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特許7616503制御盤筐体閉塞板、エレベーター機械室作業台、及び制御盤更新方法
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  • 特許-制御盤筐体閉塞板、エレベーター機械室作業台、及び制御盤更新方法 図1
  • 特許-制御盤筐体閉塞板、エレベーター機械室作業台、及び制御盤更新方法 図2
  • 特許-制御盤筐体閉塞板、エレベーター機械室作業台、及び制御盤更新方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】制御盤筐体閉塞板、エレベーター機械室作業台、及び制御盤更新方法
(51)【国際特許分類】
   B66B 1/34 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
B66B1/34 C
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2024564680
(86)(22)【出願日】2023-08-15
(86)【国際出願番号】 JP2023029522
【審査請求日】2024-10-31
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】濱 僚太
【審査官】今野 聖一
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-222352(JP,A)
【文献】特開2003-273532(JP,A)
【文献】実開昭59-77291(JP,U)
【文献】中国実用新案第212011682(CN,U)
【文献】中国実用新案第210167670(CN,U)
【文献】米国特許第6359218(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 1/00 - 1/52
B66B 5/00 - 5/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械室に配置された上部筐体部と下部筐体部の2つに分離するエレベーターの制御盤筐体の前記上部筐体部を分離させた際に前記下部筐体部の上方に生じる開口部を覆う天板部を備えた制御盤筐体閉塞板。
【請求項2】
前記下部筐体部の側面上部に設けられた切欠き部を覆う側面板部をさらに備える請求項1に記載の制御盤筐体閉塞板。
【請求項3】
前記天板部と前記側面板部とは、前記天板部の短手方向に沿う側面で接続され、前記天板部と前記側面板部とは略垂直を形成する請求項2に記載の制御盤筐体閉塞板。
【請求項4】
前記天板部の長手方向の長さは、前記下部筐体部の対向する側面間の長さよりも長く、
前記天板部を前記開口部に配置した際、前記側面板部は、前記下部筐体部の側面よりもさらに外側に配置される請求項2または請求項3に記載の制御盤筐体閉塞板。
【請求項5】
前記天板部の長手方向に沿う側面に設けられた補助板部をさらに備え、
前記天板部と前記補助板部とは略垂直を形成し、
前記補助板部は、前記長手方向に沿う前記下部筐体部の側面よりもさらに外側に配置される請求項1または請求項2に記載の制御盤筐体閉塞板。
【請求項6】
前記側面板部は、固定用孔部を有し、
前記固定用孔部は、前記天板部を前記開口部に配置した際、前記下部筐体部と前記上部筐体部との接続のために利用されていた前記下部筐体部の側面固定孔と連通する位置に配置される請求項2または請求項3に記載の制御盤筐体閉塞板。
【請求項7】
請求項1または請求項2に記載の制御盤筐体閉塞板と、
前記下部筐体部と、
を備えたエレベーター機械室作業台。
【請求項8】
機械室に配置された上部筐体部と下部筐体部の2つに分離するエレベーターの旧制御盤筐体の上部筐体部を分離させて除去する上部筐体部分離ステップと、
前記上部筐体部が除去された前記下部筐体部の上方に生じる開口部を覆う天板部を有する制御盤筐体閉塞板を配置する制御盤筐体閉塞板配置ステップと、
新制御盤を配置する新制御盤配置ステップと、
を備えた制御盤更新方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御盤筐体閉塞板、エレベーター機械室作業台、及び制御盤更新方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、第1の電気機器を配置するための第1の筐体ユニットと、第2の電気機器を配置するための第2の筐体ユニットと、を備え、第1の筐体ユニットは第2の筐体ユニットの上部に積層されており、第1の筐体ユニットと第2の筐体ユニットは分離可能に固定されている筐体構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】日本特開2018-42382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エレベーターのリニューアル工事において、旧制御盤を新制御盤に更新する際に、旧制御盤を撤去するためには床面のコンクリートに埋設されたアンカーを切断しなければならないため、手間がかかったり、怪我をするリスクがあるという問題がある。
【0005】
本開示は、上述のような課題を解決するためになされた。本開示の目的は、旧制御盤を撤去する作業の負荷を軽減することのできる制御盤筐体閉塞板、エレベーター機械室作業台、及び制御盤更新方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る制御盤筐体閉塞板は、機械室に配置された上部筐体部と下部筐体部の2つに分離するエレベーターの制御盤筐体の上部筐体部を分離させた際に下部筐体部の上方に生じる開口部を覆う天板部を備えたものである。
本開示に係るエレベーター機械室作業台は、上記制御盤筐体閉塞板と、上記下部筐体部と、を備えたものである。
本開示に係る制御盤更新方法は、機械室に配置された上部筐体部と下部筐体部の2つに分離するエレベーターの旧制御盤筐体の上部筐体部を分離させて除去する上部筐体部分離ステップと、上部筐体部が除去された下部筐体部の上方に生じる開口部を覆う天板部を有する制御盤筐体閉塞板を配置する制御盤筐体閉塞板配置ステップと、新制御盤を配置する新制御盤配置ステップと、を備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、旧制御盤を撤去する作業の負荷を軽減することのできる制御盤筐体閉塞板、エレベーター機械室作業台、及び制御盤更新方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】旧制御盤筐体を示す斜視図である。
図2】実施の形態1によるエレベーター機械室作業台を示す斜視図である。
図3】実施の形態1による制御盤筐体閉塞板の三面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。各図において共通または対応する要素には、同一の符号を付して、説明を簡略化または省略する。以下に示す実施の形態に示した構成は、本開示に係る技術的思想の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本開示に記載の複数の技術的思想を組み合わせることも可能である。また、本開示の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略または変更することも可能である。
【0010】
実施の形態1.
図1は、旧制御盤筐体を示す斜視図である。図1に示すように、旧制御盤筐体2は、エレベーターの機械室に設置されている。旧制御盤筐体2は、エレベーターのリニューアル工事において、新制御盤8へと更新されるものである。旧制御盤筐体2は、上部筐体部3と下部筐体部4の2つに分離可能である。下部筐体部4は、コンクリートの床面に埋設されたアンカーにより床面に固定されている。上部筐体部3は、下部筐体部4に対してボルトで固定されている。上部筐体部3と下部筐体部4のそれぞれは、直方体状の外形を有する。
【0011】
図2は、実施の形態1によるエレベーター機械室作業台5を示す斜視図である。図2は、図1中の矢印A方向から見た図に相当する。図2に示すように、エレベーター機械室作業台5は、旧制御盤筐体2の下部筐体部4と、上部筐体部3を下部筐体部4から分離させた際に下部筐体部4の上方に生じる開口部を覆う天板部7を有する制御盤筐体閉塞板6とを備えている。エレベーター機械室作業台5の上面、すなわち天板部7は、水平になる。
【0012】
本実施の形態であれば、下部筐体部4の上方に生じる開口部を制御盤筐体閉塞板6が覆うことで、下部筐体部4を配置したままであっても安全に周辺で作業を行うことができる。また、旧制御盤筐体2の下部筐体部4をエレベーター機械室作業台5として利用することができる。エレベーター機械室作業台5の上に、例えばメンテナンスコンピューターを置いて使用することができる。また、下部筐体部4を床面から切断する作業が不要になるので、切断の手間がなくなるとともに、切断時の怪我のリスクをなくすことができる。また、制御盤筐体閉塞板6で覆われた内部に、道具箱をしまっておくこともできる。
【0013】
図2の例のように、新制御盤8は、旧制御盤筐体2の近くに配置されてもよい。下部筐体部4内には電源線あるいはインターホン線が引き込まれている。新制御盤8にこれらの配線を接続するために、下部筐体部4内の電源線あるいはインターホン線と、新制御盤8につながる配線とを接続するための端子台をエレベーター機械室作業台5の内部に設けてもよい。これにより、エレベーター機械室作業台5の内部のスペースを、端子台を設けるスペースとして活用することができる。
【0014】
図3は、実施の形態1による制御盤筐体閉塞板6の三面図である。図3に示すように、天板部7は、長方形の板状を呈する。本実施の形態の制御盤筐体閉塞板6は、下部筐体部4の側面上部に設けられた切欠き部10を覆う側面板部9をさらに備える。便宜上、図3中に下部筐体部4の切欠き部10を点線で示している。本実施の形態であれば、切欠き部10が制御盤筐体閉塞板6の側面板部9によって塞がれるため、安全に周辺で作業を行うことができる。
【0015】
制御盤筐体閉塞板6の天板部7と側面板部9とは、天板部7の短手方向に沿う側面で接続され、天板部7と側面板部9とは略垂直を形成する。側面板部9は、天板部7の端部から下方へ突出する。これにより、隙間なく切欠き部10を覆うことが可能となる。図示の例では、天板部7の長手方向の両端にそれぞれ側面板部9が設けられている。側面板部9は、長方形状を呈する。
【0016】
天板部7の長手方向の長さは、下部筐体部4の対向する側面間の長さよりも長い。すなわち、側面板部9と、反対側の側面板部9との距離L1は、下部筐体部4の対応する部分の長さよりも長い。このため、天板部7を下部筐体部4の上方の開口部に配置した際、側面板部9は、下部筐体部4の側面よりもさらに外側に配置される。これにより、切欠き部10が外部に露出しないので、より安全に周辺で作業を行うことができる。
【0017】
本実施の形態の制御盤筐体閉塞板6は、天板部7の長手方向に沿う側面に設けられた補助板部11をさらに備える。天板部7と補助板部11とは略垂直を形成する。補助板部11は、天板部7の長手方向に沿うエッジから下方に向かって突出する。図示の例では、天板部7の短手方向の両端にそれぞれ補助板部11が設けられている。補助板部11は、天板部7の長手方向に沿う下部筐体部4の側面よりもさらに外側に配置される。これにより、天板部7が短手方向にずれることを確実に防止することができる。補助板部11は、天板部7の全長にわたって設けられている。補助板部11は、長方形状を呈する。
【0018】
側面板部9には、固定用孔部12が設けられている。固定用孔部12は、天板部7を下部筐体部4の開口部に配置した際、下部筐体部4と上部筐体部3との接続のために利用されていた下部筐体部4の側面固定孔13と連通する位置に配置される。これにより、下部筐体部4に新たにボルト穴を設けることなく、固定用孔部12に挿入したボルトを側面固定孔13に締め込むことで、制御盤筐体閉塞板6をボルト固定することが可能となる。
【0019】
本開示による制御盤更新方法は、機械室に配置された上部筐体部3と下部筐体部4の2つに分離するエレベーターの旧制御盤筐体2の上部筐体部3を分離させて除去する上部筐体部分離ステップと、上部筐体部3が除去された下部筐体部4の上方に生じる開口部を覆う天板部7を有する制御盤筐体閉塞板6を配置する制御盤筐体閉塞板配置ステップと、新制御盤8を配置する新制御盤配置ステップと、を備える。各ステップの順序は、上記の順序に限定されるものではない。例えば、新制御盤配置ステップを一番最初のステップにしたり、新制御盤配置ステップを二番目のステップにしたりしてもよい。また、本開示による制御盤更新方法は、下部筐体部4内に引き込まれている電源線またはインターホン線と、新制御盤8につながる配線とを接続するための端子台を、制御盤筐体閉塞板6で覆われる内部に設ける端子台作成ステップをさらに備えたものでもよい。
【符号の説明】
【0020】
2 旧制御盤筐体、 3 上部筐体部、 4 下部筐体部、 5 エレベーター機械室作業台、 6 制御盤筐体閉塞板、 7 天板部、 8 新制御盤、 9 側面板部、 10 切欠き部、 11 補助板部、 12 固定用孔部、 13 側面固定孔
【要約】
本開示に係る制御盤筐体閉塞板は、機械室に配置された上部筐体部と下部筐体部の2つに分離するエレベーターの制御盤筐体の上部筐体部を分離させた際に下部筐体部の上方に生じる開口部を覆う天板部を備えたものである。
本開示に係るエレベーター機械室作業台は、上記制御盤筐体閉塞板と、上記下部筐体部と、を備えたものである。
本開示に係る制御盤更新方法は、機械室に配置された上部筐体部と下部筐体部の2つに分離するエレベーターの旧制御盤筐体の上部筐体部を分離させて除去する上部筐体部分離ステップと、上部筐体部が除去された下部筐体部の上方に生じる開口部を覆う天板部を有する制御盤筐体閉塞板を配置する制御盤筐体閉塞板配置ステップと、新制御盤を配置する新制御盤配置ステップと、を備えたものである。
図1
図2
図3