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特許7615481保護用圧力機構を有する圧力センサアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】保護用圧力機構を有する圧力センサアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   G01L 19/06 20060101AFI20250109BHJP
   G01L 9/00 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
G01L19/06 102
G01L9/00 301Z
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020095861
(22)【出願日】2020-06-02
(65)【公開番号】P2020201252
(43)【公開日】2020-12-17
【審査請求日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】16/434,124
(32)【優先日】2019-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518345815
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ソリューソンズ ゲーエムベーハー
(73)【特許権者】
【識別番号】510225465
【氏名又は名称】メジャメント スペシャリティーズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】ファイファー,マルティン
(72)【発明者】
【氏名】ダルジャカ,プレドラグ
(72)【発明者】
【氏名】ル・ニール,ジャン・フランソワ
(72)【発明者】
【氏名】ワグナー,デーヴィッド エリック
(72)【発明者】
【氏名】ムアジズ シェヘラザード
【審査官】松山 紗希
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-004567(JP,A)
【文献】特開平05-288624(JP,A)
【文献】特開2006-194680(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 7/00-23/32
H01L 29/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
感知膜(46)を備えるセンサ本体(32)であって、前記感知膜(46)が、流体の圧力を判定する目的で前記膜と流体を連通するように前記センサ本体内に配置される、センサ本体(32)と、
前記センサ本体(32)に接続され、外部源から前記流体を受け取るための開口(47)を備える支持体(34)とを備え、前記開口が前記感知膜(46)と流体流連通し、
前記センサ本体(32)または前記支持体(34)のうちの一方が、前記開口から前記流体を受け取って前記感知膜(46)へ伝達するためのチャネル(52)を備え、前記チャネル(52)が、前記感知膜(46)への圧力スパイクの伝送を軽減するために、方向の変化および異なるサイズの区間のうちの一方または両方を有するように構成され、
前記チャネル(52)は、前記感知膜(46)を取り囲んで設けられる、
圧力センサアセンブリ(30)。
【請求項2】
前記チャネル(52)の少なくとも一部分は、前記支持体の前記開口(47)および前記感知膜(46)のうちの一方に対して実質的に横断方向に延びている、請求項1に記載の圧力センサアセンブリ(30)。
【請求項3】
前記チャネル(52)は、前記支持体の前記開口(47)と前記膜(46)との間に介在する2つ以上の異なるサイズの区間(55)を含む、請求項1に記載の圧力センサアセンブリ(30)。
【請求項4】
前記チャネル(52)は、それぞれ約45~150度の一連の2つ以上の方向変化を有している、請求項1に記載の圧力センサアセンブリ(30)。
【請求項5】
前記チャネル(52)は、少なくとも2つの方向変化を含み、1つまたは複数の異なるサイズの区間を含む、請求項1に記載の圧力センサアセンブリ(30)。
【請求項6】
MEMSセンサの形態であり、前記センサ本体(32)は、シリコンから形成され、内部チャンバ(44)を備え、前記感知膜(46)は、前記内部チャンバ(44)の一方の端部に配置され、前記支持体(34)は、シリコンおよびガラスからなる群から選択された材料から形成されている、請求項1に記載の圧力センサアセンブリ(30)。
【請求項7】
シリコンから形成されたセンサ本体(32)であって、前記センサ本体(32)内に配置された内部チャンバ(44)、および前記内部チャンバの一方の端部に位置する膜(46)を備え、前記センサ本体が前記膜とは反対側に境界面(36)を有する、センサ本体(32)と、
前記センサ本体に入って前記膜に接触する流体の圧力を判定するように前記膜に接続された電気感知素子と、
前記センサ本体の前記境界面(36)に取り付けられ、前記センサ本体(32)へ伝達すべき流体を受け取るための開口(47)を有する支持体(34)と、
前記開口(47)と前記膜(46)との間に配置され、MEMS圧力センサ(30)と一体であり、前記MEMS圧力センサ内に1つまたは複数の方向変化を有するチャネルを備えた圧力軽減要素(52)とを備え
前記チャネル(52)は、前記膜(46)を取り囲んで設けられるMEMS圧力センサ(30)。
【請求項8】
前記チャネル(52)は、互いに約90度離れるように向けられた2つの区間(55)および(57)を含む、請求項7に記載のMEMS圧力センサ(30)。
【請求項9】
前記チャネル(52)は、前記開口とは異なるサイズの区間(55)を含む、請求項7に記載のMEMS圧力センサ(30)。
【請求項10】
前記チャネル(52)は、前記センサ本体(32)内に配置され、約90度以上の2つ以上の方向変化を含む、請求項7に記載のMEMS圧力センサ(30)。
【請求項11】
前記チャネル(52)は、前記内部チャンバ(44)の外部周辺に延び、前記膜(46)とは反対側の前記内部チャンバ(44)の軸方向端部に入る終端(54)を含む、請求項7に記載のMEMS圧力センサ(30)。
【請求項12】
圧力センサアセンブリ(30)によって監視されている流体の圧力スパイクを軽減する方法であって、
監視すべき流体をセンサアセンブリ支持体(34)の開口(47)内へ受け取るステップと、
前記流体を前記センサアセンブリ支持体(34)から前記センサアセンブリ支持体(34)に取り付けられたセンサ本体(32)へ伝達するステップであり、前記センサ本体(32)が、内部チャンバ(44)および前記内部チャンバ(44)に接続された感知膜(46)を備え、前記感知膜(46)が前記流体と連通する、伝達するステップと、
前記流体の圧力スパイクの大きさを低減させて前記感知膜(46)を損傷から保護するために、前記圧力センサアセンブリ(30)内で前記流体を処理するステップであり、前記センサ内で前記開口(47)と前記感知膜(46)との間に配置され、前記感知膜(46)を取り囲んで設けられる圧力軽減要素(52)によって前記流体を経路指定する、処理するステップとを含む方法。
【請求項13】
前記圧力軽減要素は、前記センサ本体(32)または前記センサアセンブリ支持体(34)と一体のチャネル(52)であり、前記処理するステップ中、前記流体は、前記感知膜(46)に到達する前に前記流体の圧力スパイクの前記大きさを低減させるために、前記センサ本体または前記センサアセンブリ支持体内で前記チャネル(52)を通って前記センサアセンブリ支持体の前記開口(47)および前記感知膜(46)のうちの一方に対して実質的に横断方向に誘導される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記処理するステップ中、前記流体は、前記チャネル(52)を通ってそれぞれ約45~150度の2つ以上の方向変化をなすように誘導される、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記圧力軽減要素は、前記センサ本体(32)または前記センサアセンブリ支持体(34)と一体のチャネル(52)であり、前記処理するステップ中、前記流体は、前記感知膜(46)に到達する前に前記流体の圧力スパイクの前記大きさを低減させるために、前記チャネルの他の区間に対して拡大された体積を有する前記チャネル(52)の1つまたは複数の異なるサイズの区間を通って誘導される、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示する圧力センサアセンブリは、監視されている外部源からの気体または流体と連通するセンサ膜またはダイヤフラムを備える圧力センサに関し、より詳細には、高圧スパイクなどの過渡的な流体圧力事象によって引き起こされる損傷からの改善された程度の保護を提供する圧力センサに関する。
【背景技術】
【0002】
圧力センサが流体流連通する外部源からの流体の圧力を測定または監視するための圧力センサアセンブリまたは圧力センサの使用が、当技術分野では知られている。従来の圧力センサアセンブリは、流体に接触するダイヤフラムまたは膜(membrane)を備え、ダイヤフラムまたは膜は、流体の圧力を、流体圧力がかかるダイヤフラムの応力または変位に変換する目的で薄壁構造を有するように構成される。典型的には、そのような圧力センサは、外部源から流体を受け取るためのポートまたは開口を有し、流体は、圧力センサ内でダイヤフラムまたは膜へ伝達され、1つまたは複数の検出素子がダイヤフラムに接続されて、ダイヤフラムの動きに関するデータの測定または取得/信号の受信を行い、それによって流体圧力を判定する。
【0003】
そのような従来の圧力センサに伴う問題は、測定されている流体が、高圧の過渡的事象、たとえば圧力スパイクを生成することが可能な外部源からくる可能性があり、そのような圧力は、圧力ダイヤフラムまたは膜へ伝送されると、設計圧力の範囲外になり、それによって圧力ダイヤフラムまたは膜に損傷を引き起こす可能性があり、すなわちダイヤフラムまたは膜がその設計降伏点を超えて曲がり、圧力センサを恒久的に損傷するおそれがあることである。
【0004】
そのような問題を考慮して、当技術分野でスナバデバイスと呼ばれる付属デバイスが開発され、外部流体源と圧力センサとの間に配置される補助デバイスとして構築されてきた。そのようなスナバデバイスは、ダイヤフラム、小型のオリフィスもしくは制限器、または自由に動く管材の形態であり、過渡的な流体圧力事象の衝撃波を軽減して圧力センサに入る前に衝撃波を低減または軽減するように動作する。しかし、そのような補助スナバデバイスは外部デバイスであるため、圧力センサの全体的なパッケージングコストおよびサイズが増し、たとえば車両のエンジンまたはパワートレイン部材とともに使用されるときなど、設置された圧力センサの取付けのための空間が少なくて貴重である最終使用用途に適さない可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、過渡的な流体圧力事象、たとえば圧力スパイクによる損傷からの所望のレベルの保護を提供するように圧力センサアセンブリが構築されることが所望される。さらに、そのような圧力センサアセンブリは、パッキングおよび配置の目的で、圧力センサアセンブリの全体的なサイズを増すことなくそのような保護を提供し、上述した外部スナバデバイスまたは他の外部デバイスの必要を回避するように構築されることが所望される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示する圧力センサアセンブリは、概して、センサ本体を備え、本体内に感知膜またはダイヤフラムが配置され、流体が、流体の圧力を判定する目的で膜と連通される。本体に支持体が接続され、支持体は、外部源から流体を受け取るための開口を含み、開口は膜と流体流連通(fluid-flow communication)する。圧力センサ内には、感知膜への流体圧力スパイクの伝送を軽減して膜を損傷から保護するように構成された1つまたは複数の要素が配置される。
一例では、本体または支持体のうちの一方が、開口から流体を受け取って膜へ伝達するためのチャネルを備え、チャネル自体は、流体圧力スパイクからの所望の保護を提供するように構成することができ、たとえばチャネルは、本体もしくは支持体内に2つ以上の方向変化を含むことができ、またはチャネルは、1つもしくは複数の寸法変化を含むことができる。一例では、チャネルの一部分は、支持体開口および感知膜のうちの一方に対して実質的に横断方向に延びている。一例では、チャネルは、それぞれ約45~150度の一連の2つ以上の方向変化を有している。一例では、チャネルは、支持体開口と膜との間に介在する1つまたは複数の異なるサイズの区間を含む。チャネルは、センサ本体および支持体の一方または両方と一体とすることができ、センサ本体および支持体の一方または両方内に配置することができる。
例示的な実施形態では、チャネルは、流体圧力スパイクからの所望の保護の提供を支援するように構成された本体および/または支持体内に配置された内部チャンバまたは空洞と流体流連通することができる。一例では、圧力センサは、MEMSセンサの形態であり、センサ本体は、シリコンから形成され、内部チャンバを備え、感知膜は、チャンバの一方の端部に配置され、支持体は、シリコンおよびガラスからなる群から選択された材料から形成されている。一例では、圧力センサは、膜の動きから流体圧力を判定するように膜に接続された1つまたは複数の電気感知素子を備える。
【0007】
本明細書に開示する圧力センサアセンブリによって監視されている流体の圧力スパイクを軽減する方法は、監視すべき流体をセンサアセンブリ支持体内の開口へ受け取ることを含む。流体は、内部チャンバおよび感知膜を備えるセンサ本体へ支持体から伝達され、感知膜は、流体と連通する。流体は、感知膜へ伝達される前に、流体の圧力スパイクの大きさを低減させて感知膜を損傷から保護するように処理される。そのような処理は、支持体または本体のうちの一方に配置されかつ開口と感知膜との間に介在するチャネルによって流体を経路指定することを含むことができる。チャネルは、上述したように構成することができ、かつ/または第2の内部チャンバもしくは空洞と流体流連通して流体圧力スパイクの大きさの低減を支援することができる。
【0008】
本明細書に開示する圧力センサアセンブリについて、添付の図を参照しながら例として次に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】従来技術の圧力センサアセンブリの断面側面図である。
図2A】本明細書に開示する例示的な圧力センサアセンブリの側面断面図である。
図2B】本明細書に開示する例示的な圧力センサアセンブリの上面断面図である。
図3A】本明細書に開示する例示的な圧力センサアセンブリの側面断面図である。
図3B】本明細書に開示する例示的な圧力センサアセンブリの上面断面図である。
図4】本明細書に開示する例示的な圧力センサアセンブリの断面側面図である。
図5】本明細書に開示する例示的な圧力センサアセンブリの断面側面図である。
図6】本明細書に開示する例示的な圧力センサアセンブリの断面側面図である。
図7】本明細書に開示する例示的な圧力センサアセンブリの断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、圧力センサアセンブリの実施形態について、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。添付の図面では、同じ参照番号が同様の要素を指す。しかし、本明細書に開示する圧力センサアセンブリまたは圧力センサは、多くの異なる形態で実施することができ、本明細書に記載する実施形態に限定されると解釈されるべきではなく、逆にこれらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全になり、圧力センサアセンブリの概念を当業者へ十分に伝えるために提供される。
【0011】
本明細書に開示する圧力センサアセンブリまたは圧力センサは、概して、支持体または基板に接続されたセンサ本体を備え、センサ本体または支持体のうちの一方は、圧力測定/監視のために圧力センサに入る流体の過渡的な流体圧力事象に起因する衝撃波を軽減するように構成されたチャネルの形態の一体機構または要素を含むように特別に設計される。一例では、本明細書に開示する圧力センサは、外部デバイスの流体の圧力を監視または測定し、コントローラ、プロセッサなどの遠隔デバイスへ圧力信号を送るための微小電気機械システム(MEMS)圧力センサの形態で構成される。
本明細書に開示する圧力センサの特徴は、内蔵/一体の流体衝撃軽減機構を備えるように構築され、それによって外部のスナバなどを使用する必要を未然に防ぎ、それに伴う上述した欠陥を回避することである。本明細書に開示する圧力センサアセンブリは、気体または流体のサービスで使用することができることを理解されたい。そのようなアセンブリのさらなる特徴は、普通なら膜に直接届きうる流体中に存在する粒子によって引き起こされる可能性のある損傷からの保護を助けるように構築することができることである。
【0012】
図1は、シリコンセンサ本体12を備える従来技術のMEMS圧力センサ10を示し、シリコンセンサ本体12は、従来の方法によって底面14に沿ってガラス支持体または基板16に取り付けられ、または他の方法で接合される。支持体16は、外部流体源への圧力センサの取付けが、そのような介在する取付けを強化するように構成されたさらなるアセンブリまたはハウジング(図示せず)を使用して容易に監視または測定されるように構成される。
この例は、ガラスから形成された頂部カバー18を含み、頂部カバー18は、従来の方法によってセンサ本体12の上面20に取り付けられ、または他の方法で接合される。センサ本体は、内部チャンバ22と、内部チャンバの一方の端部に沿って配置された膜またはダイヤフラム24とを含み、膜またはダイヤフラム24は、膜またはダイヤフラム24に流体圧力がかかることに応答して動くように構成される。
【0013】
外部源からの流体は、一定の直径の開口26を通って圧力センサ10に入る。開口26は、支持体16を通過し、センサ本体の内部チャンバ22との連続した隠されていない流体流連通を提供する。圧力センサに入る流体の圧力が変化すると、膜またはダイヤフラム24が動かされる。頂部カバー18は、知られている基準体積を提供するチャンバ28を含み、流体圧力の変化に起因するダイヤフラムまたは膜の動きにより、基準体積が変化し、これらの変化は、そこから流体体積圧力を判定する目的で監視および測定される。そのような圧力センサは、流体圧力に応答したセンサの特性の変化に応答して出力信号を提供する目的で膜またはセンサの他の部分に接続することができる圧電抵抗素子などの電気圧力感知素子を備える。
【0014】
図1に示すそのような従来技術のMEMS圧力センサは、ダイヤフラムまたは膜の画定された流体圧力条件および降伏条件の範囲内で動作するように設計された感知ダイヤフラムまたは膜を備える。過渡的な流体高圧事象またはスパイク中など、圧力センサが受ける流体圧力が画定された条件の範囲外になった場合、ダイヤフラムまたは膜が裂けたり他の形で損傷したりする可能性があり、それによって圧力センサが使用不能になるおそれがある。そのような従来技術の圧力センサ10では、圧力センサに入る流体は、基板の開口26を通って圧力センサの内部チャンバ22に直接入り、ダイヤフラムまたは膜24に接触する。
基板の開口からセンサ本体の内部チャンバへ動く体積がわずかに増大するが、そのような体積の変化は、そのような過渡的な流体高圧スパイクからダイヤフラムにかかる衝撃の影響を軽減または相殺するには十分でない。簡単に上述したように、従来技術の圧力センサのそのような制限に対処するために、外部のスナバデバイスが使用されており、そのようなスナバは、外部流体源とMEMS圧力センサとの間に介在する。
【0015】
図2Aおよび図2Bは、本明細書に開示する例示的な圧力センサアセンブリまたは圧力センサ30を示す。一例では、圧力センサは、センサ本体32と、センサ本体の下面36に沿ってセンサ本体に取り付けられまたは接合された基板または支持体34とを備えるMEMSセンサである。一例では、センサ本体は、シリコンから形成することができ、たとえば単結晶シリコンまたは他の好適なシリコンの形態のシリコンウェーハとして提供することができる。支持体34は、センサ本体を形成するために使用される材料に類似した熱膨張係数を有する材料から形成することができる。一例では、支持体は、化学的に不活性でありかつセンサ本体に接合することができる、シリコンまたはガラスもしくはPYREXなどの他の材料を含む群から選択することができる。一例では、支持体34は、ガラスから形成される。
【0016】
圧力センサ30は、頂部カバーまたは上部支持体38を含み、上部支持体38は、上述した支持体34と同じタイプの材料から形成することができ、上面40に沿ってセンサ本体に取り付けられまたは接合される。上部支持体38は、基準体積を提供するように構成された内部チャンバ42を含む。センサ本体32は、本体内で支持体34との境界面から内部チャンバの反対側の端部に位置決めされた感知ダイヤフラムまたは膜46まで延びる内部チャンバ44を含む。ダイヤフラムまたは膜46は、内部チャンバ44内に流体が配置されたとき、ダイヤフラムまたは膜に流体圧力がかかることに応答して動くように構成される。例示的な実施形態では、内部チャンバ44は、本体の下面36からダイヤフラムまたは膜46へ動くにつれて直径が減少する円錐形の形状を有するように構成される。
【0017】
支持体34は、支持体底面48とセンサ本体32に取り付けられた支持体頂面50との間に画定される支持体の厚さを通って配置された流体開口47を含む。支持体内の開口47は、機械加工、エッチング、成形などの従来の方法によって形成することができる。この例では、開口47は連続する直径を有するが、所望される場合、開口は可変の直径を有するように構成することもできることを理解されたい。センサ本体32へ動くと、開口47は、開口47の頂部に位置決めされたセンサ本体の流体入口ポート51と流体流連通する。一例では、入口ポート51は、たとえば開口47の直径とほぼ同じ直径を有する開口を補完するように構成することもできる。
【0018】
図2Bに最もよく示されているように、センサ本体は、ポート51と流体流連通する一方の端部53からセンサ本体の内部チャンバおよび感知膜46と流体流連通する別の端部54まで延びるチャネル52の形態の圧力軽減要素を備える。一例では、チャネル52は、センサ本体と一体であり、センサ本体内に2つ以上の方向変化を含む。一例では、チャネルは、一連の異なる区間を含み、各区間は、隣接区間に対してデパーチャ角を有する。一例では、そのようなデパーチャ角は、約90度とすることができる。しかし、チャネル区間の構成およびそのような区間の互いに対する近似デパーチャ角は、特定の最終使用用途による必要に応じて変更することができることを理解されたい。
【0019】
一例では、チャネルは、ダイヤフラムまたは膜を使用中の損傷から保護するために、圧力スパイクなどの過渡的な流体圧力作用の所望の軽減、低減、または解消を提供するように構成される。図2Bに示す特定の例では、チャネル52は、そのような過渡的な流体圧力作用の所望の軽減の提供を助けるために、開口47の直径より小さい直径を有するように構成される。一例では、チャネル52は、開口47の約10パーセントより小さい断面図を有することができる。開口47は、ポート付パッケージに取り付けられるダイの許容差を考慮して位置合わせを実現することができるようにより大きいサイズである。
【0020】
この例示的な実施形態では、チャネル52は、ポート51と内部チャンバ44との間に延びる約5つの区間を含み、第1の区間55は直線であり、センサ本体内で本体の第1の縁部56に平行な方向に第1の縁部56に隣接して第2の区間57との接点まで延びる。第2のチャネル区間は、第1の区間に対して約90度のデパーチャ角を有し、本体の第2の縁部58に平行な方向に第2の縁部58に隣接して第3の区間60との接点まで延びる。第3のチャネル区間は、第2の区間に対して約90度のデパーチャ角を有し、第1の縁部56とは反対側の本体の第3の縁部62に平行な方向に第3の縁部62に隣接して第4の区間64との接点まで延びる。第4のチャネル区間は、第3の区間に対して約90度のデパーチャ角を有し、第2の縁部58とは反対側の本体の第4の縁部66に平行な方向に第4の縁部66に隣接して第5の区間67との接点まで延びる。
第5のチャネル区間は、第4の区間に対して約90度のデパーチャ角を有し、本体の第1の縁部56および第3の縁部62に平行な方向にセンサ本体の内部チャンバまで延びる。このように構成されたチャネル52は、過渡的な流体圧力事象を軽減してダイヤフラムおよび膜を望ましくない損傷から保護するために、センサ本体内でポート51から内部チャンバを回って内部チャンバとの接点まで延びる。一例では、チャネルが長ければ長いほど応答は遅くなるが、圧力スパイクがさらに軽減されるため、このチャネルの長さは、特有の最終使用用途に合わせて最適化される。
【0021】
この例示的な圧力センサ30の特徴は、チャネル52が、機械加工プロセス、エッチングプロセス、堆積プロセスなどによってセンサ本体内に形成することができるセンサ本体32の一体部分であることである。この例示的な圧力センサ30のチャネル52について、一定の直径および複数の相互接続された区間を有するものとして説明および開示してきたが、チャネルは、1つまたは複数の異なる直径の区間または区分を有するように、たとえば1つまたは複数のチャネル区間の直径が他の区間より大きくまたは小さくなるように構成することもできることを理解されたい。
【0022】
さらに、この実施形態のチャネル区間について、隣接区間に対して90度のデパーチャ角を有するものとして説明したが、デパーチャ角は異なってもよいことを理解されたい。たとえば、チャネルの異なる隣接区間または区分間のデパーチャ角は、特定の圧力センサ構成および最終使用用途に応じて、45~150度および60~120度とすることができる。さらに、図2Bに最もよく示されているように、この例では、チャネル52およびその区間は、センサ本体内で下面36に平行な単一の平面に沿って向けられている。チャネルは、特定の最終使用用途または構造構成による必要に応じて、本体内で異なる向きに向けることもできることを理解されたい。
【0023】
上記で開示した例を含む本明細書に開示するMEMS圧力センサは、特定の最終使用用途に対する必要に応じて、従来の感知ダイヤフラムもしくは膜、または圧電抵抗素子、圧電伝導素子、コンタクト素子などの基準体積測定素子とともに使用されるように構成することができる。例示的な実施形態では、MEMS圧力センサ30は、ダイヤフラムもしくは膜の動きおよび/または基準体積の変化を検出する目的で、圧電抵抗素子とともに使用するために構成することができる。図2Aおよび図2Bに示すMEMS圧力センサ例は、頂部支持体および基準体積の使用を示すが、本明細書に開示するMEMS圧力センサでは、そのような使用は任意選択とすることができる。
【0024】
図3Aおよび図3Bは、本明細書に開示する例示的な圧力センサアセンブリまたは圧力センサ80を示す。一例では、圧力センサは、センサ本体82と、センサ本体の下面86に沿ってセンサ本体に取り付けられまたは接合された基板または支持体84とを備えるMEMS圧力センサである。一例では、センサ本体および支持体は、前述の圧力センサ例に関して上述したものと同じタイプの材料から形成することができる。圧力センサ80は、頂部カバーまたは上部支持体88を含み、上部支持体88は、上述した支持体84と同じタイプの材料から形成することができ、上面90に沿ってセンサ本体に取り付けられまたは接合される。
【0025】
上部支持体88は、基準体積を提供するように構成された内部チャンバ92を含む。センサ本体82は、本体内で支持体84との境界面から内部チャンバの反対側の端部に位置決めされた感知ダイヤフラムまたは膜96まで延びる内部チャンバ94を含む。ダイヤフラムまたは膜96は、内部チャンバ94内に流体が配置されたとき、ダイヤフラムまたは膜に流体圧力がかかることに応答して動くように構成される。例示的な実施形態では、内部チャンバ94は、上述した円錐形の形状を有するように構成される。
【0026】
支持体84は、圧力センサ内へ外部流体を受け取るように支持体底面100から一部深さだけ延びる流体開口98を含む。開口98は、機械加工、エッチング、成形などの従来の方法によって形成することができる。この例では、開口98は、連続する直径を有し、支持体内へ一部深さだけ延びる。開口の厳密な深さは、特定の最終使用用途に応じて変更することができ、全体的な支持体の厚さの約10~90パーセント、約20~60パーセント、および約30~50パーセントとすることができる。例示的な実施形態では、開口98は、全体的な支持体の厚さの約15パーセントの深さだけ延びる。支持体の流体開口について、一定の直径を有すると説明したが、所望される場合、開口は可変の直径を有するように構成することもできることを理解されたい。
【0027】
図2Aおよび図2Bに示した圧力センサとは対照的に、この例示的な圧力センサ80の特徴は、望ましくない過渡的な流体圧力作用を軽減するための圧力軽減要素またはチャネルが、センサ本体82ではなく支持体84内に配置されることである。したがって、支持体84は、開口98と流体流連通する一方の端部112からセンサ本体の内部チャンバ94と流体流連通する別の端部114まで延びるチャネル110を備える。一例では、チャネル110は、支持体84と一体であり、支持体内に2つ以上の方向変化を含む。一例では、チャネル110は、一連の異なる区間を含み、各区間は、隣接区間に対してデパーチャ角を有する。一例では、そのようなデパーチャ角は、約90度とすることができる。しかし、チャネル区間の構成およびそのような区間の互いに対する近似デパーチャ角は、上記で論じた特定の最終使用用途による必要に応じて変更することができることを理解されたい。
【0028】
一例では、チャネル110は、ダイヤフラムまたは膜を使用中の損傷から保護するために、圧力スパイクなどの過渡的な流体圧力作用の所望の軽減、低減、または解消を提供するように構成される。図3Aおよび図3Bに示す特定の例では、チャネル110は、そのような過渡的な流体圧力作用の所望の軽減の提供を助けるために、開口98の直径より小さい直径を有するように構成される。一例では、チャネル110は、図2Aおよび図2Bの圧力センサ例に関して上記で論じたサイズの直径を有することができる。
【0029】
チャネル110は、開口98とセンサ本体の内部チャンバ94との間に延びる約8つの区間を含み、第1の区間120は直線であり、支持体84内で支持体の第1の縁部122に平行な方向に第2の区間124との接点まで延びる。第2のチャネル区間124は、第1の区間に対して約90度のデパーチャ角を有し、支持体の第2の縁部126に平行な方向に第3の区間128との接点まで延びる。第3のチャネル区間128は、第2の区間に対して約90度のデパーチャ角を有し、支持体の第1の縁部122に平行な方向に第1の縁部122に隣接して第4の区間130との接点まで延びる。第4のチャネル区間130は、第3の区間に対して約90度のデパーチャ角を有し、第2の縁部とは反対側の支持体の第3の縁部132に平行な方向に第3の縁部132に隣接して第5の区間134との接点まで延びる。
第5のチャネル区間134は、第4の区間に対して約90度のデパーチャ角を有し、支持体の第4の縁部136に平行な方向に第4の縁部136に隣接して第6の区間138との接点まで延びる。第6のチャネル区間138は、第5の区間に対して約90度のデパーチャ角を有し、支持体の第2の縁部126および第3の縁部132に平行な方向に第7の区間140との接点まで延びる。第7のチャネル区間140は、第6の区間に対して約90度のデパーチャ角を有し、支持体の第1の縁部122に平行な方向に第8の区間142との接点まで延びる。第8のチャネル区間142は、第7の区間に対して約90度のデパーチャ角を有し、支持体の第2の縁部126および第3の縁部132に平行な方向にセンサ本体の内部チャンバ94との接点まで延びる。
【0030】
示されているように、チャネル110は、支持体84内で、センサ本体の内部チャンバ94の周りを同心円状にセンサ本体の内部チャンバ94に向かって内方へ動くパターンを有するように向けられる。加えて、図3Aは、チャネル110が支持体84の深さだけ流体開口98からセンサ本体の下面86まで上方へ動き、センサ本体の内部チャンバ94に入ることを示す。このように構成されたチャネル110は、過渡的な流体圧力事象を軽減してダイヤフラムおよび膜を望ましくない損傷から保護するために、支持体84内で開口98から内部チャンバとの接点まで延びる。
【0031】
この例示的な圧力センサ80の特徴は、圧力軽減要素またはチャネル110が、機械加工プロセス、エッチングプロセス、堆積プロセスなどによって支持体内に形成することができる支持体84の一体部分であることである。この例示的な圧力センサ80のチャネル110について、一定の直径および複数の相互接続された区間または区分を有するものとして説明および開示してきたが、チャネルは、1つまたは複数の異なる直径の区間を有するように、たとえば1つまたは複数のチャネル区間の直径が他の区間より大きくまたは小さくなるように構成することもできることを理解されたい。さらに、この実施形態のチャネル区間について、隣接区間に対して90度のデパーチャ角を有するものとして説明したが、上記で論じたように、デパーチャ角は異なってもよいことを理解されたい。
【0032】
上記で論じた図2A図2B図3A、および図3Bに示す例示的な圧力センサは、センサ本体内に配置された内側チャンバの一方の端部に位置決めされたダイヤフラムまたは膜を有する圧力センサに関するが、本明細書に記載するように過渡的な流体圧力事象を軽減してダイヤフラムまたは膜を損傷から保護するように動作する機構および要素を備える圧力センサアセンブリは、1つの特定の圧力センサ構造に限定されることを意図したものではないことを理解されたい。
【0033】
図4は、センサ本体152を備える埋設された空洞圧力センサの形態の例示的な圧力センサアセンブリ150を示し、センサ本体152は、支持体154に取り付けられまたは接合されており、センサ本体および支持体は、上記で論じたものと同じタイプの材料から形成することができる。この例では、膜またはダイヤフラム156が、本体および支持体の境界面158に介在し、本体152は、膜156の上に内部チャンバまたは空洞160を有するように構成され、支持体154は、膜の下に内部チャンバまたは空洞162を有するように構成される。本体の内部空洞160は、圧力の監視および/または測定のために、外部源からの流体の体積を受け入れるように構成され、支持体の内部空洞162は、監視されている流体との接触によって引き起こされる膜の動きの変化を測定するための基準体積および/または要素を収容するように構成される。
【0034】
支持体は、支持体の厚さだけ下面166から本体との境界面158まで延びる開口164を有する。この例では、開口164は一定の直径を有し、直線である。センサ本体152は、開口164および本体の内部空洞160と流体流連通するように位置決めされたチャネル168の形態の圧力軽減要素を備え、チャネル168は、2つの区間、すなわち本体内で開口164から一部深さだけ延びる第1の区間170と、第1の区間に接続して第1の区間から延び、第1のチャネル区間170に対して約90度のデパーチャ角を有する第2の区間172とを含む。したがって、この圧力センサ例の特徴は、センサ本体152と一体のチャネル168を含み、チャネル168が、流体圧力事象を軽減して膜156を損傷から保護するように計算された形で方向を変化させることである。
【0035】
図5は、センサ本体182を備える埋設された空洞センサの形態の例示的な圧力センサアセンブリ180を示し、センサ本体182は、支持体184に取り付けられまたは接合されており、センサ本体および支持体は、上記で論じたものと同じタイプの材料から形成することができる。この例では、膜またはダイヤフラム186が、本体および支持体の境界面188に介在し、本体182は、膜186の上に内部チャンバまたは空洞190を有するように構成され、支持体184は、膜の下に内部チャンバまたは空洞192を有するように構成され、それぞれ図4の例示的な圧力センサを参照して上記で論じたものと同じ理由で設けられる。
【0036】
図4の例示的な圧力センサとは異なり、外部源からの流体を受け取るための開口194は、センサ本体内に設けられ、この開口は、本体の頂面196から一部深さだけ延びる。チャネル198の形態の圧力軽減要素は、開口194と流体流連通し、開口194からセンサ本体の内部空洞190まで延び、本体と一体である。一例では、チャネル198は3つの区間を含む。第1のチャネル区間200は、開口194から頂面196に平行に第2の区間210までの距離だけ延び、第2の区間210は、第1の区間に対して約90度のデパーチャ角を有する。第2の区間210は、頂面に直交して下方へ延びて本体に入り、第3の区間212に接続しており、第3の区間212は、第2の区間に対して約90度のデパーチャ角を有する。第3のチャネル区間212は、頂面196に平行に本体の内部空洞190までの距離だけ延びる。
したがって、この圧力センサ例の特徴は、センサ本体と一体のチャネルを含み、チャネルが、流体圧力事象を軽減して膜186を損傷から保護するように計算された形で方向を変化させることである。
【0037】
図6は、センサ本体302を備える例示的な圧力センサアセンブリ300を示し、センサ本体302は、支持体304に取り付けられまたは接合され、センサ本体および支持体は、上記で論じたものと同じタイプの材料から形成することができる。この例では、ダイヤフラムまたは膜306は、センサ本体から形成することができ、水平空洞308がダイヤフラムのすぐ下に配置され、ダイヤフラムの下面部分が、水平空洞308に入る流体と流体流連通する。センサ本体は、本体を通って水平空洞308から支持体と境界を接する本体の区間312まで延びる垂直チャネル310の形態の圧力軽減要素を含む。一例では、区間312は、本体と支持体との間の境界面に隣接して位置決めされた水平チャネルまたは空洞の形態で構成することができる。
【0038】
この例では、本体302および支持体304の隣接境界区間はそれぞれ、水平チャネルまたは空洞部材を有するように形成され、水平チャネルまたは空洞部材はともに、水平チャネルまたは空洞316の形態の別の圧力軽減要素を形成し、一例では垂直チャネル310と比較すると拡大された体積を有する水平チャネルまたは空洞を形成する。この例では、垂直チャネル318の形態のさらなる圧力軽減要素が、水平チャネルまたは空洞316と流体流連通し、水平チャネルまたは空洞316から支持体304を通って開口320まで延びており、開口320は、入ってくる流体を受け入れるように支持体の底面322に沿って位置する。
一例では、本体の垂直チャネル310および支持体の垂直チャネル318が水平チャネルに接続する位置は、水平チャネルの増大した体積と連動して、流体圧力事象をさらに軽減してダイヤフラム306を損傷から保護する目的で、ずらすことができる。
【0039】
示されている例は、水平チャネルまたは空洞316について、本体と支持体との両方の隣接境界区間から形成されたものとして示すが、水平チャネルまたは空洞は、同じ所望の機能および利点を提供しながら、本体または支持体の1つの区間内に形成することもできることを理解されたい。図6には示されていないが、圧力センサアセンブリ300は、他の例で上記に開示した頂部カバーまたは上部支持体を含むことができる。
【0040】
図7は、センサ本体402を備える例示的な圧力センサアセンブリ400を示し、センサ本体402は、支持体404に取り付けられまたは接合されており、センサ本体および支持体は、上記で論じたものと同じタイプの材料から形成することができる。圧力センサアセンブリ400は、頂部カバーまたは上部支持体406を含み、上部支持体406は、上述した支持体404と同じタイプの材料から形成することができ、上面408に沿ってセンサ本体に取り付けられまたは接合される。上部支持体406は、基準体積を提供するように構成された内部チャンバ410を含む。
センサ本体402は、本体内で支持体406との境界面から内部チャンバの反対側の端部に位置決めされた感知ダイヤフラムまたは膜414まで延びる内部チャンバ412を含む。例示的な実施形態では、内部チャンバ412は、上述したように円錐形の形状を有するように構成される。
【0041】
支持体404は、底面418から内方へ一部深さだけ延びて流体を受け入れる流体入口チャネル416を含む。入口チャネルは、入口チャネル416に対して拡大された直径および体積を有する内部空洞またはチャンバ420の形態の圧力軽減要素まで延び、圧力軽減要素と流体流連通する。内部チャンバ420内には、部材422、たとえばピストンなどの形態の別の圧力軽減要素が配置され、部材422は、入口チャネル416から入ってくる流体の圧力スパイクに応答して内部チャンバ内で動くことを可能にする材料から構成および形成される。支持体は、流体出口チャネル424をさらに備え、出口チャネル424は、内部チャンバのうち入口チャネル416とは反対側の部分まで延び、この部分と流体流連通する。
出口チャネル424は、内部チャンバから本体と支持体との間の境界面まで延び、センサ本体の内部チャンバ412の上に位置決めされ、センサ本体の内部チャンバ412と流体流連通する。
一例では、流体入口チャネル416は、支持体に入る流体が、内部チャンバ420内に配置された部材422に接触するように位置決めされ、流体出口チャネル424は、流体圧力のスパイクに応答した内部チャンバ内の部材422の動きにより、この部材が流体出口およびセンサ本体への流体の流れを阻止するように位置決めされる。本明細書に開示する圧力センサアセンブリの特徴は、たとえば1つまたは複数のチャネルなどの1つまたは複数の圧力軽減要素が、圧力センサアセンブリ自体の一体部分として構成され、そのような1つまたは複数の要素が、過渡的な流体圧力事象を軽減してダイヤフラムまたは膜を圧力センサの動作中の損傷から保護するために、圧力センサアセンブリ内で独立してまたは互いにともに動作することができるように特別に構成されることである。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7