実装する際にネジ端子台1も実装できるため、ネジ端子台1の実装のために新たな工程を設ける必要がなくなり、その実装作業を容易に実施することができる。
【0046】
一方、
図6,8に示すように、各位置変位規制部18の内壁にはそれぞれ逃げ部20が形成されている。これらの逃げ部20は、Y方向において位置変位規制部18の幅全体に延び、Z方向において同一深さでホルダ5の底面に開口する一方、反対側(天面15側)では深さを次第に浅くした断面テーパ状をなしている。詳細は後述するが、これらの逃げ部20は、ホルダ5に固定端子3を組み付ける際に、ランス12aとの干渉によって生じる固定側面部9の撓みを許容する役割を果たす。即ち、Z方向において固定側面部9の先端が逃げ部20と一致する位置では固定側面部9の撓みが許容され、逃げ部20と一致しない位置では固定側面部9の撓みが規制される。
【0047】
一方、
図3に示すように、ホルダ5の底面(本発明の「当接面」に相当)の四隅には円筒状のリード21(3箇所のみ示す)が突設され、回路基板2上のネジ端子台1を実装すべき位置には、各リード21に対応して嵌合孔2aがそれぞれ貫設されている。回路基板2上にネジ端子台1が実装された状態では、各リード21が嵌合孔2aに嵌入することにより、X-Y面上(回路基板2上)でのホルダ5の姿勢変化が規制されている。なお、リード21は必ずしも4箇所に設ける必要はなく、2箇所以上に設けられていればよい。
【0048】
また、ホルダ5の天面15には、切粉封入空間16を挟んだY方向の両側にそれぞれ突条をなす掛止壁22(本発明の「掛止部」に相当)が一体的に突設されている。掛止壁22の間隔は、ネジ端子台1に締結されるバスバー6の幅よりも若干広く設定されている。
【0049】
次に、以上のように構成されたネジ端子台1の組付手順について説明する。
予めホルダ5、固定端子3及び可動端子4を製作した上で、まず、ホルダ5の天面15側から可動端子4を組み付ける。可動端子4の各可動側面部12はそれぞれ可動端子挿入部17内に挿入配置され、これにより可動端子4の天面部11がホルダ5の天面15に当接し、可動端子4の円筒フランジ部11aが切粉封入空間16内に挿入され、雌ネジ11bが切粉封入空間16と連通する。
【0050】
次いで、ホルダ5の底面14側から固定端子3を組み付ける。固定端子3の各固定側面部9はそれぞれ位置変位規制部18内に挿入配置され、その両側の圧入爪9aが位置変位規制部18の内壁に食い込んで離脱防止すると共に、各固定側面部9の係合孔9b内に可動端子4側のランス12aがそれぞれ嵌まり込む。固定側面部9が位置変位規制部18に挿入される過程では、固定側面部9の先端がランス12aと干渉して内方(切粉封入空間16側)への力を受ける。
【0051】
図10に示すように、このときの固定側面部9の先端は、位置変位規制部18の内壁に形成された逃げ部20とZ方向で一致しているため、逃げ部20により固定側面部9の撓みが許容される。従って、ランス12aとの干渉による力を受けて固定側面部9は内方に撓みながら、次第に位置変位規制部18に挿入される。そして、固定側面部9の先端がランス12aを乗り越えると(ランス12aが係合孔9bに嵌まり込むと)、固定側面部9は自己の弾性で元の平板形状に戻りながら、逃げ部20の断面テーパ状の箇所に案内されて位置変位規制部18への挿入が完了する。この状態の固定側面部9は、先端が逃げ部20と一致しないため撓みを規制され、その係合孔9bの内周面にランス12aが当接可能となる。
【0052】
以上の位置変位規制部18への固定側面部9の挿入と並行して、固定端子3の各弾性接点10は、可動端子4側の可動側面部12と干渉して内方(切粉封入空間16側)に撓みながら接点接触部19に挿入される。そして、各弾性接点10の屈曲箇所10aが可動側面部12に弾性をもって当接し、以上でネジ端子台1の組付が完了する。
【0053】
このようにネジ端子台1は簡単な手順で組み付けることができ、その構成部品も固定端子3、可動端子4及びホルダ5の3点だけある。例えば特許文献1のネジ端子台は、ホルダ及び端子からなり、それらの部品を組み付けて構成されるが、部品点数が1点増加するだけのため、僅かな製造コストの追加により実施することができる。
【0054】
一方、組付を完了したネジ端子台1は、この状態で販路を流通して顧客に販売される。このときのネジ端子台1は、ホルダ5に対して固定端子3が圧入爪9aにより分離を防止され、この固定端子3に対して可動端子4が係合孔9bとランス12aとの係合により分離を防止されている。即ち、1つの製品として組付状態に保たれているため、仮に個々のネジ端子台1が包装されていない場合であっても、流通途中で何れかの部品が脱落・紛失する等のトラブルを未然に防止することができる。また、顧客の下でネジ端子台1は回路基板2上に実装されるが、その際にも部品の脱落・紛失が防止されていることから、ネジ端子台1の取り扱いがし易い。従って、回路基板2への実装作業を容易に実施できるという別の効果が得られる。
【0055】
一方、回路基板2上に実装されたネジ端子台1には、相手側基板との電気的な接続のためにバスバー6の先端部が締結される。詳しくは
図3に示すように、可動端子4の天面部11上にバスバー6の先端部が重ね合わされ、ネジ孔6aを介してビス23によりバスバー6が天面部11の雌ネジ11bに締結される。締結の際には、ビス23との摩擦によりバスバー6に回転力が作用するため、作業者はバスバー6を把持して所期の姿勢に保ちながら、ドライバー等でビス23を回転操作する必要がある。本実施形態では、天面部11の両側に位置する掛止壁22にバスバー6の両側が当接して回り止めする。よって、バスバー6の姿勢に注意を払うことなく、容易にネジ端子台1に締結することができる。
【0056】
特に本実施形態の掛止壁22は、合成樹脂製のホルダ5に形成されているため、天面部11上でのバスバー6の姿勢が変更された場合でも柔軟に対応できる。即ち、
図3に示す例ではバスバー6がX方向に沿って延設されているため、それに応じてホルダ5上のY方向の両側に掛止壁22を突設している。しかしながら、相手側基板との位置関係やバスバー6の形状等が仕様変更された場合には、ホルダ5上でのバスバー6の姿勢、ひいては回転規制のための掛止壁22の形状等についても変更を要する。本実施形態では、ホルダ5を射出成型する際に掛止壁22が形成されるため、金型形状を修正するだけで掛止壁22の形状を容易に変更でき、必要があれば掛止壁22を含めたホルダ5全体の形状も変更できるため、このような要求に柔軟に対応することができる。
【0057】
さらに、天面部11の雌ネジ11bにはタップ加工で生じた切粉が残存している場合があり、また、バスバー6の締結に伴うビス23の螺合により雌ネジ11bに新たな切粉が発生する場合もある。これらの切粉が回路基板2上に堆積すると短絡等のトラブルの要因になるが、本実施形態では、雌ネジ11bで生じた切粉が切粉封入空間16内に落下して捕捉される。従って、回路基板2の短絡等のトラブルを未然に防止でき、結果として回路基板2が用いられるインバータの信頼性を向上することができる。
【0058】
一方、ネジ端子台1の可動端子4にバスバー6を締結する際には、接触不良を防止すべくドライバー等でビス23を強く締め付けるため、ビス23を介して可動端子4には大きな回転力が入力される。仮に、この回転力が可動端子4から固定端子3に伝達されると、固定端子3の底面部8と回路基板2とのハンダ付けの部位に直接的に回転力が作用し、クラック等のトラブルの要因になり得る。本実施形態においては、このとき可動端子4に入力された回転力にホルダ5が対抗し、固定端子3への回転力の伝達が防止されている。
【0059】
即ち、
図6,8に示すように、ホルダ5の底面14の各リード21が回路基板2上の嵌合孔2aに嵌入することにより、回路基板2に対するホルダ5のX-Y面上での姿勢変化が規制されている。また、可動端子4の各可動側面部12がホルダ5の可動端子挿入部17に挿入配置されることにより、ホルダ5に対する可動端子4のX-Y面上での姿勢変化が規制されており、X-Y面上の姿勢変化には、雌ネジ11bを中心とした可動端子4の回転も含まれる。
【0060】
従って、ビス23の締め付けにより可動端子4に入力された回転力はホルダ5を介して回路基板2に伝達され、回路基板2が回転力に対抗する。換言すると、回転力が入力されたときの可動端子4は、ホルダ5を介して回路基板2により回転を規制される。結果として固定端子3にはビス23からの回転力が伝達されないため、固定端子3の底面部8と回路基板2とのハンダ付けの部位にクラックが発生する事態を未然に防止でき、その信頼性を一層向上することができる。
【0061】
また、ビス23からの回転力が可動端子4を介して固定端子3に伝達された場合、その回転力はハンダ付けの部位のみならず、固定端子3の弾性接点10や固定側面部9の係合孔9bにも作用する。これらの部位が変形すると、弾性接点10と固定側面部9との導通状態、或いは係合孔9bとランス12aとの係合状態に支障を生じるが、固定端子3への回転力の伝達を防止したことにより、これらの不具合を防止できるという別の効果も得られる。
【0062】
一方、既述したように、ネジ端子台1の天面部11とバスバー6の先端部との間には、Z方向の位置ズレが生じている場合がある。例えば特許文献1に記載のネジ端子台1では、バスバー6を撓ませてネジ端子台1に締結するしかなく、結果として回路基板2上への端子のハンダ付け部位等にクラックが生じる可能性がある。
【0063】
このような不具合は、本実施形態のネジ端子台1によれば、可動端子4がZ方向に位置変位することで解消される。例えば
図6に二点鎖線で示すように、没入位置にある可動端子4の天面部11に対してバスバー6の先端部が離間している場合、作業者はバスバー6を回路基板2側に撓ませながら、その先端部をビス23により可動端子4の雌ネジ11bに締結する。締結後にバスバー6は自己の弾性により元の平板形状に戻り、このときのバスバー6からの反力を受けて、ネジ端子台1の可動端子4は
図9に示すように突出位置に向けて位置変位する。
【0064】
可動端子4の位置変位に伴って、その可動側面部12は固定端子3側の弾性接点10と摺接して導通状態を保ち、ランス12aは固定端子3側の係合孔9b内で位置変位する。そして、バスバー6が元の平板形状に復帰すると、可動端子4の位置変位が中止される。この時点ではバスバー6の反力が消失していることから、例えば固定端子3の底面部8と回路基板2とのハンダ付けの部位等にはほとんど残留応力が発生していない。結果として、残留応力に起因してハンダ付け部位等にクラックが発生する事態を未然に防止できることから、ネジ端子台1としての信頼性を向上することができる。
【0065】
このように、Z方向におけるバスバー6の位置が可動端子4のストロークS内に位置する場合には、固定端子3側に無用な力(バスバー6の反力)を作用させることなく可動端子4にバスバー6を締結することができる。逆の観点からすれば、相手側基板の位置やバスバー6の形状等の多少の誤差が生じている場合(Z方向の位置ズレが生じている場合)であっても、バスバー6からの反力に起因するネジ端子台1のトラブルを防止できることを意味する。従って、相手側基板やバスバー6に要求される誤差を緩和でき、これにより、ネジ端子台1が適用されるインバータをより容易に設計できるという別の効果も得られる。
【0066】
本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、電気自動車のモータ駆動用インバータに内蔵された回路基板2に実装されるネジ端子台1として具体化したが、これに限るものではなく、一般家電、民生機器、車載機器等の各種電子機器に搭載される回路基板のネジ端子台に適用することができる。
【0067】
また上記実施形態では、固定端子3に係合孔9b及び弾性接点10を設け、係合孔9bを可動端子4のランス12aに係合させると共に、弾性接点10を可動端子4の可動側面部12に当接させたが、これらの関係を逆転させてもよい。具体的には、可動端子4に係合孔及び弾性接点を設け、係合孔を固定端子3のランスに係合させると共に、弾性接点を固定端子3の固定側面部に当接させてもよい。また、固定端子3及び可動端子4の形状についても上記実施形態に限るものではなく種々に変更可能であり、例えば弾性接点10の形状や数を変更してもよい。
【0068】
また上記実施形態では、ホルダ5に切粉封入空間16及び掛止壁22を形成したが、必ずしも設ける必要はなく、これらの部位を省略してもよい。
【0069】
また上記実施形態では、可動端子4の天面部11に雌ネジ11bを形成して、ビス23によりバスバー6を締結したが、これに限るものではない。例えば雌ネジ11bに代えて雄ネジを形成し、ナットによりバスバー6を締結するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0070】
1 ネジ端子台
2 回路基板
2a 嵌合孔
3 固定端子
4 可動端子
5 ホルダ
6 バスバー
8 底面部
9 固定側面部
9b 係合孔(固定側係合部)
10 弾性接点
11 天面部
11b 雌ネジ(ネジ部)
12 可動側面部
12a ランス(可動側係合部)
14 底面(当接面)
16 切粉封入空間
17 可動端子挿入部
18 位置変位規制部
19 接点接触部
20 逃げ部
21 リード
22 掛止壁(掛止部)