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特許7615911生体情報測定システム、生体情報測定プログラム及び生体情報測定装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】生体情報測定システム、生体情報測定プログラム及び生体情報測定装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/02 20060101AFI20250109BHJP
   A61B 5/022 20060101ALI20250109BHJP
   A61B 5/0245 20060101ALI20250109BHJP
   A61B 5/308 20210101ALI20250109BHJP
   A61B 5/313 20210101ALI20250109BHJP
   A61B 5/33 20210101ALI20250109BHJP
   A61B 5/1455 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
A61B5/02 D
A61B5/022 400L
A61B5/0245 200
A61B5/308
A61B5/313
A61B5/33 200
A61B5/1455
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021106011
(22)【出願日】2021-06-25
(65)【公開番号】P2023004383
(43)【公開日】2023-01-17
【審査請求日】2024-05-09
(73)【特許権者】
【識別番号】503246015
【氏名又は名称】オムロンヘルスケア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】久保 大
(72)【発明者】
【氏名】浅野 康夫
(72)【発明者】
【氏名】東狐 義秀
【審査官】阿部 知
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/131252(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/024495(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/021649(WO,A1)
【文献】特開2016-087182(JP,A)
【文献】特開2020-174905(JP,A)
【文献】国際公開第2019/124087(WO,A1)
【文献】特開2012-045304(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00 - 5/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体情報測定装置と、携帯可能な端末と、を備え、
前記生体情報測定装置は、
少なくとも生体に関する第1情報および生体に関する第2情報を測定可能な測定部と、
前記測定部において測定された前記第1情報に、表示および/または診断に関わる第
1処理を実行可能な第1処理部と、
前記第2情報が解析可能か否かを判定する品質判定部と、
前記端末との間で、解析可能と判定された前記第2情報を通信可能な通信部と、を有し、
前記端末は、
前記生体情報測定装置から前記第2情報を受信可能な受信部と、
前記受信部において受信した前記第2情報に、表示および/または診断に関わる第2
処理を前記第1処理と並行して実行可能な第2処理部と、
前記第2処理部において前記第2処理が実行された後の前記第2情報を前記生体情報測定装置に送信可能な送信部と、を有し、
前記生体情報測定装置は、前記第1処理部において前記第1処理が実行された後の前記第1情報、および前記第2処理部において前記第2処理が実行された後に前記送信部によって前記生体情報測定装置に送信された前記第2情報を表示する第1表示部をさらに有する、
生体情報測定システム。
【請求項2】
前記端末は、前記第2処理部において前記第2処理が実行された前記第2情報を表示可能な第2表示部を更に有する、
請求項1に記載の生体情報測定システム。
【請求項3】
生体情報測定装置において、少なくとも生体に関する第1情報および生体に関する第2情報を測定する測定ステップと、
前記生体情報測定装置において、前記測定ステップにおいて測定された前記第1情報に、表示および/または診断に関わる第1処理を実行する第1処理ステップと、
前記生体情報測定装置において、前記測定ステップにおいて測定された前記第2情報が解析可能か否かを判定する品質判定ステップと、
前記生体情報測定装置において、携帯可能な端末に、解析可能と判定された前記第2情報を送信する第1送信ステップと、
前記端末において、前記第1送信ステップにおいて前記生体情報測定装置から送信された前記第2情報を受信する第1受信ステップと、
前記端末において、前記第1受信ステップにおいて受信した前記第2情報に、表示および/または診断に関わる第2処理を前記第1処理と並行して実行する第2処理ステップと、
前記端末において、前記第2処理ステップにおいて前記第2処理が実行された前記第2情報を前記生体情報測定装置に送信する第2送信ステップと、
前記生体情報測定装置において、前記第2送信ステップにおいて前記端末から送信された、前記第2処理が実行された前記第2情報を受信する第2受信ステップと、
前記生体情報測定装置において、前記第1処理が実行された後の前記第1情報と、前記第2受信ステップにおいて受信した前記第2処理が実行された後の前記第2情報と、を表示する表示ステップと、をコンピュータに実行させる、
生体情報測定プログラム。
【請求項4】
生体情報測定装置であって、
少なくとも生体に関する第1情報および生体に関する第2情報を測定可能な測定部と、
前記測定部において測定された前記第1情報に、表示および/または診断に関わる第1処理を実行可能な第1処理部と、
前記測定部において測定された前記第2情報が解析可能か否かを判定する品質判定部と、
表示および/または診断に関わる第2処理を前記第2情報に前記第1処理と並行して実行可能な第2処理部を有する外部装置との間で、解析可能と判定された前記第2情報を通信可能な通信部と、
前記第1処理部において前記第1処理が実行された前記第1情報、および前記外部装置において前記第2処理が実行された後の前記第2情報を表示する表示部と、を備える、
生体情報測定装置。
【請求項5】
前記第1情報は、血圧情報を含み、
前記第2情報は、心臓の活動電位情報を含む、
請求項4に記載の生体情報測定装置。
【請求項6】
前記第2処理は、前記心臓の活動電位の波形のフィルタ処理、および心臓の機能に関する判定処理を含む、
請求項5に記載の生体情報測定装置。
【請求項7】
前記第2情報は、血圧、脈波、経皮的動脈血酸素飽和度、筋繊維から生じる活動電位、前記生体情報測定装置の所定方向への加速度、前記生体情報測定装置から照射された光の透過または反射強度、前記生体情報測定装置の周囲の気温、前記生体情報測定装置が装着された測定対象者の体温のうちの少なくとも一つの情報を含む、
請求項4から6のうち何れか一項に記載の生体情報測定装置。
【請求項8】
前記表示部は、前記第1処理部において前記第1処理が実行された前記第1情報、および前記第2処理部において前記第2処理が実行された前記第2情報を表示するタイミングを同期する、
請求項4から7のうち何れか一項に記載の生体情報測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体情報測定システム、生体情報測定プログラム及び生体情報測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の生体情報を測定し、その生体情報を処理して生体の状態を判定する装置として、例えば血圧値および心臓の活動電位の波形を測定し、測定結果から被測定者の体調変動の起こり易さを判定する生体情報測定装置が開示されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-176340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば心臓の活動電位の波形の処理するとして、波形に含まれるノイズを除去するためのフィルタ処理や、心機能が正常であるか否かを所定のアルゴリズムによって判定する判定処理等が考えられる。しかしながら、このような処理を実行するためには比較的大きな演算コストを要する。そこで演算機能を高めるために、高性能なプロセッサを生体情報測定装置に備えることが必要になる。その結果、生体情報測定装置のサイズが大型化したり、消費電力が増加することが想定される。よって、生体情報測定装置を携帯することが困難となり、利便性が低下することが考えられる。
【0005】
本発明は、このような実情を鑑みてなされたものであり、その目的は、生体情報測定装置の利便性の低下を抑制し、かつ複数の生体情報を解析可能にする技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するために、以下の構成を採用する。
【0007】
すなわち本発明の一側面に係る生体情報測定システムは、生体情報測定装置と、携帯可能な端末と、を備え、前記生体情報測定装置は、少なくとも生体に関する第1情報および生体に関する第2情報を測定可能な測定部と、前記測定部において測定された前記第1情報に、表示および/または診断に関わる第1処理を実行可能な第1処理部と、前記端末と
の間で前記第2情報を通信可能な通信部と、を有し、前記端末は、前記生体情報測定装置から前記第2情報を受信可能な受信部と、前記受信部において受信した前記第2情報に、表示および/または診断に関わる第2処理を実行可能な第2処理部と、前記第2処理部に
おいて前記第2処理が実行された後の前記第2情報を前記生体情報測定装置に送信可能な送信部と、を有し、前記生体情報測定装置は、前記第1処理部において前記第1処理が実行された後の前記第1情報、および前記第2処理部において前記第2処理が実行された後に前記送信部によって前記生体情報測定装置に送信された前記第2情報を表示する第1表示部をさらに有する。
【0008】
ここで、表示に関わる第1処理は、測定部により測定された第1情報に基づく演算処理を含む。また、表示に関わる第2処理は、測定部により測定された第2情報に対するフィルタ処理を含む。
【0009】
また、診断に関わる第1処理は、測定部により測定された第1情報に基づき測定対象者の健康状態を診断することのできる判定処理を含む。また、診断に関わる第2処理は、測定部により測定された第2情報に基づき測定対象者の健康状態を診断することのできる判定処理を含む。
【0010】
当該構成によれば、複数の生体情報の測定および解析をすることができる。また、当該構成によれば、第2処理が生体情報測定装置において実行される場合と比較して生体情報測定装置の演算コストは節減される。よって、生体情報測定装置に搭載されるプロセッサのサイズの大型化や消費電力の増加を抑制することができる。よって、生体情報測定装置の携帯は容易となり、利便性は向上する。
【0011】
上記一側面に係る生体情報測定システムにおいて、前記端末は、前記第2処理部において前記第2処理が実行された前記第2情報を表示可能な第2表示部を更に有してもよい。
【0012】
当該構成によれば、測定対象者は生体情報測定装置を携帯していない場合であっても端末から第2情報を確認することができる。
【0013】
また、本発明の一側面に係る生体情報測定プログラムは、生体情報測定装置において、少なくとも生体に関する第1情報および生体に関する第2情報を測定する測定ステップと、前記生体情報測定装置において、前記測定ステップにおいて測定された前記第1情報に、表示および/または診断に関わる第1処理を実行する第1処理ステップと、前記生体情報測定装置において、携帯可能な端末に前記第2情報を送信する第1送信ステップと、前記端末において、前記第1送信ステップにおいて前記生体情報測定装置から送信された前記第2情報を受信する第1受信ステップと、前記端末において、前記第1受信ステップにおいて受信した前記第2情報に、表示および/または診断に関わる第2処理を実行する第2処理ステップと、前記端末において、前記第2処理ステップにおいて前記第2処理が実行された前記第2情報を前記生体情報測定装置に送信する第2送信ステップと、前記生体情報測定装置において、前記第2送信ステップにおいて前記端末から送信された、前記第2処理が実行された前記第2情報を受信する第2受信ステップと、前記生体情報測定装置において、前記第1処理が実行された後の前記第1情報と、前記第2受信ステップにおいて受信した前記第2処理が実行された後の前記第2情報と、を表示する表示ステップと、をコンピュータに実行させてもよい。
【0014】
また、本発明の一側面に係る生体情報測定装置は、生体情報測定装置であって、少なくとも生体に関する第1情報および生体に関する第2情報を測定可能な測定部と、前記測定部において測定された前記第1情報に、表示および/または診断に関わる第1処理を実行可能な第1処理部と、表示および/または診断に関わる第2処理を前記第2情報に実行可能な第2処理部を有する外部装置との間で前記第2情報を通信可能な通信部と、前記第1処理部において前記第1処理が実行された前記第1情報、および前記外部装置において前記第2処理が実行された後の前記第2情報を表示する表示部と、を備えてもよい。
【0015】
上記一側面に係る生体情報測定装置において、前記第1情報は、血圧情報を含み、前記第2情報は、心臓の活動電位情報を含んでもよい。
【0016】
ここで、第2処理は、心臓の活動電位の波形のノイズを除去するためのフィルタ処理、または心機能が正常であるか否かを判定する判定処理を含む。
【0017】
当該構成によれば、血圧および心臓の活動電位に関する測定および解析をすることができる。また、当該構成によれば、第2処理が生体情報測定装置において実行される場合と比較して生体情報測定装置の演算コストは節減される。よって、生体情報測定装置に搭載
されるプロセッサのサイズを小型化できる。よって、生体情報測定装置の大型化は抑制される。
【0018】
上記一側面に係る生体情報測定装置において、前記第2処理は、前記心臓の活動電位の波形のフィルタ処理、および心臓の機能に関する判定処理を含んでもよい。
【0019】
当該構成によれば、血圧および心臓の活動電位に関する測定および解析をすることができる。また、当該構成によれば、第2処理が生体情報測定装置において実行される場合と比較して生体情報測定装置の演算コストは節減される。よって、生体情報測定装置に搭載されるプロセッサのサイズを小型化できる。よって、生体情報測定装置の大型化は抑制される。
【0020】
上記一側面に係る生体情報測定装置において、前記第2情報は、血圧、脈波、経皮的動脈血酸素飽和度、筋繊維から生じる活動電位、前記生体情報測定装置の所定方向への加速度、前記生体情報測定装置から照射された光の透過または反射強度、前記生体情報測定装置の周囲の気温、前記生体情報測定装置が装着された測定対象者の体温のうちの少なくとも一つの情報を含んでもよい。
【0021】
当該構成によれば、生体情報および生体情報に影響を及ぼす第2情報の測定および解析をすることができる。また、当該構成によれば、第2処理が生体情報測定装置において実行される場合と比較して生体情報測定装置の演算コストは節減される。よって、生体情報測定装置に搭載されるプロセッサのサイズを小型化できる。よって、複数の生体情報に関する情報を測定する生体情報測定装置の大型化は抑制される。
【0022】
上記一側面に係る生体情報測定装置において、前記表示部は、前記第1処理部において前記第1処理が実行された前記第1情報、および前記第2処理部において前記第2処理が実行された前記第2情報を表示するタイミングを同期してもよい。
【0023】
当該構成によれば、異なる二つの第1情報および第2情報を同時に確認することができる。よって、利便性は向上する。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、複数の生体情報を解析可能にしつつ、生体情報測定装置の利便性の低下を抑制する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、実施形態に係る生体情報測定システムの構成の概要を例示する。
図2図2は、生体情報測定装置のハードウエア構成の概要を例示する。
図3図3は、生体情報測定装置およびスマートフォンの機能構成の概要を例示する。
図4図4は、生体情報測定装置における血圧測定フローの概要を例示する。
図5図5は、生体情報測定装置における心臓の活動電位の測定フローの概要を例示する。
図6図6は、スマートフォンにおける心臓の活動電位の表示フローの概要を例示する。
図7図7は、生体情報測定システムの全体によって実行される生体情報測定フローの一例を例示する。
図8図8は、測定中の情報が表示された生体情報測定装置のディスプレイの概要を例示する。
図9図9は、収縮期血圧値、拡張期血圧値、および脈拍数と、心機能指標の判定結果が表示された生体情報測定装置のディスプレイの概要を例示する。
図10図10は、心臓の活動電位の波形と判定結果が表示されたスマートフォンのディスプレイの概要を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0026】
§1 実施形態
(システムの概要)
図1は、本実施形態に係る生体情報測定システム1の構成の概要を例示する。図1に示されるように、生体情報測定システム1は、生体情報測定装置10と、スマートフォン50と、を備える。なお、スマートフォン50は、例えばタブレット端末などの携帯可能な端末で代替されてもよい。
【0027】
また、生体情報測定システム1では、生体情報測定装置10と、スマートフォン50とが、ネットワーク(N)によって相互に接続される。ネットワーク(N)は、例えばWi
Fi(登録商標)または携帯電話等の電話通信網等の無線通信網を含む。または、ネットワーク(N)は、LAN(Local Area Network)ケーブルを介して接続される有線通信を含む。または、ネットワーク(N)は、例えばインターネット等の世界規模の公衆通信網であるWAN(Wide Area Network)を含んでもよい。または、ネットワーク(N)の代替として、USB(Universal Serial Bus)ケーブルを介して生体情報測定装置10とスマートフォン50とが接続されてもよい。または、ネットワーク(N)の代替として、Bluetooth(登録商標)規格で生体情報測定装置10とスマートフォン50との間で無線通信されてもよい。
【0028】
また、図2は、本実施形態に係る生体情報測定システム1を構成する生体情報測定装置10のハードウエア構成の概要を例示する。以下では図1または図2を利用して生体情報測定装置10およびスマートフォン50の夫々のハードウエア構成の詳細を説明する。
【0029】
(生体情報測定装置10のハードウエア構成)
生体情報測定装置10は、図1および図2に示されるように測定対象者の腕に巻き付けることが可能なベルト11を備える。また、生体情報測定装置10は、ベルト11の内側にベルト11の長手方向に沿うように設けられ、袋状の部材である圧迫用カフ12を備える。また、生体情報測定装置10は、圧迫用カフ12と接続され圧迫用カフ12の内部に空気を送り込むことで圧迫用カフ12を膨張させるポンプ16と、ポンプ内の空気を排出可能な排気弁19と、を備える。圧迫用カフ12は、膨張することで測定対象者の血管に外圧を与えることができる。
【0030】
また、生体情報測定装置10は、圧迫用カフ12よりもさらに内側にセンシングカフ15を備える。センシングカフ15は袋状の部材であり、圧迫用カフ12と同じくポンプ16によって内部に空気が送り込まれ、排気弁19から空気が排出される。また、センシングカフ15は、圧迫用カフ12が膨張されることで測定対象者の腕に向かって押し当てられる。また、生体情報測定装置10は、圧力センサ18を備える。圧力センサ18は、センシングカフ15の内圧を測定可能に配置される。
【0031】
また、生体情報測定装置10は、ベルト11と圧迫用カフ12との間にカーラー13を備える。カーラー13は、圧迫用カフ12を保持するための土台の機能を有する。また、生体情報測定装置10は、背板14を備える。背板14は、圧迫用カフ12とセンシングカフ15との間に設けられる。背板14は、センシングカフ15の過度な屈曲を抑制する。
【0032】
また、生体情報測定装置10は、電極21を備える。電極21は、センシングカフ15よりもさらに内側に設けられる。電極21は、ベルト11が測定対象者の腕に巻き付けら
れた場合に測定対象者の腕に接触する。
【0033】
また、生体情報測定装置10は、ベルト11の外表面にタッチパネルディスプレイ23と、タッチパネルディスプレイ23の外周に設けられる電極20Aおよび電極20Bと、を備える。
【0034】
また、生体情報測定装置10は、図1において図示されないが、上記の部品に加えてMCU(Micro Controller Unit)24と、所定の通信規格で通信可能な通信モジュール25と、RAMやROM等の主記憶装置26と、ハードディスクドライブ等の補助記憶装置27と、ポンプ16を駆動させるための駆動回路17と、演算回路29と、電極20A、電極20B、および電極21と接続され、電極20Bの電位を基準電位とした電極20Aと電極21との間の電位差を測定する心電測定回路22と、心臓の活動電位動作に必要な電力を供給する電源28と、を有するコンピュータである。補助記憶装置には、オペレーティングシステム(OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納されている。そして、補助記憶装置に格納されたプログラムが主記憶装置の作業領域にロードされて実行され、プログラムの実行を通じて各構成部等が制御されることによって、後述するような所定の目的に合致した各機能を実現することができる。なお、以降では主記憶装置及び補助記憶装置を単に記憶装置という。
【0035】
(スマートフォン50のハードウエア構成)
スマートフォン50は、CPU等のプロセッサ、RAMやROM等の記憶装置、カメラ、タッチパネルディスプレイ51、通信モジュール、および演算回路を備える携帯型の端末である。記憶装置には、オペレーティングシステム(OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納され、そこに格納されたプログラムを主記憶装置の作業領域にロードして実行し、プログラムの実行を通じて各構成部等が制御されることによって、後述するような所定の目的に合致した各機能を実現することができる。なお、スマートフォン50が有するプロセッサは、演算サイズや演算速度などの演算機能が生体情報測定装置10のMCU24の演算機能よりも高度なものとする。
【0036】
図3は、生体情報測定装置10およびスマートフォン50の機能構成の概要を例示する。
【0037】
(生体情報測定装置10の機能構成)
図3に示されるように、生体情報測定装置10は心電制御部101を備える。心電制御部101は、操作受付部106(後述する)からタッチパネルディスプレイ23の入力操作情報を受信する。入力操作情報とは、例えばタッチパネルディスプレイ23に指が触れることで発生した電気信号である。また、心電制御部101は、心電測定回路22に設けられているスイッチ等の部品を制御する。また、心電制御部101は、心臓の活動電位情報を記憶装置に記憶させるよう記憶部104(後述する)に命令する。また、心電制御部101は、心臓の活動電位の測定ステータスをタッチパネルディスプレイ23に表示するよう表示制御部107(後述する)に命令する。なお、心電制御部101は、本開示の「測定部」の一例である。また、心臓の活動電位情報は、本開示の「第2情報」の一例である。
【0038】
また、生体情報測定装置10は心電信号品質判定部102を備える。心電信号品質判定部102は、心電測定回路22から電極20Bの電位を基準電位とした電極20Aと電極21との間の電位差情報を取得する。また、心電信号品質判定部102は、取得した電位差情報が解析可能か否かを所定のアルゴリズムに従い判定する。所定のアルゴリズムとは、例えば電位差の波形が所定の周波数スペクトルを有する場合に解析可能とするといったものである。また、心電信号品質判定部102は、電位差情報が解析可能と判定された場
合、電位差情報を通信部105(後述する)に入力する。
【0039】
また、生体情報測定装置10は血圧測定制御部103を備える。血圧測定制御部103は、操作受付部106(後述する)からタッチパネルディスプレイ23の入力操作情報を受信する。また、血圧測定制御部103は、ポンプ16の駆動および排気弁19の弁の開度の制御を行う。また、血圧測定制御部103は、圧力センサ18を介してセンシングカフ15の内圧を取得する。また、血圧測定制御部103は、センシングカフ15の内圧に基づいて、収縮期血圧値、拡張期血圧値、および脈拍数を演算回路29を利用して演算する(本開示の「表示に関わる第1処理」の一例)。収縮期血圧値、拡張期血圧値、および脈拍数の演算方法は、公知のアルゴリズムまたは独自に開発されたアルゴリズムである。また、血圧測定制御部103はセンシングカフ15の内圧、収縮期血圧値、拡張期血圧値、および脈拍数を記憶装置に記憶するよう記憶部104(後述する)に命令する。また、血圧測定制御部103はセンシングカフ15の内圧、収縮期血圧値、拡張期血圧値、および脈拍数をタッチパネルディスプレイ23に表示するよう表示制御部107(後述する)に命令する。なお、血圧測定制御部103は、本開示の「測定部」および「第1処理部」の一例である。また、センシングカフ15の内圧は、本開示の「第1情報」の一例である。
【0040】
又は、血圧測定制御部103は、演算された収縮期血圧値、拡張期血圧値、または脈拍数と所定の基準値とを比較することで測定対象者が健康であるか否かを判定してもよい(本開示の「診断に関わる第1処理」の一例)。そして、健康であるか否かが判定された情報は後述の処理が実行されることでタッチパネルディスプレイ23に表示されてもよい。なお、診断とは、測定対象者の健康状態の診断のことである。そして、上記以外にも測定対象者が健康であるか否かを判定可能な処理が実行されてもよい。
【0041】
また、生体情報測定装置10は記憶部104を備える。記憶部104は記憶装置を含んで構成される。記憶部104は、例えば心電制御部101等の他の機能部から記憶装置に所定情報を記憶させるよう命令を受ける。所定情報は、例えばセンシングカフ15の内圧、収縮期血圧値、拡張期血圧値、および脈拍数等の血圧測定情報を含む。また、所定情報は、心臓の活動電位情報および心機能指標の判定結果等の心臓の測定情報を含む。なお、心機能指標とは、例えば心調律、心拍数である。また、心調律の判定とは、例えば心臓の活動電位の波形から検出された周波数スペクトルが健常者のスペクトルであるか否かを判定することである。また、心拍数の判定とは、例えば所定期間において測定された心拍数が所定範囲内であるか否か、あるいは所定値よりも高いか否かを判定することである。
【0042】
また、生体情報測定装置10は通信部105を備える。通信部105は通信モジュールを含んで構成される。通信部105は、所定の通信規格で外部装置と情報の通信を行う。より詳細には、通信部105は、外部装置に接続要求信号を送信する。そして、該外部装置から接続要求の受諾信号を受信すると、所定の送信情報を該外部装置に送信する。所定の送信情報は、例えば心臓の活動電位情報や心臓の活動電位に関する測定が終了した旨の情報を含む。また、通信部105は、外部装置から所定の受信情報を受信する。所定の受信情報とは、例えば心機能指標の判定結果に関する情報を含む。なお、通信部105は、本開示の「通信部」の一例である。
【0043】
また、生体情報測定装置10は操作受付部106を備える。操作受付部106は、タッチパネルディスプレイ23の操作入力を受け付ける。そして、操作受付部106は、操作入力情報を他の機能部(例えば血圧測定制御部103や心電制御部101)に通知する。
【0044】
また、生体情報測定装置10は表示制御部107を備える。表示制御部107は、他の制御部(例えば血圧測定制御部103等)からタッチパネルディスプレイ23に所定の表
示情報を表示するよう命令を受ける。そして、表示制御部107は、所定の表示情報を生成または記憶装置から読み出す。また、表示制御部107は、所定の表示情報を表示するタイミング、タッチパネルディスプレイ23の表示領域を制御する表示制御信号を生成する。所定の表示情報を表示するタイミングを制御する表示制御信号とは、複数の表示情報を表示するタイミングを同期する、または複数の表示情報を表示するタイミングを交互にする信号を含む。又は、表示制御部107は、タッチパネルディスプレイ23の所定領域を点灯させる表示制御信号を生成させる。また、表示制御部107は、これら所定の表示情報および制御信号を表示部108(後述する)に送信する。
【0045】
また、生体情報測定装置10は表示部108を備える。表示部108はタッチパネルディスプレイ23を含んで構成される。表示部108は、表示制御部107から所定の表示情報および表示制御信号を受信する。そして、表示部108は、表示制御信号に従い、所定の表示情報をタッチパネルディスプレイ23に表示する。なお、表示制御部107および表示部108は、本開示の「表示部」および「第1表示部」の一例である。
【0046】
(スマートフォン50の機能構成)
次にスマートフォン50の各機能部の説明を行う。図3に示されるように、スマートフォン50は、通信部501を備える。通信部501は通信モジュールを含んで構成される。通信部501は、所定の通信規格で外部装置と情報の通信を行う。より詳細には、通信部501は、外部装置から接続要求信号を受信する。そして、通信部501は、該外部装置に対して接続要求を受諾する信号を送信する。そして、通信部501は、該外部装置と所定情報の送受信を行う。なお、通信部501は、本開示の「受信部」および「送信部」の一例である。
【0047】
また、スマートフォン50はフィルタ部502を備える。フィルタ部502は、心臓の活動電位の波形におけるノイズ成分を除去するために、該波形情報にフィルタ処理を実行する(本開示の「表示に関わる第2処理」の一例)。なお、フィルタ部502は、本開示の「第2処理部」の一例である。
【0048】
また、スマートフォン50は判定部503を備える。判定部503は、心臓の活動電位の波形情報から所定のアルゴリズムによる解析により周波数スペクトルを取得する。そして、周波数スペクトルに基づいて心拍数情報を取得する。また、周波数スペクトルに基づき、心調律に異常があるか否かを判定する(本開示の「診断に関わる第2処理」の一例)。なお、所定のアルゴリズムとは、例えばFFT(Fast Fourier Transform)解析を含む。なお、判定部503は、本開示の「第2処理部」の一例である。
【0049】
また、スマートフォン50は表示部504を備える。表示部504は、タッチパネルディスプレイ51を含んで構成される。表示部504は、表示情報をタッチパネルディスプレイ51に表示させる。また、表示部504は、表示情報を表示する領域の制御を行う。なお、表示情報は、心臓の活動電位の波形および心機能指標の判定結果を含む。なお、表示部504は、本開示の「第2表示部」の一例である。
【0050】
また、スマートフォン50は記憶部505を備える。記憶部505は記憶装置を含んで構成される。記憶部505は、所定情報を記憶装置に記憶させる。
【0051】
(各装置の動作フロー)
次に、生体情報測定装置10およびスマートフォン50の夫々における動作フローの概要を説明する。
【0052】
(生体情報測定装置10における血圧測定フロー)
図4は、生体情報測定装置10における血圧測定フローの概要を例示する。
【0053】
(S101)
ステップS101では、操作受付部106がタッチパネルディスプレイ23の操作入力を受け付ける。そして、操作受付部106は、操作入力されたことを血圧測定制御部103に通知する。
【0054】
(S102)
ステップS102では、血圧の測定が開始される。より詳細には、ステップS101において操作入力されたことを通知された血圧測定制御部103は、排気弁19の弁の開度を制御する制御信号を生成する。そして血圧測定制御部103は、圧迫用カフ12およびセンシングカフ15の駆動信号を生成する。そして、血圧測定制御部103は、生成した制御信号および駆動信号を排気弁19およびポンプ16に送信する。
【0055】
(S103)
ステップS103では、ステップS102において生成された駆動信号をポンプ16が受信すると、ポンプ16は駆動信号に従い駆動する。また、ステップS102において生成された制御信号を排気弁19が受信すると、排気弁19の弁の開度は制御信号に従い所定開度に制御される。また、血圧測定制御部103は、圧力センサ18を介してセンシングカフ15の内圧を取得する。
【0056】
(S104)
ステップS104では、血圧測定制御部103がステップS103において圧力センサ18を介して逐次取得したセンシングカフ15の内圧を記憶装置に記憶するよう記憶部104に命令する。記憶部104は、命令を受けてセンシングカフ15の内圧を記憶装置に記憶させる。
【0057】
(S105)
ステップS105では、血圧測定制御部103がステップS103において圧力センサ18を介して逐次取得したセンシングカフ15の内圧をタッチパネルディスプレイ23に表示するよう表示制御部107に命令する。表示制御部107では、血圧測定制御部103からセンシングカフ15の内圧情報を受けて、該内圧情報をタッチパネルディスプレイ23の所定領域に表示するよう表示部108に命令する。そして、表示部108は、表示制御部107からの命令を受けてセンシングカフ15の内圧情報をタッチパネルディスプレイ23に表示する。
【0058】
(S106)
ステップS106では、血圧測定制御部103がステップS103において圧力センサ18を介して逐次取得したセンシングカフ15の内圧を利用して収縮期血圧値、拡張期血圧値、および所定期間における脈拍数を演算する。センシングカフ15の内圧から収縮期血圧値、拡張期血圧値、および所定期間における脈拍数を演算するには公知のアルゴリズムまたは独自に開発されたアルゴリズムが使用される。また、血圧測定制御部103は、演算された収縮期血圧値、拡張期血圧値、および脈拍数を記憶装置に記憶するよう記憶部104に命令する。記憶部104は、命令を受けて収縮期血圧値、拡張期血圧値、および脈拍数を記憶装置に記憶させる。
【0059】
(S107)
ステップS107では、血圧測定制御部103が収縮期血圧値および拡張期血圧値を演算した場合、血圧測定制御部103は血圧測定が終了したと判定する。そして、血圧測定
制御部103は、記憶装置に記憶させている収縮期血圧値、拡張期血圧値、および脈拍数をタッチパネルディスプレイ23に表示するよう表示制御部107に命令する。
【0060】
(S108)
ステップS108では、ステップS107において血圧測定制御部103からの命令を受けた表示制御部107が、収縮期血圧値、拡張期血圧値、および脈拍数を記憶装置から読み出してタッチパネルディスプレイ23の所定領域に表示するよう表示部108に命令する。また、表示制御部107は、収縮期血圧値、拡張期血圧値、および脈拍数をタッチパネルディスプレイ23の所定領域に表示するタイミングを制御する。また、表示制御部107は、タッチパネルディスプレイ23に表示されていたセンシングカフ15の内圧表示を終了するよう表示部108に命令する。表示部108は、表示制御部107からの命令を受けてセンシングカフ15の内圧表示の代わりにタッチパネルディスプレイ23の所定領域に収縮期血圧値、拡張期血圧値、および脈拍数を表示する。
【0061】
(生体情報測定装置10における心臓の活動電位の測定フロー)
図5は、生体情報測定装置10における心臓の活動電位の測定フローの概要を例示する。
【0062】
(S201)
ステップS201では、心電制御部101が操作受付部106からタッチパネルディスプレイ23が操作入力されたことを通知される。すると、心電制御部101は、心臓の活動電位の測定を開始する。すなわち、心電制御部101は心電測定回路22に設けられたスイッチ等の部品を電極20Bの電位を基準電位とした電極20Aと電極21との電位差を測定可能なように制御する。
【0063】
(S202)
ステップS202では、心電信号品質判定部102が、心電測定回路22から電極20Bの電位を基準電位とした電極20Aと電極21の間の電位差情報を取得する。そして、心電信号品質判定部102は、心臓の活動電位情報が解析可能か否かを判定する。そして、心電信号品質判定部102は、心臓の活動電位情報が解析可能と判定された場合、該情報を通信部105に入力する。また、心電信号品質判定部102は、心臓の活動電位情報が解析可能でないと判定された場合、再度心電測定回路22から電極20Bの電位を基準電位とした電極20Aと電極21との間の電位差情報を取得する。
【0064】
(S203)
ステップS203では、通信部105は、ステップS202における心臓の活動電位情報の入力を受けて、外部装置に向けて接続要求信号を送信する。そして、通信部105は、外部装置から接続要求の受諾信号を受信したか否かを判定する。
【0065】
(S204)
ステップS204では、通信部105が外部装置から接続要求の受諾信号を受信したと判定した場合、心臓の活動電位情報を外部装置に送信する。
【0066】
一方、通信部105は、外部装置から接続要求の受諾信号を所定期間受信しなかった場合、心臓の活動電位情報を記憶装置に一旦記憶させるよう記憶部104に命令する。そして通信部105は、外部装置から接続要求の受諾信号を受信した時に、記憶装置に一旦記憶させた心臓の活動電位情報を外部装置に送信する。
【0067】
なお、記憶部104は、ステップS202において心電信号品質判定部102が取得した電位差情報のうち所定期間分について主記憶装置26に一旦記憶させてもよい。そして
、ステップS204において所定期間分の電位差情報がまとめて外部装置に送信されてもよい。又は、ステップS202からステップS204の処理がストリーミング処理されてもよい。
【0068】
(S205)
ステップS205では、心電制御部101が、心臓の活動電位情報を記憶装置に記憶させるよう記憶部104に命令する。記憶部104は、心電制御部101からの命令を受けて心臓の活動電位情報を記憶装置に記憶させる。
【0069】
(S206)
ステップS206では、心電制御部101が心臓の活動電位の測定ステータスをタッチパネルディスプレイ23に表示するよう表示制御部107に命令する。表示制御部107は、心電制御部101からの命令を受けて、心臓の活動電位の測定ステータスをタッチパネルディスプレイ23の所定領域に表示するよう表示部108に命令する。
【0070】
表示部108は、表示制御部107からの命令に従い、心臓の活動電位の測定ステータスをタッチパネルディスプレイ23に表示させる。
【0071】
(S207)
ステップS207では、ステップS201における心臓の活動電位の測定開始から所定期間経過すると、心電制御部101が心臓の活動電位の測定を終了する。すなわち、心電制御部101は心電測定回路22に設けられたスイッチ等の部品を電極20Bの電位を基準電位とした電極20Aと、電極21の電位差を測定しないように制御する。
【0072】
(S208)
ステップS208では、通信部105が外部装置に対して心臓の活動電位情報の測定が終了したことを通知する。なお、外部装置とは、ステップS203において心臓の活動電位情報を送信した送信先の装置のことである。
【0073】
(S209)
ステップS209では、通信部105が、外部装置から心機能指標の判定結果を受信したか否かを判定する。そして、通信部105が、外部装置から心機能指標の判定結果を受信したと判定した場合、ステップS210に進む。
【0074】
(S210)
ステップS210では、記憶部104が、ステップS209において受信した心機能指標の判定結果を記憶装置に記憶させる。
【0075】
(S211)
ステップS211では、表示制御部107が、ステップS209において受信した心機能指標の判定結果をタッチパネルディスプレイ23の所定領域に表示するよう表示部108に命令する。表示部108は、表示制御部107からの命令を受けて心機能指標の判定結果をタッチパネルディスプレイ23の所定領域に表示する。
【0076】
(スマートフォン50における心臓の活動電位の表示フロー)
図6は、スマートフォン50における心臓の活動電位の表示フローの概要を例示する。
【0077】
(S501)
ステップS501では、通信部501が、外部装置から送信された心臓の活動電位情報を受信する。また、このような心臓の活動電位情報は継続的に受信される。よって、受信
された心臓の活動電位情報はグラフ化された場合に波形を形成し得る。
【0078】
(S502)
ステップS502では、フィルタ部502が、ステップS501において受信した心臓の活動電位の波形におけるノイズ成分を除去するためにフィルタ処理を実行する。また、記憶部505は、フィルタ処理後の心臓の活動電位情報を記憶装置に記憶させる。
【0079】
(S503)
ステップS503では、表示部504が、ステップS502においてノイズ除去された心臓の活動電位の波形をタッチパネルディスプレイ51に表示する。
【0080】
(S504)
ステップS504では、通信部501が、外部装置から心臓の活動電位情報の測定が終了した旨を受信する。
【0081】
(S505)
ステップS505では、判定部503が、心機能指標の判定を行う。すなわち、判定部503は、ステップS502において記憶装置に記憶されたフィルタ処理後の心臓の活動電位情報の波形から所定のアルゴリズムによる解析により周波数スペクトルを取得する。そして、周波数スペクトルに基づいて心機能指標が異常であるか否かの判定を行う。
【0082】
(S506)
ステップS506では、表示部504が、ステップS505における心機能指標の判定結果をタッチパネルディスプレイ51の所定領域に表示する。
【0083】
(S507)
ステップS507では、通信部501が、ステップS505における心機能指標の判定結果を外部装置に送信する。
【0084】
(生体情報測定システム1の動作例)
図7は、生体情報測定システム1の全体によって実行される生体情報測定フローの一例を例示する。
【0085】
(S1001)
ステップS1001では、測定対象者が片腕にベルト11を巻き付けることで生体情報測定装置10を固定する。そして、測定対象者がタッチパネルディスプレイ23を指でタップする。すると、操作受付部106がこの操作入力を受け付ける。そして、操作受付部106は、操作入力されたことを血圧測定制御部103および心電制御部101に通知する。
【0086】
(S1002)
ステップS1002では、血圧の測定が開始される。より詳細には、ステップS1001において操作入力されたことを通知された血圧測定制御部103は、排気弁19の弁の開度を閉じるような制御信号を生成する。そして血圧測定制御部103は、圧迫用カフ12およびセンシングカフ15に所定期間、所定の空気量を送り込むようポンプ16の駆動信号を生成する。また、血圧測定制御部103は、所定期間経過後にポンプ16の駆動を停止させる駆動信号を生成する。また血圧測定制御部103は、所定期間経過後に排気弁19の弁の開度を徐々に開くような制御信号を生成する。そして、血圧測定制御部103は、生成した制御信号および駆動信号を排気弁19およびポンプ16に送信する。
【0087】
(S1003)
ステップS1003では、ステップS1002において生成された駆動信号をポンプ16が受信すると、ポンプ16から圧迫用カフ12およびセンシングカフ15に所定量の空気が送り込まれる。また、ステップS1002において生成された制御信号を排気弁19が受信すると、排気弁19の弁の開度は閉じられる。よって、圧迫用カフ12およびセンシングカフ15は膨張し続けることになる。よって、センシングカフ15が測定対象者の腕に向かって押し当てられる。また、このようなセンシングカフ15が測定対象者の腕の押圧する度合いは増大し続ける。血圧測定制御部103は、このようにセンシングカフ15が測定対象者の腕を押圧し続けている間、圧力センサ18を介してセンシングカフ15の内圧を取得する。また、所定期間経過後にポンプ16の駆動が停止され、排気弁19の弁の開度が徐々に開かれる。そして、血圧測定制御部103は、このような間も圧力センサ18を介してセンシングカフ15の内圧を取得し続ける。なお、ステップS1003は、本開示の「測定ステップ」の一例である。
【0088】
(S1004)
ステップS1004では、血圧測定制御部103がステップS1003において圧力センサ18を介して逐次取得したセンシングカフ15の内圧を記憶装置に記憶するよう記憶部104に命令する。記憶部104は、命令を受けてセンシングカフ15の内圧を記憶装置に記憶させる。
【0089】
(S1005)
ステップS1005では、血圧測定制御部103がステップS1003において圧力センサ18を介して逐次取得したセンシングカフ15の内圧をタッチパネルディスプレイ23に表示するよう表示制御部107に命令する。表示制御部107では、血圧測定制御部103からセンシングカフ15の内圧情報を受けて、該内圧情報をタッチパネルディスプレイ23の所定領域(例えば上半分)に表示するよう表示部108に命令する。そして、表示部108は、表示制御部107からの命令を受けてセンシングカフ15の内圧情報をタッチパネルディスプレイ23に表示する。図8は、センシングカフ15の内圧情報が画面の上半分に表示されたタッチパネルディスプレイ23の概要を例示する。
【0090】
(S1006)
ステップS1006では、血圧測定制御部103がステップS1003において圧力センサ18を介して逐次取得したセンシングカフ15の内圧を利用して収縮期血圧値および拡張期血圧値を演算する(本開示の「第1処理ステップ」の一例)。すなわち、例えば排気弁19の弁の開度が徐々に開かれていく過程でセンシングカフ15の内圧に所定の振動が検出された場合、その時のセンシングカフ15の内圧を収縮期血圧値と決定する。また、収縮期血圧値が検出された後に、センシングカフ15の内圧に所定の振動が検出されなくなった場合、その時のセンシングカフ15の内圧を拡張期血圧値と決定する。また、血圧測定制御部103は、収縮期血圧値の検出から拡張期血圧値の検出時までの間のセンシングカフ15の内圧の振動数を利用して1分間の脈拍数を演算する。そして、血圧測定制御部103は、演算された収縮期血圧値、拡張期血圧値、および脈拍数を記憶装置に記憶するよう記憶部104に命令する。記憶部104は、命令を受けて収縮期血圧値、拡張期血圧値、および脈拍数を記憶装置に記憶させる。
【0091】
(S1007)
ステップS1007では、血圧測定制御部103が収縮期血圧値および拡張期血圧値を演算した場合、血圧測定制御部103は血圧測定が終了したと判定する。そして、血圧測定制御部103は、記憶装置に記憶させている収縮期血圧値、拡張期血圧値、および脈拍数をタッチパネルディスプレイ23に表示するよう表示制御部107に命令する。
【0092】
(S1008)
ステップS1008では、ステップS1007において血圧測定制御部103からの命令を受けた表示制御部107が、収縮期血圧値、拡張期血圧値、および脈拍数を記憶装置から読み出してタッチパネルディスプレイ23の上半分の領域に表示するよう表示部108に命令する。図9は、このように収縮期血圧値、拡張期血圧値、および脈拍数が表示されたタッチパネルディスプレイ23の概要図の一例である。
【0093】
また、表示制御部107は、図9に示される収縮期血圧値、拡張期血圧値、および脈拍数の表示を開始するよう表示部108に命令する。なお、表示制御部107は、後述するステップS1026における心機能指標の判定結果の表示も同時に開始するよう表示部108に命令する。表示部108は、表示制御部107からの命令を受けて図9に示されるようにタッチパネルディスプレイ23の上半分の領域に収縮期血圧値、拡張期血圧値、および脈拍数を表示し、下半分の領域に心機能指標の判定結果(後述する)を表示する。なお、ステップS1008は、本開示の「表示ステップ」の一例である。
【0094】
(S1009)
ステップS1009では、ステップS1001において操作受付部106からタッチパネルディスプレイ23が操作入力されたことを通知された心電制御部101は、心臓の活動電位の測定を開始する。すなわち、心電制御部101は心電測定回路22に設けられたスイッチ等の部品を電極20Bの電位を基準電位とした電極20Aと電極21との電位差を測定可能なように制御する。また、測定対象者は、電極20Aおよび電極20Bを生体情報測定装置10が装着された腕とは逆の腕の指でそれぞれ触る。
【0095】
(S1010)
ステップS1010では、心電信号品質判定部102が、心電測定回路22から電極20Bの電位を基準電位とした電極20Aと電極21との間の電位差を取得する。そして、心電信号品質判定部102は、電位差について心臓の活動電位情報を解析可能と判定する。そして、心電信号品質判定部102は、電位差を心臓の活動電位と決定する。そして、心電信号品質判定部102は、心臓の活動電位情報が解析可能と判定されたことを通信部105に入力する。なお、ステップS1010は、本開示の「測定ステップ」の一例である。
【0096】
(S1011)
ステップS1011では、通信部105は、ステップS1010において心臓の活動電位情報の入力を受けて、スマートフォン50の通信部501に向けて接続要求を送信する。そして、通信部105は、スマートフォン50の通信部501から接続要求の受諾信号を受信する。
【0097】
(S1012)
ステップS1012では、ステップS1011において通信部501から接続要求信号を受信した通信部105が、心臓の活動電位情報を通信部501に送信する。なお、このような心臓の活動電位情報は継続的に心電測定回路22を介して取得され、通信部501に送信される。なお、ステップS1011は、本開示の「第1送信ステップ」の一例である。
【0098】
(S1013)
ステップS1013では、心電制御部101が、心臓の活動電位情報を記憶装置に記憶させるよう記憶部104に命令する。記憶部104は、心電制御部101からの命令を受けて心臓の活動電位情報を記憶装置に記憶させる。
【0099】
(S1014)
ステップS1014では、心電制御部101が心臓の活動電位の測定ステータスをタッチパネルディスプレイ23に表示するよう表示制御部107に命令する。表示制御部107は、心電制御部101からの命令を受けて、図8に示されるように心臓の活動電位の測定ステータスをタッチパネルディスプレイ23の下半分に表示するよう表示部108に命令する。
【0100】
より詳細には、表示制御部107は、タッチパネルディスプレイ23の下半分に「OK
」および「NG」の文字を表示するよう表示部108に命令する。また、表示制御部107は、「OK」および「NG」の夫々に対応する波形を表示するよう表示部108に命令する。また、心臓の活動電位の測定ステータスが正常である場合、表示制御部107は「OK」部分を点滅させるよう表示部108に命令する。一方、心臓の活動電位の測定ステータスが異常である場合、表示制御部107は「NG」部分を点滅させるよう表示部108に命令する。
【0101】
表示部108は、表示制御部107からの命令に従い上記の情報をタッチパネルディスプレイ23に表示させる。図8では、心臓の活動電位の測定ステータスが正常である場合が例示されている。なお、図8に示されるようにタッチパネルディスプレイ23の上半分には、ステップS1005における処理が実行されることで、センシングカフ15の内圧が表示されている。
【0102】
(S1015)
ステップS1015では、ステップS1009における心臓の活動電位の測定開始から所定期間経過すると、心電制御部101が心臓の活動電位の測定を終了する。すなわち、心電制御部101は心電測定回路22に設けられたスイッチ等の部品を電極20Bの電位を基準電位とした電極20Aと電極21の電位差を測定しないように制御する。
【0103】
(S1016)
ステップS1016では、通信部105がスマートフォン50の通信部501に対して心臓の活動電位情報の測定が終了したことを送信する。
【0104】
(S1017)
ステップS1017では、スマートフォン50の通信部501が、ステップS1012において生体情報測定装置10の通信部105から送信された心臓の活動電位情報を受信する。また、このような心臓の活動電位情報は継続的に受信される。よって、受信された心臓の活動電位情報はグラフ化された場合に波形を形成し得る。なお、ステップS1017は、本開示の「第1受信ステップ」の一例である。
【0105】
(S1018)
ステップS1018では、フィルタ部502が、ステップS1017において受信した心臓の活動電位の波形におけるノイズ成分を除去するためにフィルタ処理を実行する。また、記憶部505は、フィルタ処理後の心臓の活動電位情報を記憶装置に記憶させる。なお、ステップS1018は、本開示の「第2処理ステップ」の一例である。
【0106】
(S1019)
ステップS1019では、表示部504が、ステップS1018においてノイズ除去された心臓の活動電位の波形をタッチパネルディスプレイ51に表示する。
【0107】
(S1020)
ステップS1020では、通信部501が、ステップS1016において生体情報測定
装置10の通信部105から送信された、心臓の活動電位情報の測定が終了した旨を受信する。
【0108】
(S1021)
ステップS1021では、判定部503が、心機能指標の判定を行う。すなわち、判定部503は、ステップS1018において記憶装置に記憶されたフィルタ処理後の心臓の活動電位情報の波形から、例えば心拍数情報を取得する。そして判定部503は、心拍数情報が所定値よりも高いか否かを判定する。また、判定部503は、心臓の活動電位情報の波形に対して、例えばFFT解析を行うことで心調律に異常があるか否かを判定する。なお、ステップS1021は、本開示の「第2処理ステップ」の一例である。
【0109】
(S1022)
ステップS1022では、表示部504が、ステップS1021における心機能指標の判定結果をタッチパネルディスプレイ51に表示する。図10は、タッチパネルディスプレイ51に表示される心機能指標の判定結果の概要を例示する。ここで、表示部504は、図10に示されるように、心臓の活動電位の波形が表示されている領域とは異なる領域に心機能指標の判定結果を表示する。なお、図10に示される例では、心機能指標の判定結果が正常(Normal)である場合が例示されている。
【0110】
(S1023)
ステップS1023では、通信部501が、ステップS1021における心機能指標の判定結果を生体情報測定装置10の通信部105に送信する。なお、ステップS1023は、本開示の「第2送信ステップ」の一例である。
【0111】
(S1024)
ステップS1024では、生体情報測定装置10の通信部105が、ステップS1023においてスマートフォン50の通信部501から送信された心機能指標の判定結果を受信する。なお、ステップS1024は、本開示の「第2受信ステップ」の一例である。
【0112】
(S1025)
ステップS1025では、記憶部104が、ステップS1024において受信した心機能指標の判定結果を記憶装置に記憶させる。
【0113】
(S1026)
ステップS1026では、表示制御部107が、ステップS1024において受信した心機能指標の判定結果をタッチパネルディスプレイ23の下半分に表示するよう表示部108に命令する。なお、前述したように、心機能指標の判定結果の表示は、収縮期血圧、拡張期血圧値、および脈拍数の表示(ステップS1008)と同時に開始するよう表示制御部107は表示部108に命令する。
【0114】
より詳細には、図9に示されるように、表示制御部107は、タッチパネルディスプレイ23の下半分に「Normal」および「Abnormal」の文字を表示するよう表示部108に命令する。
【0115】
また、心機能指標の判定結果が例えば正常である場合、表示制御部107は「Normal」部分を点滅させるよう表示部108に命令する。あるいは、例えば心機能指標の判定結果が異常である場合、表示制御部107は「Abnormal」部分を点滅させるよう表示部108に命令する。表示部108は、表示制御部107からの命令に従い上記の情報をタッチパネルディスプレイ23に表示させる。図9では、心機能指標の判定結果が正常である場合が例示されている。なお、ステップS1026は、本開示の「表示ステッ
プ」の一例である。
【0116】
[作用・効果]
上記のような生体情報測定システム1によれば、心臓の活動電位の波形に対するフィルタ処理が生体情報測定装置10において実行される場合と比較して生体情報測定装置10の演算コストは節減される。よって、生体情報測定装置10に搭載されるプロセッサにスマートフォン50のプロセッサよりも演算性能が抑えられたMCU24を採用することができる。よって、生体情報測定装置10のプロセッサのサイズの大型化や消費電力の増加を抑制できる。よって、図1および図2に示されるように血圧と心臓の活動電位という2つの生体情報を測定可能な部品が搭載されている生体情報測定装置10の大型化は抑制される。よって、生体情報測定装置10の携帯は容易となり、利便性は向上する。
【0117】
また、上記のような生体情報測定システム1によれば、比較的演算コストを要する心臓の活動電位の波形に対するフィルタ処理および心機能指標の判定処理がスマートフォン50において実行されている。よって、生体情報測定装置10においてこれらの処理が実行される場合と比較してシステム全体としての処理速度は向上する。よって、生体情報測定装置10は、収縮期血圧値、拡張期血圧値、および脈拍数と(ステップS1008)、心機能指標の判定結果と(ステップS1026)をリアルタイムかつ同時に表示することができる(図9参照)。よって、測定対象者は、血圧値と心機能指標という異なる二つの情報を同時に確認することができる。よって、生体情報測定装置10の利便性は向上する。
【0118】
また、上記のような生体情報測定システム1によれば、測定対象者は生体情報測定装置10を携帯していない場合であっても、スマートフォン50のタッチパネルディスプレイ51に表示された心臓の活動電位の波形および心機能指標を確認することができる。
【0119】
また、上記のような生体情報測定システム1によれば、心臓の活動電位情報について生体情報測定装置10からスマートフォン50に送信する(ステップS1012)前に、生体情報測定装置10において安価で低機能なMCU24でも処理可能な簡易な判定により、心臓の活動電位情報が解析可能か否かが判定されている(ステップS1010)。よって、上記のような生体情報測定システム1によれば、スマートフォン50においてフィルタ処理(ステップS1018)や心機能指標の判定処理(ステップS1021)以外の処理が発生することは抑制される。よって、スマートフォン50における演算リソースをフィルタ処理(ステップS1018)や心機能指標の判定処理(ステップS1021)に集中させることができる。よって、処理速度の低下は抑制される。
【0120】
また、上記のような生体情報測定システム1によれば、図8に示されるようにステップS1005において生体情報測定装置10のタッチパネルディスプレイ23にセンシングカフ15の内圧が表示される。また、図8に示されるようにステップS1014において心臓の活動電位の測定ステータスが表示される。よって、測定対象者は血圧測定または心臓の活動電位の測定が正常に実行されているか否かを測定中に認識することができる。よって、測定対象者は、血圧の測定結果や心機能指標の判定結果がタッチパネルディスプレイ23に表示される(ステップS1008およびステップS1026)前に、測定をやり直すことができる。
【0121】
§2 変形例
上記の生体情報測定システム1によれば、心臓の活動電位に関する情報が生体情報測定装置10からスマートフォン50に送信され、スマートフォン50においてフィルタ処理や心機能指標の判定処理が実行されていた。しかしながら、生体情報測定装置10において心臓の活動電位情報にフィルタ処理や心機能指標の判定処理が実行されてもよい。そして、生体情報測定装置10からスマートフォン50に血圧情報が送信され、血圧情報に対
して所定処理が実行されてもよい。
【0122】
また、生体情報測定装置10では、上記に例示した血圧および心臓の活動電位情報の測定以外にも、脈波、経皮的動脈血酸素飽和度、筋繊維から生じる活動電位、生体情報測定装置10の所定方向への加速度、生体情報測定装置10から測定対象者に向けて照射された光の透過または反射強度、生体情報測定装置10の周囲の気温、あるいは生体情報測定装置10が装着された測定対象者の体温が、血圧および心臓の活動電位に加えて又は代替として測定されてもよい。そして、生体情報測定装置10では、これら生体に関する情報のうち少なくとも2つ以上の情報が測定されてもよい。そして、スマートフォン50においてこれらの情報のうちの所定情報に所定処理が実行されてもよい。また、生体情報測定装置10からスマートフォン50に送信されて所定処理が実行される測定情報は複数であってもよい。このような生体情報測定システムであっても、実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0123】
また、上記の実施形態ではスマートフォン50において心臓の活動電位情報に対して実行される処理としてフィルタ処理および心機能指標の判定処理が例示されているが、スマートフォン50における処理はこのような例に限定されない。
【0124】
また、上記の実施形態ではステップS1008およびステップS1026に示されるように収縮期血圧値、拡張期血圧値および脈拍数と、心機能指標の判定結果とがタッチパネルディスプレイ23に同時に表示されているが、これらの測定結果は同時に表示されなくともよい。
【0125】
また、スマートフォン50のタッチパネルディスプレイ51には、心臓の活動電位の波形または心機能指標の判定結果は表示されなくともよい。
【0126】
また、生体情報測定装置10において血圧測定フロー(ステップS1002-ステップS1007)と、心臓の活動電位の測定フローの一部(ステップS1009-ステップS1016)とは逐次処理されてもよいし、並列処理されてもよい。
【0127】
また、上記の実施形態では、血圧と心機能指標という異なる2つの生体情報がタッチパネルディスプレイ23に表示される例を示したが、センシングカフ15の内圧に関する出力が取得され(本開示の「第1情報」および「第2情報」の一例)、センシングカフ15の内圧(本開示の「表示に関わる第1処理が実行された後の第1情報」の一例)と、センシングカフ15の内圧に関する出力に基づいて演算された血圧情報(本開示の「表示に関わる第2処理が実行された後の第2情報」の一例)とがタッチパネルディスプレイ23に表示されてもよい。このような場合、センシングカフ15の内圧に関する出力に基づく血圧の演算がスマートフォン50において実行されてもよい。
【0128】
また、スマートフォン50の代替として、生体情報測定装置10が有するMCU24と演算性能が同等もしくは低いMCUを搭載した端末が採用されてもよい。
【0129】
また、生体情報測定装置10の血圧を測定するための構造は、図1および図2に示される例に限定されない。
【0130】
以上で開示した実施形態や変形例はそれぞれ組み合わせる事ができる。
【符号の説明】
【0131】
1 :生体情報測定システム
10 :生体情報測定装置
11 :ベルト
12 :圧迫用カフ
14 :背板
15 :センシングカフ
16 :ポンプ
17 :駆動回路
18 :圧力センサ
19 :排気弁
20A :電極
20B :電極
21 :電極
22 :心電測定回路
23 :タッチパネルディスプレイ
25 :通信モジュール
26 :主記憶装置
27 :補助記憶装置
28 :電源
29 :演算回路
50 :スマートフォン
51 :タッチパネルディスプレイ
101 :心電制御部
102 :心電信号品質判定部
103 :血圧測定制御部
104 :記憶部
105 :通信部
106 :操作受付部
107 :表示制御部
108 :表示部
501 :通信部
502 :フィルタ部
503 :判定部
504 :表示部
505 :記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10