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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】機器制御システムおよび画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20250109BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20250109BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20250109BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20250109BHJP
   G06F 1/3231 20190101ALI20250109BHJP
   G06F 1/3234 20190101ALI20250109BHJP
   G06F 21/62 20130101ALI20250109BHJP
【FI】
G06F3/12 331
H04N1/00 127B
B41J29/42 F
B41J29/38 401
G06F3/12 303
G06F3/12 385
G06F1/3231
G06F1/3234
G06F3/12 332
G06F3/12 392
G06F21/62
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021023905
(22)【出願日】2021-02-18
(65)【公開番号】P2022126055
(43)【公開日】2022-08-30
【審査請求日】2024-01-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114971
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修
(72)【発明者】
【氏名】渡部 俊彦
【審査官】佐賀野 秀一
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-164448(JP,A)
【文献】特開2019-090871(JP,A)
【文献】特開2017-039317(JP,A)
【文献】特開2016-105216(JP,A)
【文献】特開2005-268835(JP,A)
【文献】特開2020-038682(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09- 3/12
B41J 29/00- 29/70
H04N 1/00
G06F 1/26- 1/3296
G06F 21/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続された画像形成装置と、
前記ネットワークに接続可能な携帯端末装置とを備え、
前記画像形成装置は、(a)前記ネットワークにおける当該画像形成装置のネットワーク識別情報がエンコードされた可視コードと、当該画像形成装置の1または複数の機能に対応する機能コードとを表示し、(b)前記ネットワーク識別情報で接続してきた前記携帯端末装置に対して機能指定画面データを送信し、(c)前記携帯端末装置から前記ネットワークを介して、前記機能指定画面データに基づく機能指定画面に対して入力された機能コードを受信し、(d)受信した前記機能コードが表示した前記機能コードに一致するか否かを判定する認証処理を実行し、(e1)受信した前記機能コードが表示した前記機能コードに一致する場合には、前記ネットワークを介して、前記機能コードに対応する操作画面データを前記携帯端末装置に送信し、(e2)受信した前記機能コードが表示した前記機能コードに一致しない場合には、前記操作画面データを前記携帯端末装置に送信せず、
前記携帯端末装置は、(a)前記可視コードを撮影して撮影画像を生成し、(b)前記撮影画像内の前記可視コードをデコードして前記ネットワーク識別情報を取得し、前記ネットワーク識別情報に基づいて前記ネットワークを介して前記画像形成装置に接続し、(c)前記画像形成装置から前記ネットワークを介して前記機能指定画面データを受信し、(d)汎用ブラウザーで前記機能指定画面データに基づく機能指定画面を表示し、(e)ユーザーによって前記機能指定画面に対して入力された機能コードを特定し、前記ネットワークを介して前記画像形成装置に前記機能コードを送信し、(f)前記機能コードに対応する前記操作画面データを前記画像形成装置から前記ネットワークを介して受信し、(g)前記操作画面データに基づく操作画面を表示し、
前記機能コードは、所定桁数の文字であること、
を特徴とする機器制御システム。
【請求項2】
ネットワークに接続された画像形成装置と、
前記ネットワークに接続可能な携帯端末装置とを備え、
前記画像形成装置は、(a)前記ネットワークにおける当該画像形成装置のネットワーク識別情報がエンコードされた可視コードと、当該画像形成装置の1または複数の機能に対応する機能コードとを表示し、(b)前記ネットワーク識別情報で接続してきた前記携帯端末装置に対して機能指定画面データを送信し、(c)前記携帯端末装置から前記ネットワークを介して、前記機能指定画面データに基づく機能指定画面に対して入力された機能コードを受信し、(d)受信した前記機能コードが表示した前記機能コードに一致するか否かを判定する認証処理を実行し、(e1)受信した前記機能コードが表示した前記機能コードに一致する場合には、前記ネットワークを介して、前記機能コードに対応する操作画面データを前記携帯端末装置に送信し、(e2)受信した前記機能コードが表示した前記機能コードに一致しない場合には、前記操作画面データを前記携帯端末装置に送信せず、
前記携帯端末装置は、(a)前記可視コードを撮影して撮影画像を生成し、(b)前記撮影画像内の前記可視コードをデコードして前記ネットワーク識別情報を取得し、前記ネットワーク識別情報に基づいて前記ネットワークを介して前記画像形成装置に接続し、(c)前記画像形成装置から前記ネットワークを介して前記機能指定画面データを受信し、(d)汎用ブラウザーで前記機能指定画面データに基づく機能指定画面を表示し、(e)ユーザーによって前記機能指定画面に対して入力された機能コードを特定し、前記ネットワークを介して前記画像形成装置に前記機能コードを送信し、(f)前記機能コードに対応する前記操作画面データを前記画像形成装置から前記ネットワークを介して受信し、(g)前記操作画面データに基づく操作画面を表示し、
前記画像形成装置は、前記認証処理において、受信した前記機能コードが表示した前記機能コードに一致した場合、表示すべき前記機能コードを更新することを特徴とする機器制御システム。
【請求項3】
ネットワークに接続された画像形成装置と、
前記ネットワークに接続可能な携帯端末装置とを備え、
前記画像形成装置は、(a)前記ネットワークにおける当該画像形成装置のネットワーク識別情報がエンコードされた可視コードと、当該画像形成装置の1または複数の機能に対応する機能コードとを表示し、(b)前記ネットワーク識別情報で接続してきた前記携帯端末装置に対して機能指定画面データを送信し、(c)前記携帯端末装置から前記ネットワークを介して、前記機能指定画面データに基づく機能指定画面に対して入力された機能コードを受信し、(d)受信した前記機能コードが表示した前記機能コードに一致するか否かを判定する認証処理を実行し、(e1)受信した前記機能コードが表示した前記機能コードに一致する場合には、前記ネットワークを介して、前記機能コードに対応する操作画面データを前記携帯端末装置に送信し、(e2)受信した前記機能コードが表示した前記機能コードに一致しない場合には、前記操作画面データを前記携帯端末装置に送信せず、
前記携帯端末装置は、(a)前記可視コードを撮影して撮影画像を生成し、(b)前記撮影画像内の前記可視コードをデコードして前記ネットワーク識別情報を取得し、前記ネットワーク識別情報に基づいて前記ネットワークを介して前記画像形成装置に接続し、(c)前記画像形成装置から前記ネットワークを介して前記機能指定画面データを受信し、(d)汎用ブラウザーで前記機能指定画面データに基づく機能指定画面を表示し、(e)ユーザーによって前記機能指定画面に対して入力された機能コードを特定し、前記ネットワークを介して前記画像形成装置に前記機能コードを送信し、(f)前記機能コードに対応する前記操作画面データを前記画像形成装置から前記ネットワークを介して受信し、(g)前記操作画面データに基づく操作画面を表示し、
前記画像形成装置は、人感センサーを備え、(a)動作モードがスリープモードであるときに前記人感センサーにより人が検出されると、前記動作モードを通常モードに変更して、表示すべき前記機能コードを更新し前記可視コードおよび前記機能コードの表示を開始し、(b)前記人感センサーにより前記人が検出されなくなると、前記動作モードをスリープモードに変更して前記可視コードおよび前記機能コードの表示を停止することを特徴とする機器制御システム。
【請求項4】
前記画像形成装置は、(a)所定回数、前記機能コードが受信され、受信した前記機能コードが表示した前記機能コードに一致しない場合、前記認証処理を禁止し、(b)前記認証処理の禁止後、前記動作モードがスリープモードから通常モードに変更されたときに、前記認証処理の禁止を解除することを特徴とする請求項3記載の機器制御システム。
【請求項5】
画像形成装置において、
ネットワークに接続される通信装置と、
表示装置と、
前記ネットワークにおける当該画像形成装置のネットワーク識別情報がエンコードされた可視コードと、当該画像形成装置の1または複数の機能に対応する機能コードとを前記表示装置に表示するコード管理部と、
前記ネットワーク識別情報で接続してきた携帯端末装置に対して機能指定画面データを送信し、前記携帯端末装置から前記ネットワークを介して、前記機能指定画面データに基づく機能指定画面に対して入力された機能コードを受信するサーバー処理部と、
受信した前記機能コードが表示した前記機能コードに一致するか否かを判定する認証処理を実行する認証処理部とを備え、
前記サーバー処理部は、受信した前記機能コードが表示した前記機能コードに一致する場合には、前記ネットワークを介して、前記機能コードに対応する操作画面データを前記携帯端末装置に送信し、受信した前記機能コードが表示した前記機能コードに一致しない場合には、前記操作画面データを前記携帯端末装置に送信せず、
前記機能コードは、所定桁数の文字であること、
を特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器制御システムおよび画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
あるシステムでは、画像形成装置が、機器固有情報がエンコードされた可視コード(2次元コード)を表示し、モバイル端末が、その可視コードを撮影し、その可視コードをデコードしてIPアドレス、ユーザーID、およびパスワードを取得し、そのIPアドレス、ユーザーID、およびパスワードで画像形成装置に接続し、ユーザー操作に従ってリモートパネルアプリケーションを起動して画像形成装置用のユーザーインターフェイスを提供するリモートパネルを表示する(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-71620号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のシステムでは、専用のリモートパネルアプリケーションをモバイル端末に予めインストールしておく必要があり、そのようなアプリケーションがインストールされていない場合には、ただちに画像形成装置1をモバイル端末で利用できず、ユーザビリティが低い。
【0005】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、良好なユーザビリティで、携帯端末装置で画像形成装置を利用可能にする機器制御システムおよび画像形成装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る機器制御システムは、ネットワークに接続された画像形成装置と、前記ネットワークに接続可能な携帯端末装置とを備える。前記画像形成装置は、(a)前記ネットワークにおける当該画像形成装置のネットワーク識別情報がエンコードされた可視コードと、当該画像形成装置の1または複数の機能に対応する機能コードとを表示し、(b)前記ネットワーク識別情報で接続してきた前記携帯端末装置に対して機能指定画面データを送信し、(c)前記携帯端末装置から前記ネットワークを介して、前記機能指定画面データに基づく機能指定画面に対して入力された機能コードを受信し、(d)受信した前記機能コードが表示した前記機能コードに一致するか否かを判定する認証処理を実行し、(e1)受信した前記機能コードが表示した前記機能コードに一致する場合には、前記ネットワークを介して、前記機能コードに対応する操作画面データを前記携帯端末装置に送信し、(e2)受信した前記機能コードが表示した前記機能コードに一致しない場合には、前記操作画面データを前記携帯端末装置に送信しない。前記携帯端末装置は、(a)前記可視コードを撮影して撮影画像を生成し、(b)前記撮影画像内の前記可視コードをデコードして前記ネットワーク識別情報を取得し、前記ネットワーク識別情報に基づいて前記ネットワークを介して前記画像形成装置に接続し、(c)前記画像形成装置から前記ネットワークを介して前記機能指定画面データを受信し、(d)汎用ブラウザーで前記機能指定画面データに基づく機能指定画面を表示し、(e)ユーザーによって前記機能指定画面に対して入力された機能コードを特定し、前記ネットワークを介して前記画像形成装置に前記機能コードを送信し、(f)前記機能コードに対応する前記操作画面データを前記画像形成装置から前記ネットワークを介して受信し、(g)前記操作画面データに基づく操作画面を表示する。さらに、次の(A)、(B)、および(C)のいずれかの構成を備える。(A)前記機能コードは、所定桁数の文字である。(B)前記画像形成装置は、前記認証処理において、受信した前記機能コードが表示した前記機能コードに一致した場合、表示すべき前記機能コードを更新する。(C)前記画像形成装置は、人感センサーを備え、(a)動作モードがスリープモードであるときに前記人感センサーにより人が検出されると、前記動作モードを通常モードに変更して、表示すべき前記機能コードを更新し前記可視コードおよび前記機能コードの表示を開始し、(b)前記人感センサーにより前記人が検出されなくなると、前記動作モードをスリープモードに変更して前記可視コードおよび前記機能コードの表示を停止する。
【0007】
本発明に係る画像形成装置は、ネットワークに接続される通信装置と、表示装置と、前記ネットワークにおける当該画像形成装置のネットワーク識別情報がエンコードされた可視コードと、当該画像形成装置の1または複数の機能に対応する機能コードとを前記表示装置に表示するコード管理部と、前記ネットワーク識別情報で接続してきた携帯端末装置に対して機能指定画面データを送信し、前記携帯端末装置から前記ネットワークを介して、前記機能指定画面データに基づく機能指定画面に対して入力された機能コードを受信するサーバー処理部と、受信した前記機能コードが表示した前記機能コードに一致するか否かを判定する認証処理を実行する認証処理部とを備える。そして、前記サーバー処理部は、受信した前記機能コードが表示した前記機能コードに一致する場合には、前記ネットワークを介して、前記機能コードに対応する操作画面データを前記携帯端末装置に送信し、受信した前記機能コードが表示した前記機能コードに一致しない場合には、前記操作画面データを前記携帯端末装置に送信しない。ここで、前記機能コードは、所定桁数の文字である。

【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、良好なユーザビリティで、携帯端末装置で画像形成装置を利用可能にする機器制御システムおよび画像形成装置が得られる。
【0009】
本発明の上記又は他の目的、特徴および優位性は、添付の図面とともに以下の詳細な説明から更に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る機器制御システムの構成を示す図である。
図2図2は、図1における画像形成装置1の構成を示すブロック図である。
図3図3は、図1における画像形成装置1に表示される可視コードおよび2つの機能コードの一例を示す図である。
図4図4は、図1における携帯端末装置2の構成を示すブロック図である。
図5図5は、図4に示す携帯端末装置2により撮影された、可視コードを含む撮影画像201の表示例を示す図である。
図6図6は、図4に示す携帯端末装置2により表示される機能指定画面の一例を示す図である。
図7図7は、図1に示す機器制御システムの動作について説明するシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施の形態に係る機器制御システムの構成を示す図である。図1に示すシステムは、画像形成装置1と携帯端末装置2とを備える。画像形成装置1は、プリンター、複合機などといった電子機器であって、操作パネル11および人感センサー12を備える。携帯端末装置2は、画像形成装置1を使用するユーザーにより携帯されているスマートフォン、タブレットPCなどといった電子機器である。
【0013】
画像形成装置1は、インターネットなどのネットワークに接続されており、携帯端末装置2は、無線LAN(Local Area Network)、携帯電話通信網などを介して、そのネットワークに接続可能となっている。
【0014】
なお、このシステムでは、画像形成装置1は、不特定多数のユーザーにより利用可能な場所に配置されており、複数のユーザーが複数の携帯端末装置2をそれぞれ携帯している。
【0015】
図2は、図1における画像形成装置1の構成を示すブロック図である。
【0016】
図2に示すように、画像形成装置1は、上述の操作パネル11および人感センサー12の他、記憶装置21、演算処理装置22、プリント装置23、画像読取装置24、ファクシミリ装置25、通信装置26などを備える。
【0017】
操作パネル11は、画像形成装置1の筐体前側に配置され、液晶ディスプレイなどの表示装置11a、およびハードキー、タッチパネルなどの入力装置11bを備える。表示装置11aは、ユーザーに対して各種画面を表示する。表示装置11aに表示されるキー画像およびタッチパネルによりソフトキーが実現される。入力装置11bは、ユーザーにより入力される、ハードキーまたはソフトキーに対するユーザー操作を受け付ける。
【0018】
人感センサー12は、操作パネル11の前方の所定範囲にいる人を検出するセンサー(赤外線センサーなど)である。
【0019】
記憶装置21は、フラッシュメモリーなどの不揮発性の書換可能な記憶装置である。
【0020】
演算処理装置22は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを有するコンピューターであって、記憶装置21やROMからRAMにプログラムをロードして実行して、各種処理部として動作する。演算処理装置22は、コントローラー31、コード管理部32、サーバー処理部33、および認証処理部34として動作する。
【0021】
プリント装置23は、ユーザー操作に基づくプリントジョブ要求に従って、プリントジョブ要求により指定された画像をプリント用紙にプリントする。また、画像読取装置24は、ユーザー操作に基づくコピージョブ要求に従って、原稿から原稿画像を光学的に読み取り、その原稿画像の画像データを生成する。ファクシミリ装置35は、ユーザー操作に基づくファクシミリ送信ジョブ要求に従って、ファクシミリ送信ジョブ要求により指定された画像のファクシミリ信号を生成し送信するとともに、外部からファクシミリ信号を受信しそのファクシミリ信号から画像データを生成する。通信装置26は、無線または有線のネットワークインターフェイスなどであって、外部の装置(携帯端末装置2など)との間でデータ通信を行う。
【0022】
コントローラー31は、プリント装置23、画像読取装置24、ファクシミリ装置25、通信装置26などの内部装置を制御して、ジョブ要求で指定されたジョブを実行する。例えば、コントローラー31は、プリントジョブ要求を受信すると、そのプリントジョブ要求により指定された画像をプリント装置23にプリントさせ、コピージョブ要求を受信すると、そのコピージョブ要求により指定されたスキャン設定で原稿画像のスキャンを画像読取装置24で行い、そのコピージョブ要求により指定されたプリント設定で、その原稿画像をプリント装置23にプリントさせる。
【0023】
なお、コントローラー31は、画像形成装置1の起動時に、動作モードを通常モードとし、動作モードが通常モードであるときに、所定時間長のユーザー非検出期間が発生すると、動作モードを通常モードからスリープモードに変更し、動作モードがスリープモードであるときに、操作パネル11や人感センサー12でユーザーが検出されたり、ネットワークを介してジョブ要求が受信されると、動作モードをスリープモードから通常モードに変更する。スリープモードでは、表示装置42などが消灯されたり、所定の内部装置の電源が遮断されて、通常モードより消費電力が低くなる。
【0024】
この実施の形態では、上述のジョブ要求は、第1のパネル動作モードでは、操作パネル11に対するユーザー操作に基づいて入力され、第2のパネル動作モードでは、携帯端末装置2から受信される。第1のパネル動作モードでは、操作パネル11に表示されたメニュー画面に対するユーザー操作が、ユーザー所望の機能(プリント、コピーなど)に対応するジョブ要求として受け付けられる。第2のパネル動作モードでは、第2のパネル動作モードでのメニュー画面などは表示されずに、携帯端末装置2に表示される操作画面に対する操作に基づくジョブ要求が携帯端末装置2から受信される。
【0025】
第1のパネル動作モードおよび第2のパネル動作モードは、システム設定、ユーザー操作などによってコントローラー31によって選択される。以下では、第2のパネル動作モードで動作する画像形成装置1の処理部について説明する。
【0026】
コード管理部32は、当該画像形成装置の1または複数の機能(プリント、コピーなど)に対応する機能コードを生成し、ネットワークにおける当該画像形成装置1に固有なネットワーク識別情報(ここでは、URL(Uniform Resource Locator))がエンコードされた可視コード(例えばQRコード(登録商標))と、生成した機能コードとを表示装置11aに表示する。なお、複数の機能コードが生成され表示される場合、それらの機能コードの値は、互いに異なるように生成される。
【0027】
図3は、図1における画像形成装置1に表示される可視コードおよび2つの機能コードの一例を示す図である。例えば図3に示すように、操作パネル11の表示装置11aには、1つの画面において、可視コード101および2つの機能コード111,112が表示される。機能コード111は、コピー機能の機能コードであり、機能コード112は、プリント機能の機能コードである。機能コード111の値は37に設定されており、機能コード112の値は25に設定されている。つまり、ここでは、機能コード111,112は、2桁の数字で指定される。なお、表示される機能コードの桁数(文字数)および文字種は特に限定されない。
【0028】
サーバー処理部33は、ウェブサーバー機能を備え、ネットワークを介して、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)などで送信された要求を受信する。
【0029】
特に、サーバー処理部33は、上述の可視コードにエンコードされたネットワーク識別情報で接続してきた携帯端末装置2に対して、ネットワークを介して、機能指定画面データ(HTML(Hypertext Markup Language)で記述されたウェブページデータ)を送信する。
【0030】
また、サーバー処理部33は、ネットワークを介して、その機能指定画面データの宛先の携帯端末装置2から受信された認証要求を受信し、認証要求に対する認証に成功した場合には、認証要求により指定された機能コードに対応する操作画面データ(HTMLで記述されたウェブページデータ)を送信する。
【0031】
認証処理部34は、サーバー処理部33により受信された機能コードが、表示装置11aに表示された機能コードに一致するか否かを判定する認証処理を実行する。
【0032】
受信された機能コードが表示された機能コードに一致する場合には、上述のように、機能コードに対応する操作画面データがその携帯端末装置2に送信される。一方、受信された機能コードが表示された機能コードに一致しない場合には、操作画面データはその携帯端末装置2に送信されず、認証エラーが応答としてその携帯端末装置2に送信される。
【0033】
なお、画像形成装置1の動作モードがスリープモードであるときに人感センサー12により人が検出されると、コントローラー31が動作モードを通常モードに変更する際に、コード管理部32は、表示すべき機能コードを更新し、可視コードおよび機能コードの表示を開始する。一方、人感センサー12により人が検出されなくなると、コントローラー31は、動作モードをスリープモードに変更し、コード管理部32は、可視コードおよび機能コードの表示を停止する。
【0034】
また、認証処理部34は、所定回数(例えば3回)、機能コードが受信され、受信された機能コードが表示された機能コードに一致しない場合、それ以降の上述の認証処理を禁止し(つまり、操作画面データの送信を禁止し)、(b)その認証処理の禁止後、画像形成装置1の動作モードがスリープモードから通常モードに変更されたときに、その認証処理の禁止を解除する。
【0035】
なお、機能コードの値は、ランダムに決定され、更新時に新たに乱数などで生成される。
【0036】
また、上述の認証処理において、受信した機能コードが表示した機能コードに一致した場合、コード管理部32は、表示すべき機能コードを更新するようにしてもよい。
【0037】
図4は、図1における携帯端末装置2の構成を示すブロック図である。
【0038】
携帯端末装置2は、無線通信装置41、表示装置42、入力装置43、撮影装置44、記憶装置45、演算処理装置46などを備える。
【0039】
無線通信装置41は、所定の無線通信規格の通信回路である。無線通信装置41は、無線LANインターフェイス、および/または携帯電話通信網のインターフェイス(RFインターフェイス、ベースバンド部など)である。
【0040】
表示装置42は、携帯端末装置2の筐体に配置されている液晶ディスプレイなどの装置であって、各種画面をユーザーに対して表示する。入力装置43は、ユーザー操作を検出する装置であって、表示装置42上に配置されたタッチパネル、ハードキーなどを備える。撮影装置44は、光学系およびイメージセンサーを備え、光学系による視野の画像をイメージセンサーで検出し画像データとして出力する。
【0041】
記憶装置45は、フラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶装置であり、プログラムおよびデータを記憶している。記憶装置45は、オペレーティングシステムのプログラム、汎用ウェブブラウザーおよび汎用可視コードデコーダーのプログラムなどを記憶している。
【0042】
演算処理装置46は、CPU、ROM、RAMなどを有するコンピューターであって、記憶装置45やROMからRAMにプログラムをロードして実行して、各種処理部として動作する。この実施の形態では、演算処理装置46は、汎用の可視コードデコーダー46aおよび汎用のウェブブラウザー46bとして動作する。
【0043】
なお、ここでは、可視コードデコーダー46aは、QRコード(登録商標)などといった特定の2次元コード用の可視コードデコーダーである。また、可視コードデコーダー46aおよびウェブブラウザー46bは、オペレーティングシステムに付属しているものでよく、別途インストールする必要はない。
【0044】
図5は、図4に示す携帯端末装置2により撮影された、可視コードを含む撮影画像201の表示例を示す図である。可視コードデコーダー46aは、入力装置43に対するユーザー操作に従って、撮影装置44を制御して可視コードを撮影して、撮影画像201を生成し、撮影画像201内の可視コードをデコードして上述のネットワーク識別情報(ここでは、URL)を取得し、ウェブブラウザー46bに出力する。
【0045】
ウェブブラウザー46bは、無線通信装置41を使用して、(ここではHTTPに従って)そのネットワーク識別情報に基づいてネットワークを介して画像形成装置1に接続して、画像形成装置1からネットワークを介して機能指定画面データを受信し、その機能指定画面データに基づく機能指定画面を表示装置42に表示する。
【0046】
図6は、図4に示す携帯端末装置2により表示される機能指定画面の一例を示す図である。例えば図6に示すように、機能指定画面は、機能コードの入力フィールド201、機能コードの入力に使用されるソフトキーパッド202、および、機能コードを送信するための送信キー203を含む。
【0047】
さらに、ウェブブラウザー46bは、入力装置43に対するユーザー操作によって機能指定画面に対して入力された機能コード(つまり、ユーザーの選択した機能の機能コード)を特定し、無線通信装置41を使用して、ネットワークを介して画像形成装置1に、その入力された機能コードを送信する。
【0048】
その後、ウェブブラウザー46bは、その機能コードに対応する操作画面データが画像形成装置1からネットワークを介して送信されてきた場合(つまり、入力された機能コードが正しかった場合)、その操作画面データを受信し、その操作画面データに基づく操作画面(つまり、ユーザーの選択した機能の操作画面)を表示する。
【0049】
次に、上記機器制御システムの動作について説明する。図7は、図1に示す機器制御システムの動作について説明するシーケンス図である。
【0050】
表示タイミング(通常モードへの動作モードの変更、画像形成装置1の起動時など)を検出すると、コード管理部32は、新たな機能コードを生成し(ステップS1)、可視コードと生成した機能コードを表示装置42に表示する(ステップS2)。
【0051】
ユーザーは、携帯端末装置2を操作して携帯端末装置2に可視コードを撮影させる。その際、携帯端末装置2の可視コードデコーダー46aは、可視コードの撮影画像を生成し(ステップS3)、その撮影画像に含まれる可視コードをデコードしてネットワーク識別情報を取得する(ステップS4)。ウェブブラウザー46bは、そのネットワーク識別情報が取得されると、そのネットワーク識別情報の示す画像形成装置1に対して、機能指定画面データ要求を送信する(ステップS5)。つまり、そのネットワーク識別情報としてのURLの示すウェブページの送信要求がHTTPで送信される。
【0052】
画像形成装置1では、サーバー処理部33は、通信装置26を使用して、その要求を受信すると、その要求で指定されたウェブページのデータファイル(つまり、機能指定画面データ)を記憶装置21から読み出して、通信装置26を使用して、その要求の応答として送信する(ステップS6)。
【0053】
携帯端末装置2では、ウェブブラウザー46bは、機能指定画面データ要求の応答として、機能指定画面データを受信し、受信した機能指定画面データに基づいて、機能指定画面を表示装置42に表示する(ステップS7)。
【0054】
ユーザーは、携帯端末装置2に表示された機能指定画面に対して、携帯端末装置2を操作して、画像形成装置1に表示された1または複数の機能コードのうちの、所望の機能の機能コードを入力する。その際、携帯端末装置2では、ウェブブラウザー46bは、入力装置43で入力された機能コードを特定し(ステップS8)、その機能コードを、その画像形成装置1に送信する(ステップS9)。
【0055】
画像形成装置1では、サーバー処理部33は、通信装置26を使用して、その機能コードを受信し、その機能コードが受信されると、認証処理部34は、コード管理部32から、表示された機能コードを取得し、サーバー処理部33から、受信された(ユーザーにより入力された)機能コードを取得し、受信された(ユーザーにより入力された)機能コードが、表示された機能コードのいずれかに一致するか否かを判定する(ステップS10)。
【0056】
認証処理部34によりユーザー所望の機能の特定および認証に成功すると(つまり、ユーザーにより入力された機能コードが、表示された機能コードのいずれかに一致した場合)、サーバー処理部33は、ユーザーにより入力された機能コードに対応する機能の操作画面データを記憶装置21から読み出して、通信装置26を使用して携帯端末装置2に送信する(ステップS11)。
【0057】
携帯端末装置2では、ウェブブラウザー46bは、その操作画面データを受信し、受信した操作画面データに基づいて、ユーザー所望の機能の操作画面を表示装置42に表示する(ステップS12)。
【0058】
その後、ユーザーは、携帯端末装置2を操作して、その操作画面を使用して、画像形成装置1にその機能のジョブを実行させる。その際、携帯端末装置2では、ウェブブラウザー46bは、入力装置43により検出されたユーザー操作に対応するコマンドをその画像形成装置1に送信し、画像形成装置1では、サーバー処理部33は、そのコマンドを受信すると、そのコマンドをコントローラー31に出力し、そのコマンドに対応する処理を実行させる。
【0059】
一方、ステップS10においてユーザー所望の機能の特定および認証に失敗した場合(つまり、ユーザーにより入力された機能コードが、表示された機能コードのいずれにも一致しなかった場合)、サーバー処理部33は、認証エラーを示す応答を、通信装置26を使用して携帯端末装置2に送信する。携帯端末装置2では、ウェブブラウザー46bは、その応答を受信し、認証エラーが発生した旨を示すメッセージを表示装置42に表示する。この場合、操作画面は表示されない。
【0060】
以上のように、上記実施の形態によれば、画像形成装置1は、(a)当該画像形成装置1のネットワーク識別情報がエンコードされた可視コード101と、当該画像形成装置1の1または複数の機能に対応する機能コード111,112とを表示し、(b)ネットワーク識別情報で接続してきた携帯端末装置2に対して機能指定画面データを送信し、(c)その携帯端末装置2からネットワークを介して、機能指定画面データに基づく機能指定画面に対して入力された機能コードを受信し、(d)受信した機能コードが表示した機能コードに一致するか否かを判定する認証処理を実行し、(e1)受信した機能コードが表示した機能コードに一致する場合には、ネットワークを介して、機能コードに対応する操作画面データを携帯端末装置2に送信し、(e2)受信した機能コードが表示した機能コードに一致しない場合には、操作画面データを携帯端末装置2に送信しない。携帯端末装置2は、(a)可視コードを撮影して撮影画像201を生成し、(b)その撮影画像201内の可視コードをデコードしてネットワーク識別情報を取得し、ネットワーク識別情報に基づいてネットワークを介して画像形成装置1に接続し、(c)画像形成装置1からネットワークを介して機能指定画面データを受信し、(d)汎用ブラウザー(ウェブブラウザー46b)で機能指定画面データに基づく機能指定画面を表示し、(e)ユーザーによって機能指定画面に対して入力された機能コードを特定し、ネットワークを介して画像形成装置1に機能コードを送信し、(f)その機能コードに対応する操作画面データを画像形成装置1からネットワークを介して受信し、(g)その操作画面データに基づく操作画面を表示する。
【0061】
これにより、ユーザーは汎用ブラウザーで画像形成装置1を操作できるとともに、1つの機能コードに基づいて、ユーザーの利用したい機能の特定および認証を一括して行うため、良好なユーザビリティで、携帯端末装置2で画像形成装置1が利用可能となる。
【0062】
また、人感センサー12を使用して可視コードおよび機能コードの表示のオン/オフが制御されるため、ユーザーは、操作パネル11に接触することなく、自己の携帯端末装置2で画像形成装置1の操作を開始することができる。ひいては、ウイルス感染症などの原因となる接触感染が画像形成装置1の操作パネル11を介して発生することが抑制される。
【0063】
なお、上述の実施の形態に対する様々な変更および修正については、当業者には明らかである。そのような変更および修正は、その主題の趣旨および範囲から離れることなく、かつ、意図された利点を弱めることなく行われてもよい。つまり、そのような変更および修正が請求の範囲に含まれることを意図している。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、例えば、画像形成装置を含む機器制御システムに適用可能である。
【符号の説明】
【0065】
1 画像形成装置
2 携帯端末装置
11a 表示装置
26 通信装置
32 コード管理部
33 サーバー処理部
34 認証処理部
図1
図2
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図5
図6
図7