(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】子局装置、子局制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04H 20/59 20080101AFI20250109BHJP
H04H 60/13 20080101ALI20250109BHJP
H04H 20/28 20080101ALI20250109BHJP
H04H 20/61 20080101ALI20250109BHJP
【FI】
H04H20/59
H04H60/13
H04H20/28
H04H20/61
(21)【出願番号】P 2020208018
(22)【出願日】2020-12-16
【審査請求日】2023-11-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】上村 浩明
【審査官】麻生 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-014223(JP,A)
【文献】特開2012-142687(JP,A)
【文献】特開平09-064838(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04H 20/59
H04H 60/13
H04H 20/28
H04H 20/61
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
親局装置から放送内容を表す信号を受け付ける信号受付手段と、
受け付けられた前記放送内容が、受け付けられるのに応じて出力されるよう指定されている前記放送内容である即時放送内容であるか判定し、当該即時放送内容を放送内容記憶手段に格納する判定手段と、
ユーザによる出力実行指示を受け付ける指示受付手段と、
前記出力実行指示を受け付けた場合、前記放送内容記憶手段に格納されている前記放送内容を出力する出力制御手段と、
を備え
、
前記判定手段は、受け付けられた前記即時放送内容と比較対象との間の、対象項目の値の差分が第1基準を超えているか否かを判定し、
前記出力制御手段は、前記差分が第1基準を超えていると判定された、新たな前記即時放送内容を出力する
子局装置。
【請求項2】
前記判定手段は、さらに、受け付けられた前記即時放送内容を、前記比較対象として前記放送内容記憶手段に格納する
請求項
1に記載の子局装置。
【請求項3】
前記信号受付手段は、前記親局装置から前記放送内容と当該放送内容が前記比較対象であることを示す信号を受信し、
前記判定手段は、前記放送内容と当該放送内容が前記比較対象であることを示す信号を受信した場合、当該放送内容を前記比較対象として前記放送内容記憶手段に格納する
請求項
1に記載の子局装置。
【請求項4】
前記指示受付手段は、前記放送内容記憶手段に格納されている前記即時放送内容の指定を受け付け、
前記判定手段は、受け付けられた指定が示す前記即時放送内容を、前記比較対象とする
請求項
1に記載の子局装置。
【請求項5】
前記指示受付手段は、さらに、前記第1基準を表す指示を受け付け、受け付けた指示が表す前記第1基準によって、判定に使用される前記第1基準を更新する
請求項
1乃至
4のいずれか1項に記載の子局装置。
【請求項6】
前記放送内容記憶手段に格納され出力されていない前記即時放送内容のうち、当該即時放送内容を表す信号を受信した時刻から所定時刻が経過した前記即時放送内容を、出力されなかった前記即時放送
内容として前記親局装置に通知する送信手段
をさらに備える請求項1乃至
5のいずれか1項に記載の子局装置。
【請求項7】
前記信号受付手段は、さらに、前記親局装置から、第2基準を表す信号を受け付け、
前記判定手段は、受け付けられた前記即時放送内容が前記第2基準を満たすか判定し、
前記出力制御手段は、前記第2基準を満たすと判定された前記即時放送内容を出力する
請求項1乃至
6のいずれか1項に記載の子局装置。
【請求項8】
親局装置から放送内容を表す信号を受け付け、
受け付けられた前記放送内容が、受け付けられるのに応じて出力されるよう指定されている前記放送内容である即時放送内容であるか判定し、
受け付けられた前記即時放送内容と比較対象との間の、対象項目の値の差分が第1基準を超えているか否かを判定し、前記即時放送内容を放送内容記憶手段に格納し、
前記差分が第1基準を超えていると判定された、新たな前記即時放送内容を出力し、
ユーザによる出力実行指示を受け付け、
前記出力実行指示を受け付けた場合、前記放送内容記憶手段に格納されている前記放送内容を出力する、
子局制御方法。
【請求項9】
親局装置から放送内容を表す信号を受け付ける信号受付処理と、
受け付けられた前記放送内容が、受け付けられるのに応じて出力されるよう指定されている前記放送内容である即時放送内容であるか判定し、当該即時放送内容を放送内容記憶手段に格納する判定処理と、
ユーザによる出力実行指示を受け付ける指示受付処理と、
前記出力実行指示を受け付けた場合、前記放送内容記憶手段に格納されている前記放送内容を出力する出力制御処理と、
をコンピュータに実行させ
、
前記判定処理は、受け付けられた前記即時放送内容と比較対象との間の、対象項目の値の差分が第1基準を超えているか否かを判定し、
前記出力制御処理は、前記差分が第1基準を超えていると判定された、新たな前記即時放送内容を出力する
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、同報無線システムにおける子局を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
以下の説明では、同報無線システムにおいて、放送される情報を無線によって送信する装置を、親局装置と表記する。また、無線によって送信された情報を親局装置から受信し、受信した情報を例えば音声などによって放送する装置を、子局装置と表記する。最も基本的な構成では、親局装置から無線によって情報を受信した全ての子局装置は、情報を受信するとすぐにその情報を放送する。しかし、子機装置が放送を行うタイミングや、放送を行う子機装置の選択に、柔軟性が求められる。
【0003】
特許文献1には、子局装置が行う表示の内容と期間とを、親局装置が指定できる防災行政無線システムが開示されている。特許文献1のシステムでは、親局装置が、表示内容と表示開始日時と表示終了日時とをあらかじめ子局装置に送っておく、子局装置は、表示開始日時に表示内容の表示を開始し、表示終了日時に表示を終了する。
【0004】
特許文献2には、子局装置が拡声通報する音量を通報ごとに親局装置が指定する同報無線システムが開示されている。特許文献2の親局装置は、無線を用いて、音量の指定に係る情報を送信する。子局装置は、受け取った情報に基づいて拡声音量を決定する。
【0005】
特許文献3には、放送対象局などを親局装置が変更できる無線放送システムが開示されている。特許文献3の親局装置は、放送種類ごとに放送対象の子局装置を選択し、放送対象の子局装置をその子局装置の識別情報によって指定する。また、特許文献3には、自動放送と手動放送とが記載されている。自動放送は、親局装置においてあらかじめ設定されているスケジュールに従って送信される放送信号による放送を表す。手動放送は、親局装置の管理者が手動で送信した放送信号による放送を表す。親局装置の管理者は、手動放送に優先度を設定する。子局装置は、自動放送の信号を受信した場合も、手動放送の信号を受信した場合も、同様に、受信した信号に従って放送を行う。子局装置は、自動放送の信号と手動放送の信号とを同一の時間帯に受信した場合、親局装置の管理者によって設定された優先度に従って、自動放送及び手動放送のいずれか一方を放送する。
【0006】
特許文献4及び特許文献5には、子局装置がメッセージ情報を加工することによって、子機装置において効果的な通報を行う無線通信システムが開示されている。
【0007】
特許文献6には、子局装置が、放送内容情報と繰り返し指示情報とを受信し、放送内容情報に基づく放送を、繰り返し指示情報に基づいて繰り返す同報無線システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開平11-041189号公報
【文献】特開2010-268074号公報
【文献】特開2016-184803号公報
【文献】特開2006-279250号公報
【文献】特開2006-325265号公報
【文献】特開2020-053865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1~6の同報無線システムでは、子局装置は、親局装置によって指定された条件に従って放送を行う。そのため、特許文献1~6に記載の技術では、子局装置の放送聴取者が放送の聴取に不都合な状態であっても、子局装置が親局装置によって指定された条件に従って放送を行うのを止めることはできない。
【0010】
本開示の目的の1つは、放送聴取者が放送の聴取に不都合な状態である場合の放送を抑制できる子局装置などを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示の一態様に係る子局装置は、親局装置から放送内容を表す信号を受け付ける信号受付手段と、受け付けられた前記放送内容が、受け付けられるのに応じて出力されるよう指定されている前記放送内容である即時放送内容であるか判定し、当該即時放送内容を放送内容記憶手段に格納する判定手段と、ユーザによる出力実行指示を受け付ける指示受付手段と、前記出力実行指示を受け付けた場合、前記放送内容記憶手段に格納されている前記放送内容を出力する出力制御手段と、を備える。
【0012】
本開示の一態様に係る子局制御方法は、親局装置から放送内容を表す信号を受け付け、受け付けられた前記放送内容が、受け付けられるのに応じて出力されるよう指定されている前記放送内容である即時放送内容であるか判定し、当該即時放送内容を放送内容記憶手段に格納し、ユーザによる出力実行指示を受け付け、前記出力実行指示を受け付けた場合、前記放送内容記憶手段に格納されている前記放送内容を出力する。
【0013】
本開示の一態様に係るプログラムは、親局装置から放送内容を表す信号を受け付ける信号受付処理と、受け付けられた前記放送内容が、受け付けられるのに応じて出力されるよう指定されている前記放送内容である即時放送内容であるか判定し、当該即時放送内容を放送内容記憶手段に格納する判定処理と、ユーザによる出力実行指示を受け付ける指示受付処理と、前記出力実行指示を受け付けた場合、前記放送内容記憶手段に格納されている前記放送内容を出力する出力制御処理と、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0014】
本開示には、放送聴取者が放送の聴取に不都合な状態である場合の放送を抑制できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本開示の第1の実施形態に係る子局装置の構成の例を表すブロック図である。
【
図2】
図2は、本開示の第1の実施形態に係る子局装置の動作の例を表すフローチャートである。
【
図3】
図3は、本開示の第2、第3、第4の実施形態に係る同報無線システムの構成を模式的に表すブロック図である。
【
図4】
図4は、本開示の第2、第3、第4の実施形態に係る子局装置の構成の例を表すブロック図である。
【
図5】
図5は、本開示の第2の実施形態に係る子局装置の、放送内容を受け付けた場合の全体の動作の例を表すフローチャートである。
【
図6】
図6は、本開示の第2の実施形態に係る子局装置の放送内容処理の動作の例を表すフローチャートである。
【
図7】
図7は、本開示の第2、第3、第4の実施形態に係る子局装置の出力指示受付時の動作の例を表すフローチャートである。
【
図8】
図8は、本開示の第3、第4、第5、第6の実施形態に係る子局装置の、放送内容を受け付けた場合の全体の動作の例を表すフローチャートである。
【
図9】
図9は、本開示の第3、第4、第5、第6の実施形態に係る子局装置の、放送内容処理の動作の例を表すフローチャートである。
【
図10】
図10は、本開示の第3、第4、第5、第6の実施形態の子局装置の、比較対象の指示の受付時の動作の例を表すフローチャートである。
【
図11】
図11は、本開示の第4、第5、第6の実施形態に係る子局装置の、緊急基準を表す信号を受け付ける第1の動作の例を表すフローチャートである。
【
図12】
図12は、本開示の第4、第5、第6の実施形態に係る子局装置の、緊急基準を示す指示を受け付ける第2の動作の例を表すフローチャートである。
【
図13】
図13は、本開示の第5、第6の実施形態に係る同報無線システムの構成の例を表すブロック図である。
【
図14】
図14は、本開示の第5、第6の実施形態に係る子局装置の構成の例を表す図である。
【
図15】
図15は、本開示の第5、第6の実施形態に係る子局装置の、出力指示を受け付ける動作の例を表すフローチャートである。
【
図16】
図16は、本開示の第6の実施形態に係る子局装置の、優先基準を受け付ける動作の例を表すフローチャートである。
【
図17】
図17は、本開示の実施形態に係る子局装置の各々を実現することができる、コンピュータ1000のハードウェア構成の一例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示の実施形態の説明の前に、同報無線システムについてさらに詳しく説明する。
【0017】
一般的な同報無線システムの規格は、例えば以下の文献1及び文献2によって開示されている。
【0018】
(文献1) 市町村デジタル同報通信システム標準規格ARIB STD-T86 3.1版(社団法人電波産業会)
(文献2) 市町村デジタル同報通信システムTYPE2標準規格ARIB STD-T115 2.1版(社団法人電波産業会)
一般的な同報無線システムにおいては、再送信子局装置、屋外拡声子局および戸別受信機が、本開示の説明における子局装置に該当する。子局装置は1つの同報無線システム内に複数設置することができ、親局装置からの無線信号を受信して拡声放送を行う。放送を行う際、親局装置の操作者は、放送対象となる子局装置の識別子(以下、子局番号)や、放送対象となる複数の子局装置に設定されている、複数の子局装置に設定できる識別子(以下、グループ番号)を選択して放送起動指示を行う。その際、親局装置の操作者は、必要に応じて肉声や人工音声、チャイム音、サイレン音等の放送音源も選択する。その場合、親局装置は、放送起動指示と、放送音源が選択された場合は放送音源とを、無線信号に変換して送出する。
【0019】
より詳しく説明すると、親局装置では、放送起動指示や放送音源など、一度の放送に関して一回以上送出する無線信号(以下、放送指示信号)の中で、子局番号とグループ番号を1つ又は複数指定することができる。親局装置では、子局番号とグループ番号を混在して指定することも可能である。ここでは便宜上、1つ以上の子局番号、グループ番号又はその両方を、子局呼出番号と表現する。子局装置は、親局装置からの放送指示信号を受信したとき、子局装置自身に登録されている子局呼出番号と、放送指示で指定されている子局呼出番号を比較する。そして、子局装置は、放送指示信号で指定されている子局呼出番号の中に、子局装置自身に登録されている子局呼出番号と一致する番号があるとき拡声放送を行い、一致する番号がなければ拡声放送を行わない。
【0020】
一般的な同報無線システムは、平常時の拡声放送試験のため、毎日定時に試験音源を拡声する場合がある。例えば正午や夕方にチャイムや音楽を鳴らすという運用が一般的である。また、複数の市町村が合併した自治体では、例えば次のような運用も行われる。各子局装置において、録音された旧市町村用の試験音源が、予め保持される。親局装置において、子局装置に録音済みの試験音源を再生する旨の放送指示信号の送信が行われる。そのような放送指示信号を受信すると、各子局装置は、旧市町村毎に異なる音源を同時に放送する。
【0021】
また、たとえば災害時には、親局装置は、肉声データや人工音声データを含む放送指示信号を送信することがある。その場合、子局装置は、親局装置から受信した放送指示信号に含まれる肉声データや人工音声データを使用して拡声放送する。さらに、子局装置に予め警告音や定型文が録音された音声データを保持させてしておくこともある。この場合、親局装置は、子局装置に録音済みの警告音や定型文を再生する旨の放送指示信号を送信する。子局装置は、親局装置から、子局装置に録音済みの警告音や定型文を再生する旨の放送指示信号を受信した場合、あらかじめ録音されている警告音や定型文の音源を拡声放送する。親局装置は、災害時等に緊急性のある放送を行う際に、送信する放送指示信号に緊急放送である旨を示す情報を付加するように設定されている場合もある。そのような放送指示信号に対応する子局装置は、緊急放送である旨を示す情報が付加された放送指示信号を受信した場合、注意喚起のためにライトやLED(Light Emmitting Diode)を点滅させる。
【0022】
このように、一般的な同報無線システムでは、子局装置は、親局装置からの無線信号を受信して拡声放送を行う。子局装置は、さらに、必要に応じてライトやLEDを点灯又は点滅させることによって注意喚起を行う。言い換えると、一般的な同報無線システムでは、親局装置からの指示によって子局装置が放送を行うため、子局装置から放送を聞く人々(以下、放送聴取者)の都合によらず拡声放送が行われる。そのため、拡声放送の頻度、内容、音量、タイミングによって、放送聴取者が、拡声放送を「うるさい」等と感じるという課題があった。しかし、この課題を解決するために、親局装置において、拡声放送の頻度を減らす、音量を小さくする等の対応が行われた場合、他の放送聴取者が、「放送が鳴らなかった」、「放送が聞こえない」等と感じるという別の課題が生じる。
【0023】
以下では、特許文献の一部についてさらに詳しく説明する。
【0024】
特許文献4及び特許文献5には、親局装置であるセンター局装置が子局装置に文字メッセージ情報を送信し、子局装置がメッセージ情報を加工し、加工されたメッセージ情報に基づく拡声放送を行う技術が記載されている。この技術では、親局装置から送信される放送指示信号と、子局装置が保持している情報及び子局装置が得た情報とを用いて、子局装置毎に必要な情報を提供できる。この技術では、子局装置毎に予め記録されている川の名称等の情報、子局装置に接続されたテレメータ装置等から取得した情報、及び、親局装置からのメッセージ情報等が、メッセージ情報の加工によって組み合わせられる。そのように加工されたメッセージ情報を放送することによって、子局装置毎に内容の異なる拡声放送が可能になる。ただし、特許文献4及び特許文献5に記載の技術では、拡声放送を行う場合、拡声放送の頻度や回数は親局装置からの指示に従う。そのため、放送聴取者が放送の聴取に不都合な場合であっても、拡声放送は行われる。
【0025】
特許文献6には、通常、親局装置から送信される放送指示信号に従って実施されていた繰り返し放送を、子局装置が自律的に行う技術が記載されている。この技術では、子局装置は、親局装置から指示された繰り返し回数と繰り返し間隔の情報をもとに拡声放送を繰り返す。そして、親局装置から放送指示信号を送信する頻度が抑制されることによって、効率的なシステム運用が可能となる。特許文献6に記載の技術でも、子局装置は、親局装置からの指示に従って拡声放送を行う。そのため、放送聴取者が放送の聴取に不都合な場合であっても、拡声放送は行われる。
【0026】
このように、一般的な同報無線システムや、上述の各特許文献に記載されている同報無線システムは、子局装置が拡声放送を行う前提で設計されている。拡声放送の情報源として、子局装置に記録している情報、親局装置から送信される文字情報、テキスト情報、肉声情報、人工音声情報、テレメータ等の子局装置に接続された外部機器のセンサ情報など、様々な情報が使用される。しかし、いずれの場合も、親局装置から子局装置が放送指示信号を受信したり、子局装置に接続した外部機器のセンサが閾値を超えたりした場合に子局装置が放送を行う。そのため、結果として放送聴取者の都合によらず拡声放送が行われる。
【0027】
また、一般的に、子局装置では拡声放送中に電力を多く消費するため、停電時に拡声放送できる時間には限りがある。拡声放送の頻度が増大すると、子局装置のバッテリが消費され、停電時に子局装置の停止が早まる懸念がある。子機装置のバッテリの消費を抑制するためには、親局装置で河川の水位や降水量をモニタリングしていても、状況が変化する過程の情報である、モニタリングした情報の、子局装置へのこまめな送信を抑制する必要がある。親局装置は、状況が変化した結果の情報である、警戒レベル、避難勧告、及び、避難指示だけを放送することになる。その結果、放送聴取者は、河川の水位や降水量に関する、状況が変化する過程の情報を、インターネットやテレビ、ラジオ等の、子局装置からの放送以外の手段で入手する必要が生じる。放送聴取者は、警報レベル、避難勧告、避難指示といった、状況が変化した結果の情報を、同報無線システムの子局装置から入手する必要がある。放送聴取者が、このような一貫性の無い情報収集を行うことにより、避難行動に関する判断の遅れや判断の誤りが発生する可能性がある。
【0028】
このように、災害時などに、一般的な同報無線システムの放送聴取者は、時系列的に変化する情報を、インターネットや放送事業者のコンテンツを頼りに個人の情報端末から収集し、一方で行政からの指示を子局装置から収集している。すなわち、一般的な同報無線システムの放送聴取者は、2種類の異なる媒体を用いた情報収集を行っている。そのため、片方の媒体から避難指示等が発令されても、もう片方の媒体の情報と比較すること、更なる情報収集等を行うこと、避難までの意思決定に時間がかかること、避難指示を軽視すること、などによって、避難が遅れる可能性がある。
【0029】
また、一般的に、子局装置は親局装置からの指示が無くても、子局装置の操作によって独自の放送(以下、自局放送)を行うことができる。放送聴取者が子局装置の操作(例えば、子局装置がセンサによって検出した情報の放送である自局放送の再生)を行っている間に、子局装置が親局装置から放送指示信号を受信した場合、子局装置は、放送聴取者の操作を強制的に中断する。そして、子局装置は、親局装置から受信した放送指示信号による放送内容を拡声放送する。すなわち、一般的に、親局装置からの放送指示によって、放送聴取者による子局装置の操作は制限される。言い換えると、一般的に、子局装置の放送聴取者が親局装置からの放送指示による放送の視聴に不都合な状態であっても、子局装置は、親局装置からの放送指示による放送を行う。
【0030】
<第1の実施形態>
まず、本開示の第1の実施形態について説明する。
【0031】
<構成>
図1は、本開示の第1の実施形態に係る子局装置10の構成の例を表すブロック図である。
図1に示す例では、子局装置10は、信号受付部110と、判定部120と、放送内容記憶部130と、出力制御部140と、指示受付部150とを含む。
【0032】
信号受付部110は、親局装置から放送内容を表す信号を受け付ける。以下の説明では、放送内容は、親局によって放送するよう指示されている情報を表す。判定部120は、受け付けられた前記放送内容が、受け付けられるのに応じて出力されるよう指定されている前記放送内容である即時放送内容であるか判定し、当該即時放送内容を放送内容記憶手段に格納する。以下の説明において、即時放送内容は、親局装置から受信した子局装置が、すぐに、(言い換えると、リアルタイムで)出力することが想定されている放送内容である。さらに言い換えると、即時放送内容は、一般的な同報無線システムの場合に、子局装置が、親局装置から受信するとすぐに放送するよう設定されている放送内容である。一般的な同報無線システムの子局装置が、放送に関連する日時が設定されていない放送内容をすぐに放送するよう設定されているとすると、即時放送内容は、放送に関連する日時が設定されていない放送内容を含む。即時放送内容でない放送内容は、例えば、指定された時刻に放送するよう指定されている放送内容である。なお、本開示の以下の実施形態の説明において、「放送」は、上述の、子局装置による拡声放送を表す。放送内容記憶部130は、即時放送内容を記憶する。指示受付部150は、ユーザによる出力実行指示を受け付ける。ユーザは、上述の、子局装置の放送聴取者である。出力制御部140は、前記出力実行指示を受け付けた場合、前記放送内容記憶手段に格納されている前記放送内容を出力する。出力制御部140は、例えばスピーカなどの出力装置を使用して放送内容を拡声放送することによって、放送内容を出力する。本開示の第1の実施形態は、さらに、後述の実施形態のいずれかのように構成されていてもよい。
【0033】
<動作>
図2は、本開示の第1の実施形態に係る子局装置10の動作の例を表すフローチャートである。なお、本実施形態は、さらに、後述の実施形態のいずれかのように構成されていてもよい。
【0034】
図2で示す例では、まず、信号受付部110が、放送内容を表す信号、言い換えると、放送内容の信号を受け付ける(ステップS11)。判定部120は、受け付けた放送内容が即時放送内容であるか判定する(ステップS12)。受け付けた放送内容が即時放送内容である場合、受け付けた放送内容、すなわち、受け付けた即時放送内容を、放送内容記憶部130に格納する(ステップS13)。
【0035】
指示受付部150は、ユーザによる出力指示を受け付ける(ステップS14)。放送内容記憶部130に、即時放送内容が格納されている場合(ステップS15においてYES)、出力制御部140は、放送内容記憶部130に格納されている即時放送内容を出力する(ステップS16)。出力制御部140は、上述のように、即時放送内容を、例えばスピーカなどの出力装置を使用して拡声放送することによって、その即時放送内容を出力する。そして、子局装置10は、
図2に示す動作を終了する。放送内容記憶部130に即時放送内容が格納されていない場合(ステップS15においてNO)も、子局装置10は、
図2に示す動作を終了する。
【0036】
<効果>
本実施形態には、放送聴取者が放送の聴取に不都合な状態である場合の放送を抑制できるという効果がある。その理由は、判定部120が、受け付けた放送内容が、受け付けられるのに応じて出力される放送内容である即時放送内容であるか判定し、即時放送内容を放送内容記憶部130に格納するからである。そして、ユーザ、すなわち、放送聴取者による出力指示が受け付けられた場合に、出力制御部140が、即時放送内容を、出力装置を使用して出力するからである。
【0037】
<第2の実施形態>
次に、本開示の第2の実施形態について、図面を使用して詳細に説明する。
【0038】
<全体>
図3は、本開示の第2の実施形態に係る同報無線システム1の構成を模式的に表すブロック図である。
図3に示す例では、同報無線システム1は、親局装置200と、複数の子局装置100とを含む。親局装置200は、無線によって、放送内容を表す信号を、子局装置100の各々に送信する。具体的には、親局装置200は、自動又は手動で、例えば、5分おきに河川の水位情報を放送内容として含む放送指示信号を、無線アンテナを介して、子局装置100の各々に送信する。放送指示信号は、子局呼び出し信号を含んでいてよい。なお、子局装置100の各々には、互いに異なる子局呼出番号が割り当てられる。子局装置100は、割り当てられている子局呼出番号を記憶している。
【0039】
放送内容には、放送内容が表す情報の種類と、その情報の値とを含んでいてよい。情報の種類は、例えば、河川の水位である。この場合の情報の値は、河川の水位の値である。情報の種類は、単位時間当たりの降水量、24時間積算降水量、土砂崩れの危険度、河川氾濫の危険度など、他の種類の値であってもよい。情報の値は、これらの情報の値として計測又は設定された値である。情報の種類は、以上の例に限られない。情報の種類は、以上の例の少なくともいずれかを含んでいなくてもよい。
【0040】
放送内容には、その放送内容の属性が付加されていてよい。言い換えると、放送内容は、その放送内容の属性を含んでいてよい。属性は、上述の子局呼出番号を含んでいてもよい。属性は、放送開始日時を含んでいてもよい。属性は、放送終了日時を含んでいてもよい。放送開始日時及び放送終了日時を、まとめて、放送日時の指定と表記する。属性は、優先的に拡声放送する放送内容であることを示す情報を含んでいてもよい。属性は、拡声放送を行うか否かを表す情報を含んでいてもよい。
【0041】
<子局装置100>
図4は、本開示の第2の実施形態に係る子局装置100の構成の例を表すブロック図である。
図4に示す例では、子局装置100は、信号受付部110と、判定部120と、放送内容記憶部130と、出力制御部140と、指示受付部150と、出力部160と、一覧出力部170とを含む。
【0042】
<信号受付部110>
信号受付部110は、親局装置から放送内容を表す信号(すなわち、放送指示信号)を受け付ける。信号受付部110は、例えば、放送指示信号に含まれる子局呼出番号と、記憶している子局呼出番号とを比較し、放送指示信号に含まれる子局呼出番号と、記憶している子局呼出番号とが同一である場合に、その放送指示信号を受け付ける。
【0043】
信号受付部110は、受け付けた放送指示信号が表す放送内容を、判定部120に送出する。上述のように、本実施形態の説明では、放送内容はその放送内容の属性を含む。
【0044】
<判定部120>
判定部120は、信号受付部110から、放送指示信号が表す放送内容を受け取る。
【0045】
判定部120は、受け取った放送内容が、優先的に拡声放送するよう指定されている放送内容の基準(以下、優先基準、又は、第2基準と表記)を満たすか判定する。優先基準は、例えば、放送内容の属性に対する条件であってもよい。優先基準は、放送内容に対する条件であってもよい。優先基準は、放送内容、及び、放送内容の属性の両方に対する条件であってもよい。判定部120は、受け取った放送内容が、優先基準を満たす場合、その放送内容を出力制御部140に送出する。
【0046】
判定部120は、さらに、受け取った放送内容が、即時放送内容であるか否かを判定する。受け取った放送内容が即時放送ではない場合(本実施形態では、例えば、放送日時が指定されている放送内容である場合)、判定部120は、その放送内容を、放送内容記憶部130に格納する。この場合、放送内容は、放送の日時の指定を含む属性を含む。すなわち、判定部は、放送内容とその放送内容の放送の日時の指定とを、放送内容記憶部130に格納する。
【0047】
受け取った放送内容が即時放送内容である場合、判定部120は、受け取った放送内容が、すぐに出力するか判定するための基準(以下、緊急基準、又は、第1基準と表記)を満たすか判定する。具体的には、まず、判定部120は、受け取った放送内容と、放送内容記憶部130に格納されている比較対象とを比較する。比較対象は、次の即時放送内容と比較される即時放送内容である。さらに具体的には、判定部120は、受け取った放送内容が表す所定の情報の値と、比較対象が表す所定の情報の値との差分を算出する。例えば、放送内容が河川の水位である場合、判定部120は、比較対象が表す河川の水位と、受け取った即時放送内容が表す下線の水位との差分を算出する。判定部120は、受け取った放送内容と、放送内容記憶部130に格納されている比較対象とを比較の結果が、緊急基準を満たすか判定する。さらに具体的には、受け取った放送内容が表す情報の値と、比較対象が表す情報の値との差分が、閾値よりも大きいか否かを判定する。例えば、緊急基準は、差分が閾値よりも大きいことであってもよい。緊急基準は、差分が閾値よりも小さいことであってもよい。複数の緊急基準が定められていてもよい。なお、本実施形態では、比較対象は、放送内容記憶部130に格納されている即時放送内容の中で、最も新しい即時放送内容である。
【0048】
判定部120は、受け取った放送内容が緊急基準を満たす場合、判定部120は、受け取った放送内容を出力制御部140に送出する。複数の緊急基準が定められている場合、判定部120は、放送内容と、その放送内容が満たした緊急基準とを、出力制御部140に送出する。判定部120は、受け取った放送内容が緊急基準を満たさない場合、判定部120は受け取った放送内容を出力制御部140に送出しない。
【0049】
判定部120は、さらに、即時放送内容である、受け取った放送内容を、比較対象として、放送内容記憶部130に格納する。判定部120は、受け取った即時放送内容を同じ種類の即時放送内容が放送内容記憶部130に格納されている場合、放送内容記憶部130に格納されている即時放送内容を、その即時放送内容と同じ種類の、受け取った即時放送内容によって上書きしてもよい。言い換えると、判定部120は、放送内容記憶部130に格納されている即時放送内容を、その即時放送内容と同じ種類の、受け取った即時放送内容によって置き換えてもよい。判定部120は、異なる複数の時点において受け取った、複数の即時放送内容が放送内容記憶部130に格納されるように、受け取った即時放送内容を放送内容記憶部130に追加してもよい。
【0050】
<出力部160>
出力部160は、放送内容を出力する、本開示の説明において説明される出力装置である。
【0051】
<一覧出力部170>
一覧出力部170は、放送内容記憶部130に格納されている放送内容の一覧を、例えばディスプレイやタッチパネルなどの表示装置に出力する。一覧出力部170は、後述の指示受付部150が放送内容記憶部130に格納されている放送内容の一覧の要求を受け付けた場合に、放送内容記憶部130に格納されている放送内容の一覧を出力してよい。
【0052】
<指示受付部150>
指示受付部150は、放送内容記憶部130に格納されている放送内容の一覧の要求を受け付けてもよい。
【0053】
指示受付部150は、子局装置100の入力装置を使用した、ユーザによる出力指示を受け付ける。
【0054】
入力装置は、例えば、押下することによって放送内容の出力(例えば拡声放送)を指示する拡声ボタンであってもよい。入力装置は、人物の存在を検出する人感センサであってもよい。その場合、指示受付部150は、人感センサによって人物が検出された場合に、出力指示が受け付けられたと判定してよい。入力装置は、カメラであってよい。その場合、指示受付部150は、カメラによってユーザが撮像された画像において、あらかじめ登録されたユーザの顔の情報を用いて、顔認証を行ってもよい。その場合、指示受付部150は、顔認証が成功した場合に、出力指示が受け付けられたと判定してよい。また、入力装置がカメラである場合、指示受付部150は、撮像された画像に写る人物が、特定のジェスチャー又はポーズを取っているか否かを判定してもよい。指示受付部150は、画像に写る人物が特定のジェスチャー又はポーズを取っていると判定された場合に、出力指示を受け付けたと判定してもよい。入力装置は、マイクロホンであってもよい。その場合、指示受付部150は、あらかじめ定められた音声の入力があった場合に、出力指示が受け付けられたと判定してよい。あらかじめ定められた音声は、例えば、所定周波数の音であってもよい。あらかじめ定められた音声は、発話による指示であってもよい。その場合、指示受付部150は、音声認識を行い、認識された音声が出力指示であるか判定し、認識された音声が出力指示である場合に、出力指示が受け付けられたと判定してよい。以上の場合、指示受付部150は、最も新しい放送内容が指定されたと判定する。
【0055】
入力装置は、一覧出力部170としても動作するタッチパネルであってもよい。その場合、指示受付部150は、タッチパネルを使用した、放送内容の指定を、出力指示として受け付けてもよい。
【0056】
指示受付部150は、出力指示が受け付けられたことを、出力制御部140に通知する。放送内容が指定された場合、指示受付部150は、指定された放送内容の情報を出力制御部140に通知する。
【0057】
<出力制御部140>
出力制御部140は、出力指示が受け付けられた場合、すなわち、出力指示が受け付けられたことを通知された場合、放送内容記憶部130に格納されている即時放送内容を、出力装置を使用して出力する。指定された放送内容の情報が通知された場合、出力制御部140は、放送内容記憶部130に格納されている即時放送内容のうち、指定された放送内容を出力する。指定された放送内容の情報が通知されない場合、出力制御部140は、放送内容記憶部130に格納されている即時放送内容のうち、最も新しい即時放送内容を出力する。
【0058】
出力制御部140は、さらに、判定部120から、放送内容を受け取る。判定部120から受け取った放送内容は、優先基準又は緊急基準を満たした放送内容である。出力制御部140は、判定部120から受け取った放送内容を出力する。出力制御部140は、判定部120から、放送内容と、その放送内容が満たした緊急基準の情報とを受け取ってもよい。その場合、出力制御部140は、受け取った情報が表す緊急基準に応じて異なる方法で、放送内容を出力してもよい。
【0059】
出力制御部140は、放送日時を指定した放送内容が放送内容記憶部130に格納されている場合、指定された放送日時に従って、放送日時を指定した放送内容を出力する。
【0060】
放送内容の属性が、拡声放送を行うことを示している場合、出力装置は、拡声用スピーカである。出力制御部140は、拡声用スピーカから、出力される即時放送内容が表す音声を発生させる拡声放送を行うことによって、即時放送内容を出力する。
【0061】
放送内容の属性が、拡声放送を行わないことを示している場合、出力装置は、LEDであってもよい。出力装置は、スピーカであってもよい。出力装置は、振動を発生させるモータであってもよい。出力装置は、熱を発生させるヒーターであってもよい。出力装置は、特定の匂いを発生させる装置であってもよい。出力装置は、子局装置100に通信可能に接続された情報端末装置であってもよい。出力装置は、これらの例に限られない。出力装置は、これらの例の少なくともいずれかの組み合わせであってもよい。出力制御部140は、LEDを発光させることによって、即時放送内容を出力してもよい。LEDが発する光の色、光の強さ、発光パターンが、即時放送内容に応じてあらかじめ定められていてよい。出力制御部140は、例えば、河川の水位が下降している場合と、水位が上昇している場合とで、異なる色、強さ、発光パターンで、LEDを光らせてもよい。出力制御部140は、スピーカから特定の音を発生させることによって、即時放送内容を出力してもよい。この場合、出力制御部140は、即時放送内容に応じて異なる、あらかじめ定められているパターンの音を発生させてもよい。出力装置が情報端末装置である場合、出力制御部140は、即時放送内容を表す、文字、図形、記号などを、情報端末装置に送信してよい。
【0062】
<動作>
次に、本開示の第2の実施形態に係る子局装置100の動作について、図面を使用して詳細に説明する。
【0063】
図5は、本開示の第2の実施形態に係る子局装置100の、放送内容を受け付けた場合の全体の動作の例を表すフローチャートである。
図5に示す例では、まず、信号受付部110が、放送内容の信号を受け付ける(ステップS101)。次に、子局装置100は、放送内容処理を行う(ステップS102)。放送内容処理については、後で詳細に説明する。次に、子局装置100は、動作を終了するか判定する(ステップS103)。例えば、バッテリの残量が枯渇した場合や、ユーザから動作の終了の指示があった場合、子局装置100は動作を終了すると判定する。動作を終了しない場合(ステップS104においてNO)、子局装置100の動作は、ステップS101に戻る。動作を終了する場合(ステップS104においてYES)、
図5に示す子局装置100の動作は終了する。
【0064】
図6は、本開示の第2の実施形態に係る子局装置100の放送内容処理の動作の例を表すフローチャートである。
【0065】
図6に示す例では、まず、判定部120が、受け取った放送内容が優先基準を満たすか判定する(ステップS111)。受け取った放送内容が優先基準を満たす場合(ステップS112においてYES)、判定部120は、受け取った放送内容を出力制御部140に送出する。出力制御部140は、判定部120から放送内容を受け取り、出力装置を用いて、受け取った放送内容を出力する(ステップS119)。そして、子局装置100は、
図6に示す動作を終了する。
【0066】
受け取った放送内容が優先基準を満たさない場合(ステップS112においてNO)、判定部120は、受け取った放送内容が即時放送内容であるか判定する(ステップS113)。受け取った放送内容が即時放送内容でない場合(ステップS114においてNO)、その放送内容は、例えば、放送日時が指定された放送内容である。その場合、判定部120は、放送日時と放送内容とを放送内容記憶部130に格納する(ステップS115)。そして、子局装置100は、
図6に示す動作を終了する。
【0067】
受け取った放送内容が即時放送内容である場合(ステップS114においてYES)、判定部120は、その即時放送内容(すなわち、受け取った放送内容)が緊急基準を満たすか判定する(ステップS116)。判定部120は、その即時放送内容(すなわち、受け取った放送内容)を、比較対象として放送内容記憶部130に格納する(ステップS117)。
【0068】
ステップS116における判定の結果、即時放送内容が緊急基準を満たす場合(ステップS118においてYES)、判定部120は、その即時放送内容(すなわち、受け取った放送内容)を出力制御部140に送出する。出力制御部140は、判定部120から放送内容を受け取り、出力装置を用いて、受け取った放送内容を出力する(ステップS119)。そして、子局装置100は、
図6に示す動作を終了する。
【0069】
ステップS116における判定の結果、即時放送内容が緊急基準を満たさない場合(ステップS118においてNO)、子局装置100は、
図6に示す動作を終了する。
【0070】
図7は、本開示の第2の実施形態に係る子局装置100の出力指示受付時の動作の例を表すフローチャートである。子局装置100は、
図7に示す動作を、
図5及び
図6に示す動作と並列に行ってよい。
【0071】
図7に示す例では、まず、指示受付部150が、ユーザによる出力指示の入力を受け付ける。言い換えると、指示受付部150は、出力指示を受け付ける(ステップS121)。指示受付部150は、出力指示が受け付けられたことを出力制御部140に通知する。
【0072】
出力制御部140は、放送内容記憶部130に即時放送内容が格納されているか判定する(ステップS122)。放送内容記憶部130に即時放送内容が格納されていない場合(ステップS123においてNO)、子局装置100は、
図7に示す動作を終了する。
【0073】
放送内容記憶部130に即時放送内容が格納されていない場合(ステップS123においてYES)、出力制御部140は、出力装置を用いて、放送内容記憶部130に格納されている即時放送内容を出力する(ステップS124)。出力指示において、出力される即時放送内容が指定されている場合、出力制御部140は、出力指示において指定されている即時放送内容を出力する。出力指示において、出力される即時放送内容が指定されていない場合、出力制御部140は、最も新しい即時放送内容を出力する。
【0074】
<効果>
本実施形態には、第1の実施形態と同じ効果がある。その理由は、第1の実施形態の効果が生じる理由と同じである。
【0075】
以下、本実施形態の効果について、さらに詳細に説明する。
【0076】
本実施形態では、例えば5分おきに親局装置200から子局装置100に送信された、水位情報を子局装置100では、放送聴取者が、任意のタイミングでその情報を確認できる。また、子局装置100に接続された水位センサがあれば、放送内容自体を確認することなく、その水位センサによる水位の増減のみを把握することもできる。さらに水位の上昇による避難勧告や警報発令が行われる際には、親局装置200が一般的な放送指示信号を用いて放送を行うことによって、子局装置100から拡声放送が行われて、放送聴取者へその情報を確実に提供することが可能となる。そのため、一般的なのシステムと比較して、より細かなく柔軟な情報提供が可能となる。
【0077】
すなわち、本実施形態において、親局装置200の操作者は、放送聴取者からの放送頻度、タイミング、音量等に関する苦情を気にすることなく、災害に関する情報を、必要な時に適宜展開することが可能となる。また、一般的なシステムでは、停電時に、子局装置100のバッテリ消費を懸念して親局装置200からの放送の回数及び頻度を減らしていた。しかし、本実施形態では、拡声放送を行わない情報伝達が可能となる。そのため、子局装置100のバッテリ持ちが向上する。そして、さらに、バッテリ消費を懸念せずに、本来情報伝達を行うべきタイミングで親局装置200から情報伝達を行うことが可能となる。
【0078】
さらに、放送聴取者は、時系列に変化する情報と、行政からの指示と、を同一媒体から一貫性のある情報として入手することが可能となる。これにより、片方の媒体から避難指示等が発令された際、もう片方の媒体の情報と比較したり、追加で情報収集したりして、避難までの意思決定に時間がかかるという、一般的なシステムの利用者が抱えていた課題が無くなる。そして、放送聴取者は、子局装置100から入手する情報だけで、避難指示の内容とその背景を把握し速やかに避難することが可能となる。
【0079】
そして、本実施形態の説明に記載した通り、子局装置100が放送指示信号を受信して放送内容に関する情報を子局装置100の記録部に記録する際、待ち受け状態のまま、放送内容に関する情報を子局装置100の記録部に記録する動作を行う。それにより、子局装置100は、子局装置100に録音された音源の再生中や、子局装置100での自局放送中であっても、その挙動を妨げることなく、親局装置200からの情報伝達を行うことができる。すなわち、本実施形態のシステムでは、放送聴取者による子局装置100の操作を妨げない形での情報配信が可能となる。
【0080】
<第3の実施形態>
次に、本開示の第3の実施形態について、図面を使用して詳細に説明する。上述の第2の実施形態では、比較対象は、放送内容記憶部130に格納されている即時放送内容のうち、最も新しい即時放送内容である。本実施形態では、比較対象は、親局装置200又はユーザ(すなわち、放送聴取者)によって指定された即時放送内容である。
【0081】
<構成>
図3は、本開示の第3の実施形態に係る同報無線システム1の構成を表すブロック図である。本実施形態の同報無線システム1の構成は、第2の実施形態の同報無線システム1の構成と同じである。本実施形態の同報無線システム1は、以下で説明する、子局装置100の相違と、親局装置200の相違を除いて、第2の実施形態の同報無線システム1と同じである。
【0082】
<親局装置200>
本実施形態の親局装置200は、比較対象に指定する放送内容に、比較対象であることを表す情報を付加し、比較対象であることを表す情報が付加された放送内容を各子局装置100に送信する。親局装置200は、比較対象に指定しない放送内容を、比較対象であることを表す情報を付加することなく送信する。比較対象であることを表す情報は、属性に含まれていてもよい。比較対象であることを表す情報は、放送内容に含まれていなくてもよい。その場合、親局装置200は、放送内容と共に比較対象であることを表す情報を各子局装置100に送信してもよい。他の点において、本実施形態の親局装置200は、第2の実施形態の親局装置200と同じであり、第2の実施形態の親局装置200と同様に動作する。
【0083】
<子局装置100>
図4は、本開示の第3の実施形態に係る子局装置100の構成の例を表すブロック図である。本実施形態の子局装置100の構成は、第2の実施形態の子局装置100の構成と同じである。本実施形態の子局装置100は、以下で説明する相違を除いて、第2の実施形態の子局装置100と同じである。
【0084】
<信号受付部110>
本開示の信号受付部110は、比較対象であることを表す情報が付加されていない放送内容を受け付け、加えて、比較対象であることを表す情報が付加された放送内容も受け付ける。
【0085】
<判定部120>
判定部120は、放送内容が比較対象に指定されているか判定する。判定部120は、放送内容に、比較対象であることを表す情報が付加されている場合、その放送内容が比較対象に指定されていると判定する。判定部120は、放送内容に、比較対象であることを表す情報が付加されていない場合、その放送内容が比較対象に指定されていないと判定する。判定部120は、比較対象に指定されている放送内容を、比較対象として、放送内容記憶部130に格納する。
【0086】
<指示受付部150>
指示受付部150は、さらに、放送内容記憶部130に格納されている放送内容の一覧の要求を受け付ける。放送内容記憶部130に格納されている放送内容の一覧の要求を受け付けた場合、一覧出力部170が、放送内容の一覧を出力する。指示受付部150は、例えば出力された一覧から選択された、比較対象の指示を受け付ける。比較対象の指示は、放送内容記憶部130に格納されている放送内容の1つを示す情報である。指示受付部150は、受け付けた比較対象の指示が示す放送内容を、比較対象とする。なお、
図5に示す子局装置100の構成においては、図を複雑化させないため、指示受付部150と放送内容記憶部130との間の線は省略されている。
【0087】
<動作>
次に、本開示の第3の実施形態に係る子局装置100の動作について説明する。
【0088】
図8は、本開示の第3の実施形態に係る子局装置100の、放送内容を受け付けた場合の全体の動作の例を表すフローチャートである。
図5に示す第2の実施形態の子局装置100の動作と比較すると、本実施系形態の子局装置100は、
図5に示すステップS102の動作の代わりに、ステップS202からステップS205までの動作を行う。本実施系形態の子局装置100のステップS103、ステップS104の動作は、第2の実施形態の子局装置100の、同じ符号が付与されているステップの動作と同じである。
【0089】
図8に示す例では、信号受付部110は、放送内容の信号を受け付ける(ステップS101)。ステップS101において、信号受付部110は、比較対象に指定されている放送内容、又は、比較対象に指定されている放送内容を受け付ける。
【0090】
判定部120は、受け付けられた放送内容が比較対象に指定されているか否かを判定する(ステップS202)。受け付けられた放送内容が比較対象に指定されていない場合(ステップS203においてNO)、子局装置100は、次に、放送内容処理を行う(ステップS205)。放送内容処理については、後で詳細に説明する。
【0091】
受け付けられた放送内容が比較対象に指定されている場合(ステップS203においてYES)、判定部120は、受け付けられた放送内容を、比較対象として、放送内容記憶部130に格納する(ステップS204)。そして、子局装置100は、次に、放送内容処理を行う(ステップS205)。
【0092】
本実施形態の子局装置100は、ステップS103及びステップS104において、第2の実施形態の子局装置100のステップS103及びステップS104の動作と同じ動作を行う。
【0093】
図9は、本開示の第3の実施形態に係る子局装置100の、放送内容処理の動作の例を表すフローチャートである。
図6に示す、第2の実施形態の子局装置100の放送内容処理と比較すると、本実施形態の子局装置100は、ステップS117の動作の代わりに、ステップS217の動作を行う。本実施形態の子局装置100は、ステップS111~ステップS116、ステップS118、ステップS119において、第2の実施形態の子局装置100の、同じ符号が付与されているステップの動作と同じ動作を行う。
【0094】
ステップS217において、判定部120は、即時放送内容を放送内容記憶部130に格納する。ステップS217において、判定部120は、即時放送内容を比較対処としない。
【0095】
図7は、本開示の第3の実施形態に係る子局装置100の出力指示受付時の動作の例を表すフローチャートである。本開示の第3の実施形態に係る子局装置100の出力指示受付時の動作は、第2の実施形態の子局装置100の出力指示受付時の動作と同じである。
【0096】
図10は、本開示の第3の実施形態の子局装置100の、比較対象の指示の受付時の動作の例を表すフローチャートである。
【0097】
図10に示す例では、まず、指示受付部150が、放送内容の一覧の要求を受け付ける(ステップS221)。放送内容の一覧の要求が受け付けられると、一覧出力部170は、放送内容記憶部130に格納されている放送内容の一覧を表示する(ステップS222)。
【0098】
次に、指示受付部150が、比較対象の指示を受け付ける(ステップS223)。指示受付部150は、放送内容記憶部130に格納されている放送内容のうち、受け付けた指示が比較対象として示す放送内容を、比較対象とする(ステップS224)。
【0099】
<効果>
本実施形態には、第1の実施形態の効果と同じ効果がある。その理由は、第1の実施形態の効果が生じる理由と同じである。
【0100】
本実施形態には、親局装置200及びユーザが比較対象を柔軟に設定できるという効果がある。その理由は、判定部120が、親局装置200によって指定された放送内容を比較対象として放送内容記憶部130に格納し、指示受付部150がユーザによって指定された放送内容を比較対象とするからである。
【0101】
<第4の実施形態>
次に、本開示の第4の実施形態について、図面を使用して詳細に説明する。本実施形態は、以下で説明する相違点を除いて、第3の実施形態と同じである。
【0102】
第3の実施形態では、緊急基準は、あらかじめ子局装置100において設定されており、変更されない。本実施形態では、緊急基準は、親局装置200又は子局装置100のユーザによって設定される。
【0103】
なお、以下で説明する、第3の実施形態に対する本実施形態の差分を、第2の実施形態に対して適用することも可能である。その場合、以下の説明において、第3の実施形態を第2の実施形態と読み替えることができる。
【0104】
<構成>
図3は、本開示の第4の実施形態に係る同報無線システム1の構成の例を表すブロック図である。本実施形態の同報無線システム1の構成は、第3の実施形態の同報無線システム1の構成と同じである。本実施形態の同報無線システム1は、以下で説明する相違点を除いて、第3の実施形態の同報無線システム1と同じである。
【0105】
<親局装置200>
本実施形態の親局装置200は、第3の実施形態の親局装置と同じ機能を備え、第3の実施形態の親局装置と同じ動作を行う。本実施形態の親局装置200は、さらに、例えば親局装置200の管理者の操作によって、緊急基準を表す信号を、子局装置100の各々に送信する。
【0106】
<子局装置100>
本実施形態の子局装置100は、以下で説明する相違点を除いて、第3の実施形態の子局装置100と同じである。本実施形態の子局装置100は、第3の実施形態の子局装置100と同じ動作を行う。本実施形態の子局装置100は、加えて、以下で説明する動作を行う。
【0107】
<構成>
図4は、本開示の第4の実施形態に係る子局装置100の構成の例を表すブロック図である。本実施形態の子局装置100の構成は、第3の実施形態の子局装置100の構成と同じである。以下では、本実施形態の子局装置100と、第3の実施形態の子局装置100との相違点について説明する。
【0108】
<信号受付部110>
信号受付部110は、第3の実施形態の信号受付部110と同じ機能を備える。信号受付部110は、さらに、親局装置200から、緊急基準を表す信号を受け付ける。信号受付部110は、受け付けた緊急基準を判定部120に送出する。
【0109】
<指示受付部150>
指示受付部150は、第3の実施形態の指示受付部150と同じ機能を備える。指示受付部150は、さらに、ユーザから、子局装置100の入力装置を介して、緊急基準を表す指示を受け付ける。入力装置は、例えば、タッチパネル、子局装置100に接続された情報端末、マイクロホンなどである。入力装置がマイクロホンである場合、指示受付部150は、マイクロホンによって入力された音声データに対して音声認識を行うことによって、緊急基準を表す指示を認識する。
【0110】
指示受付部150は、受け付けた指示が表す緊急基準を、判定部120に送出する。
【0111】
<判定部120>
本実施形態の判定部120は、第3の実施形態の判定部120と同じ機能を備える。本実施形態の判定部120は、加えて、以下の機能を備える。
【0112】
判定部120は、信号受付部110から、緊急基準を受け取る。判定部120は、信号受付部110から緊急基準を受け取ると、判定に使用される緊急基準を、受け付けられた信号が表す緊急基準、すなわち、信号受付部110から受け取った緊急基準によって更新する。
【0113】
また、判定部120は、指示受付部150から、緊急基準を受け取る。判定部120は、緊急基準を受け取ると、判定に使用される緊急基準を、受け付けられた信号が表す緊急基準、すなわち、指示受付部150が受け付けた緊急基準によって更新する。
【0114】
すなわち、判定部120は、信号受付部110及び指示受付部150から緊急基準を受け取っていない場合、あらかじめ設定されている緊急基準を判定に使用する。判定部120は、信号受付部110及び指示受付部150の少なくとも一方から緊急基準を受け取った場合、最も新しく受け取った緊急基準を使用して判定を行う。
【0115】
<動作>
本実施形態の子局装置100は、第3の実施形態の子局装置100と同じ動作を行う。本実施形態の子局装置100は、加えて、以下で説明する動作を行う。
【0116】
図11は、本開示の第4の実施形態に係る子局装置100の、緊急基準を表す信号を受け付ける第1動作の例を表すフローチャートである。
図11に示す例では、まず、信号受付部110が、親局装置200から、緊急基準を表す信号を受け付ける(ステップS301)。緊急基準を表す信号が受け付けられない場合(ステップS302においてNO)、本実施形態の子局装置100は、
図11に示す動作を終了する。
【0117】
緊急基準を表す信号が受け付けられた場合(ステップS302においてYES)、判定部120は、判定に使用される緊急基準を、受け付けた信号が表す緊急基準によって更新する(ステップS303)。そして、本実施形態の子局装置100は、
図11に示す動作を終了する。
【0118】
本実施形態の子局装置100は、
図11に示す動作を、他の動作と並列に行ってよい。
【0119】
図12は、本開示の第4の実施形態に係る子局装置100の、緊急基準を示す指示を受け付ける第2の動作の例を表すフローチャートである。
図12に示す例では、まず、指示受付部150が、例えば入力装置を介して、ユーザによる、緊急基準を表す指示を受け付ける(ステップS311)。緊急基準を表す指示を受け付けられなかった場合(ステップS312においてNO)、本実施形態の子局装置100は、
図12に示す動作を終了する。
【0120】
緊急基準を表す指示を受け付けられた場合(ステップS312においてYES)、判定部120は、判定に使用される緊急基準を、指示受付部150によって受け付けられた指示が表す緊急基準によって更新する(ステップS313)。そして、本実施形態の子局装置100は、
図12に示す動作を終了する。
【0121】
本実施形態の子局装置100は、
図12に示す動作を、他の動作と並列に行ってよい。
【0122】
<効果>
本実施形態には、第3の実施形態の効果と同じ効果がある。その理由は、第3の実施形態の効果が生じる理由と同じである。
【0123】
本実施形態には、緊急基準を柔軟に設定できるという効果がある。その理由は、判定部120が、信号受付部110によって受け付けられた信号が示す緊急基準、及び、指示受付部150によって受け付けられた指示が示す緊急基準、のうち、最も新しい緊急基準を使用して判定を行うからである。
【0124】
<第5の実施形態>
次に、本開示の第5の実施形態について、図面を使用して詳細に説明する。本実施形態は、以下で説明する相違点を除いて、第4の実施形態と同じである。
【0125】
なお、第4の実施形態に対する本実施形態の相違を、第2の実施形態及び第3の実施形態に適用することも可能である。第4の実施形態に対する本実施形態の相違を、第2の実施形態に適用した場合、以下の説明の第4の実施形態を第2の実施形態と読み替えることが可能である。第4の実施形態に対する本実施形態の相違を、第3の実施形態に適用した場合、以下の説明の第4の実施形態を第3の実施形態と読み替えることが可能である。
【0126】
<構成>
図13は、本開示の第5の実施形態に係る同報無線システム2の構成の例を表すブロック図である。本実施形態の同報無線システム1の構成は、子局装置100が子局装置101によって置き換えられている点を除いて、第4の実施形態の同報無線システム1の構成と同じである。本実施形態の同報無線システム2は、以下で説明する相違点を除いて、第4の実施形態の同報無線システム1と同じである。
【0127】
本実施形態では、子局装置101は、無線によって、親局装置200にデータを送信することができる。本実施形態では、子局装置101は、他の通信ネットワークを介して、親局装置200にデータを送信することができるよう構成されていてもよい。
【0128】
<子局装置101>
図14は、本開示の第5の実施形態に係る子局装置101の構成の例を表す図である。本実施形態の子局装置101は、
図4に示す、第4の実施形態の子局装置100の各構成要素に加えて、算出部180と、送信部190を備える。本実施形態の子局装置101は、以下で説明する相違点を除いて、第4の実施形態の子局装置100と同じである。
【0129】
<判定部120>
本開示の判定部120は、放送内容記憶部130に格納する即時放送内容に、その即時放送内容の信号が受け付けられた時刻を関連付ける。言い換えると、判定部120は、即時放送内容と、その即時放送内容に関連付けられた、その即時放送内容の信号が受け付けられた時刻とを、放送内容記憶部130に格納する。なお、即時放送内容に関連付けられる時刻は、判定部120が信号受付部110からその即時放送内容を受け取った時刻であってもよい。即時放送内容に関連付けられる時刻は、判定部120がその即時放送内容を放送内容記憶部130に格納する時刻であってもよい。以下では、即時放送内容に関連付けられる時刻が、その即時放送内容の信号が受け付けられた時刻である場合について説明する。
【0130】
<算出部180>
算出部180は、即時放送内容を表す信号が受け付けられてから、その即時放送内容が出力されるまでの時間を算出する。なお、算出部180は、即時放送内容を表す信号が受け付けられてから所定時間(子局確認閾値とも表記)が経過した場合、その即時放送内容は出力されなかったと判定してもよい。
【0131】
<送信部190>
送信部190は、即時放送内容を表す信号が受け付けられてから、その即時放送内容が出力されるまでの時間を、親局装置200に送信する。出力されなかったと判定された即時放送内容が存在する場合、送信部190は、即時放送内容が出力されなかったことを親局装置200に通知する。
【0132】
<動作>
本実施形態の子局装置101は、出力指示を受け付ける動作を除いて、第4の実施形態と同様に動作する。
【0133】
図15は、本開示の第5の実施形態に係る子局装置101の、出力指示を受け付ける動作の例を表すフローチャートである。
【0134】
図15に示す例では、指示受付部150は、出力指示の入力を検出する(ステップS401)。出力指示の入力が検出された場合(ステップS402においてYES)、本実施形態の子局装置101は、ステップS121からステップS124までの動作を行う。本実施形態の子局装置101の、ステップS121からステップS124までの動作は、
図7に示す、第4の実施形態の子局装置101のステップS121からステップS124までの動作と同じである。
【0135】
次に、算出部180は、即時放送内容を表す信号が受け付けられてから、即時放送内容が出力されるまでの時間を算出する。送信部190は、即時放送内容を表す信号が受け付けられてから、即時放送内容が出力されるまでの時間を親局装置200に送信する(ステップS403)。そして、本実施形態の子局装置101は、
図15に示す動作を終了する。
【0136】
出力指示の入力が検出されなかった場合(ステップS402においてNO)、放送内容記憶部130に格納されている、信号が受け付けられてから所定時間(すなわち、子局確認閾値によって表される時間)が経過した即時放送内容を検出する(ステップS404)。信号が受け付けられてから所定時間掛け経過した即時放送内容が放送内容記憶部130に格納されていない場合(ステップS404においてNO)、本実施形態の子局装置101は、
図15に示す動作を終了する。
【0137】
信号が受け付けられてから所定時間掛け経過した即時放送内容が放送内容記憶部130に格納されている場合(ステップS404においてYES)、送信部190は、即時放送内容が出力されなかったことを親局装置200に通知する(ステップS405)。
【0138】
<効果>
本実施形態には、第4の実施形態と同じ効果がある。その理由は、第4の実施形態の効果が生じる理由と同じである。
【0139】
本実施形態には、より効率的なシステム運用を行うことが可能になるという効果がある。その理由は、送信部190が、算出部180によって算出された、即時放送内容を表す信号が受け付けられてから、即時放送内容が出力されるまでの時間を、親局装置200に送信するからである。親局装置200(正確には、親局装置200の管理者)は、1つまたは複数の子局装置101から、放送聴取者が放送内容に関する情報の確認を行ったか否か情報を入手できる。親局装置200は、入手した情報を統計的に扱うことによって、どれくらいの割合の放送聴取者が拡声無し放送指示信号で放送した内容を確認したか把握できる。親局装置200は、把握できた情報をもとに拡声無し放送指示信号で放送する頻度や内容を見直すことが可能となる。
【0140】
<第6の実施形態>
次に、本開示の第6の実施形態について、図面を使用して詳細に説明する。本実施形態では、ユーザによる指示によって優先基準を更新する。本実施形態は、以下の相違点を除いて、第5の実施形態と同じである。
【0141】
なお、第5の実施形態に対する本実施形態の差分を、第2の実施形態、第3の実施形態、及び、第4の実施形態に適用することも可能である。その場合、以下の説明において、第5の実施形態を、第2、第3、または、第4の実施形態と読み替えることができる。
【0142】
<構成>
<同報無線システム2>
図13は、本開示の第6の実施形態に係る同報無線システム2の構成の例を表すブロック図である。本実施形態の同報無線システム2の構成は、第5の実施形態の同報無線システム2の構成と同じである。本実施形態の同報無線システム2は、以下で説明する相違点を除いて、第5の実施形態の同報無線システム2と同じである。
【0143】
<子局装置101>
図14は、本開示の第6の実施形態に係る子局装置101の構成の例を表すブロック図である。本開示の第6の実施形態に係る子局装置101の構成は、第5の実施形態の構成と同じである。本実施形態の子局装置101は、以下で説明する相違点を除いて、第5の実施形態の子局装置101と同じである。
【0144】
<指示受付部150>
本実施形態の指示受付部150は、第5の実施形態の指示受付部150と同じ機能を備える。本実施形態の指示受付部150は、さらに、優先基準を表す指示を受け付ける。指示受付部150は、指示を受け付けた優先基準を、判定部120に送出する。
【0145】
<判定部120>
本実施形態の判定部120は、第5の実施形態の判定部120と同じ機能を備える。本実施形態の判定部120は、さらに、指示受付部150が受け付けた指示が表す優先基準を指示受付部150から受け取り、判定に使用される優先基準を、受け付けた指示が表す優先基準によって更新する。
【0146】
優先基準は、放送指示信号に含まれている子局呼出番号の種類に対する条件であってもよい。優先基準は、一般放送や緊急放送等の放送の優先度に対する条件であってもよい。優先基準は、自動放送や手動放送等の放送種別に対する条件であってもよい。優先基準は、肉声放送や人工音声放送や特定の音源等の放送音源の種類に対する条件であってもよい。優先基準は、拡声無し放送指示信号や従来の放送指示信号等の放送指示信号の種別に対する条件であってもよい。優先基準は、放送を受信した時間帯に対する条件であってもよい。優先基準は、子局装置101に接続された人感センサ等から得た情報に対する条件であってもよい。優先基準は、子局装置101への商用電源の供給状況に対する条件であってもよい。
【0147】
判定部120は、上述の優先基準の例のいずれか1つの条件の真偽に基づく判定を行ってもよい。判定部120は、上述の優先基準の例のいずれか2つ以上の、組み合わせ、論理和、論理積、排他的論理和、または、排他的論理積等を用いた判定を行ってもよい。
【0148】
乳幼児がいる家庭では放送頻度が少ないことを望むことが多いため、家庭に設置された子局装置101では、放送の優先度が緊急放送の、拡声する放送指示信号だけを拡声する放送指示信号として扱うことが想定される。そして、それ以外の拡声無し放送指示信号または拡声する放送指示信号は拡声無し放送指示信号として扱うように子局での優先基準を設定することが想定される。
【0149】
また、停電していない状況で、放送聴取者は親局装置200から送信される河川の水位情報を子局装置101から毎回拡声放送したい場合、拡声無し放送指示信号を受信しても拡声を行う放送指示信号として扱うよう子局装置100での優先基準を設定することが想定される。
【0150】
<動作>
本開示の第6の実施形態の動作は、以下で説明する動作を除いて、第5の実施形態の動作と同じである。本開示の第6の実施形態に係る子局装置101は、第5の実施形態の子局装置101の動作と同じ動作を行う。
【0151】
図16は、本開示の第6の実施形態に係る子局装置101の、優先基準を受け付ける動作の例を表すフローチャートである。
図16に示す例では、指示受付部150が、優先基準を表す指示を受け付ける(ステップS501)。優先基準を表す指示が受け付けられなかった場合(ステップS502においてNO)、本実施形態に係る子局装置101は、
図16に示す動作を終了する。
【0152】
先基準を表す指示が受け付けられた場合(ステップS502においてYES)、判定部120は、判定に使用される優先基準を、受け付けた指示が表す優先基準によって更新する(ステップS503)。
【0153】
<効果>
本実施形態には、第5の実施形態の効果と同じ効果がある。その理由は、第5の実施形態の効果が生じる理由と同じである。
【0154】
本実施形態には、さらに、放送聴取者のニーズに合わせてより適切なシステム運用が可能となるという効果がある。その理由は、指示受付部150が、優先基準の指示を受け付けるからである。そして、判定部120が、判定に使用する優先基準を、受け付けられた指示が表す判定基準によって更新するからである。
【0155】
<他の実施形態>
本開示の実施形態に係る子局装置の各々は、記憶媒体から読み出されたプログラムがロードされたメモリと、そのプログラムを実行するプロセッサとを含むコンピュータによって実現することができる。本開示の実施形態に係る子局装置の各々は、専用のハードウェアによって実現することもできる。本開示の実施形態に係る子局装置の各々は、前述のコンピュータと専用のハードウェアとの組み合わせによって実現することもできる。
【0156】
図17は、本開示の実施形態に係る子局装置の各々を実現することができる、コンピュータ1000のハードウェア構成の一例を表す図である。
図17に示す例では、コンピュータ1000は、プロセッサ1001と、メモリ1002と、記憶装置1003と、I/O(Input/Output)インタフェース1004とを含む。また、コンピュータ1000は、記憶媒体1005にアクセスすることができる。メモリ1002と記憶装置1003は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクなどの記憶装置である。記憶媒体1005は、例えば、RAM、ハードディスクなどの記憶装置、ROM(Read Only Memory)、可搬記憶媒体である。記憶装置1003が記憶媒体1005であってもよい。プロセッサ1001は、メモリ1002と、記憶装置1003に対して、データやプログラムの読み出しと書き込みを行うことができる。プロセッサ1001は、I/Oインタフェース1004を介して、例えば、親局装置200、入力装置、出力装置等他の装置にアクセスすることができる。プロセッサ1001は、記憶媒体1005にアクセスすることができる。記憶媒体1005には、コンピュータ1000を、本開示の実施形態に係る子局装置として動作させるプログラムが格納されている。
【0157】
プロセッサ1001は、記憶媒体1005に格納されている、コンピュータ1000を、本開示の実施形態に係る子局装置として動作させるプログラムを、メモリ1002にロードする。そして、プロセッサ1001が、メモリ1002にロードされたプログラムを実行することにより、コンピュータ1000は、本開示の実施形態に係る子局装置として動作する。
【0158】
信号受付部110、判定部120、出力制御部140、指示受付部150、出力部160、一覧出力部170、算出部180、送信部190は、例えば、メモリ1002にロードされたプログラムを実行するプロセッサ1001により実現できる。また、放送内容記憶部130は、コンピュータ1000が含むメモリ1002やハードディスク装置等の記憶装置1003により実現することができる。信号受付部110、判定部120、放送内容記憶部130、出力制御部140、指示受付部150、出力部160、一覧出力部170、算出部180、送信部190の一部又は全部を、専用の回路によって実現することもできる。
【0159】
また、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0160】
(付記1)
親局装置から放送内容を表す信号を受け付ける信号受付手段と、
受け付けられた前記放送内容が、受け付けられるのに応じて出力されるよう指定されている前記放送内容である即時放送内容であるか判定し、当該即時放送内容を放送内容記憶手段に格納する判定手段と、
ユーザによる出力実行指示を受け付ける指示受付手段と、
前記出力実行指示を受け付けた場合、前記放送内容記憶手段に格納されている前記放送内容を出力する出力制御手段と、
を備える子局装置。
【0161】
(付記2)
前記判定手段は、受け付けられた前記即時放送内容と比較対象との間の、対象項目の値の差分が第1基準を超えているか否かを判定し、
前記出力制御手段は、前記差分が第1基準を超えていると判定された、新たな前記即時放送内容を出力する
付記1に記載の子局装置。
【0162】
(付記3)
前記判定手段は、さらに、受け付けられた前記即時放送内容を、前記比較対象として前記放送内容記憶手段に格納する
付記2に記載の子局装置。
【0163】
(付記4)
前記信号受付手段は、前記親局装置から前記放送内容と当該放送内容が前記比較対象であることを示す信号を受信し、
前記判定手段は、前記放送内容と当該放送内容が前記比較対象であることを示す信号を受信した場合、当該放送内容を前記比較対象として前記放送内容記憶手段に格納する
付記2に記載の子局装置。
【0164】
(付記5)
前記指示受付手段は、前記放送内容記憶手段に格納されている前記即時放送内容の指定を受け付け、
前記判定手段は、受け付けられた指定が示す前記即時放送内容を、前記比較対象とする
付記2に記載の子局装置。
【0165】
(付記6)
前記指示受付手段は、さらに、前記第1基準を表す指示を受け付け、受け付けた指示が表す前記第1基準によって、判定に使用される前記第1基準を更新する
付記2乃至5のいずれか1項に記載の子局装置。
【0166】
(付記7)
前記放送内容記憶手段に格納され出力されていない前記即時放送内容のうち、当該即時放送内容を表す信号を受信した時刻から所定時刻が経過した前記即時放送内容、出力されなかった前記即時放送として前記親局装置に通知する送信手段
をさらに備える付記1乃至6のいずれか1項に記載の子局装置。
【0167】
(付記8)
前記送信手段は、前記即時放送内容を表す信号を受信してから当該即時放送内容が出力されるまでの時間を、前記親局装置に送信する
付記7に記載の子局装置。
【0168】
(付記9)
前記信号受付手段は、さらに、前記親局装置から、第2基準を表す信号を受け付け、
前記判定手段は、受け付けられた前記即時放送内容が前記第2基準を満たすか判定し、
前記出力制御手段は、前記第2基準を満たすと判定された前記即時放送内容を出力する
付記1乃至8のいずれか1項に記載の子局装置。
【0169】
(付記10)
前記指示受付手段は、さらに、前記第2基準の指示を受け付け、受け付けた指示が示す前記第2基準によって、判定に使用される前記第2基準を更新する
付記9に記載の子局装置。
【0170】
(付記11)
親局装置から放送内容を表す信号を受け付け、
受け付けられた前記放送内容が、受け付けられるのに応じて出力されるよう指定されている前記放送内容である即時放送内容であるか判定し、当該即時放送内容を放送内容記憶手段に格納し、
ユーザによる出力実行指示を受け付け、
前記出力実行指示を受け付けた場合、前記放送内容記憶手段に格納されている前記放送内容を出力する、
子局制御方法。
【0171】
(付記12)
受け付けられた前記即時放送内容と比較対象との間の、対象項目の値の差分が第1基準を超えているか否かを判定し、
前記差分が第1基準を超えていると判定された、新たな前記即時放送内容を出力する
付記11に記載の子局制御方法。
【0172】
(付記13)
さらに、受け付けられた前記即時放送内容を、前記比較対象として前記放送内容記憶手段に格納する
付記12に記載の子局制御方法。
【0173】
(付記14)
前記親局装置から前記放送内容と当該放送内容が前記比較対象であることを示す信号を受信し、
前記放送内容と当該放送内容が前記比較対象であることを示す信号を受信した場合、当該放送内容を前記比較対象として前記放送内容記憶手段に格納する
付記12に記載の子局制御方法。
【0174】
(付記15)
前記放送内容記憶手段に格納されている前記即時放送内容の指定を受け付け、
受け付けられた指定が示す前記即時放送内容を、前記比較対象とする
付記12に記載の子局制御方法。
【0175】
(付記16)
さらに、前記第1基準を表す指示を受け付け、受け付けた指示が表す前記第1基準によって、判定に使用される前記第1基準を更新する
付記12乃至15のいずれか1項に記載の子局制御方法。
【0176】
(付記17)
前記放送内容記憶手段に格納され出力されていない前記即時放送内容のうち、当該即時放送内容を表す信号を受信した時刻から所定時刻が経過した前記即時放送内容を、出力されなかった前記即時放送として前記親局装置に通知する
付記11乃至16のいずれか1項に記載の子局制御方法。
【0177】
(付記18)
前記即時放送内容を表す信号を受信してから当該即時放送内容が出力されるまでの時間を、前記親局装置に送信する
付記17に記載の子局制御方法。
【0178】
(付記19)
さらに、前記親局装置から、第2基準を表す信号を受け付け、
受け付けられた前記即時放送内容が前記第2基準を満たすか判定し、
前記第2基準を満たすと判定された前記即時放送内容を出力する
付記11乃至18のいずれか1項に記載の子局制御方法。
【0179】
(付記20)
さらに、前記第2基準の指示を受け付け、受け付けた指示が示す前記第2基準によって、判定に使用される前記第2基準を更新する
付記19に記載の子局制御方法。
【0180】
(付記21)
親局装置から放送内容を表す信号を受け付ける信号受付処理と、
受け付けられた前記放送内容が、受け付けられるのに応じて出力されるよう指定されている前記放送内容である即時放送内容であるか判定し、当該即時放送内容を放送内容記憶手段に格納する判定処理と、
ユーザによる出力実行指示を受け付ける指示受付処理と、
前記出力実行指示を受け付けた場合、前記放送内容記憶手段に格納されている前記放送内容を出力する出力制御処理と、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【0181】
(付記22)
前記判定処理は、受け付けられた前記即時放送内容と比較対象との間の、対象項目の値の差分が第1基準を超えているか否かを判定し、
前記出力制御処理は、前記差分が第1基準を超えていると判定された、新たな前記即時放送内容を出力する
付記21に記載のプログラム。
【0182】
(付記23)
前記判定処理は、さらに、受け付けられた前記即時放送内容を、前記比較対象として前記放送内容記憶手段に格納する
付記22に記載のプログラム。
【0183】
(付記24)
前記信号受付処理は、前記親局装置から前記放送内容と当該放送内容が前記比較対象であることを示す信号を受信し、
前記判定処理は、前記放送内容と当該放送内容が前記比較対象であることを示す信号を受信した場合、当該放送内容を前記比較対象として前記放送内容記憶手段に格納する
付記22に記載のプログラム。
【0184】
(付記25)
前記指示受付処理は、前記放送内容記憶手段に格納されている前記即時放送内容の指定を受け付け、
前記判定処理は、受け付けられた指定が示す前記即時放送内容を、前記比較対象とする
付記22に記載のプログラム。
【0185】
(付記26)
前記指示受付処理は、さらに、前記第1基準を表す指示を受け付け、受け付けた指示が表す前記第1基準によって、判定に使用される前記第1基準を更新する
付記22乃至25のいずれか1項に記載のプログラム。
【0186】
(付記27)
前記放送内容記憶手段に格納され出力されていない前記即時放送内容のうち、当該即時放送内容を表す信号を受信した時刻から所定時刻が経過した前記即時放送内容を、出力されなかった前記即時放送として前記親局装置に通知する送信処理
をさらにコンピュータに実行させる付記21乃至26のいずれか1項に記載のプログラム。
【0187】
(付記28)
前記送信処理は、前記即時放送内容を表す信号を受信してから当該即時放送内容が出力されるまでの時間を、前記親局装置に送信する
付記27に記載のプログラム。
【0188】
(付記29)
前記信号受付処理は、さらに、前記親局装置から、第2基準を表す信号を受け付け、
前記判定処理は、受け付けられた前記即時放送内容が前記第2基準を満たすか判定し、
前記出力制御処理は、前記第2基準を満たすと判定された前記即時放送内容を出力する
付記21乃至28のいずれか1項に記載のプログラム。
【0189】
(付記30)
前記指示受付処理は、さらに、前記第2基準の指示を受け付け、受け付けた指示が示す前記第2基準によって、判定に使用される前記第2基準を更新する
付記29に記載のプログラム。
【0190】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0191】
1 同報無線システム
2 同報無線システム
10 子局装置
100 子局装置
101 子局装置
110 信号受付部
120 判定部
130 放送内容記憶部
140 出力制御部
150 指示受付部
160 出力部
170 一覧出力部
180 算出部
190 送信部
200 親局装置
1000 コンピュータ
1001 プロセッサ
1002 メモリ
1003 記憶装置
1004 I/Oインタフェース
1005 記憶媒体