(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-07
(45)【発行日】2025-01-16
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20250108BHJP
H10K 59/95 20230101ALI20250108BHJP
H10K 50/856 20230101ALI20250108BHJP
H10K 50/818 20230101ALI20250108BHJP
H10K 50/828 20230101ALI20250108BHJP
H10K 59/38 20230101ALI20250108BHJP
H10K 59/121 20230101ALI20250108BHJP
H10K 59/122 20230101ALI20250108BHJP
H10K 59/35 20230101ALI20250108BHJP
H10K 50/852 20230101ALI20250108BHJP
【FI】
G09F9/30 349D
H10K59/95
H10K50/856
H10K50/818
H10K50/828
H10K59/38
H10K59/121 213
H10K59/122
H10K59/35
H10K50/852
G09F9/30 365
(21)【出願番号】P 2023202319
(22)【出願日】2023-11-30
【審査請求日】2023-11-30
(31)【優先権主張番号】10-2022-0189150
(32)【優先日】2022-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【氏名又は名称】岡部 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100209808
【氏名又は名称】三宅 高志
(72)【発明者】
【氏名】リュ テクン
(72)【発明者】
【氏名】イ サンビン
(72)【発明者】
【氏名】ギ ヒュクチャン
【審査官】武田 知晋
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-243714(JP,A)
【文献】国際公開第2004/068910(WO,A1)
【文献】特開2005-109469(JP,A)
【文献】特開平11-154774(JP,A)
【文献】特表2022-502712(JP,A)
【文献】特開2021-036330(JP,A)
【文献】特開2017-040876(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/30
H10K 59/95
H10K 50/856
H10K 50/818
H10K 50/828
H10K 59/38
H10K 59/121
H10K 59/122
H10K 59/35
H10K 50/852
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの発光部と少なくとも一つのレーザー部を含む画素が備えられた基板と、
前記基板の上部に備えられる下部ミラー層と、
前記下部ミラー層の上部の前記少なくとも一つの発光部に備えられる第1発光ダイオードと、
前記下部ミラー層の上部の前記少なくとも一つのレーザー部に備えられる第2発光ダイオードと、
前記第2発光ダイオードの上部に備えられる上部ミラー層とを含む、表示装置。
【請求項2】
前記第1発光ダイオードは第1画素電極と第1発光層および共通電極を含み、
前記第2発光ダイオードは第2画素電極と第2発光層および共通電極を含み、
前記第1発光ダイオードの共通電極と前記第2発光ダイオードの共通電極は一体に備えられる、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1画素電極は光を反射し、前記第2画素電極は光を透過させる、請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1画素電極は少なくとも一つの反射電極と少なくとも一つの透明電極を含む多重層構造を有し、前記第2画素電極は透明電極を含む単一層構造を有する、請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記少なくとも一つの発光部の前記第1発光ダイオードの上部に備えられるカラーフィルタをさらに含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記少なくとも一つの発光部で前記基板と前記第1発光ダイオードの間に備えられる第1および第2トランジスタと、
前記少なくとも一つのレーザー部で前記基板および前記第2発光ダイオードの間に備えられる第3トランジスタとをさらに含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第1トランジスタと前記第3トランジスタは第1および第2ゲート配線にそれぞれ接続され、一つのデータ配線に共に接続される、請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1トランジスタと前記第3トランジスタは一つのゲート配線に共に接続され、第1および第2データ配線にそれぞれ接続される、請求項6に記載の表示装置。
【請求項9】
前記画素は3個の発光部と1個のレーザー部を含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
前記画素は少なくとも一つの透明部をさらに含み、前記下部ミラー層は前記少なくとも一つの透明部に具備されない、請求項1に記載の表示装置。
【請求項11】
前記少なくとも一つの発光部と前記少なくとも一つのレーザー部間、前記少なくとも一つのレーザー部と前記少なくとも一つの透明部間、そして前記少なくとも一つの透明部と前記画素に隣接した画素の少なくとも一つの発光部間に備えられるバンクをさらに含む、請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
前記下部ミラー層は互いに異なる屈折率を有し、交互に積層された第1および第2下部屈折率層を含み、
前記上部ミラー層は互いに異なる屈折率を有し、交互に積層された第1および第2上部屈折率層を含み、
前記第1および第2下部屈折率層の屈折率の差は前記第1および第2上部屈折率層の屈折率の差より大きい、請求項1に記載の表示装置。
【請求項13】
前記画素は第1、第2、第3副画素を含み、前記第1、第2、第3副画素のそれぞれは前記少なくとも一つの発光部と前記少なくとも一つのレーザー部を含み、
前記第2副画素の前記上部ミラー層の厚さは前記第1副画素の前記上部ミラー層の厚さより小さく前記第3副画素の前記上部ミラー層の厚さより大きい、請求項1に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置に関し、特に、発光部とレーザー部を含む表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
平板表示装置のうち一つである電界発光表示装置(Electroluminescent Display Device)は自発光型であるため液晶表示装置(Liquid Crystal Display Device)に比べて視野角などが優秀で、バックライトが不要であるため軽量および薄型が可能であり、消費電力の側面でも有利である。
【0003】
また、電界発光表示装置は直流低電圧駆動が可能で、応答速度が速く、すべて固体であるため外部の衝撃に強く、使用温度範囲も広く、特に製造費用の側面でも安価である長所を有している。
【0004】
電界発光表示装置は赤、緑、青色の副画素で構成された多数の画素を含み、赤、緑、青色の副画素を選択的に発光させて多様なカラー映像を表示する。
【0005】
最近、このような電界発光表示装置が多様な分野に適用されるにつれて、多様な機能を有する表示装置が要求されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、発光部およびレーザー部を含み、状況に応じて選択的に情報を提供できる表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の目的を達成するために、一実施形態の表示装置は、少なくとも一つの発光部と少なくとも一つのレーザー部を含む画素が備えられた基板と、前記基板の上部に備えられる下部ミラー層と、前記下部ミラー層の上部の前記少なくとも一つの発光部に備えられる第1発光ダイオードと、前記下部ミラー層の上部の前記少なくとも一つのレーザー部に備えられる第2発光ダイオードと、前記第2発光ダイオードの上部に備えられる上部ミラー層とを含む。
【0008】
前記第1発光ダイオードは第1画素電極と第1発光層および共通電極を含み、前記第2発光ダイオードは第2画素電極と第2発光層および共通電極を含み、前記第1発光ダイオードの共通電極と前記第2発光ダイオードの共通電極は一体に備えられる。
【0009】
前記第1画素電極は光を反射し、前記第2画素電極は光を透過させる。
【0010】
前記第1画素電極は少なくとも一つの反射電極と少なくとも一つの透明電極を含む多重層構造を有し、前記第2画素電極は透明電極を含む単一層構造を有する。
【0011】
本発明の表示装置は、前記少なくとも一つの発光部の前記第1発光ダイオードの上部に備えられるカラーフィルタをさらに含む。
【0012】
本発明の表示装置は、前記少なくとも一つの発光部で前記基板と前記第1発光ダイオードの間に備えられる第1および第2トランジスタと、前記少なくとも一つのレーザー部で前記基板と前記第2発光ダイオードの間に備えられる第3トランジスタをさらに含む。
【0013】
前記第1トランジスタと前記第3トランジスタは第1および第2ゲート配線にそれぞれ接続され、一つのデータ配線に共に接続され得る。
【0014】
これとは異なり、前記第1トランジスタと前記第3トランジスタは一つのゲート配線に共に接続され、第1および第2データ配線にそれぞれ接続され得る。
【0015】
前記画素は3個の発光部と1個のレーザー部を含む。
【0016】
前記画素は少なくとも一つの透明部をさらに含み、前記下部ミラー層は前記少なくとも一つの透明部に設けられない。
【0017】
本発明の表示装置は、前記少なくとも一つの発光部と前記少なくとも一つのレーザー部間、前記少なくとも一つのレーザー部と前記少なくとも一つの透明部間、そして前記少なくとも一つの透明部と前記画素に隣接した画素の少なくとも一つの発光部間に備えられるバンクをさらに含む。
【0018】
前記下部ミラー層は互いに異なる屈折率を有し、交互に積層された第1および第2下部屈折率層を含み、前記上部ミラー層は互いに異なる屈折率を有し、交互に積層された第1および第2上部屈折率層を含み、前記第1および第2下部屈折率層の屈折率の差は前記第1および第2上部屈折率層の屈折率の差より大きい。
【0019】
前記画素は第1、第2、第3副画素を含み、前記第1、第2、第3副画素のそれぞれは前記少なくとも一つの発光部と前記少なくとも一つのレーザー部を含み、前記第2副画素の前記上部ミラー層の厚さは前記第1副画素の前記上部ミラー層の厚さより小さく前記第3副画素の前記上部ミラー層の厚さより大きい。
【発明の効果】
【0020】
本発明では、各画素が発光部とレーザー部を含み、平常時に発光部を通じて映像を表示し、非常状況時にレーザー部を通じてレーザービームを発生させて人命救助することができる。
【0021】
また、上部発光方式の表示装置を適用することによって輝度を向上させることができ、これに伴い、低電力化が可能であるので消費電力を低減することができる。
【0022】
また、このような発光部とレーザー部を含む画素は既存の工程を通じて具現できるため、工程を最適化し生産エネルギーを低減できる効果がある。
【0023】
また、各画素が透明部をさらに含むことによって、発光部を通じて映像情報を表示しながら、透明部を通じて背景のような周辺環境情報を共に表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の実施例に係る表示装置の一つの副画素に対する概略的な等価回路図である。
【
図2】本発明の実施例に係る表示装置の概略的な断面図である。
【
図3a】本発明の実施例に係る下部ミラー層を概略的に図示した断面図である。
【
図3b】本発明の実施例に係る上部ミラー層を概略的に図示した断面図である。
【
図4】本発明の第1実施例に係る表示装置の画素配置構造に対する概略的な平面図である。
【
図5】本発明の第1実施例に係る表示装置の概略的な平面図である。
【
図7】
図4のII-II’線に対応する断面図である。
【
図8】本発明の実施例に係る下部ミラー層の反射帯域を図示したグラフである。
【
図9】本発明の第2実施例に係る表示装置の画素配置構造に対する概略的な平面図である。
【
図10】本発明の第2実施例に係る表示装置の概略的な平面図である。
【
図11】本発明の第3実施例に係る表示装置の画素配置構造に対する概略的な平面図である。
【
図12】本発明の第3実施例に係る表示装置の概略的な平面図である。
【
図13】
図11のIII-III’線に対応する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施例に係る表示装置について詳細に説明する。
【0026】
本発明の実施例に係る表示装置は電界発光表示装置を利用して映像を表示する。このような電界発光表示装置を利用した表示装置は、映像を表示するために表示領域に多数の画素(pixel)を含み、各画素は多数の副画素(sub pixels)を含み、各副画素は実質的に同じ構成を有する。このような副画素の構成について
図1と
図2を参照して説明する。
【0027】
図1は、本発明の実施例に係る表示装置の一つの副画素に対する概略的な等価回路図である。
【0028】
図1に図示した通り、本発明の実施例に係る表示装置の副画素SPは発光部EAとレーザー部LAを含み、発光部EAは第1トランジスタT1、第2トランジスタT2、ストレージキャパシタCst、そして第1発光ダイオードDe1を含み、レーザー部LAは第3トランジスタT3と第2発光ダイオードDe2を含む。
【0029】
ここで、第1、第2、第3トランジスタT1、T2、T3はp-型トランジスタであり得る。しかし、本発明の実施例はこれに制限されず、これとは異なり、第1、第2、第3トランジスタT1、T2、T3はn-型トランジスタであってもよい。
【0030】
具体的には、発光部EAで第1ゲート信号Scan1を供給する第1ゲート配線とデータ信号Vdataを供給するデータ配線が互いに交差し、第1ゲート配線とデータ配線の交差地点に第1トランジスタT1が位置する。第1トランジスタT1のゲートは第1ゲート配線に接続されて第1ゲート信号Scan1が印加され、第1トランジスタT1のソースはデータ配線に接続されてデータ信号Vdataが印加される。このような第1トランジスタT1はスイッチングトランジスタであり得る。
【0031】
また、発光部EAで第2トランジスタT2のゲートは第1トランジスタT1のドレインおよびストレージキャパシタCstの第1キャパシタ電極に接続され、第2トランジスタT2のソースは高電位電圧VDDを供給する高電位配線およびストレージキャパシタCstの第2キャパシタ電極に接続され、第2トランジスタT2のドレインは第1発光ダイオードDe1のアノードに接続される。このような第2トランジスタT2は駆動トランジスタであり得る。
【0032】
ここで、第1、第2、第3トランジスタT1、T2、T3のソースとドレインの位置はこれに制限されず、その位置は互いに変わってもよい。
【0033】
第1発光ダイオードDe1のカソードは低電位電圧VSSを供給する低電位配線に接続される。これとは異なり、第1発光ダイオードDe1のカソードは基底電圧(ground)に接続されてもよい。
【0034】
一フレーム(frame)の発光区間の間、第1トランジスタT1は第1ゲート配線を通じて伝達された第1ゲート信号Scan1によりスイッチングされてデータ配線を通じて伝達されたデータ信号Vdataを第2トランジスタT2のゲートに供給し、第2トランジスタT2はデータ信号Vdataによりスイッチングされて第1発光ダイオードDe1の電流を制御する。
【0035】
この時、ストレージキャパシタCstはデータ信号Vdataに対応する電荷を一フレームの間維持して第1発光ダイオードDe1を流れる電流の量を一定にし、第1発光ダイオードDe1が表示する諧調を一定に維持させる役割をする。
【0036】
一方、発光部EAには、長時間の駆動による第2トランジスタT2の移動度および/またはしきい電圧の変化を補償するために、第1および第2トランジスタT1、T2とストレージキャパシタCstの他に少なくとも一つのトランジスタおよび/または少なくとも一つのキャパシタがさらに追加されてもよい。
【0037】
次に、レーザー部LAで、第2ゲート信号Scan2を供給する第2ゲート配線がデータ配線と交差し、第2ゲート配線とデータ配線の交差地点に第3トランジスタT3が位置する。第3トランジスタT3のゲートは第2ゲート配線に接続されて第2ゲート信号Scan2が印加され、第3トランジスタT3のソースはデータ配線に接続されてデータ信号Vdataが印加される。このような第3トランジスタT3はスイッチングトランジスタであり得る。
【0038】
第2発光ダイオードDe2のアノードは第3トランジスタのドレインに接続され、第2発光ダイオードDe2のカソードは、第1発光ダイオードDe1のカソードと同様に、低電位電圧VSSを供給する低電位配線に接続される。これとは異なり、第1発光ダイオードDe1のカソードが基底電圧に接続される場合、第2発光ダイオードDe2のカソードも基底電圧に接続される。
【0039】
第3トランジスタT3は第2ゲート配線を通じて伝達された第2ゲート信号Scan2によりスイッチングされてデータ配線を通じて伝達されたデータ信号Vdataを第2発光ダイオードDe2に供給し、第2発光ダイオードDe2は発光する。
【0040】
このようなレーザー部LAの第2発光ダイオードDe2は二つの誘電体ミラーの間に位置して共振構造を形成する。
【0041】
これに伴い、特定の状況、例えば、可視距離の確保が難しい火災のような非常状況発生時、第2発光ダイオードDe2から発光された光は二つの誘電体ミラーの間で反射してレーザービームで出力される。このようなレーザービームは一貫性(coherent)があるので視認性を最大化することができ、火災発生時、可視距離の確保が容易であるため人命救助を行うことができる。
【0042】
このような発光部とレーザー部を含む本発明の実施例に係る表示装置の断面構造について
図2を参照して詳細に説明する。
【0043】
図2は本発明の実施例に係る表示装置の概略的な断面図であって、一つの副画素を図示する。ここで、本発明の実施例に係る表示装置は上部発光方式電界発光表示装置を利用するものを例に挙げて説明する。
【0044】
図2に図示した通り、本発明の実施例に係る表示装置は、発光部EAとレーザー部LAを含む副画素SPが備えられた基板100、第1および第2薄膜トランジスタTr1、Tr2、第1および第2発光ダイオードDe1、De2、下部ミラー層140、上部ミラー層160、カラーフィルタ170、エンカプセレーション層180、そして対向基板190を含む。
【0045】
具体的には、基板100上に備えられる副画素SPは発光部EAとレーザー部LAを含む。基板100はガラス基盤やプラスチック基板であり得る。一例として、プラスチック基板としてポリイミド(polyimide:PI)が使われ得、これに制限されない。
【0046】
基板100の上部にはバッファ層102が形成される。バッファ層102は実質的に基板100の全面(entire surface)に位置する。バッファ層102は酸化シリコン(SiOx)や窒化シリコン(SiNx)のような無機絶縁物質で形成され得、単一層または多重層からなり得る。
【0047】
バッファ層102の上部の発光部EAにはパターンされた第1半導体層112が形成され、レーザー部LAには第2半導体層122が形成される。
【0048】
第1および第2半導体層112、122は酸化物半導体物質からなり得る。この場合、第1および第2半導体層112、122の下部には遮光パターン(図示せず)がさらに形成され得る。遮光パターンは第1および第2半導体層112、122に入射する光を遮断して第1および第2半導体層112、122が光によって劣化することを防止することができる。
【0049】
これとは異なり、第1および第2半導体層112、122は多結晶シリコンからなってもよい。この場合、第1および第2半導体層112、122それぞれの両端部には不純物がドーピングされていてもよい。
【0050】
第1および第2半導体層112、122の上部には絶縁物質からなるゲート絶縁膜104が実質的に基板100の全面に形成される。ゲート絶縁膜104は酸化シリコン(SiOx)や窒化シリコン(SiNx)のような無機絶縁物質で形成され得る。
【0051】
ここで、第1および第2半導体層112、122が酸化物半導体物質からなる場合、ゲート絶縁膜104は酸化シリコン(SiOx)で形成され得る。これとは異なり、第1および第2半導体層112、122が多結晶シリコンからなる場合、ゲート絶縁膜104は酸化シリコン(SiOx)や窒化シリコン(SiNx)で形成され得る。
【0052】
ゲート絶縁膜104の上部には金属のような導電性物質からなる第1および第2ゲート電極114、124が第1および第2半導体層112、122にそれぞれ対応して形成される。
【0053】
第1および第2ゲート電極114、124はアルミニウム(Al)や銅(Cu)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)またはこれらの合金のうち少なくとも一つで形成され得、単一層または多重層構造であり得る。一例として、第1および第2ゲート電極114、124はモリブデン-チタン合金(MoTi)の下部層と銅(Cu)の上部層を含む二重層構造を有することができ、上部層の厚さが下部層の厚さより厚くてもよい。しかし、本発明の実施例はこれに制限されない。
【0054】
また、ゲート絶縁膜104の上部には第1および第2ゲート配線(図示せず)が形成され得る。第1および第2ゲート配線は第1および第2ゲート電極114、124とそれぞれ接続され、第1方向に沿って延長され得る。一方、本発明の実施例ではゲート絶縁膜104が基板100の全面に形成延されたものを例として説明したが、ゲート絶縁膜104は第1および第2ゲート電極114、124と実質的に同じ形状でパターンされ得る。
【0055】
第1および第2ゲート電極114、124の上部には絶縁物質からなるパッシベーション膜106が実質的に基板100の全面に形成される。パッシベーション膜106は酸化シリコン(SiOx)や窒化シリコン(SiNx)のような無機絶縁物質で形成されるか、感光性アクリル系ポリマー(フォトアクリル)(photosensitive acrylic polymer(photo acryl))やベンゾシクロブテン(benzocyclobutene)のような有機絶縁物質で形成され得る。
【0056】
パッシベーション膜106は第1および第2半導体層112、122それぞれの両縁部の上面を露出するコンタクトホールを有する。ここで、コンタクトホールはゲート絶縁膜104内にも形成され得る。
【0057】
パッシベーション膜106の上部には金属のような導電性物質で第1ソースおよび第1ドレイン電極116、118と第2ソースおよび第2ドレイン電極126、128が形成される。第1ソースおよび第1ドレイン電極116、118は発光部EAに配置され、第2ソースおよび第2ドレイン電極126、128はレーザー部LAに配置される。また、パッシベーション膜106の上部には第1方向に垂直な第2方向に沿って延びるデータ配線(図示せず)と電源配線(図示せず)が形成され得る。
【0058】
第1ソースおよび第1ドレイン電極116、118と第2ソースおよび第2ドレイン電極126、128はアルミニウム(Al)や銅(Cu)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)またはこれらの合金のうち少なくとも一つで形成され得、単一層または多重層構造であり得る。一例として、第1ソースおよび第1ドレイン電極116、118と第2ソースおよび第2ドレイン電極126、128はモリブデン-チタン合金(MoTi)の下部層と銅(Cu)の上部層を含む二重層構造を有することができ、上部層の厚さが下部層の厚さより厚くてもよい。これとは異なり、第1ソースおよび第1ドレイン電極116、118と第2ソースおよび第2ドレイン電極126、128は三重層構造を有してもよい。
【0059】
第1ソースおよび第1ドレイン電極116、118はパッシベーション膜106のコンタクトホールを通じて第1半導体層112の両端部と接触し、第2ソースおよび第2ドレイン電極126、128はパッシベーション膜106のコンタクトホールを通じて第2半導体層122の両端部と接触する。
【0060】
第1半導体層112、第1ゲート電極114、そして第1ソースおよび第1ドレイン電極116、118は第1薄膜トランジスタTr1をなし、第2半導体層122、第2ゲート電極124、そして第2ソースおよび第2ドレイン電極126、128は第2薄膜トランジスタTr2をなす。
【0061】
第1薄膜トランジスタTr1は
図1の第2トランジスタT2であり得、第2薄膜トランジスタTr2は
図1の第3トランジスタT3であり得る。
【0062】
また、基板100上の各副画素SPの発光部EAにはこのような第1薄膜トランジスタTr1と同じ構造を有する一つ以上の薄膜トランジスタがさらに形成され得、本発明の実施例はこれに制限されない。
【0063】
第1ソースおよび第1ドレイン電極116、118と第2ソースおよび第2ドレイン電極126、128の上部には絶縁物質でオーバーコート層108が実質的に基板100の全面に形成される。オーバーコート層108は感光性アクリル系ポリマー(フォトアクリル)やベンゾシクロブテンのような有機絶縁物質で形成され得る。このようなオーバーコート層108は下部膜による段差をなくし、実質的に平坦な上面を有する。
【0064】
一方、オーバーコート層108の下部、すなわち、第1および第2薄膜トランジスタTr1、Tr2とオーバーコート層108の間には酸化シリコン(SiOx)や窒化シリコン(SiNx)のような無機絶縁物質からなる絶縁膜がさらに形成され得る。
【0065】
オーバーコート層108の上部には下部ミラー層140が実質的に基板100の全面に形成される。下部ミラー層140は互いに異なる屈折率を有する二つの層が交互に積層された構造を有し、これについては後で詳細に説明する。
【0066】
下部ミラー層140はオーバーコート層108と共に第1および第2コンタクトホール140a、140bを有する。第1および第2コンタクトホール140a、140bは第1および第2ドレイン電極118、128をそれぞれ露出する。
【0067】
下部ミラー層140の上部には第1および第2画素電極132、133が形成される。第1画素電極132は発光部EAに位置し、第1コンタクトホール140aを通じて第1ドレイン電極118と接触する。第2画素電極133はレーザー部LAに位置し、第2コンタクトホール140bを通じて第2ドレイン電極128と接触する。
【0068】
第1および第2画素電極132、133は比較的仕事関数が高い導電性物質からなり得る。このような第1および第2画素電極132、133は透明電極を含むことができ、一例として、透明電極はインジウム-ティン-オキサイド(indium tin oxide:ITO)やインジウム-ジンク-オキサイド(indium zinc oxide:IZO)のような透明導電性物質からなり得る。
【0069】
ここで、第1画素電極132は光を反射し、第2画素電極133は光を透過させることができる。このような第1画素電極132は透明電極と反射電極を含み、第2画素電極133は透明電極を含み反射電極は含まなくてもよい。
【0070】
したがって、第1画素電極132は多重層構造を有することができる。例えば、第1画素電極132は第1層132aと第2層132bおよび第3層132cが積層された三重層構造を有することができる。ここで、第1層132aと第3層132cは透明電極であり、第2層132bは反射電極であり得る。第1層132aと第3層132cそれぞれはITOやIZOのような透明導電性物質からなり得る。また、第2層132bはアルミニウム(Al)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)またはこれらの合金のように相対的に高い反射率を有する金属物質からなり得る。ここで、銀合金(Ag alloy)は銀-パラジウム-銅(Ag-Pd-Cu:APC)であり得る。
【0071】
これとは異なり、第1画素電極132は反射電極の上部に透明電極が配置される二重層構造を有してもよい。
【0072】
一方、第2画素電極133は単一層構造を有することができる。例えば、第2画素電極133はITOやIZOのような透明導電性物質からなる一つの透明電極を含むことができる。
【0073】
第1および第2画素電極132、133の上部には絶縁物質でバンク150が形成される。バンク150は第1および第2画素電極132、133の縁と重なり、第1および第2画素電極132、133の縁を覆う。バンク150は第1および第2画素電極132、133をそれぞれ露出する第1および第2開口部150a、150bを有する。
【0074】
バンク150はアクリル(acryl)樹脂、エポキシ(epoxy)樹脂、フェノール(phenol)樹脂、ポリアミド(polyamide)樹脂、ポリイミド(polyimide)樹脂のような有機絶縁物質からなり得る。しかし、本発明の実施例はこれに制限されず、これとは異なり、バンク150は酸化シリコン(SiOx)や窒化シリコン(SiNx)のような無機絶縁物質からなってもよい。
【0075】
バンク150は第1および第2薄膜トランジスタTr1、Tr2と重なる。すなわち、第1および第2薄膜トランジスタTr1、Tr2はバンク150の下部に位置する。しかし、本発明の実施例はこれに制限されず、第1薄膜トランジスタTr1はバンク150と離隔して第1開口部150aに対応して配置され得る。
【0076】
次に、バンク150の第1および第2開口部150a、150bを通じて露出した第1および第2画素電極132、133の上部には第1および第2発光層134、135がそれぞれ形成される。
【0077】
第1発光層134と第2発光層135は同じ構成を有し、同じ物質からなり得る。ここで、第1発光層134と第2発光層135は互いに分離されたものとして図示されているが、本発明の実施例はこれに制限されない。これとは異なり、第1発光層134と第2発光層135は互いに接続されて一体になってもよい。この時、発光層は各副画素SP別に分離され得、または一つの発光層が実質的に基板100の全面に備えられ得る。
【0078】
このような第1発光層134と第2発光層135は白色光を放出することができる。しかし、本発明の実施例はこれに制限されず、第1発光層134と第2発光層135は赤、緑、青色光のうち少なくとも一つを放出してもよい。
【0079】
図示してはいないが、第1発光層134と第2発光層135のそれぞれは、一つの発光部(light-emitting unit)を構成する少なくとも一つの正孔補助層(hole auxiliary layer)と少なくとも一つの発光物質層(light-emitting material layer)および少なくとも一つの電子補助層(electron auxiliary layer)を含むことができる。発光物質層は赤、緑、青色の発光物質のうち少なくとも一つからなり得る。このような発光物質は燐光化合物または蛍光化合物のような有機発光物質であり得る。しかし、本発明の実施例はこれに制限されず、量子ドット(quantum dot)のような無機発光物質が使われてもよい。
【0080】
正孔補助層は正孔注入層(hole injection layer:HIL)と正孔輸送層(hole transport layer:HTL)のうち少なくとも一つを含むことができ、電子補助層は電子注入層(electron injection layer:EIL)と電子輸送層(electron transport layer:ETL)のうち少なくとも一つを含むことができる。
【0081】
このような第1発光層134と第2発光層135は熱蒸発(thermal evaporation)のような蒸着工程を通じて形成され得る。この時、第1発光層134と第2発光層135をパターニングするために、微細金属マスク(fine metal mask:FMM)が使われ得る。しかし、本発明の実施例はこれに制限されず、これとは異なり、第1発光層134と第2発光層135はスピンコーティングやインクジェットプリンティングまたはスクリーンプリンティングのような溶液工程を通じて形成されてもよい。
【0082】
第1発光層134と第2発光層135の上部には共通電極136が実質的に基板100の全面に形成される。すなわち、共通電極136は発光部EAだけでなくレーザー部LAにも形成される。
【0083】
このような共通電極136はバンク150の上面および側面と接触することができる。これとは異なり、第1および第2発光層134、135が一体に実質的に基板100の全面に配置される場合、共通電極136はバンク150の上部で発光層と接触することができる。
【0084】
共通電極136は比較的仕事関数が低い導電性物質からなり得る。例えば、共通電極136はアルミニウム(Al)やマグネシウム(Mg)、銀(Ag)、金(Au)またはこれらの合金で形成され得る。この時、共通電極136は第1および第2発光層134、135からの光が透過できるように相対的に薄い厚さを有する。例えば、共通電極136は5~10nmの厚さを有することができ、本発明の実施例はこれに制限されない。
【0085】
これとは異なり、共通電極136はインジウム-ガリウム-オキサイド(indium-gallium-oxide:IGO)のような透明導電性物質で形成され得る。
【0086】
発光部EAの第1画素電極132と第1発光層134および共通電極136は第1発光ダイオードDe1をなし、レーザー部LAの第2画素電極133と第2発光層135および共通電極136は第2発光ダイオードDe2をなす。
【0087】
次に、レーザー部LAの共通電極136の上部には上部ミラー層160が配置される。すなわち、上部ミラー層160は第2発光ダイオードDe2の上部に配置される。上部ミラー層160は発光部EAには備えられない。
【0088】
上部ミラー層160は互いに異なる屈折率を有する二つの層が交互に積層された構造を有し、これについては後で詳細に説明する。
【0089】
発光部EAの共通電極136とレーザー部LAの上部ミラー層160の上部に実質的に基板100の全面には、エンカプセレーション層(encapsulation layer)180が備えられる。
【0090】
エンカプセレーション層180は無機絶縁物質または有機絶縁物質の単一層からなるか無機絶縁物質と有機絶縁物質の多重層からなり得る。エンカプセレーション層180が多重層からなる場合、エンカプセレーション層180は順次配置される有機絶縁物質層と無機絶縁物質層または無機絶縁物質層と有機絶縁物質層および無機絶縁物質層を含むことができる。
【0091】
例えば、エンカプセレーション層180は酸化シリコン(SiOx)または窒化シリコン(SiNx)のような無機絶縁物質を含むか、アクリル樹脂またはエポキシ樹脂のような有機絶縁物質を含むことができる。しかし、本発明の実施例はこれに制限されない。
【0092】
また、図示してはいないが、エンカプセレーション層180と共通電極136の間およびエンカプセレーション層180と上部ミラー層160の間の実質的に基板100の全面にはキャップ層(capping layer)と保護層(protective layer)が順次備えられ得る。
【0093】
キャップ層は比較的高い屈折率を有する絶縁物質で形成され得、表面プラズマ共振(surface plasma resonance)によりキャップ層に沿って移動する光の波長が増幅され、これによってピーク(peak)の強度(intensity)を増加して光効率を向上させることができる。一例として、キャップ層は有機膜や無機膜の単一膜または有機/無機積層膜の形態からなり得る。
【0094】
また、保護層はエンカプセレーション層180と共に外部から流入する水分および/または酸素を遮断して第1および第2発光ダイオードDe1、De2を保護することができる。このような保護層は酸化アルミニウム(AlOx)、酸化シリコン(SiOx)、窒化シリコン(SiNx)のような無機絶縁物質からなり得、本発明の実施例はこれに制限されない。
【0095】
エンカプセレーション層180の上部には対向基板190が配置される。対向基板190は透明で、基板100より薄い厚さを有することができる。
【0096】
このような対向基板190はガラス基盤やプラスチック基板であり得る。一例として、プラスチック基板としてポリイミド(polyimide:PI)が使われ得、これに制限されない。
【0097】
一方、エンカプセレーション層180と対向基板190の間の発光部EAにはカラーフィルタ170が備えられる。カラーフィルタ170は赤、緑、青色フィルタの中の一つであり得る。このようなカラーフィルタ170は対向基板190の一面、すなわち、第1発光ダイオードDe1に向かう面に備えられ得る。
【0098】
これに伴い、エンカプセレーション層180が備えられた基板100はカラーフィルタ170が備えられた対向基板190と合着されて表示装置を構成することができる。
【0099】
このように、本発明の実施例に係る表示装置は各副画素SPが発光部EAとレーザー部LAを有し、発光部EAとレーザー部LAにそれぞれ第1発光ダイオードDe1と第2発光ダイオードDe2を具備し、レーザー部LAに下部ミラー層140と上部ミラー層160を具備し、平常時に発光部EAを通じて映像を表示し、非常状況時にレーザー部LAを通じてレーザービームを発生させて情報を提供することによって人命救助を行うことができる。この時、レーザー部LAを通じて提供される情報は映像や文字であり得る。
【0100】
このようなレーザー部LAは発光部EAとともに製造され得、既存の工程を通じて具現できるため、工程を最適化して生産エネルギーを節減できる効果がある。
【0101】
また、上部発光方式の表示装置は同一面積の下部発光方式の表示装置に比べてより広い有効発光領域を有することができるため、輝度を向上させ消費電力を低くすることができる。
【0102】
このようなレーザー部LAの下部ミラー層140と上部ミラー層160の構造について
図3aと
図3bを参照して詳細に説明する。
【0103】
図3aは本発明の実施例に係る下部ミラー層を概略的に図示した断面図であり、
図3bは本発明の実施例に係る上部ミラー層を概略的に図示した断面図である。
【0104】
図3aに図示した通り、下部ミラー層140は互いに異なる屈折率を有し、交互に積層された多数の第1下部屈折率層142と多数の第2下部屈折率層144を含む。
【0105】
第1下部屈折率層142は相対的に高い屈折率を有する高屈折率層であり、第2下部屈折率層144は相対的に低い屈折率を有する低屈折率層である。すなわち、第1下部屈折率層142が第2下部屈折率層144より高い屈折率を有する。
【0106】
例えば、第1下部屈折率層142はTiO2、Ta2O5、ZrO2、またはZnSからなり得、第2下部屈折率層144はSiO2、MgF2、Y2O3、またはAl2O3からなり得る。
【0107】
また、第2下部屈折率層144の厚さは第1下部屈折率層142の厚さより厚くてもよい。
【0108】
下部ミラー層140は一つの第1下部屈折率層142と一つの第2下部屈折率層144を一つのセットとして10~20セットを含むことができる。
【0109】
このような下部ミラー層140は奇数個の層を含むことができる。この時、第1下部屈折率層142の個数は第2下部屈折率層144の個数より多くてもよく、下部ミラー層140の最上層と最下層は第1下部屈折率層142であり得る。
【0110】
しかし、本発明の実施例はこれに制限されない。これとは異なり、下部ミラー層140は偶数個の層を含むことができ、第1下部屈折率層142の個数と第2下部屈折率層144の個数は同一であり得る。
【0111】
次に、
図3bに図示した通り、上部ミラー層160は互いに異なる屈折率を有し、交互に積層された多数の第1上部屈折率層162と多数の第2上部屈折率層164を含む。
【0112】
第1上部屈折率層162は相対的に高い屈折率を有する高屈折率層であり、第2上部屈折率層164は相対的に低い屈折率を有する低屈折率層である。すなわち、第1上部屈折率層162が第2上部屈折率層164より高い屈折率を有する。
【0113】
例えば、第1上部屈折率層162はTiO2、Ta2O5、ZrO2、またはZnSからなり得、第2上部屈折率層164はSiO2、MgF2、Y2O3、またはAl2O3からなり得る。
【0114】
また、第2上部屈折率層164の厚さは第1上部屈折率層162の厚さより厚くてもよい。
【0115】
上部ミラー層160は一つの第1上部屈折率層162と一つの第2上部屈折率層164を一つのセットとして10~20セットを含むことができる。
【0116】
このような上部ミラー層160は奇数個の層を含むことができる。この時、第1上部屈折率層162の個数は第2上部屈折率層164の個数より多くてもよく、上部ミラー層160の最上層と最下層は第1上部屈折率層162であり得る。
【0117】
しかし、本発明の実施例はこれに制限されない。これとは異なり、上部ミラー層160は偶数個の層を含むことができ、第1上部屈折率層162の個数と第2上部屈折率層164の個数は同一であり得る。
【0118】
このような下部ミラー層140と上部ミラー層160およびこれら間の第2発光ダイオードDe2はレーザー素子(laser element)を構成する。すなわち、下部ミラー層140と上部ミラー層160は共振器をなし、第2発光ダイオードDe2から発光された光を反射させてレーザービームを放出する。
【0119】
この時、下部ミラー層140と上部ミラー層160の反射率が100%に近いほどレーザー発振が容易となる。
【0120】
このような下部ミラー層140と上部ミラー層160は互いに異なる反射率と厚さを有することができる。具体的には、下部ミラー層140の反射率は上部ミラー層160の反射率より高く、下部ミラー層140の厚さは上部ミラー層160の厚さより厚くてもよい。
【0121】
また、下部ミラー層140の第1下部屈折率層142と第2下部屈折率層144の屈折率の差は上部ミラー層160の第1上部屈折率層162と第2上部屈折率層164の屈折率の差より大きくてもよい。
【0122】
このような発光部とレーザー部を含む本発明の実施例に係る表示装置の画素配置構造について
図4を参照して詳細に説明する。
【0123】
図4は本発明の第1実施例に係る表示装置の概略的な平面図であって、バンク構成を中心に図示し、
図2を共に参照して説明する。
【0124】
図4に図示した通り、本発明の第1実施例に係る表示装置1000で、一つの画素Pは発光部EAとレーザー部LAを含む。この時、一つの画素Pは3個の発光部EAと3個のレーザー部LAを含むことができる。
【0125】
より詳細には、一つの画素PはX方向である第1方向に沿って順次配置された第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3を含む。一例として、第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3はそれぞれ赤、緑、青色(R、G、B)の副画素であり得る。第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3のそれぞれはY方向である第2方向に沿って配置された発光部EAとレーザー部LAを含むことができる。
【0126】
第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3の発光部EAは同じ面積を有することができる。しかし、本発明の実施例はこれに制限されず、これとは異なり、第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3の発光部EAは互いに異なる面積を有してもよい。
【0127】
また、第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3それぞれで、発光部EAとレーザー部LAは同じ面積を有することができる。これとは異なり、レーザー部LAの面積は発光部EAの面積より小さくてもよい。
【0128】
このような第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3の発光部EAとレーザー部LAはバンク150により定義され得る。隣接した第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3の発光部EAの間、レーザー部LAの間、そして発光部EAとレーザー部LAの間にはバンク150が配置される。また、隣接した画素Pの発光部EAの間とレーザー部LAの間にもバンク150が配置される。
【0129】
バンク150は第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3それぞれの発光部EAに対応して第1開口部150aを有し、第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3それぞれのレーザー部LAに対応して第2開口部150bを有する。すなわち、バンク150は一つの画素Pに対して3個の第1開口部150aと3個の第2開口部150bを有する。
【0130】
このような第1および第2開口部150a、150bは有効発光領域を定義し、角が角ばった四角形の形状を有するものとして図示したが、本発明の実施例はこれに制限されない。第1および第2開口部150a、150bは角が曲線形態の四角形や、四角形以外の多角形、楕円形などの多様な形状を有することができる。
【0131】
前述した通り、第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3のそれぞれは発光部EAに第1発光ダイオードDe1を含み、レーザー部LAに第2発光ダイオードDe2を含む。これに伴い、一つの画素Pは3個の第1発光ダイオードDe1と3個の第2発光ダイオードDe2を含む。
【0132】
また、第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3はレーザー部LAに下部ミラー層140と上部ミラー層160を含む。ここで、下部ミラー層140は第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3の発光部EAにも備えられる。反面、上部ミラー層160は第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3のレーザー部LAにのみ備えられ、第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3にそれぞれ対応する第1、第2、第3ミラー層160a、160b、160cを含む。
【0133】
このような第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3のレーザー部LAはそれぞれ赤、緑、青色(R、G、B)レーザービームを発生させることができる。
【0134】
一方、図示してはいないが、第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3の発光部EAには
図2のカラーフィルタ170が備えられ、カラーフィルタ170は第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3にそれぞれ対応する第1、第2、第3カラーフィルタを含む。
【0135】
このような本発明の第1実施例に係る表示装置の平面構造について
図5を参照して詳細に説明する。
【0136】
図5は本発明の第1実施例に係る表示装置の概略的な平面図であって、一つの画素を図示し、
図1を共に参照して説明する。
【0137】
図5に図示した通り、本発明の第1実施例に係る表示装置1000では、X方向である第1方向に沿って第1ゲート配線GL1と第2ゲート配線GL2が延び、Y方向である第2方向に沿って3個のデータ配線DLと3個の第1電源配線PLdが延び、これらは互いに交差して第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3を含む画素Pを定義する。3個のデータ配線DLと3個の第1電源配線PLdは第1方向に沿って互いに交互に配置される。
【0138】
第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3のそれぞれは発光部EAとレーザー部LAを含み、発光部EAとレーザー部LAは第2方向に沿って配置され得る。
【0139】
また、第2電源配線PLsが第2方向に沿って延びて第1および第2ゲート配線GL1、GL2と交差する。一つの第2電源配線PLsが一つの画素Pに備えられ得る。例えば、第2電源配線PLsは第1副画素SP1の左側に備えられ得る。
【0140】
ここで、第1電源配線PLdは
図1の高電位電圧VDDを供給する高電位配線であり得、第2電源配線PLsは
図1の低電位電圧VSSを供給する低電位配線であり得る。
【0141】
各副画素SP1、SP2、SP3の発光部EAには第1トランジスタT1、第2トランジスタT2、キャパシタ電極CE、そして第1画素電極PE1が備えられ、各副画素SP1、SP2、SP3のレーザー部LAには第3トランジスタT3と第2画素電極PE2が備えられる。
【0142】
第1トランジスタT1は各データ配線DLと第1ゲート配線GL1の交差地点に位置し、各データ配線DLおよび第1ゲート配線GL1に接続される。また、第1トランジスタT1はキャパシタ電極CEに接続される。
【0143】
第2トランジスタT2は第1電源配線PLdおよび第1画素電極PE1と接続される。また、第2トランジスタT2はキャパシタ電極CEに接続される。
【0144】
キャパシタ電極CEは第1および第2トランジスタT1、T2と接続され、第1画素電極PE1と重なってストレージキャパシタをなす。これとは異なり、キャパシタ電極CEは第1画素電極PE1と接続される別途の電極と重なってストレージキャパシタをなしてもよい。
【0145】
次に、第3トランジスタT3は各データ配線DLと第2ゲート配線GL2の交差地点に位置し、各データ配線DLおよび第2ゲート配線GL2に接続される。また、第3トランジスタT3は第2画素電極PE2と接続される。
【0146】
これに伴い、本発明の第1実施例に係る表示装置1000で、一つの画素Pは3個の第1画素電極PE1と3個の第2画素電極PE2を含み、第1トランジスタT1と第3トランジスタT3は互いに異なる第1および第2ゲート配線GL1、GL2にそれぞれ接続され、同じデータ配線DLに共に接続される。
【0147】
このような本発明の第1実施例に係る表示装置1000の発光部とレーザー部の断面構造について
図6と
図7を参照して詳細に説明する。
【0148】
図6と
図7は本発明の第1実施例に係る表示装置の概略的な断面図であり、
図6は
図4のI-I’線に対応する断面を図示し、
図7は
図4のII-II’線に対応する断面を図示する。
【0149】
図6と
図7に図示した通り、本発明の第1実施例に係る表示装置1000は基板100上に備えられる少なくとも一つの画素Pを含み、少なくとも一つの画素Pは第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3を含む。第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3のそれぞれは発光部EAとレーザー部LAを有する。
【0150】
具体的には、基板100上にバッファ層102が備えられ、バッファ層102上に第1薄膜トランジスタTr1と第2薄膜トランジスタTr2そして順次積層されたゲート絶縁膜104、パッシベーション膜106およびオーバーコート層108が備えられる。
【0151】
第1薄膜トランジスタTr1は第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3それぞれの発光部EAに配置され、第2薄膜トランジスタTr2は第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3それぞれのレーザー部LAに配置される。第1および第2薄膜トランジスタTr1、Tr2は
図2に図示された第1および第2薄膜トランジスタTr1、Tr2と同じ構成を有することができる。すなわち、第1薄膜トランジスタTr1は
図2に図示された第1半導体層112、第1ゲート電極114、第1ソース電極116、そして第1ドレイン電極118を含み、第2薄膜トランジスタTr2は
図2に図示された第2半導体層122、第2ゲート電極124、第2ソース電極126、そして第2ドレイン電極128を含むことができる。
【0152】
オーバーコート層108は第1および第2薄膜トランジスタTr1、Tr2を覆って実質的に平坦な上面を有する。
【0153】
オーバーコート層108の上部には下部ミラー層140が実質的に基板100の全面に配置される。すなわち、下部ミラー層140は第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3の発光部EAおよびレーザー部LAの両方に配置される。
【0154】
下部ミラー層140はオーバーコート層108と共に第1および第2コンタクトホール140a、140bを有する。第1コンタクトホール140aは各副画素SP1、SP2、SP3の発光部EAに備えられて第1薄膜トランジスタTr1のドレイン電極、すなわち、
図2の第1ドレイン電極118を露出し、第2コンタクトホール140bは各副画素SP1、SP2、SP3のレーザー部LAに配置されて第2薄膜トランジスタTr2のドレイン電極、すなわち、
図2の第2ドレイン電極128を露出する。
【0155】
前述した通り、下部ミラー層140は互いに異なる屈折率を有する二つの層が交互に積層された構造を有する。具体的には、下部ミラー層140は相対的に高い屈折率を有する高屈折率層と相対的に低い屈折率を有する低屈折率層が交互に積層された構造を有する。
【0156】
例えば、高屈折率層はTiO2、Ta2O5、ZrO2、またはZnSからなり得、低屈折率層はSiO2、MgF2、Y2O3、またはAl2O3からなり得る。
【0157】
下部ミラー層140の上部には第1画素電極132と第2画素電極133が配置される。第1画素電極132は各副画素SP1、SP2、SP3の発光部EAに配置されて第1コンタクトホール140aを通じて第1薄膜トランジスタTr1に接続され、第2画素電極133は各副画素SP1、SP2、SP3のレーザー部LAに配置されて第2コンタクトホール140bを通じて第2薄膜トランジスタTr2に接続される。
【0158】
第1画素電極132は三重層構造で第1層132aと第2層132bおよび第3層132cを含み、第1層132aと第3層132cは透明電極であり、第2層132bは反射電極であり得る。反面、第2画素電極133は単一層構造であって、一つの透明電極を含むことができる。
【0159】
第1および第2画素電極132、133の上部にはバンク150が備えられる。バンク150は第1および第2画素電極132、133それぞれの縁を覆い、第1および第2画素電極132、133の中央をそれぞれ露出する第1および第2開口部150a、150bを有する。すなわち、第1開口部150aは各副画素SP1、SP2、SP3の発光部EAに備えられ、第2開口部150bは各副画素SP1、SP2、SP3のレーザー部LAに備えられる。
【0160】
各副画素SP1、SP2、SP3の発光部EAで第1開口部150aを通じて露出した第1画素電極132の上部には第1発光層134が備えられ、各副画素SP1、SP2、SP3のレーザー部LAで第2開口部150bを通じて露出した第2画素電極133の上部には第2発光層135が備えられる。第1発光層134と第2発光層135は白色光を放出することができる。
【0161】
第1および第2発光層134、135の上部には共通電極136が備えられる。共通電極136は実質的に基板100の全面に位置し、各副画素SP1、SP2、SP3の発光部EAおよびレーザー部LAの両方に配置される。
【0162】
共通電極136は第1および第2発光層134、135から発光された光が透過するように透明であるか半透明であり得る。
【0163】
次に、各副画素SP1、SP2、SP3のレーザー部LAで共通電極136の上部には上部ミラー層160が備えられる。
【0164】
前述した通り、上部ミラー層160は互いに異なる屈折率を有する二つの層が交互に積層された構造を有する。具体的には、上部ミラー層160は相対的に高い屈折率を有する高屈折率層と相対的に低い屈折率を有する低屈折率層が交互に積層された構造を有する。
【0165】
例えば、高屈折率層はTiO2、Ta2O5、ZrO2、またはZnSからなり得、低屈折率層はSiO2、MgF2、Y2O3、またはAl2O3からなり得る。
【0166】
このような上部ミラー層160は第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3にそれぞれ対応する第1、第2、第3ミラー層160a、160b、160cを含む。第1、第2、第3ミラー層160a、160b、160cの厚さは互いに異なる。例えば、第2ミラー層160bの厚さは第1ミラー層160aの厚さより小さく第3ミラー層160cの厚さより大きくてもよい。
【0167】
この時、第1ミラー層160aの厚さは下部ミラー層140の厚さより小さい。したがって、第1、第2、第3ミラー層160a、160b、160cそれぞれの厚さは下部ミラー層140の厚さより小さい。
【0168】
また、下部ミラー層140の高屈折率層と低屈折率層の屈折率の差は上部ミラー層160の高屈折率層と低屈折率層の屈折率の差より大きく、これについては後で詳細に説明する。
【0169】
次に、各副画素SP1、SP2、SP3の発光部EAの共通電極136の上部と各副画素SP1、SP2、SP3のレーザー部LAの上部ミラー層160の上部にはエンカプセレーション層180が備えられ、エンカプセレーション層180の上部には対向基板190が備えられる。
【0170】
また、各副画素SP1、SP2、SP3の発光部EAでエンカプセレーション層180と対向基板190の間にはカラーフィルタ170が備えられる。カラーフィルタ170は第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3にそれぞれ対応する第1、第2、第3カラーフィルタ172、174、176を含む。第1、第2、第3カラーフィルタ172、174、176はそれぞれ赤、緑、青色フィルタであり得る。
【0171】
このように、本発明の第1実施例に係る表示装置1000で、一つの画素Pは第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3にそれぞれ対応する3個の発光部EAと3個のレーザー部LAを具備し、平常時に発光部EAを通じてカラー映像を表示し、非常状況時にレーザー部LAを通じてカラー情報を表示する。
【0172】
この時、第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3のレーザー部LAはそれぞれ赤、緑、青色レーザービームを発生させることができる。このために、上部ミラー層160の第1、第2、第3ミラー層160a、160b、160cは互いに異なる厚さを有することができる。例えば、第2ミラー層160bの厚さは第1ミラー層160aの厚さより小さく第3ミラー層160cの厚さより大きくてもよい。
【0173】
一方、下部ミラー層140は第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3のレーザー部LAに共通して備えられる。
これに伴い、下部ミラー層140は高反射波長帯域が広い材料の組み合わせで構成することが好ましい。この時、下部ミラー層140は屈折率の差が相対的に大きい材料の組み合わせで構成することができ、これについて
図8を参照して説明する。
【0174】
図8は本発明の実施例に係る下部ミラー層の反射帯域を図示したグラフであって、比較例1、2、3を共に図示し、
図7を共に参照して説明する。
【0175】
ここで、本発明の実施例(EM)に係る下部ミラー層の高屈折率層と低屈折率層の屈折率の差は比較例1、2、3(COM1、COM2、COM3)に係る下部ミラー層の高屈折率層と低屈折率層の屈折率の差より大きい。
【0176】
例えば、1000nm波長を基準として、本発明の実施例(EM)では下部ミラー層の低比屈折率層として約1.5の屈折率を有するSiO2を使い、高比屈折率層として約2.25の屈折率を有するTiO2を使う。反面、比較例1、2、3(COM1、COM2、COM3)では、下部ミラー層の低屈折率層としてSiO2を使い、高屈折率層としてそれぞれZrO2(n=2.04)、Y2O3(n=1.77)、Al2O3(n=1.66)を使う。このような比較例1、2、3(COM1、COM2、COM3)の高屈折率層は本発明の実施例(EM)の高屈折率層より低い屈折率を有する。
【0177】
図8に図示した通り、本発明の実施例(EM)に係る下部ミラー層140の反射帯域幅が最も広いことを確認することができ、屈折率の差が小さくなるほど反射帯域幅が狭くなることが分かる。
【0178】
したがって、屈折率の差が相対的に大きい材料の組み合わせを利用して下部ミラー層140の高屈折率層と低屈折率層を構成することによって、第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3に共通して対応することができる。
【0179】
これに伴い、下部ミラー層140の高屈折率層と低屈折率層の屈折率の差は上部ミラー層160の高屈折率層と低屈折率層の屈折率の差より大きい。
【0180】
また、このような下部ミラー層140の厚さは上部ミラー層160の厚さより大きいことが好ましい。具体的には、第2ミラー層160bの厚さは第1ミラー層160aの厚さより小さく第3ミラー層160cの厚さより大きく、下部ミラー層140の厚さは第1ミラー層160aの厚さより大きくてもよい。
【0181】
このような下部ミラー層140と上部ミラー層160の第1、第2、第3ミラー層160a、160b、160cそれぞれの厚さは数μm範囲内であり得る。
【0182】
例えば、下部ミラー層140の高屈折率層としてTiO2を使い、低屈折率層としてSiO2を使い、上部ミラー層160の高屈折率層としてZrO2を使い、低屈折率層としてSiO2を使うことができる。
【0183】
この場合、赤色波長である620nmであるとき、上部ミラー層160の第1ミラー層160aの厚さは約1.8μmであり、緑色波長である532nmであるとき、第2ミラー層160bの厚さは約1.5μmであり、青色波長である460nmであるとき、第3ミラー層160cの厚さは約1.4μmであり得る。また、下部ミラー層140の厚さは約2μm~4μm、好ましくは約2μm~3μmであり得る。しかし、本発明の実施例はこれに制限されない。
【0184】
本発明の実施例に係る表示装置で、一つの画素は3個の発光部と1個のレーザー部を有することができる。このような本発明の第2実施例に係る表示装置の画素配置構造について
図9を参照して詳細に説明する。
【0185】
図9は本発明の第2実施例に係る表示装置の概略的な平面図であって、バンク構成を中心に図示し、
図2を共に参照して説明する。
【0186】
図9に図示した通り、本発明の第2実施例に係る表示装置2000で、一つの画素Pは発光部EAとレーザー部LAを含む。この時、一つの画素Pは3個の発光部EAと1個のレーザー部LAを含むことができる。
【0187】
より詳細には、一つの画素PはX方向である第1方向に沿って順次配置された第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3を含む。一例として、第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3は赤、緑、青色(R、G、B)の副画素であり得る。第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3のそれぞれはY方向である第2方向に沿って配置された発光部EAとレーザー部LAを含むことができる。第2、第3副画素SP1、SP2、SP3の発光部EAは同じ面積を有することができる。しかし、本発明の実施例はこれに制限されず、これとは異なり、第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3の発光部EAは互いに異なる面積を有してもよい。
【0188】
一方、第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3のレーザー部LAは互いに接続されて一体に備えられ得る。
【0189】
このような第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3の発光部EAとレーザー部LAはバンク250により定義され得る。隣接した第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3の発光部EAの間、そして発光部EAとレーザー部LAの間にはバンク250が配置される。また、隣接した画素Pの発光部EAの間とレーザー部LAの間にもバンク250が配置される。
【0190】
バンク250は第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3それぞれの発光部EAに対応して第1開口部250aを有し、レーザー部LAに対応して第2開口部250bを有する。すなわち、バンク250は一つの画素Pに対して3個の第1開口部250aと1個の第2開口部250bを有する。
【0191】
このような第1および第2開口部250a、250bは有効発光領域を定義し、角が角ばった四角形の形状を有するものとして図示したが、本発明の実施例はこれに制限されない。第1および第2開口部250a、250bは角が曲線形態の四角形や、四角形以外の多角形、楕円形などの多様な形状を有することができる。
【0192】
前述した通り、第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3のそれぞれは発光部EAに第1発光ダイオードDe1を含み、レーザー部LAに第2発光ダイオードDe2を含む。これに伴い、一つの画素Pは3個の第1発光ダイオードDe1と1個の第2発光ダイオードDe2を含む。
【0193】
また、第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3はレーザー部LAに下部ミラー層140と上部ミラー層260を含む。ここで、下部ミラー層140は第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3の発光部EAにも備えられる。反面、上部ミラー層260は第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3のレーザー部LAにのみ位置し、第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3にすべて対応する一つのパターンで備えられ得る。
【0194】
ここで、上部ミラー層260は各画素Pに対応してパターンされたものとして図示されているが、本発明の実施例はこれに制限されない。これとは異なり、第1方向に隣接した画素Pの上部ミラー層260は互いに接続されて一体に備えられてもよい。
【0195】
このような本発明の第2実施例に係る表示装置2000のレーザー部LAは、視認性が相対的に高い緑色Gのレーザービームを放出することができる。しかし、本発明の実施例はこれに制限されない。
【0196】
一方、図示してはいないが、第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3の発光部EAには
図2のカラーフィルタ170が備えられ、カラーフィルタ170は第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3にそれぞれ対応する第1、第2、第3カラーフィルタを含む。
【0197】
このような本発明の第2実施例に係る表示装置2000で、一画素Pの発光部EAの断面構造は
図6に図示された第1実施例に係る表示装置1000の発光部EAの断面構造と同一である。また、本発明の第2実施例に係る表示装置2000の一画素Pのレーザー部LAの断面構造は、その大きさを除いて、
図7に図示された第1実施例に係る表示装置1000の第2副画素SP2のレーザー部LAの断面構造と実質的に同一である。
【0198】
このような本発明の第2実施例に係る表示装置2000の平面構造について
図10を参照して詳細に説明する。
【0199】
図10は本発明の第2実施例に係る表示装置の概略的な平面図であって、一つの画素を図示し、
図1を共に参照して説明する。
【0200】
図10に図示した通り、本発明の第2実施例に係る表示装置2000では、X方向である第1方向に沿って第1ゲート配線GL1と第2ゲート配線GL2が延び、Y方向である第2方向に沿って3個のデータ配線DLと3個の第1電源配線PLdが延び、これらは互いに交差して第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3を含む画素Pを定義する。3個のデータ配線DLと3個の第1電源配線PLdは第1方向に沿って互いに交互に配置される。
【0201】
第2、第3副画素SP1、SP2、SP3のそれぞれは発光部EAとレーザー部LAを含み、発光部EAとレーザー部LAは第2方向に沿って配置され得る。第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3のレーザー部LAは互いに接続されて一体に備えられ得る。
【0202】
また、第2電源配線PLsが第2方向に沿って延びて第1および第2ゲート配線GL1、GL2と交差する。一つの第2電源配線PLsが一つの画素Pに備えられ得る。例えば、第2電源配線PLsは第1副画素SP1の左側に備えられ得る。
【0203】
ここで、第1電源配線PLdは
図1の高電位電圧VDDを供給する高電位配線であり得、第2電源配線PLsは
図1の低電位電圧VSSを供給する低電位配線であり得る。
【0204】
各副画素SP1、SP2、SP3の発光部EAには第1トランジスタT1、第2トランジスタT2、キャパシタ電極CE、そして第1画素電極PE1が備えられ、レーザー部LAには第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3の中の一つに対応して第3トランジスタT3と第2画素電極PE2が備えられる。例えば、第3トランジスタT3と第2画素電極PE2は第1副画素SP1に対応して備えられ得る。
【0205】
第1トランジスタT1は各データ配線DLと第1ゲート配線GL1の交差地点に位置し、各データ配線DLおよび第1ゲート配線GL1に接続される。第2トランジスタT2は第1電源配線PLdおよび第1画素電極PE1と接続される。
【0206】
キャパシタ電極CEは第1および第2トランジスタT1、T2と接続され、第1画素電極PE1と重なってストレージキャパシタをなす。これとは異なり、キャパシタ電極CEは第1画素電極PE1と接続される別途の電極と重なってストレージキャパシタをなしてもよい。
【0207】
第3トランジスタT3は3個のデータ配線DLのうちいずれか一つ、例えば、第1副画素SP1に対応する最初のデータ配線DLと第2ゲート配線GL2の交差地点に位置し、最初のデータ配線DLおよび第2ゲート配線GL2に接続される。また、第3トランジスタT3は第2画素電極PE2と接続される。
【0208】
これに伴い、本発明の第2実施例に係る表示装置2000で、一つの画素Pは3個の第1画素電極PE1と1個の第2画素電極PE2を含み、第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3のうちいずれか一つの第1トランジスタT1と第3トランジスタT3は互いに異なる第1および第2ゲート配線GL1、GL2にそれぞれ接続され、同一のデータ配線DLに共に接続される。
【0209】
一方、本発明の実施例に係る表示装置は発光部とレーザー部以外に透明部をさらに含むことができる。このような本発明の第3実施例に係る表示装置の画素配置構造について
図11を参照して詳細に説明する。
【0210】
図11は本発明の第3実施例に係る表示装置の概略的な平面図であって、バンク構成を中心に図示し、
図2を共に参照して説明する。本発明の第3実施例に係る表示装置は、透明部を除いては第1実施例と実質的に同じ構成を有し、同一構成に対しては同一符号を付与し、これに対する説明は省略したり簡略にする。
【0211】
図11に図示した通り、本発明の第3実施例に係る表示装置3000で、一つの画素Pは発光部EAとレーザー部LAおよび透明部TAを含む。この時、一つの画素Pは3個の発光部EAと3個のレーザー部LAおよび3個の透明部TAを含むことができる。
【0212】
より詳細には、一つの画素PはY方向である第2方向に沿って順次配置された第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3を含む。一例として、第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3はそれぞれ赤、緑、青色(R、G、B)の副画素であり得る。第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3のそれぞれはX方向である第1方向に沿って配置された発光部EAとレーザー部LAおよび透明部TAを含むことができる。
【0213】
また、第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3それぞれで、発光部EAとレーザー部LAは同じ面積を有し、透明部TAは発光部EAまたはレーザー部LAより大きい面積を有することができる。これとは異なり、レーザー部LAの面積は発光部EAの面積より小さくてもよく、透明部TAの面積は発光部EAの面積と同一であり得る。しかし、本発明の実施例はこれに制限されない。
【0214】
このような第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3の発光部EAとレーザー部LAおよび透明部TAはバンク350により定義され得る。隣接した第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3の発光部EAの間、レーザー部LAの間、透明部TAの間、発光部EAとレーザー部LA、そしてレーザー部LAと透明部TAの間にはバンク350が配置される。また、隣接した画素Pの発光部EAの間、レーザー部LAの間、透明部TAの間、そして透明部TAと発光部EAの間にもバンク350が配置される。
【0215】
バンク350は第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3それぞれの発光部EAに対応して第1開口部350aを有し、第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3それぞれのレーザー部LAに対応して第2開口部350bを有する。また、バンク350は第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3それぞれの透明部TAに対応して第3開口部350cを有する。すなわち、バンク350は一つの画素Pに対して3個の第1開口部350aと3個の第2開口部350bおよび3個の第3開口部350cを有する。
【0216】
しかし、本発明の実施例はこれに制限されない。これとは異なり、第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3の第2開口部350bおよび/または第3開口部350cは互いに接続されて一体に備えられ得る。このような場合、一つの画素Pは3個の第1開口部350aと一つの第2開口部350bおよび一つの第3開口部350cを有することができる。すなわち、一つの画素Pは3個の発光部EAと一つのレーザー部LAおよび一つの透明部TAを含むことができる。
【0217】
このような第1および第2開口部350a、350bは有効発光領域を定義し、第3開口部350cは有効開口領域を定義する。
【0218】
前述した通り、第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3のそれぞれは発光部EAに第1発光ダイオードDe1を含み、レーザー部LAに第2発光ダイオードDe2を含む。反面、透明部TAにはいかなる発光ダイオードも備えられない。これに伴い、一つの画素Pは3個の第1発光ダイオードDe1と3個の第2発光ダイオードDe2を含む。これとは異なり、第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3のレーザー部LAが互いに接続されて一体に備えられる場合、一つの画素Pは3個の第1発光ダイオードDe1と3個の第2発光ダイオードDe2を含むことができる。
【0219】
また、第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3はレーザー部LAに下部ミラー層140と上部ミラー層160を含む。ここで、下部ミラー層140は第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3の発光部EAにも備えられ、透明部TAには備えられない。反面、上部ミラー層160は第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3のレーザー部LAにのみ備えられ、第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3にそれぞれ対応する第1、第2、第3ミラー層160a、160b、160cを含む。
【0220】
このような第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3のレーザー部LAはそれぞれ赤、緑、青色(R、G、B)のレーザービームを発生させることができる。これとは異なり、第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3のレーザー部LAが互いに接続されて一体に備えられる場合、レーザー部LAは緑色のレーザービームを発生させることができる。
【0221】
一方、図示してはいないが、第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3の発光部EAには
図2のカラーフィルタ170が備えられ、カラーフィルタ170は第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3にそれぞれ対応する第1、第2、第3カラーフィルタを含む。
【0222】
このような本発明の第3実施例に係る表示装置3000の平面構造について
図12を参照して詳細に説明する。
【0223】
図12は本発明の第3実施例に係る表示装置の概略的な平面図であって、一つの画素を図示し、
図1を共に参照して説明する。
【0224】
図12に図示した通り、本発明の第3実施例に係る表示装置3000では、X方向である第1方向に沿って3個のゲート配線GLが延び、Y方向である第1方向に沿って第1および第2データ配線DL1、DL2と1個の第1電源配線PLdおよび1個の第2電源配線PLsが延び、これらは互いに交差して第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3を含む画素Pを定義する。第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3は第2方向に沿って配置され得る。また、第1および第2データ配線DL1、DL2の間に第1電源配線PLdが配置され、第1および第2電源配線PLd、PLsの間に第1データ配線DL1が配置され得る。第2、第3副画素SP1、SP2、SP3のそれぞれは発光部EAとレーザー部LAおよび透明部TAを含み、発光部EAとレーザー部LAおよび透明部TAは第1方向に沿って配置され得る。
【0225】
ここで、第1電源配線PLdは
図1の高電位電圧VDDを供給する高電位配線であり得、第2電源配線PLsは
図1の低電位電圧VSSを供給する低電位配線であり得る。
【0226】
各副画素SP1、SP2、SP3の発光部EAには第1トランジスタT1、第2トランジスタT2、キャパシタ電極CE、そして第1画素電極PE1が備えられ、各副画素SP1、SP2、SP3のレーザー部LAには第3トランジスタT3と第2画素電極PE2が備えられる。
【0227】
第1トランジスタT1は第1データ配線DL1と各ゲート配線GLの交差地点に位置し、第1データ配線DL1および各ゲート配線GLに接続される。第2トランジスタT2は第1電源配線PLdおよび第1画素電極PE1と接続される。
【0228】
キャパシタ電極CEは第1および第2トランジスタT1、T2と接続され、第1画素電極PE1と重なってストレージキャパシタをなす。これとは異なり、キャパシタ電極CEは第1画素電極PE1と接続される別途の電極と重なってストレージキャパシタをなしてもよい。
【0229】
第3トランジスタT3は第2データ配線DL2と各ゲート配線GLの交差地点に位置し、第2データ配線DL2および各ゲート配線GLに接続される。また、第3トランジスタT3は第2画素電極PE2と接続される。
【0230】
これに伴い、本発明の第3実施例に係る表示装置3000で、一つの画素Pは3個の第1画素電極PE1と3個の第2画素電極PE2を含み、第1トランジスタT1と第3トランジスタT3は同じゲート配線GLに共に接続され、互いに異なる第1および第2データ配線DL1、DL2にそれぞれ接続される。
【0231】
このような本発明の第3実施例に係る表示装置3000の発光部EAとレーザー部LAおよび透明部TAの断面構造について
図13を参照して詳細に説明する。
【0232】
図13は本発明の第3実施例に係る表示装置の概略的な断面図であり、
図11のIII-III’線に対応する断面、すなわち、第2副画素の断面を図示し、
図11を共に参照して説明する。本発明の第3実施例に係る表示装置は透明部を除いては第1実施例と実質的に同じ構成を有し、同一構成に対して同一符号を付与し、これに対する説明は省略したり簡略にする。
【0233】
図13に図示した通り、本発明の第3実施例に係る表示装置3000は基板100上に備えられる少なくとも一つの画素Pを含み、少なくとも一つの画素Pは多数の副画素SP、すなわち、第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3を含む。各副画素SPは発光部EAとレーザー部LAおよび透明部TAを有する。
【0234】
具体的には、基板100上にバッファ層102が備えられ、バッファ層102上に第1薄膜トランジスタTr1と第2薄膜トランジスタTr2そして順次積層されたゲート絶縁膜104、パッシベーション膜106およびオーバーコート層108が備えられる。
【0235】
第1および第2薄膜トランジスタTr1、Tr2はそれぞれ発光部EAとレーザー部LAに配置され、第1および第2薄膜トランジスタTr1、Tr2の上部にオーバーコート層108が配置される。
【0236】
オーバーコート層108の上部には下部ミラー層140が備えられ、下部ミラー層140は発光部EAとレーザー部LAに配置される。下部ミラー層140は透明部TAには備えられない。
【0237】
下部ミラー層140の上部には第1画素電極132と第2画素電極133が配置される。第1画素電極132は発光部EAに配置されて第1コンタクトホール140aを通じて第1薄膜トランジスタTr1に接続され、第2画素電極133はレーザー部LAに配置されて第2コンタクトホール140bを通じて第2薄膜トランジスタTr2に接続される。
【0238】
第1画素電極132は三重層構造で第1層132aと第2層132bおよび第3層132cを含み、第1層132aと第3層132cは透明電極であり、第2層132bは反射電極であり得る。反面、第2画素電極133は単一層構造であって、一つの透明電極を含むことができる。
【0239】
第1および第2画素電極132、133の上部にはバンク350が備えられる。バンク350は発光部EAの第1画素電極132を露出する第1開口部350aとレーザー部LAの第2画素電極133を露出する第2開口部350bを有し、透明部TAのオーバーコート層108の上面を露出する第3開口部350cを有する。このようなバンク350は下部ミラー層140の上面および側面と接触することができる。
【0240】
発光部EAの第1画素電極132の上部には第1発光層134が備えられ、レーザー部LAの第2画素電極133の上部には第2発光層135が備えられる。第1発光層134と第2発光層135は白色光を放出することができる。
【0241】
第1および第2発光層134、135の上部には共通電極136が備えられる。共通電極136は実質的に基板100の全面に位置して、発光部EAとレーザー部LAおよび透明部TAのすべてに配置され得る。これに伴い、共通電極136は透明部TAでオーバーコート層108の上面と接触することができる。これとは異なり、共通電極136は透明部TAで除去されていてもよい。
【0242】
発光部EAの第1画素電極132と第1発光層134および共通電極136は第1発光ダイオードDe1を構成し、レーザー部LAの第2画素電極133と第2発光層135および共通電極136は第2発光ダイオードDe2を構成する。
【0243】
次に、レーザー部LAの共通電極136の上部、すなわち、レーザー部LAの第2発光ダイオードDe2の上部には上部ミラー層160が備えられる。
【0244】
前述した通り、下部ミラー層140と上部ミラー層160のそれぞれは相対的に高い屈折率を有する高屈折率層と相対的に低い屈折率を有する低屈折率層が交互に積層された構造を有する。
【0245】
例えば、高屈折率層はTiO2、Ta2O5、ZrO2、またはZnSからなり得、低屈折率層はSiO2、MgF2、Y2O3、またはAl2O3からなり得る。
【0246】
一方、上部ミラー層160は第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3にそれぞれ対応して互いに異なる厚さを有する。この場合、第2副画素SP2の上部ミラー層160の厚さは第1副画素SP1の上部ミラー層160の厚さより小さく、第3副画素SP3の上部ミラー層160の厚さより大きくてもよい。
【0247】
また、上部ミラー層160の厚さは下部ミラー層140の厚さより小さく、下部ミラー層140の高屈折率層と低屈折率層の屈折率の差は上部ミラー層160の高屈折率層と低屈折率層の屈折率の差より大きくてもよい。
【0248】
次に、発光部EAの共通電極136の上部とレーザー部LAの上部ミラー層160の上部および透明部TAの共通電極136の上部にはエンカプセレーション層180が備えられ、エンカプセレーション層180の上部には対向基板190が備えられる。
【0249】
また、発光部EAでエンカプセレーション層180と対向基板190の間にはカラーフィルタ170が備えられる。カラーフィルタ170は第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3にそれぞれ対応する第1、第2、第3カラーフィルタ、例えば、赤、緑、青色フィルタを含む。
【0250】
このように、本発明の第3実施例に係る表示装置3000で、一つの画素Pは第1、第2、第3副画素SP1、SP2、SP3にそれぞれ対応する3個の発光部EAと3個のレーザー部LAおよび3個の透明部TAを含む。これに伴い、平常時に発光部EAを通じてカラー映像を表示しながら、透明部TAを通じて背景のような周辺環境情報を共に表示することができる。また、非常状況時、レーザー部LAを通じて情報を表示することによって人命救助を助けることができる。
【0251】
前記では本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、該当技術分野の通常の技術者は下記の特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想および領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正および変更できることが理解できるであろう。
【符号の説明】
【0252】
P:画素
SP:副画素
EA:発光部
LA:レーザー部
100:基板
Tr1:第1薄膜トランジスタ
Tr2:第2薄膜トランジスタ
140:下部ミラー層
160:上部ミラー層
De1:第1発光ダイオード
De2:第2発光ダイオード
170:カラーフィルタ
TA:透明部