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特許7616527DACで生成される駆動シールド及び電圧基準
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  • 特許-DACで生成される駆動シールド及び電圧基準 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】DACで生成される駆動シールド及び電圧基準
(51)【国際特許分類】
   G01R 27/26 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
G01R27/26 C
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2024505179
(86)(22)【出願日】2021-08-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-06
(86)【国際出願番号】 JP2021030263
(87)【国際公開番号】W WO2023021633
(87)【国際公開日】2023-02-23
【審査請求日】2024-01-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】ヴィンセント ポール
(72)【発明者】
【氏名】クイスト ブレント
(72)【発明者】
【氏名】ノアール スティーブ
(72)【発明者】
【氏名】リウ ウェイン
【審査官】永井 皓喜
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/116706(WO,A1)
【文献】特開平3-147012(JP,A)
【文献】国際公開第2021/090636(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0019265(US,A1)
【文献】特開2001-124807(JP,A)
【文献】特開2019-143998(JP,A)
【文献】国際公開第2021/106459(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/216274(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 27/26
G06F 3/041
G06F 3/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電容量センサシステムであって、
感知電極及びシールド電極を含む静電容量センサと、
前記静電容量センサの電圧を調整し、前記静電容量センサの出力に基づいて出力信号を生成するように構成されたレギュレータ回路と、
基準信号を生成し、前記レギュレータ回路を介して前記基準信号を前記静電容量センサに供給し、前記基準信号を駆動シールド信号として前記シールド電極に供給するように構成された基準信号生成器と、
オフセット信号を生成して、前記出力信号を変更するように構成されたオフセット制御モジュールと
を含み、
前記オフセット制御モジュールは、前記出力信号を変更するために前記レギュレータ回路の出力に結合され、
前記オフセット制御モジュールは、前記オフセット信号を生成し、前記オフセット制御モジュールは、前記出力信号の大きさを低減するために、前記オフセット信号を前記出力信号に加算し、
前記オフセット制御モジュールは、前記出力信号の前記大きさをクリッピング領域の下に低減するために、前記オフセット信号を前記出力信号に加算する、静電容量センサシステム。
【請求項2】
静電容量センサシステムであって、
感知電極及びシールド電極を含む静電容量センサと、
前記静電容量センサの電圧を調整し、前記静電容量センサの出力に基づいて出力信号を生成するように構成されたレギュレータ回路と、
基準信号を生成し、前記レギュレータ回路を介して前記基準信号を前記静電容量センサに供給し、前記基準信号を駆動シールド信号として前記シールド電極に供給するように構成された基準信号生成器と、
オフセット信号を生成して、前記出力信号を変更するように構成されたオフセット制御モジュールと
を含み、
前記オフセット制御モジュールは、前記出力信号を変更するために前記レギュレータ回路の出力に結合される、
前記オフセット制御モジュールは、前記オフセット信号を生成し、前記オフセット制御モジュールは、前記出力信号の大きさを低減するために、前記オフセット信号を前記出力信号に加算し、
前記オフセット制御モジュールは、前記出力信号が初期値から感知された入力値まで増加する間に、前記オフセット信号を前記出力信号に加算するように構成される、静電容量センサシステム。
【請求項3】
前記レギュレータ回路は、前記静電容量センサに結合された電流コンベアを含み、
前記電流コンベアは、前記基準信号生成器によって供給された前記基準信号に基づいて、前記静電容量センサの前記電圧を調整するように構成される、請求項1又は2に記載の静電容量センサシステム。
【請求項4】
前記基準信号生成器は、デジタル・アナログ変換器を含む、請求項1又は2に記載の静電容量センサシステム。
【請求項5】
前記基準信号生成器は、前記基準信号を周期信号として生成する、請求項1又は2に記載の静電容量センサシステム。
【請求項6】
前記静電容量センサは、物体との接触及び物体の近接のうちの少なくとも1つに従って変更されるような前記基準信号に対応する感知信号として出力を生成する、請求項1又は2に記載の静電容量センサシステム。
【請求項7】
前記オフセット制御モジュールは、前記オフセット信号の立ち上がりタイミングが前記出力信号の立ち上がりタイミングと整合するように前記オフセット信号を生成する、請求項1又は2に記載の静電容量センサシステム。
【請求項8】
前記オフセット信号の前記立ち上がりタイミングが前記出力信号の前記立ち上がりタイミングと整合するように前記オフセット信号を生成するために、前記オフセット制御モジュールは、前記基準信号の立ち上がりタイミングにおいて前記オフセット信号を生成する、請求項に記載の静電容量センサシステム。
【請求項9】
前記レギュレータ回路は、ステップ入力信号及びランプ入力信号のうちの1つとして前記出力信号を生成する、請求項1又は2に記載の静電容量センサシステム。
【請求項10】
前記基準信号生成器は、所定の傾きを有する前記基準信号を生成するように構成される、請求項1又は2に記載の静電容量センサシステム。
【請求項11】
前記レギュレータ回路は、前記基準信号の前記所定の傾きに対応する傾きを有する前記出力信号を生成する、請求項10に記載の静電容量センサシステム。
【請求項12】
静電容量センサシステムであって、
感知電極及びシールド電極を含む静電容量センサと、
前記静電容量センサの電圧を調整し、前記静電容量センサの出力に基づいて出力信号を生成するように構成されたレギュレータ回路と、
基準信号を生成し、前記レギュレータ回路を介して前記基準信号を前記静電容量センサに供給し、前記基準信号を駆動シールド信号として前記シールド電極に供給するように構成された基準信号生成器と、
オフセット信号を生成して、前記出力信号を変更するように構成されたオフセット制御モジュールと
を含み、
前記オフセット制御モジュールは、前記出力信号を変更するために前記レギュレータ回路の出力に結合され、
前記オフセット制御モジュールは、前記オフセット信号を生成し、前記オフセット制御モジュールは、前記出力信号の大きさを低減するために、前記オフセット信号を前記出力信号に加算し、
前記基準信号生成器は、所定の傾きを有する前記基準信号を生成するように構成され、
前記レギュレータ回路は、前記基準信号の前記所定の傾きに対応する傾きを有する前記出力信号を生成する、静電容量センサシステム。
【請求項13】
前記レギュレータ回路は、正の傾きを有する前記出力信号を生成し、前記オフセット制御モジュールは、前記出力信号の前記正の傾きに対して相補的な負の傾きを有する前記オフセット信号を生成する、請求項11又は12に記載の静電容量センサシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、静電容量センサに関し、より具体的には、静電容量センサのための基準信号生成器に関する。
【背景技術】
【0002】
ここで提供される背景技術の説明は、本開示の文脈を一般的に提示することを目的とするものである。この背景技術の段落に記載されている範囲での本発明の発明者の研究と、出願時に従来技術として認定されていない可能性がある説明の側面とは、明示的にも暗黙的にも、本開示に対する従来技術として認められるものではない。
【0003】
電子デバイスは、物体(例えば、指)と電子デバイスの表面のような表面との間の接触を感知し、感知された接触を示す感知信号を生成するように構成された静電容量センサを実装することがある。例えば、基準信号生成器(例えば、波形生成器)は、基準信号又は制御信号を生成して静電容量センサに出力するように構成される。感知信号は、物体がセンサに接触しているか否かに基づく基準信号の振幅及び/又は位相の変化に対応する。したがって、センサに接触する物体の存在又は不在は、感知信号の振幅又は位相に基づいて決定できる。
【0004】
電子デバイスは、感知信号を受信し、感知信号に基づいて駆動シールド信号を出力する駆動シールド回路を含むことがある。駆動シールド信号は、外部物体と静電容量センサとの間の容量結合を防止するために、静電容量センサの駆動シールドに提供される。いくつかの例では、駆動シールド信号は、駆動シールドの電圧を静電容量センサの電圧に整合させるように駆動シールドに結合される。特許文献1には、駆動シールド回路の実装例が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第5,166,679号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の駆動シールド回路に関連する技術的問題は、静電容量センサの電圧の長い整定時間と、感知信号のクリッピングとを含む。本開示による静電容量センサシステムは、静電容量センサに供給される同じ基準信号を駆動シールド信号として使用し、感知信号のクリッピングを低減するために基準信号の立ち上がりタイミングに従ってオフセット信号を生成することによって、これらの技術的問題に対する解決策を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
例えば、本開示による静電容量センサシステムは、感知電極及びシールド電極を含む静電容量センサと、静電容量センサの電圧を調整し、静電容量センサの出力に基づいて出力信号を生成するように構成されたレギュレータ回路と、基準信号を生成し、レギュレータ回路を介して基準信号を静電容量センサに供給し、基準信号を駆動シールド信号としてシールド電極に供給するように構成された基準信号生成器と、オフセット信号を生成して、出力信号の出力電流を変更するように構成されたオフセット制御モジュールとを含む。
【0008】
他の特徴では、レギュレータ回路は、静電容量センサに結合された電流コンベアを含む。電流コンベアは、基準信号生成器によって供給された基準信号に基づいて、静電容量センサの電圧を調整するように構成される。基準信号生成器は、デジタル・アナログ変換器を含む。基準信号生成器は、基準信号を周期信号として生成する。静電容量センサは、物体との接触及び物体の近接のうちの少なくとも1つに従って変更されるような基準信号に対応する感知信号として出力を生成する。
【0009】
他の特徴では、オフセット制御モジュールは、出力信号の出力電流を変更するためにレギュレータ回路の出力に結合される。オフセット制御モジュールは、オフセット電流としてオフセット信号を生成し、オフセット制御モジュールは、出力電流の大きさを低減するために、オフセット電流を出力電流に加算する。オフセット制御モジュールは、出力電流の大きさをクリッピング領域の下に低減するために、オフセット電流を出力電流に加算する。オフセット制御モジュールは、出力電流が初期値から感知された入力値まで増加する間に、オフセット電流を出力電流に加算するように構成される。
【0010】
他の特徴では、オフセット制御モジュールは、オフセット信号の立ち上がりタイミングが出力信号の立ち上がりタイミングと整合するようにオフセット信号を生成する。オフセット信号の立ち上がりタイミングが出力信号の立ち上がりタイミングと整合するようにオフセット信号を生成するために、オフセット制御モジュールは、基準信号の立ち上がりタイミングにおいてオフセット電流を生成する。レギュレータ回路は、ステップ入力信号及びランプ入力信号のうちの1つとして出力信号を生成する。基準信号生成器は、所定の傾きを有する基準信号を生成するように構成される。レギュレータ回路は、基準信号の所定の傾きに対応する傾きを有する出力信号を生成する。レギュレータ回路は、正の傾きを有する出力信号を生成し、オフセット制御モジュールは、出力信号の正の傾きに対して相補的な負の傾きを有するオフセット信号を生成する。
【0011】
本開示の適用可能性の更なる領域は、詳細な説明、特許請求の範囲及び図面から明らかになる。詳細な説明及び特定の例は、例示の目的のみを意図するものであり、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【発明の効果】
【0012】
本開示の実施形態によれば、静電容量センサの電圧の長い整定時間及び感知信号のクリッピングが低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本開示は、詳細な説明及び添付の図面からより完全に理解される。
図1】駆動シールド回路を含む静電容量センサシステムの例である。
図2A】静電容量センサを含む電子デバイスの例である。
図2B】静電容量センサのための基準信号生成器の例である。
図2C】静電容量センサのための基準信号生成器の例である。
図3】本開示による静電容量センサのためのスイッチトキャパシタ回路を実装する静電容量センサシステムの例である。
図4A】本開示による静電容量センサのステップ入力信号、ランプ信号及び対応する出力信号を示す。
図4B】本開示による静電容量センサのランプ入力信号、ランプオフセット信号及び対応する出力信号を示す。 図面において、参照符号は、同様の要素及び/又は同一の要素を識別するために再利用されることがある。
【発明を実施するための形態】
【0014】
物体との接触に応答して静電容量センサに供給される信号(感知信号に対応する)の変化は、典型的には、供給信号(すなわち、駆動信号、制御信号又は基準信号)に対して小さく、検出するのが困難になる可能性がある。したがって、変化の検出を改善するために、異なる方法が実施されてもよい。例えば、基準信号をセンサに提供する基準信号生成器は、基準信号の複製を供給してもよく、或いは、第2の基準信号生成器が、基準信号の複製を供給するために設けられてもよい。複製信号は、供給信号から減算され、その結果は、検出を改善するために増幅でき、感知信号に対応する。
【0015】
いくつかの例では、基準信号生成器は、ウィーンブリッジ(Wien bridge)発振器のような正弦波生成器である。他の例では、基準信号生成器は、デジタル正弦波をデジタル・アナログ変換器(DAC, digital-to-analog converter)に供給するように構成されてもよく、DACの出力は、フィルタリング及び/又は増幅される。いくつかの例では、オフセット制御モジュールは、物体と静電容量センサとの間に接触がないときに、感知信号の複製であるオフセット信号を生成するように構成される。
【0016】
いくつかの例では、静電容量センサを含む電子デバイスは、静電容量センサの出力に結合されたレギュレータ回路(例えば、電圧制御電流モードレギュレータ)を含んでもよい。レギュレータ回路は、基準信号に対応しており静電容量センサに供給される出力電圧を調整し、感知信号を示す出力電流を生成するように構成される。
【0017】
ここで図1を参照すると、静電容量センサシステム100の例は、検出回路104及び駆動シールド回路108を含む。検出回路104は、静電容量センサ110から受信した感知信号に基づいて、出力信号を生成するように構成される。例えば、検出回路104は、タイミング回路及び/又は出力信号を生成するように構成された他の構成要素を含んでもよい。駆動シールド回路108は、感知信号を受信し、感知信号に基づいて駆動シールド信号を出力するように構成される。例えば、駆動シールド回路108は、図示のように、演算増幅器112及び1つ以上の抵抗器Rを含み、駆動シールド信号は、感知信号のバッファされたコピーである。
【0018】
駆動シールド信号は、静電容量センサシステムの駆動シールド116に提供される。例えば、駆動シールド116は、外部物体と静電容量センサ110との間の容量結合を防止するように配置された導電性プレート、シート等(すなわち、シールド電極)でもよい。いくつかの例では、駆動シールド信号は、駆動シールド116の電圧を静電容量センサ110の電圧に整合させるように駆動シールド116に結合される。静電容量センサ110と駆動シールド116との間の寄生容量に関連するキャパシタンスは、感知信号に対して大きくなり得る。したがって、静電容量センサ110及び駆動シールド116上のそれぞれの電圧の間のいずれかの差は、入力信号経路(すなわち、静電容量センサ110と検出回路104との間の感知信号の経路)上の信号の蓄積をもたらす。これらの電圧の間の差は、感知信号(例えば、感知信号に基づいて生成される出力信号)のクリッピングを引き起こす可能性がある。
【0019】
さらに、静電容量センサ110の電圧は、変動する可能性があり、関連する整定時間を有するので、駆動シールド116の電圧が静電容量センサ110の電圧に整合するための関連する遅延が存在する(すなわち、駆動シールド116の電圧は、関連する遅延を伴って静電容量センサ110の電圧に「追従する」)。言い換えると、静電容量センサ110の電圧が安定すると、駆動シールド116は、静電容量センサ110の電圧の各変化に反応する。駆動シールド116の電圧が静電容量センサ110の電圧の変化に応答して変化する毎に、感知信号は駆動シールド116に容量結合されてもよく、これは、静電容量センサ110及び駆動シールド116の双方の更なる整定をトリガする。
【0020】
本開示の原理による静電容量センサシステムは、基準信号生成器を使用して駆動シールド信号を生成する。例えば、駆動シールド信号は、以下でより詳細に説明するように、レギュレータ回路及び静電容量センサに提供される同じ基準信号に対応する。いくつかの例では、基準信号生成器は、周期的な基準信号を生成し、基準信号をレギュレータ回路、(例えば、レギュレータ回路を介して)静電容量センサ及び駆動シールドに出力するように構成されたDACである。
【0021】
ここで図2Aを参照すると、静電容量センサに対応するセンサモジュール204を含む電子デバイス200の例が示されている。基準信号生成器(例えば、波形生成器)208は、基準信号又は制御信号(例えば、方形波、正弦波等)210をセンサモジュール204に供給する。基準信号生成器208は、本開示の原理に従って、基準信号210をセンサモジュール204の駆動シールドに更に供給する。基準信号生成器208は、基準信号210をオフセット制御モジュール212に供給してもよく、或いは、任意選択の第2の基準信号生成器216が、基準信号210の複製をオフセット制御モジュール212に提供してもよい。
【0022】
センサモジュール204は、基準信号210を変更し、基準信号210と、感知された物体との近接又は接触とに基づいて、感知信号218を生成する。言い換えると、感知信号218は、物体の検出(例えば、物体との接触及び/又は物体の近接)に従って変更された基準信号210に対応する。感知信号218は、物体(例えば、指)がセンサモジュール204と接触しているか否かを示す。いくつかの例では、感知信号218は、センサモジュール204への物体の近接を示す。感知信号218は、物体がセンサモジュール204と接触しているか否かにかかわらず、基準信号210とは(例えば、振幅及び/又は位相において)異なってもよい。
【0023】
一例では、オフセット制御モジュール212は、物体とセンサモジュール204との間の接触なしに、感知信号218の複製であるオフセット信号220を生成するように構成される。言い換えると、オフセット制御モジュール212は、物体とセンサモジュール204との間に接触がないとき(及び/又は、いくつかの例では、物体が感知信号218に影響を及ぼすほどセンサモジュール204に十分に近くないとき)、センサモジュール204と同じ方法で基準信号210を変更するように構成される。したがって、物体との接触がないとき、感知信号218及びオフセット信号220は、本質的に(例えば、大きさ、位相、及び/又は大きさと位相との双方において)同じであり、感知信号218とオフセット信号220との間の差はゼロに近づく。他の例では、オフセット信号220は、基準信号210に対して反対の極性を有するように構成されてもよく、単に感知信号218と合計されてもよい。
【0024】
逆に、物体とセンサモジュール204との間に接触があるとき、オフセット信号220と感知信号218とは異なる。レギュレータ回路224は、オフセット信号220と感知信号218との間の差を出力して増幅する。レギュレータ回路224は、センサモジュール204に提供される電圧(例えば、基準信号210の電圧)を調整するように更に構成される。いくつかの例では、レギュレータ回路224は、電流コンベアとして実装される電圧制御電流モードレギュレータでもよい。例えば、電流コンベアは、入力電圧(例えば、基準信号210)を受け取り、入力電圧に基づいて出力電圧(例えば、センサモジュール204に提供される電圧)を調整し、感知信号218を示す出力電流(例えば、出力信号228)を生成するように構成される。
【0025】
次いで、感知信号218を示すレギュレータ回路224の出力信号228(例えば、出力電流)は、センサモジュール204と物体との間の接触を検出するために処理されてもよい。例えば、接触は、出力信号228の振幅及び/又は位相がそれぞれの閾値を超えるか否かに基づいて決定されてもよい。いくつかの例では、感知信号218は、物体がセンサモジュール204と直接接触しているか否かにかかわらず、センサモジュール204への物体の近接を示してもよい。これらの例では、感知信号218は、物体とセンサモジュール204との間の距離を更に示してもよい。出力信号228は、出力信号経路(例えば、電子デバイス200の静電容量センサシステムの出力信号経路)に提供される。例えば、出力信号228は、サンプルホールド回路を介してADCに提供される。
【0026】
基準信号生成器208は、方形波、正弦波等のような周期信号を生成するように構成される。例えば、基準信号生成器208はDACを含んでもよい。いくつかの例では、基準信号生成器208は、ウィーンブリッジ発振器を実装する。他の例では、基準信号生成器208は、デジタル正弦波を生成してもよく、その後、デジタル正弦波がアナログ正弦波に変換される。例えば、図2B及び図2Cに示すように、基準信号生成器208は、デジタル正弦波生成器232を含んでもよい。図2Bにおいて、アナログDAC236は、デジタル正弦波をアナログ信号に変換し、次いで、アナログ信号は、利得制御能力を有するLPF240を使用して、フィルタリング及び増幅される(或いは、いくつかの例では、減衰される)。例えば、利得を制御するために振幅制御信号がLPF240に提供される。LPF240は、コストを低減するために1次フィルタとしてもよく、或いは、いくつかの例では、2次、3次又はより高次のフィルタとしてもよい。他の例では、バンドパスフィルタが使用されてもよい。
【0027】
これに対して、図2Cでは、デジタル正弦波生成器232とアナログDAC236との間に乗算器244が設けられている。振幅制御信号は、利得を制御するために乗算器244に提供される。乗算器の出力(増幅されたデジタル正弦波に対応する)は、アナログDAC236に提供される。アナログDAC236によって出力されたアナログ信号は、利得制御なしにLPF248を使用してフィルタリングされる。
【0028】
ここで図3を参照すると、本開示に従って、センサモジュール304(例えば、静電容量センサ)を含み、駆動シールド信号308を駆動シールド310に供給するように構成された静電容量センサシステム300(例えば、電子デバイス200のための静電容量センサシステム300)の例が示されている。基準信号生成器312は、制御信号又は基準信号316(例えば、方形波、アナログ正弦波のような変調波形、アナログ正弦波に変換されるデジタル正弦波のようなデジタル波形等)を出力する。いくつかの例では、基準信号生成器312は、基準信号316を生成するように構成されたDACである。例えば、基準信号生成器312は、デジタル入力(例えば、4ビットデジタル入力)を受信し、デジタル入力をアナログ信号に変換するように構成されたDACでもよい。DACは、以下でより詳細に説明するように、基準信号316の大きさがランプ状、ステップ状等になるようにアナログ信号を変化させるように更に構成されてもよい。
【0029】
基準信号316は、レギュレータ回路318を介してセンサモジュール304に供給され、いくつかの例では、オフセット制御モジュール320に供給される。オフセット制御モジュール320は、基準信号316に基づいてオフセット信号324を生成するように構成される。オフセット信号324は、レギュレータ回路318に供給される。基準信号316は、駆動シールド310に更に結合される。言い換えると、本開示による基準信号316は、駆動シールド信号308として駆動シールド310に供給される。
【0030】
センサモジュール304は、レギュレータ回路318に提供される基準信号316の振幅及び位相を変更する1つ以上の寄生容量(例えば、寄生容量Crg)を含む静電容量センサ(例えば、静電容量タッチ回路)に対応する。いくつかの例では、基準信号316又は別の信号は、キャパシタンスCrsを通じて1つ以上の感知電極328に結合されてもよい。物体(例えば、指332)がセンサモジュール304の感知電極328に近づいたとき(すなわち、その付近に入ったとき)及び/又は接触したとき、指332のキャパシタンス336は、基準信号316に基づく感知信号340の振幅及び位相を更に変更する。したがって、センサモジュール304は、指332のような物体がセンサモジュール304と接触しているか否か、又はいくつかの例では、センサモジュール304への指332の近接を示す感知信号340を出力電圧として生成する。より具体的には、感知信号340は、検出されたキャパシタンス336に従って変更される。
【0031】
レギュレータ回路318は、感知信号340を検出してその指示を出力する。いくつかの例では、レギュレータ回路318は、感知信号340とオフセット信号324との間の差を検出し、出力する。例えば、オフセット制御モジュール320は、センサモジュール304(例えば、感知電極328)と指332のような物体との間に接触がないとき、感知信号340及びオフセット信号324(すなわち、感知信号340及びオフセット信号324のそれぞれの振幅及び位相)が同じになるように構成される。いくつかの例では、オフセット制御モジュール320は、センサモジュール304(感知電極328)と物体との間に接触がないとき、レギュレータ回路318の出力(例えば、出力電流に対応する出力信号344)が実質的にゼロになるように、オフセット信号324の位相及び振幅を調整するように構成される。
【0032】
言い換えると、オフセット制御モジュール320は、センサモジュール304の感知電極328が物体の近接又は接触を感知しないとき、オフセット信号324の位相及び振幅が感知信号340の位相及び振幅とそれぞれ一致するように、オフセット信号324の位相及び振幅を調整するように構成される。例えば、寄生容量Crs及びCrgは、基準信号316の振幅及び位相を変更する。オフセット制御モジュール320は、オフセット信号324の振幅及び位相を調整して、キャパシタンスCrs及びCrgによって引き起こされる基準信号316に対する変化を補償する。レギュレータ回路318の出力(すなわち、出力信号344)は、感知信号340に基づいて、センサモジュール304と指332との間に接触があるか否か、又はいくつかの例では、センサモジュール304への指332の近接を示す。
【0033】
レギュレータ回路318は、基準信号生成器312から(例えば、レギュレータ回路318の入力電圧として)基準信号316を受信する。レギュレータ回路318は、センサモジュール304に結合された電圧(例えば、基準信号316の電圧)を調整するように構成される。いくつかの例では、センサモジュール304に結合された電圧は、センサモジュール304の出力に更に結合された任意選択のセンサ入力/出力(I/O)パッド348に結合された電圧に対応する。したがって、感知信号340は、基準信号316に基づいて生成され、検出されたキャパシタンス336によって更に変更されたレギュレータ回路318の出力電圧に対応する。レギュレータ回路318は、感知信号340を示す出力信号344(例えば、出力電流)を生成する。
【0034】
サンプルホールド回路350は、出力信号344を入力電圧又は信号として受信する。基準信号316(したがって、出力信号344)は、正弦波、方形波等のような周期信号である。したがって、サンプルホールド回路350の入力電圧は変動する。サンプルホールド回路350は、入力電圧の値をサンプリングし、入力電圧のサンプリング値の平均(すなわち、入力電圧平均)に対応する出力電圧352を生成するように構成される。このように、出力電圧352は、出力信号344を示し、したがって、感知信号340を示す。ADC356は、静電容量センサシステム300による更なる処理のために、出力電圧352のサンプルをデジタル値に変換する。
【0035】
上記のように、本発明による基準信号生成器312は、基準信号316を駆動シールド信号308として駆動シールド310に供給する。言い換えると、駆動シールド310の電圧は、感知電極328の電圧に追従しない。その代わりに、基準信号316は、駆動シールド310の電圧を決定し、駆動シールド210は、感知電極328の電圧の整定を駆動する。
【0036】
さらに、基準信号生成器312は、基準信号316の電圧(対応して、駆動シールド信号308の電圧)を制御するように構成される。例えば、基準信号生成器312は、基準信号316の大きさ、傾き、タイミング等を制御する。同様に、オフセット制御モジュール320は、基準信号316に部分的に基づいてオフセット信号324を制御するように構成される。本開示によるオフセット制御モジュール320は、出力信号344におけるクリッピングを低減するためにオフセット信号324を制御するように更に構成される。例えば、オフセット制御モジュール320は、オフセット信号324の立ち上がりタイミングが基準信号316の立ち上がりタイミングと整合し、対応して出力信号344の立ち上がりタイミングと整合するように、オフセット信号324を生成する。言い換えると、オフセット制御モジュール320は、基準信号316の立ち上がりタイミングにおいて出力信号344の出力電流を提供する。
【0037】
図4Aに示すように、出力信号344(例えば、上記のような感知信号340に対応する出力電流)は、ステップ入力信号400として生成されてもよい。ステップ入力信号400は、初期値(例えば、0ボルト)から感知された入力値まで急激に増加(ステップアップ)してもよい。しかし、いくつかの例では、特定の範囲の外側の入力値(例えば、それぞれのクリッピング閾値404及び408によって示されるような5ボルトより上及び5ボルトより下)は、クリッピングされてもよい。言い換えると、クリッピング閾値404及び408のいずれかを超える入力値は、正確に検出及び受信されない可能性がある。したがって、それぞれのクリッピング領域412及び416内の入力値がクリッピングされる。
【0038】
逆に、オフセット信号324(例えば、オフセット電流)は、ランプオフセット信号420として生成されてもよい。ランプオフセット信号420は、ステップ入力信号400が増加するにつれて、初期値(例えば、0ボルト)から減少する。(オフセット信号324としての)ランプオフセット信号420は、上記に記載されており図3に示すように、レギュレータ回路318の出力に結合されるので、ランプオフセット信号420は、出力信号344を変更する。例えば、オフセット制御モジュール320によって生成されるランプオフセット信号420は、出力信号344が初期値から感知された入力値まで増加する間に、出力信号344に加算される(すなわち、合計される)。ランプオフセット信号420は、対応するステップ入力信号400と反対の極性を有するので、ランプオフセット信号420は、ステップ入力信号400の大きさをクリッピング領域412の下に低減する。例えば、ランプオフセット信号420によって変更されたステップ入力信号400は424で示されている。428に示すように、ステップ入力信号400の一部は、依然としてクリッピングされてもよい。
【0039】
図4Bに示すように、出力信号344は、ランプ入力信号432として生成されてもよい。ランプ入力信号432は、初期値(例えば、0ボルト)から感知された入力値まで徐々に増加(ランプアップ)してもよい。それぞれのクリッピング領域412及び416内の入力値は、上記のようにクリッピングされる。ランプオフセット信号420は、ランプ入力信号432の大きさをクリッピング領域412の下に低減する。例えば、ランプオフセット信号420によって変更されたランプ入力信号432は436で示されている。オフセット制御モジュール320によって生成されるランプオフセット信号420は、出力信号344が初期値から感知された入力値まで増加する間に、出力信号344に加算される(すなわち、合計される)。
【0040】
ランプオフセット信号420は、ランプオフセット信号420の立ち上がり時間がランプ入力信号432の立ち上がり時間と概ね整合するように、基準信号316の立ち上がり時間において提供されてもよい。例えば、図示のように、ランプオフセット信号420の負の傾きは、ランプ入力信号432の正の傾きと相補的である。例えば、基準信号生成器312は、ランプ入力信号432も所定の傾きを有するように、所定の傾きを有する基準信号316を生成するように構成される。逆に、オフセット制御モジュール320は、ランプ入力信号432の所定の傾きと相補的な(例えば、反対の)傾きを有するようにランプオフセット信号420を生成するように構成される。言い換えると、ランプ入力信号432が増加するにつれて、ランプオフセット信号420は、ランプ入力信号432の増加をオフセットするように減少する。したがって、ランプオフセット信号420によって変更されたランプ入力信号432は、クリッピング領域412の下に維持され、クリッピングされない。
【0041】
このように、基準信号生成器312は、出力信号344がクリッピングを低減又は除去するように構成されるように、基準信号316の電圧(対応して、駆動シールド信号308及び感知信号340の電圧)を制御するように構成される。例えば、基準信号生成器312は、基準信号316の大きさが経時的に増加する(例えば、ステップ又はランプアップする)ように構成されてもよい。一例では、基準信号316が正弦波又は方形波のような周期信号である場合、周期信号の大きさは、ランプ入力信号432の傾き(例えば、所定の勾配又は傾き)に対応するレートでランプアップするように制御されてもよい。逆に、オフセット制御モジュール320は、出力信号344がクリッピング領域に達するのを防止するために、オフセット信号324をランプ信号として生成するように構成される。一例では、オフセット制御モジュール320は、オフセット信号324の傾きが出力信号344の傾きに整合する(例えば、相補的である)ように構成される。
【0042】
上記の説明は、本質的に単なる例示であり、本開示、その用途又は使用を限定することを決して意図するものではない。本開示の広範な教示は、様々な形式で実施できる。したがって、本開示は特定の例を含むが、図面、明細書及び以下の特許請求の範囲を検討することで他の変更形態が明らかになるので、本開示の真の範囲はそのように限定されるべきではない。方法における1つ以上のステップは、本開示の原理を変更することなく、異なる順序で(或いは同時に)実行されてもよいことが理解されるべきである。さらに、実施形態のそれぞれは、特定の特徴を有するものとして上記に記載されているが、本開示のいずれかの実施形態に関して記載されるこれらの特徴のうちのいずれか1つ以上は、その組み合わせが明示的に記載されていない場合であっても、他の実施形態のいずれかの特徴において実装でき、及び/又は、他の実施形態のいずれかの特徴と組み合わされることができる。言い換えると、記載の実施形態は、相互に排他的ではなく、1つ以上の実施形態の互いの置換は、本開示の範囲内にとどまる。
【0043】
要素の間(例えば、モジュール、回路要素、半導体層等の間)の空間的及び機能的関係は、「接続された」、「係合された」、「結合された」、「隣接した」、「隣の」、「上方に」、「上に」、「下に」、及び「配置された」を含む様々な用語を使用して記載されている。「直接的」であると明示的に記載されない限り、第1の要素と第2の要素との間の関係が上記の開示において記載されるとき、その関係は、第1の要素と第2の要素との間に他の介在要素が存在しない直接的な関係とすることができるが、第1の要素と第2の要素との間に1つ以上の介在要素が(空間的又は機能的のいずれかで)存在する間接的な関係とすることもできる。本明細書で使用される場合、A、B及びCのうちの少なくとも1つという語句は、非排他的論理和を使用して、論理(A OR B OR C)を意味すると解釈されるべきであり、「Aのうちの少なくとも1つ、Bのうちの少なくとも1つ及びCのうちの少なくとも1つ」を意味するものとして解釈されるべきではない。
【0044】
図面において、矢印の方向は、矢じりによって示されるように、一般的に、図に対して関心のある(データ又は命令のような)情報の流れを示す。例えば、要素Aと要素Bとが様々な情報を交換するが、要素Aから要素Bに送信される情報が図に関連する場合、矢印は要素Aから要素Bを示してもよい。この一方向の矢印は、要素Bから要素Aに他の情報が送信されないことを意味するものではない。さらに、要素Aから要素Bに送信される情報について、要素Bは、情報の要求又は受信確認応答を要素Aに送信してもよい。
【0045】
この出願において、以下の定義を含み、「モジュール」という用語又は「コントローラ」という用語は「回路」という用語に置き換えられてもよい。「モジュール」という用語は、特定用途向け集積回路(ASIC, Application Specific Integrated Circuit)、デジタル、アナログ若しくは混合アナログ/デジタルディスクリート回路、デジタル、アナログ若しくは混合アナログ/デジタル集積回路、組み合わせ論理回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA, field programmable gate array)、コードを実行するプロセッサ回路(共有、専用又はグループ)、プロセッサ回路によって実行されるコードを記憶するメモリ回路(共有、専用又はグループ)、記載の機能を提供する他の適切なハードウェアコンポーネント、又はシステムオンチップのような上記の一部若しくは全部の組み合わせを示してもよく、これらの一部でもよく、或いは、これらを含んでもよい。
【0046】
モジュールは、1つ以上のインターフェース回路を含んでもよい。いくつかの例では、インターフェース回路は、ローカルエリアネットワーク(LAN, local area network)、インターネット、広域ネットワーク(WAN, wide area network)又はこれらの組み合わせに接続された有線又は無線インターフェースを含んでもよい。本開示のいずれかの所与のモジュールの機能は、インターフェース回路を介して接続された複数のモジュールの間に分散されてもよい。例えば、複数のモジュールは、負荷バランシングを可能にしてもよい。更なる例では、サーバ(リモート又はクラウドとしても知られる)モジュールは、クライアントモジュールの代わりに何らかの機能を達成してもよい。
【0047】
上記で使用されるコードという用語は、ソフトウェア、ファームウェア及び/又はマイクロコードを含んでもよく、プログラム、ルーチン、関数、クラス、データ構造及び/又はオブジェクトを示してもよい。共有プロセッサ回路という用語は、複数のモジュールからの一部又は全部のコードを実行する単一のプロセッサ回路を包含する。グループプロセッサ回路という用語は、更なるプロセッサ回路と組み合わせて、1つ以上のモジュールからの一部又は全部のコードを実行するプロセッサ回路を包含する。複数のプロセッサ回路への言及は、個別のダイ上の複数のプロセッサ回路、単一のダイ上の複数のプロセッサ回路、単一のプロセッサ回路の複数のコア、単一のプロセッサ回路の複数のスレッド又は上記の組み合わせを包含する。共有メモリ回路という用語は、複数のモジュールからの一部又は全部のコードを記憶する単一のメモリ回路を包含する。グループメモリ回路という用語は、更なるメモリと組み合わせて、1つ以上のモジュールからの一部又は全部のコードを記憶するメモリ回路を包含する。
【0048】
メモリ回路という用語は、コンピュータ可読媒体という用語のサブセットである。本明細書で使用されるコンピュータ可読媒体という用語は、媒体を通じて(搬送波等で)伝搬する一時的な電気信号又は電磁信号を包含せず、したがって、コンピュータ可読媒体という用語は、有形且つ非一時的と考えられてもよい。非一時的な有形のコンピュータ可読媒体の非限定的な例は、不揮発性メモリ回路(フラッシュメモリ回路、消去可能プログラム可能読み取り専用回路又はマスク読み取り専用回路等)、揮発性メモリ回路(スタティックランダムアクセスメモリ回路又はダイナミックランダムアクセスメモリ回路等)、磁気記憶媒体(アナログ又はデジタル磁気記憶テープ又はハードディスクドライブ等)及び光記憶媒体(CD、DVD又はブルーレイディスク等)である。
【0049】
本出願に記載される装置及び方法は、コンピュータプログラムに具現された1つ以上の特定の機能を実行するように汎用コンピュータを構成することによって作成された専用コンピュータによって部分的又は完全に実装されてもよい。上記の機能ブロック、フローチャートの構成要素及び他の要素は、ソフトウェア仕様として機能し、当業者又はプログラマのルーチンワークによってコンピュータプログラムに変換できる。
【0050】
コンピュータプログラムは、少なくとも1つの非一時的な有形のコンピュータ可読媒体に記憶されたプロセッサ実行可能命令を含む。コンピュータプログラムはまた、記憶されたデータを含んでもよく、或いは、それに依存してもよい。コンピュータプログラムは、専用コンピュータのハードウェアと相互作用する基本入出力システム(BIOS, basic input/output system)、専用コンピュータの特定のデバイスと相互作用するデバイスドライバ、1つ以上のオペレーティングシステム、ユーザアプリケーション、バックグラウンドサービス、バックグラウンドアプリケーション等を包含してもよい。
【0051】
コンピュータプログラムは、(i)HTML(hypertext markup language)、XML(extensible markup language)又はJSON(JavaScript Object Notation)のような、構文解析される記述テキスト、(ii)アセンブリコード、(iii)コンパイラによってソースコードから生成されるオブジェクトコード、(iv)インタープリタによって実行されるソースコード、(v)実行時コンパイラによってコンパイルされて実行されるソースコード等を含んでもよい。単なる例として、ソースコードは、C、C++、C#、Objective-C、Swift、Haskell、Go、SQL、R、Lisp、Java(登録商標)、Fortran、Perl、Pascal、Curl、OCaml、Javascript(登録商標)、HTML5(Hypertext Markup Language 5th revision)、Ada、ASP(Active Server Pages)、PHP(PHP:Hypertext Preprocessor)、Scala、Eiffel、Smalltalk、Erlang、Ruby、Flash(登録商標)、Visual Basic(登録商標)、Lua、MATLAB(登録商標)、SIMULINK(登録商標)及びPython(登録商標)を含む言語からの構文を使用して記述されてもよい。
【符号の説明】
【0052】
100 静電容量センサシステム
104 検出回路
108 駆動シールド回路
110 静電容量センサ
112 演算増幅器
116 駆動シールド
200 電子デバイス
204 センサモジュール
208 基準信号生成器
210 基準信号
212 オフセット制御モジュール
216 任意選択の第2の基準信号生成器
218 感知信号
220 オフセット信号
224 レギュレータ回路
228 出力信号
232 デジタル正弦波生成器
236 アナログDAC
240 LPF
244 乗算器
248 LPF
300 静電容量センサシステム
304 センサモジュール
308 駆動シールド信号
310 駆動シールド
312 基準信号生成器
316 基準信号
318 レギュレータ回路
320 オフセット制御モジュール
324 オフセット信号
328 感知電極
332 指
336 キャパシタンス
340 感知信号
344 出力信号
352 出力電圧
356 ADC
400 ステップ入力信号
404 クリッピング閾値
412 クリッピング領域
420 ランプオフセット信号
432 ランプ入力信号
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4A
図4B