(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-07
(45)【発行日】2025-01-16
(54)【発明の名称】物品管理装置および物品管理方法
(51)【国際特許分類】
H05K 13/02 20060101AFI20250108BHJP
H05K 13/00 20060101ALI20250108BHJP
【FI】
H05K13/02 Z
H05K13/00 Z
(21)【出願番号】P 2022558670
(86)(22)【出願日】2020-10-28
(86)【国際出願番号】 JP2020040432
(87)【国際公開番号】W WO2022091251
(87)【国際公開日】2022-05-05
【審査請求日】2023-03-02
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000604
【氏名又は名称】弁理士法人 共立特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】深尾 和也
【審査官】小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-116989(JP,A)
【文献】特開2009-064902(JP,A)
【文献】特開2018-116990(JP,A)
【文献】特開2005-216965(JP,A)
【文献】特開2009-064901(JP,A)
【文献】特開2014-110322(JP,A)
【文献】国際公開第2020/166050(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/02
H05K 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に所定の対基板作業を行って基板製品を生産する対基板作業機が前記基板製品の生産において必要な物品を前記対基板作業機に供給する複数の台車に対して前記物品を供給する物品供給媒体を割り当てる物品管理装置であって、
前記対基板作業機を用いた同一種類の前記基板製品の生産が指定される単位生産の順序が規定されている生産計画に含まれる複数の前記単位生産を、一の前記台車に一度に搭載された前記物品供給媒体によって前記対基板作業機に供給された前記物品を使用する少なくとも一つの前記単位生産の集合である生産グループごとに区分けする区分設定部と、
同一の前記台車から供給される同一種類の前記物品が異なる前記生産グループにおいて使用される場合に、当該物品を供給する前記物品供給媒体が同一になるように、前記台車に前記物品供給媒体を割り当てる割り当て部と、
前記台車に前記物品供給媒体を割り当てる際に、当該台車に割り当てられた装備されるべき前記物品供給媒体の識別情報と、当該台車の識別情報とを関連付けて記憶し、前記物品供給媒体が前記台車に装備される際に、関連付けて記憶されている識別情報を用いて、当該台車に装備される前記物品供給媒体が当該台車に割り当てられた装備されるべき前記物品供給媒体であるか否かを照合する照合部と、
を備え
、
前記区分設定部は、前記単位生産で使用する前記物品の共通度が高まるように、前記生産グループに含まれる当該物品を使用する少なくとも一つの前記単位生産を他の前記生産グループに移動する物品管理装置。
【請求項2】
前記割り当て部は、異なる前記台車から供給される同一種類の前記物品が異なる前記生産グループにおいて使用される場合に、当該物品を供給する前記物品供給媒体が前記台車ごとに異なるように、前記台車の各々に前記物品供給媒体を割り当てる請求項1に記載の物品管理装置。
【請求項3】
前記単位生産で使用する前記物品の共通度が高まるように、当該物品を使用する少なくとも一つの前記単位生産の生産順序を変更する生産順序変更部を備える請求項1
または請求項
2に記載の物品管理装置。
【請求項4】
前記割り当て部は、前記台車に割り当てられた前記物品供給媒体に収容されている前記物品の残数が所定数以下のときに、当該物品と同一種類の前記物品を供給する他の前記物品供給媒体を予備的に割り当てる請求項1~請求項
3のいずれか一項に記載の物品管理装置。
【請求項5】
二つの前記台車が交互に前記対基板作業機に前記物品供給媒体を供給し、
前記区分設定部は、一の前記台車から供給される前記物品供給媒体を使用する前記生産グループと、他の一の前記台車から供給される前記物品供給媒体を使用する前記生産グループとが交互に繰り返されるように、前記生産グループの区分けを行う請求項1~請求項
4のいずれか一項に記載の物品管理装置。
【請求項6】
前記対基板作業機は、前記基板に前記物品である部品を装着する部品装着機であり、
前記物品供給媒体は、前記部品を供給するリールおよびフィーダのうちの少なくとも一方である請求項1~請求項
5のいずれか一項に記載の物品管理装置。
【請求項7】
基板に所定の対基板作業を行って基板製品を生産する対基板作業機が前記基板製品の生産において必要な物品を前記対基板作業機に供給する複数の台車に対して前記物品を供給する物品供給媒体を割り当てる物品管理方法であって、
前記対基板作業機を用いた同一種類の前記基板製品の生産が指定される単位生産の順序が規定されている生産計画に含まれる複数の前記単位生産を、一の前記台車に一度に搭載された前記物品供給媒体によって前記対基板作業機に供給された前記物品を使用する少なくとも一つの前記単位生産の集合である生産グループごとに区分けする区分設定工程と、
同一の前記台車から供給される同一種類の前記物品が異なる前記生産グループにおいて使用される場合に、当該物品を供給する前記物品供給媒体が同一になるように、前記台車に前記物品供給媒体を割り当てる割り当て工程と、
前記台車に前記物品供給媒体を割り当てる際に、当該台車に割り当てられた装備されるべき前記物品供給媒体の識別情報と、当該台車の識別情報とを関連付けて記憶し、前記物品供給媒体が前記台車に装備される際に、関連付けて記憶されている識別情報を用いて、当該台車に装備される前記物品供給媒体が当該台車に割り当てられた装備されるべき前記物品供給媒体であるか否かを照合する照合工程と、
を備え
、
前記区分設定工程は、前記単位生産で使用する前記物品の共通度が高まるように、前記生産グループに含まれる当該物品を使用する少なくとも一つの前記単位生産を他の前記生産グループに移動する物品管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、物品管理装置および物品管理方法に関する技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の部品配置の決定方法は、部品配置作成工程を備えている。部品配置作成工程は、一のグループの生産で使用する部品供給台車を用いて一のグループの前に生産した他のグループと、一のグループとのいずれでも使用する少なくとも一以上の部品供給手段が、一のグループと他のグループとで部品供給台車上の配置位置が同一となるように部品配置を作成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
生産する基板製品の種類が切り替わると、対基板作業機が基板製品の生産において必要な物品の種類、数などが変わる。そのため、生産する基板製品の種類に合わせて、対基板作業機に供給する物品を変更する段取り替え作業が行われる。特許文献1に記載の発明のように、台車を用いて物品を供給する場合、物品を供給する物品供給媒体の台車における交換作業を可能な限り低減することが望ましい。
【0005】
このような事情に鑑みて、本明細書は、対基板作業機が基板製品の生産において必要な物品を対基板作業機に供給する複数の台車において、物品を供給する物品供給媒体の交換作業を低減可能な物品管理装置および物品管理方法を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書は、基板に所定の対基板作業を行って基板製品を生産する対基板作業機が前記基板製品の生産において必要な物品を前記対基板作業機に供給する複数の台車に対して前記物品を供給する物品供給媒体を割り当てる物品管理装置を開示する。前記物品管理装置は、区分設定部と、割り当て部とを備える。前記区分設定部は、前記対基板作業機を用いた同一種類の前記基板製品の生産が指定される単位生産の順序が規定されている生産計画に含まれる複数の前記単位生産を、一の前記台車に一度に搭載された前記物品供給媒体によって前記対基板作業機に供給された前記物品を使用する少なくとも一つの前記単位生産の集合である生産グループごとに区分けする。前記割り当て部は、同一の前記台車から供給される同一種類の前記物品が異なる前記生産グループにおいて使用される場合に、当該物品を供給する前記物品供給媒体が同一になるように、前記台車に前記物品供給媒体を割り当てる。
【0007】
また、本明細書は、基板に所定の対基板作業を行って基板製品を生産する対基板作業機が前記基板製品の生産において必要な物品を前記対基板作業機に供給する複数の台車に対して前記物品を供給する物品供給媒体を割り当てる物品管理方法を開示する。前記物品管理方法は、区分設定工程と、割り当て工程とを備える。前記区分設定工程は、前記対基板作業機を用いた同一種類の前記基板製品の生産が指定される単位生産の順序が規定されている生産計画に含まれる複数の前記単位生産を、一の前記台車に一度に搭載された前記物品供給媒体によって前記対基板作業機に供給された前記物品を使用する少なくとも一つの前記単位生産の集合である生産グループごとに区分けする。前記割り当て工程は、同一の前記台車から供給される同一種類の前記物品が異なる前記生産グループにおいて使用される場合に、当該物品を供給する前記物品供給媒体が同一になるように、前記台車に前記物品供給媒体を割り当てる。
【発明の効果】
【0008】
上記の物品管理装置によれば、区分設定部および割り当て部を備える。特に、割り当て部は、同一の台車から供給される同一種類の物品が異なる生産グループにおいて使用される場合に、当該物品を供給する物品供給媒体が同一になるように、台車に物品供給媒体を割り当てる。これにより、物品管理装置は、物品供給媒体の交換作業を低減することができる。物品管理装置について上述されていることは、物品管理方法についても同様に言える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】対基板作業ラインの構成例を示す構成図である。
【
図4】物品管理装置の制御ブロックの一例を示すブロック図である。
【
図5】物品管理装置による制御手順の一例を示すフローチャートである。
【
図6】生産計画、単位生産および生産グループの関係の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
1.実施形態
1-1.対基板作業ラインWL0の構成例
対基板作業ラインWL0は、少なくとも一つの対基板作業機WM0を備えている。対基板作業機WM0は、基板90に所定の対基板作業を行って基板製品900を生産する。対基板作業機WM0の種類および数は、限定されない。
図1に示すように、本実施形態の対基板作業ラインWL0は、印刷機WM1、印刷検査機WM2、部品装着機WM3、リフロー炉WM4および外観検査機WM5の複数(5つ)の対基板作業機WM0を備えており、基板90は、基板搬送装置によって、この順に搬送される。
【0011】
印刷機WM1は、基板90の複数の部品81の装着位置に、はんだを印刷する。印刷検査機WM2は、印刷機WM1によって印刷されたはんだの印刷状態を検査する。
図2に示すように、部品装着機WM3は、印刷機WM1によってはんだが印刷された基板90に複数の部品81を装着する。部品装着機WM3は、一つであっても良く、複数であっても良い。部品装着機WM3が複数設けられる場合は、複数の部品装着機WM3が分担して、複数の部品81を装着することができる。
【0012】
リフロー炉WM4は、部品装着機WM3によって複数の部品81が装着された基板90を加熱し、はんだを溶融させて、はんだ付けを行う。外観検査機WM5は、部品装着機WM3によって装着された複数の部品81の装着状態などを検査する。このように、対基板作業ラインWL0は、複数(5つ)の対基板作業機WM0を用いて、基板90を順に搬送し、検査処理を含む生産処理を実行して基板製品900を生産することができる。なお、対基板作業ラインWL0は、例えば、機能検査機、バッファ装置、基板供給装置、基板反転装置、シールド装着装置、接着剤塗布装置、紫外線照射装置などの対基板作業機WM0を必要に応じて備えることもできる。
【0013】
少なくとも一つの対基板作業ラインWL0を含む基板生産設備は、複数(本実施形態では、2つ)の台車30,30を備えている。複数(2つ)の台車30,30の各々は、対基板作業機WM0が基板製品900の生産において必要な物品80を対基板作業機WM0に供給する。物品80は、物品80を供給する物品供給媒体70に収容された状態で、対基板作業機WM0に供給される。また、基板生産設備は、保管庫FS0を備えることもできる。保管庫FS0は、上記の物品80および物品供給媒体70を保管する。
【0014】
物品80は、対基板作業機WM0が基板製品900の生産において必要な物品であれば良く、限定されない。同様に、物品供給媒体70は、物品80に合わせて、種々の形態をとり得る。保管庫FS0は、種々の物品80および物品供給媒体70を保管することができる。本実施形態では、物品80は、基板90に装着される部品81である。また、物品供給媒体70は、部品81を供給するリール121およびフィーダ122のうちの少なくとも一方である。保管庫FS0は、リール121を保管するリール保管庫と、フィーダ122を保管するフィーダ保管庫とを備えている。保管庫FS0は、リール121が装備されたフィーダ122を保管することもできる。
【0015】
対基板作業ラインWL0を構成する複数(5つ)の対基板作業機WM0およびライン管理装置LC0は、通信部によって通信可能に接続されている。また、ライン管理装置LC0、管理装置HC0および保管庫FS0は、通信部によって通信可能に接続されている。通信部は、有線または無線によって、これらを通信可能に接続することができ、通信方法は、種々の方法をとり得る。
【0016】
本実施形態では、複数(5つ)の対基板作業機WM0、ライン管理装置LC0、管理装置HC0および保管庫FS0によって、構内情報通信網(LAN:Local Area Network)が構成されている。よって、複数(5つ)の対基板作業機WM0は、通信部を介して、互いに通信することができる。また、複数(5つ)の対基板作業機WM0は、通信部を介して、ライン管理装置LC0と通信することができる。さらに、ライン管理装置LC0、管理装置HC0および保管庫FS0は、通信部を介して、互いに通信することができる。
【0017】
ライン管理装置LC0は、対基板作業ラインWL0を構成する複数(5つ)の対基板作業機WM0の制御を行い、対基板作業ラインWL0の動作状況を監視する。ライン管理装置LC0には、複数(5つ)の対基板作業機WM0を制御する種々の制御データが記憶されている。ライン管理装置LC0は、複数(5つ)の対基板作業機WM0の各々に制御データを送信する。また、複数(5つ)の対基板作業機WM0の各々は、ライン管理装置LC0に動作状況および生産状況を送信する。
【0018】
管理装置HC0は、少なくとも一つのライン管理装置LC0および保管庫FS0を管理する。例えば、ライン管理装置LC0によって取得された対基板作業機WM0の動作状況および生産状況は、管理装置HC0に送信される。また、保管庫FS0に保管されている物品80に関する物品情報(例えば、物品80の種類、数、保管位置、入出庫の日時、湿度などの保管状態)は、管理装置HC0に送信される。
【0019】
管理装置HC0には、記憶装置DS0が設けられている。記憶装置DS0は、対基板作業機WM0が取得した種々の取得データなどを記憶することができる。例えば、対基板作業機WM0によって撮像された種々の画像データは、取得データに含まれる。対基板作業機WM0によって取得された稼働状況の記録(ログデータ)は、取得データに含まれる。また、記憶装置DS0は、基板製品900の生産に関する種々の生産情報を保存することができる。さらに、記憶装置DS0は、保管庫FS0に保管されている物品80に関する物品情報などを記憶することができる。
【0020】
1-2.部品装着機WM3の構成例
部品装着機WM3は、基板90に複数の部品81を装着する。
図2に示すように、部品装着機WM3は、基板搬送装置11、部品供給装置12、部品移載装置13、部品カメラ14、基板カメラ15および制御装置16を備えている。
【0021】
基板搬送装置11は、例えば、ベルトコンベアなどによって構成され、基板90を搬送方向(X軸方向)に搬送する。基板90は、回路基板であり、電子回路、電気回路、磁気回路などが形成される。基板搬送装置11は、部品装着機WM3の機内に基板90を搬入し、機内の所定位置に基板90を位置決めする。基板搬送装置11は、部品装着機WM3による複数の部品81の装着処理が終了した後に、基板90を部品装着機WM3の機外に搬出する。
【0022】
部品供給装置12は、基板90に装着される複数の部品81を供給する。部品供給装置12には、基板90の搬送方向(X軸方向)に沿って設けられる複数のフィーダ122が着脱可能に搭載される。複数のフィーダ122の各々には、リール121が着脱可能に装備される。リール121には、複数の部品81を供給するキャリアテープが巻回されている。フィーダ122は、キャリアテープをピッチ送りさせて、フィーダ122の先端側に位置する供給位置において部品81を採取可能に供給する。
【0023】
複数(2つ)の台車30,30は、部品供給装置12に交互に連結可能に設けられる。具体的には、
図3に示すように、複数(2つ)の台車30,30の各々は、車体部31と、一対のアーム部材32,32と、パレット部材33とを備えている。同図では、図示の便宜上、一つの台車30が図示されている。また、台車30には、図示の便宜上、一つのフィーダ122が搭載されている。実際は、台車30が部品供給装置12に連結されたときに、複数のフィーダ122が、基板90の搬送方向(X軸方向)に沿って搭載されている。
【0024】
車体部31は、複数の移動用キャスタ311と、一対の高さ調整部312,312と、一対の取手部313,313とを備えている。複数の移動用キャスタ311は、車体部31の下部に設けられ、台車30を移動可能にする。車体部31のX軸方向の両側部には、一対の高さ調整部312,312が設けられている。一対の高さ調整部312,312は、一対のアーム部材32,32を介して設けられるパレット部材33の高さ(Z軸方向の位置)を調整する。また、車体部31には、一対の高さ調整部312,312から上方に延びる一対の取手部313,313が設けられている。作業者は、一対の取手部313,313を把持して、台車30を移動させることができる。
【0025】
一対のアーム部材32,32の上部には、パレット部材33が設けられている。パレット部材33の上面には、基板90の搬送方向(X軸方向)に複数のスロット332が形成されている。複数のスロット332の各々は、水平面においてX軸方向と直交するY軸方向に沿って延びるように形成されている。フィーダ122は、スロット332に沿って差し込まれて、台車30に搭載される。
【0026】
パレット部材33の部品装着機WM3の側には、連結部331が設けられている。連結部331の各スロット332に対応する位置には、位置決め部およびコネクタが設けられている。位置決め部は、パレット部材33において、フィーダ122を位置決めする。フィーダ122は、コネクタを介して部品装着機WM3から駆動電力を受電することができる。また、フィーダ122は、コネクタを介して部品装着機WM3の制御装置16と通信することができる。
【0027】
なお、部品供給装置12は、チップ部品などと比べて比較的大型の電子部品(例えば、リード部品など)を、トレイ上に配置した状態で供給することもできる。この場合、台車30は、パレット部材33の代わりに、トレイを収容するトレイユニットを備える。トレイは、物品供給媒体70に相当する。
【0028】
部品移載装置13は、ヘッド駆動装置131および移動台132を備えている。ヘッド駆動装置131は、直動機構によって移動台132を、X軸方向およびY軸方向に移動可能に構成されている。移動台132には、クランプ部材によって装着ヘッド20が着脱可能(交換可能)に設けられている。装着ヘッド20は、少なくとも一つの保持部材21を用いて、部品供給装置12によって供給される部品81を採取し保持して、基板搬送装置11によって位置決めされた基板90に部品81を装着する。保持部材21は、例えば、吸着ノズル、チャックなどを用いることができる。
【0029】
部品カメラ14および基板カメラ15は、公知の撮像装置を用いることができる。部品カメラ14は、光軸が鉛直方向(Z軸方向)の上向きになるように、部品装着機WM3の基台に固定されている。部品カメラ14は、保持部材21に保持されている部品81を下方から撮像することができる。基板カメラ15は、光軸が鉛直方向(Z軸方向)の下向きになるように、部品移載装置13の移動台132に設けられている。基板カメラ15は、基板90を上方から撮像することができる。部品カメラ14および基板カメラ15は、制御装置16から送出される制御信号に基づいて撮像を行う。部品カメラ14および基板カメラ15によって撮像された撮像画像の画像データは、制御装置16に送信される。
【0030】
制御装置16は、公知の演算装置および記憶装置を備えており、制御回路が構成されている。制御装置16には、部品装着機WM3に設けられる各種センサから出力される情報、画像データなどが入力される。制御装置16は、制御プログラムおよび予め設定されている所定の装着条件などに基づいて、各装置に対して制御信号を送出する。
【0031】
例えば、制御装置16は、基板搬送装置11によって位置決めされた基板90を基板カメラ15に撮像させる。制御装置16は、基板カメラ15によって撮像された画像を画像処理して、基板90の位置決め状態を認識する。また、制御装置16は、部品供給装置12によって供給された部品81を保持部材21に採取させ保持させて、保持部材21に保持されている部品81を部品カメラ14に撮像させる。制御装置16は、部品カメラ14によって撮像された画像を画像処理して、部品81の保持姿勢を認識する。
【0032】
制御装置16は、制御プログラムなどによって予め設定される装着予定位置の上方に向かって、保持部材21を移動させる。また、制御装置16は、基板90の位置決め状態、部品81の保持姿勢などに基づいて、装着予定位置を補正して、実際に部品81を装着する装着位置を設定する。装着予定位置および装着位置は、位置(X軸座標およびY軸座標)の他に回転角度を含む。
【0033】
制御装置16は、装着位置に合わせて、保持部材21の目標位置(X軸座標およびY軸座標)および回転角度を補正する。制御装置16は、補正された目標位置において補正された回転角度で保持部材21を下降させて、基板90に部品81を装着する。制御装置16は、上記のピックアンドプレースサイクルを繰り返すことによって、基板90に複数の部品81を装着する装着処理を実行する。
【0034】
1-3.物品管理装置50の構成例
生産する基板製品900の種類が切り替わると、対基板作業機WM0が基板製品900の生産において必要な物品80の種類、数などが変わる。そのため、生産する基板製品900の種類に合わせて、供給する物品80を変更する段取り替え作業が行われる。
【0035】
本実施形態では、物品80である部品81を供給するリール121をそれぞれ備える複数のフィーダ122を一括して交換可能(入れ替え可能)な複数(2つ)の台車30,30を用いて、段取り替え作業が行われる。このように、台車30を用いて対基板作業機WM0(本実施形態では、部品装着機WM3)に物品80を供給する場合、物品80を供給する物品供給媒体70の台車30における交換作業を可能な限り低減することが望ましい。そこで、本実施形態の基板生産設備には、物品管理装置50が設けられている。
【0036】
物品管理装置50は、対基板作業機WM0が基板製品900の生産において必要な物品80を対基板作業機WM0に供給する複数の台車30に対して、物品80を供給する物品供給媒体70を割り当てる。物品管理装置50は、制御ブロックとして捉えると、区分設定部51と、割り当て部52とを備えている。物品管理装置50は、照合部53を備えることもできる。物品管理装置50は、生産順序変更部54を備えることもできる。
図4に示すように、本実施形態の物品管理装置50は、区分設定部51と、割り当て部52と、照合部53と、生産順序変更部54とを備えている。
【0037】
なお、物品管理装置50は、種々の演算装置、制御装置に設けることができる。例えば、物品管理装置50は、
図1に示すライン管理装置LC0、管理装置HC0などに設けることができる。物品管理装置50は、クラウド上に形成することもできる。
図4に示すように、本実施形態の物品管理装置50は、管理装置HC0に設けられている。
【0038】
また、本実施形態の物品管理装置50は、
図5に示すフローチャートに従って、制御を実行する。区分設定部51は、ステップS12に示す処理を行う。割り当て部52は、ステップS13に示す処理を行う。照合部53は、ステップS14に示す処理を行う。生産順序変更部54は、ステップS11に示す処理を行う。
【0039】
1-3-1.区分設定部51
図6は、生産計画L0、単位生産W0および生産グループG0の関係の一例を示している。生産計画L0には、対基板作業機WM0を用いた同一種類の基板製品900の生産が指定される単位生産W0の順序が規定されている。例えば、
図6に示す生産計画L0は、第一種の基板製品900を生産する単位生産W0(同図では、単位生産W01で示す。)から第十種の基板製品900を生産する単位生産W0(同図では、単位生産W10で示す。)までの十種類の基板製品900を、順に生産することを示している。
【0040】
また、各種の基板製品900の生産数、生産開始日時、生産終了予定日時、納期、使用する機器の種類、機器の使用数、基板製品900の生産において必要な物品80の種類、物品80の数などは、生産計画L0に規定されている。さらに、基板製品900を生産可能な対基板作業ラインWL0が複数存在する場合、使用する対基板作業ラインWL0は、生産計画L0に規定されている。生産計画L0は、
図1に示す記憶装置DS0に記憶されている。
【0041】
区分設定部51は、生産計画L0に含まれる複数の単位生産W0を生産グループG0ごとに区分けする(
図5に示すステップS12)。生産グループG0は、一の台車30に一度に搭載された物品供給媒体70によって対基板作業機WM0に供給された物品80を使用する少なくとも一つの単位生産W0の集合である。区分設定部51は、種々の観点から、生産グループG0の区分けを行うことができる。
【0042】
例えば、区分設定部51は、一の台車30に一度に搭載可能な物品供給媒体70の最大数に合わせて、生産グループG0の区分けを行うことができる。また、区分設定部51は、一の台車30に一度に搭載される物品供給媒体70の搭載数が、台車30ごとに概ね均等になるように、生産グループG0の区分けを行うこともできる。さらに、区分設定部51は、生産グループG0に含まれる単位生産W0の数、生産時間などが、生産グループG0ごとに概ね均等になるように、生産グループG0の区分けを行うこともできる。
【0043】
例えば、
図6に示す第一の生産グループG0(同図では、生産グループG1で示す。)は、単位生産W01および単位生産W02を含む。説明を簡略化するため、単位生産W01および単位生産W02で使用される物品80は、第一種の部品81(同図では、部品81aで示す。)および第二種の部品81(同図では、部品81bで示す。)の二種類の部品81とする。また、部品81aは、リール121aに収容されている。リール121aは、フィーダ122aに装備されている。部品81bは、リール121bに収容されている。リール121bは、フィーダ122bに装備されている。
【0044】
このとき、一の台車30(同図では、台車30aで示す。)には、部品81aを供給するリール121aが装備されているフィーダ122aと、部品81bを供給するリール121bが装備されているフィーダ122bとが一度に搭載される。台車30aが部品供給装置12に連結されると、対基板作業機WM0である部品装着機WM3は、部品81aおよび部品81bを使用する単位生産W01および単位生産W02を開始することができる。生産グループG1について上述されていることは、他の生産グループG0(同図では、生産グループG2、生産グループG3および生産グループG4で示す。)についても同様に言える。
【0045】
本実施形態では、二つの台車30,30(
図6では、台車30aおよび台車30bで示す。)が交互に対基板作業機WM0に物品供給媒体70を供給する。この形態では、区分設定部51は、一の台車30から供給される物品供給媒体70を使用する生産グループG0と、他の一の台車30から供給される物品供給媒体70を使用する生産グループG0とが交互に繰り返されるように、生産グループG0の区分けを行うことができる。
【0046】
図6に示す例では、台車30aから供給される物品供給媒体70を使用する生産グループG0は、生産グループG1および生産グループG3である。台車30bから供給される物品供給媒体70を使用する生産グループG0は、生産グループG2および生産グループG4である。台車30aが関与する生産グループG1、台車30bが関与する生産グループG2、台車30aが関与する生産グループG3および台車30bが関与する生産グループG4の順に基板製品900が生産される。
【0047】
このように、台車30aが関与する生産グループG0(生産グループG1および生産グループG3)と、台車30bが関与する生産グループG0(生産グループG2および生産グループG4)とが交互に繰り返される。そのため、台車30aが関与する生産グループG0の基板製品900の生産が終了したときに、作業者は、台車30aを部品供給装置12から離脱させて、予め準備された台車30bを部品供給装置12に連結させることができる。これにより、台車30bが関与する生産グループG0の基板製品900の生産待ち時間を低減することができる。
【0048】
1-3-2.割り当て部52
図6に示すように、例えば、同一の台車30aから供給される同一種類の部品81aが異なる生産グループG0(生産グループG1および生産グループG3)において使用される場合を想定する。この場合に、生産グループG1において使用される部品81aを供給する物品供給媒体70と、生産グループG3において使用される部品81aを供給する物品供給媒体70とが異なると、台車30aにおいて物品供給媒体70の交換作業が必要になる。
【0049】
そこで、割り当て部52は、同一の台車30から供給される同一種類の物品80が異なる生産グループG0において使用される場合に、当該物品80を供給する物品供給媒体70が同一になるように、台車30に物品供給媒体70を割り当てる(
図5に示すステップS13)。
【0050】
上述した例では、割り当て部52は、生産グループG1および生産グループG3において使用される部品81aについて、部品81aを供給する同一の物品供給媒体70を割り当てる。これにより、物品管理装置50は、部品81aを供給する物品供給媒体70の交換作業を低減することができる。上述されていることは、台車30bから供給される部品81cについても同様に言える。なお、部品81cは、リール121cに収容されている。リール121cは、フィーダ122cに装備されている。
【0051】
図6に示す部品81bは、台車30aおよび台車30bの両方から供給される。台車30aから供給される部品81bは、生産グループG1および生産グループG3において使用される。台車30bから供給される部品81bは、生産グループG2および生産グループG4において使用される。このように、異なる台車30(台車30aおよび台車30b)から供給される同一種類の部品81bが異なる生産グループG0において使用される場合を想定する。この場合に、部品81bを供給する同一の物品供給媒体70を台車30aおよび台車30bにおいて共用すると、台車30aおよび台車30bにおいて、物品供給媒体70の交換作業が必要になる。
【0052】
そこで、割り当て部52は、異なる台車30から供給される同一種類の物品80が異なる生産グループG0において使用される場合に、当該物品80を供給する物品供給媒体70が台車30ごとに異なるように、台車30の各々に物品供給媒体70を割り当てると良い。
【0053】
上述した例では、割り当て部52は、部品81bを供給する物品供給媒体70(リール121bおよびフィーダ122b)を台車30aに割り当て、当該物品供給媒体70と異なる部品81bを供給する物品供給媒体70(リール121dおよびフィーダ122d)を台車30bに割り当てる。これにより、物品管理装置50は、部品81bを供給する物品供給媒体70の交換作業を低減することができる。
【0054】
また、本実施形態では、同一の物品供給媒体70が、複数の生産グループG0において使用されるので、物品供給媒体70に収容されている物品80が不足する事態が生じ易い。そこで、割り当て部52は、台車30に割り当てられた物品供給媒体70に収容されている物品80の残数が所定数以下のときに、当該物品80と同一種類の物品80を供給する他の物品供給媒体70を予備的に割り当てると良い。これにより、物品管理装置50は、物品80が不足する事態(例えば、部品切れ)を軽減することができる。
【0055】
例えば、対基板作業機WM0による対基板作業が不良の場合、当該対基板作業に使用された物品80が廃棄される可能性がある。また、対基板作業機WM0は、対基板作業が不良の場合に、再度、対基板作業を実施する場合がある。このような場合を想定して予備数が設定される。物品供給媒体70に収容されている物品80の残数が、物品供給媒体70から供給予定の物品80の使用予定数以上であるが、使用予定数に予備数を加算した加算値以下の場合、物品80が不足する事態(例えば、部品切れ)が生じる可能性がある。そこで、物品80の残数を判断する閾値(上記の所定数)は、例えば、物品供給媒体70から供給予定の物品80の使用予定数に予備数を加算した加算値に設定することができる。
【0056】
なお、既述したいずれの場合も、台車30aが関与する生産グループG0(生産グループG1および生産グループG3)における同一の物品供給媒体70の配置(パレット部材33におけるリール121およびフィーダ122の配置)は、共通化することができる。同様に、台車30bが関与する生産グループG0(生産グループG2および生産グループG4)における同一の物品供給媒体70の配置(パレット部材33におけるリール121およびフィーダ122の配置)は、共通化することができる。
【0057】
1-3-3.照合部53
照合部53は、物品供給媒体70が台車30に装備される際に、当該台車30に装備される物品供給媒体70が当該台車30に割り当てられた装備されるべき物品供給媒体70であるか否かを照合する(
図5に示すステップS14)。これにより、物品管理装置50は、台車30に装備される物品供給媒体70の正否を確認することができる。
【0058】
例えば、作業者は、部品供給装置12に連結されていない台車30を、
図1に示す保管庫FS0に搬送して、次の生産グループG0の基板製品900の生産準備を行う。具体的には、作業者は、保管庫FS0に保管されている物品供給媒体70を台車30に装備する。例えば、作業者は、台車30に付されている台車30を識別する識別コードを読み取り装置を用いて読み取る。また、作業者は、物品供給媒体70に付されている物品供給媒体70を識別する識別コードを読み取り装置を用いて読み取り、台車30に装備する。作業者は、物品供給媒体70を台車30に装備した後に、物品供給媒体70に付されている物品供給媒体70を識別する識別コードを読み取り装置を用いて読み取ることもできる。
【0059】
照合部53は、読み取り装置によって読み取られた情報(台車30の識別情報および物品供給媒体70の識別情報)を取得する。照合部53は、台車30に物品供給媒体70を割り当てる際に、台車30に割り当てられた装備されるべき物品供給媒体70の識別情報と、台車30の識別情報とを関連付けて、
図1に示す記憶装置DS0に記憶させている。照合部53は、読み取り装置によって読み取られた物品供給媒体70の識別情報と、記憶装置DS0に記憶されている物品供給媒体70の識別情報とが一致するときに、台車30に装備される物品供給媒体70が当該台車30に割り当てられた装備されるべき物品供給媒体70であると判断する。
【0060】
また、照合部53は、読み取り装置によって読み取られた物品供給媒体70の識別情報と、記憶装置DS0に記憶されている物品供給媒体70の識別情報とが一致しないときに、台車30に装備される物品供給媒体70が当該台車30に割り当てられた装備されるべき物品供給媒体70でないと判断する。この場合、照合部53は、作業者に上記判断結果を示し、誤って装備された物品供給媒体70について作業のやり直しを案内する。
【0061】
1-3-4.区分設定部51の変形形態
例えば、
図6に示す部品81bは、台車30aおよび台車30bの両方から供給される。台車30aから供給される部品81bは、生産グループG1および生産グループG3において使用される。台車30bから供給される部品81bは、生産グループG2および生産グループG4において使用される。
【0062】
この場合、生産グループG0の区分けを変更することによって、同一の台車30(台車30aまたは台車30b)から部品81bを供給できる場合がある。例えば、生産グループG2において、部品81bが単位生産W05のみで使用される場合、生産グループG2に含まれる単位生産W05を生産グループG3に移動する。これにより、単位生産W05で使用される部品81bを台車30aから供給することができる。また、部品81bが使用される単位生産W0を集約することができ、単位生産W0で使用する物品80(物品供給媒体70を含む。)の共通度が高まる。
【0063】
このように、区分設定部51は、単位生産W0で使用する物品80の共通度が高まるように、生産グループG0に含まれる当該物品80を使用する少なくとも一つの単位生産W0を他の生産グループG0に移動することもできる(
図5に示すステップS12)。これにより、物品管理装置50は、物品80を供給する物品供給媒体70の交換作業を低減することができる。
【0064】
1-3-5.生産順序変更部54
既述した例では、生産計画L0に規定されている単位生産W0の生産順序(単位生産W01、単位生産W02、単位生産W03、・・・、単位生産W09、単位生産W10の順)は、変更されていない。しかしながら、単位生産W0の生産順序を変更することによって、単位生産W0で使用する物品80の共通度を高めることができる場合がある。
【0065】
例えば、上述した例において、生産グループG2に含まれる単位生産W05と、生産グループG3に含まれる単位生産W06とを入れ替えることにより、単位生産W05で使用される部品81bを台車30aから供給することができる。この場合も同様に、部品81bが使用される単位生産W0を集約することができ、単位生産W0で使用する物品80(物品供給媒体70を含む。)の共通度が高まる。
【0066】
このように、生産順序変更部54は、単位生産W0で使用する物品80の共通度が高まるように、当該物品80を使用する少なくとも一つの単位生産W0の生産順序を変更することもできる(
図5に示すステップS11)。これにより、物品管理装置50は、物品80を供給する物品供給媒体70の交換作業を低減することができる。なお、生産順序変更部54が単位生産W0の生産順序を変更し、かつ、区分設定部51が単位生産W0を他の生産グループG0に移動することもできる。
【0067】
1-3-6.その他
既述した例では、対基板作業機WM0は、基板90に物品80である部品81を装着する部品装着機WM3である。物品供給媒体70は、部品81を供給するリール121が装備されているフィーダ122(部品81を供給するリール121およびフィーダ122)である。
【0068】
物品供給媒体70は、リール121のみであっても良く、フィーダ122のみであっても良い。つまり、物品供給媒体70は、部品81を供給するリール121およびフィーダ122のうちの少なくとも一方である。しかしながら、対基板作業機WM0は、部品装着機WM3に限定されない。同様に、物品80は、対基板作業機WM0が基板製品900の生産において必要な物品であれば良く、限定されない。物品供給媒体70は、物品80に合わせて種々の形態をとり得る。
【0069】
また、既述した例では、二つの台車30が交互に対基板作業機WM0に物品供給媒体70を供給する。しかしながら、三つ以上の台車30が、任意の順序で、対基板作業機WM0に物品供給媒体70を供給することもできる。例えば、少量多品種の基板製品900の生産では、単位生産W0あたりの生産時間が短くなり易く、単位生産W0の数が増加し易い。一の台車30に搭載可能な物品供給媒体70の最大数は、台車30によって決まるので、一の生産グループG0に含めることができる単位生産W0の数にも上限がある。
【0070】
そのため、少量多品種の基板製品900の生産では、生産グループG0あたりの生産時間も短くなり易い。この場合、一の生産グループG0の基板製品900の生産が終了しても、次の生産グループG0の基板製品900の生産準備が終了しない事態が生じる可能性がある。よって、使用する台車30の数を増加させて、予め台車30に必要な物品供給媒体70を装備しておくと良い。
【0071】
例えば、三つの台車30を用いる場合、第一の台車30、第二の台車30、第三の台車30、第一の台車30、第二の台車30、第三の台車30のように、三つの台車30を決まった順序で使用することができる。また、単位生産W0で使用する物品80の共通度が高まるように、複数の台車30の使用順序を変更することもできる。例えば、三つの台車30を用いる場合、第一の台車30、第二の台車30、第三の台車30、第一の台車30、第三の台車30、第二の台車30のように、使用することもできる。
【0072】
既述した例では、台車30は、作業者によって搬送される。しかしながら、台車30は、無人搬送車であっても良い。また、作業者が保管庫FS0に保管されている物品供給媒体70を出庫しても良く、保管庫FS0が保管している物品供給媒体70を出庫しても良い。後者の場合、保管庫FS0は、割り当て部52によって台車30に割り当てられた物品供給媒体70を出庫する。
【0073】
また、無人搬送車である台車30は、保管庫FS0に移動し、保管庫FS0に連結することもできる。保管庫FS0は、割り当て部52によって割り当てられた物品供給媒体70を台車30に装備する。物品供給媒体70が装備されると、台車30は、保管庫FS0から離脱し、対基板作業機WM0に移動する。台車30は、対基板作業機WM0(例えば、部品装着機WM3の部品供給装置12)に連結する。所定の生産グループG0の基板製品900の生産が終了すると、台車30は、対基板作業機WM0から離脱し、上述した工程が繰り返される。
【0074】
2.物品管理方法
物品管理装置50について既述されていることは、物品管理方法についても同様に言える。具体的には、物品管理方法は、区分設定工程と、割り当て工程とを備える。区分設定工程は、区分設定部51が行う制御に相当する。割り当て工程は、割り当て部52が行う制御に相当する。また、物品管理方法は、照合工程を備えることもできる。物品管理方法は、生産順序変更工程を備えることもできる。照合工程は、照合部53が行う制御に相当する。生産順序変更工程は、生産順序変更部54が行う制御に相当する。
【0075】
3.実施形態の効果の一例
物品管理装置50によれば、区分設定部51および割り当て部52を備える。特に、割り当て部52は、同一の台車30から供給される同一種類の物品80が異なる生産グループG0において使用される場合に、当該物品80を供給する物品供給媒体70が同一になるように、台車30に物品供給媒体70を割り当てる。これにより、物品管理装置50は、物品供給媒体70の交換作業を低減することができる。物品管理装置50について上述されていることは、物品管理方法についても同様に言える。
【符号の説明】
【0076】
30:台車、50:物品管理装置、51:区分設定部、52:割り当て部、
53:照合部、54:生産順序変更部、70:物品供給媒体、80:物品、
81:部品、90:基板、121:リール、122:フィーダ、
900:基板製品、L0:生産計画、W0:単位生産、
G0:生産グループ、WM0:対基板作業機、WM3:部品装着機。