(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム、および画像形成システム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20250109BHJP
H04L 51/00 20220101ALI20250109BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
G06F3/12 365
G06F3/12 353
G06F3/12 304
G06F3/12 392
H04L51/00
B41J29/38
(21)【出願番号】P 2021028186
(22)【出願日】2021-02-25
【審査請求日】2023-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】弁理士法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山中 昌子
【審査官】征矢 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-133817(JP,A)
【文献】特開2004-104346(JP,A)
【文献】特開2003-099215(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F3/12
H04L51/00
B41J29/00-29/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置に対して印刷データの印刷実行の指示が可能な情報処理装置であって、
ユーザの入力に基づいて前記画像形成装置に対する印刷条件を設定する設定部と、
外部装置で送受信可能な第1のメールアドレスと前記画像形成装置で送受信可能な第2のメールアドレスとを取得する取得部と、
前記設定部により設定された印刷設定情報を含み、前記取得部によって取得された前記第2のメールアドレスに基づいて前記第2のメールアドレスが記載された電子メールを生成する生成部と、
前記生成部によって生成された前記電子メールを前記第1のメールアドレス宛に送信する送信部と
を備える
情報処理装置。
【請求項2】
前記設定部は、操作入力部を介して入力された前記ユーザの指示に基づいて前記印刷条件の設定を行い、
前記生成部は、前記操作入力部を介して入力された前記ユーザによるメール送信の指示がなされた場合に前記電子メールを生成する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記生成部は、前記電子メールの本文に前記印刷設定情報に対応する説明情報が記載された電子メールを生成する
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記生成部は前記第2のメールアドレスを差出人とする電子メールを生成する
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
ユーザの入力に基づいて画像形成装置に対する印刷条件を設定することと、
外部装置で送受信可能な第1のメールアドレスと前記画像形成装置で送受信可能な第2のメールアドレスとを取得することと、
設定された印刷設定情報を含み、取得された前記第2のメールアドレスに基づいて前記第2のメールアドレスが記載された電子メールを生成することと、
生成された前記電子メールを前記第1のメールアドレス宛に送信することと
を含む処理をコンピュータに実行させる
プログラム。
【請求項6】
画像形成装置と、
前記画像形成装置に対して印刷データの印刷実行の指示が可能な情報処理装置と、
前記画像形成装置に対して印刷実行させる前記印刷データを
含む1または複数のファイルを有する外部装置と
を含み、
前記情報処理装置は、
ユーザの入力に基づいて前記画像形成装置に対する印刷条件を設定する設定部と、
前記外部装置で送受信可能な第1のメールアドレスと前記画像形成装置で送受信可能な第2のメールアドレスとを取得する取得部と、
前記設定部により設定された印刷設定情報を含み、前記取得部によって取得された前記第2のメールアドレスに基づいて前記第2のメールアドレスが記載された電子メールを生成する生成部と、
前記生成部によって生成された前記電子メールを前記第1のメールアドレス宛に送信する送信部と
を備え、
前記外部装置は、前記情報処理装置から受信した前記印刷設定情報が記載された前記電子メールに
、前記1または複数のファイルのうち印刷したい前記印刷データを
含む少なくとも1つのファイルを添付して、前記画像形成装置に送信し、
前記画像形成装置は、前記外部装置から受信した前記電子メールに記載された前記印刷設定情報に基づいて、前記電子メールに添付された
前記少なくとも1つのファイルに含まれる前記印刷データを印刷する
画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、プログラム、および画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般にPC(パーソナルコンピュータ)等の情報処理装置から画像形成装置に対して印刷実行の指示を行う場合、情報処理装置には事前に印刷用のアプリケーションやプリンタドライバをインストールする。一方、電子メールを利用することで、プリンタドライバ等がインストールされていないモバイル端末等から画像形成装置に対して印刷実行の指示を行うことを可能にする技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。この技術では、印刷データを添付した電子メールを画像形成装置に送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の電子メールを利用する技術において、画像形成装置のメールアドレスや印刷条件等を調べ、手入力することはユーザにとって煩雑である。
【0005】
画像形成装置に対する印刷実行の指示が困難な外部装置から容易に印刷実行の指示を行うことを可能にする情報処理装置、プログラム、および画像形成システムを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施の形態に係る情報処理装置は、画像形成装置に対して印刷データの印刷実行の指示が可能な情報処理装置であって、ユーザの入力に基づいて画像形成装置に対する印刷条件を設定する設定部と、外部装置で送受信可能な第1のメールアドレスと画像形成装置で送受信可能な第2のメールアドレスとを取得する取得部と、設定部により設定された印刷設定情報を含み、取得部によって取得された第2のメールアドレスに基づいて第2のメールアドレスが記載された電子メールを生成する生成部と、生成部によって生成された電子メールを第1のメールアドレス宛に送信する送信部とを備える。e
【0008】
本発明の一実施の形態に係るプログラムは、ユーザの入力に基づいて画像形成装置に対する印刷条件を設定することと、外部装置で送受信可能な第1のメールアドレスと画像形成装置で送受信可能な第2のメールアドレスとを取得することと、設定された印刷設定情報を含み、取得された第2のメールアドレスに基づいて第2のメールアドレスが記載された電子メールを生成することと、生成された電子メールを第1のメールアドレス宛に送信することとを含む処理をコンピュータに実行させる。
【0009】
本発明の一実施の形態に係る画像形成システムは、画像形成装置と、画像形成装置に対して印刷データの印刷実行の指示が可能な情報処理装置と、画像形成装置に対して印刷実行させる印刷データを含む1または複数のファイルを有する外部装置とを含み、情報処理装置は、ユーザの入力に基づいて画像形成装置に対する印刷条件を設定する設定部と、外部装置で送受信可能な第1のメールアドレスと画像形成装置で送受信可能な第2のメールアドレスとを取得する取得部と、設定部により設定された印刷設定情報を含み、取得部によって取得された第2のメールアドレスに基づいて第2のメールアドレスが記載された電子メールを生成する生成部と、生成部によって生成された電子メールを第1のメールアドレス宛に送信する送信部とを備える。
外部装置は、情報処理装置から受信した印刷設定情報が記載された電子メールに、1または複数のファイルのうち印刷したい印刷データを含む少なくとも1つのファイルを添付して、画像形成装置に送信し、画像形成装置は、外部装置から受信した電子メールに記載された印刷設定情報に基づいて、電子メールに添付された少なくとも1つのファイルに含まれる印刷データを印刷する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一実施の形態に係る情報処理装置、プログラム、または画像形成システムによれば、外部装置で送受信可能な第1のメールアドレスと画像形成装置で送受信可能な第2のメールアドレスとを取得し、第2のメールアドレスが記載された電子メールを生成し、生成された電子メールを第1のメールアドレス宛に送信する。これにより、画像形成装置に対する印刷実行の指示が困難な外部装置から容易に印刷実行の指示を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1の実施の形態に係る情報処理装置を含む画像形成システムの一構成例を示すブロック図である。
【
図2】第1の実施の形態に係る画像形成システムの動作シーケンスの一例を示すシーケンス図である。
【
図3】プリンタドライバの設定画面の一例を示す説明図である。
【
図4】PCにおいて設定される印刷設定画面の一例を示す説明図である。
【
図5】PCにおいて設定される印刷用メールのテンプレートの一例を示す説明図である。
【
図6】モバイル端末から送信される印刷用メールの一例を示す説明図である。
【
図7】PCにおいて設定される印刷用メールのテンプレートの変形例を示す説明図である。
【
図8】モバイル端末から送信される印刷用メールの変形例を示す説明図である。
【
図9】PCにおいて設定される印刷用メールのテンプレートの他の変形例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(
図1~
図9)
1.0 概要
1.1 構成
1.2 動作
1.3 効果
1.4 変形例
2.その他の実施の形態
【0013】
<1.第1の実施の形態>
[1.0 概要]
一般に画像形成装置に対して印刷をさせる際に、印刷用のアプリケーションやプリンタドライバをインストールしなくても手軽に印刷できるような手段がいくつか知られている。例えば、印刷データを添付した電子メールを画像形成装置に送信することで印刷を実行させる、いわゆるEメールプリントと呼ばれる技術がある。しかし、印刷用のアプリケーションやプリンタドライバを使用しない印刷では、手軽に印刷できる反面、印刷実行の指示を行う端末(モバイル端末等)から印刷時の細かい設定を指定できる項目が少ない。例えばEメールプリントでは、特に端末側からの指定がなければ印刷は画像形成装置側の設定に従って行われる。
【0014】
そこで、Eメールプリントでは、印刷実行の指示を行う端末側から印刷用の設定を可能にする機能がある。例えば、印刷設定を行いたい場合、電子メールの送信毎に件名欄に、決められたルールによる設定値を入力することで印刷設定を行うことを可能にしている。しかしながら、この機能では、電子メールの件名欄の入力のルールが複雑であり、マニュアルを見なければユーザは設定可能な項目を把握することが困難である。また、電子メールの件名はユーザが直接、手入力しなければならず設定値の誤入力があった場合に、意図した印刷結果を得ることが困難である。
【0015】
また、普段使用していない画像形成装置から一時的に印刷をしたい場合、端末にその画像形成装置の印刷用アプリケーションやプリンタドライバをインストールするのは煩わしい。また、印刷用アプリケーションやプリンタドライバをインストールせずにEメールプリントを行う場合は、画像形成装置のアドレスが簡単にはわからない。
【0016】
そこで、第1の実施の形態に係る情報処理装置は、画像形成装置に対して印刷データの印刷実行の指示が可能な情報処理装置であって、外部装置で送受信可能な第1のメールアドレスと画像形成装置で送受信可能な第2のメールアドレスとを取得する取得部と、取得部によって取得された第2のメールアドレスに基づいて、第2のメールアドレスが記載された電子メールを生成する生成部と、生成部によって生成された電子メールを第1のメールアドレス宛に送信する送信部とを備える。
ここで、画像形成装置は、例えば後述するプリンタ120に相当する。情報処理装置は、例えば後述するPC100に相当する。外部装置は、例えば後述するモバイル端末130に相当する。取得部は、例えば後述する印刷用メール印刷条件設定部114および印刷用メール生成部115に相当する。生成部は、例えば後述する印刷用メール生成部115に相当する。送信部は、例えば後述する印刷用メール送信部116に相当する。
【0017】
生成部は、第2のメールアドレスと設定部によって設定された印刷設定情報とが記載された電子メールを生成する。印刷設定情報は、後述する印刷条件に相当し、例えば、後述する
図5の件名欄413や
図7の本文欄414等に記載される。
【0018】
生成部は、電子メールの本文に印刷設定情報に対応する説明情報が記載された電子メールを生成する。説明情報は、例えば後述する
図5の本文欄414等に記載される。
【0019】
第1の実施の形態に係る情報処理装置では、画像形成装置のプリンタドライバに、画像形成装置の装置仕様に従ったEメールプリントの印刷設定用のメール件名と、送信元(差出人)または参照先のアドレスとして印刷を行う画像形成装置のメールアドレス(第2のメールアドレス)とを付加した印刷用メールの生成機能を持たせる。そして、指定された送信先(宛先)メールアドレス(第1のメールアドレス)へ印刷設定をした印刷用メールを送信する。
【0020】
これにより、印刷用メールを受信した端末から、受信した電子メールに印刷したいデータを添付して返信することで、ユーザは印刷用のアプリケーションやプリンタドライバをインストールすることなく、また、画像形成装置のメールアドレスを調べることもなく、意図した画像形成装置から意図した設定で印刷結果を取得することができる。
【0021】
[1.1 構成]
(システム構成)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る情報処理装置を含む画像形成システムの一構成例を示している。
【0022】
第1の実施の形態に係る画像形成システムは、PC(パーソナルコンピュータ)100と、プリンタ120と、モバイル端末130とを含む。
【0023】
PC100は、ネットワーク140を介して画像形成装置としてのプリンタ120と、外部装置としてのモバイル端末130とに接続されている。
【0024】
ネットワーク140は、PC100およびモバイル端末130からプリンタ120に印刷データを伝達可能となっている。ネットワーク140は、PC100およびモバイル端末130間、ならびに、モバイル端末130およびプリンタ120間で電子メールの送受信を行う際の通信経路である。
【0025】
(PC100の構成)
PC100は、CPU(Central Processing Unit)101と、RAM(Ramdom Access Memory)102と、操作入力部103と、ネットワークI/F(インタフェース)部104と、アプリケーション格納部105とを備えている。
【0026】
アプリケーション格納部105は、コンピュータ(CPU101)によって読み取りおよび実行可能なプログラムを格納する記録媒体であり、例えばHDD(Hard Disk Drive)等で構成されている。アプリケーション格納部105は、事前にインストールされたプリンタドライバ110や、その他のアプリケーションプログラムを格納している。アプリケーション格納部105は、その他のアプリケーションプログラムとして、例えば汎用のメーラなどのメールアプリケーションプログラムを格納していてもよい。
【0027】
CPU101は、各種演算を行い、プリンタドライバ110等のプログラムの実行を制御する。RAM102は、CPU101が各種プログラムを実行する際に使用するワークエリアを有する揮発性の記憶装置である。
【0028】
操作入力部103は、ユーザの各種操作入力を受け付け、PC100へ情報を入力するためのキーボードやマウス等の入力デバイスを有している。また、操作入力部103は、設定画面等の各種情報を表示する表示デバイスを有している。
【0029】
ネットワークI/F(インタフェース)部104は、外部デバイスと情報の送受信を行うためのインタフェースである。
【0030】
PC100には、プリンタ120のプリンタドライバ110がインストールされており、プリンタ120に対して印刷条件の設定や印刷データの印刷実行の指示が可能となっている。プリンタドライバ110は、操作入力部103の表示デバイスを介して、ユーザに対して印刷条件の設定や印刷データの印刷実行の指示を促すUI(ユーザインタフェース)を提供可能となっている。
【0031】
プリンタドライバ110は、印刷条件設定部111と、印刷データ生成部112と、印刷データ送信部113と、印刷用メール印刷条件設定部114と、印刷用メール生成部115と、印刷用メール送信部116とを有している。
【0032】
印刷条件設定部111は、ユーザがプリンタドライバ110のUI上で指定した印刷条件の設定を行う。
【0033】
印刷データ生成部112は、印刷条件設定部111で設定された印刷条件に従って、プリンタ120で処理可能な印刷データを生成する。
【0034】
印刷データ送信部113は、印刷データ生成部112で生成した印刷データを、ネットワークI/F部104、およびネットワーク140を介してプリンタ120に送信する。
【0035】
印刷用メール印刷条件設定部114は、ユーザが指定したEメールプリント用の印刷条件(印刷設定情報)とEメールプリントを行う端末(モバイル端末130)のメールアドレス(第1のメールアドレス)とを設定する。
【0036】
印刷用メール生成部115は、Eメールプリント用の電子メールのメールテンプレート(後述の
図5)を生成する。印刷用メール生成部115は、メールテンプレートに、印刷用メール印刷条件設定部114で設定された印刷条件を付加する。また、印刷用メール生成部115は、印刷用メール印刷条件設定部114で設定された端末のメールアドレスをメールテンプレートの電子メールの送信先(宛先)に設定(記載)する。また、印刷用メール生成部115は、メールテンプレートの電子メールの送信元(差出人)にプリンタアドレス(第2のメールアドレス)を設定(記載)する。プリンタアドレスは、例えばプリンタ120と通信してプリンタ120のメールアドレスを事前にアプリケーション格納部105に記憶しておいてもよい。または、メールを生成する際、もしくは定期的にプリンタ120と通信してプリンタ120のメールアドレスを取得してもよい。
【0037】
印刷用メール送信部116は、印刷用メール生成部115で生成したEメールプリント用のメールテンプレートを、SMTPプロトコルを使用して、Eメールプリントを行う端末に送信する。
【0038】
(モバイル端末130の構成)
モバイル端末130は、ネットワーク140を介してプリンタ120とPC100とに接続されている。モバイル端末130には、プリンタ120のプリンタドライバ110はインストールされていない。モバイル端末130は、メール送受信部131を有している。メール送受信部131は、PC100からのEメールプリント用のメールテンプレートの受信を行う。また、メール送受信部131は、プリンタ120に対してファイル132を添付した電子メールをプリンタ120に送信する。
【0039】
(プリンタ120の構成)
プリンタ120は、印刷制御部121と、印刷用メール解析部122と、画像データ生成部123と、画像データ印刷部124と、ネットワークI/F(インタフェース)部125と、受信部126と、記憶部127とを備えている。
【0040】
プリンタ120では、ネットワークI/F部125を介して受信部126によって印刷データやEメールプリント用の電子メールを受信する。受信データが印刷データであった場合は、画像データ生成部123において印刷用の画像データを生成する。画像データ印刷部124は、生成された画像データを印刷する。
【0041】
受信データがEメールプリントの電子メールであった場合は、印刷用メール解析部122において、Eメールプリントの電子メールに記載された印刷設定を解析する。画像データ生成部123は、解析された印刷設定と電子メールに添付されたファイル132とに基づいて印刷用の画像データを生成する。画像データ印刷部124は、生成された画像データを印刷する。
【0042】
印刷制御部121は、プリンタ120に関わる動作全般の制御を行う。
【0043】
記憶部127は、受信部126で受信したデータを記憶する。また、記憶部127は、受信したデータの解析や、画像データの生成工程でのデータの一時保管等を行う。また、記憶部127は、生成した画像データの保管用として使用される。
【0044】
[1.2 動作]
図2は、第1の実施の形態に係る画像形成システムの動作シーケンスの一例を示している。
図3は、プリンタドライバ110の設定画面の一例を示している。
図4は、PC100において設定される印刷設定画面の一例を示している。
図5は、PC100において設定される印刷用メールのテンプレートの一例を示している。
図6は、モバイル端末130から送信される印刷用メールの一例を示している。
【0045】
以下、第1の実施の形態に係る画像形成システムの動作を、
図2の動作シーケンスに従い、
図1の構成図および
図3~
図6を参照しつつ説明する。
【0046】
なお、PC100がプリンタドライバ110を用いて生成した印刷データを、ネットワーク140を介してプリンタ120に送信し、プリンタ120が受信した印刷データを印刷するような、一般的なプリンタドライバを用いた印刷の動作については、ここでは詳細の説明を省略する。
【0047】
まず、ユーザはPC100上で画像形成装置としてのプリンタ120のプリンタドライバ110を起動する(ステップS201)。
図3は、起動したプリンタドライバ110の設定画面の一例である。ユーザが
図3の設定画面からEメールプリント用のテンプレート作成項目301を選択すると、プリンタドライバ110は、
図4のような印刷設定画面を操作入力部103の表示デバイスに表示する。印刷設定画面には、ユーザが印刷条件(印刷設定情報)を入力するための設定欄として、例えば、カラー/モノクロ設定欄303、両面印刷設定欄304、および部数設定欄305が設けられている。また、印刷設定画面には、ユーザがEメールプリントを実行する端末(ここではモバイル端末130)のメールアドレスを入力するための送信メールアドレス設定欄302が設けられている。また、印刷設定画面には、メール送信ボタン306が設けられている。印刷用メール印刷条件設定部114は、ユーザが入力したEメールプリント用の印刷条件とEメールプリントを行う端末(モバイル端末130)のメールアドレスとを設定する(ステップS202)。
【0048】
図4の印刷設定画面においてユーザによってメール送信ボタン306が押下されると、印刷用メール生成部115は、例えば
図5に示すような印刷用メールのテンプレートを生成する(ステップS203)。印刷用メール生成部115は、メールテンプレートに、印刷用メール印刷条件設定部114で設定された印刷条件を付加する。印刷用メール生成部115は、例えば、
図4の印刷設定画面で入力された印刷条件に関わる項目を”%”で挟み、プリンタ120が認識可能な形式にして、「Subject」としてメールテンプレートの件名欄413に設定(記載)する。また、印刷用メール生成部115は、例えば、
図4の印刷設定画面で入力されたEメールプリントを実行する端末(モバイル端末130)のメールアドレスを、「TO」としてメールテンプレートの宛先欄411に設定(記載)する。また、印刷用メール生成部115は、PC100が既に取得済または、プリンタ120と通信して取得したプリンタ120のメールアドレスを「FROM」としてメールテンプレートの差出人欄412に設定(記載)する。また、印刷用メール生成部115は、印刷設定がEメールプリントを実行する端末のユーザからもわかるように、件名欄413に記載した印刷条件に対応する説明情報を、メールテンプレートの本文内(本文欄414)に記載する。
【0049】
次に、印刷用メール送信部116は、ステップS203において生成された印刷用メールのテンプレートを、SMTPプロトコルを使用してEメールプリントを行う端末に送信する(ステップS204)。
【0050】
ステップS204において送信された印刷用メールのテンプレートは、「TO」の項目(宛先欄411)がモバイル端末130になっているため、メールサーバを経由してモバイル端末130のメール送受信部131が受信する(ステップS205)。モバイル端末130が受信する電子メールは上述の
図5の形式となっている。
【0051】
次に、モバイル端末130は、受信した電子メールを返信する形で、印刷したい印刷データを含むファイル132を電子メールに添付し、メール送受信部131によって送信する(ステップS206)。ここで、印刷データを含むファイル132が複数ある場合は、複数のファイル132を添付してもよい。送信する印刷用メールとしての電子メールの例が
図6である。ステップS205で受信した
図5の電子メールに返信する形のため、「TO」(宛先欄511)はプリンタ120のメールアドレスとなる。「Subject」(件名欄513)に”RE:”が付加されるが、”%”で挟んである部分が印刷設定の項目となるため印刷に影響はない。「FROM」(差出人欄512)はモバイル端末130のメールアドレスとなる。
【0052】
図6では、印刷データを含むファイル132としてPDF(Portable Document Format)ファイルを添付した例を示している(本文欄514)。ステップS206において送信された印刷用メールは、「TO」の項目がプリンタ120となっているため、プリンタ120の受信部126が印刷用メールとしての電子メールを受信する(ステップS207)。
【0053】
プリンタ120は、ネットワークI/F部125を経由して受信部126で受信したデータが印刷用メールと判断すると、印刷用メール解析部122によって印刷用メールの印刷設定を解析する(ステップS208)。ここでは、受信メールの「Subject」の項目(件名欄513)の”%”で挟んである部分のみを解析し、プリンタ120の印刷設定とする。
【0054】
次に、プリンタ120は、画像データ生成部123によって添付ファイルのデータを解析し、印刷用の画像データを生成する(ステップS209)。次に、プリンタ120は、ステップS209で生成された画像データを画像データ印刷部124によって印刷する(ステップS210)。
【0055】
[1.3 効果]
以上のように、第1の実施の形態に係る画像形成システムによれば、情報処理装置(PC100)において外部装置(モバイル端末130)の第1のメールアドレスと画像形成装置(プリンタ120)の第2のメールアドレスとを取得し、第2のメールアドレスが記載された電子メールを生成し、生成された電子メールを第1のメールアドレス宛に送信する。これにより、画像形成装置に対する印刷実行の指示が困難な外部装置から容易に印刷実行の指示を行うことが可能となる。例えば、情報処理装置(PC100)を有するユーザが外部装置(モバイル端末130)を有するユーザに対して、第2のメールアドレスが記載された電子メールを外部装置宛に送信することで、外部装置を有するユーザがプリンタ120に対して印刷指示を行うことが可能となる。
【0056】
第1の実施の形態に係る画像形成システムによれば、Eメールプリントを行おうとしている端末(モバイル端末130)において、ユーザは印刷設定用のメール件名の入力のために、装置マニュアル等で設定項目を確認する必要がなくなる。また、印刷設定用のメール件名も情報処理装置側で自動で生成されるためメール件名の誤入力も防ぐことができる。Eメールプリントを行おうとしている端末では、生成されたメールテンプレートに印刷したい印刷データを添付して返信することで、画像形成装置用のメールアドレスを手入力する必要もなくなり、意図した画像形成装置から、意図した印刷結果を取得することができる。また、これにより、印刷が必要な印刷データがある端末から、普段使用していない画像形成装置で印刷をさせる場合に、印刷用のアプリケーションやプリンタドライバをインストールすることなく、情報処理装置側からのメールテンプレートを受信し、その電子メールに返信する形で印刷データを添付することで、印刷が容易にできるようになる。また、同一の印刷設定項目が件名に入力された電子メールに印刷データを添付するだけなので、同一の設定で複数の画像ファイルを印刷することも可能である。
【0057】
[1.4 変形例]
図7は、PC100において設定される印刷用メールのテンプレートの変形例を示している。
図8は、モバイル端末130から送信される印刷用メールの変形例を示している。
【0058】
以上の説明では、電子メールの件名に印刷条件を設定(記載)する例(
図5の件名欄413、
図6の件名欄513)を示したが、メール本文中(
図7の本文欄414、
図8の本文欄514)に印刷条件を設定(記載)するようにしてもよい。
図7、
図8ではメール本文中の<<Print Setting Start>>、<<Print Setting End>>で囲んだ箇所が印刷条件が設定(記載)された部分となっている。
【0059】
図9は、PC100において設定される印刷用メールのテンプレートの他の変形例を示している。
【0060】
また、以上の説明では、PC100側で生成する印刷用メールのメールテンプレートにおいて、印刷するプリンタ120のメールアドレスを送信元として設定する例(
図5の差出人欄412)を示したが、
図9の本文欄414に示すように、メール本文中に記載するようにしてもよい。モバイル端末130側では、受信した印刷用メールの本文中に記載されたプリンタ120のメールアドレスをユーザがコピーして宛先欄511に設定してプリンタ120に送信してもよい。
【0061】
また、以上の説明では、Eメールプリントの印刷条件である印刷設定項目の例としてカラー/モノクロ指定、両面印刷指定、および部数指定の項目を挙げたが、これらの設定項目は一例であり、その他の設定項目を印刷条件として設定することも可能である。例えば、給紙トレイ、印刷解像度、およびトナーセーブ等の項目についても印刷条件として設定が可能である。また、以上の説明では印刷設定を含む電子メールを生成した例を挙げたが、それに限定されず印刷設定項目を選択せずに電子メールをモバイル端末130に送信してもよい。その場合、プリンタ120にモバイル端末130から受信した電子メールに添付されたファイル132に基づく画像データをプリンタ120に予め設定されている印刷設定で印刷させてもよい。
【0062】
また、以上の説明では、PC100において、プリンタドライバ110が印刷用メールのテンプレートの生成と送信とを行う例を示したが、一部の処理を他のアプリケーションで行うようにしてもよい。例えば、アプリケーション格納部105にプリンタドライバ110以外にメールアプリケーションプログラムを格納し、プリンタドライバ110が生成した印刷用メールのテンプレートの送信を、メールアプリケーションプログラムが行うようにしてもよい。また、本実施形態ではプリンタドライバ110を備えるPC110を一例としたが、プリンタ120に印刷指示が可能なその他のアプリケーションを有するその他の端末(例えばスマートフォン)を用いてもよい。
【0063】
<2.その他の実施の形態>
本発明による技術は、上記実施の形態の説明に限定されず種々の変形実施が可能である。
【0064】
上記実施の形態では、画像形成装置がプリンタ120である場合を例に説明したが、画像形成装置が、コピー機能、スキャン機能、プリント機能、およびファックス機能等を有するMFP(複合機)であってもよい。
【符号の説明】
【0065】
100…PC(パーソナルコンピュータ、情報処理装置)、101…CPU(Central Processing Unit)、102…RAM、103…操作入力部、104…ネットワークI/F(インタフェース)部、105…アプリケーション格納部、110…プリンタドライバ、111…印刷条件設定部、112…印刷データ生成部、113…印刷データ送信部、114…印刷用メール印刷条件設定部(取得部)、115…印刷用メール生成部、116…印刷用メール送信部(送信部)、120…プリンタ(画像形成装置)、121…印刷制御部、122…印刷用メール解析部、123…画像データ生成部、124…画像データ印刷部、125…ネットワークI/F(インタフェース)部、126…受信部、127…記憶部、130…モバイル端末(外部装置)、131…メール送受信部、132…ファイル、301…テンプレート作成項目、302…送信メールアドレス設定欄、303…カラー/モノクロ設定欄、304…両面印刷設定欄、305…部数設定欄、306…メール送信ボタン、411…宛先(TO)欄、412…差出人(FROM)欄、413…件名(Subject)欄、414…本文欄、511…宛先(TO)欄、512…差出人(FROM)欄、513…件名(Subject)欄、514…本文欄。