(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-07
(45)【発行日】2025-01-16
(54)【発明の名称】拡張された色域カバレッジ及び低青色発光を有するディスプレイ
(51)【国際特許分類】
G02F 1/13357 20060101AFI20250108BHJP
H10H 20/00 20250101ALI20250108BHJP
G02B 5/20 20060101ALI20250108BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20250108BHJP
C09K 11/61 20060101ALI20250108BHJP
C09K 11/70 20060101ALI20250108BHJP
【FI】
G02F1/13357
H01L33/00 L
G02B5/20 101
G09F9/00 336A
G09F9/00 336J
G09F9/00 313
C09K11/61
C09K11/70
(21)【出願番号】P 2022533317
(86)(22)【出願日】2020-12-09
(86)【国際出願番号】 US2020063925
(87)【国際公開番号】W WO2021119073
(87)【国際公開日】2021-06-17
【審査請求日】2023-12-07
(32)【優先日】2019-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100133503
【氏名又は名称】関口 一哉
(72)【発明者】
【氏名】カマルデロ, サムエル ジョーセフ
(72)【発明者】
【氏名】マーフィー, ジェームス エドワード
【審査官】井亀 諭
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0274416(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0192079(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0088827(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第108063156(CN,A)
【文献】特開2016-071334(JP,A)
【文献】米国特許第09443904(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/13357
H01L 33/00
G02B 5/20
G09F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
LED光源、U
6+
含有蛍光体、赤色蛍光体と、
赤色サブピクセル、緑色サブピクセル、青色サブピクセル
を生成するRGBTカラーフィルタと、
さらにティールサブピクセル又は飽和緑色サブピクセルを
生成するためのティールカラーフィルタまたは飽和緑色カラーフィルタを備え、
前記ティールサブピクセル又は飽和緑色サブピクセルが、前記U
6+
含有蛍光体の線発光のピークを分離することによって生成される、ディスプレイ。
【請求項2】
前記ディスプレイが液晶ディスプレイであり、前記ディスプレイが液晶表示パネルをさらに備え、前記LED光源が1つ以上のLEDバックライトユニットを備え、前記1つ以上のLEDバックライトユニットが、U
6+含有蛍光体に光学的に結合された青色LEDと赤色蛍光体との組合せを備える、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項3】
前記U
6+含有蛍光体及び前記赤色蛍光体が、前記青色LEDの少なくとも一部に配置されるか、又は前記青色LEDから離れて配置される、請求項2に記載のディスプレイ。
【請求項4】
前記U
6+含有蛍光体及び前記赤色蛍光体が、膜の形態である、請求項3に記載のディスプレイ。
【請求項5】
前記青色LEDがミニLEDである、請求項4に記載のディスプレイ。
【請求項6】
前記U
6+含有蛍光体が、約470nmから約505nmの波長範囲において5nm以下の半値全幅を有するピーク線発光、又は約505nmから約525nmの波長範囲において5nm以下の半値全幅を有するピーク線発光を有する、請求項2に記載のディスプレイ。
【請求項7】
前記U
6+含有蛍光体が、BaZn
2(PO
4)
2:U
6+、BaBPO
5:U
6+、K
3UO
2F
5、K
2(UO
2)(SO
4)
2-2H
2O、Cs
2(UO
2)
2(SO
4)
3、BaZnUO
2(PO
4)
2、BaMgUO
2(PO
4)
2、Ba
3(PO
4)
2(UO
2)
2P
2O
7及びSr
3P
4O
13:U
6+からなる群から選択される、請求項2に記載のディスプレイ。
【請求項8】
前記赤色蛍光体が、Mn
4+ドープ錯フッ化物を含む、請求項2に記載のディスプレイ。
【請求項9】
前記赤色蛍光体が、式I:A
2(MF
6):Mn
4+を有し、式中、Aが、Li、Na、K、Rb、Cs、又はそれらの組合せであり、Mが、Si、Ge、Sn、Ti、Zr、Al、Ga、In、Sc、Hf、Y、La、Nb、Ta、Bi、Gd、又はそれらの組合せである、請求項2に記載のディスプレイ。
【請求項10】
前記赤色蛍光体が、K
2(SiF
6):Mn
4+、K
2(TiF
6):Mn
4+、K
2(SnF
6):Mn
4+、Cs
2(TiF
6):Mn
4+、Rb
2(TiF
6):Mn
4+、Cs
2(SiF
6):Mn
4+、Rb
2(SiF
6):Mn
4+、Na
2(SiF
6):Mn
4+、Na
2(TiF
6):Mn
4+、Na
2(ZrF
6):Mn
4+、K
3(ZrF
7):Mn
4+、K
3(BiF
6):Mn
4+、K
3(YF
6):Mn
4+、K
3(LaF
6):Mn
4+、K
3(GdF
6):Mn
4+、K
3(NbF
7):Mn
4+、K
3(TaF
7):Mn
4+からなる群から選択される、請求項2に記載のディスプレイ。
【請求項11】
前記U
6+含有蛍光体が、約470nmから約505nmの波長範囲において5nm以下の半値全幅を有する線発光を有する、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項12】
前記U
6+含有蛍光体が、約505nmから約525nmの波長範囲において5nm以下の半値全幅を有する線発光を有する、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項13】
カラー画像を生成するための表示装置であって、前記表示装置が、LEDバックライトユニットと、液晶表示パネルと、赤色サブピクセル、緑色サブピクセル、青色サブピクセル、及びティールサブピクセル又は飽和緑色サブピクセルを備えるピクセルと、を備え、前記LEDバックライトユニットが、白色光を放射し、U
6+含有蛍光体に光学的に結合された青色LEDと赤色蛍光体との組合せを備える、表示装置。
【請求項14】
前記ピクセルが、ティールサブピクセルを含み、前記
液晶表示パネルが、赤色フィルタ、緑色フィルタ、青色フィルタ及びティールフィルタを備える4色フィルタを備え、前記LEDバックライトユニットからの前記白色光を赤色色点、緑色色点、青色色点及びティール色点にそれぞれ分割し、前記4つの色点が前記
液晶表示パネルの色空間を画定し、前記色空間がD65白色点を有し、前記ティール色点と前記赤色色点との間のタイラインが前記D65白色点よりも下方にあり、前記U
6+含有蛍光体が、約470nmから約505nmの波長及び5nm以下の半値全幅の線発光を有する、請求項13に記載の表示装置。
【請求項15】
前記赤色蛍光体が量子ドット材料を含む、請求項13に記載の表示装置。
【請求項16】
前記ティールサブピクセルが、シアン、ターコイズ、エレクトリックブルー、アクアマリン、及び他の青緑色を含み、約460nmから約550nmの範囲の発光を有するティールカラーフィルタを前記LEDバックライトユニットからの前記白色光に適用することによって生成される、請求項13に記載の表示装置。
【請求項17】
前記飽和緑色サブピクセルが、約505nmから約525nmの範囲の発光を有する飽和緑色カラーフィルタを適用することによって生成される、請求項13に記載の表示装置。
【請求項18】
請求項13に記載の表示装置を備えるテレビ。
【請求項19】
請求項13に記載の表示装置を備える携帯電話。
【請求項20】
請求項13に記載の表示装置を備えるコンピュータモニタ。
【請求項21】
前記LED光源が、赤色マイクロLED、緑色マイクロLED、青色マイクロLED及びティールマイクロLED又は飽和緑色マイクロLEDを備える、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項22】
前記ピクセルが、飽和緑色サブピクセルを含む、請求項13に記載の表示装置。
【請求項23】
前記ピクセルが、ティールサブピクセルを含む、請求項13に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載の主題は、一般に、ディスプレイに関し、より詳細には、拡張された色域カバレッジ及び低減された青色発光を有するカラーディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
テレビ、パーソナルコンピュータ、及びデスクトップコンピュータモニタなどの多くの表示装置又はディスプレイは、液晶ディスプレイ(LCD)パネル及び発光ダイオード(LED)バックライトユニット(BLU)を使用して、表示装置に白色光を提供する。LEDは、電界発光によって活性化されると光を放射するpn接合ダイオードを使用する表示技術である。LEDバックライトユニットは、青色LEDと緑色蛍光体及び赤色蛍光体との組合せに基づくことができる。LED BLUからの白色光は、LCDパネルに向けられる。カラー画像又はカラー表示を生成するために、LCDパネルは、典型的には、三色フィルタを使用して、赤色、緑色、及び青色の三原色の範囲内で光を放射する(総称してRGB又はRGBフィルタと呼ばれる)。
【0003】
表示装置の規格は、より高い色域に押し進められている。超高精細テレビ(UHDTV)のためのUHDアライアンス(超高精細)規格は、ディスプレイがREC2020色域の入力を受け入れることを必要とするが、認証されるためには、ディスプレイは、DCI-P3色の90%以上を再現することができなければならない。多くのディスプレイは、現在、厳しいREC2020要件を再現することができない。
【0004】
紫外(UV)光への長期曝露が概日リズムを乱し、ヒトの皮膚及び眼に損傷を引き起こす可能性があることは周知であり、特に、眼は、コンピュータモニタ、電話及びAR/VRディスプレイなどの近眼ディスプレイにとって懸念される。2020年8月1日付けのEyesafe(登録商標) Standard for Display Devicesからの2020年ガイドラインは、400~500nmの範囲の光と比較して415~455nmの範囲の光の比率が50%未満でなければならない旨を要求している。
【0005】
青色光を低減するために、市場における現在の解決策は、画面の色点をより暖かい白色点にシフトさせるが、青色光の低減のみがRGB比を相殺し、表示画質出力に影響を与える。例えば、画面の色点をより暖かい白色点にシフトすることは、画面を黄色/赤色に見えるようにし、より低い全体の色域をもたらす。
【発明の概要】
【0006】
一態様では、ディスプレイが提供される。ディスプレイは、赤色サブピクセルと、緑色サブピクセルと、青色サブピクセルと、ティールサブピクセル又は飽和緑色サブピクセルを備える第4のサブピクセルと、LED光源と、を備える。
【0007】
別の態様では、カラー画像を生成するための表示装置が提供される。表示装置は、LEDバックライトユニットと、液晶表示パネルと、赤色サブピクセル、緑色サブピクセル、青色サブピクセル、及びティールサブピクセル又は飽和緑色サブピクセルを備える4つのサブピクセルを備えるピクセルと、を備える。LEDバックライトユニットは、U6+含有蛍光体に光学的に結合された青色LEDと赤色蛍光体との組合せを備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示のこれら及び他の特徴、態様、及び利点は、以下の詳細な説明が、図面全体にわたって同様の文字が同様の部分を表す添付の図面を参照して読まれるときに、よりよく理解されるであろう。
【0009】
【
図1A】カラーフィルタにおける青色及び緑色顔料染料の透過グラフである。グラフは、相対透過率対波長(nm)を示す。
【0010】
【
図1B】
図1Aの青色と緑色の重複からのティールカラーフィルタの透過グラフである。グラフは、相対透過率対波長(nm)を示す。
【0011】
【
図2】本開示の一態様にかかる発光ダイオードバックライトユニットの概略図である。
【0012】
【
図3】本開示の一態様にかかる照明装置の概略断面図である。
【0013】
【
図4】本開示の別の態様にかかる照明装置の概略断面図である。
【0014】
【
図5】本開示の別の態様にかかる照明装置の概略断面図である。
【0015】
【
図6】本開示の一態様にかかるバックライト装置の概略斜視図である。
【0016】
【
図7A】エッジ照明式バックライト構成を有する液晶ディスプレイ(LCD)を示している。
【0017】
【
図7B】直接照明式バックライト構成を有する液晶ディスプレイ(LCD)を示している。
【0018】
【
図8】本開示にかかるバックライトユニット又はモジュールを示している。
【0019】
【
図9A】本開示の一態様、比較例及び色標準についての色域を示す(ccx、ccy)におけるグラフ化された色空間である。
【0020】
【
図9B】本開示の一態様、比較例及び色標準についての色域を示す(u’、v’)におけるグラフ化された色空間を示している。
【0021】
【
図10A】比較例及び色標準についての色域を示す(ccx、ccy)におけるグラフ化された色空間である。
【0022】
【
図10B】比較例及び色標準についての色域を示す(u’、v’)におけるグラフ化された色空間である。
【0023】
【
図11A】本開示の一態様及び色標準についての色域を示す、グラフ化された色空間(ccx、ccy)である。
【0024】
【
図11B】本開示の一態様及び色標準についての色域を示す(u’、v’)におけるグラフ化された色空間である。
【0025】
【
図12A】本開示の一態様、比較例及び色標準についての色域を示す(ccx、ccy)におけるグラフ化された色空間である。
【0026】
【
図12B】本開示の一態様、比較例及び色標準についての色域を示す(u’、v’)におけるグラフ化された色空間である。
【0027】
【
図13A】本開示の一態様及び色標準についての色域を示す(ccx、ccy)におけるグラフ化された色空間である。
【0028】
【
図13B】本開示の一態様及び色標準についての色域を示す(u’、v’)におけるグラフ化された色空間である。
【0029】
【
図14】例示的なU
6+含有蛍光体の発光スペクトルである。グラフは、相対強度対波長(nm)を示す。
【0030】
【
図15A】本開示の一態様及び色標準についての色域を示す(ccx、ccy)におけるグラフ化された色空間である。
【0031】
【
図15B】本開示の一態様及び色標準についての色域を示す(u’、v’)におけるグラフ化された色空間である。
【0032】
【
図15C】本開示の一態様及び色標準についての色域を示す(ccx、ccy)におけるグラフ化された色空間である。
【0033】
【
図15D】本開示の一態様及び色標準についての色域を示す(u’、v’)におけるグラフ化された色空間である。
【0034】
【
図15E】本開示の一態様及び色標準についての色域を示す(ccx、ccy)におけるグラフ化された色空間である。
【0035】
【
図15F】本開示の一態様及び色標準についての色域を示す(u’、v’)におけるグラフ化された色空間である。
【0036】
【
図16A】ティールフィルタにおける様々な青色対緑色顔料比の発光スペクトルを示している。グラフは、相対強度対波長(nm)である。
【0037】
【
図16B】
図16Aの青色対緑色比に基づいて(ccx、ccy)においてグラフ化された色空間である。
【0038】
【
図16C】
図16Aの青色対緑色比に基づいて(u’、v’)においてグラフ化された色空間である。
【0039】
別段の指示がない限り、本明細書で提供される図面は、本開示の実施形態の特徴を示すことを意図している。これらの特徴は、本開示の1つ以上の実施形態を含む多種多様なシステムに適用可能であると考えられる。したがって、図面は、本明細書に開示された実施形態の実施に必要とされる当業者に知られている全ての従来の特徴を含むことを意味するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下の明細書及び特許請求の範囲において、以下の意味を有すると定義されるいくつかの用語が参照される。
【0041】
単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈上他に明確に指示されない限り、複数の言及を含む。「一実施形態(one embodiment)」又は「一態様(one aspect)」への言及は、列挙された特徴も組み込む追加の実施形態又は態様の存在を除外するものとして解釈されることを意図しない。全ての参考文献は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0042】
本明細書及び特許請求の範囲を通して本明細書で使用される近似を表す文言は、関連する基本的な機能に変化をもたらすことなく許容範囲で変化することができる任意の定量的表現を修飾するために適用されることができる。したがって、「約(about)」、「実質的に(substantially)」、及び「およそ(approximately)」などの用語によって修飾された値は、明記された厳密な値に限定されるものではない。少なくともいくつかの例では、近似を表す文言は、値を測定するための機器の精度に対応することができる。ここで、並びに明細書及び特許請求の範囲を通して、範囲の限定は、組合せ及び/又は置き換えが可能であり、文脈又は文言が特に指示しない限り、そのような範囲は、識別され、それに含まれる全ての部分範囲を含む。
【0043】
「任意の(optional)」又は「任意に(optionally)」は、続いて記載された事象又は状況が起こっても起こらなくてもよいこと、又は続いて特定された材料が存在しても存在しなくてもよいこと、並びにその説明が、事象又は状況が起こる場合又は材料が存在する場合、及び事象又は状況が起こらない場合又は材料が存在しない場合を含むことを意味する。
【0044】
式中の角括弧は、元素の少なくとも1つが蛍光体組成物中に存在し、それらの2つ以上の任意の組合せが存在することができることを示す。例えば、式[Ca、Sr、Ba]3MgSi2O8:Eu2+、Mn2+は、Ca、Sr若しくはBaのうちの少なくとも1つ、又はCa、Sr若しくはBaのうちの2つ以上の任意の組合せを包含する。例は、Ca3MgSi2O8:Eu2+.Mn2+、Sr3MgSi2O8:Eu2+.Mn2+又はBa3MgSi2O8:Eu2+.Mn2+を含む。コロン「:」の後に活性化剤を含む式は、蛍光体組成物が活性化剤でドープされていることを示す。結腸「:」の後に「、」によって分離された2つ以上の活性化剤を示す式は、蛍光体組成物がいずれかの活性化剤又は双方の活性化剤でドープされていることを示す。例えば、式[Ca、Sr、Ba]3MgSi2O8:Eu2+、Mn2+は、[Ca、Sr、Ba]3MgSi2O8:Eu2+、[Ca、Sr、Ba]3MgSi2O8:Mn2+又は[Ca、Sr、Ba]3MgSi2O8:Eu2+及びMn2+を包含する。
【0045】
一態様では、ディスプレイが提供される。ディスプレイは、赤色サブピクセルと、緑色サブピクセルと、青色サブピクセルと、ティールサブピクセル又は飽和緑色サブピクセルを備える第4のサブピクセルと、LED光源と、を備える。
【0046】
表示装置又はディスプレイは、電気信号をピクセル化された多色ディスプレイに変換することによって、プロセッサ又は他のタイプの情報管理システムから情報又は画像を提供する。1つのタイプのディスプレイは、ピクセルのアレイを有するLED(発光ダイオード)ディスプレイであってもよい。ディスプレイは、光を生成するための有機発光ダイオード層を有するマイクロLED又は有機発光ダイオードディスプレイ(OLED)などの自発光性であってもよい。液晶ディスプレイ(LCD)は、LED光源及び個々の液晶セルなどからのバックライトを使用する。ディスプレイ用途は、テレビ、プラズマスクリーン、ホーム及びシアター投影、デジタルフォトフレーム、タブレット、自動車用ディスプレイ、電子書籍リーダ、電子辞書、デジタルカメラ、コンピュータ、ラップトップ、コンピュータモニタ、電子キーボード、携帯電話又は従来の電話、携帯電話、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ゲーム機器、ディスプレイを有する他のハンドヘルド機器、及び画面を有する他の電子機器を含むが、これらに限定されない。これらの用途のリストは、単に例示的なものであり、網羅的なものではないことを意味する。
【0047】
一態様では、表示装置は、4つの色直接変換RGBT LEDを備える。別の態様では、表示装置は、AR/VRアプリケーションなどの眼の近くにあってもよい。
【0048】
一態様では、LED光源は、発光ダイオードである。一実施形態では、LED光源は、色変換を有するマイクロLED又はミニLEDであってもよい。一態様では、LED光源は、有機発光ダイオード(OLED)、マイクロ青色LED、マイクロ赤色LED、マイクロ緑色LED及びマイクロティールLED又はマイクロ飽和緑色LEDのアレイ、半導体レーザダイオード(LD)、又はLEDとLDとのハイブリッドを含んでもよい。さらに、LED光源は、特に明記しない限り、別の放射源によって置き換えられ、補足され、又は増強されてもよく、半導体、半導体LED、又はLEDチップへの言及は、LD及びOLEDを含むがこれらに限定されない任意の適切な放射源を表すにすぎないことを理解されたい。
【0049】
一態様では、ピクセルは、赤色サブピクセル、緑色サブピクセル、青色サブピクセル及びティールサブピクセル又は飽和緑色サブピクセルを含む4つのサブピクセルを含む。ピクセルは、直接発光又はカラーフィルタを用いて作製されることができる。一態様では、ピクセルは、青色マイクロLED、赤色マイクロLED、緑色マイクロLED及びティールマイクロLED又は飽和緑色マイクロLEDによって生成されてもよい。別の態様では、ピクセルは、赤色フィルタ、緑色フィルタ、青色フィルタ及びティールフィルタ又は飽和緑色フィルタを含む4色カラーフィルタによって生成されてもよい。
【0050】
一実施形態では、赤色カラーフィルタは、赤色スペクトルの発光を可能にする。別の実施形態では、赤色カラーフィルタは、590nm以上の波長の光を透過する。一態様では、青色カラーフィルタ顔料は、約390nmから約500nmの範囲で透過し、緑色カラーフィルタ顔料は、約460nmから約620nmの範囲で透過する。
【0051】
一態様では、4色カラーフィルタ122は、ガラス基材と、4つのピクセルのそれぞれに対応する色材又はカラーレジストとを有する。一実施形態では、カラーフィルタは、赤色カラーレジスト、緑色カラーレジスト、青色カラーレジスト、及びティールカラーレジスト又は飽和緑色カラーレジストのいずれかを有する。従来のカラーフィルタ及びフィルタ顔料及び他の色材が使用されて、赤色サブピクセル部分、緑色サブピクセル部分、青色サブピクセル部分及びティールサブピクセル部分又は飽和緑色サブピクセル部分を含むカラーフィルタを調製又は取得することができる。
【0052】
ティールという用語は、シアン、ターコイズ、エレクトリックブルー、アクアマリン、及び他の青緑色を含む。ティールサブピクセルは、ティールカラーフィルタ又はティールLEDを適用することによって生成されることができる。ティールカラーフィルタ又はティールLEDは、約460nmから約550nmの範囲の発光を有する。別の態様では、発光は、約470nmから約525nmの範囲である。別の実施形態では、発光は、約480nmから約510nmの範囲である。ティールサブピクセル又はシアンサブピクセルは、青色及び緑色カラーフィルタ顔料を一緒にブレンドし、青色及び緑色顔料の間の重複領域に第4のサブピクセル部分を形成することによって作製されることができる。一態様では、青色カラーフィルタ顔料は、約390nmから約500nmの範囲内で透過し、緑色カラーフィルタ顔料は、約460nmから約620nmの範囲内で透過し、これらの顔料間の重複領域は、約460nmから約550nmの範囲内である。
【0053】
図1Aは、青色カラーフィルタ顔料及び緑色カラーフィルタ顔料の波長範囲を示す分光透過グラフを提供している。青色顔料と緑色顔料との間の重複領域は、約460nmから約550nmの範囲の透過率を示す
図1Bに示すティール又はシアンカラーサブピクセルを画定する。一態様では、ティールサブピクセルの色点は、4色RGBTフィルタによって取得されることができる。青色対緑色比を変えることによって、ティールの色を変えることができる。一実施形態では、ティールサブピクセルは、青色対緑色比を約1:3から約3:1の量で変化させることができる。別の実施形態では、青色対緑色比は、約1:2から約2:1の量であってもよい。別の実施形態では、青色対緑色比は、1:1の量であってもよい。これらは、ティールサブピクセルを生成するためのブレンド比の例であることを意図しているが、ティールカラーフィルタの比及び光学濃度が変更されて全体の表示を最適化することができる。
【0054】
飽和緑色サブピクセルは、飽和緑色カラーフィルタ又は飽和緑色LEDを適用することによって生成されることができる。飽和緑色カラーフィルタ又は飽和緑色LEDは、約505nmから約525nmの範囲の発光を有する。別の実施形態では、発光は、約510nmから約525nmの範囲内であってもよい。飽和緑色カラーフィルタは、青色及び緑色カラーフィルタ顔料を一緒にブレンドすることによって作製されることができる。
【0055】
本開示の一態様では、表示装置が提供される。表示装置は、発光ダイオード(LED)バックライトユニット(BLU)と、液晶ディスプレイ(LCD)パネルと、赤色サブピクセル、緑色サブピクセル、青色サブピクセル及びティールサブピクセル又は飽和緑色サブピクセルを含むピクセルとを備える。LEDバックライトユニットは、U6+含有蛍光体に光学的に結合された青色LEDと赤色蛍光体との組合せを備える。
【0056】
ディスプレイ又は表示装置は、カラー画像を表示するように構成されたLCDパネルを備える。LCDパネルは、それ自体光を放射することができず、LEDバックライトユニットを使用して、LCDパネルを通過するための白色バックライトを提供する。LEDは、エレクトロルミネセンスによって活性化されると光を放射するためにpn接合ダイオードを使用する。光の色は、半導体材料のエネルギーバンドギャップに応じた光子のエネルギーに対応する。
【0057】
LEDバックライトユニットは、U6+含有蛍光体に光学的に結合された青色LEDと赤色蛍光体との組合せを備える。LEDは、青色光を放射し、赤色蛍光体及びU6+含有蛍光体は、放射された青色光の一部を吸収し、それぞれ赤色光及び緑色光を放射する。赤色蛍光体及び緑色蛍光体から放射された光は、青色LEDから放射された光と混合し、白色光を生成し、それは、LCDパネル及び4色RGBT又はRGGBフィルタを通過してカラー表示画像を生成する。
【0058】
一態様では、青色LEDは、式In
iGa
jAl
kN(式中、
かつ
)の窒化化合物半導体に基づく青色発光LED半導体ダイオード又は青色発光GaInNチップであってもよい。一態様では、青色LEDは、約400から約500nmの範囲のピーク波長を有する青色光を放射する。別の態様では、青色LEDは、約440から約460nmのピーク発光波長を有する。別の態様では、青色LEDは、約450から約465nmのピーク発光波長を有する。別の態様では、青色LEDは、約444nmのピーク波長を有する青色光を放射する。別の態様では、BLUは、複数のLEDを備える。
【0059】
一態様では、緑色発光U6+含有蛍光体は、近UV又は青色領域(約400nmから470nmの波長範囲)の放射線を吸収する。U6+イオンは、可視スペクトル全体をカバーする波長で放射することができる。U6+イオンとホスト格子の配位に応じて、蛍光体は、40nmから65nmのFWHMを有する広帯域として、又は緑色範囲(490nmから560nm)の複数のピークとして緑色範囲(490nmから560nm)で発光することができる。一実施形態では、蛍光体は、5つのピークからなる線発光を有し、各ピークは、2nmから15nmのFWHMを有する。一実施形態では、線発光は、約470nmから約505nmの範囲とすることができる。別の実施形態では、線発光は、約480nmから約500nmの範囲内である。別の実施形態では、線発光は、約485nmから約505nmの範囲内であってもよい。別の実施形態では、線発光は、約490nmから約500nmの範囲内であってもよい。別の実施形態では、線発光は、約495nmから約500nmの範囲内であってもよい。別の実施形態では、U6+含有蛍光体は、約505nmから約530nmの波長範囲の線発光を有する。別の実施形態では、線発光は、約510nmから約530nmの範囲内であってもよい。別の実施形態では、線発光は、約515nmから約525nmの範囲内であってもよい。別の実施形態では、線発光は、約518nmから約525nmの範囲内であってもよい。別の態様では、線発光は、約520nmから約525nmの範囲内であってもよい。別の態様では、U6+含有蛍光体は、5nm以下の半値全幅(FWHM)を有する別個の線として発光する。別の態様では、U6+含有蛍光体は、約2nmから約5nmのFWHMを有する別個の線として発光する。別の態様では、U6+含有蛍光体は、約2nmでFWHMを有する別個の線として発光する。緑色発光U6+含有蛍光体は、蛍光体化合物のホスト内にU6+を含有してもよく、又は活性化剤イオンU6+で活性化又はドープされてもよい。一態様では、U6+含有蛍光体は、U6+の特性線発光スペクトルを有するU6+含有蛍光体である。別の態様では、U6+含有蛍光体は、BaZn2(PO4)2:U6+、BaBPO5:U6+、K3UO2F5、K2(UO2)(SO4)2-2H2O、Cs2(UO2)2(SO4)3、BaZnUO2(PO4)2、BaMgUO2(PO4)2、Ba3(PO4)2(UO2)2P2O7又はSr3P4O13:U6+を含む。
【0060】
リン化合物BaBPO5:U6+及びSr3P4O13:U6+は、米国特許出願公開第2019/0088827号明細書に記載されている。BaZnUO2(PO4)2は、化学量論量のBaCO3、ZnO、UO2及び(NH4)2HPO4(DAP)を組み合わせ、混合物を完全にブレンドして粉末を形成し、ブレンドを500℃で焼成してDAPを分解し、1000から1100℃で焼成して組成物を生成することによって調製されることができる。BaMgUO2(PO4)2は、化学量論量のBaCO3、MgO、UO2及び(NH4)2HPO4(DAP)を組み合わせることによって同様に調製されることができる。Ba3(PO4)2(UO2)2P2O7は、化学量論量のBaCO3、UO2及び(NH4)2HPO4(DAP)を組み合わせることによって同様に調製されることができる。
【0061】
緑色発光U6+含有蛍光体は、追加の緑色蛍光体とともに使用されることができる。任意の適切な緑色発光蛍光体が使用されることができる。緑色蛍光体の例は、米国特許出願公開第2019/008827号明細書に開示されており、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0062】
一態様では、追加の緑色蛍光体は、25nmから60nmのFWHMの広帯域で発光することができる。別の態様では、追加の緑色蛍光体は、セリウムドープイットリウムアルミニウムガーネット、Ce:YAG、又はβ-SiAlON:Eu2+であってもよい。別の態様では、追加の緑色発光U6+ドープ蛍光体は、Sr3B2O6:U6+、Ca3B2O6:U6+、Ca10P6O25:U6+、Sr10P6O25:U6+、Sr4AlPO8:U6+、Ba4AlPO8:U6+、Sr2SiO4:U6+、Ca2SiO4:U6+、Sr3Al2O6:U6+、Ca3Al2O6:U6+、Ca12Al14O33:U6+、Ca2Al2SiO7:U6+、Ca2BO3Cl:U6+、Ca2PO4Cl:U6+、Ca5(PO4)3Cl:U6+、Sr5(BO3)3Cl:U6+、Ca2GeO4:U6+、Sr2GeO4:U6+、Ca3V2O8:U6+、NaCaPO4:U6+、Ca3In2O6:U6+、LiSrBO3:U6+、LiCaBO3:U6+、Sr3Ga2O6:U6+及びLiSr4B3O9:U6+の緑色ケイ酸塩及び緑色硫化物を含んでもよい。
【0063】
一態様では、赤色蛍光体は、高域蛍光体であってもよい。一態様では、赤色発光蛍光体は、Mn4+ドープ錯フッ化物蛍光体を含んでもよい。一態様では、Mn4+ドープ蛍光体は、式I:A2(MF6):Mn4+を有し、式中、Aは、Li、Na、K、Rb、Cs、又はそれらの組合せであり、Mは、Si、Ge、Sn、Ti、Zr、Al、Ga、In、Sc、Hf、Y、La、Nb、Ta、Bi、Gd、又はそれらの組合せである。Mn4+ドープ蛍光体のいくつかの例は、K2(SiF6):Mn4+、Na2SiF6:Mn4+、K2(TiF6):Mn4+、K2(SnF6):Mn4+、Cs2(TiF6):Mn4+、Rb2(TiF6):Mn4+、Cs2(SiF6):Mn4+、Rb2(SiF6):Mn4+、Na2(TiF6):Mn4+、Na2(ZrF6):Mn4+、K3(ZrF7):Mn4+、K3(BiF7):Mn4+、K3(YF7):Mn4+、K3(LaF7):Mn4+、K3(GdF7):Mn4+、K3(NbF7):Mn4+及びK3(TaF7):Mn4+を含むが、これらに限定されない。一態様では、赤色蛍光体は、マンガンをドープしたフルオロケイ酸カリウム(PFS)である。別の実施形態では、赤色蛍光体は、K2SiF6:Mn4+であってもよい。別の態様では、赤色蛍光体は、ユーロピウム活性化酸化イットリウム蛍光体(Y2O3:Eu3+;YOE)、ユーロピウム活性化バナジン酸イットリウム-ホスフェート(Y[P、V]O4:Eu)又はセリウム及びマンガン活性化ガドリニウム(CBM)、MFG、赤色SiAlON及び赤色窒化物であってもよい。
【0064】
図2は、LEDバックライトユニット10又は装置の例示的な実施形態を示している。LEDバックライトユニット10は、LED光源12と、U
6+含有蛍光体及び赤色蛍光体を含む蛍光体材料14とを含む。LED光源12は、青色発光LEDを含むことができる。いくつかの実施形態では、LED光源12は、約440nmから約460nmの波長範囲の青色光を生成する。LEDバックライトユニット10では、U
6+含有蛍光体及び赤色蛍光体を含む蛍光体材料14がLED光源12に光学的に結合されている。光学的に結合されるとは、LED光源12からの放射が蛍光体材料14を励起することができ、蛍光体材料14が放射による励起に応答して光を放射することができることを意味する。蛍光体材料14は、LED光源12の少なくとも一部又は部分に配置されてもよく、又はLED光源12から所定距離離れて配置されてもよい。バックライトユニット及び関連装置は、米国特許出願公開第2017/0254943号明細書に記載されている。
【0065】
蛍光体材料14は、粉末、フィルム、有機マトリックス中に分散した蛍光体、ガラス又は複合体などの任意の形態で存在することができる。蛍光体材料は、層、シート、ストリップ、チップ上の分散微粒子、又はそれらの組合せとして使用されることができる。一態様では、蛍光体材料は、LED光源12の表面に取り付けられた又は配置されたシート又はストリップの形態である。一実施形態では、蛍光体材料14は、ガラス形態であってもよい。別の実施形態では、蛍光体材料は、蛍光体ホイール(図示せず)の形態であってもよい。蛍光体ホイール及び関連する装置は、国際公開第2017/196779号パンフレットに記載されている。一態様では、青色LEDは、蛍光体材料によってコーティング又は被覆される。別の態様では、蛍光体材料は、粉末形態であり、青色LEDをコーティング又は被覆する。別の態様では、青色LEDの周りに蛍光体層が形成される。別の態様では、各蛍光体は、青色LEDの表面上の別個の層にある。別の態様では、蛍光体を含むポリマー複合層が青色LEDの表面上に形成される。
【0066】
バックライトユニットに使用されることができるLED光源の例は、米国特許出願公開第2019/0088827号明細書に開示されており、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0067】
蛍光体材料は、1つ以上の他の発光材料をさらに含んでもよい。一実施形態では、発光材料は、ポリフルオレン、例えばポリ(9,9-ジオクチルフルオレン)及びそのコポリマー、例えばポリ(9,9’-ジオシル-フルオレン-コ-ビス-N,N’-(4-ブチルフェニル)ジフェニルアミン)(F8-TFB)、ポリ(ビニルカルバゾール)及びポリフェニレンビニレン並びにそれらの誘導体であってもよい。青色、黄色、赤色、橙色、又は他の色の蛍光体などの追加の発光材料が蛍光体材料に使用されて、得られる光の白色をカスタマイズし、特定のスペクトル出力分布を生成することができる。蛍光体材料に使用するのに適した追加の蛍光体は、((Sr
1-z[Ca、Ba、Mg、Zn]
z)
1-(x+w)[Li、Na、K、Rb]
wCe
x)
3(Al
1-ySi
y)O
4+y+3(x-w)F
1-y-3(x-w)、(式中、
、
、
、
)、[Ca、Ce]
3Sc
2S
3O
12(CaSiG);[Sr、Ca、Ba]
3Al
1-xSi
xO
4+xF
1-x:Ce
3+(SASOF));[Ba、Sr、Ca]
5(PO
4)
3[Cl、F、Br、OH]:Eu
2+、Mn
2+;[Ba、Sr、Ca]BPO
5:Eu
2+、Mn
2+;[Sr、Ca]
10(PO
4)
6*vB
2O
3:Eu
2+(式中、
);Sr
2Si
3O
8*
2SrCl
2:Eu
2+;[Ca、Sr、Ba]
3MgSi
2O
8:Eu
2+、Mn
2+;BaAl
8O
13:Eu
2+;2SrO*0.84P
2O
5*0.16B
2O
3:Eu
2+;[Ba、Sr、Ca]MgAl
10O
17:Eu
2+、Mn
2+;[Ba、Sr、Ca]Al
2O
4:Eu
2+;[Y、Gd、Lu、Sc、La]BO
3:Ce
3+、Tb
3+;ZnS:Cu
+、Cl
-;ZnS:Cu
+、Al
3+;ZnS:Ag
+、Cl
-;ZnS:Ag
+、Al
3+;[Ba、Sr、Ca]
2Si
1-nO
4-2n:Eu
2+(式中、
);[Ba、Sr、Ca]
2[Mg、Zn]Si
2O
7:Eu
2+;[Sr、Ca、Ba][Al、Ga、In]
2S
4:Eu
2+;[Y、Gd、Tb、La、Sm、Pr、Lu]
3[Al、Ga]
5-aO
12-3/2a:Ce
3+(式中、(
);[Ca、Sr]
8[Mg、Zn](SiO
4)
4Cl
2:Eu
2+、Mn
2+;Na
2Gd
2B
2O
7:Ce
3+、Tb
3+;[Sr、Ca、Ba、Mg、Zn]
2P
2O
7:Eu
2+、Mn
2+;[Gd、Y、Lu、La]
2O
3:Eu
3+、Bi
3+;[Gd、Y、Lu、La]
2O
2S:Eu
3+、Bi
3+;[Gd、Y、Lu、La]VO
4:Eu
3+、Bi
3+;[Ca、Sr]S:Eu
2+、Ce
3+;SrY
2S
4:Eu
2+;CaLa
2S
4:Ce
3+;[Ba、Sr、Ca]MgP
2O
7:Eu
2+、Mn
2+;[Y、Lu]
2WO
6:Eu
3+、Mo
6+;[Ba、Sr、Ca]
bSi
gN
m:Eu
2+(式中、
);Ca
3(SiO
4)Cl
2:Eu
2+;[Lu、Sc、Y、Tb]
2-u-vCe
vCa
1+uLi
wMg
2-wP
w(Si、Ge)
3-
wO
12-u/2(式中、
、
、
);[Y、Lu、Gd]
2-m[Y、Lu、Gd]Ca
mSi
4N
6+mC
1-m:Ce
3+、(式中、
);[Lu、Ca、Li、Mg、Y]、Eu
2+及び/又はCe
3+でドープされたα-SiAlON;Sr(LiAl
3N
4):Eu
2+、[Ca、Sr、Ba]SiO
2N
2:Eu
2+、Ce
3+;β-SiAlON:Eu
2+、3.5MgO*0.5MgF
2*GeO
2:Mn
4+;Ca
1-c-fCe
cEu
fAl
1+cSi
1-cN
3、(式中、
、
);Ca
1-h-rCe
hEu
rAl
1-h[Mg、Zn]
hSiN
3、(式中、
、
);Ca
1≦2s-tCe
s[Li、Na]
sEu
tAlSiN
3、(式中、
、
、
);[Sr、Ca]AlSiN
3:Eu
2+、Ce
3+、Li
2CaSiO
4:Eu
2+を含むことができるが、これらに限定されない。さらに、発光層は、青色、黄色、橙色、緑色若しくは赤色のリン光性染料若しくは金属錯体、量子ドット材料、又はそれらの組合せを含んでもよい。リン光発光染料としての使用に適した材料は、トリス(1-フェニルイソキノリン)イリジウム(III)(赤色染料)、トリス(2-フェニルピリジン)イリジウム(緑色染料)及びイリジウム(III)ビス(2-(4,6-ジフルオレフェニルオピリジナト-N,C2)(青色染料)を含むが、これらに限定されない。ADS(American Dyes Source,Inc.)から市販されている蛍光及びリン光金属錯体も使用されることができる。ADS緑色染料は、ADS060Ge、ADS061Ge、ADS063Ge、及びADS066Ge、ADS078Ge、及びADS090Geを含む。ADS青色染料は、ADS064BE、ADS065BE、ADS070BEを含む。ADS赤色染料は、ADS067RE、ADS068RE、ADS069RE、ADS075RE、ADS076RE、ADS067RE及びADS077REを含む。
【0068】
蛍光体材料中の個々の蛍光体のそれぞれの比は、所望の光出力の特性に応じて変化することができる。様々な蛍光体材料中の個々の蛍光体の相対的な割合は、それらの発光が混合されて装置、例えば照明装置に使用される場合、CIE色度図上の所定のx及びy値の可視光が生成されるように調整されることができる。
【0069】
蛍光体材料に使用するのに適した他の追加の発光材料は、量子ドット材料を含んでもよい。一実施形態では、ディスプレイは、量子ドット強化膜を含むことができる。例示的な量子ドット材料は、II-VI族化合物、III-V族化合物、IV-IV族化合物、IV族化合物、I-III-VI2族化合物又はそれらの組合せとすることができる。IIからVI族化合物の例は、CdSe、CdTe、CdS、ZnSe、ZnTe、ZnS、HgTe、HgS、HgSe、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnS、HgZnSe、HgZnTe、CdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTe、HgZnSTe、又はそれらの組合せを含むが、これらに限定されない。III-V族化合物の例は、GaN、GaP、GaAs、AlN、AlP、AlAs、InN、InP、InAs、GaNP、GaNAs、GaPAs、AlNP、AlNAs、AlPAs、InNP、InNAs、InPAs、GaAlNP、GaAlNAs、GaAlPAs、GaInNP、GAlnNAs、GAlnPAs、InAlNP、InAlNAs、InAlPAs、及びそれらの組合せを含むが、これらに限定されない。IV族化合物の例は、Si、Ge、SiC、及びSiGeを含むが、これらに限定されない。I-III-VI2族カルコパイライト型化合物の例は、CuInS2、CuInSe2、CuGaS2、CuGaSe2、AgInS2、AgInSe2、AgGaS2、AgGaSe2及びそれらの組合せを含むが、これらに限定されない。
【0070】
QD材料は、コア、コア上にコーティングされた少なくとも1つのシェル、及び1つ以上のリガンド、好ましくは有機ポリマー性リガンドを含む外側コーティングを含むコア/シェルQDであってもよい。コア-シェルQDを作製するための例示的な材料は、Si、Ge、Sn、Se、Te、B、C(ダイヤモンドを含む)、P、CO、Au、BN、BP、Bas、AlN、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InN、InP、InAs、InSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdSeZn、CdTe、HgS、HgSe、HgTe、BeS、BeSe、BeTe、MgS、MgSe、MnS、MnSe、GeS、GeSe、GeTe、SnS、SnSe、SnTe、PbO、PbS、PbSe、PbTe、CuF、CuCl、CuBr、CuI、Si3N4、Ge3N4、Al2O3、(Al、Ga、In)2(S、Se、Te)3、Al2CO、及び2つ以上のそのような材料の適切な組合せを含むが、これらに限定されない。例示的なコア-シェル発光ナノ結晶は、CdSe/ZnS、CdSe/CdS、CdSe/CdS/ZnS、CdSeZn/CdS/ZnS、CdSeZn/ZnS、InP/ZnS、PbSe/PbS、PbSe/PbS、CdTe/CdS及びCdTe/ZnSを含むが、これらに限定されない。量子ドット材料の他の例は、CsPbX3などのペロブスカイト量子ドットを含み、式中、Xは、Cl、Br、I、又はそれらの組合せである。一態様では、赤色蛍光体は、量子ドット材料であってもよい。
【0071】
図3は、いくつかの実施形態にかかる、照明装置又はランプ20を示している。照明装置20は、LEDチップ22と、LEDチップ22に電気的に取り付けられたリード24とを含む。リード24は、より厚いリードフレーム26によって支持された細いワイヤを含むことができ、又はリード24は、自己支持電極を含むことができ、リードフレームは、省略されてもよい。リード24は、LEDチップ22に電流を供給し、したがってそれに放射線を放射させる。
【0072】
LEDチップ22は、エンベロープ28内に封入されてもよい。エンベロープ28は、例えばガラス又はプラスチックから形成されることができる。LEDチップ22は、封入材料32によって囲まれてもよい。封入材料32は、低温ガラス、又は当該技術分野において公知のポリマー若しくは樹脂、例えば、エポキシ、シリコーン、エポキシ-シリコーン、アクリレート、又はそれらの組合せであってもよい。代替的な実施形態では、照明装置20は、エンベロープ28なしで封入材料32のみを含むことができる。エンベロープ28及び封入材料32の双方は、光がそれらの要素を透過することができるように透明でなければならない。
【0073】
引き続き
図3を参照すると、本明細書に記載の蛍光体材料の層34は、LEDチップ22の表面21に配置される。層34は、任意の適切な方法によって、例えばシリコーンと蛍光体材料とを混合することによって調製されたスラリーを使用して配置されることができる。そのような方法の一例では、蛍光体材料の粒子がランダムに懸濁されたシリコーンスラリーがLEDチップ22の周りに配置される。この方法は、層34及びLEDチップ22の可能な位置の単なる例示である。図示されるように、層34は、例えば、LEDチップ22上にスラリーをコーティング及び乾燥させることによって、LEDチップ22の表面21上に又は直接コーティングされて配置されてもよい。表面21は、LEDチップ22の発光面である。LEDチップ22によって放射された光は、層34の蛍光体材料によって放射された光と混合して、所望の発光を生成する。
【0074】
いくつかの他の実施形態では、本明細書に記載の蛍光体材料は、
図3に示すようにLEDチップ22上に直接配置される代わりに、封入材料32内に散在される。
図4は、封入材料32の一部の中に散在される蛍光体材料の微粒子36を含む照明装置30を示している。蛍光体材料の微粒子は、封入材料32の全体積にわたって散在されることができる。LEDチップ22によって放射された青色光は、蛍光体材料の微粒子36によって放射された光と混合し、混合光は、照明装置30から透過する。
【0075】
いくつかの他の実施形態では、本明細書に記載の蛍光体材料の層38は、LEDチップ22(
図3)の上に形成される代わりに、照明装置40の例示的な実施形態を示す
図5に示すように、エンベロープ28の表面上にコーティングされる。図示のように、層38は、エンベロープ28の内面29上にコーティングされるが、層38は、必要に応じてエンベロープ28の外面上にコーティングされてもよい。層38は、エンベロープ28の表面全体にコーティングされてもよく、エンベロープ28の内面29の上部のみにコーティングされてもよい。LEDチップ22によって放射されたUV/青色光は、層38によって放射された光と混合し、混合光は透過する。当然ながら、蛍光体材料は、任意の二箇所又は三箇所全て(
図3から
図5に示すように)に配置されてもよく、あるいはエンベロープ28とは別個に、又はLEDチップ22に一体化されてなど、任意の他の適切な位置に配置されてもよい。
【0076】
上記のいずれか又は全ての構成において、
図3、
図4又は
図5にそれぞれ示す照明装置20、30又は40は、バックライトユニット10を含む。照明装置20、30、40はまた、封入材料32に埋め込まれた複数の散乱粒子(図示せず)を含むことができる。散乱粒子は、例えば、アルミナ、シリカ、ジルコニア、又はチタニアを含むことができる。散乱粒子は、LEDチップ22から放射された指向性光を、好ましくは無視できる量の吸収で効果的に散乱させる。
【0077】
いくつかの実施形態は、
図6に示すバックライト装置50に関する。バックライト装置50は、バックライト又はディスプレイ用途のための表面実装型デバイス(SMD)タイプの発光ダイオードを含む。このSMDは、「側面発光型」であり、導光部材54の突出部に発光窓52を有する。SMDパッケージは、上記定義したLEDチップと、本明細書に記載の蛍光体材料とを備えることができる。いくつかの実施形態では、SMDパッケージは、上記定義したLEDチップと、本明細書に記載の蛍光体材料とを備えることができる。
【0078】
LEDバックライトユニットは、LCDパネルを通過する白色光を生成する。LCDパネルは、LEDバックライトから白色バックライトを受光し、カラー画像を表示するように構成される。一態様では、導波路又は導光板が使用されて、LEDバックライトから放射された光をLCDパネルに導くことができる。
図7Aは、エッジ照明式バックライト構成を有する液晶ディスプレイ(LCD)の例示的な実施形態を示している。LCD100Aは、LCD100Aの1つ以上のエッジ、導光パネル106、及びLCDパネル120に沿ったLEDバックライト102のアレイを含む。LCD100Aは、制御電子機器を有するLCDパネル120及びLEDバックライト102を使用してカラー画像を生成する。LEDバックライト102は、
図2で前述したように、バックライトユニット10を含み、青色LED光源12及び蛍光体材料14を含む。バックライト102は、
図3、
図4、又は
図5に示すような照明装置20、30、40であってもよい。蛍光体材料14は、
図8に示すように、LED光源12から所定距離離れて配置されてもよい。
【0079】
液晶表示パネル120は、サブピクセルに配置された4色カラーフィルタ122を含む。カラーフィルタ122は、LEDバックライトユニット10から入射する白色光のうち特定波長の光を透過する。カラーフィルタ122は、各フィルタの色に応じた光の波長を透過し、それ以外の波長を吸収する。
【0080】
LCDパネル120は、前面偏光子118、背面偏光子114、カラーフィルタ122、薄膜トランジスタ126(TFT)及び液晶116、並びに電極(図示せず)を含む。通常、LCDパネル120は、不透明である。カラーフィルタ122は、液晶116と前面偏光子118との間に位置する。薄膜トランジスタ126は、液晶116と背面偏光子114との間に位置する。各ピクセルは、液晶116に印加される電圧を制御するための対応するトランジスタ又はスイッチを有する。なお、前面偏光子118及び背面偏光子114は、直角に設定されてもよい。前面偏光子118は、LEDバックライト102から放射された光をフィルタリングし、光の第1の偏光方向の光のみを透過させる。前面偏光子118は、水平偏光フィルタ又は垂直偏光フィルタとして構成されてもよい。背面偏光子114は、偏光フィルタであり、前面偏光子118に対して90度傾斜していてもよい。一態様では、偏光子は、ガラスフィルタ又は基材上の偏光フィルムであってもよい。偏光は、前面偏光子118を透過した後、液晶116及び薄膜トランジスタ126を透過する。液晶116は、棒状ポリマーの液晶分子を有する複数の液晶セルを含む。各セルは、共通電極及び副ピクセル電極を含む。無通電時には液晶分子は捩れているが、液晶116の両端に電圧が印加されると、棒状ポリマーが電界に配向して捩れを解き、電圧によって前面偏光子118から出力される光が制御される。例えば、液晶116に電圧が印加されると、液晶116は回転し、その結果、前面偏光子118から出射される光が存在する。薄膜トランジスタ126は、液晶116内の各液晶セルをオン又はオフするための複数のトランジスタを含む。各薄膜トランジスタは、液晶116における各液晶セルのサブピクセル電極に電気的に接続されている。液晶116は、光を能動的に透過又は遮断し、画像を表示するように構成される。4色カラーフィルタ122は、LCDパネル120を通過する白色光に色を付ける。
【0081】
LEDバックライト102からの白色光は、拡散フィルム110及びプリズム108、並びに二重輝度向上フィルム124を通って導光パネル106に向かって進み、液晶表示パネル120に均一な光バックライトを提供する。
【0082】
LEDバックライト102及びLCD 100Aは、光学スタックに典型的な追加の構成要素を含むことができる。一態様では、ディフューザ、リフレクタ、又はガラスフィルタが設けられることができる。別の態様では、カバーガラスが光学スタックを覆ってもよい。
【0083】
図7Bは、液晶ディスプレイ(LCD)100B用の直接照明バックライト構成の例示的な実施形態を示している。図示のように、エッジ照明式構成100Aとの主な相違点は、いくつかのLEDバックライト102の異なる配置、及び導光パネル106がないことを含む。LEDバックライト102は、拡散板112によって支持された拡散フィルム110に光を直接供給するように配置されている。
【0084】
4色カラーフィルタ122は、LEDバックライト102によって生成された白色光がLCDパネル120を通過するときに混合及びフィルタリングして、カラー画像又は表示を実現する。一態様では、4色カラーフィルタ122は、赤色フィルタ、緑色フィルタ、青色フィルタ、及び飽和緑色(SG)フィルタ(「RGGB」)を有し、
図7Aに示されている。RGGBカラーフィルタは、赤色サブピクセル、緑色サブピクセル、青色サブピクセル、及び飽和緑色サブピクセルを有するピクセルを生成する。別の態様では、4色カラーフィルタは、赤色フィルタ、緑色フィルタ、青色フィルタ及びティール又はシアンフィルタ(「RGBT」)を有し、
図7Bに示されている。RGBTカラーフィルタは、赤色サブピクセル、緑色サブピクセル、青色サブピクセル及びティールサブピクセルを有するピクセルを生成する。RGGB及びRGBTフィルタは、任意の液晶ディスプレイで使用されることができ、液晶ディスプレイは、RGGBフィルタ、RGBTフィルタ、又はその双方を含むことができる。
【0085】
図8は、
図2で前述したようなLED光源12、導光パネル204、遠隔蛍光体パッケージ206、
図7Aで前述したようなダイクロイックフィルタ210及びLCDパネル120を含むバックライトユニット又はモジュール200の例示的な実施形態を示している。バックライトユニット200はまた、任意に、プリズム212及び二重輝度向上フィルム214を含むことができる。LED光源12は、青色発光LEDである。均一な照明を生成するために、LED光源12からの青色光は、まず導光パネル204を通過し、導光パネルは青色光を拡散させる。一般に、LCDパネル120と二重輝度向上フィルム(DBEF)214との間には空気層が存在する。二重輝度向上フィルムは、反射偏光子フィルムであり、そうでなければLCDの背面偏光子118によって吸収されるであろう無偏光を繰り返し反射することによって効率を高める。二重輝度向上フィルム214は、LCDパネル120の後方に、他のフィルムを介さずに配置されている。二重輝度向上フィルム214は、その透過軸が背面偏光子118の透過軸と略平行となるように装着されてもよい。二重輝度向上フィルム214は、通常はLCDパネル120の背面偏光子118によって吸収されるはずの白色光220を再利用するのに役立ち、したがって、LCDパネル120の輝度及びLCDパネル120から放射される光222を増加させる。別の実施形態では、プリズム212は、取り除かれてもよく、又は他の輝度向上成分によって置換されてもよい。別の態様では、二重輝度向上フィルムは取り除かれてもよい。
【0086】
バックライトユニット又はモジュール200は、LED光源12から所定距離遠隔に配置された遠隔蛍光体パッケージ206を含む。遠隔蛍光体パッケージ206は、緑色発光U6+含有蛍光体208A及び赤色蛍光体208Bの粒子を含む蛍光体材料を含む。遠隔蛍光体パッケージ206は、一次光源と蛍光体材料とが別個の要素であり、蛍光体材料が単一の要素として一次光源と一体化されていないという意味で遠隔である。一次光は、一次光源から放射され、一又は複数の外部媒体を通って進み、LED光源12を遠隔蛍光体パッケージ206内の蛍光体材料に放射結合する。遠隔蛍光体パッケージ206は、蛍光体材料が埋め込まれるか、そうでなければ配置されるマトリックス材料をさらに含む。適切なマトリックス材料は、透明で、黄変せず、バックライトユニット又はモジュール構成要素と化学的及び光学的に適合性がある。一態様では、マトリックス材料は、低い酸素及び水分透過性を有し、高い光安定性及び化学安定性を示し、良好な屈折率を示し、接着特性を示して、遠隔蛍光体パッケージ206内の蛍光体材料を保護するための気密シールを提供する。
【0087】
マトリックス材料の例は、エポキシ、アクリレート、ノルボレン、ポリエチレン、ポリ(ビニルブチラール):ポリ(酢酸ビニル)、ポリ尿素、ポリウレタン;アミノシリコーン(AMS)、ポリフェニルメチルシロキサン、ポリフェニルアルキルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン、ポリジアルキルシロキサン、シルセスキオキサン、フッ素化シリコーン並びにビニル及びヒドリド置換シリコーンを含むが、これらに限定されないシリコーン及びシリコーン誘導体;メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート及びラウリルメタクリレートを含むが、これらに限定されないモノマーから形成されるアクリルポリマー及びコポリマー;ポリスチレン、アミノポリスチレン(APS)、ポリアクリロニトリルエチレンスチレン(AES)などのスチレン系ポリマー;ジビニルベンゼンなどの二官能性モノマーで架橋されたポリマー;リガンド材料を架橋するのに適した架橋剤、リガンドアミン(例えば、APS又はPEIリガンドアミン)と結合してエポキシポリマーを形成するエポキシド、を含むが、これらに限定されない。
【0088】
本開示の一態様にかかるバックライトユニット又はモジュールは、構成が異なっていてもよいことが当業者には理解されよう。例えば、
図7Bに示す直接照明構成と同様に、直接照明構成が使用されることができる。
【0089】
一態様では、本明細書に記載のディスプレイは、U6+発光の固有のスペクトル特性を利用する。前述のように、U6+イオンは、可視スペクトル全体をカバーする波長で発光することができる。U6+の発光波長は、U6+とホスト格子との配位に依存する。U6+ピーク発光が緑色範囲(490nmから560nm)にある場合、それは、FWHMが40から65nmの緑色範囲の広帯域として、又は各ピークが2から15nmのFWHMを有する緑色範囲(490nmから560nm)の5つのピークからなる線発光として発光することができる。一態様では、スペクトルピークのうちの1つが、第4のサブピクセルを生成するために分離されることができる。一実施形態では、第4のサブピクセルは、ティールサブピクセルであり、これは青色発光が低減された眼に安全なディスプレイを生成する。別の実施形態では、第4のサブピクセルは、飽和緑色サブピクセルであり、これは超高域ディスプレイを形成する。
【0090】
一実施形態では、LEDバックライトユニットを備えた4色RGBT又はRGGBフィルタは、ディスプレイの色域を拡大する。一態様では、U6+線発光の第1の発光ピークが分離される。LEDバックライトユニットによって生成され、LCDパネルを出る白色光に4色RGBTフィルタが適用され、拡張された色域を有するカラー表示を生成する。一態様では、LEDバックライトユニットは、青色LED、赤色蛍光体、及びU6+含有蛍光体を含む。LEDバックライトユニット内のU6+含有蛍光体は、約470nmから約505nmの波長の線発光を有する。別の実施形態では、線発光は、約485nmから約505nmの範囲内であってもよい。別の実施形態では、線発光は、約480nmから約500nmの範囲内である。別の実施形態では、線発光は、約490nmから約500nmの範囲内であってもよい。別の実施形態では、線発光は、約495nmから約500nmの範囲内であってもよい。別の態様では、U6+含有蛍光体は、5nm以下の半値全幅(FWHM)を有する別個の線として発光する。別の態様では、U6+含有蛍光体は、約2nmから約5nmのFWHMを有する別個の線として発光する。別の態様では、U6+含有蛍光体は、約2nmでFWHMを有する別個の線として発光する。RGBTフィルタは、光を赤色、青色、緑色、及びティールの成分に分割し、それぞれが独自の色点を有する。4つの色点は、(ccx、ccy)又は(u’、v’)色空間のいずれかにおいてグラフ化されることができる。各色点が接続され、ディスプレイの色域又は色空間を定義する四辺形の形状が形成される。
【0091】
ティールカラーフィルタの透過率範囲内のU6+含有蛍光体の狭いピーク発光又は線発光は、色域が拡張された明確な四辺形の形状をもたらす。REC2020の色域などの定義された色空間との表示域の重複は、その特定の空間のカバレッジ%を表す。
【0092】
一態様では、U6+線発光の第2の発光ピークが分離される。LEDバックライトユニットによって生成され、LCDパネルを出る白色光に4色RGGBフィルタが適用され、拡張された色域を有するカラー表示を生成する。一態様では、LEDバックライトユニットは、青色LED、赤色蛍光体、及びU6+含有蛍光体を含む。LEDバックライトユニット内のU6+含有蛍光体は、約505nmから約530nmの波長範囲の線発光を有する。別の実施形態では、U6+含有蛍光体は、約510nmから約530nmの波長範囲の線発光を有する。別の実施形態では、線発光は、約515nmから約525nmの範囲内であってもよく、別の実施形態では、線発光は、約518nmから約525nmの範囲内であってもよい。別の実施形態では、線発光は、約520nmから約525nmの範囲内であってもよい。別の態様では、U6+含有蛍光体は、5nm以下の半値全幅(FWHM)を有する別個の線として発光する。別の態様では、U6+含有蛍光体は、約2nmから約5nmのFWHMを有する別個の線として発光する。別の態様では、U6+含有蛍光体は、約2nmでFWHMを有する別個の線として発光する。RGGBフィルタは、光を、それ自体の色点を有する赤色、青色、緑色及び飽和緑色の成分に分割する。4つの色点は、(ccx、ccy)又は(u’、v’)色空間のいずれかにおいてグラフ化されることができる。三角形の形状は、ディスプレイの色域又は色空間を定義する色点を接続することによって形成される。
【0093】
飽和緑色カラーフィルタの透過率範囲内のU6+含有蛍光体の狭いピーク発光又は線発光は、高飽和緑色色点をもたらし、それは拡張された超高色域を有するディスプレイを形成する。REC2020の色域などの定義された色空間との表示域の重複は、その特定の空間のカバレッジ%を表す。ディスプレイをより高い色域に押し込むと、緑色点が眼感度曲線から遠ざかるため、ディスプレイの全体的な強度が低下し、2つの緑色サブピクセルを有することにより、ディスプレイは、1つの色空間から別の色空間に容易に切り替えられることができる。
【0094】
一態様では、U6+線発光の第1の発光ピークが分離される。LEDバックライトユニットによって生成され、LCDパネルを出る白色光に4色RGBTフィルタが適用され、青色光が低減されたカラー表示を生成する。一態様では、LEDバックライトユニットは、青色LED、赤色蛍光体、及びU6+含有蛍光体を含む。LEDバックライトユニット内のU6+含有蛍光体は、約470nmから約505nmの波長の線発光を有する。別の実施形態では、線発光は、約485nmから約505nmの範囲内であってもよい。別の実施形態では、線発光は、約480から約500nmの範囲内である。別の実施形態では、線発光は、約490nmから約500nmの範囲内であってもよい。別の実施形態では、線発光は、約495nmから約500nmの範囲内であってもよい。別の態様では、U6+含有蛍光体は、5nm以下の半値全幅(FWHM)を有する別個の線として発光する。別の態様では、U6+含有蛍光体は、約2nmから約5nmのFWHMを有する別個の線として発光する。別の態様では、U6+含有蛍光体は、約2nmでFWHMを有する別個の線として発光する。RGBTフィルタは、光を赤色、青色、緑色、及びティールの成分に分割し、それぞれが独自の色点を有する。4つの色点は、(ccx、ccy)又は(u’、v’)色空間のいずれかにおいてグラフ化されることができる。各色点が接続され、ディスプレイの色域又は色空間を定義する四辺形の形状が形成され、各色空間内には、色空間の真の白色点であるD65白色点がある。
【0095】
ティールカラーフィルタの透過率範囲内のU6+含有蛍光体の狭いピーク発光又は線発光は、色域が拡張された明確な四辺形の形状をもたらす。タイラインは、色域のティール色点と赤色色点との間に描かれることができる。一態様では、タイラインは、D65白色点の下方にある。これは、青緑色の三角形によって形成される色域領域への表示を可能にする。青色サブピクセルは、青色-ティール-赤色三角形によって接続された色を表示するためにのみ使用されるため、ディスプレイを介して放射される青色光の量は減少する。ティール色点と赤色色点との間のタイラインがD65白色点よりも下方にある場合、色空間内のほとんどの色は、青色サブピクセルを使用せずに赤色サブピクセル、緑色サブピクセル及びティールサブピクセルによって生成されることができる。ティールカラーフィルタは、約460nmから約550nmの範囲内の波長の光を透過するため、ティールサブピクセルは、人間の眼には安全ではないと考えられる415nmから455nmの範囲の青色波長を含まない。カラー表示を生成するために青色サブピクセルの代わりにティールサブピクセルを作動させることは、ディスプレイからの危険な青色光放射を減少させる。
【0096】
他の態様では、ディスプレイは、最適化された性能に合わせて調整されることができ、U6+蛍光体のスペクトル特性が調整されることができ、着色顔料ブレンドの比率が調整されることができ、カラーフィルタの光学密度が変更されて所望のディスプレイを最適化することができる。
【実施例】
【0097】
(実施例1)
白色光は、青色LED、PFS赤色蛍光体(K2SiF6:Mn4+)及びU6+含有蛍光体(BaZn2(PO4)2):U6+を含むLEDバックライトユニットによって生成される。サンプルU0407 B Hgでは、LCDパネルを通過するLEDバックライトユニットからの白色光に4色カラーフィルタRGGBが適用される。比較サンプルU0407 Bでは、LCDパネルを通過するLEDバックライトユニットからの白色光に3色カラーフィルタRGBが適用される。RGGBフィルタは、光を赤色、青色、緑色、及び飽和緑色の成分に分割し、それぞれが独自の色点を有する。4つの色点は、(ccx、ccy)又は(u’、v’)色空間のいずれかにおいてグラフ化されることができる。三角形の形状は、ディスプレイの色域又は色空間を定義する色点を接続することによって形成される。RGBフィルタは、光を、それぞれが独自の色点を有する赤色、青色、及び緑色の成分に分割する。3つの色点は、(ccx、ccy)又は(u’、v’)色空間のいずれかにおいてグラフ化されることができる。三角形の形状は、ディスプレイの色域又は色空間を定義する色点を接続することによって形成される。
【0098】
図9A及び
図9Bは、
図9Aの(ccx、ccy)及び
図9Bの(u’、v’)の色空間を提供し、サンプルU0407 B Hgについて得られた色域を比較サンプルU0407 Bについて得られた色域と比較している。4色カラーフィルタを用いたU0407 B Hgの色域は、RGB3色カラーフィルタ(U0407 B)で得られる色域よりも拡張された色域カバレッジを有する。
図9A及び
図9Bはまた、3色RGBフィルタ及び4色RGGBフィルタの色域を、sRGB、NTSC(National Television System Committee)、DCI-P3、REC2020及びAdobe RGBなどの色規格と比較している。4色RGGBフィルタで得られた色域は、様々な色規格に対して改善されたカバレッジを示す。
【0099】
白色光は、青色LED、PFS赤色蛍光体(K2SiF6:Mn4+)及びU6+含有蛍光体(BaZn2(PO4)2):U6+を含むLEDバックライトユニットによって生成される。サンプルU0407では、LCDパネルを通過するLEDバックライトユニットからの白色光に4色カラーフィルタRGBTが適用される。比較サンプルU0407(3)では、LCDパネルを通過するLEDバックライトユニットからの白色光に3色カラーフィルタRGBが適用される。RGBTフィルタは、光を赤色、青色、緑色、及びティールの成分に分割し、それぞれが独自の色点を有する。4つの色点は、(ccx、ccy)又は(u’、v’)色空間のいずれかにおいてグラフ化されることができる。四辺形の形状は、ディスプレイの色域又は色空間を定義する色点を接続することによって形成される。RGBフィルタは、光を、それぞれが独自の色点を有する赤色、青色、及び緑色の成分に分割する。3つの色点は、(ccx、ccy)及び(u’、v’)色空間においてグラフ化される。三角形の形状は、ディスプレイの色域又は色空間を定義する色点を接続することによって形成される。
【0100】
図10A及び
図10Bは、
図10Aの(ccx、ccy)及び
図10Bの(u’、v’)の色空間を提供し、比較サンプルU0407(3)の色域と、sRGB、NTSC(National Television System Committee)、DCI-P3、REC2020及びAdobe RGBなどの色規格とを示している。
図11A及び
図11Bは、
図11Aの(ccx、ccy)及び
図11Bの(u’、v’)の色空間を提供し、RGBT4色カラーフィルタを使用することによって得られる色域と、sRGB、NTSC(National Television System Committee)、DCI-P3、REC2020及びAdobe RGBなどの色規格とを示している。4色RGBTフィルタで得られる色域は、比較サンプルU0407(3)の色域と比較して拡張された色域カバレッジを有し、様々な色規格に対して改善されたカバレッジを有する。
【0101】
BaZn2(PO4)2の調製。BaCO3、ZnO、(NH4)2HPO4(DAP)及びUO2を0.99:2:2.05:0.01の比でナルゲンボトルに秤量し、2時間ボールミル粉砕した。混合物を完全にブレンドした後、粉末をアルミナるつぼに移し、500℃/5時間/空気で焼成してDAPを分解した。焼成後、粉末をナルゲンボトルに戻し、さらに2時間ボールミル粉砕した。次いで、粉末混合物をアルミナるつぼに戻し、1000℃/5時間/空気で再焼成した。
(実施例2)
【0102】
白色光は、青色LED、PFS赤色蛍光体(K2SiF6:Mn4+)、U6+含有蛍光体、(K3UO2F5)及びβ-SiAlONを含むLEDバックライトユニットによって生成される。サンプルU0607 C+B Hgでは、LCDパネルを通過するLEDバックライトユニットからの白色光に4色カラーフィルタRGGBが適用される。比較サンプルU0607 C+Bでは、LCDパネルを通過するLEDバックライトユニットからの白色光に3色フィルタRGBが適用される。RGGBフィルタは、光を赤色、青色、緑色、及び飽和緑色の成分に分割し、それぞれが独自の色点を有する。4つの色点は、(ccx、ccy)又は(u’、v’)色空間のいずれかにおいてグラフ化されることができる。三角形の形状は、ディスプレイの色域又は色空間を定義する色点を接続することによって形成される。RGBフィルタは、光を、それぞれが独自の色点を有する赤色、青色、及び緑色の成分に分割する。3つの色点は、(ccx、ccy)又は(u’、v’)色空間のいずれかにおいてグラフ化されることができる。三角形の形状は、ディスプレイの色域又は色空間を定義する色点を接続することによって形成される。
【0103】
図12A及び
図12Bは、
図12Aの(ccx、ccy)及び
図12Bの(u’、v’)の色空間を提供し、サンプルU0607 C+B Hgについて得られた色域を比較サンプルU0607 C+Bについて得られた色域と比較している。4色カラーフィルタの色域は、RGB3色カラーフィルタによって得られる色域と比較して拡張された色域のカバレッジで示されている。
図12A及び
図12Bはまた、3色RGBフィルタ及び4色RGGBフィルタの色域を、sRGB、NTSC(National Television System Committee)、DCI-P3、REC2020及びAdobe RGBなどの色規格と比較している。追加の緑色蛍光体及び4色RGGBフィルタを使用して得られた色域は、様々な色規格と比較して改善されたカバレッジを示す。
【0104】
K3UO2F5の調製-ビーカー1内で、1gのUO2(NO3)2-6H2Oを1mlの水に溶解した。ビーカー2内で、12gのKFを12mlの水に溶解した。ビーカー1をビーカー2に添加し、K3UO2F5の沈殿物を形成した。生成物を濾過し、洗浄し、次いで、乾燥オーブン中110℃で乾燥させた。
(実施例3)
【0105】
サンプルU0607 Aでは、LEDバックライトユニットによって白色光が生成される。LEDバックライトユニットは、青色LEDと、PFS赤色蛍光体(K2SiF6:Mn4+)と、U6+含有蛍光体(K3UO2F5)とを含む。LCDパネルを通過するLEDバックライトユニットからの白色光には、4色カラーフィルタRGBTが適用される。RGBTフィルタは、光を赤色、青色、緑色、及びティールの成分に分割し、それぞれが独自の色点を有する。4つの色点は、(ccx、ccy)又は(u’、v’)色空間のいずれかにおいてグラフ化されることができる。各色点が接続され、ディスプレイの色域又は色空間を定義する四辺形の形状が形成され、各色空間内には、色空間の真の白色点であるD65白色点がある。
【0106】
図13A及び
図13Bは、
図13Aの(ccx、ccy)及び
図13Bの(u’、v’)の色空間を提供し、ティールピクセルの色点の追加が四辺形の図形を有する色域をどのように定義するかを示している。タイライン700、800は、色域のティール色点と赤色色点との間に描かれることができる。一態様では、タイライン700、800は、D65白色点の下方にある。ティール色点と赤色色点との間のタイライン700、800がD65点を下回る場合、色空間内のほとんどの色は、青色サブピクセルを使用せずに赤色サブピクセル、緑色サブピクセル及びティールサブピクセルによって生成されることができる。ティールカラーフィルタは、約460nmから約550nmの範囲内の波長の光を透過するため、ティールサブピクセルは、約460nmから約550nmの範囲内の青色波長を含まず、ティールサブピクセルは、415nmから455nmの範囲内の青色波長を含まず、これは人間の眼には安全でないと考えられる。カラー表示を生成するために青色サブピクセルの代わりにティールサブピクセルを作動させることは、ディスプレイからの危険な青色光放射を減少させる。
【0107】
図13A及び
図13Bは、RGBT4色カラーフィルタを使用することによって得られた色域を、sRGB、NTSC(National Television System Committee)、DCI-P3、REC2020及びAdobe RGBなどの色規格と比較している。4色RGBTフィルタで得られる色域は、様々な色規格と比較して拡張された色域カバレッジ及び改善されたカバレッジを有する。
(実施例4)
【0108】
一態様では、U
6+含有蛍光体のホスト格子を変更し、U
6+含有蛍光体のピーク発光を約505nmから約525nmに調整することによって、4色RGBTフィルタ及び4色RGGBフィルタによって得られる色域カバレッジが変更されることができる。
図14は、約505nmから約525nmにピーク発光を有するいくつかの例示的なU
6+蛍光体(U0407B(BaZn
2(PO
4)
2):U
6+、U0607A(K
3UO
2F
5)、U0702B(K
2(UO
2)(SO
4)
2-2H
2O)及びU0720C(Cs
2(UO
2)
2(SO
4)
3)のスペクトルを示している。色域のカバレッジを変える能力は、カラーディスプレイが異なる色空間をカバーすることを可能にする。
図15A及び
図15Bは、例示的なサンプルU0607Aについて、
図15Aの(ccx、ccy)及び
図15Bの(u’、v’)の色空間を提供している。
図15C及び
図15Dは、例示的なサンプルU0720Bについて、
図15Cの(ccx、ccy)及び
図15Dの(u’、v’)の色空間を提供している。
図15E及び
図15Fは、例示的なサンプルU0720Cについて、
図15Eの(ccx、ccy)及び
図15Fの(u’、v’)の色空間を提供している。
図15Aから
図15Fは、RGBT4色カラーフィルタを使用することによって得られた3つの色域(U0607A、U0720B及びU0720C)についてホスト格子を変更することによって様々な色域カバレッジを示している。
【0109】
K2UO2(SO4)2-4H2Oの調製。K2SO4、UO2(NO3)2-6H2Oを最小量の水に2:1の比で溶解した。溶解したら、溶液にエタノールを添加する(塩析する)ことによって、K2UO2(SO4)2-4H2Oを形成した。生成物を濾過し、エタノールで洗浄し、次いで乾燥オーブンで110℃で乾燥させた。
【0110】
Cs2UO2(SO4)3の調製。Cs2SO4、UO2(NO3)2-6H2Oを最小量の水に2:1の比で溶解した。溶解したら、溶液にエタノールを添加する(塩析する)ことによってCs2UO2(SO4)3を形成した。生成物を濾過し、エタノールで洗浄し、次いで乾燥オーブンで110℃で乾燥させた。
(実施例5)
【0111】
一態様では、4色RGBTフィルタによって得られるティールサブピクセルの色点は、ティールカラーフィルタの青色対緑色比を変化させることによって変化させることができる。
図16Aは、1:3、1:2、1:1、2:1及び3:1の様々な青色対緑色比を有するティールフィルタと、様々な青色対緑色比を有するティールピクセルフィルタを使用して、
図16Bの(u’、v’)及び
図16Cの(ccx、ccy)で得られた色空間とを示している。示されるように、比率のいくつかは、D65白色点よりも下方の色域のティール色点と赤色色点との間に描かれたタイラインを有する。ティール色点と赤色色点との間のタイラインがD65点を下回る場合、色空間内のほとんどの色は、青色サブピクセルを使用せずに赤色サブピクセル、緑色サブピクセル及びティールサブピクセルによって生成されることができる。ティールカラーフィルタは、約460nmから約550nmの範囲内の波長の光を透過するため、ティールサブピクセルは、約460nmから約550nmの範囲内の青色波長を含まず、ティールサブピクセルは、415nmから455nmの範囲内の青色波長を含まず、これは人間の眼には安全でないと考えられる。カラー表示を生成するために青色サブピクセルの代わりにティールサブピクセルを作動させることは、ディスプレイからの危険な青色光放射を減少させる。
【0112】
この詳細な説明は、例を使用して、最良のモードを含む本発明を開示し、また、任意の装置又はシステムの製造及び使用、並びに任意の組み込まれた方法の実行を含め、当業者が本発明を実施できるようにする。本発明の特許性のある範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者に生じる他の例を含むことができる。そのような他の例は、特許請求の範囲の文字通りの文言と異ならない構造要素を有する場合、又は特許請求の範囲の文字通りの文言と僅かに異なる同等の構造要素を含む場合、特許請求の範囲内にあることを意図している。