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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-07
(45)【発行日】2025-01-16
(54)【発明の名称】二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/583 20210101AFI20250108BHJP
   H01M 50/54 20210101ALI20250108BHJP
   H01M 50/538 20210101ALI20250108BHJP
   H01M 50/528 20210101ALI20250108BHJP
   H01M 50/55 20210101ALI20250108BHJP
   H01M 50/586 20210101ALI20250108BHJP
   H01M 50/591 20210101ALI20250108BHJP
   H01M 50/534 20210101ALI20250108BHJP
   H01M 50/562 20210101ALI20250108BHJP
   H01M 50/15 20210101ALI20250108BHJP
【FI】
H01M50/583
H01M50/54
H01M50/538
H01M50/528
H01M50/55 101
H01M50/586
H01M50/591
H01M50/534
H01M50/562
H01M50/15
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021548791
(86)(22)【出願日】2020-09-11
(86)【国際出願番号】 JP2020034401
(87)【国際公開番号】W WO2021060006
(87)【国際公開日】2021-04-01
【審査請求日】2023-07-04
(31)【優先権主張番号】P 2019175445
(32)【優先日】2019-09-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】脇元 亮一
【審査官】鈴木 雅雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-009015(JP,A)
【文献】特開2004-311073(JP,A)
【文献】特開2019-106273(JP,A)
【文献】特開2019-106274(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0336581(US,A1)
【文献】国際公開第2018/079423(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/583
H01M 50/54
H01M 50/538
H01M 50/528
H01M 50/55
H01M 50/586
H01M 50/591
H01M 50/534
H01M 50/562
H01M 50/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極板及び負極板を備えた電極体と、
開口部を有し、前記電極体を収容した外装体と、
前記開口部を封口した封口板と、
前記封口板の外側に設けられた外部端子と、
前記封口板の内側に設けられ、前記外部端子に接続された接続部材と、
前記封口板の内側に配置され、前記接続部材に接続された集電体と、
前記電極体の前記封口板側端部において、前記正極板又は前記負極板に接続された集電タブと、
を備えた二次電池であって、
前記集電体は、前記封口板の長手方向に沿って、
前記集電タブに接続された第1接続領域と、
前記接続部材に接続された第2接続領域と、
前記第1接続領域から前記第2接続領域に至る電流経路に設けられたヒューズ領域と、
を有し、
前記第1接続領域は、前記封口板の長手方向において、前記外部端子よりも内側に位置し、
前記第2接続領域は、前記第1接続領域に対して、前記封口板の長手方向端部側に位置するとともに、前記外部端子よりも外側に延出する延出部を有し、
前記ヒューズ領域は、前記第2接続領域の延出部に形成され、前記封口板の長手方向において、前記外部端子よりも外側に位置している、二次電池。
【請求項2】
前記ヒューズ領域は、前記集電体の他の領域よりも厚みの薄い薄肉部からなり、前記第2接続領域の延出部は、前記薄肉部において前記接続部材に接続されている、請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
正極板及び負極板を備えた電極体と、
開口部を有し、前記電極体を収容した外装体と、
前記開口部を封口した封口板と、
前記封口板の外側に設けられた外部端子と、
前記封口板の内側に設けられ、前記外部端子に接続された接続部材と、
前記封口板の内側に配置され、前記接続部材に接続された集電体と、
前記電極体の前記封口板側端部において、前記正極板又は前記負極板に接続された集電タブと、
を備えた二次電池であって、
前記集電体は、前記封口板の長手方向に沿って、
前記集電タブに接続された第1接続領域と、
前記接続部材に接続された第2接続領域と、
前記第1接続領域から前記第2接続領域に至る電流経路に設けられたヒューズ領域と、
を有し、
前記第1接続領域は、前記封口板の長手方向において、前記外部端子よりも内側に位置し、
前記ヒューズ領域は、前記封口板の長手方向において、前記外部端子と同じ位置または前記外部端子よりも外側に位置し、
少なくとも前記ヒューズ領域の近傍において、前記集電体と前記接続部材との間に、絶縁性のヒューズカバー部が配置され、
前記ヒューズカバー部は、突起部を有し、該突起部が、前記集電体に設けられた貫通孔を貫通し、前記突起部の先端がかしめられて、前記集電体に固定されている二次電池。
【請求項4】
正極板及び負極板を備えた電極体と、
開口部を有し、前記電極体を収容した外装体と、
前記開口部を封口した封口板と、
前記封口板の外側に設けられた外部端子と、
前記封口板の内側に設けられ、前記外部端子に接続された接続部材と、
前記封口板の内側に配置され、前記接続部材に接続された集電体と、
前記電極体の前記封口板側端部において、前記正極板又は前記負極板に接続された集電タブと、
を備えた二次電池であって、
前記集電体は、前記封口板の長手方向に沿って、
前記集電タブに接続された第1接続領域と、
前記接続部材に接続された第2接続領域と、
前記第1接続領域から前記第2接続領域に至る電流経路に設けられたヒューズ領域と、
を有し、
前記第1接続領域は、前記封口板の長手方向において、前記外部端子よりも内側に位置し、
前記ヒューズ領域は、前記封口板の長手方向において、前記外部端子と同じ位置または前記外部端子よりも外側に位置し、
前記集電体は、前記第1接続領域と前記第2接続領域との間に段差部を有し、
前記第1接続領域は、前記第2接続領域よりも、前記封口板側に位置している、二次電池。
【請求項5】
前記外部端子と前記接続部材とは、同一部材で一体的に形成されている、請求項1に記載の二次電池。
【請求項6】
前記集電体は、前記第2接続領域の延出部において、絶縁性のカバー部材で覆われている、請求項1に記載の二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
電極体が外装体に収容された二次電池の集電構造として、電極体から外装体の封口板側に延出した集電タブを、集電体を介して外部端子に接続する構造が知られている。
【0003】
このような集電構造において、特許文献1には、集電体にヒューズ領域を設け、二次電池に過電流が流れたときに、ヒューズ領域を溶断することによって、二次電池の安全性を確保する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-219003号公報
【発明の概要】
【0005】
上記の集電構造において、集電体は、封口板の長手方向に沿って、集電タブに接続される領域と、外部端子に接続される領域とを有する。そして、二次電池に過電流が流れたときに、ヒューズ領域が溶断するためには、ヒューズ領域は、集電タブに接続される領域と、外部端子に接続される領域との間に設けられている必要がある。
【0006】
一方、二次電池の出力を高めるために、封口板の長手方向における集電タブの幅を広げることが効果的である。集電タブの幅を広げるためには、集電タブに接続される集電体の接続領域を広げる必要がある。その結果、ヒューズ領域を確保するためには、集電体に接続される外部端子の位置を、封口板の長手方向端部側に近づける必要がある。
【0007】
ところで、複数の二次電池を並べて組電池を構成する場合、複数の二次電池は、配列方向に沿って架け渡された拘束バンド等によって拘束される。このとき、拘束バンドは、封口板の端部に架け渡されるため、外部端子は、封口板の端部から離れていることが好ましい。
【0008】
従って、二次電池の出力を高めるために、集電タブの幅を広げることと、組電池を構成するために、複数の二次電池を拘束バンドで拘束することに対して、外部端子の配置に関して、相反する要求となり、両者を両立させることは難しい。
【0009】
本開示に係る二次電池は、正極板及び負極板を備えた電極体と、開口部を有し、電極体を収容した外装体と、開口部を封口した封口板と、封口板の外側に設けられた外部端子と、封口板の内側に設けられ、外部端子に接続された接続部材と、封口板の内側に配置され、接続部材に接続された集電体と、電極体の前口板側端部において、正極板又は負極板に接続された集電タブと、を備え、集電体は、封口板の長手方向に沿って、集電タブに接続された第1接続領域と、接続部材に接続された第2接続領域と、第1接続領域から第2接続領域に至る電流経路に設けられたヒューズ領域と、を有し、第1接続領域は、封口板の長手方向において、外部端子よりも内側に位置し、ヒューズ領域は、封口板の長手方向において、外部端子と同じ位置または外部端子よりも外側に位置している。
【0010】
本開示によれば、集電体にヒューズ領域を有する二次電池において、出力が高く、かつ、組電池を構成しやすい構造の二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は本開示の一実施形態における二次電池の構成を模式的に示した斜視図である。
図2図2図1のII-II線に沿った断面図である。
図3A図3Aは、正極板の平面図である。
図3B図3Bは、負極板の平面図である。
図3C図3Cは、電極体の平面図である。
図4図4は外装体及び電極体を除く二次電池の各構成の分解斜視図である。
図5図5は外装体及び電極体を除く二次電池の各構成の分解斜視図である。
図6図6は正極集電タブ及び負極集電タブを、正極集電体及び負極集電体に接続した状態を示した平面図である。
図7図7は封口板に、正極外部端子、負極外部端子、正極接続部材、負極接続部材を組み付けた状態を、封口板の下側から見た平面図である。
図8図8図6に示した状態の正極集電体及び負極集電体を、図7に示した状態の正極接続部材及び負極接続部材に接続した状態を示した平面図である。
図9A図9Aは、図8において、正極外部端子側の領域を拡大した平面図である。
図9B図9Bは、図9AのIXb-IXb線に沿った断面図である。
図10図10は複数の二次電池を並べて構成した組電池の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本開示は、以下の実施形態に限定されるものではない。また、本開示の効果を奏する範囲を逸脱しない範囲で、適宜変更は可能である。
【0013】
図1は、本開示の一実施形態における二次電池の構成を模式的に示した斜視図である。また、図2は、図1のII-II線に沿った断面図である。
【0014】
図1及び図2に示すように、本実施形態における二次電池100は、開口部を有し、電極体3を収容した外装体1と、外装体1の開口部を封口した封口板2とを備える。外装体1と封口板2とは、例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる。封口板2の外側には、正極外部端子10及び負極外部端子20が設けられている。電極体3は、正極板及び負極板がセパレータを介して積層または巻回された構造をなす。なお、本実施形態において、封口板2の長手方向とは、図1中の矢印Aで示した方向をいう。
【0015】
封口板2の内側には、正極外部端子10及び負極外部端子20にそれぞれ接続された正極接続部材11及び負極接続部材21が設けられている。さらに、封口板2の内側には、正極接続部材11及び負極接続部材21にそれぞれ接続された正極集電体12及び負極集電体22が設けられている。
【0016】
電極体3は、封口板2側端部において、正極板及び負極板にそれぞれ接続された正極集電タブ4a及び負極集電タブ5aを有している。また、正極集電タブ4a及び負極集電タブ5aは、それぞれ正極集電体12及び負極集電体22に接続されている。
【0017】
正極外部端子10、正極接続部材11、及び正極集電体12は、例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる。負極外部端子20、負極接続部材21、及び負極集電体22は、例えば、銅または銅合金からなる。
【0018】
正極外部端子10及び負極外部端子20と、封口板2との間には、それぞれ、第1絶縁部材13、23が配置されている。また、正極接続部材11及び負極接続部材21と、封口板2との間には、それぞれ、第2絶縁部材14、24が配置されている。これにより、正極外部端子10、負極外部端子20、及び、正極接続部材11、負極接続部材21は、それぞれ、封口板2と電気的に絶縁されている。
【0019】
封口板2には、電解液を注液する注液孔(不図示)が設けられており、注液孔は封止部材30で封止されている。封口板2には、ガス排出弁31が設けられており、外装体1内の圧力が所定値以上となったときに、外装体1内のガスが、破断したガス排出弁31から外部に排出される。外装体1と電極体3との間には、絶縁性の電極体ホルダー6が配置されている。
【0020】
次に、図3A図8を参照しながら、本実施形態における二次電池の組み立て方法、及び各構成の詳細を説明する。
【0021】
図3Aは、正極板4の平面図である。正極板4は、正極芯体の両面に正極活物質を含む正極合剤層が形成された構成からなる。正極板4の端辺から、正極集電タブ4aが突出している。正極集電タブ4aは、正極芯体の一部であってもよいし、他の部材であってもよい。正極芯体は、例えば、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔からなる。また、正極活物質は、例えば、リチウム遷移金属複合酸化物等からなる。
【0022】
図3Bは、負極板5の平面図である。負極板5は、負極芯体の両面に負極活物質を含む負極合剤層が形成された構成からなる。負極板5の端辺から、負極集電タブ5aが突出している。負極集電タブ5aは、負極芯体の一部であってもよいし、他の部材であってもよい。負極芯体は、例えば、銅箔、銅合金箔からなる。また、負極活物質は、例えば、炭素材料やシリコンを含有する材料等からなる。
【0023】
図3Cは、電極体3の平面図である。電極体3は、複数の正極板4及び負極板5を、セパレータを介して積層または巻回された構成をなす。電極体3の端辺からは、複数の正極集電タブ4a、及び複数の負極集電タブ5aが突出している。
【0024】
図4及び図5は、外装体1及び電極体3を除く二次電池の各構成の分解斜視図である。ここで、図4は、封口板2の上側から見た斜視図で、図5は、封口板2の下側から見た分解斜視図である。なお、以下では、正極側の各構成について説明し、負極側の各構成については、必要に応じて説明する。
【0025】
図4及び図5に示すように、封口板2の上側には、正極外部端子10及び第1絶縁部材13が配置されている。また、封口板2の下側には、第2絶縁部材14、正極接続部材11、ヒューズカバー部16、正極集電体12、及び絶縁性のカバー部材15が配置されている。
【0026】
正極外部端子10は、円筒状の突出部10aを有している。第1絶縁部材13、封口板2、第2絶縁部材14、及び正極接続部材11には、それぞれ、正極外部端子10の突出部10aを貫通する貫通孔13a、2a、14a、11aが設けられている。
【0027】
封口板2は、電解液を注入する注液孔2bを有している。第2絶縁部材14には、注液孔2bを塞がない位置に、開口部14bが設けられている。また、第2絶縁部材14は、封口板2の長手方向に沿って壁部14cを有し、壁部14cには、ヒューズカバー部16及びカバー部材15をそれぞれ固定する開口部14d、14eが設けられている。
【0028】
正極集電体12は、封口板2の長手方向に沿って、正極集電タブ4aに接続される第1接続領域12aと、正極接続部材11に接続される第2接続領域12bとを有している。また、正極集電体12は、第1接続領域12aから第2接続領域12bに至る電流経路に、ヒューズ領域12cを有している。本実施形態では、ヒューズ領域12cは、正極集電体12の他の領域よりも厚みの薄い環状の薄肉部で構成されている。
【0029】
正極集電体12は、第1接続領域12aと、第2接続領域12bとの間に段差部12dを有し、第1接続領域12aは、第2接続領域12bよりも封口板2側に位置している。正極集電体12には、注液孔2bを塞がない位置に、切り欠き部12fが設けられている。
【0030】
なお、負極側には、ヒューズカバー部16及びカバー部材15に相当する構成を有していない。また、負極集電体22には、ヒューズ領域12cに相当する領域を有していない。
【0031】
図6は、構成が同じ2つの電極体3a、3bにそれぞれ設けられた正極集電タブ4a、負極集電タブ5a、及び正極集電タブ4b、負極集電タブ5bを、正極集電体12及び負極集電体22に接続した状態を示した平面図である。
【0032】
具体的には、図6に示すように、2つの電極体3a、3bを、正極集電タブ4a、4b、及び負極集電タブ5a、5bが、互いに向かい合うように配置する。そして、正極集電体12の第1接続領域12a、及び負極集電体22の第1接続領域22aの上に、正極集電タブ4a、4b、及び負極集電タブ5a、5bを配置して、正極集電タブ4a、4b、及び負極集電タブ5a、5bを、溶接箇所40、50において、正極集電体12及び負極集電体22に溶接する。溶接は、例えば、超音波溶接、抵抗溶接、レーザ溶接等を用いて行うことができる。
【0033】
なお、2つの電極体3a、3bは、正極集電タブ4a、4b、及び負極集電タブ5a、5bを折り曲げて、電極体3a、3bが互いに並列に配置された状態で、外装体1内に収容される。
【0034】
図7は、封口板2に、正極外部端子10、負極外部端子20、及び正極接続部材11、負極接続部材21を組み付けた状態を、封口板2の下側から見た平面図である。
【0035】
具体的には、図4及び図5に示すように、第1絶縁部材13、封口板2、第2絶縁部材14、及び正極接続部材11を、それぞれに設けられた貫通孔13a、2a、14a、11aの位置を揃えて配置する。そして、正極外部端子10の突出部10aを、貫通孔13a、2a、14a、11aに挿入し、突出部10aの先端部を、正極接続部材11上にかしめて、正極外部端子10及び正極接続部材11を、封口板2に固定する。なお、かしめ部において、正極外部端子10と正極接続部材11とを、さらに溶接してもよい。負極外部端子20及び負極接続部材21についても、同様の方法で、封口板2に固定する。
【0036】
図8は、図6に示した状態の正極集電体12及び負極集電体22を、図7に示した状態の正極接続部材11及び負極接続部材21に接続した状態を示した平面図である。また、図9Aは、図8において、正極外部端子10の近傍を拡大した平面図、図9Bは、図9AのIXb-IXb線に沿った断面図である。
【0037】
具体的には、図4及び図5に示すように、ヒューズカバー部16に設けられた突起部16bを、正極集電体12に設けられた貫通孔12eに挿入し、突起部16bの先端をかしめて、ヒューズカバー部16を、正極集電体12に固定する。その後、正極集電体12の第2接続領域12bにおいて、正極集電体12を正極接続部材11に溶接する。溶接は、例えば、レーザ溶接等を用いて行うことができる。なお、負極集電体22の第2接続領域22bにおいて、同様に、負極集電体22を負極接続部材21に溶接する。
【0038】
本実施形態では、第2接続領域12bに、環状の薄肉部からなるヒューズ領域12cが形成されている。また、正極接続部材11には、円筒状の突起部11bが形成されている。これにより、図9Bに示すように、正極集電体12は、薄肉部において、正極接続部材11の突起部11bに溶接されている。
【0039】
また、ヒューズカバー部16には、突起部11bよりも径の大きい貫通孔16aが形成されている。これにより、正極集電体12と正極接続部材11との間に、ヒューズカバー部16を配置した状態で、正極集電体12を正極接続部材11に溶接することができる。
【0040】
また、図4に示すように、ヒューズカバー部16には、リブ部16cが設けられている。これにより、リブ部16cを、第2絶縁部材14に設けられた開口部14dに嵌合することによって、ヒューズカバー部16を、第2絶縁部材14で固定することができる。
【0041】
なお、負極集電体22は、通常の方法により、負極接続部材21に溶接等で接続される。
【0042】
以上、説明したように、本実施形態では、図2及び図9Bに示すように、正極集電体12の第1接続領域12aは、封口板2の長手方向において、正極外部端子10よりも内側に位置している。また、正極集電体12のヒューズ領域12cは、封口板2の長手方向において、正極外部端子10よりも外側に位置している。
【0043】
このような構成により、第1接続領域12aの端部は、正極外部端子10の近傍まで伸ばすことができる。これにより、第1接続領域12aに接続される正極集電タブ4aの幅を広げることができる。その結果、出力の高い二次電池を実現することができる。
【0044】
一方、正極集電体12のヒューズ領域12cは、正極外部端子10の外側に位置しているため、ヒューズ領域12cを確保するために、正極外部端子10を、封口板の長手方向端部側に近づける必要がない。これにより、図10に示すように、複数の二次電池100A~100Eを並べて組電池200を構成する場合、複数の二次電池100A~100Eを、封口板の両端部において、拘束バンド60を用いて拘束することができる。その結果、安全性が高く、組電池を構成しやすい二次電池を実現することができる。
【0045】
本実施形態では、正極集電体12に過電流が流れたとき、環状の薄肉部(ヒューズ領域12c)を溶断することによって、正極集電体12と正極接続部材11との間の電流経路が遮断される。しかしながら、溶断した薄肉部が、再び、正極接続部材11に接触して、再導通するおそれがある。
【0046】
本実施形態では、図9A図9Bに示すように、ヒューズ領域12cの近傍において、正極集電体12と正極接続部材11との間に、ヒューズカバー部16が配置されている。これにより、ヒューズ領域12cが溶断した後、正極集電体12と正極接続部材11とが再導通するのを防止することができる。
【0047】
また、本実施形態では、正極集電体12の第1接続領域12aは、第2接続領域12bよりも、封口板2側に位置している。これにより、電極体3の封口板2側端部を、封口板2により近づけることができる。その結果、二次電池の容量をより大きくすることができる。
【0048】
以上、本開示を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、もちろん、種々の改変が可能である。
【0049】
例えば、上記実施形態では、ヒューズ領域(薄肉部)12cを、封口板2の長手方向において、正極外部端子10よりも外側に配置したが、正極外部端子10と同じ位置に配置してもよい。
【0050】
例えば、ヒューズ領域12cを正極外部端子10の下方に配置した場合、正極外部端子10の下方には、正極接続部材11の貫通孔11aが位置するため、正極集電体12が正極接続部材11に接続する部位は、ヒューズ領域12cと別の領域(例えば、正極外部端子10よりも外側の領域)となる。
【0051】
また、ヒューズ領域12cを、正極外部端子10の位置から、封口板2の幅方向(長手方向と垂直な方向)にずれた位置に配置した場合は、図9Bに示したのと同様に、ヒューズ領域12cにおいて、正極接続部材11と接続してもよい。
【0052】
いずれにせよ、ヒューズ領域12cは、第1接続領域12aから第2接続領域12bに至る電流経路に設けられていればよいので、ヒューズ領域12cは、封口板2の長手方向において、正極外部端子10と同じ位置、または正極外部端子よりも外側に位置していればよい。
【0053】
また、上記実施形態では、ヒューズ領域12cを環状の薄肉部で構成した例を説明したが、正極集電体12に過電流が流れたときに溶断するものであれば、その形状等は特に限定されない。例えば、ヒューズ領域12cを、円形の薄肉部や、スリット等で構成してもよい。
【0054】
また、上記の実施形態では、正極外部端子10と、正極接続部材11とを、別部材で構成したが、同一部材で一体的に形成されていてもよい。
【0055】
また、図2に示したように、正極集電体12は、第2接続領域12bにおいて、絶縁性のカバー部材15で覆われていてもよい。これにより、正極集電体12と電極体3とが接触して短絡するのを防止することができる。なお、カバー部材15には、図4に示したように、リブ部15aが設けられている。これにより、リブ部15aを、第2絶縁部材14に設けられた開口部14eに嵌合することによって、カバー部材15を第2絶縁部材14に固定することができる。
【0056】
また、上記実施形態では、正極集電体12にヒューズ領域12cを設けたが、負極集電体22にヒューズ領域を設けてもよい。
【0057】
また、上記実施形態では、2つの電極体3a、3bを外装体1に収容した例を説明したが、電極体は一つであってもよいし、3つ以上の電極体を用いてもよい。
【0058】
また、本実施形態における二次電池は、その種類は特に限定されず、例えば、リチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池等に適用することができる。
【符号の説明】
【0059】
1 外装体
2 封口板
2a 貫通孔
2b 注液孔
3,3a,3b 電極体
4 正極板
4a,4b 正極集電タブ
5 負極板
5a,5b 負極集電タブ
6 電極体ホルダー
10 正極外部端子
10a 突出部
11 正極接続部材
11a 貫通孔
11b 突起部
12 正極集電体
12a 第1接続領域
12b 第2接続領域
12c ヒューズ領域
12d 段差部
12e 貫通孔
12f 切り欠き部部
13,23 第1絶縁部材
14,24 第2絶縁部材
14a 貫通孔
14b 開口部
14c 壁部
14d,14e 開口部
15 カバー部材
15a リブ部
16 ヒューズカバー部
16a 貫通孔
16b 突起部
16c リブ部
20 負極外部端子
21 負極接続部材
22 負極集電体
22a 第1接続領域
22b 第2接続領域
30 封止部材
31 ガス排出弁
40,50 溶接箇所
60 拘束バンド
100 二次電池
200 組電池
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10