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特許7615313根菜類搬送装置によって搬送される収穫物の状態を特定する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-07
(45)【発行日】2025-01-16
(54)【発明の名称】根菜類搬送装置によって搬送される収穫物の状態を特定する方法
(51)【国際特許分類】
   B07C 5/07 20060101AFI20250108BHJP
   B65G 47/68 20060101ALI20250108BHJP
   A01D 17/00 20060101ALI20250108BHJP
   A01D 33/00 20060101ALI20250108BHJP
   B07C 5/342 20060101ALI20250108BHJP
【FI】
B07C5/07
B65G47/68 A
A01D17/00
A01D33/00
B07C5/342
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2023516721
(86)(22)【出願日】2021-09-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-05
(86)【国際出願番号】 EP2021075348
(87)【国際公開番号】W WO2022058359
(87)【国際公開日】2022-03-24
【審査請求日】2023-05-24
(31)【優先権主張番号】102020124037.6
(32)【優先日】2020-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】520134865
【氏名又は名称】グリメ ラントマシーネンファブリーク ゲー・エム・ベー・ハー ウント コー. カー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】Grimme Landmaschinenfabrik GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Hunteburger Strasse 32, 49401 Damme, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル ベーゼンベアク
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルフラム シュトロートマン
【審査官】加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-220010(JP,A)
【文献】特開2007-069061(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0084963(US,A1)
【文献】特開昭62-183893(JP,A)
【文献】特開2002-253022(JP,A)
【文献】特開2004-177369(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B07C 5/07
B07C 5/342
B65G 47/68
A01D 17/00
A01D 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
根菜類搬送装置(2)によって搬送された収穫物の特徴を特定する方法であって、
前記根菜類搬送装置(2)によって搬送された少なくとも1つの根菜類(6)の少なくとも1つの状態を示す測定データ(50)を、少なくとも1つの測定装置(4)によって測定するステップと、
前記根菜類搬送装置の調節に適した、少なくとも前記測定データ(50)に依存する結果データ(52)を、評価装置(30)によって計算するステップと、
前記結果データ(52)、または前記結果データに依存する信号を、前記評価装置(30)によって供給するステップと、
を有し、
前記測定データ(50)を、少なくとも部分的に、前記測定装置(4)の触覚センサ(20)によって測定し、
前記評価装置(30)は、前記測定データ(50)に基づき、機械的損傷の存在および/または機械的損傷の品質に関する情報を求める、方法。
【請求項2】
前記評価装置(30)は、前記測定データ(50)に基づき、押圧個所、掻き傷、切断部、擦過部、および/または圧潰部の存在および/または品質に関する情報を求める、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記結果データ(52)に応じて、制御装置(32)が前記根菜類搬送装置(2)を調節する、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記制御装置(32)は、機械フレーム(16)に対して相対的な前記根菜類搬送装置(2)の少なくとも1つの搬送エレメントおよび/または少なくとも1つの分離エレメントの循環速度、回転数、勾配、間隙幅および/または高さ、および/または前記根菜類搬送装置(2)の走行速度(44)を調節する、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記測定データ(50)を、少なくとも部分的に、前記測定装置(4)の光学センサ(18)を用いて測定する、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記評価装置(30)は、前記結果データ(52)を、光散乱に応じて計算する、請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記根菜類(6)を、光反射を発生させるためにレーザを用いて照射する、請求項5または6記載の方法。
【請求項8】
前記レーザは、400~1,400nmの波長を有する放射を放出する、請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記測定データ(50)を、少なくとも部分的に、前記根菜類(6)に向かって移動する前記触覚センサ(20)によって測定する、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
前記結果データ(52)は、前記触覚センサ(20)のプローブエレメントが前記根菜類(6)に接触しながら進む距離区間毎の力上昇および/または圧力上昇に依存している、請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記根菜類(6)を、前記測定前に前記根菜類搬送装置(2)によって搬送される収穫物から空間的に分離し、固定する、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
前記根菜類(6)は、前記根菜類搬送装置(2)の、受容端部(28)から排出端部に至るまでの搬送区間(8)の少なくとも2/3を進んだ後、かつ/または前記排出端部まで達しているまたは貯蔵部(24)のすぐ上流に配置された搬送エレメント(26)に供給された後、前記根菜類搬送装置(2)によって搬送される収穫物から分離される、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記触覚センサ(20)および/または前記光学センサ(18)を、2つの測定間で、前記根菜類(6)および/または機械フレーム(16)に対して相対的に移動させる、請求項5からまでのいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
前記結果データ(52)を、受容端部(28)から排出端部に至るまでの搬送区間(8)の異なる区間に配置された前記触覚センサ(20)によって実行される、それぞれ異なる測定の測定データ(50)に依存して計算する、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
1分当たりに少なくとも1回の測定を行い、かつ/または前記結果データの供給もしくは前記結果データに応じた調節を、基礎となる測定後または基礎となる複数回の測定のうちの少なくとも1回の測定後1分以内に行う、請求項1から14までのいずれか1項記載の方法。
【請求項16】
前記評価装置(30)は、前記測定データ(50)を、または前記測定データに依存する少なくとも1つの特性値を、位置特定データおよび/またはバッチデータに対応付けて供給する、請求項1から15までのいずれか1項記載の方法。
【請求項17】
前記測定装置(4)および前記評価装置(30)を有し、請求項1から16までのいずれか1項記載の方法を実施するように構成されていることを特徴とする、根菜類搬送装置(2)。
【請求項18】
搬送区間(8)から、前記測定装置(4)の測定空間(10)であって、測定中に前記根菜類(6)がその内側に配置されている測定空間まで前記根菜類(6)を搬送するために、かつ/または前記測定空間(10)から離すように搬送するように構成されている測定搬送エレメント(12)が、前記測定装置(4)に配属されている、請求項17記載の根菜類搬送装置(2)
【請求項19】
前記根菜類搬送装置(2)の前記測定空間(10)と前記搬送区間(8)との間に、前記搬送区間(8)を、閉鎖位置で、前記測定空間(10)に対して区切る分離エレメント(14)が配置されていて、前記分離エレメントは、開放位置では、前記搬送区間(8)から前記測定装置(4)へと少なくとも1つの根菜類(6)を通過させるように形成されている、請求項18記載の根菜類搬送装置(2)
【請求項20】
請求項17から19までのいずれか1項記載の根菜類搬送装置(2)を有している根菜類収穫機(29)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、根菜類搬送装置によって搬送される収穫物の特徴を特定する方法に関する。
【0002】
根菜類搬送装置は、例えば収穫機の一部として、または根菜類の貯蔵庫に入れる際にもしくは貯蔵庫から取り出す際に、根菜類を再配置するために使用される。特徴の特定により、根菜類搬送装置の機能がどの程度良好に満たされているのかを決定することができる。独国特許出願公開第102018127844号明細書により公知の方法では、搬送される根菜類の例えば運動方向が求められる。収穫物中の根菜類と混入物との比を求める方法も公知である。
【0003】
公知の方法の欠点は、このような方法の使用にもかかわらず、常に根菜類のうちの著しい割合が、搬送および搬送時に根菜類に作用する力の結果、腐敗してしまい、したがって澱粉抽出もしくは食品製造のために、その後利用可能なものではなくなってしまうということである。
【0004】
本発明の課題は、より穏やかでありながら効率的な根菜類搬送を可能にする方法、根菜類搬送装置、および根菜類収穫機を提供することである。
【0005】
本発明によれば、この課題は、以下の3つのステップを含む冒頭で述べた形式の方法により解決される。第1のステップでは、根菜類搬送装置によって搬送された少なくとも1つの根菜類の少なくとも1つの状態を示す測定データの測定が、少なくとも1つの測定装置によって行われる。
【0006】
測定装置は特に、根菜類搬送装置に含まれている。測定データは、測定の直接の結果として測定装置によって供給されるデータである。測定は、特に根菜類搬送装置による根菜類の搬送中または搬送後に、ただし好適には、根菜類搬送装置においてまたは根菜類搬送装置のすぐ近傍で行われる。搬送時に、根菜類は、特に、石、土塊、または雑草のような残留植物のような望ましくない混入物も含み得る収穫物流の一部である。
【0007】
特にカブまたはジャガイモである根菜類の状態は、特に搬送速度、搬送方向、および/または根菜類搬送装置内の位置もしくは根菜類搬送装置上の位置にかかわらず根菜類が有している、根菜類の少なくとも1つの特性である。好適には、この状態は、根菜類と共に搬送される混入物または根菜類に付着した土とは無関係である。状態とは特に、根菜類の表面もしくは皮のかつ/または表面もしくは皮の下の根菜類の内部の特性を意味する。特性は特に、根菜類の色、大きさ、形状、硬さ、および/または変形可能性である。収穫するべき根菜類の状態は、一方では、その収穫の前から既に、通常は不均一であり、根菜類の品種、土壌状態等に依存するものである。他方では、状態は、搬送中に、根菜類搬送装置によって変化させられる可能性もあり、もしくはさらに損なわれることもある。
【0008】
方法の第2のステップでは、少なくとも測定データに依存する結果データを、評価装置によって計算する。結果データは、根菜類搬送装置の調節のために、間接的にまたは直接的に役立つ。
【0009】
評価装置によって、特に、測定データの解釈が行われる。好適には、測定データは少なくとも、根菜類の測定された状態が、欠陥のないまたは欠陥のあるものとして、もしくは損傷されていないまたは損傷されているものとして分類されるように評価される。好適には、検出された欠陥の質もしくは欠陥の位置が検出される。結果データは、特に専ら測定データに基づいている。代替的に、結果データは、好適には、測定データと、例えば根菜類の品種、土壌状態および/または天気を影響量として考慮して特に使用者により予め設定可能な他のデータとに基づく。
【0010】
方法の第3のステップでは、結果データまたは結果データに基づく信号が、評価装置によって供給される。
【0011】
結果データもしくは信号は、特に視覚的かつ/または音響的に、好ましくは、機械オペレータの周囲に出力される。好適には、少なくとも、状態が、所定の期間にわたって不十分であると評価された場合に、信号が出力される。好ましくは、1つ以上の測定に基づき1つ以上の根菜類の状態を特徴付ける品質特性値が継続的に出力される。結果データまたは信号に基づき、根菜類搬送装置の使用者には、根菜類搬送装置を、特に根菜類の保護を目的として、最適に動作させることが著しく容易になる。
【0012】
搬送される根菜類の状態の測定および評価により、根菜類の品質、特に貯蔵可能性を評価することができる。不十分な状態、ひいては通常それに伴う根菜類の腐敗の傾向が確認された場合には、使用者は、状態を改善するために、もしくは根菜類搬送装置による状態の損傷を減じるために、直接、根菜類搬送装置の調節を適合させることができる。本発明による方法により、適合の結果を直接チェックすることができる。さらに、根菜類搬送装置は、根菜類を保護する方法により、不要に低効率に作動されなければならないわけではなく、いずれにせよ、根菜類の保護とできるだけ高い収穫物処理量との間の最適な妥協点を達成することができる。
【0013】
好ましくは、評価装置によって、測定データに基づき、機械的損傷、特に内部の機械的損傷の存在および/または品質に関する情報が求められる。機械的損傷は、特に、特に押圧個所、掻き傷、切断部、擦過部、または圧潰部である。押圧個所としては、過去に比較的大きな外的圧力にさらされた、表面付近または周囲に隣接した根菜類の領域が挙げられる。外的圧力にさらされた結果、通常、この領域で根菜類の比較的軟らかい形態ならびに根菜類の比較的大きな腐敗の傾向が生じる。特に、測定装置は、根菜類の少なくとも1つの硬度または可撓性、または領域のその他の特徴を測定するように形成されている。これにより、特に、機械部分により生じた押圧個所を、腐敗または壊死の原因となる化学的、生物学的かつ/または物理的な分解プロセスが進行する前に確実に検出することができる。
【0014】
本発明の有利な構成では、制御装置が根菜類搬送装置を結果データに応じて調節する。特に、評価装置は、このために結果データを制御装置に供給する。制御装置は、好適には自動化されて、根菜類搬送装置の少なくとも1つの動作パラメータを適合させる。この適合は、好ましくは、根菜類搬送装置の作動中に実施され、作動の中断は必要ない。特に、制御装置は、根菜類の品質が、境界値をできるだけ下回らないように、そして同時に根菜類搬送装置の収穫物処理量ができるだけ大きくなるように、形成されている。
【0015】
動作パラメータの各変更後には特に、待機時間(死時間)が続き、この間、同じ動作パラメータのさらなる変更は行われない。待機時間は特に、その動作パラメータが変更されかつ搬送区間に沿って測定装置の上流側に配置されたエレメントから、測定装置に到るまでに、作動中に根菜類が必要とする長さである。さらに、待機時間は、測定頻度に応じて選択されてもよい。動作パラメータは、特に少なくとも、最後に検査された根菜類の所定の個数における欠陥のある根菜類の割合が、境界値を超過している場合に、変更される。この場合、根菜類搬送装置は特に、根菜類の丁寧な取り扱いのために調節することができる。境界値を著しく下回っている場合には、逆に、処理量を高めるために根菜類搬送装置を調節することができる。
【0016】
本発明の有利な構成では、使用者が変更に同意した場合に初めて、動作パラメータが変更される。自動制御の代わりに、 評価装置もしくは制御装置が、有益であるもしくは必要であると判断した場合に、使用者に変更が提案される。代替的に、本発明のより簡単な態様では、使用者には、欠陥を含む状態のみが示され、これに基づいて使用者は、動作パラメータを手動で変更することができる。
【0017】
評価装置は特に、無線または有線で、測定装置に連結されている、もしくは同じ計算ユニットに含まれている。代替的にまたは付加的に、評価装置と制御装置とは同じ計算ユニットに含まれている。
【0018】
制御装置は、好適には、機械フレームに対して相対的な根菜類搬送装置の少なくとも1つの搬送エレメントおよび/または少なくとも1つの分離エレメントの循環速度、回転数、勾配、間隙幅および/または高さを調節する。搬送エレメントもしくは分離エレメントは、特に、ベルト、ローラ、ガイド板、変向板、変向ローラ、リフト、針付きベルト、フィンガーベルト、または櫛形コンベヤとして形成されている。回転数は特に、収穫物を搬送するためのまたは洗浄もしくは分離するための構成部分の回転数であり、好適には空気流を生成するためのロータの回転数である。このために、制御装置は、特に液圧モータ、液圧弁、および/または液圧シリンダに連結されている。代替的にまたは付加的に、制御装置が、特に電気モータ、線形駆動装置、および/または電気回路に連結されている。根菜類搬送装置を含む、牽引車両の動作中に牽引される収穫機の場合は、制御装置は、好適には、牽引車両の走行速度を、いわゆるトラクタ・作業機械管理(TIM)を介して調節する。根菜類搬送装置を含む自走式の収穫機の場合は、制御装置は、特に直接、収穫機の走行速度を調節する。
【0019】
搬送エレメントおよび分離エレメントは、作動中に、収穫物に直接接触する、根菜類搬送装置のエレメントである。搬送エレメントは特に、作動中に循環する選別ベルトである。分離エレメントは、特につまみローラ、針付きベルト等である。特に好適には、制御装置は、掘り込み深さ、ノッキングエレメントの周波数、またはギャップ幅を調節する。
【0020】
好ましくは、測定データは、少なくとも部分的に、測定装置の光学センサによって測定される。光学センサは、特に、複数の異なる画像部分のグレー値または輝度を求めるように構成されている。光学センサは、測定中、特に根菜類の上方に配置されている。評価装置は、結果データを、特に好適には、光散乱に応じて計算する。光学センサの測定データはこのために、反射される光の散乱のための尺度が求められるように評価される。押圧個所が、根菜類の損傷のない領域とは異なるように光を反射し、特にさらに散乱させるので、光学センサは特に良好に測定に適している。
【0021】
光学センサは、特にカメラとして、好適にはモノクロカメラとして形成されていて、特に1つのバンドパスフィルタを有している。押圧個所の領域における根菜類の光反射特性は他の領域とは著しく異なる、ということが示されているので、結果データのこのような形式の計算によって、根菜類の腐敗傾向の特に負荷耐性が査定される。上述した態様に対して代替的にまたは付加的に、特に800~2,000nmでのハイパースペクトルイメージングの評価のために、サーモグラフィカメラ、超音波および/またはレーダが使用される。
【0022】
根菜類は、光反射を発生させるために好適にはレーザによって、特にラインレーザによって照射される。特に、光学センサには、ラインレーザが直接配属されている。レーザは、単色光の放射により優れている。これにより、光散乱の評価の際の外乱影響を最小にすることができる。方法をさらに最良にするために、測定中、その内部に根菜類が存在している測定空間は、少なくとも部分的に自然光から遮断されている。
【0023】
レーザは好適には、400~1,400nm、好適には600~1,000nm、特に好適には900nmの波長を有する放射を放出する。レーザの出力は、この場合、0.1~2mW/cmの範囲にある。これらの光パラメータでは、押圧個所において誘発される光散乱における差が特に明確に確認され得る。
【0024】
本発明のこのような好適な構成によれば、特に根菜類収穫機の作動中に従来配置される選別作業員によって、または収穫物のライブ画像に基づき検知することができない損傷を識別することができる。したがって、収穫結果を最適にするために、著しく確かなデータ基盤が存在する。
【0025】
光学センサに対して代替的にまたは付加的に、測定データは、好適には、少なくとも部分的に、測定装置の触覚センサによって測定される。触覚センサは、測定のために、少なくとも部分的に根菜類に向かって移動させられる。測定中、少なくとも所定の時間、根菜類に直接に接触する触覚センサによって、押圧個所の領域で変化させられた根菜類構造、特により大きくなった可撓性を、特に簡単に検出することができる。
【0026】
好ましくは、結果データは、触覚センサのプローブエレメントが根菜類に接触しながら進む距離区間毎の力上昇および/または圧力上昇に依存している。特に測定データに含まれている、力もしくは圧力と距離との比により、特に根菜類の硬度および根菜類の皮の延性を示すことができる。この比に対して代替的にまたは付加的に、測定データは特に、予め規定された距離区分に沿って検出された最大力もしくは最大圧力を含んでいる。この場合、測定は、根菜類収穫量のために非破壊式に、または負荷耐性の測定データのためには破壊式に行われ、この場合、好適には、侵入抵抗は、中心的に求めるべき量である。
【0027】
触覚センサのプローブエレメントは、特に水平運動方向で可動である。これにより、通常は、根菜類の主延在方向で互いに離隔されている、根菜類の冠(Kronen)端部またはへそ端部における測定を簡単に実施することができる。これは、これらの端部が規則的に側方に方向付けられているからである。
【0028】
本発明の有利な構成では、根菜類は、根菜類を含む収穫物流から測定によって空間的に分離される。特に、根菜類はその分離後、センサの領域に、特に測定空間内に固定される。このために、測定装置は、特に可動の固定装置を有している。空間的な状況のために、測定装置には特に、バイパス搬送区間が配属されており、このバイパス搬送区間には根菜類が、特に重力誘導により到る。好適には非破壊式の測定後、バイパス搬送区間は根菜類を特に再び収穫物流へと供給する。好適には、根菜類は、損傷されていないと分類された場合にのみ、再び収穫物流へと供給される。固定装置は、特に、根菜類の状態を、根菜類の様々な側から同じセンサによって測定することができるように可動である。
【0029】
根菜類は、特に、根菜類搬送装置の搬送区間の少なくとも2/3を進んだ後、収穫物流から分離される。この場合、搬送区間は、根菜類搬送装置の受容端部から排出端部まで達している。代替的にまたは付加的に、根菜類は、排出端部まで達している、または貯蔵部のすぐ上流に配置された搬送エレメントに供給された後、分離される。搬送エレメントは特に、読み出しベルトとして形成されている。搬送区間の後方領域で初めて分離が行われることの利点は、これにより、根菜類搬送装置により及ぼされる根菜類への影響の少なくとも大部分が既に、測定時に考慮されることにある。
【0030】
搬送区間は、好適には,作動時に好適には循環するように形成されている複数の搬送エレメントによって形成されている。搬送エレメントは、特に、少なくとも50cmの幅をそれぞれ有している。受容端部は特に、掘り出し犂によって規定されている。排出端部は、特に、搬送ベルトの、特に最後のまたは最後から2番目の搬送区間の変向領域によって規定されている。
【0031】
本方法により、毎分少なくとも1つの根菜類に関する特別な測定データが記録される。好適には、収穫物の根菜類の所定の割合について測定データが継続的に記録される。特に好適には、搬送されるすべての根菜類についての測定データが記録される。
【0032】
根菜類搬送装置に含まれている測定装置に対して代替的に、測定装置は、特に携帯式の測定ステーションの一部である。測定ステーションは、特に、根菜類の収穫および根菜類の貯蔵との間で測定を行う。測定ステーションは、好適には、無線または有線で、根菜類搬送装置にまたは根菜類収穫機に連結されていて、これらを好適には自動的に調節する。
【0033】
根菜類搬送装置もしくは根菜類搬送装置の少なくとも1つの構成部分の調節は、好適には、特に根菜類搬送装置の搬送区間に沿って様々な個所に位置している様々な測定装置の測定データに基づいて行われる。代替的にまたは付加的に、測定装置の少なくとも1つのセンサが2つの測定の間で、根菜類に対して相対的にかつ/または機械フレームに対して相対的に、特にアームによって動かされる、または測定装置は複数のセンサを有している。これらのセンサは、特に、同じ根菜類の様々な領域の測定のために用いられる。これにより、結果データには、特に根拠に基づく基礎を与えることができ、根菜類の品質の特に負荷耐性の画像を求めることができる。
【0034】
触覚センサに対する光学センサの利点は、搬送区間の1つの区分のすぐ上方で光学センサを使用することができることであり、このために根菜類を事前に分離する必要はないことである。測定自体によって状態が変化することもない。特に測定装置は、搬送区間の特に同じ搬送エレメントにより搬送される様々な根菜類の状態を同時に測定するための光学センサを備えて構成されている。
【0035】
好適には、結果データを、特に搬送区間のうちの異なる区分に配置された測定装置によって実行される様々な測定の測定データに依存して計算する。これにより、特に、根菜類の負荷を搬送区間に沿って測定もしくは構築することができ、これにより少なくとも臨界的な搬送エレメントまたは分離エレメントを識別することができる。
【0036】
好ましくは、毎分少なくとも1回の測定が行われる。代替的にまたは付加的に、この測定に基づく供給もしくは調節が、それぞれ基礎となる測定後の1分以内に行われる。供給もしくは調節が、異なる時点で測定された測定データに基づいている場合は、好適には、測定データの少なくとも一部は、供給もしくは調節前の1分以内に測定される。待機時間を考えなければ、本方法により特に、根菜類搬送装置の継続的な適合が可能である。
【0037】
好適には、評価装置は、測定データを、または測定データに依存する少なくとも1つの特性値を、位置特定データおよび/またはバッチデータに対応付ける。これにより、根菜類の品質を、根菜類が収穫された場所に応じて決定することができ、それによって根菜類品種もしくはその処理の選択をそれに適合させることができる。測定データまたは特性値をバッチデータに対応付けることにより、早期に腐敗する傾向を示すバッチを、これらのバッチが早期に再び貯蔵庫から出されるように貯蔵することができ、これに対して負荷耐性のあるバッチは、より長期的に貯蔵することができる。バッチデータは、好適には、重量、収穫時間、および/または保管場所を含む。割り当てられたデータは、特に、評価装置によって記憶され、または特に無線でサーバに供給される。
【0038】
課題はさらに、根菜類の測定のために形成された測定装置を含む根菜類搬送装置により解決される。測定装置はさらに、前述のかつ/または後述の光学センサおよび/または触覚センサを含む。根菜類搬送装置は、上述したかつ/または後述する方法を実施するように構成されている。根菜類搬送装置は特に、貯蔵装置または洗浄装置として形成されている。
【0039】
好適には、測定装置には、根菜類を搬送区間から測定装置の測定空間まで搬送するためにかつ/またはこの測定空間から離れるように搬送するように構成された、測定搬送エレメントが配属されている。測定搬送エレメントは、特に、バイパス搬送区間を形成している。測定搬送エレメントは、特に、選別ベルトとして形成されており、かつ/または50cm未満の幅を有している。測定搬送エレメントは、特に、測定のためだけに作動させられる。測定搬送エレメントによって、収穫物から根菜類をより容易に分離することができる。
【0040】
本発明の有利な構成では、測定空間と、根菜類搬送装置の搬送区間との間に、分離エレメントが配置されている。分離エレメントは、閉鎖位置では、搬送区間を測定空間に対して区切っている。開放位置では、分離エレメントは、搬送区間から測定装置へと根菜類を通過させるように形成されている。特に、分離エレメントは、搬送区間を共に形成するエレメントの少なくとも一部の下方に配置されており、これにより根菜類は、分離エレメントの開放位置で、重力に基づき測定空間もしくは測定搬送エレメントへと到る。分離エレメントは特に摺動可能に支持されている。
【0041】
課題はさらに、前述のかつ/または後述の根菜類搬送装置を有している、根菜類収穫機、特にジャガイモ収穫機またはカブ収穫機によって解決される。根菜類収穫機は、特に、作動において自走式の、または作動において牽引車両によって牽引される根菜類収穫機である。
【0042】
本発明のさらなる詳細および利点は、これにより以下に記載する、概略的に示された実施例により理解される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】閉鎖位置にある分離エレメントを備えた本発明による第1の根菜類搬送装置を示す部分的な平面図である。
図2】開放位置にある分離エレメントを備えた図1と同様の部分的な平面図である。
図3図2の切断線A-Aに沿って断面した第1の根菜類搬送装置の断面図である。
図4】本発明による第2の根菜類搬送装置を示す図3と同様の断面図である。
図5】第1の根菜類搬送装置の部分的な平面図である。
図6図5の切断線B-Bに沿って断面した第1の根菜類収穫装置の別の断面図である。
図7】第3の根菜類収穫装置の部分的な平面図である。
図8図7の切断線C-Cに沿って断面した第3の根菜類収穫装置の断面図である。
図9】第3の根菜類収穫装置の部分的な平面図である。
図10図9の切断線D-Dに沿って断面した第3の根菜類収穫装置のさらなる断面図である。
図11】本発明による第1の方法の概略的なフローチャートである。
図12】本発明による第2の方法の概略的なフローチャートである。
図13】本発明による根菜類収穫機の側面図である。
【0044】
本発明による実施例の以下に説明する特徴は、個別でも、図示または説明されたものと異なる組み合わせにおいても、少なくとも請求項1の特徴と組み合わせた場合には常に、本発明となり得る。有利である場合には、機能的に同様に作用する部材には同一の符号を付してある。
【0045】
図1図10に示した根菜類搬送装置2は、それぞれ1つの搬送区間8を有していて、この搬送区間は、作動中、根菜類6を含む収穫物流22を搬送方向9で送る。図示した根菜類搬送装置2はそれぞれ、搬送された根菜類6の状態を示す測定データ50を測定するための測定装置4を有している。
【0046】
第1および第2の根菜類搬送装置2は、搬送区間8と測定搬送エレメント12との間に配置されているそれぞれ1つの分離エレメント14を有している。分離エレメント14は、閉鎖位置(図1)から開放位置(図2)へと移行可能である。開放位置では、少なくとも1つの根菜類6が測定搬送エレメント12へと到り、測定搬送エレメントは、根菜類6を測定装置4へと搬送し、測定後、測定装置4から測定搬送方向13へと搬送する。
【0047】
測定装置4内では、第1および第3の根菜類搬送装置2(図3および図8参照)が、光学センサ18を有している。光学センサは、測定空間10の内側で、少なくとも1つの根菜類6から反射された光を測定する。光学センサ18に対して代替的に、第2の根菜類搬送装置2は、測定空間10の内側で運動方向21で可動な触覚センサ20を有している(図4参照)。
【0048】
図13に示した根菜類収穫機29は、1つの根菜類搬送装置2を有している。根菜類収穫機29の搬送区間8は、掘り出し犂によって規定される受容端部28から貯蔵部24まで延在している。貯蔵部24の上流には、選別台として形成された搬送エレメント26が配置されており、この搬送エレメントの上方には測定装置4が配置されている。根菜類収穫機29は、機械フレーム16を有しており、この機械フレームには、上述した可動の構成部分が可動に配置されている。
【0049】
本発明による方法の2つの実施形態が、図11および図12に示されている。図11によれば、根菜類収穫機29の搬送区間8に沿ってそれぞれ異なる箇所に配置された4つの測定装置4a,4b,4c,4d(上方のa~d参照)からの測定データ50が記録される。測定データに基づき、評価装置30および制御装置32は、根菜類収穫機29の調節のために結果データ52を計算する。結果データ52を計算するために、規則、アルゴリズム、および境界値を含んでいる格納データ51が使用される。結果データ52により、掘り込み深さ42、走行速度44ならびに搬送区間8のその他のパラメータ40が詳細に設定される。
【0050】
図12は、本発明による方法の拡張された実施形態を示している。この場合、結果データ52を計算するために、さらなるデータが考慮される。詳細には、使用者により掘り出し計画55が設定され、さらに気象データおよび土壌データ53が考慮される。さらに、特に土塊の量を含む混入物データ57が考慮される。これらの値はそれぞれ、結果データ52により調整されるパラメータの関係、これらに基づいて影響される選別ベルト始端における充填レベル61、選別ベルト終端における充填レベル63、分離装置の圧力65ならびに詰まり値67にも影響59を及ぼす。これらのパラメータは、調整されたパラメータ40,42,44に直接関係している実際値69と同様に、測定データ50として新たな制御に取り入れられる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13