(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】根菜類収穫機
(51)【国際特許分類】
A01D 33/10 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
A01D33/10
(21)【出願番号】P 2021046059
(22)【出願日】2021-03-19
【審査請求日】2023-12-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003834
【氏名又は名称】弁理士法人新大阪国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100092794
【氏名又は名称】松田 正道
(72)【発明者】
【氏名】高木 真吾
(72)【発明者】
【氏名】黒瀬 英明
(72)【発明者】
【氏名】二宮 浩二
(72)【発明者】
【氏名】弓達 武志
【審査官】大澤 元成
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-014440(JP,A)
【文献】特開2018-057332(JP,A)
【文献】特開2012-044887(JP,A)
【文献】特開2017-127265(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0216441(US,A1)
【文献】特開2012-029601(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 13/00-33/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体を走行させる走行部(A)と、操縦部(B)と、圃場から根菜類を収穫する収穫部(C)と、
収穫部(C)で収穫した根菜類を
搬送する選別搬送部(D)と、選別搬送部(D)で搬送した根菜類を収容する収容部(E)を装備した根菜類収穫機において、該収容部(E)に
、収穫部(C)から搬送された根菜類を収納するように収容部材(22)を載置する状態と
、収容部材(22)を下方の圃場に降ろすように収容部材(22)の下方を開放する状態
の2つの状態を取るように移動する載置台(26)を設けると共に、収容部材(22)を吊って機体左右方向外側の圃場に降ろし及び載置台(26)が
移動して収容部材(22)の下方が開放された圃場に降ろす移動装置(24)を設け
、
機体の前側に操縦者が搭乗する操縦座席(8)と操縦パネル(9)を設け、
選別搬送部(D)には収容部(E)側の端部が上下動する可動搬送コンベア(21b)を設け、可動搬送コンベア(21b)の後方に補助作業者が搭乗する補助作業座席(23)を設け、
載置台(26)を移動させる載置台移動スイッチを操縦パネル(9)及び補助作業座席(23)の近傍に設けると共に、移動装置(24)及び可動搬送コンベア(21b)を操作する単一の十字方向操作レバー(27)を操縦パネル(9)の収容部(E)側の端部に設けたことを特徴とする根菜類収穫機。
【請求項2】
載置台(26)を、移動装置(24)の吊り下げハンガー(25)に吊り下げられた収容部材(22)を載置支持する位置と、吊り下げハンガー(25)に吊り下げられた収容部材(22)の底面の下方を開放し、吊り下げハンガー(25)を下げれば、収容部材(22)を左右及び前後移動することなくそのまま圃場に降ろすことができる位置に、移動自在に構成したことを特徴とする請求項1記載の根菜類収穫機。
【請求項3】
載置台(26)を機体後方に移動させて
、吊り下げハンガー(25)に吊り下げられた収容部材(22)の底面の下方を開放することを特徴とする請求項1または請求項2記載の根菜類収穫機。
【請求項4】
載置台(26)を移動させる移動機構(26b)を設け、
移動機構(26b)は、機体フレーム(1)右側端に基部を固定した前後支持アーム(40,40)に回転自在に軸架した駆動螺旋軸(41)と、該駆動螺旋軸(41)に軸方向にスライド自在に外篏し駆動螺旋軸(41)の螺旋溝に係合する係合子を設けたスライド筒(42)と、スライド筒(42)を平板(26a)内側端に固定する固定体(43)と、駆動螺旋軸(41)に回転駆動力を伝達する伝動ケース(44)と、該伝動ケース(44)に基部が固定されて機体内側方に向けて設けた電動モータ(45)により構成され、
載置台移動スイッチにより、電動モータ(45)を介して駆動螺旋軸(41)が正逆転駆動され、収容部材(22)を載置支持する
載置台(26)の平板(26a)を機体後方にスライド移動させてフレコンバッグ(22)の底面下方を開放する開放状態、又は、機体前方に向けてスライド移動させて吊り下げハンガー(25)に吊り下げられたフレコンバッグ(22)の底を載置支持する状態とさせることを特徴とする請求項1~請求項3の何れか1項に記載の根菜類収穫機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圃場から作物を採ってフレコンバッグ等の収容部材に収容する根菜類収穫機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、引抜搬送装置で圃場から根菜類を引抜き搬送し、選別搬送装置の搬送終端部に設けたフレコンバッグで根菜類を収容する根菜類収穫機がある(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、根菜類が満杯になったフレコンバッグを機体後方に向けて圃場に降ろすので、機体を旋回させて隣接条の作物を収穫する際に圃場に降ろされたフレコンバッグが進行する機体のすぐ側方にあり、フレコンバッグが傾いたり機体が少し蛇行したりすると、機体にフレコンバッグが接触してフレコンバッグが破れて根菜類が圃場に散乱して適正な収穫作業が行なえなくなるような事態が発生する恐れがある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、圃場に降ろしたフレコンバッグ等の収容部材に機体が接触することを回避した根菜類収穫機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の本発明は、
機体を走行させる走行部(A)と、操縦部(B)と、圃場から根菜類を収穫する収穫部(C)と、収穫部(C)で収穫した根菜類を搬送する選別搬送部(D)と、選別搬送部(D)で搬送した根菜類を収容する収容部(E)を装備した根菜類収穫機において、該収容部(E)に、収穫部(C)から搬送された根菜類を収納するように収容部材(22)を載置する状態と、収容部材(22)を下方の圃場に降ろすように収容部材(22)の下方を開放する状態の2つの状態を取るように移動する載置台(26)を設けると共に、収容部材(22)を吊って機体左右方向外側の圃場に降ろし及び載置台(26)が移動して収容部材(22)の下方が開放された圃場に降ろす移動装置(24)を設け、
機体の前側に操縦者が搭乗する操縦座席(8)と操縦パネル(9)を設け、
選別搬送部(D)には収容部(E)側の端部が上下動する可動搬送コンベア(21b)を設け、可動搬送コンベア(21b)の後方に補助作業者が搭乗する補助作業座席(23)を設け、
載置台(26)を移動させる載置台移動スイッチを操縦パネル(9)及び補助作業座席(23)の近傍に設けると共に、移動装置(24)及び可動搬送コンベア(21b)を操作する単一の十字方向操作レバー(27)を操縦パネル(9)の収容部(E)側の端部に設けたことを特徴とする根菜類収穫機である。
第2の本発明は、
載置台(26)を、移動装置(24)の吊り下げハンガー(25)に吊り下げられた収容部材(22)を載置支持する位置と、吊り下げハンガー(25)に吊り下げられた収容部材(22)の底面の下方を開放し、吊り下げハンガー(25)を下げれば、収容部材(22)を左右及び前後移動することなくそのまま圃場に降ろすことができる位置に、移動自在に構成したことを特徴とする第1の本発明の根菜類収穫機である。
第3の本発明は、
載置台(26)を機体後方に移動させて、吊り下げハンガー(25)に吊り下げられた収容部材(22)の底面の下方を開放することを特徴とする第1または2の本発明の根菜類収穫機である。
第4の本発明は、
載置台(26)を移動させる移動機構(26b)を設け、
移動機構(26b)は、機体フレーム(1)右側端に基部を固定した前後支持アーム(40,40)に回転自在に軸架した駆動螺旋軸(41)と、該駆動螺旋軸(41)に軸方向にスライド自在に外篏し駆動螺旋軸(41)の螺旋溝に係合する係合子を設けたスライド筒(42)と、スライド筒(42)を平板(26a)内側端に固定する固定体(43)と、駆動螺旋軸(41)に回転駆動力を伝達する伝動ケース(44)と、該伝動ケース(44)に基部が固定されて機体内側方に向けて設けた電動モータ(45)により構成され、
載置台移動スイッチにより、電動モータ(45)を介して駆動螺旋軸(41)が正逆転駆動され、収容部材(22)を載置支持する載置台(26)の平板(26a)を機体後方にスライド移動させてフレコンバッグ(22)の底面下方を開放する開放状態、又は、機体前方に向けてスライド移動させて吊り下げハンガー(25)に吊り下げられたフレコンバッグ(22)の底を載置支持する状態とさせることを特徴とする第1~3の何れかの本発明の根菜類収穫機である。
本発明に関連する第1の発明は、機体を走行させる走行部Aと、操縦部Bと、圃場から根菜類を収穫する収穫部Cと、収穫した根菜類を収容する収容部Eを装備した根菜類収穫機において、該収容部Eに収穫部Cから搬送された根菜類を収納するように収容部材22を載置する状態と収容部材22を下方の圃場に降ろすように収容部材22の下方を開放する状態に変位する載置台26を設けると共に、収容部材22を吊って機体左右方向外側の圃場に降ろし及び載置台26が変位して収容部材22の下方が開放された圃場に降ろす移動装置24を設けた根菜類収穫機である。
【0007】
本発明に関連する第1の発明によれば、収容部Eに収穫部Cから搬送された根菜類を収納するように収容部材22を載置する状態と、収容部材22を下方の圃場に降ろすように収容部材22の下方を開放する状態に変位する載置台26を設けると共に、収容部材22を吊って機体左右方向外側の圃場に降ろし及び載置台26が変位して収容部材22の下方が開放された圃場に降ろす移動装置24を設けたので、載置台26に載置された収容部材22を移動装置24にて吊り上げて、機体左右方向外側の位置で圃場に降ろすことができ、圃場に降ろされた収容部材22が傾いたり機体が多少蛇行したりしても、機体に収容部材22が接触することを回避でき、良好で適切な収穫作業を行なうことができる。
【0008】
また、圃場端の畝で側方に畦や壁等の障害物があって機体側方に収容部材22を降ろせない場合は、収容部材22を移動装置24にて吊って、載置台26が収容部材22の下方を開放する状態に変位した状態で、収容部材22を該下方が開放された圃場に降ろすことができる。
【0009】
本発明に関連する第2の発明は、載置台26を、移動装置24の吊り下げハンガー25に吊り下げられた収容部材22を載置支持する位置と、吊り下げハンガー25に吊り下げられた収容部材22の底面の下方を開放し、吊り下げハンガー25を下げれば、収容部材22を左右及び前後移動することなくそのまま圃場に降ろすことができる位置に、移動自在に構成した本発明に関連する第1の発明の根菜類収穫機である。
【0010】
本発明に関連する第3の発明は、載置台26を機体後方に移動させて吊り下げハンガー25に吊り下げられた収容部材22の底面の下方を開放する本発明に関連する第1または第2の発明の根菜類収穫機である。
【0011】
本発明に関連する第4の発明は、載置台26が、機体フレーム1に設けた移動機構26bにより収容部材22を載置支持する平板26aを機体後方に移動させる本発明に関連する第1~3の何れかの発明の根菜類収穫機である。
【0012】
本発明に関連する第5の発明は、移動機構が回動用アクチュエータ53である本発明に関連する第4の発明の根菜類収穫機である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施例の人参収穫機の平面図である。
【
図4】同人参収穫機の要部の作用説明用拡大斜視図である。
【
図5】同人参収穫機の第2実施形態を示す要部の作用説明用拡大斜視図である。
【
図6】同人参収穫機の第3実施形態を示す要部の作用説明用拡大斜視図である。
【
図7】同人参収穫機の第3実施形態を示す要部の作用説明用拡大背面図である。
【
図8】同人参収穫機の第4実施形態を示す要部の作用説明用拡大斜視図である。
【
図9】同人参収穫機の第4実施形態を示す要部の作用説明用拡大平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施の形態の一実施例として示す根菜類収穫機の一種である人参収穫機を説明する。以下においては、機体の前進方向を基準に、前後、左右と謂う。
【0015】
<全体構成>
人参収穫機は、機体を走行させる走行部Aと、操縦者が搭乗する操縦部Bと、機体左右一側で圃場から人参を引き抜いて機体後上側に搬送する収穫部Cと、該収穫部Cから人参を引き継いで茎葉切断部にて機体後方に搬送しながら茎葉部を切断し、茎葉切断部から落下する人参を受けて残葉処理部にて人参に残った茎葉部を処理し、残葉処理部から人参を引き継いで人参を機体左右一側から左右他側へと搬送し、搬送中の人参を補助作業者が選別する選別搬送部Dと、該選別搬送部Dから排出される人参の収容部材を配置する収容部Eから構成される。
【0016】
<走行部A>
機体フレーム1の下方に機体前部側の左右駆動スプロケット2,2と機体後部側の左右従動輪3,3と、該左右駆動スプロケット2,2と左右従動輪3,3との間に取り付けた複数の転輪4の周りに左右ベルト5,5を巻き掛けて左右のクローラ6L,6Rを構成する。そして、該左右クローラ6L,6Rの左右駆動スプロケット2,2を、エンジンの動力が伝動されるミッションケースから左右両側に延出させた左右ドライブシャフトに取り付け、一定の左右間隔を設けて左右クローラ6L,6Rを該機体フレーム1に取り付ける。
【0017】
<操縦部B>
前記機体フレーム1の右側上部に操縦部フレーム7を取り付け、該操縦部フレーム7には操縦座席8を取り付けると共に、機体前側に操縦パネル9を取り付ける。そして、該操縦パネル9に機体の前後進及び走行速度を切り換える変速操作レバー10を取り付けると共に、機体の左右旋回操作及び収穫部Cの作業高さを操作する昇降操作レバー11を取り付ける。
【0018】
また、前記操縦部フレーム7の機体左右他側(機体右側)にエンジンを冷却するラジエータ(図示省略)を保護すると共に冷却風を取り込むラジエータカバー12を着脱自在に取り付けることにより。操縦部Bが構成される。
【0019】
上記構成により、変速操作レバー10や昇降操作レバー11のような、1本で複数の操作を行える操縦部材を設けることによって、機体の操縦が容易になるため操縦者の作業を軽減することができる。
【0020】
<収穫部C>
左右引抜フレーム13,13の機体前側に左右従動プーリ14a,14aを回転自在に装着し、機体後側に左右駆動プーリ14b,14bを装着し、該左右従動プーリ14a,14aと左右駆動プーリ14b,14bとの間に人参を引き抜き機体後部へと搬送する左右挟持搬送ベルト15,15を巻き掛けると共に、複数のテンションローラ16によって該左右挟持搬送ベルト15,15を張圧し、左右挟持搬送ベルト15,15の機体内側面を互いに圧接させて人参の引抜搬送経路Rを構成する。そして、前記機体フレーム1の上方に左右横軸を回動支点として上下方向に回動自在な回動フレームを取り付け、該回動フレームの後端部に前記左右駆動プーリ14b,14bに駆動力を伝動する伝動ケースを、回動支点を中心として上下回動自在に取り付ける。また、前記機体フレーム1と回動フレームとを昇降シリンダで連結し、該昇降シリンダを操縦部Bで操作可能に取り付けて引抜搬送装置17を構成する。
【0021】
また、該引抜搬送装置17の前方に人参の茎葉部を引き起こす縦引起し装置18と、該縦引起し装置18が引起した茎葉部を掬い上げる横引起し装置19と、該横引起し装置19の前部に設ける分草杆20と、引抜搬送装置17の下り過ぎを防止する回転自在なゲージ輪と、前記エンジンの駆動力で往復振動して土中の人参の左右の土を解す左右振動ソイラSとを設ける。
【0022】
そして、前記引抜搬送通路Rの下方に引抜搬送装置17で搬送中の人参のひげ根を切断する尻尾切装置を取り付けて、収穫部Cを構成する。
【0023】
上記構成により、機体前側に分草杆20を備える横引起し装置19と、縦引起し装置18を設けることによって、圃場に倒伏した人参の茎葉を掻き上げながら収穫作業ができ、収穫する人参の視認性が向上するので引き抜き位置が合わせやすく、作物の抜き残しが減少するため作業能率が向上する。
【0024】
また、人参に左右振動ソイラS等が接触して傷つくことを防止できるので、人参の商品価値が向上する。
【0025】
そして、機体フレーム1と左右横軸を回動支点として上下方向に回動自在な回動フレームとを昇降シリンダで連結し、昇降シリンダを操縦部Bの昇降操作レバー11を操作することによって伸縮させる構成としたことによって、昇降操作レバー11の操作により収穫部C全体の上下高さを調節することができるので、収穫部Cの引抜搬送始端部の位置を上下方向に調節しするとともに圃場に植生する人参の適切な引き抜き高さに合わせて引抜搬送始端部の位置調節を行え、人参の抜き残しが防止されるので作業能率が向上する。
【0026】
また、旋回時に収穫部Cを上昇させておくと、収穫部Cの下端部が圃場に接触しにくくなるため、旋回動作がスムーズに行われて作業能率が向上する。
【0027】
<選別搬送部D>
選別搬送部Dの選別作業用の選別搬送装置21は、収穫部Cの引抜搬送装置17の後部下方から人参を収容する収容部材であるフレコンバッグ22のある収容部Eに向けて機体左右方向に配置され、エンジンからの駆動力にて周回動する一定間隔の桟を備えるチェーンコンベアにて構成されている。なお、引抜搬送装置17にて茎葉部が挟持されて搬送してきた人参は、その茎葉部下端(人参の頭部の少し上)が茎葉切断部にて切断されて人参が下方に落下するが、該落下する人参を残葉処理部が受けて人参に残った茎葉部を処理して選別搬送部Dに搬送する。そして、選別搬送部Dの選別搬送装置21は、人参をその左端から右方(収容部E)に搬送する。
【0028】
また、選別搬送装置21は、収穫部Cの引抜搬送装置17の後部下方から機体右側に水平に設けられた水平搬送コンベア21aと該水平搬送コンベア21a右端部から収穫作物を引き継いで収容部Eに斜め右上方に向けて搬送する可動搬送コンベア21bから構成される。
【0029】
可動搬送コンベア21bは、水平搬送コンベア21a右端部から収穫作物を引き継ぐ左端部が枢支軸で回動自在に支持されており、上下動用電動シリンダ21cの伸縮作動により収容部E側の右端部側が上下動して傾斜角度が変更できるようになっている。
【0030】
そして、該可動搬送コンベア21bの機体後方側に補助作業座席23が設けられており、該補助作業座席23に着座した作業者が可動搬送コンベア21bにて送られてくる人参のなかから商品にならないもの(小さい人参や異形の人参)を取り出して、適正な商品価値のある人参のみを収容部Eに送るようにする。
【0031】
また、補助作業座席23に着座した作業者は、足踏み式の上昇スイッチ及び下降スイッチにて前記上下動用電動シリンダ21cを伸縮作動させて可動搬送コンベア21bの右端部側を上下動させる。
【0032】
<収容部E>
収容部Eは、選別搬送装置21の右側方に配置され、該選別搬送装置21の可動搬送コンベア21b右端部に設けた移動装置としての作動アーム24により上下動及び左右動する吊り下げハンガー25と、該吊り下げハンガー25に吊り下げられたフレコンバッグ22を載置する載置台26により構成されている。
【0033】
可動搬送コンベア21bは、左端基部から右端上部に向けて斜め上方に向かって設けられている。即ち、エンジンからの駆動力にて周回動して人参を斜め上方に搬送し、上端部から下方に放出する。また、可動搬送コンベア21bの基部は、枢支軸にて回動自在に設けられており、中途部には、機体フレーム1に基部が枢支された上下動用電動シリンダ21cのピストン先端が連結されている。
【0034】
即ち、該可動搬送コンベア21bは、補助作業座席23に着座した作業者が踏み操作する上昇スイッチを踏み込み操作している間、上下動用電動シリンダ21cが伸長して枢支軸回りに回動して上昇し、下降スイッチを踏み込み操作している間、上下動用電動シリンダ21cが縮小して枢支軸回りに回動して下降する。また、可動搬送コンベア21bは、後述の操縦パネル9右端に設けた十字方向操作レバー27を作業者が圃場に降りて機体後方を向いた状態で右に操作すると上下動用電動シリンダ21cが伸長して枢支軸回りに回動して上昇し、左に操作すると上下動用電動シリンダ21cが縮小して枢支軸回りに回動して下降する。
【0035】
吊り下げハンガー25は、可動搬送コンベア21b右端部に設けた作動アーム24により上下動及び左右動する。
【0036】
作動アーム24は、基部が可動搬送コンベア21b右端部に背面視で反時計方向には回動するが時計方向には所定位置で回動が停止するように枢支され、先端側が機体右外側上方に向けて延設されている基部アーム24aと、該基部アーム24a先端に回動自在に枢支された回動アーム24bと、基部アーム24aと回動アーム24b間に配設された回動用アクチュエータとしての回動用電動シリンダ24cから構成される。
【0037】
吊り下げハンガー25は、回動アーム24bの先端に設けられている。載置台26上方で、吊り下げハンガー25の4つのフック25aをフレコンバッグ22の上端縁部の係止孔に各々引っ掛けてフレコンバッグ22を吊下げ支持する。
【0038】
操縦パネル9右端には、十字方向操作レバー27が設けられており、作業者が圃場に降りて機体後方を向いた状態で右に操作すると上下動用電動シリンダ21cが伸長して可動搬送コンベア21bが枢支軸回りに回動して上昇し、左に操作すると上下動用電動シリンダ21cが縮小して可動搬送コンベア21bが枢支軸回りに回動して下降し、機体後方に操作すると回動用電動シリンダ24cが伸長して回動アーム24bが枢支軸回りに回動して右外側方に開き、機体前方に操作すると回動用電動シリンダ24cが縮小して回動アーム24bが枢支軸回りに回動して左機体内側に閉じる。
【0039】
この十字方向操作レバー27の操作時に、可動搬送コンベア21bが最上昇位置にないと十字方向操作レバー27を機体後方に操作しても回動用電動シリンダ24cは作動せず回動アーム24bが枢支軸回りに回動して右外側方に開くことはない。即ち、可動搬送コンベア21bが最上昇位置にある時のみ、十字方向操作レバー27を機体後方に操作して回動用電動シリンダ24cを作動させて回動アーム24bを枢支軸回りに回動して右外側方に開くことができる。
【0040】
また、載置台26には荷重センサ28が設けられており、吊り下げハンガー25に吊るされたフレコンバッグ22が持ち上げられてフレコンバッグ22の底が載置台26から離れた時のみ(荷重センサ28がフレコンバッグ22を検出しなくなった時のみ)、十字方向操作レバー27を機体後方に操作して回動用電動シリンダ24cを作動させて回動アーム24bを枢支軸回りに回動して右外側方に開くことができる。
【0041】
また、載置台26右外側端には上方に物体があることを検出するフォトセンサ29が設けられており、吊り下げハンガー25に吊るされたフレコンバッグ22が持ち上げられて回動用電動シリンダ24cの作動により回動アーム24bが枢支軸回りに回動して右外側方に開いて機体右外側方に移動した時に、フレコンバッグ22が載置台26右外側端上方にないこと(フレコンバッグ22が載置台26右外側端よりも右外側方に移動したこと)を検出しないと、十字方向操作レバー27を左に操作して可動搬送コンベア21bを枢支軸回りに回動して下降させようとしても、上下動用電動シリンダ21cは作動せず、可動搬送コンベア21bは下動しない。よって、吊り下げハンガー25に吊るされたフレコンバッグ22を圃場に降ろす際に、誤ってフレコンバッグ22が載置台26右外側端に接触することを回避できる。
【0042】
また、十字方向操作レバー27の上端には、吊り下げハンガー25の4つのフック25aを開閉操作するフック開閉スイッチ30が設けられている。
【0043】
フック開閉スイッチ30は、一度押すと各フック25aの回動支点部に設けた電磁ソレノイド31を作動させて各フック25aを閉じ、再度、押すと電磁ソレノイド31を作動させて各フック25aを開く。なお、各フック25aを開く操作の時は、誤操作防止の為に、フック開閉スイッチ30を0.5秒以上押していないと電磁ソレノイド31は作動せず各フック25aは開かない。
【0044】
また、可動搬送コンベア21b上端部にフレコンバッグ22の口紐を係止する口紐フックを設ける場合には、該口紐フックの開閉もフック開閉スイッチ30にて同様にして行なう。
【0045】
そして、作動アーム24の最も高い位置即ち基部アーム24a先端上部に報知手段としての警告灯の一例である赤色回転灯33を設けている。
【0046】
赤色回転灯33は、載置台26に設けた荷重センサ28が吊り下げハンガー25に吊るされたフレコンバッグ22が持ち上げられてフレコンバッグ22の底が載置台26から離れたことを検出し、且つ、作動アーム24の基部アーム24a先端に枢支された回動アーム24bが回動用電動シリンダ24cにて右外側方に開き始めた時に回転点灯し、作動アーム24が作動してフレコンバッグ22を圃場に降ろしていることを周囲に報知する。なお、基部アーム24a先端に枢支された回動アーム24b基部にはポテンショメータ34が設けられていて、回動アーム24bが回動用電動シリンダ24cにて右外側方に開き始めたことを検出する。
【0047】
また、赤色回転灯33が回転点灯する際に、ホーンを鳴らして報知すれば、更に安全である。なお、ホーンの音は、後進ブザー音や操縦者が鳴らす警告音とは異なる断続音とする。
【0048】
従って、作動アーム24を作動させてフレコンバッグ22を圃場に降ろす際に、作動アーム24の最も高い位置で赤色回転灯33が回転点灯するので、夕方でも目立ち周囲に適確に報知できる。
【0049】
ここで、載置台26の構成について詳細に説明する。
【0050】
載置台26は、フレコンバッグ22を載置支持する平板26aと、該平板26aを機体前後方向に移動させて吊り下げハンガー25に吊り下げられたフレコンバッグ22を載置支持する状態とフレコンバッグ22の底面下方を開放する開放状態に切り換える移動機構26bにより構成される。
【0051】
移動機構26bは、機体フレーム1右側端に基部を固定した前後支持アーム40,40に回転自在に軸架した駆動螺旋軸41と、該駆動螺旋軸41に軸方向にスライド自在に外篏し駆動螺旋軸41の螺旋溝に係合する係合子を設けたスライド筒42と、スライド筒42を平板26a内側端に固定する固定体43と、駆動螺旋軸41に回転駆動力を伝達する伝動ケース44と、該伝動ケース44に基部が固定されて機体内側方に向けて設けた電動モータ45により構成される。
【0052】
伝動ケース44内には、電動モータ45の駆動軸に設けた駆動ギアと駆動螺旋軸41に設けた従動ギアが内蔵されており、電動モータ45の正逆転駆動にて伝動ケース44内の駆動ギアと従動ギアを介して駆動螺旋軸41が正逆転駆動される。
【0053】
電動モータ45は、操縦パネル9及び補助作業座席23近傍に設けた載置台移動スイッチにより正転駆動と逆転駆動する。
【0054】
電動モータ45を載置台移動スイッチにより正転駆動すると、駆動螺旋軸41が正転駆動され、駆動螺旋軸41の螺旋溝に係合する係合子を設けたスライド筒42が機体前方に向けてスライド移動するので、平板26aが機体前方に向けてスライド移動し吊り下げハンガー25に吊り下げられたフレコンバッグ22を載置支持する状態となる。
【0055】
電動モータ45を載置台移動スイッチにより逆転駆動すると、駆動螺旋軸41が逆転駆動され、駆動螺旋軸41の螺旋溝に係合する係合子を設けたスライド筒42が機体後方に向けてスライド移動するので、平板26aが機体後方に向けてスライド移動し吊り下げハンガー25に吊り下げられたフレコンバッグ22の底面下方を開放する開放状態となり、吊り下げハンガー25を下げれば、フレコンバッグ22を左右及び前後移動することなくそのまま圃場に降ろすことができる。
【0056】
<人参の収穫作業>
先ず、載置台移動スイッチにより電動モータ45を正転駆動して、駆動螺旋軸41を正転駆動し載置台26の平板26aを機体前方に向けてスライド移動させて吊り下げハンガー25に吊り下げられたフレコンバッグ22の底を載置支持する状態にする。
【0057】
そして、十字方向操作レバー27を操作して、回動アーム24bが左機体内側に閉じた状態で可動搬送コンベア21bを最下降位置にする。
【0058】
吊り下げハンガー25の各フック25aにフレコンバッグ22の上端縁部の係止孔を各々引っ掛けてフレコンバッグ22を吊下げ、十字方向操作レバー27のフック開閉スイッチ30を押して各フック25aを閉じ、フレコンバッグ22の底が載置台26に受けられた状態とする。
【0059】
そして、操縦座席8に着座した操縦者が人参収穫機を進行させて、収穫部Cの引抜搬送装置17の引抜搬送経路R前端を圃場の人参条に合わせた後に昇降操作レバー11を操作して収穫部Cを下降させ、掘取りクラッチを「入」にして各部を駆動させて前進する。すると、分草杆20や縦引起し装置18や横引起し装置19にて人参の茎葉を掻き上げて引抜搬送装置17の引抜搬送経路Rに人参の茎葉が挟持され、左右振動ソイラSにて人参の側方及び下方の土をほぐして、人参は引抜搬送装置17にて挟持されて引き抜かれて、後方上方に搬送される。
【0060】
そして、引抜搬送装置17にて茎葉部が挟持されて搬送してきた人参は、その茎葉部下端(人参の頭部の少し上)が茎葉切断部にて切断されて人参が下方に落下するが、該落下する人参は残葉処理部が受けて人参に残った茎葉部を処理して選別搬送部Dに搬送される。そして、人参は、選別搬送部Dの可動搬送コンベア21bにてその左端から右方(収容部E)に搬送される。
【0061】
そして、可動搬送コンベア21bの機体後方側の補助作業座席23に着座した作業者が可動搬送コンベア21bにて送られてくる人参のなかから商品にならないもの(小さい人参や異形の人参)を取り出し、商品価値のある人参のみが収容部Eに送られる。
【0062】
可動搬送コンベア21bにて右端に送られてきた人参は、可動搬送コンベア21b右端の吊り下げハンガー25の各フック25aに吊下げられたフレコンバッグ22内に落下して収納される。
【0063】
そして、フレコンバッグ22内に収納された人参の量が多くなるにつれて、補助作業座席23に着座した作業者が上昇スイッチを踏み込み操作して上下動用電動シリンダ21cを伸長させて可動搬送コンベア21bを枢支軸回りに回動して順次上昇させる。
【0064】
そして、フレコンバッグ22内に人参が満杯になるまで可動搬送コンベア21bを枢支軸回りに回動して上昇させると、操縦者は機体の駆動を停止して停車する。
【0065】
補助作業座席23に着座した作業者は、補助作業座席23から離れて圃場に降りて操縦パネル9右端近くに立って、機体後方を向いた状態で十字方向操作レバー27を操作する。
【0066】
先ず、十字方向操作レバー27を右に操作して、上下動用電動シリンダ21cを伸長させて可動搬送コンベア21bを最上昇位置まで上昇させて、フレコンバッグ22を載置台26上方に持ち上げる。
【0067】
そして、十字方向操作レバー27を機体後方に操作して、回動用電動シリンダ24cを伸長させて回動アーム24bを枢支軸回りに回動して右外側方に開いて、フレコンバッグ22を載置台26の右外側方まで移動させる。
【0068】
そして、十字方向操作レバー27を左に操作して、上下動用電動シリンダ21cを縮小させて可動搬送コンベア21bを最下降位置まで下降させて、フレコンバッグ22を圃場に降ろす。
【0069】
そして、十字方向操作レバー27のフック開閉スイッチ30を押して各フック25aを開いて吊り下げハンガー25の各フック25aをフレコンバッグ22の上端縁部の係止孔から外して、十字方向操作レバー27を操作して最初の回動アーム24bが左機体内側に閉じた状態で可動搬送コンベア21bを最下降位置に戻して、吊り下げハンガー25の各フック25aに空のフレコンバッグ22の上端縁部の係止孔を各々引っ掛けてフレコンバッグ22を吊下げてフレコンバッグ22の底が載置台26に受けられた状態とした後に、補助作業座席23に着座する。そして、各部を駆動して機体を進行させて収穫作業を再開する。
【0070】
従って、吊り下げハンガー25は、可動搬送コンベア21b右端部に設けた作動アーム24により上下動及び左右動するので、吊り下げハンガー25に吊り下げられた状態で載置台26に載置されたフレコンバッグ22を作動アーム24により載置台26上方に吊り上げて、載置台26の右外側方の位置で圃場に降ろすことができ、圃場に降ろされたフレコンバッグ22が傾いたり機体が多少蛇行したりしても、機体にフレコンバッグ22が接触することを回避でき、良好で適切な収穫作業を行なうことができる。
【0071】
そして、圃場端の畝で側方に畦や壁等の障害物があって機体側方にフレコンバッグ22を降ろせない場合は、十字方向操作レバー27を右に操作して、上下動用電動シリンダ21cを伸長させて可動搬送コンベア21bを最上昇位置まで上昇させて、フレコンバッグ22を載置台26の平板26a上方に持ち上げる。
【0072】
そして、載置台移動スイッチにより電動モータ45を逆転駆動して、駆動螺旋軸41を逆転駆動し載置台26の平板26aを機体後方に移動し、吊り下げハンガー25に吊り下げられたフレコンバッグ22の底面の下方を開放する。
【0073】
そして、十字方向操作レバー27を左に操作して、上下動用電動シリンダ21cを縮小させて可動搬送コンベア21bを最下降位置まで下降させて、フレコンバッグ22を圃場に降ろす。
【0074】
そして、十字方向操作レバー27のフック開閉スイッチ30を押して各フック25aを開いて吊り下げハンガー25の各フック25aをフレコンバッグ22の上端縁部の係止孔から外す。
【0075】
以上要するに、圃場端の畝で側方に畦や壁等の障害物があって機体側方にフレコンバッグ22を降ろせない場合は、載置台移動スイッチにより電動モータ45を逆転駆動して、駆動螺旋軸41を逆転駆動し載置台26の平板26aを機体後方に移動し、吊り下げハンガー25に吊り下げられたフレコンバッグ22の底面下方を開放することにより、フレコンバッグ22を左右または前後移動することなくそのまま圃場に降ろすことができる。
【0076】
また、作動アーム24を作動させてフレコンバッグ22を圃場に降ろす際に、作動アーム24の最も高い位置で赤色回転灯33が回転点灯するので、夕方でも目立ち周囲に適確に報知でき、安全である。
【0077】
<他の実施態様>
(1)
図5は、載置台26の第2実施形態を示す。
【0078】
即ち、機体フレーム1右側端の後部位置に回動支持アーム50の基部を固定し、該回動支持アーム50先端に設けた枢支軸51にて平板26a内側端部に固定したフレーム26a’後端部を回動自在に枢支する。
【0079】
そして、機体フレーム1後側端に基部を固定したシリンダ支持アーム52の先端部に移動機構としての回動用電動シリンダ53の基部を枢支し、該回動用電動シリンダ53のピストン先端部をフレーム26a’後端部の枢支部から突出した連結アーム54に連結する。
【0080】
回動用電動シリンダ53は、操縦パネル9及び補助作業座席23近傍に設けた載置台移動スイッチにより伸縮作動する。
【0081】
従って、載置台移動スイッチの操作にて、載置台26の平板26aは、吊り下げハンガー25に吊り下げられたフレコンバッグ22を載置支持する載置位置(実線位置)と吊り下げハンガー25に吊り下げられたフレコンバッグ22の底面下方を開放する後方回動位置(仮想線位置)に姿勢変更することができる。
【0082】
(2)
図6及び
図7は、載置台26の第3実施形態を示す。
【0083】
即ち、載置台26は、狭い載置面積でもフレコンバッグ22を載置できるように中央部を凹状にした形状とし、機体フレーム1右側後部位置に設けた前後案内ガイド60F,60Rの案内溝孔61,61に係合して案内溝孔61,61に沿って左右スライド移動する係合突起62,62を設けている。また、載置台26右端部には、把持部63を設けている。
【0084】
また、載置台26内側底面には突起64を設け、載置台26を右外側に引き出してフレコンバッグ22を載置する状態にした時、該突起64が機体フレーム1右端部側面と接当して、載置台26が不用意に機体内方に移動しないように規制する。
【0085】
なお、右外側に引き出してフレコンバッグ22を載置する状態にした載置台26を機体内方に収納する場合には、
図7に示すように、把持部63を持って上方に持ち上げると、係合突起62,62回りに載置台26は上方に回動して突起64が機体フレーム1よりも高い位置になり、把持部63を持ったまま機体内方に押し込むと、案内溝孔61,61に沿って係合突起62,62がスライド移動して、載置台26を機体内方に収納することができる。
【0086】
また、前後案内ガイド60F,60R間は空間64となっており、載置台26を右外側に引き出してフレコンバッグ22を載置する状態にした収穫作業時に、上方の可動搬送コンベア21bから落ちてくるゴミ等を走行部A上に落下放出する。
【0087】
従って、載置台26は、把持部63を持って右外側に引き出して吊り下げハンガー25に吊り下げられたフレコンバッグ22を載置支持する状態と機体内方に収納して吊り下げハンガー25に吊り下げられたフレコンバッグ22の底面下方を開放する状態に姿勢変更することができる。
【0088】
(3)
図8及び
図9は、載置台26の第4実施形態を示す。
【0089】
即ち、載置台26は、鉄製丸棒よりなる杆体を右外側に上方に立ち上げた把持部70a及び前後にスライド部70b,70bを形成した載せ枠70と、機体フレーム1右側端後部に固定され前記スライド部70b,70bが左右スライド自在に内篏した前後パイプ材71,71より構成される。
【0090】
また、パイプ材71には切欠き孔72が形成され、スライド部70bには枢支ピン73にて係合片74が回動自在に枢支されて巻バネ75にて外方に突出するように付勢されている。
【0091】
即ち、載せ枠70を右外側方に引き出してフレコンバッグ22を載置する状態にした時、係合片74が巻バネ75の付勢力にてパイプ材71の切欠き孔72に係合して、フレコンバッグ22を載置する状態に保持する。載せ枠70を右外側方に引き出したフレコンバッグ22を載置する状態から機体内方に収納するには、巻バネ75の付勢力に抗して係合片74を手で押し込んで、スライド部70b,70bを前後パイプ材71,71内にスライド移動させる。
【0092】
従って、載置台26の載せ枠70は、把持部70aを持って右外側に引き出して吊り下げハンガー25に吊り下げられたフレコンバッグ22を載置支持する状態と機体内方に収納して吊り下げハンガー25に吊り下げられたフレコンバッグ22の底面下方を開放する状態に姿勢変更することができる。
【符号の説明】
【0093】
1 機体フレーム
22 収容部材(フレコンバッグ)
24 移動装置(作動アーム)
25 吊り下げハンガー
26 載置台
26a 平板
26b 移動機構
53 回動用アクチュエータ
A 走行部
B 操縦部
C 収穫部
E 収容部