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特許7615214回転角度計測装置および回転角度計測方法
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  • 特許-回転角度計測装置および回転角度計測方法 図1
  • 特許-回転角度計測装置および回転角度計測方法 図2
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  • 特許-回転角度計測装置および回転角度計測方法 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-07
(45)【発行日】2025-01-16
(54)【発明の名称】回転角度計測装置および回転角度計測方法
(51)【国際特許分類】
   G01D 5/20 20060101AFI20250108BHJP
   G01B 7/30 20060101ALI20250108BHJP
【FI】
G01D5/20 110H
G01B7/30 M
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023079057
(22)【出願日】2023-05-12
(65)【公開番号】P2024163452
(43)【公開日】2024-11-22
【審査請求日】2024-01-11
(73)【特許権者】
【識別番号】324003048
【氏名又は名称】三菱電機モビリティ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002941
【氏名又は名称】弁理士法人ぱるも特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉桑 義雄
(72)【発明者】
【氏名】田中 靖久
【審査官】細見 斉子
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-106382(JP,A)
【文献】特開2002-188938(JP,A)
【文献】国際公開第2020/240616(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/116640(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 5/12-5/252
G01B 7/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸心からの距離が周期的に変化する外周形状を有する筒状の回転子、
前記回転子の外周に対向するように配置されたヨークと、前記ヨークに各別に巻かれるとともに互いに直列接続された巻線と、で構成されるとともに、セグメント形状を有し、前記回転子の外周に円弧状に対向するように配置された固定子、
直列接続された前記巻線の両端に交流電圧を印加する電源、
直列接続された前記巻線の両端に交流電圧が印加された場合に前記巻線の複数の端子間の電圧を検出する検出器、
を備え、
前記検出器で検出した前記巻線の複数の端子間の電圧により、回転子の回転角度を計測することを特徴とする回転角度計測装置。
【請求項2】
前記固定子のヨークは、周期的に変化する前記外周形状の一周期分の範囲において、前記回転子の外周に対向するように配置されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の回転角度計測装置。
【請求項3】
前記ヨークは複数個に分割された分割ヨーク片で構成され、前記分割ヨーク片ごとに巻線が巻かれている、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の回転角度計測装置。
【請求項4】
前記ヨークは、周方向に凹部と凸部とが形成されており、前記凹部と前記凸部の両方に前記巻線が各別に巻かれている、
ことを特徴とする請求項1に記載の回転角度計測装置。
【請求項5】
前記分割ヨーク片間の間隔は、前記回転子の外周形状の一周期分の長さの1/4から1の間のサイズに設定されている、
ことを特徴とする請求項に記載の回転角度計測装置。
【請求項6】
軸心からの距離が周期的に変化する外周形状を持つ金属でできた円筒状の回転子と、
前記回転子の外周に対向するように配置されたヨークと、前記ヨークに各別に巻かれるとともに互いに直列接続された巻線と、で構成された固定子と、
を組み合わせ、前記軸心を共通の中心位置として配置し、
複数の前記巻線を直列接続した直列接続巻線の両端部に交流電圧を印加し、前記巻線ごとの端子電圧を検出して比較することにより、前記回転子の回転角度を求める、
ことを特徴とする回転角度計測方法。
【請求項7】
複数の前記巻線とは別の巻線を有するとともに、前記回転子の軸心を基準として凹部と凸部とが形成され、かつ、前記凹部と前記凸部の両方に前記巻線が各別に巻かれるように前記ヨークを構成して、
前記凹部に巻かれた複数の前記巻線を直列接続して各巻線の端子電圧を計測するとともに、前記凸部に巻かれた前記巻線および前記別の巻線を直列接続して、この凸部で直列接続された巻線の両端部に交流電圧を印加して前記凸部に巻かれた各巻線の端子電圧を計測する、
ことにより、前記回転子の回転角度を求めることを特徴とする請求項に記載の回転角度計測方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、回転角度計測装置および回転角度計測方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
回転軸を中心として回転する回転子と、回転子と対向して設けられた固定子とを備え、回転子と固定子の間の磁気的な変化を検出することで回転角度を計測する回転角度計測装置が知られている。特許文献1には、少なくとも4個のティースと、各ティースに巻かれた励磁巻線と出力巻線からなるセグメント型レゾルバが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5994063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の回転角度計測装置では、各ティースに励磁巻線と出力巻線の両方を巻く必要があるため、多くの巻線を巻くことが困難であり、出力が小さくなるという課題があった。また、セグメント型のため回転子の回転軸に対する固定子の位置関係の影響により出力の大きさが異なり、角度計測精度が低下するという課題があった。
【0005】
本願は、上述の課題を解決するための技術を開示するものであり、ティースに巻く巻線を多くし、また回転子の回転軸と固定子の位置関係の影響を小さくして、角度計測精度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に開示される回転角度計測装置は、
軸心からの距離が周期的に変化する外周形状を有する筒状の回転子、
前記回転子の外周に対向するように配置されたヨークと、前記ヨークに各別に巻かれるとともに互いに直列接続された巻線と、で構成されるとともに、セグメント形状を有し、前記回転子の外周に円弧状に対向するように配置された固定子、
直列接続された前記巻線の両端に交流電圧を印加する電源、
直列接続された前記巻線の両端に交流電圧が印加された場合に前記巻線の複数の端子間の電圧を検出する検出器、
を備え、
前記検出器で検出した前記巻線の複数の端子間の電圧により、回転子の回転角度を計測することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本願に開示される回転角度計測装置によれば、簡単な構造で回転角度を計測でき、また回転子の回転軸と固定子の位置関係の影響が小さい、小型の回転角度計測装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る回転角度計測装置の全体の構成を示す図である。
図2図1において回転子が回転した時の各巻線端子電圧の変化を示す図である。
図3】実施の形態2に係る回転角度計測装置の構成の一部を拡大して示した図である。
図4】実施の形態2に係る回転角度計測装置の別の構成の一部を拡大して示した図である。
図5】実施の形態3に係る回転角度計測装置の構成の一部を拡大して示した図である。
図6図5において回転子が回転した時の各巻線端子電圧の変化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本願の回転角度計測装置および回転角度計測方法は、例えば電気自動車あるいは産業機械などに使用される回転電機に用いられるものである。以下、本実施の形態1の回転角度計測装置および回転角度計測方法について、図を用いて説明する。
【0010】
実施の形態1.
図1は、本願の実施の形態1に係る回転角度計測装置を示す全体図である。
回転子1は、回転軸2を中心として回転する物体であり、回転軸2に対して径方向外側に設けられた凹凸部3を持つ。凹凸部3は、磁性材料で構成され、回転軸2の中心から凹凸部3の外周表面までの(径方向の)距離が周期的に変化する形状を持つ。
【0011】
固定子4は、回転子1の凹凸部3と対向して設置され、凹凸部3の一周期の長さを周方向の基本寸法としたセグメント形状としている。ヨーク5は磁性材料からなり、特に凹凸部3に向かって突出している部分をティース6とよぶ。またヨーク5には複数の巻線7が巻かれており、巻線7a、巻線7b、巻線7cは直列接続される。
【0012】
また、各巻線の端子間電圧(以下、簡略化して端子電圧とも呼ぶ)を計測できるように検出器12が備えられている。具体的には、端子8aと端子8bの間の電圧を検出器12で検出することにより巻線7aの端子間電圧が計測され、端子8bと端子8cの間の電圧を検出器12で検出することにより巻線7bの端子間電圧が計測され、端子8cと端子8dの間の電圧を検出器12で検出することにより巻線7cの端子間電圧が計測される。この場合において、直列接続した巻線7a、巻線7b、巻線7cの両端には電源9から交流電圧が印加される。
【0013】
次に回転角度の計測原理について説明する。巻線7aの両端部にはティース6a、6bがあり、巻線7bの両端部にはティース6b、6cがあり、巻線7cの両端部にはティース6c、6dがある。回転子1が回転すると、各ティースの先端部と回転子1の間の空隙長が変化し、その結果、各巻線のインピーダンスが変化する。
【0014】
図1の状態では、巻線7bの両端のティース6b、6cの先端部と回転子1の間の空隙長の方が、ティース6a、6bの先端部と回転子1の間の空隙長より短いため、巻線7bのインピーダンスは巻線7a、7cのインピーダンスより大きくなる。
【0015】
この状態において、巻線7aと巻線7bと巻線7cを直列接続し、それらの両端部、すなわち端子8aと端子8dの間に交流電圧を印加すると、各巻線のインピーダンスの違いにより各巻線の端子間電圧が異なる。したがって、巻線7aの端子間電圧を端子8aと端子8bを用いて計測し、巻線7bの端子間電圧を端子8bと端子8cを用いて計測し、巻線7cの端子間電圧を端子8cと端子8dを用いて計測して、巻線7a、巻線7b、巻線7cの端子間電圧(端子電圧)を比較することにより、固定子4に対する回転子1の角度がわかる。
【0016】
図2は、図1において回転子1が反時計回り(図1中に円弧状の矢印で示した方向)に回転した時の巻線7a、巻線7b、巻線7cの端子電圧の変化を示している。巻線7a、巻線7b、巻線7cを直列接続して(以降、この直列接続した巻線を直列接続巻線とも呼ぶ)、その両端に電源9から交流電圧を印加することにより、各巻線のインピーダンスの大きさの比が変わるため、各巻線の端子電圧の値を用いて回転子1の回転角度が容易に計算できる。
【0017】
例えば、巻線7cの端子電圧が一定値以下の場合は、角度は0~120度であり、その範囲では、巻線7aの端子電圧値、あるいは巻線7bの端子電圧値、あるいは巻線7aの端子電圧値と巻線7bの端子電圧値から演算される値を用いることにより、回転角度が計測できる。
【0018】
また、製造誤差等の影響により、各巻線の端子電圧の値が図2と異なる場合もあるが、校正用の回転角度センサを別途手配し、各巻線の端子電圧の値と対応させ、その値を補正値として把握しておけば、精度の高い角度計測が実現できる。
【0019】
回転子1は回転軸2に対して360度の範囲で存在するが、固定子4は基本的に凹凸部3の一周期の範囲のみに存在しているため、セグメント形状といわれる。このような形状の場合、回転子1と固定子4の位置関係により、回転角度計測精度が悪化する懸念がある。
【0020】
例えば回転子1に対して固定子4の位置が半径方向にずれている場合、すなわち図1において紙面上下方にずれて設置された場合は、全体的な出力の大きさが変わり、角度誤差が悪化する懸念が生じる。また、回転子1に対して固定子4の位置が接線方向にずれている場合、すなわち図1において紙面左右方向にずれて設置された場合は、各巻線の出力の大きさが変わり、角度誤差が悪化する懸念が生じる。
【0021】
本願では、各巻線を直列接続した直列接続巻線の各巻線の端子電圧を計測して、それらの大小関係から回転角度を計測するため、回転子1と固定子4の位置関係の影響を小さくできる。例えば回転子1に対して固定子4の位置が半径方向にずれている場合は、各巻線のインピーダンスの大小関係は変わらないため、各巻線の端子電圧から計測する回転角度の値が悪化することはない。また、回転子1に対して固定子4の位置が接線方向にずれている場合でも、各巻線それぞれに対する位置ずれの影響は小さく、角度誤差の悪化は抑制できる。
【0022】
なお、図1では回転子1の凹凸形状は直線で描いているが、曲線でも構わない。また、凹凸部3および固定子4の位置は回転軸2に対して径方向外側としているが、距離が周期的に変化する構造とするのであれば、軸方向に設置してもよい。
【0023】
また、固定子4の周方向の長さは凹凸部3の一周期の長さを基本寸法としているが、一周期より小さい寸法としても、端子電圧と回転角度の関係を把握して校正すれば角度計測は可能なため、問題はない。また、一周期より長くても角度計測は可能であるため、問題はない。
【0024】
また、図1では巻線を3個、ティースを4個としているが、巻線を2個、ティースを3個としても各巻線の端子電圧値を比較することにより角度情報はえられるため、問題はない。また、図1では各巻線の端子電圧を計測できるように4個の端子を描いているが、実際は端子8aと8dは電源9の両端部と共用できるため不要であり、また各巻線の端子電圧の値を計測できるようにしていれば、端子を別途設置する必要はない。
【0025】
実施の形態2.
実施の形態2に係る回転角度計測装置について、以下、図3図4を用いて説明する。なお、以下では、実施の形態1と異なる構成について主に説明し、同様の構成については省略、あるいは簡略化する。
【0026】
図3および図4は、実施の形態2に係る回転角度計測装置の回転子1の一部、ヨーク5a、5b、5c、および巻線7a、7b、7cを示している。図3のヨーク5a、5b、5cはコの字型をしており、各ヨークに巻線がそれぞれ巻かれており、各巻線は直列接続されている。また、図4のヨーク5a、5b、5cはティース部分のみであり、各ヨークに巻線がそれぞれ巻かれており、各巻線は直列接続されている。
【0027】
図3および図4ともに、各ヨーク5a、5b、5cの間の間隔は、回転子1の凹凸部3の一周期の長さの4分の1から1(1/4周期分~1周期分のサイズ)を基本寸法としているが、これより小さいサイズでも、また大きいサイズでも特に問題はない。なお、各ヨーク5a、5b、5cは分割されたヨーク片であるので、これらを以降、分割ヨーク片とも呼ぶ。
【0028】
図3あるいは図4の特徴は、ヨークがそれぞれ独立して設置していることである。これにより、各巻線のインピーダンスの差が顕著になり、各巻線端子電圧の値の大小関係がより大きくなるため、高精度な角度計測が実現できる。
【0029】
図3および図4いずれの場合も、各ヨーク5a、5b、5cは磁性材料からなる。各ヨークは個別に設置してもよいし、位置決め精度を高くするために樹脂などの金属以外の材料(図示せず)で一体化した後で設置してもよい。
なお、図3ではコの字型のヨーク形状、図4ではティース部分のみのヨーク形状としたが、各ヨークが独立して配置されていれば、その他の形状でも問題ない。
【0030】
実施の形態3.
実施の形態3に係る回転角度計測装置について、以下、図5図6を用いて説明する。なお、以下では、実施の形態1、2とは異なる構成について主に説明し、同様の構成については省略、あるいは簡略化する。
【0031】
図5は、実施の形態3に係る回転角度計測装置の回転子1の一部、ヨーク5、ヨークのティース10a、10b、10c、および巻線11a、11b、11cを示している。巻線11a、11bはヨークの凹の部分に巻かれており、これらの巻線は直列接続されている。
【0032】
また、巻線11cはヨークの凸の部分、すなわちティース10bに巻かれている。ヨーク5の各ティース10a、10b、10cの間の間隔は、凹凸部3の一周期の長さの4分の1を基本寸法としているが、これより小さいサイズでも、また大きいサイズでも問題はない。
【0033】
図6は、図5において回転子1が反時計回り(図5中に円弧状の矢印で示した方向)に回転した時の巻線11a、巻線11bの端子電圧の変化を示している。巻線11a、巻線11bを直列接続して、その両端に電源9から交流電圧を印加して巻線11aと11bの出力を比較することにより、回転子1の角度が分かるが、ティースの間隔が図5の場合には、角度の解は一意ではなく、2種類存在する。
【0034】
そこで、ティース10bに巻いた巻線11cの電圧を利用する。例えば、巻線11cと別の巻線(図示せず)を直列接続して、その両端部に交流電圧を印加すると、回転子1の凹凸部との距離により巻線11cのインピーダンスは変化するが、別の巻線のインピーダンスは一定のため、巻線11cの端子電圧は図6のように変化する。したがって、これらの巻線11a、11b、11cの端子電圧により、回転子1の回転角度が計測できる。
【0035】
なお、図5では巻線11a、11bを直列接続し、巻線11cは別の巻線と直列接続したが、巻線11cには直接交流電圧を印加して、インピーダンス変化による電流変化の情報を用いて回転角度を計測してもよい。また、巻線11a、11b、11cの3つの巻線すべてを直列接続してもよい。また、ヨークは一体で図示しているが、分割して各ティースが独立するようにしてもよい。
【0036】
本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
【0037】
以下、本願の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
軸心からの距離が周期的に変化する外周形状を有する筒状の回転子、
前記回転子の外周に対向するように配置されたヨークと、前記ヨークに各別に巻かれるとともに互いに直列接続された巻線と、で構成された固定子、
直列接続された前記巻線の両端に交流電圧を印加する電源、
直列接続された前記巻線の両端に交流電圧が印加された場合に前記巻線の複数の端子間の電圧を検出する検出器、
を備え、
前記検出器で検出した前記巻線の複数の端子間の電圧により、回転子の回転角度を計測することを特徴とする回転角度計測装置。
(付記2)
前記固定子は、セグメント形状を有し、前記回転子の外周に円弧状に対向するように配置されている、
ことを特徴とする付記1に記載の回転角度計測装置。
(付記3)
前記固定子のヨークは、周期的に変化する前記外周形状の一周期分の範囲において、前記回転子の外周に対向するように配置されている、
ことを特徴とする付記1に記載の回転角度計測装置。
(付記4)
前記ヨークは複数個に分割された分割ヨーク片で構成され、前記分割ヨーク片ごとに巻線が巻かれている、
ことを特徴とする付記1から3のいずれか1に記載の回転角度計測装置。
(付記5)
前記ヨークは、周方向に凹部と凸部とが形成されており、前記凹部と前記凸部の両方に前記巻線が各別に巻かれている、
ことを特徴とする付記1から4のいずれか1に記載の回転角度計測装置。
(付記6)
前記分割ヨーク片間の間隔は、前記回転子の外周形状の一周期分の長さの1/4から1の間のサイズに設定されている、
ことを特徴とする付記4に記載の回転角度計測装置。
(付記7)
軸心からの距離が周期的に変化する外周形状を持つ金属でできた円筒状の回転子と、
前記回転子の外周に対向するように配置されたヨークと、前記ヨークに各別に巻かれるとともに互いに直列接続された巻線と、で構成された固定子と、
を組み合わせ、前記軸心を共通の中心位置として配置し、
複数の前記巻線を直列接続した直列接続巻線の両端部に交流電圧を印加し、前記巻線ごとの端子電圧を検出して比較することにより、前記回転子の回転角度を求める、
ことを特徴とする回転角度計測方法。
(付記8)
複数の前記巻線とは別の巻線を有するとともに、前記回転子の軸心を基準として凹部と凸部とが形成され、かつ、前記凹部と前記凸部の両方に前記巻線が各別に巻かれるように前記ヨークを構成して、
前記凹部に巻かれた複数の前記巻線を直列接続して各巻線の端子電圧を計測するとともに、前記凸部に巻かれた前記巻線および前記別の巻線を直列接続して、この凸部で直列接続された巻線の両端部に交流電圧を印加して前記凸部に巻かれた各巻線の端子電圧を計測する、
ことにより、前記回転子の回転角度を求めることを特徴とする付記7に記載の回転角度計測方法。
【符号の説明】
【0038】
1 回転子、2 回転軸、3 凹凸部、4 固定子、5 ヨーク、6 ティース、7、7a、7b、7c 巻線、8a、8b、8c、8d 端子、9 電源、10a、10b、10c ティース、11a、11b、11c 巻線、12 検出器
図1
図2
図3
図4
図5
図6