(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-07
(45)【発行日】2025-01-16
(54)【発明の名称】包装検査装置
(51)【国際特許分類】
G01M 3/20 20060101AFI20250108BHJP
G01N 21/90 20060101ALI20250108BHJP
G01N 21/89 20060101ALI20250108BHJP
【FI】
G01M3/20 R
G01N21/90 D
G01N21/89 K
(21)【出願番号】P 2023172138
(22)【出願日】2023-10-03
【審査請求日】2023-10-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000006127
【氏名又は名称】森永乳業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000000572
【氏名又は名称】アンリツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100153763
【氏名又は名称】加藤 広之
(72)【発明者】
【氏名】武田 安弘
(72)【発明者】
【氏名】園木 浩文
(72)【発明者】
【氏名】北川 重文
(72)【発明者】
【氏名】田沼 敦郎
(72)【発明者】
【氏名】高橋 良文
(72)【発明者】
【氏名】北嶋 英和
(72)【発明者】
【氏名】山口 量彦
【審査官】森口 正治
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-114216(JP,A)
【文献】特開2019-156434(JP,A)
【文献】特開2002-162365(JP,A)
【文献】国際公開第2019/176372(WO,A1)
【文献】特開2019-39674(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 3/20
G01N 21/90
G01N 21/89
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蛍光物質を含有する内容物が充填された包装袋に接触する接触面を有する接触装置と、
前記接触面に付着した前記内容物が含有する前記蛍光物質の蛍光を検出する蛍光検出装置と、を備える
包装検査装置。
【請求項2】
前記蛍光検出装置は、前記接触面に向けて照射する励起光を発する光源と、前記接触面で反射した前記励起光を受光する受光素子とを備える
請求項1に記載の包装検査装置。
【請求項3】
前記接触装置は、第1接触面を有する第1接触体と、前記第1接触面に対向する第2接触面を有する第2接触体と、を有し、
前記第1接触体及び前記第2接触体とは、前記第1接触面と前記第2接触面との間に前記包装袋を挟むことが可能な位置に配置される
請求項1または2に記載の包装検査装置。
【請求項4】
前記第1接触体及び前記第2接触体は、前記包装袋を挟んで前記包装袋を搬送する
請求項3に記載の包装検査装置。
【請求項5】
前記包装袋を前記第1接触面と前記第2接触面との間に通過させる搬送装置を備える
請求項3に記載の包装検査装置。
【請求項6】
前記蛍光検出装置として、前記第1接触面の蛍光を検出する第1蛍光検出装置と、前記第2接触面の蛍光を検出する第2蛍光検出装置と、を含む
請求項3に記載の包装検査装置。
【請求項7】
前記蛍光検出装置は、前記第1接触面及び前記第2接触面の蛍光を同時に検出する
請求項3に記載の包装検査装置。
【請求項8】
前記第1接触体及び前記第2接触体とは、前記第1接触面と前記第2接触面との間に前記包装袋を挟み込む際、前記包装袋の封緘強度を検査する
請求項3に記載の包装検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
食品を密閉包装した包装袋の表面に穴(ピンホール)が開いて気密性が損なわれていないことを確認するために、包装検査装置が用いられることがある。
特許文献1では、包装袋に軟質体を押し付けることで、穴が開いた包装袋から漏れ出した内容物を軟質体に付着させ、軟質体に付着した内容物を画像検出センサによって検出する技術が開示されている。
特許文献2では、ヘリウムガスを密封した包装袋を検査装置内に搬送し、前記検査装置内で包装袋に押圧し、この押圧によってヘリウムガスが包装袋から漏れ出さないことをヘリウム検出器によって確認する技術が開示されている。
特許文献3では、電極と内容物間の静電容量のインピーダンスが、包装材に穴(ピンホール)が有る場合は小さな値となり、圧電トランスの出力電圧は、インピーダンスが小さな値となれば、その出力特性により低下することを利用して、出力電圧を基準電圧と比較することで、穴(ピンホール)の有無を判断する技術が開示されている。
特許文献4では、減圧環境下に配置された被検査容器、又は被検査容器における被検査部位に電圧を印加して穴(ピンホール)検査を行う方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2019/176372号
【文献】特許第5571038号公報
【文献】特開平10-300727号公報
【文献】特開2020-134287号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に係る技術では、内容物の色に応じて軟質体の色を変える必要があり、特に内容物が透明乃至淡色である場合には画像検出センサによる内容物検出の精度が低い課題がある。特許文献2に係る技術では、包装段階において漏れ検知のためのヘリウムを充填するので、ガス充填工程のない食品等についてはガス充填設備の設置や保守作業が新たに必要となり、またヘリウムガス及びガス検知装置が高価である課題がある。
特許文献3及び特許文献4に係る発明では、検査対象の包装袋に電圧を印加する。このとき、印加する電圧によっては、火花放電が生じることで包装袋に新たな穴(ピンホール)を形成する課題がある。
【0005】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、費用を抑えつつ高精度で内容物の漏出を検出することができ、かつ、検査対象に新たな穴が形成されることを抑えた包装検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
<1>本発明の態様1に係る包装検査装置は、蛍光物質を含有する内容物が充填された包装袋に接触する接触面を有する接触装置と、前記接触面に付着した前記内容物が含有する前記蛍光物質の蛍光を検出する蛍光検出装置と、を備える。
【0007】
この発明によれば、接触装置は包装袋に接触する接触面を有する。これにより、例えば、包装袋から漏出した内容物が包装袋の外表面に付着している場合、及び/または接触装置による押圧によって包装袋から内容物が漏出した場合に、包装袋から漏出した内容物を接触面に付着させることができる。蛍光検出装置は、接触面に付着した内容物が含有する蛍光物質の蛍光を検出する。これにより、接触装置の接触面に内容物が付着したことを高精度に検出することができる。これらによって、例えば、包装袋から内容物が漏出したことを、特定の蛍光色を検出することにより内容物や接触面の色にかかわらず高精度に検出することができる。また、高価な設備等を必要としないため、費用を抑えることができる。更に、包装袋に電圧を印加しないことで、火花放電によって包装袋に新たな穴(ピンホールが)形成されることを抑えることができる。
【0008】
<2>本発明の態様2に係る包装検査装置は、態様1に係る包装検査装置において、前記蛍光検出装置は、前記接触面に向けて照射する励起光を発する光源と、前記接触面で反射した前記励起光を受光する受光素子とを備える。
【0009】
この発明によれば、蛍光検出装置は、接触面に向けて照射する励起光を発する光源と、接触面で反射した励起光を受光する受光素子とを備える。これにより、蛍光検出装置を簡易且つ確実な構成とすることができる。よって、費用が増加することを抑えつつ、確実に蛍光物質の蛍光を検出することができる。また、内容物や接触面の色にかかわらず包装袋からの漏出を高精度に検出することができる。
【0010】
<3>本発明の態様3に係る包装検査装置は、態様1又は態様2に係る包装検査装置において、前記接触装置は、第1接触面を有する第1接触体と、前記第1接触面に対向する第2接触面を有する第2接触体と、を有し、前記第1接触体及び前記第2接触体とは、前記第1接触面と前記第2接触面との間に前記包装袋を挟むことが可能な位置に配置される。
【0011】
この発明によれば、第1接触体及び第2接触体とは、第1接触面と第2接触面との間に包装袋を挟むことが可能な位置に配置される。これにより、第1接触体と第2接触体とによって、包装袋を挟むことができる。よって、包装袋のいずれの部位に内容物が付着している場合であっても、確実に内容物を第1接触面又は第2接触面に付着させることができる。
【0012】
<4>本発明の態様4に係る包装検査装置は、態様1から態様3のいずれか1つに係る包装検査装置において、前記第1接触体及び前記第2接触体は、前記包装袋を挟んで前記包装袋を搬送する。
【0013】
この発明によれば、第1接触体及び第2接触体は、包装袋を挟んで包装袋を搬送する。これにより、包装袋から漏出した内容物を第1接触体及び第2接触体に付着させることを目的とした接触装置によって、包装袋の搬送を兼ねることができる。
【0014】
<5>本発明の態様5に係る包装検査装置は、態様3又は態様4に係る包装検査装置において、前記包装袋を前記第1接触面と前記第2接触面との間に通過させる搬送装置を備える。
【0015】
この発明によれば、包装袋を第1接触面と第2接触面との間に通過させる搬送装置を備える。これにより、搬送装置によって、包装袋を搬送することができる。また、既存の搬送装置を活用して、搬送経路の途中に包装検査装置を容易に後付けすることもできる。さらに、接触装置は包装袋を搬送する機能を有していないため、第1接触体及び第2接触体のベルトコンベアの長さに制約なく、適宜接触装置の位置を設定することができる。
【0016】
<6>本発明の態様6に係る包装検査装置は、態様3から態様5のいずれか1つに係る包装検査装置において、前記蛍光検出装置として、前記第1接触面の蛍光を検出する第1蛍光検出装置と、前記第2接触面の蛍光を検出する第2蛍光検出装置と、を含む。
【0017】
この発明によれば、蛍光検出装置として、第1接触面の蛍光を検出する第1蛍光検出装置と、第2接触面の蛍光を検出する第2蛍光検出装置と、を含む。これにより、第1接触面及び第2接触面のそれぞれに付着した内容物の検出精度を向上させることができる。
【0018】
<7>本発明の態様7に係る包装検査装置は、態様3から態様5のいずれか1つに係る包装検査装置において、前記蛍光検出装置は、前記第1接触面及び前記第2接触面の蛍光を同時に検出する。
【0019】
この発明によれば、蛍光検出装置は、第1接触面及び第2接触面の蛍光を同時に検出する。これにより、1つの蛍光検出装置によって、第1接触面及び第2接触面のそれぞれに付着した内容物を検出することができる。よって、蛍光検出装置の構成を簡素にすることができる。
【0020】
<8>本発明の態様8に係る包装検査装置は、態様3から態様7のいずれか1つに係る包装検査装置において、前記第1接触体及び前記第2接触体とは、前記第1接触面と前記第2接触面との間に前記包装袋を挟み込む際、前記包装袋の封緘強度を検査する。
【0021】
この発明によれば、第1接触体及び第2接触体とは、第1接触面と第2接触面との間に包装袋を挟み込む際、包装袋の封緘強度を検査する。これにより、穴の開いた包装袋から漏出した内容物を第1接触体及び第2接触体に付着させることを目的とした接触装置によって、穴の開いていない他の包装袋が確実に密閉されているか確認する検査を同時に行うことができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、費用を抑えつつ高精度で内容物の漏出を検出することができ、かつ、検査対象に新たな穴が形成されることを抑えた包装検査装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】第1包装検査装置の第1形態の正面図である。
【
図2】第1包装検査装置の第2形態の正面図である。
【
図3A】第1包装検査装置の第3形態の正面図であって、第1時点の状態を示す図である。
【
図3B】第1包装検査装置の第3形態の正面図であって、第2時点の状態を示す図である。
【
図3C】第1包装検査装置の第3形態の正面図であって、第3時点の状態を示す図である。
【
図3D】第1包装検査装置の第3形態の正面図であって、第4時点の状態を示す図である。
【
図6】第4包装検査装置の第1形態の正面図である。
【
図7】第4包装検査装置の第2形態の正面図である。
【
図8】第5包装検査装置の第1形態の正面図である。
【
図9】第5包装検査装置の第2形態の正面図である。
【
図10】第6包装検査装置の第1形態の正面図である。
【
図11】第6包装検査装置の第2形態の正面図である。
【
図15】蛍光検出装置において撮像された画像の例を示す概要図であり、分図(a)~(d)は異なる実施形態について説明するための図である。
【
図16】包装検査装置の概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態に係る包装検査装置100、200、300、400、500、600、700、800、900を説明する。
【0025】
包装検査装置100、200、300、400、500、600、700、800、900は、例えば、包装袋Pの製造ラインにおいて、穴の開いた包装袋Pから内容物Cが漏出したことを検出する。
包装袋Pは、通電性を有する素材を含む包装体、例えば、アルミニウム成分を含有するレトルトパウチである。また、他の例では、透光性のある樹脂製フィルムにより形成された各種形状のパウチ包装体である。本実施形態において、包装袋Pには、蛍光物質を含有する内容物Cが充填されている。蛍光物質を含有する内容物Cとは、例えば、ビタミンB2を含有する液状又はゲル状食品である。なお、内容物Cには主に液状又はゲル状であれば、一部固形物を含んでいてもよい。内容物Cの具体例としては、カレー、シチュー、惣菜、液体ミルク、流動食、介護食、乳幼児食が挙げられる。本実施形態に係る包装検査装置100は、以下の構成により、包装袋Pの包装品質、すなわち気密性を検査する。
【0026】
まず、第1包装検査装置100について、第1形態乃至第3形態を説明する。
【0027】
第1包装検査装置100は、
図16に示すように、接触装置10と、蛍光検出装置20と、これらを制御する制御部50及び表示操作部60と、を備える。
【0028】
図1に示すように、第1包装検査装置100の接触装置10は、例えば、ベルトコンベアである。接触装置10は、包装袋Pに接触する。接触装置10は、包装袋Pに接触する接触面を有する。本実施形態において、接触面は、第1接触面11sと、第2接触面12sと、を含む(後述する)。以下、第1接触面11sと第2接触面12sとを区別しない場合に、接触面という。
【0029】
接触装置10は、本実施形態において、
図1に示すように、第1接触体11と、第2接触体12と、クリーニング手段13と、を有する。
第1接触体11は、第1接触面11sを有する。第1接触体11は、
図1に示す上側のベルトコンベアである。
第2接触体12は、第2接触面12sを有する。第2接触体12は、
図1に示す下側のベルトコンベアである。第2接触面12sは、第1接触面11sに所定間隔をおいて対向する。これらの上側のベルトコンベア及び下側のベルトコンベアは、それぞれ2本乃至4本ローラを有し、図示しないモータにより周回駆動される。
【0030】
第1接触体11のベルトコンベアと、第2接触体12のベルトコンベアは、ともに同一の搬送速度で周回駆動され、好ましくは、上流側の第1搬送手段T1および下流側の第2搬送手段T2の搬送速度と略同一速度であるとよい。
【0031】
本実施形態において、第1接触体11及び第2接触体12を構成するベルトコンベアは、
図1に示すように、例えば、それぞれが4本のローラを有し、無端状のベルトが掛け回され、前記ベルトの送り側及び戻り側の経路によって台形状を構成する。これにより、例えば、前記ベルトの戻り側において、後述する蛍光検出装置20を設置可能な領域及び角度を増やすことが好ましい。なお、ベルトの送り側とは、第1接触面11s及び第2接触面12sのそれぞれが包装袋Pに直接接触し得る範囲をいい、ベルトの戻り側とはそれ以外の範囲を言うものとする。
【0032】
これに限らず、第1接触体11及び第2接触体12を構成するベルトコンベアは、ローラの位置を適宜設定してベルトの周回を任意の経路としてもよい。
【0033】
第1接触体11及び第2接触体12とは、第1接触面11sと第2接触面12sとの間に包装袋Pを挟むことが可能な位置に配置される。つまり、本実施形態において、接触装置10は、第1接触体11と第2接触体12とをそれぞれ構成するベルトコンベアのベルトによって包装袋Pを挟む。これにより、接触装置10は、第1接触面11s及び第2接触面12sを包装袋Pに接触させる。また、第1接触体11と第2接触体12との間の間隔を包装袋Pのサイズすなわち厚さよりも小さく設定し、第1接触面11sと第2接触面12sとの間で挟まれる包装袋Pをベルトにより押圧するようにしてもよい。
【0034】
ここで、例えば、包装袋Pに穴(ピンホール)が開いていることで、内容物Cが前記穴から漏出し、包装袋Pの外表面に内容物Cが付着した状態となることがある。例えば、包装袋Pが十分に密閉されていないことで、内容物Cが漏出し、包装袋Pの外表面に内容物Cが付着した状態となることがある。
【0035】
外表面に内容物Cが付着した状態の包装袋Pが接触装置10に搬送されると、内容物Cが第1接触面11s又は第2接触面12sに付着する。本実施形態において、包装検査装置100は、後述する蛍光検出装置20によって第1接触面11s又は第2接触面12sに付着した内容物Cを検出することで、包装袋Pから内容物Cが漏出したことを検出する。
【0036】
また、包装袋Pに開いた穴(ピンホール)が小さく、大気圧下において内容物Cが漏出せず、包装袋Pの外表面に付着していないような場合であっても、第1接触面11sと第2接触面12sとの間で押圧することにより内容物Cを小さな穴(ピンホール)から漏出させるようにしてもよい。このように、押圧によっても内容物Cが漏出するので、第1接触面11s及び第2接触面12sの寸法は、包装袋Pを十分に覆う程度の寸法とするのがよく、これにより包装袋Pから漏出した内容物Cを確実に付着させるようにできる。
【0037】
クリーニング手段13は、第1接触面11s又は第2接触面12sに付着した内容物Cを、後述する蛍光検出装置20によって検出された後で、かつ再度包装袋Pに接触する前に各接触面から除去する。上述のように、第1接触体11及び第2接触体12はベルトコンベアである。また、接触装置10には、複数の包装袋Pが連続して搬送される。このため、第1接触面11s又は第2接触面12sに付着した内容物Cが除去されないと、実際には穴が開いていない包装袋Pに対して、内容物Cがベルトの周回駆動に伴い周回し、再度検出されてしまい、後続する包装袋Pに穴が開いていると誤判定する原因となる。クリーニング手段13によって第1接触面11s又は第2接触面12sに付着した内容物Cを自動的にもしくは手動によって適宜除去することで、上述の誤判定が生じることを抑える。
【0038】
クリーニング手段13は、例えば、第1接触面11s又は第2接触面12sに付着した内容物Cを拭き取って除去する布製もしくは化学繊維製のワイプ部材である。または、クリーニング手段13は、例えば、第1接触面11s又は第2接触面12sに付着した内容物Cを吸引して除去する装置である。さらに、クリーニング手段13は、例えば、第1接触面11s又は第2接触面12sに付着した内容物Cを風圧又は水圧によって除去する装置である。また、前記例示を組み合わせた装置を用いてもよく、内容物Cの成分や粘性等により変化する付着状況に応じて適宜選択されてもよい。
【0039】
また、クリーニング手段13を第1搬送手段T1にも設けることができる。すなわち、大気圧下で包装袋Pから漏出した内容物Cが第1搬送手段T1に残留することを防いで、後続する他の包装袋Pへの再付着をなくす。
【0040】
なお、上述したクリーニング手段13によっても、接触面11s、12sに付着した内容物Cが十分に除去できない場合には、蛍光の検出が高頻度となったり、包装袋Pの搬入の有無にかかわらず蛍光が検出されたりするため、蛍光検出装置20は、制御部50に対してエラー信号を出力する。
【0041】
上述のように、接触装置10は、上述のように第1接触体11と第2接触体12とによって包装袋Pを挟むことによって内容物Cを第1接触面11s又は第2接触面12sに付着させる機能を備える、これに加えて、接触装置10は、以下の機能を備える。
例えば、第1接触体11及び第2接触体12は、包装袋Pを挟んで包装袋Pを搬送する機能を備える。具体的には、
図1に示すように、包装袋Pは、包装袋Pが搬送される上流側に位置するベルトコンベアである第1搬送手段T1から、包装検査装置100の接触装置10に搬送される。接触装置10は、包装袋Pが搬送される下流側に位置するベルトコンベアである第2搬送手段T2に搬送する。
【0042】
例えば、第1接触体11及び第2接触体12とは、第1接触面11sと第2接触面12sとの間に包装袋Pを挟み込む際、包装袋Pの封緘強度を検査する機能を備える。具体的には、第1接触面11sと第2接触面12sとの間に包装袋Pを挟み込むことで、包装袋Pに所定の圧力が加わるように、両接触面11s、12sの間隔が設定される。このとき包装袋Pを押圧する圧力によって、包装袋Pに開いた穴(ピンホール)から内容物Cを漏出させ、及び/または包装袋Pが破損しないことを確認する。
【0043】
なお、包装袋Pに加わる圧力は、内容物Cの粘性や包装袋Pに要求される封緘強度に基づき設定され得る。すなわち、包装袋Pが破損しないことを確認する場合には、一例として、JISZ0238等の産業規格に定められたヒートシール軟包装袋の耐圧縮強さの圧縮荷重(200N乃至800N)を参照し、この規格値を援用できる。また、包装袋Pの小さな穴(ピンホール)から内容物Cを漏出させる場合には、内容物Cの粘性等に応じて包装袋Pから漏出させ得る程度の圧力を加えるとよい。一例として、上述した耐圧縮強さの圧縮荷重の1/200乃至1/20程度となるように適宜設定するとよい。より好適には、1/100乃至1/50程度とし、小さな穴から内容物Cを漏出させつつ必要以上に包装袋Pを変形させないようにするのがよい。また、第1接触体11及び第2接触体12の少なくとも一方を所定の弾性率を有する弾性体で支持してもよく、これにより包装袋Pを安定して挟み込んで押圧するようにしてもよい。
【0044】
蛍光検出装置20は、接触面に付着した内容物Cが含有する蛍光物質の蛍光を検出する。蛍光検出装置20は、光源21と、受光素子22と、を備える。
光源21は、接触面に向けて照射する励起光を発する。光源21は、例えば、紫外線ランプである。具体的には、UVA波に区分される近紫外線として365nm乃至375nmをピーク波長とするブラックライトを使用することができる。受光素子22は、接触面で反射した励起光を受光する。受光素子22は、例えば、撮像カメラである。つまり、蛍光検出装置20は、例えば、紫外線ランプと撮像カメラのセットである。
【0045】
また、受光素子22は、細長い線状領域を視野とするラインセンサ型でも、所定の矩形領域を視野とするエリアセンサ型でもよく、それぞれの受光視野に応じて光源21の照射野が設定されるとよい。
【0046】
蛍光検出装置20は、受光素子22から所定の周期で出力される受光データを受け、蛍光強度を表す蛍光データを算出し、あらかじめ設定された閾値との比較により蛍光の有無を検出する。
【0047】
また、
図15(a)~(d)に例示するように、受光データを画像化した画像データを包装検査装置100の制御部50に出力するようにしてもよく、この場合には画像データを所定の処理内容で画像処理する画像処理機能を実現する画像処理ユニットを蛍光検出装置20及び/または制御部50に装備するとよい。
【0048】
なお、内容物Cが含有する蛍光物質として食品中のビタミンB2を例示したが、この場合、包装袋Pから漏出して接触面に付着した内容物Cは、上述したブラックライトにより、530nmをピークとする波長の蛍光を発することが知られている。したがって、受光素子22としての撮像カメラにはこの波長領域に対応した光学フィルタを設けて画角を調整することで、不要な背景の写り込みを抑え、または検出対象の蛍光以外の外乱光による誤検出を抑えるとよい。
【0049】
制御部50は、上述した接触装置10及び蛍光検出装置20の動作を総括的に制御し、制御プログラムに基づいて動作するコンピュータユニットによって構成される。
【0050】
表示操作部60は、操作者の操作入力を制御部50に出力するとともに、制御部50から出力される各種データを所定の形式で表示出力する。
【0051】
第1形態の第1包装検査装置100は、例えば、
図1に示すように、蛍光検出装置20として、第1接触面11sのベルトの戻り側において蛍光を検出する第1蛍光検出装置20aと、第2接触面12sのベルトの戻り側において蛍光を検出する第2蛍光検出装置20bと、を含む。
【0052】
この構成によれば、第1蛍光検出装置20aにより検出された内容物Cは第1接触面11sに付着していたものであり、同様に、第2蛍光検出装置20bにより検出された内容物Cは第2接触面12sに付着していたものであることが確実となるうえ、光源21が発した励起光は包装袋Pに向けられず、包装袋Pが透光性の材料であっても包装袋Pから漏出していない内容物Cからの蛍光を誤って検出することがない。また、各受光素子22は各接触面に付着した内容物Cからの蛍光を受光すればよいので、例えば、紫外線ランプの照射強度や撮像カメラの位置調整などを最適に設定することが容易である。
【0053】
図15(a)は、上述した形態において、受光素子22によって得られた受光データを画像化した画像データを模式的に示した例であり、この画像データにおいて内容物Cからの蛍光に対応する蛍光部分をCPで示している。なお、斜線部分Zは、蛍光を検出する対象としない除外領域であり、マスク処理されていることを示す。このような除外領域を設定することにより、漏出した内容物Cが付着した蛍光の検出漏れを防ぎ、同一の蛍光箇所を必要以上の回数にわたって検出することがなくなるので、効率よく画像データを記録することができる。
【0054】
また、第1包装検査装置100は、第2形態として、例えば、
図2に示すように、1つの蛍光検出装置20によって、第1接触面11s及び第2接触面12sの蛍光を同時に検出してもよい。この場合、蛍光検出装置20は、第1接触面11s及び第2接触面12sの蛍光を同時に検出可能な位置、すなわち第2搬送手段T2の側方から両接触面11s、12sをともにのぞむ位置に、光源21としての1つの紫外線ランプおよび受光素子22としての1つの撮像カメラが適宜配置されるとよい。なお、ここでいう「同時に検出可能」とは、両接触面11s、12sに付着した内容物Cを1つの紫外線ランプからの励起光により蛍光させ、その蛍光を1つの撮像カメラによって撮像し得る状態を指す。
【0055】
また、
図2に示すように、両接触面11s、12sのベルトの送り側から戻り側に移行した直後の位置で紫外線ランプからの励起光が照射され、極めて短い時間差で付着した内容物Cからの蛍光を検出できるため、その内容物Cが漏出した包装袋Pの特定が容易である。
【0056】
なお、蛍光検出装置20を設置可能な領域及び角度を増やす為に、第1接触体11及び第2接触体12を構成するベルトは、例えば、上述のように、前記ベルトの経路によって台形状を構成することが好ましい。
【0057】
図15(b)は、上述した形態において、受光素子22によって得られた受光データを画像化した画像データを模式的に示した例であり、この画像データにおいて内容物Cからの蛍光に対応する蛍光部分をCPで示している。なお、斜線部分Zは、蛍光を検出する対象としない除外領域であり、マスク処理されていることを示す。このようなマスク処理により、周囲の像が写り込むことによる誤検出だけでなく、包装袋Pが透光性の材料であり、光源21の励起光が照射される場合であっても、包装袋P内の漏出していない内容物Cからの蛍光を誤って検出することがない。一方で、包装袋Pが遮光性の材料である場合には、光源21の励起光が照射されても、包装袋P内の漏出していない内容物Cからの蛍光を誤って検出することはないから、包装袋Pに対するマスク処理を省略してもよい。
【0058】
さらに、第1包装検査装置100は、第3形態として、
図3A~
図3Dに示すように、第1接触体11のベルトコンベアと第2接触体12のベルトコンベアの長さが異なり、かつ両ベルトコンベアのローラの位置を、包装袋Pの進行方向に沿って相対移動した位置に配置してもよい。ここで、説明の便宜上、この形態におけるクリーニング手段13を、第1接触面11sに対するクリーニング手段13aと、第2接触面12sに対するクリーニング手段13bとに分けて示す。
【0059】
この形態において、上側に配置される第1接触体11としてのベルトコンベアが、下側に配置される第2接触体12としてのベルトコンベアよりも短くなっているため、光源21および受光素子22を第1接触面11sのベルトの戻り側と第2接触面12sのベルトの送り側をともにのぞむ上方位置に配置される。すなわち、光源21としての1つの紫外線ランプから両接触面11s、12sに向けて励起光を照射し、これと並んで、受光素子22としての撮像カメラは、両接触面11s、12sを撮像し得るように配置される。
【0060】
図3A~
図3Dは、ある包装袋Pに着目して第1包装検査装置100の動作を時系列で説明するための図であり、
図3Aは、ある包装袋Pが第1搬送手段T1により搬送されている状態を示し、
図3Bは、その包装袋Pが包装検査装置100の接触装置10により上下から挟まれている状態を示し、
図3Cは、その包装袋Pが第2搬送手段T2に乗り移る状態を示し、
図3Dは、その包装袋Pが第2搬送手段T2により搬送されるとともに、次の包装袋Pが第1搬送手段T1により搬送されている状態を、それぞれ示している。
【0061】
図3Aでは、大気圧下において内容物C(C1)が上面側に漏出した包装袋Pが、第1搬送手段T1により搬送されている。また、第2搬送手段T2により先行する包装袋Pが搬送されている。この先行する包装袋Pからは内容物Cの漏出はなかったものとする。
【0062】
このとき、2つのクリーニング手段13a、13bは、先行する包装袋Pに内容物Cの漏出がなく、第1接触面11s及び第2接触面12sのいずれにも内容物Cの付着がなかったため、両接触面11s、12sのベルトから離間した待機位置に保持され、受光素子22の視野から外れている。
【0063】
図3Bでは、包装袋Pが第1接触体11及び第2接触体12の各ベルトコンベアにより押圧されながら搬送されている。このとき、この包装袋Pの上面側に付着していた内容物C(C1)は第1接触面11sのベルトに付着し、加えて、下面側の第2接触面12sのベルトには押圧によって漏出した内容物C(C2)が付着している。
【0064】
図3Cは、包装袋Pが第1接触体11から離間し、第2接触体12から第2搬送手段T2への乗り移る状態を示している。このとき、第1接触面11sに付着した内容物C(C1)は、ベルトの周回に伴い光源21の照射領域に入ることにより蛍光し、また受光素子22の視野に入ることによりその内容物C(C1)からの蛍光が検出される。そして、クリーニング手段13(13a)を待機位置から伸出させて第1接触面11sに付着した内容物C(C1)を除去し、例えばベルトの周回時間に応じて設定された時間が経過すると再び待機位置に戻す。一方で、第2接触面12sに付着した内容物C(C2)は、光源21照射領域にも、受光素子22の視野にも入らず、検出されない。
【0065】
図3Dでは、第2接触面12sに付着した内容物C(C2)が、ベルトの周回に伴い光源21の照射領域に入ることにより蛍光し、また受光素子22の視野に入ることによりその内容物C(C2)蛍光が検出される。そして、クリーニング手段13(13b)を待機位置から伸出させて第2接触面12sに付着した内容物C(C2)を除去し、例えばベルトの周回時間に応じて設定された時間が経過すると再び待機位置に戻す。この状態で、次の包装袋Pが第1搬送手段T1により搬送される。
【0066】
図15(c)及び(d)は、上述した形態の
図3C及び
図3Dにそれぞれ対応する状態において、受光素子22によって得られた受光データを画像化した画像データを模式的に示した例であり、この画像データにおいて内容物C(C1、C2)からの蛍光に対応する蛍光部分をCPで示している。
【0067】
なお、
図15(a)及び(b)では、蛍光を検出する対象としない除外領域を設けていたが、
図15(c)及び(d)については、蛍光を検出すべき領域を包装袋Pが通過するため、包装袋Pが遮光性の材料であるときに適用することが好ましい。
【0068】
(第1包装検査装置100による包装袋Pの検査)
次に、本実施形態に係る第1包装検査装置100による包装袋Pの検査について
図1及び
図16を用いて説明する。
【0069】
まず、第1包装検査装置100の制御部50は、表示操作部60が操作されて運転開始指令が入力されると、蛍光検出装置20に運転開始信号を出力し、光源21を点灯させ、受光素子22に受光データの出力を開始させる。続いて、接触装置10に運転開始信号を出力し、第1接触体11及び第2接触体12のベルトコンベアを駆動させ、さらにクリーニング手段13の動作を開始させる。制御部50は、通常、表示操作部60が操作されて運転停止信号が入力されるまで、上述した動作を継続させる。
【0070】
次に、検査対象である包装袋Pは、
図1に示すように、第1搬送手段T1から、包装検査装置100の接触装置10に順次搬送される。接触装置10に搬送された包装袋Pは、接触装置10を通過して第2搬送手段T2へ搬送される。第2搬送手段T2は、包装袋Pを次工程に搬送する。
【0071】
この時、包装袋Pに穴が開いている等の理由から、包装袋Pの外表面に内容物Cが付着していると、内容物Cが第1接触面11s又は第2接触面12sに付着する。第1接触面11s又は第2接触面12sに付着した内容物Cは、蛍光検出装置20によって検出される。
【0072】
蛍光検出装置20は、蛍光を検出したことを示す検出信号を制御部50に出力する。なお、この検出信号は、蛍光を検出したときにのみ所定幅のパルス信号を出力するものであっても、蛍光を検出していないときをハイレベルとし、蛍光を検出したときをローレベルとするレベル信号を出力するものであってもよく、他の任意の出力形態としてもよい。
【0073】
制御部50は、蛍光検出装置20から蛍光を検出したことを示す検出信号を受けて、表示操作部60に検出情報を所定の態様で出力させる。検出情報を出力する態様としては、例えば、画面表示、ブザーの鳴動やランプの点灯または点滅、およびそれらの組合せである。
【0074】
また、制御部50は、内容物Cが漏出した包装袋Pが後工程に流出しないように、第2搬送手段T2を停止させるか、または第2搬送手段T2の所定位置に設けられた振分装置を動作させる。
【0075】
一方、蛍光検出装置20によって検出された内容物Cは、検出後にクリーニング手段13によって除去される。
【0076】
なお、内容物Cが漏出した包装袋Pの特定は、次のように行われる。すなわち、例えば、内容物Cが漏出した包装袋Pは、第1接触面11s又は第2接触面12sに内容物Cが付着してから、内容物Cが蛍光検出装置20によって検出されるまでに第1接触体11又は第2接触体12のベルトが移動した量と、内容物Cが漏出した包装袋Pが移動した量と、を照合することで特定される。
【0077】
具体的には、内容物Cが包装袋Pのいずれかの位置から内容物Cが漏出して接触面11sまたは12sのベルトに付着し、接触体11、12のベルトコンベアと第2搬送手段T2の各搬送速度が同一であるとする。このとき、付着した内容物Cはベルトの送り側において包装袋Pとともに移動するから、上述した包装袋Pの特定に必須な情報は、
図1中に示すように、接触装置10のある位置(典型例としてはベルトの送り側端部のローラ軸)を基準にして、蛍光検出装置20が内容物Cの蛍光を検出できる位置までのベルトの移動距離Dに他ならないので、例えば、第2搬送手段T2の対応する特定位置Gに警報ランプを設けて包装袋Pを特定したり、あるいは振分装置を作動させて自動的に所定方向に振り分けるようにするとよい。
【0078】
なお、第1形態の包装検査装置100及び第2形態の包装検査装置100は、第1接触面11s及び第2接触面12sのベルトの周回する周期内で、蛍光検出装置20とクリーニング手段13を通過できるため、順次搬送されてくる包装袋Pの搬送間隔によらず、包装袋Pの包装品質を検査することができる。
【0079】
続いて、包装袋Pが接触装置10に順次搬送され、上述した包装検査が繰り返される。
【0080】
制御部50は、蛍光検出装置20からの検出信号を所定時間内に所定回数受けたとき、包装検査を中断する。そして、接触装置10及び蛍光検出装置20に運転停止信号を出力するとともに、表示操作部60にエラーメッセージを表示させるとともに、第1搬送手段T1に対して停止要求を出力する。
【0081】
また、制御部50は、表示操作部60の操作により、接触装置10を所定時間動作させるクリーニングモードを実行できるようにしてもよい。クリーニングモードでは、蛍光検出装置20を動作させて得た受光データを、クリーニングデータとして記録することもできる。
【0082】
検査対象となる包装袋Pの包装検査が完了すると、表示操作部60が操作されて制御部50に運転停止指令が入力され、制御部50は、接触装置10及び蛍光検出装置20に運転停止信号を出力し、それぞれの動作を停止させる。
【0083】
以上のようにして、第1包装検査装置100による包装袋Pの検査が行われる。
【0084】
以上説明したように、本実施形態に係る第1包装検査装置100によれば、接触装置10は包装袋Pに接触する接触面を有する。これにより、例えば、包装袋Pから漏出した内容物Cが包装袋Pの外表面に付着している場合、及び/または接触装置10による押圧によって包装袋Pから内容物Cが漏出した場合に、包装袋から漏出した内容物Cを接触面に付着させることができる。蛍光検出装置20は、接触面に付着した内容物Cが含有する蛍光物質の蛍光を検出する。これにより、接触装置10の接触面に内容物Cが付着したことを高精度に検出することができる。これらによって、例えば、包装袋Pから内容物Cが漏出したことを、特定の蛍光色を検出することにより内容物や接触面の色にかかわらず高精度に検出することができる。また、高価な設備等を必要としないため、費用を抑えることができる。更に、包装袋Pに電圧を印加しないことで、火花放電によって包装袋Pに新たな穴(ピンホール)が形成されることを抑えることができる。
【0085】
また、蛍光検出装置20は、接触面に向けて照射する励起光を発する光源21と、接触面で反射した励起光を受光する受光素子22とを備える。これにより、蛍光検出装置20を簡易且つ確実な構成とすることができる。よって、費用が増加することを抑えつつ、確実に蛍光物質の蛍光を検出することができる。また、内容物Cや接触面の色にかかわらず包装袋Pからの漏出を高精度に検出することができる。
【0086】
また、第1接触体11及び第2接触体12とは、第1接触面11sと第2接触面12sとの間に包装袋Pを挟むことが可能な位置に配置される。これにより、第1接触体11と第2接触体12とによって、包装袋Pを挟むことができる。よって、包装袋Pのいずれの部位に内容物Cが付着している場合であっても、確実に内容物Cを第1接触面11s又は第2接触面12sに付着させることができる。
【0087】
また、第1接触体11及び第2接触体12は、包装袋Pを挟んで包装袋Pを搬送する。これにより、包装袋Pから漏出した内容物Cを第1接触体11及び第2接触体12に付着させることを目的とした接触装置10によって、包装袋Pの搬送を兼ねることができる。
【0088】
また、
図1に示すように、蛍光検出装置20として、第1接触面11sの蛍光を検出する第1蛍光検出装置20aと、第2接触面12sの蛍光を検出する第2蛍光検出装置20bと、を含む。これにより、第1接触面11s及び第2接触面12sのそれぞれに付着した内容物Cの検出精度を向上させることができる。
【0089】
また、
図2または
図3A~
図3Dに示すように、蛍光検出装置20は、第1接触面11s及び第2接触面12sの蛍光を同時に検出する。これにより、1つの蛍光検出装置20によって、第1接触面11s及び第2接触面12sのそれぞれに付着した内容物Cを検出することができる。よって、蛍光検出装置20の構成を簡素にすることができる。
【0090】
また、第1接触体11及び第2接触体12とは、第1接触面11sと第2接触面12sとの間に包装袋Pを挟み込む際、包装袋Pの封緘強度を検査する。これにより、穴の開いた包装袋Pから漏出した内容物Cを第1接触体11及び第2接触体12に付着させることを目的とした接触装置10によって、穴の開いていない他の包装袋Pが確実に密閉されているか確認する検査を同時に行うことができる。
【0091】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態の第2包装検査装置200を、
図4を参照して説明する。以下の各実施形態においては、前述した第1実施形態の第1包装検査装置100における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0092】
第2包装検査装置200は、
図4に示すように、包装袋Pを吊下げて搬送する搬送装置210を備える点で包装検査装置100と相違する。
搬送装置210は、
図4に示すように、包装袋Pの一方の端部を把持して吊下げるような状態として、包装袋Pを搬送する。第2包装検査装置200において、接触装置10は、搬送装置210によって包装袋Pが移動する経路の途中に設けられる。これにより、搬送装置210は、包装袋Pを第1接触面11sと第2接触面12sとの間を通過させる。
したがって、第2実施形態に係る接触装置10は、第1接触体11と第2接触体12とによって包装袋Pを挟むことによって内容物Cを第1接触面11s又は第2接触面12sに付着させる機能と、包装袋Pの封緘強度を検査する機能を備える。
【0093】
第2包装検査装置200において、蛍光検出装置20は、例えば、
図4に示すように、第1接触面11sの蛍光を検出するための第1蛍光検出装置20aと、第2接触面12sの蛍光を検出するための第2蛍光検出装置20bと、が配置される。
【0094】
この構成によれば、光源21が発した励起光は包装袋Pに向けられず、受光素子22は接触面に付着した内容物Cからの蛍光を受光すればよいから、例えば、包装袋Pが透光性の材料であっても包装袋P内の漏出していない内容物Cの蛍光を誤って検出することがない。また、各受光素子22は各接触面に付着した内容物Cからの蛍光を受光すればよいので、例えば、紫外線ランプの照射強度や撮像カメラの位置調整などを最適に設定することが容易である。なお、第1接触面11s及び第2接触面12sのベルトの周回する周期内で、蛍光検出装置20とクリーニング手段13を通過できるため、順次搬送されてくる包装袋Pの搬送間隔によらず、包装袋Pの包装品質を検査することができる。なお、受光素子22によって得られた受光データを画像化した画像データは、
図15(a)のようになる。
【0095】
これに限らず、例えば、第1接触体11及び第2接触体12の位置を、互いに包装袋Pの進行方向に沿って相対移動した位置に配置する、または、第1接触面11s及び第2接触面12sのベルトの構成を適宜変更することによって、1つの蛍光検出装置20によって、第1接触面11s及び第2接触面12sの蛍光を同時に検出するように、搬送装置210によって吊下げて搬送される包装袋Pの下方から接触面11sおよび12sをともに臨むように配置してもよい。この場合には、
図15(b)に示すように、両接触面11s、12sとともに包装袋Pや周囲の像が背景として写り込むため、必要に応じて除外領域を設けてマスク処理するとよい。
【0096】
以上説明したように、第2実施形態に係る第2包装検査装置200によれば、包装袋Pを第1接触面11sと第2接触面12sとの間に通過させる搬送装置210を備える。これにより、搬送装置210によって、包装袋Pを搬送することができる。また、既存の搬送装置210を活用して、搬送経路の途中に第2包装検査装置200を容易に後付けすることもできる。さらに、接触装置10は包装袋Pを搬送する機能を有していないため、第1接触体11及び第2接触体12のベルトコンベアの長さに制約なく、適宜接触装置10の位置を設定することができる。
【0097】
(第3実施形態)
次に、本発明に係る第3実施形態の第3包装検査装置300を、
図5を参照して説明する。第3包装検査装置300は、接触装置10を構成する第1接触体11及び第2接触体12がローラ体である点で、包装検査装置100と相違する。第3包装検査装置300の備える接触装置10は、第1接触面11s又は第2接触面12sに内容物Cを付着させる点と、第1搬送手段T1から第2搬送手段T2へ包装袋Pを運搬する機能を備える点と、第1接触面11sと第2接触面12sとの間に包装袋Pを挟み込む際、包装袋Pの封緘強度を検査する機能を備える点で、包装検査装置100の接触装置10と共通である。
【0098】
この構成によれば、接触装置10を2本のローラ体で実現でき、複雑な構成を必要とせず、包装袋Pのサイズに応じた位置の調整も一方のローラ体の位置調整のみにより容易である。また、第1接触面11s及び第2接触面12sのベルトは、それぞれのローラ体の周囲を囲う密着性の高い筒状体でよく、複数のローラ間にベルトを掛け回すときの張力調整が不要となり、洗浄やメンテナンスもしやすい。さらに、包装袋Pから漏出した内容物Cが各接触面11s、12sに付着してから蛍光検出装置20によりその漏出した内容物Cが検出されるまでの時間差すなわち接触装置10からの包装袋Pの移動距離Dがローラ体の外周長の高々1/4程度と極めて短く、内容物Cが漏出した包装袋Pの特定位置Gが明白となる。
【0099】
なお、第1接触体11のみをローラ体とし、第2接触体12をベルトコンベアとする形態にも変形が可能である。この場合、第2接触体12のベルトコンベアは既存のベルトコンベアを活用することも可能である。
【0100】
(第4実施形態)
次に、本発明に係る第4実施形態の第4包装検査装置400を、
図6及び
図7を参照して説明する。第4包装検査装置400は、接触装置10として、押出手段を備える点で包装検査装置100と相違する。押出手段とは、穴の開いた包装袋Pから内容物Cを漏出させるための構成である。また、第4包装検査装置400は、包装袋Pに付着した内容物Cを直接に蛍光検出装置20によって検出し、また第1搬送手段T1が包装袋Pの下面側から漏出した内容物Cに対する接触装置10として機能する点で、包装検査装置100と相違する。
【0101】
第4包装検査装置400には、押出手段として圧力装置410が用いられる。圧力装置410は、内部に包装袋Pが配置された状態で密閉空間を構成する。圧力装置410は、前記密閉空間を構成した状態で、包装袋Pに圧力を付加する。具体的には、圧力装置410は、前記密閉空間を加圧又は減圧する。これにより、圧力装置410は、穴の開いた包装袋Pから内容物Cを漏出させる。圧力装置410には、空気シリンダや油圧シリンダ等、任意の公知の装置を適用可能である。
【0102】
圧力装置410は、例えば、
図6に示すように、第1搬送手段T1に配置される。これにより、第1搬送手段T1の上に位置する包装袋Pに対して圧力を付加する。これにより、包装袋Pに穴が開いている場合は、包装袋Pから内容物Cが漏出し、包装袋Pの外表面に内容物Cが付着した状態となる。その後、包装袋Pの外表面及び/または第1搬送手段T1のベルトに内容物Cが付着しているか否かを、蛍光検出装置20によって判定する。このとき、包装袋Pの外表面及び第1搬送手段T1のベルトが接触面11s、12sに対応する。
【0103】
蛍光検出装置20によっては、第1搬送手段T1の上を搬送される包装袋Pの両面の蛍光を検出する必要がある。例えば、第1搬送手段T1の上に配置された包装袋Pの上方に面する面については、蛍光検出装置20を、包装袋Pの移動方向のうち、第1搬送手段T1における圧力装置410が設けられた部位よりも下流側の任意の場所に配置することで蛍光を検出可能である。これに対し、第1搬送手段T1の上に配置された包装袋Pの下方に面する面は、第1搬送手段T1に接している。このため、蛍光検出装置20によって前記下方に面する面の蛍光を検出するために、以下のようにすることが好ましい。
【0104】
例えば、
図6に示すように、第1搬送手段T1と第2搬送手段T2との間に隙間CLを設ける。これにより、包装袋Pが第1搬送手段T1と第2搬送手段T2との間に位置する状態の時、包装袋Pの下方に面する面が隙間CLを介して下方に向けて露出され、蛍光検出装置20による蛍光の検出が可能な状態となる。
この場合、蛍光検出装置20として、包装袋Pの上方に面する面の蛍光を検出するための第1蛍光検出装置20aを包装袋Pの上方に配置し、包装袋Pの下方に面する面の蛍光を検出するための第2蛍光検出装置20bを包装袋Pの下方に配置する。特に第2蛍光検出装置20bは、第1搬送手段T1と第2搬送手段T2との間に設けられた隙間CLの位置に合わせて配置し、第1搬送手段T1の下流側に位置するローラ部のベルトと包装袋Pの下方の面をともに含むようにして、包装袋Pの下方の面から漏出した内容物Cが第1搬送手段T1のベルトに付着していても、包装袋Pが遮光性の材料には外表面に付着したままでもその内容物Cからの蛍光を検出できるようにするとよい。
【0105】
例えば、
図7に示すように、第1搬送手段T1のベルトと第2搬送手段T2のベルトとを、それぞれ接触面11s、12sとすることができる。しかしながら、第1搬送手段T1、第2搬送手段T2のベルトを接触面11s、12sとして好適な材質とすることが困難な場合がある。すなわち、包装袋Pの下方の面から漏出した内容物Cをベルトに付着させることが確実とならないときがある。これを克服するため、第1搬送手段T1と第2搬送手段T2との間に段差Sを設ける。これにより、包装袋Pが第1搬送手段T1から第2搬送手段T2に向けて落下させることで、包装袋Pの向きを反転させる。これにより、包装袋Pの両面を上方に面する状態とすることができる。
この場合、包装袋Pが遮光性の材料の場合には、蛍光検出装置20として、包装袋Pの一方の面の蛍光を検出するための第1蛍光検出装置20a、すなわち、
図7に示す光源21a及び受光素子22aを第1搬送手段T1の上方に配置し、包装袋Pの他方の面の蛍光を検出するための第2蛍光検出装置20b、すなわち、
図7に示す光源21b及び受光素子22bを第2搬送手段T2の上方に配置する。
【0106】
また、段差Sを利用し、
図6に示した第2蛍光検出装置20bと同様に、第1搬送手段T1の下方から包装袋Pの下方の外表面に付着した内容物Cからの蛍光を検出するようにしてもよい。
【0107】
(第5実施形態乃至第9実施形態)
上述した各形態の包装検査装置100、200、300、400における接触装置10の接触体11及び12の構成や蛍光検出装置20の光源21及び受光素子22の配置は、以降に示す形態のように種々変形し、組み合わせることによって包装検査装置500、600、700、800、900としてもよい。
【0108】
すなわち、接触装置10は、包装袋Pを搬送する機能を有する第1搬送手段T1や搬送装置210によって接触部10を構成することができる。
【0109】
また、蛍光検出装置20は、光源21からの励起光を照射し、包装袋Pから漏出した内容物Cからの蛍光を検出する。蛍光の検出は、包装袋Pから漏出した内容物Cが接触装置10を介して蛍光検出装置20の検出領域に移動することによって、または外表面に漏出した内容物Cが付着した包装袋Pを蛍光検出装置20の検出領域に移動することによって行われる。蛍光検出装置20の検出領域は、光源21の照射領域と受光素子22の受光領域によって決定づけられる。
【0110】
さらに、蛍光検出装置20の光源21と受光素子22は、接触装置10(接触部10)の構成に応じて、適宜配置することができる。
【0111】
なお、包装袋Pを光源21の照射領域を通過させるときについて説明する。包装袋Pが透光性の材料の場合、受光素子22の受光データを画像化した画像データに対して除外領域を設定し、マスク処理により蛍光を検出する領域と蛍光を検出しない領域を区分する。これにより、漏出していない包装袋P内の内容物Cからの蛍光を誤検出しないようにする。包装袋Pが遮光性の材料の場合は、マスク処理を必要とせず、包装袋Pから漏出して外表面に付着した内容物Cの蛍光を検出できる。マスク処理を行う画像処理ユニットは、蛍光検出装置20及び/または制御部50に装備される。
【0112】
蛍光検出装置20により蛍光が検出されたとき、蛍光を発した内容物Cがいずれの包装袋Pから漏出したかの特定は、受光素子22によって蛍光を検出し得る位置に内容物Cが移動する移動距離Dによって実現され、警報ランプや振分装置を作動させることができる。
【0113】
(第5実施形態)
次に、本発明に係る第5実施形態の第5包装検査装置500を、
図8及び
図9を参照して説明する。第5包装検査装置500は、接触装置10として、押出手段を備える点で包装検査装置100と相違し、第4包装検査装置400と共通である。
第5包装検査装置500には、押出手段として押付装置510が用いられる点で、第4包装検査装置400と相違する。押付装置510は、例えば、棒状の部材である。押付装置510は、包装袋Pの外表面に押し付けられるように接触することで、包装袋Pの内部の圧力を上げる。これにより、押付装置510は、穴の開いた包装袋Pから内容物Cを漏出させる。押付装置510には、任意の公知の装置を適用可能である。
【0114】
押付装置510は、例えば、
図8に示すように、第1搬送手段T1に配置される。これにより、第1搬送手段T1の上に位置する包装袋Pに対して圧力を付加する。これにより、包装袋Pに穴が開いている場合は、包装袋Pから内容物Cが漏出し、包装袋Pの外表面に内容物Cが付着した状態となる。その後、包装袋Pの外表面に内容物Cが付着しているか否かを、蛍光検出装置20によって判定する。
【0115】
第5包装検査装置500における、包装袋Pの両面の蛍光を検出するための蛍光検出装置20、第1搬送手段T1及び第2搬送手段T2の配置については、第4包装検査装置400と共通である。
例えば、
図8に示すように、第1搬送手段T1と第2搬送手段T2との間に隙間CLを設ける。蛍光検出装置20として、包装袋Pの上方に面する面の蛍光を検出するための第1蛍光検出装置20aを包装袋Pの上方に配置し、包装袋Pの下方に面する面の蛍光を検出するための第2蛍光検出装置20bを包装袋Pの下方に配置する。特に第2蛍光検出装置20bは、第1搬送手段T1と第2搬送手段T2との間に設けられた隙間CLの位置に合わせて配置する。
【0116】
例えば、
図9に示すように、第1搬送手段T1と第2搬送手段T2との間に段差Sを設ける。蛍光検出装置20として、包装袋Pの一方の面の蛍光を検出するための第1蛍光検出装置20aを第1搬送手段T1の上方に配置し、包装袋Pの他方の面の蛍光を検出するための第2蛍光検出装置20bを第2搬送手段T2の上方に配置する。
【0117】
(第6実施形態)
次に、本発明に係る第6実施形態の第6包装検査装置600を、
図10及び
図11を参照して説明する。第6包装検査装置600は、接触装置10を備えない点で包装検査装置100と相違する。更に、押出手段を備えない点で、第4包装検査装置400及び第5包装検査装置500と相違する。第6包装検査装置600は、大気圧下で、穴の開いた包装袋Pから内容物Cの自重によって漏出した内容物Cを検出する。
第6包装検査装置600における、包装袋Pの両面の蛍光を検出するための蛍光検出装置20、第1搬送手段T1及び第2搬送手段T2の配置については、第4包装検査装置400及び第5包装検査装置500と共通であるため、説明を省略する。
【0118】
(第7実施形態)
次に、本発明に係る第7実施形態の第7包装検査装置700を、
図12を参照して説明する。第7包装検査装置700は、接触装置10を備えず、押出手段を備える点で第2包装検査装置200と相違する。また、第7包装検査装置700は、包装袋Pに付着した内容物Cを直接に蛍光検出装置20によって検出する点で、第2包装検査装置200と相違する。
第7包装検査装置700には、押出手段として圧力装置410が用いられる。
【0119】
第7包装検査装置700において、蛍光検出装置20は、
図12に示すように、包装袋Pの一方の面の蛍光を検出するための第1蛍光検出装置20aと、包装袋Pの他方の面の蛍光を検出するための第2蛍光検出装置20bと、が配置される。蛍光検出装置20は、搬送装置210による包装袋Pの移動方向において、圧力装置410よりも下流側に設けられる。
【0120】
(第8実施形態)
次に、本発明に係る第8実施形態の第8包装検査装置800を、
図13を参照して説明する。第8包装検査装置800は、押出手段として押付装置510を備える点でのみ、第7包装検査装置700と相違する。その他の点は、第7包装検査装置700と共通である。
【0121】
(第9実施形態)
次に、本発明に係る第9実施形態の第9包装検査装置900を、
図14を参照して説明する。第9包装検査装置900は、押出手段を備えない点で、第7包装検査装置700及び第8包装検査装置800と相違する。第9包装検査装置900は、大気圧下で、穴の開いた包装袋Pから内容物Cの自重によって漏出した内容物Cを検出する。その他の点は、第7包装検査装置700及び第8包装検査装置800と共通である。
【0122】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、蛍光検出装置20によっては、接触装置10の第1接触面11s及び第2接触面12sに付着した内容物Cを検出する、又は、包装袋Pの外表面に付着した内容物Cを直接に検出する態様について説明した。これに限らず、1つの蛍光検出装置20によって、第1接触面11s、第2接触面12s、及び包装袋Pの外周面の全てに付着した内容物Cを検出するようにしてもよい。
また、接触装置10によって包装袋Pの封緘強度を確認するためのセンサを別途設けてもよい。
【0123】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0124】
10 接触装置(接触部)
11 第1接触体
11s 第1接触面
12 第2接触体
12s 第2接触面
13 クリーニング手段
20 蛍光検出装置
20a 第1蛍光検出装置
20b 第2蛍光検出装置
21(21a、21b) 光源
22(22a、22b) 受光素子
100 第1包装検査装置
200 第2包装検査装置
210 搬送装置
300 第3包装検査装置
400 第4包装検査装置
410 圧力装置
500 第5包装検査装置
510 押付装置
600 第6包装検査装置
700 第7包装検査装置
800 第8包装検査装置
900 第9包装検査装置
C(C1、C2) 内容物
CL 隙間
CP 蛍光部分
D 移動距離
G 特定位置
P 包装袋
S 段差
T1 第1搬送手段
T2 第2搬送手段
【要約】
【課題】費用を抑えつつ高精度で内容物の漏出を検出することができ、かつ、検査対象に新たな穴が形成されることを抑えた包装検査装置を提供することを目的とする。
【解決手段】蛍光物質を含有する内容物Cが充填された包装袋Pに接触する接触面を有する接触装置10と、接触面に付着した内容物Cが含有する蛍光物質の蛍光を検出する蛍光検出装置20と、を備える。
【選択図】
図1