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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】電波センサ
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/03 20060101AFI20250109BHJP
   G01S 13/04 20060101ALI20250109BHJP
   F21S 9/02 20060101ALI20250109BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20250109BHJP
   F21V 23/06 20060101ALI20250109BHJP
   H01Q 1/22 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
G01S7/03 240
G01S13/04
F21S9/02 200
F21V23/00 115
F21V23/00 130
F21V23/06
H01Q1/22 Z
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020163813
(22)【出願日】2020-09-29
(65)【公開番号】P2022056037
(43)【公開日】2022-04-08
【審査請求日】2023-05-12
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142664
【弁理士】
【氏名又は名称】熊谷 昌俊
(72)【発明者】
【氏名】小和田 貴勇
(72)【発明者】
【氏名】宮内 拓也
(72)【発明者】
【氏名】岩井 直子
【審査官】梶田 真也
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-101550(JP,A)
【文献】実開平03-116578(JP,U)
【文献】特開2002-156441(JP,A)
【文献】特開2009-070736(JP,A)
【文献】特開2004-327088(JP,A)
【文献】特開2020-145015(JP,A)
【文献】特開2019-193235(JP,A)
【文献】特開2002-124324(JP,A)
【文献】特開2009-259432(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00 - 7/42
G01S 13/00 - 13/95
F21S 9/02
F21V 23/00
F21V 23/06
H01Q 1/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一主面と、コネクタ受け部が設けられた他主面とを有する基板と;
該基板を保持する溝状の保持部を有する第一ケース体と;
該第一ケース体を保持し、該第一ケース体との間に前記基板を収容するとともに、被取付部に対して固定される第二ケース体と;を備え、
前記基板は、配線を有するコネクタが前記コネクタ受け部に接続された状態で前記保持部に沿ってスライド可能であり、スライドさせることで前記保持部により保持され、
前記基板のスライド方向は、前記第一ケース体を前記第二ケース体に取り付ける方向に対して交差する方向であり、
前記第一ケース体は、前記コネクタを前記基板に対して抜け止めする抜止部を有する
ことを特徴とする波センサ。
【請求項2】
前記コネクタは、
前記抜止部に対向する対向領域と、
該対向領域に隣接し配線が設けられる配線領域と、を有する
ことを特徴とする請求項1記載の電波センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、被取付部に取り付けられる電波センサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、階段の踊り場の設置面に設置され、階段や踊り場を照明する照明器具がある。このような照明器具には、階段を移動する人を検知する電波センサを備え、人等の移動体の検知に応じて調光制御する機能が備えられることがある。この場合、電波センサを器具本体に対して、確実に取り付ける構造が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-78375号公報
【文献】特開2019-102202号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、被取付部に対して確実に取り付けできる電波センサを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の電波センサは、基板と、第一ケース体と、第二ケース体と、を備える。基板は、一主面と、コネクタ受け部が設けられた他主面とを有する。第一ケース体は、基板を保持する溝状の保持部を有する。第二ケース体は、第一ケース体を保持し、第一ケース体との間に基板を収容するとともに、被取付部に対して固定される。基板は、配線を有するコネクタがコネクタ受け部に接続された状態で保持部に沿ってスライド可能であり、スライドさせることで保持部により保持され、基板のスライド方向は、第一ケース体を第二ケース体に取り付ける方向に対して交差する方向であり、第一ケース体は、コネクタを基板に対して抜け止めする抜止部を有する。
【発明の効果】
【0006】
実施形態の電波センサによれば、被取付部に対して確実に取り付けることが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態を示す電波センサの分解斜視図である。
図2】同上電波センサの図1とは反対方向から示す分解斜視図である。
図3】同上電波センサの斜視図である。
図4】同上電波センサの図3とは反対方向から示す斜視図である。
図5】同上電波センサの被取付部への第二ケース体の取付状態を示す斜視図である。
図6】同上電波センサを備える照明器具の壁面取付状態を示す斜視図である。
図7】同上照明器具の天井面取付状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、一実施形態を、図1ないし図7を参照して説明する。
【0009】
図6および図7に照明器具10を示す。この照明器具10は、例えば、階段の踊り場の壁面または天井面等の設置面に設置され、階段や踊り場を照明するのに使用される。さらに、この照明器具10は、階段を移動する人等の移動体の検知に応じて調光制御するとともに常用電源の停電時に非常用電源で点灯する非常用照明器具である。
【0010】
なお、図6には照明器具10が壁面に取り付けられる状態を示し、図7には照明器具10が天井面に取り付けられる状態を示すが、以下、照明器具10が壁面に取り付けられる状態を主として説明する。
【0011】
照明器具10は、幅方向に沿って長尺状に設けられている。照明器具10は、筐体11と、この筐体11の前面側に配置される主光源または常用光源である光源ユニット12および非常灯ユニット13と、筐体11内に配置される端子台、電源ユニット、電波センサ16、センサ制御ユニット、非常用点灯ユニットおよびバッテリ等とを備えている。
【0012】
筐体11は、器具本体23、およびこの器具本体23の前面に着脱可能に取り付けられるカバー24を備えている。筐体11の前面には、短手方向の一方に向けて傾斜する傾斜面25が形成されている。
【0013】
器具本体23は、前面側が開口され、幅方向に沿って長尺状に形成されている。器具本体23の前面側で短手方向の一方である下側の領域に光源ユニット12および非常灯ユニット13が配置され、他方である上側の領域にカバー24によって開閉される前面開口が形成されている。器具本体23は、設置面から突出するボルトに対して取り付けられるもので、取付面となる背面部に設けられた取付孔に対し、ボルトを通し、ボルトの先端にナットを螺着して締め付けることにより、器具本体23が設置面に取り付けられる。
【0014】
また、カバー24は、前面部30、およびこの前面部30から折曲された側面部31を有している。カバー24は、前面部30で器具本体23の前面の開口を覆い、側面部31が器具本体23の上側の側面部に重なるように配置されるとともにねじ等によって器具本体23に着脱可能に取り付けられている。
【0015】
カバー24の前面部30には筐体11の前面の傾斜面25が形成されている。この傾斜面25は、光源ユニット12の光を反射する反射面としても機能する。カバー24の側面部31は、その前端側が前面部30に向けて傾斜されているが、傾斜されていなくてもよい。
【0016】
光源ユニット12は、照明器具10の幅方向に沿って長尺状に設けられている。光源ユニット12は、シャーシ、このシャーシの前面に取り付けられる発光モジュール、発光モジュールを覆ってシャーシに取り付けられる透光カバー35を備え、器具本体23に対し取付ばねにより筐体11の前面の傾斜面25と平行に取り付けられる。
【0017】
非常灯ユニット13は、光源ユニット12の長手方向の両側に並ぶ位置で、器具本体23の前面に取り付けられている。非常灯ユニット13は、非常用光源37、およびこの非常用光源37を取り付けた非常用光源カバーおよび化粧枠である前面枠38を備えている。
【0018】
端子台は、器具本体23内に引き込まれる外部電源線が接続される。端子台は、電線である内部配線によって電源ユニット、センサ制御ユニットおよび非常用点灯ユニットと電気的に接続されている。
【0019】
電源ユニットは、一次側である外部電源入力部が端子台に内部配線によって電気的に接続され、二次側である点灯電源出力側が接続配線によって光源ユニット12に電気的に接続される。電源ユニットは、端子台を通じて供給される交流電源等の外部電源を、光源ユニット12の発光モジュールの発光素子を点灯させるための直流電源等の点灯電源に変換して発光モジュールに供給する。
【0020】
電波センサ16は、検出電波を所定の検知範囲に送信し、送信した電波の移動体による反射波を受信して、照明器具10の前方域の検知範囲の移動体の有無を検出する。本実施形態において、電波センサ16は、人を検出する人感センサである。電波センサ16は、カバー24に形成されたセンサ孔40から前方に突出されている。また、電波センサ16は、器具本体内23内に引き込まれる外部電源線と干渉しないように構成されている。
【0021】
センサ制御ユニットは、端子台に内部配線によって電気的に接続され、外部電源の供給を受けて動作する。センサ制御ユニットは、電波センサ16と内部配線によって電気的に接続され、電波センサ16を制御して人等の移動体の存在を検知する。センサ制御ユニットは、電源ユニットと内部配線によって電気的に接続され、電波センサ16による移動体の存在の検知に応じた調光信号等の制御信号を電源ユニットに送る。
【0022】
非常用点灯ユニットは、端子台に内部配線によって電気的に接続され、外部電源の供給を受けて動作し、また、バッテリに内部配線によって電気的に接続され、バッテリの充放電を制御する。非常用点灯ユニットは、外部電源の停電を検知する停電検知回路、外部電源の供給時にバッテリを充電する充電回路、外部電源の停電時にバッテリの電源により非常用光源37に点灯電源を供給する非常用点灯回路等を備えている。さらに、非常用点灯ユニットは、非常用光源37およびバッテリを含む非常点灯の点検を指示する点検部42、およびこの点検指示によって点検モードを実行する点検回路等を備えている。
【0023】
点検部42は、カバー24に形成された点検窓43に対向して器具本体23に配設されており、点検リモコン等の端末から送信される赤外線信号等の無線信号を受信する受信部、点検結果を端末に送信する送信部、手動操作で点検を指示するための点検スイッチ、点検結果等を表示するモニタランプ等を備えている。そして、点検部42を介して、バッテリの電源によって非常用光源37が正常に点灯動作するかを定期的に点検可能となっている。
【0024】
また、バッテリは、充放電可能な蓄電池であり、内部配線によって非常用点灯ユニットに電気的に接続されている。
【0025】
次に、電波センサ16の構成について説明する。
【0026】
図1ないし図4に示す電波センサ16は、基板45と、この基板45を保持する第一ケース体である下部ケース46と、この下部ケース46を保持する第二ケース体である上部ケース47と、を有する。基板45が、下部ケース46により一方向側から保持され、その反対方向である他方向側から上部ケース47により覆われる。以下、電波センサ16の説明においては、上記一方向を下側、他方向を上側とする。そして、基板45には、コネクタ48が着脱可能に接続される。コネクタ48が、センサ制御ユニットと電波センサ16とを電気的に接続する。
【0027】
基板45は、センサ基板である。基板45は、基板本体50を備える。本実施形態において、基板本体50は、四角形平板状に形成されている。基板本体50の一主面50aには、図示しないアンテナが形成されている。また、基板本体50の他主面50bには、アンテナと電気的に接続された回路部51と、回路部51と電気的に接続されコネクタ48を着脱可能に受けるコネクタピンであるコネクタ受け部52と、が配置されている。基板本体50の長手方向の一端部に、基板本体50の短手方向に沿ってコネクタ受け部52が配設され、このコネクタ受け部52に隣接して、回路部51が配設されている。回路部51は、四角形状に形成され、基板本体50の他主面50bの大部分または過半を覆っている。
【0028】
基板45は、本実施形態において、基板本体50の一主面50aを上側、他主面50bを下側として下部ケース46と上部ケース47との間に収容される。
【0029】
下部ケース46は、例えば合成樹脂等により形成されている。下部ケース46は、上側に位置する第一部分54と、下側に位置する第二部分55と、を一体的に有する。
【0030】
第一部分54は、上下方向に面状に形成された第一部分側面部58と、この第一部分側面部58の両端から立ち上げられた第一部分端面部59と、を一体的に備える。つまり、第一部分54は、上方または下方から見てコ字状に形成されている。第一部分側面部58には、仕切り部60が形成されている。また、第一部分側面部58には、コネクタ48を抜け止めする抜止部61が形成されている。
【0031】
仕切り部60は、基板45と、その下方の空間と、を仕切る部分である。本実施形態において、仕切り部60は、第一部分側面部58と、一方(図1、2、4中の左側)の第一部分端面部59とに亘り、四角形板状に形成されている。仕切り部60は、他方(図1、2、4中の右側)の第一部分側面部58に対して離れている。そのため、仕切り部60の一端部と他方の第一部分端面部59との間には、配置空間63が形成されている。配置空間63には、コネクタ48が位置する。つまり、配置空間63により、基板45側とその下側とが連通している。
【0032】
抜止部61は、コネクタ48の下部を規制する爪部である。本実施形態において、抜止部61は、第一部分側面部58と、他方の第一部分端面部59と、に亘り形成されている。抜止部61は、配置空間63の下方に離れて位置している。抜止部61は、第一部分側面部58に対する突出量が仕切り部60よりも小さい。
【0033】
また、各第一部分端面部59には、切欠部65が形成されている。切欠部65は、第一部分端面部59の上部において、第一部分側面部58とは反対側の端部に形成されている。この切欠部65に臨んで、第一部分端面部59の内側面から第一部分側面部58の内側面に亘り、基板45の一長辺および両短辺を保持する保持部67が溝状に形成されている。したがって、第一部分54は、基板45を保持する基板保持部の機能を有する。
【0034】
第二部分55は、上下方向に面状に形成された第二部分側面部68と、この第二部分側面部68の両端から立ち上げられた第二部分端面部69と、を一体的に備え、第一部分54の下端部に対し、延出部70を介して段差状に拡大されて一体的に連なっている。第二部分側面部68の下端部には、上部ケース47の下端部と嵌合される嵌合部71が外側に向かって突出して形成されている。また、各第二部分端面部69の外側部には、下部ケース46を上部ケース47に係止保持するための係止部72が爪状に突設されている。したがって、第二部分55は、上部ケース47に保持される被保持部の機能を有する。
【0035】
上部ケース47は、例えば合成樹脂等により形成されている。上部ケース47は、アンテナ面75と、このアンテナ面75の外縁部から下方へと延びる両側面部76および両端面部77と、を有し、下部ケース46と対向する下方が開口された四角形箱状に形成された上蓋である。アンテナ面75は、基板45の基板本体50の一主面50a側、つまりアンテナが配置されている側に対向する。
【0036】
一方の側面部76のアンテナ面75と反対側の下端部には、下部ケース46の嵌合部71が嵌合される凹部80が形成されている。また、他方の側面部76のアンテナ面75と反対側の下端部には、コネクタ48に接続される配線90が外部へと導出される導出部81が形成されている。
【0037】
また、端面部77には、下部ケース46の係止部72が挿入係止される係止受け部83が形成されている。さらに、端面部77のアンテナ面75と反対側の下端部には、上部ケース47を器具本体23(図5)に固定するための座面部85がそれぞれ板状に突設され、これら座面部85には、ねじ等の固定具が挿入される挿入孔86が形成されている。
【0038】
なお、係止受け部83と係止部72とは、いずれか一方が凸状、他方が凹状あるいは孔部であればよい。
【0039】
コネクタ48は、ハーネスとも呼ばれ、扁平な直方体状に形成されており、長手方向に隣接して、複数の配線90が接続されている。配線90は、コネクタ48のコネクタ受け部52に接続される一端部とは反対側の他端部に導出されている。また、コネクタ48の他端部には、コネクタ48がコネクタ受け部52に接続された状態で抜止部61に対向して抜け止めされる対向領域92と、配線90が配置された配線領域93と、が長手方向に隣接して設定されている。つまり、対向領域92は、配線90が配置されていない平面状の領域である。対向領域92は、コネクタ48の長手方向の一端部の領域であり、その対向領域92に対し、長手方向の他端部側に配線領域93がある。そのため、コネクタ48は、長手方向の他端部側に配線90が偏って位置する。つまり、コネクタ48の形状に対して、長手方向に非対称に配線90が配置されている。
【0040】
そして、電波センサ16を組み立てる際には、まず、基板45のコネクタ受け部52にコネクタ48を接続し、このコネクタ48を接続した基板45を、下部ケース46に対し、切欠部65から保持部67に沿ってスライドさせることにより、下部ケース46に基板45を保持する。この状態で、基板45は、仕切り部60の上方に対向して位置し、コネクタ48は、下部ケース46の配置空間63に位置し、対向領域92が、下部ケース46の抜止部61に対向する。
【0041】
次いで、下部ケース46を上部ケース47に対し下方から内挿し押し込むことで、下部ケース46の係止部72が上部ケース47の係止受け部83に挿入係止されて下部ケース46が上部ケース47に保持され、基板45が下部ケース46と上部ケース47との間に収容される。この状態で、上部ケース47の一方の側面部76および両端面部77に対し、下部ケース46の第二部分側面部68および各第二部分端面部69がそれぞれ重ねられ、下部ケース46は、そのほぼ全体が上部ケース47の内部に収容される。コネクタ48の配線90は、導出部81から上部ケース47の外部へと導出される。
【0042】
このように組み立てた電波センサ16は、カバー24を外した器具本体23に対して取り付けられる。図5に示すように、器具本体23には、下方に向けて傾斜する取付面95aを有する支持部材である被取付部95が上縁部に固定されており、この被取付部95の取付面95aに対し、電波センサ16の上部ケース47の座面部85を重ね、挿入孔86に挿入したねじ等の固定具を締め付けることで、上部ケース47が被取付部95に固定され、電波センサ16が器具本体23に取り付けられる。この状態で、電波センサ16は、下部ケース46が上部ケース47と被取付部95との間に収容され、下部ケース46、および、下部ケース46に保持された基板45に対し、外部から直接アクセスすることができなくなる。また、電波センサ16は、アンテナ面75が所定角度、本実施形態では例えば30°下方へ向き、上部ケース47の長手方向、つまり基板45の長手方向が左右方向に向くように支持される。
【0043】
そして、電波センサ16等を取り付けた照明器具10は、階段の踊り場の壁面や天井等の設置面に設置する。
【0044】
照明器具10に外部電源が供給されている通常時には、電源ユニットが外部電源を所定の点灯電源に変換して光源ユニット12に供給する。これにより、光源ユニット12が点灯し、階段や踊り場を照明する。
【0045】
照明器具10の壁面取付時には、光源ユニット12は、器具本体23の下部側に配置されているとともに斜め下方に向けて傾斜されているため、照明器具10が設置された壁面の下部側や踊り場の床面等にも光が照射され、踊り場の足元付近が明るくなる効果がある。
【0046】
また、通常時において、センサ制御ユニットは、電波センサ16による人の検知の有無を監視し、人の検知に応じて電源ユニットを制御し、光源ユニット12の明るさを自動制御する。センサ制御ユニットは、電波センサ16によって人を検知していないときには、光源ユニット12を消灯または光出力が低くなるように調光することにより、省エネルギ化を図り、一方、電波センサ16によって人を検知したときには、光源ユニット12を点灯または光出力が高くなるように調光する。
【0047】
また、通常時において、非常用点灯ユニットは、外部電源の供給を検知しており、この外部電源によってバッテリを充電する。このとき、非常用光源は消灯させている。
【0048】
そして、照明器具10への外部電源の供給が止まった停電時には、非常用点灯ユニットが外部電源の停電を検知し、バッテリの電源を所定の点灯電源に変換して非常用光源37に供給する。これにより、停電時には、光源ユニット12は消灯するが、非常用光源37が点灯し、階段や踊り場を照明する。
【0049】
照明器具10の壁面取付時には、非常用光源37は、器具本体23の下部側に配置されているとともに斜め下方に向けて傾斜されているため、照明器具10が設置された壁面の下部側や踊り場の床面等にも光が照射され、階段や踊り場の足元付近が明るくなる効果がある。
【0050】
また、非常用光源37は、器具本体23の両端側の2箇所に配設されているため、踊り場と上階とをつなぐ階段側、および踊り場と下階とをつなぐ階段側を、それぞれ適切に照明できる。
【0051】
このように、基板45を下部ケース46に保持し、この下部ケース46を上部ケース47に保持して下部ケース46と上部ケース47との間に基板45を収容するとともに、上部ケース47を被取付部95に対して固定することで、基板45を、下部ケース46と上部ケース47との間に確実に保持し、電波センサ16を被取付部95に対して確実に取り付けできる。そのため、下部ケース46と上部ケース47とを引っ掛ける係止部72が劣化、破損した場合に器具本体23から電波センサ16が外れてしまうことを防止できる。
【0052】
また、基板45の位置に対して、上部ケース47のアンテナ面75の距離が一定に固定されるため、被取付部95への固定による電波センサ16の検知特性への影響が少ない。
【0053】
コネクタ48を基板45に対して抜け止めする抜止部61を下部ケース46に設けることで、コネクタ48の配線90を引っ張ったときに、コネクタ48が基板45から外れてしまうことを抜止部61によって防止できる。
【0054】
また、コネクタ48に、抜止部61に対向する対向領域92と、対向領域92に隣接し配線90が設けられる配線領域93と、を設定することで、コネクタ48の配線90の位置が、これら領域92,93が隣接する方向に非対称となる。そのため、基板45に対するコネクタ48の接続の向きを誤っている場合、基板45を下部ケース46に取り付ける際に、配線90が抜止部61に当たることで基板45を下部ケース46に取り付けることができない。したがって、基板45に対してコネクタ48を誤った向き(誤った極性)で接続することを構造的に規制できる。
【0055】
つまり、基板45のコネクタ受け部52は、部品使用として形状が決まっていることから、コネクタ受け部52に適合するコネクタ48は、抜け防止、および、極性の間違いを防止する機構がないため、本実施形態では、下部ケース46に抜止部61を設けて、抜け防止、および、極性の間違いを防止し、コネクタ48のコネクタ受け部52への誤挿入を防止できる。
【0056】
なお、一実施形態において、電波センサ16は、照明器具10に用いるものとしたが、これに限らず、他の任意の機器に用いることが可能である。
【0057】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0058】
16 電波センサ
45 基板
46 第一ケース体である下部ケース
47 第二ケース体である上部ケース
48 コネクタ
61 抜止部
67 保持部
90 配線
92 対向領域
93 配線領域
95 被取付部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7