(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-07
(45)【発行日】2025-01-16
(54)【発明の名称】浮体式金属プラットフォーム
(51)【国際特許分類】
B63B 35/00 20200101AFI20250108BHJP
B63B 75/00 20200101ALI20250108BHJP
【FI】
B63B35/00 T
B63B75/00
(21)【出願番号】P 2022518683
(86)(22)【出願日】2020-09-23
(86)【国際出願番号】 EP2020076517
(87)【国際公開番号】W WO2021058531
(87)【国際公開日】2021-04-01
【審査請求日】2023-09-01
(32)【優先日】2019-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(32)【優先日】2019-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(32)【優先日】2020-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(73)【特許権者】
【識別番号】522112951
【氏名又は名称】クローヴァス アクティーゼルスカブ
(74)【代理人】
【識別番号】100077838
【氏名又は名称】池田 憲保
(74)【代理人】
【識別番号】100129023
【氏名又は名称】佐々木 敬
(72)【発明者】
【氏名】ソーンユ,アイヴィン
【審査官】志水 裕司
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-104420(JP,A)
【文献】特表2017-505262(JP,A)
【文献】特開2015-180823(JP,A)
【文献】国際公開第2007/096680(WO,A1)
【文献】特開2013-141857(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 35/00
B63B 75/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
風力タービンを支持するための浮体式
風力タービン金属プラットフォーム(100)であって、前記
浮体式風力タービン金属プラットフォーム(100)は、
3つの細長要素(110)を含み、前記細長要素(110)の各々は、
第1の細長部材(111)と、
前記第1の細長部材(111)に平行な第2の細長部材(112)と、
前記第1の細長部材(111)と前記第2の細長部材(112)とに接続された少なくとも第1の浮力要素(114a)と、を含み、
前記細長要素(110)の各々は、第1の端(110’)と、反対側の第2の端(110’’)とを有し、
前記細長要素(110)の各々の前記第1の端(110’)又は前記第2の端(110’’)の一方は、他の前記細長要素(110)のうちの少なくとも1つの前記第1の端(110’)又は前記第2の端(110’’)の一方に接続され
、
前記第1の細長部材(111)は、第1の端部(111’)と、反対側の第2の端部(111’’)と、それらの間の中間部(111’’’)と、を含み、
前記第2の細長部材(112)は、第1の端部(112’)と、反対側の第2の端部(112’’)と、それらの間の中間部(112’’’)と、を含み、
前記第1の浮力要素(114a)の少なくとも1つは、円筒形状を有しており、
前記第1の浮力要素(114a)は、前記第1及び前記第2の細長部材(111、112)の前記中間部(111’’’、112’’’)に接続されており、
前記細長要素(110)の各々の前記第1及び前記第2の細長部材(111、112)の少なくとも1つは強化プレートであり、
前記細長要素(110)の各々は、更に、平行な前記第1及び第2の細長部材(111、112)の強化のための強化手段(115)を含んでいる、浮体式
風力タービン金属プラットフォーム(100)。
【請求項2】
前記第1の浮力要素(114a)は、第1の端面と
、反対側の第2の端面とを含み、
前記第1の細長部材(111)は、前記第1の浮力要素(114a)の前記第1の端面に接続され、
前記第2の細長部材(112)は、前記第1の浮力要素(114a)の前記第2の端面に接続されている、請求項
1に記載の
浮体式風力タービン金属プラットフォーム
(100)。
【請求項3】
前記細長要素(110)は、同一平面内に配置されている、請求項
1又は2に記載の
浮体式風力タービン金属プラットフォーム
(100)。
【請求項4】
前記細長要素(110)の各々は複数の前記第1の浮力要素(114a)を含み、
前記第1の浮力要素(114a)の1つは、前記第1及び前記第2の細長部材(111、112)の前記第1の端部(111’、112’)に接続され、及び/又は
前記第1の浮力要素(114a)の1つは、前記第1及び前記第2の細長部材(111、112)の前記第2の端部(111’’、112’’)に接続されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の浮体式風力タービン金属プラットフォーム(100)。
【請求項5】
複数の前記第1の浮力要素(114a)は前記第1及び前記第2の細長部材(111,112)の前記中間部(111’’’、112’’’)に接続されている、請求項4に記載の浮体式風力タービン金属プラットフォーム(100)。
【請求項6】
2つの接続された前記細長要素(110)は、1つの共通の前記第1の浮力要素(114a)を備えている、請求項4又は5に記載の浮体式風力タービン金属プラットフォーム(100)。
【請求項7】
風力タービンを支持するための浮体式風力タービン金属プラットフォーム(100)であって、前記浮体式風力タービン金属プラットフォーム(100)は、
3つの細長要素(110)を含み、前記細長要素(110)の各々は、
第1の細長部材(111)と、
前記第1の細長部材(111)に平行な第2の細長部材(112)と、
前記第1の細長部材(111)と前記第2の細長部材(112)とに接続された少なくとも第1の浮力要素(114a)と、を含み、
前記細長要素(110)の各々は、第1の端(110’)と、反対側の第2の端(110’’)とを有し、
前記細長要素(110)の各々の前記第1の端(110’)又は前記第2の端(110’’)の一方は、他の前記細長要素(110)のうちの少なくとも1つの前記第1の端(110’)又は前記第2の端(110’’)の一方に接続され、
前記細長要素(110)の各々は、
前記第1及び前記第2の細長部材(111、112)に平行な第3の細長部材(113)と、
前記第2の細長部材(112)及び前記第3の細長部材(113)に接続された第2の浮力要素(114b)と、をさらに含む、
浮体式風力タービン金属プラットフォーム
(100)。
【請求項8】
前記第1の浮力要素(114a)及び前記第2の浮力要素(114b)は、前記第2の細長部材(112)の両側に接続され、互いに整列して配置されている、請求項
7に記載の
浮体式風力タービン金属プラットフォーム
(100)。
【請求項9】
前記第1の浮力要素(114a)及び前記第2の浮力要素(114b)は、前記第2の細長部材(112)の両側に接続され、互いにずれて配置されている、請求項
7に記載の
浮体式風力タービン金属プラットフォーム
(100)。
【請求項10】
前記
第1の浮力要素(
114a)
の少なくとも1つは、
外側ライナー(117)と、
前記外側ライナー(117)と同心であり、前記外側ライナー(
117)よりも小さい直径を有する内側ライナー(118)と
、
前記外側ライナー(117)と前記内側ライナー(118)との間の環状部(119)と、を含み、
前記環状部(119)には、コンクリートが充填される、請求項
1又は7に記載の
浮体式風力タービン金属プラットフォーム
(100)。
【請求項11】
前記
第1及び前記第2の浮力要素(114a、114b)
のうち、少なくとも1つは、前記第1の細長部材(111)、前記第2の細長部材(112)及び/又は前記第3の細長部材(113)のうちの少なくとも2つと平面的な界面を有する、請求項
7~9のいずれか1項に記載の
浮体式風力タービン金属プラットフォーム
(100)。
【請求項12】
前記
浮体式風力タービン金属プラットフォーム(100)は、
中心ハブ(120)を備え、
前記細長要素(110)は、前記中心ハブ(120)に接続され、規則的な角度間隔(α)をもって配置されている、請求項1~
11のいずれか1項に記載の
浮体式風力タービン金属プラットフォーム
(100)。
【請求項13】
浮体式風力タービン(1000)であって、前記浮体式風力タービン(1000)は、
請求項1~
12のいずれか1項に記載の前記
浮体式風力タービン金属プラットフォーム(100)と、
前記
浮体式風力タービン金属プラットフォーム(100)に接続されたタワー(200)と、
前記タワー(200)に接続された水平軸風力タービン(300)と、を備える、浮体式風力タービン(1000)。
【請求項14】
前記
浮体式風力タービン金属プラットフォーム(100)は、中心軸(A)を有する中心ハブ(120)を含み、前記タワー(200)は、前記中心軸(A)に沿って延在する、請求項
13に記載の浮体式風力タービン(1000)。
【請求項15】
前記浮体式風力タービン(
1000)は、前記細長要素(110)に接続された第1の端と、前記タワー(200)に接続された第2の端とを有するステーケーブル(500)を、さらに含む、請求項
13又は
14に記載の浮体式風力タービン(1000)。
【請求項16】
前記浮体式風力タービン(1000)は、
前記
浮体式風力タービン金属プラットフォーム(100)に接続され、前記タワー(200)の反対方向に延在し
、前記タワー(200)と同心に配置された中央コラム(400)をさらに含む、請求項
13~
15のいずれか1項に記載の浮体式風力タービン(1000)。
【請求項17】
前記浮体式風力タービン(1000)は、
前記細長要素(110)に接続された第1の端と、前記中央コラム(400)に接続された第2の端とを有するステーケーブル(500)をさらに含む、
請求項16に記載の浮体式風力タービン(1000)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浮体式金属プラットフォーム(フローティングメタルプラットフォーム)、特に、浮体式風力タービン金属プラットフォームに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な海洋プロジェクトに採用される浮体式洋上プラットフォームの設計を検討する際に、運動特性の観点から、重量及び形状を考慮した構造効率は、最も成功したユニットの設計ドライバとして明らかに傑出している。この設計プラクティスは、浮体式洋上ウインドファーム(風力発電基地)などのマルチユニット用途に移転されてきたが、一方で、このプラクティスは異なる経済状況における単一又は少数のユニットのプロジェクトに対して出現したものである。現在、経済的マージンははるかに低くなり、ユニットの数は大きく増加した。最初の設計原理は再考されるべきであり、浮体式洋上プラットフォームのための先行技術の構造設計ドライバは、今日の供給市場における例えば洋上風力プラットフォームのための支配的性能指標であるべきではないことがわかった。その代わりに、設計は、サプライチェーンの利用可能性、製造及び設置の物流管理、並びに工学的単純さなどの要件に従うべきである。従って、重量や運動特性を犠牲にしても設計の精巧さよりも単純化が優先されるべきである。非線形の励起及び応答をともなう複雑な構造は、構造性能に関する不確実性をともない、これは、投資家の観点からは、考慮すべき経験上の不測事態に対する、軽減しなければならない数値化不能なリスクにつながる。運動特性についての最先端の知識を利用することにより、設計者は、構造を単純化して運動特性をできる限り線形化しなければならない。このことは、構造性能推定値の精度を、信頼性に基づく性能推定値が実用的に利用可能となるレベルに増加させる。このような推定値は、投資家のリスク理解を大幅に改善し、投資決定を定性的不測事態推定から定量的不測事態推定へシフトすることを可能にする。
【0003】
現代の設計上の物流原理を含む現存する最先端の大量生産技術を重視することは、サプライチェーン成熟期間を減少させ、自動化を促し、これにより製造コストを大幅に低減させるであろうことが判明している。このことは、幾何学的形状及び複雑さにおける設計者の選択を制限する。幾何学的形状及び複雑さは自動化しやすさ及び組立と保管における物流管理に対して慎重に比較検討されねばならない。
【0004】
先行技術の半潜水式風力タービンプラットフォームは、コンクリート要素又はトラスワークのいずれかによって中心に接合された構造外周に位置するコンクリート又は強化シェルの浮体に依存している。このような強化コンクリート、管状部材からのトラスワーク及び強化シェルは、労働集約的であり、自動化大量生産によって製造することが困難である。
【0005】
本発明の設計理念は、洋上風力のための浮体支持構造のための設計ドライバを再定義する。先行技術は、洋上の石油及びガス産業の草創期に想到した一般的な方法に依存している。これらの方法は洗練されており、重量及び運動に関して高度な構造的最適化を可能にするが、浮体式洋上風力における基本的な課題に対処するものではない。フィールド開発プロジェクトが過度の利益マージンを有する1基から数基のユニットを含むところの石油及びガスとは異なり、支持構造のための再生可能エネルギー市場は低マージンであるが、プロジェクトごとのユニットの数は多い。この認識は、今や重量と運動の最適化から、低コスト化を達成するために多数を利用することに焦点をシフトすべきであるという、設計ドライバの再構築を決定づける。このことが過去成功裡に達成されている設計及び製造プロセスは、自動化連続製造の範囲内であり、このような連続製造プロセスの効率は、製造されるユニットの連続製造し易さによって支配される。しかし、連続製造し易さは十分ではない。経験は、洋上風力におけるユニットの連続製造についての、全部ではなくても相当数の取り組みが、付随する物流能力を有する完全に機能的な大型ユニット製造ラインを得るための多額の初期費用で挫折したことを示している。なぜ投資家(製造者や開発者を含む)が、洋上風力におけるそのような投資に乗り気でないのかを分析するならば、共通点は初期費用を埋め合わせるための健全な市場の欠如である。
【0006】
以下の2つの前提が、浮体式洋上風力産業にとって基本的であることがわかっている。
【0007】
-成功する浮体式洋上風力市場は、目的に合致する自動化連続製造設備の利用可能性に依存する。
【0008】
-洋上風力のための自動化連続製造設備の存在は、成熟した予見可能な市場に依存する。
【0009】
しかし、これら2つの前提は互いに排他的であり、実際には、それらの相互依存性に起因して、明確に矛盾している。それでも、既存の連続製造能力と商業的に実行可能な浮体式洋上風力技術との間に架橋技術を慎重に策定することにより、これら前提の相互依存性を弱めることができる。
【0010】
十分に成熟していると識別された既存の連続製造能力は、モノパイル技術である。これは、固定構造の洋上風力において抜きんでて最も成功した基礎概念である。モノパイルの供給者は、10年以上にわたりその技能に磨きをかけ、優れた処理能力並びに真の連続製造理念を有している。
【0011】
しかし、モノパイル技術のマーケットは、モノパイルではもはや実現不可能であるようなより深い水深に位置する新しい現場のために下落している。モノパイル製造者は、浮体式風力に移行するための実現手段を必要としている。
【0012】
これらのニーズと前提との交点である、架橋技術は、本発明の設計理念からあらわれる概念である。本発明は、連続製造し易さの要求を満足させ、モノパイル製造業者における製造ラインに最小限の変更を加えて製造することができる。このことは、最大のハードルである、巨大な初期投資が回避されることを意味する。
【0013】
モノパイル製造業者の連続製造要件内に適合するために、本発明では、コラム(柱状構造)は実質的に鋼鉄製でなければならない。本発明のコラム壁は、鋼鉄の表面及びコンクリートコアを有するサンドイッチ部材であってもよいが、それらは典型的なコンクリート構造の浮体に見られるように鉄筋コンクリートではない。このような複合材料に適合する自動化大規模プロセスは存在しない。
【0014】
いくつかの先行技術のプラットフォームが下記文献に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【文献】英国特許出願公開第2365385号明細書
【文献】米国特許出願公開第2012/103244号明細書
【文献】米国特許出願公開第2013/019792号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の目的は、先行技術の風力プラットフォームよりも量産により適した浮体式金属プラットフォームを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、独立請求項に記載されているように、浮体式金属プラットフォーム、風力タービン、及び浮体式金属プラットフォームを組み立てる方法に関する。好ましい実施形態は、従属請求項に記載されている。
【0018】
先行技術のバリエーションは、その構造においてコンクリートを広く使用しているが、最近では、コンクリートからの環境影響が注目され、将来はあまり魅力的な材料にはならないとみなされている。本発明の基本材料は鋼鉄であり、コンクリートは任意である。
【0019】
洋上設備を支持するための浮体式金属プラットフォームを説明する。前記プラットフォームは、少なくとも3つの細長要素を含み、前記細長要素の各々は、第1の細長部材と、前記第1の細長部材に平行な第2の細長部材と、前記第1の細長部材及び前記第2の細長部材とに接続された少なくとも第1の浮力要素とを含む。前記細長要素の各々は、第1の端と、反対側の第2の端とを有する。前記細長要素の各々の前記第1の端又は前記第2の端の一方は、他の前記細長要素のうちの少なくとも1つの前記第1の端又は前記第2の端の一方に接続されている、浮体式金属プラットフォームが説明される。
【0020】
「接続される」とは、直接的又は間接的に、例えば中間部を介して、接続されると解釈されるべきである。
【0021】
大量生産に適した浮体式金属プラットフォーム、特に、容易に利用可能な製造設備による大量生産に適した浮体式金属プラットフォームが実現される。
【0022】
浮体式金属プラットフォームは、コンクリートを使用することなく構築することができる。
【0023】
浮体式金属プラットフォームは、金属によって完全に構築することができる。好ましい金属の例としては、鋼鉄及びアルミニウムが挙げられる。
【0024】
前記第1及び前記第2の細長要素は、垂直に整列されても、水平に整列されてもよく、その中間の何らかであってもよい。
【0025】
前記第1の細長部材は、第1の端部と、反対側の第2の端部と、それらの間の中間部とを含むことができる。前記第2の細長部材は、第1の端部と、反対側の第2の端部と、それらの間の中間部とを含むことができる。少なくとも前記第1の浮力要素は、前記第1の細長部材及び前記第2の細長部材の前記中間部に接続されてもよい。
【0026】
この構成の利点は、浮力要素を接続するために細長要素を使用する代わりに、浮力要素が細長要素に組み込まれ、すなわち、浮力を提供することに加えて構造要素として使用されることである。従って、浮力要素は、細長要素に対して、要求される剛性を少なくとも部分的に提供することができ、このことは、ひいては、浮体式プラットフォームの剛性を提供する。
【0027】
他の利点は、浮力要素が、各端にのみ配置される代わりに、細長要素に沿ってより均等に分布させることができることである。
【0028】
前記細長要素は、自立式であってもよい。
【0029】
各細長要素は、複数個の浮力要素を含むことができる。1つの浮力要素は、第1及び第2の細長部材の第1の端部に接続されてもよい。1つの浮力要素は、第1及び第2の細長部材の第2の端部に接続されてもよい。接続された2つの細長要素は、1つの共通の浮力要素を有することができる。複数の浮力要素は、第1及び第2の細長部材の中間部に接続されてもよい。
【0030】
前記第1の浮力要素は、第1の端面と、反対側の第2の端面とを含むことができる。前記第1の細長部材は、前記第1の浮力要素の前記第1の端面に接続されてもよく、前記第2の細長部材は、前記第1の浮力要素の前記第2の端面に接続されてもよい。
【0031】
この構成の利点は、よりコンパクトな構造を実現できることである。
【0032】
前記細長部材は、パイプ、プレート、湾曲プレート、強化プレート、サンドイッチ構造でもよく、波形断面又はシートパイル断面を有してもよい。
【0033】
前記洋上設備は、再生可能エネルギー設備、採掘設備、食品製造設備、脱塩設備又は炭化水素製造設備であってもよい。
【0034】
前記洋上設備は、風力タービン、波エネルギー変換機、ソーラーパネル、水産養殖又は建築物であってもよい。
【0035】
前記細長要素は、同一平面内に配置されてもよい。
【0036】
前記細長要素の各々は、前記第1及び前記第2の細長部材に平行な第3の細長部材と、前記第2の細長部材及び前記第3の細長部材に接続された第2の浮力要素とをさらに含むことができる。
【0037】
前記第1の浮力要素及び前記第2の浮力要素(114b)は、前記第2の細長部材(112)の両側に接続され、互いに整列して配置されている。
【0038】
前記第1の浮力要素と前記第2の浮力要素は、前記第2の細長部材の両側に接続され、互いにずれて配置されてもよい。
【0039】
前記細長要素の各々は、平行な細長部材の強化のための強化手段をさらに含んでもよい。
【0040】
前記少なくとも1つの浮力要素は、円筒形であってもよい。円筒形であれば、浮力要素は中心軸を有する。細長要素は、プラットフォームが水域内で浮かんでいるとき、浮力要素の中心軸が実質的に垂直方向に向くように配置されてもよい。あるいは、細長要素は、プラットフォームが水域内で浮かんでいるとき、浮力要素の中心軸が実質的に水平方向に向くように方向づけられてもよい。あるいは、細長要素は、プラットフォームが水域内で浮かんでいるとき、浮力要素の中心軸が任意の方向に向くように方向づけられてもよい。
【0041】
前記少なくとも1つの浮力要素は、外側ライナーと、前記外側ライナーと同心であり、前記外側ライナーよりも小さい直径を有する内側ライナーと、前記外側ライナーと前記内側ライナーとの間の環状部と、を含むことができる。前記環状部にはコンクリートが充填されてもよい。
【0042】
前記少なくとも1つの浮力要素は、前記第1の細長部材、前記第2の細長部材及び/又は前記第3の細長部材のうちの少なくとも2つと平面的な界面を有することができる。
【0043】
前記プラットフォームは、中心ハブを含むことができる。前記細長要素は、前記中心ハブに接続されてもよく、規則的な角度間隔で配置されてもよい。
【0044】
浮体式風力タービンを説明する。浮体式風力タービンは、本明細書に記載の前記金属プラットフォームと、前記プラットフォームに接続されたタワーと、前記タワーに接続された水平軸風力タービンとを含むことができる。
【0045】
前記金属プラットフォームは、中心軸を有する中心ハブを含むことができ、前記タワーは、前記中心軸に沿って延在することができる。
【0046】
前記浮体式風力タービンは、前記細長要素に接続された第1の端と、前記タワーに接続された第2の端とを有するステーケーブルをさらに含むことができる。
【0047】
前記浮体式風力タービンは、前記プラットフォームに接続され、前記タワーの反対方向に延在し、好ましくは前記タワーと同心に配置された中央コラムをさらに含むことができる。
【0048】
前記浮体式風力タービンは、前記細長要素に接続された第1の端と、前記中央コラムに接続された第2の端とを有するステーケーブルをさらに含むことができる。
【0049】
浮体式金属プラットフォームを組立てる方法が説明される。前記方法は、第1の細長部材と、前記第1の細長部材に並行な第2の細長部材とに少なくとも第1の浮力要素を接続することによって、各々が第1の端と反対側の第2の端とを有する少なくとも3つの細長要素を提供するステップと、前記細長要素の各々の前記第1の端又は前記第2の端の一方を、他の前記細長要素のうちの少なくとも1つの第1の端又は第2の端の一方に接続するステップとを含む。
【0050】
前記第1の細長部材は、第1の端部と、反対側の第2の端部と、それらの間の中間部とを含むことができる。前記第2の細長部材は、第1の端部と、反対側の第2の端部と、それらの間の中間部とを含むことができる。前記方法は、少なくとも前記第1の浮力要素を、前記第1の細長部材及び前記第2の細長部材の前記中間部に接続するステップを含むことができる。
【0051】
前記細長要素を提供するステップは、少なくとも第2の浮力要素を、前記第2の細長部材と、前記第1及び前記第2の細長部材に平行な第3の細長部材とに、接続することをさらに含むことができる。
【0052】
前記方法は、前記細長部材に接続された強化手段を用いて、2つの平行な細長部材を強化するステップをさらに含むことができる。
【0053】
前記方法は、少なくとも3つの細長要素に接続可能な中心ハブを提供するステップと、前記細長要素の各々の前記第1の端又は前記第2の端の一方を、他の前記細長要素のうちの少なくとも1つの前記第1の端又は前記第2の端の一方に、前記中心ハブを介して接続するステップとをさらに含むことができる。
【0054】
浮体式風力タービン金属プラットフォームを説明する。このプラットフォームは、中心ハブと、中心ハブに接続された少なくとも3つの細長要素とを含み、細長要素は、規則的な角度間隔をおいて同一平面内に配置され、各細長要素は、第1の細長部材と、第1の細長部材に平行な第2の細長部材と、第1の細長部材及び第2の細長部材に接続された少なくとも1つの浮力要素とを含む。
【0055】
大量生産に適した浮体式プラットフォーム、特に容易に利用可能な製造設備による大量生産に適した浮体式プラットフォームが実現される。
【0056】
浮体式プラットフォームは、コンクリートを使用することなく構築することができる。
【0057】
浮体式プラットフォームは、金属によって完全に構築することができる。好ましい金属の例としては、鋼鉄及びアルミニウムが挙げられる。
【0058】
3つの細長要素が中心ハブに接続される場合、隣接する細長要素間の角度間隔は120度であってもよい。4つの細長要素が中心ハブに接続される場合、隣接する細長要素間の角度間隔は90度であってもよい。5つの細長要素が中心ハブに接続される場合、隣接する細長要素間の角度間隔は72度であってもよい。6つの細長要素が中心ハブに接続される場合、隣接する細長要素間の角度間隔は60度であってもよい。
【0059】
中心ハブは、ボルト締めされたインターフェースなどの、細長要素に接続するための装着手段を含んでもよい。あるいは、中心ハブと細長要素とを溶接してもよい。
【0060】
中心ハブは本体を含んでもよく、この本体は、1つ又は数個の開放端を有する中空体であってもよい。本体は、円筒形であってもよく、垂直に向けられた中心軸を有してもよい。あるいは、円形断面の代わりに、中空体は、多角形の断面を有してもよい。本体は浮力要素であってもよい。本体は、風力タービンタワーに接続するのに適していてもよい。
【0061】
中心ハブは、細長要素の細長部材に接続するのに適したフランジを含むことができる。このようなフランジは、中心ハブの本体に接続されてもよい。
【0062】
プラットフォームの細長要素は、同一サイズを有していてもよい。しかし、プラットフォームの細長要素は異なるサイズを有していてもよい。
【0063】
細長要素に、典型的には細長要素の端に、係留支持体を設けてもよい。
【0064】
細長部材は、任意の押出部材、圧延部材、パイプ、又はプレートであってもよく、強化材を有しても有さなくてもよい。使用することができるいくつかの強化材は、例えば、平坦スティフナ、アングルスティフナ、T字形スティフナ(例えば、Hビーム又はIビーム)、ボックススティフナ、ボックススティフナ、球平型スティフナ、リベット留めアングルスティフナ、片面スティフナ、両面スティフナ、多脚スティフナなどである。細長部材は、積層構造であってもよい。細長部材は、サンドイッチ構造、例えば、コンクリートの中間層を備えた2層の金属層を有してもよい。
【0065】
細長部材は、典型的には、細長要素の長さ及び幅を規定する。
【0066】
浮力要素は、典型的には、中空体であってもよい。あるいは、浮力要素は、海水よりも密度の低い質量体であってもよい。
【0067】
浮力要素は、バラスト手段を含んでもよい。これにより、プラットフォームの安定性向上が達成される。このようにして、プラットフォームの動的特性の調節機能が達成される。このようにして、例えば沿岸又は埠頭における輸送中、低ドラフト(喫水)を達成することができる。バラスト手段は、製造中にタービンを上昇させることを可能にする。
【0068】
細長要素の浮力要素は、異なる形状を有していてもよい。浮力要素の幅は、細長部材の幅と異なっていてもよい。
【0069】
一態様において、各細長要素は、第1及び第2の細長部材に平行な第3の細長部材と、第2の細長部材及び第3の細長部材に接続された少なくとも1つの浮力要素とをさらに含むことができる。
【0070】
細長要素のこのような多層の構成は、スケーラビリティを高め、各層の間に浮力要素を重ねることによって強化手段の必要性を減少させる。
【0071】
第1の細長部材及び第2の細長部材に接続された浮力要素のうちの少なくとも1つは、中心ハブから、中心ハブから第2の細長部材及び第3の細長部材に接続された浮力要素のいずれかまでの距離とは異なる距離に、配置されてもよい。
【0072】
第1の細長部材及び第2の細長部材に接続された浮力要素と、第2の細長部材及び第3の細長部材に接続された浮力要素とは、中心ハブからの対応する距離に、対をなして配置されてもよい。
【0073】
細長要素内の浮力要素の分布は、細長要素の強度及び安定性に影響する。
【0074】
各細長要素は、平行な細長部材の強化のための強化手段をさらに含んでもよい。
【0075】
このようにして、細長要素の強度及び安定性をさらに向上させることができる。
【0076】
強化手段は、構造物に対して機械的に締結又は溶接することができる。機械的に締結する手段の例として、アンカーとシュー、ボルトとナット、ねじ、釘、リベット、接着剤、トング(突起)と溝、等が挙げられる。
【0077】
前記強化手段は、必要な任意の値まで予張されてもよく、あるいは、まったく予張されなくてもよい。
【0078】
前記強化手段は、前記浮力要素の間の間隙における不連続な垂直剪断力を均衡させることができる。前記強化手段は、それらの対が実質的にX形状を形成するように配置されてもよい。前記X字形の対となった強化手段は、予張された場合、細長部材及び浮力要素に対して、力を与える。前記力は、第1の細長部材、第2の細長部材及び浮力要素における圧縮力によって均衡される。適切に構成された場合、溶接部に実質的に垂直な第1の主応力テンソルは、ダイナミックレンジのほとんどにおいて圧縮状態となるように設計することができ、疲労性能を大幅に向上させることができる。
【0079】
あるいは、強化手段を単独で配置してもよい。
【0080】
強化は、細長部材間を接続する予張ケーブル、ストランド、ロッド、バー、チューブ、又は他のビーム断面などの強化手段によって達成され得る。強化は、細長部材に含まれる追加の強化材によっても達成され得る。
【0081】
浮力要素は、円筒形であってもよい。
【0082】
浮力要素は、外側ライナーと、外側ライナーと同心であり、外側ライナーよりも小さい直径を有する内側ライナーと、外側ライナーと内側ライナーとの間の環状部と、を含み、環状部は、コンクリートで充填されてもよい。
【0083】
このようなサンドイッチ構造は大量生産によく適している。
【0084】
浮力要素は、第1の細長部材、第2の細長部材及び/又は第3の細長部材のうちの少なくとも2つとの平面的な界面を有することができる。細長要素が複数の細長要素を含む場合には、この細長要素の浮力要素は、前記細長部材のいずれかとの平面的な界面を有することができる。
【0085】
浮体式風力タービンを説明する。浮体式風力タービンは、本発明のいずれかの態様に係る金属プラットフォームと、前記プラットフォームに接続され、前記プラットフォームの前記中心ハブの中心軸に沿って延在するタワーと、前記タワーに接続された水平風力タービンと、を備えてもよい。
【0086】
浮体式風力タービンは、前記細長要素に接続された第1の端と、前記タワーに接続された第2の端とを有するステーケーブルをさらに含むことができる。
【0087】
浮体式風力タービンは、前記プラットフォームに接続され前記タワーの反対方向に延在し、好ましくは前記タワーと同心に配置された中央コラムをさらに含むことができる。
【0088】
浮体式風力タービンは、前記細長要素に接続された第1の端と、前記中央コラムに接続された第2の端とを有するステーケーブルをさらに含むことができる。
【0089】
浮体式風車は、洋上で使用されてもよい。浮体式風力タービンは、コラム安定式ユニット、半潜水型、スパー設計、又はこれらの任意の組み合わせであってもよい。
【0090】
浮体式風力タービン金属プラットフォームを組み立てる方法を説明する。本方法は、第1の細長部材と、前記第1の細長部材に平行な第2の細長部材とに、少なくとも1つの浮力要素を接続することにより、細長要素を提供するステップと、少なくとも3つの細長要素に接続可能な中心ハブを提供するステップと、少なくとも3つの細長要素を前記中心ハブに接続するステップとを含む。
【0091】
前記細長要素を提供するステップは、少なくとも1つの浮力要素を、前記第2の細長部材と、前記第1及び前記第2の細長部材に平行な第3の細長部材とに接続するステップをさらに含むことができる。
【0092】
前記方法は、前記細長部材に接続された強化手段を用いて2つの平行な細長部材を予張するステップをさらに含むことができる。
【0093】
浮体式プラットフォームは、新たな製造ラインへの投資を必要としない。いわゆるモノパイル、タワー、又は連続製造された他の任意の大径の円筒形鋼鉄製要素を、浮力要素としてそのまま使用することができる。すなわち、本発明は、既存の無関係の構造要素である、モノパイル、を新しい用途に転換する。
【0094】
浮体式プラットフォームは、従来技術の解決策と比較して、構造上の複雑さを低減し、このことは、製造ヤードの利用可能性を増大させる。
【0095】
浮体式プラットフォームは、先行技術の半潜水型において見られる複雑なポンツーン(はしけ)構造の代わりに、構造的強度のための強化プレート及び単純な強化手段を利用する。
【0096】
浮体式プラットフォームは、製造中の高度の自動化を可能にし、このことは、人間を危険に曝すことを制限する。O&G(Oil and Gas)に対すると同様に、浮体式洋上風力におけるHSE(Health,Safety,and Environment)の焦点は、時がたつにつれ増大し、「人不介入」がますます魅力的になることが予見される。
【0097】
以下、本発明を非限定的な実施形態において添付図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【
図1】風力タービンプラットフォームの等角投影図である。
【
図2】風力タービンプラットフォーム、タワー及び水平軸タービンを備える風力タービンの等角投影図である。
【
図3】中心ハブと3つの細長要素とを備える風力タービンプラットフォームの上面図である。
【
図4】ステーワイヤを用いてプラットフォームに接続されたタワーを備えた風力タービンの等角投影図である。
【
図5】タワーと、プラットフォームと、プラットフォームの中心ハブの下方に延設された中心コラムと、中心コラムからプラットフォームの細長要素まで並びにタワーから細長要素までのステーワイヤとを含む、風力タービンの等角投影図である。
【
図6】強化手段による間隙強化システムを備えた2層細長要素構成における風力タービンプラットフォームの等角投影図である。
【
図7】浮力要素を重ね合わせることによる間隙強化システムを備えた2層細長要素構成における風力タービンプラットフォームの等角投影図である。
【
図8】水平三角格子に配列された浮力要素を備えた細長要素の等角投影図である。
【
図9】代替セットの強化手段を備えた細長要素の等角投影図である。
【
図10】中心ハブと細長本体とを含む風力タービンプラットフォームの分解図である。
【
図11a】長尺部材の3つの異なる実施形態の一つの等角投影図である。
【
図11b】長尺部材の3つの異なる実施形態の一つの等角投影図である。
【
図11c】長尺部材の3つの異なる実施形態の一つの等角投影図である。
【
図12】浮力要素又は中心ハブの本体に使用することができるサンドイッチ構造の等角投影図である。
【
図13】代替セットの強化手段を備えた細長要素の等角投影図である。
【
図14】1つの浮力要素を各々有する細長要素を備えた風力タービンプラットフォームの等角投影図である。
【
図15】各層に1つの浮力要素を備えた細長要素を備えた2層細長要素構成における風力タービンプラットフォームの等角投影図である。
【
図16】各層が異なる長さをもつ2層細長要素の等角投影図である。
【
図17】三角形浮体式風力タービンプラットフォームと水平軸タービンとを含む浮体式風力タービンの等角投影図である。
【
図18】三角形浮体式風力タービンプラットフォームと2つの水平軸タービンとを含む浮体式風力タービンの等角投影図である。
【
図19】四角形状の浮体式風力タービンプラットフォームと水平軸タービンとを含む浮体式風力タービンの等角投影図である。
【
図20】四角形状の浮体式風力タービンプラットフォームと2つの水平軸タービンとを含む浮体式風力タービンの等角投影図である。
【発明を実施するための形態】
【0099】
上述の図面、及び以下の特定の構造及び機能についての書面による説明は、出願人が発明した範囲又は添付の特許請求の範囲を限定するために提示されたものではない。むしろ、図面及び書面による説明は、特許保護が求められている開示を構成し使用することを当業者に教示するために提供される。当業者であれば、明確化及び理解のために開示の商業的な実施形態の特徴全てが記載され、又は示されているのではないことが理解されるであろう。当業者はまた、本開示の態様を組み込んだ実際の商業的実施形態を開発する場合、商業的実施形態の開発目標を達成するためには、実装時固有の多くの決定を必要とすることを理解するであろう。このような実装時固有の決定には、システム関連、ビジネス関連、政府関連、その他の制約、のコンプライアンスが含まれ得るが、これらに限定されるものではない。これらの制約は、特定の実装や場所により、また時の経過につれ変化する可能性がある。開発者の努力は絶対的な意味で複雑であり、時間がかかるかもしれないが、このような努力は、それでも、この開示の恩恵に預かる当業者にとっては、日常的な取り組みである。本明細書に開示され教示された開示は、多くの様々な修正及び代替形態が容易であることが理解されなければならない。「a」などの、ただしこれには限定されないが、単数形の使用は、アイテムの数を制限することを意図するものではない。また、「上」「下」「左」「右」「上」「下」「下向き」「上向き」「側」などの、ただしこれには限定されないが、関係語の使用は、図面の具体的参照における明瞭化のために用いられ、本開示の範囲又は特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。
【0100】
本開示は、浮体式コラム安定化プラットフォームのための改良された設計を提供する。以下、本開示の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0101】
図10は、浮体式風力タービンプラットフォーム100の分解斜視図である。浮体式風力タービンプラットフォーム100は、中心ハブ120に接続された3つの細長要素110を含むことができる。
【0102】
図1は、浮体式風力タービンプラットフォーム100の概略斜視図である。浮体式風力タービンプラットフォーム100は、中心ハブ120に接続された3つの細長要素110を含み得る。各細長要素110は、第1の細長部材111と第2の細長部材112との間に配置された3つの浮力要素114を含む。強化手段115は、浮力要素114の間で第1の細長部材111と第2の細長部材112とに接続されてもよい。中心ハブ120は、第1のフランジ121と第2のフランジ122とを含むことができ、第1のフランジ121と第2のフランジ122は第1の細長部材111と第2の細長部材112にそれぞれ接続され、細長要素110を中心ハブ120に結合する。中心ハブ120は、また、第1のフランジ121と第2のフランジ122とに接続された本体124を備えてもよい。
【0103】
図2は、浮体式風力タービンプラットフォーム100と、タワー200と、水平軸風力タービン300とを含む浮体式風力タービン1000を示す。水平軸風力タービン300の代替として、浮体式風力タービン1000は、垂直軸タービン(図示せず)を備えてもよい。
【0104】
図3は、細長要素110の間の、水平面内における角度がα
1、α
2、α
3である、浮体式風力タービンプラットフォーム100の上面図である。角度α
1、α
2、α
3は全て等しくてもよく、あるいは全て異なっていてもよい。あるいは、細長要素110は、それらの間に、α
1=α
2>α
3又はα
1=α
2<α
3となる角度をもって配置されていてもよい。当業者は、同様の角度分布が、3つ以上の細長要素110を有するプラットフォーム100にも適用できることを理解するであろう。
【0105】
図4は、浮体式風力タービン1000がタワー200と浮体式風力タービンプラットフォーム100との間に接続されたステーケーブル500を備え得ることを示す。
【0106】
図5は、中央コラム400が浮体式風力タービンプラットフォーム100の下方に延在してもよいことを示す。延在する中央コラム400は、ステーケーブル500によって浮体式風力タービンプラットフォーム100に接続されてもよい。これらの下側ステーケーブル500は、上側ステーケーブル52からの力を相殺し、力の三角形によって平衡を形成する。
【0107】
図6は、浮体式風力タービンプラットフォーム100の概略斜視図である。浮体式風力タービンプラットフォーム100は、中心ハブ120に接続された2層構造細長要素110の各細長要素110を含み得る。各2層構造細長要素110の構成は、2つの層の3つの浮力要素114a、114bを含むことができる。上層に配置された3つの第1の浮力要素114aは、第1の細長部材111と第2の細長部材112との間に配置されてもよい。下層に配置された3つの第2の浮力要素114bは、第2の細長部材112と第3の細長部材113との間に配置されてもよい。
図6に示すように、3つの上層の第1の浮力要素114aは、水平面において3つの下層の第2の浮力要素114bと実質的に同一位置に設けられてもよい。
【0108】
強化手段115は、第1の浮力要素114aの間で、第1の細長部材111と第2の細長部材112とに接続されてもよい。強化手段115は、第2の浮力要素114bの間で第2の細長部材112と第3の細長部材113とに接続されてもよい。中心ハブ120は、第1の細長部材111と、第2の細長部材112及び第3の細長部材113にそれぞれ接続され、細長要素110を中心ハブ110に結合する第1のフランジ121と、第2のフランジ122と、第3のフランジ123とを備えてもよい。中心ハブ120は、第1のフランジ121と、第2のフランジ122及び第3のフランジ123に接続された本体124を備えてもよい。
【0109】
図7は、浮体式風力タービンプラットフォーム100の概略斜視図である。浮体式風力タービンプラットフォーム100は、中心ハブ120に接続され得る2層構造細長要素110の構成の各細長要素110を含んでもよい。各2層構造細長要素110の構成は、2つの層の4つの浮力要素114a、114bを含むことができる。上層に配置された4つの第1の浮力要素114aは、第1の細長部材111と第2の細長部材112との間に配置されてもよい。下層に配置された4つの第2の浮力要素114bは、第2の細長部材112と第3の細長部材113との間に配置されてもよい。内側の第2の浮力要素114bは、第2の細長部材112と第3の細長部材113との間に部分的に配置され、中心ハブ120の第2のフランジ122と第3のフランジ123との間に部分的に配置されてもよい。4つの上層の第1の浮力要素114aは、
図7に示すように、水平面において4つの下層の第2の浮力要素114と実質的に重なってもよい。
【0110】
中心ハブ120は、細長要素110の第1の細長部材111と、第2の細長部材112と、第3の細長部材113とに接続する第1のフランジ121と、第2のフランジ122と、第3のフランジ123とを含んでもよい。中心ハブ120は、第1のフランジ121と第2のフランジ122とに接続された本体124を備えてもよい。
【0111】
浮体式風力タービンプラットフォーム100は、中心ハブ120を含み得る。中心ハブ120は、細長要素110の細長部材111、112、113に接続することができるフランジ121、122、123と、タワー200に実質的に接続された本体124とを含んでもよい。本体は、任意の必要な機器、バラスト及び浮力要素、並びに電力ケーブルハウジング、海洋引出電力ケーブル、係留支持体等を収容することができる。本体は、風力タービンタワーと細長要素110との間の適切な荷重伝達を確保することができる。
【0112】
細長要素110は、自立構造であり、少なくとも2つの細長部材111、112、113の間に配置され得る少なくとも2つの浮力要素114を含んでもよい。浮力要素114は、細長部材111、112、113に溶接されてもよい。本開示は、自動化製造に適した設計において、細長要素110が構造的連続性と横方向透過性(transverse permeability)とのバランスをとる革新的な設計を提供する。これは、設計の際にシリンダ、四角形プレート、及びロッドなどの単純な幾何学的形状を追及しつつ、その長手方向軸に沿って浮力要素114と強化された間隙とを交互にすることによって達成される。自動化製造に適した設計は、簡単な幾何学的形状のゆえに、既存の連続製造設備に好適である。
【0113】
浮体式風力タービンプラットフォーム100は、少なくとも3つの細長要素110を含むことができる。
【0114】
細長要素110は、単層構造細長要素110の構成を有してもよい。細長要素110はまた、多層構造細長要素110を有していてもよく、複数の細長要素110は、共通の中間細長部材111、112、113を用いて互いに積層される。細長要素110の追加の層は、層の間に浮力要素114を重ねることによってスケーラビリティを高め、強化手段の必要性を低減させる。
【0115】
細長要素110における浮力要素114の個々の水平配置によって形成される水平パターンは、1次元又は2次元であっても、規則的又は不規則であってもよい。規則的なパターンには、5つの2D格子型、すなわち、正方形、四角形、傾斜、菱形、六角形が含まれる。
図1は、規則的な一次元パターンを有する細長要素110を示す。
【0116】
図8は、六方格子型の規則的な二次元パターンを示す。規則的なパターンの繰り返しが、浮力要素114の間の任意の又はランダムな間隙で置き換えられる実施形態において、不規則なパターンを見ることができる。
【0117】
浮力要素114は、細長要素110のために浮力及び区分的構造強度を提供するという二つの目的を有することができる。浮力要素114は、製作及び組立ラインの自動化に適した単純な幾何学的形状を有する。浮力要素114は、製造者の能力に合うように誂えることができ、金属とコンクリートの使用のバランスをとることによって現在の原材料市場に適合させることができる。
【0118】
浮力要素114の垂直断面は、直線状であっても、テーパ状であっても、湾曲していてもよい。
【0119】
浮力要素114の水平断面形状は、円形、卵形、楕円形、曲線三角形、三角形、四角形、カイト形、菱形、五角形、六角形、七角形、八角形、九角形又は十角形からなるグループから選択することができる。
【0120】
浮力要素114は、部分的に又は完全にバラスト材で満たされてもよい。前記バラスト材は、水と、鉱物と、コンクリートとを含むことができる。
【0121】
細長要素110の浮力要素114の垂直壁は、鋼鉄シリンダであってもよい。細長要素110の浮力要素114の垂直壁は、また、外側ライナー117と内側ライナー118との間にグラウト(grout)環状部119を有するサンドイッチ構造であってもよく、好ましくは鋼鉄製である。細長要素110の浮力要素114の垂直壁は、横方向/リング状及び軸方向強化材を含む鋼製の壁であってもよい。
【0122】
第1の細長部材111及び第2の細長部材112は、浮力要素114と結合されて連続構造要素、すなわち、細長要素110を形成してもよい。水中の細長部材111、112、113は、システムに対する流体力学的負荷をさらに導入し、この負荷は、水中の細長部材111、112、113の寸法を変更することによって調整でき、浮体式風力タービンプラットフォーム110の全体的な運動特性を最適化するのに役立つ。細長部材111、112、113は、半径方向における構造性能を提供し、実質的に垂直-半径方向平面内で半径方向の力とモーメントとをバランスさせる。
【0123】
組み立てられたユニットのスケーラビリティを確保し、変化する市況とサプライヤーテクノロジーに対するロバスト性を提供するために、細長部材111、112、113は様々な実施形態を有することができる。細長部材111、112、113は、例えば、均質であっても、サンドイッチ構造であっても、強化されなくても、強化されても、平坦でも、湾曲していてもよい。
【0124】
2つのプレートの間の垂直-半径方向平面において、単層単列構成については、細長要素110のせん断剛性は、浮力要素114の間の間隙において不連続である。この不連続性は、強化手段115及び/又はプレート内強化システムによって緩和され得る。
【0125】
強化は、細長部材111、112、113の間を接続する、予張ケーブル、ストランド、ロッド、バー、チューブ、又は他のビーム断面などの強化手段115によって達成されてもよい。強化は、細長部材111、112、113に含まれる追加の強化材によっても達成され得る。
【0126】
本開示は、強化手段による内部応力の利用に向けた革新的なアプローチを提供する。
図1を参照すると、浮体式風力タービンプラットフォーム100は、36個の強化手段115を備えていてもよい。この強化手段は、浮力要素114の間の間隙における不連続な垂直剪断力を均衡させることができる。強化手段115は、それらが一対で実質的にX形状を形成するように配置されてもよい。前記X形状の対の強化手段115は、予張されると、細長部材111、112、113及び浮力要素114に力を働かせる。前記力は、第1の細長部材111、第2の細長部材112及び浮力要素114の圧縮によって均衡される。適切に構成されたとき、接合部に対して実質的に垂直な第1の主応力テンソルは、ダイナミックレンジのほとんどにおいて圧縮性であるように設計され、疲労性能を大幅に改善する。
【0127】
図9は、単一の細長要素110が、3つの放射状構造のための72個の強化手段115を含み、その数が半径方向に減少する分布をもってもよいことを示す。このように、外側方向に数を減少させることは、部材の厚さを構造全体にわたって均一に保つことができるため、一定数よりも有利である。
【0128】
図11a~cは、細長部材111、112、113の3つの異なる実施形態の等角投影図である。
【0129】
図11aは、細長部材111、112、113が、長手方向平坦強化材を備えたプレートであってもよいことを示す。
【0130】
図1lbは、細長部材111、112、113が、長手方向閉鎖強化材を備えたプレートであってもよいことを示す。
【0131】
図11cは、細長部材111、112、113が、コンクリートコアと鋼鉄ライナーを積層した複合サンドイッチ要素であってもよいことを示す。
【0132】
図12は、管状サンドイッチ構造が外側ライナー117と内側ライナー118とを含むことができることを示す。外側ライナー117と内側ライナー118との間に環状部119を形成することができる。外側ライナー117は、好ましくは、内側ライナー118と同心である。環状部119にはコンクリートが充填されてもよい。このようにして、浮力要素114又は中心ハブ120の本体124において用い得るサンドイッチ要素が形成される。
【0133】
飛沫帯における強化手段115の腐食保護は、腐食代(しろ)又は被覆とすることができる。ケーブル又はストランド強化手段のための腐食保護は、好ましくは、チューブ被覆、より好ましくは加硫ゴムシートからのチューブ被覆であることができる。
【0134】
図13は、代替セットの強化手段115を備えた細長要素110の等角投影図を示す。強化手段115は、単独で配置されてもよい。「単独で」の表現により、2つの強化手段115は、それらの対が実質的にX形状を形成するように配置されていないことが理解される。それでも、同じ細長要素110上に複数の強化手段115が配置されてもよい。強化手段115は、細長部材111、112、113に対して垂直又は傾斜して配置されてもよい。複数の強化手段115が設けられる場合には、これらは互いに平行又は角度をもって配置されてもよい。この代替セットの強化手段115は、浮力要素114の数と層の数とにかかわらず、全ての細長要素110に適用することができる。
【0135】
細長部材11、112、113の縁部に強化手段115を接続してもよい。
【0136】
図14は、各々が1つの浮力要素114を含む3つの細長要素110(第1の細長要素110、第2の細長要素110及び第3の細長要素110)を含む浮体式風力タービンプラットフォーム100の等角投影図である。細長要素110は、強化手段115をさらに備えてもよい。強化手段115は、細長要素110から中心ハブ120まで延在してもよい。あるいは、強化手段115は、細長要素110のみに配置されてもよい。
【0137】
図15は、2層の細長要素構成の浮体式風力タービンプラットフォーム100の等角投影図を示し、各々が各層に1つの浮力要素114a、114bを含む3つの細長要素110(第1の細長要素110、第2の細長要素110及び第3の細長要素110)を含む。細長要素110は、強化手段115をさらに備えてもよい。強化手段115は、細長要素110から中心ハブ120まで延在してもよい。あるいは、強化手段115は、細長要素110のみに配置されてもよい。
【0138】
図16は、各層が異なる長さの2層構造細長要素110の等角投影図である。細長要素110の異なる層は、異なる数の浮力要素114a、114bを含むことができる。細長要素110の異なる層は、異なる数の強化手段115を含むことができる。細長要素110の異なる細長部材111、112、113は、異なる長さを有することができる。
【0139】
強化手段115は、アンカー及びシュー116を用いて予張されてもよい。アンカー及びシュー116は、細長部材111、112、113の内側又は外側に配置することができる。
図16を参照すると、シュー116は、細長部材111、112、113から突出する強化手段115とともに外側に配置されてもよい。シュー116の外側位置は、シュー1116と細長部材111、112、113との間の圧縮応力を導く。本開示は、幾何学的要素の単純さが、構造パラメータセットの低減を可能とし、スケジュール主導の環境における設計反復を加速するという点で、現在のウインドファーム開発者の要求に適した設計に向かう革新的なアプローチを提供する。浮力要素114の間の間隙は、耐水性対構造剛性を調整するための重要なパラメータを提供する。個々の浮力要素114の直径は、浮力要素114の断面形状のまわりの最小外接円の直径として理解することができる。個々の浮力要素114の直径及び高さは、構造能力及び運動特性を最適化するために、間隙パラメータと共に変化させることができるパラメータである。
【0140】
浮体式風力タービンプラットフォーム100は、ステーション位置保持のためのシステムを備えることができる。前記ステーション位置保持システムは、係留システム及びスラスタを含むグループからの構成要素を含むことができる。係留システムは、合成繊維ロープ、鋼鉄チェーン、鋼鉄ケーブル、質量要素、浮力要素、減衰要素を含む群からの構成要素を含み得る。前記係留システムは、サクションアンカー及び魚雷を含む任意の種類のアンカーによって海底に固定されてもよい。
【0141】
三角形及び四角形の浮体式風力タービンプラットフォーム100は、三角形又は四角形の1つ又はいくつかのコーナーに接続された係留システムを有してもよい。タワー200がコーナーの1つに配置される場合には、係留システムは、好ましくは、他のコーナーの少なくとも1つに接続されてもよい。
【0142】
アクセスシステムは、海洋梯子、船舶バンパー、ヘリコプター吊上げステーション及びヘリコプター積み込みパッドからなる群から選択することができる。浮体式風力タービンプラットフォーム100は、腐食保護を含むことができる。前記腐食保護は、犠牲陽極、被覆及び印加電流からなる群から選択することができる。
【0143】
浮体式風力タービンプラットフォーム100は、バラストを含むことができる。
【0144】
浮体式風力タービンプラットフォーム100は、アクティブバラストシステムを含むことができる。前記アクティブバラストシステムは、自律又は手動制御を有することができる。このアクティブバラストシステムは、バラストを移動させて、浮体式風力タービンプラットフォーム100のトリム(傾き)及びドラフト(喫水)を変化させることができる。バラストは固定式であってもよく、トリム及びドラフトは、一時的バラストポンプを使用して変更することができる。
【0145】
浮体式風力タービン1000は、風力タービンタワー200と浮体式風力タービンプラットフォーム100との間にステーケーブル500を備えることができる。
【0146】
浮体式風力タービン1000は、中央コラム400の延長部を、浮体式風力タービンプラットフォーム100の細長要素110より下方のドラフト(喫水)まで備えることができる。浮体式風力タービン1000は、細長要素110を中央コラム400に接続するステーケーブル500を備えてもよい。中央コラム400は、より大きな水深に利用して部分的円柱ブイ効果を含むようにしてもよい。
【0147】
浮体式風力タービンプラットフォーム100の材料は、金属、ポリマー、複合体及びコンクリートを含むセラミックからなる群から選択されてもよい。
【0148】
浮体式風力タービンプラットフォーム100は、構造モニタリングシステムを備えることができる。このモニタリングシステムは、在宅ベース通信を含むことができ、既定された全ての特徴的構造パラメータの状態を継続的に送信し、予知保全、ジャストインタイムの動作決定、及び設計最適化改良のための詳細な学習モデルを可能にする。
【0149】
図17は、浮体式風力タービン1000の等角投影図である。浮体式風力タービン1000は、三角形の浮体式風力タービンプラットフォーム100と、水平軸タービン300とを含み得る。三角形の浮体式風力タービンプラットフォーム100は、3つの細長要素110(第1の細長要素110、第2の細長要素110及び第3の細長要素110)を含むことができる。細長要素110は、1つの層として示されているが、多層であってもよい。
【0150】
三角形の浮体式風力タービンプラットフォーム100の細長部材111、112、113のうちの1つ又は全ては、製造中に接続される別個の部材であってもよく、1つの部品、例えば1つのプレートとして製作されてもよい。
【0151】
図17は、三角形浮体式風力タービンプラットフォーム100の上部に配置されたタワー200上に、水平軸タービン300がどのように配置できるかを示す。タワー200は、好ましくは、三角形浮体式風力タービンプラットフォーム100のコーナーの1つに配置される。あるいは、タワーは、三角形浮体式風力タービンプラットフォーム100の2つのコーナーの間に配置されてもよい。タワー200は、細長部材111上に、浮力要素114とは反対側に、配置されてもよい。
【0152】
図17は、タワー200が浮体式風力タービンプラットフォーム100上にほぼ垂直に延在する様子を示す。このようにして、タワー200は使用中に主として垂直に延在する。
【0153】
図18は、浮体式風力タービン1000の等角投影図である。浮体式風力タービン1000は、三角形の浮体式風力タービンプラットフォーム100と、複数の水平軸タービン300、例えば2つの水平軸タービン300とを含んでもよい。水平軸タービン300は、三角形の浮体式風力タービンプラットフォーム100の各コーナーに配置されてもよい。
【0154】
図18及び
図20は、タワー200が、浮体式風力タービンプラットフォームに対して90度とは異なる角度で延在する様子を示す。この例では、2つの水平軸タービン300は、浮体式風力タービンプラットフォーム100上に配置され、それらのタワー200は、互いに離れるように角度を付けられて、水平軸タービン300の間の水平距離が、浮体式風力タービンプラットフォーム100上のタワー200の接続点間の水平距離よりも大きくなるようにされている。
【0155】
浮体式風力タービンプラットフォーム100上の水平軸タービン300の数が増加するにつれ、必要な浮力が増大する。これは、各浮力要素114の容積を増加させること、及び/又は浮力要素114の数を増加させることによって解決することができる。
【0156】
例示的な図面では、1つの水平軸タービン300を含む三角形の浮体式風力タービンプラットフォーム100が、6つの浮力要素114を備えている場合を示している。そして、2つの水平軸タービン300を含む三角形の浮体式風力タービンプラットフォーム100が9つの浮力要素114を備えている場合を示している。
【0157】
例示的な図面では、1つの水平軸タービン300を含む四角形の浮体式風力タービンプラットフォーム100が、8つの浮力要素114を備えている場合を示している。そして、2つの水平軸タービン300を含む四角形の浮体式風力タービンプラットフォーム100が12個の浮力要素114を備えている場合を示している。
【0158】
図17~
図20に示すように、接続された細長要素110は、1つの浮力要素114を共有してもよい。
【0159】
図19は、四角形の浮体式風力タービンプラットフォーム100と水平軸タービン300とを備える浮体式風力タービン1000の等角投影図である。
【0160】
四角形の浮体式風力タービンプラットフォーム100は、4つの細長要素110(第1の細長要素110、第2の細長要素110、第3の細長要素110及び第4の細長要素110)を含む。
図18において、細長要素110は等しい長さを有し、直角に、すなわち、正方形として配置されている。しかし、細長要素110は、異なる長さ、例えば、2つの異なる長さを有してもよく、2つの細長要素110が等しい長さを有してもよい。細長要素110は、直角に配置されなくてもよく、例えば、2つの鈍角と2つの鋭角とを有してもよい。
【0161】
図19は、四角形状のフローティング風力タービンプラットフォーム100の上部に配置されたタワー200上に、水平軸タービン300がどのように配置できるかを示す。タワー200は、好ましくは、四角形状の浮体式風力タービンプラットフォーム100のコーナーの1つに配置される。あるいは、タワーは、四角形状の浮体式風力タービンプラットフォーム100の2つのコーナーの間に配置されてもよい。タワー200は、細長部材111上に、浮力要素114の反対側に配置されてもよい。
【0162】
図19は、タワー200が、浮体式風力タービンプラットフォーム100上にほぼ垂直に延在する様子を示す。このようにして、タワー200は使用中に主として垂直に延在する。
【0163】
図20は、浮体式風力タービン1000の等角投影図である。浮体式風力タービン1000は、四角形状の浮体式風力タービンプラットフォーム100と、複数の水平軸タービン300、例えば2つの水平軸タービン300とを備えてもよい。水平軸タービン300は、四角形状の浮体式風力タービンプラットフォーム100の各コーナーに配置されてもよい。
【0164】
図17~
図20に示すように、各細長要素110は、第1の端部と、反対側の第2の端部とを有してもよい。細長要素110は、同一平面内に配置されてもよい。各細長要素110の第1の端部又は第2の端部の一方は、他の細長要素110の少なくとも1つの第1の端部又は第2の端部の一方に接続されてもよく、すなわち、2つの細長要素110が他の2つの細長要素と、それらの第1の端部又は第2の端部の一方において互いに接続されてもよい。
図17~20において、これらは、互いに直接接続されている。代替として、これらを、
図3に示すように、間接的に、例えば中心ハブ120を介して相互に接続することができる。
【0165】
図17は、第1の端部における第1の細長要素110が、第2の細長要素110の第1の端部に接続される様子を示す。第1の細長要素110は、さらに、その第2の端部において、第3の細長要素110の第1の端部に第2の端部で接続されてもよい。さらに、第2の細長要素110は、その第2の端部において、第3の細長要素110の第2の端部に接続されてもよい。
【0166】
図17~
図18において、細長要素110の各々が、それぞれの端部において、他の全ての細長要素110に直接接続される様子を示している。
【0167】
図17~
図20において、細長要素110の各々が、別の細長要素110に、それら両方の第1及び第2の端部において接続される様子を示している。
【0168】
本開示の精神から逸脱することなく、上記開示の1つ以上の態様を利用する他のさらなる実施形態を考案することができる。実施形態は、概して、各部を結合するための溶接に関して説明した。これは一般的技術水準が溶接に向いているからである。しかし、本開示は溶接に限定されず、クランピング、注入、締結、ここでさらに定義されるその他の結合手段などの、任意の適切な形態の結合を含むことができる。システムにおけるその他の変形も可能である。
【0169】
さらに、本システムの種々の方法及び実施形態は、互いに組み合わせることにより、開示された方法及び実施形態の変形を生成することも含まれ得る。単数形の要素の説明は、複数の要素を含むことができ、その逆も同様である。少なくとも1つのアイテムに対する参照に続く当該アイテムの参照は、1つ以上のアイテムを含むことができる。また、本開示の理解された目標を達成するために、実施形態の様々な態様を互いに関連させて使用することができる。文脈上他の意味に解すべき場合を除いて、「含む」なる語や、「含んでいる」「含み」などの変形は、少なくとも記載された要素又はステップ又は要素やステップのグループ又はその等価物を包含することを意味し、より大きな数量や任意の他の要素又はステップあるいは要素やステップのグループやその均等物の排除を意味するものではないと理解されるべきである。装置又はシステムは、いくつかの方向及び向きにおいて使用することができる。「連結された」(coupled)、「連結し」(coupling)、「連結器」(coupler)なる語や類似の用語は、本明細書において広く使用され、例えば、各部材の1つ以上の部品を一緒に、例えば、機械的、磁気的、電気的、化学的、動作的、直接的又は中間要素を介して間接的に、固定、固着、接合、締結、装着、結合、内部への挿入、内外で形成、連絡、又はその他の方法で連携するための任意の方法や装置を含み、さらに、制限なしに、1つの機能的部材を別の部材に統合的に一体形成することを含む。連結(coupling)は、回転的方向に生じる場合も含む。
【0170】
これらのステップの順序は、特に具体的に限定されない限り、種々の順序で起こり得る。本明細書に記載される種々のステップは、他のステップと組み合わせ、上記のステップと相互挿入し、及び/又は複数のステップに分割することができる。同様に、要素は機能的に記載されており、別々の構成要素として具体化されてもよく、又は、複数の機能を有する構成要素として組み合わされてもよい。
【0171】
本発明の主題は、好ましい実施形態及び他の実施形態の文脈において記載され、あらゆる実施形態が説明されたのではない。記載された実施形態に対する明らかな修正及び変更は、当業者に利用可能である。開示されたもしくは開示されない実施形態は、出願人が想到した開示の範囲や適用可能性を制限又は制約することを意図するものではなく、むしろ、特許法に基づいて、出願人は、以下の特許請求の範囲又はその均等物の範疇内に入る全ての修正及び改良を完全に保護することを意図している。
【符号の説明】
【0172】
100 浮体式風力タービン金属プラットフォーム
α1、α2、α3 隣接する細長要素間の角度
110、ll0a~c 細長要素、第1~第3の細長要素
110’、110’’ 細長要素の第1及び第2の端(端部)
111 第1の細長部材
111’、111’’、111’’’ 第1の細長部材の第1、第2の端部及び中間部
112 第2の細長部材
112’、112’’、112’’’ 第2の細長部材の第1、第2の端部及び中間部
113 第3の細長部材
113’、113’’、113’’’ 第3の細長部材の第1、第2の端部及び中間部
114 浮力要素
114a、114b 第1及び第2の浮力要素
115 強化手段
116 シュー
117 外側ライナー
118 内側ライナー
119 環状部
120 中心ハブ
121 第1のフランジ
122 第2のフランジ
123 第3のフランジ
124 本体
A 中心線
200 タワー
300 水平軸タービン
400 中央コラム
500 ステーケーブル
1000 浮体式風力タービン