(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-07
(45)【発行日】2025-01-16
(54)【発明の名称】二酸化塩素ガス発生容器
(51)【国際特許分類】
B65D 81/28 20060101AFI20250108BHJP
B65D 81/20 20060101ALI20250108BHJP
B65D 85/50 20060101ALI20250108BHJP
A23B 2/00 20250101ALN20250108BHJP
【FI】
B65D81/28 C
B65D81/20 L
B65D85/50 100
A23L3/00 101A
(21)【出願番号】P 2021177503
(22)【出願日】2021-10-29
【審査請求日】2024-05-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】山科 裕太郎
(72)【発明者】
【氏名】田端 真一
(72)【発明者】
【氏名】菅根 康二
【審査官】森本 哲也
(56)【参考文献】
【文献】特表2021-520276(JP,A)
【文献】登録実用新案第3229922(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 81/18-81/30
B65D 85/50
A23L 3/00- 3/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂材料で形成された第1層、第2層、および第3層が、容器内面側から容器外面側に向けてこの順に積層され、
前記第1層において、
JIS Z 0208-1976に基づいて、温度20℃および相対湿度90%の雰囲気下で測定した、厚さ25μmでの透湿度が、2(g/m
2
・24h)以上とされ、かつ
JIS K 7126(等圧法)に基づいて、温度20℃および相対湿度65%の雰囲気下で測定した、厚さ25μmでの酸素ガス透過度が、500(cm
3
/m
2
・24h・atm)以上とされ、
前記第2層は、二酸化塩素発生粉体を含有する合成樹脂材料で形成され、
前記二酸化塩素発生粉体は、多孔質体と、前記多孔質体の微小孔内に進入した金属亜塩素酸塩および活性化剤と、を備え、
前記第2層と前記第3層との間に、吸湿性無機フィラーを含有する合成樹脂材料で形成された第4層が設けられている、二酸化塩素ガス発生容器。
【請求項2】
前記金属亜塩素酸塩の熱分解温度は、前記第2層を形成する合成樹脂材料の融点より高い、請求項1に記載の二酸化塩素ガス発生容器。
【請求項3】
前記多孔質体はゼオライトである、請求項1または2に記載の二酸化塩素ガス発生容器。
【請求項4】
前記第4層と前記第3層との間に、前記酸素ガス透過度が、前記第1層、前記第2層、および前記第3層よりも低い第5層が設けられている、請求項1から3のいずれか1項に記載の二酸化塩素ガス発生容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二酸化塩素ガス発生容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば下記特許文献1に示されるように、食品が収納される食品収納部と、食品収納部に連通する殺菌剤収納部と、を備え、殺菌剤収納部に二酸化塩素が収納された二酸化塩素ガス発生容器が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の二酸化塩素ガス発生容器では、殺菌剤収納部に二酸化塩素を収納する工程が必要になる。
【0005】
本発明は、二酸化塩素を個別に収納しなくても、内容物が収納される、二酸化塩素ガス発生容器の内部に二酸化塩素ガスを供給することができる二酸化塩素ガス発生容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る二酸化塩素ガス発生容器は、合成樹脂材料で形成された第1層、第2層、および第3層が、容器内面側から容器外面側に向けてこの順に積層され、前記第1層において、JIS Z 0208-1976に基づいて、温度20℃および相対湿度90%の雰囲気下で測定した、厚さ25μmでの透湿度が、2(g/m
2
・24h)以上とされ、かつJIS K 7126(等圧法)に基づいて、温度20℃および相対湿度65%の雰囲気下で測定した、厚さ25μmでの酸素ガス透過度が、500(cm
3
/m
2
・24h・atm)以上とされ、前記第2層は、二酸化塩素発生粉体を含有する合成樹脂材料で形成され、前記二酸化塩素発生粉体は、多孔質体と、前記多孔質体の微小孔内に進入した金属亜塩素酸塩および活性化剤と、を備え、前記第2層と前記第3層との間に、吸湿性無機フィラーを含有する合成樹脂材料で形成された第4層が設けられている。
【0007】
第1層において、前述の透湿度が2(g/m
2
・24h)以上となっているので、内容物中に含まれる水分を、第1層を容器外面側に向けて通過させ、第2層に到達させやすくすることが可能になり、この水分を二酸化塩素発生粉体の金属亜塩素酸塩と反応させることで、二酸化塩素ガスを確実に発生させることができる。
第1層において、前述の酸素ガス透過度が500(cm
3
/m
2
・24h・atm)以上となっているので、第2層で発生した二酸化塩素ガスを、第1層を容器内面側に向けて通過させ、内容物が収納されている、二酸化塩素ガス発生容器の内部に到達させやすくすることができる。
以上より、二酸化塩素を個別に収納しなくても、内容物が収納される、二酸化塩素ガス発生容器の内部に二酸化塩素ガスを供給することができる。
第2層に含まれる二酸化塩素発生粉体が、多孔質体と、多孔質体の微小孔内に進入した金属亜塩素酸塩および活性化剤と、を備えているので、第2層を形成する合成樹脂材料を加熱して溶融、軟化させた状態で、二酸化塩素ガス発生容器を成形する際に、加熱された合成樹脂材料が多孔質体の微小孔内に進入しにくく、微小孔内で金属亜塩素酸塩の外周面を空気層で覆った状態に保つことが可能になり、空気層が断熱層となって、熱が金属亜塩素酸塩に伝達するのを抑制することができる。したがって、二酸化塩素ガス発生容器の成形時に、金属亜塩素酸塩が熱分解するのを抑制することが可能になり、二酸化塩素を収納しなくても、内容物が収納される内部に二酸化塩素ガスを供給することが可能な二酸化塩素ガス発生容器を容易に得ることができる。
第2層と第3層との間に、吸湿性無機フィラーを含有する合成樹脂材料で形成された第4層が設けられているので、内容物中に含まれる水分を、第1層を通して第2層に引き寄せることが可能になり、この水分を金属亜塩素酸塩と反応させやすくすることができる。
【0008】
前記金属亜塩素酸塩の熱分解温度は、前記第2層を形成する合成樹脂材料の融点より高くてもよい。
【0009】
金属亜塩素酸塩の熱分解温度が、第2層を形成する合成樹脂材料の融点より高いので、第2層を形成する合成樹脂材料を加熱して、二酸化塩素ガス発生容器を成形する際に、金属亜塩素酸塩が熱分解するのを確実に抑制することができる。
【0010】
前記多孔質体はゼオライトであってもよい。
【0011】
多孔質体がゼオライトとなっているので、内容物中に含まれる水分を、第1層を通して第2層に引き寄せることができるとともに、第2層に到達した水分が、多孔質体の微小孔内に吸い込まれやすくなり、この水分を金属亜塩素酸塩と確実に反応させることができる。
【0014】
前記第4層と前記第3層との間に、前記酸素ガス透過度が、前記第1層、前記第2層、および前記第3層よりも低い第5層が設けられてもよい。
【0015】
第4層と第3層との間に、前記酸素ガス透過度が、第1層、第2層、および第3層よりも低い第5層が設けられているので、第2層で発生した二酸化塩素ガスを、外部に放散させにくくして、内容物が収納されている、二酸化塩素ガス発生容器の内部に確実に到達させやすくすることができる。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、二酸化塩素を収納しなくても、内容物が収納される、二酸化塩素ガス発生容器の内部に二酸化塩素ガスを供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】二酸化塩素ガス発生容器の一部断面を含む側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、二酸化塩素ガス発生容器の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、二酸化塩素ガス発生容器1は、合成樹脂材料により有底筒状に形成されている。二酸化塩素ガス発生容器1は、合成樹脂材料が加熱されて溶融、軟化した状態で成形される、例えば押出しブロー成形、二軸延伸ブロー成形、射出成形、シート成形等により形成される。
【0019】
二酸化塩素ガス発生容器1は、口部11、肩部12、胴部13、および底部14が、上下方向に延びる共通軸と同軸に配設されるとともに、上方から下方に向けてこの順に連設されている。
以下、この共通軸を容器軸Oといい、上下方向から見て、容器軸Oに交差する方向を径方向といい、容器軸O回りに周回する方向を周方向という。
【0020】
二酸化塩素ガス発生容器1の内部に収納される内容物としては、例えば使い切るまでに長い期間を要する、食品、化粧料、医薬品等が挙げられる。食品としては、味噌、ジャム等が挙げられ、化粧料としては、乳液、美容液、液体せっけん、スキンクリーム等が挙げられる。ただし、内容物は特定のものに限定されるものではない。
【0021】
図2に示されるように、二酸化塩素ガス発生容器1は、合成樹脂材料で形成された第1層21、第2層22、および第3層23が、容器内面i側から容器外面o側に向けてこの順に積層されて構成されている。
【0022】
第1層21は、容器内面iを構成している。第1層21において、JIS Z 0208-1976に基づいて、温度20℃および相対湿度90%の雰囲気下で測定した、厚さ25μmでの透湿度が、2(g/m2・24h)以上とされ、かつJIS K 7126(等圧法)に基づいて、温度20℃および相対湿度65%の雰囲気下で測定した、厚さ25μmでの酸素ガス透過度が、500(cm3/m2・24h・atm)以上となっている。
第1層21は、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、若しくはポリメチルペンテン等で形成されている。例えば、第1層21が低密度ポリエチレンで形成される場合、内容物に含まれる水分を容器外面o側に透過させるために、第1層21の厚さは50μm以下となっている。
【0023】
第2層22は、二酸化塩素発生粉体を含有する合成樹脂材料で形成されている。
【0024】
第2層22を形成する合成樹脂材料の融点は、例えば120℃以下となっている。この合成樹脂材料では、成形温度(押出機内での合成樹脂材料の温度)が例えば150℃以下、加熱時間(押出機内に合成樹脂材料が供給されてから、押出機から押出されるまでの時間)が例えば2分以下となっている。第2層22を形成する合成樹脂材料としては、例えば低密度ポリエチレン等が挙げられる。
【0025】
二酸化塩素発生粉体は、多孔質体と、多孔質体の微小孔内に進入した金属亜塩素酸塩および活性化剤と、を備えている。二酸化塩素発生粉体は、例えば、乾燥させた多孔質体に、金属亜塩素酸塩および活性化剤を含有する溶液を含浸させたり、前記溶液を多孔質体に吹き付けたりすること等によって得られる。
なお、二酸化塩素発生粉体は、吸湿性無機フィラー、および二酸化ケイ素のうちの少なくとも一方を備えてもよい。
【0026】
多孔質体はゼオライトとなっている。なお、多孔質体として、例えばセピオライト、パリゴルスカイト、モンモリロナイト、珪藻土、パーライト等を採用してもよい。また、ゼオライトを含め、これらは単独で用いても、二種以上を併用してもよい。
【0027】
金属亜塩素酸塩の熱分解温度は、第2層22を形成する合成樹脂材料の融点より高くなっている。金属亜塩素酸塩の熱分解温度は、第2層22を形成する合成樹脂材料の融点より30℃以上高くなっている。なお、金属亜塩素酸塩の熱分解温度は、第2層22を形成する合成樹脂材料の融点以下であってもよい。
【0028】
金属亜塩素酸塩の含有量は、第2層22を形成する合成樹脂材料の0.01~0.02重量%となっている。金属亜塩素酸塩の含有量は、二酸化塩素発生粉体の1重量%以上、好ましくは5重量%以上、より好ましくは10重量%以上となっている。金属亜塩素酸塩の含有量は、二酸化塩素発生粉体の35重量%以下、好ましくは30重量%以下、より好ましくは25重量%以下となっている。
【0029】
金属亜塩素酸塩として、例えば亜塩素酸ナトリウム(熱分解温度150℃)、亜塩素酸カリウム、亜塩素酸リチウム等のアルカリ金属亜塩素酸塩、亜塩素酸カルシウム、亜塩素酸マグネシウム、亜塩素酸バリウム等のアルカリ土類金属亜塩素酸塩等が挙げられる。これらは単独で用いても、二種以上を併用してもよい。
【0030】
活性化剤は、金属亜塩素酸塩と水分との反応を促進させる。活性化剤の含有量は、二酸化塩素発生粉体の1重量%以上、好ましくは10重量%以上、より好ましくは20重量%以上となっている。活性化剤の含有量は、二酸化塩素発生粉体の40重量%以下、好ましくは35重量%以下、より好ましくは30重量%以下となっている。
【0031】
活性化剤としては、例えば無機酸、有機酸、水素塩等が挙げられる。
無機酸としては、例えば塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸等が挙げられる。
有機酸としては、例えばクエン酸、リンゴ酸、酢酸、ギ酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、マレイン酸、コハク酸等のカルボン酸類等が挙げられる。
水素塩としては、例えば硫酸水素ナトリウム、硫酸水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等が挙げられる。
これらは単独で用いても、二種以上を併用してもよい。
【0032】
第3層23は、二酸化塩素ガス発生容器1の容器外面oを構成し、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、環状オレフィン等のオレフィン系樹脂等で形成されている。
【0033】
第2層22と第3層23との間に、吸湿性無機フィラーを含有する合成樹脂材料で形成された第4層24が設けられている。
吸湿性無機フィラーとしては、例えば酸化カルシウム、モレキュラーシーブ、硫酸マグネシウム、シリカゲル、塩化カルシウム、およびシリカアルミナゲルのうちの1つ若しくは複数の混合物が挙げられる。
第4層24を形成する樹脂材料としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、および環状オレフィン等のオレフィン系樹脂等が挙げられる。
【0034】
第2層22と第3層23との間に、JIS K 7126(等圧法)に基づいて、温度20℃および相対湿度65%の雰囲気下で測定した、厚さ25μmでの酸素ガス透過度が、第1層21、第2層22、第3層23、および第4層24よりも低い第5層25が設けられている。第5層25は、第4層24と第3層23との間に設けられている。
【0035】
第5層25において、JIS K 7126(等圧法)に基づいて、温度20℃および相対湿度65%の雰囲気下で測定した、厚さ25μmでの酸素ガス透過度が、100(cm3/m2・24h・atm)以下となっている。第5層25は、例えばエチレン-ビニルアルコール共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等で形成されている。
【0036】
以上説明したように、本実施形態による二酸化塩素ガス発生容器1によれば、第1層21において、前述の透湿度が2(g/m2・24h)以上となっているので、内容物中に含まれる水分を、第1層21を容器外面o側に向けて通過させ、第2層22に到達させやすくすることが可能になり、この水分を二酸化塩素発生粉体の金属亜塩素酸塩と反応させることで、二酸化塩素ガスを確実に発生させることができる。
【0037】
第1層21において、前述の酸素ガス透過度が500(cm3/m2・24h・atm)以上となっているので、第2層22で発生した二酸化塩素ガスを、第1層21を容器内面i側に向けて通過させ、内容物が収納されている、二酸化塩素ガス発生容器1の内部に到達させやすくすることができる。
【0038】
以上より、二酸化塩素を個別に収納しなくても、内容物が収納される、二酸化塩素ガス発生容器1の内部に二酸化塩素ガスを供給することができる。
【0039】
第2層22に含まれる二酸化塩素発生粉体が、多孔質体と、多孔質体の微小孔内に進入した金属亜塩素酸塩および活性化剤と、を備えているので、第2層22を形成する合成樹脂材料を加熱して溶融、軟化させた状態で、二酸化塩素ガス発生容器1を成形する際に、加熱された合成樹脂材料が多孔質体の微小孔内に進入しにくく、微小孔内で金属亜塩素酸塩の外周面を空気層で覆った状態に保つことが可能になり、空気層が断熱層となって、熱が金属亜塩素酸塩に伝達するのを抑制することができる。
したがって、二酸化塩素ガス発生容器1の成形時に、金属亜塩素酸塩が熱分解するのを抑制することが可能になり、二酸化塩素を収納しなくても、内容物が収納される内部に二酸化塩素ガスを供給することが可能な二酸化塩素ガス発生容器1を容易に得ることができる。
【0040】
金属亜塩素酸塩の熱分解温度が、第2層22を形成する合成樹脂材料の融点より高いので、第2層22を形成する合成樹脂材料を加熱して、二酸化塩素ガス発生容器1を成形する際に、金属亜塩素酸塩が熱分解するのを確実に抑制することができる。
【0041】
多孔質体がゼオライトとなっているので、内容物中に含まれる水分を、第1層21を通して第2層22に引き寄せることができるとともに、第2層22に到達した水分が、多孔質体の微小孔内に吸い込まれやすくなり、この水分を金属亜塩素酸塩と確実に反応させることができる。
【0042】
第2層22と第3層23との間に、吸湿性無機フィラーを含有する合成樹脂材料で形成された第4層24が設けられているので、内容物中に含まれる水分を、第1層21を通して第2層22に引き寄せることが可能になり、この水分を金属亜塩素酸塩と反応させやすくすることができる。
【0043】
第2層22と第3層23との間に、前記酸素ガス透過度が、第1層21、第2層22、第3層23、および第4層24よりも低い第5層25が設けられているので、第2層22で発生した二酸化塩素ガスを、外部に放散させにくくして、内容物が収納されている、二酸化塩素ガス発生容器1の内部に確実に到達させやすくすることができる。
【0044】
なお、本発明の技術範囲は、前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0045】
例えば、第4層24および第5層25のうちの少なくとも一方は設けなくてもよい。
第5層25を設けない場合、第3層23の前記酸素ガス透過度を、第1層21、第2層22、および第4層24より低くしてもよい。
【0046】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記実施形態および前記変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0047】
1 二酸化塩素ガス発生容器
21 第1層
22 第2層
23 第3層
24 第4層
i 容器内面
o 容器外面