(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】情報処理システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20250109BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2021003075
(22)【出願日】2021-01-12
【審査請求日】2023-12-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100113310
【氏名又は名称】水戸 洋介
(72)【発明者】
【氏名】小林 徹也
(72)【発明者】
【氏名】得地 賢吾
【審査官】石川 亮
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/159587(WO,A1)
【文献】国際公開第2022/004887(WO,A1)
【文献】特開2013-176471(JP,A)
【文献】特開2010-128976(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
ユーザにより利用される場所におけるユーザの行為であって、当該場所を介して当該ユーザから他のユーザに感染する感染症の感染度合いに影響を与える行為についての情報である行為情報を取得
し、
取得した前記行為情報に基づき、前記場所の清掃時間についての決定を行い、
決定した前記清掃時間と他のユーザによる前記場所の予約時間であって当該清掃時間よりも後の当該予約時間とが重なる場合、当該他のユーザによる当該場所の当該予約時間の終期については変更を行わずに当該予約時間の始期を後ろにずらす変更を行う、
情報処理システム。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記行為情報により特定される行為が、予め定められた特定の行為である場合、当該特定の行為でない場合に比べ、前記清掃時間を長くし或いは短くする請求項
1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記他のユーザによる許可がある場合に、前記予約時間の
始期を後ろにずらす変更を行う請求項
1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
ユーザにより利用される場所におけるユーザの行為であって、当該場所を介して当該ユーザから他のユーザに感染する感染症の感染度合いに影響を与える行為についての情報である行為情報を取得
し、
取得した前記行為情報に基づき、前記場所の清掃時間についての決定を行い、
前記清掃時間についての決定として当該清掃時間を短くする決定を行う場合、当該清掃時間の後に設定されている予約可能枠の始期を繰り上げる、
情報処理システム。
【請求項5】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
ユーザにより利用される場所におけるユーザの行為であって、当該場所を介して当該ユーザから他のユーザに感染する感染症の感染度合いに影響を与える行為についての情報である行為情報を取得し、
前記場所の予約可能枠であって時間的に連続する複数の予約可能枠の各々が共通のユーザによって予約される場合には、当該予約を許可し、時間的に連続する当該複数の予約可能枠の各々が互いに異なるユーザによって予約される場合には、時間的に連続する当該複数の予約可能枠の予約を許可しないようにして、当該異なるユーザの各々が行う予約の間に空の時間帯が設けられるようにし、
取得した前記行為情報を基に、前記空の時間帯に行われる前記場所の清掃についての決定を行う、
情報処理システム。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記行為情報により特定される行為が、予め定められた特定の行為である場合、前記場所から前記ユーザが出ることを促す通知を行う請求項1
乃至5の何れかに記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記行為情報に基づき、前記場所の利用料金に関する決定を更に行う請求項1
乃至5の何れかに記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記行為情報により特定される行為が、感染症の感染度合いを高める行為である場合、前記利用料金を増額する決定を行う請求項
7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記プロセッサは、
前記行為情報により特定される行為が、感染症の感染度合いを低める行為である場合、前記利用料金を減額する決定を行う請求項
7に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記プロセッサは、
ユーザにより利用される前記場所にユーザが入る前における当該ユーザの状況についての情報を更に取得する請求項1
乃至5の何れかに記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記プロセッサは、
前記場所に入る前の前記ユーザの状況が特定の状況にある場合、当該場所へ当該ユーザが入ること禁止する決定を行う請求項
10に記載の情報処理システム。
【請求項12】
ユーザにより利用される場所におけるユーザの行為であって、当該場所を介して当該ユーザから他のユーザに感染する感染症の感染度合いに影響を与える行為についての情報である行為情報を取得する
取得機能
と、
前記取得機能により取得された前記行為情報に基づき、前記場所の清掃時間についての決定を行う決定機能と、
決定機能により決定された前記清掃時間と他のユーザによる前記場所の予約時間であって当該清掃時間よりも後の当該予約時間とが重なる場合、当該他のユーザによる当該場所の当該予約時間の終期については変更を行わずに当該予約時間の始期を後ろにずらす変更を行う変更機能と、
をコンピュータに実現させるためのプログラム。
【請求項13】
ユーザにより利用される場所におけるユーザの行為であって、当該場所を介して当該ユーザから他のユーザに感染する感染症の感染度合いに影響を与える行為についての情報である行為情報を取得する
取得機能
と、
前記取得機能により取得された前記行為情報に基づき、前記場所の清掃時間についての決定を行う決定機能と、
前記清掃時間についての決定として当該清掃時間を短くする決定が前記決定機能により行われた場合、当該清掃時間の後に設定されている予約可能枠の始期を繰り上げる繰り上げ機能と、
をコンピュータに実現させるためのプログラム。
【請求項14】
ユーザにより利用される場所におけるユーザの行為であって、当該場所を介して当該ユーザから他のユーザに感染する感染症の感染度合いに影響を与える行為についての情報である行為情報を取得する
取得機能
と、
前記場所の予約可能枠であって時間的に連続する複数の予約可能枠の各々が共通のユーザによって予約される場合には、当該予約を許可し、時間的に連続する当該複数の予約可能枠の各々が互いに異なるユーザによって予約される場合には、時間的に連続する当該複数の予約可能枠の予約を許可しないようにして、当該異なるユーザの各々が行う予約の間に空の時間帯が設けられるようにする機能と、
前記取得機能により取得された前記行為情報を基に、前記空の時間帯に行われる前記場所の清掃についての決定を行う決定機能と、
をコンピュータに実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、入退場者がマスクを装着しているか否かを判定し、入退場者がマスクを装着しているとき、入退場者が所持するICカードにマスク装着に関し適格であるデータを時間情報として書き込む処理が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
場所が共用され、先に場所を利用したユーザに続いて、他のユーザがこの場所を利用する場合がある。この場合、先に場所を利用したユーザが感染症にかかっている場合、この他のユーザが、この場所を介して感染症にかかるおそれがある。
この他のユーザへの感染症の感染度合いは、一律ではなく、場所を先に利用するユーザが場所を清潔な状態を保って利用すれば、感染度合いは低下し、場所を不衛生な状態とすれば、感染度合いが増加する。
本発明の目的は、共用される場所を介してユーザが感染する感染症の感染度合いに影響を与えるユーザの行為を知ることができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、ユーザにより利用される場所におけるユーザの行為であって、当該場所を介して当該ユーザから他のユーザに感染する感染症の感染度合いに影響を与える行為についての情報である行為情報を取得し、取得した前記行為情報に基づき、前記場所の清掃時間についての決定を行い、決定した前記清掃時間と他のユーザによる前記場所の予約時間であって当該清掃時間よりも後の当該予約時間とが重なる場合、当該他のユーザによる当該場所の当該予約時間の終期については変更を行わずに当該予約時間の始期を後ろにずらす変更を行う、情報処理システムである。
請求項2に記載の発明は、前記プロセッサは、前記行為情報により特定される行為が、予め定められた特定の行為である場合、当該特定の行為でない場合に比べ、前記清掃時間を長くし或いは短くする請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項3に記載の発明は、前記プロセッサは、前記他のユーザによる許可がある場合に、前記予約時間の始期を後ろにずらす変更を行う請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項4に記載の発明は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、ユーザにより利用される場所におけるユーザの行為であって、当該場所を介して当該ユーザから他のユーザに感染する感染症の感染度合いに影響を与える行為についての情報である行為情報を取得し、取得した前記行為情報に基づき、前記場所の清掃時間についての決定を行い、前記清掃時間についての決定として当該清掃時間を短くする決定を行う場合、当該清掃時間の後に設定されている予約可能枠の始期を繰り上げる、情報処理システムである。
請求項5に記載の発明は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、ユーザにより利用される場所におけるユーザの行為であって、当該場所を介して当該ユーザから他のユーザに感染する感染症の感染度合いに影響を与える行為についての情報である行為情報を取得し、前記場所の予約可能枠であって時間的に連続する複数の予約可能枠の各々が共通のユーザによって予約される場合には、当該予約を許可し、時間的に連続する当該複数の予約可能枠の各々が互いに異なるユーザによって予約される場合には、時間的に連続する当該複数の予約可能枠の予約を許可しないようにして、当該異なるユーザの各々が行う予約の間に空の時間帯が設けられるようにし、取得した前記行為情報を基に、前記空の時間帯に行われる前記場所の清掃についての決定を行う、情報処理システムである。
請求項6に記載の発明は、前記プロセッサは、前記行為情報により特定される行為が、予め定められた特定の行為である場合、前記場所から前記ユーザが出ることを促す通知を行う請求項1乃至5の何れかに記載の情報処理システムである。
請求項7に記載の発明は、前記プロセッサは、前記行為情報に基づき、前記場所の利用料金に関する決定を更に行う請求項1乃至5の何れかに記載の情報処理システムである。
請求項8に記載の発明は、前記プロセッサは、前記行為情報により特定される行為が、感染症の感染度合いを高める行為である場合、前記利用料金を増額する決定を行う請求項7に記載の情報処理システムである。
請求項9に記載の発明は、前記プロセッサは、前記行為情報により特定される行為が、感染症の感染度合いを低める行為である場合、前記利用料金を減額する決定を行う請求項7に記載の情報処理システムである。
請求項10に記載の発明は、前記プロセッサは、ユーザにより利用される前記場所にユーザが入る前における当該ユーザの状況についての情報を更に取得する請求項1乃至5の何れかに記載の情報処理システムである。
請求項11に記載の発明は、前記プロセッサは、前記場所に入る前の前記ユーザの状況が特定の状況にある場合、当該場所へ当該ユーザが入ること禁止する決定を行う請求項10に記載の情報処理システムである。
請求項12に記載の発明は、ユーザにより利用される場所におけるユーザの行為であって、当該場所を介して当該ユーザから他のユーザに感染する感染症の感染度合いに影響を与える行為についての情報である行為情報を取得する取得機能と、前記取得機能により取得された前記行為情報に基づき、前記場所の清掃時間についての決定を行う決定機能と、決定機能により決定された前記清掃時間と他のユーザによる前記場所の予約時間であって当該清掃時間よりも後の当該予約時間とが重なる場合、当該他のユーザによる当該場所の当該予約時間の終期については変更を行わずに当該予約時間の始期を後ろにずらす変更を行う変更機能と、をコンピュータに実現させるためのプログラムである。
請求項13に記載の発明は、ユーザにより利用される場所におけるユーザの行為であって、当該場所を介して当該ユーザから他のユーザに感染する感染症の感染度合いに影響を与える行為についての情報である行為情報を取得する取得機能と、前記取得機能により取得された前記行為情報に基づき、前記場所の清掃時間についての決定を行う決定機能と、前記清掃時間についての決定として当該清掃時間を短くする決定が前記決定機能により行われた場合、当該清掃時間の後に設定されている予約可能枠の始期を繰り上げる繰り上げ機能と、をコンピュータに実現させるためのプログラムである。
請求項14に記載の発明は、ユーザにより利用される場所におけるユーザの行為であって、当該場所を介して当該ユーザから他のユーザに感染する感染症の感染度合いに影響を与える行為についての情報である行為情報を取得する取得機能と、前記場所の予約可能枠であって時間的に連続する複数の予約可能枠の各々が共通のユーザによって予約される場合には、当該予約を許可し、時間的に連続する当該複数の予約可能枠の各々が互いに異なるユーザによって予約される場合には、時間的に連続する当該複数の予約可能枠の予約を許可しないようにして、当該異なるユーザの各々が行う予約の間に空の時間帯が設けられるようにする機能と、前記取得機能により取得された前記行為情報を基に、前記空の時間帯に行われる前記場所の清掃についての決定を行う決定機能と、をコンピュータに実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1、12の発明によれば、共用される場所を介してユーザが感染する感染症の感染度合いに影響を与えるユーザの行為を知ることができ、さらに、予約時間の始期をずらさない場合に比べ、場所の清掃の時間を確保しやすくなる。
請求項2の発明によれば、ユーザにより利用される場所におけるユーザの行為が特定の行為である場合に、清掃時間を長くしたり短くしたりできる。
請求項3の発明によれば、ユーザの同意がないにも関わらず予約の時間が変更されることを防ぐことができる。
請求項4、13の発明によれば、予約可能枠の始期を繰り上げない場合に比べ、場所の利用効率を高めることができる。
請求項5、14の発明によれば、時間的に連続する複数の予約可能枠の各々が互いに異なるユーザによって予約されることを許可する場合に比べ、ユーザ間にて感染症が拡がることを低減できる。
請求項6の発明によれば、場所においてユーザが行った行為が特定の行為である場合に、この場所からユーザが出ることを促すことができる。
請求項7の発明によれば、ユーザにより利用される場所におけるユーザの行為に応じて、この場所の利用料金を決定できる。
請求項8の発明によれば、利用料金を増額しない場合に比べ、ユーザに対し、感染症の感染度合いを高める行為を慎むことを促せる。
請求項9の発明によれば、利用料金を減額しない場合に比べ、ユーザに対し、感染症の感染度合いを低める行為をより促すことができる。
請求項10の発明によれば、場所にユーザが入る前におけるユーザの状況を把握可能となる。
請求項11の発明によれば、場所へユーザが入ることを禁止する決定を行わない場合に比べ、感染症を人に感染させやすい状況にあるユーザが場所に入ることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】情報処理システムの全体構成を概略的に示す図である。
【
図2】空間の一例としてのブースを示した図である。
【
図4】空間管理サーバのハードウェア構成の一例を説明する図である。
【
図5】ユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図6】ブースの利用者がブースの予約を行う際に、この利用者のユーザ端末に表示される表示画面の一例を示した図である。
【
図7】ユーザ端末に表示される表示画面の他の一例を示した図である。
【
図8】ユーザが予約したブースへ入る際に、空間管理サーバに設けられたCPUが実行する処理の流れを示したフローチャートである。
【
図9】ユーザがブース内に入った後に、CPUが実行する処理の流れを示したフローチャートである。
【
図10】ブースからユーザが退出した後にCPUが実行する処理の流れを示したフローチャートである。
【
図11】ブースの清掃についてのスケジュール調整の流れを示したフローチャートである。
【
図12】ブースの利用料金等に関してCPUが実行する処理の流れを示したフローチャートである。
【
図13】ブースの清掃を実際に行うにあたってCPUが実行する処理の流れを示したフローチャートである。
【
図14】(A)、(B)は、スケジュール調整の具体例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の全体構成を概略的に示す図である。
本実施形態では、利用者により予約されて使用される場所の一例である複数の空間2が設けられている。
本実施形態では、空間2の各々は、予約可能となっており、利用者は、空間2を予め予約したうえでこの空間2の利用を行う。
【0009】
場所の一例としての空間2は、ブース、宿泊施設等の客室、会社内等の会議室等を含む。これらは、壁や間仕切り等によって周囲から区切られている空間2の一例である。
また、本実施形態における空間2は、飲食店や理髪店等でサービスの提供を受けるテーブルや座席等を含む。これらは、周囲に開放された空間2の一例である。
【0010】
図1に示す情報処理システム1は、クラウドネットワーク3に接続された各種の端末により構成されている。
図1では、クラウドネットワーク3に接続される端末の例として、ユーザが操作するユーザ端末4、空間2を管理する情報処理装置の一例としての空間管理サーバ5が示されている。また、クラウドネットワーク3には、空間2が接続されている。より具体的には、空間2には各種の機器が設けられ、この機器が、クラウドネットワーク3に接続されている。
【0011】
本実施形態では、空間2の扉に電子錠が取り付けられており、空間2の各々は、施錠可能となっている。本実施形態では、空間2の解錠権限を有する者が、この空間2の利用を行えるようになっている。
空間2の解錠にあたっては、解錠を行う者が、自身のユーザ端末4を操作して解錠の指示をする。この指示は、空間管理サーバ5へ送られ、空間管理サーバ5は、この指示を受信する。そして、空間管理サーバ5は、解錠の指示があった空間2の解錠の指示を行う。これにより、この空間2に設置された電子錠が作動し、空間2の解錠が行われる。
【0012】
本実施形態では、ユーザ端末4として、携帯可能なスマートフォンを想定する。もっとも、携帯可能なユーザ端末4は、いわゆるウェアラブル端末でもよいし、ノート型のコンピュータやゲーム端末でもよい。
【0013】
空間管理サーバ5は、空間2に関連する各種の情報を管理する。空間管理サーバ5は、例えば、利用者を特定する情報、予約の対象である空間2を特定する情報、予約の開始日時、予約の終了日時等を管理する。
利用者を特定する情報には、例えば利用者の氏名、性別、年齢、アカウント、ユーザID、パスワード、個人に付された管理用の情報が含まれる。また、利用の対象である空間2を特定する情報には、例えば住所又は所在の場所を特定する情報、管理用の名称や番号が含まれる。
【0014】
また、空間管理サーバ5は、制御装置としても機能し、空間2に設置された各種の機器の制御を行う。
なお、制御装置は、空間2の各々に対応させて各空間2に設置してもよい。この場合、各空間2に設置された制御装置が、各空間2に設置された各種の機器の制御を行う。
【0015】
<空間2の外観構成>
図2は、空間2の一例としてのブース80を示した図である。
図2に示す例では、ブース80の内部が、予約対象である空間2となっており、本実施形態では、このブース80の内部の空間2の予約を行えるようになっている。
本実施形態のブース80は、例えば駅の構内、空港、オフィスビル、飲食店やデパート等の商業施設、銀行、図書館、美術館、博物館、公共機関や施設、連絡通路、公園等、室内外を問わずに配置される。
【0016】
図2に示すブース80は、天井が取り付けられている閉鎖型のブース80である。
ここで、「閉鎖型」とは、密閉の意味ではなく、実用的な防音性能を備えている状態を指す。
また、「ブース80」とは、空間2と空間2の周囲に位置する他の空間とを仕切る仕切りが存在する構造をいう。ここで、空間2の四方の全てに仕切りが存在することは必須ではなく、一部に仕切りが存在しない構造であっても、ブース80に該当する。
例えば、利用者が座って利用する空間2において、この利用者の右側と左側の2箇所にのみ仕切りが存在する構成であっても、ブース80に該当する。
また、天井も必須ではなく、天井が無い構造であっても、ブース80に該当する。
【0017】
図2に示すブース80には、ブース80の主要部を構成する筐体81が設けられている。この筐体81は、直方体状に形成されている。
ブース80には、天井20Aと、床面20Bと、開閉可能な扉22が取り付けられている壁面20Cと、壁面20Cの両側に位置する2つの壁面20D及び20Eと、扉22の対面側に位置する壁面20Fとが設けられている。
本実施形態では、空間2が、壁面20C、扉22、壁面20D、壁面20E、壁面20Fにより囲まれており、この4つの壁面、扉22の内側に、空間2が設けられている。
言い換えると、本実施形態では、筐体81の内側に、空間2が設けられている。
【0018】
本実施形態では、扉22は、壁面20Cに沿って移動が可能な引き戸を想定する。
図2の場合、扉22は、一方向にスライドされる片引き扉であるが、2枚以上の部材を行き違わせて開閉する引き違い扉でも、2枚の部材を左右にスライドする引き分け扉でもよい。
扉22には、開閉時にユーザが掴む取手22Aが取り付けられている。なお、この取手は、扉22の内側にも設けられている。
また、扉22には、扉22の解錠および施錠を可能にする電子錠22Cが取り付けられている。さらに、本実施形態では、扉22の開閉を検知する開閉センサS1が設けられている。
【0019】
ブース80の利用人数は、ブース80の容積によっておおよそ決まる。本実施の形態におけるブース80は、基本的に1人が使用する個室型を想定する。もっとも、ブース80は、多人数を収容可能な大型のブース80でもよい。
なお、個室型とは、1人しか利用できない意味ではなく、少人数、例えば2~3人の利用が可能な意味で使用する。
また、ブース80を構成する筐体81の形状や構造、提供される設備や性能は任意である。
【0020】
また、本実施形態では、ブース80の天井20Aに、ブース80の外部の状況を撮影する外部撮影装置291と、ブース80の外部の音を取得する外部マイク292とが設けられている。
外部撮影装置291には、CCDやCMOSなどの撮像素子が設けられ、外部撮影装置291は、この撮像素子を用いて、ブース80の外部の状況の撮影を行う。
また、ブース80の天井20Aには、ブース80の外部にいるユーザの体温を検出するサーモセンサ293と、ブース80の外部に設置され音を出力する外部スピーカ294とが設けられている。
【0021】
また、ブース80には、ブース80の内部の音を取得する内部マイク297が設けられている。
また、ブース80の扉22には、ブース80の外部にいるユーザに対して情報を表示する外部モニタ295が設けられている。
また、ブース80の天井20Aであってブース80の内部には、紫外線を含んだ光である紫外光を出射する光源296が設けられている。
本実施形態では、この光源296からの紫外光がブース80内に照射されることで、ブース80内の清掃が行われる。
【0022】
図3は、ブース80の内部を説明する図である。
図3では、ブース80を上方から見た場合の状態を示している。
本実施形態では、ブース80の内部に、机92と椅子91とが1つずつ配置されている。
また、ブース80内には、利用者が自身の荷物を置くための荷物用容器93が設置されている。付言すると、ブース80内には、利用者の荷物であって置かれた荷物を収容する荷物用容器93が設けられている。
【0023】
また、ブース80の内部には、備え付けの機器として、
図2、
図3に示すように、情報を表示する内部モニタ32が設けられている。
また、本実施形態では、
図2、
図3に示すように、音を出力する内部スピーカ30Aが設けられている。なお、内部スピーカ30Aを別途設けず、内部モニタ32に設けられたスピーカから音を出力するようにしてもよい。
また、本実施形態では、
図2、
図3に示すように、ブース80の内部の撮影を行う内部撮影装置24が設けられている。内部撮影装置24には、CCDやCMOSなどの撮像素子が設けられ、内部撮影装置24は、この撮像素子を用いて、ブース80内の撮影を行う。
【0024】
また、
図2に示すように、ブース80には、ブース80の内部の利用者を検出する人感センサ25が設けられている。また、本実施形態では、ブース80の内部の温度を検出する温度センサ26が設けられている。
また、
図3に示すように、ブース80内には、ブース80の内部を明るくするための照明機器40が設けられている。
さらに、本実施形態では、
図2に示すように、扉22に、窓42が設置され、本実施形態では、この窓42を通じて、空間2の外部から、空間2の内部の視認を行えるようになっている。
【0025】
さらに、
図2に示すように、ブース80の外表面には、ブース80を利用する利用者の個々の情報を取得するための情報取得装置29が設けられることもある。
この情報取得装置29は、例えば、翳されるIDカードを読み取るリーダにより構成される。また、その他に、情報取得装置29は、利用者の指紋や静脈の配置などを読み取るリーダなどであってもよい。
また、図示は省略するが、ブース80には、ブース80内の温度を調節するための空調機器が設けられている。
【0026】
図4は、空間管理サーバ5のハードウェア構成の一例を説明する図である。
情報処理装置の一例としての空間管理サーバ5は、装置全体の動作を制御する制御ユニット101と、情報を記憶する情報記憶装置102と、LAN(=Local Area Network)ケーブル等を介した通信を実現するネットワークインターフェース103とを有している。
【0027】
制御ユニット101は、プロセッサの一例としてのCPU(=Central Processing Unit)111と、基本ソフトウェアやBIOS(=Basic Input Output System)等が記憶されたROM(=Read Only Memory)112と、ワークエリアとして用いられるRAM(=Random Access Memory)113とを有している。
CPU111はマルチコアでもよい。また、ROM112は、書き換え可能な不揮発性の半導体メモリでもよい。制御ユニット101は、いわゆるコンピュータである。
【0028】
情報記憶装置102は、例えば、ハードディスクドライブにより構成される。言い換えると、情報記憶装置102は、例えば、円盤状の基板表面に磁性体を塗布した不揮発性の記憶媒体にデータを読み書きする装置により構成される。もっとも、情報記憶装置102は、半導体メモリや磁気テープでもよい。
この他、空間管理サーバ5は、必要に応じ、キーボード、マウス等の入力デバイス、液晶ディスプレイ等の表示デバイスも備える。
制御ユニット101と、情報記憶装置102と、ネットワークインターフェース103は、バス104や不図示の信号線を通じて接続されている。
【0029】
ここで、CPU111によって実行されるプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータが読取可能な記録媒体に記憶した状態で、空間管理サーバ5へ提供しうる。
また、CPU111によって実行されるプログラムは、インターネットなどの通信手段を用いて、空間管理サーバ5へ提供してもよい。
【0030】
図5は、ユーザ端末4のハードウェア構成の一例を示す図である。
図5に示す構成は、ユーザ端末4がスマートフォンの場合を想定する。
ユーザ端末4は、装置全体の動作を制御する制御ユニット201と、各種のデータを記憶するメモリカード202と、無線通信の規格に準拠する各種の通信インターフェース203と、タッチセンサ等の入力デバイス204と、液晶ディスプレイや有機EL(=Electro Luminescence)ディスプレイ等の表示デバイス205と、GPS(=Global Positioning System)センサ206を有している。
【0031】
制御ユニット201は、CPU211と、ファームウェアやBIOS等が記憶されたROM212と、ワークエリアとして用いられるRAM213とを有している。CPU211はマルチコアでもよい。また、ROM212は、書き換え可能な不揮発性の半導体メモリでもよい。
【0032】
通信インターフェース203は、例えば移動通信システムとの接続に使用されるインターフェース、無線LANとの接続に使用されるインターフェースである。
GPSセンサ206は、GPS衛生からの電波を受信してユーザ端末4の位置を測定するセンサである。GPSセンサ206から出力される緯度、経度、高度の情報は、ユーザ端末4の現在位置を与える。なお、GPSセンサ206は、屋内用の測位システムに対応してもよい。
【0033】
なお、本実施形態において、プロセッサとは、広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
また、プロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は、本実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、変更してもよい。
【0034】
図6は、ブース80の利用者がブース80の予約を行う際に、この利用者のユーザ端末4に表示される表示画面の一例を示した図である。
図6に示すこの表示画面では、地図の表示が行われるとともに、この地図上に、ブース80の設置箇所が複数表示されている。
本実施形態では、ブース80の利用者は、ブース80の予約を行う際、まず、表示されている複数の設置箇所の中から設置箇所を選択する。
なお、このような表示形態に限らず、例えば、リスト形式で、複数の設置箇所を表示し、利用者が、リストの中から設置箇所を選択するようにしてもよい。
【0035】
設置箇所が選択されると、
図7(ユーザ端末4に表示される表示画面の他の一例を示した図)に示すように、ユーザ端末4では、選択された設置箇所における空室の状況が、時間毎に表示される。
利用者は、この表示画面に対する操作を行って、ブース80の予約時間を指定する。そして、利用者は、確定ボタン(不図示)を押圧する。
【0036】
これにより、空間管理サーバ5が予約の確定処理を行う。
具体的には、空間管理サーバ5は、ブース80の設置箇所および予約時間についての情報を受け付けたうえで、この設置箇所、予約時間についての情報を情報記憶装置102(
図4)に登録し、予約の確定処理を行う。そして、予約の確定結果が、ユーザ端末4へ送信され予約者に通知される。
【0037】
図8は、ユーザが予約したブース80へ入る際に、空間管理サーバ5に設けられたCPU111が実行する処理の流れを示したフローチャートである。なお、以下に説明する各処理は、空間管理サーバ5ではなく、ブース80に設けられた制御装置(不図示)が行ってもよい。
本実施形態では、CPU111は、ユーザにより利用される場所の一例であるブース80にユーザが入る前におけるユーザの状況についての情報を取得する。
具体的には、まず、CPU111は、ユーザがブース80へ入る際、このユーザがマスクを着けているか否かを判断する(ステップS101)。具体的には、CPU111は、外部撮影装置291(
図2参照)により得られた映像を解析して、ブース80に入るユーザが、マスクを着けているか否かを判断する。
【0038】
そして、CPU111は、ステップS101にて、ユーザがマスクを着けていると判断した場合、サーモセンサ293(
図2参照)からの出力に基づき、ユーザが、熱があるか否かを判断する(ステップS102)。言い換えると、CPU111は、ユーザの熱が、予め定められた閾値を超えているか否かを判断する。
そして、CPU111は、ステップS102にて、熱がないと判断した場合、ユーザが咳をしているか否かを判断する(ステップS103)。具体的には、CPU111は、外部撮影装置291により得られた映像や、外部マイク292(
図2参照)により得られた音に基づき、ユーザが咳をしているか否かを判断する。
【0039】
CPU111は、ステップS103にて、ユーザが咳をしていないと判断した場合、ユーザに対して、手指のアルコール消毒を促す通知を行う(ステップS104)。
具体的には、外部スピーカ294(
図2参照)や外部モニタ295を通じて、ブース80の外部にいるユーザに対して、手指のアルコール消毒を促す通知を行う。
その後、CPU111は、外部撮影装置291により取得された映像に基づき、ユーザがアルコール消毒を行ったか否かを判断する(ステップS105)。
【0040】
なお、アルコールなどの消毒液を収容した収容容器は、例えば、電子錠を備えた収容部(不図示)の内部に収容してもよい。そして、この場合、ブース80の外部にいるユーザが、ブース80の予約者である場合に、電子錠の解錠を行って、このユーザが、消毒液を収容した収容容器にアクセスできるようにしてもよい。
ここで、ブース80の外部にいるユーザが、ブース80の予約者であるか否かについては、例えば、ユーザ端末4から、認証のための識別情報を送ってもらうようにする。そして、この識別情報に基づき、ブース80の外部にいるユーザが、ブース80の予約者であるか否かを判断する。
【0041】
CPU111は、ステップS105にて、ユーザがアルコール消毒を行ったと判断した場合、接触確認アプリケーションの画面の提示をユーザに依頼する(ステップS106)。
そして、CPU111は、この画面を確認して、ユーザが、例えば、過去14日間に、感染症の感染者と接触したか否かを判断する(ステップS107)。
ここで、「感染症」とは、細菌、ウイルスなどの病原体が体内に侵入して症状が出る病気をいう。
【0042】
より具体的には、ステップS106、ステップS107では、まず、ユーザが有するスマートフォンを、外部撮影装置291に向けてもらうようにして、このスマートフォンに表示された接触確認アプリケーションの画面の映像を取得する。
そして、CPU111は、外部撮影装置291により取得されたこの映像を解析して、ユーザが、例えば、過去14日間に、感染症の感染者と接触したか否かを判断する。
そして、CPU111は、ユーザと感染者との接触がないと判断した場合、ブース80への入室を許可する決定を行う(ステップS108)。
これにより、本実施形態では、ブース80の解錠が行われ、ユーザが、ブース80の内部に入れるようになる。
【0043】
「接触確認アプリケーション」とは、ユーザが、感染症の感染者の近くにいたか否かをこのユーザに知らせるアプリケーションである。
「接触確認アプリケーション」がユーザのスマートフォンなどにインストールされると、このスマートフォンの位置情報と、上記の感染者が有するスマートフォンの位置情報とに基づき、このユーザがこの感染者の近くにいたか否かが判断される。
そして、ユーザが感染者の近くにいたと判断された場合、このユーザのスマートフォンを通じて、このユーザに対し、感染者の近くにいたことを示す情報が通知される。
【0044】
一方、ステップS101にて、ユーザがマスクを着けてないと判断された場合、CPU111は、ブース80へのユーザの入室を禁止する決定を行う(ステップS109)。
言い換えると、CPU111は、ブース80に入る前のユーザの状況が、マスクを着けていないなどの特定の状況にある場合、ブース80へユーザが入ること禁止する決定を行う。
同様に、CPU111は、ステップS102にて、ユーザが熱があると判断した場合、ステップS103にて、ユーザが咳をしていると判断した場合、ブース80へのユーザの入室を禁止する決定を行う(ステップS109)。
【0045】
また、CPU111は、ステップS105にて、ユーザがアルコール消毒を行ったと判断しなかった場合、ステップS107にて、ユーザと感染者との接触があると判断した場合も、ブース80へのユーザの入室を禁止する決定を行う(ステップS109)。
この場合、CPU111は、ブース80の解錠の指示を行わず、ブース80が施錠されたままとなる。
【0046】
CPU111は、ブース80へのユーザの入室を禁止する決定を行った場合、ユーザに対して、ブース80に入れない旨の通知を行う。具体的には、CPU111は、ユーザ端末4、外部モニタ295などを通じて、ブース80に入れない旨の通知を行う。
また、CPU111は、ブース80へのユーザの入室を禁止する決定を行った場合において、ユーザへの課金処理を既に行っている場合には、返金処理を行う。
また、その他に、ユーザがブース80の利用を終了した後に課金を行う課金形態において、ブース80へのユーザの入室を禁止する決定を行った場合は、CPU111は、ユーザへの課金を行わない。
【0047】
図9は、ユーザがブース80内に入った後に、CPU111が実行する処理の流れを示したフローチャートである。
ユーザがブース80内に入った後、CPU111は、予め定められた時間が経過する度に、
図9に示すステップS201~ステップS210の処理を行う。具体的には、CPU111は、予め定められた時間が経過する度に、ユーザがブース80内にて行った行為についての情報である行為情報を取得する。
【0048】
より具体的には、CPU111は、予め定められた時間が経過する度に、まず、内部撮影装置24が得た映像を解析し、ユーザが、自身の顔を触った後に室内(ブース80の内部)を触る動作を行ったか否かを判断する(ステップS201)。
そして、CPU111は、ユーザが顔を触った後に室内を触る動作(行為)を行ったと判断した場合、ユーザの利用状況の記録を行う(ステップS202)。具体的には、この場合、CPU111は、ユーザが顔を触った後に室内を触る動作を行ったことを示す情報を、情報記憶装置102(
図4参照)に登録する。
【0049】
一方で、CPU111は、ステップS201にて、ユーザが顔を触った後に室内を触る動作を行ったと判断しなかった場合、内部撮影装置24が得た映像を解析し、ユーザがマスクを着けているか否かを判断する(ステップS203)。
そして、CPU111は、ユーザがマスクを着けていないと判断した場合、このユーザへの警告を行う(S204)。具体的には、CPU111は、内部モニタ32や内部スピーカ30Aを通じて、マスクの着用を促す通知を行う。
次いで、この場合、CPU111は、ステップS202の処理を行い、ユーザの利用状況の記録を行う。具体的には、この場合、CPU111は、マスクを着けていないことを示す情報を、情報記憶装置102に登録する。
【0050】
CPU111は、ステップS203にて、ユーザがマスクを着けていると判断した場合、ユーザが咳をしているか否かを判断する(ステップS205)。
具体的には、CPU111は、内部撮影装置24により取得された映像や、内部マイク297により取得された音に基づき、ユーザがブース80内で咳をしているか否かを判断する。
【0051】
そして、CPU111は、ユーザが咳をしていると判断した場合、コロナウイルスに起因する咳であるかなど、予め定められた特定の要因による咳であるか否かを判断する(ステップS206)。
近年、マイクにより得られた咳の音を解析することで、この咳がコロナウイルスなどの特定の要因によるものなのかを判定できるようになってきている。ステップS206の処理では、咳の音を解析することで、予め定められた特定の要因による咳であるか否かを判断する。
【0052】
CPU111は、ステップS206にて、特定の要因による咳であると判断しなかった場合、ステップS202の処理を行い、ユーザの利用状況の記録を行う。具体的には、この場合、CPU111は、ユーザが咳をしたことを示す情報を、情報記憶装置102に登録する。
また、CPU111は、ステップS206にて、特定の要因による咳であると判断した場合も、ユーザの利用状況の記録を行う(ステップS207)。
具体的には、この場合、CPU111は、ユーザが特定の要因による咳をしたことを示す情報を、情報記憶装置102に登録する。
【0053】
さらに、この場合、CPU111は、ステップS208に示すように、ブース80内のユーザに対し、ブース80の利用停止を求める(ステップS208)。
具体的には、CPU111は、例えば、ユーザ端末4や、内部モニタ32を通じて、ブース80から退出することを促す通知をユーザに対して行う。これにより、ユーザがブース80から退出する。
【0054】
言い換えると、CPU111は、ユーザが特定の要因による咳をした場合、ブース80からユーザが出ることを促す通知を行う。
言い換えると、CPU111は、行為情報により特定される行為が、コロナウイルスに起因する咳をするなど、予め定められた特定の行為である場合、ブース80からユーザが出ることを促す通知を行う。
これにより、ユーザが、ブース80の予約時間の終了を待たずにブース80から退出する。
【0055】
なお、このように、予約時間の終了を待たずにユーザがブース80から退出する場合において、既に課金を行っている場合には、未利用時間分の料金の返金を行ってもよい。
また、ブース80の利用後に課金を行う課金形態の場合は、ブース80の予約開始時刻からユーザが退出するまでの時間の分だけ、ユーザに対する課金を行ってもよい。
【0056】
一方、ステップS205にて、ユーザが咳をしていないと判断した場合、CPU111は、ブース80の利用時間が終了したか否かを判断する(ステップS209)。言い換えると、CPU111は、ブース80の予約終了時刻であるか否かを判断する。
そして、CPU111は、ブース80の利用時間が終了したと判断した場合、処理を終了する(ステップS210)。
【0057】
本実施形態では、このように、CPU111は、ユーザにより利用される場所の一例であるブース80内におけるユーザの行為についての情報である行為情報を取得する。
より具体的には、CPU111は、上記のように、ユーザが室内を触る行為、マスクをする行為、咳をする行為など、ブース80を介してこのユーザから他のユーザに感染する感染症の感染度合いに影響を与える行為についての情報である行為情報を取得する。
【0058】
ユーザが顔を触った後に室内を触わる行為や、ユーザがマスクを着ける行為、ユーザが咳をする行為などの各種の行為は、何れも、このユーザの後にブース80を利用する他のユーザが感染症に感染する度合いに影響を与える。
本実施形態では、この感染度合いに影響を与える、ユーザの行為についての情報を取得する。
【0059】
図10は、ブース80の利用時間が終了した後にCPU111が実行する処理の流れを示したフローチャートである。
CPU111は、予約終了時間(予約終了時刻)となると、人感センサ25(
図2参照)からの出力に基づき、ブース80内にユーザがいないかを判断する(ステップS301)。
そして、CPU111は、ブース80内にユーザがいないと判断しなかった場合、内部スピーカ30Aや内部モニタ32を通じて、ブース80内のユーザに対して、ブース80からの退出を促す(ステップS302)。
【0060】
一方、CPU111は、ステップS301にてブース80内にユーザがいないと判断した場合、電子錠22C(
図2参照)を作動させ、扉22の施錠を行う(ステップS303)。
次いで、CPU111は、この施錠前にブース80を利用したユーザによるこのブース80の利用状況を把握する(ステップS304)。
具体的には、本実施形態では、上記の通り、利用状況が情報記憶装置102に登録され、ステップS304では、登録されたこの利用状況を情報記憶装置102から読み出して、ユーザの利用状況を把握する。
【0061】
次いで、CPU111は、把握した利用状況に基づき、ブース80の汚れ度が高いかを判断する(ステップS305)。
そして、CPU111は、ブース80の汚れ度が高いと判断した場合、ブース80の清掃モードを、長時間清掃モードに設定する(ステップS306)。
本実施形態では、清掃モードが長時間清掃モードに設定された場合、ブース80の内部に対し、光源296(
図2参照)から、第1の時間、紫外光が照射される。
【0062】
なお、本実施形態では、紫外光を照射して清掃を行う場合を一例に説明するが、清掃の形態は、これに限らず、消毒液を散布したり、吸引型のロボット掃除機を作動させたり、換気扇を作動させたりしてもよい。
また、本実施形態では、ブース80の汚れ度が高いと判断した場合、ブース80の清掃モードを、長時間清掃モードに設定する場合を一例に説明するが、これに限らず、ブース80の汚れ度が高いと判断した場合、光源296の出力を上げるなど、清掃の際の出力を上げてもよい。
【0063】
また、ブース80の清掃にあたっては、ブース80内を一様に清掃するのに限らず、ブース80内のうちのユーザが触った箇所や、ユーザの口からの唾液(飛沫)が付着した可能性が高い箇所を重点的に清掃してもよい。
ブース80内のうちのユーザが触った箇所や、ユーザの口からの唾液(飛沫)が付着した可能性が高い箇所については、内部撮影装置24により得られた映像を解析することでこれらの箇所の把握を行える。
【0064】
CPU111は、ブース80の汚れ度が高いか否かは、例えば、ユーザのマスク装着時間比率が80%を超えている、咳の回数が5回未満である、ユーザが顔を触った後に室内を触った回数が5回未満である、の3つの条件により判断する。
CPU111は、この3つの条件のうちの何れか1つの条件が満たされていない場合、ブース80の汚れ度は高いと判断する。また、CPU111は、この3つの条件の全ての条件が満たされている場合、ブース80の汚れ度は高くないと判断する。
ここで、「マスク装着時間比率」とは、ユーザがブース80内にいた時間に対する、ユーザのマスクの装着時間の割合をいう。
【0065】
ステップS305にて、ブース80の汚れ度が高くないと判断された場合、ステップS307にて、CPU111は、ブース80の汚れ度が低いかを判断する。
そして、CPU111は、ブース80の汚れ度が低いと判断した場合、ブース80の清掃モードを、簡易清掃モードに設定する(ステップS308)。
清掃モードが簡易清掃モードに設定された場合、ブース80の内部に対して短時間、紫外光が照射される。具体的には、上記の第1の時間よりも短い第2の時間、紫外光が照射される。
【0066】
なお、本実施形態では、ブース80の汚れ度が低いと判断された場合、ブース80の清掃モードを、短時間清掃モードに設定する場合を一例に説明するが、清掃の態様はこれに限られない。
ブース80の汚れ度が低いと判断した場合、光源296の出力を低下させるなど、清掃の際の出力を下げてもよい。
【0067】
CPU111は、ブース80の汚れ度が低いか否かは、例えば、ユーザのマスク装着時間比率が99%を超えている、咳の回数が2回未満である、ユーザが顔を触った後に室内を触った回数が1回未満である、の3つの条件により判断する。
CPU111は、これらの3つの条件が全て満たされている場合、ブース80の汚れ度は低いと判断し、これらの3つの条件のうちの少なくとも1つの条件が満たされていない場合、ブース80の汚れ度は低くないと判断する。
【0068】
ステップS307にて、ブース80の汚れ度が低くないと判断された場合、即ち、ブース80の汚れ度が高くも低くもなく中程度である場合、CPU111は、ブース80の清掃モードを、通常清掃モードに設定する(ステップS309)。
通常清掃モードに設定された場合、簡易清掃モードよりも紫外光の照射時間が長くなり、長時間清掃モードよりも紫外光の照射時間が短くなる。
具体的には、通常清掃モードに設定された場合、上記の第1の時間よりも短く、且つ、上記の第2の時間よりも長い第3の時間、紫外光が照射される。
【0069】
本実施形態では、このように、CPU111は、ユーザがブース80内にて行う行為であって、感染症の感染度合いに影響を与える行為についての情報である行為情報に基づき、ブース80の清掃についての決定を行う。
具体的には、CPU111は、行為情報に基づき、ブース80の清掃時間についての決定を行う。
【0070】
より具体的には、本実施形態では、CPU111は、行為情報により特定される行為が、予め定められた特定の行為である場合、特定の行為でない場合に比べ、清掃時間を長くし或いは短くする。
具体的には、CPU111は、例えば、上記のように、行為情報により特定される行為が、ユーザが顔を触った後に室内を触る行為である場合、清掃時間を長くする。
一方、CPU111は、例えば、行為情報により特定される行為が、ユーザが顔を触った後に室内を触る行為ではない場合、清掃時間を短くする。言い換えると、CPU111は、ユーザが自身の顔を触った後に室内を触る行為を行わなかった場合、清掃時間を短くする。
【0071】
図11は、ブース80の清掃についてのスケジュール調整の流れを示したフローチャートである。言い換えると、
図11は、ブース80の利用終了後に行うブース80の清掃についてのスケジュール調整の流れを示したフローチャートである。
清掃についてのスケジュール調整にあたっては、CPU111は、まず、ユーザ(以下、このユーザを「先行ユーザ」と称する)がブース80を利用している最中に、この先行ユーザのブース80の利用状況を把握する(ステップS401)。
【0072】
本実施形態では、上記のように、予め定められた時間が経過する度に、情報記憶装置102への利用状況の登録が行われる。
CPU111は、先行ユーザがブース80を利用している最中に、この情報記憶装置102から利用状況を読み出して、先行ユーザの利用状況を把握する。
【0073】
そして、CPU111は、把握したこの利用状況に基づき、ブース80の長時間の清掃(以下、「長時間清掃」と称する)が必要かを判断する(ステップS402)。
具体的には、この場合、CPU111は、把握した利用状況に基づき、上記の3つの条件が満たされているか否かを判断する。
即ち、CPU111は、先行ユーザのマスク装着時間比率が80%を超えている、咳の回数が5回未満である、先行ユーザが顔を触った後に室内を触った回数が5回未満である、の3つの条件が満たされているか否かを判断する。
【0074】
そして、CPU111は、ステップS402にて、この3つの条件が満たされておりブース80の長時間清掃が必要ではないと判断した場合、ブース80の利用時間が終了している否かを判断する(ステップS403)。
そして、CPU111は、ステップS403にて、ブース80の利用時間が終了していないと判断した場合、ステップS401の処理に戻る。
一方、CPU111は、ステップS403にて、ブース80の利用時間が終了したと判断した場合、処理を終了する。この場合、ブース80の清掃は、上記の通常清掃モードで行われる。
【0075】
一方、ステップS402にて、上記の3つの条件の何れかが満たされておらずブース80の長時間清掃が必要であると判断された場合、ステップS404の処理に進む。
ステップS404では、CPU111は、ブース80の利用時間が終了した後に行う清掃(長時間清掃)が、次の予約を行っているユーザ(以下、「後続ユーザ」と称する)に対して影響を与えるか否かを判断する(ステップS404)。
【0076】
そして、CPU111は、ステップS404にて、清掃(長時間清掃)が後続ユーザへ影響を与えないと判断された場合、ステップS403の処理を行い、利用時間(予約時間)が終了したか否かを判断する。
そして、ステップS403にて、利用時間が終了したと判断した場合、処理を終了する。
この場合、先行ユーザによるブース80の利用時間の後に、長時間清掃を行う。この場合、この長時間清掃を行っても、後続ユーザによるブース80の利用に影響を与えない。
【0077】
これに対し、CPU111は、ステップS404にて、長時間清掃が後続ユーザに対して影響を与えると判断した場合、この後続ユーザが予約を行っている予約時間帯の次の時間帯が空いているか否かを判断する(ステップS405)。
そして、ステップS405にて、次の時間帯が空いていると判断された場合、CPU111は、後続ユーザに対して、予約の変更が可能であるかの問い合わせを行う(ステップS406)。具体的には、CPU111は、ユーザ端末4等を通じて、予約の変更が可能であるかの問い合わせを行う。より具体的には、CPU111は、上記の次の時間帯における予約への変更が可能であるか否かの問い合わせを行う。
【0078】
そして、CPU111は、後続ユーザからの回答があった場合、この回答に基づき、変更を行うか否かの判断を行う(ステップS407)。
そして、CPU111は、変更を行うと判断した場合、予約の変更を行う(ステップ408)。より具体的には、CPU111は、後続ユーザによる許可があった場合に、変更を行うと判断して、予約の変更を行う。
言い換えると、この場合、CPU111は、先行ユーザとは異なる他のユーザの一例である後続ユーザによる許可があった場合に、この後続ユーザの予約の変更を行う。
より具体的には、CPU111は、この場合、後続ユーザによる予約の予約時間の変更を行う。
【0079】
この場合、CPU111は、後続ユーザの予約時間を、上記の次の時間帯に変更し、さらに、この後続ユーザに対して、予約を変更した旨を通知する。
より具体的には、この場合、CPU111は、後続ユーザの元々の予約時間の始期を後ろにずらす変更を行い、また、この予約時間の終期も後ろにずらす変更を行う。そして、CPU111は、後続ユーザに対して、予約を変更した旨を通知する。
【0080】
この場合(予約の変更をした場合)、CPU111は、先行ユーザの予約時間が終了すると、上記の長時間清掃の開始の指示を行う。
この場合の長時間清掃は、この長時間清掃がもともと予定されていた時間帯と、上記の予約の変更により空いた時間帯の両時間帯に亘って行われる。
【0081】
一方、CPU111は、ステップS407にて、予約の変更を行わないと判断した場合、後続ユーザに対して、利用時間を減らし且つ料金の割引を行うか、あるいは、予約を取り消すかの何れを行うかを問い合わせる(ステップS409)。
そして、CPU111は、予約を取り消すとの回答があったか否かを判断する(ステップS410)。そして、CPU111は、予約を取り消すとの回答があったと判断した場合、後続ユーザのブース80の予約の取り消しを行う(ステップS411)。
【0082】
言い換えると、CPU111は、後続ユーザによる許可がある場合に、この後続ユーザのブース80の予約の取り消しを行う。
先行ユーザの利用後に行う清掃の清掃時間と、後続ユーザのブース80の予約時間とが重なる場合、このように、後続ユーザのブース80の予約を取り消してもよい。
【0083】
本実施形態では、上記の通常清掃モード、簡易清掃モード、長時間清掃モードのように、清掃時間についての決定を行う。
本実施形態では、長時間清掃モードが決定され、清掃時間が長い清掃時間に決定されると、決定されたこの清掃時間と後続ユーザによるブース80の予約時間とが重なる事態が生じうる。この場合、上記のように、後続ユーザによるブース80の予約の取り消しを行ってもよい。
この場合、CPU111は、先行ユーザの予約時間が終了すると、上記の長時間清掃の開始の指示を行う。
この場合の長時間清掃は、この長時間清掃がもともと予定されていた時間帯と、上記の予約の取り消しにより空いた時間帯の両時間帯に亘って行われる。
【0084】
一方、ステップS410にて、予約を取り消すとの回答があったと判断しなかった場合、CPU111は、後続ユーザのブース80の利用時間を減らし且つ料金の割引を行う処理を行う(ステップS412)。
具体的には、CPU111は、後続ユーザの予約開始時刻を遅らせる設定を行い且つ時刻を遅らせた分だけ料金を割り引く設定を行う。
言い換えると、この場合、CPU111は、後続ユーザの予約時間の始期を後ろにずらす変更を行い且つ始期を後ろにずらした時間分だけ料金を割り引く設定を行う。
なお、この場合、CPU111は、この予約時間の終期については後ろにずらさない。
【0085】
本実施形態では、上記の通り、CPU111が、清掃モードを長時間清掃モードとし、清掃時間が長い時間に決定されると、CPU111が決定した清掃時間と後続ユーザによるブース80の予約時間とが重なるようになる。
この場合、上記のように、予約時間の始期を後ろにずらす変更を行ってもよい。これにより、清掃時間と、後続ユーザのブースの利用時間とが重ならないようになる。
この場合も、CPU111は、先行ユーザの予約時間が終了すると、長時間清掃の開始の指示を行う。
この場合の長時間清掃は、この長時間清掃がもともと予定されていた時間帯と、始期を後ろにずらすことにより空いた時間帯の両時間帯に亘って行われる。
【0086】
また、本実施形態では、CPU111は、上記のステップS405にて、次の時間帯が空いていないと判断した場合も、ステップS412の処理を実行し、後続ユーザのブース80の予約時間を減らし且つ料金の割引を行う処理を行う。
この場合も、長時間清掃がもともと予定されていた時間帯と、始期を後ろにずらすことにより空いた時間帯の両時間帯に亘って、長時間清掃が行われる。
【0087】
なお、上記のステップS405にて、次の時間帯が空いていないと判断された場合、ステップS409の処理を行い、後続ユーザに対して、利用時間を減らし且つ料金の割引を行うか、あるいは、予約の取り消しを行うかの問い合わせを行ってもよい。
そして、この場合は、上記と同様、後続ユーザのブース80の利用時間を減らし且つ料金の割引を行う、あるいは、後続ユーザのブース80の予約の取り消しを行う。
そして、この場合は、上記と同様、長時間清掃は、もともと清掃が予定されていた時間帯、始期を後ろにずらす又は予約を取り消すことにより空いた時間帯の両時間帯に亘って行われる。
【0088】
図14(A)、(B)は、スケジュール調整の具体例を示した図である。
この例では、
図14(A)の符号14Aで示す時間帯が、先行ユーザがブース80を利用している時間帯となっている。
また、この例では、予約が連続して入らない処理が行われており、符号14Bで示すように、時間的に相前後する予約時間帯間に、予約が入れられていない空の時間帯が確保されている。
【0089】
言い換えると、本実施形態では、30分毎の予約可能枠が複数設けられているが、予約が既に入っている予約可能枠と、同じく予約が既に入っている予約可能枠との間に、予約が入れられていない空の時間帯が確保されている。
より具体的には、本実施形態では、ブース80の清掃時間を確保するため、既に予約が入っている一の予約可能枠と、既に予約が入っている他の予約可能枠との間に、予約が入れられていない空の時間帯が確保されている。
【0090】
本実施形態では、この空の時間帯に、ブース80の清掃を行う。より具体的には、本実施形態では、上記の通常清掃モードによる清掃や、簡易清掃モードによる清掃や、長時間清掃モードによる清掃が、この空の時間帯に行われるようになっている。
ここで、「予約可能枠」とは、始期および終期が予め定められた時間枠であって、ユーザによるブース80の予約が行われる時間枠を指す。
【0091】
本実施形態では、上記のように、先行ユーザの利用状況を取得する。そして、この先行ユーザの利用状況によっては、上記のように、長時間清掃が行われることがある。
ここで、上記の簡易モードによる清掃や、通常モードによる清掃が行われる場合は、
図14(A)の符号14Eで示す空の時間帯に、この清掃は行われる。
この場合、この空の時間帯で清掃が終了するため、符号14Fで示す、後続ユーザが予約している予約時間枠(予約時間帯)に対し、この清掃は影響しない。
【0092】
これに対して、先行ユーザの利用状況により特定される状況が、汚れ度が高い状況にある場合、長時間清掃が行われることになる。
この場合、符号14Eで示す空の時間帯だけでなく、後続ユーザが予約している予約時間枠(符号14Fで示す時間枠)においても清掃を行う必要が生じ、この長時間清掃が、後続ユーザへ影響を及ぼす。
言い換えると、この場合、長時間清掃の清掃時間と後続ユーザの予約時間枠とが時間的に重なるようになり、長時間清掃が、後続ユーザへ影響を及ぼす。
【0093】
本実施形態は、長時間清掃が行われる場合、上記の通り、後続ユーザの予約時間枠の次の予約時間枠が空いているかを判断する。
具体的には、この例では、
図14(A)の符号14Gで示す時間枠が空いているか否かを判断する。
この例では、符号14Gで示す時間枠は空いており、この場合、後続ユーザの許可があれば、予約の変更が行われ、後続ユーザの予約時間枠は、
図14(A)の符号14Gで示す時間枠に変更される。
【0094】
図14(B)は、後続ユーザの予約時間枠が、
図14(A)の符号14Gで示す時間枠に変更された後のブース80の利用状況、予約状況を示した図である。
この例では、後続ユーザの予約時間枠が変更された結果、後続ユーザの新たな予約時間枠は、
図14(B)の符号14Jで示す時間枠となっている。
そして、この場合、長時間清掃は、
図14(B)の符号14Kで示す時間枠(当初から清掃が予定されていた時間枠)と、符号14Lで示す時間枠(予約変更により空いた時間枠)との両時間枠に亘って行われる。
【0095】
一方、例えば、
図14(A)の符号14Gで示す時間枠が空いていない場合は、後続ユーザの予約を変更することはできない。
この場合は、上記の通り、後続ユーザに対して、利用時間を減らすか、あるいは、予約を取り消すかの問い合わせを行う。
【0096】
そして、利用時間を減らすとの回答があった場合は、長時間清掃は、
図14(A)の符号14Eで示す時間枠(当初から清掃が予定されていた時間枠)と、符号14Fで示す時間枠のうちの利用時間を減らすことにより空いた時間枠の両時間枠に亘って行われる。
また、予約を取り消すとの回答があった場合は、長時間清掃は、
図14(B)の符号14Kで示す時間枠(当初から清掃が予定されていた時間枠)と、符号14Lで示す時間枠との両時間枠に亘って行われる。
【0097】
図12は、ブース80の利用料金等に関してCPU111が実行する処理の流れを示したフローチャートである。
CPU111は、ブース80の予約終了時刻の直前となると、上記と同様、情報記憶装置102から利用状況を読み出して利用状況を取得する(ステップS501)。
そして、CPU111は、取得した利用状況を基に、マスク使用時間比率、咳の回数、顔を触った後に室内を触った回数を把握し、これらの情報を表すグラフを生成する(ステップS502)。
【0098】
次いで、CPU111は、ステップS502にて生成したグラフも含んだ利用状況を内部モニタ32(
図2参照)に表示する(ステップS503)。このように、ユーザの利用状況を表示してユーザに知らせると、感染症に対するユーザの意識が高まる。
なお、利用状況を知らせる際、ブース80内にてユーザが実際に行った動作のうちの、特定の動作を内部モニタ32に表示するようにしてもよい。
具体的には、例えば、内部撮影装置24により得られた映像であって、ユーザがマスクを外していた際の映像や、ユーザが咳をしていた際の映像や、ユーザが顔を触った後に室内を触った際の映像を内部モニタ32に表示するようにしてもよい。
【0099】
その後、本実施形態では、生成したグラフに含まれる情報も含め、利用状況についての情報を暗号化して保存する(ステップS504)。具体的には、利用状況を、暗号化したうえで情報記憶装置102に登録する。
次いで、CPU111は、ステップS501にて取得した利用状況に基づき、ブース80の汚れ度が低いか否かを判断する(ステップS505)。
【0100】
具体的には、CPU111は、上記と同様、マスク装着時間比率が99%を超えている、咳の回数が2回未満である、ユーザが顔を触った後に室内を触った回数が1回未満である、の3つの条件により、汚れ度が低いか否かを判断する。
そして、CPU111は、ステップS505にて、ブース80の汚れが低いと判断した場合、ブース80の料金の割引を行い、又は、次回以降のブース80の利用時に料金の一部として充当できるポイントを付与する(ステップS506)。
【0101】
なお、上記では、行為情報として、ブース80を汚す行為であるか否かの情報を取得する場合を説明したが、取得する情報はこれに限られず、ユーザがブース80内を清掃する行為など、ブース80を綺麗にする行為についての情報を行為情報として取得してもよい。
そして、清掃する行為など、ブース80を綺麗にする行為についての情報を取得した場合、ブース80の料金の割引を行ったり、又は、次回以降のブース80の利用時に料金の一部として充当できるポイントを付与したりしてもよい。
【0102】
ブース80の料金の割引にあたり、ブース80の利用前に課金を行う形態である利用前課金形態の場合は、割り引いた分の料金をユーザに返金する。
また、ブース80の料金の割引にあたり、ブース80の利用後に課金を行う形態である利用後課金形態の場合は、割り引いた後の料金をユーザに対して課金する。
【0103】
一方、ステップS505にて、ブース80の汚れ度が低くないと判断された場合、CPU111は、ブース80の汚れ度が高いかを判断する(ステップS507)。
具体的には、CPU111は、例えば、ユーザのマスク装着時間比率が80%を超えていない、咳の回数が5回以上である、ユーザが顔を触った後に室内を触った回数が5回以上である、の3つの条件により判断する。
【0104】
CPU111は、この3つの条件のうちの何れか1つの条件が満たされている場合、ブース80の汚れ度が高いと判断する。そして、この場合、CPU111は、ユーザに対して、追加の料金を課金する(ステップS508)。
具体的には、CPU111は、利用前課金形態の場合は、追記の料金をさらに課金し、利用後課金形態の場合は、通常料金に対して追加の料金を加算した料金をユーザに対して課金する。
一方、ステップS507にて、ブース80の汚れ度が高くないと判断された場合、ステップS508の処理を行うことなく処理を終了する。この場合、料金は、通常の料金となる。
【0105】
このように、本実施形態では、CPU111は、ユーザの行為情報に基づき、ブース80の利用料金に関する決定を行う。
具体的には、CPU111は、行為情報により特定される行為が、感染症の感染度合いを高める行為である場合、利用料金を増額する決定を行う。
一方、CPU111は、行為情報により特定される行為が、感染症の感染度合いを低める行為である場合、利用料金を減額する決定を行う。
【0106】
図13は、ブース80の清掃を実際に行うにあたってCPU111が実行する処理の流れを示したフローチャートである。
なお、上記では、ブース80の利用時間が終了した後に、ブース80の清掃を行う場合を説明したが、ブース80の清掃は、ブース80の利用時間中に行ってもよい。
図13にて示すこの処理では、ブース80の利用時間中に清掃を行う場合の処理も併せて説明する。
【0107】
ブース80の清掃を実際に行うにあたっては、CPU111は、予め定められた時間が経過する度に、この
図13にて示すステップS601~ステップS611の処理を実行する。
CPU111は、ブース80の清掃にあたり、まず、ブース80が利用時間外(予約時間外)にあるかを判断する(ステップS601)。
そして、CPU111は、ブース80が利用時間外にあると判断した場合、人感センサ25(
図2参照)からの出力に基づき、ブース80内にユーザがいないかを判断する(ステップS602)。
【0108】
そして、CPU111は、ブース80内にユーザがいないと判断しなかった場合、内部スピーカ30Aや内部モニタ32を通じて、ブース80内のユーザに対して、ブース80の外に出ることを促す通知を行う(ステップS611)。
一方、CPU111は、ステップS602にて、ブース80内にユーザがいないと判断した場合、予め定められた清掃開始時刻になったか否かを判断する(ステップS603)。
そして、CPU111は、清掃開始時刻になったと判断した場合、扉22(
図2参照)が施錠されているかを判断する(ステップS604)。
【0109】
そして、CPU111は、扉22が施錠されていると判断した場合、紫外光の照射を開始して、ブース80の清掃を開始する(ステップS605)。
一方で、CPU111は、ステップS604にて施錠されていると判断しなかった場合、扉22の施錠を指示する制御信号を出力し、扉22の施錠を行う(ステップS606)。その後、CPU111は、ブース80の清掃を開始する(ステップS605)。
【0110】
一方、CPU111は、ステップS601にて、利用時間外ではないと判断した場合、ユーザにより手動で操作されるスイッチ(以下、「手動スイッチ」と称する)がオンされたか否かを判断する(ステップS607)。
手動スイッチとしては、例えば、ブース80内に設置され、ユーザによりオン/オフされる物理的なスイッチが一例に挙げられる。また、その他に、手動スイッチとしては、ユーザ端末4に表示されるソフトスイッチが一例に挙げられる。
【0111】
そして、CPU111は、ステップS607にて、手動スイッチがオンされていないと判断した場合、清掃を行わない決定を行う(ステップS608)。
これに対し、CPU111は、ステップS607にて、手動スイッチがオンされたと判断した場合、内部モニタ32や内部スピーカ30Aなどを通じて、ユーザに対し、ブース80の外に出ることを促す通知を行う(ステップS609)。
次いで、CPU111は、ブース80内にユーザがいないかを判断する(ステップS610)。具体的には、CPU111は、人感センサ25(
図2参照)からの出力に基づき、ブース80内にユーザがいないかを判断する。
そして、CPU111は、ブース80内にユーザがいないと判断しなかった場合、ステップS609の処理を再び行う。
【0112】
一方、CPU111は、ステップS610にて、ブース80内にユーザがいないと判断した場合、ステップS604の処理を実行する。
このステップS604の処理では、上記と同様、CPU111は、扉22が施錠されているか否かを判断する。そして、CPU111は、上記と同様、施錠されていると判断した場合、ブース80の清掃を開始する(ステップS605)。
なお、この例では、手動スイッチがオンされることにより開始される清掃は、予約時間内に行われ、ユーザは、この清掃の時間の分、ブース80を利用できなくなる。
このように、予約時間内に清掃が行われる場合、この清掃の時間の分の料金の請求を行わないようにしてもよい。
【0113】
(その他)
上記では、基本的に、予約可能枠の始期および終期が固定されている場合を説明したが、予約可能枠を可変する構成としてもよい。
具体的には、上記では、
図14に示すように、例えば、予約可能枠の始期が、毎時00分、あるいは、毎時30分であり、予約可能枠の終期が、同じく、毎時00分、あるいは、毎時30分である場合を説明した。
ところで、これに限らず、先行ユーザによるブース80の利用状況に応じて、予約枠の始期や終期を変更するようにしてもよい。言い換えると、先行ユーザによるブース80の利用後に行われる清掃の状況に応じて、予約枠の始期や終期を変更するようにしてもよい。
【0114】
上記にて説明した処理では、例えば、簡易清掃モードに設定され、清掃時間が5分や10分など、清掃時間が30分未満であっても、清掃のための空の時間を30分確保し、この30分の経過後に、次の予約可能枠が始まる。
これに限らず、先行ユーザによるブース80の利用後に行われる清掃の長短に応じて、この清掃後の次の予約可能枠の始期を変更してよい。
【0115】
ここで、例えば、
図15(予約枠の変更を説明する図)の(A)に示すように、先行ユーザの利用終了後に、例えば、5分の清掃が行われることが確定した場合を想定する。言い換えると、簡易清掃モードによる清掃が行われることが決定され、先行ユーザの利用終了後に、例えば、5分の清掃が行われることが確定した場合を想定する。
この場合、この清掃が行われる時間帯の1つ後に存在する予約可能枠(符号15Y参照)の始期(符号15X参照)を繰り上げ、
図15(B)に示すように、この予約可能枠がより早く開始されるようにしてもよい。
【0116】
この場合、CPU111は、清掃時間の後に設定されている予約可能枠の始期を繰り上げる処理を行うことになる。言い換えると、この場合、CPU111は、先行ユーザの利用後に行う清掃の時間を短くする場合に、この清掃の後に設定されている予約可能枠の始期を繰り上げる処理を行うことになる。
また、この例では、この予約可能枠の終期も繰り上げる処理を行っている。
さらに、この例では、この予約可能枠(符号15Yで示す予約可能枠)の後にある他の予約可能枠についても、始期および終期を繰り上げている。
この処理を行う場合、清掃が終わっているにも関わらずブース80が空となりブース80が利用されないという事態を避けられる。
【0117】
また、その他に、予約が入った予約時間帯(予約可能枠)の後の時間帯を、必ずしも空の時間帯にせず、予約の状況によっては、この空の時間帯を確保しないでもよい。
本実施形態では、
図14(A)の符号14Bで示したように、予約が連続して入らない処理が行われ、時間的に相前後する予約時間帯間に、予約が入れられていない空の時間帯が確保される。
これに限らず、予約の状況によっては、この空の時間帯を確保しないでもよい。
【0118】
具体的には、例えば、
図14の(A)の符号14Xで示しているように、共通(同一)のユーザによって、連続する複数の予約時間帯が予約された場合、この複数の予約時間帯間に、上記の清掃のための空の時間帯を確保しないでもよい。
共通のユーザが使用する場合は、異なるユーザ間における感染が生じないため、清掃の時間を確保しないでも、感染症の感染の拡大を抑えられる。
【0119】
言い換えると、CPU111は、時間的に連続する複数の予約可能枠の各々が共通のユーザによって予約される場合には、この予約を許可するようにする。この場合、上記の空の時間帯は確保されないが、この空の時間帯が無くても、感染症の拡大を抑えられる。
その一方、CPU111は、時間的に連続する複数の予約可能枠の各々が互いに異なるユーザによって予約される場合は、時間的に連続するこの複数の予約可能枠の予約を許可しない。
この場合、一のユーザがブース80を利用した後に、空の時間が確保され、この空の時間の後に、他のユーザによるブース80の利用が行われる。
【0120】
なお、上記で説明した各構成は、上記の実施形態及びその変形例に限られるものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。言い換えると、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解される。
例えば、上記にて説明した各構成の一部を省略したり、上記にて説明した各構成に対して他の機能を付加したりしてもよい。
また、上記では、複数の実施形態を説明したが、一の実施形態に含まれる構成と他の実施形態に含まれる構成とを入れ替えたり、一の実施形態に含まれる構成を他の実施形態に付加したりしてもよい。
【符号の説明】
【0121】
1…情報処理システム、2…空間、5…空間管理サーバ、80…ブース、111…CPU