(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】気流ホールが形成された可燃性熱源を含む喫煙物品
(51)【国際特許分類】
A24D 1/22 20200101AFI20250109BHJP
A24D 1/02 20060101ALI20250109BHJP
A24D 3/17 20200101ALI20250109BHJP
A24D 3/04 20060101ALI20250109BHJP
A24F 42/10 20200101ALI20250109BHJP
A24F 42/60 20200101ALI20250109BHJP
【FI】
A24D1/22
A24D1/02
A24D3/17
A24D3/04
A24F42/10
A24F42/60
(21)【出願番号】P 2023528506
(86)(22)【出願日】2022-11-28
(86)【国際出願番号】 KR2022018997
(87)【国際公開番号】W WO2023121026
(87)【国際公開日】2023-06-29
【審査請求日】2023-06-16
(31)【優先権主張番号】10-2021-0182680
(32)【優先日】2021-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジェオウン、エウンミ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ムーンウォン
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-503669(JP,A)
【文献】国際公開第2021/122451(WO,A1)
【文献】特表2016-527893(JP,A)
【文献】特開平05-103836(JP,A)
【文献】国際公開第2013/146951(WO,A2)
【文献】米国特許第05080114(US,A)
【文献】中国実用新案第215075461(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24D 1/00- 3/18
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可燃性熱源を含む喫煙物品であって、
前記可燃性熱源を含む第1部分と、
タバコ物質を含む第2部分と、
前記第1部分の下流側の末端から前記可燃性熱源の上流側に延びる気流ホールと、
前記第1部分と前記第2部分との間に位置する前記気流ホールに連結されるバッファ空間と、
を含み、
前記気流ホールは、前記可燃性熱源を貫通
せず、
前記気流ホールの深さは前記可燃性熱源の長さの50%から70%の長さを有し、
前記第1部分及び前記第2部分を包む熱伝導性ラッパー、および前記可燃性熱源を含む喫煙物品を包む外部巻タバコ紙を含み、
前記熱伝導性ラッパーと前記外部巻タバコ紙の外周面に1つ以上の穿孔を含む、
可燃性熱源を含む喫煙物品。
【請求項2】
前記気流ホールの直径は、前記可燃性熱源の直径の5%から60%の長さを有
する、請求項1に記載の可燃性熱源を含む喫煙物品。
【請求項3】
前記可燃性熱源の直径は6mmから12mmであり、
前記気流ホールの直径は1mmから5mmである、請求項2に記載の可燃性熱源を含む喫煙物品。
【請求項4】
前記可燃性熱源の長さは10mmから16mmであり、
前記気流ホールの深さは1mmから12mmである、請求項2に記載の可燃性熱源を含む喫煙物品。
【請求項5】
前記バッファ空間は0.5mmから3mmの厚さを有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の可燃性熱源を含む喫煙物品。
【請求項6】
前記バッファ空間と接する前記第2部分の末端は金属バリアをさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の可燃性熱源を含む喫煙物品。
【請求項7】
前記穿孔の大きさは0.5mm以下である、請求項
1に記載の可燃性熱源を含む喫煙物品。
【請求項8】
前記可燃性熱源を含む喫煙物品は、冷却物質を含む第3部分、及びフィルタ物質を含む第4部分をさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の可燃性熱源を含む喫煙物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気流ホールが形成された可燃性熱源を含む喫煙物品に関する。
【背景技術】
【0002】
喫煙物品が燃焼されるよりも加熱される数多い喫煙物品が提案されている。このような非燃焼式の喫煙物品は、従来における巻タバコとは異なって喫煙物品の媒質を燃焼させず、喫煙物品の媒質を加熱することによって発生したエアロゾルを吸引し使用される。このような加熱式喫煙物品のタイプの1つとして可燃性炭素熱源の適用された喫煙物品がある。
【0003】
前記可燃性炭素熱源が適用された喫煙物品は、可燃性炭素熱源からこの炭素熱源の下流に位置する喫煙物品の媒質への熱伝達によってエアロゾルが発生する。
【0004】
可燃性炭素熱源が適用された喫煙物品は、一般的な加熱式電子喫煙物品が専用デバイスを使用することとは異なって、伝統型の巻タバコに類似の喫煙形態を有しており、その需要が増加している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】WO2009/022232(2009.02.19)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、可燃性熱源に気流ホールが形成されて燃焼持続性が向上した可燃性熱源を含む喫煙物品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は可燃性熱源を含む喫煙物品100において、可燃性熱源を含む第1部分110と、タバコ物質を含む第2部分120と、前記第1部分の下流側の末端から前記可燃性熱源の上流側に延びる気流ホール210と、前記第1部分110と第2部分120との間に位置する、前記気流ホール210に連結されるバッファ空間220とを含み、前記気流ホールは、前記可燃性熱源を貫通しない可燃性熱源を含む喫煙物品を提供する。
【0008】
本発明の一具現例として、前記気流ホールの直径d2は、可燃性熱源直径d1の5~60%の長さを有し、前記気流ホールの深度l2は可燃性熱源の長さl1の10~80%の長さを有することができる。
【0009】
本発明の他の具現例として、前記可燃性熱源の直径d1は6~12mmであり、前記気流ホールd2の直径は1~5mmであってもよい。
【0010】
本発明の更なる具現例として、前記可燃性熱源の長さl1は10~16mmであり、前記気流ホールの深度l2は1~12mmであってもよい。
【0011】
本発明の更なる具現例として、前記バッファ空間220は0.5~3mmの長さを有することができる。
【0012】
本発明の更なる具現例として、前記バッファ空間220と接する前記第2部分120の末端は、金属バリア300が形成されることができる。
【0013】
本発明の更なる具現例として、前記第1部分110及び第2部分120を包む熱伝導性ラッパー160を含むことができる。
【0014】
本発明の更なる具現例として、前記熱伝導性ラッパー160は外周面に1つ以上の穿孔161を含むことができる。
【0015】
本発明の更なる具現例として、前記喫煙物品は、可燃性熱源を含む喫煙物品を包む外部巻タバコ紙150を含むことができる。
【0016】
本発明の更なる具現例として、前記熱伝導性ラッパー160と外部巻タバコ紙150の外周面に穿孔161,151を1つ以上含むことができる。
【0017】
本発明の更なる具現例として、前記穿孔の大きさは0.5mm以下であってもよい。
【0018】
本発明の更なる具現例として、前記可燃性熱源を含む喫煙物品100は、冷却物質を含む第3部分130、及びフィルタ物質を含む第4部分140をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の可燃性熱源を含む喫煙物品は、気流ホールを有する可燃性熱源を使用して燃焼持続性に優れたことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の可燃性熱源を含む喫煙物品の構成を示す図である。
【
図2a】本発明の喫煙物品の喫煙時に加熱した気流の伝達経路を図式化した図である。
【
図2b】本発明の喫煙物品の喫煙時外部の空気が流入する経路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明は様々な異なる形態に実現されることができ、ここで説明する内容に限定されない。
【0022】
また、図面を参照して説明する際に、図面符号に関係なく同じ構成要素には同じ参照符号を付与し、これに対する重複する説明は省略する。本実施形態の説明において関連する公知技術に対する具体的な説明が、実施形態の要旨を不要に曖昧にすると判断される場合、その詳細な説明は省略する。
【0023】
明細書の全体において、「可燃性熱源を含む喫煙物品の長手方向」は、可燃性熱源を含む喫煙物品の長さが延長される方向、又は可燃性熱源を含む喫煙物品が燃焼する場合に燃焼が行われる方向を意味する。
【0024】
明細書の全体において、用語「上流」及び「下流」は、ユーザが可燃性熱源を含む喫煙物品を用いて外気を吸入するとき、可燃性熱源を含む喫煙物品の外部から内部に空気が入ってくる部分が「上流」であり、可燃性熱源を含む喫煙物品の内部から外部に空気が出て行く部分が「下流」である。用語「上流」及び「下流」は、可燃性熱源を含む喫煙物品を構成している部分又はセグメントの間の相対的な位置又は方向を示すために使用され得る。例えば、熱源の上流側の末端は、喫煙物品の熱源側の末端面を意味し、熱源の下流側の末端はバッファ空間と接している面を意味する。
【0025】
以下では、図面を参照して本開示の実施形態を詳細に説明する。
【0026】
図1は、可燃性熱源を含む喫煙物品の構成を示す図である。
【0027】
図1を参照すると、可燃性熱源を含む喫煙物品100は、例えば、可燃性熱源を含む第1部分110、タバコ物質を含む第2部分120を含み、前記第1部分110及び前記第2部分120は、前記可燃性熱源を含む喫煙物品100の長手方向を基準にして順に整列される。
【0028】
前記喫煙物品100は、気流ホール210を有することを特徴とする。前記気流ホール210は、可燃性熱源の内部に凹状に形成されているもので、可燃性熱源の前記第1部分の下流側の末端から前記可燃性熱源の上流側に延びている。前記喫煙物品の喫煙時、喫煙物品の最上流である前記可燃性熱源のせん断部に火をつけて燃焼を進行させる。前記気流ホールは、熱源全体を「貫通しない」構造を有することを特徴とする。前記気流ホールは熱源全体を貫通しないことで、熱源の燃焼温度が喫煙可能な温度を進めながらも、180秒以上の喫煙時間を有するようにする。
【0029】
ここで、第1部分110、及び第2部分120は、互いに一定の間隔を維持しながら配置され、その間には気流ホールと連結されるバッファ空間220を含む。前記気流ホール210及びバッファ空間220は実質的に連結された、空いている空間を共有して形成している。前記バッファ空間220と接する前記第2部分120の末端、すなわち、第2部分の上流側の末端には金属バリア300が形成されている。
【0030】
前記可燃性熱源は、例えば、炭素質の熱源であってもよい。また、可燃性熱源は多孔性(porous)構造を有してもよい。本明細書で使用されるように、用語「炭素質」は、炭素を含む可燃性熱源を説明するために使用される。好ましくは、本発明に係る喫煙物品で使用するための可燃性の炭素質熱源は、可燃性熱源の少なくとも約40乾燥重量%、少なくとも約50乾燥重量%、少なくとも約60乾燥重量%、又は、少なくとも約70乾燥重量%、又は、少なくとも約80乾燥重量%の炭素を含んでもよい。
【0031】
所望に応じて、1つ以上のバインダーが1つ以上の炭素含有物質と組み合せられてもよい。好ましくは、1つ以上のバインダーは有機バインダーであってもよい。知られた適切な有機バインダーはこれに限定されないが、ガム(例えば、グアーガム)、改質されたセルロース及びセルロース誘導体(例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロース)粉(flour)、デンプン、砂糖、植物油及びその組み合わせを含んでいる。
【0032】
バインダーの代わりに、又は、それに加えて、本発明に係る喫煙物品で使用するための可燃性熱源は、この可燃性熱源の特性を向上させるために1つ以上の添加剤を含んでもよい。適切な添加剤は、可燃性熱源の固化(consolidation)を促進する添加剤(例えば、焼結補助剤)、可燃性熱源の発火を促進する添加剤(例えば、過塩素酸塩、塩素酸塩、硝酸塩、過酸化物、過マンガン酸塩、ジルコニウム及びその組み合わせのような酸化剤)、可燃性熱源の燃焼を促進する添加剤(例えば、クエン酸カリウムのようなカリウム及びカリウム塩)、及び可燃性熱源の燃焼によって生成された1つ以上のガスの分解を促進する添加剤(例えば、CuO、Fe2O3及びAl2O3のような触媒)を含むが、これに限定されない。
【0033】
可燃性熱源は、好ましくは、1つ以上の炭素含有物質を1つ以上のバインダー及び任意の他の添加剤(含まれる場合)に混合し、この混合物を所望する形状に予め形成して形成されている。1つ以上の炭素含有物質、1つ以上のバインダー及び選択的な他の添加剤の混合物は、例えば、スリップ鋳込み(slip casting)、押出、射出成形、及び金型圧縮又は加圧のような任意の適切な周知のセラミック形成方法を用いて所望の形状に予め形成されてもよい。
【0034】
好ましくは、可燃性熱源は、加圧工程又は押出工程によって形成されている。最も好ましくは、可燃性熱源は加圧工程によって形成されている。
【0035】
好ましくは、可燃性熱源は、約0.8g/cm3~約3.0g/cm3との間の仮比重(apparent density)を有し、好ましくは、可燃性熱源は約300mgと約500mgとの間、より好ましくは、約400mgと約450mgとの間の質量を有することができる
【0036】
但し、本発明の熱源は前述したように必ず制限されることなく、本発明は可燃性熱源を含む喫煙物品100に熱を提供できる周知の素材の熱源を全て含むことができる。
【0037】
第2部分120はタバコ物質を含んでもよい。前記タバコ物質は、例えば、切断された刻草、シート刻草、喫煙物品の葉、膨化喫煙物品、及びニコチン抽出物のうち少なくとも1つを含んでもよい。喫煙物品はニコチン(nicotine)成分を含んでもよい。前記喫煙物品の他に、エアロゾル発生物質をさらに含んでもよい。エアロゾル発生物質は、多価アルコール、グリセロールモノ-、ジ-又はトリアセテートのような多価アルコールのエステル、及びジメチルドデカン二酸(dodecanedioate)及びジメチルテトラデカン二酸(tetradecanedioate)のようなモノ-、ジ-又はポリカルボン酸の脂肪族エステルであってもよい。より具体的に、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びオレイルアルコールのうち少なくとも1つを含んでもよい。例えば、第2部分120は、グリセリンに浸漬されたシート刻草を含んでもよい。但し、これは例示として本発明がこれに必ず制限されることはない。
【0038】
前記第2部分120は、5mmと約20mmとの間、より好ましくは約8mmと約12mmとの間の長さを有してもよい。第2部分120は、紙又はその他のラッパーによって包まれ、加熱に反応して揮発性化合物を放出できる物質を含むプラグ又は部位の形態であってもよい。上述したように、第2部分がプラグ又は部位形態である場合、任意のラッパーを含んでいるプラグ又は部位全体が第2部分120であると考慮される。
【0039】
本発明で可燃性熱源を含む喫煙物品100は冷却物質を含有する第3部分130及びフィルタ物質を含有する第4部分140をさらに含んでもよい。
【0040】
第3部分130は、冷却物質を含むことができる。第3部分130は、末端が開放された管状の中空体を含むものとして、第1部分110及び第2部分120を通過する気流を冷却させることができる。第3部分130は、高分子物質又は生分解性高分子物質に製造され、冷却機能を有することができる。例えば、第3部分130は、紙、板紙、プラスチック、例えば、酢酸セルロース、セラミック及びその組み合わせであってもよい。さらに、前記冷却要素は、金属ホイル、高分子物質、及び実質的に非多孔性紙又は板紙からなるグループより選択された物質のシワシートを含んでもよい。所定の実施形態において、エアロゾル冷却要素は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ乳酸(PLA)、酢酸セルロース(CA)、及びアルミニウムホイルからなるグループより選択された物質のシワシートを含んでもよい。
【0041】
第4部分140は、フィルタ物質を含むことができる。第4部分140は、例えば、アセチルセルロースフィルタであってもよい。一方、第4部分140の形状には制限がない。例えば、第4部分140は円柱タイプ(type)ロッドであってもよく、内部に中空部を含むチューブタイプ(type)ロッドであってもよい。また、第4部分140は、リセースタイプ(type)ロッドであってもよい。もし、第4部分140が複数のセグメントから構成された場合、複数のセグメントのうち少なくとも1つが異なる形状に製造されてもよい。
【0042】
これに加えて、第4部分を包む口と接触するティッピングペーパーなどがさらに含まれてもよい。前記ティッピングペーパーは1つ以上の穿孔が形成されていてもよい。
【0043】
第4部分140は、香味が発生するように製造されてもよい。一例として、第4部分140に芳香液が噴射されてもよく、芳香液の塗布された別途の繊維が第4部分140の内部に挿入されてもよい。
【0044】
第3部分及び第4部分では、エアロゾル改質剤を含んでもよい。例えば、本発明に係る喫煙物品の第3部分、第4部分、ティッピングペーパーのうちの1つ以上は、1つ以上のエアロゾル改質剤を含んでもよい。適切なエアロゾル改質剤はこれに限定されることはないが、香味剤;物体感覚剤(chemesthetic agent)を含んでいる。前記香味剤は、使用する際に喫煙物品のタバコ物質及びエアロゾル発生物質によって発生したエアロゾルに味(taste)又は香り(aroma)のうちの1つ又は全てを付与する任意の物質を説明するために使用される。
【0045】
本発明に係る喫煙物品は、下流に香味剤でありながら物体感覚剤である1つ以上のエアロゾル改質剤を含んでもよい。例えば、本発明に係る喫煙物品の第3部分及び第4部分のうちの1つ以上は、冷却物体感覚の効果を提供するメントール又は更なる香味剤を含んでもよい。
【0046】
また、可燃性熱源を含む喫煙物品100は、前記第1部分110及び第2部分120を包む熱伝導性ラッパー160を含む。前記熱伝導性ラッパーは、第1部分及び第2部分を完全に包んでもよく、前記第1部分の一部と第2部分を一部包んでもよく、第1部分の一部と第2部分を全て包んでもよい。
【0047】
前記熱伝導性ラッパーは、可燃性熱源から発生した熱をタバコ物質に伝達するもので、前記ラッパーは、アルミホイルラッパー、スチールラッパー、鉄ホイールラッパー及び銅ホイールラッパーのような金属ホイールラッパー、及び金属合金ホイールラッパーであってもよく、熱を効率よく伝達できる素材であれば前記素材に制限されない。
【0048】
前記バッファ空間と接する第2部分の末端は(第2部分の上部、上流側の末端)には金属バリア300が形成される。ここで、金属バリアは、可燃性熱源部が媒質部と直接接触することを防止することができ、可燃性熱源部で発生する成分のうち一部が媒質部に移動することが防止される。
【0049】
バリアの厚さは、良好な喫煙性能を取得するために適切に調節され得る。特定の実現形態において、バリアは、約10ミクロンと約500ミクロンとの間の厚さを有してもよい。バリアは、点火及び燃焼時に可燃性熱源によって得られた温度において実質的に熱的に安定で不燃性である1つ以上の金属性材料を含んでもよい。適切な材料は本分野に知られており、これが制限されることはないものの、アルミニウム、銅、ステンレス鋼、及びその組み合わせを含んでもよい。
【0050】
また、可燃性熱源を含む喫煙物品100は、可燃性熱源を含む喫煙物品100の一部又は全体を包む外部巻タバコ紙150をさらに含んでもよい。例示として、外部巻タバコ紙150は、第1部分110、第2部分120、第3部分130、及び第4部分140を全て包んでもよく、フィルタ部分を除いて第1部分110、第2部分120、第3部分130を包んでもよい。
【0051】
前記熱伝導性ラッパー160と外部巻タバコ紙150には、穿孔161,151が1つ以上形成されてもよい。前記穿孔161,151は、互いに完全に重なって実質的に連結されて同じ穿孔として機能するものとして、前記熱伝導性ラッパーと外部巻タバコ紙に形成された穿孔を介して熱源で発生した熱が喫煙物品の外部に排出されたり、又は喫煙物品の外気が流入されたりしてもよい。前記穿孔の大きさは外気が効率よく流入されながら、同時に内部空気が抜け出るように0.5mm以下であることが好ましい。
【0052】
前記穿孔は、熱伝導性ラッパーと外部巻タバコ紙を用いて第1部分、第2部分を包んだ後、これを穿孔(On-line)して行われるものであってもよく、前記熱伝導性ラッパーと外部巻タバコ紙を独立的に穿孔(Off-line)した後、材料を組み立てる過程で穿孔が互いに重なって連結されるようにするものであってもよい。前記穿孔は、機械的な穿孔、電気的な穿孔、又はレーザ穿孔などによって実行される。
【0053】
外部巻タバコ紙150が可燃性熱源を含む喫煙物品100の各構成を包んでいる場合、各構成間の結合力は増加する。例えば、外部巻タバコ紙150によって、第1部分110、第2部分120、第3部分130、及び第4部分140が互いに結合力をもって隣接に配置されてもよい。前記外部巻タバコ紙150は、例えば、セルロース巻紙で形成されてもよい。但し、本開示がこれに制限されることはない。
【0054】
一例として、可燃性熱源を含む喫煙物品100がユーザによって用いられる場合、第1部分110は点火され、ユーザは口を介して第4部分140を吸入することができる。そのため、可燃性熱源を含む喫煙物品100の外気は第1部分110に流入される。即ち、外気は、可燃性熱源を含む喫煙物品100内で気流を形成することができる。
【0055】
図2aを参照すると、可燃性熱源を含む喫煙物品100の着火時、第1部分110で形成された加熱した気流は、気流ホール210を介してバッファ空間220に伝えられ、熱伝導性ラッパー及び金属バリア300を介して第2部分120に伝達される。前記バッファ空間220は、可燃性熱源と金属バリアが一定の間隔を有するように0.5~3mmの厚さを有し、好ましくは、0.8~1.5mmの長さを有してもよい。
【0056】
例示として、
図2aに示すように、第1部分110で形成された加熱した気流は矢印に表示した流れに応じて、熱伝導性ラッパーの穿孔161及び外部巻タバコ紙の穿孔151を介して外部に排出され、
図2bに示すように、外気は矢印に表示した流れに応じて熱伝導性ラッパーの穿孔161及び外部巻タバコ紙の穿孔151を介して内部に流入されることができる。一般に、可燃性熱源と金属バリアは、熱伝達の効率を高めるために最大に密着しなければならないが、製造工程上に完全密着は難しいため前記のような構成を有するものであって、本発明によれば、前記構成を有することによって持続的に可燃性熱源の気流ホールの内部と可燃性熱源及びバリアの間の空間に外気が流入され得る。流入した外気は、前記過程を介して移動可能であり、これによって可燃性熱源に持続的に空気が提供されることで燃焼持続性を向上させることができる。
【0057】
図3は、第1部分110の可燃性熱源の構造を具体的に示す図である。前記可燃性熱源は全体的に円筒状の形態を有し、前方面に行くほど熱源の直径が減少して端部が狭くなる、梯形の断面を有する形態である。但し、これに制限されることなく、前記熱源の直径が一定で断面が四角形であったり、直径が0に収斂して断面が三角形の形態を有したりする構造であってもよい。
【0058】
図3を参照すると、前記気流ホールの直径d
2は、可燃性熱源直径d
1の5~60%の長さを有し、好ましくは20~40%の長さを有してもよい。
【0059】
上述したように、前記気流ホールは、熱源全体を「貫通しない」構造を有し、長手方向に延びるものの熱源の前方面まで延びない。気流ホールの深度l2は可燃性熱源の長さl1の10~80%の長さを有し、好ましくは50~70%の長さを有してもよい。
【0060】
例示として、前記可燃性熱源の直径d1は6~12mmであり、前記気流ホールの直径d2は1~5mmであってもよい。
【0061】
以下、添付の図面を参照して実施形態について詳細に説明する。しかし、実施例には様々な変更が加えられ、特許出願の権利範囲がこれらの実施形態によって制限されたり限定されたりすることはない。実施形態に対する全ての変更、均等物または代替物が権利範囲に含まれているものと理解されなければならない。
【0062】
異なるように定義さがれない限り技術的又は科学的な用語を含み、ここで用いる全ての用語は、本実施形態が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に用いられる予め定義された用語は、関連技術の文脈上で有する意味と一致する意味を有するものと解釈されなければならず、本明細書で明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解釈されることはない。
【実施例】
【0063】
1.熱源製造方法
<実施形態1>
下記の条件に応じて熱源を製造し、これを用いてバッファ空間が1mmの厚さで形成した後、タバコ物質、冷却物質、及びフィルタ物質を組み立て、喫煙物品を製造した。前記バッファ空間とタバコ物質との間には金属バリアが含まれている。
【0064】
熱源の長さ:12mm、熱源直径:8mm、気流ホールの直径:2mm、気流ホールの深度:7.2mm、気流ホールの末端形態:円形状
【0065】
前記喫煙物品を組み立てた後、熱源及びタバコ物質を包む熱伝導性ラッパーと及び外部巻タバコ紙のバッファ空間が形成された部分にレーザ穿孔を介して0.5mmの大きさの穿孔4個を形成した。
【0066】
<実施形態2>
実施形態1と同様に製造するが、気流ホールの末端の形態を尖鋭な形態に変更した。
【0067】
<実施形態3>
実施形態1と同様に製造するが、熱源の長さを10mmに変更し、気流ホールの深さを5mmに変更した。
【0068】
<実施形態4>
実施形態1と同様に製造するが、熱源の長さを10mmに変更し、気流ホールの深さを7mmに変更した。
【0069】
<実施形態5>
実施形態1と同様に製造するが、バッファ空間を2mmの厚さに変更した。
【0070】
<実施形態6>
実施形態1と同様に製造するが、バッファ空間を2mmの厚さに変更し、熱源の長さを14mm、気流ホールの直径を2.5mm、気流ホールの深さを11.2mmに変更した。
【0071】
<実施形態7>
実施形態1と同様に製造するが、穿孔の大きさを0.7mmに変更した。
【0072】
<比較例1>
実施形態1と同様に製造するが、熱源に気流ホールを形成せず喫煙物品を製造した。
【0073】
<比較例2>
実施形態1と同様に製造するが、バッファ空間を形成せず喫煙物品を製造した。
【0074】
<比較例3>
実施形態1と同様に製造するが、気流ホールの深さを11mmに変更した。
【0075】
<比較例4>
実施形態1と同様に製造するが、穿孔を形成せずに喫煙物品を製造した。
【0076】
2.燃焼持続性の確認
前記の実施形態1~7と、比較例1~4の喫煙物品をISO喫煙条件(ティップペーパーの穿孔部が塞がっていない状態で1分の喫煙周期で2秒の喫煙時間に35mlの喫煙体積をティップペーパー上側3mmまで喫煙)によって自動喫煙装置(Smoking machine)で喫煙し燃焼持続時間を確認した。
【0077】
【0078】
前記結果を介して、本発明の構成を有する喫煙物品は180秒以上の良好な燃焼持続性が確認され、気流ホールが形成されていない熱源を用いた喫煙物品は、約160秒未満の燃焼持続性が確認された。
【0079】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、当技術分野で通常の知識を有する者であれば、前記に基づいて様々な技術的な修正及び変形を適用することができる。例えば、説明された技術が説明された方法とは異なる順に実行されたり、及び/又は説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が説明された方法とは異なる形態に結合又は組み合わせられたり、他の構成要素又は均等物によって代替、置換されても適切な結果を達成することができる。
【0080】
したがって、他の実現、他の実施形態、及び特許請求の範囲と均等なものなども後述する特許請求の範囲の範囲に属する。
【符号の説明】
【0081】
100:可燃性熱源を含む喫煙物品
110:第1部分
120:第2部分
130:第3部分
140:第4部分
150:外部巻タバコ紙
151:穿孔
160:熱伝導性ラッパー
161:穿孔
210:気流ホール
220:バッファ空間
300:金属バリア
d1:熱源直径
d2:気流ホール直径
l1:熱源の長さ
l2:気流ホールの長さ