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特許7615547情報処理装置、情報処理システム、プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20250109BHJP
   H02M 7/12 20060101ALI20250109BHJP
   H02M 7/48 20070101ALI20250109BHJP
【FI】
G05B23/02 302Y
H02M7/12 Z
H02M7/48 Z
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020089926
(22)【出願日】2020-05-22
(65)【公開番号】P2020194538
(43)【公開日】2020-12-03
【審査請求日】2023-04-14
(31)【優先権主張番号】P 2019098476
(32)【優先日】2019-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菅野 智司
【審査官】大古 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-061500(JP,A)
【文献】特開2008-079801(JP,A)
【文献】特開2012-059044(JP,A)
【文献】特開2005-251185(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0363750(US,A1)
【文献】特開2005-180997(JP,A)
【文献】特開2014-110015(JP,A)
【文献】特開2018-136877(JP,A)
【文献】特表2014-518974(JP,A)
【文献】特開2005-346636(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/00 -23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の装置の動作について異常の有無を検出する異常検出装置が、前記所定の装置の異常を検出する際に用いられるモデルに基づいて前記所定の装置に異常が有ることを検出すると、前記所定の装置に含まれる複数の部品の夫々の寿命に関する値を計算する計算装置の前記寿命に関する値を取得する第1取得部と、
前記寿命に関する値を、前記複数の部品の夫々に対応させて画面に表示させる表示処理部と、
前記所定の装置に含まれる複数の回路のうち、前記複数の部品の夫々が設けられた回路が動作した動作時間を計時する計時回路の前記動作時間を取得する第2取得部と、
を含み、
前記寿命に関する値は、前記複数の部品の夫々の余寿命を示す値であり、
前記表示処理部は、
前記余寿命を示す値と、前記動作時間とを、前記複数の部品の夫々に対応させて前記画面に表示させ、
前記所定の装置は、インバータ装置であり、
前記複数の回路は、前記複数の部品のうち第1コンデンサが設けられたAC-DC変換回路と、前記複数の部品のうち第2コンデンサが設けられたDC-AC変換回路とを含み、
前記計算装置は、前記第1及び第2コンデンサの夫々の前記寿命に関する値を、前記第1及び第2コンデンサの温度に基づいて計算し、
前記計時回路は、前記AC-DC変換回路が動作する第1時間と、前記DC-AC変換回路が動作する第2時間とを計時すること、
を特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項に記載の情報処理装置であって、
前記表示処理部は、
前記余寿命を示す値を優先させる第1情報に基づいて、前記余寿命が短い順に、前記余寿命を示す値と、前記動作時間とを、前記複数の部品の夫々に対応させて前記画面に表示させ、
前記動作時間を優先させる第2情報に基づいて、前記動作時間が長い順に、前記余寿命を示す値と、前記動作時間とを、前記複数の部品の夫々に対応させて前記画面に表示させること、
を特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項または請求項に記載の情報処理装置であって、
前記表示処理部は、
前記複数の部品のうち、前記動作時間が所定時間より長い第1部品に対応させ、前記第1部品に異常があることを示す第1メッセージを前記画面に表示させること、
を特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項の何れか一項に記載の情報処理装置であって、
前記表示処理部は、
前記複数の部品のうち、前記余寿命を示す値が第1の値より小さい第2部品に対応させ、前記第2部品の交換を促す第2メッセージを前記画面に表示させること、
を特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項に記載の情報処理装置であって、
前記表示処理部は、
前記複数の部品のうち、前記余寿命を示す値が第2の値より小さい第3部品に対応させ、前記第3部品に異常があることを示す第3メッセージを前記画面に表示させ、
前記第2の値は、前記第1の値より小さい値であること、
を特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
所定の装置に設けられた複数のセンサの出力と、前記所定の装置の異常を検出する際に用いられるモデルとに基づいて、前記所定の装置の動作について異常の有無を検出する異常検出装置と、情報処理装置と、を含む情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
前記異常検出装置が前記モデルに基づいて前記所定の装置に異常が有ることを検出すると、前記所定の装置に含まれる複数の部品の夫々の寿命に関する情報を取得する取得部と、
前記寿命に関する情報を、前記複数の部品の夫々に対応させて画面に表示させる表示処理部と、
を含み、
前記取得部は、
前記所定の装置に含まれる複数の回路のうち、前記複数の部品の夫々が設けられた回路が動作した動作時間を計時する計時回路の前記動作時間を取得し、
前記寿命に関する情報は、前記複数の部品の夫々の余寿命を示す値であり、
前記表示処理部は、
前記寿命に関する情報と、前記動作時間とを、前記複数の部品の夫々に対応させて前記画面に表示させ、
前記所定の装置は、インバータ装置であり、
前記複数の回路は、前記複数の部品のうち第1コンデンサが設けられたAC-DC変換回路と、前記複数の部品のうち第2コンデンサが設けられたDC-AC変換回路とを含み、
前記取得部は、前記第1及び第2コンデンサの夫々の前記寿命に関する情報を、前記第1及び第2コンデンサの温度に基づいて取得し、
前記計時回路は、前記AC-DC変換回路が動作する第1時間と、前記DC-AC変換回路が動作する第2時間とを計時すること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項7】
請求項に記載の情報処理システムであって、
前記異常検出装置は、
前記複数の部品の夫々に対応して設けられた前記複数のセンサの出力と、前記複数の部品の夫々の前記寿命に関する値と、に基づいて前記所定の装置の異常の有無を検出すること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項8】
請求項に記載の情報処理システムであって、
前記異常検出装置は、
前記複数のセンサの出力と、前記複数の部品の夫々の前記寿命に関する値と、前記複数の部品の夫々の動作時間に関する値と、に基づいて前記所定の装置の異常の有無を検出すること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項9】
請求項の何れか一項に記載の情報処理システムであって、
複数の前記所定の装置は、複数のグループの何れかに属し、
前記異常検出装置は、
前記複数の前記所定の装置のうち何れかの装置に異常が有ることを検出し、
前記取得部は、
前記何れかの装置に異常が有ることが検出されると、前記複数の前記所定の装置における、前記複数の部品の夫々の前記寿命に関する情報を取得し、
前記表示処理部は、
前記複数のグループ毎に、前記寿命に関する情報を前記画面に表示すること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項10】
請求項に記載の情報処理システムであって、
前記取得部は、
前記複数の前記所定の装置における、前記複数の部品の夫々の動作時間に関する情報を更に取得し、
前記表示処理部は、
前記複数のグループ毎に、前記寿命に関する情報と、前記動作時間に関する情報とを、前記複数の部品の夫々に対応させて前記画面に表示させること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項11】
請求項または請求項10に記載の情報処理システムであって、
前記異常検出装置は、前記複数の前記所定の装置の異常の有無を検出するサーバであり、
前記取得部は、前記サーバから、前記表示処理部が前記画面に表示させる情報を取得すること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項12】
情報処理装置に、
所定の装置の動作の異常の有無を検出する異常検出装置が、前記所定の装置の異常を検出する際に用いられるモデルに基づいて前記所定の装置の動作に異常が有ることを検出すると、前記所定の装置に含まれる複数の部品の夫々の寿命に関する値を計算する計算装置の前記寿命に関する値を取得する第1ステップと、
前記寿命に関する値を、前記複数の部品の夫々に対応させて画面に表示させる第2ステップと、
前記所定の装置に含まれる複数の回路のうち、前記複数の部品の夫々が設けられた回路が動作した動作時間を計時する計時回路の前記動作時間を取得する第3ステップと、
を実行させ
前記寿命に関する値は、前記複数の部品の夫々の余寿命を示す値であり、
前記第3ステップは、
前記余寿命を示す値と、前記動作時間とを、前記複数の部品の夫々に対応させて前記画面に表示させ、
前記所定の装置は、インバータ装置であり、
前記複数の回路は、前記複数の部品のうち第1コンデンサが設けられたAC-DC変換回路と、前記複数の部品のうち第2コンデンサが設けられたDC-AC変換回路とを含み、
前記計算装置は、前記第1及び第2コンデンサの夫々の前記寿命に関する値を、前記第1及び第2コンデンサの温度に基づいて計算し、
前記計時回路は、前記AC-DC変換回路が動作する第1時間と、前記DC-AC変換回路が動作する第2時間とを計時すること、
を特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
装置に取り付けられた複数のセンサからのデータに基づいて、装置の異常の有無を検出する異常検出装置がある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-102765号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、一般的な異常検出装置は、装置に異常があるか否かは検出できるものの、装置のどの部品に異常があるかを把握することは難しい。
【0005】
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みてなされたものであって、装置の異常が検出された場合、装置の異常に関連する部品の情報を表示する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した課題を解決する主たる本発明は、所定の装置の異常の有無を検出する異常検出装置が、前記所定の装置に異常が有ることを検出すると、前記所定の装置に含まれる複数の部品の夫々の寿命に関する値を計算する計算装置の前記寿命に関する値を取得する第1取得部と、前記寿命に関する値を、前記複数の部品の夫々に対応させて画面に表示させる表示処理部と、を含む情報処理装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、装置の異常が検出された場合、装置の異常に関連する部品の情報を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】情報処理システム10の構成を示す図である。
図2】制御装置53のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】制御装置53に記憶される情報と実現される機能ブロックの一例を示す図である。
図4】制御装置53で実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図5】PLC21に記憶される情報と実現される機能ブロックの一例を示す図である。
図6】PLC21で実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図7】異常検出装置22のハードウェア構成の一例を示す図である。
図8】異常検出装置22に実現される機能ブロックの一例を示す図である。
図9】異常検出装置22で実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図10】情報処理装置23のハードウェア構成の一例を示す図である。
図11】情報処理装置23に実現される機能ブロックの一例を示す図である。
図12】情報処理装置23で実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図13】選択画面304の一例を示す図である。
図14】表示装置304に表示される画面の一例を示す図である。
図15】表示装置304に表示される画面の一例を示す図である。
図16】情報処理システム11の構成を示す図である。
図17】工場に設けられた複数のインバータ装置及ぶPLCを説明するための図である。
図18】インバータ装置25aの構成の一例を示す図である。
図19】制御装置55のハードウェア構成の一例を示す図である。
図20】異常検出装置27に実現される機能ブロックの一例を示す図である。
図21】異常検出装置27で実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図22】情報処理装置28に実現される機能ブロックの一例を示す図である。
図23】情報処理装置28で実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図24】画面550の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0010】
=====本実施形態=====
<<<情報処理システム10の構成>>>
図1は、本発明の一実施形態である情報処理システム10の構成を示す図である。情報処理システム10は、例えば、工場に設置されたインバータ装置20に異常がある場合、異常の原因となった電子部品(以下、単に「部品」と称する)に関する情報を画面(後述)に表示させるシステムであり、インバータ装置20、PLC(Programmable Logic Controller)21、異常検出装置22、及び情報処理装置23を含んで構成される。
【0011】
インバータ装置20は、例えば、工場内のベルトコンベア等の負荷15を駆動するための装置である。また、インバータ装置20は、インバータ装置20に含まれる各種回路の動作時間に基づいて、インバータ装置20に含まれる部品であるコンデンサが異常であるか否かを診断する。
【0012】
PLC21は、インバータ装置20のセンサからの出力に基づいて、工場の所定の機器(不図示)を制御するとともに、インバータ装置20に含まれる部品の寿命を診断する。
【0013】
異常検出装置22は、インバータ装置20のセンサからの出力に基づいて、インバータ装置20に異常があるか否かを検出する装置である。
【0014】
情報処理装置23は、異常検出装置22がインバータ装置20に異常があることを検出すると、インバータ装置20の装置の異常に関連する部品の情報を取得し、画面(後述)に表示する装置である。具体的には、情報処理装置23は、インバータ装置20やPLC21で実行される診断結果等を画面に表示する。
【0015】
なお、本実施形態では、PLC21は、インバータ装置20と同様に工場に設けられ、異常検出装置22は、サーバ室に設けられ、情報処理装置23は、工場の制御室に設けられている。このため、利用者は、遠隔から工場に設けられたインバータ装置20の異常に関する部品を把握することができる。
【0016】
<<<インバータ装置20>>>
インバータ装置20は、フィルタ30、AC-DC変換回路31、DC-AC変換回路32、モータ33、コンデンサ40~42、センサ50~52、及び制御装置53を含んで構成される。
【0017】
フィルタ30は、三相交流電源のノイズを除去する回路であり、コンデンサ40を含んで構成される。
【0018】
AC-DC変換回路31は、ノイズが除去された三相の交流電圧から、所定の直流電圧を生成する回路であり、例えば、交流電圧を平滑化するコンデンサ41(第1コンデンサ)を含んで構成される。
【0019】
DC-AC変換回路32は、所定の直流電圧から、モータ33を駆動するための交流電圧を生成する回路であり、例えば、直流電圧を安定化させるコンデンサ42(第2コンデンサ)を含んで構成される。
【0020】
ここで、コンデンサ40は、三相交流電源のA~C相のそれぞれの配線に設けられているため、実際には、A相用のコンデンサ40a、B相用のコンデンサ40b、C相用のコンデンサ40cを含む。コンデンサ41,42もコンデンサ40と同様に、三相交流電源のA~C相用のコンデンサを含む。また、コンデンサ40~42は、例えば、アルミニウム電解コンデンサである。
【0021】
センサ50a~50cは、例えば、コンデンサ40a~40cの夫々の温度を測定するために設けられた熱電対である。
【0022】
センサ51a~51cは、例えば、コンデンサ41a~41cの夫々の温度を測定するために設けられた熱電対である。
【0023】
センサ52a~52cは、例えば、コンデンサ42a~42cの夫々の温度を測定するために設けられた熱電対である。
【0024】
なお、センサ50a~50cは、コンデンサ40a~40cの温度を計測できるよう、インバータ装置20の基板(不図示)において、コンデンサ40a~40cの近くに配置されている。また、センサ51,センサ52も、センサ50と同様に、コンデンサ41,42の温度が計測できるよう、コンデンサ41,42の近くに配置されている。
【0025】
<<<制御装置53の構成>>>
制御装置53は、インバータ装置20を統括制御する装置であり、図2に示すように、CPU60、メモリ61、記憶装置62、カウンタ63~65、表示装置66、通信装置67を含む。
【0026】
CPU60は、メモリ61や記憶装置62に格納されたプログラムを実行することにより、制御装置53における様々機能を実現する。
【0027】
メモリ61は、例えばRAM(Random-Aaccess Mmemory)等であり、プログラムやデータ等の一時的な記憶領域として用いられる。
【0028】
記憶装置62は、CPU60によって実行されるプログラムや、処理される各種データを格納する不揮発性の記憶装置である。
【0029】
カウンタ63は、例えば、フィルタ30に所定の三相交流電源が印加された時間、つまり、フィルタ30の動作時間を計時する。
【0030】
カウンタ64は、例えば、AC-DC変換回路31の動作時間(第1時間)を計時し、カウンタ65は、例えば、DC-AC変換回路32の動作時間(第2時間)を計時する。なお、カウンタ63~65の夫々のカウント値をカウント値C1~C3とする。また、カウンタ63~65は、計時回路に相当する。
【0031】
表示装置66は、例えばディスプレイなどの装置であり、通信装置67は、PLC21、異常検出装置22、情報処理装置23と各種情報のやりとりを行う。
【0032】
<<<制御装置53に記憶された情報と機能ブロック>>>
図3は、制御装置53に記憶された情報と、実現される機能ブロックとの一例を示す図である。記憶装置62には、カウント値100~102が記憶されている。また、制御装置53のCPU60が、記憶装置62のプログラム(不図示)を実行することにより、制御装置53には、診断部110、及び表示処理部111が実現される。
【0033】
カウント値100は、フィルタ30のコンデンサ40の異常を検出するための値であり、カウント値101は、AC-DC変換回路31のコンデンサ41の異常を検出するための値である。
【0034】
また、カウント値102は、DC―AC変換回路32のコンデンサ42の異常を検出するための値である。
【0035】
一般に、フィルタ30の動作時間が長くなると、コンデンサ40の性能も劣化する。そこで、本実施形態では、フィルタ30の動作時間が、コンデンサ40の一般的な寿命を示す所定時間T1(例えば、1万時間)となるカウント値を、カウント値100として設定している。このため、本実施形態では、カウント値C1が、カウント値100より大きくなると、フィルタ30に設けられたコンデンサ40が異常と判定する。
【0036】
なお、カウント値101,102も、カウント値100と同様であり、カウント値101は、AC-DC変換回路31の動作時間が、コンデンサ41の一般的な寿命を示す所定時間T2となるカウント値を、カウント値101として設定している。また、カウント値102は、DC-AC変換回路32の動作時間が、コンデンサ42の一般的な寿命を示す所定時間T3となるカウント値を、カウント値102として設定している。なお、カウント値100~102は、コンデンサ40~42に対応して定められる値である。したがって、例えば、コンデンサ40~42の材質、容量等の各種パラメータが同じである場合には、カウント値100~102は同じ値となる。
【0037】
診断部110は、カウンタ63~65のカウント値C1~C3の夫々と、カウント値100~102とを比較し、コンデンサ40~42の異常の有無を診断する。表示処理部111は、診断部110の診断結果を表示装置66の画面に表示する。なお、診断部110、表示処理部111の実行する処理の詳細については後述する。
【0038】
<<<診断処理S10>>>
図4は、制御装置53が実行する診断処理の一例を示すフローチャートである。なお、ここでは、カウント値C1~C3を、1~3番目のカウント値とする。
【0039】
まず、診断部110は、カウント値C1~C3のうち、1番目のカウント値C1を選択すべく、変数iを“1”に設定する(S20)。そして、診断部110は、1番目のカウント値であるカウント値C1を取得する(S21)。
【0040】
また、診断部110は、取得したカウント値C1と、1番目のカウント値C1の閾値であるカウント値100との大小を比較する(S22)。カウント値C1が、カウント値100より大きい場合(S22:Yes)、診断部110は、1番目のコンデンサ40が異常であると判定し、カウント値C1及び判定結果を、コンデンサ40に対応付けて記憶装置62に格納する(S23)。
【0041】
一方、カウント値C1が、カウント値100より小さい場合(S22:No)、診断部110は、1番目のコンデンサ40が正常であると判定し、カウント値C1及び判定結果を、コンデンサ40に対応付けて記憶装置62に格納する(S24)。
【0042】
また、診断部110は、3つのカウント値C1~C3の全てが取得されたかを判定する(S25)。全てのカウント値C1~C3が取得されていない場合(S25:No)、診断部110は、変数iを“1”だけインクリメントする(S26)。その後、処理S21~S25が繰り返されることにより、変数iは、“3”までインクリメントされる。この結果、全てのカウント値C1~C3と、カウント値100~102とが比較され、判定結果等が記憶装置62に格納されることになる(S23、またはS24)。
【0043】
そして、全てのカウント値C1~C3が取得された場合(S25:Yes)、表示処理部111は、判定結果を表示装置66の画面に表示する(S27)。この結果、利用者は、工場の表示装置66の画面を確認することにより、コンデンサ40~42に異常があるか否かを把握できる。
【0044】
なお、詳細は後述するが、本実施形態では、異常検出装置22がインバータ装置20に異常があることを検出した場合、診断処理S10が実行され、判定結果が情報処理装置23に送信される。このため、利用者は、コンデンサ40~42の異常の有無を、制御室の情報処理装置23の画面(後述)で確認できる。
【0045】
<<<PLC21の詳細>>>
PLC21(計算装置)は、図1に示すように、CPU70、メモリ71、記憶装置72、及び通信装置73を含む。なお、CPU70、メモリ71、記憶装置72、及び通信装置73は、上述した制御装置53のCPU76、メモリ61、記憶装置62、及び通信装置67と同様である。
【0046】
図5は、PLC21に記憶された情報と、実現される機能ブロックとの一例を示す図である。記憶装置72には、閾値150,151が記憶されている。また、PLC21のCPU70が、記憶装置72のプログラム(不図示)を実行することにより、PLC21には、診断部160が実現される。
【0047】
閾値150は、インバータ装置20に含まれているコンデンサ40~42の“余寿命”Lr(後述)に基づいて、コンデンサ40~42を交換すべきか否かを判断するための値である。ここで、例えば、コンデンサ40~42の寿命は、アレニウスの法則に基づいて、式(1)で表される。
【0048】
Lc=La×2((Ts-Ta)/10)・・・(1)
ここで、Tsは、基準温度(例えば、70℃)、Taは、測定された温度、Laは、温度Tsにおける寿命、Lcは、推定寿命若しくは寿命消費時間である。なお、本実施形態では、Taは、センサ50~52で測定される温度であり、測定間隔は一定(例えば、1分)である。
【0049】
また、式(1)から、コンデンサ40~42の“余寿命”若しくは“残存寿命”は、式(2)で表される。
【0050】
Lr=Ls-ΣLc・・・(2)
ここで、Lsは、例えば、コンデンサ40~42が所定の温度環境等で使用された際の基準となる基準寿命である。本実施形態では、“余寿命”Lrを基準寿命Lsに対する割合で示されることとする。
【0051】
Lr=Lr/Ls×100・・・(3)
また、閾値150は、コンデンサ40~42の夫々の基準寿命Lsの15%の値が設定されている。
【0052】
閾値151は、コンデンサ40~42の“余寿命”Lrに基づいて、コンデンサ40~42に異常があるか否かを判断するための値である。本実施形態では、閾値151は、コンデンサ40~42の夫々の基準寿命Lsの5%の値が設定されている。したがって、閾値151(第2の値:基準寿命Lsの5%)は、閾値150(第1の値:基準寿命Lsの15%)より小さい値である。
【0053】
診断部160は、センサ50~52の出力に基づいて計算される“余寿命”Lrと、閾値150,151を比較し、コンデンサ40~42の状態を診断する。
【0054】
<<<診断処理S11>>>
図6は、診断部160が実行する診断処理の一例を示すフローチャートである。なお、ここでは、センサ50a~50cを、1~3番目のセンサとし、センサ51a~51cを、3~6番目のセンサとし、センサ52a~52cを、7~9番目のセンサとする。また、9個のセンサ50a~52cの夫々が測定するコンデンサ40a~42cの夫々を、1~9番目のコンデンサとする。さらに、診断処理S11は、例えば、センサ50a~52cの測定間隔(例えば、1分)と同じタイミングで実行されることする。
【0055】
まず、診断部160は、1番目のセンサを選択すべく、変数jを“1”に設定する(S30)。そして、診断部160は、1番目のセンサであるセンサ50aの出力を取得する(S31)。
【0056】
診断部160は、取得した1番目のセンサの出力と、式(1)~(3)に基づいて、1番目のコンデンサの“余寿命”Lrを計算し、記憶装置72に格納する(S32)。
【0057】
“余寿命”Lrが計算されると、診断部160は、1番目のコンデンサの“余寿命”Lrと、1番目のコンデンサの閾値151(ここでは、1番目のコンデンサの基準寿命Lsの15%)との大小を比較する(S33)。そして、“余寿命”Lrが閾値151より小さいと(S33:Yes)、診断部160は、計算結果である“余寿命”Lrに対し、“タグA”を付し、1番目のコンデンサに対応させて記憶装置72に格納する(S34)。なお、「タグA」は、例えば、コンデンサの交換を促すことを示す“0”等のデータである。
【0058】
一方、“余寿命”Lrが閾値151より大きいと(S33:No)、診断部160は、1番目のコンデンサの“余寿命”Lrと、1番目のコンデンサの閾値150(ここでは、1番目のコンデンサの基準寿命Lsの5%)との大小を比較する(S35)。
【0059】
そして、“余寿命”Lrが閾値150より小さいと(S35:Yes)、診断部160は、計算結果である“余寿命”Lrに対し、“タグB”を付し、1番目のコンデンサに対応させて記憶装置72に格納する(S36)。なお、「タグB」は、例えば、コンデンサに異常があることを示す“1”等のデータである。
【0060】
一方、“余寿命”Lrが閾値150より大きいと(S35:No)、診断部160は、全てのセンサの出力が取得されたかを判定する(S37)。なお、ここでは、全てのセンサの出力は、1~9番目のセンサ50a~52cの出力である。
【0061】
全てのセンサの出力が取得されていない場合(S37:No)、診断部160は、変数jを“1”だけインクリメントする(S38)。その後、処理S31~S37が繰り返されることにより、変数jは、“9”までインクリメントされる。この結果、全てのコンデンサの“余寿命”Lrと、タグA,Bが付される場合にはタグA,Bとが、コンデンサに対応させて記憶装置72に格納されることになる。
【0062】
また、詳細は後述するが、本実施形態では、異常検出装置22がインバータ装置20に異常があることを検出した場合、処理S11の実行結果が情報処理装置23に送信される。このため、利用者は、コンデンサ40~42の余寿命Lr等を、制御室の情報処理装置23の画面(後述)で確認できる。
【0063】
<<<異常検出装置22の詳細>>>
異常検出装置22は、図7に示すように、CPU80、メモリ81、記憶装置82、入力装置83、表示装置84、及び通信装置85を含む。なお、図7の5つのブロックであるCPU80、メモリ81、記憶装置82、表示装置84、及び通信装置85は、上述した制御装置53の5つのブロックであるCPU60、メモリ61、記憶装置62、表示装置66、及び通信装置67と同様である。
【0064】
入力装置83は、ユーザによるコマンドやデータの入力を受け付ける装置であり、キーボード、タッチパネルディスプレイ上でのタッチ位置を検出するタッチセンサなどの入力インタフェースを含む。
【0065】
また、記憶装置82には、インバータ装置20の異常を検出する際に用いられるモデル90が格納されている。モデル90は、例えば、インバータ装置20が正常に動作している際の9個のセンサ50a~52cの出力に、多変量統計的プロセス管理(MSPC:Multivariate Statistical Process Control)の手法を用いて生成したモデルである。
【0066】
このため、モデル90は、センサ50a~52cからのデータが入力されると、多変量診断評価の指標であり、統計量を示すQ値を出力する。そして、本実施形態では、インバータ装置20の異常を検出するためのQ値を、所定の“閾値X”とする。このため、センサ50a~52cのデータと、モデル90とが用いられて計算されたQ値が“閾値X”より大きくなると、インバータ装置20の異常が検出されることになる。
【0067】
図8は、異常検出装置22に実現される機能ブロックの一例を示す図である。異常検出装置22のCPU80が、記憶装置82のプログラム(不図示)を実行することにより、異常検出装置22には、検出部200、送信部201が実現される。
【0068】
検出部200は、センサ50a~52cの出力と、モデル90とを用いて、インバータ装置20の異常を検出する。送信部201は、検出部200の結果を情報処理装置23に送信する。
【0069】
<<<異常検出処理S12>>>
図9は、異常検出装置22が実行する異常検出処理の一例を示すフローチャートである。まず、検出部200は、全てのセンサである9個のセンサ50a~50cの出力を取得する(S40)。そして、検出部200は、取得したセンサの出力と、モデル90とに基づいてQ値を計算する(S41)。
【0070】
計算されたQ値が“閾値X”より大きい場合(S42:Yes)、検出部200は、インバータ装置20が異常であることを検出し、検出結果を記憶装置82に格納する(S43)。
【0071】
一方、計算されたQ値が“閾値X”より小さい場合(S42:No)、検出部200は、インバータ装置20が正常であることを検出し、検出結果を記憶装置82に格納する(S44)。そして、送信部201は、処理S43,S44での検出結果を、情報処理装置23に送信する。
【0072】
この結果、利用者は、制御室にいる状態であっても、インバータ装置20に異常があるか否かを把握できる。
【0073】
<<<情報処理装置23の詳細>>>
情報処理装置23は、図10に示すように、CPU300、メモリ301、記憶装置302、入力装置303、表示装置304、及び通信装置305を含む。なお、図7の各ブロックは、上述した異常検出装置22の各ブロックと同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0074】
図11は、情報処理装置23に実現される機能ブロックの一例を示す図である。情報処理装置23のCPU300が、記憶装置302のプログラム(不図示)を実行することにより、情報処理装置23には、第1取得部400、第2取得部401、及び表示処理部402が実現される。
【0075】
第1取得部400は、異常検出装置22がインバータ装置20に異常が有ることを検出すると、PLC21で実行された処理S11の診断結果を取得する。
【0076】
第2取得部401は、異常検出装置22がインバータ装置20に異常が有ることを検出すると制御装置53で実行された処理S10の診断結果を取得する。表示処理部402は、取得された診断結果を、表示装置304の画面(後述)に表示する。
【0077】
<<<表示処理S13>>>
図12は、情報処理装置23が実行する表示処理の一例を示すフローチャートである。ここでは、処理S13が開始される前に、異常検出装置22がインバータ装置20に異常が有ることを検出したこととする。
【0078】
まず、第1取得部400は、インバータ装置20に異常が有ることを検出結果に基づいて、PLC21で実行された処理S11の診断結果を取得する(S50:第1ステップ)。また、第2取得部401は、制御装置53で実行された処理S10の診断結果を取得する(S51)。
【0079】
そして、表示処理部402は、図13に示すように、表示装置304の画面310に、コンデンサに関する“余寿命”Lrと、“動作時間”のうち、どちらを優先させて表示させるかを選択させるための選択画像500を表示する(S52)。
【0080】
ここで、選択画像500は、『優先する項目を選択して下さい』とのコメントと、『余寿命』と表示されたアイコン501、『動作時間』と表示されたアイコン502を含む。
【0081】
そして、利用者の操作結果に基づいて、『余寿命』のアイコン501がタップされ、選択されると(S53:余寿命)、表示処理部402は、“余寿命”Lrを優先させた画面510を、画面310に表示させる(S54:第2ステップ)。なお、『余寿命』のアイコン501がタップされたことを示す情報は、第1情報に相当する。
【0082】
図14は、画面510の一例を示す図である。画面510は、処理S50,S51で取得された診断結果に基づいて、“余寿命”Lrが短い順に、“余寿命”Lr及び“動作時間”を9個のコンデンサの夫々に対応させて表示させたものである。
【0083】
画面510の一番上の行には、“余寿命”Lrが3%となる9番目のコンデンサ(すなわち、コンデンサ42c)が配置され、以下、“余寿命”Lrが10%の5番目のコンデンサ、“余寿命”Lrが18%の1番目のコンデンサが続いて表示されている。
【0084】
また、9番目のコンデンサ(第3部品)は、“余寿命”Lrは、5%(第2の値)より小さい3%であるため、『メッセージ』の欄には、『異常』とのメッセージ(第3メッセージ)表示されている。また、9番目のコンデンサの“動作時間”は、“10050”時間となっており、『メッセージ』の欄には、『異常』と表示されている。
【0085】
なお、画面510においては、5番目のコンデンサ(第2部品)は、“余寿命”Lrは、15%(第1の値)より小さい10%であるため、『メッセージ』の欄には、コンデンサの交換を促す『交換推奨』とのメッセージ(第2メッセージ)が表示されている。
【0086】
また、利用者の操作結果に基づいて、『動作時間』のアイコン502がタップされ、選択されると(S53:動作時間)、表示処理部402は、“動作時間”を優先させた画面511を、画面310に表示させる(S55)。なお、『動作時間』のアイコン502がタップされたことを示す情報は、第2情報に相当する。
【0087】
図15は、画面511の一例を示す図である。画面511は、処理S50,S51で取得された診断結果に基づいて、“動作時間”が長い順に、“余寿命”Lr及び“動作時間”を9個のコンデンサの夫々に対応させて表示させたものである。
【0088】
画面511の一番上の行には、“動作時間”が“10050”時間となる9番目のコンデンサ(すなわち、コンデンサ42c)が配置され、以下、“動作時間”が“9466”時間の1番目のコンデンサ、“動作時間”が“9100”時間の5番目のコンデンサが続いて表示されている。
【0089】
9番目のコンデンサ(第1部品)は、“動作時間”が“10050”時間であり、所定の1万時間(所定時間)より長いため、『メッセージ』の欄には、『異常』とのメッセージ(第1メッセージ)が表示されている。このため、利用者は、制御室にいながら、画面510,511を確認することにより、工場に設置されたインバータ装置20において異常に関連する部品に関する情報を取得できる。
【0090】
<<<情報処理システム11の構成>>>
図16は、本発明の一実施形態である情報処理システム11の構成を示す図である。また、図17は、工場F1に設けられるインバータ装置25a~25nと、PLC26a~26nの詳細を示す図である。情報処理システム11は、図1の情報処理システム10と同様に、複数の工場F1~Fnの夫々に設置された複数のインバータ装置の何れかに異常がある場合、異常の原因となった電子部品に関する情報を画面(後述)に表示させるシステムである。
【0091】
情報処理システム11は、工場F1~Fnの夫々に設けられたインバータ装置25a~25n及びPLC26a~26nと、異常検出装置27と、情報処理装置28と、を含んで構成される。なお、工場F2~Fnに設けられる各種装置は、工場F1の装置と同様であるため、ここでは工場F1を中心に説明する。
【0092】
<<<インバータ装置25について>>>
図18は、インバータ装置25aの構成の一例を示す図である。インバータ装置25aは、フィルタ30、AC-DC変換回路31、DC-AC変換回路32、モータ33、コンデンサ40~42、センサ50~52、及び制御装置55を含んで構成される。インバータ装置25aと、図1のインバータ装置20とを比較すると、制御装置55以外の構成は同じである。このため、ここでは、制御装置55について説明する。
【0093】
制御装置55は、インバータ装置25aを統括制御する装置であり、図19に示すように、CPU60、メモリ61、記憶装置62、カウンタ63a~63c,64a~64c,65a~65c、表示装置66、通信装置67を含む。ここで、制御装置55と、図2の制御装置53とを比較すると、制御装置55が、9個のカウンタ63a~63c,64a~64c,65a~65cを含むこと以外は同じである。
【0094】
カウンタ63a~63c,64a~64c,65a~65cの夫々は、カウント値をインクリメントすることにより、コンデンサ40a~40c,41a~41c,42a~42cの動作時間を計時する。このため、制御装置55は、9個のコンデンサの夫々の動作時間を計時することができる。なお、「コンデンサの動作時間」とは、例えば、コンデンサが設けられた回路が動作し、コンデンサに電圧が印加される時間である。
【0095】
制御装置55のCPU60は、周期T1(例えば、1ms)毎に、図4で示した診断処理S10を実行し、9個のコンデンサに異常が有るか否かを診断する。なお、以下、診断処理S10が実行された際の診断結果を、「簡易診断結果」と称する。また、簡易診断結果において、コンデンサが正常(以下、適宜「〇」と表記する。)であることは、例えば、図4の処理S24の判定結果に基づいて得られ、コンデンサが異常(以下、適宜「×」と表記する。)であることは、処理S23の判定結果に基づいて得られる。
【0096】
そして、制御装置55の通信装置67は、インバータ装置25aで取得された各種情報を、異常検出装置27に送信する。具体的には、通信装置67は、周期T1毎に、簡易診断結果と、インバータ装置25aの9個のコンデンサの動作時間と、を異常検出装置27に送信し、周期T2(例えば、1分)毎に、9個のセンサ50a~52cの出力を、異常検出装置27に送信する。なお、インバータ装置25b~25nは、インバータ装置25aと同様であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0097】
<<<PLC26について>>>
PLC26aは、上述したPLC21と同様の装置であり、図1に示すように、CPU70、メモリ71、記憶装置72、及び通信装置73を含む。PLC26aのCPU70は、周期T3(例えば、1s)毎に、図6で示した診断処理S11を実行する。なお、以下、診断処理S11が実行された際の診断結果を、「論理診断結果」と称する。
【0098】
また、論理診断結果において、コンデンサが正常(「〇」)、異常(「×」)、交換推奨な状態(以下、適宜「△」と表記する。)であることは、図6の余寿命Lrの値に基づいて得られる。具体的には、コンデンサが正常(「〇」)であることは、コンデンサの余寿命Lrが、基準寿命Lsの15%より長い場合(処理S35:No)の結果に基づいて得られる。また、コンデンサが異常(「×」)であることは、コンデンサの余寿命Lrが、基準寿命Lsの5%より小さい場合(処理S33:Yes)の結果に基づいて得られる。さらに、コンデンサが交換推奨な状態(「△」)であることは、コンデンサの余寿命Lrが、基準寿命Lsの5%~15%の場合(処理S35:Yes)の結果に基づいて得られる。
【0099】
そして、PCL26aの通信装置73は、所定周期T3毎に、論理診断結果と、診断処理S11で計算された9個のコンデンサの余寿命Lrと、を異常検出装置27に送信する。なお、PLC26b~27nは、PLC26aと同様であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0100】
<<<装置のグループ化について>>>
ところで、工場F1に設けられたインバータ装置25のコンデンサが異常となるまでの期間は、設置場所の温度や湿度、使用条件(使用時間、負荷)等の様々な要因によって変化する。ただし、一般には、使用時間が長く、大きな負荷を駆動するインバータ装置には、異常が発生し易い。そこで、本実施形態では、複数のインバータ装置25a~25nを、例えば、使用条件等に基づいて、異常が発生し易い度合いに応じた複数のグループ(例えば、5個のグループ)に分類している。したがって、インバータ装置25a~25nは、複数のグループのうち、何れかに属することになる。
【0101】
本実施形態では、例えばインバータ装置25a,25bは、最も異常が発生し易いと想定されるグループ1に属し、インバータ装置25nは、2番目に異常が発生し易いと想定されるグループ2に属する。なお、ここでは、便宜上、グループ1,2に属するインバータ装置のみについて説明したが、残りインバータ装置についても同様に、何れかのグループに属することになる。
【0102】
このように、本実施形態の複数のインバータ装置25a~25nは、複数のグループの何れかに属するため、インバータ装置25a~25n、PLC26a~26nは、所属するグループの情報についても、異常検出装置27に送信する。具体的には、インバータ装置25aの通信装置67は、簡易診断結果、9個のコンデンサの動作時間、及び9個のセンサ50a~52cの出力を異常検出装置27に送信する際、インバータ装置25aが属するグループの情報(例えば、グループ1)とのグループ情報を合わせて送信する。なお、本実施形態のグループ情報は、例えば、工場を識別するタグと、グループを識別するタグを含むデータである。
【0103】
また、PLC26aの通信装置73は、論理診断結果と、診断処理S11で計算された9個のコンデンサの余寿命Lrと、を異常検出装置27に送信する際、PLC26aが属するグループ情報を合わせて送信する。なお、PLC26aは、インバータ装置25aに対応して設けられているため、PLC26aが属するグループは、インバータ装置25aが属するグループと同じである。また、インバータ装置25b~25n、PLC26b~26nについても同様に、それらが属するグループ情報を送信する。したがって、詳細は後述するが、インバータ装置に異常が発生した場合、利用者は、グループ毎に部品の状態を画面に表示させることができる。
【0104】
<<<異常検出装置27について>>>
図16図17の異常検出装置27は、ネットワークを介し、インバータ装置25a~25n、PLC26a~26nから送信される各種情報に基づいて、インバータ装置25a~25nに異常があるか否かを検出するクラウドサーバである。なお、「クラウドサーバ」とは、例えば、演算性能や記憶領域の容量が調整可能な仮想的なサーバである。このように、本実施形態では、異常検出装置27は、各工場F1~Fnからの情報を取得可能なサーバである。したがって、利用者は、端末である情報処理装置28を用い、異常検出装置27にアクセスすることにより、様々な情報を取得できる。
【0105】
図7は、異常検出装置27の詳細な構成の一例を示す図である。異常検出装置27は、異常検出装置22と同様に、CPU80、メモリ81、記憶装置82、入力装置83、表示装置84、及び通信装置85を含む。ここで、異常検出装置27と、異常検出装置22とを比較すると、記憶装置82に格納されているモデルと、CPU80が実行するプログラム(不図示)が異なる。したがって、以下、モデル95と、異常検出装置27に実行される機能ブロックについて説明する。
【0106】
記憶装置82には、インバータ装置25a~25nの異常を検出する際に用いられるモデル95が格納されている。モデル95は、例えば、サポートベクターマシンの手法を用いて生成した分類器である。本実施形態では、例えば、インバータ装置25aが正常の際の正常データと、インバータ装置25aが異常の際の異常データとを、学習データとした機械学習を実行することにより、モデル95が生成される。
【0107】
ここで、本実施形態の「学習データ」としては、9個のセンサ50a~52cの出力と、9個のコンデンサの夫々の動作時間と、9個のコンデンサの余寿命Lrとが用いられる。ところで、上述したように、センサ50a~52cの出力は、周期T2(例えば、1分)毎に生じるデータであり、9個のコンデンサの夫々の動作時間は、周期T1(例えば、1ms)毎に生じるデータである。また、9個のコンデンサの余寿命Lrは、周期T3(例えば、1s)で生じるデータである。
【0108】
このように、学習データとして用いられる3つのデータの周期(つまり、粒度)が異なるため、本実施形態では、モデル95を生成する際にデータ間の粒度を一致させる所定の前処理が実行される。ここで「前処理」とは、例えば、単位時間あたりの9個のコンデンサの動作時間のデータの数、及び余寿命Lrとのデータの数が、センサ50a~52cのデータの数に一致するよう、9個のコンデンサの動作時間のデータと、余寿命Lrとのデータを間引く処理である。なお、「前処理」として、間引き処理を一例に説明したが、これに限られず、単位時間あたりの3つのデータの粒度が一致するよう、例えば、9個のコンデンサの動作時間のデータ、余寿命Lrのデータの夫々の移動平均を計算しても良い。
【0109】
図20は、異常検出装置27に実現される機能ブロックの一例を示す図である。異常検出装置27のCPU80が、記憶装置82のプログラム(不図示)を実行することにより、異常検出装置27には、取得部210、検出部211、通信部212が実現される。
【0110】
取得部210は、インバータ装置25a~25nの異常を検出するための、9個のセンサ50a~52cの出力(温度)と、9個のコンデンサの夫々の動作時間と、9個のコンデンサの余寿命Lrとを、を取得する。なお、以下、本実施形態では、9個のセンサ50a~52cの出力と、9個のコンデンサの夫々の動作時間と、9個のコンデンサの余寿命Lrとを、「異常検出用データ」と称する。さらに、取得部210は、インバータ装置25a~25n及びPLC26a~26nから送信される、簡易診断結果、論理診断結果、グループ情報を取得する。なお、取得部210は、取得した各種情報を記憶装置82に格納する。
【0111】
検出部211は、異常検出用データと、モデル95とを用いて、インバータ装置25a~25nの異常を検出する。通信部212は、検出部211での診断結果(以下、異常診断結果)、簡易診断結果、論理診断結果、及びグループ情報を、情報処理装置28に送信する。なお、通信部212は、9個のセンサ50a~52cの出力と、9個のコンデンサの夫々の動作時間と、9個のコンデンサの余寿命Lrとを、更に情報処理装置28に送信しても良い。
【0112】
<<<異常検出処理S15>>>
図21は、異常検出装置27が実行する異常検出処理の一例を示すフローチャートである。まず、取得部210は、インバータ装置25aに関する異常検出用データ、つまり、9個のセンサ50a~52cの出力(温度)と、9個のコンデンサの夫々の動作時間と、9個のコンデンサの余寿命Lrとを取得する(S60)。そして、検出部211は、異常検出用データに対して前処理を実行する(S61)。
【0113】
具体的には、検出部211は、前処理として、異常検出用データの3つのデータの粒度が一致するよう、例えば、9個のコンデンサの動作時間のデータと、余寿命Lrとのデータを間引く処理を実行する。そして、検出部211は、前処理が施された異常検出用データと、モデル95とに基づいて、インバータ装置25aに異常があるか否かを検出する処理を実行する(S62)。
【0114】
検出部211が、異常があることを検出した場合(S62:Yes)、検出部211は、インバータ装置20aが異常であることを示す異常診断結果を、記憶装置82に格納する(S63)。一方、検出部211が、異常がないことを検出した場合(S62:No)、検出部211は、インバータ装置20aが正常であることを示す異常診断結果を、記憶装置82に格納する(S64)。
【0115】
ここでは、異常検出装置27が、複数のインバータ装置のうち、インバータ装置25aについてのみ説明したが、他のインバータ装置25b~25nについても同様の処理が実行される。この結果、異常検出装置27は、例えば、工場F1に設けられるすべてのインバータ装置25a~25nの異常の有無を検出することができる。さらに、異常検出装置27は、工場F2~Fnの装置についても、工場F1の装置と同様の処理を実行する。したがって、本実施形態の異常検出装置27は、工場F1~Fnに設けられる全てのインバータ装置の異常の有無を検出することができる。
【0116】
<<<情報処理装置28の詳細>>>
情報処理装置28は、図10の情報処理装置23と同様に、CPU300、メモリ301、記憶装置302、入力装置303、表示装置304、及び通信装置305を含む。なお、CPU300等の各ブロックは、上述しているため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0117】
図22は、情報処理装置28に実現される機能ブロックの一例を示す図である。情報処理装置28のCPU300が、記憶装置302のプログラム(不図示)を実行することにより、情報処理装置28には、取得部410、及び表示処理部411が実現される。
【0118】
取得部410は、異常検出装置27が、インバータ装置25a~25nの何れかに異常が有ることを検出すると、異常検出装置27から、異常診断結果、論理診断結果、簡易診断結果、グループ情報を取得する。表示処理部402は、取得された異常診断結果、論理診断結果、及び簡易診断結果を、工場のグループ毎に、情報処理装置28の表示装置304の画面(後述)に表示する。
【0119】
<<<表示処理S16>>>
図23は、情報処理装置28が実行する表示処理の一例を示すフローチャートである。ここでは、処理S16が開始される前に、異常検出装置27は、例えば工場F1のインバータ装置25aに異常が有ることを検出したこととする。
【0120】
まず、取得部410は、インバータ装置25aに異常が有ることが検出されると、異常検出装置27の記憶装置82に格納された、工場F1のインバータ装置25a~25nの異常診断結果を取得する(S70)。また、取得部410は、異常検出装置27の記憶装置82から、インバータ装置25a~25nの論理診断結果を取得し(S71)、インバータ装置25a~25nの簡易診断結果を取得する(S72。
【0121】
さらに、取得部410は、異常検出装置27の記憶装置82から、インバータ装置25a~25nの夫々が属するグループに関するグループ情報を取得する(S73)。そして、表示処理部402は、グループ毎のインバータの診断結果を示す画面550を、表示装置304に表示する(S74)。
【0122】
図24は、画面550の一例を示す図である。画面550は、例えば、工場F1において、グループ1に属するインバータ装置25a,25bの診断結果を示す画像600と、グループ2に属するインバータ装置25nの診断結果を示す画像601とを含む。なお、ここでは便宜上一部のグループに属するインバータ装置の診断結果の画像のみを図示しているが、例えば、画面550のスクロール部(不図示)を下側に動かすことにより、他のグループに属するインバータ装置の診断結果の画像を表示させることができる。
【0123】
画像600の上段には、『インバータ装置25a』の診断結果が表示されている。具体的には、画像600は、インバータ装置25aの『コンデンサ番号』に対応させた『簡易診断結果』及び『論理診断結果』と、『異常診断結果』とを示す情報を含む。
【0124】
ここで、インバータ装置25aの『異常診断結果』としては、インバータ装置25aに異常があることを示す『×』が表示されている。この際、利用者は、『論理診断結果』及び『簡易診断結果』の情報を参照することにより、インバータ装置25aの9個の部品(コンデンサ)のうち、問題が発生している可能性の高い部品を特定することができる。
【0125】
具体的には、画像600においては、『論理診断結果』として、1,9番目のコンデンサは、正常『〇』であり、2番目のコンデンサは、異常『×』であり、3番目のコンデンサは、コンデンサが交換推奨な状態『△』であることが表示されている。また、『簡易診断結果』として、1,9番目のコンデンサは、正常『〇』であり、2,3番目のコンデンサは、異常『×』であることが表示されている。このため、利用者は、例えば、インバータ装置25aの9個のコンデンサのうち、2番目のコンデンサ、または3番目のコンデンサに問題が発生している可能性が高いことを把握できる。
【0126】
また、画像600には、インバータ装置25bの診断結果が含まれ、画像601には、グループ2に属するインバータ装置25nの診断結果が含まれている。このため、利用者は、複数のインバータ装置のうち何れかのインバータ装置に異常が検出されると、異常と診断されていない他のインバータ装置のコンデンサに関する情報も把握することができる。
【0127】
なお、画面550では、『インバータ装置25a』の診断結果として、『簡易診断結果』、『論理診断結果』、及び『異常診断結果』が表示されているが、これに限られない。例えば、表示処理部402は、動作時間や余寿命Lrを表示させても良い。それらの情報を表示させることにより、利用者は、より客観的に異常の原因の部品を特定することができる。
【0128】
===まとめ===
以上、本実施形態の情報処理システム10について説明した。情報処理装置23は、インバータ装置20に異常が有る場合、例えば、画面510に示すように、“余寿命”Lrを、複数のコンデンサに対応させて画面310に表示する。このため、利用者は、交換等すべきコンデンサを把握できる。
【0129】
また、例えば“余寿命”Lrの代わりに、“寿命消費時間”Lcを用いても良い。しかしながら、“余寿命”Lrを画面510等に表示させることにより、利用者は、より容易に残存する寿命を把握できる。
【0130】
また、画面510には、“余寿命”Lrに加え、“動作時間”をコンデンサに対応させて表示している。したがって、利用者は、インバータ装置20の異常に関し、より多くの情報を取得することができる。
【0131】
また、画面510では、“余寿命”Lrが短い順に情報が表示され、画面511では、“動作時間”が長い順に情報が表示されている。したがって、利用者は、インバータ装置20の異常に関する異なる項目の状態を整理して把握することができる。
【0132】
また、画面510,511では、“動作時間”が1万時間より長いコンデンサに、『異常』とのメッセージが表示されている。このため、利用者は、異常に関連するコンデンサを容易に把握が可能となる。
【0133】
また、画面510,511では、“余寿命”Lrが15%より小さいコンデンサに、『交換推奨』とのメッセージが表示されている。このため、利用者は、異常に関連するコンデンサを容易に把握が可能となる。
【0134】
また、画面510,511では、“余寿命”Lrが5%より小さいコンデンサに、『異常』とのメッセージが表示されている。このため、利用者は、異常に関連するコンデンサを容易に把握が可能となる。
【0135】
また、本実施形態では、インバータ装置20の異常を検出することとしたが、例えば、一般的な直流電源装置やパワーアンプ等他の装置であっても良い。
【0136】
また、本実施形態の情報処理装置28の取得部410は、インバータ装置25a~25nの何れかに異常があると、論理診断結果(コンデンサの寿命に関する情報)を取得し、表示処理部411は、論理診断結果を画面550に表示させる。このため、利用者は、インバータ装置に異常が発生した際に、原因となる部品を特定することが可能となる。
【0137】
また、本実施形態の異常検出装置27は、モデル95を生成する際に、学習データとして、9個のセンサ50a~52cの出力と、9個のコンデンサの夫々の動作時間と、9個のコンデンサの余寿命Lrと、の3つのデータを用いたがこれに限られない。学習データとして、3つのデータのうち、何れか2つのデータを用いることとしても良い。具体的には、学習データとして、例えば、9個のセンサ50a~52cの出力と、9個のコンデンサの余寿命Lrとを用いても良い。
【0138】
また、本実施形態の異常検出装置27は、モデル95を生成する際に、学習データとして、上述した3つのデータを用いるため、異常検出精度の高いモデル95を生成することができる。
【0139】
また、表示処理部411は、画面550において、インバータ装置25a~25nの論理診断結果を、グループ毎に表示している。したがって、利用者は、例えば、異常が発生する可能性が同程度のインバータ装置の状況を正確に把握することができる。
【0140】
また、表示処理部411は、画面550において、インバータ装置25a~25nの簡易診断結果(動作時間に関する情報)も、グループ毎に表示している。したがって、利用者は、インバータ装置の異常の原因となる部品をより正確に把握することができる。
【0141】
また、異常検出装置27は、複数の工場F1~Fnにネットワークを介して接続されたサーバである。このため、利用者は、端末である情報処理装置28を用いて異常検出装置27にアクセスすることにより、容易に各種情報を取得することができる。
【0142】
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更や改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれるのはいうまでもない。
【0143】
例えば、本実施形態では、センサ50~52は、電解コンデンサであるコンデンサ40~42の温度を測定することとしたが、他の種類のコンデンサであっても良い。また、測定対象は、コンデンサに限らず、コイルや抵抗等の他の電子部品であっても良い。センサ50~52が、これらの電子部品の温度を測定する場合であっても、本実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0144】
例えば、モデル90を、MSPCの手法を用いて生成したがこれに限られない。例えば、センサ50a~52cのデータのうち、正常時のデータと、異常時のデータとを教師データとし、ニューラルネットワークを機械学習により学習したモデルを生成しても良い。
【0145】
また、異常検出装置22は、例えば、センサ50a~52cの正常データに対し、マハラノビス距離を演算することや、One Class SVMの手法を用いることにより、インバータ装置20の異常を検知しても良い。
【0146】
また、本実施形態では、異常検出装置22と、情報処理装置23とは別の装置であるとしているが、これに限られない。例えば、情報処理装置23が、異常検出装置22の機能を全て含む装置であっても良い。このような場合、異常検出装置22を別個に設ける必要なない。
【符号の説明】
【0147】
10,11 情報処理システム
20,25 インバータ装置
21,26 PLC
22,27 異常検出装置
23,28 情報処理装置
30 フィルタ
31 AC-DC変換回路
32 DC-AC変換回路
33 モータ
40~42 コンデンサ
50~52 センサ
53,55 制御装置
60,70,80,300 CPU
61,71,81,301 メモリ
62,72,82,302 記憶装置
63~65 カウンタ
66,84,304 表示装置
67,73,85,305 通信装置
83 入力装置
90 モデル
110,160 診断部
200,211 検出部
201 送信部
210,410 取得部
212 通信部
310 画面
400 第1取得部
401 第2取得部
402,411 表示処理部
410 取得部
500 選択画像
501,502 アイコン
510,511,550 画面
600,601 画像
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図20
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図22
図23
図24