IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ サングロー (シャンハイ) カンパニー リミテッドの特許一覧

<>
  • 特許-インバータ 図1
  • 特許-インバータ 図2
  • 特許-インバータ 図3
  • 特許-インバータ 図4
  • 特許-インバータ 図5
  • 特許-インバータ 図6
  • 特許-インバータ 図7
  • 特許-インバータ 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-07
(45)【発行日】2025-01-16
(54)【発明の名称】インバータ
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20250108BHJP
【FI】
H02M7/48 Z
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2023539980
(86)(22)【出願日】2022-01-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-12
(86)【国際出願番号】 CN2022070909
(87)【国際公開番号】W WO2022152063
(87)【国際公開日】2022-07-21
【審査請求日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】202120125108.9
(32)【優先日】2021-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520320033
【氏名又は名称】サングロー (シャンハイ) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ユー ハイヤン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ル
(72)【発明者】
【氏名】ジー ジュンタオ
【審査官】安池 一貴
(56)【参考文献】
【文献】特許第3685391(JP,B2)
【文献】特開2004-248362(JP,A)
【文献】特開平06-169578(JP,A)
【文献】特開平08-331865(JP,A)
【文献】中国実用新案第210337612(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インバータであって、変換モジュール(1)、伝送モジュール(2)、インダクタモジュール(3)及び通信モジュール(4)を含み、前記伝送モジュール(2)及び前記インダクタモジュール(3)と前記変換モジュール(1)との電気接続はそれぞれのプラグの間の差し込みによりそれぞれ実現され、前記通信モジュール(4)前記伝送モジュール(2)、前記変換モジュール(1)又は前記インダクタモジュール(3)との電気接続はそれぞれのプラグの間の差し込みにより実現されることを特徴とするインバータ。
【請求項2】
前記変換モジュール(1)は変換回路基板(11)、その上に設けられる第1プラグセット及び第1プラグ(12)を含み、前記伝送モジュール(2)は伝送回路基板(21)、その上に設けられる第2プラグセット及び第2プラグ(22)を含み、前記インダクタモジュール(3)は、接続されているインダクタ本体(31)と第3プラグ(32)とを含み、前記通信モジュール(4)は、接続されている通信ボード(41)と第4プラグ(42)とを含み、
前記第1プラグセットと前記第2プラグセットとは差し込まれ、前記第1プラグ(12)と前記第3プラグ(32)とは差し込まれ、前記第2プラグ(22)と前記第4プラグ(42)とは差し込まれることを特徴とする請求項1に記載のインバータ。
【請求項3】
前記第1プラグセットは、前記変換回路基板(11)に設けられる第5プラグ(13)及び第6プラグ(14)を含み、第2プラグセットは前記伝送回路基板(21)に設けられる第7プラグ(23)及び第8プラグ(24)を含み、
前記第5プラグ(13)と前記第7プラグ(23)とは差し込まれることで、前記変換モジュール(1)と前記伝送モジュール(2)との回路導通を実現し、
前記第6プラグ(14)と前記第8プラグ(24)とは差し込まれることで、前記変換モジュール(1)と前記伝送モジュール(2)との通信接続を実現することを特徴とする請求項2に記載のインバータ。
【請求項4】
前記第7プラグ(23)は挿通部(231)、及び前記挿通部(231)の外周に設けられる位置制限部(232)を含み、前記挿通部(231)は前記伝送回路基板(21)に差し込まれ、前記位置制限部(232)は前記伝送回路基板(21)に当接され、前記挿通部(231)には、貫通する差込孔(2311)が開けられ、前記第5プラグ(13)は前記差込孔(2311)に差し込まれることを特徴とする請求項3に記載のインバータ。
【請求項5】
前記差込孔(2311)の内壁には複数の突起構造(23111)が設けられ、前記第5プラグ(13)は前記突起構造(23111)に当接されることを特徴とする請求項4に記載のインバータ。
【請求項6】
前記第5プラグ(13)の外周には複数の突起構造が設けられ、前記突起構造は前記差込孔(2311)に当接されることを特徴とする請求項4に記載のインバータ。
【請求項7】
前記挿通部(231)の、前記伝送回路基板(21)に差し込まれる一端の直径は差込方向に沿って漸減していることを特徴とする請求項4に記載のインバータ。
【請求項8】
前記第5プラグ(13)は差込端子(131)及び当接部(132)を含み、前記当接部(132)は前記差込端子(131)の外周に設けられ、前記差込端子(131)は前記差込孔(2311)に差し込まれるとともに、前記変換回路基板(11)に差し込まれ、前記当接部(132)は前記変換回路基板(11)に当接されることを特徴とする請求項4に記載のインバータ。
【請求項9】
前記差込端子(131)の、前記変換回路基板(11)に差し込まれる一端の直径は差込方向に沿って漸減している請求項8に記載のインバータ、ことを特徴とする。
【請求項10】
前記第6プラグ(14)は接続されている支持部(141)と電源ボード(142)とを含み、前記支持部(141)の、前記電源ボード(142)から離れる一端は前記変換回路基板(11)に設けられ、前記第8プラグ(24)には、貫通するジャック(241)が開けられ、前記電源ボード(142)は前記ジャック(241)に差し込まれることを特徴とする請求項4に記載のインバータ。
【請求項11】
前記インバータは、
一端が前記変換モジュール(1)に接続され、他端が前記伝送モジュール(2)に接続されるスペーサコラム(5)をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のインバータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年01月18日にて中国特許庁に提出され、出願番号が202120125108.9であり、発明の名称が「インバータ」である中国特許出願の優先権を主張して、その全ての内容は本出願に援用される。
【0002】
本発明は、太陽光発電の技術分野に関して、特にインバータに関する。
【背景技術】
【0003】
従来の電気機器、特に、インバータにおいて、変換モジュール、伝送モジュール、インダクタモジュール及び通信モジュールの間の電気接続は何れもリード線によって接続され、リード線はインバータの内部で行き交うため、リード線と各モジュールとの間には電磁放射が生じやすくて、各モジュール上の素子のフィルタリング効果を低減するだけでなく、リード線による伝送の安定性にも影響する。また、各モジュールの間はリード線によって電気接続を実現し、リード線の接続が乱雑であり、整理しにくいため、リード線による接続を修理しにくい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、各モジュールの間の電気接続をより便利にして、電気接続の動作効率及び修理効率を向上する上に、各モジュールの間が電磁干渉を受けることを回避し、インバータの動作の安定性を保証するインバータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
当該目的を達成するために、本発明は以下の技術案を採用し、
インバータであって、変換モジュール、伝送モジュール、インダクタモジュール及び通信モジュールを含み、前記伝送モジュール及び前記インダクタモジュールは差し込みにより、前記変換モジュールとの電気接続をそれぞれ実現し、前記通信モジュールは差し込みにより、前記伝送モジュール、前記変換モジュール又は前記インダクタモジュールとの電気接続を実現する。
【0006】
好適な解決策として、前記変換モジュールは変換回路基板、その上に設けられる第1プラグセット及び第1プラグを含み、前記伝送モジュールは伝送回路基板、その上に設けられる第2プラグセット及び第2プラグを含み、前記インダクタモジュールは、接続されているインダクタ本体と第3プラグとを含み、前記通信モジュールは、接続されている通信ボードと第4プラグとを含み、
前記第1プラグセットと前記第2プラグセットとは差し込まれ、前記第1プラグと前記第3プラグとは差し込まれ、前記第2プラグと前記第4プラグとは差し込まれる。
【0007】
好適な解決策として、前記第1プラグセットは、前記変換回路基板に設けられる第5プラグ及び第6プラグを含み、第2プラグセットは前記伝送回路基板に設けられる第7プラグ及び第8プラグを含み、
前記第5プラグと前記第7プラグとは差し込まれることで、前記変換モジュールと前記伝送モジュールとの回路導通を実現し、
前記第6プラグと前記第8プラグとは差し込まれることで、前記変換モジュールと前記伝送モジュールとの通信接続を実現する。
【0008】
好適な解決策として、前記第7プラグは挿通部、及び前記挿通部の外周に設けられる位置制限部を含み、前記挿通部は前記伝送回路基板に差し込まれ、前記位置制限部は前記伝送回路基板に当接され、前記挿通部には、貫通する差込孔が開けられ、前記第5プラグは前記差込孔に差し込まれる。
【0009】
好適な解決策として、前記差込孔の内壁には複数の突起構造が設けられ、前記第5プラグは前記突起構造に当接される。
【0010】
好適な解決策として、前記第5プラグの外周には複数の突起構造が設けられ、前記突起構造は前記差込孔に当接される。
【0011】
好適な解決策として、前記挿通部の、前記伝送回路基板に差し込まれる一端の直径は差込方向に沿って漸減している。
【0012】
好適な解決策として、前記第5プラグは差込端子及び当接部を含み、前記当接部は前記差込端子の外周に設けられ、前記差込端子は前記差込孔に差し込まれるとともに、前記変換回路基板に差し込まれ、前記当接部は前記変換回路基板に当接される。
【0013】
好適な解決策として、前記差込端子の、前記変換回路基板に差し込まれる一端の直径は差込方向に沿って漸減している。
【0014】
好適な解決策として、前記第6プラグは接続されている支持部と電源ボードとを含み、前記支持部の、前記電源ボードから離れた一端は前記変換回路基板に設けられ、前記第8プラグには、貫通するジャックが開けられ、前記電源ボードは前記ジャックに差し込まれる。
【0015】
好適な解決策として、前記インバータは、
一端が前記変換モジュールに接続され、他端が前記伝送モジュールに接続されるスペーサコラムをさらに含む。
【発明の効果】
【0016】
本発明の有益な効果は以下の通り、
本発明はインバータを提供し、伝送モジュール及びインダクタモジュールは差し込まれることで、変換モジュールとの電気接続をそれぞれ実現し、通信モジュールは差し込まれることで、伝送モジュール、変換モジュール又はインダクタモジュールとの電気接続を実現し、インバータの各モジュールの間はただ差し込みの形態で電気接続を実現でき、電気接続がより便利になって、各モジュールの間の電気接続の動作効率及び修理効率を向上して、各モジュールの間が電磁干渉を受けて、各モジュールの動作の安定性に影響することを回避し、インバータの動作の安定性を保証する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施例においてインバータの構造模式図である。
図2】本発明の実施例において、ハウジングを除去したインバータの構造模式図である。
図3】本発明の実施例において、ハウジング及び伝送モジュールを除去したインバータの構造模式図である。
図4】本発明の実施例において、太陽光発電インバータの断面図1である。
図5】本発明の実施例において、太陽光発電インバータの断面図2である。
図6図5においてA箇所の局所拡大図である。
図7図5においてB箇所の局所拡大図である。
図8】本発明の実施例において、変換モジュールと伝送モジュールとの接続形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明が解決する技術問題、採用する技術案、及び達成する技術効果をより明らかにするために、以下、図面を結合して、具体的な実施形態を使用して、本発明の技術案をさらに説明する。
【0019】
本発明の記載において、特に明示的に規定及び限定がない限り、「連結」、「接続」、「固定」などの用語を広義で理解すべきであり、例えば、固定接続であってもよく、取り外し可能な接続、又は一体接続であってもよく、機械接続、電気接続であってもよく、直接的な接続であってもよく、中間媒体による間接的な接続であってもよく、2つの素子内部の連通又は2つの素子の相互作用関係であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて上記用語の、本発明における具体的な意味を理解すればよい。
【0020】
本発明において、特に明示的に規定及び限定がない限り、第1特徴が第2特徴の「上」、又は「下」に位置することは、第1特徴と第2特徴とが直接的に接触することを含んでもよいし、第1特徴と第2特徴とが直接的に接触せずこれらの間の別の特徴によって接触することも含む。そして、第1特徴が第2特徴の「上」、「上方」及び「上面」に位置することは、1特徴が第2特徴の真上及び斜め上に位置することを含み、又は、第1特徴の水平高さが第2特徴より高いことを示してもよい。第1特徴が第2特徴の「下」、「下方」及び「下面」に位置することは、第1特徴が第2特徴の真下及び斜め下に位置することを含み、又は、第1特徴の水平高さが第2特徴より低いことを示してもよい。
【0021】
本実施例の記載において、用語「上」、「下」、「左」、「右」などの方位又は位置関係は、図面による方位又は位置関係であり、ただ、記載を便利にして、操作を簡略化するためのものであって、指定された装置又は素子が特定の方位を備え、特定の方位で構造されて操作されなければならないと指示又は暗示せず、本発明を限定しない。また、用語「第1」、「第2」は特別な意味を具備せず、ただ記載を区別するためのものである。
【0022】
図1図2に示すように、本実施例はインバータを提供し、本実施例のインバータは主に太陽光発電インバータを指し、当該太陽光発電インバータは主に太陽光発電(PV)ソーラーパネルから生成された可変直流電圧を市電周波数交流(AC)に変換して、さらに、商用送電システムにフィードバックし、又はオフグリッドの電力網に用いられる。当該インバータは変換モジュール1、伝送モジュール2、インダクタモジュール3及び通信モジュール4を含み、伝送モジュール2は直流伝送モジュール及び交流伝送モジュールを含み、直流伝送モジュールはソーラーパネルから生成された可変直流電流を伝送し、交流伝送モジュールは変換後の市電周波数交流を伝送し、変換モジュール1は直流伝送モジュール及び交流伝送モジュールにそれぞれ電気接続されて、直流伝送モジュールから伝送された可変直流電流を市電周波数交流電流に変換して、交流伝送モジュールに伝送し、インダクタモジュール3は変換モジュール1に電気接続され、電流を平滑化して、電流の安定性を保証し、通信モジュール4は伝送モジュール2、変換モジュール1又はインダクタモジュール3に電気接続されて、外部素子と情報伝送を行って、外部素子の、インバータに対する信号監視を保証する。
【0023】
好ましくは、図1図2に示すように、インバータはハウジング7をさらに含み、変換モジュール1、伝送モジュール2及び通信モジュール4は何れもハウジング7内部に設けられ、ハウジング7は保護・支持の作用を具備することで、変換モジュール1、伝送モジュール2、及び通信モジュール4の損傷を回避し、インダクタモジュール3はハウジング7の外部に取り外し可能に接続されることで、ハウジング7の外部でインダクタモジュール3に対して取り外し及び修理を便利に行う。具体的に、ハウジング7は板金ハウジングであってもよく、折曲又はダイカストによって成形され、板金ハウジングの強度が高く、修理しやすく且つ耐劣化性を有し、環境を汚染することがない。他の実施例において、ハウジング7はプラスチックであってもよく、射出成形され、コストが低く、加工しやすい。
【0024】
好ましくは、図1図2に示すように、ハウジング7は本体71及び蓋板72を含み、蓋板72は本体71に取り外し可能に係合され、変換モジュール1、伝送モジュール2、及び通信モジュール4は何れも本体71の内部に位置し、変換モジュール1、伝送モジュール2、及び通信モジュール4のうちのある装置が故障した場合、蓋板72を開けて、故障した装置に対して点検及び修理を行うことができる。
【0025】
好ましくは、図1図2に示すように、インバータはヒートシンク6をさらに含み、ヒートシンク6は本体71に固定され、変換モジュール1、伝送モジュール2、インダクタモジュール3及び通信モジュール4を放熱させて、変換モジュール1、伝送モジュール2、インダクタモジュール3及び通信モジュール4の正常な動作を保証する。具体的に、ヒートシンク6はフィン型ヒートシンクであってもよく、フィン型ヒートシンクは放熱効率が高く、構造がコンパクトであるという利点を具備する。本実施例において、ヒートシンク6の材料はアルミ合金であってもよく、アルミ合金の質量が軽く、強度が大きく、放熱効果がよい。ヒートシンク6は本体71と一体成形され、加工製造に便利であり、他の実施例において、ヒートシンク6は本体71に取り外し可能に接続され、ヒートシンク6が故障した場合、その交換及び修理が便利である。
【0026】
インバータの構造をよりコンパクトにするために、図2に示すように、インダクタモジュール3は本体71を貫通して、本体71の上方に固定される変換モジュール1に電気接続され、直流伝送モジュールと交流伝送モジュールとは変換モジュール1の上方に対称に配置され、変換モジュール1にそれぞれ電気接続され、通信モジュール4は直流伝送モジュール及び交流伝送モジュールの上方に設けられるとともに、直流伝送モジュール及び交流伝送モジュールに電気接続されることで、インバータの内部構造がよりコンパクトになり、回路の電気接続がより便利になり、経路がより短くなる。
【0027】
変換モジュール1と伝送モジュール2との間の接続の安定性を強化させるために、図2に示すように、インバータは、一端が変換モジュール1に接続され、他端が伝送モジュール2に接続されるスペーサコラム5をさらに含み、スペーサコラム5は伝送モジュール2を支持できる。また、伝送モジュール2と変換モジュール1上の素子同士の間に干渉が生じないことを保証するために、伝送モジュール2と変換モジュール1とは間隔を空けて配置され、スペーサコラム5は伝送モジュール2と変換モジュール1との間で位置制限及び固定の作用を発揮できるため、伝送モジュール2と変換モジュール1上の素子との干渉を回避する。他の実施例において、伝送モジュール2が変換モジュール1の上方に設けられると、スペーサコラム5は変換モジュール1に対する位置制限及び固定作用を発揮でき、本実施例において、変換モジュール1と伝送モジュール2との上下位置を具体的に限定していない。具体的に、スペーサコラム5は六角形鋼柱であってもよく、六角形鋼柱の両端が変換モジュール1及び伝送モジュール2にそれぞれネジ接続される(六角形鋼柱には雌ネジが設けられてもよし、雄ネジが設けられてもよい)ことで、六角形鋼柱の安定な接続を保証する。
【0028】
好ましくは、図2に示すように、変換モジュール1と伝送モジュール2との間には複数のスペーサコラム5が設けられ、複数のスペーサコラム5は離間して配置されて、伝送モジュール2を共同に支持して、スペーサコラム5の、伝送モジュール2と変換モジュール1との間の位置制限及び固定作用の安定性を向上する。
【0029】
これから、図3を結合し、インダクタモジュール3の具体的な構造を説明し、図3に示すように、インダクタモジュール3はインダクタ本体31及びインダクタ取付ボックス34を含み、インダクタ本体31は変換モジュール1に電気接続され、インダクタ取付ボックス34に収容され、インダクタ取付ボックス34は本体71に固定され、インダクタ本体31に保護支持の作用を提供することで、インダクタ本体31の損傷を回避する。
【0030】
好ましくは、インダクタ本体31の放熱効果を向上するために、インダクタ本体31とインダクタ取付ボックス34との間には放熱ゲルが充填され、放熱ゲルはインダクタ本体31の放熱効果を向上して、インダクタ本体31の正常な動作を保証する。具体的に、放熱ゲルはシリコングリースであってもよく、シリコングリースの熱伝導性能がよく、高温環境で性能が安定であり、且つ腐食しにくい。
【0031】
伝送モジュール2及び通信モジュール4が外部素子に容易に電気接続されるように、図2に示すように、インバータは接続ポート8をさらに含み、本体71には、接続ポート8を収容するためのスルーホールが開けられ、接続ポート8は伝送モジュール接続ポート81及び通信モジュール接続ポート82を含み、伝送モジュール2は銅バスバーを介して伝送モジュール接続ポート81に電気接続され、通信モジュール4はピンヘッダーに接続されることで、通信モジュール接続ポート82に電気接続され、これによって、外部素子は伝送モジュール接続ポート81及び通信モジュール接続ポート82をそれぞれ介して伝送モジュール2及び通信モジュール4との電気接続を実現し、インバータによる電流変換動作を保証する。
【0032】
好ましくは、図2に示すように、伝送モジュール接続ポート81の正極と負極を区別するために、伝送モジュール接続ポート81の正極及び負極には正負極特徴ポカヨケ区別が設けられることで、正負極接続に偏差が生じることを回避して、回路の正確な接続を保証する。
【0033】
ところが、従来のインバータにおいて、インダクタモジュール3と変換モジュール1、伝送モジュール2と変換モジュール1、伝送モジュール2と通信モジュール4との間の電気接続は何れもリード線によって接続され、リード線はインバータの内部で行き交うため、リード線と各モジュール上の素子との間には電磁放射が生じやすく、素子のフィルタリング効果を低減する上に、リード線による伝送の安定性に影響する。技術の発展に連れて、各モジュールの間の導電性ピラーによる電気接続という形態が出現したが、導電性ピラーによる電気接続を実現するために、締結部品によって各モジュールの間の接続固定を行う必要があり、これによって、電気接続の過程が煩雑になり、電気接続の動作効率が低減する。
【0034】
電気接続の動作効率を向上するために、図2図3に示すように、本発明が提供するインバータの伝送モジュール2及びインダクタモジュール3は差込によって変換モジュール1との電気接続をそれぞれ実現し、通信モジュール4は差し込みによって、伝送モジュール2、変換モジュール1又はインダクタモジュール3との電気接続を実現することで、インバータの各モジュールの間は差し込みの形態で電気接続を実現でき、電気接続がより便利になって、各モジュールの間の電気接続の動作効率を向上して、各モジュールの間が電磁干渉を受けて、各モジュールの動作の安定性に影響することを回避し、インバータの動作の安定性を保証する。
【0035】
これから、図2図4を結合し、各モジュールの間の具体的な差し込み形態を説明し、図2図4に示すように、変換モジュール1は変換回路基板11、及びその上に設けられる第1プラグセット及び第1プラグ12を含み、伝送モジュール2は伝送回路基板21、及びその上に設けられる第2プラグセット及び第2プラグ22を含み、インダクタモジュール3は、インダクタ本体31に接続される第3プラグ32をさらに含み、通信モジュール4は接続されている通信ボード41と第4プラグ42とを含み、第1プラグセットと第2プラグセットとは差し込まれ、第1プラグ12と第3プラグ32とは差し込まれ、第2プラグ22と第4プラグ42とは差し込まれる。ここで、本実施例において、通信モジュール4は差し込みにより、伝送モジュール2との電気接続を実現する。
【0036】
具体的に、図2図4に示すように、第1プラグセットは変換回路基板11に設けられる第5プラグ13及び第6プラグ14を含み、第2プラグセットは伝送回路基板21に設けられる第7プラグ23及び第8プラグ24を含み、第5プラグ13と第7プラグ23とは差し込まれることで、変換モジュール1と伝送モジュール2との回路導通を実現し、第6プラグ14と第8プラグ24とは差し込まれることで、変換モジュール1と前記伝送モジュール2との通信接続を実現する。
【0037】
また、図3に示すように、インダクタモジュール3は、インダクタ本体31と本体71との間に設けられるインダクタ案内板33をさらに含み、第3プラグ32はインダクタ案内板33を貫通して第1プラグ12と差し込まれ、インダクタ案内板33を配置することで、第3プラグ32は第1プラグ12と差し込まれる際ガタつきが生じることを回避して、第3プラグ32に案内・位置制限作用を提供し、第3プラグ32と第1プラグ12との差し込みの安定性を保証する。
【0038】
これから、図5図7を結合して、第7プラグ23と第5プラグ13とが差し込まれることで、変換モジュール1と伝送モジュール2との回路導通を実現する具体的な構造を説明し、図5図7に示すように、第7プラグ23は挿通部231、挿通部231の外周に設けられる位置制限部232を含み、挿通部231は伝送回路基板21に差し込まれ、位置制限部232は伝送回路基板21に当接され、挿通部231には、貫通する差込孔2311が開けられ、第5プラグ13は差込孔2311に差し込まれる。位置制限部232を配置することで、第7プラグ23と伝送回路基板21との取付面積を大きくして、さらに、第7プラグ23と伝送回路基板21との取付の安定性を高める。また、挿通部231を伝送回路基板21に差し込むことで、第7プラグ23が伝送回路基板21でガタつきが生じて移動することを回避し、第7プラグ23と伝送回路基板21との接続の安定性を強化させる。具体的に、伝送回路基板21には第1取付孔211が開けられ、挿通部231は第1取付孔211に差し込まれる。
【0039】
好ましくは、図6に示すように、差込孔2311の内壁には複数の突起構造23111が設けられ、第5プラグ13は突起構造23111に当接されることで、第5プラグ13と差込孔2311との接触面積を大きくして、第5プラグ13と第7プラグ23との差し込みがより安定であることを保証する。
【0040】
具体的に、複数の突起構造23111は差込孔2311の内壁の軸線方向に沿って間隔を空けて配置されることで、第5プラグ13と差込孔2311内の各位置との接触面積がより均一であることを保証する。突起構造23111は当接リングであってもよく、第5プラグ13を当接リングの内輪に差し込んで、突起構造は波形ストライプ構造であってもよい。また、突起構造23111はさらに弾性突起であってもよく、第5プラグ13は差込孔2311に差し込まれる場合、弾性突起は第5プラグ13を挟んで、第5プラグ13と第7プラグ23との差し込みがより安定であることを保証する。本実施例は、突起構造23111の具体的な形状及び配列形態を具体的に限定せず、第5プラグ13と第7プラグ23との差し込みをより安定にするという効果を実現すれば、何れも本実施例に適用できる。
【0041】
他の実施例において、第5プラグ13の外周には複数の突起構造が設けられ、突起構造は差込孔2311に当接されることで、第5プラグ13と差込孔2311との接触面積を大きくして、第5プラグ13と第7プラグ23との差し込みがより安定であることを保証する。
【0042】
一般的に、挿通部231と第1取付孔211との堅固な接続を実現するために、通常、挿通部231と第1取付孔211とはしっかりと係合すべきであり、第1取付孔211の直径は、挿通部231の直径より大きくなりすぎると、挿通部231を第1取付孔211に容易に挿通させることができず、七プラグ23と伝送回路基板21との取付・固定を実現しにくい。
【0043】
挿通部231を第1取付孔211に容易に挿通させるために、図6に示すように、挿通部231の、伝送回路基板21に差し込まれる一端の直径は差込方向に沿って漸減し、これによって、挿通部231を第1取付孔211に容易に挿通させる。
【0044】
第7プラグ23と伝送回路基板21との接続の安定性をさらに向上するために、位置制限部232は溶接により伝送回路基板21に固定されることで、第7プラグ23と伝送回路基板21との接続の安定性を向上する。他の実施例において、位置制限部232は螺着又はリベット接合により伝送回路基板21に固定され、第7プラグ23に損壊又は差し込み不良が生じると、第7プラグ23を伝送回路基板21から取り外して、新たな第7プラグ23に交換することができる。
【0045】
これから、図6図7を結合して、第5プラグ13が変換回路基板11に設けられる具体的な構造を説明し、図6図7に示すように、第5プラグ13は差込端子131及び当接部132を含み、当接部132は差込端子131の外周に設けられ、差込端子131は差込孔2311に差し込まれるとともに変換回路基板11に差し込まれ、当接部132は変換回路基板11に当接される。
【0046】
当接部132を配置することで、第5プラグ13と変換回路基板11との取付面積を大きくして、さらに、第5プラグ13と変換回路基板11との取付の安定性を高める。また、差込端子131を変換回路基板11に差し込むことで、第5プラグ13が変換回路基板11でガタつきが生じて移動することを回避し、第5プラグ13と変換回路基板11との接続の安定性を強化させる。具体的に、変換回路基板11には第2取付孔111が開けられ、差込端子131は第2取付孔111に差し込まれる。
【0047】
差込端子131を第2取付孔111に容易に挿通させるために、図7に示すように、差込端子131の、変換回路基板11に差し込まれる一端の直径は差込方向に沿って漸減し、これによって、差込端子131を第2取付孔111に容易に挿通させる。
【0048】
好ましくは、図6図7に示すように、差込端子131は接続されている差込部1311と接続部1312とを含み、差込部1311は差込孔2311に差し込まれ、接続部1312は変換回路基板11に差し込まれ、接続部1312の直径が差込部1311の直径より大きく、接続部1312は差込部1311に一定の支持作用を提供するとともに、伝送モジュール2及び変換モジュール1に対して一定の位置制限・仕切作用を発揮する。
【0049】
第5プラグ13と変換回路基板11との接続の安定性をさらに向上するために、当接部132は溶接により変換回路基板11に固定されることで、第5プラグ13と変換回路基板11との接続の安定性を向上する。他の実施例において、当接部132は螺着又はリベット接合により変換回路基板11に固定され、第5プラグ13に損壊又は差し込み不良が生じると、第5プラグ13を変換回路基板11から取り外して、新たな第5プラグ13に交換する。
【0050】
これから、図8を結合して、第6プラグ14と第8プラグ24とが差し込まれるように係合して変換モジュール1と伝送モジュール2との通信接続を実現する具体的な構造を説明し、図8に示すように、第6プラグ14は接続されている支持部141と電源ボード142とを含み、支持部141の、電源ボード142から離れる一端は変換回路基板11に設けられ、第8プラグ24には、貫通するジャック241が開けられ、電源ボード142はジャック241に差し込まれることで、変換モジュール1と伝送モジュール2との通信接続を実現する。
【0051】
また、第6プラグ14と第8プラグ24との差し込み・導通を確保するために、電源ボード142はジャック241に差し込まれると、ジャック241から張り出し、これによって、第6プラグ14と第8プラグ24との差し込み・導通の実現を確保する。
【0052】
ここで、第1プラグ12と第3プラグ32とが差し込まれるように係合して変換モジュール1とインダクタモジュール3との回路導通を実現する具体的な構造は、第7プラグ23と第5プラグ13とが差し込まれて、変換モジュール1と伝送モジュール2との回路導通を実現する具体的な構造と同様であるため、ここで、贅言しない。
【0053】
ここで、第2プラグ22と第4プラグ42とが差し込まれるように係合して伝送モジュール2と通信モジュール4との通信接続を実現する具体的な構造は、第6プラグ14と第8プラグ24とが差し込まれるように係合して変換モジュール1と伝送モジュール2との通信接続を実現する具体的な構造と同様であるため、ここで、贅言しない。
【0054】
明らかに、本発明の上記実施例は本発明の実施形態に対する限定ではなく、ただ本発明を明らかに説明するための例示である。当業者にとって、上記説明に基づいて、他の異なる形態の変形又は変更を行ってもよい。ここで、全ての実施形態を網羅する必要がない。本発明の精神及び原則内でなされた任意の補正、等価置換及び改良などは、何れも本発明の請求項の保護範囲内に該当すべきである。
【符号の説明】
【0055】
1 ・・・変換モジュール;
11 ・・・変換回路基板;
111 ・・・第2取付孔;
12 ・・・第1プラグ;
13 ・・・第5プラグ;
131 ・・・差込端子;
1311 ・・・差込部;
1312 ・・・接続部;
132 ・・・当接部;
14 ・・・第6プラグ;
141 ・・・支持部;
142 ・・・電源ボード;
2 ・・・伝送モジュール;
21 ・・・伝送回路基板;
211 ・・・第1取付孔;
22 ・・・第2プラグ;
23 ・・・第7プラグ;
231 ・・・挿通部;
2311 ・・・差込孔;
23111 ・・・突起構造;
232 ・・・位置制限部;
24 ・・・第8プラグ;
241 ・・・ジャック;
3 ・・・インダクタモジュール;
31 ・・・インダクタ本体;
32 ・・・第3プラグ;
33 ・・・インダクタ案内板;
34 ・・・インダクタ取付ボックス;
4 ・・・通信モジュール;
41 ・・・通信ボード;
42 ・・・第4プラグ;
5 ・・・スペーサコラム;
6 ・・・ヒートシンク;
7 ・・・ハウジング;
71 ・・・本体;
72 ・・・蓋板;
8 ・・・接続ポート;
81 ・・・伝送モジュール接続ポート;
82 ・・・通信モジュール接続ポート。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8