(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-07
(45)【発行日】2025-01-16
(54)【発明の名称】信号トランシーバー装置、給電構造、及びアンテナ
(51)【国際特許分類】
H01P 1/213 20060101AFI20250108BHJP
H01P 1/203 20060101ALI20250108BHJP
H01P 3/08 20060101ALI20250108BHJP
H01Q 21/24 20060101ALI20250108BHJP
【FI】
H01P1/213 B
H01P1/203
H01P3/08 100
H01Q21/24
(21)【出願番号】P 2023539241
(86)(22)【出願日】2020-12-28
(86)【国際出願番号】 CN2020140437
(87)【国際公開番号】W WO2022141004
(87)【国際公開日】2022-07-07
【審査請求日】2023-08-01
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ルゥ,ジュンフォン
(72)【発明者】
【氏名】リィウ,シンミン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ユアン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ショアンフェイ
【審査官】佐藤 当秀
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05751199(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01P 1/213
H01P 1/203
H01P 3/08
H01Q 21/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号トランシーバー装置であって:
第1のキャビティであって、前記第1のキャビティに第1のインターフェースが配置されている、第1のキャビティ;
第1のフィルタ回路であって、前記第1のフィルタ回路は前記第1のキャビティに配置され、前記第1のフィルタ回路は互いに反対側にある第1の端部と第2の端部と含み、前記第1のフィルタの前記第1の端部は前記第1のインターフェースに接続され、前記第1のフィルタ回路は第1の周波数帯域の信号を送信するように構成されている、第1のフィルタ回路;
第2のキャビティであって、前記第2のキャビティに第2のインターフェースと第3のインターフェースとが配置されている、第2のキャビティ;
第2のフィルタ回路であって、前記第2のフィルタ回路は前記第2のキャビティに配置され、前記第1のフィルタ回路と前記第2のフィルタ回路とは平行であり、前記第2のフィルタ回路は互いに反対側にある第1の端部と第2の端部と含み、前記第2のフィルタ回路の前記第1の端部は前記第2のインターフェースに接続され、前記第2のフィルタ回路は第2の周波数帯域の信号を送信するように構成されている、第2のフィルタ回路;及び
接続構成要素であって、前記接続構成要素は互いに反対側にある第1の端部及び第2の端部、並びに、前記接続構成要素の前記第1の端部と前記接続構成要素の前記第2の端部との間にある第3の端部を含み、前記接続構成要素の前記第1の端部は前記第1のキャビティに配置され、前記接続構成要素の前記第1の端部は前記第1のフィルタ回路の前記第2の端部に接続され、前記接続構成要素の前記第3の端部は前記第2のキャビティに配置され、前記接続構成要素の前記第3の端部は前記第2のフィルタ回路の前記第2の端部に接続され、前記接続構成要素の前記第2の端部は前記第3のインターフェースに接続されている、接続構成要素;
を含み、前記接続構成要素は統合された構造を利用しており、前記接続構成要素は、前記第1の周波数帯域及び前記第2の周波数帯域の信号を送信するように構成されて
おり;
前記接続構成要素の前記第1の端部と前記第1のフィルタ回路の前記第2の端部とは、前記第1のキャビティに配置された第1の溶接ポートを介して溶接され;及び
前記接続構成要素の前記第3の端部と前記第2のフィルタ回路の前記第2の端部とは、前記第2のキャビティに配置された第2の溶接ポートを介して溶接されている、信号トランシーバー装置。
【請求項2】
請求項1に記載の信号トランシーバー装置において、更に:
第1のプリント回路基板PCBであって、前記第1のフィルタ回路は前記第1のPCBに配置されており、前記第1のキャビティに第1の係合スロットが設けられており、前記第1のPCBは前記第1の係合スロットに対して取り外し可能に接続されている、第1のPCB;及び
第2のPCBであって、前記第2のフィルタ回路は前記第2のPCBに配置されており、前記第2のキャビティに第2の係合スロットが設けられており、前記第2のPCBは前記第2の係合スロットに対して取り外し可能に接続されている、第2のPCB;
を含む、信号トランシーバー装置。
【請求項3】
請求項2に記載の信号トランシーバー装置において:
前記第1のキャビティに第1の開口が設けられており、前記第1の開口の形状は前記第1のPCBの形状に合致しており、その結果、前記第1のPCBは前記第1の開口を通じて前記第1の係合スロットに係合することが可能であり;及び
前記第2のキャビティに第2の開口が設けられており、前記第2の開口の形状は前記第2のPCBの形状に合致しており、その結果、前記第2のPCBは前記第2の開口を通じて前記第2の係合スロットに係合することが可能である、信号トランシーバー装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のうちの何れか一項に記載の信号トランシーバー装置において:
前記第1の溶接ポートは前記接続構成要素の前記第1の端部の上に位置しており
、前記第2の溶接ポートは前記接続構成要素の前記第3の端部の上に位置し
ている、信号トランシーバー装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のうちの何れか一項に記載の信号トランシーバー装置において、前記第1のキャビティ又は前記第2のキャビティに第3の開口が設けられており、前記第3の開口の形状は前記接続構成要素の形状に合致しており、その結果、前記接続構成要素は前記第3の開口を介して前記第1のキャビティ及び前記第2のキャビティに入ることができる、信号トランシーバー装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のうちの何れか一項に記載の信号トランシーバー装置において、更に:
第3のキャビティであって、前記第3のキャビティは前記第1のキャビティと前記第2のキャビティとの間に位置し、前記第3のキャビティに第4のインターフェースが配置されている、第3のキャビティ;及び
第3のフィルタ回路であって、前記第3のフィルタ回路は前記第3のキャビティに配置され、前記第3のフィルタ回路は互いに反対側にある第1の端部と第2の端部と含み、前記第3のフィルタの前記第1の端部は前記第3のインターフェースに接続され、前記第3のフィルタ回路の前記第2の端部は前記接続構成要素の第4の端部に接続され、前記第3のフィルタ回路は第3の周波数帯域の信号を送信するように構成されている、第3のフィルタ回路;
を含み、前記接続構成要素の前記第4の端部は前記接続構成要素の前記第1の端部と前記接続構成要素の前記第3の端部との間に位置し、前記接続構成要素は前記第3の周波数帯域の信号を送信するように更に構成されている、信号トランシーバー装置。
【請求項7】
請求項6に記載の信号トランシーバー装置において、更に:
第3のPCBであって、前記接続構成要素は前記第3のPCBに配置されており、前記第3のキャビティに第3の係合スロットが設けられており、前記第3のPCBは前記第3の係合スロットに対して取り外し可能に接続されている、第3のPCB;
を含み、前記第3のキャビティに第3の開口が設けられており、前記第3の開口の形状は前記第3のPCBの形状に合致している、信号トランシーバー装置。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の信号トランシーバー装置において、前記第3のキャビティに第3の溶接ポートが配置されており、前記第3の溶接ポートは前記接続構成要素の前記第4の端部の上に位置しており、その結果、前記接続構成要素の前記第4の端部と前記第3のフィルタ回路の前記第2の端部とは前記第3の溶接ポートを介して溶接されている、信号トランシーバー装置。
【請求項9】
請求項6ないし8のうちの何れか一項に記載の信号トランシーバー装置において:
前記第1のインターフェース、前記第2のインターフェース、及び前記第4のインターフェースは信号入力端部に接続されるように構成されており、前記第3のインターフェースは信号出力端部に接続されるように構成されている;或いは
前記第1のインターフェース、前記第2のインターフェース、及び前記第4のインターフェースは信号出力端部に接続されるように構成されており、前記第3のインターフェースは信号入力端部に接続されるように構成されている、信号トランシーバー装置。
【請求項10】
請求項6ないし9のうちの何れか一項に記載の信号トランシーバー装置において、前記第1のフィルタ回路、前記第2のフィルタ回路、及び前記第3のフィルタ回路の各々は複数のオープン回路フィルタ・スタブを含んでいる、信号トランシーバー装置。
【請求項11】
請求項10に記載の信号トランシーバー装置において、前記オープン回路フィルタ・スタブの長さは、λ
1/8ないしλ
1/2 であり、λ
1は阻止帯域信号周波数バンドに対応する波長である、信号トランシーバー装置。
【請求項12】
請求項1ないし11のうちの何れか一項に記載の信号トランシーバー装置において、前記接続構成要素は、少なくとも1つのインピーダンス変換伝送ライン・セグメントを含んでおり、前記インピーダンス変換伝送ライン・セグメントの長さはλ
2/12より大きく、λ
2は入力信号における最大周波数に対応する波長である、信号トランシーバー装置。
【請求項13】
位相シフターと請求項1ないし12のうちの何れか一項に記載の信号トランシーバー装置とを含む給電構造であって、前記位相シフターは前記信号トランシーバー装置に電気的に接続されている、給電構造。
【請求項14】
少なくとも1つのアンテナ・アレイを含むアンテナであって、前記アンテナ・アレイは、少なくとも1つの放射素子と、反射パネルと、請求項13に記載の給電構造とを含み、前記放射素子は前記反射パネル上に配置されており、前記給電構造は前記放射素子に接続されている、アンテナ。
【請求項15】
請求項14に記載のアンテナにおいて、前記アンテナはレドームを更に含み、前記放射素子、前記反射パネル、及び前記給電構造は前記レドームにより囲まれたキャビティ内にある、アンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本件出願の実施形態は、通信技術の分野に関連し、特に信号トランシーバー装置、給電構造、及びアンテナに関連する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 信号トランシーバー装置、例えば、コンバイナ(Combiner)は、基地局アンテナの重要な部分である。信号トランシーバー装置の機能は、異なる送信機から送信された無線周波数信号の2つ以上の経路を、信号の1つの経路に結合し、その信号の経路を、アンテナの送信のために無線周波数デバイスに送り、と同時に、ポート信号間の相互の影響を回避することである。
【0003】
[0003] 信号トランシーバー装置は、通常、複数のキャビティを含み、フィルタ回路の或るセクションが各キャビティ内に配置される。
図1,
図2,及び
図3に示されるように、信号トランシーバー装置は接続部材01を更に含み、ここで、接続部材01は、隣接するキャビティ内のフィルタ回路を接続するように構成される。
【0004】
[0004] しかしながら、接続部材の組立許容誤差は大きく、信号トランシーバー装置の受動相互変調(Passive Intermodulation,PIM)性能は影響を受けやすい。
【発明の概要】
【0005】
[0005] 本件出願の実施形態は、信号トランシーバー装置、給電構造、及びアンテナを提供して、信号トランシーバー装置の受動相互変調パフォーマンスが低いという問題を解決する。
【0006】
[0006] 前述の目的を達成するために、本件出願では以下の技術的解決策が使用される。
【0007】
[0007] 本件出願の第1の態様によれば、信号トランシーバー装置が提供され、本装置は:第1のキャビティであって、第1のキャビティに第1のインターフェースが配置されている、第1のキャビティ;第1のフィルタ回路であって、第1のフィルタ回路は第1のキャビティに配置され、第1のフィルタ回路は互いに反対側にある第1の端部と第2の端部と含み、第1のフィルタの第1の端部は第1のインターフェースに接続され、第1のフィルタ回路は第1の周波数帯域の信号を送信するように構成されている、第1のフィルタ回路;第2のキャビティであって、第2のキャビティに第2のインターフェースと第3のインターフェースとが配置されており、第1のフィルタ回路と第2のフィルタ回路は平行になっている、第2のキャビティ;第2のフィルタ回路であって、第2のフィルタ回路は第2のキャビティに配置され、第2のフィルタ回路は互いに反対側にある第1の端部と第2の端部と含み、第2のフィルタ回路の第1の端部は第2のインターフェースに接続され、第2のフィルタ回路は第2の周波数帯域の信号を送信するように構成されている、第2のフィルタ回路;及び 接続構成要素であって、接続構成要素は互いに反対側にある第1の端部及び第2の端部、並びに、接続構成要素の第1の端部と接続構成要素の第2の端部との間にある第3の端部を含み、接続構成要素の第1の端部は第1のキャビティに配置され、接続構成要素の第1の端部は第1のフィルタ回路の第2の端部に接続され、接続構成要素の第3の端部は第2のキャビティに配置され、接続構成要素の第3の端部は第2のフィルタ回路の第2の端部に接続され、接続構成要素の第2の端部は第3のインターフェースに接続されている、接続構成要素;を含み、接続構成要素は統合された構造を利用しており、接続構成要素は、第1の周波数帯域及び第2の周波数帯域の信号を送信するように構成されている。従って、異なるキャビティ内のフィルタ回路が複数の接続構造を介して接続される従来技術と比較して、接続構成要素の一体化された構造は、組立許容誤差を低減し、信号トランシーバー装置の受動相互変調パフォーマンスを改善する。
【0008】
[0008] オプションの実装において、信号トランシーバー装置は、更に:第1のプリント回路基板PCBであって、第1のフィルタ回路は第1のPCBに配置されており、第1のキャビティに第1の係合スロットが設けられており、第1のPCBは第1の係合スロットに対して取り外し可能に接続されている、第1のPCB;及び 第2のPCBであって、第2のフィルタ回路は第2のPCBに配置されており、第2のキャビティに第2の係合スロットが設けられており、第2のPCBは第2の係合スロットに対して取り外し可能に接続されている、第2のPCB;を含む。従って、組み立て方法がよりシンプルになり、組み立ての困難性が低減される。
【0009】
[0009] オプションの実装において、第1のキャビティに第1の開口が設けられており、第1の開口の形状は第1のPCBの形状に合致しており、その結果、第1のPCBは第1の開口を通じて第1の係合スロットに係合することが可能であり;及び 第2のキャビティに第2の開口が設けられており、第2の開口の形状は第2のPCBの形状に合致しており、その結果、第2のPCBは第2の開口を通じて第2の係合スロットに係合することが可能である。従って、第1のキャビティ及び第2のキャビティがそれぞれ形成された後に、第1のPCBは第1の開口を通じて取り付けられることが可能であり、第2のPCBは第2の開口を通じて取り付けられることが可能であり、それによって、組み立ての困難性を低減する。
【0010】
[0010] オプションの実装において、第1の開口に第1の溶接ポートが配置されており、第1の溶接ポートは接続構成要素の第1の端部の上に位置しており、その結果、接続構成要素の第1の端部と第1のフィルタ回路の第2の端部とは第1の溶接ポートを介して溶接され;及び 第2の開口に第2の溶接ポートが配置されており、第2の溶接ポートは接続構成要素の第3の端部の上に位置しており、その結果、接続構成要素の第3の端部と第2のフィルタ回路の第2の端部とは第2の溶接ポートを介して溶接されている。従って、第1のキャビティ及び第2のキャビティがそれぞれ形成された後に、接続構成要素と第1のフィルタ回路は、第1の溶接ポートを通じて溶接されることが可能であり、接続構成要素と第2のフィルタ回路は、第2の溶接ポートを通じて溶接されることが可能であり、それによって、組み立ての困難性を低減する。
【0011】
[0011] オプションの実装において、第1のキャビティ又は第2のキャビティに第3の開口が設けられており、第3の開口の形状は接続構成要素の形状に合致しており、その結果、接続構成要素は第3の開口を介して第1のキャビティ及び第2のキャビティに入ることができる。従って、第1のキャビティ及び第2のキャビティがそれぞれ形成された後に、接続構成要素は、第3の開口を通じて取り付けられることが可能であり、それによって、組み立ての困難性を低減する。
【0012】
[0012] オプションの実装において、信号トランシーバー装置は、更に:第3のキャビティであって、第3のキャビティは第1のキャビティと第2のキャビティとの間に位置し、第3のキャビティに第4のインターフェースが配置されている、第3のキャビティ;及び 第3のフィルタ回路であって、第3のフィルタ回路は第3のキャビティに配置され、第3のフィルタ回路は互いに反対側にある第1の端部と第2の端部と含み、第3のフィルタの第1の端部は前記第3のインターフェースに接続され、第3のフィルタ回路の第2の端部は接続構成要素の第4の端部に接続され、第3のフィルタ回路は第3の周波数帯域の信号を送信するように構成されている、第3のフィルタ回路;を含み、接続構成要素の第4の端部は接続構成要素の第1の端部と接続構成要素の第3の端部との間に位置し、接続構成要素は第3の周波数帯域の信号を送信するように更に構成されている。従って、接続構成要素は複数のフィルタ回路に同時に接続されることが可能であり、複数の信号経路が1つの信号経路に合成されてもよいし、或いは、1つの信号経路が複数の信号経路に分割されてもよい。更に、接続構成要素は一体化された構造を利用している。このことは、組立許容誤差を低減し、信号トランシーバー装置の受動相互変調パフォーマンスを改善する。
【0013】
[0013] オプションの実装において、信号トランシーバー装置は、更に:第3のPCBであって、接続構成要素は第3のPCBに配置されており、第3のキャビティに第3の係合スロットが設けられており、第3のPCBは第3の係合スロットに対して取り外し可能に接続されている、第3のPCB;を含み、第3のキャビティに第4の開口が設けられており、第4の開口の形状は第3のPCBの形状に合致している。従って、第3のキャビティが形成された後に、第3のPCBは、第4の開口を通じて取り付けられることが可能であり、それによって、組み立ての困難性を低減する。
【0014】
[0014] オプションの実装において、第3のキャビティに第3の溶接ポートが配置されており、第3の溶接ポートは接続構成要素の第4の端部の上に位置しており、その結果、接続構成要素の第4の端部と第3のフィルタ回路の第2の端部とは第3の溶接ポートを介して溶接されている。従って、第3のキャビティが形成された後に、接続構成要素と第3のフィルタ回路は、第3の溶接ポートを介して溶接されることが可能であり、それによって、組み立ての困難性を低減する。
【0015】
[0015] オプションの実装において、第1のインターフェース、第2のインターフェース、及び第4のインターフェースは信号入力端部に接続されるように構成されており、第3のインターフェースは信号出力端部に接続されるように構成されている;或いは第1のインターフェース、第2のインターフェース、及び第4のインターフェースは信号出力端部に接続されるように構成されており、第3のインターフェースは信号入力端部に接続されるように構成されている。従って、信号トランシーバー装置は、接続構成要素を介して複数の信号経路を1つの信号経路に結合することができ、或いは、1つの信号経路を複数の信号経路に分割することができ、その結果、信号トランシーバー装置はより広く使用されるようになる。
【0016】
[0016] オプションの実装において、第1のフィルタ回路、第2のフィルタ回路、及び第3のフィルタ回路の各々は、主伝送線路と、主伝送線路に接続された複数のオープン回路フィルタ・スタブとを含んでいる。従って、主伝送線路を介して通過帯域信号を伝送することができる。
【0017】
[0017] オプションの実装において、オープン回路フィルタ・スタブの長さは、λ1/8ないしλ1/2 であり、λ1は阻止帯域信号周波数バンドに対応する波長である。従って、オープン回路フィルタ・スタブは、阻止帯域周波数バンドにおいて共振を生成するための共振器として使用されてもよく、阻止帯域信号は、阻止帯域信号がフィルタリングで除去できるように、オープン回路フィルタ・スタブのみにおいて前後に伝送されることが可能である。
【0018】
[0018] オプションの実装において、接続構成要素は、少なくとも1つのインピーダンス変換伝送ライン・セグメントを含んでおり、インピーダンス変換伝送ライン・セグメントの長さはλ2/12より大きく、λ2は入力信号における最大周波数に対応する波長である。従って、インピーダンス変換伝送ライン・セグメントにより、異なる周波数帯域の信号に対してインピーダンス整合を実行することができ、その結果、接続構成要素は異なる周波数帯域の信号を同時に伝送することができる。
【0019】
[0019] 本件出願の第2の態様によれば、給電構造が更に提供され、給電構造は: 位相シフターと、上記の信号トランシーバー装置とを含み、位相シフターは信号トランシーバー装置に電気的に接続されている。従って、上述の信号トランシーバー装置は、給電構造において使用される。これは、組立許容誤差を低減し、システムの受動相互変調パフォーマンスを改善する。
【0020】
[0020] 本件出願の第2の態様によれば、アンテナが更に提供され、アンテナは:少なくとも1つのアンテナ・アレイを含み、アンテナ・アレイは:少なくとも1つの放射素子と、反射パネルと、上記の給電構造とを含み、放射素子は反射パネル上に配置されており、給電構造は放射素子に接続されている。従って、アンテナは、前述の給電構造を使用し、前述の給電構造と同じ効果を有する。 詳細はここで再び説明されない。
【0021】
[0021] オプションの実装において、アンテナはレドームを更に含み、放射素子、反射パネル、及び給電構造はレドームにより囲まれたキャビティ内にある。従って、レドームは、アンテナに対する外部環境の影響を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】[0022]
図1は信号トランシーバー装置の構造の概略図である。
【
図2】[0023]
図2は、
図1における信号トランシーバー装置の分解された構造の概略図である。
【
図3】[0024]
図3は接続部材の構造の概略図である。
【
図4】[0025] 別の信号トランシーバー装置の構造の概略図である。
【
図5】[0026]
図5は、
図4における信号トランシーバー装置の分解された構造の概略図である。
【
図6】[0027]
図6は、本件出願の実施形態による信号トランシーバー装置の構造の概略図である
【
図7】[0028]
図7は、
図6における信号トランシーバー装置の分解された構造の概略図である。
【
図8】[0029]
図8は、本件出願の実施形態による別の信号トランシーバー装置の構造の概略図である。
【
図9】[0030]
図9は、
図8における信号トランシーバー装置の分解された構造の概略図である。
【
図10】[0031]
図10は、
図8における信号トランシーバー装置の平面図である。
【
図11】[0032]
図8における接続構成要素の構造の概略図である。
【
図12】[0033]
図12は、本件出願の実施形態による給電構造の概略構造図である。
【
図13】[0034]
図13は、本件出願の実施形態による給電構造の分解された構造の概略図である。
【
図18】[0039]
図18は、本件出願の実施形態による別の給電構造の分解された構造の概略図である。
【
図21】[0042]
図21は、本件出願の実施形態によるアンテナの構造の概略図である。
【
図22】[0043]
図22は、本件出願の実施形態による基地局アンテナ・フィーダー・システムの構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[0044] 本件出願の目的、技術的解決策、及び利点をより明確にするために、以下、添付図面を参照しながら本件出願を更に詳細に説明する。
【0024】
[0045] 以下で言及される「第1」及び「第2」という用語は、単に説明の目的のために意図されており、相対的な重要性の指示もしくは暗示、又は、示されている技術的特徴の数の暗示的な指示としては理解されないものとする。従って、「第1」又は「第2」によって定められる特徴は、1つ以上の特徴を明示的又は暗示的に含むことが可能である。本件出願の説明において、別意に述べられていない限り、「複数の」は、2つ以上を意味する。
【0025】
[0046] 更に、本件出願において、「上」及び「下」のような向きの用語は、構成要素が添付の図面に概ね配置される向きに対して定められている。これらの方向を示す用語は、相対的な概念であり、相対的な説明及び明確化のために使用されており、また、構成要素が添付図面において配置される向きに応じて適宜変化する可能性があることが理解されるはずである。
【0026】
[0047] 以下、本件出願の実施形態に登場し得る用語を説明する。
【0027】
[0048] 挿入損失(insertion loss)は、負荷電力の損失であって、構成要素又はデバイスの挿入に起因して伝送システム内のある位置で生じるものであり、損失は、構成要素又はデバイスの挿入前の負荷に関して受ける電力の、挿入後に同じ負荷に関して受ける電力に対するデシベル単位の比率として表現される。
【0028】
[0049] 受動相互変調(Passive Intermodulation,PIM):2つ以上の周波数が非線形デバイスにおいて一緒に混合される場合に、スプリアス信号が生成される。
【0029】
[0050] 本件出願の実施形態は、信号トランシーバー装置を提供する。信号トランシーバー装置は、2つ以上のキャビティを含む。
図4に示されるように、信号トランシーバー装置101は、第1のキャビティ102、第2のキャビティ104、及び第3のキャビティ103を含む。
【0030】
[0051] 第1のフィルタ回路105は第1のキャビティ102内に配置され、第2のフィルタ回路107は第2のキャビティ104内に配置され、第3のフィルタ回路106は第3のキャビティ103内に配置されている。
【0031】
[0052] 信号トランシーバー装置101は接続構成要素108を更に含み、ここで、接続構成要素108は、互いに対向する第1の端部及び第2の端部と、接続構成要素108の第1の端部と接続構成要素108の第2の端部との間に位置する第3の端部及び第4の端部とを含む。
【0032】
[0053] 接続構成要素108の第1の端部は第1のキャビティ102に配置され、接続構成要素108の第1の端部は第1のフィルタ回路105の第2の端部に接続される。接続構成要素108の第3の端部は第2のキャビティ104に配置され、接続構成要素108の第3の端部は第2のフィルタ回路107の第2の端部に接続される。接続構成要素108の第4の端部は第3のキャビティ106に配置され、接続構成要素108の第4の端部は第3のフィルタ回路106の第2の端部に接続される。接続構成要素108の第2の端部は、第2のキャビティにおけるインターフェースに接続される。
【0033】
[0054] 本件出願の一部の実施形態では、接続構成要素108、第1のフィルタ回路105、第2のフィルタ回路107、及び第3のフィルタ回路106は一体的に形成され、接続構成要素108、第1のフィルタ回路105、第2のフィルタ回路107、及び第3のフィルタ回路106は全てプリント回路基板(Printed Circuit Board,PCB)に配置される。接続構成要素108は、3つのキャビティを横断して通過している。
【0034】
[0055]
図5に示されるように、信号トランシーバー装置101は、ベース001とカバープレート002とを含む。組み立ての際に、接続構成要素108、第1のフィルタ回路105、第2のフィルタ回路107、及び第3のフィルタ回路106が先ずPCBにおいて組み立てられ、組み立てられたPCBがベース001に取り付けられ、最後にカバープレート002がベース001に溶接される。
【0035】
[0056] しかしながら、前述の組み立て方式は、信号トランシーバー装置101の受動相互変調(Passive Intermodulation,PIM)パフォーマンスに影響を及ぼしやすく、また、組み立てプロセスに対する高度な要件を有し、これは組み立ての困難性を増大させ、メンテナンスを困難にする。
【0036】
[0057] そこで、本件出願の実施形態は、改善された信号トランシーバー装置101を提供する。
【0037】
[0058] 本件出願の一部の実施形態では、
図6及び
図7に示すように、信号トランシーバー装置101は、第1のキャビティ102と第2のキャビティ104を含む。
【0038】
[0059] 第1のフィルタ回路105は第1のキャビティ102内に配置され、第1のインターフェース1021は第1のキャビティ102に配置されている。
【0039】
[0060] 第1のフィルタ回路105は、互いに対向する第1の端部及び第2の端部を含み、第1のフィルタ回路105の第1の端部は第1のインターフェース1021に接続され、第1のフィルタ回路105は第1の周波数帯域の信号を送信する。
【0040】
[0061] 第2のフィルタ回路107は第2のキャビティ104内に配置され、第2のインターフェース1041は第2のキャビティ104に配置され、第3のインターフェース1024は第1のキャビティ102に配置されている。第1のフィルタ回路105と第2フィルタ回路107とはパラレルである。
【0041】
[0062] 前述のパラレルは厳密な数学的意味におけるパラレルではなく、誤差が存在している可能性があることに留意すべきである。誤差が予め設定された閾値未満である場合、第1のフィルタ回路と第2のフィルタ回路はパラレルであると考えられる。
【0042】
[0063] 本件出願の幾つかの他の実施形態では、例えば、第3のインターフェース1024は、第2のキャビティ104に配置されてもよいことに留意すべきである。
【0043】
[0064] 第2のフィルタ回路107は、互いに対向する第1の端部及び第2の端部を含み、第2のフィルタ回路107の第1の端部は第2のインターフェース1041に接続され、第2のフィルタ回路107は第2の周波数帯域の信号を送信するように構成されている。
【0044】
[0065] 信号トランシーバー装置101は接続構成要素108を更に含み、ここで、接続構成要素108は、互いに対向する第1の端部及び第2の端部と、接続構成要素108の第1の端部と接続構成要素108の第2の端部との間に位置する第3の端部とを含む。
【0045】
[0066] 接続構成要素108の第1の端部は第1のキャビティ102に配置され、接続構成要素108の第1の端部は第1のフィルタ回路105の第2の端部に接続される。接続構成要素108の第3の端部は第2のキャビティ104に配置され、接続構成要素108の第3の端部は第2のフィルタ回路107の第2の端部に接続される。接続構成要素108の第2の端部は、第3のインターフェース1024に接続される。
【0046】
[0067] 接続構成要素108は、第1の周波数帯域と第2の周波数帯域の信号を送信するように構成される。
【0047】
[0068] 使用の際に、接続構成要素108は、複数の信号経路を出力用の1つの信号経路に結合することが可能であり、或いは、1つの信号経路を出力用の複数の信号経路に分割することが可能である。
【0048】
[0069] 一部の実施形態では、第1のインターフェース1021と第2のインターフェース1041は、信号入力端部に接続するように構成されており、第3のインターフェース1024は、信号出力端部に接続するように構成されている。
【0049】
[0070] 動作の際に、第1のインターフェース1021は、第1の周波数帯域の信号を受信し、第1の周波数帯域の受信信号を、第1のフィルタ回路105へ転送するように構成されることが可能である。第1のフィルタ回路105は、信号を接続構成要素108へ伝達することが可能である。第2のインターフェース1041は、第2の周波数帯域の信号を受信し、第2の周波数帯域の受信信号を、第2のフィルタ回路107へ転送するように構成されることが可能であり、次いで、第2のフィルタ回路107は信号を接続構成要素108へ転送する。
【0050】
[0071] この実施形態では、接続構成要素108は、第1の周波数帯域の信号と第2の周波数帯域の信号とを1つの信号経路に結合し、信号経路を第3のインターフェース1024へ転送することが可能であり、第3のインターフェース1024は、結合された信号を出力する。
【0051】
[0072] 幾つかの他の実施形態では、第1のインターフェース1021と第2のインターフェース1041は、信号出力端部に接続するように構成され、第3のインターフェース1024は、信号入力端部に接続するように構成される。
【0052】
[0073] 動作の際に、第3のインターフェース1024は、第1の周波数帯域の信号を受信し、第1の周波数帯域の受信信号を、接続構成要素108へ転送するように構成されることが可能である。
【0053】
[0074] この実施形態では、接続構成要素108は、一方の信号経路を2つの信号経路に分割し、一方の信号経路を第1のフィルタ回路105へ転送し、他方の信号経路を第2のフィルタ回路107へ転送することが可能である。第1のフィルタ回路105は信号を第1のインターフェース1021へ伝達し、第2のフィルタ回路107は信号を第2のインターフェース1041へ伝達することが可能であり、分割された信号は、それぞれ第1のインターフェース1021及び第2のインターフェース1041を介して出力されるようになる。
【0054】
[0075] 接続構成要素108は一体化された構造を使用する。接続構成要素108の一部分は第1のキャビティ102に位置し、接続構成要素108の他の部分は第2のキャビティ104に位置し、接続構成要素108は、第1のフィルタ回路105、第2のフィルタ回路107、及び第3のインターフェース1024に別々に接続される。異なるキャビティ内のフィルタ回路と第2のインターフェース1041とが複数の接続構造を介して接続されている従来技術と比較して、組立許容誤差は低減され、信号トランシーバー装置101の受動相互変調パフォーマンスが改善される。
【0055】
[0076] 接続構成要素108並びに第1のフィルタ回路105及び第2のフィルタ回路107を組み立てる方法は、本件出願の実施形態では限定されない。一部の実施形態では、
図3に示すように、信号トランシーバー装置101は、第1のPCB 1050及び第2のPCB 1070を更に含み、ここで、第1のフィルタ回路105は第1のPCB 1050に配置されており、第1の係合スロット1020が第1のキャビティ102に設けられており、第1のPCB 1050は第1の係合スロット1020に取り外し可能に接続される。
【0056】
[0077] 例えば、第1の開口部1022は第1のキャビティ102に設けられる。第1の開口部1022の形状は、第1のPCB 1050の形状に適合しており、その結果、第1のPCB 1050は、第1の開口部1022を通じて第1の係合スロット1020に係合できるようになる。
【0057】
[0078] 第1のPCB 1050が組み立てられる場合に、第1のフィルタ回路105が設けられる第1のPCB 1050は、第1の開口部1022を通じて第1のキャビティ102内に挿入され、第1の係合スロット1020に係合されることが可能である。
【0058】
[0079] 第2のフィルタ回路107は第2のPCB 1070に配置され、第2の係合スロット1040が第2のキャビティ104に設けられており、第2のPCB 1070は第2の係合スロット1040に取り外し可能に接続される。
【0059】
[0080] 例えば、第2の開口部1042は第2のキャビティ104に設けられる。第2の開口部1042の形状は、第2のPCB 1070の形状に適合しており、その結果、第2のPCB 1070は、第2の開口部1042を通じて第2の係合スロット1040に係合できるようになる。
【0060】
[0081] 第2のPCB 1070が組み立てられる場合に、第2のフィルタ回路107が設けられる第2のPCB 1070は、第2の開口部1042を通じて第1のキャビティ102内に挿入され、第2の係合スロット1040と係合されることが可能である。
【0061】
[0082] 更に、第3の開口部1022が第1のキャビティ102に設けられ、第3の開口部1022の形状は接続構成要素108の形状に適合しており、その結果、接続構成要素108は第3の開口部1022を通じて第1のキャビティ102と第2のキャビティ104に入ることができる。
【0062】
[0083] 本件出願の幾つかの他の実施形態では、第3の開口部1022は代替的に第2のキャビティ104に設けられてもよい。
【0063】
[0084] 一部の実施形態では、例えば、接続構成要素108に適合する第3の係合スロット(図示せず)が、第1のキャビティ102及び第2のキャビティ104内に更に設けられる。
【0064】
[0085] 接続構成要素108が組み立てられる場合に、接続構成要素108は、第3の開口部1022を通じて第1のキャビティ102及び第2のキャビティ104内に挿入され、第3の係合スロットに係合されることが可能である。
【0065】
[0086] 幾つかの他の実施形態では、例えば、取付ベース(図示せず)が第1のキャビティ102及び第2のキャビティ104内に更に配置され、取付ベースは、接続構成要素108を取り付けるように構成されている。
【0066】
[0087] 接続構成要素108が組み立てられる場合に、接続構成要素108は、第3の開口部1022を通じて、第1のキャビティ102及び第2のキャビティ104内に挿入されることが可能であり、取付ベースに固定されるように接続される。
【0067】
[0088] 接続構成要素108を第1のフィルタ回路105及び第2のフィルタ回路107に接続する方法は、本件出願の実施形態では限定されない。本件出願の一部の実施形態では、接続構成要素108と第1のフィルタ回路105とは溶接によって接続され、接続構成要素108と第2のフィルタ回路107とは溶接によって接続される
[0089] 例えば、第1の溶接ポート1023は第1のキャビティ102上に配置され、第1の溶接ポート1023は接続構成要素108の第1の端部の上に位置し、その結果、接続構成要素108の第1の端部と第1のフィルタ回路105の第2の端部とが第1の溶接ポート1023を介して溶接されるようにする。
【0068】
[0090] 接続構成要素108と第1のフィルタ回路105が溶接される場合に、接続構成要素108の第1の端部と第1のフィルタ回路105の第2の端部とは、第1の溶接ポート1023を通じて、溶融状態まで加熱されることが可能であり、接続構成要素108の第1の端部と第1のフィルタ回路105の第2の端部とが、冷却された後に全体として接続されるようにする。
【0069】
[0091] 第2の溶接ポート1043は第2のキャビティ104上に配置され、第2の溶接ポート1043は接続構成要素108の第3の端部の上に位置し、その結果、接続構成要素108の第3の端部と第2のフィルタ回路107の第2の端部とが第2の溶接ポート1043を介して溶接されるようにする。
【0070】
[0092] 接続構成要素108と第2のフィルタ回路107が溶接される場合に、接続構成要素108の第3の端部と第2のフィルタ回路107の第2の端部とは、第2の溶接ポート1043を通じて、溶融状態まで加熱されることが可能であり、接続構成要素108の第3の端部と第2のフィルタ回路107の第2の端部とが、冷却された後に全体として接続されるようにする。
【0071】
[0093] 本件出願の幾つかの他の実施形態では、信号トランシーバー装置101は3つのキャビティを含む。
図8及び
図9に示されるように、信号トランシーバー装置101は、第1のキャビティ102、第2のキャビティ104、及び第3のキャビティ103を含む。第1のキャビティ102の構造及び第2のキャビティ104の構造、並びに、第1のフィルタ回路105、第2のフィルタ回路107、及び接続構成要素108の間の接続方式については、前述の実施形態を参照されたい。 詳細はここで再び説明されない。
【0072】
[0094] 第3のキャビティ103は、第1のキャビティ102と第2のキャビティ104との間に位置し、第4のインターフェース1031が第3のキャビティ103に配置されている。
【0073】
[0095] 第3のフィルタ回路106が第3のキャビティ103に配置されており、ここで、第3のフィルタ回路106は互いに反対側にある第1の端部及び第2の端部を含み、第3のフィルタ回路106の第1の端部は第3のインターフェース1024に接続され、第3のフィルタ回路106の第2の端部は接続構成要素108の第4の端部に接続される。第3のフィルタ回路106は、第3の周波数帯域の信号を送信するように構成されている。
【0074】
[0096] 接続構成要素108の第4の端部は、接続構成要素108の第1の端部と接続構成要素108の第3の端部との間に位置し、接続構成要素108は第3の周波数帯域の信号を送信するように更に構成されている。
【0075】
[0097] 信号トランシーバー装置101は第3のPCB 1060を更に含み、ここで、第3のフィルタ回路106は第3のPCB 1060に配置され、第3の係合スロット1030が第3のキャビティ103に設けられ、第3のPCB 1060は第3の係合スロット1030に取り外し可能に接続される。
【0076】
[0098] 例えば、第3の開口部1022は第3のキャビティ103に設けられ、第3の開口部1022の形状は第3のPCB 1060の形状と一致している。
【0077】
[0099] 第3のPCB 1060が組み立てられる場合に、第3のフィルタ回路106が設けられている第3のPCB 1060は、第3の開口部1022を通じて第3のキャビティ103内に挿入され、第3の係合スロット1030に係合されることが可能である。
【0078】
[0100] 更に、第3の溶接ポート1033が第3のキャビティ103に配置され、第3の溶接ポート1033は接続構成要素108の第4の端部の上に位置し、その結果、接続構成要素108の第4の端部と第3のフィルタ回路106の第2の端部とは第3の溶接ポート1033を通じて溶接されるようになる。
【0079】
[0101] 接続構成要素108と第3のフィルタ回路106とが溶接される場合に、接続構成要素108の第4の端部と第3のフィルタ回路106の第2の端部とは、第3の溶接ポート1033を通じて、溶融状態まで加熱されることが可能であり、その結果、接続構成要素108の第4の端部と第3のフィルタ回路106の第2の端部とは冷却された後に全体として接続されるようになる。
【0080】
[0102] 本件出願の一部の実施形態では、第1のインターフェース1021、第2のインターフェース1041、及び第4のインターフェース1031は、信号入力端部に接続するように構成され、第3のインターフェース1024は、信号出力端部に接続するように構成される。
【0081】
[0103] 動作の際に、第1のインターフェース1021は、第1の周波数帯域の信号を受信し、第1の周波数帯域の受信信号を、第1のフィルタ回路105へ転送するように構成されることが可能である。第1のフィルタ回路105は、信号を接続構成要素108へ伝達することが可能である。第2のインターフェース1041は、第2の周波数帯域の信号を受信し、第2の周波数帯域の受信信号を、第2のフィルタ回路107へ転送するように構成されることが可能である。第4のインターフェース1031は、第3の周波数帯域の信号を受信し、第3の周波数帯域の受信信号を、第2のフィルタ回路107へ転送するように構成されることが可能であり、次いで、第2のフィルタ回路107は信号を接続構成要素108へ転送する。
【0082】
[0104] この実施形態では、接続構成要素108は、第1の周波数帯域の信号、第2の周波数帯域の信号、及び第3の周波数帯域の信号を1つの信号経路に結合し、信号経路を第3のインターフェース1024へ転送することが可能であり、第3のインターフェース1024は結合された信号を出力する。
【0083】
[0105] 本件出願の幾つかの他の実施形態では、第1のインターフェース1021、第2のインターフェース1041、及び第4のインターフェース1031は、信号出力端部に接続するように構成され、第3のインターフェース1024は、信号入力端部に接続するように構成される。
【0084】
[0106] 動作の際に、第3のインターフェース1024は、第1の周波数帯域の信号を受信し、第1の周波数帯域の受信信号を接続構成要素108へ転送するように構成されることが可能である。接続構成要素108は、1つの信号経路を3つの信号経路に分割し、1つの信号経路を第1のフィルタ回路105へ転送し、1つの信号経路を第2のフィルタ回路107へ転送し、第3の信号経路を第3のフィルタ回路106へ転送することができる。第1のフィルタ回路105は、第1のインターフェース1021に信号を伝達し、第2のフィルタ回路107は、第2のインターフェース1041に信号を伝達し、第3のフィルタ回路106は、第4のインターフェース1031に信号を伝達し、その結果、分割された信号は、それぞれ第1のインターフェース1021及び第2のインターフェース1041を介して出力される。
【0085】
[0107] 信号トランシーバー装置101が2分周及び3分周を含んでいるケースが、説明のために使用される。本件出願の別の実施形態では、信号トランシーバー装置101は、N分周(frequency-divide-by-N)を含むことが可能であり、ここで、Nは1より大きな正の整数である。N分周の信号トランシーバー装置101については、2分周構造及び3分周構造を参照されたい。詳細はここで再び説明されない。
【0086】
[0108] 第1のフィルタ回路105、第2のフィルタ回路107、及び第3のフィルタ回路106の特定の構造は、本件出願の実施形態において限定されない。
図10に示されるように、例えば、第1のフィルタ回路105、第2のフィルタ回路107、及び第3のフィルタ回路106はそれぞれ複数のオープン回路フィルタ・スタブを含む。
【0087】
[0109] 第1のフィルタ回路105は、第1の主伝送線路1055と、第1のフィルタ・スタブ1051と、第2のフィルタ・スタブ1052と、第3のフィルタ・スタブ1053と、第4のフィルタ・スタブ1054とを含む。
【0088】
[0110] 第1の主伝送線路1055の一方端は第1のインターフェース1021に接続され、第1の主伝送線路1055の他方端は接続構成要素108に接続されている。例えば、第1の主伝送線路1055は第1の周波数帯域の信号を伝送するように構成されている。
【0089】
[0111] 第1のフィルタ・スタブ1051の一方端、第2のフィルタ・スタブ1052の一方端、第3のフィルタ・スタブ1053の一方端、及び第4のフィルタ・スタブ1054の一方端は、第1の主伝送線路1055に接続され、第1のフィルタ・スタブ1051の他方端、第2のフィルタ・スタブ1052の他方端、第3のフィルタ・スタブ1053の他方端、及び第4のフィルタ・スタブ1054の他方端は、オープン回路状態にある。第1のフィルタ・スタブ1051、第2のフィルタ・スタブ1052、第3のフィルタ・スタブ1053、及び第4のフィルタ・スタブ1054は、阻止帯域信号を伝送するように構成されていてもよい。フィルタ・スタブはオープン回路構造を使用するので、阻止帯域信号は、第1のフィルタ・スタブ1051、第2のフィルタ・スタブ1052、第3のフィルタ・スタブ1053、及び第4のフィルタ・スタブ1054においてのみ往復して伝送されることが可能であり、その結果、主伝送線路における阻止帯域信号をフィルタリングで除去することができるようになる。
【0090】
[0112] 第1のフィルタ・スタブ1051、第2のフィルタ・スタブ1052、第3のフィルタ・スタブ1053、及び第4のフィルタ・スタブ1054の長さは、例えば、λ1/8ないしλ1/2であり、ここで、λ1は第1の周波数帯域における阻止帯域信号周波数バンドに対応する波長であり、その結果、第1のフィルタ・スタブ1051、第2のフィルタ・スタブ1052、第3のフィルタ・スタブ1053、及び第4のフィルタ・スタブ1054は、阻止帯域信号周波数バンド第1のフィルタ・スタブ、第2のフィルタ・スタブ、第3のフィルタ・スタブ、及び第4のフィルタ・スタブは、共振器として使用されて、阻止帯域周波数バンドにおける共振を生成することができ、阻止帯域信号は、オープン回路フィルタ・スタブにおいてのみ往復して伝送されることが可能であり、阻止帯域信号をフィルタリングで除去することができる。
【0091】
[0113] 第1のフィルタ・スタブ1051、第2のフィルタ・スタブ1052、第3のフィルタ・スタブ1053、及び第4のフィルタ・スタブ1054は、阻止帯域信号をフィルタリングで除去するように構成される。この実施形態では、阻止帯域信号は、第1の周波数帯域の信号以外の別の信号、例えば、第2の周波数帯域の信号及び第3の周波数帯域の信号を指すことに留意すべきである。
【0092】
[0114] 第2のフィルタ回路107は、第2の主伝送線路1074と、第5のフィルタ・スタブ1071と、第6のフィルタ・スタブ1072と、第7のフィルタ・スタブ1073とを含む。
【0093】
[0115] 第2の主伝送線路1074の一方端は第2のインターフェース1041に接続され、第2の主伝送線路1074の他方端は接続構成要素108に接続される。例えば、第2の主伝送線路1074は、第2の周波数帯域の通過帯域信号を伝送するように構成される。
【0094】
[0116] 第5のフィルタ・スタブ1071の一方端、第6のフィルタ・スタブ1072の一方端、及び第7のフィルタ・スタブ1073の一方端は、第2の主伝送線路1074に接続され、第5のフィルタ・スタブ1071の他方端、第6のフィルタ・スタブ1072の他方端、及び第7のフィルタ・スタブ1073の他方端は、オープン回路状態にある。第5のフィルタ・スタブ1071、第6のフィルタ・スタブ1072、及び第7のフィルタ・スタブ1073は、阻止帯域信号を伝送するように構成されることが可能である。第5のフィルタ・スタブ1071、第6のフィルタ・スタブ1072、及び第7のフィルタ・スタブ1073はオープン回路構造を使用するので、阻止帯域信号はフィルタ・スタブにおいてのみ往復して伝送されることが可能であり、その結果、主伝送線路における阻止帯域信号はフィルタリングで除去されることが可能である。
【0095】
[0117] 第5のフィルタ・スタブ1071、第6のフィルタ・スタブ1072、及び第7のフィルタ・スタブ1073の長さは、例えば、λ2/8ないしλ2/2であり、ここで、λ2は第2の周波数帯域における阻止帯域信号周波数バンドに対応する波長であり、その結果、第5のフィルタ・スタブ1071、第6のフィルタ・スタブ1072、及び第7のフィルタ・スタブ1073は、共振器として使用されて、阻止帯域周波数バンドにおける共振を生成することができ、阻止帯域信号は、オープン回路フィルタ・スタブにおいてのみ往復して伝送されることが可能であり、阻止帯域信号をフィルタリングで除去されることができる。
【0096】
[0118] 第3のフィルタ回路106は、第3の主伝送線路1064と、第8のフィルタ・スタブ1061と、第9のフィルタ・スタブ1062と、第10のフィルタ・スタブ1063とを含む。
【0097】
[0119] 第3の主伝送線路1064の一方端は第4のインターフェース1031に接続され、第3の主伝送線路1064の他方端は接続構成要素108に接続される。例えば、第3の主伝送線路1064は、第3の周波数帯域の通過帯域信号を伝送するように構成されている。
【0098】
[0120] 第8のフィルタ・スタブ1061の一方端、第9のフィルタ・スタブ1062の一方端、及び第10のフィルタ・スタブ1063の一方端は、第3の主伝送線路1064に接続され、第8のフィルタ・スタブ1061の他方端、第9のフィルタ・スタブ1062の他方端、及び第10のフィルタ・スタブ1063の他方端は、オープン回路状態にある。第8のフィルタ・スタブ1061、第9のフィルタ・スタブ1062、及び第10のフィルタ・スタブ1063は、阻止帯域信号を伝送するように構成されることが可能である。フィルタ・スタブはオープン回路構造を使用するので、阻止帯域信号は、第8のフィルタ・スタブ1061、第9のフィルタ・スタブ1062、及び第10のフィルタ・スタブ1063においてのみ往復して伝送されることが可能であり、その結果、第3の主伝送線路1064における阻止帯域信号をフィルタリングで除去することができるようになる。
【0099】
[0121] 第8のフィルタ・スタブ1061、第9のフィルタ・スタブ1062、及び第10のフィルタ・スタブ1063の長さは、例えば、λ3/8ないしλ3/2であり、ここで、λ3は第3の周波数帯域における阻止帯域信号周波数バンドに対応する波長であり、その結果、第8のフィルタ・スタブ1061、第9のフィルタ・スタブ1062、及び第10のフィルタ・スタブ1063は、共振器として使用されて、阻止帯域周波数バンドにおいて共振を生成することができ、阻止帯域信号は、オープン回路フィルタ・スタブにおいてのみ往復して伝送されることが可能であり、阻止帯域信号をフィルタリングで除去することができる。この実施形態では、阻止帯域信号は、第3の周波数帯域の信号以外の別の信号、例えば、第1の周波数帯域の信号及び第2の周波数帯域の信号を指すことに留意すべきである。
【0100】
[0122] 第1の主伝送線路1055、第2の主伝送線路1074、第3の主伝送線路1064、第1のフィルタ・スタブ1051、第2のフィルタ・スタブ1052、第3のフィルタ・スタブ1053、第4のフィルタ・スタブ1054、第5のフィルタ・スタブ1071、第6のフィルタ・スタブ1072、第7のフィルタ・スタブ1073、第8のフィルタ・スタブ1061、第9のフィルタ・スタブ1062、及び第10のフィルタ・スタブ1063は、折れ曲がり構造を使用していてもよい。これは、フィルタ回路のスペース・サイズを小さくし、デバイスの小型化を促進することができる。
【0101】
[0123]
図11に示されるように、接続コンポーネント108は、少なくとも1つのインピーダンス変換された伝送線路セグメントを含む。インピーダンス変換された伝送線路セグメントの長さはLであり、ここで、Lはλ
0/12より大きく、λ
0は入力信号中の最大周波数に対応する波長である。
【0102】
[0124]
図12は、本件出願による給電構造の概略構造図である。
図12に示すように、給電構造は、位相シフター200と前述の信号トランシーバー装置101とを含み、ここで、位相シフター200は信号トランシーバー装置101に電気的に接続されている。
【0103】
[0125] 実施例1:
[0126]
図13,
図14,
図15,
図16,及び
図17に示すように、給電構造は、Z方向に積み重ねられたトランシーバー・モジュール100及び位相シフター200を含む。
【0104】
[0127]
図16及び
図17に示されるように、信号トランシーバー・モジュール100は、Y方向に配置された第1のキャビティ1011、第2のキャビティ1012、及び第3のキャビティ1013を含み、ここで、5つの信号トランシーバー装置:
図9及び
図10に示されている第1の信号トランシーバー装置01、第2の信号トランシーバー装置02、第3の信号トランシーバー装置03、第4の信号トランシーバー装置04、及び第5の信号トランシーバー装置05は、第1のキャビティ1011、第2のキャビティ1012、及び第3のキャビティ1013内でX方向に並んで配置されている。
【0105】
[0128] 各々の信号トランシーバー装置の設置方式については、
図8及び
図9における関連する説明を参照されたい。 詳細はここで再び説明されない。
【0106】
[0129]
図15に示されるように、位相シフター200は、第4のキャビティ2001と、第5のキャビティ2002と、第6のキャビティ2003とを含み、ここで、各キャビティには位相シフト構造が設けられている。第4のキャビティ2001は第1のキャビティ1011に対向し、第5のキャビティ2002は第2のキャビティ1012に対向し、第6のキャビティ2003は第3のキャビティ1013に対向している。位相シフターは、信号の位相を調整するように構成されている。
【0107】
[0130] 給電構造は、入力ポートPin、第1の出力ポートPout 1、第2の出力ポートPout 2、第3の出力ポートPout 3、及び第4の出力ポートPout 4を更に含む。
【0108】
[0131] 給電構造は、導電性挿入シート205を更に含み、ここで、5つの信号トランシーバー装置の各々は、導電性挿入シート205を介して位相シフト構造に電気的に接続される。
【0109】
[0132] 第5の信号トランシーバー装置05の接続構造は、入力ポートに接続され、第5の信号トランシーバー装置05は、3つのフィルタ回路を含み、第5の信号トランシーバー装置05は、受信信号を3つの経路に分割するように構成されている。
【0110】
[0133] 第5の信号トランシーバー装置05の各フィルタ回路は、導電性挿入シートを介して位相シフターの入力ポートに接続される。
【0111】
[0134] 位相シフター4つの出力ポートは、導電性挿入シートを介して、第1の信号トランシーバー装置01、第2の信号トランシーバー装置02、第3の信号トランシーバー装置03、及び第4の信号トランシーバー装置04のフィルタ回路にそれぞれ接続される。
【0112】
[0135] 使用プロセスにおいて、入力ポートPinは、周波数帯域1、周波数帯域2、及び周波数帯域3の入力信号を受信し、信号は、第3の信号トランシーバー装置03を通過した後に3つの経路に分割され、3つの信号経路は、第3の信号トランシーバー装置03のフィルタ回路の入力ポートにそれぞれ送信され、次いで、3つの信号経路は、導電性挿入シート205を介して各々の位相シフト構造の入力ポートに入力され、対応する電力分割及び位相シフトが、各位相シフト構造を使用することによって実行される。更に、信号の3つの経路は、位相シフター200の4つの出力ポートを通して出力され、挿入シートPCBを通じて第1の信号トランシーバー装置01、第2の信号トランシーバー装置02、第3の信号トランシーバー装置03、及び第4の信号トランシーバー装置04のフィルタ回路の入力端部に入力され、最終的に、3つの信号経路は、第1の信号トランシーバー装置101、第2の信号トランシーバー装置101、第3の信号トランシーバー装置101、及び第4の信号トランシーバー装置101の出力ポート(第1の出力ポートPout 1、第2の出力ポートPout 2、第3の出力ポートPout 3、及び第4の出力ポートPout 4)において出力される。
【0113】
[0136] 更に、給電構造は、第1のプル・ロッド2011、第2のプル・ロッド2012、第3のプル・ロッド2013、第1のスライディング媒体202、第2のスライディング構造203、及び第3のスライディング媒体204を更に含む。
【0114】
[0137] 第1のプル・ロッド2011は第1のスライディング媒体202に接続される。第1のプル・ロッド2011が押し出されたり引き出されたりすると、第1のスライディング媒体202は第1のキャビティ1011に対して滑動する。
【0115】
[0138] 第2のプル・ロッド2012は第2のスライディング媒体203に接続される。第2のプル・ロッド2012が押し出されたり引き出されたりすると、第2のスライディング媒体203は第2のキャビティ1012に対して滑動する。
【0116】
[0139] 第3のプル・ロッド2013は第3のスライディング媒体204に接続される。第3のプル・ロッド2013が押し出されたり引き出されたりすると、第3のスライディング媒体204は第3のキャビティ1013に対して滑動する。
【0117】
[0140] 例えば、4つの出力ポート(第1の出力ポートPout 1、第2の出力ポートPout 2、第3の出力ポートPout 3、及び第4の出力ポートPout 4)の各々は、アレイ・アンテナの放射素子に接続される。第1のプル・ロッド2011、第2のプル・ロッド2012、及び第3のプル・ロッド2013がそれぞれ第1のスライディング媒体202、第2のスライディング構造203、及び第3のスライディング媒体204をある距離だけ移動するように駆動した後、Pinによって入力された周波数帯域1、周波数帯域2、及び周波数帯域3の信号は、3つの位相シフター200によって調整され、周波数帯域1、周波数帯域2、及び周波数帯域3における放射素子に対して、必要とされる信号電流強度及び位相をそれぞれ供給する。従って、周波数帯域1、周波数帯域2、及び周波数帯域3のそれぞれにおけるアレイ・アンテナの放射パターンの方向は変化させられる。
【0118】
[0141] 実施例2:
[0142] 本件出願の実施形態は給電構造を更に提供する。
図18,
図19,及び
図20に示すように、給電構造は、Z方向に積層された信号トランシーバー・モジュール100及び位相シフター200を含む。信号トランシーバー・モジュール100は、Y方向に配置された2つのキャビティを含み、ここで、
図6及び
図7に示される5つの信号トランシーバー装置101が、X方向における2つのキャビティ内に並んで配置されている。
【0119】
[0143] 位相シフターも2つのキャビティを含む。信号トランシーバー装置100及び位相シフター200の具体的な構造及び動作プロセスについては、実施例1を参照されたい。 詳細はここで再び説明されない。
【0120】
[0144] 本件出願の実施形態はアンテナ01を更に提供する。
図21に示されるように、アンテナ01は、少なくとも1つのアンテナ・アレイ004を含み、ここで、アンテナ・アレイ004は、少なくとも1つの放射素子0041と、反射パネル0042と、上述の給電構造010とを含む。
【0121】
[0145] 放射素子0041は、アンテナ・アレイの基本構造を形成するユニットであり、電波を効果的に放射又は受信することができる。各々の放射素子0041の周波数は同一であってもよいし、或いは相違していてもよく、放射素子0041は反射パネル0042の上方に配置されている。
【0122】
[0146] 反射パネル0042(ボトム・パネル、アンテナ・パネル、又は金属反射パネルとも呼ばれる)は、アンテナ信号の受信感度を向上させ、アンテナ信号の反射を受信点に集中させることができる。これは、アンテナの受信/送信能力を大幅に向上させるだけでなく、受信信号に対して後方(反対方向)からの他の電波の干渉をブロック及び遮蔽する。
【0123】
[0147] 給電構造010は放射素子0041に接続され、アンテナ・アレイ004は、それぞれの給電構造010を通じて無線周波数信号を受信又は送信することができる。
【0124】
[0148] 給電構造010は、特定の振幅及び特定の位相に基づいて、信号を放射素子0041に給電したり、或いは、特定の振幅及び特定の位相に基づいて、受信した無線信号を基地局の信号処理ユニットへ送ったりしてもよい。給電構造010は、通常、制御されたインピーダンス伝送線路によって形成される。給電構造010は、一般に、位相シフター200を含み、場合によっては、コンバイナ及びフィルタのような構成要素を更に含むことが可能である。
【0125】
[0149] 給電構造010は、伝送部分を通じて異なる放射ビーム方向を実現したり、或いは、送信ネットワーク(又は較正ネットワーク)003に接続されたりして、システムによって必要とされるキャリブレーション信号を取得してもよい。
【0126】
[0150] アンテナ01は、レドーム006を更に含み、ここで、放射素子0041、反射パネル0042、及び給電構造010は、レドーム006によって囲まれたキャビティ内に配置される。
【0127】
[0151] レドーム006は、アンテナ01を外部環境から保護することができ、電気的特性の観点からは、良好な電磁波透過特性を有し、また、機械的性能の観点からは、外部の過酷な環境に耐えることが可能な構造部分である。
【0128】
[0152] 本件出願の実施形態は、基地局アンテナ・フィーダー・システムを更に提供する。
図22に示されるように、基地局アンテナ・フィーダー・システムは、上述したアンテナ01を含む。基地局アンテナ・フィーダー・システムは、フィーダー05と、ポール02と、アンテナ調整支持体03とを更に含み、ここで、フィーダー05は、例えばアンテナ・コネクタ005を介してアンテナ01に接続され、コネクタ・シーリング部材04は、アンテナ・コネクタ005の外側に配置される。コネクタ・シーリング部材04は、絶縁シーリング・テープ又はPVC絶縁テープのうちの1つを使用することができる。
【0129】
[0153] 前述の説明は、本件出願の単なる特定の実装であるに過ぎず、本件出願の保護範囲を限定するようには意図されていない。本件出願において開示される技術的範囲内の如何なる変形や置換も、本件出願の保護範囲内に含まれるものとする。従って、本件出願の保護範囲は、クレームの保護範囲に従うものとする。