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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】検出システム、検出装置、及び検出方法
(51)【国際特許分類】
   G01D 5/353 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
G01D5/353 B
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023544883
(86)(22)【出願日】2021-09-01
(86)【国際出願番号】 JP2021032160
(87)【国際公開番号】W WO2023032091
(87)【国際公開日】2023-03-09
【審査請求日】2024-02-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】岩野 忠行
【審査官】菅藤 政明
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第98/004895(WO,A1)
【文献】特開2001-227994(JP,A)
【文献】国際公開第2021/152787(WO,A1)
【文献】特開2008-136159(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 5/353
G01M 11/00-11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1光ファイバケーブル及び第2光ファイバケーブルと、
前記第1光ファイバケーブル及び前記第2光ファイバケーブルの各々を用いて、光ファイバセンシングを実行することにより、前記第1光ファイバケーブルに対応する第1センシングデータを取得すると共に、前記第2光ファイバケーブルに対応する第2センシングデータを取得するセンシング部と、
前記第1センシングデータ及び前記第2センシングデータの両方に基づいて、前記第1光ファイバケーブル又は前記第2光ファイバケーブルにおける異常の発生を検出する異常検出部と、
を備え
前記第1センシングデータ及び前記第2センシングデータの各々は、振動データを含み、
前記異常検出部は、前記第1センシングデータが示す振動強度と前記第2センシングデータが示す振動強度との差分値に基づいて、前記異常の発生を検出する、
検出システム。
【請求項2】
第1光ファイバケーブル及び第2光ファイバケーブルの各々を用いて、光ファイバセンシングを実行するセンシング部から、前記第1光ファイバケーブルに対応する第1センシングデータを取得すると共に、前記第2光ファイバケーブルに対応する第2センシングデータを取得する取得部と、
前記第1センシングデータ及び前記第2センシングデータの両方に基づいて、前記第1光ファイバケーブル又は前記第2光ファイバケーブルにおける異常の発生を検出する異常検出部と、
を備え
前記第1センシングデータ及び前記第2センシングデータの各々は、振動データを含み、
前記異常検出部は、前記第1センシングデータが示す振動強度と前記第2センシングデータが示す振動強度との差分値に基づいて、前記異常の発生を検出する、
検出装置。
【請求項3】
前記異常検出部は、前記差分値に基づいて、前記異常の発生を検出した場合、前記第1センシングデータ及び前記第2センシングデータのうち変動が生じている方のセンシングデータに対応する前記第1光ファイバケーブル又は前記第2光ファイバケーブルを、前記異常が発生した光ファイバケーブルであると特定する、
請求項に記載の検出装置。
【請求項4】
前記異常検出部は、前記第1センシングデータ又は前記第2センシングデータのいずれかに変動が生じていることをトリガーとして、前記差分値を監視する、
請求項又はに記載の検出装置。
【請求項5】
前記異常は、動物の食害による損傷を含む、
請求項からのいずれか1項に記載の検出装置。
【請求項6】
前記センシング部は、前記第1光ファイバケーブル及び前記第2光ファイバケーブルの各々を用いて、分散型光ファイバセンシングを実行する、
請求項からのいずれか1項に記載の検出装置。
【請求項7】
前記第1センシングデータ及び前記第2センシングデータのうちの少なくとも1つに基づいて、前記第1光ファイバケーブル及び前記第2光ファイバケーブルの周囲の環境を検出する環境検出部をさらに備える、
請求項からのいずれか1項に記載の検出装置。
【請求項8】
検出装置による検出方法であって、
第1光ファイバケーブル及び第2光ファイバケーブルの各々を用いて、光ファイバセンシングを実行するセンシング部から、前記第1光ファイバケーブルに対応する第1センシングデータを取得すると共に、前記第2光ファイバケーブルに対応する第2センシングデータを取得する取得ステップと、
前記第1センシングデータ及び前記第2センシングデータの両方に基づいて、前記第1光ファイバケーブル又は前記第2光ファイバケーブルにおける異常の発生を検出する異常検出ステップと、
を含み、
前記第1センシングデータ及び前記第2センシングデータの各々は、振動データを含み、
前記異常検出ステップでは、前記第1センシングデータが示す振動強度と前記第2センシングデータが示す振動強度との差分値に基づいて、前記異常の発生を検出する、
検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、検出システム、検出装置、及び検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、光ファイバをセンサとして使用して、センシングを行う光ファイバセンシングと呼ばれる技術が注目を集めている。
【0003】
光ファイバセンシングの例としては、干渉型光ファイバセンシングが挙げられる。例えば、特許文献1には、センシングファイバから受信した反射光と、リファレンスファイバから受信した反射光と、が干渉した干渉光を用いて、干渉型光ファイバセンシングを実行することにより、物理量を検出する技術が開示されている。
【0004】
また、光ファイバセンシングの他の例としては、DVS(Distributed Vibration Sensing)等である分散型光ファイバセンシング(DFOS:Distributed Fiber Optic Sensing)が挙げられる。例えば、特許文献2には、分散型光ファイバセンシングを実行することにより、光ファイバケーブルの周囲の環境(例えば、電柱等の構造物の状態)を検出する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2008-175746号公報
【文献】国際公開第2021/070222号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、特許文献2に開示された技術は、分散型光ファイバセンシングを実行することにより、光ファイバケーブルの周囲の環境を検出する。しかし、光ファイバケーブル自体に異常(例えば、動物の食害による損傷等)が発生する場合がある。光ファイバケーブル自体に異常が発生した場合、検出結果にも変動が生じる。
【0007】
しかし、特許文献2に開示された技術では、検出結果の変動が、光ファイバケーブルの周囲の環境の変動に起因するものであるのか、又は、光ファイバケーブル自体に発生した異常に起因するものであるのか、の判別が困難であるという課題がある。
【0008】
そこで本開示の目的は、上述した課題を解決し、光ファイバケーブル自体に異常が発生したことを検出できる検出システム、検出装置、及び検出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一態様による検出システムは、
第1光ファイバケーブル及び第2光ファイバケーブルと、
前記第1光ファイバケーブル及び前記第2光ファイバケーブルの各々を用いて、光ファイバセンシングを実行することにより、前記第1光ファイバケーブルに対応する第1センシングデータを取得すると共に、前記第2光ファイバケーブルに対応する第2センシングデータを取得するセンシング部と、
前記第1センシングデータ及び前記第2センシングデータの両方に基づいて、前記第1光ファイバケーブル又は前記第2光ファイバケーブルにおける異常の発生を検出する異常検出部と、
を備える。
【0010】
一態様による検出装置は、
第1光ファイバケーブル及び第2光ファイバケーブルの各々を用いて、光ファイバセンシングを実行するセンシング部から、前記第1光ファイバケーブルに対応する第1センシングデータを取得すると共に、前記第2光ファイバケーブルに対応する第2センシングデータを取得する取得部と、
前記第1センシングデータ及び前記第2センシングデータの両方に基づいて、前記第1光ファイバケーブル又は前記第2光ファイバケーブルにおける異常の発生を検出する異常検出部と、
を備える。
【0011】
一態様による検出方法は、
検出装置による検出方法であって、
第1光ファイバケーブル及び第2光ファイバケーブルの各々を用いて、光ファイバセンシングを実行するセンシング部から、前記第1光ファイバケーブルに対応する第1センシングデータを取得すると共に、前記第2光ファイバケーブルに対応する第2センシングデータを取得する取得ステップと、
前記第1センシングデータ及び前記第2センシングデータの両方に基づいて、前記第1光ファイバケーブル又は前記第2光ファイバケーブルにおける異常の発生を検出する異常検出ステップと、
を含む。
【発明の効果】
【0012】
上述の態様によれば、光ファイバケーブル自体に異常が発生したことを検出できる検出システム、検出装置、及び検出方法を提供できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施の形態1に係る検出システムの構成例を示す図である。
図2】実施の形態1に係る検出システムの変形構成例を示す図である。
図3】実施の形態1に係る検出システムにおいて、第1光ファイバケーブル又は第2光ファイバケーブルにおける異常の発生を検出する場合の概略的な動作の流れの例を説明するフロー図である。
図4】実施の形態2に係る検出システムの構成例を示す図である。
図5】第1光ファイバケーブル又は第2光ファイバケーブルのいずれかに異常が発生した場合に、第1センシングデータが示す振動強度と第2センシングデータが示す振動強度との差分値が変動する例を説明する図である。
図6】実施の形態2に係る検出システムにおいて、第1光ファイバケーブル又は第2光ファイバケーブルにおける異常の発生を検出する場合の概略的な動作の流れの例を説明するフロー図である。
図7】他の実施形態に係る異常検出部が用いる対応テーブルの例を示す図である。
図8】各実施の形態に係る検出装置を実現するコンピュータのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本開示の実施の形態について説明する。なお、以下の記載及び図面は、説明の明確化のため、適宜、省略及び簡略化がなされている。また、以下の各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0015】
<実施の形態1>
まず、図1を参照して、本実施の形態1に係る検出システム1の構成例について説明する。
図1に示されるように、本実施の形態1に係る検出システム1は、第1光ファイバケーブル10-1、第2光ファイバケーブル10-2、センシング部20、及び異常検出部30を備えている。
【0016】
第1光ファイバケーブル10-1は、少なくとも1本の第1光ファイバ11-1を含む。また、第2光ファイバケーブル10-2は、少なくとも1本の第2光ファイバ11-2を含む。
【0017】
第1光ファイバケーブル10-1及び第2光ファイバケーブル10-2は、互いに略平行に延伸するように配置される。また、第1光ファイバケーブル10-1及び第2光ファイバケーブル10-2は、互いに隣接して配置される。例えば、第1光ファイバケーブル10-1及び第2光ファイバケーブル10-2は、互いに密着して配置されても良いし、所定の間隔をあけて配置されても良い。
【0018】
なお、図1においては、第1光ファイバケーブル10-1及び第2光ファイバケーブル10-2からなる2本の光ファイバケーブルが設けられているが、光ファイバケーブルの数は、2本に限定されず、3本以上であっても良い。
【0019】
センシング部20は、第1光ファイバケーブル10-1及び第2光ファイバケーブル10-2の各々を用いて、光ファイバセンシングを実行する。例えば、センシング部20は、分散型光ファイバセンシングを実行する。これにより、センシング部20は、第1光ファイバケーブル10-1が検出した検出結果(例えば、第1光ファイバケーブル10-1の周囲で発生した振動)を示す第1センシングデータを取得すると共に、第2光ファイバケーブル10-2が検出した検出結果(例えば、第2光ファイバケーブル10-2の周囲で発生した振動)を示す第2センシングデータを取得する。
【0020】
異常検出部30は、センシング部20により取得された第1センシングデータ及び第2センシングデータの両方に基づいて、第1光ファイバケーブル10-1又は第2光ファイバケーブル10-2における異常の発生を検出する。
【0021】
なお、異常検出部30は、センシング部20と同一の装置に設けられても良いし、センシング部20とは別の装置に設けられていても良いし、クラウド上に設けられても良い。図2に、異常検出部30が、センシング部20とは別の装置(検出装置300A)に設けられている検出システム1Aの構成例を示す。図2に示される検出システム1Aにおいては、検出装置300Aには、センシング部20から第1センシングデータ及び第2センシングデータを取得する取得部31が追加されている。
【0022】
続いて、図3を参照して、本実施の形態1に係る検出システム1において、第1光ファイバケーブル10-1又は第2光ファイバケーブル10-2における異常の発生を検出する場合の概略的な動作の流れの例について説明する。
【0023】
図3に示されるように、まず、センシング部20は、第1光ファイバケーブル10-1及び第2光ファイバケーブル10-2の各々を用いて、光ファイバセンシングを実行する。これにより、センシング部20は、第1光ファイバケーブル10-1に対応する第1センシングデータを取得すると共に、第2光ファイバケーブル10-2に対応する第2センシングデータを取得する(ステップS101)。
【0024】
その後、異常検出部30は、センシング部20により取得された第1センシングデータ及び第2センシングデータの両方に基づいて、第1光ファイバケーブル10-1又は第2光ファイバケーブル10-2における異常の発生を検出する(ステップS102)。
【0025】
上述したように本実施の形態1によれば、センシング部20は、第1光ファイバケーブル10-1及び第2光ファイバケーブル10-2の各々を用いて、光ファイバセンシングを実行することにより、第1光ファイバケーブル10-1に対応する第1センシングデータを取得すると共に、第2光ファイバケーブル10-2に対応する第2センシングデータを取得する。異常検出部30は、第1センシングデータ及び第2センシングデータの両方に基づいて、第1光ファイバケーブル10-1又は第2光ファイバケーブル10-2における異常の発生を検出する。これにより、第1光ファイバケーブル10-1又は第2光ファイバケーブル10-2自体に異常が発生したことを検出できる。
【0026】
<実施の形態2>
本実施の形態2は、上述した実施の形態1を具体化したもので、光ファイバケーブルの周囲の環境として、光ファイバケーブルの周囲の車両の走行状況を検出する例である。
【0027】
まず、図4を参照して、本実施の形態2に係る検出システム1Bの構成例について説明する。
図4に示されるように、本実施の形態2に係る検出システム1Bは、第1光ファイバケーブル100-1、第2光ファイバケーブル100-2、センシング装置200、及び検出装置300Bを備えている。なお、図4は、第1光ファイバケーブル100-1に異常(ここでは、刃物を用いた人的な損傷)が発生している様子を示している。
【0028】
第1光ファイバケーブル100-1及び第2光ファイバケーブル100-2は、上述した実施の形態1における第1光ファイバケーブル10-1及び第2光ファイバケーブル10-2に対応する。以下では、第1光ファイバケーブル100-1又は第2光ファイバケーブル100-2のどちらであるかを特定しない場合は、「光ファイバケーブル100」と適宜称する。また、センシング装置200は、上述した実施の形態1におけるセンシング部20に対応する。また、検出装置300Bにおける後述の異常検出部303及び取得部301は、それぞれ、上述した実施の形態1における異常検出部30及び取得部31に対応する。
【0029】
第1光ファイバケーブル100-1は、少なくとも1本の第1光ファイバ101-1を含む。また、第2光ファイバケーブル100-2は、少なくとも1本の第2光ファイバ101-2を含む。
【0030】
第1光ファイバケーブル100-1及び第2光ファイバケーブル100-2は、互いに略平行に、道路(不図示)に沿って延伸するように配置される。なお、図4においては、第1光ファイバケーブル100-1及び第2光ファイバケーブル100-2は、道路に沿って設置されたトラス103の内部に配置されているが、この配置方法には限定されず、道路に沿って配置されていれば良い。
【0031】
また、第1光ファイバケーブル100-1及び第2光ファイバケーブル100-2は、互いに隣接して配置される。例えば、第1光ファイバケーブル100-1及び第2光ファイバケーブル100-2は、互いに密着して配置されても良いし、所定の間隔をあけて配置されても良い。
【0032】
なお、図4においては、第1光ファイバケーブル100-1及び第2光ファイバケーブル100-2からなる2本の光ファイバケーブルが設けられているが、光ファイバケーブル100の数は、2本に限定されず、3本以上であっても良い。
【0033】
センシング装置200は、第1光ファイバケーブル100-1及び第2光ファイバケーブル100-2の各々を用いて、分散型光ファイバセンシングを実行するもので、第1DFOS部201及び第2DFOS部202を備えている。第1DFOS部201及び第2DFOS部202は、例えば、DVSにより実現される。なお、図4においては、第1DFOS部201及び第2DFOS部202は、同一の装置(センシング装置200)に設けられているが、別々の装置に設けられていても良い。
【0034】
第1DFOS部201は、分散型光ファイバセンシングを実行する場合、第1光ファイバケーブル100-1を構成する第1光ファイバ101-1にパルス光を入射し、パルス光が第1光ファイバ101-1を伝送されることに伴い発生した後方散乱光を、第1光ファイバ101-1を経由して、受信する。
【0035】
ここで、第1光ファイバケーブル100-1の周囲を車両が走行すると、振動が発生し、その振動は第1光ファイバケーブル100-1に伝達される。その結果、第1光ファイバケーブル100-1を構成する第1光ファイバ101-1を伝送される後方散乱光の特性(例えば、波長)が変化する。そのため、第1光ファイバケーブル100-1は、第1光ファイバケーブル100-1の周囲の車両の走行により発生した振動を検出可能である。
【0036】
また、第1光ファイバ101-1を伝送される後方散乱光は、第1光ファイバケーブル100-1の車両の走行により発生した振動に応じて特性が変化することから、その振動の振動データを示す第1センシングデータを含んでいる。
【0037】
そのため、第1DFOS部201は、分散型光ファイバセンシングを実行することにより、第1光ファイバケーブル100-1の周囲の車両の走行により発生した振動の振動データを示す第1センシングデータを取得する。
【0038】
同様に、第2DFOS部202は、分散型光ファイバセンシングを実行する場合、第2光ファイバケーブル100-2を構成する第2光ファイバ101-2にパルス光を入射し、パルス光が第2光ファイバ101-2を伝送されることに伴い発生した後方散乱光を、第2光ファイバ101-2を経由して、受信する。そして、第2DFOS部202は、第2光ファイバケーブル100-2の周囲の車両の走行により発生した振動の振動データを示す第2センシングデータを取得する。
【0039】
検出装置300Bは、取得部301、環境検出部302、及び異常検出部303を備えている。
取得部301は、第1DFOS部201から第1センシングデータを取得すると共に、第2DFOS部202から第2センシングデータを取得する。
【0040】
ここで、第1センシングデータは、第1光ファイバケーブル100-1の周囲の車両の走行により発生した振動の振動データを示し、第2センシングデータは、第2光ファイバケーブル100-2の周囲の車両の走行により発生した振動の振動データを示している。また、第1光ファイバケーブル100-1及び第2光ファイバケーブル100-2は、互いに隣接して配置されている。
【0041】
そこで、環境検出部302は、第1センシングデータ及び第2センシングデータの少なくとも1つに基づいて、第1光ファイバケーブル100-1及び第2光ファイバケーブル100-2の周囲の車両の走行状況を検出する。
【0042】
また、第1光ファイバケーブル100-1及び第2光ファイバケーブル100-2が共に正常である場合、第1センシングデータが示す振動強度と第2センシングデータが示す振動強度との差分値は、第1光ファイバケーブル100-1及び第2光ファイバケーブル100-2の位置関係に応じた振動強度の差となる。そのため、第1光ファイバケーブル100-1及び第2光ファイバケーブル100-2の位置関係が変化しない限り、上述した差分値は、ほぼ一定の値となる。
【0043】
しかし、第1光ファイバケーブル100-1又は第2光ファイバケーブル100-2のいずれかに異常(例えば、動物の食害による損傷等)が発生した場合、第1センシングデータ及び第2センシングデータのうち、異常が発生した方の光ファイバケーブル100に対応するセンシングデータのみに変動が生じる(例えば、センシングデータが示す振動強度の値が、光ファイバケーブル100の正常時の値から予め決められた閾値を超えて変動する。以下、同じ)。その結果、正常時にはほぼ一定の値であった、上述した差分値は、変動が生じる(例えば、差分値が、光ファイバケーブル100の正常時の値から予め決められた閾値を超えて変動する。以下、同じ)。
【0044】
ここで、図5を参照して、第1光ファイバケーブル100-1又は第2光ファイバケーブル100-2のいずれかに異常が発生した場合に、上述した差分値が変動することについて説明する。なお、図5は、第1光ファイバケーブル100-1に異常(損傷)が発生した例である。また、図5において、第1センシングデータ及び第2センシングデータは、センシング装置200から同距離にある第1光ファイバケーブル100-1及び第2光ファイバケーブル100-2上の位置にてそれぞれ検出された振動の振動データを示しており、横軸は時間、縦軸は振動強度である。
【0045】
図5に示されるように、正常な第2光ファイバケーブル100-2に対応する第2センシングデータには、車両の走行に応じて発生した振動のみが現れている。
一方、異常(損傷)が発生した第1光ファイバケーブル100-1に対応する第2センシングデータには、車両の走行に応じて発生した振動が現れる他、異常(損傷)に応じて発生した振動も現れている。
【0046】
その結果、第1センシングデータが示す振動強度と第2センシングデータが示す振動強度との差分値には、ピークが発生する。このピークは、第1光ファイバケーブル100-1及び第2光ファイバケーブル100-2が共に正常である場合には、発生しない。
【0047】
そこで、異常検出部303は、第1センシングデータが示す振動強度と第2センシングデータが示す振動強度との差分値に基づいて、第1光ファイバケーブル100-1又は第2光ファイバケーブル100-2における異常の発生を検出する。
【0048】
なお、光ファイバケーブル100の異常の種別としては、動物の食害による光ファイバケーブル100の損傷、刃物等を用いた人的な光ファイバケーブル100の損傷、光ファイバケーブル100の劣化、光ファイバケーブル100への外圧(例えば、トラフ102のずれに起因する外圧)等が挙げられる。
【0049】
続いて、図6を参照して、本実施の形態2に係る検出システム1Bにおいて、第1光ファイバケーブル100-1又は第2光ファイバケーブル100-2における異常の発生を検出する場合の概略的な動作の流れの例について説明する。
【0050】
図6に示されるように、まず、センシング装置200は、第1光ファイバケーブル100-1及び第2光ファイバケーブル100-2の各々を用いて、分散型光ファイバセンシングを実行する。これにより、センシング装置200は、第1光ファイバケーブル100-1に対応する第1センシングデータを取得すると共に、第2光ファイバケーブル100-2に対応する第2センシングデータを取得する(ステップS201)。
【0051】
その後、検出装置300Bにおいては、取得部301は、センシング装置200により取得された第1センシングデータ及び第2センシングデータを取得する。そして、異常検出部303は、第1センシングデータが示す振動強度と、第2センシングデータが示す振動強度と、の差分値に基づいて、第1光ファイバケーブル100-1又は第2光ファイバケーブル100-2における異常の発生を検出する(ステップS202)。
【0052】
上述したように本実施の形態2によれば、センシング装置200は、第1光ファイバケーブル100-1及び第2光ファイバケーブル100-2の各々を用いて、分散型光ファイバセンシングを実行することにより、第1光ファイバケーブル100-1に対応する第1センシングデータを取得すると共に、第2光ファイバケーブル100-2に対応する第2センシングデータを取得する。検出装置300Bは、第1センシングデータが示す振動強度と、第2センシングデータが示す振動強度と、の差分値に基づいて、第1光ファイバケーブル100-1又は第2光ファイバケーブル100-2における異常の発生を検出する。これにより、第1光ファイバケーブル100-1又は第2光ファイバケーブル100-2自体に異常が発生したことを検出できる。
【0053】
<他の実施の形態>
上述した実施の形態2に係る異常検出部303は、以下のように、動作の追加又は変形を行うことが可能である。
【0054】
異常検出部303は、第1センシングデータが示す振動強度と、第2センシングデータが示す振動強度と、の差分値を常に監視する必要は無く、第1センシングデータ又は第2センシングデータのいずれかに変動が生じたことをトリガーとして、上述した差分値を監視しても良い。この構成によれば、上述した差分値を常に監視する構成と比較して、異常検出部303の処理負荷を軽減することが可能となる。
【0055】
また、異常検出部303は、上述した差分値に基づいて、第1光ファイバケーブル100-1又は第2光ファイバケーブル100-2における異常の発生を検出した場合、第1センシングデータ及び第2センシングデータのうち、変動が生じている方のセンシングデータに対応する光ファイバケーブル100を、異常が発生した光ファイバケーブル100であると特定しても良い。
【0056】
また、異常検出部303は、上述した差分値に基づいて、第1光ファイバケーブル100-1又は第2光ファイバケーブル100-2における異常の発生を検出し、かつ、第1センシングデータ及び第2センシングデータの両方に変動が生じている場合には、第1光ファイバケーブル100-1及び第2光ファイバケーブル100-2の両方に異常が発生していると判断しても良い。
【0057】
また、異常検出部303は、異常が発生した光ファイバケーブル100を、システム利用者に報知しても良い。この場合、異常検出部303は、システム利用者の端末(不図示)に対し、異常が発生した光ファイバケーブル100を示すGUI(Graphical User Interface)画面を送信すれば良い。
【0058】
また、異常検出部303は、例えば、第1DFOS部201が第1光ファイバケーブル100-1にパルス光を入射した時刻と、第1DFOS部201が第1光ファイバケーブル100-1から後方散乱光を受信した時刻と、の時間差に基づいて、その後方散乱光に含まれる第1センシングデータが検出された位置(センシング装置200からの距離)を特定することが可能である。これを利用して、異常検出部303は、第1光ファイバケーブル100-1に異常が発生した場合、第1光ファイバケーブル100-1上の異常の発生位置(センシング装置200からの距離)を特定しても良い。また、図7に示されるような、センシング装置200からの距離と、その距離における緯度経度情報と、を対応付けた対応テーブルを、メモリ(不図示)等に予め記憶させておいても良い。この場合、異常検出部303は、図7に示される対応テーブルを用いて、第1光ファイバケーブル100-1上の異常の発生位置の緯度経度を特定しても良い。
同様に、異常検出部303は、第2光ファイバケーブル100-2上の異常の発生位置(センシング装置200からの距離、又は、緯度経度)を特定しても良い。
【0059】
また、異常検出部303は、光ファイバケーブル100上の異常の発生位置(センシング装置200からの距離、又は、緯度経度)を、システム利用者に報知しても良い。この場合、異常検出部303は、システム利用者の端末(不図示)に対し、光ファイバケーブル100上の異常の発生位置を示すGUI画面を送信すれば良い。
【0060】
また、光ファイバケーブル100の異常の種別としては、上述したように、動物の食害による光ファイバケーブル100の損傷、刃物等を用いた人的な光ファイバケーブル100の損傷、光ファイバケーブル100の劣化、光ファイバケーブル100への外圧等が挙げられる。上述した差分値のパターンは、異常の種別に応じて、ピークの強弱、ピークの発生位置、ピーク数等が異なる固有の変動パターンとなる。
【0061】
そこで、異常検出部303は、上述した差分値のパターンが、異常の種別に応じた固有の変動パターンとなることを利用して、光ファイバケーブル100に発生した異常の種別を特定しても良い。この特定方法としては、例えば、以下が考えられる。
【0062】
異常検出部303は、光ファイバケーブル100の異常の種別毎に、その異常を示す教師データと、その異常が発生したときの差分値のパターンと、の組を複数準備し、準備した複数の組を順次入力して、畳み込みニューラルネットワーク(CNN:Convolutional Neural Network)による学習モデルを予め構築し、メモリ(不図示)等に予め記憶させておく。
【0063】
異常検出部303は、上述した差分値に基づいて、光ファイバケーブル100における異常の発生を検出した場合、上述した差分値のパターンを、学習モデルに入力する。これにより、異常検出部303は、学習モデルの出力結果として、異常の種別の情報を得る。
【0064】
<各実施の形態に係る検出装置のハードウェア構成>
続いて、図8を参照して、上述した実施の形態1,2に係る検出装置300A,300Bを実現するコンピュータ400のハードウェア構成について説明する。
図8に示されるように、コンピュータ400は、プロセッサ401、メモリ402、ストレージ403、入出力インタフェース(入出力I/F)404、及び通信インタフェース(通信I/F)405等を備えている。プロセッサ401、メモリ402、ストレージ403、入出力インタフェース404、及び通信インタフェース405は、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路で接続されている。
【0065】
プロセッサ401は、例えばCPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等の演算処理装置である。メモリ402は、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等のメモリである。ストレージ403は、例えばHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、またはメモリカード等の記憶装置である。また、ストレージ403は、RAMやROM等のメモリであっても良い。
【0066】
ストレージ403には、プログラムが記憶される。このプログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、上述した検出装置300A,300Bにおける1又はそれ以上の機能をコンピュータ400に行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。上述した検出装置300A,300Bにおける取得部31,301、環境検出部302、及び異常検出部30,303は、プロセッサ401がストレージ403に記憶されたプログラムを読み込んで実行することにより実現されても良い。また、上述した検出装置300A,300Bにおける記憶機能は、メモリ402又はストレージ403により実現されても良い。
【0067】
また、上記のプログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されても良い。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、SSD又はその他のメモリ技術、CD(Compact Disc)-ROM、DVD(Digital Versatile Disc)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されても良い。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、又はその他の形式の伝搬信号を含む。
【0068】
入出力インタフェース404は、表示装置4041、入力装置4042、音出力装置4043等と接続される。表示装置4041は、LCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、モニターのような、プロセッサ401により処理された描画データに対応する画面を表示する装置である。入力装置4042は、オペレータの操作入力を受け付ける装置であり、例えば、キーボード、マウス、及びタッチセンサ等である。表示装置4041及び入力装置4042は一体化され、タッチパネルとして実現されていても良い。音出力装置4043は、スピーカのような、プロセッサ401により処理された音響データに対応する音を音響出力する装置である。
【0069】
通信インタフェース405は、外部の装置との間でデータを送受信する。例えば、通信インタフェース405は、有線通信路または無線通信路を介して外部装置と通信する。
【0070】
以上、実施の形態を参照して本開示を説明したが、本開示は上述した実施の形態に限定されるものではない。本開示の構成や詳細には、本開示のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0071】
例えば、上述した実施の形態では、光ファイバケーブルの周囲の環境として、車両の走行状況を検出する例について説明したが、これには限定されない。例えば、本開示は、光ファイバケーブルの周囲の環境として、侵入者を検出したり、電柱等の構造物の状態を検出したりする検出システムにも適用可能である。
【0072】
また、上述した実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
第1光ファイバケーブル及び第2光ファイバケーブルと、
前記第1光ファイバケーブル及び前記第2光ファイバケーブルの各々を用いて、光ファイバセンシングを実行することにより、前記第1光ファイバケーブルに対応する第1センシングデータを取得すると共に、前記第2光ファイバケーブルに対応する第2センシングデータを取得するセンシング部と、
前記第1センシングデータ及び前記第2センシングデータの両方に基づいて、前記第1光ファイバケーブル又は前記第2光ファイバケーブルにおける異常の発生を検出する異常検出部と、
を備える、検出システム。
(付記2)
前記第1センシングデータ及び前記第2センシングデータの各々は、振動データを含み、
前記異常検出部は、前記第1センシングデータが示す振動強度と前記第2センシングデータが示す振動強度との差分値に基づいて、前記異常の発生を検出する、
付記1に記載の検出システム。
(付記3)
前記異常検出部は、前記差分値に基づいて、前記異常の発生を検出した場合、前記第1センシングデータ及び前記第2センシングデータのうち変動が生じている方のセンシングデータに対応する前記第1光ファイバケーブル又は前記第2光ファイバケーブルを、前記異常が発生した光ファイバケーブルであると特定する、
付記2に記載の検出システム。
(付記4)
前記異常検出部は、前記第1センシングデータ又は前記第2センシングデータのいずれかに変動が生じていることをトリガーとして、前記差分値を監視する、
付記2又は3に記載の検出システム。
(付記5)
前記異常は、動物の食害による損傷を含む、
付記1から4のいずれか1項に記載の検出システム。
(付記6)
前記センシング部は、前記第1光ファイバケーブル及び前記第2光ファイバケーブルの各々を用いて、分散型光ファイバセンシングを実行することにより、前記第1センシングデータ及び前記第2センシングデータを取得する、
付記1から5のいずれか1項に記載の検出システム。
(付記7)
前記第1センシングデータ及び前記第2センシングデータのうちの少なくとも1つに基づいて、前記第1光ファイバケーブル及び前記第2光ファイバケーブルの周囲の環境を検出する環境検出部をさらに備える、
付記1から6のいずれか1項に記載の検出システム。
(付記8)
第1光ファイバケーブル及び第2光ファイバケーブルの各々を用いて、光ファイバセンシングを実行するセンシング部から、前記第1光ファイバケーブルに対応する第1センシングデータを取得すると共に、前記第2光ファイバケーブルに対応する第2センシングデータを取得する取得部と、
前記第1センシングデータ及び前記第2センシングデータの両方に基づいて、前記第1光ファイバケーブル又は前記第2光ファイバケーブルにおける異常の発生を検出する異常検出部と、
を備える、検出装置。
(付記9)
前記第1センシングデータ及び前記第2センシングデータの各々は、振動データを含み、
前記異常検出部は、前記第1センシングデータが示す振動強度と前記第2センシングデータが示す振動強度との差分値に基づいて、前記異常の発生を検出する、
付記8に記載の検出装置。
(付記10)
前記異常検出部は、前記差分値に基づいて、前記異常の発生を検出した場合、前記第1センシングデータ及び前記第2センシングデータのうち変動が生じている方のセンシングデータに対応する前記第1光ファイバケーブル又は前記第2光ファイバケーブルを、前記異常が発生した光ファイバケーブルであると特定する、
付記9に記載の検出装置。
(付記11)
前記異常検出部は、前記第1センシングデータ又は前記第2センシングデータのいずれかに変動が生じていることをトリガーとして、前記差分値を監視する、
付記9又は10に記載の検出装置。
(付記12)
前記異常は、動物の食害による損傷を含む、
付記8から11のいずれか1項に記載の検出装置。
(付記13)
前記センシング部は、前記第1光ファイバケーブル及び前記第2光ファイバケーブルの各々を用いて、分散型光ファイバセンシングを実行する、
付記8から12のいずれか1項に記載の検出装置。
(付記14)
前記第1センシングデータ及び前記第2センシングデータのうちの少なくとも1つに基づいて、前記第1光ファイバケーブル及び前記第2光ファイバケーブルの周囲の環境を検出する環境検出部をさらに備える、
付記8から13のいずれか1項に記載の検出装置。
(付記15)
検出装置による検出方法であって、
第1光ファイバケーブル及び第2光ファイバケーブルの各々を用いて、光ファイバセンシングを実行するセンシング部から、前記第1光ファイバケーブルに対応する第1センシングデータを取得すると共に、前記第2光ファイバケーブルに対応する第2センシングデータを取得する取得ステップと、
前記第1センシングデータ及び前記第2センシングデータの両方に基づいて、前記第1光ファイバケーブル又は前記第2光ファイバケーブルにおける異常の発生を検出する異常検出ステップと、
を含む、検出方法。
(付記16)
前記第1センシングデータ及び前記第2センシングデータの各々は、振動データを含み、
前記異常検出ステップでは、前記第1センシングデータが示す振動強度と前記第2センシングデータが示す振動強度との差分値に基づいて、前記異常の発生を検出する、
付記15に記載の検出方法。
(付記17)
前記異常検出ステップでは、前記差分値に基づいて、前記異常の発生を検出した場合、前記第1センシングデータ及び前記第2センシングデータのうち変動が生じている方のセンシングデータに対応する前記第1光ファイバケーブル又は前記第2光ファイバケーブルを、前記異常が発生した光ファイバケーブルであると特定する、
付記16に記載の検出方法。
(付記18)
前記異常検出ステップでは、前記第1センシングデータ又は前記第2センシングデータのいずれかに変動が生じていることをトリガーとして、前記差分値を監視する、
付記16又は17に記載の検出方法。
(付記19)
前記異常は、動物の食害による損傷を含む、
付記15から18のいずれか1項に記載の検出方法。
(付記20)
前記センシング部は、前記第1光ファイバケーブル及び前記第2光ファイバケーブルの各々を用いて、分散型光ファイバセンシングを実行する、
付記15から19のいずれか1項に記載の検出方法。
(付記21)
前記第1センシングデータ及び前記第2センシングデータのうちの少なくとも1つに基づいて、前記第1光ファイバケーブル及び前記第2光ファイバケーブルの周囲の環境を検出する環境検出ステップをさらに含む、
付記15から20のいずれか1項に記載の検出方法。
【符号の説明】
【0073】
1,1A,1B 検出システム
10-1,100-1 第1光ファイバケーブル
10-2,100-2 第2光ファイバケーブル
11-1,101-1 第1光ファイバ
11-2,101-2 第2光ファイバ
20 センシング部
30,303 異常検出部
31,301 取得部
200 センシング装置
201 第1DFOS部
202 第2DFOS部
300A,300B 検出装置
302 環境検出部
400 コンピュータ
401 プロセッサ
402 メモリ
403 ストレージ
404 入出力インタフェース
4041 表示装置
4042 入力装置
4043 音出力装置
405 通信インタフェース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8