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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】光学系、撮像装置、及び投射装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/55 20230101AFI20250109BHJP
   G02B 26/08 20060101ALI20250109BHJP
   G03B 5/00 20210101ALI20250109BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20250109BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
H04N23/55
G02B26/08 D
G02B26/08 J
G03B5/00 A
G03B15/00 U
G03B21/00 D
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023526730
(86)(22)【出願日】2021-06-09
(86)【国際出願番号】 JP2021021942
(87)【国際公開番号】W WO2022259428
(87)【国際公開日】2022-12-15
【審査請求日】2023-12-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002044
【氏名又は名称】弁理士法人ブライタス
(72)【発明者】
【氏名】今井 浩
【審査官】吉川 康男
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-223897(JP,A)
【文献】特開昭60-176017(JP,A)
【文献】特開2007-094095(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/55
G02B 26/08
G03B 5/00
G03B 15/00
G03B 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を電気信号に変換する、撮像素子と、
光を屈折させて集束させる、レンズと、
前記撮像素子と前記レンズとの光路の間に配置される、プリズムと、を有し、
前記プリズムの中に、前記撮像素子の受光面の虚像が形成され、合焦面が、前記レンズを介して前記虚像と共役な位置にある
光学系。
【請求項2】
請求項1に記載の光学系であって、
前記プリズムは、
前記撮像素子側に固定される、透明な第一の平板部と、
前記レンズ側に配置される、透明な第二の平板部と、
前記第一の平板部と第二の平板部との間に配置され、伸縮する袋状の透明な媒体に、液体が充填されている、伸縮部と、
前記第二の平板部を傾けて、前記伸縮部の形状を変更する、アクチュエータと
を有する光学系。
【請求項3】
請求項1に記載の光学系であって、
円筒状の回転中空軸を回転させる、中空軸モータを有し、
前記中空軸モータは、前記回転中空軸の内部の前記プリズムを回転させる
光学系。
【請求項4】
光を電気信号に変換する、撮像素子と、
光を屈折させて集束させる、レンズと、
前記撮像素子と前記レンズとの光路の間に配置される、プリズムと、を有し、
前記プリズムの中に、前記撮像素子の受光面の虚像が形成され、合焦面が、前記レンズを介して前記虚像と共役な位置にある
撮像装置。
【請求項5】
請求項4に記載の撮像装置であって、
前記プリズムは、
前記撮像素子側に固定される、透明な第一の平板部と、
前記レンズ側に配置される、透明な第二の平板部と、
前記第一の平板部と第二の平板部との間に配置され、伸縮する袋状の透明な媒体に、液体が充填されている、伸縮部と、
前記第二の平板部を傾けて、前記伸縮部の形状を変更する、アクチュエータと
を有する撮像装置。
【請求項6】
請求項4に記載の撮像装置であって、
円筒状の回転中空軸を回転させる、中空軸モータを有し、
前記中空軸モータは、前記回転中空軸の内部の前記プリズムを回転させる
撮像装置。
【請求項7】
画像を表示する、表示素子と、
光を屈折させて集束させる、レンズと、
前記表示素子と前記レンズとの光路の間に配置される、プリズムと、を有し、
前記プリズムの中に、前記表示素子の表面の虚像が形成され、被投射面が、前記レンズを介して前記虚像と共役な位置にある
光学系。
【請求項8】
画像を表示する、表示素子と、
光を屈折させて集束させる、レンズと、
前記表示素子と前記レンズとの光路の間に配置される、プリズムと、を有し、
前記プリズムの中に、前記表示素子の表面の虚像が形成され、被投射面が、前記レンズを介して前記虚像と共役な位置にある
投射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合焦に用いる光学系と、その光学系を用いた撮像装置及び投射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
顔認証、虹彩認証などの物体認識で用いられる、被写体に奥行差がある撮像面を撮像する撮像装置において、認証、認識の精度を高めるためには、被写体全面で合焦した画像が必要である。
【0003】
また、奥行差のあるスクリーンなどの被投射面に画像を投射して表示する投射装置においても、被投射面全体で合焦した画像を表示する必要がある。
【0004】
ところが、従来の撮像装置は撮像レンズの光軸と垂直な面で合焦する仕様で製作されている。また、従来の投射装置は投射レンズの光軸と垂直な面で合焦する仕様で製作されている。そのため、上述した撮像装置及び投射装置では、面の複数の箇所に合焦させることが困難である。
【0005】
特許文献1には、奥行差のある斜めの面に合焦させる方法が開示されている。特許文献1に開示された技術によれば、原稿面(撮像面)と撮像素子との間に特殊な局面を持つ反射鏡を配置している。
【0006】
特許文献2には、奥行差のある斜めの面に合焦させる方法が開示されている。特許文献2に開示された技術によれば、液晶やDMD(Digital Mirror Device)などの空間光変調器と被投射面の間に特殊な局面を持つ反射鏡を配置している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2018-174362号公報
【文献】特開2008-225455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、図1のAに示すような顔認証、虹彩認証などの物体認識に用いるシステムでは、被撮像者2に対し斜め方向に撮像装置1が存在することがある。そのため、撮像面4と平行な被撮像者2の顔面と異なる位置、すなわち光軸5(破線)と垂直に交わる合焦面3(破線)で合焦する。そうすると、被撮像者2の顔面の一部分のみで合焦した画像しか得られないので、精度のよい顔認証、虹彩認証が困難である。
【0009】
また、特許文献1に開示された技術では、特殊な局面を持つ反射鏡が、一般に自由曲面ミラーを用いるため、製作に大きなコストがかかる。そのため、光学系が高価になる。
【0010】
さらに、図1のBのように方向の異なる被撮像者2a、2bの顔面において、それぞれに合焦する複数の合焦面3を生成する反射鏡の製作は困難であり、設計の自由度が少ない。また、上述した反射鏡は撮像の画角に相当する大きさとなるため光学系が大型化する。
【0011】
次に、図2のAに示すような投射に用いるシステムでは、被投射面7に対し斜め方向に投射装置6が存在する。そのため、光軸8(破線)と垂直して交わる合焦面9(破線)で合焦する。すなわち、被投射面7と異なる位置で合焦する。
【0012】
また、特許文献2に開示された技術では、特殊な局面を持つ反射鏡は、一般に自由曲面ミラーを用いているため、その製作には大きなコストがかかる。そのため、光学系が高価になる。
【0013】
さらに、図2のBのように奥行の変化が不連続な被投射面7に合焦させる場合、反射鏡の製作は困難であり、設計の自由度が少ない。また、反射鏡は投射の画角に相当する大きさとなるため光学系が大型化する。
【0014】
一つの側面として、複数の合焦ができ、小型で安価な光学系と、その光学系を用いた撮像装置及び投射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するため、一つの側面における光学系は、
光を電気信号に変換する、撮像素子と、
光を屈折させて集束させる、レンズと、
前記撮像素子と前記レンズとの光路の間に配置される、プリズムと、を有し、
前記プリズムの中に、前記撮像素子の受光面の虚像が形成され、合焦面が、前記レンズを介して前記虚像と共役な位置にある
ことを特徴とする。
【0016】
また、上記目的を達成するため、一つの側面における撮像装置は、
光を電気信号に変換する、撮像素子と、
光を屈折させて集束させる、レンズと、
前記撮像素子と前記レンズとの光路の間に配置される、プリズムと、を有し、
前記プリズムの中に、前記撮像素子の受光面の虚像が形成され、合焦面が、前記レンズを介して前記虚像と共役な位置にある
ことを特徴とする。
【0017】
また、上記目的を達成するため、一つの側面における光学系は、
画像を表示する、表示素子と、
光を屈折させて集束させる、レンズと、
前記表示素子と前記レンズとの光路の間に配置される、プリズムと、を有し、
前記プリズムの中に、前記表示素子の表面の虚像が形成され、被投射面が、前記レンズを介して前記虚像と共役な位置にある
ことを特徴とする。
【0018】
また、上記目的を達成するため、一つの側面における投射装置は、
画像を表示する、表示素子と、
光を屈折させて集束させる、レンズと、
前記表示素子と前記レンズとの光路の間に配置される、プリズムと、を有し、
前記プリズムの中に、前記表示素子の表面の虚像が形成され、被投射面が、前記レンズを介して前記虚像と共役な位置にある
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
一つの側面として、複数の合焦ができ、更に、小型で安価にできる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、従来の撮像装置を説明するための図である。
図2図2は、従来の投射装置を説明するための図である。
図3図3は、実施形態1の光学系の一例を説明するための図である。
図4図4は、実施形態1のプリズムの一例を説明するための図である。
図5図5は、プリズムの設計方法を説明するための図である。
図6図6は、合焦面の位置と物体距離の関係を表す図である。
図7図7は、合焦面と結像関係にある像面の位置と像距離の関係を表す図である。
図8図8は、実施形態1のプリズムの設計方法を説明するための図である。
図9図9は、実施形態1の撮像装置を有するシステムの一例を説明するための図である。
図10図10は、顔認証と虹彩認証について説明するための図である。
図11図11は、顔認証と虹彩認証について説明するための図である。
図12図12は、実施形態1の他のプリズムの例を説明するための図である。
図13図13は、実施形態2の撮像装置を有するシステムの一例を説明するための図である。
図14図14は、実施形態2の光学系を説明するための図である。
図15図15は、実施形態2の光学系を説明するための図である。
図16図16は、実施形態3の撮像装置を有するシステムの一例を説明するための図である。
図17図17は、実施形態3の光学系を説明するための図である。
図18図18は、回転中空軸の構造の一例を説明するための図である。
図19図19は、実施形態3における合焦面について説明するための図である。
図20図20は、投射装置が有する光学系の一例を説明するための図である。
図21図21は、実施形態4の他のプリズムの例を説明するための図である。
図22図22は、実施形態4の他のプリズムの例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。なお、以下で説明する図面において、同一の機能又は対応する機能を有する要素には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略することもある。
【0022】
(実施形態1)
図3を用いて、実施形態1における光学系10の構成について説明する。図3は、実施形態1の光学系の一例を説明するための図である。
【0023】
[装置構成]
図3に示す光学系10は、複数の合焦ができる構造を有する。また、図3に示すように、光学系10は、撮像素子11と、レンズ12と、プリズム13とを有する。
【0024】
撮像素子11は、レンズ12から入射した光を電気信号に変換する機器である。撮像素子11は、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ、又はCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、InGaAs(Indium gallium arsenide)センサなどである。ただし、上述したイメージセンサに限定されるものではない。
【0025】
なお、撮像素子11の解像度としては、水平1920画素×垂直1080画素、画素ピッチ5[μm]、フレームレート60[fps]のCMOSセンサを用いることが考えられる。ただし、上述した解像度、画素ピッチ、フレームレートに限定されるものではない。
【0026】
レンズ12は、光を屈折させて集束させる光学素子で、両側面を球面とした透明体である。レンズ12は、例えば、凸レンズなどが考えられる。
【0027】
プリズム13は、光を分散、屈折、全反射、複屈折させるための光学素子で、透明な媒質でできた多面体である。具体的には、プリズム13は、図3に示すように撮像素子11とレンズ12の光路の間に配置される。
【0028】
プリズム13の材質は、例えば、ガラス、プラスチックなどである。ただし、プリズム13の材質は、ガラス、プラスチックに限定されず、ガラス、プラスチックと同様の作用を有する各種透明材料であればよい。
【0029】
図3の例では、プリズム13の中には、撮像素子11の受光面14の虚像15が形成される。また、図3の合焦面16は、光学系10において虚像15及びレンズ12と共役な位置にある。すなわち合焦面16と虚像15とは結像関係(共役関係)にある。
【0030】
プリズム13の形状は、合焦面16において被写体を合焦させる必要があるため、合焦面16と結像関係(共役関係)にあるプリズム13の中に、撮像素子11の受光面14の虚像15が形成できるようにする。すなわち、合焦面16(所定の物体距離分布)と結像関係な関係にある共役な像距離分布を求め、この像距離分布と受光面14の虚像15が一致するように透過光学部材であるプリズム13の形状を設定する。
【0031】
図4は、実施形態1のプリズムの一例を説明するための図である。図4のAでは、不図示の合焦面が、受光面14に対して平行にある。したがって、受光面14の虚像15aは、受光面14に対して平行に生成させる。その結果、プリズム13aの形状を直方体となる。
【0032】
また、図4のAのプリズム13aのような形状である場合、虚像15aを生成する位置は、プリズム13aの厚さt1と屈折率nとを用いて表すことができる。
【0033】
具体的には、虚像15aの位置は、数1に示すように距離d1で表すことができる。すなわち、距離d1は、プリズム13aの撮像素子11の受光面14側の面からZ方向(光軸と同方向)の虚像15aまでの距離となる。
【0034】
【数1】
【0035】
次に、図4のBでは、図3の合焦面16のような、不図示の合焦面が受光面14に対して斜めにある。したがって、受光面14の虚像15bは、受光面14に対して斜めに生成させる。そのため、図4のBのプリズム13bの形状は楔型とする。楔型とは、一端が広く他端に至るにしたがい次第に狭くなる形状である。
【0036】
例えば、プリズム13bが図4のBに示すような形状である場合、虚像15bを生成する位置は、プリズム13bの厚さt2と屈折率nとを用いて表すことができる。厚さt2は、プリズム13bの受光面14側の面からZ方向の上の距離となる。
【0037】
具体的には、虚像15bの位置は、数1に示すように距離d1(=d2)で表すことができる。ただし、図4のBの場合、距離d2は、プリズム13bの受光面14側の面からのZ方向の距離であり、数式1により、虚像15bの面は、プリズム13bの厚さt2と距離d2の比を保った位置に存在する。
【0038】
プリズムの設計方法について説明する。
図5は、プリズムの設計方法を説明するための図である。図5は、光学系10と被写体31との関係を表す側面図である。図5の例では、合焦面16は被写体(被撮影者)31の顔面に対して平行である。また、合焦面16(点P1から点P2)の長さは200[mm]としている。また、光学系10の点P0から合焦面16の点P1までの物体距離を1800[mm]とし、光学系10の点P0から合焦面16の点P2までの物体距離を1500[mm]としている。
【0039】
図6は、合焦面の位置と物体距離の関係を表す図である。図6は、図5の合焦面16の位置と、合焦距離P0-P1(点P0から点P1)及び物体距離P0-P2(点P0から点P2)との関係を表すグラフである。
【0040】
図7は、合焦面と結像関係にある像面の位置と像距離の関係を表す図である。図7は、レンズの焦点距離を75[mm]とした場合における、図5の合焦面16と結像関係にある像面の位置と像距離の関係を表すグラフである。
【0041】
なお、結像関係とは、物体距離s、像距離s′、レンズの焦点距離fを用いて数2で表すことができる。
【0042】
【数2】
【0043】
図8は、実施形態1のプリズムの設計方法を説明するための図である。図8に示す光学系10のプリズム13の中に、撮像素子11の虚像15を、図7に示したグラフの像距離の位置に形成するためには、レンズ12の焦点距離fを75[mm]とし、プリズム13の屈折率nを1.5とし、プリズム13の頂角Angを10[°]とすればよい。このようにすることでプリズム13を設計することができる。
【0044】
なお、本例では、数1からプリズムの厚さt2は距離d2の3倍となるため、図7に示したグラフの像距離の傾き(正接)の3倍の逆関数から頂角Angは10[°]と求められる。このことを一般化すると像面のY方向の位置をyiとして頂角Angは数3で求められる。
【0045】
【数3】
【0046】
顔認証、虹彩認証について説明する。
図9は、実施形態1の撮像装置を有するシステムの一例を説明するための図である。図9に示すシステムは、顔認証、虹彩認証などの物体認識に用いる装置である。また、図9に示すシステムは、撮像装置100と、情報処理装置200と、ネットワーク300とを有する。
【0047】
撮像装置100は、上述した光学系10と、制御部20とを有する。撮像装置100は、例えば、カメラなどである。
【0048】
制御部20は、光学系10に設けられている撮像素子11から出力された撮像データ(又は撮像信号)を取得し、ネットワーク300を介して、取得した撮像データを情報処理装置200に送信する。制御部20は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、又はFPGA(Field-Programmable Gate Array)などのプログラマブルなデバイス、又はGPU(Graphics Processing Unit)、又はそれらのうちのいずれか一つ以上を搭載した回路などである。
【0049】
情報処理装置200は、受信した撮像データに基づいて、顔認証処理、又は、虹彩認証処理、又は、両方の処理を実行する。なお、情報処理装置200は、顔認証処理、虹彩認証処理以外の物体認識処理を実行してもよい。情報処理装置200は、例えば、CPU、又はFPGAなどのプログラマブルなデバイス、又はGPU、又はそれらのうちのいずれか一つ以上を搭載した回路、サーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ、モバイル端末などである。
【0050】
なお、図9の例では、情報処理装置200に顔認証処理、又は、虹彩認証処理、又は、両方の処理を実行させる構成を示したが、制御部20に上述した処理を実行させてもよい。
【0051】
ネットワーク300は、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、専用回線、電話回線、企業内ネットワーク、移動体通信網、ブルートゥース(登録商標)、WiFi(Wireless Fidelity)などの通信回線を用いて構築された一般的なネットワークである。
【0052】
図10図11は、顔認証と虹彩認証について説明するための図である。上述したように従来の撮像装置では、被撮影者の顔面が撮像面に対して斜めになると、例えば、図10のAに示すように顔面の右眼部分(実線)で合焦できるが、左眼部分(破線)では合焦できない。そのため精度のよい顔認証、虹彩認証を行うことができない。
【0053】
しかし、実施形態1の光学系10を有する撮像装置を用いれば、図10のBに示すように右眼部分と左眼部分とで合焦できるので、精度よく顔認証、虹彩認証を行うことができる。
【0054】
また、上述した従来の撮像装置では、被撮影者が複数存在すると、例えば、図11のAに示す二つの顔面のうち、右側顔面(実線)のみに合焦するが、左側顔面(破線)では合焦できない。
【0055】
しかし、実施形態1の光学系10を有する撮像装置では、図11のBに示すように二つの被撮影者の顔面で合焦できるので、それぞれの被撮影者の顔面に対して、精度よく顔認証、虹彩認証を行うことができる。
【0056】
他のプリズムについて説明する。
図12は、実施形態1の他のプリズムの例を説明するための図である。図12のA、B、Cには、複数の合焦面及び曲面形状の合焦面を有する光学系が示されている。
【0057】
図12のAの光学系は二つの合焦面16a、16bを有する。すなわち、図12のAに示すようなプリズム13cは、受光面14に対して斜めの合焦面16a、16b(くの字形状の合焦面)において被写体と合焦させる。そのため、図12のAのプリズム13cの形状は、くの字形状の合焦面16a、16bと結像関係にあるプリズム13cの中に、図12のAに示すような撮像素子11の受光面14の虚像15cがくの字形状に形成できるように設計する。
【0058】
図12のBの光学系は複数の不連続な合焦面16c、16d、16eを有する。すなわち、図12のBに示すプリズム13dは、受光面14に対して平行な合焦面16cと、合焦面16cと奥行が異なる合焦面16dと、受光面14に対して斜めの合焦面16eとにおいて被写体と合焦させる。そのため、図12のBのプリズム13dの形状は、合焦面16c、16d、16eと結像関係にあるプリズム13dの中に、図12のBに示すような撮像素子11の受光面14の虚像15dが形成できるように設計する。
【0059】
図12のCの光学系は複数の合焦面16f、16gを有する。すなわち、図12のCに示すプリズム13eは、受光面14に対して平行な合焦面16fと、曲面の合焦面16gとにおいて被写体と合焦させる。そのため、図12のCのプリズム13eの形状は、合焦面16f、16gと結像関係にあるプリズム13eの中に、図12のCに示すような撮像素子11の受光面14の虚像15eが形成できるように設計する。
【0060】
[実施形態1の効果]
以上のように実施形態1によれば、合焦面と結像関係にあるプリズム13の中に、撮像素子11の受光面14の虚像15が形成できるようなプリズムを用いるので、光学系を小型化できる。
【0061】
また、プリズム13の形状は、合焦面16と結像関係となる面を虚像とする形状とすればよいので、上述した数1、数2のみを用いて設計できる。そのため、設計が簡便で、更にコストを抑えることができる。
【0062】
また、光学系を小型化できるので、顔認証、虹彩認証などの物体認識に用いる撮像装置を小型化できる。なお、顔認証、虹彩認証などの物体認識以外の用途で使用する撮像装置に適用してもよい。さらに、用途ごとに形状の異なるプリズムを複数予め用意し、光学系と被写体の位置関係に応じて、プリズムを交換して用いてもよい。
【0063】
また、光学系を小型化できるので、投影面に画像を投射して表示する投射装置を小型化できる。さらに、用途ごとに形状の異なるプリズムを複数予め用意し、光学系と投影面の位置関係に応じて、プリズムを交換して用いてもよい。
【0064】
(実施形態2)
図13を用いて、実施形態2について説明する。実施形態1と実施形態2の違いはプリズムである。図13は、実施形態2の撮像装置を有するシステムの一例を説明するための図である。
【0065】
[装置構成]
図13に示すシステムは、撮像装置100aと、情報処理装置200と、ネットワーク300とを有する。なお、情報処理装置200とネットワーク300については、実施形態1で説明したので、説明を省略する。
【0066】
撮像装置100aは、光学系101、制御部102を有する。撮像装置100aは、例えば、カメラなどである。
【0067】
光学系101は、実施形態1と同じ構成であるが、実施形態2の光学系101が有するプリズム部は形状を変更できる。光学系101の詳細については後述する。
【0068】
制御部102は、実施形態1と同じ構成である。ただし、実施形態2の制御部102は、更にプリズムの形状を変更するための制御をする。制御部102の詳細については後述する。
【0069】
実施形態2の光学系について説明する。
図14は、実施形態2の光学系を説明するための図である。光学系101は、撮像素子11と、レンズ12と、プリズム部402とを有する。なお、撮像素子11とレンズ12については、実施形態1で説明したので、説明を省略する。
【0070】
プリズム部402は、平板部403aと、平板部403bと、伸縮部404と、アクチュエータ405aと、アクチュエータ405bとを有する。プリズム部402は、形状を変更することで合焦面の位置を変更できる。
【0071】
平板部403aは、伸縮部404の撮像素子11側(Z方向と反対方向側)に、受光面14に対して平行に設けられ、固定されている。また、平板部403aのレンズ12側(Z方向側)の面は、伸縮部404の撮像素子11側(Z方向と反対方向側)に接着されている。
【0072】
平板部403bは、伸縮部404のレンズ12側(Z方向側)に設けられる。また、平板部403bの撮像素子11側(Z方向と反対方向側)の面は、伸縮部404のレンズ12側(Z方向側)に接着されている。
【0073】
なお、平板部403a、403bの材質は、例えば、ガラス、プラスチックなどである。だたし、平板部403a、403bの材質は、ガラス、プラスチックに限定されるものではなく、ガラス、プラスチックと同様の作用を有する各種透明材料でもよい。
【0074】
伸縮部404は、平板部403aと平板部403bとの間に設けられ、平板部403aと平板部403bと所定位置で接着されている。伸縮部404は、伸縮する袋状の透明な媒体(伸縮材料)に、液体が充填されている。
【0075】
伸縮材料は、例えば、シリコーンゴムなどである。ただし、伸縮材料は、シリコーンゴムに限定されるものではなく、シリコーンゴムなどと同様の作用を有する伸縮材料であればよい。
【0076】
液体は、例えば、水、オイルなどである。ただし、液体は、水、オイルに限定されるものではなく、水、オイルと同様の作用を有する液体であればよい。
【0077】
また、伸縮部404は屈折率を有する。なお、平板部403aと平板部403bと伸縮部404の屈折率は、同一のものを使用してもよいし、それぞれの屈折率が異なっていてもよい。
【0078】
アクチュエータ405aは、平板部403bのレンズ12側(Z方向側)の一方端(所定位置)に設けられる。また、アクチュエータ405aは、制御部102の制御により駆動し、平板部403bのレンズ12側(Z方向側)の一方端を、Z方向又はZ方向と反対の方向に移動する。ただし、アクチュエータ405aの位置は、図14に示す位置に限定されるものではない。
【0079】
アクチュエータ405bは、平板部403bのレンズ12側(Z方向側)の他方端(所定位置)に設けられる。また、アクチュエータ405bは、制御部102からの制御により駆動し、平板部403bのレンズ12側(Z方向側)の他方端を、Z方向又はZ方向と反対の方向に移動する。ただし、アクチュエータ405bの位置は、図14に示す位置に限定されるものではない。
【0080】
実施形態2では、アクチュエータ405a、405bを制御することで平板部403bを傾け、伸縮部404の形状を変形させる。例えば、伸縮部404を、図15に示すように形状に変形させる。図15は、実施形態2の光学系を説明するための図である。
【0081】
図15の例では、アクチュエータ405bを用いて、平板部403bの他方端をZ方向と反対方向に押して傾け、伸縮部404の形状を楔型に変形させている。
【0082】
具体的には、制御部102は、アクチュエータ405a、405bを制御して、平板部403bの面を、あらかじめ設定した条件に基づいて傾ける。条件とは、図15の例であれば、平板部403aと平板部403bのなす角が、あらかじめ設定した頂角Angになるようにする条件である。
【0083】
また、撮像装置100aの設置条件に応じて伸縮部404を変形させてもよい。さらに、被写体の合焦状態を画像処理で検出して、検出した状態に応じて動的に伸縮部404を変形させてもよい。
【0084】
なお、実施形態2では、アクチュエータ405a、405bを制御して伸縮部404の形状を変形しているが、アクチュエータ405a、405bの代わりにネジなどを用いて手動で平板部403a、403bを動かしてもよい。
【0085】
[実施形態2の効果]
以上のように実施形態2によれば、実施形態1の効果を得るとともに、更に、自動で伸縮部404を変形できる。
【0086】
(実施形態3)
図16を用いて、実施形態3について説明する。実施形態1と実施形態3の違いはプリズムである。図16は、実施形態3の撮像装置を有するシステムの一例を説明するための図である。
【0087】
[装置構成]
図16に示すシステムは、撮像装置100bと、情報処理装置200と、ネットワーク300とを有する。なお、情報処理装置200とネットワーク300については、実施形態1で説明したので、説明を省略する。
【0088】
撮像装置100bは、光学系111、制御部112を有する。撮像装置100bは、例えば、カメラなどである。
【0089】
光学系111は、実施形態1と同じ構成であるが、実施形態3の光学系111が有するプリズムを回転することで合焦面の位置を変更できる。光学系111の詳細については後述する。
【0090】
制御部112は、実施形態1と同じ構成である。ただし、実施形態3の制御部112では、更にプリズムを回転するための制御をする。制御部112の詳細については後述する。
【0091】
実施形態3の光学系について説明する。
図17は、実施形態3の光学系を説明するための図である。光学系111は、撮像素子11と、レンズ12と、プリズム部502とを有する。なお、撮像素子11とレンズ12については、実施形態1で説明したので、説明を省略する。
【0092】
プリズム部502は、中空軸モータ503と、プリズム13fとを有する。プリズム部502は、中空軸モータ503を用いてプリズム13fを回転させることで合焦面の位置を変更できる。
【0093】
中空軸モータ503は、制御部112の制御により、円筒状の回転中空軸504を、回転中空軸504の回転軸を中心に回転させて、プリズム13fを回転させる。
【0094】
回転中空軸504は、図18に示すように中空の内部にプリズム13fが取り付けられている。図18は、回転中空軸の構造の一例を説明するための図である。
【0095】
例えば、回転中空軸504の回転数を秒速60回転(3600[rpm])とし、撮像素子11のフレームレートを600[fps]とすることで、1/60[秒]ごとに異なる合焦面の画像を10枚取得できる。
【0096】
なお、図17図18に示す回転軸は、レンズ12の光軸と一致させてもよいし、回転軸とレンズ12の光軸と異なってもよい。
【0097】
図19は、実施形態3における合焦面について説明するための図である。図19に示すように合焦面は、プリズム13fの回転に応じて、時刻ごとに移動(変化)する。図19のAに示す合焦面16hは、所定時間経過後に図19のBに示す合焦面16iに移動する。
【0098】
[実施形態3の効果]
以上のように実施形態3によれば、実施形態1の効果を得るとともに、更に、自動で複数の合焦ができる。
【0099】
実際に、実施形態3の光学系111を有する撮像装置を用いて顔認証、虹彩認証を実行したところ、各被撮影者顔面と、各被撮影者の左眼、右眼に合焦した画像のいずれかが10枚の画像の中に含まれていた。すなわち、それぞれの被観測者の左眼、右眼に合焦した画像を取得できるので、制度のよい顔認証、虹彩認証を行うことができた。
【0100】
なお、実施形態3においてプリズム13fは、撮像装置100bの設置条件に応じて、回転又は平行移動をさせてもよい。また、被写体の合焦状態を画像処理で検出して、検出した状態に応じて動的に回転又は平行移動させてもよい。さらに、プリズム13fは、回転以外に平行移動、平行往復運動をさせてもよい。
【0101】
(実施形態4)
図20を用いて、実施形態4について説明する。図20は、投射装置が有する光学系の一例を説明するための図である。
【0102】
[装置構成]
図20に示す光学系600は、複数の合焦ができる構造を有する。また、図20に示すように、光学系600は、表示素子601と、レンズ12と、プリズム13gとを有する。
【0103】
表示素子601は、画像を表示する機器である。表示素子601は、例えば、液晶パネル、DMDなどの各種空間光変調器である。ただし、上述した液晶パネル、DMDに限定されるものではない。
【0104】
なお、表示素子601の解像度としては、水平1920画素×垂直1080画素、画素ピッチは10[μm]、フレームレート60[fps]の液晶パネルを用いることが考えられる。ただし、上述した解像度、画素ピッチ、フレームレートに限定されるものではない。
【0105】
なお、レンズ12と、プリズム13gについては、実施形態1で説明したので、詳細な説明は省略する。
【0106】
図20の例では、プリズム13gは、表示素子601とレンズ12の光路の間に配置される。プリズム13gの中には、表示素子601の表面の虚像602が形成される。被投射面603は、光学系600においてレンズ12を介して虚像602と共役な位置にある。すなわち被投射面603と虚像602とは結像関係にある。
【0107】
プリズム13gの形状は、被投射面603において被投射物体を合焦させるため、被投射面603と結像関係にあるプリズム13gの中に、表示素子601の表面の虚像602が形成されるようにする。
【0108】
他のプリズムについて説明する。
図21図22は、実施形態4の他のプリズムの例を説明するための図である。図21のAに示すように、投射装置に設けられる光学系600aに対して斜めに被投射面603aがある場合には、図22のAに示すような楔型のプリズム13hを用いる。
【0109】
すなわち、図22のAに示すようなプリズム13hは、被投射面603aにおいて被投射物体である表示素子601を合焦させる。そのため、図22のAのプリズム13hの形状は、被投射面603aと結像関係にあるプリズム13hの中に、図22のAに示すような表示素子601の虚像602aが形成できるように設計する。
【0110】
図21のBに示すように、投射装置に設けられる光学系600bの投射する被投射面は、奥行が異なる不連続な被投射面603b、603c、603dであるので、図22のBに示すような不連続面を有するプリズム13iを用いる。
【0111】
すなわち、図22のBに示すようなプリズム13iは、被投射面603b、603c、603dにおいて被投射物体である表示素子601を合焦させる。そのため、図22のBのプリズム13iの形状は、被投射面603b、603c、603dと結像関係にあるプリズム13iの中に、図22のBに示すような表示素子601の虚像602bが形成できるように設計する。
【0112】
図21のCに示すように、投射装置に設けられる光学系600cの投射する被投射面は、曲面の被投射面603eと被投射面603fとからなるので、図22のCに示すような曲面を有するプリズム13jを用いる。
【0113】
すなわち、図22のCに示すようなプリズム13jは、被投射面603e、603fにおいてに被投射物体である表示素子601を合焦させる。そのため、図22のCのプリズム13jの形状は、被投射面603e、603fと結像関係にあるプリズム13jの中に、図22のCに示すような表示素子601の虚像602cが形成できるように設計する。
【0114】
なお、実施形態4による投射装置で、斜めの被投射面、不連続な被投射面、曲面を含む被投射面に対して、対応するプリズム13を表示素子の表示面に配置して、画像投射を行ったところ、どの被投射面においても合焦した鮮明な画像を観察することができた。
【0115】
また、赤色、緑色、青色の表示素子を三枚使用する場合、それぞれの液晶パネルに対応したプリズムを配置する。
【0116】
さらに、実施形態4の光学系600には、実施形態2、3で説明したと光学系を採用してもよい。
【0117】
[実施形態4の効果]
以上のように実施形態4によれば、被投射面と結像関係にあるプリズム13の中に、表示素子601の虚像602が形成できるようなプリズムを用いるので、光学系を小型化できる。
【0118】
また、プリズム13の形状は、被投射面603と結像関係となる面を虚像とする形状とすればよいので、上述した数1、数2のみを用いて設計できる。そのため、設計が簡便で、更にコストを抑えることができる。
【0119】
また、光学系を小型化できるので、投影面に画像を投射して表示する投射装置を小型化できる。さらに、用途ごとに形状の異なるプリズムを複数予め用意し、光学系と投影面の位置関係に応じて、プリズムを交換して用いてもよい。
【0120】
[付記]
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。上述した実施形態の一部又は全部は、以下に記載する(付記1)から(付記12)により表現することができるが、以下の記載に限定されるものではない。
【0121】
(付記1)
光を電気信号に変換する、撮像素子と、
光を屈折させて集束させる、レンズと、
前記撮像素子と前記レンズとの光路の間に配置される、プリズムと、を有し、
前記プリズムの中に、前記撮像素子の受光面の虚像が形成され、合焦面が、前記レンズを介して前記虚像と共役な位置にある
光学系。
【0122】
(付記2)
付記1に記載の光学系であって、
前記プリズムは、
前記撮像素子側に固定される、透明な第一の平板部と、
前記レンズ側に配置される、透明な第二の平板部と、
前記第一の平板部と第二の平板部との間に配置され、伸縮する袋状の透明な媒体に、液体が充填されている、伸縮部と、
前記第二の平板部を傾けて、前記伸縮部の形状を変更する、アクチュエータと
を有する光学系。
【0123】
(付記3)
付記1に記載の光学系であって、
円筒状の回転中空軸を回転させる、中空軸モータを有し、
前記中空軸モータは、前記回転中空軸の内部の前記プリズムを回転させる
光学系。
【0124】
(付記4)
光を電気信号に変換する、撮像素子と、
光を屈折させて集束させる、レンズと、
前記撮像素子と前記レンズとの光路の間に配置される、プリズムと、を有し、
前記プリズムの中に、前記撮像素子の受光面の虚像が形成され、合焦面が、前記レンズを介して前記虚像と共役な位置にある
撮像装置。
【0125】
(付記5)
付記4に記載の撮像装置であって、
前記プリズムは、
前記撮像素子側に固定される、透明な第一の平板部と、
前記レンズ側に配置される、透明な第二の平板部と、
前記第一の平板部と第二の平板部との間に配置され、伸縮する袋状の透明な媒体に、液体が充填されている、伸縮部と、
前記第二の平板部を傾けて、前記伸縮部の形状を変更する、アクチュエータと
を有する撮像装置。
【0126】
(付記6)
付記4に記載の撮像装置であって、
円筒状の回転中空軸を回転させる、中空軸モータを有し、
前記中空軸モータは、前記回転中空軸の内部の前記プリズムを回転させる
撮像装置。
【0127】
(付記7)
画像を表示する、表示素子と、
光を屈折させて集束させる、レンズと、
前記表示素子と前記レンズとの光路の間に配置される、プリズムと、を有し、
前記プリズムの中に、前記表示素子の表面の虚像が形成され、被投射面が、前記レンズを介して前記虚像と共役な位置にある
光学系。
【0128】
(付記8)
付記7に記載の光学系であって、
前記プリズムは、
前記表示素子側に固定される、透明な第一の平板部と、
前記レンズ側に配置される、透明な第二の平板部と、
前記第一の平板部と第二の平板部との間に配置され、伸縮する袋状の透明な媒体に、液体が充填されている、伸縮部と、
前記第二の平板部を傾けて、前記伸縮部の形状を変更する、アクチュエータと
を有する光学系。
【0129】
(付記9)
付記7に記載の光学系であって、
円筒状の回転中空軸を回転させる、中空軸モータを有し、
前記中空軸モータは、前記回転中空軸の内部の前記プリズムを回転させる
光学系。
【0130】
(付記10)
画像を表示する、表示素子と、
光を屈折させて集束させる、レンズと、
前記表示素子と前記レンズとの光路の間に配置される、プリズムと、を有し、
前記プリズムの中に、前記表示素子の表面の虚像が形成され、被投射面が、前記レンズを介して前記虚像と共役な位置にある
投射装置。
【0131】
(付記11)
付記10に記載の投射装置であって、
前記プリズムは、
前記表示素子側に固定される、透明な第一の平板部と、
前記レンズ側に配置される、透明な第二の平板部と、
前記第一の平板部と第二の平板部との間に配置され、伸縮する袋状の透明な媒体に、液体が充填されている、伸縮部と、
前記第二の平板部を傾けて、前記伸縮部の形状を変更する、アクチュエータと
を有する投射装置。
【0132】
(付記12)
付記10に記載の投射装置であって、
円筒状の回転中空軸を回転させる、中空軸モータを有し、
前記中空軸モータは、前記回転中空軸の内部に前記プリズムを回転させる
投射装置。
【0133】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0134】
以上のように本発明によれば、複数の合焦ができ、小型で安価な光学系と、その光学系を用いた撮像装置及び投射装置を提供できる。本発明は、顔認証、虹彩認証などの物体認識、画像投射が必要な分野において有用である。
【符号の説明】
【0135】
10、101、111、600 光学系
11 撮像素子
12 レンズ
13 プリズム
14 受光面
15、602 虚像
16 合焦面
20、102、112 制御部
100 撮像装置
200 情報処理装置
300 ネットワーク
402、502 プリズム部
403 平板部
404 伸縮部
405 アクチュエータ
503 中空軸モータ
504 回転中空軸
601 表示素子
603 被投射面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22