(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】電池適合性の検証機能を有する外科用器具
(51)【国際特許分類】
A61B 90/98 20160101AFI20250109BHJP
A61B 17/115 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
A61B90/98
A61B17/115
(21)【出願番号】P 2021577479
(86)(22)【出願日】2020-06-17
(86)【国際出願番号】 IB2020055659
(87)【国際公開番号】W WO2020261048
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2023-05-17
(32)【優先日】2019-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】506157570
【氏名又は名称】シラグ・ゲーエムベーハー・インターナショナル
【氏名又は名称原語表記】Cilag GMBH International
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】シェルトン・ザ・フォース・フレデリック・イー
【審査官】滝沢 和雄
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-530945(JP,A)
【文献】特開2015-006388(JP,A)
【文献】特開2014-036521(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 90/98
A61B 17/115
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用器具であって、
電池を解放可能に保持するように構成された電池インターフェースを含むハウジングアセンブリと、
前記電池インターフェースに位置決めされた無線周波数識別スキャナであって、前記電池から情報を受信するように構成されている、無線周波数識別スキャナと、
制御回路であって、前記電池から受信された前記情報に基づいて、前記電池と前記外科用器具との適合性を判定するように構成されている、制御回路と、を備え、
前記制御回路は、前記電池から受信された前記情報に基づいて、前記外科用器具の動作を調整する
ことにより、前記電池の利用を可能にするように構成されている、外科用器具。
【請求項2】
前記ハウジングアセンブリは、組み立て構成において前記電池を受け入れるように構成されている、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項3】
前記無線周波数識別スキャナは、前記組み立て構成において、前記電池の無線周波数識別タグから前記情報を受信するように更に構成されている、請求項2に記載の外科用器具。
【請求項4】
前記電池を更に備え、前記電池は、前記組み立て構成において前記無線周波数識別スキャナの検出範囲内にある無線周波数識別タグを備える、請求項2に記載の外科用器具。
【請求項5】
前記無線周波数識別タグは、
電池識別番号と、
前記電池の製造業者と、
前記電池の化学的性質と、
前記電池が充電式であるか否かと、
前記電池の容量と、
前記電池の公称電圧と、
前記電池の電流引き出し特性と、
前記電池の出力特性と、のうちの少なくとも1つを記憶している、請求項4に記載の外科用器具。
【請求項6】
前記制御回路は、
前記無線周波数識別スキャナに電気的に接続されたプロセッサと、
前記プロセッサに電気的に接続されたメモリと、を備える、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項7】
前記メモリは、
適合性データベースと、
ルックアップテーブルと、のうちの少なくとも一方を記憶する、請求項6に記載の外科用器具。
【請求項8】
前記ハウジングアセンブリ内に位置決めされた電気モータを更に備え、前記制御回路は、前記電気モータの動作を電子的にロックアウトするように更に構成されている、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項9】
前記ハウジングアセンブリ内に位置決めされた電気モータを更に備え、前記電池から受信された前記情報に基づいて調整される前記外科用器具の動作は、前記電気モータの動作である、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項10】
外科用器具であって、
電池を解放可能に保持するように構成された電池インターフェースを含むハウジングアセンブリと、
前記電池インターフェースに位置決めされた無線周波数識別スキャナであって、前記電池から情報を受信するように構成されている、無線周波数識別スキャナと、
制御回路であって、前記電池から受信された前記情報に基づいて、前記電池と前記外科用器具との適合性を判定するように構成されている、制御回路と、
前記ハウジングアセンブリ内に位置決めされた電気モータ
と、を備え、
前記制御回路は、前記電池から受信された前記情報に基づいて、前記電気モータの動作を調整するように構成されている、外科用器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、米国特許法第119条(e)の下で、2019年6月28日に出願された米国仮特許出願第62/868,457号、発明の名称「SURGICAL SYSTEMS WITH MULTIPLE RFID TAGS」(その開示内容全体が参照により本明細書に組み込まれる)の優先権を主張する非仮出願である。
【背景技術】
【0002】
本発明は、外科用器具に関し、様々な実施形態において、組織の切断及びステープル留めを行うように設計されている外科用切断及びステープル留め器具、並びに外科用切断及びステープル留め器具用のステープルカートリッジに関する。様々な実施形態において、例えば、ステープルカートリッジなどの外科用器具の構成要素を識別するために、RFID技術が用いられ得る。RFID技術を使用する外科用システムの例が、2011年6月14日に発行された米国特許第7,959,050号、発明の名称「ELECTRICALLY SELF-POWERED SURGICAL INSTRUMENT WITH MANUAL RELEASE」及び2015年2月26日に公開された米国特許出願第2015/0053743号、発明の名称「ERROR DETECTION ARRANGEMENTS FOR SURGICAL INSTRUMENT ASSEMBLIES」の開示内容に見出され得るが、いずれも参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
様々な実施形態において、電池を解放可能に保持するように構成された電池インターフェースを含むハウジングアセンブリと、電池インターフェースに位置決めされた無線周波数識別スキャナと、制御回路と、を含む外科用器具が開示される。無線周波数識別スキャナは、電池から情報を受信するように構成されている。制御回路は、電池から受信された情報に基づいて、電池と外科用器具との適合性を判定するように構成されている。
【0004】
様々な実施形態において、電池インターフェースを含むハウジングアセンブリと、電池インターフェースに位置決めされた無線周波数識別タグと、ハウジングアセンブリ内に位置決めされた電気モータと、電気モータに電気的に結合可能な電池と、制御回路と、を含む外科用器具が開示される。電池は無線周波数識別スキャナを含む。無線周波数識別スキャナは、ハウジングアセンブリとの組み立て構成において、外科用器具の無線周波数識別タグから情報を受信するように構成されている。制御回路は、無線周波数識別タグから受信された情報に基づいて、外科用器具と電池との適合性を判定するように構成されている。
【0005】
様々な実施形態において、ハウジングアセンブリと、ハウジングアセンブリ内に位置決めされた無線周波数識別スキャナと、制御回路と、を含む外科用器具が開示される。ハウジングアセンブリは、第1の電池と、第1の電池がハウジングアセンブリから取り除かれた後の第2の電池を受け入れるように構成されている。第2の電池の出力特性は、第1の電池の出力特性とは異なる。制御回路は、外科用器具の動作を調整して、第2の電池に第1の電池の出力特性を模倣させるように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
様々な態様の特徴が、添付された特許請求の範囲で詳細に説明される。ただし、機構と動作の方法の両方についての様々な態様は、それらの更なる目的及び利点と共に、以降の添付図面と併せて、以下の説明を参照することにより最もよく理解することができる。
【
図1】本開示の少なくとも1つの態様による、例示的な円形ステープラの斜視図である。
【
図2】本開示の少なくとも1つの態様による、電池パックがハウジングアセンブリから取り外され、アンビルがステープル留めヘッドアセンブリから取り外された状態にある
図1の円形ステープラの斜視図である。
【
図3】本開示の少なくとも1つの態様による、
図1の円形ステープラのステープル留めヘッドアセンブリの斜視図である。
【
図4】本開示の少なくとも1つの態様による、
図3のアンビルの別の斜視図である。
【
図5】本開示の少なくとも1つの態様による、
図3のステープル留めヘッドアセンブリの分解斜視図である。
【
図6】本開示の少なくとも1つの態様による、シャフトアセンブリの各部分が互いに分離して示されている、
図1の円形ステープラの分解斜視図である。
【
図7】本開示の少なくとも1つの態様による、
図6のハウジングアセンブリのアンビル作動アセンブリの詳細斜視図である。
【
図8】本開示の少なくとも1つの態様による、アンビルロックアウトアセンブリがロック解除位置にある、
図7のアンビル作動アセンブリのアンビルロックアウトアセンブリの詳細斜視図である。
【
図9】本開示の少なくとも1つの態様による、
図8のアンビルロックアウトアセンブリがロック解除位置にある、
図7のアンビル作動アセンブリの詳細側面図である。
【
図10】本開示の少なくとも1つの態様による、
図8のアンビルロックアウトアセンブリがロック位置にある、
図7のアンビル作動アセンブリの別の詳細側面図である。
【
図11】本開示の少なくとも1つの態様による、
図8のアンビルロックアウトアセンブリの代替的な構成の詳細斜視図である。
【
図12】本開示の少なくとも1つの態様による、ステープル留めヘッドアセンブリ及びステープル留めヘッドアセンブリのトロカールに結合されているアンビルを示す図である。
【
図13】本開示の少なくとも1つの態様による、ステープル留めヘッドアセンブリとの不適切な着座配向にあるアンビルの部分横断面図である。
【
図14】本開示の少なくとも1つの態様による、ステープル留めヘッドアセンブリとの不適切な着座配向にあるアンビルの部分縦断面図である。
【
図15】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用ステープル留め器具の制御システムを示す図である。
【
図16】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用ステープル留め器具を動作させるための制御プログラム又は論理構成を示すプロセスの論理フロー図である。
【
図17】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用ステープル留め器具のステープル留めヘッドアセンブリに対してアンビルを適切に配向するため制御プログラム又は論理構成を示すプロセスの論理フロー図である。
【
図18】本開示の少なくとも1つの態様による、いくつかの異なるエンドエフェクタのうちのいずれか1つ、いくつかの異なるシャフトのうちのいずれか1つ、及びハウジングアセンブリから選択的に組み立てられ得る外科用器具である。
【
図19】本開示の少なくとも1つの態様による、組み立てられた外科用器の概略図である。
【
図20】
図19の外科用器具のモータの少なくとも1つの操作パラメータを調整するための制御プログラム又は論理構成を示すプロセスの論理フロー図である。
【
図21】2つの異なる発射アルゴリズムによる、
図19の外科用器具の発射負荷を示すグラフである。
【
図22】
図19の外科用器具の様々な閉鎖及び発射閾値の調整を表すグラフを示す図である。
【
図23】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用ステープル留め器具を動作させるための制御プログラム又は論理構成を示すプロセスの論理フロー図である。
【
図24】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具及びその外科用器具と共に使用するための3つのモータアセンブリの部分立面図である。
【
図25】本開示の少なくとも1つの態様による、
図24の外科用装置のモータの動作パラメータを調整するための制御プログラム又は論理構成を示すプロセスの論理フロー図である。
【
図26】本開示の少なくとも1つの態様による、3つの異なるモータに対するY軸にかかるモータトルクとX軸上におけるモータ速度との関係を示すグラフである。
【
図27】本開示の少なくとも1つの態様による、
図24の外科用器具の制御システムを示す図である。
【
図28】本開示の少なくとも1つの態様による、
図25の外科用器具の様々な制御アルゴリズムの表又はデータベースを示す図である。
【
図29】本開示の少なくとも1つの態様に係る、外科用器具の部分斜視図である。
【
図30】本開示の少なくとも1つの態様による、
図29の外科用器具の制御回路を示す図である。
【
図31】本開示の少なくとも1つの態様による、
図29の外科用器具を動作させるための制御プログラム又は論理構成を示すプロセスの論理フロー図である。
【
図32】本開示の少なくとも1つの態様による、電池パックの制御回路を示す図である。
【
図33】本開示の少なくとも1つの態様による、複数の異なる電池パックとの、
図29の外科用器具の適合性を示す図である。
【
図34】本開示の少なくとも1つの態様による、異なる電池パックによって給電されるときの、
図29の外科用器具の様々なモータトルク/速度/電流の関係を示すグラフである。
【
図35】本開示の少なくとも1つの態様による、
図29の外科用器具と共に利用され得る異なる電池パックの様々なエネルギー密度を示す棒グラフである。
【
図36】本開示の少なくとも1つの態様による、
図29の外科用器具と共に利用され得る異なる電池パックの実エネルギー密度と定格エネルギー密度との比較を示す棒グラフである。
【
図37】本開示の少なくとも1つの態様による、
図29の外科用器具と共に利用され得る異なる電池パックの公称電圧を示す棒グラフである。
【
図38】本開示の少なくとも1つの態様による、
図29の外科用器具と共に利用され得る異なる電池パックの放電曲線を示すグラフである。
【
図39】本開示の少なくとも1つの態様による、
図29の外科用器具と共に利用され得るリチウムイオン電池の放電曲線を示すグラフである。
【
図40】本開示の少なくとも1つの態様による、
図29の外科用器具と共に利用され得るリチウムイオン電池の異なる温度に対する異なる放電曲線を示すグラフである。
【
図41】本開示の少なくとも1つの態様による、
図29の外科用器具と共に利用され得るCR123電池の異なる放電率に対する異なる放電曲線を示すグラフである。
【
図42】本開示の少なくとも1つの態様による、ダム電池と、インテリジェント電池と、適応型外科用器具との間の様々な動作上の相違を示す図である。
【
図43】本開示の少なくとも1つの態様による、
図42の適応型外科用器具と共に利用されるときの異なる電池パックの出力電流能力を示すグラフである。
【
図44】本開示の少なくとも1つの態様による、
図42の適応型外科用器具と共に利用されるときの異なる電池パックの出力電圧能力を示すグラフである。
【
図45】本開示の少なくとも1つの態様による、
図42の適応型外科用器具と共に利用されるときの異なる電池パックの出力電圧能力を示すグラフである。
【
図46】本開示の少なくとも1つの態様による、
図42の適応型外科用器具と共に使用するための電池を示す図である。
【
図47】本開示の少なくとも1つの態様による、
図42の適応型外科用器具を動作させるための制御プログラム又は論理構成を示すプロセスの論理フロー図である。
【
図48】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具の外科用器具構成要素の真正性及び/又は適合性を検証するための制御プログラム又は論理構成を示すプロセスの論理フロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本願の出願人は、本願と同日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらは各々、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
・代理人整理番号END9145USNP1/190235-1M、発明の名称「METHOD FOR AUTHENTICATING THE COMPATIBILITY OF A STAPLE CARTRIDGE WITH A SURGICAL INSTRUMENT」、
・代理人整理番号END9146USNP1/192036、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT SYSTEM COMPRISING AN RFID SYSTEM」、
・代理人整理番号END9147USNP1/190237、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN RFID SYSTEM FOR TRACKING A MOVABLE COMPONENT」、
・代理人整理番号END9148USNP1/190238、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN ALIGNED RFID SENSOR」、
・代理人整理番号END9123USNP1/192039、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM HAVING AN INFORMATION DECRYPTION PROTOCOL」、
・代理人整理番号END9124USNP/190240、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM HAVING AN INFORMATION ENCRYPTION PROTOCOL」、
・代理人整理番号第END9125USNP/190241号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM HAVING A LOCKOUT MECHANISM FOR AN INCOMPATIBLE CARTRIDGE」、
・代理人整理番号第END9126USNP/192042号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM HAVING A FRANGIBLE RFID TAG」、及び
・代理人整理番号END9127USNP/192043号、発明の名称「PACKAGING FOR A REPLACEABLE COMPONENT OF A SURGICAL STAPLING SYSTEM」。
【0008】
本願の出願人は、本願と同日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらは各々、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
・代理人整理番号END9119USNP1/190245-1M、発明の名称「METHOD OF USING MULTIPLE RFID CHIPS WITH A SURGICAL ASSEMBLY」、
・代理人整理番号END9120USNP1/192046、発明の名称「MECHANISMS FOR PROPER ANVIL ATTACHMENT SURGICAL STAPLING HEAD ASSEMBLY」、
・代理人整理番号END9121USNP1/192047、発明の名称「MECHANISMS FOR MOTOR CONTROL ADJUSTMENTS OF A MOTORIZED SURGICAL INSTRUMENT」、
・代理人整理番号END9131USNP1/190249、発明の名称「SURGICAL SYSTEM WITH RFID TAGS FOR UPDATING MOTOR ASSEMBLY PARAMETERS」、
・代理人整理番号END9132USNP1/190250、発明の名称「SURGICAL SYSTEMS WITH MULTIPLE RFID TAGS」、
・代理人整理番号END9149USNP1/190251、発明の名称「RFID IDENTIFICATION SYSTEMS FOR SURGICAL INSTRUMENTS」、
・代理人整理番号END9150USNP1/190252、発明の名称「RFID IDENTIFICATION SYSTEMS FOR SURGICAL INSTRUMENTS」、
・代理人整理番号END9151USNP1/192053、発明の名称「SURGICAL RFID ASSEMBLIES FOR DISPLAY AND COMMUNICATION」、
・代理人整理番号END9152USNP1/190254、発明の名称「SURGICAL RFID ASSEMBLIES FOR COMPATIBILITY DETECTION」、及び
・代理人整理番号END9153USNP1/190255、発明の名称「SURGICAL RFID ASSEMBLIES FOR INSTRUMENT OPERATIONAL SETTING CONTROL」。
【0009】
本願の出願人は、2018年5月1日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらは各々、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
・米国仮特許出願第62/665,129号、発明の名称「SURGICAL SUTURING SYSTEMS」、
・米国仮特許出願第62/665,139号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS COMPRISING CONTROL SYSTEMS」、
・米国仮特許出願第62/665,177号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS COMPRISING HANDLE ARRANGEMENTS」、
・米国仮特許出願第62/665,128号、発明の名称「MODULAR SURGICAL INSTRUMENTS」、
・米国仮特許出願第62/665,192号、発明の名称「SURGICAL DISSECTORS」、及び
・米国仮特許出願第62/665,134号、発明の名称「SURGICAL CLIP APPLIER」。
【0010】
本願の出願人は、2018年8月24日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらは各々、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
・米国特許出願第16/112,129号、発明の名称「SURGICAL SUTURING INSTRUMENT CONFIGURED TO MANIPULATE TISSUE USING MECHANICAL AND ELECTRICAL POWER」、
・米国特許出願第16/112,155号、発明の名称「SURGICAL SUTURING INSTRUMENT COMPRISING A CAPTURE WIDTH WHICH IS LARGER THAN TROCAR DIAMETER」、
・米国特許出願第16/112,168号、発明の名称「SURGICAL SUTURING INSTRUMENT COMPRISING A NON-CIRCULAR NEEDLE」、
・米国特許出願第16/112,180号、発明の名称「ELECTRICAL POWER OUTPUT CONTROL BASED ON MECHANICAL FORCES」、
・米国特許出願第16/112,193号、発明の名称「REACTIVE ALGORITHM FOR SURGICAL SYSTEM」、
・米国特許出願第16/112,099号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN ADAPTIVE ELECTRICAL SYSTEM」、
・米国特許出願第16/112,112号、発明の名称「CONTROL SYSTEM ARRANGEMENTS FOR A MODULAR SURGICAL INSTRUMENT」、
・米国特許出願第16/112,119号、発明の名称「ADAPTIVE CONTROL PROGRAMS FOR A SURGICAL SYSTEM COMPRISING MORE THAN ONE TYPE OF CARTRIDGE」、
・米国特許出願第16/112,097号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT SYSTEMS COMPRISING BATTERY ARRANGEMENTS」、
・米国特許出願第16/112,109号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT SYSTEMS COMPRISING HANDLE ARRANGEMENTS」、
・米国特許出願第16/112,114号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT SYSTEMS COMPRISING FEEDBACK MECHANISMS」、
・米国特許出願第16/112,117号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT SYSTEMS COMPRISING LOCKOUT MECHANISMS」、
・米国特許出願第16/112,095号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS COMPRISING A LOCKABLE END EFFECTOR SOCKET」、
・米国特許出願第16/112,121号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS COMPRISING A SHIFTING MECHANISM」、
・米国特許出願第16/112,151号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS COMPRISING A SYSTEM FOR ARTICULATION AND ROTATION COMPENSATION」、
・米国特許出願第16/112,154号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS COMPRISING A BIASED SHIFTING MECHANISM」、
・米国特許出願第16/112,226号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS COMPRISING AN ARTICULATION DRIVE THAT PROVIDES FOR HIGH ARTICULATION ANGLES」、
・米国特許出願第16/112,062号、発明の名称「SURGICAL DISSECTORS AND MANUFACTURING TECHNIQUES」、
・米国特許出願第16/112,098号、発明の名称「SURGICAL DISSECTORS CONFIGURED TO APPLY MECHANICAL AND ELECTRICAL ENERGY」、
・米国特許出願第16/112,237号、発明の名称「SURGICAL CLIP APPLIER CONFIGURED TO STORE CLIPS IN A STORED STATE」、
・米国特許出願第16/112,245号、発明の名称「SURGICAL CLIP APPLIER COMPRISING AN EMPTY CLIP CARTRIDGE LOCKOUT」、
・米国特許出願第16/112,249号、発明の名称「SURGICAL CLIP APPLIER COMPRISING AN AUTOMATIC CLIP FEEDING SYSTEM」、
・米国特許出願第16/112,253号、発明の名称「SURGICAL CLIP APPLIER COMPRISING ADAPTIVE FIRING CONTROL」、及び
・米国特許出願第16/112,257号、発明の名称「SURGICAL CLIP APPLIER COMPRISING ADAPTIVE CONTROL IN RESPONSE TO A STRAIN GAUGE CIRCUIT」。
【0011】
本願の出願人は、2018年10月26日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらは各々、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
・米国特許出願第16/172,130号、発明の名称「CLIP APPLIER COMPRISING INTERCHANGEABLE CLIP RELOADS」、
・米国特許出願第16/172,066号、発明の名称「CLIP APPLIER COMPRISING A MOVABLE CLIP MAGAZINE」、
・米国特許出願第16/172,078号、発明の名称「CLIP APPLIER COMPRISING A ROTATABLE CLIP MAGAZINE」、
・米国特許出願第16/172,087号、発明の名称「CLIP APPLIER COMPRISING CLIP ADVANCING SYSTEMS」、
・米国特許出願第16/172,094号、発明の名称「CLIP APPLIER COMPRISING A CLIP CRIMPING SYSTEM」、
・米国特許出願第16/172,128号、発明の名称「CLIP APPLIER COMPRISING A RECIPROCATING CLIP ADVANCING MEMBER」、
・米国特許出願第16/172,168号、発明の名称「CLIP APPLIER COMPRISING A MOTOR CONTROLLER」、
・米国特許出願第16/172,164号、発明の名称「SURGICAL SYSTEM COMPRISING A SURGICAL TOOL AND A SURGICAL HUB」、及び
・米国特許出願第16/172,303号、発明の名称「METHOD FOR OPERATING A POWERED ARTICULATING MULTI-CLIP APPLIER」。
【0012】
本出願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年12月4日出願の以下の米国特許出願を所有する。
・米国特許出願第16/209,385号、発明の名称「METHOD OF HUB COMMUNICATION,PROCESSING,STORAGE AND DISPLAY」、
・米国特許出願第16/209,395号、発明の名称「METHOD OF HUB COMMUNICATION」、
・米国特許出願第16/209,403号、発明の名称「METHOD OF CLOUD BASED DATA ANALYTICS FOR USE WITH THE HUB」、
・米国特許出願第16/209,407号、発明の名称「METHOD OF ROBOTIC HUB COMMUNICATION,DETECTION,AND CONTROL」、
・米国特許出願第16/209,416号、発明の名称「METHOD OF HUB COMMUNICATION,PROCESSING,DISPLAY,AND CLOUD ANALYTICS」、
・米国特許出願第16/209,423号、発明の名称「METHOD OF COMPRESSING TISSUE WITHIN A STAPLING DEVICE AND SIMULTANEOUSLY DISPLAYING THE LOCATION OF THE TISSUE WITHIN THE JAWS」、
・米国特許出願第16/209,427号、発明の名称「METHOD OF USING REINFORCED FLEXIBLE CIRCUITS WITH MULTIPLE SENSORS TO OPTIMIZE PERFORMANCE OF RADIO FREQUENCY DEVICES」、
・米国特許出願第16/209,433号、発明の名称「METHOD OF SENSING PARTICULATE FROM SMOKE EVACUATED FROM A PATIENT,ADJUSTING THE PUMP SPEED BASED ON THE SENSED INFORMATION,AND COMMUNICATING THE FUNCTIONAL PARAMETERS OF THE SYSTEM TO THE HUB」、
・米国特許出願第16/209,447号、発明の名称「METHOD FOR SMOKE EVACUATION FOR SURGICAL HUB」、
・米国特許出願第16/209,453号、発明の名称「METHOD FOR CONTROLLING SMART ENERGY DEVICES」、
・米国特許出願第16/209,458号、発明の名称「METHOD FOR SMART ENERGY DEVICE INFRASTRUCTURE」、
・米国特許出願第16/209,465号、発明の名称「METHOD FOR ADAPTIVE CONTROL SCHEMES FOR SURGICAL NETWORK CONTROL AND INTERACTION」、
・米国特許出願第16/209,478号、発明の名称「METHOD FOR SITUATIONAL AWARENESS FOR SURGICAL NETWORK OR SURGICAL NETWORK CONNECTED DEVICE CAPABLE OF ADJUSTING FUNCTION BASED ON A SENSED SITUATION OR USAGE」、
・米国特許出願第16/209,490号、発明の名称「METHOD FOR FACILITY DATA COLLECTION AND INTERPRETATION」、及び
・米国特許出願第16/209,491号、発明の名称「METHOD FOR CIRCULAR STAPLER CONTROL ALGORITHM ADJUSTMENT BASED ON SITUATIONAL AWARENESS」。
【0013】
外科用装置及びシステムの様々な態様を詳細に説明する前に、例示される実施例は、適用又は用途において、添付の図面及び説明で示される部品の構造及び配置の詳細に限定されないことに留意すべきである。例示の実施例は、他の態様、変形形態、及び修正形態で実装されるか、又はそれらに組み込まれてもよく、様々な方法で実施又は実行されてもよい。更に、特に明記しない限り、本明細書で用いられる用語及び表現は、読者の便宜のために例示の実施例を説明する目的で選択されたものであり、それらを限定するためのものではない。更に、以下に記述される態様、態様の表現、及び/又は実施例のうち1つ以上を、以下に記述される他の態様、態様の表現、及び/又は実施例のうち任意の1つ以上と組み合わせることができるものと理解されたい。
【0014】
様々な外科用システム及び器具(例えば、外科用ステープル留め器具、外科用クリップアプライヤ、外科用縫合器具)が本開示に関連して説明される。外科用システム及び/又は器具は、以下でより詳細に論じられるように、1つ以上のRFIDスキャナと、1つ以上のRFIDタグとを含む無線周波数識別(RFID)システムを備える。RFID技術を使用する外科用システムの例は、米国特許第7,959,050号及び米国特許出願第2015/0053743号に記載されており、それらはいずれも参照によってそれらの全容が本明細書に組み込まれる。
【0015】
無線周波数識別(RFID)は、物体を追跡及び識別するために様々な産業で使用されている。RFIDは、デジタル的に記憶された情報を、RFIDタグから、情報を受信するように構成されたRFIDリーダ又は受信機へと無線波を利用して転送するものである。RFID技術は、電子的に記憶された情報を収容する、時にチップとも呼ばれるRFIDタグと、そのRFIDタグを識別し、それと通信するように機能するRFIDリーダと、を利用するものである。2つの異なるタイプのRFIDシステム、すなわち、アクティブRFIDシステムと、パッシブRFIDシステムとが存在する。アクティブRFIDシステムは、それらの信号をブロードキャストするためのオンボード電源を備えたRFIDタグを含む。アクティブRFIDタグは、RFIDタグ内の電池を含み得るが、これにより、アクティブRFIDタグはRFIDリーダから独立して機能することが可能となる。したがって、アクティブRFIDシステムのRFIDタグは、情報を送信する前にRFIDリーダから信号を受信するために待機する必要はない。むしろ、アクティブRFIDタグは、自在に信号又はビーコンを連続的に送信する。多くの市販のアクティブRFIDシステムは、2つの主周波数範囲433MHz及び915MHzのうちの1つで動作することが多いが、任意の適切な周波数範囲が使用され得る。典型的には、RFIDタグは、その対応するRFIDリーダによって識別されるために、特定の距離又は周波数範囲内にある必要がある。
【0016】
パッシブRFIDシステムは、オンボード電源を備えないが、その代わりに動作するために必要なエネルギーをRFIDリーダから受信するRFIDタグを含む。アクティブRFIDタグとは対照的に、パッシブRFIDシステムのRFIDタグは、プロンプトを受信する前に信号を能動的に送信しない。むしろ、パッシブRFIDタグは、信号を送信する前にRFIDリーダから情報を受信するために待機する。多くの市販のパッシブRFIDシステムは、多くの場合、3つの周波数範囲、すなわち、低周波数(「LF」)と、高周波数(「HF」)及び近距離無線通信(「NFC」)と、超高周波数(「UHF」)と、の中で動作する。LF帯域幅は125~134KHzであり、約1~10センチメートルの短い読み取り範囲を伴う、より長い波長を含む。HF及びNFC帯域幅は13.56KHzであり、1センチメートル~1メートルの典型的な読み取り範囲を伴う、中程度の波長を含む。UHF帯域幅は865~960MHzであり、長い読み取り範囲となる1メートルの短い高エネルギー波長を含む。上記のように述べられたが、任意の好適な周波数が使用され得る。
【0017】
異なるサイズのRFIDタグを備えた様々なRFIDシステムが存在する。しかしながら、いくつかは、非常に小さな物体の追跡を必要とする技術領域での使用により適している。例えば、日立化成株式会社(Hitachi Chemical Co. Ltd.)は、RFIDの技術分野における主要な製造業者である。日立化成株式会社によって製造されている超小型のUHF RFIDタグは、典型的には、1.0~13mm以下であり、数センチメートル以上の距離でRFIDタグとRFIDリーダとの間の通信を可能にする。そのコンパクトな性質により、日立製RFIDタグは、識別される必要がある非常に小さな製品に適している。各日立製RFIDタグは、アンテナと、アンテナに接続されたICチップと、ICチップ及びアンテナを封止するシーリング材料と、を含む。日立製RFIDタグは、単一のユニットにアンテナとICチップを組み込んでいるため、日立製RFIDタグは、例えば、接着剤又はテープを使用して任意の小さな物体に容易に固定するのに十分に便利である。
【0018】
日立製RFIDタグは、正方形のステンレス鋼プレートと、金属アンテナとを備える。アンテナは、LC共振回路又は任意の他の適切な回路を備え、プレートに電気的に接続されている。プレート及びアンテナが互いに接続された後、アンテナとプレートは、シーリング材料を用いて単一のユニット内に一緒にシールされる。シーリング材料は、日立製RFIDタグの耐熱能力を高めるために、主にエポキシ、炭素、及びシリカから構成される。すなわち、RFIDタグの耐熱性は実質的に、シーリング材料の耐熱能力に依存する。シーリング材料は、数秒などのより短い期間に対しては、最大250~300℃の温度に耐える高度な耐熱性を有し、より長い期間に対しては、最大150℃の熱に耐性がある。したがって、日立製RFIDタグは従来のRFIDタグよりも高い耐熱性を有し、高温でも依然として正常に動作し得る。日立製RFIDタグに関する付加的な情報は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第9,171,244号に見出され得る。
【0019】
図1及び
図2は、本開示の少なくとも1つの態様による、RFIDシステムとその制御システムとを含むように適合され得る例示的な外科用円形ステープル留め器具10を示す。ステープル留め器具10は、患者の消化管の一部分のような解剖学的管腔の2つの区間の間で、その端部同士の吻合を提供するために用いられ得る。この例の器具10は、ハウジングアセンブリ100と、シャフトアセンブリ200と、ステープル留めヘッドアセンブリ300と、アンビル400と、を備える。ハウジングアセンブリ100は、斜めに配向されたピストルグリップ112を画定するケーシング110を備える。ハウジングアセンブリ100はハンドルの形態で示されているが、これは限定的なものではない。様々な例において、ハウジングアセンブリ100は、例えば、ロボットシステムの構成要素であり得る。
【0020】
ハウジングアセンブリ100は、可動インジケータ針の視認を可能にする窓114を更に含む。いくつかの変形形態では、一連のハッシュマーク、着色領域、及び/又は他の固定インジケータが窓部114に隣接して位置決めされ、インジケータ針に対する視覚的背景を提供し、それによって、窓部114内で針がどの位置にあるのかを操作者が評価するのを容易にしている。インジケータ針の動きは、ステープル留めヘッドアセンブリ300に対するアンビル400の閉鎖運動に対応する。ハッシュマーク、着色領域、及び/又は他の固定インジケータにより、器具10を発射するための最適なアンビル閉鎖ゾーンが画定され得る。したがって、インジケータ針が最適なアンビル閉鎖ゾーンにあるとき、ユーザは器具10を発射することができる。本明細書の教示を考慮することで、当業者には、ハウジングアセンブリ100の様々な好適な代替的な特徴部及び構成が、明らかとなるであろう。
【0021】
本例の器具10は、電池パック120の形態をなし得る電源を更に含む。電池パック120は、ピストルグリップ112内のモータ160(
図15)に電力を供給するように動作可能である。様々な態様において、電池パック120は、ハウジングアセンブリ100から取り外し可能である。特に、
図1及び
図2に示されるように、電池パック120は、ケーシング110によって画定されるソケット116の中に挿入され得る。電池パック120がソケット116内に完全に挿入された後、電池パック120のラッチ122が弾性的にケーシング110の内側特徴部に係合して、スナップ嵌めをもたらす。電池パック120を取り外すには、操作者はラッチ122を内側に押し込んでラッチ122とケーシング110の内側特徴部との係合を解除した後、電池パック120をソケット116から近位に引き抜くことで実現し得る。電池パック120及びハウジングアセンブリ100は、補完的な電気的接点、ピン及びソケット、並びに/又は、電池パック120がソケット116内に挿入された場合に、電池パック120からハウジングアセンブリ100内の電動構成要素への電気的通信用の経路を提供する他の特徴部を有し得るということを理解されたい。また、いくつかの変形形態では、電池パック120がハウジングアセンブリ100から取り外されることがないように、電池パック120はハウジングアセンブリ100に一体的に統合されるということも理解されたい。
【0022】
シャフトアセンブリ200が、ハウジングアセンブリ100から遠位側に延びる、予め成形された屈曲部を含む。いくつかの変形形態では、予め成形された屈曲部は、患者の大腸内にステープル留めヘッドアセンブリ300を位置決めすることを容易にするように構成されている。使用できる様々な好適な曲げ角度又は曲率半径が、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。いくつかの他の変形形態では、シャフトアセンブリ200は真っ直ぐであり、シャフトアセンブリ200には、予め形成された屈曲部が存在しない。様々な例示的な構成要素が、シャフトアセンブリ200に統合され得るが、それについては後でより詳しく説明する。
【0023】
ステープル留めヘッドアセンブリ300は、シャフトアセンブリ200の遠位端に位置する。
図1及び
図2に示すように、アンビル400は、ステープル留めヘッドアセンブリ300に隣接して、シャフトアセンブリ200と取り外し可能に結合するように構成されている。アンビル400及びステープル留めヘッドアセンブリ300は協働して、組織を挟む、組織を切断する、及び組織をステープル留めするといった3通りの方法で組織を操作するように構成されている。ハウジングアセンブリ100の近位端に設けられたノブ130は、ケーシング110に対して回転可能であり、アンビル400とステープル留めヘッドアセンブリ300との間で、組織を正確にクランプすることができるようになっている。ハウジングアセンブリ100の安全トリガ140が、ハウジングアセンブリ100の発射トリガ150から遠ざかるように枢動されると、発射トリガ150が作動されることができ、これにより組織が切断されステープル留めされる。
【0024】
アンビル400についての以後の考察では、「遠位」及び「近位」という用語、並びにそれらの変形は、アンビル400が器具10のシャフトアセンブリ200に結合されたときのアンビル400の配向を指して用いられる。したがって、アンビル400の近位要素は、器具10の操作者により近い側にある一方で、アンビル400の遠位要素は、器具10の操作者からより遠い側にある。
【0025】
図4を参照すると、本例のアンビル400は、ヘッド410とシャンク420とを備えている。ヘッド410は、複数のステープル成形ポケット414を画定する近位表面412を含む。ステープル成形ポケット414は、同心状の2列の環状配列で配置される。いくつかの他の変形形態では、ステープル成形ポケット414は、3列以上の同心環状アレイで配置される。ステープル成形ポケット414は、ステープルがステープル成形ポケット414内に駆動されると、ステープルを変形させるように構成されている。例えば、各ステープル成形ポケット414は、当該技術分野では既知のように、概ねU字形状のステープルを、B字形状に変形し得る。
図4に最もよく示されるように、近位表面412は内縁部416で終焉し、それによってシャンク420を取り囲む環状凹部418の外側の境界線が画定される。
【0026】
シャンク420は孔422を画定し、孔422内に位置決めされた一対の枢動ラッチ部材430を含む。ラッチ部材430は、それらの遠位端が、シャンク420の側壁を貫通して成形される横方向開口部424の近位端に位置決めされるように孔422内に位置決めされている。
【0027】
このようにして横方向開口部424は、ラッチ部材430の遠位端434が、シャンク420によって規定される長手方向軸線から径方向外向きに撓曲するためのクリアランスを設ける。しかしながら、ラッチ部材430は、シャンク420によって規定される長手方向軸線に向かって、それらの遠位端を径方向内向きに付勢するように構成されている。このようにしてラッチ部材430は、保持クリップとして作用する。このことにより、アンビル400はステープル留めヘッドアセンブリ300のトロカール330に取り外し可能に固定されるようになっている。しかしながら、ラッチ部材430は、任意で設けられるものに過ぎないということが理解されるはずである。アンビル400は、他の任意の好適な構成要素、特徴部又は技術を用いて、トロカール330に取り外し可能に固定され得る。
【0028】
上記のものに加えて又はその代わりに、アンビル400は、開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、下記特許文献の教示のうちの少なくとも一部に従って、更に構築され、かつ動作可能であってもよい。米国特許第5,205,459号、同第5,271,544号、同第5,275,322号、同第5,285,945号、同第5,292,053号、同第5,333,773号、同第5,350,104号、米国特許第5,533,661号、及び/又は米国特許第8,910,847号。更に他の好適な構成については、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0029】
図3を参照すると、本例のステープル留めヘッドアセンブリ300が、シャフトアセンブリ200の遠位端に結合されており、またスライド可能なステープルドライバ部材を収容する管状ケーシング310を備えている。円筒状内側コア部材312が、管状ケーシング310内を遠位に延びている。管状ケーシング310は、管状ケーシング310がステープル留めヘッドアセンブリ300にとって機械的土台として機能するように、シャフトアセンブリ200の外部シース210にしっかりと固定されている。
【0030】
トロカール330は、管状ケーシング310の内側コア部材312内に同軸的に配置されている。トロカール330は、ハウジングアセンブリ100のケーシング110に対するノブ130の回転に応じて、管状ケーシング310に対して遠位側及び近位側に並進するように動作可能である。トロカール330は、シャフト332と、ヘッド334とを備える。ヘッド334は、尖形状の先端部336と、内向きに延びる近位表面338とを含む。したがって、シャフト332は、ヘッド334のちょうど近位で外径が小さくなっていて、表面338が、シャフト332のその小さくなった外径とヘッド334の外径との間の移行を提供する。本例では、先端部336が尖形状であるが、先端部336は鋭利ではない。したがって、先端部336は、組織との不注意な接触による組織への外傷を容易には引き起こさない。ヘッド334、及びシャフト332の遠位部分は、アンビル420の孔422に挿入されるように構成されている。したがって、アンビル400は、ラッチ部材430によるスナップ嵌めによりトロカール330に固定される。
【0031】
図5に示すように、ステープルドライバ部材350は、モータ160の作動に応答して管状ケーシング310内で長手方向に作動するように動作可能である。ステープルドライバ部材350は、ステープルドライバ352の遠位に向けられた2列の同心環状アレイを含む。ステープルドライバ352は、上述のステープル成形ポケット414の配置に対応するように配置されている。したがって、各ステープルドライバ352は、ステープル留めヘッドアセンブリ300が作動されると、対応するステープルを対応するステープル成形ポケット414の中に駆動するように構成されている。上述のように、ステープルドライバ352の配置は、ステープル成形ポケット414の配置とちょうど同じように修正し得るということを理解されたい。ステープルドライバ部材350はまた、管状ケーシング310のコア部材312を同軸的に受け入れるように構成されている孔354を画定する。スタッド356の環状アレイが、孔354を取り囲む遠位に向けられた表面から遠位に突出している。
【0032】
円筒状ナイフ部材340は、ステープルドライバ部材350内に、同軸的に位置決めされている。ナイフ部材340は、遠位に向けられた、鋭利な円形の刃先342を含む。ナイフ部材340は、ステープルドライバ352の内側環状アレイにより画定される直径よりも小さい外径を、ナイフ部材340が画定するようにサイズ決めされている。ナイフ部材340はまた、管状ケーシング310のコア部材312を同軸的に受け入れるように構成されている開口部を画定する。ナイフ部材340に形成された開口部346の環状アレイは、ステープルドライバ部材350のスタッド356の環状アレイを補完するように構成され、ナイフ部材340が、スタッド356と開口部346とを介してステープルドライバ部材350に固定的に取り付けられるようになっている。ナイフ部材340とステープラドライバ部材350との間の他の好適な構造的関係については、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0033】
デッキ部材320が、管状ケーシング310に固定的に取り付けられている。デッキ部材320は、ステープル開口部324の2列の同心環状アレイを画定する、遠位に向けられたデッキ表面322を含む。ステープル開口部324は、上述のステープルドライバ352及びステープル成形ポケット414の配置に対応するように配置されている。したがって、各ステープル開口部324は、ステープル留めヘッドアセンブリ300が作動された場合に、対応するステープルドライバ352が対応するステープルを、デッキ部材320を貫通して、対応するステープル成形ポケット414の中に打ち込む経路を提供するように構成されている。上述のように、ステープル開口部322の配置は、ステープル成形ポケット414の配置とちょうど同じように修正し得るということを理解されたい。また、ステープル留めヘッドアセンブリ300が作動される前に、ステープルをステープル留めヘッドアセンブリ300内に収容するために、様々な構造及び技術が用いられ得るということも理解されたい。ステープルをステープル留めヘッドアセンブリ300内に収容するために用いられるそのような構造及び技術は、ステープル留めヘッドアセンブリ300が作動される前に、ステープルが、ステープル開口部324から誤って脱落するのを防ぎ得る。このような構造及び技術が取り得る様々な好適な形態については、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0034】
図6に最もよく示されるように、デッキ部材320は、ナイフ部材340が画定する外径よりも、ほんのわずかに大きい内径を画定する。したがって、デッキ部材320は、ナイフ部材340が、刃先342がデッキ表面322の遠位となる点まで遠位に並進するのを可能にするように構成されている。
【0035】
上記のものに加えて又はその代わりに、ステープル留めヘッドアセンブリ300は、開示内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、下記特許文献の教示のうちの少なくとも一部に従って、更に構築され、かつ動作可能であってもよい。米国特許第5,205,459号、同第5,271,544号、同第5,275,322号、同第5,285,945号、同第5,292,053号、同第5,333,773号、同第5,350,104号、米国特許第5,533,661号及び/又は米国特許第8,910,847号。更に他の好適な構成については、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0036】
図6は、シャフトアセンブリ200の様々な構成要素を示し、このシャフトアセンブリ200は、ステープル留めヘッドアセンブリ300の構成要素を、ハウジングアセンブリ100の構成要素に結合するものである。特に、かつ上述したように、シャフトアセンブリ200は、ハウジングアセンブリ100と管状ケーシング310との間に延びる外部シース210を含む。本例では、外部シース210は剛性があり、かつ上に記したように、予め形成された湾曲区域を含む。
【0037】
シャフトアセンブリ200は、トロカール作動ロッド220とトロカール作動バンドアセンブリ230とを更に含む。トロカール作動バンドアセンブリ230の遠位端は、トロカールシャフト332の近位端に固定的に取り付けられている。トロカール作動バンドアセンブリ230の近位端は、トロカール作動ロッド220の遠位端に固定的に取り付けられている。したがって、トロカール作動バンドアセンブリ230とトロカール作動ロッド220とが外部シース210に対して並進するのに応答して、トロカール330が長手方向に外部シース210に対して並進するということを理解されたい。トロカール作動バンドアセンブリ230は、トロカール作動バンドアセンブリ230が、長手方向に、外部シース210に対して並進させられるにつれて、トロカール作動バンドアセンブリ230が、シャフトアセンブリ200内の予め形成された湾曲部に沿って動き得るように曲がって構成されている。しかしながら、トロカール作動バンドアセンブリ230は、遠位方向及び近位方向の力を、トロカール作動ロッド220からトロカールシャフト332に伝えるのに十分な柱強度と引っ張り強さとを有する。トロカール作動ロッド220は剛性を有するものである。クリップ222は、トロカール作動ロッド220に固定的に取り付けられており、かつ、トロカール作動ロッド220がハウジングアセンブリ100内で長手方向に並進するのを可能に維持している一方で、ハウジングアセンブリ100内の補完的特徴部と協働して、トロカール作動ロッド220がハウジングアセンブリ100内で回転するのを防止するように構成されている。トロカール作動ロッド220は、並目螺旋ねじ切り224と細目螺旋ねじ切り226とを更に含む。
【0038】
シャフトアセンブリ200は、外部シース210内に、摺動可能に受け入れられるステープル留めヘッドアセンブリドライバ240を更に含む。ステープル留めヘッドアセンブリドライバ240の遠位端は、ステープルドライバ部材350の近位端に固定的に取り付けられている。ステープル留めヘッドアセンブリドライバ240の近位端は、ピン242を介して駆動ブラケット250に固定されている。したがって、ステープル留めヘッドアセンブリドライバ240と駆動ブラケット250とが外部シース210に対して並進するのに応答して、ステープルドライバ部材350が長手方向に、外部シース210に対して並進するということを理解されたい。ステープル留めヘッドアセンブリドライバ240は、ステープル留めヘッドアセンブリドライバ240が長手方向に、外部シース210に対して並進するにつれて、ステープル留めヘッドアセンブリドライバ240が、シャフトアセンブリ200内の予め形成された湾曲部に沿って動き得るように曲がって構成されている。しかしながら、ステープル留めヘッドアセンブリドライバ240は、遠位方向の力を、駆動ブラケット250からステープルドライバ部材350に伝えるのに十分な柱強度を有する。
【0039】
シャフトアセンブリ200が、外部シース210内に、1つ以上のスペーサ要素を更に含み得るということを理解されたい。そのようなスペーサ要素は、トロカール作動バンドアセンブリ230及び/又はステープル留めヘッドアセンブリドライバ240が外部シース210を通って並進する間、トロカール作動バンドアセンブリ230及び/又はステープル留めヘッドアセンブリドライバ240を支持するように構成され得る。例えば、そのようなスペーサ要素は、トロカール作動バンドアセンブリ230及び/又はステープル留めヘッドアセンブリドライバ240が外部シース210を通って並進する間、トロカール作動バンドアセンブリ230及び/又はステープル留めヘッドアセンブリドライバ240が座屈するのを防止し得る。そのようなスペーサ要素が取り得る様々な好適な形態については、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0040】
上記のものに加えて又はその代わりに、シャフトアセンブリ200は、開示内容が全体として参照により本明細書に組み込まれる、下記特許文献の教示のうちの少なくとも一部に従って、更に構築され、かつ動作可能であってもよい。米国特許第5,205,459号、同第5,271,544号、同第5,275,322号、同第5,285,945号、同第5,292,053号、同第5,333,773号、同第5,350,104号、米国特許第5,533,661号及び/又は米国特許第8,910,847号。更に他の好適な構成については、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0041】
外科用器具10の付加的な動作の詳細、及び本開示での使用に適した他の器具もまた、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2015年1月26日に出願された米国特許公開第20160374665号、発明の名称「SURGICAL STAPLER WITH ELECTROMECHANICAL LOCKOUT」に記載されている。
【0042】
器具1100は、多くの点で器具10と類似している。例えば、器具10と同様に、器具1100は、組織を把持、ステープル留め、及び/又は切断するように構成された外科用器具である。また、器具10と同様に、器具1100は、シャフトアセンブリ1206(
図12)と、ステープル留めヘッドアセンブリ1300(
図12)と、アンビル1200(
図12)と、を含む。加えて、器具1100は、例えば、アンビルロックアウトアセンブリ1170などのロックアウトアセンブリを含む。アンビルロックアウトアセンブリ1170は、ひとたび安全トリガ1140が作動されると、アンビルの長手方向位置の更なる調整を防ぐように一般に構成されている。好適な間隙距離dに到達した後で、操作者が間隙距離dを不適切に変化させるのを、アンビルのロックアウトによって防止し得るため、上のような機能が望ましい場合があり得る。アンビルロックアウトアセンブリ1170は、内側ロックアウト部材1172、外側ロックアウト部材1176、及び作動部材1180を備える。
図8に最も良く示されるように、内側ロックアウト部材1172は、ノブ1130の一部分の周りに配設され、そこに固定的に取り付けられている。本例の内側ロックアウト部材1172は、内側ロックアウト部材1172から径方向外向きに延びる複数の三角形の歯1174を含む。歯1174は、外側ロックアウト部材1176の対応する歯1184と係合して、ノブ1130の回転を防止し、それによってトロカール作動ロッド1122の並進を防止するように構成されている。
【0043】
本開示での使用に好適な様々なロックアウトアセンブリが、米国特許第7,143,923号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT HAVING A FIRING LOCKOUT FOR AN UNCLOSED ANVIL」(2006年12月5日発行)米国特許第7,044,352号、「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT HAVING A SINGLE LOCKOUT MECHANISM FOR PREVENTION OF FIRING」(2006年5月16日発行)、米国特許第7,000,818号、「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT HAVING SEPARATE DISTINCT CLOSING AND FIRING SYSTEMS」(2006年2月21日発行)、米国特許第6,988,649号、「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT HAVING A SPENT CARTRIDGE LOCKOUT」(2006年1月24日発行)、及び米国特許第6,978,921号、「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT INCORPORATING AN E-BEAM FIRING MECHANISM」(2005年12月27日発行)に記載されており、それらの全体が、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0044】
外側ロックアウト部材1176は、概ね円筒形の形状を有し、内側ロックアウト部材1172を受け入れるような大きさの開口部1177を画定する。外側ロックアウト部材1176の内径部は、複数の歯1178を画定し、歯1178は、内側ロックアウト部材1172の歯1147に対応するものである。歯1178は、内側ロックアウト部材1172の歯1174に係合し、ノブ1130の更なる回転を防止することによりアンビル1200の長手方向位置がそれ以上調整されないようにするように構成されている。外側ロックアウト部材1176は、外側ロックアウト部材1176の外径部から径方向外側に向けて突出する複数の突出部1179を更に含む。突出部1179は、ケーシング1112内の対応するチャネル1113内に配設され、少なくとも若干の移動の余地を残しながら外側ロックアウト部材1176を定位置に回転的に固定する。
【0045】
本例の内側ロックアウト部材1172及び外側ロックアウト部材1176は、歯1174、1178を含むものとして図示されているが、他の例では、任意の他の好適な表面処理又は幾何形状が用いられ得るということが理解されるはずである。例えば、一部の例では、ロックアウト部材1172、1176は、対応する、ぎざぎざのある表面、こぶ、スプライン、隆起部、戻り止め特徴部、又は対応するように係合し、ロックアウト部材1172と1176との間での相対的回転運動を防止するように構成され得る任意の他の好適な表面処理又は幾何形状を含む。
【0046】
作動部材1180は、外側ロックアウト部材1176から安全トリガ1140まで延びる細長い本体1182を備える。特に、本体1182は、安全トリガ1140と結合するように構成されているトリガブラケット1184を含む。トリガブラケット1184は、ブラケット1184が安全トリガ1140に枢動可能に結合されるのを可能にするチャネル1185を含む。同様に、本体1182の近位端は、外側ロックアウト部材1176の少なくとも1つの突出部1179に結合するように構成されている。したがって、安全トリガ1140の動きは、作動部材1180を介して外側ロックアウト部材1176に伝達される。言い換えると、外側ロックアウト部材1176は、安全トリガ1140の枢動に反応して長手方向に移動する。外側ロックアウト部材1176は一般に、安全トリガ1140に応答してアンビル1200の作動を選択的にロックする。
【0047】
図9~
図11は、アンビルロックアウトアセンブリ1170の例示的な動作シーケンスを図示している。
図9に見られるように、アンビルロックアウトアセンブリ1170は当初、ロック解除状態で開始される。そのような状態では、外側ロックアウト部材1176は、内側ロックアウト部材1172から近位側に離間して位置し、内側ロックアウト部材1172は外側ロックアウト部材1176に対して自由に回転することが可能になっている。内側ロックアウト部材1172が自由に回転することが可能である場合には、ノブ1130も同様に自由に回転することが可能であり、アンビル長手方向位置がトロカール作動ロッド1122を介して調整し得るということが理解されるはずである。
【0048】
ひとたび操作者がノブ1130を回転させてアンビルの長手方向位置を調整して、適切な間隙距離dを実現させると、アンビルの長手方向位置が更に調整されるのを防止することが望ましい場合があり得る。
図10は、ロック状態にあるアンビルロックアウトアセンブリ1170を図示している。アンビルロックアウトアセンブリ1170をロック状態に前進させるには、操作者は、安全トリガ1140を近位側に枢動させればよい。安全トリガ1140を近位側に動かすと、安全トリガ1140が作動部材1180を遠位方向に駆動する。
【0049】
作動部材1180が遠位方向に移動した結果、それに対応して外側ロックアウト部材1176が動くことになる。外側ロックアウト部材1176が遠位方向に動くにつれて、外側ロックアウト部材1176の歯1178は内側ロックアウト部材1176の歯1174に係合し始める。ひとたび外側ロックアウト部材1176の歯1178が内側ロックアウト部材1176の歯1174に完全に係合すると、外側ロックアウト部材1176は、突出部1179とケーシング1112とを介して、内側ロックアウト部材1172の相対的回転運動を防止する。内側ロックアウト部材1172がノブ1130に固定的に取り付けられているので、ノブ1130の回転運動もまた防止される。ノブ1130が定位置にロックされると、アンビルの長手方向位置が更に調整されることは防止される。アンビルの長手方向位置が更に調整されることが防止された状態で、操作者は次いで、ステープル留めのシーケンスを開始させるために、発射トリガ1142を作動させ得る。
【0050】
いくつかの例では、ソレノイドなどの作動機構1190を使用して、外側ロックアウト部材1176を駆動することが望ましい場合がある。
図11に示されるように、作動機構1190は、作動部材1180の長手方向軸線に整列され、かつ作動部材1180に固定的に取り付けられている。作動機構1190を収容するため、作動部材1180は、作動機構1190と交差するように短縮又は他の方法で修正され得る。作動機構1190は、回路基板、スイッチ、及び/又はセンサに接続され得る複数のワイヤ1192を含む。様々な例において、ワイヤ1192は、制御回路1210(
図15)に接続される。様々な例において、作動機構1190は、器具100の安全トリガ1040と類似した構成を用いる安全トリガ1140を用いて作動され得る。例えば、安全トリガ1140の作動により、作動機構1190を起動させる回路が完成し、それによってロックアウト部材1176を、ロックアウト部材1172に係合させるように長手方向に駆動し得る。
【0051】
動作中、作動機構1190は、安全トリガ1140と同じ機能を概ね提供するが、例外は、作動機構1190によって、作動部材1180が安全トリガ1140までの全距離に延びている必要性がなくなったことである。本明細書において作動機構1190は、ソレノイドを備えるものとして図示され、説明されているが、本明細書の教示に鑑みれば当業者には明らかであろうように、任意の他の好適なアクチュエータが使用し得るということが理解されるはずである。
【0052】
主に
図12~
図14を参照すると、円形ステープラに伴う特徴的な問題として、それらのアンビルはそれらのステープル留めヘッドアセンブリから取り外し可能であり、異なる様式で、異なるアクセスポイントから外科手術部位に別々に導入されなければならないことである。したがって、他のステープル留め器具とは異なり、円形ステープラは、アンビルとステープルヘッドアセンブリとのミスマッチング及び/又はアンビルとステープルカートリッジとのミスマッチングのリスクがある。更に、アンビルに適切に組み立てられるか、あるいは結合されるために、ステープル留めヘッドアセンブリは、手術部位において特定の配向で互いに対して適切に配向されなければならない。
図13に示されるように、アンビルとそれに対応するステープル留めヘッドアセンブリとの不適切な配向は、アンビルのステープル成形ポケット414(
図12)とステープルカートリッジ1320のステープル開口部324(
図3)との間の誤整列につながる可能性があり、このことは、不適切なステープル成形につながり得る。加えて、アンビルとそれに対応するステープル留めヘッドアセンブリとの不適切な配向は、ステープル留めヘッドアセンブリに対するアンビルの不適切な着座につながり得る。不適切に着座されるか、あるいは部分的に着座されたアンビルは、閉鎖中にアンビルとステープル留めヘッドアセンブリとの間に捕捉された組織から外部に印加される負荷が原因で、着座されなくなるか、あるいはステープル留めヘッドアセンブリから分離されることがある。
【0053】
上記の問題に対処するために、外科用器具1100は、外科用器具1100のステープル留めヘッドアセンブリ1300上のRFIDスキャナ1202によって認識可能又は検出可能な無線周波数識別(RFID)タグ1201を備えたアンビル1200を含む。同様に、ステープルカートリッジ1320は、RFIDスキャナ1202によって同様に認識可能又は検出可能なRFIDタグ1203を含む。RFIDタグ1201は、アンビル1200に関する情報を記憶し、RFIDタグ1203は、ステープルカートリッジ1320に関する情報を記憶する。以下に記載されるように、この情報は、認証及び/又は適合性に関してチェック及び比較され得る。
【0054】
本明細書に記載の識別機構は、アクティブシステム又はパッシブシステムのいずれかであり得る。様々な実施形態において、アクティブ識別システムとパッシブ識別システムとの組み合わせが使用される。パッシブシステムには、例えば、バーコード、クイックレスポンス(QR)コード、及び/又は無線周波数識別(RFID)タグが含まれ得る。パッシブシステムは、内部電源を含まず、また本明細書に記載のパッシブシステムは、例えば、質問信号などの第1の信号を送信するためのリーダ及び/又はスキャナを必要とする。
【0055】
パッシブ無線周波数識別(RFID)システムは、無線周波数を使用することによって情報を通信する。そのようなパッシブRFIDシステムは、RFIDスキャナと、内部電源を持たないRFIDタグと、を備える。RFIDタグは、RFIDスキャナから伝送される電磁エネルギーによって給電される。各RFIDタグは、例えば、交換可能な構成要素及び/又はその交換可能な構成要素と適合性がある外科用器具に関する情報を記憶する、マイクロチップなどのチップを備える。チップは、識別番号のみを含み得るが、様々な例において、チップは、例えば、製造データ、出荷データ、及び/又はメンテナンス履歴などの追加情報を記憶することができる。各RFIDタグは、RFIDタグがRFIDスキャナと通信することを可能にする無線アンテナを含む。無線アンテナは、RFIDタグがRFIDスキャナから信号を受信し、応答信号を再びRFIDスキャナに送信し得る範囲を拡張する。パッシブRFIDシステムでは、同様にそれ自体のアンテナを含むRFIDスキャナは、所定の範囲内に位置決めされたRFIDタグを作動させる無線信号を伝送する。RFIDスキャナは、RFIDタグから「返送された(bounced back)」応答信号を受信するように構成され、RFIDスキャナは、交換可能な構成要素を表す識別情報を捕捉することが可能となる。様々な例において、1つ以上の応答信号は、質問信号と同じ信号を含む。様々な例において、1つ以上の応答信号は、質問信号からの修正信号を含む。様々な例において、RFIDスキャナはまた、RFIDタグに直接情報を書き込むか、又は符号化することができる。いずれにせよ、RFIDスキャナは、交換可能な構成要素に関する情報を、外科用器具の制御システム及び/又は遠隔外科用システム若しくはハブなどのコントローラに渡すことができる。RFIDタグは無線信号によってアクティブ化されるため、RFIDスキャナは、複数のRFIDタグを一度に読み取るように構成される。加えて、特定の例では、RFIDスキャナは、RFIDスキャナによって信号範囲内のRFIDタグに記憶された情報を更新又は書き換えすることができる。更新は、例えば、外科用ハブ、又は任意の好適なサーバからRFIDスキャナに送信され得る。様々な外科用ハブが、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、「METHOD OF HUB COMMUNICATION」と題された2018年12月4日出願の米国特許出願第16/209,395号に更に記載されている。
【0056】
アクティブ無線周波数識別(RFID)システムもまた、RFIDタグと、RFIDスキャナとを含む。しかしながら、アクティブRFIDシステムのRFIDタグは、内部電源を備える。アクティブRFIDシステムは、それら自体の信号を連続的にブロードキャストするように構成された電池駆動RFIDタグを利用する。1つのタイプのアクティブRFIDタグは、一般に「ビーコン」と呼ばれるものである。そのようなビーコンRFIDタグは、RFIDスキャナから第1の信号を受信するために待機しない。代わりに、ビーコンRFIDタグは、その記憶された情報を連続的に送信する。例えば、ビーコンは、3~5秒ごとの間隔でその情報を送信することができる。別のタイプのアクティブRFIDタグは、トランスポンダを含む。そのようなシステムでは、RFIDスキャナは、最初に信号を送信する。次いで、RFIDトランスポンダタグが、関連する情報と共にRFIDスキャナに信号を送り返す。そのようなRFIDトランスポンダタグシステムは、例えばRFIDタグがRFIDスキャナの範囲外にあるときに、電池寿命を節約するため、効率的である。様々な例において、アクティブRFIDタグは、環境パラメータを追跡するためのオンボードセンサを備える。例えば、オンボードセンサは、関連する可能性のある水分レベル、温度、及び/又は他のデータを追跡することができる。
【0057】
動作中、アンビル1200は、
図12に示されるように、ステープル留めヘッドアセンブリ1300に結合されるか、あるいは取り付けられる。RFIDタグ1201が、RFIDスキャナ1202の周りに延びる周囲の半径(R)によって規定される取り付け閾値距離にあるいはその中にある場合、RFIDスキャナ1202は、RFIDタグ1201を検出又は認識することができる。取り付け距離は、RFIDタグ1201とRFIDスキャナ1203との間の距離であり、アンビル1200は、ステープル留めヘッドアセンブリ1300に結合されるか、あるいは取り付けられる。
【0058】
上記に加えて、RFIDタグ1303は、ステープル留めヘッドアセンブリ1300のデッキ部材320の下に位置決めされ、RFIDスキャナ1202によって同様に検出され得る。以下でより詳細に説明するように、RFIDスキャナ1202とRFIDタグ1201、1203の一方又は両方との間の信号強度を使用して、アンビル1200がステープル留めヘッドアセンブリ1300に対して適切に配向されかつ/又は完全に着座されているかどうかを判定することができる。
【0059】
図12を参照すると、アンビル1200は、多くの点でアンビル400と類似している。例えば、アンビル400と同様に、アンビル1200は、ヘッド410と、ステープル成形ポケット414と、シャンク1420とを含む。
図12の例では、RFIDタグ1201は、ボア422の近くで、シャンク1420によってその外側表面上で支持されている。少なくとも1つの例では、凹部又はポケットが、シャンク1420内に画定され、RFIDタグ1201は、その凹部又はポケット内に位置決めされる。RFIDタグ1201は、例えば、摩擦嵌合又は生体適合性接着剤などの任意の好適な技術を使用して、凹部又はポケット内の所定の位置に保持され得る。
【0060】
上述のように、アンビル1200は、
図12に示されるように、トロカール330がボア422を通じて受け入れられるように、アンビル1200をトロカール330に向かって前進させることによって、ステープル留めヘッドアセンブリ1300に結合されるか、あるいは組み付けられる。トロカール330のヘッド334の近位表面338とシャンク1420のラッチシェルフ436は、相補的な位置及び構成を有しており、そのため、
図14に示されるように、ラッチシェルフ436は、アンビル1200のシャンク1420がステープル留めヘッドアセンブリ1300のトロカール330上に完全に着座すると、近位表面338に係合するようになっている。したがって、アンビル1200は、ラッチ部材430によるスナップ嵌めによりトロカール330に固定される。
図14に示される例では、RFIDタグ1201は、トロカール330のヘッド334の尖形状の先端部226の第2の長手方向位置に対して遠位にあるか、あるいはわずかに遠位にある第1の長手方向位置にある。
【0061】
少なくとも1つの例では、RFIDタグ1201は、アンビル1200がステープル留めヘッドアセンブリ1300に対して適切に配向され、完全に着座されているときに、トロカール330のヘッド334の先端部336の第2の長手方向位置に対応するか、あるいは実質的に対応する第1の長手方向位置でシャンク1420上に位置決めされる。言い換えれば、トロカール330のヘッド334の先端部336は、その最終着座位置でシャンク1420内に受け入れられるとき、RFIDタグ1201と横方向に整列されるか、あるいは少なくとも実質的に整列される。少なくとも1つの例では、RFIDタグ1201は、ボア422に対しては遠位側にあり、横方向開口部424に対しては近位側にあり、かつ/又はラッチ部材430に対しては近位側にある位置で、シャンク1420上に位置決めされる(
図3及び
図4)。
【0062】
図12を参照すると、RFIDスキャナ1202は、ステープル留めヘッドアセンブリ1300の管状ケーシング1310内で遠位に延びる円筒状内側コア部材1312の外部表面上に位置している。管状ケーシング1310は、管状ケーシング1310がステープル留めヘッドアセンブリ1300にとって機械的土台として機能するように、シャフトアセンブリ1206の外部シース210にしっかりと固定されている。RFIDスキャナ1202は、その遠位端の近くで、内側コア部材1312によってその外部表面上で支持されている。少なくとも1つの例では、凹部又はポケットが内側コア部材1312内に画定され、RFIDタグ1202は、その凹部又はポケット内に位置決めされる。RFIDスキャナ1202は、例えば、摩擦嵌合又は生体適合性接着剤などの任意の好適な技術を使用して、凹部又はポケット内の所定の位置に保持され得る。代替的に、RFIDスキャナ1202は、円筒状内側コア部材1312の内部表面上に位置決めされてもよい。
図12の例では、RFIDスキャナ1202は、ステープルカートリッジ1320のデッキ部材320の下の内側コア部材1312の遠位部分に位置してる。様々な例において、RFIDタグ1201及びRFIDタグ1203は、それぞれ、任意の好適な絶縁材料を使用して、シャンク1420及び内側コア部材1312から絶縁される。
【0063】
様々な例において、RFIDタグ1201及びRFIDタグ1203は、組織がアンビル1200とステープル留めヘッドアセンブリ1300との間で捕捉される器具1100の閉鎖構成でRFIDスキャナ1202によって認識可能又は検出可能である。
【0064】
図15は、本開示の1つ以上の態様による、外科用器具又はツールの制御システム1211の論理図を示す。制御システム1211は、例えば、RFIDスキャナ1202と統合され得るか、あるいはハウジングアセンブリ100内のRFIDスキャナ1202に結合され得るが別々に位置決めされ得る制御回路1210を含む。制御回路1210は、RFIDタグ1203に記憶されたステープルカートリッジ1320に関する情報、及び/又はRFIDタグ1201に記憶されたアンビル1200に関する情報を示す入力を、RFIDスキャナ1202から受信するように構成され得る。
【0065】
様々な例において、RFIDタグ1203は、ステープルカートリッジ1320の識別情報を記憶し、RFIDタグ1201は、アンビル1200の識別情報を記憶する。そのような例では、制御回路1210は、ステープルカートリッジ1320の識別情報を示す入力をRFIDスキャナ1202から受信し、その入力に基づいてステープルカートリッジ1320のIDを検証する。更に、制御回路1210は、アンビル1200の識別情報を示す入力をRFIDスキャナ1202から受信し、その入力に基づいてアンビル1200のIDを検証する。
【0066】
少なくとも1つの例では、制御回路1210は、プロセッサ1214と、例えばメモリ1212などの記憶媒体と、を有するマイクロコントローラ1213を含む。メモリ1212は、例えば、ID検証などの様々なプロセスを実行するためのプログラム命令を記憶する。プログラム命令は、プロセッサ1214によって実行されると、例えば、RFIDタグ1201、1203から受信された識別情報を、IDデータベース又はテーブルの形態でメモリ1212に記憶された識別情報と比較することにより、ステープルカートリッジ1320のIDとアンビル1200のIDとを、プロセッサ1214に検証させる。
【0067】
少なくとも1つの例では、制御回路1210は、RFIDスキャナ1202からの入力に基づいて、ステープル留めヘッドアセンブリ1300のステープルカートリッジ1320とのアンビル1200の適合性をチェックするように構成され得る。プロセッサ1214は、例えば、メモリ1212に記憶された適合性データベース又はテーブルに対して、アンビル1200及びステープルカートリッジ1320のID情報をチェックし得る。
【0068】
様々な例において、メモリ1212は、器具1100のローカルメモリを含む。他の例では、IDデータベース若しくはテーブル及び/又は適合性データベース若しくはテーブルがリモートサーバからダウンロードされてもよい。様々な態様において、器具1100は、RFIDタグ1201、1203から受信された情報を、ID及び/又は適合性チェックを遠隔で実行するためのデータベース又はテーブルを記憶したリモートサーバに送信してもよい。
【0069】
図16は、例えば器具1100などの外科用ステープル留め器具を動作させるための制御プログラム又は論理構成を示すプロセス1220の論理フロー図である。少なくとも1つの例では、プロセス1220は、プロセッサ1214と、プロセッサ1214によって実行されたとき、プロセッサ1214にプロセス1220を実施させる、コンピュータ実行可能命令のセットを記憶するメモリ1212と、を含む制御回路1210(
図15)によって実行される。特定の例では、メモリ1212に記憶されたコンピュータ実行可能命令のセットは、プロセッサ1214に、プロセス1220の別個の部分を実施させることができる。プロセス1220は、制御回路1210によって実行されるものとして説明されているが、これは単に簡潔にするためのものであり、本明細書に記載のプロセス1220及び他のプロセス、又はそれらの各部分は、様々なハードウェア及び/又はソフトウェア構成要素を含み得、例えば、組み合わせ論理回路又は順次論理回路などの様々な好適なシステムに配置され得るか、又はそれに関連付けられ得る回路によって実行され得ることを理解されたい。
【0070】
図16に示されるように、プロセス1220は、ステープルカートリッジ1320の識別情報を検出する(1231)ことを含む。少なくとも1つの例では、制御回路1210は、RFIDタグ1203に記憶されたステープルカートリッジ1320の識別情報を示す入力をRFIDスキャナ1202から受信する。ステープルカートリッジIDの認証が成功しないか、あるいはステープルカートリッジIDが検出されない場合、制御回路1210は、インジケータ1209に、ステープルカートリッジ1320が取り付けられていないこと、及び/又はステープルカートリッジの認証が失敗したことをアラートさせる(1241)。
【0071】
様々な事例において、インジケータ1209は、例えば、ディスプレイスクリーン、バックライト、及び/又はLEDなど、1つ以上の視覚的フィードバックシステムを含み得る。特定の事例では、インジケータ1209は、例えば、スピーカ及び/又はブザーなど、1つ以上の聴覚フィードバックシステムを含み得る。特定の事例では、インジケータ1209は、例えば、1つ以上の触覚フィードバックシステムを含み得る。特定の事例では、インジケータ1209は、例えば、視覚、聴覚、及び/又は触覚フィードバックシステムの組み合わせを含み得る。
【0072】
プロセス1220は、ステープルカートリッジ1320と器具1100との適合性を検証する(1232)ことを更に含む。少なくとも1つの例において、制御回路1210は、例えば、メモリ1212に記憶され得るステープルカートリッジと器具との適合性データベース又はテーブルに対して、ステープルカートリッジ1320の識別情報をチェックする。適合性が検証された(1232)場合、制御回路1210は、インジケータ1209に、ステープルカートリッジ1320が器具1100と適合性があることをアラートさせる(1242)。この段階で、制御回路1210はまた、インジケータ1209に、取り付けられたステープルカートリッジ1320の色及び/又はサイズに関してユーザにアラートさせてもよい(1246)。
【0073】
プロセス1220は、カートリッジ発射状態を検証する(1233)ことを更に含む。ステープルカートリッジは一般に、充填後に配設される。以前に発射されたステープルカートリッジがステープルなしで誤って再使用されないことを確実にするために、以前に発射されたステープルカートリッジ1320のRFIDタグ1201は、発射済みステータスを記憶する。少なくとも1つの例では、制御回路1210は、RFIDスキャナ1202に、発射シーケンスの完了後に未発射ステータスから発射済みステータスへとステープルカートリッジ1320の発射ステータスを変化させる。更に、取り付けられたステープルカートリッジ1320がすでに発射されていることを示す入力を、制御回路1210がRFIDスキャナ1202から受信した場合、制御回路1210は、インジケータ1209に、ユーザにそのことをアラートさせ得る(1243)。
【0074】
プロセス1220は、アンビル1200の識別情報を検出する(1234)ことを更に含む。少なくとも1つの例では、制御回路1210は、RFIDタグ1201に記憶されたアンビル1200の識別情報を示す入力をRFIDスキャナ1202から受信する。アンビルIDの認証が成功しない場合、又はアンビルIDが受信されない場合、制御回路1210は、インジケータ1209に、アンビルが取り付けられていないこと、及び/又はアンビル認証が失敗したことをアラートさせ(1244)てもよい。
【0075】
依然として
図16を参照すると、適切なアンビル識別が検出された(1234)場合、プロセス1220は、アンビル1200とステープルカートリッジ13020との適合性を更にチェックする(1235)。アンビル1200とステープルカートリッジ13020とが不適合である場合、プロセス1220は、ミスマッチに関してユーザにアラートする(1245)。しかしながら、アンビル1200とステープルカートリッジ13020とが適合性を有する場合、制御回路1210は、閉鎖駆動アセンブリ136(
図15)がアンビル閉鎖に進む(1237)ことを可能にする(1236)。アンビルの閉鎖中、制御回路1210は、アンビル1200が閉鎖プロセス全体を通してステープル留めヘッドアセンブリ1300に取り付けられたまま又は結合されたままとなることを確実にするために、RFIDスキャナ1202を監視し続ける。閉鎖中に、RFIDスキャナ1202がRFIDタグ1201から信号を失った場合、制御回路1210は、閉鎖駆動アセンブリ136に、閉鎖を一時停止させ、アンビル1200が取り付けられていないか、あるいは少なくとも検出されていないことをユーザにアラートさせる(1244)。それ以外の場合、アンビルの閉鎖は、アンビル1200とステープル留めヘッドアセンブリ1300との間の閉鎖構成が、所定のゾーン又は閾値に到達する(1238)ことによって達成される(1238)まで継続する。所定のゾーン又は閾値にあるかあるいはそれを越えると、制御回路1210は、閉鎖構成でアンビル1200とステープルカートリッジ1320との間に捕捉された組織をステープル留め及び切断するために、発射駆動アセンブリ1136が発射シーケンスを開始することを可能にする(1239)。
【0076】
プロセス1220は、ステープル留めヘッドアセンブリ1300に対するアンビルの配向及び/又は着座を評価又は検出する(1247)ことを更に含む。
図12に示されるように、アンビル1200のシャンク1420は、ラッチシェルフ436が近位表面338に係合するときに、ステープル留めヘッドアセンブリ1300のトロカール330上に完全に着座される。この時点で、RFIDタグ1201は、取り付け閾値距離に達するか、又はそれを横切り、したがって、RFIDスキャナ1202によって検出される。RFIDスキャナ1202によるRFIDタグ1201の検出は、ステープル留めヘッドアセンブリ1300に対するアンビル1200の完全な着座を示す。少なくとも1つの例では、RFIDタグ1201の検出を示す入力をRFIDスキャナ1202から受信することは、制御回路1210に、アンビル1200がステープル留めヘッドアセンブリ1300に対して完全に着座していると判定させることになる。
【0077】
図12及び
図15を参照すると、様々な例において、RFIDタグ1201及び/又はRFIDタグ1203を検出するために、RFIDスキャナ1204がRFIDスキャナ1202に加えて用いられている。RFIDスキャナ1204は、ステープル留めヘッドアセンブリ1300内に位置決めされ得る。
図12に示される例では、RFIDスキャナ1204は、管状ケーシング1310によって支持されている。制御回路1210は、RFIDスキャナ1202からの入力に加えて、RFIDスキャナ1204から入力を受信するように構成され得る。少なくとも1つの例では、RFIDスキャナ1204は、RFIDタグ1203を検出するように構成されるが、RFIDスキャナ1202は、RFIDタグ1201を検出するように構成され得る。
【0078】
アンビルの配向に関して、制御回路1210は、RFIDスキャナ1202及び/又はRFIDスキャナ1204を使用してRFIDタグ1201によって送信された信号の強度を検出及び測定することによって、取り付けられたアンビル1200がステープル留めヘッドアセンブリ1300に対して適切に配向されているかどうかを判定するように構成されている。アンビル1200の適切な配向では、RFIDスキャナ1202は、RFIDタグ1201からの信号を検出し、RFIDタグ1201とRFIDスキャナ1202との間の距離d1に対応する固有の第1の信号強度を測定する。同様に、RFIDスキャナ1204は、RFIDタグ1201からの信号を検出し、RFIDタグ1201とRFIDスキャナ1204との間の距離d2に対応する固有の第2の信号強度を測定する。制御回路1210は、第1の信号強度及び/又は第2の信号強度に基づいて、アンビル1200の適切な配向を評価するように構成され得る。
【0079】
図13は、アンビル1200の不適切な配向を示し、シャンク1420は、ステープル留めヘッドアセンブリ1300との適切な配向から離れた角度αをなしている。アンビル1200とステープル留めヘッドアセンブリ1300との間の誤整列は、距離d1、d2が適切な配向におけるそれらの値と異なる原因となり、これにより、第1の信号強度及び第2の信号強度は、適切な配向におけるそれらの値とは異なることになる。
図13の例では、アンビル1200とステープル留めヘッドアセンブリ1300との間の誤整列は、距離d1の値を増加させ、距離d2の値を減少させることになる。したがって、
図13における誤整列は、適切な配向における値から、第1の信号強度を減少させ、第2の信号強度を増加させることになる。
【0080】
したがって、RFIDタグ1201によって送信される信号の強度を監視することにより、制御回路1210は、アンビル1200が1300に対して適切に配向されているかどうかを評価することができる。様々な例において、メモリ1212は、アンビル1200の適切な配向を表す信号強度の値又は範囲のデータベース又はテーブルを記憶する。そのような例では、制御回路1210は、アンビル1200が適切に配向されているかどうかを評価するために、データベース又はテーブル内の値又は範囲に対して、RFIDスキャナ1202及び/又はRFIDスキャナ1204によって収集された信号強度値をチェックすることができる。
【0081】
様々な例において、ステープル留めヘッドアセンブリ1300に対するアンビル1200の適切な配向は、上述のように、アンビル1200が完全に着座されていると判定した後に制御回路1210によって検査される。他の例では、ステープル留めヘッドアセンブリ1300に対するアンビル1200の適切な配向は、器具1100が閉鎖されているかあるいは少なくとも部分的に閉鎖された構成で、制御回路1210によって検査される。特定の例において、ステープル留めヘッドアセンブリ1300に対するアンビル1200の適切な配向は、RFIDスキャナ1202及び/又はRFIDスキャナ1204によるRFIDタグ1201の検出に続いて、制御回路1210によって連続的に検査される。
【0082】
図17は、外科用ステープル留め器具のステープル留めヘッドアセンブリに対してアンビルを適切に配向するための制御プログラム又は論理構成を示すプロセス1250の論理フロー図を示す。少なくとも1つの例では、プロセス1250は、プロセッサ1214と、プロセッサ1214によって実行されたとき、プロセッサ1214にプロセス1250を実施させる、コンピュータ実行可能命令のセットを記憶するメモリ1212と、を含む制御回路1210(
図15)によって実行される。特定の例では、メモリ1212に記憶されたコンピュータ実行可能命令のセットは、プロセッサ1214に、プロセス1250の別個の部分を実施させることができる。プロセス1250は、制御回路1210によって実行されるものとして説明されているが、これは単に簡潔にするためのものであり、本明細書に記載のプロセス1250及び他のプロセス、又はそれらの各部分は、様々なハードウェア及び/又はソフトウェア構成要素を含み得、例えば、組み合わせ論理回路又は順次論理回路などの様々な好適なシステムに配置され得るか、又はそれに関連付けられ得る回路によって実行され得ることを理解されたい。
【0083】
図15及び
図17を参照すると、制御回路1210は、上述のように、ステープル留めヘッドアセンブリ1300に対するアンビル1200の不適切な配向を検出する(1251)ように構成されている。更に、制御回路1210は、インジケータ1209を使用して、不適切な配向に関してユーザにアラートする(1252)ことができる。加えて、制御回路1210は、適切な配向を達成するために、インジケータ1209によってアンビル1200の回転の方向及び/又は角度を示唆する(1253)ことができる。制御回路1210は、RFIDスキャナ1201及び/又はRFIDスキャナ1204からの入力に基づいて適切な配向が達成されているかどうかを引き続きチェックする(1254)ことができる。制御回路1210によって適切な配向が検出されると、制御回路1210は更に、インジケータ1209に、アンビル1200がステープル留めヘッドアセンブリ1300と適切に位置合わせされたことをユーザにアラートさせる(1255)ことができる。
【0084】
上述したように、器具1100は、アンビルロックアウトアセンブリ1170を含む。アンビルロックアウトアセンブリ1170は、ひとたび安全トリガ1140が作動されると、アンビルの長手方向位置の更なる調整を防ぐように一般に構成されている。様々な例において、アンビルロックアウトアセンブリ1170は、一般にアンビル1200の作動を選択的にロックするために安全トリガ1140に応答する外側ロックアウト部材1176を含む。他の例では、制御回路1210は、ソレノイドなどの作動機構1190を使用して外側ロックアウト部材1176を駆動するように構成される。いずれの場合も、アンビルロックアウトアセンブリ1170は、ロック解除状態とロック状態との間で移行するように構成されており、(i)ロック解除状態では、ロックアウトアセンブリ1170はアンビル1200の並進を可能にするように構成され、(ii)ロック状態では、ロックアウトアセンブリ1170は、アンビル1200の並進を防止するように構成される。様々な例において、制御回路1210は、RFIDタグ1201の検出を示すRFIDスキャナ1202及び/又はRFIDスキャナ1204からの入力に基づいて、ロックアウトアセンブリ1170をロック解除状態に移行させても安全であることを、インジケータ1209を用いてユーザにアラートする。他の例では、制御回路1210は、RFIDタグ1201の検出を示すRFIDスキャナ1202及び/又はRFIDスキャナ1204からの入力に基づいて、作動機構1190を用いてロックアウトアセンブリ1170をロック解除状態に移行させる。
【0085】
上記に加えて、特定の例では、制御回路1210は、RFIDスキャナ1202及び/若しくはRFIDスキャナ1204からの入力の損失、又はRFIDタグ1201によって送信された信号の損失を示すRFIDスキャナ1202及び/若しくはRFIDスキャナ1204からの入力に基づいて、ステープル留めヘッドアセンブリ1300からのアンビル1200の取り外しを検出する。それに応答して、制御回路1210は、インジケータ1209に、アンビル1200の取り外しをユーザにアラートさせてもよく、また任意選択的に、ステープル留めヘッドアセンブリ1300へのアンビル1200の再取り付けに関する命令を提供させてもよい。追加的又は代替的に、制御回路1210は、作動機構1190に、例えば、RFIDタグ1201からの信号の再検出を示すRFIDスキャナ1202及び/又はRFIDスキャナ1204からの入力に基づいて、アンビル1200の再取り付けが制御回路1210によって検出されるまで、ロックアウトアセンブリ1170をロック状態に移行させてもよい。
【0086】
図15を参照すると、モータ160、1160がそれぞれモータドライバ161及び1161に結合されているが、これらのモータドライバは、電源(例えば電池パック120)からモータ160及び1160への電気エネルギーの流動を含めて、モータ160及び1160の動作を制御するように構成されている。様々な例において、プロセッサ1214は、モータドライバ1160、1161を介してモータ160、1160に結合される。様々な形態において、モータ160及び/又はモータ1160は、外科用エンドエフェクタによる組織治療を実現するためのギアボックス及び機械的リンクを備えたブラシ付き直流(DC)モータであり得る。一態様では、モータドライバ1160、1161は、Allegro Microsystems,Incから入手可能なA3941の形態をなすものであってもよい。他のモータドライバも、制御システム11211と共に使用するために容易に代用され得る。
【0087】
様々な形態において、モータ160、1160は、例えば、約25,000RPMの最大回転速度を有するブラシ付きDC駆動モータであってもよい。他の構成では、モータ160、1160としては、ブラシレスモータ、コードレスモータ、同期モータ、ステッパモータ、又は任意の他の好適な電気モータが挙げられ得る。モータドライバ161、1161は、例えば、電界効果トランジスタ(FET)を含むHブリッジドライバを備えてもよい。モータ160、1160は電源によって給電され得る。電源は、外科用器具又はツールに給電するための電源として使用され得る、直列に接続された多数の電池セルを含み得る電池を含んでもよい。特定の状況下では、電源の電池セルは、交換可能及び/又は再充電可能であってもよい。少なくとも1つの例では、電池セルは、電源に結合可能かつ電源から分離可能であり得るリチウムイオン電池であり得る。
【0088】
様々な態様において、本開示によるモータドライバは、ブラシ付きDCモータなどの誘導負荷に合わせて特別に設計された外部のNチャネルパワー金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)と共に使用されるフルブリッジコントローラであり得る。モータドライバは、固有の電荷ポンプレギュレータを備え、これは、完全(>10V)ゲート駆動を7Vまでの電池電圧に提供し、A3941が5.5Vまでの低減ゲート駆動で動作することを可能にする。NチャネルMOSFETに必要な上記の電池供給電圧を与えるために、ブートストラップコンデンサが用いられてもよい。ハイサイド駆動用の内部電荷ポンプにより、DC(100%デューティサイクル)動作が可能となる。フルブリッジは、ダイオード又は同期整流を使用して高速又は低速減衰モードで駆動され得る。低速減衰モードでは、電流の再循環は、ハイサイドのFETによっても、ローサイドのFETによっても可能である。電力FETは、抵抗器で調節可能なデッドタイムによって、シュートスルーから保護される。統合診断は、低電圧、温度過昇、及びパワーブリッジの異常を示すものであり、ほとんどの短絡状態下でパワーMOSFETを保護するように構成され得る。他のモータドライバを、絶対位置決めシステムを備えた追跡システム480で使用するために容易に代用することができる。
【0089】
様々な態様において、本開示のモータのうちの1つ以上は、例えば、発射駆動アセンブリ1163又は閉鎖駆動アセンブリ163の変位部材上の駆動歯のセット又はラックと噛合係合して装着されるギアアセンブリと動作可能にインターフェース接続する回転シャフトを含み得る。センサ素子は、位置センサ素子の1回転が、変位部材のいくつかの直線長手方向並進に対応するように、ギアアセンブリに動作可能に結合されてもよい。ギアリング及びセンサの構成は、ラックピニオン構成によって直線アクチュエータに、又はスパーギア若しくは他の接続によって回転アクチュエータに接続することができる。電源は、絶対位置決めシステムに電力を供給し、出力インジケータは、絶対位置決めシステムの出力を表示することができる。変位部材は、ギア減速機アセンブリの対応する駆動ギアと噛合係合するための、その上に形成された駆動歯のラックを備える長手方向に移動可能な駆動部材を表す。変位部材は、長手方向に移動可能な閉鎖部材、発射部材、発射バー、Iビーム、又はこれらの組み合わせを表す。
【0090】
特定の例では、
図15に示されるように、ステープル留めヘッドアセンブリ1300によるアンビル1200の閉鎖構成への移行が、モータ1160によって駆動される。そのような例では、制御回路1210は、上述のように、RFIDスキャナ1202及び/又はRFIDスキャナ1204からの入力に基づいて、アンビル1200の適切な配向、完全な着座、及び/又は適切なIDが制御回路1210によって検出された場合に、モータ1160がアンビル1200の閉鎖を駆動することを可能にする。したがって、アンビル1200の適切な配向、完全な着座、及び/又は適切なIDのうちの1つ以上を確立する際に失敗が検出されると、制御回路1210に、モータ1160がアンビル1200の閉鎖を開始及び/又は完了するのを防止させることになる。
【0091】
特定の例では、制御回路1210は、RFIDスキャナ1202、1204によって報告された、RFIDタグ1201、1203に記憶された情報に基づいて、ステープルカートリッジとアンビルとの適合性が確認された場合に、モータ160が、ステープル発射及び円筒形ナイフ部材340の前進を駆動することを可能にする。逆に、制御回路1210は、RFIDスキャナ1202、1204によって報告された、RFIDタグ1201、1203に記憶された情報に基づいて、ステープルカートリッジとアンビルとの適合性が確立され得ない場合に、モータ160がステープル発射及び円筒形ナイフ部材340の前進を駆動することを防止するように構成される。
【0092】
様々な例において、RFIDタグ1201、1203及びRFIDスキャナ1202、1204のうちの1つ以上のアンテナは、接続時に連動されるブースタアンテナによって補助されてもよい。様々な例において、例えば、RFIDタグ1201及びRFIDタグ1203などの外科用器具1100上のアクティブRFIDタグのアンテナは、計画された方式で外科用器具1100の正常な動作中に切断され得る。そのようなRFIDタグからの損失信号は、外科的タスクの完了を知らしめ得る。
【0093】
様々な態様において、RFIDタグは、円筒形ナイフ部材340の経路に沿って位置決めされ得る。RFIDタグは、例えば、そのアンテナを介してRFIDスキャナ1202に信号を伝送することができる。アンテナがナイフ部材340によって切断されると、信号が失われる。信号損失によって、ナイフ部材340の前進が確認され得る。
【0094】
一例では、RFIDタグは、アンビル1200の破断可能なワッシャ上に位置決めされる。そのような例では、破断可能なワッシャは、ナイフ部材340の遠位の全動作範囲の端に向かうナイフ部材340によって破断される。ナイフ部材340は、破断可能なワッシャを破断する間にRFIDタグのアンテナを切断する。アンテナが切断されると、例えば、RFIDタグからRFIDスキャナ1202に送信される信号が失われる。RFIDスキャナ1202は、制御回路1210に結合されてもよく、また信号損失を制御回路1210に報告してもよい。信号損失は、外科用器具1100の発射シーケンスの完了を示すと制御回路1210によって解釈される。
【0095】
様々な態様において、上に更に詳述されたように、例えば、器具1100などの外科用器具は、閉鎖構成で間に組織を捕捉するためにステープル留めヘッドアセンブリ1300に向かって移動可能なアンビル1200を含む。次いで、組織は、外科用器具1100の発射シーケンスにおいてステープル留め及び切断される。器具1100は、例えばRFIDタグ1201などのRFIDタグと、例えばRFIDスキャナ1202などのRFIDスキャナと、を更に含み、RFIDスキャナ1202は、RFIDタグ1201を読み取りかつ/又はそれに書き込むように構成されている。RFIDタグ1201とRFIDスキャナ1202は、組織からのRF信号の後方散乱に基づいて組織の特性を判定するために、制御回路1210によって使用され得るRFIDシステムを定義する。
【0096】
アンビル1200とステープル留めヘッドアセンブリ1300との間に把持された組織に対するRFIDタグ1201及びRFIDスキャナ1202の位置は、RF信号の後方散乱の測定に最適となるように選択され得る。少なくとも1つの例では、RFIDタグ1201及びRFIDスキャナ1202は、組織の両側に位置決めされ得る。
【0097】
組織分析を可能にするために、後方散乱データからのRF信号が収集され、既知の組織特性と相関され得る。様々な態様において、組織の様々な特性を決定するために、後方散乱データのスペクトル特性が解析され得る。少なくとも1つの例では、後方散乱データは、組織内の境界特徴を識別するために用いられる。少なくとも1つの例では、後方散乱データは、アンビル1200とステープル留めヘッドアセンブリ1300との間に把持された組織の厚さを評価するために用いられ得る。
【0098】
図18は、例えば、エンドエフェクタ2210、2210’などの多数の異なるエンドエフェクタのうちのいずれか1つ、例えば、シャフト2230、2230’、2230’’、2230’’’などの多数の異なるシャフトのうちのいずれか1つ、及びハウジングアセンブリ2240から選択的に組み立てられ得る外科用器具2200を示す。外科用器具2200の構成要素は、外科処置のタイプ、組織のタイプ、及び/又は患者の解剖学的構造を含む様々な要因に基づいて選択される。
【0099】
様々な例において、外科用器具2200のエンドエフェクタは、異なるサイズの円形ステープラエンドエフェクタである。
図18の例では、25mm及び31mmの円形ステープラエンドエフェクタが示されている。しかしながら、これは限定するものではなく、他の好適なエンドエフェクタが外科用器具2200と共に容易に利用され得る。
図18に示される例では、シャフト2230、2230’、2230’’、2230’’’は、長さ及び/又は曲率が異なるプロファイルを有する。しかしながら、これは限定するものではなく、他の好適なシャフトプロファイルを有するシャフトが外科用器具2200と共に容易に使用され得る。
【0100】
上記に加えて、シャフト2230、2230’、2230’’、2230’’’はそれぞれ、以下でより詳細に説明されるように、シャフト情報を記憶するRFIDタグ2203、2203’、2203’’、2203’’’を含む。加えて、エンドエフェクタ2210、2210’はそれぞれ、以下でより詳細に説明されるように、エンドエフェクタ情報を記憶するRFIDタグ2201、2201’を備える。
【0101】
図19は、エンドエフェクタ2210と、シャフト2230と、ハウジングアセンブリ2240とから組み立てられた例示的な外科用器具2200の概略図を示す。明確にするために、エンドエフェクタ2210、シャフト2230、及びハウジングアセンブリ2240の構成要素間の様々な構成要素及び/又は接続は取り除かれている。外科用器具2200は、多数の点で外科用器具100、1100と類似している。例えば、エンドエフェクタ2210は、多くの点でステープル留めヘッドアセンブリ300、1300に類似したステープル留めヘッドアセンブリ2300と、多くの点でアンビル400、1200に類似したアンビル2400を有している。
【0102】
動作中、外科用器具100、1100に関してより詳細に上述されたように、アンビル2400は、ステープル留めヘッドアセンブリ2300に結合される。次いで、アンビル2400は、ステープル留めヘッドアセンブリ2300を開放構成から閉鎖構成へと移行させるために、開始位置からステープル留めヘッドアセンブリ2300に向かって閉鎖ストローク又は距離「d」だけ後退される。組織は、閉鎖構成においてアンビル2400とステープル留めヘッドアセンブリ2300との間で把持される。更に、ステープル留めヘッドアセンブリ2300は、閉鎖構成においてステープルカートリッジからアンビル2400に向かって展開されるステープルを収容するステープルカートリッジを含む。ステープルは、把持された組織を通して展開され、アンビル2400のステープル成形ポケット414によって成形される。加えて、組織を切断するために、刃先342がステープル留めヘッドアセンブリ2300のデッキ表面322の遠位となる点まで、ナイフ部材340が遠位に並進される。
【0103】
上記のものに加えて又はその代わりに、ステープル留めヘッドアセンブリ2300及びアンビル2400は、開示内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、下記特許文献の教示のうちの少なくとも一部に従って、更に構築及び動作されてもよい。米国特許第5,205,459号、同第5,271,544号、同第5,275,322号、同第5,285,945号、同第5,292,053号、同第5,333,773号、同第5,350,104号、米国特許第5,533,661号、及び/又は米国特許第8,910,847号。更に他の好適な構成については、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0104】
依然として
図19を参照すると、ハウジングアセンブリ2240は、多くの点でモータ160、1160及びモータドライバ161、1161と類似する1つ以上のモータ2160と1つ以上のモータドライバ2161とを含んでいる。様々な例において、制御回路1210は、エンドエフェクタ2210を開放構成から閉鎖構成に移行させるために、モータドライバ2161を制御して、モータ2160に、ステープル留めヘッドアセンブリ2300に向かって閉鎖ストローク又は距離「d」だけアンビル2400を移動させるように構成される。制御回路1210は、閉鎖構成においてエンドエフェクタ1210によって把持された組織の中にステープルを展開し、またその組織を通じてナイフ部材340を遠位に前進させることによって、把持された組織を切断するために、モータドライバ2161を制御して、モータ2160に、発射運動においてエンドエフェクタ2210に負荷を加えさせるように更に構成される。少なくとも1つの例では、ナイフ部材340は、アンビル2400の破断可能なワッシャに向かって前進される。そのような例では、破断可能なワッシャは、ナイフ部材340の遠位の全動作範囲の端に向かうナイフ部材340によって破断される。
【0105】
外科用器具2200によって組織を適切にステープル留め及び切断するためには、外科用器具2200の選択されたエンドエフェクタ2210及び/又はシャフト2230に適した閉鎖距離及び/又は発射負荷が得られるように、モータ2160の動作パラメータを調整する必要がある。例えば、より長いシャフト及び/又は湾曲したシャフトは、より短いシャフトとは異なる閉鎖距離を必要とする。同様に、より大きなステープルカートリッジは、一般に、より小さいステープルカートリッジよりも高い発射負荷を必要とする。この問題に対処するために、外科用器具2200のエンドエフェクタは、エンドエフェクタ情報を記憶するRFIDタグ2201を備え、RFIDスキャナ2202によって検出可能である。加えて、特定の例では、外科用器具2200のシャフトはまた、シャフト情報を記憶するRFIDタグ2203を備え、RFIDスキャナ2204によって検出可能である。
図20に示されるように、プロセス2250に従って、制御回路1210は、エンドエフェクタ情報を示す入力をRFIDスキャナ2202から受信し(2252)、シャフト情報を示す入力をRFIDスキャナ2204から受信し(2254)、それらのエンドエフェクタ情報及びシャフト情報に基づいた閉鎖距離及び/又は発射負荷が得られるようにモータ2160の少なくとも1つの動作パラメータを調整する(2256)ように構成され得る。
【0106】
少なくとも1つの例では、プロセス2250は、プロセッサ1214と、プロセッサ1214によって実行されたとき、プロセッサ1214にプロセス2250を実施させる、コンピュータ実行可能命令のセットを記憶するメモリ1212と、を含む制御回路1210(
図15)によって実行される。特定の例では、メモリ1212に記憶されたコンピュータ実行可能命令のセットは、プロセッサ1214に、プロセス2250の別個の部分を実施させることができる。プロセス2250は、制御回路1210によって実行されるものとして説明されているが、これは単に簡潔にするためのものであり、本明細書に記載のプロセス2250及び他のプロセス、又はそれらの各部分は、様々なハードウェア及び/又はソフトウェア構成要素を含み得、例えば、組み合わせ論理回路又は順次論理回路などの様々な好適なシステムに配置され得るか、又はそれに関連付けられ得る回路によって実行され得ることを理解されたい。
【0107】
図19に示される例では、RFIDタグ2201とそれに対応するRFIDスキャナ2202は、エンドエフェクタ2210がシャフト2230との組み立て構成をなすときにRFIDタグ2201がRFIDスキャナ2202の検出範囲内にあるように配置されている。また、RFIDタグ2203とそれに対応するRFIDスキャナ2204は、シャフト2230がハウジングアセンブリ2240との組み立て構成をなすときにRFIDタグ2203がRFIDスキャナ2204の検出範囲内にあるように配置されている。したがって、RFIDスキャナ2202は、シャフト2230の遠位部分に位置決めされ、RFIDタグ2203は、シャフト2230の近位部分に位置決めされる。少なくとも1つの例では、RFIDタグ2201とRFIDスキャナ2202の一方又は両方が、エンドエフェクタ2210とシャフト2230との間のインターフェースに位置決めされる。追加的に又は代替的に、RFIDタグ2203とRFIDスキャナ2204の一方又は両方が、シャフト2230とハウジングアセンブリ2240との間のインターフェースに位置決めされる。
【0108】
上記に加えて、RFIDタグ2201に記憶されたエンドエフェクタ情報は、組み立て構成においてRFIDスキャナ2202によって読み取られ得、制御回路1210に通信され得る。また、RFIDタグ2203に記憶されたシャフト情報は、RFIDがスキャナ2204によって読み取られ得、制御回路1210に通信され得る。様々な態様において、エンドエフェクタ情報は、識別情報、製造業者情報、ステープルカートリッジのサイズ、タイプ、及び/若しくは色、アンビルのタイプ、並びに/又はデフォルトの閉鎖距離及び/若しくは発射負荷に対する1つ以上のより好適な調整値を含み得る。同様に、シャフト情報は、識別情報、製造業者情報、シャフトのプロファイル、並びに/又はデフォルトの閉鎖距離及び/若しくは発射負荷に対する1つ以上のより好適な調整値を含み得る。
【0109】
図21を参照すると、グラフ2260は、Y軸上の発射負荷(ポンド)とX軸上の発射時間(秒)との間の関係を表す。グラフ21は、デフォルトの未調整の発射アルゴリズム2263と、調整済みの発射アルゴリズム2263を示す。グラフ2260は、モータ2160によって外科用器具2200のエンドエフェクタ2210に加えられた発射負荷に対するデフォルトの最大発射負荷閾値2261(例えば、400ポンド)及び最終の最大発射負荷閾値2262(例えば、485ポンド)を更に示す。デフォルトの最大発射負荷閾値2261は、RFIDタグ2201に記憶され、かつ外科用器具2200のRFIDスキャナ2202によって読み取られるエンドエフェクタ2210のエンドエフェクタ情報に基づいて、最終の最大発射負荷閾値2262に調整される。
図21の例では、エンドエフェクタ情報は、デフォルトのステープルカートリッジ(例えば25mm)よりも大きなサイズ(例えば31mm)を備えるステープルカートリッジを表す。デフォルトのステープルカートリッジのサイズ(例えば、25mm)は、デフォルトの発射アルゴリズム2263及びデフォルトの最大発射負荷閾値2261と関連付けられる。一方で、より大きなステープルカートリッジのサイズ(例えば、31mm)は、最終の発射アルゴリズム2264及び最終の最大発射負荷閾値2262と関連付けられる。
【0110】
RFIDタグ2201に記憶されたエンドエフェクタ情報は、ステープルカートリッジのサイズ及び/又はカートリッジサイズに基づいた発射負荷調整値(例えば、85ポンド)を含み得る。ステープルカートリッジサイズの場合、制御回路1210は、ステープルカートリッジサイズ及び対応する発射負荷調整値のデータベース又はルックアップテーブルを使用して、適切な発射負荷調整値を探索し得る。
【0111】
更に、
図20に示されるように、エンドエフェクタ情報を示すRFIDスキャナ2201からの入力は、制御回路1210に、デフォルトの最大発射負荷閾値2261(例えば、400)を最終の最大発射負荷閾値2262(例えば、485ポンド)に調整させ、最終の最大発射負荷閾値2262を下回っているように発射アルゴリズム2264を維持させる。
【0112】
図21の例では、制御回路1210は、モータ2160に、発射アルゴリズム2263をエンドエフェクタ2210に適用させるまでの最小待機時間「t」を調整又は導入している。様々な例において、最小待機時間「t」は、組織が閉鎖構成でエンドエフェクタによって把持される、外科用器具2200のエンドエフェクタの閉鎖シーケンスの完了から、把持された組織がステープル留め及び切断される、エンドエフェクタの発射シーケンスの開始までの期間である。最小待機時間「t」は、把持された組織がより低い平均圧力に調整される組織クリープを可能にし、それによって、エンドエフェクタ2210の発射シーケンスを完了するために必要な最大発射負荷が、最終の最大発射負荷閾値2262以下の値に低減される。最小待機時間「t」のないデフォルトの発射アルゴリズム2263では、発射アルゴリズム2263は、発射負荷が最終の最大発射負荷閾値2262を超えることを防止するために、時間t3から時間t4までの期間にわたって中断され(2267)なければならない。比較すると、
図21に示すように、発射アルゴリズム2264は、t3とt4との間の期間を通して継続される。
【0113】
依然として
図21を参照すると、最小待機時間「t」に影響を及ぼし得る別の要因は、ステープル留めヘッドアセンブリ2300から展開されるステープルのユーザ選択による成形高さである。制御回路1210は、ステープルの所望の成形高さを選択するように、インジケータ1209を通してユーザに促進することができる。少なくとも1つの例では、制御回路1210は、ユーザに、選択する多数の成形高さのオプションをユーザに提示することができる。追加的に又は代替的に、制御回路1210は、外科用器具2200によって治療される組織に基づいて最適な成形高さを推奨することができる。いずれにせよ、ユーザ選択された成形高さにより、制御回路1210に、最小待機時間「t」を更に調整させることになり得る。少なくとも1つの例では、メモリ1212は、データベース又はルックアップテーブル内に、成形高さ及び対応する待機時間の調整を記憶する。制御回路1210は、ユーザ選択された成形高さに関連付けられた待機時間調整を識別し、次いで、識別された待機時間調整に従って最小待機時間「t」を調整することによって、最小待機時間「t」を調整することができる。
【0114】
一般に、より大きく成形されるステープルは、より大きな発射負荷と関連付けられ、より小さく成形されるステープルよりも長い最小待機時間「t」を必要とする。
図21の例では、ユーザ選択された成形高さ2265は、発射負荷「F2」と関連付けられ、最小発射負荷「F1」に関連付けられる最小成形高さ2266よりも大きい。最小発射負荷「F1」及び「F2」は、ステープル脚部が座屈し始める発射負荷を表す。したがって、
図21の例の待機時間「t」は、デフォルト(25mm)のステープルカートリッジサイズ、及び選択された成形高さ2265よりも大きい(31mm)ことによる結果である。
【0115】
図22を参照すると、グラフ2270は、外科用器具2200のデフォルトの最大発射負荷閾値2272(例えば、400ポンド)に対して行われる調整を示す。その調整は、上記でより詳細に説明されたように、RFIDスキャナ2202、2204から制御回路1210によって受信されたエンドエフェクタ情報2271及びシャフト情報2273に基づくものである。シャフト情報2273は、長い湾曲シャフト2230を識別し、対応する第1の調整値2274(例えば、35ポンド)をデフォルトの最大発射負荷閾値2272に与える。同様に、エンドエフェクタ情報2271は、31mmのサイズを有するステープルカートリッジを備えたエンドエフェクタ2210を識別し、対応する第2の調整値2276(例えば、85ポンド)をデフォルトの最大発射負荷閾値2272に与える。調整値2274、2276をデフォルトの最大発射負荷閾値2272に追加することにより、最終の最大発射負荷閾値2278が得られる。上述のように、調整値2274、2276は、それぞれエンドエフェクタ情報2271及びシャフト情報2273の一部であり得るか、あるいは、例えば、エンドエフェクタ2210及びシャフト2230の識別情報に基づいて、メモリ1212に記憶されたデータベース又はルックアップテーブルから制御回路1210によって決定され得る。
【0116】
少なくとも1つの例では、外科用器具2200は、湾曲した長いシャフト2230と、デフォルトのステープルカートリッジサイズ(例えば、25mm)を備えるエンドエフェクタ2210’から組み立てられ得る。そのような例では、エンドエフェクタ情報は、ゼロの調整値をもたらし、シャフト情報は、グラフ2270に示されるように、デフォルトの最大発射負荷閾値2272を最終の最大発射負荷閾値2279に修正する第1の調整値2274をもたらす。他の例では、外科用器具2200は、デフォルトの最大発射負荷閾値2272を修正するための異なる調整値をもたらすエンドエフェクタとシャフトとの様々な組み合わせから組み立てられ得る。
【0117】
図22を参照すると、グラフ2280は、外科用器具2200のデフォルトの最小閉鎖ストローク又は距離2282に対して行われた調整を示す。最小閉鎖ストローク又は距離、外科用器具2200は、例えば、エンドエフェクタ2210などの外科用器具2200のエンドエフェクタを、エンドエフェクタのアンビルとステープルカートリッジとの間に把持された組織の中に展開するのに好適な閉鎖構成にする最小許容又は推奨閉鎖ストローク又は距離である。デフォルトの最小閉鎖ストローク又は距離2282に対する調整は、上記でより詳細に説明されたように、RFIDスキャナ2202、2204から制御回路1210によって受信されたエンドエフェクタ情報2271及びシャフト情報2273に基づくものである。
【0118】
シャフト情報2273は、長い湾曲シャフト2230を識別し、対応する第1の調整値2284をデフォルトの最小閉鎖ストローク又は距離2282に与える。デフォルトのシャフトと比較して、シャフト2230の追加の長さ及び湾曲は、デフォルトの最小閉鎖ストローク又は距離2282よりも長い最小閉鎖ストローク又は距離2289をもたらす。同様に、エンドエフェクタ情報2271は、31mmのサイズを有するステープルカートリッジを備えたエンドエフェクタ2210を識別し、対応する第2の調整値2286をデフォルトの最小閉鎖ストローク又は距離2282に与える。調整値2284、2286をデフォルトの最小閉鎖ストローク又は距離2282に追加することにより、最終のデフォルトの最小閉鎖ストローク又は距離2288が得られる。上述のように、調整値2284、2286は、それぞれエンドエフェクタ情報2271及びシャフト情報2273の一部であり得るか、あるいは、例えば、エンドエフェクタ2210及びシャフト2230の識別情報に基づいて、メモリ1212に記憶されたデータベース又はルックアップテーブルから制御回路1210によって決定され得る。
【0119】
少なくとも1つの例では、外科用器具2200は、湾曲した長いシャフト2230と、デフォルトのステープルカートリッジサイズ(例えば、25mm)を備えるエンドエフェクタ2210’から組み立てられ得る。そのような例では、エンドエフェクタ情報は、ゼロの調整値をもたらし、シャフト情報は、グラフ2280に示されるように、デフォルトの最小閉鎖ストローク又は距離2282を最終の最小閉鎖ストローク又は距離2289に修正する第1の調整値2284をもたらす。他の例では、外科用器具2200は、デフォルトの最小閉鎖ストローク又は距離2282を修正するための異なる調整値をもたらすエンドエフェクタとシャフトとの様々な組み合わせから組み立てられ得る。
【0120】
上記に加えて、エンドエフェクタ情報2271及びシャフト情報2273は、制御回路1210に、外科用器具2200のユーザ選択可能な閉鎖ストローク又は距離のデフォルトの閉鎖範囲2281を調整させることができる。外科用器具2200の閉鎖範囲は、例えば、エンドエフェクタ2210などの外科用器具2200のエンドエフェクタを、エンドエフェクタのアンビルとステープルカートリッジとの間に把持された組織の中に展開するのに好適な閉鎖構成にする許容又は推奨閉鎖ストローク又は距離の範囲である。少なくとも1つの例では、外科用器具2200の閉鎖範囲は、インジケータ1209によってユーザに提示される視覚ガイドの形態をなし得る。
【0121】
様々な例において、外科用器具2200の閉鎖範囲は、RFIDスキャナ2203、2204から受信されたエンドエフェクタ情報及び/又はシャフト情報に基づいて、制御回路1210によって定義される。グラフ2280は、例えば、デフォルトの閉鎖範囲2281、調整済みの閉鎖範囲2283、及び調整済みの閉鎖範囲2285を示す。調整済みの閉鎖範囲2283は、RFIDスキャナ2204から送信されたシャフト情報に応答して、制御回路1210によって定義される。調整済みの閉鎖範囲2285は、RFIDスキャナ2202から送信されたエンドエフェクタ情報及びRFIDスキャナ2204から送信されたシャフト情報に応答して、制御回路1210によって定義される。言い換えれば、調整済みの閉鎖範囲2285は、エンドエフェクタ情報とシャフト情報との累積的な影響によって定義される。
【0122】
様々な態様において、送信されたシャフト情報は、調整済みの閉鎖範囲2283を含み得る。代替的に、送信されたシャフト情報は、デフォルトの閉鎖範囲2281の上限調整値及び下限調整値を含み得る。代替的に、伝送されたシャフト情報は、シャフト識別情報を含み得る。少なくとも1つの例では、制御回路1210は、例えば、シャフト識別情報に基づいて、メモリ1212に記憶されたデータベース又はルックアップテーブルから調整済みの閉鎖範囲2283を決定することができる。
【0123】
様々な態様において、送信されたエンドエフェクタ情報は、調整済みの閉鎖範囲を含み得る。代替的に、送信されたエンドエフェクタ情報は、デフォルトの閉鎖範囲2281の上限調整値及び下限調整値を含み得る。代替的に、送信されたエンドエフェクタ情報は、エンドエフェクタ識別情報を含み得る。少なくとも1つの例では、制御回路1210は、例えば、エンドエフェクタ識別情報に基づいて、メモリ1212に記憶されたデータベース又はルックアップテーブルから調整済みの閉鎖範囲を決定することができる。
【0124】
少なくとも1つの例では、制御回路1210は、例えば、シャフト識別情報及びエンドエフェクタ識別情報に基づいて、メモリ1212に記憶されたデータベース又はルックアップテーブルから調整済みの閉鎖範囲2285を決定することができる。少なくとも1つの例では、制御回路1210は、エンドエフェクタ情報及びシャフト情報によって提供される、デフォルトの閉鎖範囲2281の上限調整値と下限調整値との累積的な影響から調整済みの閉鎖範囲2285を決定することができる。
【0125】
更に
図22を参照すると、グラフ2290は、Y軸上の発射速度(m/s)対X軸上の時間(秒)を示す。グラフ2290の例では、発射速度は、上でより詳細に説明されたように、外科用器具2200のモータ2160(
図19)に結合され、ステープルヘッドアセンブリ2300からアンビル2400に向かうステープルの展開と、ナイフ部材340の前進とを実現するように構成された、長手方向に移動可能な発射部材の速度を表す。他の例では、発射速度は、モータ2160の回転速度であり得る。
【0126】
グラフ2290は、上でより詳しく説明されたように、RFIDスキャナ2202、2204から制御回路1210によって受信されたエンドエフェクタ情報及びシャフト情報に基づく、外科用器具2200の発射速度のデフォルトの最大閾値2292に対して行われる調整を示す。シャフト情報は、長い湾曲シャフト2230を識別し、対応する第1の調整値2294をデフォルトの最大閾値2292に与える。同様に、エンドエフェクタ情報は、31mmのサイズを有するステープルカートリッジを備えたエンドエフェクタ2210を識別し、対応する第2の調整値2296をデフォルトの最大閾値2292に与える。
【0127】
グラフ2290の例では、調整値2294、2296は、デフォルトの最大閾値2292を外科用器具2200の発射速度の最終の最大閾値2298まで低減するように組み合わされる(2295)。調整値2294、2296は、それぞれエンドエフェクタ情報及びシャフト情報の一部であり得るか、あるいは、例えば、エンドエフェクタ2210及びシャフト2230の識別情報に基づいて、メモリ1212に記憶されたデータベース又はルックアップテーブルから制御回路1210によって決定され得る。
【0128】
少なくとも1つの例では、外科用器具2200は、湾曲した長いシャフト2230と、デフォルトのステープルカートリッジサイズ(例えば、25mm)を備えるエンドエフェクタ2210’から組み立てられ得る。そのような例では、エンドエフェクタ情報は、ゼロの調整値をもたらし、シャフト情報は、グラフ2290に示されるように、デフォルトの最大閾値2282を最終の最大閾値2297に修正する調整値2294をもたらす。他の例では、外科用器具2200は、発射速度のデフォルトの最大閾値2292を修正するための異なる調整値をもたらすエンドエフェクタとシャフトとの様々な組み合わせから組み立てられ得る。
【0129】
上記に加えて、グラフ2290は、3つの異なる発射アルゴリズムを表す3つの発射速度曲線2307、2301、2302を示す。発射速度曲線2307は、発射部材の慣性を考慮し損なったことが原因で発射速度のデフォルトの最大閾値2292に準拠し損なった第1の発射アルゴリズムを表す。発射速度曲線2301は、発射部材の慣性を考慮し損なったことが原因で、静的に調整された最大閾値2298に準拠し損なった第2の発射アルゴリズムを表す。発射速度曲線2302は、動的にかつ静的に調整された最終の最大閾値2299を達成するために、静的に調整された最終の最大閾値2298を調整値2304だけ動的に修正した第3の発射アルゴリズムを表す。調整値2304は、速度曲線2302の傾き2305に基づく。
【0130】
少なくとも1つの例では、
図23に示されるように、プロセス2310は、本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具2200を動作させるための制御プログラム又は論理構成を示す。少なくとも1つの例では、プロセス2310は、プロセッサ1214と、プロセッサ1214によって実行されたとき、プロセッサ1214にプロセス2310を実施させる、コンピュータ実行可能命令のセットを記憶するメモリ1212と、を含む制御回路1210(
図15)によって実行される。特定の例では、メモリ1212に記憶されたコンピュータ実行可能命令のセットは、プロセッサ1214に、プロセス2310の別個の部分を実施させることができる。プロセス2310は、制御回路1210によって実行されるものとして説明されているが、これは単に簡潔にするためのものであり、本明細書に記載のプロセス2310及び他のプロセス、又はそれらの各部分は、様々なハードウェア及び/又はソフトウェア構成要素を含み得、例えば、組み合わせ論理回路又は順次論理回路などの様々な好適なシステムに配置され得るか、又はそれに関連付けられ得る回路によって実行され得ることを理解されたい。
【0131】
上記に加えて、プロセス2310は、エンドエフェクタ情報を示す入力をRFIDスキャナ2202から受信する(2312)ことと、シャフト情報を示す入力をRFIDスキャナ2204から受信する(2314)ことと、エンドエフェクタ情報及びシャフト情報に基づいて、外科器具2200の発射速度のデフォルトの最大閾値2292を最終の閾値2298へと静的に調整する(2316)ことと、を含む。更に、特定の例では、プロセス2310は、グラフ2290の例に示されるように、発射部材の慣性を考慮するために発射速度曲線2302の傾斜2305に基づいて、発射速度の最終の最大閾値2298を新たな最終の閾値2299へと動的に調整する(2318)ことを更に含む。
【0132】
主に
図24を参照すると、3つのモータアセンブリ5000、5000’、5000’’が、外科用器具5002と交換可能に使用可能となっている。モータアセンブリ5000、5000’、5000’’は、モータ5001、5001’、5001’’、及びギアボックス5003、5003’、5003’’をそれぞれ含む。モータ5001、5001’、5001’’は、同様の設計パラメータを有していても、巻線技術、ワイヤ品質、内部成分品質、及び/又は磁気密度に応じて異なる出力を有する。更に、モータ5001、5001’、5001’’に関連付けられたギアボックス5003、5003’、5003’’はまた、それらの材料、潤滑剤、累積公差、及び製造方法論に応じて、可変の損失及び効率を有する。これらの変形例が意味することとして、例えば、モータアセンブリ5000、5000’、5000’’などのモータアセンブリは、それらが単一の供給業者によって生産されている場合でも、同じ印加電圧及び電流に対して劇的に異なる効率及び出力を有する可能性が高い。様々な態様において、外科用器具5002は、RFIDシステム5004(
図27)を用いることによってこれらの変形に対処しており、このRFIDシステムは、例えば、モータアセンブリの変形に対処する上で外科用器具5002を支援し得るモータアセンブリ5000と関連付けられる情報を取り出すために、モータアセンブリ5000を検出し、それと通信するように構成されている。様々な態様において、例えば、モータアセンブリ5000などのモータアセンブリの検出は、以下でより詳細に説明されるように、外科用器具5002がモータアセンブリ5000と組み立てられた構成にあるときにのみ達成される。
【0133】
図26は、モータ5001、5001’、5001’’に対するY軸上のモータトルク(NM)とX軸上のモータ速度(RPM)との間の関係をそれぞれ表す3つのライン5011、5011’、5011’’を有するグラフ5009である。ライン5011、5011’、5011’’は、交換可能なモータ間に存在する変形例を示す。ライン5011、5011’、5011’’は、モータストールトルク5015を表す異なる点でY軸と交差し、また無負荷速度5017を表す異なる点でX軸と交差する。グラフ5009はまた、最大の好適な電力でのモータ速度を示す。様々な態様において、以下により詳細に記載されるように、ライン5011、5011’、5011’’によって表される関係から抽出された情報は、モータの1つ以上の動作パラメータを調整するため、制御アルゴリズムを選択するため、及び/又はデフォルト制御アルゴリズムを調整してモータアセンブリ5000、5000’、5000’’からの予測可能な出力の送達を確実にするために、制御回路1210によって使用され得る。
【0134】
依然として
図24を参照すると、外科用器具5002は、例えばモータアセンブリ5000、5000’、5000’’などのモータアセンブリと交換可能に受け入れられ、かつ解放可能に結合されるように構成されたモータアセンブリ区画5007を有するハウジングアセンブリ5006を含んでいる。簡潔にするために、外科用器具5002とモータアセンブリとの間の相互作用の以下の説明では、モータアセンブリ5000に焦点が当てられることになる。それにもかかわらず、以下の説明は、例えば、モータアセンブリ5000’などの他の好適なモータアセンブリに等しく当てはまる。ハウジングアセンブリ5006はハンドルの形態で示されているが、これは限定的なものではない。様々な例において、ハウジングアセンブリ100は、例えば、ロボットシステムの構成要素であり得る。
【0135】
外科用器具5002は、例えば外科用器具100、1100など、本明細書の別の箇所で説明される他の外科用器具に多くの点で類似している。例えば、外科用器具5002は、ハウジングアセンブリ5006から遠位に延びるシャフト5008と、シャフト5008から遠位に延びるエンドエフェクタ5019とを含む。例えば、アンビル400とステープル留めヘッドアセンブリ300とを含む円形ステープラエンドエフェクタなどの外科用器具5002と共に使用するのに好適な様々なエンドエフェクタが、本開示及び/又は本開示において参照により組み込まれる他の開示の他の箇所に記載されている。
【0136】
モータアセンブリ5000は、ハウジングアセンブリ500との組み立て構成と非組み立て構成との間でハウジングアセンブリ5006に対して移動可能である。ハウジングアセンブリ5006内の電源5014をモータアセンブリ5000に接続して、組み立て構成でモータ5001に電力供給するために、様々な好適な電気コネクタが用いられ得る。また、エンドエフェクタによって把持された組織を治療するため、モータ5001によって生成された運動をギアボックス5003からエンドエフェクタに動作可能に伝達するために、様々な好適な機械的コネクタが用いられ得る。
【0137】
2016年11月29日に発行され、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第9,504,520号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH MODULAR MOTOR」には、外科用器具5002及びモータアセンブリ5000と共に使用するのに適したいくつかの機械的及び電気的コネクタが記載されている。少なくとも1つの例では、モータアセンブリ5000は、例えば、本体5010と、ベース5011と、一対のポゴピンと、を備え、それらのポゴピンは、本体5010内に収容されたモータ5001に電力を送達するように構成されている。ポゴピンは、電源5014に結合されたハウジングアセンブリ5006内の複数のワイヤに係合することができる。様々な態様において、モータアセンブリ5000は、ラッチ部材、クランプ、クリップ、ねじ締め部材などによってハウジングアセンブリ5006のモータアセンブリ区画5007の中にあるいは少なくとも部分的にその中に固定又は保持される。モータアセンブリ5000がモータアセンブリ区画5007に挿入されるとき、モータアセンブリ5000の機械的及び電気的コネクタは、電気機械的インターフェース5023(
図27)によってハウジングアセンブリ5006内の対応する構造に結合されて、組み立て構成を形成する。
【0138】
図27を参照すると、RFIDシステム5004は、RFIDスキャナ5022と、組み立て構成においてRFIDスキャナによって検出可能なRFIDタグ5021と、を含む。様々な態様において、RFIDスキャナ5022は、組み立て構成にてRFIDタグ5021を読み取り、かつ/又はRFIDタグ5021に書き込むように構成される。
図27に示される例では、RFIDスキャナ5022は、距離「d」によって定義される検出範囲を含む。RFIDタグ5021は、モータアセンブリ5000がハウジングアセンブリ5006との組み立て構成にあるときに、距離「d」によって定義される検出範囲に、あるいはその中にある。
【0139】
依然として
図27を参照すると、RFIDスキャナ5022は、本明細書の他の箇所でより詳細に説明されるように、プロセッサ1214と、例えばメモリ1212などの記憶媒体と、を備えたマイクロコントローラを含む制御回路1210に結合されている。RFIDタグ5021は、モータアセンブリ5000が組み立て構成にてモータアセンブリ区画5007によって保持されている間に、RFIDスキャナ5022によって読み取られる、モータアセンブリ5000を示す情報を記憶する。
【0140】
少なくとも1つの例では、制御回路1210は、モータアセンブリ情報を示す入力をRFIDスキャナ5022から受信し、そのモータアセンブリ情報に基づいてモータ5001の動作の1つ以上のパラメータを調整する。制御回路1210は、モータドライバ5018用いてパラメータ調整を実施することができる。
図27に示される例では、モータドライバ5018は、ハウジングアセンブリ5006内に位置決めされ、組み立て構成にて電気機械インターフェース5023を介してモータ5001とインターフェース接続する。他の例では、モータドライバ5018は、モータアセンブリ5000の一部であり、電気機械インターフェース5023を介して制御回路1210とインターフェース接続するように構成される。
【0141】
図28を参照すると、制御回路1210のプロセッサ1214は、RFIDスキャナ5022によってRFIDタグ5021から取り出されたモータアセンブリ情報に基づいて、外科用器具5002の制御アルゴリズムを選択するように構成され得る。制御アルゴリズムは、例えば、データベース又はルックアップテーブル5030の形態で、メモリ1214に記憶され得る。代替的にあるいは追加的に、モータアセンブリのモータアセンブリ情報は、モータアセンブリと共に使用するように推奨される制御アルゴリズムを含み得る。
【0142】
様々な例において、例えば、モータアセンブリ5000のモータアセンブリ情報は、例えばモータ5001及び/又はギアボックス5003の、識別情報、製造業者情報、及び特定の公差のうちの1つ以上を含む。モータアセンブリ情報は、モデル番号、ロット番号、製造日、及び/又は任意の他の関連情報を含み得る。
【0143】
図28に示される例では、各行は、取り出されたモータアセンブリ情報に基づいてプロセッサ1214によって選択され得る、モータアセンブリに関連付けられた制御アルゴリズムを表す。左外側の列の値は、モータアセンブリMA
1~MA
nのモータアセンブリ情報を示すRFIDスキャナ5022からの入力に基づいたものである。少なくとも1つの例では、左外側の列の値は、モータアセンブリ識別番号又はモデル番号であり得る。中央の列は、モータ速度、慣性/発動ブレーキング、ストローク長、電流制限/力制限の値を含み、これらは、モータアセンブリMA
1~MA
nの各々に関連付けられる。右外の列の値は、外科用器具5002に結合されたときにモータアセンブリMA
1~MA
nに給電するように構成された電源5014の適切な電圧及び放電値を表す。
【0144】
依然として
図5を参照すると、様々な態様において、制御回路1210は、RFIDシステム5004を使用して、外科用器具5002に結合されたモータアセンブリを識別するモータアセンブリ情報を取り出すように構成されている。次いで、制御回路1210は、取り出されたモータアセンブリ情報に基づいて、電源5014の適切な電圧及び放電値をルックアップテーブル5030から決定する。
【0145】
様々な態様において、制御回路1210は、例えば、モータアセンブリ5000の動作パラメータを調整するために、式又は較正係数を用いる。式又は較正係数は、RFIDタグ5021によって記憶され、RFIDスキャナ5022からの入力を通じて制御回路1210によって受信され得る。代替的に、式又は較正係数は、そのような式又は較正係数に関連付けられたメモリアセンブリの識別情報に基づいて、例えば、メモリ1212などの記憶媒体から取り出され得る。
【0146】
図25を参照すると、プロセス5050の論理フロー図が、例えば、外科用器具5002のモータ5001の動作パラメータを調整するための制御プログラム又は論理構成を示している。少なくとも1つの例では、プロセス5050は、プロセッサ1214と、プロセッサ1214によって実行されたとき、プロセッサ1214にプロセス5050を実施させる、コンピュータ実行可能命令のセットを記憶するメモリ1212と、を含む制御回路1210(
図27)によって実行される。特定の例では、メモリ1212に記憶されたコンピュータ実行可能命令のセットは、プロセッサ1214に、プロセス5050の別個の部分を実施させることができる。プロセス5050は、制御回路1210によって実行されるものとして説明されているが、これは単に簡潔にするためのものであり、本明細書に記載のプロセス5050及び他のプロセス、又はそれらの各部分は、様々なハードウェア及び/又はソフトウェア構成要素を含み得、例えば、組み合わせ論理回路又は順次論理回路などの様々な好適なシステムに配置され得るか、又はそれに関連付けられ得る回路によって実行され得ることを理解されたい。
【0147】
様々な態様において、プロセス5050は、例えば、RFIDスキャナ5022によってRFIDタグ5021から内部構成要素識別情報を読み取る(5051)ことを含む。少なくとも1つの例では、内部構成要素は、モータアセンブリ5000、モータ5001、ギアボックス5003、又は電源5014である。プロセス5050は、アルゴリズム調整パラメータが内部構成要素識別情報に含まれるかどうかを更に判定する(5052)。そうである場合、プロセス5050は、受信されたアルゴリズム調整パラメータに従って、内部構成要素に関連付けられた制御アルゴリズムを調整する(5053)。アルゴリズム調整パラメータが含められる場合、プロセス5050は、内部構成要素識別情報を使用し(5054)て、アルゴリズム調整パラメータを取り出すか、あるいは、内部構成要素識別情報及び対応するアルゴリズム調整パラメータ又は制御アルゴリズムのデータベース又はルックアップテーブルに基づいて内部構成要素に対して、適切な制御アルゴリズムを選択する。
【0148】
多くの外科用器具は、電池を利用して、外科用器具を動作させるのに必要な電力を提供する。そのような電池には、例えば、アルカリ電池若しくはリチウム電池などの一次セル/非充電式電池、又はニッケル金属水素化物電池若しくはリチウムイオン電池などの二次セル/充電式電池が含まれ得る。異なるタイプの電池は、異なる材料、化学的性質、サイズ、電気的特性(例えば、公称電圧、放電率など)、放電効率、及びコストを有し得る。所与の外科用器具で利用される電池のタイプは典型的には、とりわけ、使い捨て可能か再充電可能か、サイズ、出力特性、及びコストなどの様々な要因に基づいて選択される。
【0149】
電池の技術が進歩し続けると、異なる容量、出力特性などを有する異なる電池用化学物質も進化し続ける。ここで、所与の外科用器具の有効寿命全体を通して、異なる能力を有し、異なる製造業者によって作製される異なる電池パックが、所与の外科用器具と共に、異なる時間に利用され得ることが考えられる。そのような場合、外科用器具の性能を最適化するために、所与の外科用器具が異なる電池同士を区別できることが望ましい。
【0150】
ここでまた、所与の電池の有効寿命全体を通して、所与の電池が異なる時間に異なる外科用器具に給電するために利用され得るが、異なる外科器具の電力要件は変化し得ることも考えられる。したがって、電池の能力を所与の外科用器具の電力要件に調和させるために、電池が、異なる外科用器具同士を区別でき、必要に応じて電池の電気的特性を調整できることが望ましい。
【0151】
図29は、本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具3000の部分斜視図を示す。外科用器具3000は、上記の外科用円形ステープル留め器具10と類似しており、ハウジングアセンブリ3002と、シャフトアセンブリ3004と、ステープル留めヘッドアセンブリ(図示せず)と、アンビル(図示せず)と、を含み、ここで、ハウジングアセンブリ3002はハウジングアセンブリ100と同様又は同一のものであり、シャフトアセンブリ3004はシャフトアセンブリ200と同様又は同一のものであり、ステープル留めヘッドアセンブリ(図示せず)はステープル留めヘッドアセンブリ300と同様又は同一のものであり、アンビル(図示せず)はアンビル400と同様又は同一のものである。
図29に示されるように、外科用器具3000はまた、電池3006を受け入れるように構成されている。いくつかの態様では、外科用器具3000は、電池3006を更に含む。
図29では明確にするために示されていないが、外科用器具はまた、モータ160と同様又は同一である電気モータ3008(
図30を参照)を含んでいる。電気モータ3008は、電池3006と結合可能であり、アンビルとステープルヘッドアセンブリとの間に組織を把持するために、またステープル留めヘッドアセンブリのステープルを把持された組織の中に発射するために、アンビルをステープルヘッドアセンブリに向かって移動させるように構成されている。外科用器具3000は、円形ステープラとして示されているが、他の態様によれば、外科用器具3000は、線形ステープラ又は他の動力付き外科用器具であり得ることが理解されよう。様々な態様において、適応型の外科用器具3194は、多くの点で外科用器具2200と同様であり、
図18に例示される外科用器具2200の交換可能な構成要素のうちの1つ以上から組み立てられ得る。
【0152】
電池3006は、任意の好適なタイプの電池であってよく、任意の好適な数のセルを含んでよい。例えば、様々な態様によれば、電池3006には、リチウムマンガン酸化物(Li-MnO2)又はCR123電池などのリチウム電池、15270電池などのリチウムイオン電池、酸化マンガン(MnO2)電池などのアルカリ電池、ニッケル金属水素化物電池などが含まれ得る。少なくとも1つの態様では、電池3006は、複数のセルを含む電池パックの形態をなす。簡潔にするために、電池3006は、以下、電池パック3006と呼ばれる。電池パック3006は、電池パック120と同様であるが、電池パック3006は、電池パック3006内に位置決めされた無線周波数識別(RFID)タグ3010を含むという点で異なる。RFIDタグ3010は、電池パック3006に関連する情報を記憶し、そのような情報には、例えば、電池識別番号、電池パック3006内の電池の製造業者/ブランド、電池パック30076内の電池の化学的性質/タイプ(リチウム、リチウムイオンなど)、電池パック3006内の電池のタイプが充電式であるか非充電式であるか、電池パック3006の容量、電池パック3006内の電池の公称電圧、電池パック3006内の電池の電流引き出し特性、電池パック3006内の他の出力特性などが含まれ得る。RFIDタグ3010は、サイズにおいて非常に小型であり(例えば、13平方mm以下)、それによって、電池パック3006の全体的なサイズを過度に増大させることなく、RFIDタグ3010を電池パック3006の中に組み込むことが可能となっている。様々な態様によれば、RFIDタグ3010は、米国特許第9,171,244号に記載されている小型RFIDタグと類似し得る。
【0153】
外科用器具3000は、外科用器具3000がRFIDスキャナ3012を更に含むという点において、外科用円形ステープル留め器具10とは異なっている。RFIDスキャナ3012は、ハウジングアセンブリ3002内に位置決めされるものであり、またRFIDタグ3010に記憶された情報を読み取るように構成されており、ここで記憶される情報は電池パック3006に関連するものである。RFIDスキャナ3012はまた、処理のために外科用器具3000の制御回路3014(
図30を参照)に、読み取った情報を示すデータを通信するように構成されている。RFIDタグ3010とRFIDスキャナ3012は協働して、外科用器具3000が集合的に電池パック3006を識別し、電池パック3006が外科用器具3000との使用に適しているか否かを判定することを可能にする。
【0154】
図29に示されるように、RFIDスキャナ3012は、ハウジングアセンブリ3002の電池インターフェース3013に位置決めされている。RFIDタグ3010は、電池3006がハウジングアセンブリ3002に組み付けられているか、又は少なくとも部分的に組み付けられている構成で、RFIDスキャナ3012によって検出されるように構成されている。このアプローチは、RFIDスキャナ3012によるRFIDタグ3010の検出を、電池3006のハウジングアセンブリ3002への組み付けにテザリングすることによる別個のスキャン工程の必要性を排除する。また、検出された電池3006が、最終的にハウジングアセンブリ3002に組み付けられるものとなることが確実となる。様々な態様において、RFIDスキャナ3012の検出範囲は、電池3006がハウジングアセンブリ3002に組み付けられているか、又は少なくとも部分的に組み付けられている構成においてのみ、対応するRFIDタグ3010を検出できるように制限される。
【0155】
同様に、RFIDスキャナ3032は、ハウジングアセンブリ3002の電池インターフェース3013に位置決めされている。RFIDタグ3032は、電池3006がハウジングアセンブリ3002に組み付けられているか、又は少なくとも部分的に組み付けられている構成で、RFIDスキャナ3034によって検出されるように構成されている。様々な態様において、RFIDスキャナ3034の検出範囲は、電池3006がハウジングアセンブリ3002に組み付けられているか、又は少なくとも部分的に組み付けられている構成においてのみ、対応するRFIDタグ3032を検出できるように制限される。
【0156】
様々な態様において、
図29に示されるように、RFIDスキャナ3034及びRFIDタグ3010は、組み立て構成で、RFIDタグ3032及びRFIDスキャナ3012とそれぞれ整列されるように構成されている。この整列は、達成されると、RFIDタグ3010をRFIDスキャナ3012の検出範囲内に、RFIDタグ3032をRFIDスキャナ3034の検出範囲内に位置させる。
【0157】
図30は、本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具3000の制御回路3014を示す。制御回路3014は、RFIDスキャナ3012に通信可能に接続されており、また、制御回路3014がプロセッサ3016と、例えばメモリ3018などの記憶媒体と、を含むという点で、制御回路1210と類似している。メモリ3018は、例えば、電池パック3006が外科用器具3000と適合性があるかどうかを判定する(例えば、電池適合性検証)など、様々なプロセスを実施するためのプログラム命令を記憶する。プログラム命令は、プロセッサ3016によって実行されると、RFIDタグ3010から受信された情報をメモリ3018に記憶された情報と比較することによって、プロセッサ3016に、電池パック3006と外科用器具3000との適合性を検証させる。メモリ3018に記憶される情報は、外科用器具3000と共に利用され得る電池の識別情報、外科用器具3000と共に利用され得る電池の出力特性などに関する情報を含む、例えば、適合性データベース又はルックアップテーブルの形態をなしてもよい。様々な態様によれば、制御回路3014は、外科用器具3000及び/又は外科用ハブシステムの他のプロセッサ及び/又はメモリに通信可能に接続され、また、制御回路3014の説明された機能は、外科用器具3000及び/又は外科用ハブシステムの他のプロセッサ及び/又はメモリを用いて実現され得る。外科用ハブシステムについては、参照によってその内容全体が本明細書に組み込まれる、2018年12月4日出願の米国特許出願第16/209,395号、発明の名称「METHOD OF HUB COMMUNICATION」に記載されている。
【0158】
図31は、本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具3000を動作させるための制御プログラム又は論理構成を示すプロセス3020の論理フロー図を示す。少なくとも1つの例では、プロセス3020は制御回路3014によって実行される。特定の例では、制御回路3014のメモリ3018に記憶されたコンピュータ実行可能命令のセットが、制御回路3014のプロセッサ3016に、プロセス3020の別個の動作を実施させてもよい。プロセス3020は、制御回路3014によって実行される状況において説明されているが、本明細書に記載のプロセス3020及び他のプロセス、又はそれらの各部分は、様々なハードウェア及び/又はソフトウェア構成要素を含み得、例えば、組み合わせ論理回路又は順次論理回路などの様々な好適なシステムに配置され得るか、又はそれに関連付けられ得る回路によって実行され得ることを理解されたい。
【0159】
図31に示されるように、プロセス3020は、RFIDスキャナ3012を介してRFIDタグ3010の電池情報を検出する(3022)ことを含む。様々な態様において、RFIDスキャナ3012は、電池パック3006が外科用器具3000に近付けられるときは常に検出を実施することができる。他の例では、RFIDスキャナ3012は、電池パック3006が外科用器具3000のハウジングアセンブリ3002に挿入された後に検出を実施する。RFIDスキャナ3012はその後、RFIDタグ3010の検出された電池情報を示すデータを制御回路3014に通信する(3024)。データの通信は、有線通信又は無線通信によって実現され得る。制御回路3014のプロセッサ3016はその後、制御回路3014のメモリ3018に記憶され得る電池/外科用器具適合性データベース又はルックアップテーブルに対して、通信されたデータをチェック/比較する(3026)。チェック/比較3026が一致3029をもたらす場合、プロセッサ3016は、電池パック3006が外科用器具3000との使用に適合性があると判定し(3028)、外科用器具3000のユーザは、例えば、発光ダイオード又はスピーカなどの視覚的又は聴覚的インジケータによって、その適合性をアラートされ得る。しかしながら、チェック/比較3026が一致3029をもたらさない場合、プロセッサ3016は、電池パック3006が外科用器具3000との使用に適合性がないと判定し(3030)、外科用器具3000のユーザは、例えば、発光ダイオード又はスピーカなどの視覚的又は聴覚的インジケータによって、その非適合性をアラートされ得る。追加的に、少なくとも1つの態様では、プロセッサ3016が、電池パック3006が外科用器具3000との適合性がないと判定すると、プロセッサ3016は、(例えば、外科用器具3000の電気モータ3008に電力が印加されることを防止することによって)外科用器具3000の1つ以上の機能を電気的にロックアウトさせるように動作する信号又は命令を通信することができる。プロセス3020は、所与の電池パック3006の状況で説明されたが、上述のプロセス3020は、任意の数の異なる電池パックに対して任意の回数繰り返され得ることが理解されよう。
【0160】
図29に戻ると、少なくとも1つの態様において、外科用器具3000は、ハウジングアセンブリ3002内に位置決めされたRFIDタグ3032を更に含んでおり、電池パック3006は、電池パック3006内に位置決めされたRFIDスキャナ3034を更に含んでいる。RFIDタグ3032は、RFIDタグ3010と類似しており、外科用器具3000に関連する情報を記憶する。そのような情報としては、例えば、外科用器具識別番号、外科用器具の製造業者/ブランド、外科用器具のタイプ(円形ステープラ、線形ステープラ、把持器など)、外科用装置内のモータのタイプ(ブラシ付き、ブラシレス)、外科用器具の性能能力、外科用器具に存在する制御アルゴリズムなどが含まれ得る。RFIDスキャナ3034は、RFIDスキャナ3012と類似しており、外科用器具3000に関する、RFIDタグ3032に記憶された情報を読み取り、読み取られた情報を示すデータを処理のために電池パック3006の制御回路3040(
図32を参照)に通信するように構成されている。RFIDタグ3032とRFIDスキャナ3034は協働して、電池パック3006が外科用器具3000を識別し、電池パック3006との使用に外科用器具3000が適していることを確認することを可能にする。
【0161】
図32は、本開示の少なくとも1つの態様による、電池パック3006の制御回路3040を示す。制御回路3040は、RFIDスキャナ3034に通信可能に接続されており、また、制御回路3040がプロセッサ3042と、例えばメモリ3044などの記憶媒体と、を含むという点で、制御回路3014と類似している。メモリ3044は、例えば、外科用器具3000が電池パック3006との適合性を有するかどうかを判定する(例えば、外科用器具適合性検証)など、様々なプロセスを実施するためのプログラム命令を記憶する。プログラム命令は、プロセッサ3042によって実行されると、RFIDタグ3032から受信された情報をメモリ3044に記憶された情報と比較することによって、プロセッサ3044に、外科用器具3000と電池パック3006との適合性を検証させる。メモリ3044に記憶された情報は、例えば、適合性データベース又はルックアップテーブルの形態をなし得るが、これには、様々な外科用器具の識別情報、様々な外科用器具の電力要件、様々な外科用器具の性能パラメータなどに関する情報が含まれる。外科用器具3000と電池パック3006との適合性を検証するために制御回路3040によって実行されるプロセスは、外科用器具3000と電池パック3006との適合性を検証するために制御回路3014によって利用されるプロセス3020と類似している。例えば、プロセッサ3042が、外科用器具3000が電池パック3006と適合性がないと判定した場合、プロセッサ3042は、電池パック3006を電気的にロックアウトし、電池パック3006が外科用器具3000に電力を供給するのを防止するように動作する信号又は命令を通信し得る。
【0162】
上記の態様を考慮すれば、いくつかの異なる電池が外科用器具3000と適合することができることが理解されよう。言い換えれば、外科用器具3000は、いくつかの異なる電池と適合性があり得る。外科用器具3000が、RFIDスキャナ3012及びRFIDタグ3032を含み、様々な電池が、RFIDタグ3010及びRFIDスキャナ3034の機能と同様又は同一のRFIDタグ及びRFIDスキャナを含むとき、外科器具3000は複数の異なる電池を識別し、それらの電池の各々と外科用器具3000との適合性を判定することができる。同様に、電池パック3006が、RFIDスキャナ3010及びRFIDタグ3034を含み、様々な外科用器具が、RFIDタグ3032及びRFIDスキャナ3032の機能と同様又は同一のRFIDタグ及びRFIDスキャナを含むとき、電池パック3006は複数の異なる外科用器具を識別し、それらの外科用器具の各々と電池パック3006との適合性を判定することができる。
【0163】
図33は、本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具3000と複数の異なる電池パック3006a、3006b、3006cとの適合性を示す。電池パック3006aは、その中に位置決めされたRFIDタグ3010a及びRFIDスキャナ3034aを含み、電池パック3006bは、その中に位置決めされたRFIDタグ3010b及びRFIDスキャナ3034bを含み、電池パック3006cは、その中に位置決めされたRFIDタグ3010c及びRFIDスキャナ3034cを含む。様々な態様によれば、電池パック3006aは、CR123/リチウム電池を含み、電池パック3006bは、15270/リチウムイオン電池を含み、電池パック3006cは、リチウム電池又はリチウムイオン電池以外の電池を含む。上述のように、電池パック3006a、3006b、3006cのうちのいずれか1つが外科用器具3000に近接しているか、あるいは外科用器具3000によって受け入れられているとき、それぞれのRFIDタグ/RFIDスキャナのペアは、(1)適用可能な電池パック3006a、3006b、3006cを識別し、適用可能な電池パック3006a、3006b、3006cが外科用器具3000との使用に適合性/妥当性を有するかどうかを判定する能力を、外科用器具3000が有すること、(2)外科用器具3000を識別し、外科用器具3000が適用可能な電池パック3006a、3006b、3006cとの使用に適合性/妥当性を有するかどうかを判定する能力を、電池パック3006a、3006b、3006cのいずれかが有すること、を可能にする。
【0164】
異なる電池は、異なる化学的性質、異なる容量、異なる出力特性、異なる動作能力などを有し得、異なる外科用器具は、異なる電力要件を有し得る。
図34は、本開示の少なくとも1つの態様による、異なる電池パックによって給電されるときの、外科用器具3000の様々なモータトルク/速度/電流の関係を示すグラフ3050を示す。グラフ3050について言えば、速度(又は電流)の単位が垂直軸3052に沿って示され、トルクの単位が水平軸3054に沿って示されている。実線3056は、リチウムイオン/15270電池のトルクと速度との関係を表し、実線3056の左端は無負荷速度を表し、実線3056の右端はストールトルクを表す。実線3058は、リチウム/CR-123電池のトルクと速度との関係を表し、実線3058の左端は無負荷速度を表し、実線3058の右端はストールトルクを表す。一般に、トルクは、外科用器具3000の電気モータ3008の出力シャフトの速度に反比例する。言い換えれば、速度が大きいほど、トルクが小さくなる(あるいはトルクが大きいほど、速度が小さくなる)。
【0165】
破線3060は、リチウムイオン/15270電池から引き出された電流を表し、破線3060の左端は無負荷電流を表し、破線3060の右端はストール電流を表す。破線3062は、リチウム/CR-123電池から引き出された電流を表し、破線3062の左端は無負荷電流を表し、破線3062の右端はストール電流を表す。両方の電池について言えば、電気モータ3008の内部摩擦を克服するためにある特定の量の電流を要するため、無負荷電流はゼロよりも大きい。一般に、外部負荷が加えられると、それぞれの電池から引き出される電流が増加して、それに調和する必要があるトルクが生成され(トルクは印加電流に比例する)、電気モータ3008の速度が低下する。外部負荷が更に増加すると、電気モータ3008の速度が更に低下し、最終的にストールに達する。上記を考慮すると、モータトルク/速度/電流の関係は、外科用器具3000に給電するために利用される特定の電池パックに相当に基づいて変動し得ることが理解されよう。
【0166】
図35は、本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具3000と共に利用され得る異なる電池パックの様々なエネルギー密度を示す棒グラフ3070を示す。それぞれのエネルギー密度は、単位質量当たりの異なる電池パックに蓄積されたエネルギーの量を表す。グラフ3070について言えば、質量キログラムあたりのワット時間(Wh/Kg)が垂直軸3072に沿って示され、異なる電池パックが水平軸3074に沿って示されている。ニッケル金属水素化物充電式電池のエネルギー密度を表すバー3076は、約80Wh/Kgとして示され、リチウムイオン充電式電池のエネルギー密度を表すバー3078は、約160Wh/Kgとして示され、アルカリマンガン酸化物(MnO
2)電池のエネルギー密度を表すバー3080は、約205Wh/Kgとして示され、一次/使い捨てリチウム電池のエネルギー密度を表すバー3082は、約400Wh/Kgとして示されている。上記を考慮すると、外科用器具3000と共に利用され得る様々な電池パックのエネルギー密度が相当に変動し得ることが理解されよう。
【0167】
図36は、本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具3000と共に利用され得る異なる電池パックの実エネルギー密度と定格エネルギー密度との比較を示す棒グラフ3090を示す。グラフ3090について言えば、質量キログラムあたりのワット時間(Wh/Kg)が垂直軸3092に沿って示され、異なる電池パックが水平軸3094に沿って示されている。各異なるタイプの電池について言えば、実エネルギー密度は、定格エネルギー密度未満である。ニッケル金属水素化物充電式電池又はリチウムイオン充電式電池などに関するいくつかの例では、実エネルギー密度は、定格エネルギー密度よりも約15%~20%低いに過ぎない。一次/使い捨てリチウム電池の場合、実エネルギー密度は、定格エネルギー密度よりも約30%低い。アルカリマンガン酸化物(MnO
2)電池の場合、実エネルギー密度は、定格エネルギー密度よりも約75%低い。より具体的に言えば、ニッケル金属水素化充電式電池の場合、定格エネルギー密度を表すバー3096は、約75Wh/Kgとして示され、実エネルギー密度を表すバー3098は、約60Wh/Kgとして示されている。一次/使い捨てリチウムイオン電池の場合、定格エネルギー密度を表すバー3100は、約140Wh/Kgとして示され、実エネルギー密度を表すバー3102は、約120Wh/Kgとして示されている。アルカリマンガン酸化物(MnO
2)電池の場合、定格エネルギー密度を表すバー3104は、約210Wh/Kgとして示され、実エネルギー密度を表すバー3106は、約50Wh/Kgとして示されている。一次/使い捨てリチウム電池の場合、定格エネルギー密度を表すバー3108は、約250Wh/Kgとして示され、実エネルギー密度を表すバー3110は、約170Wh/Kgとして示されている。上記を考慮すると、外科用器具3000と共に利用され得る所与の電池の予想/定格エネルギー密度が相当に変動し得ることが理解されよう。
【0168】
図37は、本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具3000と共に利用され得る異なる電池パックの公称電圧を示す棒グラフ3111を示す。グラフ3111について言えば、セル電圧の単位(V)が垂直軸3112に沿って示され、異なる電池パックが水平軸3114に沿って示されている。一次/使い捨てリチウム電池の場合、公称セル電圧を表すバー3116は、約3.0ボルトとして示されている。酸化銀電池の場合、公称セル電圧を表すバー3118は、約1.6ボルトとして示されている。アルカリマンガン酸化物(MnO
2)電池の場合、公称セル電圧を表すバー3120は、約1.5ボルトとして示されている。ニッケル金属水素化物充電式電池の場合、公称セル電圧を表すバー3122は、約1.3ボルトとして示されている。リチウムイオン充電式電池の場合、公称セル電圧を表すバー3124は、約3.8ボルトとして示されている。上記を考慮すると、外科用器具3000と共に利用され得る種々の電池セルの公称電圧が相当に変動し得ることが理解されよう。
【0169】
異なる企業によって作製され得る異なるブランドの電池は、所与の放電速度(例えば、電流/時間)に対して異なる容量(例えば、アンペア時)を有し得る。例えば、異なるブランドのCR-123A/CR17335電池は、所与の放電速度に対して異なる容量を有し得る。異なるブランドのCR-123A/CR17335電池の所与の放電速度に対する異なる容量が以下の表B1に記載されており、それぞれの放電電流は、それぞれの電池を1時間で放電する。
【0170】
【0171】
表B1に示されるように、電池の容量は、放電電流に応じて変動し得る。例えば、Autec電池の場合、容量は表B1に、100mAの放電電流で0.616アンペア時、700mAの放電電流で0.688アンペア時、1500mAの放電電流で0.439アンペア時、2200mAの放電電流で0.625アンペア時として示されている。表B1にも示されるように、700MAの放電電流では、異なるブランドのCR-123A/CR17335電池の容量は、Autec電池の場合の低い0.688アンペア時から、Panasonic電池の場合の高い1.260アンペア時まで変動し得る。1500mAの放電電流では、異なるブランドのCR-123A/CR17335電池の容量は、Autecブランドの場合の低い0.439アンペア時から、PowPowerブランドの場合の高い0.801アンペア時まで変動し得る。2200mAの放電電流では、異なるブランドのCR-123A/CR17335電池の容量は、Maxellブランドの場合の低い0.543アンペア時から、PowPowerブランドの場合の高い0.817アンペア時まで変動し得る。上記を考慮して、外科用器具3000と共に利用され得る異なる電池の容量は、電池の製造業者/ブランドと電池の放電電流の両方に応じて相当に変動し得ることが理解されよう。
【0172】
図38は、本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具3000と共に利用され得る異なるCR123A/CR17335電池の放電曲線を示すグラフ3130を示す。グラフ3130について言えば、電圧の単位(ボルト)が縦軸3132に沿って示され、アンペア時(Amp-Hrs)におけるエネルギー電荷の単位が水平軸3134に沿って示され、それぞれの放電曲線は、異なるブランドの電池に関して表B1に列挙された2文字コード(例えば、AU、DC、EI、MX、PS、PW、PP、SY、TE)で標示されている。それぞれの放電曲線は、上記の表B1に列挙された異なるブランドのCR-123A/CR17335電池に対応し、1500mAの放電電流に基づいたものである。
図38に示すように、各ブランドのCR-123A/CR17335電池は、それ自体の特徴的な公称電圧及びそれ自体の特徴的な放電曲線を有し得る。言い換えれば、各ブランドのCR-123A/CR17335電池は、異なる時間にわたって異なる電圧を提供し得る。例えば、Autec電池(Au)は、その電圧が2.0ボルトに低下する前に0.3アンペア時のエネルギー電荷を提供したものとして示され、PowPower電池(PP)は、その電圧が2.0ボルトに低下する前に約0.8アンペア時のエネルギー電荷を提供したものとして示されている。上記を考慮すると、外科用器具3000と共に利用され得る異なる電池によって提供されるエネルギー電荷が相当に変動し得ることが理解されよう。
【0173】
図39は、本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具3000と共に利用され得るリチウムイオン電池の放電曲線3142を示すグラフ3140を示す。グラフ3140について言えば、電圧の単位(ボルト)が垂直軸3144に沿って示され、容量の単位(アンペア時)が水平軸3146に沿って示されている。
図39に示されるように、リチウムイオン電池の公称電圧は約4.3ボルトであり、リチウムイオン電池は、約5.0アンペア時の容量をリチウムイオン電池が放出するまで少なくとも約3.75ボルトの電圧を提供し、次いで、リチウムイオン電池によって提供される電圧はその後、著しく低下し、ついにリチウムイオン電池はその容量の約5.5アンペア時を完全に放出する。
【0174】
所与の電池の放電速度は、温度によって異なり、時には劇的に異なり得る。
図40は、本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具3000と共に利用され得るリチウムイオン電池の異なる温度に対する異なる放電曲線を示すグラフ3150を示す。グラフ3150について言えば、電圧の単位(ボルト)が垂直軸3152に沿って示され、容量の単位(アンペア時)が水平軸3154に沿って示され、放電電流は、リチウムイオン電池のC/5レートに相当する1100mAである。Cレートとは、電池が放電する速度の、電池の最大容量に対する尺度である。
図40に示されるように、放電曲線3156について言えば、これは-40℃でのリチウムイオン電池の放電曲線を表すものであり、リチウムイオン電池は、リチウムイオン電池が約2.0アンペア時の容量を放出するまで少なくとも3.0ボルトの電圧を提供し、次いで、リチウムイオン電池が約3.5アンペア時の容量を放出するまで、3.0ボルトをわずかに下回る電圧を提供し、次いで、リチウムイオン電池によって提供される電圧は、その後に著しく低下し始める。放電曲線3158について言えば、これは-30℃でのリチウムイオン電池の放電曲線を表すものであり、リチウムイオン電池は、リチウムイオン電池が約4.1アンペア時の容量を放出するまで少なくとも3.0ボルトの電圧を提供し、次いで、リチウムイオン電池によって提供される電圧は、その後に著しく低下し始める。放電曲線3160について言えば、これは20℃でのリチウムイオン電池の放電曲線を表すものであり、リチウムイオン電池は、リチウムイオン電池が約4.8アンペア時の容量を放出するまで少なくとも3.8ボルトの電圧を提供し、次いで、リチウムイオン電池によって提供される電圧は、その後に著しく低下し始める。放電曲線3162について言えば、これは60℃でのリチウムイオン電池の放電曲線を表すものであり、リチウムイオン電池は、リチウムイオン電池が約4.5アンペア時の容量を放出するまで少なくとも3.80ボルトの電圧を提供し、次いで、リチウムイオン電池によって提供される電圧は、その後に著しく低下し始める。上記を考慮すると、所与のリチウムイオン電池の放電速度は、温度によって直線的に変化することはなく、また低すぎる温度又は高すぎる温度は、リチウムイオン電池の性能に悪影響を及ぼし得ることが理解されよう。
【0175】
所与の電池のエネルギー容量は、電池が放電される速度に基づいて変化し得る。
図41は、本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具3000と共に利用され得るCR123電池の異なる放電率に対する異なる放電曲線を示すグラフ3170を示す。グラフ3170について言えば、電圧の単位(ボルト)が垂直軸3172に沿って示され、電力の単位のワットアワー(ワット時)が水平軸3174に沿って示され、CR123電池はPanasonic Lithium Power電池である。放電曲線3176によって示されるように、3.0アンペアの放電電流の場合、電池のエネルギー容量は約1.2ワット時である。放電曲線3178によって示されるように、2.0アンペアの放電電流の場合、電池のエネルギー容量は約2.3ワット時である。放電曲線3180によって示されるように、1.0アンペアの放電電流の場合、電池のエネルギー容量は約3.2ワット時である。放電曲線3182によって示されるように、0.5アンペアの放電電流の場合、電池のエネルギー容量は約3.7ワット時である。放電曲線3184によって示されるように、0.2アンペアの放電電流の場合、電池のエネルギー容量は約4.1ワット時である。放電曲線3186によって示されるように、0.1アンペアの放電電流の場合、電池のエネルギー容量は約4.25ワット時である。上記を考慮すると、一般に、放電電流が低いほど、CR123電池のエネルギー容量が大きくなることが理解されよう。言い換えれば、一般に、放電電流が高いほど、CR123電池リのエネルギー容量が低くなる。
【0176】
図42は、本開示の少なくとも1つの態様による、ダム電池3190と、インテリジェント電池3192と、適応型外科用器具3194との間の様々な動作上の相違を示す。様々な態様において、電池パック3006は、ダム電池3190として構成され得る。ダム電池3190の場合、ダム電池31900が外科用器具(例えば、外科用器具3000)に近付けられるか、又は器具によって受け入れられるときに、ダム電池3190のRFIDタグは、通電され(3196)、ダム電池3190は次いで、外科用器具のRFIDスキャナに電池識別情報を通信する。次いで、外科用器具は、上記のように電池識別情報を利用して、ダム電池3190と外科用器具との適合性を確認することができる。
【0177】
様々な態様において、電池パック3006は、インテリジェント電池3192として構成され得る。インテリジェント電池3192は、外科用器具の識別情報を読み取り(3198)、識別された外科用器具がインテリジェント電池3192との使用に適合しているかどうかを判定/検証し(3200)、識別された外科用器具の適切な性能のために必要に応じて、インテリジェント電池3192の出力特性を調整し(3202)、インテリジェント電池3192の出力を通電し(3204)、識別された外科用器具に、予想される電池識別情報を提供する(3206)ように構成され、識別された外科用器具が、既知の適合性のある電池によって給電されていることを認識する。このようにして、識別された外科用器具の適合性データベース/ルックアップテーブルで必ずしも識別されない、より新しくよりインテリジェントな電池がそれでもなお、識別された外科用器具に電力を提供することを可能にされ得る。以下でより詳細に説明されるように、インテリジェント電池3192は、既知の適合する電池の性能を模倣することができる。
【0178】
様々な態様において、外科用器具3000は、適応型外科用器具3194として構成され得る。適応型外科器具3194について言えば、適応型外科用器具3194は、起動し(3208)、電池が適応型外科用器具3194に近付けられるか、又は器具によって受け入れられているときに、例えば、インテリジェント電池3192又はダム電池3190などの電池によって提供される電池識別情報を読み取り(3210)、識別された電池が適応型外科用器具3194との使用に適合性があるか否かを判定/検証し(3212)、次いで、受け取られた電池識別情報に基づいて適応型外科用器具3194の動作(例えば、モータ動作、動作制御パラメータなど)を調整する(3214)。例えば、様々な態様において、適応型外科用器具3194の動作は、識別された電池が充電式であるか非充電式であるか、識別された電池の化学的性質(例えば、ニッケル金属水素化物、リチウムイオン、アルカリマンガン酸化物、リチウムなど)、及び/又は識別された電池の出力能力に応じて変化し得る。このようにして、適応型手術器具3194は、それ以外の方法で可能となるよりもはるかに多様な異なる電池を利用することができる。
【0179】
所与の電池パックについて、電池パックの電位と電池パックから引き出された電流との間の関係は、式V=IRによって与えられ、ここでVは電池パックの電圧であり、Iは電池パックから引き出された電流であり、Rは電池パックに接続された負荷の抵抗である。異なる電池パックは、異なる電位及び異なる内部抵抗を有し得るため、電池パックから引き出される電流は、所与の外科用器具に給電するとき、電池パックごとに異なり得る。一方は4つのCR123A電池を含み、もう一方は4つの15270電池を含む、2つの異なる電池パックの電圧及び電流が、様々な抵抗について以下の表B2に示されている。
【0180】
【0181】
図43は、本開示の少なくとも1つの態様による、適応型外科用器具3194と共に利用されるときの異なる電池パックの出力電流能力を示すグラフ3220を示す。グラフ3220について言えば、電流Iの単位(アンペア)が垂直軸3222に沿って示され、時間の単位が水平軸3224に沿って示されている。
図43に示されるように、標準的なCR-123電池パック(例えば、4つの電池)からの電流出力3226は、時間Xと時間Yとの間で平均して約5.0アンペアとなり得、標準的な15270電池からの電流出力3228は、時間Xと時間Zとの間で平均して約8.9アンペアとなり得る。標準的なRFID能力を利用することにより、適応型外科用器具3194は、標準的な15270電池パックから引き出される電流に、標準的なCR-123電池パックから引き出される電流を模倣させる(3230)ことができる。様々な態様において、適応型外科用器具3194はこのことを、電気モータ3008の速度を低下させるように、適応型外科用器具3194の速度制御アルゴリズムを適応させること、15270電池パックによって確かめられる抵抗を増加させること、標準的なCR-123電池パックの電流出力を効果的に模倣するように、15270電池パックにその電流出力を調整させるために電圧分割器を使用すること、などによって達成し得る。例えば、様々な態様によれば、適応型外科用器具3194の制御回路のプロセッサは、例えば、適応型外科用器具3194の速度制御アルゴリズムを適応させるように、あるいは電圧分割器を使用することによって動作する命令を通信することができる。外科用器具3000は適応型外科用器具3194として構成され得るため、適応型外科用器具3194の制御回路は、制御回路1210及び/又は制御回路3014と同様又は同一であり得る。例えば、15270電池パックがインテリジェント電池パック(例えば、インテリジェント電池3192)である場合、適応型外科用器具3194は、CR-123電池パックのように動作するよう、インテリジェント電池パックに命令を通信することができる。
【0182】
図44は、本開示の少なくとも1つの態様による、適応型外科用器具3194と共に利用されるときの異なる電池パックの出力電圧能力を示すグラフ3240を示す。グラフ3240について言えば、電圧の単位(ボルト)が垂直軸3242に沿って示され、容量の単位のアンペアアワー(アンペア時)が水平軸3244に沿って示されている。
図44に示されるように、1時間当たり1.25アンペアの率で放電する標準的なCR-123電池パックからの電圧出力3246は、標準的なCR-123電池パックが約0.05アンペア時から約0.4アンペア時まで放電する間に、平均して約7.0ボルトとなり、また、標準的な15270電池パックからの電圧出力3248は、標準的な15270電池パックが約0.08アンペア時から約0.5アンペア時まで放電する間に、平均して約14.0ボルトとなり得る。上述のRFID能力を利用することにより、適応型外科用器具3194は、標準的な15270電池パックによって提供される電圧に、標準的なCR-123電池パックによって提供される電圧を模倣させる(3250)ことができる。様々な態様において、適応型外科用器具3194はこのことを、電気モータ3008の速度を低下させるように、適応型外科用器具3194の速度制御アルゴリズムを適応させること、15270電池パックによって確かめられる抵抗を増加させて、標準的なCR-123電池パックの電圧出力を効果的に模倣するように、15270電池パックにその電圧出力を調整させること、などによって達成し得る。例えば、15270電池パックがインテリジェント電池パック(例えば、インテリジェント電池3192)である場合、適応型外科用器具3194は、CR-123電池パックのように動作するように、インテリジェント電池パックに命令を通信することができる。少なくとも1つの例では、電池パックの電圧出力を調整するために電圧分割器が用いられ得る。
【0183】
図45は、本開示の少なくとも1つの態様による、適応型外科用器具3194と共に利用されるときの異なる電池パックの出力電圧能力を示すグラフ3260を示す。グラフ3260について言えば、電圧の単位(ボルト)が垂直軸3262に沿って示され、電力の単位のワットアワー(ワット時)が水平軸3264に沿って示されている。グラフ3260は、グラフ3240と類似しているが、電力の単位が水平軸3264に沿って示されているという点で異なっている。
図45に示されるように、標準的なCR-123電池パックからの電圧出力3266は、標準的なCR-123電池パックが約0.25ワット時の電力を提供してから、標準的なCR-123電池パックが約3.2ワット時の電力を提供するまでの間、平均して約7.15ボルトとなり得る。この期間中、標準的なCR-123電池パックによって提供される電圧は、予測可能かつ安定である。したがって、上述のRFID能力は、標準的な15270電池パックによって提供される電圧3268に、標準的なCR-123電池パックによって提供される電圧を模倣させる(3261)ために、適応型外科用器具3194によって利用される。これは、標準的なCR-123電池パックによって提供される「調整された」電圧もまた、上記の期間中、予測可能かつ安定であることにつながる。
【0184】
多くの外科用器具の寸法サイズは、ますます小さくなり続けている。サイズの縮小にもかかわらず、外科用器具の多くは、増加する負荷、より高い性能要件、及びより高い過大応力状態に対応しなければならない。低減されたサイズ要件を満たすために、無線周波数識別タグ及び/又は無線周波数識別スキャナなどの無線周波数識別(RFID)技術を含む外科用器具の場合、RFIDタグ及び/又はRFIDスキャナ並びに関連する電子機器のプロファイルは引き続きより小さく、より低くなる。これらのより小さいシステムは、ユーザが外科用器具の識別システムに求める全てのタスクを達成するために必要なメモリオーバーヘッド、処理能力、又は容量(範囲、電力など)を有しない場合がある。したがって、暗号化、複数の構成要素の認証、複数の構成要素の適合性検証、再処理追跡などを提供するために、様々な態様において、外科用器具の外部にある暗号化/復号キー、並びにこれらのより小さくより能力の低いシステムの能力及び可能性を拡張するのを助けるための印刷又は二次記憶されたデータ位置を利用することが望ましい場合がある。
【0185】
図42に戻ると、適応型外科用器具3194の上述の機能は、電池パック3006のRFIDタグ3010が適応型外科用器具3194に電池識別情報を通信することができること、及び、適応型外科用器具3194のRFIDスキャナ3012が電池パック3006のRFIDタグ3010によって提供された電池識別情報を読み取ることができることに依存していることが理解されよう。特定の例では、適応型外科用器具3194は、電池パック3006の適合性を判定することができない。例えば、電池パック3006のRFIDタグ3010に障害(例えば、RFIDタグ3010の集積回路チップにおける障害、RFIDタグ3010の集積回路チップとアンテナとの電気接続における障害など)が発生しており、それによって、RFIDタグ3010が電池識別情報を通信することに失敗する場合、適応型外科用器具3194は、電池パック3006の適合性を判定することができない。同様に、適応型外科用器具3194のRFIDスキャナ3012に障害(例えば、RFIDスキャナ3012の回路における配線の障害、RFIDスキャナ3012の通信ボードにおける障害など)が発生しており、それによって、適応型外科用器具3194が、電池パック3006によって提供される電池識別情報を捕捉、処理、及び/又は通信することができない場合、適応型外科用器具3194は、電池パック3006の適合性を判定することができない。そのような場合、所与の電池パックと所与の適応型外科用器具との適合性を判定する二次的/代替的な方法を有することが望ましい。
【0186】
図46は、少なくとも本開示の態様による、
図42の適応型外科用器具3194と共に使用するための電池3300を示す。電池3300は、任意の好適なタイプの電池であってよく、任意の好適な数のセルを含んでよい。簡潔にするために、電池3300は、以下、電池パック3300と呼ばれる。電池パック3300は、電池パック3300が無線周波数識別(RFID)タグ3302を含むという点で電池パック3006と類似しているが、電池パック3300がまた、電池パック3300の外部表面上に位置決めされたクイック応答(QR)コード3304及び/又は製品コード3306を含むという点で異なっている。RFIDタグ3302は、RFIDタグ3010と同様又は同一であり得る。
【0187】
QRコード3304は、電池パック3300に関する情報を含む機械可読光学ラベルである。そのような情報には、例えば、電池識別番号、電池パック3300内の電池の製造業者/ブランド、電池パック3300内の電池の化学物質/タイプ(リチウム、リチウムイオンなど)、電池パック3300内の電池のタイプが充電式であるか非充電式であるか、電池パック3300の容量、電池パック3300内の電池の公称電圧、電池パック3300内の電池の電流引き出し特性、電池パック3300の他の出力特性などが含まれ得る。様々な態様において、カメラ及びQRコードスキャナアプリケーションを装備したスマートフォン、タブレットなどが、電池パック3300からQRコード3304を読み取るために利用され得る。
【0188】
製品コード3306は、電池パック3300を一意に識別する数字、文字、記号などの任意のシーケンスを含み得る。いくつかの態様では、製品コード3306は、電池パック3300が適応型外科用器具3194との使用に適合するかどうかを判定する上で、適応型外科用器具3194を支援するために利用され得る。
【0189】
図47は、本開示の少なくとも1つの態様による、適応型外科用器具3194を動作させるための制御プログラム又は論理構成を示すプロセス3320の論理フロー図を示す。少なくとも1つの例では、プロセス3320は、プロセッサ1214と、プロセッサ1214によって実行されたとき、プロセッサ1214にプロセス3320を実施させる、コンピュータ実行可能命令のセットを記憶するメモリ1212と、を含む制御回路1210(
図15)によって実行される。特定の例では、メモリ1212に記憶されたコンピュータ実行可能命令のセットは、プロセッサ1214に、プロセス3320の別個の部分を実施させることができる。プロセス3320は、制御回路1210によって実行されるものとして説明されているが、これは単に簡潔にするためのものであり、本明細書に記載のプロセス3320及び他のプロセス、又はそれらの各部分は、様々なハードウェア及び/又はソフトウェア構成要素を含み得、例えば、組み合わせ論理回路又は順次論理回路などの様々な好適なシステムに配置され得るか、又はそれに関連付けられ得る回路によって実行され得ることを理解されたい。
【0190】
プロセス3320は、例えば、電池パック3300などの所与の電池パックが適応型外科用器具3194との使用に適合するかどうかを判定するための方式/方法を含む。簡潔にするために、プロセス3320は、電池パック3300とのその適用性の文脈で説明される。(1)電池パック3300が、電池識別情報を適応型外科用器具3194に通信することができず、かつ/又は適応型外科用器具3194のRFIDスキャナ3012が、電池パック3300のRFIDタグ3302によって提供される電池識別情報を読み取ることができず、(2)適応型外科用器具3194が、電池パック3300と適応型外科用器具3194との適合性を判定/検証することができない場合に、代替的な方式/方法が利用され得る。
【0191】
図47に示されるように、適応型外科用器具3194は、電池パック3300が適応型外科用器具3194に近付けられか、又は器具によって受け入れられているときに、起動し(3322)、次いで、電池パック3300によって提供される電池識別情報を読み取る(3324)ことを試みる。適応型外科用器具3194が、電池識別情報を読み取る(3324)ことができる場合、適応型外科用器具3194の制御回路(例えば、適応型外科用器具3194の制御回路3014及び/又は別の制御回路)は、識別された電池が適応型外科用器具3194との使用に適合するかどうかを判定/検証し(3326)、次いで、本明細書の他の箇所でより詳細に説明されるように、受信された電池識別情報に基づいて、適応型外科用器具3194の動作(例えば、モータ動作、動作制御パラメータなど)を調整する(3328)。例えば、様々な態様において、適応型外科用器具3194の動作は、識別された電池が充電式であるか非充電式であるか、識別された電池の化学的性質(例えば、ニッケル金属水素化物、リチウムイオン、アルカリマンガン酸化物、リチウムなど)、及び/又は識別された電池の出力能力に応じて変化し得る。このようにして、適応型手術器具3194は、それ以外の方法で可能となるよりもはるかに多様な異なる電池を利用することができる。少なくとも1つの態様では、適合性データベース又はルックアップテーブルの形式で情報を記憶することに加えて、制御回路3014のメモリ3018はまた、認証データベースの形式で情報を記憶し得る。
【0192】
しかしながら、(例えば、電池パック3300のRFIDタグ3302の障害か又は適応型外科用器具3194のRFIDスキャナ3012の障害のいずれかが原因で)適応型外科用器具3194が電池識別情報を読み取る(3324)ことができない場合、適応型外科用器具3194の電池識別情報の読み取り(3324)失敗をユーザに通知する、例えば、視覚的指示又は聴覚的指示などの指示がインジケータ1209(
図19)を通じて提供され得る。次いで、ユーザ又は別のパーティは、電池パック3300のQRコード3304及び/又は製品コード3306がサーバに入力される(3330)ようにすることができる。少なくとも1つの態様では、QRコード3304を捕捉するために利用されるスマートフォン、タブレットなどは、有線又は無線接続を介してQRコード3304をサーバに通信することができる。サーバへのQRコード3304の通信は、電池パック3300と適応型外科用器具3194との間の通信が暗号化され得るのと同じように、暗号化された通信であり得る。サーバは、例えば、外科用ハブシステムのサーバなどの任意の好適なサーバであり得る。外科用ハブシステムの例については、参照によってその内容全体が本明細書に組み込まれる、2018年12月4日出願の米国特許出願第16/209,395号、発明の名称「METHOD OF HUB COMMUNICATION」に記載されている。
【0193】
サーバは、QRコード3304及び/又は製品コード3306によって提供される電池識別情報をデータベース/テーブルと比較して、QRコード3304及び/又は製品コード3306によって識別された電池パック3300の真正性を判定する(3332)ように構成されている。例えば、サーバが、QRコード3304及び/又は製品コード3306によって識別された電池パック3300が認証されたと判定した場合、サーバは、適応型外科器具3194へ有線又は無線接続を介して通信される一時的なオーバーライドトークンを生成する(3334)ことができ、適応型外科用器具3194の制御回路(例えば、適応型外科用器具3194の制御回路3014及び/又は別の制御回路)は、その一時的なオーバーライドトークンを、未読の電池識別情報の代替物として利用する。一時的なオーバーライドトークンの適応型外科用器具3194への通信は、暗号化された通信であり得る。一時的なオーバーライドトークンは、電池パック3300が適応型外科用器具3194によって認証されないときに起こり得る適応型外科用器具3194の動作のロックアウトを無効にするように効果的に作用する。少なくとも1つの態様では、ロックアウト動作は、制御回路3014によって開始及び/又は実行される。例えば、QRコード3304及び/又は製品コード3306によって識別された電池パック3300が認証されない場合、電池パック3300の認証失敗をユーザに通知する、例えば視覚的指示又は聴覚的指示などの指示が、インジケータ1209を通して提供され得る。
【0194】
一時的なオーバーライドトークンが所定の位置にある場合、適応型外科用器具3194は、識別された電池パック3300が上述のように適応型外科用器具3194との使用に適合するかどうかを判定/検証する(3326)ことができる。しかしながら、何らかの理由により、適応型外科用器具3194が、識別された電池パック3300が適応型外科用器具3194と適合性があることを検証することができない場合、適応型外科用器具3194が電池パック3300と適応型外科用器具3194との適合性検証の失敗をユーザに通知する、例えば、視覚的指示又は聴覚的指示などの指示が提供され得る。そのような例では、ユーザ又は別のパーティは次いで、電池パック3300のQRコード3304及び/又は製品コード3306がサーバに入力される(3336)ようにすることができる。サーバは、QRコード3304及び/又は製品コード3306によって提供される電池識別情報をデータベース/テーブルと比較して、QRコード3304及び/又は製品コード3306によって識別された電池パック3300が適応型外科用器具3194との使用に適合するか否かを判定する(3338)ように更に構成されている。例えば、サーバが、QRコード3304及び/又は製品コード3306によって識別された電池パック3300が適応型外科用器具3194との使用に適合すると判定した場合、サーバは、適応型外科器具3194へ通信される別の一時的なオーバーライドトークンを生成する(3340)ことができ、適応型外科用器具3194の制御回路(例えば、適応型外科用器具3194の制御回路3014及び/又は別の制御回路)は、その一時的なオーバーライドトークンを、検証されていない適合性判定の代替物として利用する。別の一時的なオーバーライドトークンの適応型外科用器具3194への通信は、暗号化された通信であり得る。他の一時的なオーバーライドトークンは、電池パック3300の適合性が適応型外科用器具3194によって検証されていないときに起こり得る適応型外科用器具3194の動作のロックアウトを無効にするように効果的に作用する。適応型外科用器具3194はその後、上述のように、適応型外科用器具3194の動作(例えば、モータ動作、動作制御パラメータなど)を調整する(3328)ことができる。
【0195】
図47のプロセス3320の説明は、(1)電池パック3300の真正性を判定すること、及び(2)電池パック3300と適応型外科用器具3194との適合性を判定/検証することに限定されているが、プロセス3320の基本論理はまた、適応型外科用器具3194と共に利用され得る任意の数の構成要素及び/又はサブシステムの適合性を判定するためにも利用され得る。例えば、所与のステープルカートリッジ及び所与のアンビルに上述のRFID能力を提供することにより、適応型外科用器具3194は、所与のステープルカートリッジのRFIDタグからステープルカートリッジ識別情報を受信し、所与のアンビルのRFIDタグからアンビル識別情報を受信することができる。少なくとも1つの態様では、適応型外科用器具3194のシャフトアセンブリはアンビルを受け入れるように構成され、適応型外科用器具3194は、ステープルカートリッジを受け入れるように構成される。ステープルカートリッジ識別情報及びアンビル識別情報が暗号化される場合、適応型外科用器具3194の制御回路(例えば、適応型外科用器具3194の制御回路3014及び/又は別の制御回路)は、ユニバーサルプライベートキーを利用して、受信されたステープルカートリッジ識別情報及び受信されたアンビル識別情報を復号し、次いで、所与のステープルカートリッジと所与のアンビルとの適合性、並びに所与のステープルカートリッジ及び所与のアンビルと適応型外科用器具3194との適合性を判定/検証することができる。ステープルカートリッジがアンビルと適合しないと判定された場合、サーバ及び/又は別のシステムは、不適合性の問題の発生源の指示を提供し、例えば、インジケータ1209を介して、その不適合性の問題を是正する方法に関する詳細を提供することができる。
【0196】
加えて、プロセス3320の基本論理、QRコード、製品コード、及び上述のような1つ以上のサーバは、適応型外科用器具3194が適用可能な識別情報を受信/読み取りすることができないときに、任意の数の構成要素及び/又はサブシステムの真正性/適合性を判定するために利用され得る。例えば、(例えば、RFIDタグ及び/又はRFIDスキャナの障害が原因で)適応型外科用器具3194が適用可能な識別情報を受信/読み取りすることができないときに、電池パック3300の真正性及び電池パック3300と適応型外科用器具3194との適合性を判定することに加えて、QRコード、製品コード、及び1つ以上のサーバを利用する同じ基本プロセスが、アンビル及びステープルカートリッジの真正性、並びに所与のアンビルと所与のカートリッジとの適合性、並びに所与のアンビル及び所与のカートリッジと適応型外科用器具3194との適合性を判定するために利用され得る。ステープルカートリッジがアンビルと適合しないとサーバが判定した場合、サーバ及び/又は別のシステムは、不適合性の問題の発生源の指示を提供し、その不適合性の問題を是正する方法に関する詳細を提供することができる。
【0197】
加えて、適応型外科用器具3194と共に利用され得る多数の構成要素及びサブシステムがパッケージに入れられるので、適用可能なQRコード及び/又は製品コードがパッケージ上に含められる場合、プロセス3320の基本論理、QRコード、製品コード及び上述のような1つ以上のサーバは、パッケージに入れられると推定される任意の数の構成要素及び/又はサブシステムの真正性/適合性を判定するために利用され得る。
【0198】
図48は、例えば、外科用器具2200、3194などの外科用器具の外科用器具構成要素の真正性及び/又は適合性を検証するための制御プログラム又は論理構成を示すプロセス3400の論理フロー図を示す。少なくとも1つの例では、プロセス3400は、プロセッサ1214と、プロセッサ1214によって実行されたとき、プロセッサ1214にプロセス3400を実施させる、コンピュータ実行可能命令のセットを記憶するメモリ1212と、を含む制御回路1210(
図15)によって実行される。特定の例では、メモリ1212に記憶されたコンピュータ実行可能命令のセットは、プロセッサ1214に、プロセス3400の別個の部分を実施させることができる。プロセス3320は、制御回路1210によって実行されるものとして説明されているが、これは単に簡潔にするためのものであり、本明細書に記載のプロセス3400及び他のプロセス、又はそれらの各部分は、様々なハードウェア及び/又はソフトウェア構成要素を含み得、例えば、組み合わせ論理回路又は順次論理回路などの様々な好適なシステムに配置され得るか、又はそれに関連付けられ得る回路によって実行され得ることを理解されたい。
【0199】
様々な例において、制御回路1210は、例えば、組み立て構成と非組み立て構成との間で外科用器具及びその外科用器具に解放可能に結合可能な電池パックの真正性及び/又は適合性を検証するために、プロセス3400を用い得る。他の例では、制御回路1210は、例えば、外科用器具のアンビル及びステープルカートリッジの真正性及び/又は適合性を検証するために、プロセス3400を用い得る。
【0200】
図48に示されるように、プロセス3400は、例えば、外科用器具2200(
図19)などの外科用器具の第1の外科用器具構成要素の第1の識別情報を示す第1の入力を受信する(3402)ことを含む。第1の識別情報は、第1の外科用器具構成要素の第1のRFIDタグに記憶され得る。プロセス3400は、外科用器具の第2の外科用器具構成要素の第2の識別情報を示す第2の入力を受信する(3404)ことを含む。第2の識別情報は、第2の外科用器具構成要素の第2のRFIDタグに記憶され得る。
図19に示されるように、例えば、制御回路1210は、記憶された識別情報を読み取るように構成された1つ以上のRFIDスキャナに結合され得る。
【0201】
プロセス3400は、外科用器具の第1の外科用器具構成要素のパッケージの第3の識別情報を示す第3の入力を受信する(3406)ことを更に含む。第1の例では、パッケージは、第3の識別情報を記憶するRFIDタグを含む。第2の例では、パッケージは、第3の識別情報を含むCRコードを含む。第3の例では、パッケージは、第3の識別情報を含む製品番号を含む。第3の識別情報は、第1の識別情報及び第2の識別情報の暗号化された集合体であり、第1の例ではRFIDスキャナを介して、あるいは第2及び第3の例ではカメラを装備した任意の好適なスマートフォン、タブレットを介して、制御回路1210によって取り出され得る。
【0202】
様々な例において、プロセス3400は、第3の識別情報の暗号化を復号する(3408)ことと、第1の識別情報及び第2の識別情報と復号された第3の識別情報とを比較することによって、第1及び第2の外科用器具構成要素の真正性を判定する(3410)ことを更に含む。特定の例では、メモリ1212は、第3の識別情報の暗号化を復号するためにプロセッサ1214によって利用され得る復号キーを記憶し得る。
【0203】
更に、特定の例では、プロセス3400は、第1の識別情報及び第2の識別情報に基づいて、第1及び第2の外科用構成要素の適合性を判定する(3412)ことを含み得る。少なくとも1つの例では、メモリ1212は、第1及び第2の外科用器具構成要素の適合性を評価するために、プロセッサ1214によって利用され得る適合性データベース又はルックアップテーブルを記憶する。特定の例では、第1の識別情報は、外科用器具自体を識別するものであり、制御回路1210のメモリ1212に記憶され得るが、これはプロセッサ1214によって取り出され得る。特定の例では、第2の外科用器具構成要素は、例えば、電池パック120などの電池パックである。少なくとも1つの例では、第1の外科用器具構成要素は、例えば、アンビル2400などのアンビルであり、第2の外科用器具構成要素は、例えば、ステープル留めヘッドアセンブリ2300のステープルカートリッジなどのステープルカートリッジである。プロセス3400と共に使用するのに好適な第1及び第2の外科用器具構成要素の他の例も、本開示によって企図される。
【0204】
本明細書で記載される主題の様々な態様を、以下の実施例において説明する。
【0205】
実施例セット1
・実施例1-ハウジングと、ハウジングから遠位に延びるシャフトアセンブリと、シャフトアセンブリの遠位端に位置するステープル留めヘッドアセンブリと、ステープル留めヘッドアセンブリと結合可能なアンビルと、アンビル調整アセンブリと、を備える外科用器具。ステープル留めヘッドアセンブリは、遠位表面を備える。ステープル留めヘッドアセンブリは、遠位表面を通じてステープルの環状アレイを駆動するように動作可能である。ステープル留めヘッドアセンブリは、無線周波数識別(RFID)スキャナを備える。アンビルは、閉鎖構成に向かってステープル留めヘッドアセンブリに対して並進可能である。アンビルは、RFIDタグを備える。アンビル調整アセンブリは、並進部材を備える。並進部材は、長手方向軸に沿ってハウジングに対して並進し、それによってステープル留めヘッドアセンブリの遠位表面に対するアンビルの長手方向位置を調整するように動作可能である。RFIDタグは、取り付け閾値距離以内でRFIDスキャナによって検出可能である。
・実施例2-RFIDタグは、アンビルに関する情報を記憶するように適合されている、実施例1に記載の外科用器具。
・実施例3-アンビルは、ヘッドと、ヘッドから延びるシャンクと、を備える、実施例1又は2に記載の外科用器具。シャンクは、RFIDタグを支持する。
・実施例4-シャンクは、RFIDタグを受け入れるようにサイズ決めされた凹部を備える、実施例3に記載の外科用器具。
・実施例5-RFIDタグはシャンクから絶縁されている、実施例3又は4に記載の外科用器具。
・実施例6-RFIDタグは、閉鎖構成においてRFIDスキャナによって検出可能である、実施例1~5のいずれか1つに記載の外科用器具。
・実施例7-ステープル留めヘッドアセンブリは内側コア部材を備える、実施例1~6のいずれか1つに記載の外科用器具。内側コア部材はRFIDスキャナを支持する。
・実施例8-RFIDスキャナからの入力に基づいて、ステープル留めヘッドアセンブリに対するアンビルの適切な着座配向を検出するように構成された制御回路を更に備える、実施例1~7のいずれか1つに記載の外科用器具。
・実施例9-アンビルに関する情報を示すRFIDスキャナからの入力に基づいて、アンビルとステープル留めヘッドアセンブリのステープルカートリッジとの適合性をチェックするように構成された制御回路を更に備える、実施例1~8のいずれか1つに記載の外科用器具。
・実施例10-RFIDスキャナからの入力に基づいて閉鎖構成を検出するように構成された制御回路を更に備える、実施例1~9のいずれか1つに記載の外科用器具。
・実施例11-制御回路に結合されたインジケータを更に備える、実施例10に記載の外科用器具。制御回路は、インジケータに閉鎖構成を示すアラートを発出させるように構成されている。
・実施例12-ロックアウトアセンブリを更に備える、実施例1~11のいずれか1つに記載の外科用器具。ロックアウトアセンブリは、第1の状態と第2の状態との間で移行するように構成されている。第1の状態では、ロックアウトアセンブリは、並進部材の並進を可能にするように構成されている。第2の状態では、ロックアウトアセンブリは、並進部材の並進を防止するように構成されている。
・実施例13-RFIDスキャナからの入力に基づいて第1の状態と第2の状態との間で選択するように構成された制御回路を更に備える、実施例12に記載の外科用器具。
・実施例14-RFIDスキャナとRFIDタグとの間の信号の損失に基づいて、ステープル留めヘッドアセンブリからのアンビルの取り外しを検出するように構成された制御回路を更に備える、実施例1~13のいずれか1つに記載の外科用器具。
・実施例15-シャフトアセンブリと、シャフトアセンブリの遠位端に位置するステープル留めヘッドアセンブリと、ステープル留めヘッドアセンブリと結合可能なアンビルと、を備える外科用器具。ステープル留めヘッドアセンブリは、ステープルカートリッジと、RFIDスキャナとを備える。ステープルカートリッジはカートリッジデッキを備える。ステープル留めヘッドアセンブリは、ステープルカートリッジからカートリッジデッキを通してステープルを打ち込むように動作可能である。ステープルカートリッジは第1のRFIDタグを備える。第1のRFIDタグは、ステープルカートリッジに関する情報を記憶するように適合されている。RFIDスキャナは、ステープル留めヘッドアセンブリに保持されているステープルカートリッジの第1のRFIDタグを検出するように構成されている。アンビルは、閉鎖構成に向かってステープル留めヘッドアセンブリに対して並進可能である。アンビルは第2のRFIDタグを備える。第2のRFIDタグは、アンビルに関する情報を記憶するように適合されている。RFIDスキャナは、閉鎖構成において第2のRFIDタグを検出するように構成されている。
・実施例16-RFIDスキャナに結合された制御回路を更に備える、実施例15に記載の外科用器具。制御回路は、第1のRFIDタグに記憶された情報及び第2のRFIDタグに記憶された情報に基づいて、アンビルとステープルカートリッジとの間の適合性を判定するように構成されている。
・実施例17-RFIDスキャナに結合された制御回路を更に備える、実施例15又は16に記載の外科用器具。制御回路は、第1のRFIDタグに記憶された情報に基づいて、ステープルカートリッジの発射ステータスを判定するように構成されている。
・実施例18-第1のRFIDタグ及び第2のRFIDタグからのRFIDスキャナに送信された信号に基づいて、ステープル留めヘッドアセンブリに対するアンビルの適切な着座配向を検出するように構成された制御回路を更に備える、実施例15~17のいずれか1つに記載の外科用器具。
・実施例19-ハウジングと、ハウジングから遠位に延びるシャフトアセンブリと、シャフトアセンブリの遠位端に位置するステープル留めヘッドアセンブリと、ステープル留めヘッドアセンブリと結合可能なアンビルと、RFIDシステムと、を備える外科用器具。ステープル留めヘッドアセンブリは、遠位表面を備える。ステープル留めヘッドアセンブリは、遠位表面を通じてステープルの環状アレイを駆動するように動作可能である。アンビルは、間に組織を捕捉するために閉鎖構成に向かってステープル留めヘッドアセンブリに対して並進可能である。RFIDシステムは、RFIDスキャナと、アンビルに関する情報を記憶するように適合されたRFIDタグと、を備える。RFIDタグは、閉鎖構成において、情報を示すRF信号をRFIDスキャナに送信するように構成されている。外科用器具は、RFIDスキャナに結合された制御回路を更に備える。制御回路は、組織からのRF信号後方散乱に基づいて、組織の特性を判定するように構成されている。
・実施例20-特性は組織の厚さである、実施例19に記載の外科用器具。
【0206】
実施例セット2
・実施例1-エンドエフェクタと、シャフトと、ハウジングと、を備える外科用器具。エンドエフェクタは、アンビルと、ステープルを含むステープルカートリッジであって、ステープルが、アンビルに向かってアンビルとステープルカートリッジとの間に把持された組織を通じて展開可能である、ステープルカートリッジと、組織を切断するように構成された切断部材と、エンドエフェクタ情報を記憶するように構成された第1の無線周波数識別(RFID)タグと、を備える。シャフトは、第1の取り付け構成と第1の取り外し構成との間でエンドエフェクタと共に選択的に移行可能な遠位部分と、遠位部分の近くにある第1のRFIDスキャナと、近位部分と、シャフト情報を記憶するように構成された第2のRFIDタグと、を備える。第1のRFIDスキャナは、第1の取り付け構成において第1のRFIDタグを検出するように構成されている。ハウジングは、第2の取り付け構成と第2の取り外し構成との間でシャフトの近位部分と共に選択的に移行可能である。ハウジングは、第2の取り付け構成において第2のRFIDタグを検出するように構成された第2のRFIDスキャナと、エンドエフェクタに負荷を加えて組織をステープル留め及び切断するように構成されたモータと、制御回路と、を備える。制御回路は、エンドエフェクタ情報を示す入力を第1のRFIDスキャナから受信し、シャフト情報を示す入力を第2のRFIDスキャナから受信し、エンドエフェクタ情報及びシャフト情報に基づいてモータの動作の少なくとも1つのパラメータを調整するように構成されている。
・実施例2-エンドエフェクタ情報はステープルカートリッジサイズを示す、実施例1に記載の外科用器具。シャフト情報はシャフトプロファイルを示す。
・実施例3-制御回路は、ステープルカートリッジサイズ及びシャフトプロファイルに基づいて、モータによってエンドエフェクタに加えられる負荷の最終の最大負荷閾値を決定するように構成されている、実施例2に記載の外科用器具。
・実施例4-制御回路は、ステープルカートリッジサイズに基づいた第1の調整値及びシャフトプロファイルに基づいた第2の調整値だけ、デフォルトの最大負荷閾値を調整することによって、最終の最大負荷閾値を決定するように構成されている、実施例3に記載の外科用器具。
・実施例5-制御回路は、ステープルカートリッジサイズに基づいて、モータの作動を所定の期間だけ遅延させるように構成されている、実施例2~4のいずれか1つに記載の外科用器具。
・実施例6-制御回路は、ユーザから入力を受信し、ユーザ入力、エンドエフェクタ情報、及びシャフト情報のうちの少なくとも2つに基づいて、モータの動作の少なくとも1つのパラメータを調整するように構成されている、実施例1~5のいずれか1つに記載の外科用器具。
・実施例7-ユーザからの入力は、ユーザ選択された成形高さを含む、実施例6に記載の外科用器具。
・実施例8-エンドエフェクタと、ハウジングアセンブリと、を備える外科用器具。エンドエフェクタは、アンビルと、ステープルを含むステープルカートリッジであって、ステープルが、アンビルに向かってアンビルとステープルカートリッジとの間に把持された組織を通じて展開可能である、ステープルカートリッジと、組織を切断するように構成された切断部材と、エンドエフェクタ情報を記憶するように構成された第1のRFIDタグと、を備える。ハウジングアセンブリは、取り付け構成と取り外し構成との間でエンドエフェクタと共に選択的に移行可能なシャフトと、取り付け構成においてRFIDタグを検出するように構成されたRFIDスキャナと、エンドエフェクタに負荷を加えて組織をステープル留め及び切断するように構成されたモータと、制御回路と、を備えている。制御回路は、エンドエフェクタ情報を示す入力をRFIDスキャナから受信し、エンドエフェクタ情報に基づいてモータの動作の少なくとも1つのパラメータを調整するように構成されている。
・実施例9-エンドエフェクタ情報はステープルカートリッジサイズを示す、実施例8に記載の外科用器具。
・実施例10-制御回路は、ステープルカートリッジサイズに基づいて、モータによってエンドエフェクタに加えられる負荷の最終の最大負荷閾値を決定するように構成されている、実施例9に記載の外科用器具。
・実施例11-制御回路は、ステープルカートリッジサイズに基づいた調整値だけ、デフォルトの最大負荷閾値を調整することによって、最終の最大負荷閾値を決定するように構成されている、実施例10に記載の外科用器具。
・実施例12-制御回路は、ステープルカートリッジサイズに基づいて、モータの作動を所定の期間だけ遅延させるように構成されている、実施例9~11のいずれか1つに記載の外科用器具。
・実施例13-制御回路は、ユーザから入力を受信し、ユーザ入力及びエンドエフェクタ情報に基づいて、モータの動作の少なくとも1つのパラメータを調整するように構成されている、実施例8~12のいずれか1つに記載の外科用器具。
・実施例14-ユーザからの入力は、ユーザ選択された成形高さを含む、実施例13に記載の外科用器具。
・実施例15-エンドエフェクタと、シャフトと、ハウジングと、を備える外科用器具。エンドエフェクタは、ステープル留めヘッドアセンブリと、エンドエフェクタを開放構成から閉鎖構成に移行させるためにステープル留めヘッドアセンブリに対して閉鎖距離だけ移動可能なアンビルと、エンドエフェクタ情報を記憶するように構成された第1のRFIDタグと、を備える。組織は、閉鎖構成においてアンビルとステープル留めヘッドアセンブリとの間で把持される。シャフトは、第1の取り付け構成と第1の取り外し構成との間でエンドエフェクタと共に選択的に移行可能な遠位部分と、遠位部分の近くにある第1のRFIDスキャナと、近位部分と、シャフト情報を記憶するように構成された第2のRFIDタグと、を備える。第1のRFIDスキャナは、第1の取り付け構成において第1のRFIDタグを検出するように構成されている。ハウジングは、第2の取り付け構成と第2の取り外し構成との間でシャフトの近位部分と共に選択的に移行可能である。ハウジングは、第2の取り付け構成において第2のRFIDタグを検出するように構成された第2のRFIDスキャナと、閉鎖距離だけアンビルを移動させるために閉鎖運動を生成するように構成されたモータと、制御回路と、を備えている。制御回路は、エンドエフェクタ情報を示す入力を第1のRFIDスキャナから受信し、シャフト情報を示す入力を第2のRFIDスキャナから受信し、エンドエフェクタ情報及びシャフト情報に基づいてモータの動作の少なくとも1つのパラメータを調整するように構成されている。
・実施例16-エンドエフェクタ情報はステープルカートリッジサイズを示す、実施例15に記載の外科用器具。シャフト情報はシャフトプロファイルを示す。
・実施例17-制御回路は、ステープルカートリッジサイズ及びシャフトプロファイルに基づいて、閉鎖距離の最終の最小閾値を決定するように構成されている、実施例16に記載の外科用器具。
・実施例18-制御回路は、ステープルカートリッジサイズに基づいた第1の調整値及びシャフトプロファイルに基づいた第2の調整値だけ、閉鎖距離のデフォルトの最小閾値を調整することによって、閉鎖距離の最終の最小閾値を決定するように構成されている、実施例17に記載の外科用器具。
・実施例19-制御回路は、エンドエフェクタ情報及びシャフト情報に基づいて、アンビルのユーザ選択可能な閉鎖距離の範囲を調整するように構成されている、実施例15に記載の外科用器具。
【0207】
実施例セット3
・実施例1-電池を解放可能に保持するように構成された電池インターフェースを含むハウジングアセンブリと、電池インターフェースに位置決めされた無線周波数識別スキャナと、制御回路と、を備える外科用器具。無線周波数識別スキャナは、電池から情報を受信するように構成されている。制御回路は、電池から受信された情報に基づいて、電池と外科用器具との適合性を判定するように構成されている。
・実施例2-ハウジングアセンブリは、組み立て構成において電池を受け入れるように構成されている、実施例1に記載の外科用器具。
・実施例3-無線周波数識別スキャナは、組み立て構成において、電池の無線周波数識別タグから情報を受信するように更に構成されている、実施例2に記載の外科用器具。
・実施例4-電池を更に備える、実施例2に記載の外科用器具。電池は、組み立て構成において無線周波数識別スキャナの検出範囲内にある無線周波数識別タグを含む。
・実施例5-無線周波数識別タグは、電池識別番号、電池の製造業者、電池の化学的性質、電池が充電式であるか否か、電池の容量、電池の公称電圧、電池の電流引き出し特性、及び電池の出力特性のうちの少なくとも1つを記憶する、実施例4に記載の外科用器具。
・実施例6-制御回路は、無線周波数識別スキャナに電気的に接続されたプロセッサと、プロセッサに電気的に接続されたメモリと、を備える、実施例1~5のいずれか1つに記載の外科用器具。
・実施例7-メモリは、適合性データベース及びルックアップテーブルのうちの少なくとも一方を記憶する、実施例6に記載の外科用器具。
・実施例8-ハウジングアセンブリ内に位置決めされた電気モータを更に備える、実施例1~7のいずれか1つに記載の外科用器具。制御回路は、電気モータの動作を電子的にロックアウトするように更に構成されている。
・実施例9-電池インターフェースを含むハウジングアセンブリと、電池インターフェースに位置決めされた無線周波数識別タグと、ハウジングアセンブリ内に位置決めされた電気モータと、電気モータに電気的に結合可能な電池と、制御回路と、を備える外科用器具。電池は、無線周波数識別スキャナを備える。無線周波数識別スキャナは、ハウジングアセンブリとの組み立て構成において、外科用器具の無線周波数識別タグから情報を受信するように構成されている。制御回路は、無線周波数識別タグから受信された情報に基づいて、外科用器具と電池との適合性を判定するように構成されている。
・実施例10-無線周波数識別タグは、外科用器具識別番号、外科用器具の製造業者、外科用器具のタイプ、電気モータのタイプ、外科用器具の性能能力、及び外科用器具に存在する制御アルゴリズムのうちの少なくとも1つを記憶する、実施例9に記載の外科用器具。
・実施例11-制御回路は、無線周波数識別スキャナに電気的に接続されたプロセッサと、プロセッサに電気的に接続されたメモリと、を備える、実施例9又は10に記載の外科用器具。
・実施例12-メモリは、適合性データベース及びルックアップテーブルのうちの少なくとも一方を記憶する、実施例11に記載の外科用器具。
・実施例13-外科用器具は、電池内に位置決めされた第2の無線周波数識別タグと、電池インターフェースに位置決めされた第2の無線周波数識別スキャナと、第2の制御回路と、を更に備える、実施例9~12のいずれか1つに記載の外科用器具。第2の無線周波数識別スキャナは、組み立て構成において第2の無線周波数識別タグから情報を受信するように構成されている。第2の制御回路は、第2の無線周波数識別タグから受信された情報に基づいて、電池と外科用器具との適合性を判定するように構成されている。
・実施例14-ハウジングアセンブリと、ハウジングアセンブリ内に位置決めされた無線周波数識別スキャナと、制御回路と、を備える外科用器具。ハウジングアセンブリは、第1の電池がハウジングアセンブリから取り除かれた後に、第1の電池及び第2の電池を受け入れるように構成されている。第2の電池の出力特性は、第1の電池の出力特性とは異なる。制御回路は、外科用器具の動作を調整して、第2の電池に第1の電池の出力特性を模倣させるように構成されている。
・実施例15-第1の電池の出力特性のうちの少なくとも1つは第1の電池の電圧を含む、実施例14に記載の外科用器具。
・実施例16-第1の電池の出力特性のうちの少なくとも1つは、第1の電池から引き出された電流を含む、実施例14又は15に記載の外科用器具。
・実施例17-第1の電池の出力特性のうちの少なくとも1つは第1の電池の出力容量を含む、実施例14~16の少なくとも1つに記載の外科用器具。
・実施例18-第1の電池の出力特性のうちの少なくとも1つは、第1の電池によって提供される電力を含む、実施例14~17の少なくとも1つに記載の外科用器具。
・実施例19-無線周波数識別スキャナは、第1の電池からの第1の情報及び第2の電池からの第2の情報を受信するように構成されている、実施例14~18の少なくとも1つに記載の外科用器具。
・実施例20-制御回路は、無線周波数識別スキャナに電気的に接続されたプロセッサと、プロセッサに電気的に接続されたメモリと、を備える、実施例14~19の少なくとも1つに記載の外科用器具。
【0208】
実施例セット4
・実施例1-組織を治療するように動作可能なエンドエフェクタと、エンドエフェクタから近位に延びるシャフトと、シャフトから近位に延びるハウジングアセンブリと、を備える外科用器具。ハウジングアセンブリは、無線周波数識別(RFID)スキャナと、モータアセンブリを備えるモータアセンブリ区画であって、モータアセンブリが組み立て構成においてモータアセンブリ区画によって交換可能に保持されている、モータアセンブリ区画と、を備える。モータアセンブリは、組み立て構成と非組み立て構成との間でモータアセンブリ区画に対して移動可能である。モータアセンブリは、組織を治療するためにエンドエフェクタを駆動するように構成されたモータと、組み立て構成においてRFIDスキャナによって検出可能なRFIDタグと、を備える。RFIDタグは、モータアセンブリ情報を記憶する。
・実施例2-組み立て構成においてRFIDスキャナから入力を受信するように構成された制御回路を更に備え、入力はモータアセンブリ情報を示す、実施例1に記載の外科用器具。
・実施例3-制御回路は、モータアセンブリ情報に基づいてモータの動作の少なくとも1つのパラメータを調整するように更に構成されている、実施例2に記載の外科用器具。
・実施例4-制御回路は、モータアセンブリ情報に基づいて外科用器具の制御アルゴリズムを選択するように更に構成されている、実施例2又は3に記載の外科用器具。
・実施例5-制御回路は、異なるモータアセンブリ情報に各々が関連付けられる制御アルゴリズムから制御アルゴリズムを選択するように更に構成されている、実施例4に記載の外科用器具。
・実施例6-制御回路は、モータアセンブリ情報に基づいてモータ設定を決定するように更に構成されている、実施例2~5のいずれか1つに記載の外科用器具。
・実施例7-モータアセンブリは、モータに動作可能に結合されたギアボックスを備える、実施例1~6のいずれか1つに記載の外科用器具。
・実施例8-モータアセンブリ情報は、ギアボックス情報及びモータ情報を含む、実施例7に記載の外科用器具。
・実施例9-組み立て構成においてモータアセンブリに結合された電源を更に備える、実施例1~8のいずれか1つに記載の外科用器具。
・実施例10-電源は、組織を治療するためにモータにエンドエフェクタを駆動させるための電力出力を生成するように構成されている、実施例9に記載の外科用器具。
・実施例11-制御回路は、モータアセンブリ情報に基づいて電力出力の値を決定するように更に構成されている、実施例10に記載の外科用器具。
・実施例12-組織を治療するように動作可能なエンドエフェクタと、エンドエフェクタから近位に延びるシャフトと、シャフトから近位に延びるハウジングアセンブリと、を備える外科用器具。ハウジングアセンブリは、無線周波数識別(RFID)スキャナと、モータアセンブリを備えるモータアセンブリ区画であって、モータアセンブリが組み立て構成においてモータアセンブリ区画によって交換可能に保持されている、モータアセンブリ区画と、を備える。モータアセンブリは、組み立て構成と非組み立て構成との間でモータアセンブリ区画に対して移動可能である。モータアセンブリは、組織を治療するためにエンドエフェクタを駆動するように構成されたモータと、組み立て構成においてRFIDスキャナの検出範囲以内に位置決めされるRFIDタグと、を備える。RFIDタグは、モータアセンブリ情報を記憶する。
・実施例13-組み立て構成においてRFIDスキャナから入力を受信するように構成された制御回路を更に備え、入力はモータアセンブリ情報を示す、実施例12に記載の外科用器具。
・実施例14-制御回路は、モータアセンブリ情報に基づいてモータの動作の少なくとも1つのパラメータを調整するように更に構成されている、実施例13に記載の外科用器具。
・実施例15-制御回路は、モータアセンブリ情報に基づいて外科用器具の制御アルゴリズムを選択するように更に構成されている、実施例13又は14に記載の外科用器具。
・実施例16-制御回路は、異なるモータアセンブリ情報に各々が関連付けられる制御アルゴリズムから制御アルゴリズムを選択するように更に構成されている、実施例15に記載の外科用器具。
・実施例17-制御回路は、モータアセンブリ情報に基づいてモータ設定を決定するように更に構成されている、実施例13~16のいずれか1つに記載の外科用器具。
【0209】
実施例セット5
・実施例1-ハウジングアセンブリと、ハウジングアセンブリに結合されたシャフトアセンブリと、外科用器具に結合可能な構成要素に対応する無線周波数識別タグから情報を受信するように構成された少なくとも1つの無線周波数識別スキャナと、制御回路と、を備える外科用器具。制御回路は、無線周波数識別タグから受信された情報に基づいて、各構成要素について、構成要素の真正性を判定するように構成されている。
・実施例2-情報は、構成要素のうちの第1の構成要素の第1の識別情報及び構成要素のうちの第2の構成要素の第2の識別情報を含む、実施例1に記載の外科用器具。少なくとも1つの無線周波数識別スキャナは、第1の構成要素のパッケージの無線周波数識別タグから第3の識別情報を受信するように構成され、第3の識別情報は暗号化される。
・実施例3-制御回路は、第3の識別情報を復号し、第1の識別情報及び第2の識別情報と復号された第3の識別情報とを比較することによって、第1の構成要素及び第2の構成要素の真正性を判定するように構成されている、実施例2に記載の外科用器具。
・実施例4-制御回路は、第3の識別情報を復号するためにプライベートキーを用いる、実施例3又は4に記載の外科用器具。
・実施例5-構成要素は、電池、アンビル、及びステープルカートリッジを含む、実施例1~4のいずれか1つに記載の外科用器具。
・実施例6-ハウジングアセンブリは、電池を受け入れるように構成されている、実施例5に記載の外科用器具。
・実施例7-外科用器具は、ステープルカートリッジを受け入れるように構成されている、実施例5又は6に記載の外科用器具。
・実施例8-制御回路は、少なくとも1つの無線周波数識別スキャナに電気的に接続されたプロセッサと、プロセッサに電気的に接続されたメモリと、を備える、実施例1~7のいずれか1つに記載の外科用器具。
・実施例9-メモリは、認証データベース、適合性データベース、及びルックアップテーブルのうちの少なくとも1つを記憶する、実施例8に記載の外科用器具。
・実施例10-制御回路は、構成要素のいずれか1つに対する真正性の欠如の判定に基づいて、外科用器具の動作を電子的にロックアウトするように更に構成されている、実施例1~9のいずれか1つに記載の外科用器具。
・実施例11-制御回路は、サーバから受信された一時的なオーバーライドトークンに基づいて外科用器具のロックアウトを無効にするように更に構成されている、実施例10に記載の外科用器具。
・実施例12-一時的なオーバーライドトークンは、構成要素のうちのいずれか1つと関連付けられたクイックレスポンスコード、及び構成要素のうちのいずれか1つに関連付けられた製品コードのうちの少なくとも一方に基づいている、実施例11に記載の外科用器具。
・実施例13-制御回路は、各構成要素ついて、無線周波数識別タグから受信された情報に基づいて、構成要素が外科用器具と適合するか否かを判定するように更に構成されている、実施例1~12のいずれか1つに記載の外科用器具。
・実施例14-制御回路は、無線周波数識別タグから受信された情報に基づいて、構成要素のうちの1つが構成要素のうちの別の1つと適合するか否かを判定するように更に構成されている、実施例1~13のいずれか1つに記載の外科用器具。
・実施例15-制御回路は、サーバから受信された一時的なオーバーライドトークンに基づいて外科用器具のロックアウトを無効にするように更に構成されている、実施例1に記載の外科用器具。
・実施例16-第1の識別情報と、外科用器具に結合可能な電池パックと、制御回路と、を備える外科用器具を含む外科用アセンブリ。電池パックは、外科用器具との組み立て構成において外科用器具にエネルギーを伝達するように構成されている。電池パックは、第2の識別情報を記憶する電池RFIDタグを備える。制御回路は、外科用器具のパッケージのRFIDタグに記憶された暗号化された第3の識別情報を示す入力を受信し、第3の識別情報を復号し、第1の識別情報及び第2の識別情報と復号された第3の識別情報とを比較することによって、外科用器具及び電池パックの真正性を判定するように構成されている。
・実施例17-制御回路は、第1の識別情報及び第2の識別情報に基づいて、電池パックと外科用器具との適合性を判定するように更に構成されている、実施例16に記載の外科用アセンブリ。
・実施例18-制御回路は、プロセッサと、プロセッサに電気的に接続されたメモリと、を含む、実施例16又は17に記載の外科用アセンブリ。メモリは、適合性データベース及びルックアップテーブルのうちの少なくとも一方を記憶する。
・実施例19-外科用器具構成要素と、外科用器具と、を含む外科用アセンブリ。外科用器具構成要素は、外科用器具構成要素の第1の識別情報を記憶するRFIDタグを備える。外科用器具構成要素は、組み立て構成と非組み立て構成との間で外科用器具に解放可能に結合可能である。外科用器具は、第1の識別情報を読み取るように構成されたRFIDスキャナと、RFIDスキャナに結合された制御回路と、を備える。制御回路は、第1の識別情報に基づいて外科用器具構成要素と外科用器具との不適合性を検出し、外科用器具構成要素の第2の識別情報を取り出し、第2の識別情報に基づいて一時的なオーバーライドトークンを取り出し、不適合性の検出を回避するために一時的なオーバーライドトークンを用いるように構成されている。
・実施例20-第2の識別情報は、外科用器具構成要素のシリアル番号である、実施例19に記載の外科用アセンブリ。
・実施例21-QRコードが第2の識別情報を含む、実施例19又は20に記載の外科用アセンブリ。
【0210】
いくつかの形態が例示され説明されてきたが、添付の「特許請求の範囲」をそのような詳述に制限又は限定することは、本出願人が意図するところではない。多くの修正、変形、変更、置換、組み合わせ及びこれらの形態の等価物を実装することができ、本開示の範囲から逸脱することなく当業者により想到されるであろう。更に、記述する形態に関連した各要素の構造は、その要素によって実施される機能を提供するための手段として代替的に説明することができる。また、材料が特定の構成要素に関して開示されているが、他の材料が使用されてもよい。したがって、上記の説明文及び添付の特許請求の範囲は、全てのそのような修正、組み合わせ、及び変形を、開示される形態の範囲に含まれるものとして網羅することを意図としたものである点を理解されたい。添付の特許請求の範囲は、全てのそのような修正、変形、変更、置換、修正、及び等価物を網羅することを意図する。
【0211】
上記の詳細な説明は、ブロック図、フロー図及び/又は実施例を用いて、装置及び/又はプロセスの様々な形態について記載してきた。そのようなブロック図、フロー図及び/又は実施例が1つ以上の機能及び/又は動作を含む限り、当業者に理解されたいこととして、そのようなブロック図、フロー図及び/又は実施例に含まれる各機能及び/又は動作は、多様なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はこれらの事実上の任意の組み合わせによって、個々にかつ/又は集合的に実装することができる。当業者には、本明細書で開示される形態のうちのいくつかの態様の全部又は一部が、1台以上のコンピュータ上で稼働する1つ以上のコンピュータプログラムとして(例えば、1台以上のコンピュータシステム上で稼働する1つ以上のプログラムとして)、1つ以上のプロセッサ上で稼働する1つ以上のプログラムとして(例えば、1つ以上のマイクロプロセッサ上で稼働する1つ以上のプログラムとして)、ファームウェアとして、又はこれらの実質的に任意の組み合わせとして集積回路上で等価に実装することができ、回路を設計すること、並びに/又はソフトウェア及び/若しくはファームウェアのコードを記述することは、本開示を鑑みれば当業者の技能の範囲内に含まれることが理解されよう。加えて、当業者には理解されることとして、本明細書に記載した主題の機構は、多様な形態で1つ以上のプログラム製品として配布されることが可能であり、本明細書に記載した主題の具体的な形態は、配布を実際に実行するために使用される信号搬送媒体の特定のタイプにかかわらず適用される。
【0212】
様々な開示された態様を実施するように論理をプログラムするために使用される命令は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、キャッシュ、フラッシュメモリ又は他のストレージなどのシステム内メモリに記憶され得る。更に、命令は、ネットワークを介して、又は他のコンピュータ可読媒体によって配布され得る。したがって、機械可読媒体としては、機械(例えば、コンピュータ)によって読み出し可能な形態で情報を記憶又は送信するための任意の機構が挙げられ得るが、フロッピーディスケット、光ディスク、コンパクトディスク、読み出し専用メモリ(CD-ROM)、並びに磁気光学ディスク、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、磁気若しくは光カード、フラッシュメモリ又は、電気的、光学的、音響的、若しくは他の形態の伝播信号(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号など)を介してインターネットを介した情報の送信に使用される有形機械可読ストレージに限定されない。したがって、非一時的コンピュータ可読媒体としては、機械(例えば、コンピュータ)によって読み出し可能な形態で電子命令又は情報を記憶又は送信するのに好適な任意のタイプの有形機械可読媒体が挙げられる。
【0213】
本明細書の任意の態様で使用されるとき、用語「制御回路」は、例えば、ハードワイヤード回路、プログラマブル回路(例えば、1つ以上の個々の命令処理コアを含むコンピュータプロセッサ、処理ユニット、プロセッサ、マイクロコントローラ、マイクロコントローラユニット、コントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、プログラマブル論理装置(PLD)、プログラマブル論理アレイ(PLA)、又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA))、状態機械回路、プログラマブル回路によって実行される命令を記憶するファームウェア、及びこれらの任意の組み合わせを指すことができる。制御回路は、集合的に又は個別に、例えば、集積回路(IC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、システムオンチップ(SoC)、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、サーバ、スマートフォンなどの、より大きなシステムの一部を形成する回路として具現化され得る。したがって、本明細書で使用されるとき、「制御回路」は、少なくとも1つの個別の電気回路を有する電気回路、少なくとも1つの集積回路を有する電気回路、少なくとも1つの特定用途向け集積回路を有する電気回路、コンピュータプログラムによって構成された汎用コンピューティング装置(例えば、本明細書で説明したプロセス及び/若しくは装置を少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムによって構成された汎用コンピュータ、又は本明細書で説明したプロセス及び/若しくは装置を少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムによって構成されたマイクロプロセッサ)を形成する電気回路、メモリ装置(例えば、ランダムアクセスメモリの形態)を形成する電気回路及び/又は通信装置(例えばモデム、通信スイッチ、又は光-電気設備)を形成する電気回路を含むが、これらに限定されない。当業者は、本明細書で述べた主題が、アナログ形式若しくはデジタル形式、又はこれらのいくつかの組み合わせで実装されてもよいことを認識するであろう。
【0214】
本明細書の任意の態様で使用されるとき、「論理」という用語は、前述の動作のいずれかを実施するように構成されたアプリケーション、ソフトウェア、ファームウェア、及び/又は回路を指し得る。ソフトウェアは、非一時的コンピュータ可読記憶媒体上に記録されたソフトウェアパッケージ、コード、命令、命令セット、及び/又はデータとして具現化されてもよい。ファームウェアは、メモリ装置内のコード、命令、若しくは命令セット、及び/又はハードコードされた(例えば、不揮発性の)データとして具現化されてもよい。
【0215】
本明細書の任意の態様で使用されるとき、「構成要素」、「システム」、「モジュール」などという用語は、ハードウェア、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせ、ソフトウェア、又は実行中のソフトウェアのいずれかであるコンピュータ関連エンティティを指すことができる。
【0216】
本明細書の任意の態様で使用されるとき、「アルゴリズム」とは、所望の結果につながるステップの自己無撞着シーケンスを指し、「ステップ」とは、必ずしも必要ではないが、記憶、転送、組み合わせ、比較、及び別様に操作されることが可能な電気信号又は磁気信号の形態をとることができる物理量及び/又は論理状態の操作を指す。これらの信号を、ビット、値、要素、記号、文字、用語、番号などとして言及することが一般的な扱い方である。これらの及び類似の用語は、適切な物理量と関連付けられてもよく、また単に、これらの量及び/又は状態に適用される便利な標識である。
【0217】
ネットワークとしては、パケット交換ネットワークが挙げられ得る。通信装置は、選択されたパケット交換ネットワーク通信プロトコルを使用して、互いに通信することができる。1つの例示的な通信プロトコルとしては、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)を使用して通信を可能にすることができるイーサネット通信プロトコルを挙げることができる。イーサネットプロトコルは、Institute of Electrical and Electronics Engineers(IEEE)によって発行された2008年12月発行の表題「IEEE802.3 Standard」、及び/又は本規格の後のバージョンのイーサネット規格に準拠するか、又は互換性があり得る。代替的に又は追加的に、通信装置は、X.25通信プロトコルを使用して互いに通信することができる。X.25通信プロトコルは、International Telecommunication Union-Telecommunication Standardization Sector(ITU-T)によって公布された規格に準拠するか、又は互換性があり得る。代替的に又は追加的に、通信装置は、フレームリレー通信プロトコルを使用して互いに通信することができる。フレームリレー通信プロトコルは、Consultative Committee for International Telegraph and Telephone(CCITT)及び/又はthe American National Standards Institute(ANSI)によって公布された規格に準拠するか、又は互換性があり得る。代替的に又は追加的に、送受信機は、非同期転送モード(ATM)通信プロトコルを使用して互いに通信することが可能であり得る。ATM通信プロトコルは、ATM Forumによって「ATM-MPLS Network Interworking 2.0」という題で2001年8月に公開されたATM規格及び/又は本規格の後のバージョンに準拠するか、又は互換性があり得る。当然のことながら、異なる及び/又は後に開発されたコネクション型ネットワーク通信プロトコルは、本明細書で等しく企図される。
【0218】
様々な態様において、本開示による制御回路のマイクロコントローラは、Texas Instruments製のARM Cortexの商品名で知られているものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってよい。一態様では、主マイクロコントローラ461は、例えば、その詳細が製品データシートで入手可能である、最大40MHzの256KBのシングルサイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリ、性能を40MHz超に改善するためのプリフェッチバッファ、32KBのシングルサイクルSRAM、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部ROM、2KBのEEPROM、1つ以上のPWMモジュール、1つ以上のQEIアナログ、及び/又は12個のアナログ入力チャネルを備える1つ以上の12ビットADCを含む、Texas Instrumentsから入手可能なLM4F230H5QR ARM Cortex-M4Fプロセッサコアであってもよい。
【0219】
別段の明確な定めがない限り、前述の開示から明らかなように、前述の開示全体を通じて、「処理すること(processing)」、「計算すること(computing)」、「算出すること(calculating)」、「判定すること(determining)」、「表示すること(displaying)」などの用語を使用する考察は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内で物理(電子的)量として表現されるデータを、コンピュータシステムのメモリ若しくはレジスタ又は他のそのような情報記憶、伝送、若しくは表示装置内で物理量として同様に表現される他のデータへと操作し変換する、コンピュータシステム又は類似の電子計算装置のアクション及び処理を指していることが理解されよう。
【0220】
1つ以上の構成要素が、本明細書中で、「ように構成される(configured to)」、「ように構成可能である(configurable to)」、「動作可能である/ように動作する(operable/operative to)」、「適合される/適合可能である(adapted/adaptable)」、「ことが可能である(able to)」、「準拠可能である/準拠する(conformable/conformed to)」などと言及され得る。当業者は、「ように構成される」は、一般に、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、アクティブ状態の構成要素及び/又は非アクティブ状態の構成要素及び/又はスタンバイ状態の構成要素を包含し得ることを理解するであろう。
【0221】
「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書では、外科用器具のハウジング部分を操作する臨床医を基準として使用される。「近位」という用語は、臨床医に最も近い部分を指し、「遠位」という用語は、臨床医から離れた位置にある部分を指す。便宜上及び明確性のために、「垂直」、「水平」、「上」、及び「下」などの空間的用語が、本明細書において図面に対して使用され得ることが更に理解されよう。しかしながら、外科用器具は、多くの配向及び位置で使用されるものであり、これらの用語は限定的及び/又は絶対的であることを意図したものではない。
【0222】
当業者は、一般に、本明細書で使用され、かつ特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本文)で使用される用語は、概して「オープンな」用語として意図されるものである(例えば、「含む(including)」という用語は、「~を含むが、それらに限定されない(including but not limited to)」と解釈されるべきであり、「有する(having)」という用語は「~を少なくとも有する(having at least)」と解釈されるべきであり、「含む(includes)」という用語は「~を含むが、それらに限定されない(includes but is not limited to)」と解釈されるべきであるなど)ことを理解するであろう。更に、導入された請求項記載(introduced claim recitation)において特定の数が意図される場合、かかる意図は当該請求項中に明確に記載され、またかかる記載がない場合は、かかる意図は存在しないことが、当業者には理解されるであろう。例えば、理解を助けるものとして、後続の添付の特許請求の範囲は、「少なくとも1つの(at least one)」及び「1つ以上の(one or more)」という導入句を、請求項記載を導入するために含むことがある。しかしながら、かかる句の使用は、「a」又は「an」という不定冠詞によって請求項記載を導入した場合に、たとえ同一の請求項内に「1つ以上の」又は「少なくとも1つの」といった導入句及び「a」又は「an」という不定冠詞が含まれる場合であっても、かかる導入された請求項記載を含むいかなる特定の請求項も、かかる記載事項を1つのみ含む請求項に限定されると示唆されるものと解釈されるべきではない(例えば、「a」及び/又は「an」は通常、「少なくとも1つの」又は「1つ以上の」を意味するものと解釈されるべきである)。定冠詞を使用して請求項記載を導入する場合にも、同様のことが当てはまる。
【0223】
加えて、導入された請求項記載において特定の数が明示されている場合であっても、かかる記載は、典型的には、少なくとも記載された数を意味するものと解釈されるべきであることが、当業者には認識されるであろう(例えば、他に修飾語のない、単なる「2つの記載事項」という記載がある場合、一般的に、少なくとも2つの記載事項、2つ以上の記載事項を意味する)。更に、「A、B及びCなどのうちの少なくとも1つ」に類する表記が使用される場合、一般に、かかる構文は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B及びCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、及び/又はAとBとCの全てなどを有するシステムを含む)。「A、B又はCなどのうちの少なくとも1つ」に類する表記が用いられる場合、一般に、かかる構文は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、又はCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、及び/又はAとBとCの全てなどを有するシステムを含む)。更に、典型的には、2つ以上の選択的な用語を表すあらゆる選言的な語及び/又は句は、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除いて、明細書内であろうと、請求の範囲内であろうと、あるいは図面内であろうと、それら用語のうちの1つ、それらの用語のうちのいずれか、又はそれらの用語の両方を含む可能性を意図すると理解されるべきであることが、当業者には理解されよう。例えば、「A又はB」という句は、典型的には、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むものと理解されよう。
【0224】
添付の特許請求の範囲に関して、当業者は、本明細書における引用した動作は一般に、任意の順序で実施され得ることを理解するであろう。また、様々な動作のフロー図がシーケンスで示されているが、様々な動作は、示されたもの以外の順序で実施されてもよく、又は同時に実施されてもよいことが理解されるべきである。かかる代替の順序付けの例は、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除いて、重複、交互配置、割り込み、再順序付け、増加的、予備的、追加的、同時、逆又は他の異なる順序付けを含んでもよい。更に、「~に応答する」、「~に関連する」といった用語、又は他の過去時制の形容詞は、一般に、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、かかる変化形を除外することが意図されるものではない。
【0225】
「一態様」、「態様」、「例示」、「一例示」などへの任意の参照は、その態様に関連して記載される特定の機構、構造又は特性が少なくとも1つの態様に含まれると意味することは特記に値する。したがって、本明細書の全体を通じて様々な場所に見られる語句「一態様では」、「態様では」、「例示では」及び「一例示では」は、必ずしも全てが同じ態様を指すものではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の態様において任意の好適な様態で組み合わせることができる。
【0226】
本明細書で参照され、かつ/又は任意の出願データシートに列挙される任意の特許出願、特許、非特許刊行物、又は他の開示資料は、組み込まれる資料が本明細書と矛盾しない範囲で、参照により本明細書に組み込まれる。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれると言及されているが、現行の定義、見解、又は本明細書に記載される他の開示内容と矛盾する任意の内容、又はそれらの部分は、組み込まれた内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、組み込まれるものとする。
【0227】
要約すると、本明細書に記載した構想を用いる結果として得られる多くの利益が記載されてきた。1つ以上の形態の上述の記載は、例示及び説明を目的として提示されているものである。包括的であることも、開示された厳密な形態に限定することも意図されていない。上記の教示を鑑みて、修正又は変形が可能である。1つ以上の形態は、原理及び実際の応用について例示し、それによって、様々な形態を様々な修正例と共に、想到される特定の用途に適するものとして当業者が利用することを可能にするようにするために、選択及び記載されたものである。本明細書と共に提示される特許請求の範囲が全体的な範囲を定義することが意図される。
【0228】
〔実施の態様〕
(1) 外科用器具であって、
電池を解放可能に保持するように構成された電池インターフェースを含むハウジングアセンブリと、
前記電池インターフェースに位置決めされた無線周波数識別スキャナであって、前記電池から情報を受信するように構成されている、無線周波数識別スキャナと、
制御回路であって、前記電池から受信された前記情報に基づいて、前記電池と前記外科用器具との適合性を判定するように構成されている、制御回路と、を備える、外科用器具。
(2) 前記ハウジングアセンブリは、組み立て構成において前記電池を受け入れるように構成されている、実施態様1に記載の外科用器具。
(3) 前記無線周波数識別スキャナは、前記組み立て構成において、前記電池の無線周波数識別タグから前記情報を受信するように更に構成されている、実施態様2に記載の外科用器具。
(4) 前記電池を更に備え、前記電池は、前記組み立て構成において前記無線周波数識別スキャナの検出範囲内にある無線周波数識別タグを備える、実施態様2に記載の外科用器具。
(5) 前記無線周波数識別タグは、
電池識別番号と、
前記電池の製造業者と、
前記電池の化学的性質と、
前記電池が充電式であるか否かと、
前記電池の容量と、
前記電池の公称電圧と、
前記電池の電流引き出し特性と、
前記電池の出力特性と、のうちの少なくとも1つを記憶している、実施態様4に記載の外科用器具。
【0229】
(6) 前記制御回路は、
前記無線周波数識別スキャナに電気的に接続されたプロセッサと、
前記プロセッサに電気的に接続されたメモリと、を備える、実施態様1に記載の外科用器具。
(7) 前記メモリは、
適合性データベースと、
ルックアップテーブルと、のうちの少なくとも一方を記憶する、実施態様6に記載の外科用器具。
(8) 前記ハウジングアセンブリ内に位置決めされた電気モータを更に備え、前記制御回路は、前記電気モータの動作を電子的にロックアウトするように更に構成されている、実施態様1に記載の外科用器具。
(9) 外科用器具であって、
電池インターフェースを含むハウジングアセンブリと、
前記電池インターフェースに位置決めされた無線周波数識別タグと、
前記ハウジングアセンブリ内に位置決めされた電気モータと、
前記電気モータに電気的に結合可能な電池であって、
無線周波数識別スキャナであって、前記ハウジングアセンブリとの組み立て構成において、前記外科用器具の前記無線周波数識別タグから情報を受信するように構成されている、無線周波数識別スキャナと、
制御回路であって、前記無線周波数識別タグから受信された前記情報に基づいて、前記外科用器具と前記電池との適合性を判定するように構成されている、制御回路と、を備える、電池と、を備える、外科用器具。
(10) 前記無線周波数識別タグは、
外科用器具識別番号と、
前記外科用器具の製造業者と、
前記外科用器具のタイプと、
前記電気モータのタイプと、
前記外科用器具の性能能力と、
前記外科用器具に存在する制御アルゴリズムと、のうちの少なくとも1つを記憶している、実施態様9に記載の外科用器具。
【0230】
(11) 前記制御回路は、
前記無線周波数識別スキャナに電気的に接続されたプロセッサと、
前記プロセッサに電気的に接続されたメモリと、を備える、実施態様9に記載の外科用器具。
(12) 前記メモリは、
適合性データベースと、
ルックアップテーブルと、のうちの少なくとも一方を記憶している、実施態様11に記載の外科用器具。
(13) 前記外科用器具は、
前記電池内に位置決めされた第2の無線周波数識別タグと、
前記電池インターフェースに位置決めされた第2の無線周波数識別スキャナであって、前記組み立て構成において前記第2の無線周波数識別タグから情報を受信するように構成されている、第2の無線周波数識別スキャナと、
前記第2の無線周波数識別タグから受信された前記情報に基づいて、前記電池と前記外科用器具との適合性を判定するように構成されている第2の制御回路と、を更に備える、実施態様9に記載の外科用器具。
(14) 外科用器具であって、
ハウジングアセンブリであって、
第1の電池と、
前記第1の電池が前記ハウジングアセンブリから取り外された後の第2の電池であって、前記第2の電池の出力特性が、前記第1の電池の出力特性とは異なる、第2の電池と、を受け入れるように構成されている、ハウジングアセンブリと、
前記ハウジングアセンブリ内に位置決めされた無線周波数識別スキャナと、
前記外科用器具の動作を調整して、前記第2の電池に前記第1の電池の前記出力特性を模倣させるように構成されている制御回路と、を備える、外科用器具。
(15) 前記第1の電池の前記出力特性のうちの少なくとも1つは、前記第1の電池の電圧を含む、実施態様14に記載の外科用器具。
【0231】
(16) 前記第1の電池の前記出力特性のうちの少なくとも1つは、前記第1の電池から引き出された電流を含む、実施態様14に記載の外科用器具。
(17) 前記第1の電池の前記出力特性のうちの少なくとも1つは、前記第1の電池の出力容量を含む、実施態様14に記載の外科用器具。
(18) 前記第1の電池の前記出力特性のうちの少なくとも1つは、前記第1の電池によって提供される電力を含む、実施態様14に記載の外科用器具。
(19) 前記無線周波数識別スキャナは、
前記第1の電池からの第1の情報と、
前記第2の電池からの第2の情報と、を受信するように構成されている、実施態様14に記載の外科用器具。
(20) 前記制御回路は、
前記無線周波数識別スキャナに電気的に接続されたプロセッサと、
前記プロセッサに電気的に接続されたメモリと、を備える、実施態様14に記載の外科用器具。