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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】インヘイラー
(51)【国際特許分類】
   A61M 15/00 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
A61M15/00 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023557798
(86)(22)【出願日】2023-06-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(86)【国際出願番号】 KR2023007487
(87)【国際公開番号】W WO2024005386
(87)【国際公開日】2024-01-04
【審査請求日】2023-10-03
(31)【優先権主張番号】10-2022-0081066
(32)【優先日】2022-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、タエ ヘオン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジャエ ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ミ ジェオン
(72)【発明者】
【氏名】ジェオン、ミンセオク
(72)【発明者】
【氏名】ジュン、ヨンミ
(72)【発明者】
【氏名】ジェオウン、エウンミ
(72)【発明者】
【氏名】チュン、タエ ヨウン
(72)【発明者】
【氏名】ハン、セウン キュ
【審査官】山田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】特開平1-46471(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0074718(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0016048(US,A1)
【文献】特開平2-45067(JP,A)
【文献】特開2006-198127(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0030688(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面、前記一面と対向する他面、および前記一面と他面とを連結する複数の側面を具備するハウジング;
前記ハウジング内部に交換可能に取り付けられ、吸入可能な組成物を収容するキャニスタ;
前記キャニスタと接続され、前記キャニスタからの前記吸入可能な組成物が貯蔵される貯蔵所;
前記貯蔵所に設置され、前記貯蔵所が外部に対して開閉されるように作動するリリーフ弁;および
一側が前記ハウジングに回転可能に結合され、他側が前記キャニスタの底面と対応する位置に脱着可能に結合されるカバー;
を含み、
前記リリーフ弁が開放された後に前記キャニスタが前記ハウジングから取り外されるように前記カバーが開放される、インヘイラー。
【請求項2】
前記カバーの一側に隣接して配置されるカバーロックをさらに含み、
前記カバーロックは、前記カバーの回転を制限する第1位置または前記カバーの回転を許容する第2位置でスライド移動可能な、請求項1に記載のインヘイラー。
【請求項3】
一端が前記リリーフ弁と結合され、他端が前記カバーロックに向かって延長されるリリーフバーをさらに含み、
前記リリーフバーは、前記カバーと前記カバーロックとの間に位置する、請求項2に記載のインヘイラー。
【請求項4】
前記カバーロックは、
前記ハウジングの他面上でスライド移動可能な第1ロック部材;および
前記第1ロック部材から前記ハウジングの一面に向かって延長される第2ロック部材;
を含み、
前記第1ロック部材が第2位置に移動するときに、前記リリーフバーが前記ハウジングの一面に向かって移動される、請求項3に記載のインヘイラー。
【請求項5】
前記第2ロック部材は、前記リリーフバーの他端に向かって高さが減少する傾斜面を含み、
前記第1ロック部材が第2位置に移動するときに、前記傾斜面は前記リリーフバーの他端を前記ハウジングの一面に向かって移動させる、請求項4に記載のインヘイラー。
【請求項6】
前記リリーフバーは、前記ハウジングの一面に向かって移動されるときに前記リリーフ弁を開放させ、元の位置に戻るときに前記リリーフ弁を閉鎖する、請求項3から5の何れか1つに記載のインヘイラー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
インヘイラーが開示される。
【背景技術】
【0002】
一般的にインヘイラーは、吸入する過程において薬物などの組成物を液体またはガスの状態で口腔または鼻腔を通じて吸入させるのに使用される器具である。このようなインヘイラーは、吸入可能な組成物を収容する容器を備え、組成物は、細管を通じて容器から最終的に吸入口を通じて口腔または鼻腔に噴射されてユーザに吸入されることになる。
【0003】
前述の背景技術は、発明者が本願の開示内容を導き出す過程で保有、または習得したものであり、必ずしも本出願前に一般公衆に公開された公知の技術であるとは言えない。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]大韓民国登録特許公報第10-2021229号(2019.09.11.公告)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一実施例による目的は、二重ロック装置を適用して、キャニスタカバーが容易に開かれて内部に取り付けられたキャニスタが外部に飛び出る問題を除去し、キャニスタの交換の際にリリーフバルブを作動させて貯蔵所内部の媒質残余物を排出する構造が適用されたインヘイラーを提供することである。
【0005】
実施例において解決しようとする課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されていないさらに別の課題は、以下の記載から当業者には明確に理解されるあろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するための一実施例によるインヘイラーは、一面、前記一面と対向する他面、および前記一面と他面とを連結する複数の側面を備えるハウジング;前記ハウジング内部に交換可能に取り付けられ、吸入可能な組成物を収容するキャニスタ;前記キャニスタと接続され、前記キャニスタからの前記吸入可能な組成物が貯蔵される貯蔵所;前記貯蔵所に設置され、前記貯蔵所が外部に対して開閉されるように作動するリリーフ弁;および、一側が前記ハウジングに回転可能に結合され、他側が前記キャニスタの底面と対応する位置に脱着可能に結合されるカバー;を含み、前記リリーフ弁が開放された後に前記キャニスタがハウジングから取り外されるように前記カバーが開放されることができる。
【0007】
一側面によれば、前記カバーの一側に隣接して配置されるカバーロックをさらに含み、前記カバーロックは、前記カバーの回転を制限する第1位置または前記カバーの回転を許容する第2位置でスライド移動してもよい。
【0008】
一側面によれば、一端が前記リリーフ弁と結合され、他端が前記カバーロックに向かって延長されるリリーフバーをさらに含み、前記リリーフバーは、前記カバーと前記カバーロックとの間に位置してもよい。
【0009】
一側面によれば、前記カバーロックは、前記ハウジングの他面上でスライド移動可能な第1ロック部材;および前記第1ロック部材から前記ハウジングの一面に向かって延長される第2ロック部材;を含み、前記第1ロック部材が第2位置に移動するときに、前記リリーフバーが前記ハウジングの一面に向かって移動されてもよい。
【0010】
一側面によれば、前記第2ロック部材は、前記リリーフバーの他端に向かって高さが減少する傾斜面を含み、前記第1ロック部材が第2位置に移動するときに、前記傾斜面は前記リリーフバーの他端を前記ハウジングの一面に向かって移動させてもよい。
【0011】
前記リリーフバーは、前記ハウジングの一面に向かって移動されるときに前記リリーフ弁を開放させ、元の位置に戻るときに前記リリーフ弁を閉鎖してもよい。
【発明の効果】
【0012】
一実施例によるインヘイラーによれば、二重ロック装置を適用して、キャニスタカバーが容易に開かれて内部に取り付けられたキャニスタが外部に飛び出る問題を除去し、キャニスタの交換の際にリリーフバルブを作動させて貯蔵所内部の媒質残余物を排出する効果がある。
【0013】
一実施例によるインヘイラーの効果は、以上で言及したものなどに限定されず、言及されていない他の効果は、以下の記載から通常の技術者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】一実施例によるインヘイラーの斜視図である。
図2】一実施例によるインヘイラーの断面図である。
図3】一実施例によるインヘイラーのカバーおよびカバーロックを示す。
図4】カバーロックが第1位置にある一実施例によるインヘイラーを示す。
図5】カバーロックが第2位置にある一実施例によるインヘイラーを示す。 本明細書に添付された以下の図面は、本発明の好ましい一実施例を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的思想をさらに理解させる役割を果たすものであるので、本発明はそのような図面に記載された事項だけに限定して解釈されてはならない。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、実施例を例示的な図面を通じて詳しく説明する。各図面の構成要素に参照符号を付ける場合において、同一の構成要素に対しては、たとえ他の図面上に表示されても、できるだけ同一の符号になるようにしていることに留意されたい。また、実施例の説明において、関連する公知構成または機能に対する具体的な説明が実施例に対する理解を妨げると判断される場合は、その詳細な説明は省略する。
【0016】
また、実施例の構成要素の説明において、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用することがある。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであるだけであり、その用語によって該構成要素の本質や手順または順序などが限定されない。ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」または「接続」されると記載した場合、その構成要素はその他の構成要素に直接的に連結され、または接続され得るが、各構成要素の間にさらに別の構成要素が「連結」、「結合」または「接続」されることもあり得ると理解されるべきである。
【0017】
いずれかの実施例に含まれた構成要素と共通の機能を含む構成要素は、他の実施例において同一の名称を用いて説明することとする。断りのない限り、いずれかの実施例に記載した説明は、他の実施例にも適用可能であり、重複される範囲で具体的な説明は省略する。
【0018】
図1は、一実施例によるインヘイラー10の斜視図である。
【0019】
図2は、一実施例によるインヘイラー10の断面図である。
【0020】
図3は、一実施例によるインヘイラー10のカバー500およびカバーロック600を示す。
【0021】
図4は、カバーロック600が第1位置にある一実施例によるインヘイラー10を示す。
【0022】
図5は、カバーロック600が第2位置にある一実施例によるインヘイラー10を示す。
【0023】
図1を参照して、一実施例によるインヘイラー10は、ハウジング101、マウスピース102、貯蔵所103、キャニスタ200、およびレバー300を含む。
【0024】
ハウジング101は、一面に形成された第1面、前記第1面と対向する第2面、および前記第1面と第2面とを連結する複数の側面を含む。ハウジング101の第1面は、例えばハウジング101の上部に位置する面であり、第2面は、例えばハウジング101の底面である。
【0025】
マウスピース102は、前記ハウジング101の第1面に配置されてもよい。ユーザは、マウスピース102を通じてインヘイラー10に収容されている吸入可能な組成物を吸入することができる。このとき、ユーザは、組成物を、例えばエアロゾル状態で吸入することができ、粉末などの形態でも吸入することができる。以下においては、吸入可能な組成物をエアロゾル状態で噴射するインヘイラー10を例として、一実施例によるインヘイラー10を説明することにする。
【0026】
図1および図2を参照して、貯蔵所103は、ハウジング101の内部に配置されてもよい。貯蔵所103には、キャニスタ200の一側が連結されており、キャニスタ200に収容されていた吸入可能な組成物が貯蔵所103に移動して貯蔵されることができる。また、貯蔵所103に貯蔵されている吸入可能な組成物は、ユーザがマウスピース102を通じて吸入力を加えることによってエアロゾル状態でマウスピース102を通じて排出されるので、貯蔵所103に貯蔵された吸入可能な組成物は、徐々に消耗される。
【0027】
キャニスタ200は、ハウジング101の内部に取り付けられてもよい。このとき、キャニスタ200は、ハウジング101の内部に交換可能に取り付けられてもよい。また、キャニスタ200は、内部に吸入可能な組成物を収容してもよい。キャニスタ200の組成物は、貯蔵所103の内部に一定量が充填されてもよい。
【0028】
また、一実施例によるインヘイラー10には、ハウジング101に取り付けられたキャニスタ200の離脱を防止するカバー500およびカバーロック600が備えられてもよい。
【0029】
カバー500およびカバーロック600については、以下において図3から図5を参照してより詳しく説明する。
【0030】
さらに、図1および図2を参照して、レバー300は、貯蔵所103内部へキャニスタ200に収容された組成物を充填するために、ユーザにより加圧されてもよい。レバー300は、ハウジング101の一側面を構成してもよく、第2面と隣接して位置してもよい。ユーザがレバー300を加圧すると、レバー300がキャニスタ200の底面を押し上げてキャニスタ200の噴射口220が貯蔵所103と連通され、噴射口220を通じて組成物がキャニスタ200から貯蔵所103に移動することができる。
【0031】
以下においては、レバー300が位置するハウジング101の一側面からキャニスタ200に向かう方向を第1方向と定義し、前記ハウジング101の第2面から第1面に向かう方向を第2方向と定義する。
【0032】
一方、貯蔵所103には、リリーフ弁700が設けられており、ハウジング101の第1面にはリリーフベントホール400が備えられている。このようなリリーフ弁700は、リリーフバー800およびリリーフバー移動突起320などを通じてレバー300と連動しており、レバー300がキャニスタ200を押し上げる前に、リリーフ弁700が先に開放されるように作動して、貯蔵所103に吸入可能な組成物を充填する前に、貯蔵所103内の残余ガスをあらかじめ排出することができる。
【0033】
さらに、一実施例によるインヘイラー10は、ユーザが貯蔵所103内に貯蔵された組成物の残量をハウジング101に設けられた顕示窓(図示せず)を通じて視覚的に確認することができる。また、一実施例によるインヘイラー10には、貯蔵所103の充填時にキャニスタ200の上下運動に連携して充填回数をカウントするカウンタ(図示せず)およびキャニスタ200内の組成物の残量を表示する表示窓(図示せず)が備えられてもよい。貯蔵所103内に貯蔵された組成物は、ユーザがマウスピース102に吸入力を加えることでエアロゾル状態で噴射されるが、このときに吸入力によって貯蔵所103を開閉するインヘイル連動バルブ105が作動し、インヘイル連動バルブ105の開閉動作は、ピストン106によって制御されてもよい。
【0034】
前述のように一実施例によるインヘイラー10は、キャニスタ200が交換可能に取り付けられ、キャニスタ200内の吸入可能な組成物を使い切ると、ユーザが既存のキャニスタ200を新しいキャニスタ200に入れ替ることができる。そのためにキャニスタ200のカバー500を開放する必要があり、貯蔵所103に吸入可能な組成物が残っている状態でカバー500が開放される場合、キャニスタ200の噴射口220から組成物が噴射されながらキャニスタ200を強い力で押し出すことがある。このとき、キャニスタ200が飛び出してくる問題とともに、組成物がユーザの手を濡らす問題が発生することがある。このような問題を解決するために、一実施例によるインヘイラー10は、二重ロック装置としてカバーロック600が適用される。
【0035】
図3を参照して、一実施例によるインヘイラー10のカバーロック600は、ハウジング101の第2面に位置してもよい。カバーロック600は、スライド移動可能に設けられ、ユーザによって図3(a)または図3(b)に示された位置に移動されてもよい。
【0036】
例えば、図3(a)は、第1位置に位置するカバーロック600を示し、第1位置でカバーロック600は、カバー500が開放されないようにカバー500の回転を拘束してもよい。図3(b)は、第2位置に移動されるカバーロック600を示し、第2位置でカバーロック600は、カバー500が開放されるようにカバー500の回転を許容してもよい。カバー500が開放されると、ユーザはインヘイラー10のハウジング101からキャニスタ200を取り外すことができる。
【0037】
図4および図5を参照して、カバー500は、一側はハウジング101に回転可能に結合され、他側はキャニスタ200の底面と対応する位置でハウジング101に脱着可能に結合されてもよい。このようなカバー500は、他側がハウジング101から結合解除され、一側が回転してキャニスタ200の底面を外部に露出させることができる。カバー500の一側は、前述のようにカバーロック600によって回転が制御されてもよい。
【0038】
また、カバーロック600は、カバー500の回転を許容する前にリリーフ弁700を先に開放させてもよい。
【0039】
図4および図5をさらに参照して、一実施例によるインヘイラー10のリリーフ弁700は、キャニスタ200の一側と離隔配置されて貯蔵所103に設置されてもよい。このようなリリーフ弁700は、貯蔵所103が外部と連通され、または外部から遮断されるように開放または閉鎖作動する。
【0040】
例えば、リリーフ弁700は、カバーロック600が第2位置にあるときに上昇するリリーフバー800によって開放されてもよい。
【0041】
具体的に、一実施例によるインヘイラー10は、一端がリリーフ弁700と結合され、他端がカバーロック600に向かって延長されるリリーフバー800をさらに含んでもよい。リリーフバー800は、カバー500およびカバーロック600の間に位置してもよい。
【0042】
このようなリリーフバー800は、第2方向に移動しながらリリーフ弁700を開放し、元の位置に戻りながらリリーフ弁700を閉鎖してもよい。
【0043】
リリーフバー800の移動は、カバーロック600によって制御されてもよい。
【0044】
図4に示されたように、カバーロック600が第1位置にあるときにリリーフバー800は上昇せず、リリーフ弁700は、閉鎖された状態を維持する。一方、図5に示されたように、カバーロック600が第2位置にあるときにリリーフバー800はカバーロック600によって上昇して、リリーフ弁700が開放される。
【0045】
一実施例によるインヘイラー10のカバーロック600は、第1ロック部材610および第2ロック部材620を含んでもよい。
【0046】
第1ロック部材610は、ハウジング101の第2面上でスライド移動してもよい。
【0047】
第2ロック部材620は、第1ロック部材610からハウジング101の第1面に向かって延長されてもよい。第2ロック部材620は、第1ロック部材610が第1位置から第2位置に移動すると、リリーフバー800の他端をハウジング101の第1面に向かって押し上げてもよい。
【0048】
具体的に、第2ロック部材620の一端は、前記第1ロック部材610に固定されており、第2ロック部材620の他端はハウジング101の第1面に向かって延長されている。このような第2ロック部材620の他端には、リリーフバー800に向かって高さが減少する形態の傾斜面6201が形成されてもよい。
【0049】
第1ロック部材610が第1位置から第2位置に移動すると、傾斜面6201は、リリーフバー800の他端をハウジング101の第1面に向かって漸進的に移動させる。このようにリリーフバー800がハウジング101の第1面に向かって上昇すると、リリーフ弁700が開放される。また、第1ロック部材610が第2位置から第1位置に移動すると、傾斜面6201を含む第2ロック部材620が元の位置に戻りながら、リリーフバー800はハウジング101の第2面に向かって下降するようになり、リリーフ弁700が閉鎖される。
【0050】
結局、第1ロック部材610が第1位置から第2位置に移動すると、リリーフ弁700が開放されながら貯蔵所103内の組成物の残余物が排出され、キャニスタ200もハウジング101から取り外される。また、第1ロック部材610が再び第1位置に移動すると、リリーフ弁700が閉鎖される。
【0051】
一方、第1ロック部材610が第1位置にあるとき、第2ロック部材620はレバー300の作動を制限しないが、第1ロック部材610が第2位置にあるときは、第2ロック部材620がレバー300の作動を制限する。
【0052】
レバー300は、支持部材310および突起部材320を含んでもよい。
【0053】
支持部材310は、キャニスタ200に向かって延長されてもよい。
【0054】
突起部材320は、支持部材310に備えられた回転軸を中心に回転可能に結合されてもよい。突起部材320は、一側に前記回転軸から放射方向に突出した端部が形成されてもよい。突起部材320の端部は、ハウジング101の第1面に向かって起立した状態で配置されてもよい。
【0055】
このような突起部材320およびハウジング101の第2面の間には、リリーフバー800の他端が位置してもよい。また、突起部材320は、回転軸を中心に端部がキャニスタ200から離れる方向に傾いていてもよい。
【0056】
レバー300が第1方向に加圧されるときに、支持部材310は、突起部材320の回転を制限してもよい。すなわち、突起部材320は、端部がハウジング101の第1面に向かって起立した状態でキャニスタ200から離れる方向への回転が拘束されてもよい。
【0057】
したがって、レバー300が加圧されるとき、突起部材320も第1方向に移動しながら第1位置に到達するが、この場合、突起部材320は、リリーフバー800と接触しながら回転されず、リリーフバー800を第2方向に押し上げることができる。
【0058】
前述のように、リリーフ弁700の開放または閉鎖動作は、レバー300によって制御されてもよい。例えば、レバー300がユーザにより加圧されると、レバー300は、リリーフ弁700が先に開放された後にキャニスタ200が開放されるように制御することができる。
【0059】
このように一実施例によるインヘイラー10は、レバー300と連動されるリリーフ弁700が適用されて、貯蔵所103内の残余ガスを排出してキャニスタ200から貯蔵所103に吸入可能な組成物をスムースに充填することができる。
【0060】
ただし、このようなリリーフ弁700に対するレバー300の作用は、前述のようにカバーロック600の第1ロック部材610が第1位置にあるときに許容される。
【0061】
図5を参照して、カバーロック600の第1ロック部材610が第2位置にあるとき、第2ロック部材620は、レバー300が第1方向に移動する経路を邪魔することができる。例えば、第1ロック部材610が第2位置にあるとき、第2ロック部材620は、突起部材320に隣接して移動して突起部材320の移動経路を遮断することができる。同時に第2ロック部材620は、リリーフバー800を上昇させ、レバー300がリリーフバー800を上昇させてリリーフ弁700を開放した後、キャニスタ200を上昇させて噴射口220を開放する動作を行わなくても、カバーロック600がリリーフ弁700のみを開放して貯蔵所103内の残余物を排出することができる。
【0062】
前述のように、一実施例によるインヘイラー10は、二重ロック装置としてカバーロック600を適用してキャニスタカバー500が容易に開かれて内部に取り付けられたキャニスタ200が外部に飛び出してきたり、組成物がユーザの手を濡らしたりする問題を除去することができる。また、一実施例によるインヘイラー10は、キャニスタ200の交換時にリリーフ弁700を作動して貯蔵所103内部の媒質の残余物を排出することができる。
【0063】
また、一実施例によるインヘイラー10は、カバーロック600が第1位置にあると、カバー500が開放されず充填レバー300が正常に作動し、カバーロック600が第2位置にあると、カバー500のみ開放され、充填レバー300は第2ロック部材620に引っ掛かって作動しない。また、第1ロック部材610を第2位置に移動させると、第2ロック部材620から延長された傾斜面6201がリリーフバー800を押し上げてリリーフ弁700を開放して、貯蔵所内の残余物を排出させる。
【0064】
以上のように本発明の実施例では、具体的な構成要素などのような特定事項と、限定された実施例および図面によって説明されたが、これは本発明のより全般的な理解のために提供されたものに過ぎず、本発明は前記の実施例に限定されるものではなく、本発明が属する分野における通常の知識を有する者であれば、このような記載から様々な修正および変形が可能である。例えば、説明された技術が説明された方法と異なる手順で行われ、および/または説明された構造、装置などの構成要素が説明された方法と異なる形態で結合または組合され、他の構成要素または均等物によって交換または置き換えられても、適切な結果が達成されることができる。よって、本発明の思想は、説明された実施例に限定されるものではなく、後述する特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲と均等または等価的な変形があるすべてのものは、本発明の思想に属するとするみなす。
図1
図2
図3(a)】
図3(b)】
図4
図5