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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-07
(45)【発行日】2025-01-16
(54)【発明の名称】ロボットハンド
(51)【国際特許分類】
   B25J 15/08 20060101AFI20250108BHJP
【FI】
B25J15/08 J
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022514695
(86)(22)【出願日】2020-08-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-16
(86)【国際出願番号】 EP2020073262
(87)【国際公開番号】W WO2021043579
(87)【国際公開日】2021-03-11
【審査請求日】2023-07-14
(31)【優先権主張番号】1909724
(32)【優先日】2019-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】506316557
【氏名又は名称】サントル ナショナル ドゥ ラ ルシェルシュ シアンティフィック
(73)【特許権者】
【識別番号】506155266
【氏名又は名称】ユニヴェルシテ・ドゥ・ポワティエ
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSITE DE POITIERS
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ガゾー,ジャン-ピエール
(72)【発明者】
【氏名】ラギヨーミ,ピエール
(72)【発明者】
【氏名】ヴリエ,フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ミゼラ,カミーユ
【審査官】臼井 卓巳
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-028859(JP,A)
【文献】特開2006-247805(JP,A)
【文献】特開2010-247320(JP,A)
【文献】実開昭58-169988(JP,U)
【文献】国際公開第2010/064684(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0302626(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第102016209639(DE,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0019351(KR,A)
【文献】米国特許第5447403(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 9/10-15/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットハンドを形成する装置(1)において、
前記ロボットハンドの手のひらを形成する基部(100)と、
ロボット指を各々形成する少なくとも2つの関節構造(2、3、4、5)であって、各関節構造が、前記基部に対して前記関節構造を動かすように、前記基部に機能的に接続されており、少なくとも1つの関節(2a、2b、2c、2d、3b、3c、3d、4a、4b、4c、4d)を備える、少なくとも2つの関節構造(2、3、4、5)と、
各関節を動かすための少なくとも1つの駆動機構と
前記少なくとも1つの駆動機構を接続および駆動する少なくとも1つの可撓性駆動リンク(96)によって前記少なくとも1つの駆動機構を作動させるように配置された少なくとも1つのアクチュエータ(M1、M2、M3、MP1、MP2、MP3)と、
前記少なくとも1つのアクチュエータ(M1、M2、M3)の運動を伝達するための少なくとも1つの中間駆動シャフト(8a、8b、8c、8Pa、8Pb、8Pc)であって、
前記少なくとも1つの中間駆動シャフト(8a、8b、8c)がアクチュエータ(M1、M2、M3)によって作動し、そして
前記少なくとも1つの中間駆動シャフト(8a、8b、8c)が、少なくとも2つの別個の駆動機構に機能的に接続され、各駆動機構が、前記少なくとも1つの可撓性駆動リンク(96)によって前記中間駆動シャフト(8a、8b、8c)に機能的に接続される
ように前記少なくとも1つのアクチュエータと前記少なくとも1つのアクチュエータによって作動された前記少なくとも1つの駆動機構との間に機能的に配置された少なくとも1つの中間駆動シャフト(8a、8b、8c、8Pa、8Pb、8Pc)と、
前記少なくとも1つのアクチュエータ(M1、M2、M3、MP1、MP2、MP3)および前記少なくとも1つの中間駆動シャフト(8a、8b、8c、8Pa、8Pb、8Pc)が固定される支持体(101)と、
を備え
前記支持体が前記基部(100)に機能的に接続されていることを特徴とする装置(1)。
【請求項2】
少なくとも1つの中間駆動シャフト(8a、8b、8c)が、少なくとも2つの駆動機構に機能的に接続されており、各機構が別個の関節構造(2、3、4、5)上に機能的に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
前記少なくとも2つの関節構造(2、3、4、5)が、ロボット指を形成するように少なくとも2つの関節において互いに機能的に接続されている、少なくとも2つの構造要素(21、22、23、24、31、32、33、34、41、42、43、44、51、52、53、54)と、異なる種類および/または異なる機能を有する少なくとも2つの関節(2a、2b、2c、2d、3b、3c、3d、4a、4b、4c、4d、5a、5b、5c、5d)とを各々備えることと、前記少なくとも1つの中間駆動シャフト(8a、8b、8c)が、同じ種類および/または機能の関節と関連付けられた少なくとも2つの駆動機構に機能的に接続されており、各機構が別個の関節構造上に配置されていることとを特徴とする、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項4】
前記少なくとも2つの関節構造(2、3、4、5)が、ロボット指を形成するように少なくとも2つの関節において互いに機能的に接続されている、少なくとも2つの構造要素(21、22、23、24、31、32、33、34、41、42、43、44、51、52、53、54)と、異なる種類および/または異なる機能を有する少なくとも2つの関節(2a、2b、2c、2d、3b、3c、3d、4a、4b、4c、4d、5a、5b、5c、5d)とを各々備えることと、前記少なくとも2つの関節が、可撓性接続リンク(142、144)によって互いに結合されていることとを特徴とする、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項5】
前記少なくとも1つのアクチュエータ(M1、M2、M3、MP1、MP2、MP3)が、単一の中間駆動シャフト(8a、8b、8c、8Pa、8Pb、8Pc)と関連付けられていることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項6】
前記少なくとも1つのアクチュエータ(M1、M2、M3、MP1、MP2、MP3)が、各中間駆動シャフトが可撓性作動リンク(98)によってアクチュエータ(M1、M2、M3、MP1、MP2、MP3)によって作動するように、前記少なくとも1つの中間駆動シャフト(8a、8b、8c、8Pa、8Pb、8Pc)の軸と平行であり同軸ではない回転軸を備えることを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項7】
平行に並んで配置された少なくとも2つのアクチュエータ(M1、M2、M3、MP1、MP2、MP3)、第1のアクチュエータおよび第2のアクチュエータを備え、前記第2のアクチュエータが、前記第1のアクチュエータの回転シャフトとは反対側から出現する回転シャフトを有することを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの関節(2b、2c、2d、3b、3c、3d、4b、4c、4d、5b、5c、5d)が、前記基部に対して屈曲軸についての旋回リンクを形成する種類のものであることと、前記少なくとも1つの中間駆動シャフト(8a、8b、8c、8Pa、8Pb、8Pc)の前記軸が、前記屈曲軸に実質的に平行であることとを特徴とする、請求項6に記載の装置(1)。
【請求項9】
前記少なくとも1つの可撓性駆動リンク(96)がプーリに接続されるように、前記少なくとも1つの中間駆動シャフト(8a、8b、8c、8Pa、8Pb、8Pc)が少なくとも1つの駆動プーリを備え、前記少なくとも1つの駆動機構が少なくとも1つの従動プーリを備えることを特徴とする、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載のロボットハンドを形成する少なくとも1つの装置(1)を備える、少なくとも1つの関節アームを備えるロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットハンドの分野に関する。
ロボット指またはロボットハンドを製造することは、多くの分野において極めて重要な課題である。
【0002】
仏国特許第3027246号明細書から、4本のロボット指を備え、そのうちの1本が親指であり、各指がいくつかの関節を有し、各関節がケーブルおよびプーリのシステムと電気アクチュエータによって作動するロボットハンドが知られている。このように開発されたロボットハンドは、指1本あたり4つのアクチュエータを有する。先行技術の状態に照らせば、この構成は、指を動かすのに必要なアクチュエータの数を減らし、よってロボットハンドの重量および嵩を減らすことを可能にする。
【0003】
これは満足のいくものであるが、重量および嵩をさらに減らしたロボットハンド構成を製造することが望ましい。
本発明の目的は、ロボットハンドの重量および嵩を減らすことと、可能な限り人間の手に似るように前記ハンドの嵩を抑えることの両方である。本発明の別の目的は、ロボットハンドの作動を単純化することである。
【発明の開示】
【0004】
本発明の第1の態様によれば、前述の目的のうちの少なくとも1つは、ロボットハンドを形成する装置であって、
該ハンドの手のひらを形成する基部と、
ロボット指を各々形成する少なくとも2つの関節構造であって、各関節構造が、基部に対して前記関節構造を動かすように、基部に機能的に接続されており、少なくとも1つの関節を備える、少なくとも2つの関節構造と、
各関節を動かすための少なくとも1つの駆動機構と、
少なくとも1つの駆動機構を接続および駆動する少なくとも1つの可撓性駆動リンクによって少なくとも1つの駆動機構を作動させるように配置された少なくとも1つのアクチュエータと、
少なくとも1つのアクチュエータの動きを伝達するための少なくとも1つの中間駆動シャフトであって、
少なくとも1つの中間駆動シャフトがアクチュエータによって作動し、そして
少なくとも1つの中間駆動シャフトが、少なくとも2つの別個の駆動機構に機能的に接続され、各駆動機構が、少なくとも1つの可撓性駆動リンクによって前記中間駆動シャフトに機能的に接続される
ように、少なくとも1つのアクチュエータと少なくとも1つの作動した駆動機構との間に機能的に配置された、少なくとも1つの中間駆動シャフトと、
を備える装置を用いて達成される。
【0005】
本発明による装置は、ロボットハンドの嵩および重量を大幅に減らし、同時にロボットハンドの外観を人間の手に似るように改善するという利点を有する。さらに、アクチュエータの数の削減のおかげで製造コストが大幅に低減される。このように提案されるロボットハンドは、先行技術のロボットハンドよりも効率的である。
【0006】
上記および/または説明の残りの部分に関して、以下の用語が定義される:
関節構造、関節によって基部に接続された構造要素、または関節によって次々に接続された構造要素と関節によって基部に接続された1組の構造要素のうちの構造要素とのアセンブリであって、各要素が、ロボット指の指節骨を形成するように配置および構成されており、関節構造はロボット指を形成し;以下、関節構造または指という用語は交換可能に使用され得る、
構造要素、2つの関節をそれらの2つの対向する端部によって接続する部分、または1つの関節をその2つの対向する端部のうちの1つによって接続する部分であって、構造要素は、ロボット指の指節骨を形成するように細長い形状を有することができる、
関節、2つの構造要素間または基部と構造要素との間に少なくとも1つの相対回転運動を生じさせる機械的リンク、
異なる種類および/または異なる機能を有する2つの関節、2つの別個の機械的リンク、第1の機械的リンクおよび第2の機械的リンクであって、各々が2つの構造要素間または基部と構造要素との間で少なくとも1つの相対回転運動を行う、
異なる種類の関節、異なる回転軸、例えば互いに平行ではない回転軸、または互いに直交する回転軸によって区別される関節、
異なる関節機能、2つの関節のコンテキスト内で、第1の関節が第1の屈曲機能と呼ばれる第1の機能を実行し、第2の関節が第2の屈曲機能と呼ばれる第2の機能を実行するように、互いに離間した位置、例えば構造要素によって分離された位置によって画定される関節。
【0007】
本発明の任意選択の改善形態によれば、
少なくとも1つの中間駆動シャフトが少なくとも2つの駆動機構に機能的に接続されており、各機構は、別個の関節構造上に機能的に配置されており、この特徴は、2つの別個の関節構造の2つの関節を同期させることを可能にし、
少なくとも2つの関節構造は、ロボット指を形成するように少なくとも2つの関節において互いに機能的に接続されている、少なくとも2つの構造要素と、異なる種類および/または異なる機能を有する少なくとも2つの関節とを各々備え、少なくとも1つの中間駆動シャフトは、同じ種類および/または機能の関節と関連付けられた少なくとも2つの駆動機構に機能的に接続されており、各機構は、別個の関節構造上に配置されており、この特徴は、同じ種類の少なくとも2つの別個の関節構造の2つの関節を同期させることを可能にし、
少なくとも2つの関節構造は、実質的に同一であり、ロボット指を形成するように少なくとも2つの関節において互いに機能的に接続されている、少なくとも2つの構造要素と、異なる種類および/または異なる機能を有する少なくとも2つの関節とを各々備え、少なくとも2つの関節構造のアセンブリは、同じ種類および/または同じ機能の少なくとも2横列の関節を画定し、少なくとも1つの中間駆動シャフトは、同じ横列の関節と関連付けられた少なくとも2つの駆動機構に機能的に接続されており、各機構は、別個の関節構造状に配置されており、この特徴は、少なくとも2つの別個の関節構造の同じ横列の2つの関節を同期させることを可能にし、
少なくとも2つの関節構造は、ロボット指を形成するように少なくとも2つの関節において互いに機能的に接続されている、少なくとも2つの構造要素と、異なる種類および/または異なる機能を有する少なくとも2つの関節とを各々備え、少なくとも2つの関節は可撓性接続リンクによって互いに結合されており、好ましくは少なくとも2つの関節は連続しており、この特徴は、関節の駆動を単純化することを可能にし、
少なくとも1つのアクチュエータは、単一の中間駆動シャフトと関連付けられており、
少なくとも1つのアクチュエータは、各中間駆動シャフトが可撓性作動リンクによってアクチュエータによって作動するように、少なくとも1つの中間駆動シャフトの軸と平行であり同軸ではない回転軸を備え、
装置は、平行に並んで配置された少なくとも2つのアクチュエータ、第1のアクチュエータおよび第2のアクチュエータを備え、その第2のアクチュエータは、第1のアクチュエータの回転シャフトとは反対側から出現する回転シャフトを有し、この特徴は、ロボットハンドを形成する装置の嵩をさらに制限することを可能にし、
ロボットハンドを形成する装置は、4本のロボット指、特に、3本のロボット指を互いに、基部を通る幾何学的平面に平行に実質的に整列させることができ、好ましくは4本のロボット指のうちの1本が親指を形成するように基部に対して配置された4本のロボット指を形成する4つの関節構造を備え、
ロボットハンドを形成する装置は、2横列の関節、好ましくは、そのうちの1つが親指である少なくとも3つの関節構造の2横列の関節をそれぞれ駆動するように、2つの中間駆動シャフトをそれぞれ作動させるための正確に2つのアクチュエータを備え、この特徴は、例えば円筒形部品を把持するために、すべての関節構造の動きを同期させることを可能にし、
ロボットハンドを形成する装置は、親指を別とする少なくとも3本のロボット指を形成する少なくとも3つの関節構造の3横列の関節およびロボット親指を形成する関節構造の3つの関節をそれぞれ駆動するように、6つの中間駆動シャフトをそれぞれ作動させるための正確に6つのアクチュエータを備え、
少なくとも1つの関節は、基部に対して屈曲軸についての旋回リンクを形成する種類のものであり、少なくとも1つの中間シャフトの軸は、少なくとも1つの関節の屈曲軸に実質的に平行であり、
少なくとも1つの可撓性駆動リンクがプーリに接続されるように、少なくとも1つの中間駆動シャフトは少なくとも1つの駆動プーリを備え、少なくとも1つの駆動機構は少なくとも1つの従動プーリを備え、
装置は、少なくとも1つのアクチュエータおよび少なくとも1つの中間駆動シャフトが固定される作動支持体を備え、支持体は基部に機能的に接続されており、
少なくとも1つのアクチュエータおよび少なくとも1つの中間駆動シャフトは、基部に挿入および/または固定される。
【0008】
本発明の第2の態様によれば、本発明の第1の態様の特徴のうちの1つまたは複数に従ってロボットハンドを形成する少なくとも1つの装置を備える、少なくとも1つの関節アームを備えるロボットが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の他の特徴および利点は、添付の図に照らして、いかなる点においても限定的ではない実装形態および実施形態の詳細な説明を読めば明らかになるであろう。
図1】本発明の一実施形態によるロボットハンドを形成する装置の基部に接続された、ロボット指を各々形成する4つの関節構造の運動図である。
図2図1によるロボットハンドを形成する装置の基部と、基部に接続された、ロボット指を各々形成する4つの関節構造との斜視図である。
図3図1および図2による基部に接続された、ロボット指を各々形成する4つの関節構造と、アクチュエータおよび中間駆動シャフトを備えるように意図された支持体であって、前腕を形成するように基部に接続されている支持体とを備える本発明の一実施形態によるロボットハンドを形成する装置の斜視図である。
図4】一実施形態による、アクチュエータ、中間駆動シャフト、前記アクチュエータと前記シャフトとの間の可撓性作動リンク、および前記シャフトと基部との間の可撓性駆動リンクの一部を区別するように支持体が部分的に示され、透明に見えている、図3によるロボットハンドを形成する装置の斜視図である。
図5】縦に配置された2つのアクチュエータと、互いに平行に配置された4つの中間駆動シャフトとを備える支持体の上面図である。
図6】支持体が透明に見えており、支持体が6つのアクチュエータと6つの中間駆動シャフトとを備え、これらが、2つのアクチュエータと2つの中間駆動シャフトとをそれぞれ備える、3つの段、すなわち、第1段、第2段、および第3段として重ね合わされている、図3図5によるロボットハンドを形成する装置の左側面図である。
図7】特に親指の外転/内転、およびその他の指の屈曲/伸展を制御するように意図された、関節構造の関節に取り付けられた中間駆動シャフトと駆動プーリとの間の可撓性駆動リンクの経路を図式的に表す、図式的に示された図6によるロボットハンドを形成する装置の左側面図である。
図8】特に親指の屈曲/伸展、およびその他の指の外転/内転を制御するように意図された、関節構造の関節に取り付けられた中間駆動シャフトと駆動プーリとの間の可撓性駆動リンクの経路を図式的に表す、図式的に示された図6によるロボットハンドを形成する装置の右側面図である。
図9】アクチュエータおよび中間駆動シャフトの第2段のみを示すように支持体が透明に見えている、図5および図6によるロボットハンドを形成する装置の上面図である。
図10】アクチュエータおよび中間駆動シャフトの第1段のみを示すように支持体が透明に見えている、図5および図6によるロボットハンドを形成する装置の上面図である。
図11】アクチュエータおよび中間駆動シャフトの第3段のみを示すように支持体が透明に見えている、図5および図6によるロボットハンドを形成する装置の上面図である。
図12】2つの関節が、外転/内転軸と屈曲/伸展軸とに対応する、互いに平行ではない回転軸を有する、2つの関節と、2つの関節を接続する構造要素との斜視図である。
図13】2つの関節が、外転/内転軸と屈曲/伸展軸とに対応する、互いに平行ではない回転軸を有する、2つの関節を接続する構造要素の2つの関節の、図12とは反対の視野角による、斜視図である。
図14】4つの関節と、1つの外転/内転関節と、3つの屈曲/伸展関節を備えるロボット指を形成する関節構造の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に説明する実施形態は、いかなる点においても限定的ではなく、特に、この特徴の選択が技術的利点を与えるか、または先行技術の状態に対して本発明を区別するのに十分である場合、記載されるその他の特徴から切り離して、以下に記載される特徴の選択のみを備える本発明の変形形態を実装することができる。この選択は、構造的詳細なしで、または、技術的利点を与えるか、もしくは先行技術の状態に対して本発明を区別するのに構造的詳細の一部で十分である場合にはこの部分のみを有する、少なくとも1つの、好ましくは機能的な特徴を備える。
特に、記載されるすべての変形形態およびすべての実施形態は、技術的観点からこの組み合わせに異論がなければ、互いに組み合わせることができる。
【0011】
図3に、手のひらを形成する基部100と、各関節構造が人間の手に実質的に似たロボットハンドを作り出すように基部に接続されている、指を形成する4つの関節構造2、3、4、および5とを備えるロボットハンドを形成する装置1を示す。基部100は、実質的に長方形の形状を有し、遠位端に、互いに並んで配置された3本の指2、3、4を有し、前記指は、図3に示されるように静止して、基部によって画定された幾何学的平面内に延在する。人間の手と比較すると、関節構造または指2、3および4は、それぞれ、人差し指、中指および薬指に対応している。基部100はまた、手のひらの面150上に、基部の手のひら面に対して実質的に垂直に延在する親指を形成する関節構造5も有する。装置1はまた、後述する運動手段の作動および伝達を受けて保持する作動支持体101も備える。作動支持体101は、関節によって基部100の近位端に接続されている。図示の実施形態によれば、基部100と作動支持体101との間の関節は、屈曲部11を有する機械的旋回リンクである。作動支持体101はよって、前腕を形成する。他の実施形態(図示せず)によれば、運動手段の作動および伝達を基部に挿入することができる。
【0012】
図1および図2に、基部100に対する関節構造2、3、4および5の可動性の程度を示す。各関節構造または指は、前記関節構造を基部に対して動かすように関節によって互いに接続された構造要素を備える。特に、各関節構造は、基部と前記関節構造との間の機械的リンクを画定する少なくとも1つの関節を備える。各関節構造は、構造要素および関節の交互の連続を備える。
【0013】
2種類の構造要素が提供される。装置は、一方では、2つの異なる種類の関節を接続するように連結構造要素21、41、および51を連結し、他方では、指節骨を形成するように人間工学的構造の要素を提供する。図を参照すると、各指2、3、4、および5は、それぞれ、第1の指節骨22、32、42、52、第2の指節骨23、33、43、53、および第3の指節骨24、34、44、54を備える。
【0014】
装置は、2種類の関節、すなわち、z軸に沿って少なくとも1つの旋回を行うための外転/内転型の関節(図1参照)、およびy軸に沿って少なくとも1つの旋回を行うための屈曲/伸展型の関節(図1参照)を提供する。図示の実施形態によれば、基部に対して関節構造を動かするための15個の関節が設けられている。3つの関節構造、すなわち、親指5、人差し指2、および薬指4は、4つの関節を有する。中指3は、3つの関節を有する。
【0015】
図示の実施形態によれば、親指5、人差し指2、および薬指4は、基部100を連結構造要素21、41、51の第1の近位端に接続する外転/内転関節2a、4a、5aを各々有する。人差し指の外転/内転関節2aおよび薬指の外転/内転関節4aは、基部100の遠位端の近くに配置されている(図2参照)。2つの外転/内転関節は、外転/内転関節の横列を画定する。外転/内転関節5aは、手のひらの面150に配置されている(図3参照)。中指3には外転/外転関節がない。
【0016】
各指2、4、5は、連結構造要素21、41、51の遠位端を第1の指節骨22、42、52の近位端に接続する第1の屈曲/伸展関節2b、4b、5bを備える。中指3もまた、基部100の遠位端を第1の指節骨32の近位端に接続する第1の屈曲/伸展関節3bを備える。第1の屈曲/伸展関節は、中手指節(MCP)関節の横列を画定する。特に、中手指節(MCP)関節の横列は、人差し指の第1の屈曲/伸展関節2b、中指の第1の屈曲/伸展関節3b、および薬指の第1の屈曲/伸展関節4bを含み、図3を参照されたい。
【0017】
次いで、各指2、3、4および5は、第1の指節骨22、32、42、52の遠位端を第2の指節骨23、33、43、53の近位端に接続する第2の屈曲/伸展関節2c、3c、4c、5cを備える。第2の屈曲/伸展関節は、近位指節間(PIP)関節の横列を画定する。特に、近位指節間関節の横列は、人差し指の第2の屈曲/伸展関節2c、中指の第2の屈曲/伸展関節3c、および薬指の第2の屈曲/伸展関節4cを含み、図3を参照されたい。
【0018】
最後に、各指2、3、4および5は、第2の指節骨23、33、43、53の遠位端を第3の指節骨24、34、44、54の近位端に接続する第3の屈曲/伸展関節2d、3d、4d、5dを備える。第3の屈曲/伸展関節は、遠位指節間(DIP)関節の横列を画定する。特に、遠位指節間関節(DIP)の横列は、人差し指の第3の屈曲/伸展関節2d、中指の第3の屈曲/伸展関節3d、および薬指の第3の屈曲/伸展関節4dを備え、図3を参照されたい。
【0019】
図1を参照すると、すべての関節は旋回リンクである。人差し指2および薬指4を参照すると、各外転/内転関節2a、4aは、軸zの旋回リンクによって形成される。親指5を参照すると、外転/内転関節5aは、軸xの旋回リンクによって形成される。指3および指5を参照すると、各屈曲/伸展関節は、軸yの旋回リンクによって形成される。指2および指4を参照すると、例えば図11に示されるように、前記指、人差し指2および薬指4が中指3に平行であるとき、各屈曲/伸展関節は軸yの旋回リンクによって形成される。
【0020】
装置は、構造要素を互いに対して旋回運動で動かすように関節の近くに配置された従動駆動プーリを備え、図12図13、および図14を参照されたい。
図12および図13に、人差し指に設けられるタイプの外転/内転関節2aおよび屈曲/伸展関節2bを有する連結構造要素21を示す。この連結構造要素は、薬指および親指でも同じである。連結構造要素21は、静止時にその正中面が延在する、すなわち、平面yz内の外転および内転の極限位置に対して中心位置にある支持フレームワーク310の形態を有する。支持フレームワーク310は、yz正中面の両側の2つの対向面にそれぞれ、その回転軸がz軸に沿って延在する外転/内転関節2aと、その回転軸がy軸に沿って延在する屈曲/伸展関節2bを有する。
【0021】
連結構造要素はまた、支持フレームワーク310の第1の面にブリッジ320も備える。ブリッジ320は二面体の形状を有し、その厚さ正中面は平面xy内に延在し、同軸に配置された2つの外転/内転ハーフシャフト220、230を回転支持し、その旋回軸202はz軸に平行に延在する。ハーフシャフト220、230は、ブリッジ320に対して不動に保持されている。ハーフシャフト220、230は、連結構造要素21が基部に対して軸202を中心に旋回するように、ブッシュまたは軸受226、236を介して基部100に対して関節結合されている。連結構造要素21は、可撓性駆動リンク96を各々受けるように配置された従動駆動プーリ325および326を備え、そのため連結構造要素21は、プーリ上の可撓性リンクの接着によって軸202を中心に旋回運動で動く。
【0022】
好ましくは、可撓性リンクは、軸202に対して直径方向に対向するそれぞれの固定点によって従動プーリ325、326に固定されている。
一変形形態では、可撓性駆動リンクは、プーリ325、326の周りに少なくとも部分的に巻き付けることができ、またはこれらのプーリの周りをそれぞれ反対方向に完全に回転させることさえでき、それらの第2の端部はブリッジ320に固定されている。
【0023】
どちらの場合も、アクチュエータの一方向の回転変位が第1の内転ケーブル114にけん引力を加え、プーリ325および/またはブリッジ320に対する作用によって外転/内転方向の指の変位をもたらすことを当業者は理解するであろう(図1の円弧を参照)。逆に、同じアクチュエータの逆方向の回転変位は、第2の内転ケーブル112にけん引力を加え、プーリ326および/またはブリッジ320に対する作用によって外転/内転方向の指の変位をもたらす。
【0024】
プーリ325、326と軸受226、236との間で、各ハーフシャフトまたはジャーナル220、230は、下流関節2bおよび2cの方に向けられた、可撓性駆動リンクまたはケーブル96、特にケーブル対122、124;132、134の通過および案内のための窓を各々画定するケージ222、232を支持する。各ケージ222、232は、ディアボロ223、224および233、234の形状の、それぞれ同軸の2つの一連の円筒形回転部品を有する。ディアボロ223、224および233、234の形状の各一連の部品は、それぞれのz軸を中心としている。ケージ222に設けられたディアボロ形状の部品223、224は、軸202に対して対称である。同様に、ケージ232に設けられたディアボロ形状の部品233、234も、軸202に対して対称である。
【0025】
ディアボロ223、224および233、234の形状の各一連の部品は、案内されるべきケーブル、それぞれ、122、132および124、134の数に等しい数のディアボロの形状の部品をさらに含む。
【0026】
図12に示される実施形態によれば、各ハーフシャフトまたはジャーナル220、230は、2つの可撓性駆動リンクまたはケーブル122、132および124、134を案内する。結果として、ディアボロ形状の各一連の部品223、224および233、234は、z軸上に軸方向に積み重ねられた少なくとも2つのディアボロ形状の部品を含むことになる。外転/内転運動の軸202上には、したがって、少なくとも2本のケーブルを案内するために軸の上部に配置された少なくとも4つのディアボロのセットと、2本のケーブルを案内するために軸の下部に(部分的に見えている)4つのディアボロのセットとが設けられる。
【0027】
共通のケージ222、232内に位置する2つの一連の部品223、224および233、234に属する2つの隣接するディアボロの各対は、よって、従動プーリを動かすように意図された可撓性駆動リンクを受けるように意図されたそれぞれの通路を画定する。各ケーブルは、よって、2つの回転するディアボロの間で案内される。
【0028】
各ディアボロは、ケーブルとディアボロとの間の摩擦を制限するために、ケージ222または232に接続された中央関節ロッド上で、その軸を中心に回転することができる。
外転/内転関節2aを通過した後、可撓性駆動リンクまたはケーブルの各々は、よって、ディアボロ311、312、313および314、315、316を介して屈曲/伸展関節2bの軸に向かって案内され、図14を参照されたい。
【0029】
図13を参照すると、連結構造要素21は、支持フレームワーク310の第2の面にブリッジ350を備える。ブリッジ350は、二面体の形状を有し、その厚さ正中面は平面xz内に延在し、軸yに平行であり、外転/内転軸202と直交する、屈曲/伸展関節2bの屈曲/伸展軸402に沿って延在する2つの同軸の屈曲/伸展ハーフシャフト420および430を回転支持する。2つの屈曲/伸展ハーフシャフト420、430は、ブリッジ350に対して回転可能に固定的に接続されている。2つのハーフシャフトまたはジャーナル420、430は、ブリッジ350の両側にそれぞれ位置している。
【0030】
ハーフシャフトは、連結構造要素21に対して第2の構造要素(図示せず)または第1の指節骨22の旋回関節を形成するように配置されたブッシュ426、436を各々有するので、第1の指節骨は前記連結構造要素21に対して旋回する。ブッシュ426、436は、第1の指節骨22の(図14に示される)ヨーク520のための回転案内軸受を形成する。
【0031】
ハーフシャフト420は2つのアイドラプーリ422、424を有し、その上に可撓性駆動リンクまたはケーブルがこれらのプーリを一回転させる間に巻き付けられるようにそれぞれ設けられている。他方のハーフシャフト430は別の2つのアイドラプーリ432、434を有し、その上にこれらのプーリを一回転させる間に巻き付けられるように可撓性リンクまたはケーブルが設けられている。アイドラプーリ422、424および432、434は、軸402を中心にブリッジ350に対して自由回転する。
【0032】
軸を中心に自由回転する、案内アイドラプーリ422、424および432、434の周りで行われるケーブルの巻きは、ケーブルがプーリから外れるのを、指節骨の屈曲/伸展運動の関節構成の関数として防止することを可能にする。
アイドラプーリは、ケージ222および/または232から発する4本のケーブルを中間指節骨23の下流の屈曲/伸展関節に向かってそれぞれ戻すことを可能にする。
【0033】
図14に、関節構造または指の一実施形態を示す。上記のように、ロボットハンドのすべての指は、外転/内転関節を備えない中指3を除いて、機能的に同様である。繰り返しを避けるために、人差し指2の参照を使用して、単一の関節構造を以下で説明する。関節構造2は、4つの構造要素、すなわち連結構造要素21と、3つの指節骨22、23、および24とを備える。好ましくは、関節構造は、(後述する)3つのアクチュエータのみによって作動する。各構造要素は、2つの可撓性駆動リンクまたはケーブル112、114;122、124;132、134および142、144を介して動かされる。
【0034】
第1の指節骨22のヨーク520の2つの枝部522、524は、軸402を中心とするプーリ525、526を支持し、前記プーリは、第1の外転/内転関節2bを動かすことを可能にするケーブル122、124のそれぞれの第2の端部を案内する。
プーリ525、526は、ケーブル122、124の端部がこれらのプーリに固定されている場合、ヨーク520と回転可能に接続されなければならない。
【0035】
プーリ525および526は、ケーブル122、124の端部が前述のプーリ上ではなくヨーク520上に固定されている場合、軸402を中心としてヨーク520に対して自由回転することができる。
【0036】
第2の指節骨23の2つの枝部626、636は、軸602を中心とするプーリ725、726を支持し、前記プーリは、第2の外転/内転関節2cを動かすことを可能にするケーブル132、134のそれぞれの第2の端部を案内する。
【0037】
第3の指節骨24の2つの枝部826、836は、軸802を中心とするプーリ925、926を支持し、前記プーリは、第3の外転/内転関節2cを動かすことを可能にするケーブル142、144のそれぞれの第2の端部を案内する。一実施形態によれば、ケーブル142、144の第1の端部は、関節2cの上流で第1の指節骨22に固定されている。その場合、ケーブル142、144は、軸602を中心とするプーリ622、632の周りにそれぞれ巻き付けられる。プーリ622、632は、軸602を中心に自由回転する。プーリ632の周りのケーブル144の巻き方向は、プーリ622の周りのケーブル142の巻き方向と逆方向に行われる。さらに、ケーブル142とケーブル144とは、プーリ925、926に到達する前に互いに交差し、ケーブル142とケーブル144との交差は図7に示されているが、図14には示されていない。関節2cの駆動(または指節骨22に対する指節骨23の旋回)中、ケーブル142または144の一方または他方によって加えられるけん引力に起因して、プーリ925、926は、関節2dを運動状態で駆動するように旋回駆動される。この実施形態は、2つの関節に単一のアクチュエータを使用することによって、アクチュエータの使用を省くことを可能にする。
【0038】
次に、ロボットハンドの関節構造を動かすことを可能にする作動および駆動手段について説明する。
図6図7、および図8を参照すると、ロボットハンドを形成する装置は、すべての関節の作動のための6つのアクチュエータM1、M2、M3、MP1、MP2、およびMP3を備える。6つのアクチュエータは、好ましくはモータ減速ユニットを備える。アクチュエータM1は、外転/内転関節の横列の関節を作動させるように配置されている。アクチュエータM2は、中手指節関節の横列の関節を作動させるように配置されている。アクチュエータM3は、近位指節間関節の横列の関節を作動させるように配置されている。アクチュエータMP1は、親指5の外転/内転関節を作動させるように配置されている。アクチュエータMP2は、親指5の第1の屈曲/伸展関節を作動させるように配置されている。アクチュエータMP3は、親指5の第2の屈曲/伸展関節を作動させるように配置されている。6つのアクチュエータは、水平に延在し、3つの重ね合わされたアクチュエータの2縦列として上下に重ね合わされている。この特徴は、ロボットハンドを形成する装置のコンパクトさを向上させることを可能にする。
【0039】
ロボットハンドを形成する装置1はまた、6つの中間駆動シャフト8a、8b、8c、8Pa、8Pb、8Pcも備える。中間駆動シャフトは、ロボットハンドを動かすように、可撓性駆動リンクと共に関与してアクチュエータの回転運動を関節の従動プーリに伝達する。特に、各中間駆動シャフト8a、8b、8c、8Pa、8Pb、8Pcは、単一のアクチュエータによって作動する。図6図7および図8を参照すると、アクチュエータM1は中間駆動シャフト8aと関連付けられており、アクチュエータM2は中間駆動シャフト8bと関連付けられており、アクチュエータM3は中間駆動シャフト8cと関連付けられており、アクチュエータMP1は中間駆動シャフト8Paと関連付けられており、アクチュエータMP2は中間駆動シャフト8Pbと関連付けられており、アクチュエータMP3は中間駆動シャフト8Pcと関連付けられている。各アクチュエータは、可撓性駆動リンク98、例えばベルトによってその中間駆動シャフトに接続されている。例えば、各アクチュエータおよび各中間駆動シャフトは、可撓性作動リンクと協働し、よってアクチュエータの回転運動を中間作動シャフトに伝達するために、プーリまたは歯付きホイールをそれぞれ有する。中間作動シャフトは、互いに実質的に平行に、かつアクチュエータに平行に延在する。中間作動シャフトは、側面から見たときにそれらの位置決めが三角形または菱形を形成し、高さ方向により小さい嵩を可能にするように、並んで配置されている。この特徴は、作動支持体に、人間の前腕に似た全体的な嵩を与えることを可能にする。上から見ると、6つの中間駆動シャフトは、4つの縦列または4つの横列:R1、R2、R3およびR4を形成するように配置され、図5を参照されたい。横列R1は、中間駆動シャフト8aを備える。横列R2は、重ね合わされた中間駆動シャフト8bおよび8cを備える。横列R3は、重ね合わされた中間駆動シャフト8Pbおよび8Pcを備える。横列R4は、中間駆動シャフト8Paを備える。
【0040】
図4図5図6図7図8を参照すると、アクチュエータおよび中間駆動シャフトは縦に配置されている。作動支持体101の各側面に沿って、3つのアクチュエータが、可撓性作動リンク98によって3つのそれぞれの中間シャフトに接続され、図7および図8を参照されたい。
中間駆動シャフトは、すでに説明された可撓性駆動リンクまたはケーブル96を介して関節構造の関節に接続されている。
【0041】
各中間駆動シャフト8a、8b、8cは、1つの横列の関節に接続されており、その他の中間駆動シャフト8Pa、8Pb、8Pcは、単一の関節に各々接続されている。図9を参照すると、中間駆動シャフト8aは、指節骨22および42の関節2aおよび4aを備える外転/内転関節の横列AAに接続されている。中間駆動シャフト8aは、2つの可撓性駆動リンクのための2つの固定点を各々有する2つの駆動プーリを支持し、前記2つの可撓性リンクは、上述の従動プーリ325、326に接続されている。人差し指と薬指との間の距離の同期した減少または増加を得るために、シャフト8aに接続された可撓性駆動リンクは、平面xzに平行な長手方向正中の幾何学的平面に対して対称に配置されなければならない。また、図9に示されるように、中間駆動シャフト8Paは、親指の外転/内転関節5aに接続されている。シャフト8Paは、上述の従動プーリ325、326に接続されている2つの可撓性駆動リンクのための2つの固定点を有する駆動プーリを支持する。
【0042】
図10を参照すると、中間駆動シャフト8bは、指節骨22、32、および42の中手指節(MCP)関節2b、3b、および4bの横列に接続されている。シャフト8bは、2つの可撓性駆動リンクのための2つの固定点を各々有する3つの駆動プーリを支持し、前記2つの可撓性リンクは、上述の従動プーリ525、526に接続されている。図10にも示されているように、中間駆動シャフト8Pbは、親指の屈曲/伸展関節5bに接続されている。シャフト8Pbは、上述の従動プーリ525、526に接続されている2つの可撓性駆動リンクのための2つの固定点を有する駆動プーリを支持する。
【0043】
図11を参照すると、中間駆動シャフト8cは、指節骨23、33、および43の関節2c、3c、および4cを備える近位指節間(PIP)関節の横列に接続されている。シャフト8cは、2つの可撓性駆動リンクのための2つの固定点を各々有する3つの駆動プーリを支持し、前記2つの可撓性リンクは、上述の従動プーリ725、726に接続されている。図11にも示されているように、中間駆動シャフト8Pcは、親指の屈曲/伸展関節5cに接続されている。シャフト8Pcは、上述の従動プーリ725、726に接続されている2つの可撓性駆動リンクのための2つの固定点を有する駆動プーリを支持する。
【0044】
最後に、中間駆動シャフト8cの作動はまた、上述の可撓性接続リンクまたはケーブル142、144を介して関節2d、3d、4dを備える遠位指節間(DIP)関節の横列を作動させることも可能にする。同様に、中間駆動シャフト8Pcは、上述の可撓性接続リンク142、144を介して関節5dを作動させることを可能にする。この特徴は、関節2d、3d、4d、5dの角運動を関節2c、3c、4c、5cの角運動と同期させることを可能にする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14