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特許7616270無線アクセスネットワークノード及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】無線アクセスネットワークノード及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/084 20230101AFI20250109BHJP
   H04W 92/20 20090101ALI20250109BHJP
   H04W 28/18 20090101ALI20250109BHJP
【FI】
H04W28/084
H04W92/20
H04W28/18
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2023083167
(22)【出願日】2023-05-19
(62)【分割の表示】P 2022014249の分割
【原出願日】2017-08-10
(65)【公開番号】P2023103445
(43)【公開日】2023-07-26
【審査請求日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】1613899.2
(32)【優先日】2016-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】シヴァ バケッサー,シヴァパサリンガム
【審査官】青木 健
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-534087(JP,A)
【文献】Qualcomm Incorporated,Solution for key issue 17 on Network Discovery and Selection in idle mode,3GPP TSG-SA WG2#116 S2-163390,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/WG2_Arch/TSGS2_116_Vienna/Docs/S2-163390.zip>,2016年07月11日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
H04B 7/24 - 7/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線アクセスネットワーク(RAN)ノードであって、
他のRANノードへ、ネットワークの少なくとも一つのテナントのための少なくとも一つのスライスタイプを示す情報を含むRANノード間インタフェースのセットアップリクエストメッセージ、RANノード構成更新メッセージ、または、リソース状態更新メッセージを送信する手段を備え、
前記少なくとも一つのスライスタイプに対応する少なくとも一つのそれぞれのスライスは前記RANノードによってサポートされている、
RANノード。
【請求項2】
前記RANノード間インタフェースのセットアップリクエストメッセージ、RANノード構成更新メッセージ、または、リソース状態更新メッセージは、
ユーザプレーンのエンドポイントを示す情報、または
各スライスタイプの負荷状態を示す情報
のいずれかを含む、請求項1に記載のRANノード。
【請求項3】
無線アクセスネットワーク(RAN)ノードにおける方法であって、
他のRANノードへ、ネットワークの少なくとも一つのテナントのための少なくとも一つのスライスタイプを示す情報を含むRANノード間インタフェースのセットアップリクエストメッセージ、RANノード構成更新メッセージ、または、リソース状態更新メッセージを送信することを含み、
前記少なくとも一つのスライスタイプに対応する少なくとも一つのそれぞれのスライスは前記RANノードによってサポートされている、
RANノードにおける方法。
【請求項4】
前記RANノード間インタフェースのセットアップリクエストメッセージ、RANノード構成更新メッセージ、または、リソース状態更新メッセージは、
ユーザプレーンのエンドポイントを示す情報、または
各スライスタイプの負荷状態を示す情報
のいずれかを含む、請求項3に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はセルラー又は無線通信ネットワークにおける無線アクセスネットワークに関し、特に、それらに制限されるものではないが、複数の事業者間の無線アクセスネットワークの共有に関する。本発明は、特に、それらに制限されるものではないが、3GPP(3rd Generation Partnership Project)(登録商標)によって規定されている多様な規格に従って実施される無線電気通信ネットワークに関係する。本発明は、例えば、LTE(Long Term Evolution)ネットワーク、LTEアドバンスト(LTE-A)ネットワーク、LTE/LTE-Aに関連する強化及び開発、及びLTE/LTE-A以降の、より最近の、いわゆ「5G」又は「新無線(NR(New Radio)」技術への開発に関係する。
【背景技術】
【0002】
無線アクセスネットワーク(RAN(Radio Access Network))の共有の展開のシナリオが知られており、これらのシナリオの実装を容易にするための方法や能力が3GPP(3rd Generation Partnership Project)のリリース5以降の規格に導入されている。
【0003】
従来、RANの共有(RAN sharing)は、ネットワーク事業者(サービスプロバイダ)が無線通信ネットワークをセットアップするときに、彼らの資本支出要求を減らし、かつ/又はセルラー通信サービスによってカバーされるエリアを広げる方法を与える。各事業者がネットワークの各セルに自分達の基地局及び関連機器を提供しなければならないというのではなく、事業者が他の事業者のRANを共有することによって、自分達の基地局に投資することを必要とせず、他の事業者が提供する地域にサービスを提供することができる。
【0004】
さらに、提供及び運用しなければならない基地局の数を減らすことによって、共有関係にある事業者は進行中の運用コストを削減することができる。実際、各基地局は動作中に大量の電力を利用することがあり、したがって動作中の基地局の数を減らすことによって電力要求を大幅に減らすことができ、それゆえ環境にやさしいと見なすこともできる。
【0005】
通常、事業者によるRANの共有は、各事業者が他の事業者のRANへのアクセスを取得するための、固定的な長期契約を結ぶ。RANの共有は、特に、事業者が十分に活用されていないセルの設備能力を有する領域において有利である。なぜなら、この利用されていない設備能力は、本来の事業者の進行中のサービスの提供に影響を与えることなく共有することができるからである。さらに、RANの共有は、各事業者が、設備能力が十分に利用されない可能性が高い遠隔地に高価な設備能力を備えることを必要とせずに、事業者によって提供されるサービスが、特定の国においてはライセンス条件によって指定される、人口の一定の割合に達することができることを保証するために有用であるかもしれない。
【0006】
用語「5G」及び「新無線(NR)」は、マシーンタイプ通信(MTC(Machine Type Communications))、IoT(Internet of Things)通信、車両通信及び自律車両、高解像度ビデオストリーミング、スマート都市サービス等の、多様なアプリケーションやサービスをサポートすることが期待される発展中の通信技術を意味する。したがって、5G/NR技術は、第三者へネットワークサービスを提供し、新しいビジネス機会を生み出すために、垂直市場へのネットワークアクセスを可能にし、ネットワーク(RAN)共有をサポートすることが期待されている。通常、5G/NR通信システムの基地局はNR-BS(New Radio Base Station)又は「gNB」と呼ばれるが、それらは、通常はLTE基地局に関連付けられているeNB(又は5G/NReNB)という用語を使用して参照されてもよい。
【0007】
近年、gNB(本明細書では「分散」gNBと呼ばれる)の機能を1つ又は複数の分散ユニット(DU)と中央ユニット(CU)との間で分割し、通常、CUが高レベルの機能及び次世代のコアとの通信を実行し、DUが低レベルの機能及び近隣の(つまり、gNBによって運用されるセルにおける)ユーザ機器(UE)とのエアインターフェースを介した通信を実行することが提案されている。
【0008】
上述のような多様なアプリケーション及びサービスをサポートするために、モバイルネットワーク事業者は、これらのアプリケーションの多様で、相反することが多い要求を満たし、大量のデータトラフィックを扱う必要がある。例えば、これらのアプリケーションのうちのいくつかは比較的緩いQoS/QoE(Quality of Service/Quality of Experience)要求を有し、他のいくつかのアプリケーションは比較的厳格なQoS/QoE要求(例えば、高帯域幅及び/又は低遅延)を有する。
【0009】
サービス又はアプリケーションの各種類に対して専用ネットワーク基盤を展開することは高価であり、現実的ではない。それゆえ、ネットワークの仮想化及び「ネットワークスライシング」は、共通のネットワーク基盤上で多様な要求を伴う異種のアプリケーションをサポート及び対応するための柔軟かつ費用対効果が大きい方法として考えられている。そのようなネットワークスライシングは、例えば、NGMN(Next Generation Mobile Networks)協定による「NGMN 5G White Paper」のV1.0に記載されている。この文献はhttps://www.ngmn.org/5g-white-paper.htmlから入手可能である。実際、ネットワークスライスは論理ネットワークであり、通常、特定のテナントに対する特定のサービスレベル契約(SLA)(Service Level Agreement)に対するものである。ネットワーク(例えば、公衆地上移動ネットワーク(PLMN(Public Land Mobile Network))のテナントは、ネットワークの卸売顧客である。例えば、テナントは大企業であってもよいし、予め規定された一組のリソースへの、又は輻輳時におけるスライス加入者を扱う際の特定のポリシーへのアクセスを提供するためにPLMNを必要とする仲介業者であってもよい。テナントの例としては、公安機関が挙げられる。テナントはアプリケーション固有の要求を必要としてもよい。例えば、企業展開において、企業は現場における一組の装置、及び現場の運用に関係のない装置を有してもよい。企業は、輻輳時には(RAN内かコア内かに依らず)少なくとも60%のリソースを現場の運用に割り当てるが、リソースを常時分離するものではないというポリシーを有してもよい。
【0010】
より詳細には、ネットワークスライス(例えば「5Gスライス」)は、特定の接続タイプの通信サービスのためのコントロールプレーンとユーザプレーンを扱う特定の方法を用いて、該サービスをサポートしてもよい。実際には、スライスは、特定のユースケース、技術及び/又はビジネスモデルのために組み合わされる複数のネットワーク機能及び特定の無線アクセス技術(RAT)設定を含んでもよい。全てのスライスが同じ機能を含む必要はなく、1つ又それ以上のスライスにおいて、今日重要と思われる機能が欠けていてもよい。本質的には、スライスは任意のユースケースに必要なトラフィック処理のみを提供し、それによって他の不要な機能を回避するものである。
【0011】
例として、同じ基盤(infrastructure)上で同時に動作する複数のスライスは、ネットワーク上に分散された本格的なスマートフォン専用の機能をセットアップすることによって設定される、典型的なスマートフォン用のスライスを含んでもよい。セキュリティ、信頼性、及び待ち時間が重要であり、待ち時間の制約の結果として必要とされる仮想アプリケーションを含む、全ての必要な(かつ潜在的に専用の)機能をクラウドエッジノードでインスタンス化できる、自動車用ユースケースをサポートするスライスが提供されてもよい。大規模マシーンタイプ(IoT)装置(例えば、センサ)をサポートする他のスライスは、アクセスのための競合ベースのリソースを用いて、例えば任意のモビリティ機能を省略して設定された基本的なコントロールプレーン機能を備えてもよい。並行して動作する他の専用スライスや、未知のユースケースやトラフィックに対処するために、基本的なベストエフォート接続を提供する潜在的な汎用スライスが存在してもよい。
【0012】
現在、RANにおけるネットワークスライシングのサポートのために多数の重要な原理が適用される必要があるだろうと考えられている。まず、例えば、RANはスライスを認識する必要があるだろう。具体的には、RANは、事業者によって予め設定されている異なるネットワークスライスの異なった扱いをサポートするだろう。RANはまた、地上波公共移動通信ネットワーク(PLMN)で予め設定されたネットワークスライスの1つを明確に識別する、ユーザ機器(UE)によって提供される「スライスID」等の識別子によるネットワークスライスのRAN部分の選択をサポートする可能性が高い。同様に、RANは、スライス間のリソース管理(例えば、サービスレベル契約によるスライス間のポリシーの施行)、スライス内のQoSの区別、及び/又はスライス間のリソース分離をサポートする可能性が高い。RANはまた、例えば、受信したスライスID及びRANノード(CNエンティティ、サポートされたスライス)におけるマッピングに基づく、アップリンクメッセージの初期経路指定のために、コアネットワーク(CN)エンティティのRAN選択もサポートする可能性が高い。スライスIDが受信されない場合、RANは、NAS(Non Access Stratum)ノード選択機能(NNSF(Node Selection Function))のような機能に基づいて、例えば、UEの一時的IDに基づいてCNエンティティを選択してもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、現在、多数の重要な問題に対する首尾一貫した見解又は決定は存在しない。例えば、現在、いくつかの基本的なスライスがそれらの対応するネットワーク機能(例えば、拡張モバイルブロードバンド(eMBB)、大規模マシーンタイプ通信(MTC)等)とともに標準化されるかに対する確固たる見解は存在しない。同様に、UEがあいまいでないスライスIDをどのように取得するのかも明確ではない。例えば、IDは、CNが(例えば、拡張専用コア(eDECOR)の特徴と同様の)スライスを選択した後に、CNによってUEに送信されるかもしれないし、UEに予め設定されるかもしれない。また、リソースの分離が、複数のスライスがコントロールプレーン(それぞれのユーザプレーン)のリソース又は共通の処理リソースを共有できないことを意味するのか、かつ/又はリソース分離が、スライス間でコントロールプレーン(CP)とユーザプレーン(UP)のトラフィックを分離するために何らかの形式の暗号機能を実施すべきか不明である。
【0014】
さらに、以下のような、対処する必要がある複数のRAN特有の問題がある。すなわち、例えば、RANは、特定のUEがスライスを選択することを認可されているかをどのように確認するのか、そしてこの確認はいつ行われるのか;RANはまた、UEによってアクセスされる特定のリソースに基づいてスライスを選択してもよいかどうか;RAN、又は他の何らかのエンティティもしくはエンティティのグループが、サービスレベルの契約から生じる要求を扱うか;RANがスライス毎に独立してQoSの施行を付加的にサポートすべきか。
【0015】
他にも多くの問題もあるが、それはまだ考慮されていないか認識されておらず、機能的なスライシングメカニズムを提供するために対処する必要がある。
【0016】
それゆえ、完全に機能する、効率的なスライシングメカニズムの提供に向けて行うべき重要な進展のために対処する必要がある多くの問題があると考えられる。
【0017】
本発明は、少なくとも部分的にこれらの問題の1つ以上に対処することにより、実用的なスライシングメカニズムの提供に貢献する装置及び関連する方法を提供することを目的とする。
【0018】
上記のような認識された問題があるが、本発明者は、未だに考慮されていない複数の問題に対処することによって、実用的なスライシングメカニズムに向けた進展を遂げることができることを見出した。
【課題を解決するための手段】
【0019】
したがって、このようなメカニズムを提供するために、本明細書に記載の例示的な方法及び装置は、以下の1つ以上の項目に取り組み、少なくとも部分的にそれらに貢献するためのものである。
-セル(再)選択と同じくらい早い段階で、特定のUEが許可されたテナントID及び/又はスライスタイプが候補のセル内でサポートされているかどうかを認識することを可能にすること。
-初期のランダムアクセスチャネル(RACH)のアクセス手順時に、(テナントIDによって識別される)テナント及び/又はスライスタイプに異なる優先順位付け行うこと。
-ネットワークスライシングのコンテキストにおけるモビリティの取り扱い、-例えば、近隣のgNBにおけるリソース状況の決定、適切なターゲットの識別、及びハンドオーバー手順のためにそれを準備すること;任意のテナントID及び/又はスライスタイプに対して潜在的なターゲットが過負荷になっているかどうかの決定。
-gNBにおけるテナント及び/又はスライスの過負荷状況の取り扱い。
-(例えば、テナントID毎、スライスタイプ毎、無線アクセス技術(RAT)毎、周波数毎、技術毎、及び/又はアップリンク/ダウンリンク(UL/DL)毎の)使用量の測定値の取得、並びに(スライスタイプ毎の)課金等のテナントの使用量に特有の機能の提供。そして、
-分散gNBのCUとDUとの間の機能的分割の、スライスタイプベースの動的な設定を可能にすること。
【0020】
1つの態様において、ネットワークスライスがサポートされ、少なくとも1つのテナントが該テナントに関連付けられた少なくとも1つのスライスタイプを使用して通信を行うことがきる通信システムのための通信装置が提供される。通信装置は、コントローラと送受信機を備え、前記送受信機は基地局によって送信されるネットワークスライシング関連情報を受信するように構成され、前記ネットワークスライシング関連情報は少なくとも、(i)それの通信が前記基地局を介してサポートされているテナント、及び前記基地局によってサポートされているテナントのネットワークスライスタイプのうちの少なくとも1つに対するサポートを識別する情報、(ii)特定のテナント、及び特定のテナントの特定のスライスタイプのうちの少なくとも1つに関連付けられた少なくとも1つの通信パラメータを含む情報、のうちの少なくとも1つを含み、そして前記コントローラは、特に前記通信装置が関連付けられたテナント、及び前記通信装置が関連付けられたテナントのスライスタイプのうちの少なくとも1つに関連する、前記受信されたネットワークスライシング関連情報で与えられる情報に基づいて、前記通信装置が関連付けられたテナントのスライスタイプを有するスライスを使用して、前記送受信機を介して、通信を制御するように構成されている。
【0021】
もう1つの態様において、ネットワークスライスがサポートされ、少なくとも1つのテナントが該テナントに関連付けられた少なくとも1つのスライスタイプを使用して通信を行うことがきる通信システムのための基地局が提供される。基地局は、コントローラと送受信機を備え、前記コントローラは該送受信機による送信のためのネットワークスライシング関連情報を生成するように構成され、前記送信のためのネットワークスライシング関連情報は少なくとも、(i)それの通信が前記基地局を介してサポートされているテナント及び前記基地局によってサポートされているテナントのネットワークスライスタイプのうちの少なくとも1つに対するサポートを識別する情報、(ii)特定のテナント、及び特定のテナントの特定のスライスタイプのうちの少なくとも1つに関連付けられた少なくとも1つの通信パラメータを含む情報、のうちの少なくとも1つを含み、そして前記送受信機は前記コントローラによって生成された前記ネットワークスライシング関連情報を他の基地局及び通信装置のうちの少なくとも1つに送信するように動作可能である。
【0022】
もう1つの態様において、ネットワークスライスがサポートされ、少なくとも1つのテナントが該テナントに関連付けられた少なくとも1つのスライスタイプを使用して通信を行うことがきる通信システムのための通信装置が提供される。通信装置は、コントローラと送受信機を備え、前記送受信機は、前記通信装置を、それの通信が前記基地局を介してサポートされているテナント、及び前記基地局によってサポートされているテナントのネットワークスライスタイプのうちの少なくとも1つに対する、少なくとも1つの近隣基地局によるサポートを識別する情報を、前記少なくとも1つの近隣基地局から取得するように設定するための設定情報を受信するように構成され、前記コントローラは、前記設定情報に基づいて、それの通信が前記基地局を介してサポートされているテナント、及び前記基地局によってサポートされているテナントのネットワークスライスタイプのうちの少なくとも1つに対する、前記少なくとも1つの近隣基地局によるサポートを識別する前記情報を、前記少なくとも1つの近隣基地局から取得し、前記取得した情報を含む報告を生成するように構成され、そして前記送受信機は少なくとも1つの基地局に前記報告を送るように構成されている。
【0023】
もう1つの態様において、ネットワークスライスがサポートされ、少なくとも1つのテナントが該テナントに関連付けられた少なくとも1つのスライスタイプを使用して通信を行うことがきる通信システムのための基地局が提供される。基地局は、コントローラと送受信機を備え、前記送受信機は、通信装置を、それの通信が前記基地局を介してサポートされているテナント、及び前記基地局によってサポートされているテナントのネットワークスライスタイプのうちの少なくとも1つに対する、少なくとも1つの近隣基地局によるサポートを識別する情報を、前記少なくとも1つの近隣基地局から取得するように設定するための設定情報を該通信装置に送信し、それの通信が前記基地局を介してサポートされているテナント、及び前記基地局によってサポートされているテナントのネットワークスライスタイプのうちの少なくとも1つに対する、前記少なくとも1つの近隣基地局によるサポートを識別する情報を含む報告を、前記通信装置から受信し、前記取得した情報を含む報告を生成するように構成され、そして前記コントローラは、前記受信した報告に含まれる前記サポートを識別する情報に基づいてハンドオーバーのターゲットを決定するように構成されている。
【0024】
もう1つの態様において、ネットワークスライスがサポートされ、少なくとも1つのテナントが該テナントに関連付けられた少なくとも1つのスライスタイプを使用して通信を行うことがきる通信システムのための基地局が提供される。基地局は、コントローラと送受信機を備え、前記送受信機は、少なくとも1つの特定のテナント、及び特定のテナントのうちの少なくとも1つの特定のネットワークスライスタイプのうちの少なくとも1つに関して過負荷動作が開始されるべきであることを示す情報をコアノードから受信するように構成され、前記コントローラは、前記過負荷動作が開始されるべきであることを示す情報に基づいて、少なくとも1つの特定のテナント、及び特定のテナントのうちの少なくとも1つの特定のネットワークスライスタイプのうちの少なくとも1つに関する通信を制御するように構成されている。
【0025】
もう1つの態様において、ネットワークスライスがサポートされ、少なくとも1つのテナントが該テナントに関連付けられた少なくとも1つのスライスタイプを使用して通信を行うことがきる通信システムのためのコアノードが提供される。コアノードは、コントローラと送受信機を備え、前記コントローラは、少なくとも1つの特定のテナント、及び特定のテナントのうちの少なくとも1つの特定のネットワークスライスタイプのうちの少なくとも1つに関して過負荷動作が開始されるべきであることを決定するように構成され、前記送受信機は、少なくとも1つの特定のテナント、及び特定のテナントのうちの少なくとも1つの特定のネットワークスライスタイプのうちの少なくとも1つに関して過負荷動作が開始されるべきであることを示す情報を基地局に送信するように構成されている。
【0026】
もう1つの態様において、ネットワークスライスがサポートされ、少なくとも1つのテナントが該テナントに関連付けられた少なくとも1つのスライスタイプを使用して通信を行うことがきる通信システムのための基地局が提供される。基地局は、コントローラと送受信機を備え、前記コントローラは前記基地局を介した通信に対するデータ使用量情報を取得するように構成され、該データ使用量情報は、それに対して前記基地局を介した通信が行われる各テナント、及びそれに対して前記基地局を介した通信が行われる各テナントの各ネットワークスライスタイプのうちの少なくとも1つに対する、それぞれ別個のデータ使用量情報を含み、そして前記送受信機は該取得したそれぞれ別個のデータ使用量情報をコアノードに提供するように構成されている。
【0027】
もう1つの態様において、ネットワークスライスがサポートされ、少なくとも1つのテナントが該テナントに関連付けられた少なくとも1つのスライスタイプを使用して通信を行うことがきる通信システムのための基地局装置が提供される。基地局装置は、分散ユニットと中央ユニットを備え、前記分散ユニットと前記中央ユニットの各々はコントローラと送受信機を備え、前記分散ユニットの前記コントローラは、前記中央ユニットに比べて、前記基地局装置の下位層の機能性を提供するように構成され、前記中央ユニットの前記コントローラは、前記分散ユニットに比べて、前記基地局装置の上位層の機能性を提供するように構成され、前記分散ユニットによって提供される前記下位層の機能性と前記中央ユニットによって提供される前記上位層の機能性との間には複数の可能な機能的分割が存在し、そして前記分散ユニットの前記コントローラ及び前記中央ユニットの前記コントローラは、前記分散ユニットによって提供される前記下位層の機能性と前記中央ユニットによって提供される前記上位層の機能性との間の前記機能的分割を、前記可能な機能的分割の第1分割から該機能的分割の第2分割へ動的に再設定するように構成されている。
【0028】
もう1つの態様において、前記基地局装置の前記分散ユニットを実施する装置が提供される。
【0029】
もう1つの態様において、前記基地局装置の前記中央ユニットを実施する装置が提供される。
【0030】
もう1つの態様において、通信システムのためのコアノードが提供される。コアノードは、コントローラと送受信機を備え、前記コントローラは分散ユニット及び中央ユニットを有する基地局装置との通信を制御するように構成され、前記分散ユニットは、前記中央ユニットに比べて、前記基地局装置の下位層の機能性を提供し、前記中央ユニットは、前記分散ユニットに比べて、前記基地局装置の上位層の機能性を提供し、前記コントローラは、前記分散ユニットによって提供される前記下位層の機能性と前記中央ユニットによって提供される前記上位層の機能性との間の分割に対し、複数の可能な機能的分割のどれを使用するべきかを決定するように構成され、そして前記送受信機は、前記基地局装置の前記中央ユニットに対して、複数の可能な機能的分割のどれを使用するべきかに関する指示を提供するように構成されている。
【0031】
もう1つの態様において、ネットワークスライスがサポートされ、少なくとも1つのテナントが該テナントに関連付けられた少なくとも1つのスライスタイプを使用して通信を行うことがきる通信システムにおいて通信装置によって実行される方法が提供される。方法は、基地局によって送信されるネットワークスライシング関連情報であって、(i)それの通信が前記基地局を介してサポートされているテナント、及び前記基地局によってサポートされているテナントのネットワークスライスタイプのうちの少なくとも1つに対するサポートを識別する情報、(ii)特定のテナント、及び特定のテナントの特定のスライスタイプのうちの少なくとも1つに関連付けられた少なくとも1つの通信パラメータを含む情報、のうちの少なくとも1つを含む、ネットワークスライシング関連情報を受信すること、及び特に前記通信装置が関連付けられたテナント及び前記通信装置が関連付けられたテナントのスライスタイプのうちの少なくとも1つに関連する、前記受信されたネットワークスライシング関連情報で与えられる情報に基づいて、前記通信装置が関連付けられたテナントのスライスタイプを有するスライスを使用して通信を制御すること、を含む。
【0032】
もう1つの態様において、ネットワークスライスがサポートされ、少なくとも1つのテナントが該テナントに関連付けられた少なくとも1つのスライスタイプを使用して通信を行うことがきる通信システムにおいて基地局によって実行される方法が提供される。方法は、送受信機による送信のためのネットワークスライシング関連情報であって、(i)それの通信が前記基地局を介してサポートされているテナント、及び前記基地局によってサポートされているテナントのネットワークスライスタイプのうちの少なくとも1つに対するサポートを識別する情報、(ii)特定のテナント、及び特定のテナントの特定のスライスタイプのうちの少なくとも1つに関連付けられた少なくとも1つの通信パラメータ含む情報、のうちの少なくとも1つを含む、送信のためのネットワークスライシング関連情報を生成すること、及び前記生成されたネットワークスライシング関連情報を他の基地局及び通信装置の少なくも1つに送信すること、を含む。
【0033】
もう1つの態様において、ネットワークスライスがサポートされ、少なくとも1つのテナントが該テナントに関連付けられた少なくとも1つのスライスタイプを使用して通信を行うことがきる通信システムにおいて通信装置によって実行される方法が提供される。方法は、前記通信装置を、それの通信が前記基地局を介してサポートされているテナント、及び前記基地局によってサポートされているテナントのネットワークスライスタイプのうちの少なくとも1つに対する、少なくとも1つの近隣基地局によるサポートを識別する情報を、前記少なくとも1つの近隣基地局から取得するように設定するための設定情報を受信すること、前記設定情報に基づいて、それの通信が前記基地局を介してサポートされているテナント、及び前記基地局によってサポートされているテナントのネットワークスライスタイプのうちの少なくとも1つに対する、前記少なくとも1つの近隣基地局によるサポートを識別する前記情報を、前記少なくとも1つの近隣基地局から取得し、前記取得した情報を含む報告を生成すること、及び少なくとも1つの基地局に前記報告を送ること、を含む。
【0034】
もう1つの態様において、ネットワークスライスがサポートされ、少なくとも1つのテナントが該テナントに関連付けられた少なくとも1つのスライスタイプを使用して通信を行うことがきる通信システムにおいて基地局によって実行される方法が提供される。方法は、通信装置を、それの通信が前記基地局を介してサポートされているテナント、及び前記基地局によってサポートされているテナントのネットワークスライスタイプのうちの少なくとも1つに対する、少なくとも1つの近隣基地局によるサポートを識別する情報を、前記少なくとも1つの近隣基地局から取得するように設定するための設定情報を該通信装置に送信すること、それの通信が前記基地局を介してサポートされているテナント、及び前記基地局によってサポートされているテナントのネットワークスライスタイプのうちの少なくとも1つに対する、前記少なくとも1つの近隣基地局によるサポートを識別する情報を含む報告を、前記通信装置から受信すること、前記取得した情報を含む報告を生成すること、及び前記受信した報告に含まれる前記サポートを識別する情報に基づいてハンドオーバーのターゲットを決定すること、を含む。
【0035】
もう1つの態様において、ネットワークスライスがサポートされ、少なくとも1つのテナントが該テナントに関連付けられた少なくとも1つのスライスタイプを使用して通信を行うことがきる通信システムにおいて基地局によって実行される方法が提供される。方法は、少なくとも1つの特定のテナント及び特定のテナントのうちの少なくとも1つの特定のネットワークスライスタイプのうちの少なくとも1つに関して過負荷動作が開始されるべきであることを示す情報をコアノードから受信すること、及び前記過負荷動作が開始されるべきであることを示す情報に基づいて、少なくとも1つの特定のテナント及び特定のテナントのうちの少なくとも1つの特定のネットワークスライスタイプのうちの少なくとも1つに関する通信を制御すること、を含む。
【0036】
もう1つの態様において、ネットワークスライスがサポートされ、少なくとも1つのテナントが該テナントに関連付けられた少なくとも1つのスライスタイプを使用して通信を行うことがきる通信システムにおいてコアノードによって実行される方法が提供される。方法は、少なくとも1つの特定のテナント及び特定のテナントのうちの少なくとも1つの特定のネットワークスライスタイプのうちの少なくとも1つに関して過負荷動作が開始されるべきであることを決定すること、及び前記送受信機は、少なくとも1つの特定のテナント及び特定のテナントのうちの少なくとも1つの特定のネットワークスライスタイプのうちの少なくとも1つに関して過負荷動作が開始されるべきであることを示す情報を基地局に送信すること、を含む。
【0037】
もう1つの態様において、ネットワークスライスがサポートされ、少なくとも1つのテナントが該テナントに関連付けられた少なくとも1つのスライスタイプを使用して通信を行うことがきる通信システムにおいて基地局によって実行される方法が提供される。方法は、それに対して前記基地局を介した通信が行われる各テナント、及びそれに対して前記基地局を介した通信が行われる各テナントの各ネットワークスライスタイプのうちの少なくとも1つに対する、それぞれ別個のデータ使用量情報を含む、前記基地局を介した通信に対するデータ使用量情報を取得すること、及び該取得したそれぞれ別個のデータ使用量情報をコアノードに提供すること、を含む。
【0038】
もう1つの態様において、ネットワークスライスがサポートされ、少なくとも1つのテナントが該テナントに関連付けられた少なくとも1つのスライスタイプを使用して通信を行うことがきる通信システムのための基地局装置によって実行される方法が提供される。前記基地局装置は分散ユニットと中央ユニットを備える。方法は、前記分散ユニットを介して、前記中央ユニットに比べて、前記基地局装置の下位層の機能性を提供し、前記中央ユニットを介して、前記分散ユニットに比べて、前記基地局装置の上位層の機能性を提供すること、を含み、ここで、前記分散ユニットによって提供される前記下位層の機能性と前記中央ユニットによって提供される前記上位層の機能性との間には複数の可能な機能的分割が存在し、さらに前記分散ユニットによって提供される前記下位層の機能性と前記中央ユニットによって提供される前記上位層の機能性との間の前記機能的分割を、前記可能な機能的分割の第1分割から第2分割へ動的に再設定すること、を含む。
【0039】
もう1つの態様において、通信システムのためにコアノードによって実行される方法が提供される。方法は、分散ユニット及び中央ユニットを有する基地局装置と通信すること、を含み、ここで前記分散ユニットは、前記中央ユニットに比べて、前記基地局装置の下位層の機能性を提供し、前記中央ユニットは、前記分散ユニットに比べて、前記基地局装置の上位層の機能性を提供し、前記分散ユニットによって提供される前記下位層の機能性と前記中央ユニットによって提供される前記上位層の機能性との間の分割に対し、複数の可能な機能的分割のどれを使用するかを決定すること、を含み、さらに前記基地局装置の前記中央ユニットに対して、複数の可能な機能的分割のどれを使用するかに関する指示を提供すること、を含む。
【0040】
本発明の態様はシステム、方法、及び命令群を格納するコンピュータ可読メディア等のコンピュータプログラム製品を含む。それはら上述の、又は請求の範囲に記載された態様及び可能性に記載された方法を実施するためにプログラム可能プロセッサ又はシステムをプログラムするため、及び/又は請求項のいずれかに記載された装置を提供するために適当に適合されたコンピュータをプログラムするように動作可能である。
【0041】
(請求の範囲を含む)本明細書に開示された、及び/又は図面に示される特徴は、他の開示された、及び/又は示された特徴と独立して(又は組み合わせて)本発明に組み込むことができる。特に、制限ではないが、特定の独立請求項から従属する請求項のいずれかの特徴は、その独立請求項に任意の組み合わせで、又は個々に組み込まれてもよい。
【0042】
以下に記載される多様な手順を実行するために特定の物理的構成(例えば、コントローラ及び送受信機回路)を有する特定のハードウェア装置が開示されるが、本明細書に記載され、及び/又は請求項の一部をなす、方法の各ステップは該ステップを実行するための任意の適当は手段で実施されてもよい。これによれば、本発明の方法の各態様は、該方法の態様の各ステップを実行するための、それぞれの手段を含む、対応する装置態様を有する。
【0043】
以下に、添付の図面への参照とともに本発明の例としての実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1図1は本発明を適用することができるタイプの移動体電気通信システムを概略的に示す。
図2図2は、図1の電気通信システムでの使用に適した携帯電話を実施するための物理的装置のブロック図である。
図3図3は、図1の電気通信システムでの使用に適した基地局を実施するための物理的装置のブロック図である。
図4図4は、図1の電気通信システムでの使用に適した分散型基地局を実施するための物理的装置のブロック図である。
図5図5は、図1の電気通信システムにおいて負荷制御をサポートするのに適したコアネットワーク機能を実施するための物理的装置のブロック図である。
図6図6は、図1の電気通信システムにおいて課金機能の提供の容易化をサポートするのに適したコアネットワーク機能を実施するための物理的装置のブロック図である。
図7図7は、図1の電気通信システムに示されているタイプの分散型基地局の分散ユニットと中央ユニットとの間の機能的分割の動的設定をサポートするのに適したコアネットワーク機能を実施するための物理的装置のブロック図である。
図8図8は、ユーザ機器が特定のセル内のテナントID及び/又はスライスタイプのサポートを認識することを可能にするために、図1の電気通信システムの基地局とユーザ機器との間で実行される手順を示す。
図9図9は、テナント及び/又はスライスタイプに対する異なる優先順位付けを行うために、図1の電気通信システムの基地局とユーザ機器との間で実行される手順を示す。
図10図10は、図9の手順又は同様の手順を実施する際に、図1の電気通信システムのユーザ機器の内部で、無線リソース制御層、メディアアクセス制御層、物理層の間で実行される手順を示す。
図11図11はネットワークスライシングのコンテキストにおいてモビリティをサポートするために図1の電気通信システムに示されるタイプの基地局間で実行される複数の手順を示す。
図12図12はネットワークスライシングのコンテキストにおいてモビリティをサポートするために図1の電気通信システムに示されるタイプのユーザ機器と基地局の間で実行される複数の手順を示す。
図13図13はgNBにおける輻輳/過負荷の取り扱いを容易にするために、図1の電気通信システムに示されるタイプのユーザ機器と基地局の間で実行される手順を示す。
図14図14はgNBにおける輻輳/過負荷の取り扱いを容易にするために図1の電気通信システムに示されるタイの基地局とコアネットワーク機能の間で実行される手順を示す。
図15図15は課金等の(例えば、スライスタイプ毎の)テナントの使用量に特有の機能の提供を容易にするために図1の電気通信システムに示されるタイの基地局とコアネットワーク機能の間で実行される複数の手順を示す。
図16図16は、図1の電気通信システムに示されるタイプの分散型基地局の分散ユニットと中央ユニットとの間の機能的分割のための、複数の異なる選択肢を示す図である。
図17図17は、図1の電気通信システムに示されるタイプの分散型基地局の分散ユニットと中央ユニットとの間の機能的分割の動的設定を容易にするために、図1の電気通信システムで実行される手順を示す。
図18図18は、図1の電気通信システムに示されるタイプの分散型基地局の分散ユニットと中央ユニットとの間の機能的分割の動的設定を容易にするために、図1の電気通信システムで実行される他の手順を示す。
【発明を実施するための形態】
【0045】
概要
図1は、複数の異なる構成のネットワークスライス2が規定され、それを介してネットワーク事業者が彼らのSLAに基づいて異なるテナントにセルラーサービスを提供するモバイル(セルラー)電気通信システム1を概略的に示す。なお、テナントのコンセプトにより、ネットワーク事業者は異なる顧客の要求を区別し、1つ又は多数のスライスを使用してカスタマイズされたサービスを提供することができる。この例では、移動体用電気通信システム1は次世代(「5G」)システムとして動作するが、この例を参照して説明する機能の多くは他の通信システムにおいて広く適用可能である。各基地局は、ユーザ機器(UE)3(携帯電話/スマートフォン3-1、3-2及び3-3、MTC/IoT装置(図示せず)、及び/又は他の移動体又は固定位置通信装置)がそれらのネットワークに接続し、1つ又それ以上の関連するサービスを受けることを可能にするための関連した無線アクセスネットワーク(RAN)の一部を形成する。
【0046】
この例では、各UE3は、それ自身の固有のテナントIDを有する少なくとも1つのテナントによって通信サービスを提供される。したがって、テナント及びスライスのコンセプトにより、ネットワーク事業者は、各テナントの通信要求に応じて、1つ又はそれ以上の種類のネットワークスライス2を使用して通信サービスを提供することができる。
【0047】
各UE3には多次元記述子(MDD:multi-dimensional descriptor)が設定され、該MDDは、それが属するテナントのテナントIDと、それらが使用する権利がある(テナントIDによって部分的に管理される)サービス記述子/スライスタイプ(service descriptor/slice type)を少なくとも表す。サービス記述子/スライスタイプは標準化された値及び/又は事業者固有の値を含んでもよい。MDDは、本質的に、それの各行において、UE3がアクセス又はアドレス指定を要求することができるスライス2を示す行列である(したがって、スライスが1つの場合、MDDはベクトルである)。MDD内の行はMDDベクトルと呼ばれる。
【0048】
電気通信システム1の1つ又はそれ以上の基地局5-1、5-2を介して、各テナントのそれぞれのUE3にサービスが提供される。当業者に理解されるように、各基地局5は、E-UTRA(Evolved Universal Terrestrial Radio Access)技術等の適当な無線アクセス技術を使用して基地局5とUE3との間で通信を行うことができる、1つ又はそれ以上のセル6-1、6-2、6-3を運用する。
【0049】
基地局は、次世代(5G)規格に従って動作するように構成され、この例では、非分散型gNB5-1及び分散gNB5-2を含む。図1に示されているように、この例の分散gNB5-2は中央ユニット(CU)5-2bと、各々が少なくとも1つの関連したセルにサービス提供する複数の分散ユニット(DU)5-2aを備える。
【0050】
なお、この例では、「gNB」タイプの基地局が説明されるが、機能性の多くは、移動(セルラー)電話/スマートフォン、MTC/IoT装置、及び/又は他の移動又は固定位置通信装置等の、UE3への無線アクセスを提供するための他の基地局又は同様の装置に拡張することができる。
【0051】
gNB5は、電気通信システム1における通信をサポートするための複数の論理的なコアネットワークノード7を有する、関連するコアネットワークを介して接続されている。この例のコアネットワークノード7は、複数の機能のうち、少なくとも1つのコントロールプレーン機能7-1、少なくとも1つのユーザプレーン機能7-2、及び少なくとも1つのポリシー/課金機能7-4を実施する。この例では、コアネットワークノード7のうちの1つはまた、例えば、コアの過負荷制御を含む、LTEモビリティ管理エンティティ(MME)等の機能に対応する、モビリティ管理機能性を提供するモビリティ管理機能7-3を実施してもよい。この例では、コアネットワーク機能7のうちの1つはまた、分散gNB5-2の分散ユニット5-2aと中央ユニット5-2bとの間の機能的分割の動的設定を容易にするための機能(本明細書では「分散gNB制御機能」7-5と呼ばれる)を含んでもよい。なお、説明のために特定の名称を有する別個の機能が説明されるが、対応する機能性は、専用の回路及び/又は関連するプロセッサを制御するためのソフトウェア命令を使用して実施される1つ又はそれ以上の適当なコアネットワークノード7によって分離して、又は組み合わせで実施されてもよい。例えば、分散gNBの制御機能7-5は、モビリティ管理機能を実施するコアノード等の任意の適当なコアネットワークノード7の一部として実施されてもよい。
【0052】
この例において、ユーザプレーン機能7-2は、ユーザプレーンのトラフィックを終端し、データネットワークとインターフェースするための、少なくとも1つの、通常は複数の、いわゆる終端ユーザプレーン機能(TUPF(Terminating User Plane Function))を有する。背景技術として、3GPPテクニカルレポート(TR)23.799V0.7.0は、実質的に1つ又はそれ以上のセル(gNB)に結合された論理ネットワークノードであるTUPFのコンセプトを導入している。TUPFと、接続された各UE3(すなわち、TUPFに結合された基地局によって利用可能となるUE)との間に適切なプロトコルデータユニット(PDU)セッションが提供されると想定する。
【0053】
好ましくは、特定のUE3が、該UEの許可されたテナントID及び/又はスライスタイプが特定のセル内でサポートされているかどうかを、可能な限り早く認識することができるように、1つの例としての方法において、サポートされているテナントID、(テナントID毎の)スライスタイプ、及びTUPF7-2を識別する情報が対応するgNB5によってシステム情報において(例えば、LTEのSIB2等のシステム情報ブロック「SIB」において)一斉放送(ブロードキャスト)される。そして、UE3は、任意のセルが特定の所望のテナントID、テナントID毎のスライスタイプ、及び/又はTUPFをサポートしているかどうかを確認する目的で、関連するSIBに注意を傾けることができる。特定の所望のテナントID、テナントID毎のスライスタイプ、及び/又はTUPFのサポートは、MDD、UEの能力、及び/又はUSIM設定に基づいて確認される。
【0054】
UE3が、gNB5によって一斉放送されたシステム情報に基づいて、それの所望のテナントID、テナントID毎のスライスタイプ、及びTUPFがセル6よってサポートされていることを特定すると、UE3は複数の異なる目的のいずれかのために(例えば、初期アクセス手順やサービスの要求のために)セル6に在圏(キャンプオン)することができる。モバイルネットワーク事業者は多数のテナント及びスライスをサポートすることができるが、任意のセルが全てを一斉放送しなければならないのではなく、局所的な需要に基づいてセルがどのように設定されるかに応じて、いくつかを一斉放送すればよい。主要でないテナント又はスライスは、多種多様なテナント又はスライスタイプによってサポートできる。
【0055】
したがって、gNB5は、特定のセル6でサポートされているテナントID、テナントID毎のスライスタイプ、及び/又はTUPFを(事業者の要求、需要等に基づいて)都合よく動的に変化させることができ、UE3は、それの許可されたテナントID及び/又はスライスタイプが該セル6内でサポートされているかどうかを効率的に特定することができる。
【0056】
好ましくは、後に詳細に説明される例としての方法において、図1に示した通信システムは異なる処理をサポートするための手順を提供し、それにより異なるテナント及び/又はスライスタイプについての通信の優先順位付けを与える。具体的には、これらの例としての手順において、テナント毎及び/又は(各テナントに対する)スライスタイプ毎に、ランダムアクセスチャネル手順がどのように実行されるかに関するシステム情報が提供される。したがって、それぞれのテナントID毎及び/又は(各テナントに対する)スライスタイプ毎に、それぞれの異なる設定パラメータを提供することができる。1つの特に好ましい例において、RACH手順に使用されるプリアンブルは、実際には、それぞれの異なるRACHプリアンブル(又はプリアンブルの組)が各テナント及び/又は特定のテナントIDに関連付けられた各スライスタイプに関連付けられた状態で、テナントID内のテナントID毎及び/又はスライスタイプ毎に「スライス」される。これらのRACHプリアンブル(又はプリアンブルの組)の各々には、対応するテナント及び/又はスライスタイプの通信が扱われるべき優先度を表す、それぞれの優先度が与えられる。他の例では、システム情報は、RACH要求又はRACH要求の繰り返しを送信するために使用される電力、周波数及び/又は相対的なタイミングを設定するためのテナント/スライスタイプ固有のパラメータを含む。
【0057】
好ましくは、後に詳細に説明される例としての方法において、図1に示す通信システムは、ネットワークスライシングのコンテキストにおける接続モードのモビリティをサポートするために、図1の電気通信システムに示されたタイプの基地局間で行われてもよい、複数の手順を提供する。これらの手順は、近隣gNB5が、各近隣gNB5によってどのテナントID及びスライスタイプがサポートされているかを認識することを可能にするための手順、及び近隣gNB5が、各近隣gNB5の各テナント、(テナントID内の)スライスタイプ、及びTUPFの負荷状態を認識することを可能にするための手順を含む、ハンドオーバー意思決定をサポートするための、多様なgNB間テナントID及びスライスタイプリソース情報交換手順(Inter-gNB tenant ID and slice type resource information exchange procedures)を含む。
【0058】
好ましくは、後に詳細に説明される例としての方法において、図1に示す通信システムは、テナントID及び/又はスライス識別(インデックス)に基づいてアクセス禁止が実行されることを可能にすることによって、過負荷制御をサポートするためのサポートを提供する。同様に、後に詳細に説明する他の例としての方法において、図1に示す通信システムは、コアネットワーク制御過負荷手順(core network controlled overload procedure)(過負荷開始/停止手順(overload start/stop procedures))を1つ又はそれ以上の特定のテナントID及び/又はスライス識別を対象にして行うことを可能にすることによって、過負荷制御をサポートするためのサポートを提供する。
【0059】
したがって、好ましくは、例としての1つの方法において、課金や他の目的のために各テナントのそれぞれの使用量を考慮するために、図1に示す通信システムは、スライスタイプや他の要因に関する、各テナントによるダウンリンク及びアップリンクの使用量を計算する目的のために測定(メジャメント)を取り入れることを可能にする。具体的には、テナントID毎、スライスタイプ毎、(5GはWLAN RAT等の多様なRATをサポートできるため)RAT毎、周波数毎、(LAA(License Assisted Access)等の)技術毎、及び/又はUL/DL毎の、ダウンリンク及びアップリンクの総データ量の収集を可能にするために多数の新しい機能及びカウンターが提供される。各UE3は、データ量収集の目的で、テナントIDに基づいて識別されてもよく、自身のテナントIDを介して識別されたUE3に対するダウンリンク及びアップリンクの総データ消費量により、多様な粒度でテナント固有のデータ使用量の計算が可能になる。
【0060】
さらに、5Gの目的のために、5Gがシームレスな方法で(IEEE802.11、IEEE802.15等の)非3GPP無線アクセス技術をサポートすることを考慮すると、好ましくは、異なるRATベースの処理(例えば、課金)のために無線アクセス技術毎にデータ量の計算を行うこともできる。
【0061】
好ましくは、後に詳細に説明される例としての方法において、図1に示す通信システムは、チャネル状態、負荷状態、及びサービス要求の品質等に基づいて、関連する機能的分割を最適化するために該機能的分割が動的に変えられることを可能にすることによって、中央ユニットと分散ユニットを有する基地局5-2の柔軟性を向上させる。
【0062】
ユーザ装置
図2は、図1に示す(携帯電話等の)ユーザ機器3の主要構成要素を示すブロック図である。図示されるように、UE3は、1つ又はそれ以上のアンテナ233を介して(gNB等の)基地局5と信号の送受信を行うように動作可能な送受信機回路231を有する。図2には示されていないが、当然の事ながら、UE3は従来のUE3の通常の機能性(ユーザインターフェース235等)の全てを有してもよく、これらは必要に応じてハードウェア、ソフトウェア及びファームウェアのいずれか1つ又は任意の組み合わせによって実施されてもよい。UE3は、ユーザ機器3の動作を制御するためのコントローラ237を有する。
【0063】
コントローラ237はメモリ239に関連付けられており、送受信機回路231に接続されている。メモリ239に予めソフトウェアがインストールされていてもよいし、かつ/又は、例えば、電気通信ネットワークを介して、又は取り外し可能なデータ記憶装置(RMD(Removable Data Storage Device))からダウンロードされてもよい。
【0064】
コントローラ237は、この例では、メモリ239内に格納されたプログラム命令又はソフトウェア命令によって、UE3の全体の動作を制御するように構成されている。示されるように、これらのソフトウェア命令は、特に、オペレーティングシステム241、通信制御モジュール243、スライス/テナント情報モジュール245、無線リソース制御(RRC(Radio Resource Control))エンティティ247、メディアアクセス制御(MAC(Medium Access Control))エンティティ249、物理層(PHY(Physical Layer))エンティティ251、非アクセス層(NAS(Non-Access Stratum))モジュール252、及び測定モジュール253を備える。
【0065】
メモリはまた、通信及び制御の目的でUE3において使用される設定情報255を格納する。通常、この情報は、特に、(UE用に設定されている場合)多次元記述子(MDD(Multi-Dimensional Descriptor))、UEの通信及び他の能力を識別する情報、及び、ユニバーサルSIM(Subscriber Identity Module)(USIM)等のUEの加入者識別モジュール(SIM)をどのように設定するかを特定する情報を含む。
【0066】
通信制御モジュール243は、UE3と基地局5との間の通信を制御するように動作可能である。通信制御モジュール243はまた、基地局5に送信されるアップリンクデータ及び制御データの別個のフロー、並びに基地局5によって送信されるダウンリンクデータ及び制御データの受信を制御する。通信制御モジュール243は、例えば、セルの(再)選択、セルへの在圏、システム情報に対する注視、ランダムアクセスチャネル(RACH(Random Access Channel))手順等の、アイドルモード及び接続モードの手順におけるUE側の役割を担っている。
【0067】
スライス/テナント情報モジュール245は、UE3が属するテナントを識別する情報、及びUE3が使用することができるスライス/スライスタイプを識別する情報の管理及び維持を担っている。
【0068】
RRCエンティティ247は、(通信制御モジュール243の全体的な制御下で)UE3のRRC層の機能性の制御を担っている。MACエンティティ249は、(通信制御モジュール243の全体的な制御下で)UE3のMAC層の機能性の制御を担っている。PHYエンティティ251は、(通信制御モジュール243の全体的な制御下で)UE3の物理層の機能性の制御を担っている。NASモジュール252は、(通信制御モジュール243の全体的な制御下で)UE3のNAS機能性の制御を担っている。
【0069】
測定モジュール253は、(例えば、基地局5から受信した測定設定(メジャメント設定)及び制御情報に基づいて)サービングセル及び近隣セルにおける(受信信号電力及び品質等の)通信状態の測定の実行を扱う。測定モジュール253はまた、基地局5に送信するための関連する測定報告(メジャメント報告)を生成する。
【0070】
非分散型基地局(gNB)
図3は、図1に示すタイプの非分散型gNB5-1の主要な構成要素を示すブロック図である。図示されるように、gNB5-1は、1つ又はそれ以上のアンテナ353を介してUE3と信号の送受信を行うように動作可能であり、かつネットワークインターフェース355を介してコアネットワーク7及び/又は他のgNB5と信号の送受信を行うように動作可能である送受信機回路351を備える。ネットワークインターフェース355は、通常、コアネットワークと通信するためのS1のようなインターフェースと、他のgNBと通信するための(例えば、X2のような)gNBからgNBへのインターフェースを備える。コントローラ357は、メモリ359に格納されているソフトウェアに従って送受信機回路351の動作を制御する。ソフトウェアは、特に、オペレーティングシステム361、通信制御モジュール363、及びネットワークスライス/テナント管理モジュール364を含む。
【0071】
通信制御モジュール363は、gNB5-1と、UE3及びgNB5-1に接続されている他のネットワークエンティティとの間の通信を制御するように動作可能である。通信制御モジュール363はまた、アップリンク及びダウンリンクのユーザトラフィックの別個のフロー及び、例えば、UE3の動作を管理するための制御データを含む、gNB5-1によってサービス提供される通信デバイスに送信される制御データを制御する。通信制御モジュール363は、例えば、測定制御/設定情報、システム情報の通信、ランダムアクセスチャネル(RACH)手順におけるgNBのパート等の制御手順を担っている。通信制御モジュール363はまた、近隣gNBとの、gNBからgNBへのインターフェースのセットアップ、設定、及び再設定におけるgNB側の管理を担っている。通信制御モジュール363はまた、(適用可能な場合に)ハンドオーバー意思決定、ターゲット選択等を含む、gNB側のハンドオーバーの管理を担っている。通信制御モジュール363はまた、アクセス禁止パラメータの設定/再設定、コアネットワークによって開始される過負荷手順(core network initiated overload procedures)の実施及び終了、他のノード(例えば、その他のgNB)への負荷/輻輳情報の提供等の、過負荷/輻輳の制御におけるgNB側の管理を担っている。通信制御モジュール363はまた、関連するカウンターを実施し、情報をコアネットワークに提供するための、UEのデータ使用量の監視及び測定を担っている。
【0072】
ネットワークスライス/テナント管理モジュール364は、各サービス/テナントに対し、gNB5-1を介して利用可能な、多様な無線アクセスネットワーク(RAN)スライスを規定するための設定データ365を格納及び管理するように動作可能である。
【0073】
分散基地局(gNB)
図4は、図1に示すタイプの分散型gNB5-2の主要構成要素を示すブロック図である。図示されているように、gNB5-2は分散ユニット5-2aと中央ユニット5-2bとを備える。各ユニット5-2a、5-2bはそれぞれの送受信機回路451a、451bを備える。分散ユニット5-2aの送受信機回路451aは、1つ又はそれ以上のアンテナ453aを介してUE3と信号の送受信を行うように動作可能であり、インターフェース454aを介して中央ユニット5-2bと信号を送受信するように動作可能である。
【0074】
中央ユニット5-2bの送受信機回路451bは、ネットワークインターフェース455bを介してコアネットワーク7の機能及び/又は他のgNB5と信号を送受信するように動作可能である。ネットワークインターフェース455bは、通常、コアネットワークと通信するためのS1のようなインターフェースと、他のgNBとの通信のための(例えば、X2のような)gNBからgNBへのインターフェースとを備える。中央ユニット5-2bの送受信機回路451bはまた、インターフェース454bを介して1つ又はそれ以上の分散ユニット5-2bと信号の送受信を行うように動作可能である。
【0075】
各ユニット5-2a、5-2bは、それらのそれぞれのメモリ459a、459bに格納されたソフトウェアに従って、対応する送受信機回路451a、451bの動作を制御する、それぞれのコントローラ457a、457bを備える。各ユニットのソフトウェアは、特に、それぞれのオペレーティングシステム461a、461b、それぞれの通信制御モジュール463a、463b、それぞれのネットワークスライス/テナント管理モジュール464a、464b、及びそれぞれのDU/CU機能的分割管理モジュール467a、467bを備える。
【0076】
各通信制御モジュール463a、463bは、1つのユニットから他のユニットへの通信を含む、それの対応するユニット5-2a、5-2bの通信を制御するように動作可能である。分散ユニット5-2aの通信制御モジュール463aは分散ユニット5-2aとUE3との間の通信を制御し、中央ユニット5-2bの通信制御モジュール463bは中央ユニット5-2bとgNB5-2に接続されている他のネットワークエンティティとの間の通信を制御する。
【0077】
通信制御モジュール463a、463bはまた、アップリンク及びダウンリンクのユーザトラフィック及び、例えば、UE3の動作を管理するための制御データを含む、gNB5-2によってサービス提供される通信装置に送信される制御データのフローにおける、分散ユニット5-2aと中央ユニット5-2bによって行われる部分をそれぞれ制御する。各通信制御モジュール463a、463bは、例えば、測定制御/設定情報、システム情報の通信、ランダムアクセスチャネル(RACH)手順におけるgNBのパート等の手順における、分散ユニット5-2a及び中央ユニット5-2bによって行われる、それぞれの部分の制御を担っている。各通信制御モジュール463a、463bはまた、例えば、近隣gNBとの、gNBからgNBへのインターフェースのセットアップ、設定、及び再設定におけるgNB側の管理における、分散ユニット5-2a及び中央ユニット5-2bによって行われる、それぞれの部分の制御を担っている。各通信制御モジュール463a、463bはまた、(適用可能な場合に)ハンドオーバー意思決定、ターゲット選択等を含む、gNB側ハンドオーバーの管理における、分散ユニット5-2a及び中央ユニット5-2bによって行われる、それぞれの部分の制御を担っている。各通信制御モジュール463a、463bはまた、例えば、アクセス禁止パラメータの設定/再設定、コアネットワークによって開始される過負荷手順の実施及び終了、他のノード(例えば、その他のgNB)への負荷/輻輳情報の提供等の、過負荷/輻輳の制御におけるgNB側の管理において、分散ユニット5-2a及び中央ユニット5-2bによって行われる、それぞれの部分の制御を担っている。各通信制御モジュール463a、463bはまた、例えば、関連するカウンターを実施し、情報をコアネットワークに提供するための、UEのデータ使用量の監視及び測定における、分散ユニット5-2a及び中央ユニット5-2bによって行われる、それぞれの部分の制御を担っている。
【0078】
各ネットワークスライス/テナント管理モジュール464a、464bは、各サービス/テナントに対し、gNB5-1を介して利用可能な多様な無線アクセスネットワーク(RAN)スライスを規定するための設定データの格納及び管理において、分散ユニット5-2a及び中央ユニット5-2bによって行われる、それぞれの部分を実行するように動作可能である。
【0079】
各DU/CU機能的分割管理モジュール467a、467bは、分散ユニット5-2aと中央ユニット5-2bとの間の機能的分割の管理、設定、及び再設定において、分散ユニット5-2a及び中央ユニット5-2bによって行われる、それぞれの部分を担っている。
【0080】
モビリティ管理機能
図5はモビリティ管理機能7-3(例えば、モビリティ管理エンティティ(MME))を提供するコアノード7の主要構成要素を示すブロック図である。コアノード7-3は、ネットワーク575を介してgNB5及び/又は他のノード(例えば、他のコアネットワーク機能を提供する他のコアノード)と信号の送受信を行うように動作可能な送受信機回路571を備える。コントローラ577は、メモリ579に格納されているソフトウェアに従って送受信機回路571の動作を制御する。ソフトウェアは、特に、オペレーティングシステム581、通信制御モジュール583、モビリティ管理モジュール584、及び過負荷制御モジュール585を含む。
【0081】
通信制御モジュール583は、コアノード7-3と、コアノードへ7-3に(直接又は間接的に)接続されている他のネットワークエンティティ(例えば、gNB及び他のネットワーク機能を提供する他のコアノード)との間の直接的及び/又は間接的な通信を制御するように動作可能である。
【0082】
モビリティ管理モジュール584は、例えば、アクセスネットワークに対する制御、アイドルモードのUEのページング、ベアラー起動/停止機能、初期接続時及びコアノード再配置を伴うハンドオーバー時のUEに対する適切なコアノード7(例えば、サービングゲートウェイ及び/又はTUPF)の選択等を含む、コアノード7のモビリティ管理機能性の提供を担っている。モビリティ管理モジュール584はまた、ユーザの認証、非アクセス層(NAS)シグナリングの終了、UEへの一時的な識別の生成及び割り当て、及び他の同様な機能を担っている。
【0083】
過負荷制御モジュール585は、過負荷状況の発生及び終了の検出、gNBにおける過負荷動作を開始及び終了のためのメッセージの送信等を含む、コアネットワークノードでのコアネットワークにおける過負荷状況の管理を担っている。
【0084】
ポリシー/課金制御機能
図6は、ポリシー/課金制御機能7-4を提供するコアノード7の主要構成要素を示すブロック図である。コアノード7-4は、ネットワークインターフェース675を介してgNB5及び/又は他のノード(例えば、他のコアネットワーク機能を提供する他のコアノード)と信号を送受信するように動作可能な送受信機回路671を備える。コントローラ677は、メモリ679に格納されているソフトウェアに従って送受信回路671の動作を制御する。ソフトウェアは、特に、オペレーティングシステム681、通信制御モジュール683、及びポリシー/課金制御モジュール684を含む。
【0085】
通信制御モジュール683は、コアノード7-4と、コアノードへ7-4に(直接又は間接的に)接続されている他のネットワークエンティティ(例えば、gNB及び/又は他のネットワーク機能を提供する他のコアノード)との間の直接的及び/又は間接的な通信を制御するように動作可能である。
【0086】
ポリシー/課金制御モジュール684は、特定のテナント及び/又はスライスタイプに対する、複数のgNBsからの、データ使用量の統計の蓄積を含む課金制御機能の提供を担っている。ポリシー/課金制御モジュール684は、テナント毎の、異なるスライスタイプベースの課金等の、累積データ使用量統計に基く課金機能を実行する。
【0087】
DU/CU機能的分割管理機能
図7は、分散gNB5-2において、(実装されている場合に)コアネットワークベースの動的機能的分割管理を提供するためのDU/CU機能的分割管理機能7-5を提供するコアノード7の主要構成要素を示すブロック図である。コアノード7-5は、ネットワークインターフェース775を介してgNB5及び/又は他のノード(例えば他のコアネットワーク機能を提供する他のコアノード)と信号を送受信するように動作可能な送受信機回路771を備える。コントローラ777は、メモリ779に格納されているソフトウェアに従って送受信回路771の動作を制御する。ソフトウェアは、特に、オペレーティングシステム781、通信制御モジュール783、及びDU/CU機能的分割管理モジュール784を含む。
【0088】
通信制御モジュール783は、コアノード7-5と、コアノードへ7-5に(直接又は間接的に)接続されている他のネットワークエンティティ(例えば、gNB及び/又は他のネットワーク機能を提供する他のコアノード)との間の直接的及び/又は間接的な通信を制御するように動作可能である。
【0089】
DU/CU機能的分割管理モジュール784は、図4を参照して説明されたタイプの分散gNB5-2のDU/CU機能的分割の管理の提供を担っている。DU/CU機能的分割管理モジュール784は、(実施されている場合に)任意のUE3、該UE3が属するテナント、及び/又は該UE3が使用を望んでいるスライスに対する最適な機能的分割の決定を含む、コアネットワークベースの動的機能的分割の管理のサポートを提供する。この決定は、通常、優勢的なチャネル状態、負荷状態、及び/又はサービス要求の品質を考慮に入れてなされるだろう。
【0090】
以上の説明において、携帯電話、UE、gNBs、及びコアネットワーク機能を実現するコアネットワークノードは、理解を容易にするために、複数の別個のモジュールを有するとして説明されてきた。これらのモジュールは、例えば、本発明を実施するために既存のシステムを変更する場合等の特定の用途に対しては、上記の様式で提供されてもよい。これに対し、他の用途において、例えば、本発明の特徴を念頭に置いて設計したシステムにおいては、これらのモジュールは、それらが別個のエンティティとして認識されない様式で、全体的なオペレーティングシステム又はコードに組み込まれてもよい。これらのモジュールは、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせで実施されてもよい。
【0091】
ここで、例として複数の手順を説明するが、それらは複数の長所を有する効率的なスライシングメカニズムの提供を支援するために実施されてもよい。なお、これらの手順は、それぞれが単独で実施された場合に独立して技術的利益をもたらすことができるが、これらの手順は任意の組み合わせで実施されてもよい。
【0092】
<テナントに対するセルのサポート及び/又はテナントに関連付けられたスライスタイプ>
図8は、ユーザ機器が特定のセル内のテナントID及び/又はスライスタイプのサポートを認識することを可能にするために、図1の電気通信システムの基地局とユーザ機器との間で実行される手順を示す。
【0093】
図8に示されているように、gNB5が(それぞれのテナント識別子によって示される)1つ又はそれ以上のテナント、1つ又はそれ以上のテナントによって運用される1つ又はそれ以上の特定のスライスタイプ、及び/又は1つ又はそれ以上のTUPFをサポートするためにセルを設定するとき、あるいは、gNB5がサポートされるテナント、1つ又はそれ以上のテナントによって運用される特定のスライスタイプ、及び/又はTUPFを変更するためにセルを動的に設定するときに、図示される手順は、ステップS800で開始される。なお、テナントID、テナントID毎のスライスタイプ、及び/又はTUPFのサポートは、限定ではないが、事業者の要求、及び現在の、過去の、又は予測された需要を含む複数の異なる要因に基づいて動的に変更することができる。
【0094】
gNB5は、それが運用する各セルに、マスター情報ブロック(MIB(Master Information Block))及び複数のシステム情報ブロック(SIB(System Information Block))の形式でシステム情報を定期的に一斉放送する。各SIBは、UE3がそのセル内で通信するために必要となる可能性がある情報、及び/又はUE3が、近隣のgNB5に一斉放送を実行しているgNB5について知らせるために、近隣のgNB5へ提供するために取得する可能性がある情報を含む。
【0095】
例として、LTE(Long-Term Evolution)ベースの通信システム(図1の通信システムはこれの発展であってもよい)においては、通常、MIBは、特に、他のSIBのスケジューリング情報を含み、SIB1は、特に、セルアクセス関連情報を含み、SIB2は、特に、無線リソース設定情報、禁止情報、及び共通チャネルの無線リソース設定を含み、SIB3は、特に、周波数内、周波数間、及び/又はRAT間のセル再選択に共通のセル再選択情報を含み、SIB4は、特に、周波数内セル再選択のための近隣セル関連情報、及び周波数内ブラックリストセルリストを含み、SIB5は、特に、E-UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)固有周波数間近隣セル関連情報、及びE-UTRAN固有周波数間ブラックリストセルリストを含み、SIB6及びSIB7は、特に、(UTRAN、GERAN、CDMA2000等の)それぞれの異なる無線アクセス技術に対する無線アクセスネットワークへのセル再選択に関する情報を含む。なお、上述の内容は上記のSIBの選択を表しているに過ぎず、通常、技術及び要求に応じてセル内で他の多くのSIBが一斉放送されてもよい。
【0096】
図8の手順において、ステップS804で、gNB5が、次にシステム情報を一斉放送するとき、システム情報は、gNBによって運用されるセルによってサポートされるテナントID、テナントID毎のスライスタイプ、及び/又はTUPFを識別する情報を含むように構成されたシステム情報ブロック(例えば、SIB2)を含む。
【0097】
ステップS802で示されているように、UE3はgNB5から与えられるシステム情報の定期的な一斉放送に注意を傾け、それにより、ステップS804で、gNB5がシステム情報を一斉放送したときに、UE3は、サポートされているテナントID、テナントID毎のスライスタイプ、及び/又はTUPFを識別する情報を含むシステム情報ブロックを受信する。
【0098】
なお、図8に示した手順においては、特定の時点で示されているが、UE3のシステム情報の注視は、該UE3がオンにされている間、それが定期的に実行し続ける継続的なプロセスである。
【0099】
したがって、ステップS806において、UE3は、gNBのセルがそれの所望のテナントID、テナントID毎のスライスタイプ、及び/又はTUPFをサポートしているかどうかを確認することができる。UE3は、多次元記述子(MDD)、UEの能力、USIM設定、及び/又は動的に設定されるNASにおいて特定のテナントID及び/又はスライス(タイプ)が示されているかどうかに基づいて、上述の確認をすることができる。
【0100】
セルがUE3のテナントID及び/又はUE3が使用しようしているテナントID内の特定のスライスタイプをサポートしている場合、UE3はステップS808で該セルへの在圏(キャンプオン)を決定することができる。
【0101】
なお、上述の手順は、例えば、UE3がネットワークへの初期アクセスの目的のため、又はサービス要求をする目的のため等の何らかの理由で任意のセルに在圏するかどうかを決定する場合に、該UE3によって使用されてもよい。
【0102】
セルがUE3のテナントID及び/又はUE3が使用しようしているテナントID内の特定のスライスタイプをサポートしていない場合、UE3はステップS810で該セルへ在圏しないことを決定することができる。
【0103】
<テナント/スライス優先順位付け>
図9は、ランダムアクセスチャネル手順の際にUE3の特定のセルへの接続の試みの初期段階にテナント及び/又はスライスタイプに対する異なる優先順位付けを行うために、図1の電気通信システムの基地局とユーザ機器との間で実行される手順を示す。
【0104】
図9に示されているように、図示の手順は、システム情報が(例えば、図8への参照とともに言及されたシステム情報の定期的な一斉放送の一部として)gNB5によって運用されるセル内で一斉放送されたときに、ステップS900で開始される。図9の手順において、gNB5がステップS900でシステム情報を一斉放送するとき、システム情報は、テナントID固有パラメータ及び/又はスライスタイプ固有パラメータを含むように構成されたシステム情報ブロック(例えば、SIB2)を含む。したがって、各テナントID及び/又は特定のテナントIDに関連付けられた各スライスタイプに対して、それぞれの異なるパラメータを設定することができる。
【0105】
この例では、各テナントID及び/又は特定のテナントIDに関連付けられた各スライスタイプに、それぞれの異なるRACHプリアンブルが関連付けられている。したがって、本質的には、RACHプリアンブルはテナントID及び/又はテナントID内のスライスタイプ毎に「スライス」される。これらのRACHプリアンブルの各々は、対応するテナント及び/又はスライスタイプの通信が扱われるべき優先順位を表す、それぞれの優先順位を有する。
【0106】
この例では、ステップS900においてシステム情報に与えられたテナントID固有パラメータ及び/又はスライスタイプ固有パラメータは、各テナントのID及び/又は特定のテナントIDに関連付けられた各スライスタイプに関連付けられた、それぞれのRACHプリアンブルを識別するパラメータを含む。
【0107】
ステップS902に示されているように、UE3はgNB5から与えられるシステム情報の定期的な一斉放送に注意を傾け、それにより、gNB5がステップS900でシステム情報を一斉放送したときに、UE3はテナントID固有パラメータ及び/又はスライスタイプ固有パラメータを含む、システム情報ブロックを受信する。
【0108】
なお、図9に示した手順においては、特定の時点で示されているが、UE3のシステム情報の注視は、該UE3がオンにされている間、それが定期的に実行し続ける継続的なプロセスである。
【0109】
UE3が(例えば、セルへの初期アクセス、接続確立、ハンドオーバー等を容易にするために)RACH手順を開始する必要があると決定したとき、該UE3は、ステップS904において、それが属するテナントID及び/又はそれが使用しようとしているスライスタイプのために使用される正しいプリアンブルを識別する。この識別は、システム情報の一斉放送で与えられるパラメータ、及び/又は多次元記述子(MDD)で表されるテナントID及び/又は関連するスライスタイプとの関連で、各テナントID及び/又は特定のテナントIDに関連付けられた各スライスタイプに関連付けられた、それぞれのRACHプリアンブルを識別するUSIM及び/又MDDに予め設定されたパラメータに基づいて行うことができる。
【0110】
そして、UE3は、ランダムアクセスチャネルを要求するためにRACH手順のメッセージ1(例えば、RACH要求)を生成する。このメッセージは(例えば、選択されたランダムアクセスプリアンブルに一意的に関連付けられたインデックスの形式で)選択されたランダムアクセスプリアンブルを識別する情報を含む。ステップS906において、選択されたランダムアクセスプリアンブルを識別する情報を含むメッセージはgNB5に送られる。
【0111】
gNB3は、UE3に関連付けられたランダムアクセス無線ネットワーク一時識別(RA-RNTI(Random Access Radio Network Temporary Identity))及びプリアンブルが送られるタイムスロットの番号を決定する。
【0112】
そして、gNB5は、ステップS908において、RACH手順のメッセージ1で識別されたプリアンブル及び該プリアンブルに関連付けられた相対的優先順位に基づいて、(例えば、他のUEとの通信に対して)UE3の通信を優先順位付けする。したがって、実際には、gNB5は、それがRACHメッセージ1を受信したときに、異なるプリアンブルを異なる優先順位で扱うことになるだろう。
【0113】
RACH要求を受信した後、gNBはRACH手順が成功した後に(C-RNTIのように)恒久的な識別となる、一時的な識別(一時的なセルRNTI-TC-RNTI)をUE3に割り当て、次のUEメッセージが正しいタイミングで送受信されることを保証するために使用される、適切なタイミングアドバンスを算出する。gNB5はまた、アップリンクリソースを割り当てる。
【0114】
gNB5は、UE3がメッセージ3(例えば、RRC接続要求等のレイヤ3メッセージ)を適切な時間に送信するのに必要な情報を含む、適切なランダムアクセス応答(RAR(Random Access Response))メッセージ(メッセージ2)を生成する。そして、ステップS910において、このメッセージはUE3に送られる。RARメッセージは通常、少数の送信時間間隔(TTI)の時間ウィンドウ内に物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH(Physical Downlink Control Channel))上で送られる。初期アクセスの目的のために、RARメッセージは、通常、ランダムアクセスプリアンブル識別子、タイミング調整情報、初期UL許可(グラント)、及び一時的C-RNTIの割り当てを運んでもよい。
【0115】
なお、図9には示されていないが、UE3がネットワークからRARメッセージを受信しない場合、該UE3は固定されたステップでその電力を増加し、RACHプリアンブルを再度送る。
【0116】
UE3は、ステップS912で、適切なメッセージ3(例えば、適切なレイヤ3メッセージ)によってRARメッセージに応答する。
【0117】
なお、上述のRACH手順をサポートするテナント/スライスタイプの優先順位付けは、図1の電気通信システム1で起こり得る、多数の異なる状況の最中に行われてもよい。RACH手順は、例えば、UE3がRRCアイドル状態でネットワークにアクセスしようとしているときの初期アクセス手順中、RRC接続(再)確立手順中、ハンドオーバー手順中、アップリンクの同期が失われたとき(例えば、ネットワークが特定の期間にアップリンクにおいてUE3から何も受信しなかったとき)、UE3がSR(Scheduling Request)に利用可能な物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)リソースを全く有さないとき、及びUEに対するRRC接続状態における位置決め目的のためにタイミングアドバンスが必要とされるときに実行されてもよい。
【0118】
例えば:RACH手順が初期アクセス(又はRRC接続確立)の目的のためである場合、メッセージ3はRRC接続要求メッセージであってもよい。RACH手順がRRC接続再確立の目的のためである場合、メッセージ3はRRC接続再確立メッセージであってもよい。RACH手順がRACHを必要とするハンドオーバータイプの手順の目的のためである場合、メッセージ3はRRC接続再設定完了メッセージであってもよい。
【0119】
この例において、RACH手順は、異なるテナント及び/又はスライスタイプに対する通信の優先的な又は異なる処理を可能にするために、テナント毎及び/又は(特定のテナントに対する)スライスタイプ毎に複数の他のパラメータを提供するために都合よく使用することもできる。
【0120】
以下のパラメータは、例えば、プリアンブル情報に加えて(又は、それの代わりに)、(例えば、SIB2において)システム情報においてテナントID毎/スライスタイプ毎に設けられていてもよい。
【0121】
PreambleInitialReceivedTargetPower:このパラメータは、gNB5がRACH手順中にRACH要求の最初の送信を受信するときに望む目標電力レベルを表す。デフォルト値は、通常、-104dBmであるが、2dBmのステップサイズで、(通常)-120dBmから-90dBmの範囲の値をとる。このパラメータは、UE3が属するテナントID及び/又はUE3がテナントID内で使用することを望むスライスタイプに基づいて変化してもよい。
【0122】
PowerRampingStep:このパラメータは、後続の各RACH要求を送信するときにUE3によって使用される電力増分を表す。このパラメータは、異なるテナントIDに属する(又は異なるスライスタイプを使用する)異なるUEが後続のRACH要求を送信するために異なる電力ステップを使用することができるように、UE3が属するテナントID及び/又はUE3がテナントID内で使用することを望むスライスタイプに基づいて変化してもよい。したがって、実際には、特定のテナントIDに属する(又は特定のスライスタイプを使用する)UEの後続のRACH要求がgNB5によって受信される可能性を高めるために、小さめの電力ステップを有するUEに比べて、大きめの電力ステップが使用されてもよい。
【0123】
prach-ConfigIndex:このパラメータは、UEが周波数/時間の碁盤目において、いつRACHを送るか(どのサブフレーム)を正確に定義する。このパラメータもまた、異なるテナントIDに属する(又は異なるスライスタイプを使用する)異なるUEがRACH要求を送信するために異なるサブフレーム(例えば、2又は7)を使用することができるように、UE3が属するテナントID及び/又はUE3がテナントID内で使用することを望むスライスタイプに基づいて変化してもよい。
【0124】
prach-FreqOffset:PRACH周波数オフセットパラメータは、UE3及び他の近隣セルに、RACHアクセスに対してどのリソース(物理リソースブロック)が利用可能であるかについて知らせるために使用される。このパラメータもまた、異なるテナントIDに属する(又は異なるスライスタイプを使用する)異なるUEがRACHアクセスのために異なる周波数リソースを使用することができるように、UE3が属するテナントID及び/又はUE3がテナントID内で使用することを望むスライスタイプに基づいて変化してもよい。
【0125】
ra-ResponseWindowSize:RA応答ウィンドウサイズパラメータは、サブフレーム単位(例えば、2、3、4、5、6、7、8、又は10サブフレーム)でランダムアクセス応答ウィンドウの持続時間を表す。このパラメータはテナントID及び/又はスライスタイプに対して変化してもよい。さらに、ネットワークがRACH応答を送信できる最も早い時間(すなわち、RAR応答ウィンドウの開始)は、(例えば、テナントID/スライスタイプベースのプリアンブルを考慮に入れるために)テナントID/スライスタイプに応じて変化してもよい。通常、RAR応答ウィンドウはRACHプリアンブルの3サブフレーム後に始まる。
【0126】
preambleTransMax:このパラメータは、プリアンブル送信の最大数(通常可能な値は3、4、5、6、7、8、10、20、50、100、200)を定義する。このパラメータは、異なるテナント/スライスタイプに対して異なる送信の試行の回数を可能にするために、異なるテナントID及び/又はスライスタイプに対して変化してもよい。
【0127】
同様に、いくつかのパラメータは、例えば、RACH手順の他のメッセージにおいてテナントID毎/スライスタイプ毎に設けられていてもよい。例えば、通常、RARのメディアアクセス制御プロトコルデータユニット(MAC PDU(Media Access Control Protocol Data Unit))に含まれるバックオフインジケータは、優先順位付けの目的のために異なるテナントID及び/又はスライスタイプに対して変化してもよい。バックオフインジケータは、後続のRACHの試行の間の時間遅延を示すパラメータを運ぶ特別なMACサブヘッダである。
【0128】
なお、RAR(メッセージ2)及びメッセージ3の、それぞれの優先的な取り扱いを可能にするために、同様の方法で、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH(Physical Downlink Shared Channel))、物理上りリンク共有チャネル(PUSCH(Physical Uplink Shared Channel))等の他の物理チャネルを「スライス」することができる。
【0129】
また、同様に、(RACHとは関係ないが)優先的な取り扱いのために、ページングチャネル(PCH(Paging Channel))、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH(Physical Downlink Control Channel))、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH(Physical Uplink Control Channel))等の、他の物理チャネルが「スライス」されてもよい。
【0130】
また、(例えば、プリアンブルがスライスされていない場合)RACHは優先順位付けされた処理のための容易なテナントの識別のために(UMTSにおけるメッセージのような)RRCメッセージを含むことができる。
【0131】
図10は、図9の手順又は同様の手順を実施する際に、図1の電気通信システムのユーザ機器の無線リソース制御層、メディアアクセス制御層、物理層の間で、内部で実行される手順を示す。
【0132】
図10に示されているように、手順は、UE3内の無線リソース制御(RRC)エンティティ247がRACH手順をトリガするためにUEMACエンティティ249に要求を送ったときに、ステップS1000で開始される。
【0133】
ステップS1002において、UEMACエンティティ249は、UE3が属する任意のテナントID及び/又はUE3が使用しようとするスライスタイプに対して、システム情報ブロック及び/又はMDD/USIM設定情報から、正しいサブフレーム、プリアンブル及び(図9を参照して言及したパラメータのうちのいずれか等の)他のパラメータを識別する。
【0134】
そして、UEMACエンティティ249は、ステップS1004において、許可されたプリアンブルインデックス、ra-RNTI及びプリアンブル送信のために使用される電力を計算する。これらの値は、ステップS1006において、UE3が属するテナントのテナントID、スライスタイプ、MDD、UEの能力等に基づいてRACH要求の送信が実行されなければならないRACHサブフレームと共に、UEPHYエンティティ251に指示される。
【0135】
そして、UEPHY251はステップS1008でRACH要求を送信する。
【0136】
<接続モードモビリティに対するサポート>
図11(a)~(e)は、ネットワークスライシングのコンテキストにおいて接続モードモビリティをサポートするために図1の電気通信システムに示されるタイプの基地局間で実行される複数の手順を示す。より具体的には、図11(a)~(e)は、ハンドオーバーの意思決定をサポートするための様々なgNB間テナントID及びスライスタイプリソース情報交換手順を示す。図11(a)及び(b)は、近隣gNB5が、各近隣gNB5によってどのテナントIDとスライスタイプがサポートされているかを認識することを可能にするための手順を示している。図11(c)~(e)は、近隣gNB5が、各テナント及び(テナントID内の)スライスタイプの負荷状態、並びに各近隣gNB5のTUPFを認識することを可能にするための手順を示している。なお、これらの手順は単独で、又は技術的に適当に組み合わせて実施されてもよい。
【0137】
図11(f)は、図11(a)~(e)に示す手順の1つ又はそれ以上において交換される情報に基づいてハンドオーバーを開始するための手順を示しいている。
【0138】
図11(a)及び(b)を参照すると、近隣gNB5が、各近隣gNB5によって、どのテナントIDとスライスタイプがサポートされているかを認識することを可能にするための情報は近隣のgNB5間のインターフェースの確立時、及び/又は近隣のgNB間の設定の更新時に交換されてもよい。
【0139】
図11(a)に示すように、例えば、近隣のgNB(A)とgNB(B)との間の設定の更新時、gNB(A)は、ステップS1100で、gNB(A)とgNB(B)との間の(例えば、X2インターフェースに類似の)gNBからgNBへのインターフェースのセットアップを開始するために、インターフェースセットアップ要求メッセージをgNB(B)に送る。インターフェースセットアップ要求メッセージは、gNB(A)によってサポートされるテナントID及び/又は(テナントID毎の)スライスタイプを識別する情報を含む。gNB(B)は、ステップS1102において、適切なインターフェースセットアップ応答メッセージによって応答する。インターフェースセットアップ応答メッセージは、gNB(B)によってサポートされるテナントID及び/又は(テナントID毎の)スライスタイプを識別する情報を含む。
【0140】
図11(b)に示されているように、近隣のgNB(A)とgNB(B)との間の設定の更新時、gNB(A)は、ステップS1104で、テナントID及び/又は(テナントID毎の)スライスタイプの変更されたサポートについてgNB(B)を更新するために、gNB設定更新メッセージをgNB(B)に送る。gNB設定更新メッセージは、gNB(A)によって、現時点でサポートされているテナントID及び/又は(テナントID毎の)スライスタイプを識別する情報を含む。gNB(B)は、ステップS1106で、更新された情報の安全な受信を確認するための適切なgNB設定更新確認応答メッセージによって応答する。
【0141】
図11(c)~(e)を参照すると、近隣gNB5が、各テナント及び(テナントID内の)スライスタイプの負荷状態、並びに各近隣gNB5のTUPFを認識することを可能にするための情報は、定期的な時間間隔で、及び/又は、例えば、負荷指示手順(load indication procedure)、リソース状態報告開始手順(resource status reporting initiation procedure)、(X2APリソース状態報告手順に類似の)非請求リソース状態報告手順(unsolicited resource status reporting procedure)等の手順でトリガされたときに交換されてもよい。
【0142】
図11(c)は、例えば、gNB(A)が、ステップS1108において、gNB(B)に、各テナントID、(テナントID内の)スライスタイプ、及び/又は該gNB(A)に関連付けられたTUPFの負荷状態(例えば、UL/DL物理リソースブロック使用量)について知らせるために、負荷情報メッセージをgNB(B)に送る、負荷指示手順を示している。負荷情報メッセージは、予め決められた規則的な間隔で、及び/又は必要に応じてイベントによってトリガされたときに送られるメッセージであってもよい。
【0143】
図11(d)は、gNB(A)が、ステップS1110で、gNB(B)の負荷状態をgNB(A)に知らせるように該gNB(B)に要求するために、リソース状態要求を該gNB(B)に送る、リソース状態報告開始手順を示している。gNB(B)は、ステップS1112において、gNB(A)に、各テナントID、(テナントID内)スライスタイプ及び/又はgNB(B)に関連付けられたTUPFの負荷状態(例えば、UL/DL物理リソースブロック使用量)について知らせるために、リソース状態要求メッセージのよって応答する。
【0144】
図11(e)は、gNB(B)が、定期的な間隔で、及び/又は(例えば、イベントによって)そうするようにトリガされたときに、例えば、ステップS1114で、各テナントID、(テナントID内の)スライスタイプ及び/又は該gNB(B)に関連付けられたTUPFの優勢的な負荷状態(例えば、UL/DL物理リソースブロック使用量)についてgNB(A)を更新するために、リソース状態更新メッセージを送る、リソース状態報告手順を示している。
【0145】
したがって、図11(f)を参照すると、ハンドオーバーが必要になると、ソースgNB(例えば、図11のgNB(A))は、ステップS1116に示すように、ハンドオーバーについて決定し、ハンドオーバーされるUE3が属するテナント及び該UE3が使用しようとしているスライスタイプに対して、該ソースgNBが(例えば、図11(c)~(e)に示される手順の1つ又はそれ以上を使用して)近隣のgNBから取得した負荷情報に基づいて、ターゲットgNB(例えば、図11のgNB(B))を選択することができる。この決定はまた、ハンドオーバーされるUE3が属するテナント及びそれが使用しようとしているスライスタイプをサポートするgNBの近隣から(例えば、図11(a)及び(b)に示される手順の1つ又はそれ以上を使用して)取得した情報に基づいてもよい。
【0146】
したがって、この例では、ステップS1116で決定がなされると、gNB(A)は、ステップS1118で、テナントID及び/又はスライスタイプ、並びにターゲットgNB(この例ではgNB(B))を含むハンドオーバー要求をgNB(B)に送る。gNB(B)は、ステップS1120で、(通常、ハンドオーバーを開始するためにソースgNBによってUE3に送信されるハンドオーバーコマンドを含む)ハンドオーバー応答(又はハンドオーバー確認)メッセージによって応答する。ハンドオーバー処理の残りの部分は、当業者が精通している手順にしたがって進められてもよく、説明の簡潔さのためにそれの詳細な説明は省略する。
【0147】
図12は、ネットワークスライシングのコンテキストにおいてモビリティをサポートするために図1の電気通信システムに示されるタイプのユーザ機器と基地局の間で実行される複数の手順を示す。
【0148】
図12に示されているように、図11に示される手順の1つ又はそれ以上の代わりに、又はそれらに加えて、UE3は、近隣(潜在的なターゲット)gNBが測定報告(メジャメント報告)を使用して何をサポートできるかに関する情報をソースgNBに与えることができる。そして、ソースgNBはその情報に基づいて適切なターゲットgNBに対する決定をすることができる。
【0149】
具体的には、図12の例において、(ソース)gNB(A)は、ステップS1200で送られる適切な測定制御メッセージを用いて、gNB(B)(及び、場合によってはサービングgNB)等の近隣gNBに対する適切な近隣セル測定(メジャメント)を実行するようにUE3を設定する。UE3は、ステップS1201で、設定された測定を実行し、さらに、近隣によってサポートされているテナントID及び/又は(テナントID毎の)スライスタイプを取得する。取得された情報は、例えば、図8を参照して説明したように、近隣セルにおけるシステム情報の一斉放送から取得されてもよい。UE3は、ステップS1202において、少なくとも1つの測定報告において測定値及び取得した情報を報告する。なお、UEの支援により、上述のメカニズムは、gNBがどのテナント/スライスタイプがサポートされているかに関して近隣gNBを認識するための自動近隣関係(ANR(Automatic Neighbour Relation))を向上させ、これらの詳細を用いて近隣関係テーブル(NRT(Neighbour Relation Table))を構築することができる。
【0150】
そして、gNB(A)は、ステップS1204に示されるように、ハンドオーバーの決定を行い、測定結果と近隣gNBによってサポートされているテナントID及び/又は(テナントID毎の)スライスタイプとに基づいてターゲットgNB(例えば、gNB(B))を選択する。決定がなされた場合、gNB(A)は、ステップS1206で、テナントID及び/又はスライスタイプ及びターゲットgNB(この例ではgNB(B))を含むハンドオーバー要求をgNB(B)に送る。gNB(B)は、ステップS1208で、(通常、ハンドオーバーを開始するためにソースgNBによってUE3に送られるハンドオーバーコマンドを含む)ハンドオーバー応答(又はハンドオーバー確認)メッセージによって応答する。ハンドオーバープロセスの残りの部分は、(例えば、ステップS1210で)当業者が精通している手順にしたがって進められてもよく、説明の簡潔さのためにそれの詳細な説明は省略する。
【0151】
<スライス過負荷状態の取り扱い>
過負荷に近い状況では、トラフィックを抑えなければならない。地域の事業者のポリシーに基づいて、テナントID及び/又はスライスタイプに応じてトラフィックを抑えるために、差別化ポリシーを適用してもよい。これに関し、最適な戦略の決定は特定の事業者のポリシーの枠組み次第で決まるが、以下の手順は過負荷/輻輳状況を通知するために使用できるシグナリングメカニズムを提供する。
【0152】
図13は、gNBにおける輻輳/過負荷の取り扱いを容易にするために、図1の電気通信システムに示されるタイプのユーザ機器と基地局の間で実行される手順を示す。
【0153】
図13の例において、手順はアクセスクラス禁止(ACB(Access Class Barring))のものと同様である。しかしながら、ACBとは異なり、この禁止はテナントID毎及び/又はスライス識別子毎(例えば、スライスインデックス毎)に行われる。図13に示されているように、手順は、gNB5がテナントID毎及び/又はスライスインデックス毎にアクセス禁止パラメータを設定(又は変更)することから始まる。アクセス禁止パラメータは、例えば、テナントID毎/スライスインデックス毎の禁止要因及び/又は禁止時間を含んでもよい。禁止要因は、特定のセルへのアクセスが実際に禁止されているかどうかを決定するためにUE3によって使用されるパラメータである。具体的には、禁止要因(又は「アクセス確率」)によってアクセスが許可される確率が決められる。UEによって生成された乱数nが要因(又は「確率」)に等しい場合、アクセスは禁止時間に対応する平均アクセス禁止期間、禁止されるとされる。
【0154】
図13の手順において、ステップS1304で、gNB5が、次にシステム情報を一斉放送するとき、システム情報は、テナントID毎及び/又はスライスインデックス毎ベースの禁止パラメータを識別する情報を含むように構成されたシステム情報ブロック(例えば、SIB2)を含む。
【0155】
ステップS1302で示されているように、UE3はgNB5から与えられるシステム情報の定期的な一斉放送に注意を傾け、それにより、ステップS1304で、gNB5がシステム情報を一斉放送したときに、UE3は、テナントID毎及び/又はスライスインデックス毎ベースの禁止パラメータを識別する情報を含むシステム情報ブロックを受信する。
【0156】
なお、図13に示した手順においては、特定の時点で示されているが、UE3のシステム情報の注視は、該UE3がオンにされている間、それが定期的に実行し続ける継続的なプロセスである。
【0157】
テナントID毎及び/又はスライスインデックス毎ベースの禁止パラメータを識別する情報を受信した後、ステップS1306で、UE3は、gNB/NR-BSを介してアクセスを試みるかどうかを決定するときに、それが属するテナント及び/又はそれが使用しようとしているスライスに対するアクセス禁止パラメータを適用する。
【0158】
図14は、gNB5における輻輳/過負荷の取り扱いを容易にするために図1の電気通信システムに示されるタイプの基地局とコアネットワーク機能の間で実行される他の手順を示す。
【0159】
図14の例では、手順はコアネットワーク制御過負荷開始及び停止手順のアクセスクラス禁止(ACB)のものと同様である。しかしながら、既存のコア過負荷制御手順とは異なり、この過負荷制御はテナントID毎及び/又はスライス識別子毎(例えば、スライスインデックス毎)に扱われる。
【0160】
図14に示されているように、手順は、ステップS1400で、(モビリティ管理機能7-3等の)コアネットワーク機能が過負荷状態を検出し、テナント毎及び/又はスライス毎に、過負荷動作の適当な形式を決定するときに開始される。コアネットワーク機能7-3は、ステップS1401で、適切な過負荷開始メッセージを生成し、影響を受けるgNB5に送る。過負荷開始メッセージは各テナントID及び/又はスライスインデックスに対する、それぞれの過負荷パラメータを含む。パラメータは、例えば、テナントID毎及び/又はスライスインデックス毎ベースの、過負荷応答パラメータ及び/又はトラフィック負荷低減指示を含んでもよい。
【0161】
ステップS1401で過負荷開始メッセージを受信したgNB5は、ステップS1402で、当該コアネットワーク機能7-3への信号負荷を減少することによって応答する。これは、例えば、各テナントID及び/又はスライスインデックスに対する、それぞれの過負荷パラメータに基づいてRRC接続確立を拒否、許可、及び/又は制限することによって達成されてもよい。
【0162】
ステップS1403で、コアネットワーク機能7-3が過負荷状態の終了を検出すると、該コアネットワーク機能7-3はステップS1403で、適切な過負荷停止メッセージを生成し、影響を受けるgNB5に送る。
【0163】
ステップS1403で過負荷終了メッセージを受信したgNB5は、当該コアネットワーク機能への通常動作を再開することによって応答する。
【0164】
また、過負荷/輻輳が発生した場合には、トラヒックの制御を支援するために、(例えば、テナント毎及び/又はスライス毎に)RRCの拒否、RRCの解放、強制排除、及びアクセスクラス禁止手順のいずれも利用することができる。また、ここで、過負荷はノードの障害又はトラフィックの増加によって発生する可能性がある。
【0165】
<テナント使用量の監視>
図15は、(例えば、スライスタイプ毎の)課金等のテナントの使用量に特有の機能の提供を容易にするために図1の電気通信システムに示されるタイの基地局とコアネットワーク機能の間で実行される複数の手順を示す。
【0166】
図15に示されているように、1つ又はそれ以上のUE3が(ステップS1500で示されるように)アップリンク及び/又はダウンリンクにおいてgNB5介して通信しているとき、gNB5は、ステップS1502で使用されるスライスタイプ毎に各UEに対してダウンリンク及びアップリンクのデータを監視するための専用のカウンターを使用する。データ使用量の累積の目的で、各UEは、それのテナントIDに基づいて高いレベルで識別されることができ、それゆえ、各テナントIDに対して、かつ/又は(各テナントIDに対する)スライスタイプ毎にテナント固有のDL及びULの総データ量を生成するために同じテナントIDを有するUE3についてデータ使用量を合計することができる。gNB5は、ステップにS1504で、DL及びULの総データ量を含むデータ量報告を生成し、(ポリシー/課金機能7-4等の)コアネットワーク機能に送信する。
【0167】
ステップS1506で、コアネットワーク機能7-4は、各gNB5から受信したそれぞれのデータ量報告で与えられる情報に基づいて、複数のgNB5に対するテナント及び/又はスライスタイプ固有のダウンリンク及びアップリンクの総(累積)データ使用量を計算する。
【0168】
そして、ステップS1508で、コアネットワーク機能7-4はステップS1506で実行された計算の結果に基づいて、課金等のテナント固有使用量機能を実行する。
【0169】
(IEEE802.11、IEEE802.15等の)非3GPP無線アクセス技術がシームレスな方法でサポートされている場合、データ量の計算も、有益には、異なるRATベースの課金のための無線アクセス技術毎に行うことができる。無認可の周波数域がライセンス支援アクセス(LAA(License Assisted Access))で使用される場合、上述の情報も考慮に入れてもよい。
【0170】
<動的な機能的分割>
図16は、図1の電気通信システムに示され、図4を参照して説明されたタイプの分散基地局の分散ユニットと中央ユニットとの間の機能的分割のための、複数の異なるオプションを示している。オプションは次のものを含む。
【0171】
<オプション1>
-オプション1の機能的分割に従うと、無線リソース制御(RRC)層の機能は中央ユニットで実行される。パケットデータ集中プロトコル(PDCP(Packet Data Convergence Protocol))、無線リンク制御(RLC(Radio Link Control))、メディアアクセス制御(MAC(Media Access Control))、及び物理(PHY(Physical))層の機能、並びに無線周波数(RF)機能は分散ユニットにおいて実行される。
【0172】
<オプション2>
-オプション2機能的分割に従うと、RRC層及びPDCP層の機能は中央ユニットに存在する。RLC、MAC、物理層、及びRFの機能は分散ユニットに存在する。
【0173】
<オプション3>
-オプション3の機能的分割に従うと、RRC、PDCP及び上位RLC層(すなわち、RLCの一部)の機能は中央ユニットに存在する。下位RLC層(すなわち、RLC層の他の部分)の機能、MAC層、物理層及びRFの機能は分散ユニットに存在する。
【0174】
<オプション4>
-オプション4に従う機能的分割に従うと、RRC、PDCP及びRLC層の機能は中央ユニットに存在する。MAC、物理層及びRFの機能は分散ユニットに存在する。
【0175】
<オプション5>
-オプション5の機能的分割に従うと、RRC、PDCP、RLC、及び上位のMAC層の機能は中央ユニットに存在する。下位のMAC層(例えば、ハイブリッド自動再送要求(HARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)))、物理層及びRFの機能は分散ユニットに存在する。
【0176】
<オプション6>
-オプション6の機能的分割に従うと、RRC、PDCP、RLC及びMACレイヤの機能は中央ユニットに存在する。物理層とRFの機能は分散ユニットに存在する。
【0177】
<オプション7>
-オプション7の機能的分割に従うと、RRC、PDCP、RLC、MAC及び物理層の(上位の)部分の機能は中央ユニットに存在する。物理層の(下位の)部分及びRFの機能は分散ユニットに存在する。
【0178】
<オプション8>
-オプション8の機能的分割に従うと、RRC、PDCP、RLC、MAC及び物理層の機能は中央ユニットに存在する。RFの機能は分散ユニットに存在する。
【0179】
なお、示されたオプションはすべてのものを網羅したものではない。
【0180】
なお、中央ユニットと分散ユニットとの間の機能的分割のための上記のオプションはいずれも、特に、チャネル状態、負荷状態、サービス要求の品質が変わってしまうという理由で、すべてのシナリオにおいて最適であるものではない。
【0181】
図17及び図18の各々は、例えば、チャネル状態、負荷状態、サービス要求の品質等に基づいて上述の機能的分割を最適化するために機能的分割を動的に変更することを可能にすることによって、そのような機能的分割を有する基地局の柔軟性を改善するために使用される手順を示している。これらの手順の各々において、図16を参照して説明された機能的分割のための異なるオプションの各々(又はこれらのオプションの少なくともサブセットの各々)には、それぞれの識別子(例えばインデックス番号)が与えられる。UEのサービス要求が確立されると、分散gNB5-2の中央ユニット(図17)又はコアノード機能7-5(図18)は、どの機能的分割オプションを使用するかを決定し、中央ユニットと分散ユニット間で適切な機能的分割をセットアップするために関連する指示を与える。
【0182】
なお、これらの手順は、分離して、又は(例えば、電気通信システム1内の異なるオプションとして)組み合わせで実施されてもよい。
【0183】
図17は、図1の電気通信システムに示されるタイプの分散型基地局の分散ユニットと中央ユニットとの間の機能的分割の動的設定を容易にするために、図1の電気通信システムで実行される手順を示す。
【0184】
図17の例において、手順は、ステップS1700で、サービス要求がUE3からの分散gNB5-2に送られたときに開始される。サービス要求は通常、UE3を識別する情報、UE3が属するテナント、及び/又はそれが使用することを望むスライスを含む。gNB5-2の分散ユニット5-2aはサービス要求を受信し、ステップS1702で、それをgNB5-2の中央ユニット5-2bに転送する。
【0185】
この例において、ステップS1704で、中央ユニット5-2bは、識別されたUE3、UE3が属するテナント及び/又はUE3が使用することを望むスライスに対する、最適な機能的分割を決定する。この決定は通常、優勢的なチャネル状態、負荷状態及び/又はサービス要求の品質を考慮に入れるであろう。
【0186】
最適な機能的分割に関する決定がなされたとき、中央ユニット5-2bはステップS1705で、分散ユニット5-2aに機能的分割の指示を与え、分散ユニット及び中央ユニットはステップS1706でUE3、テナントID及び/又はスライスに対する機能的分割を設定(再設定)する。
【0187】
ステップS1708において、サービス要求はネットワークコア7内の適切な機能に転送される。これは初期UEメッセージ等の一部であってもよい。コアネットワーク機能7は、ステップS1710において、UEコンテキストのセットアップに対する要求(例えば、初期コンテキストセットアップ要求)をgNB5-2に送ることによって応答する。gNB5-2においてコンテキストが適切にセットアップされると、gNB5-2の中央ユニット5-2bはUEコンテキストのセットアップの確認のためにコアネットワーク機能7に適切な応答(例えば、初期コンテキストセットアップ応答)を送る。なお、これらのメッセージ及びUEコンテキストの関連するセットアップは、例えば、機能的分割及び関連する再設定の決定の前又はそれと並行して、処理の早い段階で行われてもよい。
【0188】
手順は、ステップS1714で、当業者が精通しており、ここでは詳細な説明を省略する、適切なベアラー確立/変更とともに続けられる。
【0189】
図18は、図1の電気通信システムに示されるタイプの分散型基地局の分散ユニットと中央ユニットとの間の機能的分割の動的設定を容易にするために、図1の電気通信システムで実行される他の手順を示す。
【0190】
図18の例では、図17の手順と同様に、手順は、ステップS1800で、サービス要求がUE3からの分散gNB5-2に送られたときに開始される。サービス要求は通常、UE3を識別する情報、UE3が属するテナント、及び/又はそれが使用することを望むスライスを含む。gNB5-2の分散ユニット5-2aはサービス要求を受信し、ステップS1802で、それをgNB5-2の中央ユニット5-2bに転送する。
【0191】
この例では、しかしながら、ステップS1804で、サービス要求はコアネットワークに転送される。これは初期UEメッセージ等の一部としてであってもよい。適切なコアネットワーク機能(例えば、分散gNBの制御機能7-5又はそのような機能を含むコアネットワーク機能)は、ステップS1806において、識別されたUE3、UE3が属するテナント及び/又はUE3が使用することを望むスライスに対する、最適な機能的分割を決定する。この決定は通常、優勢的なチャネル状態、負荷状態及び/又はサービス要求の品質を考慮に入れるであろう。
【0192】
コアネットワークは、ステップS1808で、gNB5-2の中央ユニット5-2bへの機能的分割の指示を含むUEコンテキストのセットアップのための要求(例えば、初期コンテキストセットアップ要求)をgNB5-2に送る。ステップS1809で、中央ユニット5-2bは機能的分割の指示を分散ユニット5-2aに与え、ステップS1810で、分散ユニット及び中央ユニットはUE3、テナントID及び/又はスライスの機能的分割を設定(又は再設定)する。
【0193】
gNB5-2においてコンテキストが適切にセットアップされると、gNB5-2の中央ユニット5-2bはUEコンテキストの設定の確認のためにコアネットワークに適切なメッセージ(例えば、初期コンテキストセットアップ応答)を送る。なお、これらのメッセージ及びUEコンテキストの関連するセットアップは、例えば、機能的分割の通知及び(再)設定の前又はそれと並行して、処理の早い段階で行われてもよい。
【0194】
手順は、ステップS1814で、当業者が精通しており、ここでは詳細な説明を省略する、適切なベアラー確立/変更とともに続けられる。
【0195】
変形及び代替
複数の詳細な実施形態が説明された。当業者には理解されるように、実施例で説明された本発明の利益を受けながら、上記の実施形態に対して多くの変更及び代替を行うことができる。例示のために、これらの代替例及び変更例のいくつかを以下に説明する。
【0196】
上記の実施形態では、ユーザ装置、基地局及び/又はコアネットワーク機能等を実現するために複数のソフトウェアモジュールを説明した。当業者には理解されるように、そのようなソフトウェアモジュールはコンパイルされた形式又はコンパイルされていない形式で提供されてもよく、コンピュータネットワーク上の信号として対応するハードウェアに供給されてもよいし、又は記録メディア上に供給されてもよい。さらに、これらソフトウェアの一部又は全部によって実行される機能は、1つ又はそれ以上の専用ハードウェア回路を使用して実行されてもよい。しかしながら、ソフトウェアモジュールの使用は、それの機能を更新するための対応するハードウェアの更新を容易にすることができるので、それらの使用が好ましい。同様に、上記の例としての実施形態は送受信機回路を使用しているが、送受信機回路の機能のうちの少なくともいくつかはソフトウェアによって実行することもできる。
【0197】
例えば、コアネットワークの機能は論理的な機能であるとして記載してきたが、それらは、必要とされる論理的機能(例えば、図5図7を参照して説明したコントローラの一部を形成する1つ又はそれ以上のコンピュータプロセッサ)を与えるために適切なソフトウェア命令を用いてプログラムされる、1つ又それ以上のハードウェアコンピュータプロセッサを有する1つ又はそれ以上のコンピュータ処理装置を用いて実施されてもよい。さらに、これらの機能の全部又は一部が、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)等の1つ又はそれ以上の専用の集積回路を使用して、専用回路としてハードウェアで実施されてもよい。
【0198】
同様に、ユーザ装置及び基地局(gNBs)の機能は、通常、必要とされる論理的機能(例えば、図2、3、4を参照して説明したコントローラの一部を形成する1つ又はそれ以上のコンピュータプロセッサ)を与えるために適切なソフトウェア命令を用いてプログラムされる、1つ又それ以上のハードウェアコンピュータプロセッサを有する1つ又はそれ以上のコンピュータ処理装置を用いて実施されてもよい。さらに、これらの機能の全部又は一部が、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)等の1つ又はそれ以上の専用の集積回路を使用して、専用回路としてハードウェアで実施されてもよい。
【0199】
なお、(図2~7への参照とともに)UE、gNBs、コアネットワークノード/機能の記載で参照されたコントローラは、例えばアナログ又はデジタルコントローラ等の任意の適切なコントローラを備えてもよい。各コントローラは、例えば、(これらに限定されないが)次のものを含む任意の適切な形態の処理回路を含んでもよい。すなわち、1つ又それ以上のハードウェアコンピュータプロセッサ、マイクロプロセッサ中央処理装置(CPU)、算術論理装置(ALU)、入出力(IO)回路、内部メモリ/キャッシュ(プログラム及び/又はデータ)、処理レジスタ、通信バス(例えば、制御、データ及び/又はアドレスバス)、ダイレクトメモリアクセス(DMA)機能、ハードウェア又はソフトウェアカウンター、ポインタ、及び/又はタイマを含んでもよい。
【0200】
また、手順は、チャネル状態、要求されるサービスの品質等に基づいて動的に機能的分割を変更するものとして説明してきたが、機能的分割は、異なるテナントID及び/又は任意のテナントID内のスライスタイプに対して予め設定された異なる機能的分割のオプションに対して固定的であってもよい。さらに、例として、機能的分割の指示を与えるために初期コンテキストセットアップ要求を説明してきたが、この目的のために他の同等のものを使用することもできる。また、指示はスライスインデックスの選択時に通知されてもよく、(例えば、S1AP初期コンテキストセットアップ要求のように)CUとDUの間の適切な機能的分割とともにユーザプレーンスライスが選択されるように、この指示が通知されてもよい。
【0201】
なお、図1はネットワークスライス全体を表しているように描かれているが、コアは自身のスライスを有してもよく、それによって無線アクセスネットワークRANを有してもよい。同様に、コントロールプレーン(CP)とユーザプレーン(UP)は全く異なるスライスを有してもよい。RANのスライスからコアスライスへのマッピングは、標準化及びセルラー通信事業者のポリシーに応じて変化してもよい。
【0202】
また、テナントは、それを介して仮想移動体通信事業者(MVNO)が彼らの顧客にサービスを提供する、自身の無線ネットワーク基盤を所有しない、MVNOやモバイル他ライセンス事業者(MOLO(Mobile Other Licensed Operator))等の卸売顧客であってもよい。ただし、テナントは必ずしもMVNOである必要はない。テナントは、多国籍企業、車両団体、緊急サービス、セキュリティサービス(セキュリティ会社等)のような法人顧客であってもよい。各テナントは、サービスレベルの契約に基づいてどのスライスタイプを使用するかに関して、異なる要求を有してもよい。テナントのコンセプトにより、今日、モバイルネットワーク事業者は多様な顧客要求を区別し、1つ又はそれ以上のスライスを使用してカスタマイズされたサービスを提供できる。
【0203】
また、異なる装置が他の機器/装置との間でデータを通信(すなわち、送受信)するための送受信機回路を有するものとして説明してきたが、送受信機機能は、同じ物理装置上の同じ場所に配置されたそれぞれの異なる機能間でメッセージ及び/又は情報を通信するために、対応するハードウェアコントローラ上でソフトウェアによって実施されてもよい。
【0204】
代替的に又は付加的に、(例えば、固定的なUEシナリオを可能にするために)TUPF又は少なくとも1つの付加的なTUPFがアクセスネットワークと同じ場所に配置されてもよい。
【0205】
なお、用語「テナント」の代わりに用語「参加事業者」が使用されてもよい。
【0206】
上記の実施形態では、3GPP標準に従って動作する通信システムを説明してきた。しかしながら、当業者には理解されるように、本願に記載された技術は、他の規格にしたがって動作する通信システム、特に、マイクロ波アクセス(WiMAX)規格のためのワールドワイドインターオペラビリティ(Worldwide Interoperability)等の任意の直交周波数分割多重(OFDM(Orthogonal Frequency-Division Multiplexing))ベースのシステムに採用することができる。
【0207】
上記の例では、携帯電話ベースの電気通信システムを説明した。当業者には理解されるように、本出願に記載されている技術は任意の通信システムにおいて使用することができる。一般的な場合、基地局と携帯電話は互いに通信する通信ノード又は装置と見なすことができる。他の通信ノード又は装置は、アクセスポイント、及び携帯情報端末、ラップトップコンピュータ、ウェブブラウザ等のユーザ装置を含んでもよい。
【0208】
したがって、上記の説明は下記の通信システムの通信装置の例を記述していると考えてもよい。すなわち、ネットワークスライスがサポートされ、少なくとも1つのテナントが該テナントに関連付けられた少なくとも1つのスライスタイプを使用して通信を行うことがきる通信システムのための通信装置が提供される。通信装置は、コントローラと送受信機を備え、前記送受信機は基地局によって送信されるネットワークスライシング関連情報を受信するように構成され、前記ネットワークスライシング関連情報は少なくとも、(i)それの通信が前記基地局を介してサポートされているテナント、及び前記基地局によってサポートされているテナントのネットワークスライスタイプのうちの少なくとも1つに対するサポートを識別する情報、(ii)特定のテナント、及び特定のテナントの特定のスライスタイプのうちの少なくとも1つに関連付けられた少なくとも1つの通信パラメータを含む情報、のうちの少なくとも1つを含み、そして前記コントローラは、特に前記通信装置が関連付けられたテナント及び前記通信装置が関連付けられたテナントのスライスタイプのうちの少なくとも1つに関連する、前記受信されたネットワークスライシング関連情報で与えられる情報に基づいて、前記通信装置が関連付けられたテナントのスライスタイプを有するスライスを使用して、前記送受信機を介して、通信を制御するように構成されている。
【0209】
上で示されているように、前記ネットワークスライシング関連情報は、それの通信が前記基地局を介してサポートされているテナント、及び前記基地局によってサポートされているテナントのネットワークスライスタイプのうちの少なくとも1つを識別する情報を含んでもよい。前記コントローラは、前記受信したネットワークスライシング関連情報に与えられた前記サポートを識別する情報に基づいて、前記基地局が、前記通信装置が関連付けられている前記テナントをサポートするか、及び前記基地局が、前記通信装置が関連付けられている前記テナントのテナントスライスタイプをサポートするかのうちの少なくとも1つに基づいて、前記セルに在圏(キャンプオン)するかを決定するように構成されてもよい。
【0210】
上で示されているように、前記ネットワークスライシング関連情報は、特定のテナント、及び特定のテナントの特定のスライスタイプのうちの少なくとも1つに関連付けられた少なくとも1つの通信パラメータを含んでもよい。
【0211】
前記少なくとも1つの通信パラメータは、特定のテナント、及び特定のテナントの特定のスライスタイプのうちの少なくとも1つに固有の少なくとも1つのランダムアクセスチャネル(RACH)を識別する少なくとも1つの通信パラメータを含んでもよい。前記コントローラは、前記受信されたネットワークスライシング関連情報に与えられた少なくとも1つのランダムアクセスチャネル(RACH)プリアンブルを識別する少なくとも1つのパラメータに基づいて、前記通信装置が関連付けられている前記テナント、及び前記通信装置が関連付けられている前記テナントのスライスタイプのうちの少なくとも1つに固有のRACHプリアンブルを選択し、該選択されたRACHプリアンブルが前記基地局に送られるRACH手順を開始するように構成されてもよい。
【0212】
前記少なくとも1つの通信パラメータは、無線アクセスチャネル(RACH)要求の最初の送信を受信するために前記基地局のための目標電力レベルを表すパラメータ(例えば、テナント/スライスタイプ固有のPreambleInitialReceivedTargetPower)、RACH要求の繰り返しを送信するときに前記通信装置によって使用される電力増分を表すパラメータ(例えば、テナント/スライスタイプ固有のPowerRampingStep)、前記通信装置がいつRACHを送るべきかを表すパラメータ(例えば、テナント/スライスタイプ固有のprach-ConfigIndex)、RACHアクセスに対して利用可能な周波数リソース(例えば、物理リソースブロック)を表すパラメータ(例えば、テナント/スライスタイプ固有のprach-FreqOffset)、及びランダムアクセス応答ウィンドウの持続時間を表すパラメータ(例えば、テナント/スライスタイプ固有のra-ResponseWindowSize)のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0213】
前記少なくとも1つの通信パラメータは、少なくとも1つのアクセス禁止パラメータを含んでもよく、前記コントローラは前記少なくとも1つのアクセス禁止パラメータに基づいて通信を制御するように構成されてもよい。
【0214】
前記ネットワークスライシング関連情報は前記基地局によるシステム情報(例えば、SIB2等のシステム情報ブロック(SIB))の一斉放送で受信されてもよい。
【0215】
したがって、上記の説明は下記の基地局の例を記述していると考えてもよい。すなわち、ネットワークスライスがサポートされ、少なくとも1つのテナントが該テナントに関連付けられた少なくとも1つのスライスタイプを使用して通信を行うことがきる通信システムのための基地局が提供される。基地局は、コントローラと送受信機を備え、前記コントローラは該送受信機による送信のためのネットワークスライシング関連情報を生成するように構成され、前記送信のためのネットワークスライシング関連情報は少なくとも、(i)それの通信が前記基地局を介してサポートされているテナント、及び前記基地局によってサポートされているテナントのネットワークスライスタイプのうちの少なくとも1つに対するサポートを識別する情報、(ii)特定のテナント、及び特定のテナントの特定のスライスタイプのうちの少なくとも1つに関連付けられた少なくとも1つの通信パラメータを含む情報、のうちの少なくとも1つを含み、そして前記送受信機は前記コントローラによって生成された前記ネットワークスライシング関連情報を他の基地局及び通信装置のうちの少なくとも1つに送信するように構成されている。
【0216】
上で示されているように、前記ネットワークスライシング関連情報は、特定のテナント、及び特定のテナントの特定のスライスタイプのうちの少なくとも1つに関連付けられた少なくとも1つの通信パラメータを含む情報を含んでもよい。
【0217】
前記少なくとも1つの通信パラメータは、特定のテナント、及び特定のテナントの特定のスライスタイプのうちの少なくとも1つに固有の少なくとも1つのランダムアクセスチャネル(RACH)を識別する少なくとも1つのパラメータを含んでもよい。前記送受信機は、特定のテナント及び特定のテナントの特定のスライスタイプのうちの少なくとも1つに固有のRACHプリアンブルを通信装置から受信するように構成されてもよい。前記コントローラは、前記受信したRACHプリアンブルに基づいて、特定のテナント、及び特定のテナントの特定のスライスタイプのうちの少なくとも1つの通信を優先順位付けするように構成されてもよい。
【0218】
前記ネットワークスライシング関連情報は、特定のテナント、及び特定のテナントの特定のスライスタイプのうちの少なくとも1つに対する負荷及び/又は輻輳状態を識別する少なくとも1つの通信パラメータを含んでもよい。前記送受信機は、特定のテナント、及び特定のテナントの特定のスライスタイプのうちの少なくとも1つに対する負荷及び/又は輻輳状態を識別する前記通信パラメータを、(例えば、リソース状態報告手順、リソース状態報告開始手順、及び負荷指示手順のうちの少なくとも1つの一部として)基地局から基地局へのインターフェースを介して、他の少なくとも1つの基地局に送信するように構成されてもよい。
【0219】
前記少なくとも1つの通信パラメータは、少なくとも1つのアクセス禁止パラメータを含んでもよく、前記コントローラは前記少なくとも1つのアクセス禁止パラメータに基づいて通信を制御するように動作可能である。
【0220】
上で示されているように、前記ネットワークスライシング関連情報は、それの通信が前記基地局を介してサポートされているテナント、及び前記基地局によってサポートされているテナントのネットワークスライスタイプのうちの少なくとも1つを識別する情報を含んでもよい。前記送受信機は、それの通信が前記基地局を介してサポートされているテナント、及び前記基地局によってサポートされているテナントのネットワークスライスタイプのうちの少なくとも1つを識別する情報を、(例えば、もう1つの基地局とのインターフェース確立手順、及び設定更新手順のうちの少なくとも1つの一部として)基地局から基地局へのインターフェースを介して、もう1つの基地局に送信するように構成されてもよい。
【0221】
前記送受信機は、(i)それの通信が前記基地局を介してサポートされているテナント、及び前記基地局によってサポートされているテナントのネットワークスライスタイプのうちの少なくとも1つに対する、少なくとも1つの他の基地局によるサポートを識別する情報、及び(ii)特定のテナント、及び特定のテナントの特定のスライスタイプのうちの少なくとも1つに関連付けられた少なくとも1つの通信パラメータを含む情報、のうちの少なくとも1つを含むネットワークスライシング関連情報を、前記少なくとも1つの他の基地局から受信するように構成され、前記コントローラは前記受信したネットワークスライシング関連に基づいてハンドオーバーのターゲットを決定するように動作可能である。
【0222】
したがって、上記の説明は下記の基地局の例を記述していると考えてもよい。すなわち、ネットワークスライスがサポートされ、少なくとも1つのテナントが該テナントに関連付けられた少なくとも1つのスライスタイプを使用して通信を行うことがきる通信システムのための基地局が提供される。基地局は、コントローラと送受信機を備え、前記コントローラは前記基地局を介した通信に対するデータ使用量情報を取得するように構成され、該データ使用量情報は、それに対して前記基地局を介した通信が行われる各テナント、及びそれに対して前記基地局を介した通信が行われる各テナントの各ネットワークスライスタイプのうちの少なくとも1つに対する、それぞれ別個のデータ使用量情報を含み、そして前記送受信機は該取得したそれぞれ別個のデータ使用量情報をコアノードに提供するように構成されている。
【0223】
前記コントローラはさらに、前記基地局を介した通信のためのデータ使用量情報を取得するように動作可能であり、該データ使用量情報はさらに、前記基地局を介した通信に対して使用される各無線アクセス技術、前記基地局を介した通信に対して使用される各周波数(各周波数帯)、前記基地局を介した通信に対して使用される各技術、アップリンク通信、及びダウンリンク通信のうちの少なくとも1つに対する、それぞれ別個のデータ使用量情報を含んでもよい。
【0224】
したがって、上記の説明は下記の基地局の例を記述していると考えてもよい。すなわち、ネットワークスライスがサポートされ、少なくとも1つのテナントが該テナントに関連付けられた少なくとも1つのスライスタイプを使用して通信を行うことがきる通信システムのための基地局装置が提供される。基地局装置は、分散ユニットと中央ユニットを備え、前記分散ユニットと前記中央ユニットの各々はコントローラと送受信機を備え、前記分散ユニットの前記コントローラは、前記中央ユニットに比べて、前記基地局装置の下位層の機能性を提供するように構成され、前記中央ユニットの前記コントローラは、前記分散ユニットに比べて、前記基地局装置の上位層の機能性を提供するように構成され、前記分散ユニットによって提供される前記下位層の機能性と前記中央ユニットによって提供される前記上位層の機能性との間には複数の可能な機能的分割が存在し、そして前記分散ユニットの前記コントローラ及び前記中央ユニットの前記コントローラは、前記分散ユニットによって提供される前記下位層の機能性と前記中央ユニットによって提供される前記上位層の機能性との間の前記機能的分割を、前記可能な機能的分割の第1分割から該機能的分割の第2分割へ動的に再設定するように構成されている。
【0225】
前記中央ユニットの前記コントローラは、可能な機能的分割のどれを使用するべきかを決定するように構成され、前記分散ユニットの前記コントローラと前記中央ユニットの前記コントローラは、前記中央ユニットの前記コントローラによって使用されるべき機能的分割の決定に従って機能的分割を再設定するように構成されてもよい。前記中央ユニットの前記コントローラは、チャネル状態、サービス品質の要求、サービス中の通信装置の識別、通信のために使用するスライスの識別、及びそれに対して前記基地局を介して通信が行われるテナントの識別のうちの少なくとも1つに基づいて、前記可能な機能的分割のどれを使用するべきかを決定するように構成されてもよい。前記分散ユニットの前記コントローラ及び前記中央ユニットの前記コントローラは、コアノードによって使用されるべき機能的分割の決定にしたがって機能的分割を再設定するように構成されてもよい。
【0226】
当業者には他の多様な変更が明白であるが、それらの詳細な説明は省略する。
【0227】
この出願は、2016年8月12日に出願された英国特許出願第1613899.2号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
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