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特許7615303車載器、情報処理システム、制御方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-07
(45)【発行日】2025-01-16
(54)【発明の名称】車載器、情報処理システム、制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07B 15/06 20110101AFI20250108BHJP
   G07B 15/00 20110101ALI20250108BHJP
【FI】
G07B15/06
G07B15/00 510
G07B15/00 P
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023509903
(86)(22)【出願日】2021-03-29
(86)【国際出願番号】 JP2021013222
(87)【国際公開番号】W WO2022208589
(87)【国際公開日】2022-10-06
【審査請求日】2023-12-01
(73)【特許権者】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工機械システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】是永 剛志
【審査官】小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/113875(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07B 15/00-15/06
G07C 5/00
G06Q 50/10
G06Q 50/40
G08G 1/00- 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
GNSS衛星による車両の位置を示す位置情報に基づいて課金処理を実行させる指示部と、
前記課金処理において課金を行う課金タイミング付近の少なくとも1つのタイミングにおける周辺環境情報を記録する記録部と、
前記課金処理を見直すべき事情を示す信号を受け付ける処理部と、
前記処理部が前記信号を受け付けた場合に、前記課金を行う課金ポイントの特定情報と、前記周辺環境情報とを、外部に送信する送信部と、
を備える車載器。
【請求項2】
前記課金タイミング付近の少なくとも1つのタイミングにおける周辺環境情報は、
前記課金タイミング、前記課金タイミングから所定時間前、前記課金タイミングから所定時間後、前記課金ポイント、前記課金ポイントから所定距離後方、または前記課金ポイントから所定距離前方における周辺環境情報である、
請求項1に記載の車載器。
【請求項3】
前記記録部は、
前記周辺環境情報を時刻に関連付けて記録する、
請求項1または請求項2に記載の車載器。
【請求項4】
前記周辺環境情報は、
前記車両から撮影した画像を含む情報である、
請求項1から請求項3の何れか一項に記載の車載器。
【請求項5】
前記課金が行われたことを報知する報知部、
を備える請求項1から請求項の何れか一項に記載の車載器。
【請求項6】
請求項1から請求項の何れか一項に記載の車載器と、情報処理装置と、を備える情報処理システムであって、
前記課金処理を実行する実行部と、
前記特定情報と前記周辺環境情報とに基づいて、前記課金処理を見直す変更部と、
を備える情報処理システム。
【請求項7】
車載器が実行する制御方法であって、
GNSS衛星による車両の位置を示す位置情報に基づいて課金処理を実行させることと、
前記課金処理において課金を行う課金タイミング付近の少なくとも1つのタイミングにおける周辺環境情報を記録することと、
前記課金処理を見直すべき事情があることを示す信号を受け付けることと、
前記信号を受け付けた場合に、前記課金を行う課金ポイントの特定情報と、前記周辺環境情報とを、送信することと、
を含む制御方法。
【請求項8】
車載器と、情報処理装置と、を備える情報処理システムが実行する制御方法であって、
前記車載器が、GNSS衛星による車両の位置を示す位置情報に基づいて課金処理を実行させることと、
前記車載器が、前記課金処理において課金を行う課金タイミング付近の少なくとも1つのタイミングにおける周辺環境情報を記録することと、
前記車載器が、前記課金処理を見直すべき事情があることを示す信号を受け付けることと、
前記車載器が、前記信号を受け付けた場合に、前記課金を行う課金ポイントの特定情報と、前記周辺環境情報とを、送信することと、
前記情報処理装置が、前記課金処理を実行することと、
前記情報処理装置が、前記特定情報と前記周辺環境情報とに基づいて、前記課金処理を見直すことと、
を含む制御方法。
【請求項9】
車載器のコンピュータに、
GNSS衛星による車両の位置を示す位置情報に基づいて課金処理を実行させることと、
前記課金処理において課金を行う課金タイミング付近の少なくとも1つのタイミングにおける周辺環境情報を記録することと、
前記課金処理を見直すべき事情があることを示す信号を受け付けることと、
前記信号を受け付けた場合に、前記課金を行う課金ポイントの特定情報と、前記周辺環境情報とを、送信することと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車載器、情報処理システム、制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
高速道路などの有料道路では車両が通過する際に課金処理が行われる。
特許文献1には、関連する技術として、カメラにより検出された車両に課金処理を行うシステムに関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-030703号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、GPS(Global Positioning System)のようなGNSS(Global Navigation Satellite System)などの衛星を使用して車両の位置を測位し、その測位情報を用いて有料道路を走行したかを判断した上で課金する場合がある。このような場合、衛星から車両への電波が建物などを反射するなど状況に応じてGNSS衛星による車両の位置の測位の精度が低下する可能性があり、その結果、車両が実際には有料道路を通過していないにも関わらず、誤って課金されてしまう可能性がある。
そのため、GNSS衛星による車両の測位情報を用いた有料道路の課金において、誤課金を低減することのできる技術が求められている。
【0005】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであって、GNSS衛星による車両の測位情報を用いた有料道路の課金において、誤課金を低減することのできる車載器、情報処理システム、制御方法及びプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示に係る車載器は、GNSS衛星による車両の位置を示す位置情報に基づいて課金処理を実行させる指示部と、前記課金処理において課金を行う課金タイミング付近の少なくとも1つのタイミングにおける周辺環境情報を記録する記録部と、前記課金処理を見直すべき事情を示す信号を受け付ける処理部と、前記処理部が前記信号を受け付けた場合に、前記課金を行う課金ポイントの特定情報と、前記周辺環境情報とを、外部に送信する送信部と、を備える
【0007】
本開示に係る情報処理システムは、上記の車載器と、情報処理装置と、を備える情報処理システムであって、前記課金処理を実行する実行部と、前記特定情報と前記周辺環境情報とに基づいて、前記課金処理を見直す変更部と、を備える。
【0008】
本開示に係る制御方法は、車載器が実行する制御方法であって、GNSS衛星による車両の位置を示す位置情報に基づいて課金処理を実行させることと、前記課金処理において課金を行う課金タイミング付近の少なくとも1つのタイミングにおける周辺環境情報を記録することと、前記課金処理を見直すべき事情があることを示す信号を受け付けることと、前記信号を受け付けた場合に、前記課金を行う課金ポイントの特定情報と、前記周辺環境情報とを、送信することと、を含む
【0009】
本開示に係る制御方法は、車載器と、情報処理装置と、を備える情報処理システムが実行する制御方法であって、前記車載器が、GNSS衛星による車両の位置を示す位置情報に基づいて課金処理を実行させることと、前記車載器が、前記課金処理において課金を行う課金タイミング付近の少なくとも1つのタイミングにおける周辺環境情報を記録することと、前記車載器が、前記課金処理を見直すべき事情があることを示す信号を受け付けることと、前記車載器が、前記信号を受け付けた場合に、前記課金を行う課金ポイントの特定情報と、前記周辺環境情報とを、送信することと、前記情報処理装置が、前記課金処理を実行することと、前記情報処理装置が、前記特定情報と前記周辺環境情報とに基づいて、前記課金処理を見直すことと、を含む
【0010】
本開示に係るプログラムは、車載器のコンピュータに、GNSS衛星による車両の位置を示す位置情報に基づいて課金処理を実行させることと、前記課金処理において課金を行う課金タイミング付近の少なくとも1つのタイミングにおける周辺環境情報を記録することと、前記課金処理を見直すべき事情があることを示す信号を受け付けることと、前記信号を受け付けた場合に、前記課金を行う課金ポイントの特定情報と、前記周辺環境情報とを、送信することと、を実行させる
【発明の効果】
【0011】
本開示に係る車載器、情報処理システム、制御方法及びプログラムによれば、GNSS衛星による車両の測位情報を用いた有料道路の課金において、誤課金を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の一実施形態による情報処理システムの構成の一例を示す図である。
図2】本開示の一実施形態による車載器の構成の一例を示す図である。
図3】本開示の一実施形態による取得装置の構成の一例を示す図である。
図4】本開示の一実施形態によるセンターシステムの構成の一例を示す図である。
図5】本開示の一実施形態による情報処理システムの処理フローの一例を示す図である。
図6】本開示の一実施形態における報知の一例を示す第1の図である。
図7】本開示の一実施形態における報知の一例を示す第2の図である。
図8】少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<実施形態>
以下、図面を参照しながら実施形態について詳しく説明する。
本開示の一実施形態による情報処理システムについて説明する。
(情報処理システムの構成)
図1は、本開示の一実施形態による情報処理システム1の構成を示す図である。情報処理システム1は、図1に示すように、GNSS(Global Navigation Satellite System)衛星10、車両30、センターシステム40(情報処理装置の一例)を備える。情報処理システム1は、車両30に対して行われた課金処理を見直すべき事情がある場合に、車両30が課金ポイントの特定情報と周辺環境情報とをセンターシステム40へ送信するシステムである。課金ポイントの特定情報は、課金を実行させる位置を特定するために使用される情報である。例えば、課金ポイントは、所定領域の何れかであり、特定情報は、その所定領域を示す固有の識別子である。周辺環境情報は、課金された車両30周辺の課金タイミング付近の1つのタイミングにおける環境を示す情報を少なくとも含む車両30周辺の環境を示す情報である。つまり、周辺環境情報は、課金された車両30周辺の課金タイミング、その課金タイミングから所定時間前、その課金タイミングから所定時間後、特定情報から特定される車両30が課金された課金ポイント、その課金ポイントから所定距離後方、およびその課金ポイントから所定距離前方の少なくとも1つにおける環境を示す情報である。例えば、周辺環境情報は、課金された車両30周辺の課金タイミングに相当する時刻、その時刻の前、およびその時刻の後の時刻に車両30から撮影した画像を含む情報である。また、例えば、周辺環境情報は、特定情報から特定される車両30が課金された課金ポイント、その課金ポイントから所定距離後方、およびその課金ポイントから所定距離前方の位置で車両30から撮影した画像を含む情報である。
【0014】
GNSS衛星10の例としては、GPS(Global Positioning System)などで用いられる人工衛星が挙げられる。GNSS衛星10は、例えば、4つ以上の静止通信衛星を含む。
【0015】
車両30は、有料道路(例えば、高速道路)を走行する車両である。車両30は、車載器30aを備える。車載器30aは、OBU(On BoardUnit)と呼ばれる場合がある。車載器30aは、図2に示すように、取得装置20、通信部301、測位部302、修正部303(算出部の一例)、指示部304、報知部305、および取り消し部306(判定部の一例、送信部の一例、受付部の一例)を備える。
【0016】
取得装置20は、図3に示すように、取得部201(記録部の一例)、記憶部202および通信部203を備える。取得部201は、周辺環境情報を取得する。周辺環境情報は、課金された車両30周辺の課金タイミングにおける環境を示す情報を少なくとも含む車両30周辺の環境を示す情報である。なお、課金タイミングを時刻として扱う場合、車載器30aが扱う時刻と取得装置20が扱う時刻は一致していなければならない。そのため、車載器30aと取得装置20とで、共通のタイマを利用したり、それぞれがタイマを有するがそれぞれの示す時刻が異なる場合、変換テーブルや演算部により共通の時刻に変換して同一時刻として扱ったり、例えば、電波時計などを利用して時刻を補正するなどして、車載器30aが扱う時刻と取得装置20が扱う時刻は一致させる。この場合、取得部201は、車両30周辺の画像を撮影する。取得部201が車両30周辺の画像を撮影する場合、取得部201は、情報処理システム1専用の撮影部であってもよい。取得部201は、取得した周辺環境情報と、課金タイミングおよび課金タイミング付近のタイミングとを関連付けて記憶部202に記録する。例えば、取得部201は、課金処理において課金を行う課金タイミング付近のタイミングにおける周辺環境情報を時刻情報に関連付けて記憶部202に記録する。
【0017】
なお、GNSS(Global Navigation Satellite System)の演算では、最低四つのGNSS衛星10との距離情報を用いて車両30の位置(x、y、z)と時刻tが推定される。その推定された時刻tの誤差は、車両30の移動速度に比べると、無視できるほど小さい。そのため、GNSSによるOBU測位は、GNSSで算出した時刻t若しくはそれと動機した内部タイマの時刻を課金タイミングのタイムスタンプとして用いるものであってもよい。
【0018】
記憶部202は、取得装置20が行う処理に必要な種々の情報を記憶する。例えば、記憶部202は、取得部201が取得した周辺環境情報を記憶する。なお、記憶部202は、外部からアクセス可能である。
【0019】
通信部203は、取得装置20の外部と通信を行う。例えば、通信部203は、記憶部202に記録された周辺環境情報を、後述する車載器30aに送信する。
なお、取得部201が車両30周辺の画像を撮影する場合、取得装置20は、一般的な(例えば、市販されている)ドライブレコーダであってもよい。なお、セキュリティの観点から、取得装置20がドライブレコーダである場合、情報処理システム1は、ドライブレコーダを認証する機能を有する、または、ドライブレコーダが情報処理システム1を提供する企業から公認の機器であると認められていることが望ましい。公認の機器であるか否かの認証方法の例としては、車載器30a側と、ドライブレコーダ側のそれぞれに暗号化鍵を持たせ、乱数の暗号化や複合化を行った情報をやり取りすることによって相互認証を行う暗号鍵を用いる方法などが挙げられる。
【0020】
通信部301は、車載器30aの外部と通信を行う。例えば、通信部301は、GNSS衛星10から電波を受信する。
【0021】
測位部302は、通信部301が受信した電波に基づいて、車両30について測位する。なお、測位部302が行う測位方法は、例えば、4つのGNSS衛星10のうち3つから受信した電波に基づき車両30の位置を算出し、もう1つのGNSS衛星10から受信した電波で位置を補正するなど、既知の技術を用いるものであってよい。
【0022】
修正部303は、車両30の走行履歴、各経路の位置関係、すなわち、その走行履歴が示す経路に少なくとも一部が並走する2つの道路どうしの距離、およびGNSS衛星10による車両30の位置の精度の少なくとも1つに基づいて、車両30が課金ポイントを通過した確度を示す確信度を算出する。確信度とは、0(0パーセント)から1(100パーセント)の値をとり、測位の誤差の範囲内にある各経路の車両30が走行している可能性を示すものである。例えば、測位の誤差の範囲内に経路Aと経路Bとが含まれており、走行履歴から経路Aの可能性しかない場合、修正部303は、経路Aの確信度を1と算出する。また、走行履歴から経路Aと経路Bの可能性がある場合、修正部303は、経路Aと経路Bの位置関係、例えば、車両30から経路Aまでの距離と車両30から経路Bまでの距離の大小関係から、経路Aの確信度をa、経路Bの確信度を(1-a)と算出する。
【0023】
修正部303は、測位部302の測位結果と、測位の誤差とに基づいて、マップ上の車両30の位置を特定する。測位の誤差は、使用しているGNSS衛星10の電波を用いた測位の誤差が公開されている場合、その公開されている誤差を用いるものであってよい。また、使用しているGNSS衛星10の電波を用いた測位の誤差が公開されていない場合、測位結果から推定される誤差を用いるものであってもよい。例えば、測位の誤差がrであり(すなわち、車両30から半径rの誤差の可能性があり)、その誤差の範囲内にマップ上の複数の経路が含まれている場合、修正部303は、車両30に最も近い経路を車両30が走行しているものとして、車両30の位置をその最も近い経路上に修正する。修正部303によるこの修正は、例えば、カーナビゲーションシステムなどで行われている既知のマップマッチング技術を用いて行われるものであってよい。
【0024】
また、修正部303は、確信度に基づいて、予めマップ上で定められた課金処理を指示する(すなわち、課金処理を実行させる)所定領域(課金ポイントの一例)に車両30が存在するか否かを判定する。なお、修正部303がマップマッチング技術を用いる場合には、修正部303は、確信度に代わってマップマッチングの結果に基づいて、または、確信度に加えてマップマッチングの結果に基づいて、予めマップ上で定められた課金処理を指示する(すなわち、課金処理を実行させる)所定領域(課金ポイントの一例)に車両30が存在するか否かを判定するものであってもよい。
指示部304は、GNSS衛星10による車両30の位置を示す位置情報に基づいて、情報処理装置40に課金処理を実行させる。具体的には、指示部304は、通信部301を介して、課金処理を実行させる指示信号をセンターシステム40へ送信する。例えば、指示部304は、車両30が所定領域を走行している確信度が所定値(しきい値の一例)以上である場合に車両30が所定領域に存在すると判定し、センターシステム40へ指示信号を送信する。指示信号には、予め車両30に関連付けられた識別子を示す情報と、所定領域を示す識別子とが含まれている。
【0025】
報知部305は、課金が行われたことを報知する。具体的には、報知部305は、報知信号が示す課金処理の内容を報知する。報知信号には、課金処理の内容を示す情報が含まれている。なお、報知部305は情報を表示するものに限らず、例えば、音(音声を含む)や振動などで課金処理を行ったことを報知してもよい。
【0026】
取り消し部306は、課金が誤課金であることを受け付ける。例えば、取り消し部306は、ユーザ(例えば、課金対象者、運転者など)が誤課金と考える課金処理を選択した時にユーザが操作する入力装置(タッチパネルなど)から送信される信号を受け付ける。取り消し部306は、課金処理を見直すべき事情の有無を判定する。課金処理を見直すべき事情のある例としては、課金が誤課金であると判定されること、確信度が所定値(しきい値の一例)以下であることなどが挙げられる。具体的には、取り消し部306は、ユーザ(例えば、課金対象者、運転者など)が誤課金と考える課金処理を選択した時にユーザが操作する入力装置から送信される信号があるか否かを判定する。例えば、ユーザは、報知部305が報知する課金処理の内容を確認し、誤課金があるか否かを判断する。そして、ユーザは、誤課金があると判断した場合、誤課金と考える課金処理を選択する操作を入力装置に対して行う。つまり、ユーザが誤課金と考える課金処理を選択する操作を入力装置に対して行った場合(すなわち、取り消し部306が誤課金であることを受け付けた場合)、取り消し部306は、上記事情があると判定する。また、取り消し部306は、ユーザが誤課金と考える課金処理を選択する操作を入力装置に対して行わない場合、上記事情がないと判定する。
【0027】
また、取り消し部306は、課金処理を見直すべき事情があると判定した場合に、課金を行う課金ポイントの特定情報と、周辺環境情報とを、外部に送信する。具体的には、取り消し部306は、ユーザが誤課金と考える課金処理を選択した時に入力装置から送信される信号があるか否かの判定結果に基づいて、通信部301を介してセンターシステム40へ取り消し信号を送信するか否かを判定する。取り消し信号には、少なくともセンターシステム40に課金の取り消しを要求する指示情報と、その課金の処理タイミング付近に取得装置20が取得した周辺環境情報とが含まれている。なお、指示情報には、取り消しを要求する課金処理を特定可能な情報が含まれる。例えば、課金が行われたことを報知するそれぞれの情報に識別番号が付与されており、指示情報にその識別番号が含まれるようにすればよい。
【0028】
センターシステム40は、図4に示すように、通信部401、処理部402(実行部の一例)、記憶部403、および訂正部404(変更部の一例)を備える。通信部401は、センターシステム40の外部と通信を行う。処理部402は、課金処理を実行する。記憶部403は、センターシステム40が行う処理に必要な種々の情報を記憶する。訂正部404は、取り消し信号に含まれる周辺環境情報が誤課金を示すか否かを判定する。訂正部404は、取り消し信号に含まれる周辺環境情報が誤課金を示すと判定した場合、特定情報と周辺環境情報とに基づいて、課金処理を見直す、つまり、取り消し信号における指示情報に含まれる課金処理を特定可能な情報が示す課金を取り消す処理を行う。
【0029】
(情報処理システム1が行う処理)
次に、情報処理システム1が行う課金とその課金を取り消す処理について、図5を参照して説明する。なお、取得装置20は、車両30が走行中に車両30から撮影した画像を常に取得し、取得した画像を取得した時刻に関連付けて記憶部202に記録しているものとする。
【0030】
通信部301は、GNSS衛星10から電波を受信する。測位部302は、通信部301が受信した電波に基づいて、車両30について測位する(ステップS1)。
【0031】
修正部303は、測位部302の測位結果と、測位の誤差とに基づいて、マップ上の車両30の位置を特定する(ステップS2)。
【0032】
そして、修正部303は、確信度に基づいて、予めマップ上で定められた課金処理を指示する(すなわち、課金処理を実行させる)所定領域(課金ポイントの一例)に車両30が存在するか否かを判定する(ステップS3)。なお、測位の誤差の範囲内にマップ上の1つの経路しか含まれない場合、修正部303は、その経路について確信度を1と特定する。また、測位の誤差の範囲内に複数の経路が含まれている場合、修正部303は、各経路について確信度を算出する。具体的には、車両30が走行履歴(すなわち、走行してきた経路)、各経路の位置関係(すなわち、各経路の相対距離など)、および測位の誤差のそれぞれが数値化されており、修正部303は、数値化された走行履歴、各経路の位置関係、および測位の誤差に基づいて、各経路について確信度を算出する。例えば、測位の誤差の範囲内に経路Aと経路Bとが含まれており、走行履歴から経路Aの可能性しかない場合、修正部303は、経路Aの確信度を1と算出する。また、走行履歴から経路Aと経路Bの可能性がある場合、修正部303は、経路Aと経路Bの位置関係、例えば、車両30から経路Aまでの距離と車両30から経路Bまでの距離の大小関係から、経路Aの確信度をa、経路Bの確信度を(1-a)と算出する。
【0033】
修正部303は、予めマップ上で定められた課金処理を指示する所定領域に車両30が存在しないと判定した場合(ステップS3においてNO)、ステップS3の処理に戻す。また、修正部303が予めマップ上で定められた課金処理を指示する所定領域に車両30が存在すると判定した場合(ステップS3においてYES)、指示部304は、通信部301を介して、課金処理を実行させる指示信号をセンターシステム40へ送信する(ステップS4)。なお、ステップS1とステップS2の車両30の測位とマップ上の位置を特定する処理は、ステップS3以降の処理においても並行して行われている。また、ステップS3の所定領域に車両30が存在するか否かを判定する処理は、ステップS4以降の処理においても並行して行われている。
【0034】
通信部401が車載器30aから指示信号を受信した場合、処理部402は、課金処理を実行する(ステップS5)。例えば、処理部402は、指示信号に含まれている予め車両30に関連付けられた識別子から課金処理の対象を特定する。具体的には、例えば、処理部402は、車両30が有料道路に進入したと判定した位置を記憶しておき、その記憶した位置から、指示信号に含まれている所定領域を示す識別子が示す位置までの課金額を特定する。そして、処理部402は、予め車両30に関連付けられた識別子を記憶部403において特定し、特定した識別子に関連付けられている課金先(例えば、クレジットカード番号、銀行口座番号など)に測定した課金額を請求する。
【0035】
そして、処理部402は、通信部401を介して、課金処理を行ったことを示す報知信号を車載器30aに送信する(ステップS6)。課金処理の内容を示す情報の例としては、課金を行った所定領域を示す情報(例えば、課金を行った位置、課金対象の走行区間など)、課金処理を行った時刻を示す情報、課金額を示す情報、および課金処理の履歴の一欄を示す情報などが挙げられる。なお、ステップS5の処理は、指示信号に応じて実行できるように、ステップS6の処理以降にも並行して行われる。
【0036】
通信部301がセンターシステム40から報知信号を受信すると、報知部305は、報知信号が示す課金処理の内容を報知する(ステップS7)。例えば、報知部305が表示部である場合、報知部305は、図6および図7に示すように、課金処理の内容を示す情報を報知する。なお、報知部305は情報を表示するものに限らず、例えば、音(音声を含む)や振動などで課金処理を行ったことを報知してもよい。
【0037】
ユーザ(例えば、課金対象者、運転者など)は、報知部305が報知する課金処理の内容を確認し、誤課金があるか否かを判断する。例えば、報知部305が入力装置としてタッチパネルの機能を有する表示部であり、報知部305に表示された例えば図7に示す課金一覧において誤課金があるか否かをユーザが判断する。報知部305に表示された課金一覧において、ユーザが誤課金であると判断した課金処理を選択した場合、取り消し部306は、ユーザによる選択時にユーザが操作する入力装置から送信される信号があるか否かを判定する。取り消し部306は、その判定結果に基づいて、通信部301を介してセンターシステム40へ取り消し信号を送信するか否かを判定する(ステップS8)。
【0038】
判定結果が入力装置から送信される信号がないことを示す判定結果である場合、取り消し部306は、センターシステム40へ取り消し信号を送信しないと判定する。また、判定結果が入力装置から送信される信号があることを示す判定結果である場合、取り消し部306は、センターシステム40へ取り消し信号を送信すると判定する。
【0039】
取り消し部306は、センターシステム40へ取り消し信号を送信しないと判定した場合(ステップS8においてNO)、ステップS8の処理に戻す。また、取り消し部306は、センターシステム40へ取り消し信号を送信すると判定した場合(ステップS8においてYES)、通信部301を介してセンターシステム40へ取り消し信号を送信する(ステップS9)。なお、ステップS8の処理は、ステップS9の処理以降、並行して行われる。
【0040】
通信部401が取り消し信号を受信すると、訂正部404は、取り消し信号に含まれる周辺環境情報が誤課金を示すか否かを判定する(ステップS10)。例えば、各所定領域に予め固有の物体を備え、その物体を示す各所定領域の特徴を示す参照情報を予め記憶部403に記憶しておく。固有の物体は、所定領域に対して複数設けられていてもよく、標識、建築物、地形などを固有の物体として利用してもよい。周辺環境情報が画像情報である場合には、参照情報は、その物体を示す画像情報として用意される。また、そして、周辺環境情報がライダーなどにより得られる3次元の立体情報である場合には、参照情報は、その物体を示す3次元の立体情報として用意される。訂正部404は、課金が行われた所定領域の周辺環境情報と記憶部403が記憶する所定領域の参照情報とを比較し、周辺環境情報に参照情報が含まれていると判定した場合、周辺環境情報が誤課金を示さないと判定する。また、訂正部404は、課金が行われた所定領域の周辺環境情報と記憶部403が記憶する所定領域の参照情報とを比較し、周辺環境情報に参照情報が含まれていないと判定した場合、周辺環境情報が誤課金を示すと判定する。なお、課金が行われた所定領域内の車両30から取得される可能性がある情報全体(車両30が通過する可能性がある道路の周囲画像やその三次元情報など)を参照情報とし、訂正部404は、その参照情報の中に車両30から取得された周辺環境情報が含まれていないかを確認するものであってもよい。この場合、一連の処理における「周辺環境情報に参照情報が含まれる」、「周辺環境情報に参照情報が含まれない」は、周辺環境情報と参照情報とを入れ替えて、「参照情報に周辺環境情報が含まれる」、「参照情報に周辺環境情報が含まれない」と読み替えた場合の処理を行えばよい。
【0041】
訂正部404は、取り消し信号に含まれる周辺環境情報が誤課金を示すと判定した場合(ステップS10においてYES)、周辺環境情報に対応する所定領域における課金を取り消す処理を行う(ステップS11)。また、取り消し信号に含まれる周辺環境情報が誤課金を示さないと判定した場合(ステップS10においてNO)、課金を取り消す処理を行わない。なお、ステップS10の処理は、取り消し信号に応じて実行できるように、ステップS11の処理が行われた後も並行して行われる。
【0042】
(作用効果)
以上、本開示の一実施形態による情報処理システム1について説明した。情報処理システム1において、車載器30aは、GNSS衛星10による車両30の位置を示す位置情報に基づいて課金処理を実行させる指示部304と、前記課金処理において課金を行う課金タイミング付近少なくとも1つのタイミングにおける周辺環境情報を記録する取得部201(記録部の一例)と、前記課金処理を見直すべき事情の有無を判定する取り消し部306(判定部の一例)と、前記事情があると前記取り消し部306が判定した場合に、前記課金を行う課金ポイントの特定情報と、前記周辺環境情報とを、外部に送信する取り消し部306(送信部の一例)と、を備える。
【0043】
これにより、本開示の一実施形態による情報処理システム1の車載器30aは、GNSS衛星による車両の測位情報を用いた有料道路の課金において、誤課金を低減することができる。
【0044】
なお、本開示の一実施形態では、取り消し信号は、ユーザの判断および操作に基づいて、車両30からセンターシステム40に送信されるものとして説明した。そのため、本開示の一実施形態では、有料道路を走行したにも関わらず、センターシステム40側の判定ミスを期待して、取り消し信号をセンターシステム40に送信することが可能である。そのような不正を低減させるため、別の実施形態による情報処理システム1では、例えば、誤課金を示さない取り消し信号が一定回数センターシステム40に送付された場合、その取り消し信号が送信された車両30からの取り消し信号を一定時間受け付けなくするものであってもよい。また、別の実施形態による情報処理システム1では、例えば、取り消し信号を送信する場合にデポジットを支払わせ、その取り消し信号が誤課金を示す場合にのみデポジットを返却し、それ以外の場合は没収するようにしてもよい。また、別の実施形態による情報処理システム1では、例えば、誤課金を示さない取り消し信号がセンターシステム40に送信された場合、その取り消し信号を送信した車両30に関連付けられているユーザ(例えば、運転者、課金対象者など)の格付けを下げるものであってもよい。
【0045】
(作用効果)
こうすることで、別の実施形態による情報処理システム1では、無駄な取り消し信号の受信を低減することができる。その結果、情報処理システム1は、取り消し処理を早急に行うことができる。
【0046】
なお、本開示の一実施形態では、訂正部404が取り消し信号に含まれる周辺環境情報が誤課金を示すか否かを判定するものとして説明した。しかしながら、別の実施形態では、本開示の一実施形態による訂正部404の判定結果の代わりに人による判定結果を使用するものであってもよい。例えば、周辺環境情報が画像である場合、人がその画像を見て、課金が行われた所定領域であるかを判定する。人がその判定結果を記憶部403に記録する。訂正部404は、その記憶部403に記録された判定結果を読み取ることにより判定結果を取得する。そして、訂正部404は、取得した判定結果を本開示の一実施形態におけるステップS10の処理における判定結果として使用し、処理を行えばよい。
【0047】
(作用効果)
こうすることで、別の実施形態による情報処理システム1では、人による判定を低減することができる。その結果、情報処理システム1は、取り消し処理を早急に行うことができる。
【0048】
なお、別の実施形態では、訂正部404は、取り消し処理が完了した場合に、取り消し完了信号を車両30に送信するものであってもよい。そして、報知部305がその取り消し完了信号に応じて誤課金の取り消し処理が行われたことを報知するものであってもよい。
【0049】
(作用効果)
こうすることで、別の実施形態による情報処理システム1では、ユーザが取り消し処理が行われたことを把握することができる。
【0050】
なお、本開示の一実施形態で説明した処理は、ステップS3~ステップS4の確信度に基づき、車両30からセンターシステム40へ課金処理を指示する処理は正しいことを前提とする処理である。そのため、ステップS8における取り消し信号を送信するか否かは、ユーザの判断によるものとして説明した。しかしながら、車両30が所定領域に存在すると判定した場合の確信度が課金を指示する確信度であっても、車両30が所定領域を通過し、課金処理が完了した後に、実際には車両30が所定領域に存在しなかったことがわかる場合がある。例えば、有料道路である経路Aと一般道路である経路Bとが並走し、車両30が経路Aの所定領域に存在し、確信度が所定値以上であると判定されて課金処理が行われたとする。その所定領域を通過後に、経路Aには右に曲がるカーブはないが、経路Bには右に曲がるカーブが存在し、車両30の測位が右に曲がるカーブを示した場合、車両30は、有料道路ではなく一般道路を走行していたことになる。すなわち、車両30が所定領域に存在したという判定が間違いであり、課金は誤課金であったことになる。別の実施形態では、例えば、取り消し部306が上述のように課金後に誤課金を判定し、ステップS8のように取り消し信号をセンターシステム40に送信するものであってもよい。
【0051】
(作用効果)
こうすることで、別の実施形態による情報処理システム1では、より正確に課金を判定することができる。
【0052】
なお、本開示の実施形態における処理は、適切な処理が行われる範囲において、処理の順番が入れ替わってもよい。
【0053】
本開示の実施形態における記憶部や記憶装置(レジスタ、ラッチを含む)のそれぞれは、適切な情報の送受信が行われる範囲においてどこに備えられていてもよい。また、記憶部や記憶装置のそれぞれは、適切な情報の送受信が行われる範囲において複数存在しデータを分散して記憶していてもよい。
【0054】
本開示の実施形態について説明したが、上述の情報処理システム1、車載器30a、取得装置20、センターシステム40、その他の制御装置は内部に、コンピュータシステムを有していてもよい。そして、上述した処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。コンピュータの具体例を以下に示す。
図8は、少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
コンピュータ5は、図8に示すように、CPU6、メインメモリ7、ストレージ8、インターフェース9を備える。
例えば、上述の情報処理システム1、車載器30a、取得装置20、センターシステム40、その他の制御装置のそれぞれは、コンピュータ5に実装される。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でストレージ8に記憶されている。CPU6は、プログラムをストレージ8から読み出してメインメモリ7に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU6は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域をメインメモリ7に確保する。
【0055】
ストレージ8の例としては、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、半導体メモリ等が挙げられる。ストレージ8は、コンピュータ5のバスに直接接続された内部メディアであってもよいし、インターフェース9または通信回線を介してコンピュータ5に接続される外部メディアであってもよい。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ5に配信される場合、配信を受けたコンピュータ5が当該プログラムをメインメモリ7に展開し、上記処理を実行してもよい。少なくとも1つの実施形態において、ストレージ8は、一時的でない有形の記憶媒体である。
【0056】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現してもよい。さらに、上記プログラムは、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるファイル、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0057】
本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例であり、開示の範囲を限定しない。これらの実施形態は、開示の要旨を逸脱しない範囲で、種々の追加、種々の省略、種々の置き換え、種々の変更を行ってよい。
【0058】
<付記>
本開示の各実施形態に記載の車載器30a、情報処理システム1、は、例えば以下のように把握される。
【0059】
(1)第1の態様に係る車載器(30a)は、
GNSS衛星(10)による車両(30)の位置を示す位置情報に基づいて課金処理を実行させる指示部(304)と、
前記課金処理において課金を行う課金タイミング付近の少なくとも1つのタイミングにおける周辺環境情報を記録する記録部(201)と、
前記課金処理を見直すべき事情の有無を判定する判定部(306)と、
前記事情があると前記判定部(306)が判定した場合に、前記課金を行う課金ポイントの特定情報と、前記周辺環境情報とを、外部に送信する送信部(306)と、
を備える。
【0060】
これにより、車載器(30a)は、GNSS衛星(10)による車両(30)の測位情報を用いた有料道路の課金において、誤課金を低減することができる。
【0061】
(2)第2の態様に係る車載器(30a)は、(1)の車載器(30a)であって、
前記課金タイミング付近の少なくとも1つのタイミングにおける周辺環境情報は、
前記課金タイミング、前記課金タイミングから所定時間前、前記課金タイミングから所定時間後、前記課金ポイント、前記課金ポイントから所定距離後方、または前記課金ポイントから所定距離前方における周辺環境情報であるものであってもよい。
【0062】
これにより、車載器(30a)のユーザは、誤課金である証拠を示すことができる。
【0063】
(3)第3の態様に係る車載器(30a)は、(1)または(2)の車載器(30a)であって、
前記記録部(201)は、
前記周辺環境情報を時刻に関連付けて記録するものであってもよい。
【0064】
これにより、車載器(30a)のユーザは、誤課金である証拠を示すことができる。
【0065】
(4)第4の態様に係る車載器(30a)は、(1)から(3)の何れか1つの車載器(30a)であって、
前記周辺環境情報は、
前記車両(30)から撮影した画像を含む情報であるものであってもよい。
【0066】
これにより、車載器(30a)のユーザは、誤課金である証拠を示すことができる。
【0067】
(5)第5の態様に係る車載器(30a)は、(1)から(4)の何れか1つの車載器(30a)であって、
前記車両(30)の走行履歴、前記走行履歴が示す経路に少なくとも一部が並走する2つの道路どうしの距離、および前記GNSS衛星(10)による前記車両(30)の位置の精度の少なくとも1つに基づいて、前記車両(30)が前記課金ポイントを通過した確度を示す確信度を算出する算出部(303)、
を備え、
前記判定部(306)は、
前記確信度がしきい値以下である場合、前記課金処理を見直すべき事情があると判定し、
前記送信部(306)は、
前記課金処理を見直すべき事情があると前記判定部が判定した場合、前記特定情報と前記周辺環境情報とを外部に送信するものであってもよい。
【0068】
これにより、車載器(30a)は、GNSS衛星(10)による車両(30)の測位情報を用いた有料道路の課金において、誤課金を低減することができる。
【0069】
(6)第6の態様に係る車載器(30a)は、(1)から(5)の何れか1つの車載器(30a)であって、
前記課金が行われたことを報知する報知部(305)、
を備えるものであってもよい。
【0070】
これにより、車載器(30a)のユーザは課金が行われたことを把握することができる。
【0071】
(7)第7の態様に係る車載器(30a)は、(1)から(6)の何れか1つの車載器(30a)であって、
前記課金が誤課金であることを受け付ける受付部(306)、
を備え、
前記判定部(306)は、
前記受付部(306)が前記誤課金であることを受け付けた場合に、前記事情があると判定するものであってもよい。
【0072】
これにより、車載器(30a)は、GNSS衛星(10)による車両(30)の測位情報を用いた有料道路の課金において、誤課金を低減することができる。
【0073】
(8)第8の態様に係る情報処理システム(1)は、(1)から(7)の何れか1つの車載器(30a)と、情報処理装置(40)と、を備える情報処理システム(1)であって、
前記課金処理を実行する実行部(402)と、
前記特定情報と前記周辺環境情報とに基づいて、前記課金処理を見直す変更部(404)と、
を備える。
【0074】
これにより、情報処理システム(1)は、GNSS衛星(10)による車両(30)の測位情報を用いた有料道路の課金において、誤課金を低減することができる。
【0075】
(9)第9の態様に係る車載器(30a)の制御方法は、
GNSS衛星(10)による車両(30)の位置を示す位置情報に基づいて課金処理を実行させることと、
前記課金処理において課金を行う課金タイミング付近の少なくとも1つのタイミングにおける周辺環境情報を記録することと、
前記課金処理を見直すべき事情の有無を判定することと、
前記事情があると判定した場合に、前記課金を行う課金ポイントの特定情報と、前記周辺環境情報とを、送信することと、
を含む。
【0076】
これにより、車載器(30a)の制御方法は、GNSS衛星(10)による車両(30)の測位情報を用いた有料道路の課金において、誤課金を低減することができる。
【0077】
(10)第10の態様に係る情報処理システム(1)の制御方法は、
車載器(30a)と、情報処理装置(40)と、を備える情報処理システム(1)の制御方法であって、
GNSS衛星(10)による車両(30)の位置を示す位置情報に基づいて課金処理を実行させることと、
前記課金処理において課金を行う課金タイミング付近の少なくとも1つのタイミングにおける周辺環境情報を記録することと、
前記課金処理を見直すべき事情の有無を判定することと、
前記事情があると判定した場合に、前記課金を行う課金ポイントの特定情報と、前記周辺環境情報とを、送信することと、
前記課金処理を実行することと、
前記特定情報と前記周辺環境情報とに基づいて、前記課金処理を見直すことと、
を含む。
【0078】
これにより、情報処理システム(1)の制御方法は、GNSS衛星(10)による車両(30)の測位情報を用いた有料道路の課金において、誤課金を低減することができる。
【0079】
(11)第11の態様に係るプログラムは、
車載器(30a)のコンピュータ(5)に、
GNSS衛星(10)による車両(30)の位置を示す位置情報に基づいて課金処理を実行させることと、
前記課金処理において課金を行う課金タイミング付近の少なくとも1つのタイミングにおける周辺環境情報を記録することと、
前記課金処理を見直すべき事情の有無を判定することと、
前記事情があると判定した場合に、前記課金を行う課金ポイントの特定情報と、前記周辺環境情報とを、送信することと、
を実行させる。
【0080】
これにより、プログラムは、GNSS衛星(10)による車両(30)の測位情報を用いた有料道路の課金において、誤課金を低減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本開示に係る車載器、情報処理システム、制御方法及びプログラムによれば、GNSS衛星による車両の測位情報を用いた有料道路の課金において、誤課金を低減することができる。
【符号の説明】
【0082】
1・・・情報処理システム
5・・・コンピュータ
6・・・CPU
7・・・メインメモリ
8・・・ストレージ
9・・・インターフェース
10・・・GNSS衛星
20・・・取得装置
30・・・車両
30a・・・車載器
40・・・センターシステム
201・・・取得部
202、403・・・記憶部
203、301、401・・・通信部
302・・・測位部
303・・・修正部
304・・・指示部
305・・・報知部
306・・・取り消し部
402・・・処理部
404・・・訂正部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8