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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】車載システム、管理装置及び管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/3209 20190101AFI20250109BHJP
   G06F 1/3287 20190101ALI20250109BHJP
   H04L 13/00 20060101ALI20250109BHJP
   B60R 16/03 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
G06F1/3209
G06F1/3287
H04L13/00
B60R16/03 Z
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022005076
(22)【出願日】2022-01-17
(65)【公開番号】P2023104213
(43)【公開日】2023-07-28
【審査請求日】2024-05-22
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】谷中 裕太
(72)【発明者】
【氏名】澤野 峻一
【審査官】漆原 孝治
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-029215(JP,A)
【文献】特開2015-107672(JP,A)
【文献】特開2012-205035(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/3209
G06F 1/3287
H04L 13/00
B60R 16/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信バスに接続されている第1車載装置及び第2車載装置と、
処理を実行する処理部と
を備え、
消費電力が小さい小電力状態で、前記第1車載装置が前記通信バスを介して第1データ又は第2データを受信した場合、前記第1車載装置の状態は、前記小電力状態の消費電力よりも消費電力が大きい大電力状態に遷移し、
消費電力が小さい小電力状態で前記第2車載装置が前記通信バスを介して前記第1データを受信した場合に前記第2車載装置の状態は前記小電力状態に維持され、
前記小電力状態で前記第2車載装置が前記通信バスを介して前記第2データを受信した場合に前記第2車載装置の状態は、前記小電力状態の消費電力よりも消費電力が大きい大電力状態に遷移し、
前記処理部は、
前記通信バスを介した前記第1データの送信を指示することによって、前記第1車載装置の状態を前記大電力状態に遷移させ、
前記通信バスを介した前記第2データの送信を指示することによって、前記第1車載装置及び第2車載装置の状態を前記大電力状態に遷移させ
送信先が、前記第1車載装置及び第2車載装置を含み、消費電力が小さい小電力状態、又は、前記小電力状態の消費電力よりも消費電力が大きい大電力状態に状態が遷移する複数の車載装置中の1つであるデータを受信する受信部を備え、
前記処理部は、前記受信部がデータを受信した場合に、前記受信部が受信したデータの送信先の状態が前記小電力状態であるか否かを判定し、
送信先の状態が小電力状態であると判定した場合、送信先の状態が小電力状態から大電力状態に遷移するまで待機する
車載システム。
【請求項2】
通信バスに接続されている第1車載装置及び第2車載装置と、
処理を実行する処理部と
を備え、
消費電力が小さい小電力状態で、前記第1車載装置が前記通信バスを介して第1データ又は第2データを受信した場合、前記第1車載装置の状態は、前記小電力状態の消費電力よりも消費電力が大きい大電力状態に遷移し、
消費電力が小さい小電力状態で前記第2車載装置が前記通信バスを介して前記第1データを受信した場合に前記第2車載装置の状態は前記小電力状態に維持され、
前記小電力状態で前記第2車載装置が前記通信バスを介して前記第2データを受信した場合に前記第2車載装置の状態は、前記小電力状態の消費電力よりも消費電力が大きい大電力状態に遷移し、
前記処理部は、
前記通信バスを介した前記第1データの送信を指示することによって、前記第1車載装置の状態を前記大電力状態に遷移させ、
前記通信バスを介した前記第2データの送信を指示することによって、前記第1車載装置及び第2車載装置の状態を前記大電力状態に遷移させ、
前記第1データ又は前記第2データによって遷移した前記第1車載装置及び第2車載装置の状態に関する情報をテーブル形式にて記憶部に記憶し、
前記テーブル形式にて記憶される情報は、車両に関する複数の車両動作に関する情報に対応している
車載システム。
【請求項3】
前記第1車載装置の数は2以上である
請求項1又は請求項2に記載の車載システム。
【請求項4】
前記第1車載装置の消費電力量の最大値は、前記第2車載装置の消費電力量の最大値未満である
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車載システム。
【請求項5】
スイッチを介して電力が供給される第3車載装置を備え、
前記スイッチがオフからオンに切替わった場合、前記第3車載装置の状態は、消費電力が小さい小電力状態から、前記小電力状態の消費電力よりも消費電力が大きい大電力状態に遷移し、
前記処理部は、前記スイッチのオンへの切替えを指示することによって、前記第3車載装置の状態を前記大電力状態に遷移させる
請求項1から請求項のいずれか1項に記載の車載システム。
【請求項6】
前記第3車載装置の数は2以上であり、
共通の前記スイッチを介して複数の第3車載装置に電力が供給される
請求項に記載の車載システム。
【請求項7】
前記第1車載装置又は第2車載装置の暗電流は、前記第3車載装置の暗電流未満である
請求項又は請求項に記載の車載システム。
【請求項8】
前記第3車載装置は前記通信バスに接続されていない
請求項から請求項のいずれか1項に記載の車載システム。
【請求項9】
前記処理部は、車両に関する複数の車両動作中の1つの車両動作の実行が指示された場合、前記第1車載装置及び第2車載装置を含み、消費電力が小さい小電力状態、又は、前記小電力状態の消費電力よりも消費電力が大きい大電力状態に状態が遷移する複数の車載装置の中で、実行が指示された車両動作の実現に必要な全ての車載装置の状態を前記大電力状態に遷移させる
請求項1から請求項のいずれか1項に記載の車載システム。
【請求項10】
前記処理部は、前記複数の車両動作の中で実行されている車両動作の数が低下した場合、実行中の車両動作の実現に不要な車載装置の状態を前記小電力状態に遷移させる
請求項に記載の車載システム。
【請求項11】
送信先が、前記第1車載装置及び第2車載装置を含み、消費電力が小さい小電力状態、又は、前記小電力状態の消費電力よりも消費電力が大きい大電力状態に状態が遷移する複数の車載装置中の1つであるデータを受信する受信部を備え、
前記処理部は、前記受信部がデータを受信した場合に、前記受信部が受信したデータの送信先の状態が前記小電力状態であるか否かを判定する
請求項に記載の車載システム。
【請求項12】
通信バスに接続されている第1車載装置及び第2車載装置を備え、消費電力が小さい小電力状態で、前記第1車載装置が前記通信バスを介して第1データ又は第2データを受信した場合、前記第1車載装置の状態は、前記小電力状態の消費電力よりも消費電力が大きい大電力状態に遷移し、消費電力が小さい小電力状態で前記第2車載装置が前記通信バスを介して前記第1データを受信した場合に前記第2車載装置の状態は前記小電力状態に維持され、前記小電力状態で前記第2車載装置が前記通信バスを介して前記第2データを受信した場合に前記第2車載装置の状態は、前記小電力状態の消費電力よりも消費電力が大きい大電力状態に遷移する車載システムの消費電力を管理する管理装置であって、
処理を実行する処理部を備え、
前記処理部は、
前記通信バスを介した前記第1データの送信を指示することによって、前記第2車載装置の前記小電力状態を維持しながら、前記第1車載装置の状態を前記大電力状態に遷移させ、
前記通信バスを介した前記第2データの送信を指示することによって、前記第1車載装置及び第2車載装置の状態を前記小電力状態から前記大電力状態に遷移させ
送信先が、前記第1車載装置及び第2車載装置を含み、消費電力が小さい小電力状態、又は、前記小電力状態の消費電力よりも消費電力が大きい大電力状態に状態が遷移する複数の車載装置中の1つであるデータを受信する受信部を備え、
前記処理部は、前記受信部がデータを受信した場合に、前記受信部が受信したデータの送信先の状態が前記小電力状態であるか否かを判定し、
送信先の状態が小電力状態であると判定した場合、送信先の状態が小電力状態から大電力状態に遷移するまで待機する
管理装置。
【請求項13】
通信バスに接続されている第1車載装置及び第2車載装置を備え、消費電力が小さい小電力状態で、前記第1車載装置が前記通信バスを介して第1データ又は第2データを受信した場合、前記第1車載装置の状態は、前記小電力状態の消費電力よりも消費電力が大きい大電力状態に遷移し、消費電力が小さい小電力状態で前記第2車載装置が前記通信バスを介して前記第1データを受信した場合に前記第2車載装置の状態は前記小電力状態に維持され、前記小電力状態で前記第2車載装置が前記通信バスを介して前記第2データを受信した場合に前記第2車載装置の状態は、前記小電力状態の消費電力よりも消費電力が大きい大電力状態に遷移する車載システムの消費電力を管理する管理装置であって、
処理を実行する処理部を備え、
前記処理部は、
前記通信バスを介した前記第1データの送信を指示することによって、前記第2車載装置の前記小電力状態を維持しながら、前記第1車載装置の状態を前記大電力状態に遷移させ、
前記通信バスを介した前記第2データの送信を指示することによって、前記第1車載装置及び第2車載装置の状態を前記小電力状態から前記大電力状態に遷移させ、
前記第1データ又は前記第2データによって遷移した前記第1車載装置及び第2車載装置の状態に関する情報をテーブル形式にて記憶部に記憶し、
前記テーブル形式にて記憶される情報は、車両に関する複数の車両動作に関する情報に対応している
管理装置。
【請求項14】
通信バスに接続されている第1車載装置及び第2車載装置を備え、消費電力が小さい小電力状態で、前記第1車載装置が前記通信バスを介して第1データ又は第2データを受信した場合、前記第1車載装置の状態は、前記小電力状態の消費電力よりも消費電力が大きい大電力状態に遷移し、消費電力が小さい小電力状態で前記第2車載装置が前記通信バスを介して前記第1データを受信した場合に前記第2車載装置の状態は前記小電力状態に維持され、前記小電力状態で前記第2車載装置が前記通信バスを介して前記第2データを受信した場合に前記第2車載装置の状態は、前記小電力状態の消費電力よりも消費電力が大きい大電力状態に遷移する車載システムの消費電力を管理する管理方法であって、
前記通信バスを介した前記第1データの送信を指示することによって、前記第2車載装置の前記小電力状態を維持しながら、前記第1車載装置の状態を前記大電力状態に遷移させるステップと、
前記通信バスを介した前記第2データの送信を指示することによって、前記第1車載装置及び第2車載装置の状態を前記小電力状態から前記大電力状態に遷移させるステップと
送信先が、前記第1車載装置及び第2車載装置を含み、消費電力が小さい小電力状態、又は、前記小電力状態の消費電力よりも消費電力が大きい大電力状態に状態が遷移する複数の車載装置中の1つであるデータを受信する受信部がデータを受信した場合に、前記受信部が受信したデータの送信先の状態が前記小電力状態であるか否かを判定するステップと、
送信先の状態が小電力状態であると判定した場合、送信先の状態が小電力状態から大電力状態に遷移するまで待機するステップと
をコンピュータに実行させる管理方法。
【請求項15】
通信バスに接続されている第1車載装置及び第2車載装置を備え、消費電力が小さい小電力状態で、前記第1車載装置が前記通信バスを介して第1データ又は第2データを受信した場合、前記第1車載装置の状態は、前記小電力状態の消費電力よりも消費電力が大きい大電力状態に遷移し、消費電力が小さい小電力状態で前記第2車載装置が前記通信バスを介して前記第1データを受信した場合に前記第2車載装置の状態は前記小電力状態に維持され、前記小電力状態で前記第2車載装置が前記通信バスを介して前記第2データを受信した場合に前記第2車載装置の状態は、前記小電力状態の消費電力よりも消費電力が大きい大電力状態に遷移する車載システムの消費電力を管理する管理方法であって、
前記通信バスを介した前記第1データの送信を指示することによって、前記第2車載装置の前記小電力状態を維持しながら、前記第1車載装置の状態を前記大電力状態に遷移させるステップと、
前記通信バスを介した前記第2データの送信を指示することによって、前記第1車載装置及び第2車載装置の状態を前記小電力状態から前記大電力状態に遷移させるステップと、
前記第1データ又は前記第2データによって遷移した前記第1車載装置及び第2車載装置の状態に関する情報をテーブル形式にて記憶部に記憶するステップと、
をコンピュータに実行させ、
前記テーブル形式にて記憶される情報は、車両に関する複数の車両動作に関する情報に対応している
管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車載システム、管理装置及び管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数のECU(Electronic Control Unit)が通信バスに接続されている車載システムが開示されている。各ECUは、通信バスを介して他のECUと通信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-182679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の車載システムでは、複数のECUの消費電力について考慮されていない。
【0005】
本開示は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、小さい消費電力を実現することができる車載システム、管理装置及び管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る車載システムは、通信バスに接続されている第1車載装置及び第2車載装置と、処理を実行する処理部とを備え、消費電力が小さい小電力状態で、前記第1車載装置が前記通信バスを介して第1データ又は第2データを受信した場合、前記第1車載装置の状態は、前記小電力状態の消費電力よりも消費電力が大きい大電力状態に遷移し、消費電力が小さい小電力状態で前記第2車載装置が前記通信バスを介して前記第1データを受信した場合に前記第2車載装置の状態は前記小電力状態に維持され、前記小電力状態で前記第2車載装置が前記通信バスを介して前記第2データを受信した場合に前記第2車載装置の状態は、前記小電力状態の消費電力よりも消費電力が大きい大電力状態に遷移し、前記処理部は、前記通信バスを介した前記第1データの送信を指示することによって、前記第1車載装置の状態を前記大電力状態に遷移させ、前記通信バスを介した前記第2データの送信を指示することによって、前記第1車載装置及び第2車載装置の状態を前記大電力状態に遷移させる。
【0007】
本開示の一態様に係る管理装置は、通信バスに接続されている第1車載装置及び第2車載装置を備え、消費電力が小さい小電力状態で、前記第1車載装置が前記通信バスを介して第1データ又は第2データを受信した場合、前記第1車載装置の状態は、前記小電力状態の消費電力よりも消費電力が大きい大電力状態に遷移し、消費電力が小さい小電力状態で前記第2車載装置が前記通信バスを介して前記第1データを受信した場合に前記第2車載装置の状態は前記小電力状態に維持され、前記小電力状態で前記第2車載装置が前記通信バスを介して前記第2データを受信した場合に前記第2車載装置の状態は、前記小電力状態の消費電力よりも消費電力が大きい大電力状態に遷移する車載システムの消費電力を管理する管理装置であって、処理を実行する処理部を備え、前記処理部は、前記通信バスを介した前記第1データの送信を指示することによって、前記第2車載装置の前記小電力状態を維持しながら、前記第1車載装置の状態を前記大電力状態に遷移させ、前記通信バスを介した前記第2データの送信を指示することによって、前記第1車載装置及び第2車載装置の状態を前記小電力状態から前記大電力状態に遷移させる。
【0008】
本開示の一態様に係る管理方法は、通信バスに接続されている第1車載装置及び第2車載装置を備え、消費電力が小さい小電力状態で、前記第1車載装置が前記通信バスを介して第1データ又は第2データを受信した場合、前記第1車載装置の状態は、前記小電力状態の消費電力よりも消費電力が大きい大電力状態に遷移し、消費電力が小さい小電力状態で前記第2車載装置が前記通信バスを介して前記第1データを受信した場合に前記第2車載装置の状態は前記小電力状態に維持され、前記小電力状態で前記第2車載装置が前記通信バスを介して前記第2データを受信した場合に前記第2車載装置の状態は、前記小電力状態の消費電力よりも消費電力が大きい大電力状態に遷移する車載システムの消費電力を管理する管理方法であって、前記通信バスを介した前記第1データの送信を指示することによって、前記第2車載装置の前記小電力状態を維持しながら、前記第1車載装置の状態を前記大電力状態に遷移させるステップと、前記通信バスを介した前記第2データの送信を指示することによって、前記第1車載装置及び第2車載装置の状態を前記小電力状態から前記大電力状態に遷移させるステップとをコンピュータに実行させる。
【0009】
なお、本開示を、このような特徴的な処理部を備える車載システム又は管理装置として実現することができるだけでなく、かかる特徴的な処理をステップとする管理方法として実現したり、かかるステップをコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムとして実現したりすることができる。また、本開示を、車載システム又は管理装置の一部又は全部を実現する半導体集積回路として実現したり、管理装置を含む車載システムとして実現したりすることができる。
【発明の効果】
【0010】
上記の態様によれば、小さい消費電力を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態1における車載システムの要部構成を示すブロック図である。
図2】管理装置によって状態が管理される対象を示す図表である。
図3】第1ECUの要部構成を示すブロック図である。
図4】小電力状態の実現方法の説明図である。
図5】第3ECUの要部構成を示すブロック図である。
図6】管理装置の要部構成を示すブロック図である。
図7】動作状態テーブル及び対象状態テーブルの内容を示す図表である。
図8】状態遷移処理の手順を示すフローチャートである。
図9】第1ECUから第5ECUの特徴を示す図表である。
図10】実施形態2における車載システムの要部構成を示すブロック図である。
図11】管理装置の要部構成を示すブロック図である。
図12】中継処理の手順を示すフローチャートである。
図13】第1ECUから第5ECUの特徴を説明するための図表である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列挙して説明する。以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0013】
(1)本開示の一態様に係る車載システムは、通信バスに接続されている第1車載装置及び第2車載装置と、処理を実行する処理部とを備え、消費電力が小さい小電力状態で、前記第1車載装置が前記通信バスを介して第1データ又は第2データを受信した場合、前記第1車載装置の状態は、前記小電力状態の消費電力よりも消費電力が大きい大電力状態に遷移し、消費電力が小さい小電力状態で前記第2車載装置が前記通信バスを介して前記第1データを受信した場合に前記第2車載装置の状態は前記小電力状態に維持され、前記小電力状態で前記第2車載装置が前記通信バスを介して前記第2データを受信した場合に前記第2車載装置の状態は、前記小電力状態の消費電力よりも消費電力が大きい大電力状態に遷移し、前記処理部は、前記通信バスを介した前記第1データの送信を指示することによって、前記第1車載装置の状態を前記大電力状態に遷移させ、前記通信バスを介した前記第2データの送信を指示することによって、前記第1車載装置及び第2車載装置の状態を前記大電力状態に遷移させる。
【0014】
(2)本開示の一態様に係る車載システムでは、前記第1車載装置の数は2以上である。
【0015】
(3)本開示の一態様に係る車載システムでは、前記第1車載装置の消費電力量の最大値は、前記第2車載装置の消費電力量の最大値未満である。
【0016】
(4)本開示の一態様に係る車載システムは、スイッチを介して電力が供給される第3車載装置を備え、前記スイッチがオフからオンに切替わった場合、前記第3車載装置の状態は、消費電力が小さい小電力状態から、前記小電力状態の消費電力よりも消費電力が大きい大電力状態に遷移し、前記処理部は、前記スイッチのオンへの切替えを指示することによって、前記第3車載装置の状態を前記大電力状態に遷移させる。
【0017】
(5)本開示の一態様に係る車載システムでは、前記第3車載装置の数は2以上であり、
共通の前記スイッチを介して複数の第3車載装置に電力が供給される。
【0018】
(6)本開示の一態様に係る車載システムでは、前記第1車載装置又は第2車載装置の暗電流は、前記第3車載装置の暗電流未満である。
【0019】
(7)本開示の一態様に係る車載システムでは、前記第3車載装置は前記通信バスに接続されていない。
【0020】
(8)本開示の一態様に係る車載システムでは、前記処理部は、車両に関する複数の車両動作中の1つの車両動作の実行が指示された場合、前記第1車載装置及び第2車載装置を含み、消費電力が小さい小電力状態、又は、前記小電力状態の消費電力よりも消費電力が大きい大電力状態に状態が遷移する複数の車載装置の中で、実行が指示された車両動作の実現に必要な全ての車載装置の状態を前記大電力状態に遷移させる。
【0021】
(9)本開示の一態様に係る車載システムでは、前記処理部は、前記複数の車両動作の中で実行されている車両動作の数が低下した場合、実行中の車両動作の実現に不要な車載装置の状態を前記小電力状態に遷移させる。
【0022】
(10)本開示の一態様に係る車載システムでは、送信先が、前記第1車載装置及び第2車載装置を含み、消費電力が小さい小電力状態、又は、前記小電力状態の消費電力よりも消費電力が大きい大電力状態に状態が遷移する複数の車載装置中の1つであるデータを受信する受信部を備え、前記処理部は、前記受信部がデータを受信した場合に、前記受信部が受信したデータの送信先の状態が前記小電力状態であるか否かを判定する。
【0023】
(11)本開示の一態様に係る管理装置は、通信バスに接続されている第1車載装置及び第2車載装置を備え、消費電力が小さい小電力状態で、前記第1車載装置が前記通信バスを介して第1データ又は第2データを受信した場合、前記第1車載装置の状態は、前記小電力状態の消費電力よりも消費電力が大きい大電力状態に遷移し、消費電力が小さい小電力状態で前記第2車載装置が前記通信バスを介して前記第1データを受信した場合に前記第2車載装置の状態は前記小電力状態に維持され、前記小電力状態で前記第2車載装置が前記通信バスを介して前記第2データを受信した場合に前記第2車載装置の状態は、前記小電力状態の消費電力よりも消費電力が大きい大電力状態に遷移する車載システムの消費電力を管理する管理装置であって、処理を実行する処理部を備え、前記処理部は、前記通信バスを介した前記第1データの送信を指示することによって、前記第2車載装置の前記小電力状態を維持しながら、前記第1車載装置の状態を前記大電力状態に遷移させ、前記通信バスを介した前記第2データの送信を指示することによって、前記第1車載装置及び第2車載装置の状態を前記小電力状態から前記大電力状態に遷移させる。
【0024】
(12)本開示の一態様に係る管理方法は、通信バスに接続されている第1車載装置及び第2車載装置を備え、消費電力が小さい小電力状態で、前記第1車載装置が前記通信バスを介して第1データ又は第2データを受信した場合、前記第1車載装置の状態は、前記小電力状態の消費電力よりも消費電力が大きい大電力状態に遷移し、消費電力が小さい小電力状態で前記第2車載装置が前記通信バスを介して前記第1データを受信した場合に前記第2車載装置の状態は前記小電力状態に維持され、前記小電力状態で前記第2車載装置が前記通信バスを介して前記第2データを受信した場合に前記第2車載装置の状態は、前記小電力状態の消費電力よりも消費電力が大きい大電力状態に遷移する車載システムの消費電力を管理する管理方法であって、前記通信バスを介した前記第1データの送信を指示することによって、前記第2車載装置の前記小電力状態を維持しながら、前記第1車載装置の状態を前記大電力状態に遷移させるステップと、前記通信バスを介した前記第2データの送信を指示することによって、前記第1車載装置及び第2車載装置の状態を前記小電力状態から前記大電力状態に遷移させるステップとをコンピュータに実行させる。
【0025】
上記の一態様に係る車載システム、管理装置及び管理方法にあっては、第2車載装置の動作が不要である車両動作が行われる場合、通信バスを介して第1データを送信する。これにより、第2車載装置の状態を小電力状態に維持しつつ、第1車載装置の状態を大電力状態に遷移させることができる。結果、小さい消費電力を実現することができる。
【0026】
上記の一態様に係る車載システムにあっては、第2車載装置の状態を小電力状態に維持しつつ、複数の第1車載装置の状態を大電力状態に遷移させることができる。第2データを送信することによって、複数の第1車載装置の状態を大電力状態に遷移させることができる。
【0027】
上記の一態様に係る車載システムにあっては、第1車載装置として、消費電力量の最大値が小さい装置が用いられる。第2車載装置として、消費電力量の最大値が大きい装置が用いられる。装置の消費電力量は、例えば、一定の所定期間中において装置が作動している期間の長さと、装置の消費電力との積で表される。
【0028】
上記の一態様に係る車載システムにあっては、スイッチをオンに切替えることによって、第3車載装置の状態を大電力状態に遷移させることができる。スイッチがオフである場合、第3車載装置の消費電力は0Wである。
【0029】
上記の一態様に係る車載システムにあっては、スイッチをオンに切替えることによって、複数の第3車載装置の状態を大電力状態に遷移させることができる。
【0030】
上記の一態様に係る車載システムにあっては、第1車載装置又は第2車載装置として、暗電流が小さい装置が用いられる。第3車載装置として、暗電流が大きい装置が用いられる。
【0031】
上記の一態様に係る車載システムにあっては、第3車載装置は通信バスに接続されていない装置である。
【0032】
上記の一態様に係る車載システムにあっては、車両の動作の実行が指示された場合、実行が指示された動作の実現に必要な全ての車載装置の状態を大電力状態に遷移させる。
【0033】
上記の一態様に係る車載システムにあっては、実行中の車両動作の数が低下した場合、実行中の車両動作の実現に不要な車載装置の状態を小電力状態に遷移させる。これにより、更に小さい消費電力を実現することできる。
【0034】
上記の一態様に係る車載システムにあっては、データを受信した場合に、データの送信先の状態が小電力状態であるか否かを判定する。これにより、データが送信先に記憶されているか否かを検知することができる。
【0035】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の実施形態に係る車載システムの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0036】
(実施形態1)
<車載システムの構成>
図1は、実施形態1における車載システム1の要部構成を示すブロック図である。車載システム1は車両Cに搭載されている。車載システム1は、直流電源10、2つの第1ECU11、第2ECU12、2つの第3ECU13、第4ECU14、3つの第5ECU15、スイッチ16,17、駆動回路18,19、管理装置20及び通信バスBa,Bbを備える。直流電源10は、例えばバッテリである。ECUはElectronic Control Unitの略語である。図1では、電力供給に関する接続線は太線で示されている。他の接続線は細線で示されている。第1ECU11、第2ECU12、第3ECU13、第4ECU14及び第5ECU15それぞれは車載装置として機能する。
【0037】
直流電源10の負極は接地されている。接地は、例えば、車両Cのボディへの接続によって実現される。直流電源10の正極は、2つの第1ECU11、第2ECU12、3つの第5ECU15、スイッチ16の一端及びスイッチ17の一端に接続されている。スイッチ16の他端は、2つの第3ECU13に接続されている。スイッチ17の他端は第4ECU14に接続されている。2つの第1ECU11、第2ECU12、2つの第3ECU13、第4ECU14及び3つの第5ECU15それぞれは接地されている。
【0038】
駆動回路18,19は管理装置20に各別に接続されている。2つの第1ECU11、第2ECU12及び管理装置20は通信バスBaに各別に接続されている。第1ECU11及び第2ECU12それぞれは、第1車載装置及び第2車載装置として機能する。3つの第5ECU15及び管理装置20は通信バスBbに各別に接続されている。第3ECU13及び第4ECU14それぞれは、管理装置20に接続されている通信バス、即ち、2つの通信バスBa,Bbのいずれにも接続されていない。
【0039】
直流電源10の正極から、電流は、2つの第1ECU11、第2ECU12及び3つの第5ECU15それぞれを介して流れる。2つの第1ECU11、第2ECU12及び3つの第5ECU15それぞれから出力された電流は直流電源10の負極に流れる。これにより、2つの第1ECU11、第2ECU12及び3つの第5ECU15それぞれに電力が供給される。第1ECU11、第2ECU12及び第5ECU15それぞれの状態は、消費電力が大きい大電力状態、又は、消費電力が小さい小電力状態である。大電力状態の消費電力は、小電力状態の消費電力よりも大きい。装置の消費電力は、作動中の装置が消費する電力である。消費電力の単位はワット[W]である。
【0040】
第1ECU11、第2ECU12及び第5ECU15それぞれについて、状態が小電力状態である場合、消費電力は0Wを超えている。第1ECU11、第2ECU12及び第5ECU15の小電力状態は、所謂、スリープ状態である。第1ECU11、第2ECU12及び第5ECU15の大電力状態は、所謂、ウェイクアップ状態である。
【0041】
管理装置20は駆動回路18にハイレベル電圧又はローレベル電圧を出力している。管理装置20が駆動回路18に出力している電圧がローレベルからハイレベル電圧に切替えた場合、駆動回路18はスイッチ16をオンに切替える。管理装置20が駆動回路18に出力している電圧がハイレベル電圧からローレベル電圧に切替えた場合、駆動回路18はスイッチをオフに切替える。
【0042】
スイッチ16がオンである場合、直流電源10の正極から、電流は、スイッチ16を介して流れる。スイッチ16から出力された電流は、2つの第3ECU13を介して流れる。2つの第3ECU13から出力された電流は直流電源10の負極に流れる。これにより、スイッチ16を介して2つの第3ECU13に電力が供給される。第3ECU13は第3車載装置として機能する。スイッチ16がオフである場合、スイッチ16を介して電流が流れない。このため、2つの第3ECU13を介した電流の通流が停止する。結果、第3ECU13への電力供給が停止する。
【0043】
スイッチ16がオンである場合、2つの第3ECU13の状態は、消費電力が大きい大電力状態である。スイッチ16がオフである場合、2つの第3ECU13の状態は、消費電力が小さい小電力状態である。小電力状態の第3ECU13の消費電力は0Wである。大電力状態の消費電力は、小電力状態の消費電力よりも大きい。スイッチ16がオフからオンに切替わった場合、2つの第3ECU13の状態は小電力状態から大電力状態に遷移する。スイッチ16がオンからオフに切替わった場合、第3ECU13の状態は大電力状態から小電力状態に遷移する。
【0044】
同様に、管理装置20は駆動回路19にハイレベル電圧又はローレベル電圧を出力している。管理装置20が駆動回路19に出力している電圧がローレベルからハイレベル電圧に切替えた場合、駆動回路19はスイッチ17をオンに切替える。管理装置20が駆動回路19に出力している電圧がハイレベル電圧からローレベル電圧に切替えた場合、駆動回路19はスイッチをオフに切替える。
【0045】
スイッチ17がオンである場合、直流電源10の正極から、電流は、スイッチ17を介して流れる。スイッチ17から出力された電流は、第4ECU14を介して流れる。第4ECU14から出力された電流は直流電源10の負極に流れる。これにより、スイッチ17を介して第4ECU14に電力が供給される。第4ECU14も第3車載装置として機能する。スイッチ17がオフである場合、スイッチ17を介して電流が流れない。このため、第4ECU14を介した電流の通流が停止する。結果、第4ECU14への電力供給が停止する。
【0046】
スイッチ17がオンである場合、第4ECU14の状態は、消費電力が大きい大電力状態である。スイッチ17がオフである場合、第4ECU14の状態は、消費電力が小さい小電力状態である。小電力状態の第4ECU14の消費電力は0Wである。大電力状態の消費電力は、小電力状態の消費電力よりも大きい。スイッチ17がオフからオンに切替わった場合、第4ECU14の状態は小電力状態から大電力状態に遷移する。スイッチ17がオンからオフに切替わった場合、第4ECU14の状態は大電力状態から小電力状態に遷移する。
【0047】
通信バスBaを介して送信されたデータは、通信バスBaに接続されている全ての装置によって受信される。同様に、通信バスBbを介して送信されたデータは、通信バスBbに接続されている全ての装置によって受信される。
【0048】
管理装置20は、通信バスBaを介して、2つの第1ECU11及び第2ECU12に第1起動データ、第2起動データ、第1休止データ及び第2休止データを送信する。小電力状態で第1ECU11が通信バスBaを介してデータを受信した場合、第1ECU11の状態は、小電力状態から大電力状態に遷移する。
【0049】
第1ECU11の状態を小電力状態から大電力状態に遷移させるためのデータは、いかなるデータであってもよい。従って、小電力状態で第1ECU11が通信バスBaを介して第1起動データ、第2起動データ、第1休止データ又は第2休止データを受信した場合、第1ECU11の状態は、小電力状態から大電力状態に遷移する。
【0050】
小電力状態で第2ECU12が通信バスBaを介して第2起動データを受信した場合、第2ECU12の状態は小電力状態から大電力状態に遷移する。小電力状態で第2ECU12が、通信バスBaを介して第2起動データ以外のデータを受信した場合、第2ECU12の状態は、小電力状態に維持される。第2起動データ以外のデータには、第1起動データ、第1休止データ及び第2休止データが含まれる。第2起動データが受信された場合のみに状態が小電力状態から大電力状態に遷移する機能はパーシャル機能と呼ばれる。
【0051】
大電力状態で第1ECU11が、通信バスBaを介して第1休止データを受信した場合、第1ECU11の状態は大電力状態から小電力状態に遷移する。大電力状態で第1ECU11が通信バスBaを介して第1休止データ以外のデータを受信した場合、第1ECU11の状態は大電力状態に維持される。
【0052】
大電力状態で第2ECU12が通信バスBaを介して第2休止データを受信した場合、第2ECU12の状態は大電力状態から小電力状態に遷移する。大電力状態で第2ECU12が通信バスBaを介して第2休止データ以外のデータを受信した場合、第2ECU12の状態は大電力状態に維持される。
【0053】
管理装置20は、通信バスBbを介して、3つの第5ECU15に起動データ及び休止データを送信する。小電力状態で第5ECU15が通信バスBbを介してデータを受信した場合、第5ECU15の状態は小電力状態から大電力状態に遷移する。第5ECU15の状態を小電力状態から大電力状態に遷移させるためのデータは、いかなるデータであってもよい。従って、小電力状態で第5ECU15が通信バスBaを介して起動データ又は休止データを受信した場合、第5ECU15の状態は小電力状態から大電力状態に遷移する。
【0054】
大電力状態で第5ECU15が通信バスBbを介して休止データを受信した場合、第5ECU15の状態は大電力状態から小電力状態に遷移する。大電力状態で第5ECU15が通信バスBbを介して休止データ以外のデータを受信した場合、第5ECU15の状態は大電力状態に維持される。
【0055】
図2は、管理装置20によって状態が管理される対象を示す図表である。第1対象は、管理装置20が通信バスBaを介して第1起動データを送信することによって、状態が小電力状態から大電力状態に遷移する一又は複数のECUである。従って、第1対象は2つの第1ECU11である。管理装置20は、通信バスBaを介して第1休止データを送信する。これにより、第1対象の状態は大電力状態から小電力状態に遷移する。
【0056】
第2対象は、管理装置20が通信バスBaを介して第2起動データを送信することによって、状態が小電力状態から大電力状態に遷移する一又は複数のECUである。従って、第2対象は、2つの第1ECU11及び第2ECU12である。管理装置20は、通信バスBaを介して第2休止データを送信する。管理装置20は、第2休止データを送信した後、通信バスBaを介して第1休止データを送信する。これにより、第2対象の状態は大電力状態から小電力状態に遷移する。
【0057】
第3対象は、スイッチ16がオフからオンに切替わった場合に、状態が小電力状態から大電力状態に遷移する一又は複数のECUである。従って、第3対象は2つの第3ECU13である。管理装置20は、駆動回路18にスイッチ16をオンからオフに切替えさせる。これにより、第3対象の状態は大電力状態から小電力状態に遷移する。
【0058】
第4対象は、スイッチ16がオフからオンに切替わった場合に、状態が小電力状態から大電力状態に遷移する一又は複数のECUである。従って、第4対象は第4ECU14である。管理装置20は、駆動回路19にスイッチ17をオンからオフに切替えさせる。これにより、第4対象の状態は大電力状態から小電力状態に遷移する。
【0059】
第5対象は、管理装置20が通信バスBbを介して起動データを送信することによって、状態が小電力状態から大電力状態に遷移する一又は複数のECUである。従って、第5対象は3つの第5ECU15である。管理装置20は、通信バスBbを介して休止データを送信する。これにより、第5対象の状態は大電力状態から小電力状態に遷移する。
【0060】
2つの第1ECU11、第2ECU12、2つの第3ECU13、第4ECU14及び3つの第5ECU15それぞれは、負荷E(図3又は図5参照)の動作を制御する。負荷Eは、車両Cに搭載されている電気機器である。車両Cに関する車両動作の実行が指示される。2つの第1ECU11、第2ECU12、2つの第3ECU13、第4ECU14及び3つの第5ECU15を含む複数のECU中の一又は複数のECUが一又は複数の負荷Eの動作を制御する。これにより、実行が指示された車両動作が実現される。
【0061】
複数の車両動作が行われる。複数の車両動作には、ドアの施錠及び解錠、窓の開放及び閉鎖、動画の再生、並びに、エアーコンディショナーの作動及び停止等が含まれる。管理装置20には、複数の車両動作中の1つの車両動作の実行の指示が入力される。管理装置20は、2つの第1ECU11、第2ECU12、2つの第3ECU13、第4ECU14及び3つの第5ECU15の中で、実行が指示された車両動作の実現に必要な全てのECUの状態を大電力状態に遷移させる。管理装置20は、実行されている車両動作の数が低下した場合、2つの第1ECU11、第2ECU12、2つの第3ECU13、第4ECU14及び3つの第5ECU15の中で、実行中の車両動作の実現に不要なECUの状態を小電力状態に遷移させる。
【0062】
<第1ECU11の構成>
図3は第1ECU11の要部構成を示すブロック図である。第1ECU11は、ECU制御部30、ECU記憶部31、クロック部32、ECU通信IC33及びECU出力部34を有する。ICはIntegrated Circuitの略語である。ECU制御部30、ECU記憶部31、クロック部32、ECU通信IC33及びECU出力部34は、内部バス35に接続されている。ECU制御部30及びECU通信IC33それぞれは、更に、クロック部32に直接に接続されている。ECU出力部34は、更に、負荷Eに接続されている。
【0063】
ECU記憶部31は、例えば、揮発性メモリ及び不揮発性メモリによって構成されている。ECU記憶部31には、コンピュータプログラムPeが記憶されている。ECU制御部30は、処理を実行する処理素子、例えばCPU(Central Processing Unit)を有する。ECU制御部30の処理素子は、コンピュータプログラムPeを実行することによって種々の処理を実行する。
【0064】
クロック部32は、クロック信号をECU制御部30に出力している。クロック信号が示す電圧は、周期的にローレベル電圧からハイレベル電圧に立ち上がる。ECU制御部30は、クロック信号が示す電圧が立ち上がる都度、処理を実行する。従って、クロック信号の立ち上がりの周期が短い程、単位時間当たりに実行される処理の数が多い。単位時間当たりに実行される処理の数が多い程、第1ECU11の消費電力は大きい。
【0065】
ECU通信IC33は、通信バスBaを介して第1起動データ、第2起動データ、第1休止データ及び第2休止データを受信する。ECU出力部34は、ECU制御部30の指示に従って、負荷Eの動作を示す動作信号を出力する。負荷Eは、外部から入力された動作信号が示す動作を実行する。
【0066】
図4は小電力状態の実現方法の説明図である。図4では、小電力状態の実現方法の第1例及び第2例が示されている。図4には、クロック信号が示す電圧の推移が示されている。これらの推移の横軸には、時間が示されている。第1ECU11の状態が大電力状態である場合、クロック信号の電圧は、所定周期が経過する都度、立ち上がる。
【0067】
まず、小電力状態の実現方法の第1例を説明する。第1ECU11の状態が大電力状態である場合において、ECU通信IC33が第1休止データを受信したとき、ECU制御部30は、クロック部32に指示して、クロック信号の出力を停止させる。これにより、クロック信号の電圧はローレベル電圧に固定される。結果、ECU制御部30は、処理を実行せず、第1ECU11の消費電力は低下する。第1ECU11の状態は、大電力状態から小電力状態に遷移する。
【0068】
第1ECU11の状態が小電力状態である場合において、ECU通信IC33がデータを受信したとき、ECU通信IC33は、クロック部32にクロック信号の出力を指示する。これにより、クロック部32はクロック信号の出力を再開し、第1ECU11の状態は小電力状態から大電力状態に遷移する。前述したように、第1ECU11の状態を小電力状態から大電力状態に遷移させるためのデータは、いかなるデータであってもよい。
【0069】
次に、小電力状態の実現方法の第2例を説明する。第1ECU11の状態が大電力状態である場合において、ECU通信IC33が第1休止データを受信したとき、ECU制御部30は、クロック部32に指示して、クロック信号の立ち上がりの周期を、所定周期よりも低い一定周期に低下させる。結果、単位時間当たりにECU制御部30が実行する処理の数が低下し、第1ECU11の消費電力は低下する。第1ECU11の状態は、大電力状態から小電力状態に遷移する。
【0070】
第1ECU11の状態が小電力状態である場合において、ECU通信IC33がデータを受信したとき、ECU通信IC33は、クロック部32に指示して、クロック信号の立ち上がりの周期を所定周期に戻させる。これにより、第1ECU11の状態は小電力状態から大電力状態に遷移する。前述したように、第1ECU11の状態を小電力状態から大電力状態に遷移させるためのデータは、いかなるデータであってもよい。
【0071】
<第2ECU12の構成>
第2ECU12は第1ECU11と同様に構成されている。第2ECU12の状態が大電力状態である場合において、ECU通信IC33が第2休止データを受信したとき、ECU制御部30は、第2ECU12の状態を大電力状態から小電力状態に遷移させる。前述したように、クロック信号の出力の停止、又は、クロック信号の立ち上がりの周期の低下により小電力状態への遷移を実現する。
【0072】
第2ECU12の状態が小電力状態である場合において、ECU通信IC33が第2起動データを受信したとき、ECU通信IC33は、第2ECU12の状態を小電力状態から大電力状態に遷移させる。前述したように、ECU通信IC33は、クロック部32にクロック信号の出力を再開させるか、又は、クロック部32に指示してクロック信号の立ち上がりの周期を所定周期に戻させることによって、大電力状態への遷移を実現する。
【0073】
<第3ECU13の構成>
図5は第3ECU13の要部構成を示すブロック図である。第3ECU13は、第1ECU11と同様に、ECU制御部30、ECU記憶部31、クロック部32及びECU出力部34を有する。第3ECU13のECU制御部30、ECU記憶部31、クロック部32及びECU出力部34それぞれは、第1ECU11のECU制御部30、ECU記憶部31、クロック部32及びECU出力部34と同様に作用する。
【0074】
前述したように、スイッチ16がオンである場合、直流電源10は第3ECU13に電力を供給する。第3ECU13に電力が供給されている間、クロック部32がクロック信号を出力する。クロック信号の電圧が立ち上がる都度、ECU制御部30は処理を実行する。スイッチ16がオンである場合、第3ECU13の状態は大電力状態である。
【0075】
スイッチ16がオフである場合、直流電源10から第3ECU13への電力供給は停止している。従って、第3ECU13のECU制御部30、ECU記憶部31、クロック部32及びECU出力部34は動作を停止している。スイッチ16がオフである場合、第3ECU13の状態は小電力状態である。
【0076】
<第4ECU14の構成>
第4ECU14は、第3ECU13と同様に構成されている。スイッチ17がオンである場合、第4ECU14の状態は大電力状態である。スイッチ17がオフである場合、第4ECU14の状態は小電力状態である。
【0077】
<第5ECU15の構成>
第5ECU15は第1ECU11と同様に構成されている。ECU通信IC33は、通信バスBbを介して起動データ及び休止データを受信する。第5ECU15の状態が大電力状態である場合において、ECU通信IC33が休止データを受信したとき、ECU制御部30は、第5ECU15の状態を大電力状態から小電力状態に遷移させる。
【0078】
第5ECU15の状態が小電力状態である場合において、ECU通信IC33がデータを受信したとき、ECU通信IC33は、第5ECU15の状態を小電力状態から大電力状態に遷移させる。前述したように、第5ECU15の状態を小電力状態から大電力状態に遷移させるためのデータは、いかなるデータであってもよい。
【0079】
<管理装置20の構成>
図6は管理装置20の要部構成を示すブロック図である。管理装置20は、装置出力部40,41、装置通信IC42,43、指示入力部44、装置記憶部45及び装置制御部46を有する。これらは、内部バス47に接続されている。装置出力部40,41それぞれは、更に、駆動回路18,19に接続されている。装置通信IC42,43それぞれは、更に、通信バスBa,Bbに接続されている。
【0080】
装置出力部40は駆動回路18にハイレベル電圧又はローレベル電圧を出力している。装置出力部40の出力電圧は、管理装置20が駆動回路18に出力している電圧である。装置出力部40は、装置制御部46の指示に従って、駆動回路18の出力電圧をハイレベル電圧又はローレベル電圧に切替える。駆動回路18は、装置出力部40の出力電圧に応じて、スイッチ16をオン又はオフに切替える。
【0081】
同様に、装置出力部41は駆動回路19にハイレベル電圧又はローレベル電圧を出力している。装置出力部41の出力電圧は、管理装置20が駆動回路19に出力している電圧である。装置出力部41は、装置制御部46の指示に従って、駆動回路19の出力電圧をハイレベル電圧又はローレベル電圧に切替える。駆動回路19は、装置出力部41の出力電圧に応じて、スイッチ17をオン又はオフに切替える。
【0082】
装置通信IC42は、装置制御部46の指示に従って、通信バスBaを介して、第1起動データ、第2起動データ、第1休止データ及び第2休止データを、2つの第1ECU11及び第2ECU12に送信する。装置通信IC43は、装置制御部46の指示に従って、通信バスBbを介して、起動データ及び休止データを3つの第5ECU15に送信する。指示入力部44には、複数の車両動作中の1つの車両動作の実行の指示が入力される。
【0083】
装置記憶部45は、例えば、不揮発性メモリ及び揮発性メモリによって構成される。装置記憶部45には、コンピュータプログラムPcが記憶されている。装置制御部46は、処理を実行する処理素子、例えばCPUを有する。装置制御部46は処理部として機能する。装置制御部46は、コンピュータプログラムPcを実行することによって、第1対象、第2対象、第3対象、第4対象又は第5対象の状態を小電力状態又は大電力状態に遷移させる状態遷移処理等を実行する。
【0084】
なお、コンピュータプログラムPcは、装置制御部46の処理素子が読み取り可能に記憶された非一時的(non-transitory)な記憶媒体Acにより提供されてもよい。この場合、図示しない読み出し装置によって記憶媒体Acから読み出されたコンピュータプログラムPcが装置記憶部45に書き込まれる。記憶媒体Acは、光ディスク、フレキシブルディスク、磁気ディスク、磁気光ディスク又は半導体メモリ等である。光ディスクは、CD(Compact Disc)-ROM(Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)-ROM、又は、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)等である。磁気ディスクは、例えばハードディスクである。また、図示しない通信網に接続されている図示しない装置からコンピュータプログラムPcをダウンロードし、ダウンロードしたコンピュータプログラムPcを装置記憶部45に書き込んでもよい。
【0085】
装置制御部46が有する処理素子の数は、1に限定されず、2以上であってもよい。この場合、複数の処理素子がコンピュータプログラムPcに従って、状態遷移処理等を協同で実行してもよい。
【0086】
装置記憶部45には、動作状態テーブルTa及び対象状態テーブルTbが更に記憶されている。動作状態テーブルTaは、複数の車両動作それぞれの状態が、実行中及び実行の指示待ちのいずれであるかを示す。動作状態テーブルTaで示される各車両動作の状態は、装置制御部46によって変更される。
【0087】
対象状態テーブルTbは、第1対象、第2対象、第3対象、第4対象及び第5対象それぞれの状態が、大電力状態及び小電力状態のいずれであるかを示している。対象状態テーブルTbで示される第1対象、第2対象、第3対象、第4対象及び第5対象の状態は、装置制御部46によって各別に変更される。
【0088】
図7は、動作状態テーブルTa及び対象状態テーブルTbの内容を示す図表である。図7では、指示入力部44に第1動作、第2動作、第3動作及び第4動作の実行の指示が入力される例が示されている。第1動作、第2動作、第3動作及び第4動作それぞれは車両動作である。動作状態テーブルTaでは、各動作の状態が示されている。各動作の状態は実行中又実行の指示待ちである。
【0089】
動作状態テーブルTaでは、更に、第1動作、第2動作、第3動作及び第4動作それぞれを実行するために必要な一又は複数の対象が示されている。各対象は、第1対象、第2対象、第3対象、第4対象及び第5対象のいずれかである。図7の例では、第1動作を実行するために必要な対象は第1対象である。第2動作に実行するために必要な対象は第2対象及び第4対象である。
【0090】
対象状態テーブルTbは、第1対象、第2対象、第3対象、第4対象及び第5対象それぞれの状態を示している。対象状態テーブルTbで示される状態は、大電力状態又は小電力状態である。装置制御部46は、対象状態テーブルTbにおいて、実行が指示されている一又は複数の車両動作の実現に必要な全ての対象の状態を大電力状態に変更し、残りの対象の状態を小電力状態に変更する。図7の例では、第1動作及び第2動作の実現に必要な第1対象、第2対象及び第4対象の状態は大電力状態である。第3対象及び第5対象の状態は小電力状態である。
【0091】
<状態遷移処理>
図8は状態遷移処理の手順を示すフローチャートである。状態遷移処理では、まず、装置制御部46は、指示入力部44に、車両動作の実行の指示が入力されたか否かを判定する(ステップS1)。装置制御部46は、車両動作の実行の指示が入力されたと判定した場合(S1:YES)、動作状態テーブルTaにおいて、実行が指示された車両動作の状態を実行中に変更する(ステップS2)。図7の例では、第3動作の実行が指示された場合、第3動作の状態を実行の指示待ちから実行中に変更する。
【0092】
装置制御部46は、車両動作の指示が入力されていないと判定した場合(S1:NO)、又は、ステップS2を実行した後、動作状態テーブルTaにおいて、実行中の車両動作があるか否かを判定する(ステップS3)。装置制御部46は、実行中の車両動作があると判定した場合(S3:YES)、実際に終了した車両動作があるか否かを判定する(ステップS4)。装置制御部46は、例えば、外部装置又はセンサから図示しない入力部に、車両動作の終了を示す情報が入力された否かに基づいて、車両動作が終了したか否かを判定する。装置制御部46は、終了した車両動作があると判定した場合(S4:YES)、動作状態テーブルTaにおいて、終了した車両動作の状態を実行中から実行の指示待ちに変更する(ステップS5)。図7の例では、第1動作が実際に終了した場合、装置制御部46は、第1動作の状態を実行中から実行の指示待ちに変更する。
【0093】
装置制御部46は、実行中の車両動作がないと判定した場合(S3:NO)、終了した車両動作がないと判定した場合(S4:NO)、又は、ステップS5を実行した後、動作状態テーブルTaにおいて、少なくとも1つの車両動作の状態を変更したか否かを判定する(ステップS6)。装置制御部46は、少なくとも1つの車両動作の状態を変更していないと判定した場合(S6:NO)、ステップS1を再び実行する。装置制御部46は、車両動作の実行が指示されるか、又は、少なくとも1つの車両動作が終了するまで待機する。
【0094】
装置制御部46は、少なくとも1つの車両動作を変更したと判定した場合(S6:YES)、対象状態テーブルTbにおいて、少なくとも1つの対象の状態を変更する(ステップS7)。ステップS7では、装置制御部46は、前述したように、対象状態テーブルTbにおいて、実行が指示されている一又は複数の車両動作の実現に必要な全ての対象の状態を大電力状態に変更し、残りの対象の状態を小電力状態に変更する。
【0095】
従って、複数の車両動作の中で実行されている車両動作の数が低下した場合、実行中の一又は複数の車両動作の実現に不要な一又は複数の対象の状態を小電力状態に遷移させる。一又は複数の対象それぞれは、第1対象、第2対象、第3対象、第4対象及び第5対象中の1つである。
【0096】
装置制御部46は、ステップS7を実行した後、第1対象、第2対象、第3対象、第4対象及び第5対象の状態が、対象状態テーブルTbが示す状態と一致するように、少なくとも1つの対象の状態を大電力状態又は小電力状態に遷移させる(ステップS8)。
【0097】
装置制御部46は、通信バスBaを介した第1起動データの送信を装置通信IC42に指示することによって、第1対象、即ち、2つの第1ECU11の状態を大電力状態に遷移させる。装置制御部46は、通信バスBaを介した第1休止データの送信を装置通信IC42に指示することによって、第1対象の状態を小電力状態に遷移させる。
【0098】
装置制御部46は、通信バスBaを介した第2起動データの送信を装置通信IC42に指示することによって、第1対象及び第2対象、即ち、2つの第1ECU11及び第2ECU12の状態を大電力状態に遷移させる。第1起動データ及び第2起動データそれぞれは、第1データ及び第2データに相当する。装置制御部46は、通信バスBaを介した第2休止データの送信を装置通信IC42に指示する。その後、装置制御部46は、通信バスBaを介した第2休止データの送信を装置通信IC42に指示する。これにより、第2対象の状態は小電力状態に遷移する。
【0099】
装置制御部46は、駆動回路18にスイッチ16のオンへの切替えを指示することによって、第3対象、即ち、2つの第3ECU13の状態を大電力状態に遷移させる。装置制御部46は、装置出力部40に出力電圧をハイレベル電圧に切替えさせることにより、駆動回路18にスイッチ16のオンへの切替えを指示する。装置制御部46は、駆動回路18にスイッチ16のオフへの切替えを指示することによって、第3対象の状態を小電力状態に遷移させる。装置制御部46は、装置出力部40に出力電圧をローレベル電圧に切替えさせることにより、駆動回路18にスイッチ16のオフへの切替えを指示する。
【0100】
同様に、装置制御部46は、駆動回路19にスイッチ17のオンへの切替えを指示することによって、第4対象、即ち、第4ECU14の状態を大電力状態に遷移させる。装置制御部46は、装置出力部41に出力電圧をハイレベル電圧に切替えさせることにより、駆動回路19にスイッチ17のオンへの切替えを指示する。装置制御部46は、駆動回路19にスイッチ17のオフへの切替えを指示することによって、第4対象の状態を小電力状態に遷移させる。装置制御部46は、装置出力部41に出力電圧をローレベル電圧に切替えさせることにより、駆動回路19にスイッチ17のオフへの切替えを指示する。
【0101】
装置制御部46は、通信バスBbを介した起動データの送信を装置通信IC43に指示することによって、第5対象、即ち、3つの第5ECU15の状態を大電力状態に遷移させる。装置制御部46は、通信バスBbを介した休止データの送信を装置通信IC43に指示することによって、第5対象の状態を小電力状態に遷移させる。
【0102】
装置制御部46は、ステップS8を実行した後、状態遷移処理を終了する。装置制御部46は、状態遷移処理を終了した後、再び状態遷移処理を実行する。
以上のように、管理装置20の装置制御部46は、2つの第1ECU11、第2ECU12、2つの第3ECU13、第4ECU14及び3つの第5ECU15の消費電力を制御することによって、車載システム1の消費電力を管理する。
【0103】
<第1ECU11から第5ECU15の特徴>
図9は、第1ECU11から第5ECU15の特徴を示す図表である。暗電流は、動作を停止しているECUを介して流れる電流であり、待機電流とも呼ばれる。応答時間は、車両動作の実行が指示されてからECUが動作を行うまでの時間である。応答時間の制限は、応答時間の上限が決められていることを示す。
【0104】
第1ECU11及び第5ECU15それぞれには、常時、直流電源10から電力が供給される。第1ECU11及び第5ECU15それぞれの状態が大電力状態である期間は長い。このため、第1ECU11及び第5ECU15それぞれは、暗電流が一定の電流閾値未満であり、かつ、消費電力量の最大値が一定の電力量閾値未満であるECUであることが好ましい。ただし、暗電流が電流閾値以上である場合であっても、消費電力量の最大値が電力量閾値未満であり、かつ、応答時間が制限されるECUは、第1ECU11又は第5ECU15として用いられる。
【0105】
装置の消費電力量は、例えば、一定の所定期間中において装置が作動している期間の長さと、装置の消費電力との積で表される。消費電力量の単位は、例えば、ワットアワー[Wh]である。
【0106】
第2ECU12には、常時、直流電源10から電力が供給される。しかしながら、第2ECU12の状態が大電力状態である期間は短い。このため、第2ECU12は、暗電流が電流閾値未満であり、かつ、消費電力量の最大値が電力量閾値以上であるECUであることが好ましい。ただし、暗電流が電流閾値以上である場合であっても、消費電力の最大値が電力量閾値以上であり、かつ、応答時間が制限されるECUは第2ECU12として用いられる。
【0107】
スイッチ16がオフである場合、第3ECU13を介した電流の通流は停止する。スイッチ17がオフである場合、第4ECU14を介した電流の通流は停止する。第3ECU13はスイッチ16がオフからオンに切替わってから第3ECU13が動作を実行するまでの期間は長い。同様に、第4ECU14はスイッチ17がオフからオンに切替わってから第4ECU14が動作を実行するまでの期間は長い。従って、第3ECU13及び第4ECU14それぞれは、暗電流が電流閾値以上であり、かつ、応答時間が制限されていないECUであることが好ましい。
【0108】
以上のことから、第1ECU11及び第5ECU15それぞれの消費電力量の最大値は、第2ECU12の消費電力量の最大値未満である。第1ECU11、第2ECU12及び第5ECU15として、暗電流が電流閾値未満であるECUが用いられた場合、第1ECU11、第2ECU12及び第5ECU15それぞれの暗電流は、第3ECU13及び第4ECU14の暗電流未満である。
【0109】
<車載システム1及び管理装置20の効果>
第2ECU12の動作が不要である車両動作が行われる場合、装置通信IC42は、通信バスBaを介して第1起動データを送信する。これにより、第2ECU12の状態を小電力状態に維持しつつ、2つの第1ECU11の状態に遷移させることができる。結果、車載システム1に関して、小さい消費電力を実現することができる。前述したように、管理装置20の装置制御部46は、実行中の車両動作の数が低下した場合、実行中の車両動作の実現に不要な一又は複数の対象の状態を小電力状態に遷移させる。これにより、車載システム1に関して、更に小さい消費電力を実現することができる。
【0110】
(実施形態2)
実施形態1において、2つの第1ECU11、第2ECU12、2つの第3ECU13、第4ECU14及び3つの第5ECU15中の2つが相互に通信してもよい。
以下では、実施形態2について、実施形態1と異なる点を説明する。後述する構成を除く他の構成については、実施形態1と共通している。このため、実施形態1と共通する構成部には実施形態1と同一の参照符号を付し、その構成部の説明を省略する。
【0111】
<車載システム1の構成>
図10は、実施形態2における車載システム1の要部構成を示すブロック図である。図10では、図1と同様に、電力供給に関する接続線は太線で示されている。他の接続線は細線で示されている。実施形態2における車載システム1は、実施形態1における車載システム1が備える構成部に加えて、通信バスBcを備える。通信バスBcは、2つの第3ECU13、第4ECU14及び管理装置20に接続されている。
【0112】
<ECUの構成>
第3ECU13及び第4ECU14それぞれは、実施形態1と同様に、ECU制御部30、ECU記憶部31、クロック部32及びECU出力部34を有する。第3ECU13及び第4ECU14それぞれは、更に、第1ECU11と同様に、ECU通信IC33を有する。第3ECU13及び第4ECU14それぞれでは、ECU通信IC33は、内部バス35及び通信バスBcに接続されている。
【0113】
第1ECU11及び第2ECU12それぞれでは、ECU通信IC33は、ECU制御部30の指示に従って、送信先が2つの第1ECU11、第2ECU12、2つの第3ECU13、第4ECU14及び3つの第5ECU15中の1つであるECUデータを、通信バスBaを介して送信する。同様に、第3ECU13及び第4ECU14それぞれでは、ECU通信IC33は、ECU制御部30の指示に従って、ECUデータを、通信バスBcを介して送信する。第5ECU15では、ECU通信IC33は、ECU制御部30の指示に従って、ECUデータを、通信バスBbを介して送信する。ECUデータには、送信先を示す送信先情報が含まれている。
【0114】
第1ECU11及び第2ECU12それぞれのECU通信IC33は、通信バスBaを介して送信されたデータを受信する。第3ECU13及び第4ECU14それぞれのECU通信IC33は、通信バスBcを介して送信されたデータを受信する。第5ECU15のECU通信IC33は、通信バスBbを介して送信されたデータを受信する。
【0115】
2つの第1ECU11、第2ECU12、2つの第3ECU13、第4ECU14及び3つの第5ECU15それぞれでは、ECU通信IC33がECUデータを受信した場合において、ECUデータの送信先が自装置であるとき、ECU制御部30は、ECU通信IC33が受信したECUデータをECU記憶部31に書き込む。ECU制御部30は、ECU記憶部31に記憶されているECUデータに基づいて、例えば、負荷Eの動作を決定する。
【0116】
<管理装置20の構成>
図11は管理装置20の要部構成を示すブロック図である。実施形態2における管理装置20は、実施形態1における管理装置20が有する構成部に加えて、装置通信IC48を有する。装置通信IC48は、内部バス47及び通信バスBcに接続されている。装置通信IC42,43,48それぞれは、通信バスBa,Bb,Bcを介して送信されたECUデータを受信する。装置通信IC42,43,48それぞれは受信部として機能する。装置通信IC42,43,48それぞれは、装置制御部46の指示に従って、通信バスBa,Bb,Bcを介してECUデータを送信する。
【0117】
管理装置20の装置制御部46は、コンピュータプログラムPcを実行することによって、状態遷移処理に加えて、2つの第1ECU11、第2ECU12、2つの第3ECU13、第4ECU14及び3つの第5ECU15中の2つのECU間のデータの中継を行う中継処理を実行する。
【0118】
<中継処理>
図12は中継処理の手順を示すフローチャートである。中継処理では、装置制御部46は、装置通信IC42,43,48中の1つがECUデータを受信したか否かを判定する(ステップS11)。装置制御部46は、装置通信IC42,43,48のいずれもECUデータを受信していないと判定した場合(S11:NO)、ステップS11を再び実行する。装置通信ICは、装置通信IC42,43,48中の1つがECUデータを受信するまで待機する。
【0119】
装置制御部46は、装置通信IC42,43,48中の1つがECUデータを受信したと判定した場合(S11:YES)、受信されたECUデータの中継が必要であるか否かを判定する(ステップS12)。装置通信IC42が受信したECUデータの送信先が2つの第3ECU13、第4ECU14及び3つの第5ECU15中の1つである場合、装置制御部46は中継が必要であると判定する。
【0120】
同様に、装置通信IC43が受信したECUデータの送信先が2つの第1ECU11、第2ECU12、2つの第3ECU13及び第4ECU14中の1つである場合、装置制御部46は中継が必要であると判定する。装置通信IC48が受信したECUデータの送信先が2つの第1ECU11、第2ECU12及び3つの第5ECU15中の1つである場合、装置制御部46は中継が必要であると判定する。
【0121】
装置制御部46は、中継が必要であると判定した場合(S12:YES)、対象状態テーブルTbにおいて、受信されたECUデータの送信先の状態が小電力状態であるか否かを判定する(ステップS13)。受信されたECUデータは、管理装置20の指示入力部44に入力される指示に関する。従って、状態遷移処理において、装置制御部46は、受信されたECUデータの送信先の状態を大電力状態に遷移させる。ステップS13では、送信先の状態が大電力状態に遷移する前にECUデータが受信された場合に、装置制御部46は、送信先の状態が小電力状態であると判定する。
【0122】
装置制御部46は、送信先の状態が小電力状態であると判定した場合(S13:YES)、ステップS13を再び実行する。装置制御部46は、対象状態テーブルTbにおいて、送信先の状態が小電力状態から大電力状態に遷移するまで待機する。装置制御部46は、送信先の状態が小電力状態ではないと判定した場合(S13:NO)、受信されたECUデータを送信する装置通信ICを、3つの装置通信IC42,43,48の中から選択する(ステップS14)。次に、装置制御部46は、ステップS14で選択した装置通信ICに、受信されたECUデータの送信を指示する(ステップS15)。これにより、ステップS14で選択された装置通信ICは、受信されたECUデータを送信先に送信する。
【0123】
装置制御部46は、中継が必要ではないと判定した場合(S12:NO)、対象状態テーブルTbにおいて、受信されたECUデータの送信先の状態が小電力状態であるか否かを判定する(ステップS16)。ステップS16が実行された時点で送信先の状態が小電力状態である場合、受信されたECUデータは、送信先のECU記憶部31に記憶されていない。前述したように、受信されたECUデータの送信先の状態は大電力状態に遷移する。送信先の状態が小電力状態であることは、ECUデータの送信が早すぎることを意味する。
【0124】
装置制御部46は、送信先の状態が小電力状態であると判定した場合(S16:YES)、対象状態テーブルTbにおいて、受信されたECUデータの送信先の状態が大電力状態であるか否かを判定する(ステップS17)。装置制御部46は、は、送信先の状態が大電力状態ではないと判定した場合(S17:NO)、ステップS17を再び実行する。装置制御部46は、対象状態テーブルTbにおいて、送信先の状態が小電力状態から大電力状態に遷移するまで待機する。装置制御部46は、送信先の状態が大電力状態であると判定した場合(S17:YES)、ECUデータを受信した装置通信ICに、受信されたECUデータの送信を指示する(ステップS18)。これにより、ECUデータは、送信先に再び送信され、送信先のECU記憶部31に書き込まれる。
【0125】
装置制御部46は、ステップS15,S18の一方を実行した後、又は、送信先の状態が小電力状態ではないと判定した場合(S16:NO)、中継処理を終了する。送信先の状態が小電力状態ではない場合、送信先の状態は大電力状態である。装置制御部46は、中継処理を終了した後、再び中継処理を実行する。
【0126】
<第1ECU11から第5ECU15の特徴>
図13は、第1ECU11から第5ECU15の特徴を示す図表である。実施形態2では、第1ECU11から第5ECU15の特徴として、データの送信に用いられる通信プロトコルが考慮される。第1ECU11、第2ECU12及び第5ECU15として用いるECUは、通信プロトコルとしてCAN(Controller Area Network)のプロトコルを用いるECUが好ましい。第1ECU11、第2ECU12及び第5ECU15に関して、暗電流、消費電力量の最大値及び応答時間の制限に基づく選別は実施形態1と同様である。
【0127】
第3ECU13及び第4ECU14それぞれは、通信プロトコルとしてCANのプロトコルを用い、暗電流が電流閾値以上であり、かつ、応答時間が制限されていないECUであることが好ましい。更に、CANのプロトコル以外の通信プロトコルを用いるECUは、暗電流、消費電力の最大値及び応答時間の制限に無関係に、第3ECU13又は第4ECU14として用いられる。
【0128】
第3ECU13又は第4ECU14として、CANのプロトコル以外の通信プロトコルを用いるECUが用いられた場合、第3ECU13又は第4ECU14が用いる通信プロトコルは、第1ECU11、第2ECU12及び第5ECU15が用いる通信プロトコルとは異なる。一例として、第1ECU11、第2ECU12及び第5ECU15は、CANのプロトコルに従った通信を行う。第3ECU13及び第4ECU14は、LIN(Local Interconnect Network)のプロトコルに従った通信を行う。この場合、CANのプロトコル及びLINのプロトコルそれぞれは、第1通信プロトコル及び第2通信プロトコルに対応する。
【0129】
なお、第1ECU11、第2ECU12及び第5ECU15が用いる第1通信プロトコルはCANのプロトコルに限定されない。第3ECU13及び第4ECU14が用いる第2通信プロトコルは、第1通信プロトコルと異なっていれば問題はない。従って、第2通信プロトコルはLINのプロトコルに限定されない。第1ECU11から第5ECU15が用いる通信プロトコルとして、CANのプロトコル及びLINのプロトコルの他に、CAN-FD(Controller Area Network with Flexible Data Rate)、イーサネット(登録商標)、CXPI(Clock Extension Peripheral Interface)及びFlexRay(登録商標)のプロトコルが挙げられる。
【0130】
また、全ての第3ECU13が通信バスBcに接続されている必要はない。少なくとも1つの第3ECU13が通信バスBcに接続されていれば問題はない。更に、第3ECU13に接続されている通信バスは、第4ECU14に接続されている通信バスと異なっていてもよい。この場合、例えば、第3ECU13として、通信プロトコルとしてCANのプロトコルを用い、暗電流が電流閾値以上であり、かつ、応答時間が制限されていないECUが用いられ、第4ECU14はCAN以外の通信プロトコルを用いる。
【0131】
<車載システム1及び管理装置20の効果>
実施形態2における車載システム1及び管理装置20それぞれは、実施形態1における車載システム1及び管理装置20が奏する効果を同様に奏する。実施形態2における管理装置20では、装置通信IC42がECUデータを受信した場合、装置制御部46は、ECUデータの送信先が小電力状態であるか否かを判定する。これにより、装置制御部46は、ECUデータが送信先のECU記憶部31に記憶されているかを検知することができる。
【0132】
<変形例>
実施形態1,2において、第1ECU11の数は、2に限定されず、1又は3以上であってもよい。第2ECU12の数は、1に限定されず、2以上であってもよい。第1ECU11、第2ECU12及び管理装置20が接続される通信バスBaの数は、1に限定されず、2以上であってもよい。第5ECU15の数は、3に限定されず、1、2又は4以上であってもよい。第5ECU15及び管理装置20が接続される通信バスBbの数は、1に限定されず、2以上であってもよい。
【0133】
スイッチ16に接続される第3ECU13の数は、2に限定されず、1又は3以上であってもよい。スイッチ17に接続される第4ECU14の数は、1に限定されず、2以上であってもよい。ECUに接続されるスイッチの数は、2に限定されず、1又は3以上であってもよい。ECUに接続されるスイッチの数が3以上である場合、実施形態2では、複数のスイッチそれぞれに接続されている複数のECU中の2以上のECUが通信バスに接続される。
【0134】
実施の形態1,2で記載されている技術的特徴(構成要件)はお互いに組み合わせ可能であり、組み合わせすることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
開示された実施の形態1,2はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0135】
以上の実施形態に関し更に、以下の付記を開示する。
【0136】
(付記1)
状態が、消費電力が小さい小電力状態、又は、前記小電力状態の消費電力よりも消費電力が大きい大電力状態に遷移する複数の車載装置と、
送信先が前記複数の車載装置中の1つであるデータを受信する受信部と、
処理を実行する処理部と
を備え、
前記処理部は、
前記複数の車載装置の状態を前記小電力状態又は大電力状態に遷移させ、
前記受信部がデータを受信した場合に、前記受信部が受信したデータの送信先の状態が前記小電力状態であるか否かを判定する
車載システム。
【0137】
(付記2)
状態が、消費電力が小さい小電力状態、又は、前記小電力状態の消費電力よりも消費電力が大きい大電力状態に遷移する複数の車載装置と、送信先が前記複数の車載装置中の1つであるデータを受信する受信部とを備える車載システムの消費電力を管理する管理装置であって、
処理を実行する処理部を備え、
前記処理部は、
前記複数の車載装置の状態を前記小電力状態又は大電力状態に遷移させ、
前記受信部がデータを受信した場合に、前記受信部が受信したデータの送信先の状態が前記小電力状態であるか否かを判定する
管理装置。
【符号の説明】
【0138】
1 車載システム
10 直流電源
11 第1ECU(第1車載装置,車載装置)
12 第2ECU(第2車載装置,車載装置)
13 第3ECU(第3車載装置,車載装置)
14 第4ECU(第3車載装置,車載装置)
15 第5ECU(車載装置)
16,17 スイッチ
18,19 駆動回路
20 管理装置
30 ECU制御部
31 ECU記憶部
32 クロック部
33 ECU通信IC
34 ECU出力部
35,47 内部バス
40,41 装置出力部
42,43,48 装置通信IC(受信部)
44 指示入力部
45 装置記憶部
46 装置制御部(処理部)
Ac 記憶媒体
Ba,Bb,Bc 通信バス
C 車両
E 負荷
Pc,Pe コンピュータプログラム
Ta 動作状態テーブル
Tb 対象状態テーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13