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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】生体検知装置
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/90 20180101AFI20250109BHJP
   G01C 3/06 20060101ALI20250109BHJP
   G01B 11/00 20060101ALI20250109BHJP
   G01B 11/24 20060101ALI20250109BHJP
   G01S 17/32 20200101ALI20250109BHJP
【FI】
B60N2/90
G01C3/06 120R
G01C3/06 140
G01B11/00 Z
G01B11/24 A
G01S17/32
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021098029
(22)【出願日】2021-06-11
(65)【公開番号】P2022189451
(43)【公開日】2022-12-22
【審査請求日】2024-04-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大谷 隆史
【審査官】沼田 規好
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-078657(JP,A)
【文献】特開2020-085723(JP,A)
【文献】特開2010-060451(JP,A)
【文献】特開2005-219689(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0129343(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/90
G01C 3/06
G01B 11/00
G01B 11/24
G01S 17/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の室内に周波数変調されたレーザ光を送信波として送信し、前記送信波が前記室内の物体により反射されることにより発生する反射波を受信するセンサと、
前記反射波の強度分布に基づいて前記室内の三次元マップ情報を生成する第1生成部と、
前記反射波のドップラシフトに基づいて前記室内の物体の速度に関する速度情報を生成する第2生成部と、
前記三次元マップ情報と前記速度情報とに基づいて前記室内の子供を検知する第1検知部と、
前記室内のシートの位置を検知する第2検知部と、
前記第1検知部により検知された子供の位置と前記第2検知部により検知された前記シートの位置とに基づいて、前記子供がチャイルドシートに着座しているか否かを判定する判定部と、
を備える生体検知装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記子供の所定部分の位置が前記シートの所定部分の位置に対して前方且つ上方にそれぞれ閾値以上ずれている場合に、前記子供が前記チャイルドシートに着座していると判定する、
請求項1に記載の生体検知装置。
【請求項3】
前記子供の所定部分の位置は、前記三次元マップ情報における前記子供の存在領域の重心位置である、
請求項1又は2に記載の生体検知装置。
【請求項4】
前記反射波のドップラシフトに基づいて前記室内の人物の心拍に関する情報を生成する第3生成部、
を更に備える請求項1~3のいずれか1項に記載の生体検知装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体検知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電波を人物に照射し、反射波のドップラシフトを周波数解析することで生体情報(心拍数等)を算出する技術がある。また、FMCW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式の電波の送受信に基づいて、車両(乗用車等)の室内の人物(乗員)の有無を判定する技術がある。FMCW方式では、電波を照射し、反射波が反射した位置とその位置の速度をドップラシフトから求めることができる。これらの技術を組み合わせれば、室内の人物やその生体情報を検知できる。また、距離画像センサを用いて取得される物体の画像的特徴(頭や肩の有無等)に基づいて、車両の室内に存在する大人とチャイルドシートに着座している子供とを判別する技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-202921号公報
【文献】特開2012-127811号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、人物等を検知するために送受信される電波として透過性の高い電波を用いると、送信波が車両の金属構造部分まで透過するため、金属構造部分からの反射波の信号レベルが高くなり、人物等の検知精度が低下する場合がある。また、画像的特徴から人物の種別や状態(子供であるか否か、チャイルドシートに着座しているか否か等)を判別しようとする場合、例えば当該人物が毛布を被っていた場合等に正確に判別できない可能性が高い。
【0005】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、車両の室内に存在する人物の種別や状態を高精度で判別可能な生体検知装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態としての生体検知装置は、車両の室内に周波数変調されたレーザ光を送信波として送信し、送信波が室内の物体により反射されることにより発生する反射波を受信するセンサと、反射波の強度分布に基づいて室内の三次元マップ情報を生成する第1生成部と、反射波のドップラシフトに基づいて室内の物体の速度に関する速度情報を生成する第2生成部と、三次元マップ情報と速度情報とに基づいて室内の子供を検知する第1検知部と、室内のシートの位置を検知する第2検知部と、第1検知部により検知された子供の位置と第2検知部により検知されたシートの位置とに基づいて、子供がチャイルドシートに着座しているか否かを判定する判定部と、を備える。
【0007】
上記構成によれば、周波数変調されたレーザ光を送受するセンサ(LiDARセンサ等)により取得される三次元マップ情報と速度情報とに基づいて室内の子供が検知され、子供とシートとの位置関係に基づいて子供がチャイルドシートに着座しているか否かが判定される。これにより、車両の室内に存在する人物の種別や状態を高精度で判別できる。
【0008】
また、判定部は、子供の所定部分の位置がシートの所定部分の位置に対して前方且つ上方にそれぞれ閾値以上ずれている場合に、子供がチャイルドシートに着座していると判定してもよい。
【0009】
子供がチャイルドシートに着座している場合、子供の位置は、子供が通常のシートに着座している場合より前方且つ上方へずれる。そのため、上記のような判別を行うことにより、子供がチャイルドシートに着座しているか否かを正確に判定できる。
【0010】
また、子供の所定部分の位置は、三次元マップ情報における前記子供の存在領域の重心位置であってもよい。
【0011】
これにより、画像センサ等を用いることなく正確に子供の位置を推定でき、当該子供がチャイルドシートに着座しているか否かを正確に判定できる。
【0012】
また、生体検知装置は、反射波のドップラシフトに基づいて室内の人物の心拍に関する情報を生成する第3生成部、を更に備えてもよい。
【0013】
これにより、人物の種別や状態を考慮した生体情報を生成できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、実施形態における車両の構成の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態のLiDARセンサ及び制御装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態におけるFMCW方式による信号処理の概要を示す図である。
図4図4は、実施形態における人物検知部により大人及び子供が検知された状態の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態におけるシート位置の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態において子供がシートに直接着座している状態の一例を示す図である。
図7図7は、実施形態において子供がチャイルドシートに着座している状態の一例を示す図である。
図8図8は、実施形態における生体検知装置による処理の一例を示すフローチャートである。
図9図9は、第1変形例における車両の一例を示す図である。
図10図10は、第2変形例におけるLiDARセンサの利用方法の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、並びに当該構成によってもたらされる作用、結果、及び効果は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能であるとともに、基本的な構成に基づく種々の効果や派生的な効果のうち、少なくとも一つを得ることが可能である。
【0016】
図1は、実施形態における車両Cの構成の一例を示す図である。車両Cの室内に、生体検知装置1を構成するLiDARセンサ2(センサ)と制御装置3とが配置されている。LiDARセンサ2は室内の天井部分に設置されている。制御装置3は、例えば、室内の前端部に設けられているダッシュボード内に設置されている。
【0017】
シートSには乗員M(人物)が座っている。以下では、生体検知装置1によって乗員Mの存在を検知するとともに、乗員Mの種別や状態を判別することについて説明する。
【0018】
図2は、実施形態のLiDARセンサ2及び制御装置3の機能構成の一例を示すブロック図である。LiDARセンサ2は、送信部21及び受信部22を備える。
【0019】
送信部21は、車両Cの室内に、周波数変調したレーザ光を送信波として広範囲に送信(照射)する。受信部22は、送信波が室内の物体によって反射することによって発生する反射波を受信する。
【0020】
制御装置3は、例えば、ハードウェアプロセッサ、メモリ等が搭載された集積回路を有するMCU(Micro Controller Unit)等により構成される。制御装置3は、ADC(Analog-to-Digital Converter)31、処理部32、及び記憶部33を備える。
【0021】
ADC31は、LiDARセンサ2の受信部22から取得したアナログ信号をデジタル信号に変換して処理部32に出力する。
【0022】
記憶部33は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、SSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置である。記憶部33は、処理部32が実行するプログラム、プログラムの実行に必要なデータ、プログラムの実行によって生成されたデータ等を記憶する。本実施形態における記憶部33は、設定情報331、三次元マップ情報332、速度情報333、シート位置情報334、生体情報335、着座情報336等を記憶する。
【0023】
設定情報331は、生体検知装置1の機能を実現するための各種閾値を含む。閾値は、例えば、人物を検知するための閾値、大人と子供を識別するための閾値、子供がチャイルドシートに着座しているか否かを判定するための閾値、人物の生体信号か否かを判定するための閾値等であり得る。
【0024】
三次元マップ情報332は、マップ情報生成部321によって反射波の強度分布に基づいて生成される、室内の三次元の物体配置状態を示す情報である。強度分布とは、三次元空間(車両Cの室内)における反射源の位置と反射波の強度との対応関係を示す情報である。
【0025】
速度情報333は、速度情報生成部322によって反射波のドップラシフトに基づいて生成される、室内に存在する物体の速度(動き)を示す情報である。速度情報333には、物体の動きの方向を示す情報が含まれてもよい。
【0026】
シート位置情報334は、シート位置検知部423によって検知される、車両Cに搭載されたシート(後部座席、助手席、運転席等)の位置を示す情報である。
【0027】
生体情報335は、生体情報生成部326によって生成される、人物(乗員M)の生体情報である。生体情報とは、例えば、心拍数や人物の状態(心拍数等から推測される体調、精神状態等)であり得る。
【0028】
着座情報336は、判定部325によって判定される、人物のシートSへの着座状態を示す情報である。着座情報336には、子供がチャイルドシートに着座しているか否かを示す情報等が含まれる。
【0029】
ここで、FMCW方式による信号処理の概要について説明する。図3は、実施形態におけるFMCW方式による信号処理の概要を示す図である。(A)に示すように、まず、LiDARセンサ2の送信部21から、車両Cの室内に、FMCW変調したレーザ光が送信される。そして、LiDARセンサ2の受信部22が反射波を受信する。
【0030】
次に、(B)に示すように、室内における反射波の強度分布に基づいて室内の三次元マップ情報が作成される。この三次元マップ情報には、室内に存在する物体(乗員M、シートS等)の位置や大きさを示すラベリング領域Dが含まれる。
【0031】
次に、(C)に示すように、上記のような三次元マップ情報と、反射波のドップラシフトに基づく速度情報とに基づいて、乗員Mが検知される。例えば、室内に存在する複数の物体のうち、所定の速度(動き)を有する物体を乗員Mと判定できる。また、反射波のドップラシフトに基づいて、乗員Mの生体情報(心拍数等)を算出することもできる。
【0032】
以下に、図2を参照して処理部32の処理の詳細について説明する。
【0033】
処理部32は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のハードウェアプロセッサによって構成される。処理部32は、記憶部33に格納されたプログラムを読み込んで演算処理を実行する。処理部32は、機能部として、マップ情報生成部321(第1生成部)、速度情報生成部322(第2生成部)、人物検知部323(第1検知部)、シート位置検知部324(第2検知部)、判定部325、及び生体情報生成部326(第3生成部)を備える。なお、各部321~326の一部又は全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)を含む回路等のハードウェアによって構成してもよい。
【0034】
マップ情報生成部321は、ADC31から取得した反射波情報に基づいて室内の三次元マップ情報332を生成し、記憶部33に保存する。
【0035】
速度情報生成部322は、ADC31から取得した反射波情報に基づいて室内の存在する物体の速度を示す速度情報333を生成し、記憶部33に保存する。
【0036】
人物検知部323は、設定情報331、三次元マップ情報332、速度情報333等に基づいて車両Cの室内に存在する乗員Mを検知する。また、人物検知部323は、当該乗員Mが子供であるか否かを検知する。乗員Mが子供であるか否かは、例えば、設定情報331と、三次元マップ情報332に含まれるラベリング領域Dの大きさを示す情報との比較により検知できる。
【0037】
シート位置検知部324は、シートSの位置を検知する。シートSの位置の検知方法は特に限定されるべきものではないが、例えば、シートSのスライド機構に設置されたセンサの検知信号や、三次元マップ情報332等に基づいて検知できる。シートSの位置を示すシート位置情報334は、記憶部33に保存される。
【0038】
判定部325は、人物検知部323により検知された子供の位置と、シート位置情報334とに基づいて、当該子供がチャイルドシートに着座しているか否かを判定する。判定部325による具体的な判定方法については後述する。
【0039】
生体情報生成部326は、ADC31から取得した反射波情報に基づいて、人物検知部323により検知された乗員Mの生体情報(心拍数等)を生成する。生成された生体情報は、記憶部33に保存される。
【0040】
図4は、実施形態における人物検知部323により大人Ma及び子供Mcが検知された状態の一例を示す図である。例えば、人物に対応するラベリング領域D(図2参照)の大きさ等に基づいて、当該人物の体格を推定し、体格が閾値以下である場合には当該人物は子供Mcであると推定できる。
【0041】
図5は、実施形態におけるシート位置Psの一例を示す図である。図5において、デフォルトの位置にあるシートSと、前方にスライドされた状態のシートSとが例示されている。シート位置Psは、シートSの所定部分の位置であり、ここではシートSの着座部(バックレストの部分を除く)の中央部の位置である。シート位置Psはこれに限定されるものではなく、シートSの他の部分の位置であってもよい。シート位置Psは、シートSの動きに応じて変位する。シートSの動きは、水平方向のスライドだけでなく、上下方向や斜め方向への動きであってもよい。
【0042】
図6は、実施形態において子供McがシートSに直接着座している状態の一例を示す図である。図7は、実施形態において子供McがチャイルドシートScに着座している状態の一例を示す図である。
【0043】
図6及び図7において、シート位置Psと子供位置Pmとが例示されている。子供位置Pmは、子供Mcの所定部分の位置であり、例えば三次元マップ情報332における当該子供Mcの存在領域(ラベリング領域D)の重心位置等であり得る。このような子供位置Pmを採用することにより、画像解析等を用いることなく子供Mcの位置を推定できる。なお、子供位置Pmは、子供Mcの頭部の位置等であってもよい。また、図6及び図7において、シート位置Psに対する子供位置Pmの前方へのずれ量Dfと、シート位置Psに対する子供位置Pmの上方へのずれ量Duとが例示されている。
【0044】
図7に示すずれ量Df,Duは、図6に示すずれ量Df,Duより大きい。すなわち、子供McがチャイルドシートScに着座しているときのずれ量Df,Duは、チャイルドシートScの介在により子供Mcが前方且つ上方に移動するため、子供Mcが通常のシートSに着座しているときのずれ量Df,Duより大きくなる。従って、ずれ量Df,Duのそれぞれが閾値以上である場合には、子供McがチャイルドシートScに着座していると判定できる。
【0045】
図8は、実施形態における生体検知装置1による処理の一例を示すフローチャートである。LiDARセンサ2の駆動により車両Cの室内の反射波情報が取得されると(S101)、マップ情報生成部321は反射波の強度分布に基づいて三次元マップ情報332を生成し(S102)、速度情報生成部322は反射波のドップラシフトに基づいて速度情報333を生成する(S103)。
【0046】
人物検知部323は三次元マップ情報332と速度情報333とに基づいて車両Cの室内に子供Mcが存在するか否かを検知する(S104)。子供Mcが存在しない場合(S104:No)、人物検知部323は、人物(大人Ma)が存在するか否かを判定する(S105)。人物が存在しない場合(S105:No)、本ルーチンは終了し、人物(大人Maのみ)が存在する場合(S105:Yes)、生体情報生成部326は反射波のドップラシフト等に基づいて当該人物の生体情報を生成し(S111)、本ルーチンは終了する。
【0047】
子供Mcが存在する場合(S104:Yes)、シート位置検知部324は当該子供Mcの位置に対応するシートSのシート位置Psを検知し(S106)、判定部325は子供位置Pmとシート位置Psとのずれ量Df,Duが閾値以上か否かを判定する(S107)。ずれ量Df,Duの両方が閾値以上である場合(S107:Yes)、判定部325は子供McはチャイルドシートScに着座していると判定し(S108)、子供McがチャイルドシートScに着座していることを示す着座情報を生成する(S110)。一方、ずれ量Df,Duの両方又は一方が閾値以上でない場合(S107:No)、判定部325は、子供Mcは通常のシートSに着座していると判定し(S109)、子供Mcが通常のシートSに着座していることを示す着座情報を生成する(S110)。そして、着座情報が生成された後、生体情報生成部326は反射波のドップラシフト等に基づいて当該人物の生体情報を生成し(S111)、本ルーチンは終了する。上記のように生成された生体情報や着座情報は、所定のシステム(例えば車両Cの運転支援システム等)に出力されて利用され得る。
【0048】
上記実施形態によれば、LiDARセンサ2により取得される三次元マップ情報332と速度情報333とに基づいて室内の子供Mcが検知され、子供McとシートSとの位置関係に基づいて子供McがチャイルドシートScに着座しているか否かが判定される。これにより、車両Cの室内に存在する人物の種別や状態を高精度で判別できる。
【0049】
(変形例)
図9は、第1変形例における車両Cの一例を示す図である。図9に示すように、車両Cの室内において、天井ではなくフロント部分にLiDARセンサ2を設置し、乗員Mの種別や状態を検知するための処理を行ってもよい。
【0050】
図10は、第2変形例におけるLiDARセンサ2の利用方法の一例を示す図である。浴室の浴槽Bの上の天井部分にLiDARセンサ2を設置し、入浴者Mの種別や状態を検知するための処理を行ってもよい。これにより、例えば、入浴中の老人に急病が発生した場合に、その老人の脈波、呼吸、体動等に所定の変化があるときは、その急病を高精度に検知できる。
【0051】
なお、制御装置3で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、メモリカード、DVD(Digital Versatile Disk)、フレキシブルディスク(FD)等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶されてコンピュータプログラムプロダクトとして提供されるようにしてもよい。また、当該プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するようにしてもよい。また、当該プログラムを、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するようにしてもよい。
【0052】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0053】
1…生体検知装置、2…LiDARセンサ、3…制御装置、21…送信部、22…受信部、31…ADC、32…処理部、33…記憶部、321…マップ情報生成部、322…速度情報生成部、323…人物検知部、324…シート位置検知部、325…判定部、326…生体情報生成部、331…設定情報、332…三次元マップ情報、333…速度情報、334…シート位置情報、335…生体情報、336…着座情報、C…車両、D…ラベリング領域、Df,Du…ずれ量、M…乗員(入浴者)、Ma…大人、Mc…子供、Pm…子供位置、Ps…シート位置、S…シート、Sc…チャイルドシート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10