(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】エレベーターのかごの照明装置
(51)【国際特許分類】
B66B 11/02 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
B66B11/02 W
(21)【出願番号】P 2023195886
(22)【出願日】2023-11-17
【審査請求日】2023-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001438
【氏名又は名称】弁理士法人 丸山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松原 圭佑
【審査官】八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-165144(JP,A)
【文献】特開平04-121388(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
かご天井に配置される光源と、
前記光源の下側に配置される光透過性を有する透光板と、
前記光源の外周に前記かご天井に取り付けられ、前記透光板を保持する矩形の枠と、
を具えるエレベーターのかごの照明装置であって、
前記枠は、
下向きに延びる内プレートを有し、前記かご天井に間隔を存して平行に取り付けられる一対の第1フレームと、下向きに延びる内プレートを有し、前記第1フレームの対向する端部間に配置され
る第2フレームと、を有
し、前記第1フレームと前記第2フレームを組み合わせた際にできる角部を挟んで、前記第1フレームと前記第2フレームが隣り合う矩形の内枠と、
前記第1フレームを外側から覆う第1カバーと、前記第2フレームを外側から覆う第2カバーを具える外カバーであって、前記第1カバーと前記第2カバーは、前記内プレートを外側から覆う下向きの延びる外プレートと前記外プレートの下縁から内向きに屈曲し、前記透光板を下側から保持する保持プレートを有する外カバーと、
を含んでおり、
前記第1カバーは、前記第1フレームの前記内プレートにネジ止めされ、
前記第1フレームは、前記内プレートの端縁に取付板が設けられており、前記第2カバーは、前記取付板にネジ止めされる、
エレベーターのかごの照明装置。
【請求項2】
前記内プレート及び前記取付板は、前記第1カバーと前記第2カバーをネジ止めするブラインドナットが装着されている、
請求項1に記載のエレベーターのかごの照明装置。
【請求項3】
固定板から直交する向きに前記取付板が突出したアングルを具え、前記アングルの前記固定板が前記第1フレームに固定される、
請求項2に記載のエレベーターのかごの照明装置。
【請求項4】
前記第1フレームと前記第2フレームは、前記内プレートの下端から内向きに屈曲する押さえプレートを有し、
前記透光板は、前記保持プレートと前記押さえプレートに挟まれて保持される、
請求項3に記載のエレベーターのかごの照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベーターのかご天井に取り付けられる照明装置に関するものであり、より詳細には、照明装置の枠からの光漏れを改善する構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エレベーターのかご室の天井(かご天井)には、LEDなどの光源を有する照明装置が組み込まれている。光源の電源やコントロール用の配線は、かごの外と接続する関係上、かご上に出ているが、LEDなどの交換や清掃などの通常の保守作業はかご中から行なえることが望まれる。
【0003】
かご天井の照明装置として、光源が直接露出しないように下側から光を透過する透光板で覆う構成のものがある。たとえば、特許文献1では、4本の断面コ字状のフレームを矩形に配置することにより透光板を取り付けている。具体的には、コ字状フレームは内向き凹となるように上片を天井に取り付け、下片の上に透光板を載せて保持している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、フレームの曲げ誤差等があると、コの字の断面が開いてしまうことがあり、フレームどうしの突合せ部に隙間が生じて、光漏れが生じ、美観や意匠性に劣る。
【0006】
本発明の目的は、フレームどうしの突合せ部に隙間が生じ難く、光漏れを低減できるエレベーターのかごの照明装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のエレベーターのかごの照明装置は、
かご天井に配置される光源と、
前記光源の下側に配置される光透過性を有する透光板と、
前記光源の外周に前記かご天井に取り付けられ、前記透光板を保持する矩形の枠と、
を具えるエレベーターのかごの照明装置であって、
前記枠は、
下向きに延びる内プレートを有し、前記かご天井に間隔を存して平行に取り付けられる一対の第1フレームと、下向きに延びる内プレートを有し、前記第1フレームの対向する端部間に配置されて角部を挟んで前記第1フレームと隣り合う第2フレームと、を有する矩形の内枠と、
前記第1フレームを外側から覆う第1カバーと、前記第2フレームを外側から覆う第2カバーを具える外カバーであって、前記第1カバーと前記第2カバーは、前記内プレートを外側から覆う下向きの延びる外プレートと前記外プレートの下縁から内向きに屈曲し、前記透光板を下側から保持する保持プレートを有する外カバーと、
を含んでおり、
前記第1カバーは、前記第1フレームの前記内プレートにネジ止めされ、
前記第1フレームは、前記内プレートの端縁に取付板が設けられており、前記第2カバーは、前記取付板にネジ止めされる。
【0008】
前記内プレート及び前記取付板は、前記第1カバーと前記第2カバーをネジ止めするブラインドナットが装着された構成とすることができる。
【0009】
固定板から直交する向きに前記取付板が突出したアングルを具え、前記アングルの前記固定板が前記第1フレームに固定される構成とすることができる。
【0010】
前記第1フレームと前記第2フレームは、前記内プレートの下端から内向きに屈曲する押さえプレートを有し、
前記透光板は、前記保持プレートと前記押さえプレートに挟まれて保持される構成とすることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明のエレベーターのかごの照明装置は、外カバーを構成する第1カバーと第2カバーを、内枠を構成する第1フレームと第2フレームに夫々取り付けるのではなく、一方の第1フレームに取り付けている。従って、角部を挟んで隣り合う第1フレームと第2フレームに曲げ誤差等があっても、第1カバーと第2カバーの突合せ部に隙間が生じ難く、光漏れを低減できる。
【0012】
また、第1フレームや第2フレームに曲げ誤差等があっても、フレームの位置合わせや取付けの際、或いは、第1カバーと第2カバーをフレームに夫々ネジ止めにより、或いは、ネジの締付強さを調整することで、その曲げ誤差等を矯正できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係るエレベーターのかごの照明装置の見上図である。
【
図3】
図3は、
図1の線A-A、線B-Bに沿う矢視断面図である。
【
図4】
図4は、第1フレームの端縁を示す(a)底面図、(b)側面図、(c)正面図である。
【
図5】
図5は、第2フレームの端縁を示す(a)底面図、(b)側面図、(c)正面図である。
【
図7】
図7は、(a)第1カバーの斜投影図、(b)第2カバーの斜投影図である。
【
図8】
図8は、第1フレーム(第2フレーム)に第1カバー(第2カバー)を取り付ける過程を示す底面図である。
【
図9】
図9は、第1フレーム(第2フレーム)に第1カバー(第2カバー)を取り付ける過程を示す断面図である。
【
図10】
図10は、
図1の丸囲み部Cの(a)第1カバー、第2カバーが取り付けられた状態を示す底面図、(b)は(a)を矢印E方向から見た側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明のエレベーターのかごの照明装置10について図面を参照しながら説明を行なう。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態に係るエレベーターのかごの照明装置10の見上図である。照明装置10は、かご天井60に設置される。照明装置10は、たとえば、かご天井60よりも一回り小さい長方形乃至略正方形の矩形形状とすることができ、かご内からかご天井60に取り付けられる。
【0016】
図示の照明装置10は、
図1及び
図2に示す矩形枠(後述する外カバー50)の内側に、
図1に示すように金属板からなる矩形のパネル11を配置した構成である。パネル11には4つの埋め込み型LEDがダウンライト12として配置されており、かご内を照らす。パネル11と外カバー50との間は間隔が空いており、パネル11と外カバー50との間には透光板13が配置されている。
【0017】
透光板13は、照明装置10内に配置された光源14(
図3参照)の下方に位置し、光源14の光を透過してかご内を照らす。透光板13は、光透過性の樹脂材料から構成することができる。本実施形態では透光板13は細長く形成され、パネル11の外周を一周する。透光板13は、透光板13として光拡散性を有する拡散板を採用することで、間接照明的にかご内を照らすことができる。
【0018】
照明装置10は、複数のブラケットやフレーム等によってかご天井60に取り付けられている。
図3は、
図1の線A-A、線B-Bに沿う矢視断面図である。
図3では紙面左側を内側、紙面右側を外側と称する。
【0019】
符号20は、パネル11を保持すると共に透光板13を保持するメインブラケットである。メインブラケット20は、断面コ字状であり、上片21よりも下片22が長く形成された断面コ字状の部材である。メインブラケット20は、外向き凹となるように上片21がかご天井にネジ止め23されており、下片22の下面にはパネル11が溶接や接着により装着されている。また、下片22の上面には、略中央に外向きに等間隔に板バネ24が取り付けられており、下片22の上面に載せられた透光板13は、上から板バネ24により下片22に押し付けられて、挟持されている。
【0020】
符号30は、光源14を支持する光源支持ブラケットである。光源支持ブラケット30は、内側が下向きに屈曲するL字状の部材であり、上片31の下面側と縦片32の外側面に夫々光源14が装着されている。光源14は、たとえばLEDテープライトを採用できる。光源支持ブラケット30は、上片31をかご天井60にネジ止め33することで取り付けられる。
【0021】
光源支持ブラケット30の外側には、
図3に示すように、内枠40と外カバー50からなるブラケットが配置されている。内枠40は、かご天井60に取り付けられて、外カバー50を保持する。また、外カバー50は、内枠40に支持され、上記したメインブラケット20に一方の縁部が保持された透光板13の他方の縁部を保持する。
【0022】
内枠40は、
図3に示すように断面コ字状の形態とすることができ、内向き凹となるように上片42がかご天井60にネジ止め41されている。より詳細には、
図4及び
図5に示すように、内枠40は、上片42から下向きに内プレート43が延びており、内プレート43の下端から内向きに屈曲した押さえプレート44を有するフレーム45,46からなる。フレーム45,46は、たとえば亜鉛メッキ鋼板を曲げ加工することでコ字状に作製される。
【0023】
フレーム45,46は本実施形態では、2種類の部材から構成している。
図1において照明装置10の短手方向となるフレームを第1フレーム45、長手方向となるフレームを第2フレーム46と称する。
図6は、
図1の丸囲み部Cに含まれる第1フレーム45と第2フレーム46の拡大図である。本実施形態では、図に示すように、平行な一対の第1フレーム45,45の端部間に第2フレーム46,46を配置している。
【0024】
第1フレーム45の端部には、
図4に示すように、内プレート43にネジ孔451が形成されている。このネジ孔451は、外カバー50の第1カバー54をネジ止め543する孔である(
図1、
図2参照)。
【0025】
また、第1フレーム45の内プレート43には、外カバー50の第2カバー55をネジ止め553(
図1、
図2参照)するネジ孔456が形成されたアングル453が取り付けられている。アングル453は、L字状であり、内プレート43に固定される固定板454に対して直交する向きに取付板455が設けられている。アングル453は、取付板455が内プレート43の端縁に平行、望ましくは面一となるように配置して、固定板454を内プレート43に接着や溶接することで取り付けることができる。
【0026】
これらネジ孔451,456は、内プレート43、取付板455に直接切ることもできるが、タップ深さを確保するために、ブラインドナット452,457(たとえばエビナット(登録商標))とすることが望ましい。
【0027】
本発明では、第1カバー54と第2カバー55を上記した第1フレーム45の端部に設けられた2つネジ孔451,456に夫々ネジ止め543,553することで、内枠40に外カバー50を位置決め固定する。第1カバー54と第2カバー55の詳細については後述するが、第1カバー54と第2カバー55を隙間なく付き合わせることができるかどうかは、第1フレーム45のネジ孔451,456どうしの位置及び角度が重要になる。とくにアングル453の取付角度と位置である。このため、アングル453は予め工場で取り付けておくことで精度を確保することが望ましい。
【0028】
その他、第1フレーム45には、
図3に示すように、第1カバー54をネジ止め57するためのネジ孔458が長さ方向に等間隔に形成されている。ネジ孔458はたとえばブラインドナットを採用できる。
【0029】
第1フレーム45と対をなす第2フレーム46は、
図5に示すように、第1フレーム45と同様、上片42、内プレート43及び押さえプレート44を含むコ字状の部材であるが、端部の形状は第1フレーム45とは異なっている。第2フレーム46は、内プレート43が上片42及び押さえプレート44よりも第1フレーム45の上片42と押さえプレート44分だけ長く形成されている。
図6に示すように第1フレーム45と第2フレーム46の角部を突き合わせたときに、第2フレーム46の内プレート43が第1フレーム45の端縁を覆う構成とするためである。
【0030】
また、第2フレーム46の内プレート43には、端部側に第1フレーム45と突き合わせたときに、
図6に示すように第1フレーム45(取付板455)のネジ孔456(457)と対向する位置にネジ止め57する際にネジの通し孔となる貫通孔461が形成されている。また、第2フレーム46の内プレート43には、端部以外の位置に、第2カバー55をネジ止め57(
図3参照)するためのネジ孔462が長さ方向に等間隔に形成されている。ネジ孔462はたとえばブラインドナットを採用できる。
【0031】
第1フレーム45,45と第2フレーム46,46は、
図6に示すように、第2フレーム46の内プレート43の端部が各第1フレーム45の端縁に対面するようにかご天井60に配置される。そして、かご天井60にネジ止め41(
図3及び後述する
図8参照)されて、ロ字状の内枠40を構成する。なお、第2フレーム46に曲げ誤差等があっても、第1フレーム45の端縁に第2フレーム46の内プレート43を被せて位置合わせし、ネジ止め41を行なうことで、第2フレーム46の曲げ誤差等は矯正できる。
【0032】
外カバー50は、第1フレーム45を覆う第1カバー54と、第2フレーム46を覆う第2カバー55から構成される。第1フレーム45及び第2フレーム46は、
図3、
図7に示すように、上下方向に延びる外プレート51と外プレート51の下縁から内向きに屈曲した保持プレート52を有する。外カバー50は、たとえば化粧鋼板や塗装鋼板を曲げ加工することで作製できる。
【0033】
図3に示すように、外カバー50の外プレート51は、内枠40の内プレート43を外側から覆い、保持プレート52は、透光板13を保持する役割をなす。なお、保持プレート52は、透光板13を隙間なく支えると共に傷付きを防止するために上面にクッション材53(
図7参照)を配置することが望ましい。
【0034】
第1カバー54と第2カバー55は、端部形状が異なる。具体的には、
図7(a)に示すように、第1カバー54の端部は、保持プレート52よりも外プレート51が第2カバー55の保持プレート52の幅分だけ長く延びている。一方、第2カバー55は、
図7(b)に示すように、外プレート51と保持プレート52は同じ長さである。
【0035】
なお、内枠40は、
図6に示すように第1フレーム45間に第2フレーム46が位置するよう形成しているが、外カバー50は、
図5に示すように第2カバー55,55間に第1カバー54,54が位置する長さに形成している。これは、第1フレーム45に
図5に示すように第1カバー54と第2カバー55をネジ止め543,553するためのネジ孔451,456を形成しているためである。
【0036】
第1カバー54及び第2カバー55には、端部近傍にネジ止め用の通し孔となる貫通孔541,551が形成されている。貫通孔541,551の形成位置は、
図5に示すように、フレーム45,46にカバー54,55を被せてネジ止め543,553したときに、ネジ孔451、ネジ孔456(通し孔である貫通孔461と重なる)と一致する位置である。また、第1カバー54と第2カバー55には、フレーム45,46に形成されたネジ孔458と対向する位置に夫々通し孔となる貫通孔58が形成されている。なお、貫通孔58は、フレーム45,46を端部で位置決めした後、ネジ止め57できるように
図2に示すように縦長の孔とすることが好適である。
【0037】
上記構成の各部材を用いて、照明装置10が組み立てられる。
図9は外カバー50の取付け前の照明装置10の断面図である。図に示すように、かご天井60には、パネル11が装着されたメインブラケット20と、光源14が配置された光源支持ブラケット30、内枠40となる第1フレーム45と第2フレーム46を予めネジ止め23,33,41しておく。そして、透光板13を光源支持ブラケット30と板バネ24の間に挟んで保持しておく。
【0038】
この状態で
図8、
図9に矢印Dで示すように第1フレーム45の外側から第1カバー54、第2フレーム46の外側から第2カバー55を接近させて位置決めする。具体的には、第1カバー54は、第1フレーム45のネジ孔451に貫通孔541が対向するように配置する。また、第2カバー55は、第2フレーム46の貫通孔461と重なる位置にある第1フレーム45の取付板455のネジ孔456に、第2カバー55の貫通孔551が対向するように位置決めする。これにより、透光板13は、保持プレート52のクッション材53と押さえプレート44に挟まれて保持される。
【0039】
続いて、ネジ孔451と貫通孔541、ネジ孔456と貫通孔551にネジ542,552を挿し込んでネジ止め543,553する。この締結作業は、高所且つかご壁と照明装置10との隙間が小さい状況下で行なう可能性がある。従って、ネジ542,552は
図8等に示すような手締めネジとすることが好適である。
【0040】
ネジ止め543,553が完了することで、第1カバー54と第2カバー55は
図10に示すように、突合せ部56にほとんど隙間がない状態で第1フレーム45に取り付けられる。
図10(a)は第1カバー54と第2カバー55の取付け状態の底面図、
図10(b)は(a)の矢印E方向の側面図である。図を参照すると、突合せ部56は隙間なく当接していることがわかる。
【0041】
そして、第1フレーム45、第2フレーム46の残りのネジ孔458と、第1カバー54、第2カバー55の残りの貫通孔58を同様にネジ止め57することで、
図1に示すように照明装置10の設置が完了する。
【0042】
本実施形態では、外カバー50を構成する第1カバー54と第2カバー55の端部の両方を第1フレーム45にネジ止め543,553している。第1フレーム45のネジ孔451,456は、一方を内プレート43に形成し、他方をアングル453に形成している。これらは工場で予め精度よく形成することができるから、角部を挟んで隣り合うネジ孔451,456の相対的な位置ずれを小さくできる。従って、第1カバー54と第2カバー55をネジ止め543,553したときに、突合せ部56の隙間を小さくできる。
【0043】
また、第1フレーム45、第2フレーム46に曲げ誤差があったり、これらフレーム45,46のコ字状断面形状が開いてしまっていることがある。この場合でもカバー54,55をネジ止め543,553により、或いは、ネジ542,552の締付強さを調整等することで、フレーム45,46の曲げ誤差を矯正することができる。その結果、フレーム45,46どうしの隙間や、カバー54,55どうしの突合せ部56の隙間(
図10参照)を小さくすることができる。
【0044】
本発明の照明装置10は、外カバー50の突合せ部56には隙間が生じ難いから、照明を点灯したときに、突合せ部56から光源14の光漏れを低減できる。
【0045】
本実施形態では、ロ字状に構成された外カバー50は4本のカバー54,55から構成し、夫々を内枠40にネジ止め543,553,57している。従って、カバー54,55は1本ずつ取り外せるため、清掃や光源14の交換などの通常の保守作業の際には必要なカバー54,55のみを取り外せばよく、ロ字状に一体に繋がった構造に比べて変形や破損を抑えることができ、取り扱いも容易である。
【0046】
上記説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或いは範囲を限縮するように解すべきではない。また、本発明の各部構成は、上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0047】
10 照明装置
11 パネル
13 透光板
14 光源
40 内枠
45 第1フレーム
451,456 ネジ孔
452,457 ブラインドナット
453 アングル
455 取付板
46 第2フレーム
50 外カバー
54 第1カバー
542,553 ネジ
543,553 ネジ止め
55 第2カバー
56 突合せ部
【要約】
【課題】本発明は、フレームどうしの突合せ部に隙間が生じ難く、光漏れを低減できるエレベーターのかごの照明装置を提供する。
【解決手段】本発明のエレベーターのかごの照明装置10は、かご天井60に配置される光源14と、前記光源の下側に配置される透光板13と、前記光源の外周に前記かご天井に取り付けられ、前記透光板を保持する矩形の枠と、を具え、前記枠は、前記かご天井に間隔を存して平行に取り付けられる打ちプレート43を有する一対の第1フレーム45と第2フレーム46とを有する矩形の内枠40と、前記第1フレームを外側から覆う第1カバー54と、前記第2フレームを外側から覆う第2カバー55を具える外カバー50と、を含んでおり、前記第1カバーは、前記第1フレームの前記内プレートにネジ止め451され、前記第1フレームは、前記内プレートの端縁に取付板455が設けられており、前記第2カバーは、前記取付板にネジ止め456される。
【選択図】
図9